JP6749786B2 - 水硬性組成物用混和剤 - Google Patents
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Description
水硬性組成物用の分散剤としては、従来、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物等のナフタレン系分散剤、カルボン酸とアルキレングリコール鎖を有する単量体との共重合体等のポリカルボン酸系分散剤、メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物等のメラミン系分散剤等が知られている。
特許文献1には、特定のビニル高分子エマルジョンと特定の水溶性ビニル共重合体との水性混合物であって、液性がpH4〜8を示し且つ粘度がセメントの水和反応によって生成する塩基性水酸化物に起因するpH9以上の領域において2倍以上になる水性混合物から成ることを特徴とする高性能減水剤組成物が開示されている。
特許文献2には、オキシアルキレン基を有する特定の単量体(a1)とカルボキシル基を有する特定の単量体(a2)を含有する単量体組成物を共重合して得られる重量平均分子量10,000〜500,000の共重合体(1)と、少なくともカルボキシル基を有する重合性単量体(b1)と(メタ)アクリル酸エステルと(b2)を含有する単量体組成物を共重合して得られる重量平均分子量100,000〜10,000,000の共重合体(2)(但し、共重合体(2)の重量平均分子量は共重合体(1)の重量平均分子量よりも大きい。)とを、共重合体(1)99重量%〜50重量%、共重合体(2)1重量%〜50重量%で含有するセメント混和液剤が開示されている。
特許文献3には、アクリル酸メチルとその他の(メタ)アクリル酸アルキルエステルとからなる少なくとも2種類以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体を主成分とし、かつ該アクリル酸メチルの量が、その他の(メタ)アクリル酸アルキルエステルの量と等量以上である単量体成分を重合して得られる共重合体からなるセメント添加剤を含有してなるセメント混和剤が開示されている。特許文献3には、このセメント混和剤が、更に、セメント減水剤を含有することが開示されている。
本発明は、水硬性組成物に優れた流動性と材料分離抵抗性を付与でき、且つより優れた貯蔵安定性を有する1剤型の水硬性組成物用混和剤を提供する。
(A)成分:アルカリ増粘型ポリマー
(B)成分:下記一般式(1b)で示される単量体(1b)と下記一般式(2b)で示される単量体(2b)とを構成単量体として含み、構成単量体中の単量体(1b)と単量体(2b)の合計量が90質量%以上100質量%以下である共重合体
R1b、R2b:同一でも異なっていても良く、水素原子又はメチル基
R3b:水素原子又は−COO(AO)n1X1
X1:水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基
AO:エチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基から選ばれる基
n1:AOの平均付加モル数であり、100以上300以下の数
q:0以上2以下の数
を示す。〕
R4b、R5b、R6b:同一でも異なっていても良く、水素原子、メチル基又は(CH2)rCOOM2であり、(CH2)rCOOM2は、COOM1又は他の(CH2)rCOOM2と無水物を形成していてもよく、その場合、それらの基のM1、M2は存在しない。
M1、M2:同一でも異なっていても良く、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属(1/2原子)、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基、置換アルキルアンモニウム基、アルキル基、ヒドロアルキル基又はアルケニル基
r:0以上2以下の数
を示す。〕
<(A)成分>
アルカリ増粘型ポリマーとは、このポリマーが、アルカリ、例えば、セメントのアルカリに接触すると中和され、水に可溶性となって、該ポリマーと水とを含む混合物の粘性を上昇させる性質を有することをいう。例えば、アルカリ増粘型ポリマーは、該ポリマーと水とを含む混合物がpH9未満の混合物が、pH9以上で増粘するポリマーであってよい。ポリマーがアルカリ増粘型であるかどうかは、例えば、当該ポリマーと水とを含有する混合物のpH12.5での粘度が、pH9未満での粘度の2倍以上であることで確認できる。混合物におけるポリマーと水の割合は任意であり、pH及び粘度の測定温度は20℃を選択できる。混合物は、水溶液、エマルジョン、スラリーが挙げられる。なお、粘度の測定方法としては、実施例に記載の方法が挙げられる。
不飽和カルボン酸(1a1)としては、
アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、アコニット酸、及びクロトン酸等の不飽和カルボン酸、
無水マレイン酸、無水シトラコン酸等の不飽和カルボン酸無水物、及び
イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノブチル、マレイン酸モノエチル等の不飽和カルボン半エステル、
などが挙げられる。
ビニルスルホン酸、メタリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等の不飽和スルホン酸、
リン酸−2−((メタ)アクリロイルオキシ)エチル、リン酸水素ビス[2−((メタ)アクリロイルオキシ)エチル]等の不飽和リン酸、
ビニルフェノール等の不飽和フェノール、
などが挙げられる。
なお、エチレン性不飽和化合物(2a)からは、酸性基を含む化合物は除かれる。従って、酸性基を含む不飽和化合物(1a)は、エチレン性不飽和化合物(2a)には該当しない。
(A)成分が、不飽和カルボン酸(1a1)とエチレン性不飽和化合物(2a)の共重合体である場合、不飽和カルボン酸/エチレン性不飽和化合物の質量比は、良好なアルカリ増粘性が得られる観点から、好ましくは0.05以上、より好ましくは0.2以上、更により好ましくは0.4以上、そして、好ましくは20以下、より好ましくは5以下、さらにより好ましくは2.5以下である。この共重合体は、構成単量体中の不飽和カルボン酸とエチレン性不飽和化合物の合計量が、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、そして、好ましくは100質量%以下であり、100質量%であってもよい。
不飽和カルボン酸とエチレン性不飽和化合物の重合方法としては、乳化重合、懸濁重合、溶液重合、又は塊状重合等の方法が挙げられる。
共重合体(A)においても、単量体(2a’)は、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル及びメタクリル酸エチルから選ばれる1種以上の単量体が好ましい。
共重合体(A)は、水硬性組成物の材料分離抵抗性と混和剤の貯蔵安定性の観点から、単量体(1a’)と単量体(2a’)の合計中、単量体(1a’)の割合が、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上、更に好ましくは35質量%以上、そして、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下、更に好ましくは55質量%以下、より好ましくは50質量%以下、より更に好ましくは47質量%以下、より更に好ましくは42質量%以下である。
また、共重合体(A)は、構成単量体中の単量体(1a’)と単量体(2a’)の合計量が好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上、より更に好ましくは85質量%以上、より更に好ましくは90質量%以上、より更に好ましくは95質量%以上、そして、好ましくは100質量%以下であり、100質量%であってもよい。
*GPC条件
装置:GPC(HLC−8320GPC)東ソー株式会社製
カラム:TsKgelα―M+TsKgelα―M(東ソー株式会社製)
溶離液:60mmol/Lリン酸、50mmol/L LiBr―DMF
流量:1.0mL/min
カラム温度:40℃
検出:RI
サンプルサイズ:1mg/mL
標準物質:ポリスチレン換算(分子量既知の単分散ポリスチレン、分子量:590、3600、30000、96400、929000、8420000)
(B)成分は、一般式(1b)で示される単量体(1b)と前記一般式(2b)で示される単量体(2b)とを構成単量体として含む。
一般式(1b)中、R1bは、水素原子が好ましい。
一般式(1b)中、R2bは、メチル基が好ましい。
一般式(1b)中、R3bは、水素原子が好ましい。
一般式(1b)中、X1は、水素原子又はメチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
一般式(1b)中、AOは、エチレンオキシ基が好ましい。AOはエチレンオキシ基を含むことが好ましい。
一般式(1b)中、n1は、AOの平均付加モル数であり、混和剤の貯蔵安定性の観点から、100以上、好ましくは110以上、そして、300以下、好ましくは250以下、より好ましくは200以下、更に好ましくは150以下の数である。
一般式(1b)中、qは、0が好ましい。
一般式(2b)中、R5bは、メチル基が好ましい。
一般式(2b)中、R6bは、水素原子が好ましい。
(CH2)rCOOM2については、COOM1又は他の(CH2)rCOOM2と無水物を形成していてもよく、その場合、それらの基のM1、M2は存在しない。
M1とM2は同一でも異なっていても良く、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属(1/2原子)、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基、置換アルキルアンモニウム基、アルキル基、ヒドロアルキル基又はアルケニル基である。
M1、M2のアルキル基、ヒドロアルキル基、及びアルケニル基は、それぞれ、炭素数1以上4以下が好ましい。
M1とM2は、同一でも異なっていても良く、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属(1/2原子)、アンモニウム基、又はアルキルアンモニウム基が好ましく、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属(1/2原子)、又はアンモニウム基がより好ましく、水素原子、アルカリ金属、又はアルカリ土類金属(1/2原子)が更に好ましく、水素原子、又はアルカリ金属がより更に好ましい。
一般式(2b)中の(CH2)rCOOM2のrは、1が好ましい。
*GPC条件
装置:GPC(HLC−8320GPC)東ソー株式会社製
カラム:G4000PWXL+G2500PWXL(東ソー株式会社製)
溶離液:0.2Mリン酸バッファー/CH3CN=9/1
流量:1.0mL/min
カラム温度:40℃
検出:RI
サンプルサイズ:0.2mg/mL
標準物質:ポリエチレングリコール換算(分子量既知の単分散ポリエチレングリコール、分子量87500、250000、145000、46000、24000)
本発明の水硬性組成物用混和剤は水硬性組成物の材料分離抵抗性と流動性の観点から、(A)成分を、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1.0質量%以上、更に好ましくは1.5質量%以上、そして、好ましくは10.0質量%以下、より好ましくは8.0質量%以下、更に好ましくは5.0質量%以下、含有する。
本発明は、上記本発明の水硬性組成物用混和剤、水硬性粉体、及び水を含む水硬性組成物に関する。すなわち、本発明は、上記(A)成分、(B)成分、水硬性粉体、及び水を含む水硬性組成物に関する。
本発明の水硬性組成物に用いる水硬性組成物用混和剤の具体例及び各成分の好ましい例などは、本発明の水硬性組成物用混和剤と同じである。
また、水硬性粉体は水硬性のない粉体を含んでも良い。水硬性のない粉体としては、例えば、炭酸カルシウム、二水石膏等が挙げられる。入手性の観点から炭酸カルシウムが好ましい。水硬性組成物において、水硬性のない粉体の量は、水硬性組成物の作業性と硬化物性の観点から、好ましくは0kg/m3以上、より好ましくは40kg/m3以上、さらに好ましくは80kg/m3以上、そして、好ましくは600kg/m3以下、より好ましくは500kg/m3以下、さらに好ましくは400kg/m3以下である。
製造例A1(共重合体A−1の製造)
攪拌機付きガラス製反応容器(四つ口フラスコ)に花王(株)製界面活性剤エマール20C 2g、水200gを投入し、撹拌しながら窒素置換をし、窒素雰囲気中で70℃まで昇温した。系内が70℃に達してから、過硫酸アンモニウム0.61g,イオン交換水5gから成る水溶液を加えた。一方、滴下ロートに、単量体としてアクリル酸40g、アクリル酸エチル30g、メタクリル酸エチル30gを仕込み、上記反応容器に3時間かけて一定速度で滴下した。滴下終了後、75℃まで昇温し、更に3時間かけて熟成を行った。熟成終了後に40℃以下に冷却し、重量平均分子量1,650,000の共重合体(A−1)を得た。その後、水を用いて固形分30質量%に調整し、共重合体A−1を含有する水性エマルジョンを得た。
固形分1.0質量%の共重合体A−1の水性エマルジョンがpH2.7、粘度4.5mPa・sを与えたのに対し、10質量%水酸化ナトリウム水溶液によりpH12.5、固形分1.0質量%に調整した共重合体A−1の水性エマルジョンは粘度175.0mPa・sを与えたことから、共重合体A−1はアルカリ増粘型ポリマーであると判断した。pHと粘度は何れも20℃での値である(以下の製造例でも同様)。粘度はB型粘度計(BM型VISCOMETER:TOKIMEC INC.製、測定条件:ローターNo.2、60rpm)で測定した。pHはpH計(HM−30S:東亜ディーケーケー社製)で測定した。
単量体をアクリル酸50gとアクリル酸エチル50gとした以外は製造例A1と同様に共重合体を製造し、水を用いて固形分30質量%に調整し、共重合体A−2を含有する水性エマルジョンを得た。共重合体A−2の重量平均分子量は2,060,000であった。
固形分1.0質量%の共重合体A−2の水性エマルジョンがpH2.7、粘度4.5mPa・sを与えたのに対し、10質量%水酸化ナトリウム水溶液によりpH12.5、固形分1.0質量%に調整した共重合体A−2の水性エマルジョンは粘度165.0mPa・sを与えたことから、共重合体A−2はアルカリ増粘型ポリマーであると判断した。
単量体をアクリル酸50gとメタクリル酸エチル50gとした以外は製造例A1と同様に共重合体を製造し、水を用いて固形分30質量%に調整し、共重合体A−3を含有する水性エマルジョンを得た。共重合体A−3の重量平均分子量は1,450,000であった。
固形分1.0質量%の共重合体A−3の水性エマルジョンがpH2.7、粘度(20℃)4.5mPa・sを与えたのに対し、10質量%水酸化ナトリウム水溶液によりpH12.5、固形分1.0質量%に調整した共重合体A−3の水性エマルジョンは粘度(20℃)150.0mPa・sを与えたことから、共重合体A−3はアルカリ増粘型ポリマーであると判断した。
単量体をメタクリル酸50gとアクリル酸エチル50gとした以外は製造例A1と同様に共重合体を製造し、水を用いて固形分30質量%に調整し、共重合体A−4を含有する水性エマルジョンを得た。共重合体A−4の重量平均分子量は1,600,000であった。
固形分1.0質量%の共重合体A−4の水性エマルジョンがpH2.7、粘度4.5mPa・sを与えたのに対し、10質量%水酸化ナトリウム水溶液によりpH12.5、固形分1.0質量%に調整した共重合体A−4の水性エマルジョンは粘度165.0mPa・sを与えたことから、共重合体A−4はアルカリ増粘型ポリマーであると判断した。
単量体をメタクリル酸50gとメタクリル酸エチル50gとした以外は製造例A1と同様に共重合体を製造し、水を用いて固形分30質量%に調整し、共重合体A−5を含有する水性エマルジョンを得た。共重合体A−5の重量平均分子量は1,950,000であった。
固形分1.0質量%の共重合体A−5の水性エマルジョンがpH2.7、粘度4.5mPa・sを与えたのに対し、10質量%水酸化ナトリウム水溶液によりpH12.5、固形分1.0質量%に調整した共重合体A−5の水性エマルジョンは粘度155.0mPa・sを与えたことから、共重合体A−5はアルカリ増粘型ポリマーであると判断した。
単量体をメタクリル酸45gとアクリル酸エチル50gとステアロキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(エチレンオキシド平均付加モル数30)5gとした以外は製造例A1と同様に共重合体を製造し、水を用いて固形分30質量%に調整し、共重合体A−6を含有する水性エマルジョンを得た。共重合体A−6の重量平均分子量は2,160,000であった。
固形分1.0質量%の共重合体A−6の水性エマルジョンがpH2.7、粘度4.5mPa・sを与えたのに対し、10質量%水酸化ナトリウム水溶液によりpH12.5、固形分1.0質量%に調整した共重合体A−6の水性エマルジョンは粘度155.0mPa・sを与えたことから、共重合体A−6はアルカリ増粘型ポリマーであると判断した。
製造例B1(共重合体B−1の製造)
攪拌機付きガラス製反応容器(四つ口フラスコ)に水114gを仕込み、撹拌しながら窒素置換をし、窒素雰囲気中で80℃まで昇温した。60質量%のω−メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル数120:エステル純度100質量%)水溶液279g、メタクリル酸(試薬:和光純薬工業株式会社製)24.1g、及び3−メルカプトプロピオン酸1.2gを混合溶解した水溶液と、過硫酸アンモニウム1.9gを水45gに溶解した水溶液の2者を、それぞれ1.5時間かけて上記反応容器中に滴下した。その後、80℃で1時間熟成し、更に過硫酸アンモニウム0.8gを水15gに溶解した水溶液を30分かけて滴下し、引き続き80℃で1.5時間熟成した。熟成終了後に40℃以下に冷却し、重量平均分子量41,700の共重合体(B−1)を得た。ω−メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(エチレンオキサイドの平均付加モル数120)/メタクリル酸の質量比は、87.4/12.6〔10/90(モル比)〕であった。その後、水を用いて固形分40質量%に調整し、B−1の40質量%水溶液を得た。共重合体B−1はアルカリ増粘型ではなかった。
製造例B1において、60質量%のω−メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート水溶液を300g、メタクリル酸を11.5g用い、他は製造例B1と同様に共重合体を製造した。ω−メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(エチレンオキサイドの平均付加モル数120)/メタクリル酸の質量比は94.0/6.0〔20/80(モル比)〕であった。熟成及び冷却終了後、水を用いて固形分40質量%に調整し、共重合体B−2を含有する水溶液を得た。共重合体B−2の重量平均分子量は55,000であった。共重合体B−2はアルカリ増粘型ではなかった。
単量体としてω−メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(エチレンオキサイドの平均付加モル数23)とメタクリル酸とを、82.7/17.3の質量比〔27/73(モル比)〕で用いた以外は製造例B1と同様に共重合体を製造した。熟成及び冷却終了後、水を用いて固形分40質量%に調整し、共重合体B’−1を含有する水溶液を得た。共重合体B’−1の重量平均分子量は51,800であった。
・メタクリル酸(メトキシポリエチレングリコール23mol)エステル:ω−メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(エチレンオキシド平均付加モル数23)〔便宜的に一般式(1b)の構造で表すと、一般式(1b)中、R1bが水素原子、R2bがメチル基、R3bが水素原子、X1がメチル基、AOがエチレンオキシ基、n1が23、qが0の化合物〕
・B’−2:ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物は、花王株式会社製、マイテイ150を用いた。
(A)成分と(B)成分と水とを表3に示す割合で混合し、水酸化ナトリウムでpHを5.5に調整して1液型の水硬性組成物用混和剤を得た。混合の際、(A)成分は、固形分濃度が30質量%の水性エマルジョンを用いた。また、混合の際、(B)成分は、固形分濃度が40質量%の水溶液を用いた。
得られた水硬性組成物用混和剤を、300gの容器に入れて、40℃で所定期間保管した後、それぞれの外観を目視にて観察した。外観は、以下の基準で評価した。結果を表3に示す。表3中、総合評価の値は、各評価を以下のように数値化し、各期間の評価結果を合計したものであり、値が大きいほど評価が高いことを意味する。
○:均一溶液(2点)
△:底にかすかに沈殿析出(1点)
×:沈殿析出(0点)
表3の水硬性組成物用混和剤の一部を用いて、表4の配合のコンクリートに対する流動性と材料分離抵抗性を評価した。水硬性組成物用混和剤は、調製後、40℃で3日保管したものを用いた。比較例1−1の水硬性組成物用混和剤は沈殿が生じたため、撹拌して均一に混合したものを用いた。結果を表5に示す。
下記の成分を表4の量で用いてコンクリートを調製した。
・水:水道水
・セメント:普通ポルトランドセメント、密度3.16g/cm3(太平洋セメント株式会社製普通ポルトランドセメントと住友大阪セメント株式会社普通ポルトランドセメントの1:1(質量比)混合物)
・炭酸カルシウム:ネオフロー150、清水工業株式会社製、密度2.71g/cm3
・砂:城陽砂、密度2.54g/cm3
・砂利:家島産砕石、密度2.63g/cm3
表4に示した配合で、コンクリートを製造した。砂利を強制二軸ミキサーに投入後、砂、セメント、炭酸カルシウムを投入し撹拌を開始した。水硬性組成物用混和剤と水道水とを混合した練り水をミキサーの撹拌開始と同時に投入した。開始から120秒後にミキサーからコンクリートを排出した。なお、水硬性組成物用混和剤は粉体量に対して0.8質量%添加した。粉体量は、セメントと炭酸カルシウムの合計量である。
JIS A 1150によって、コンクリートのスランプフロー値を測定した。
ミキサーから排出された直後のコンクリートについて、目視(肉眼)による評価を行った。評価基準は下記の通りである。
○:骨材分離及び水の分離なし
×:骨材分離及び水の分離あり
Claims (12)
- 次の(A)成分と(B)成分とを含有する水硬性組成物用混和剤。
(A)成分:アルカリ増粘型ポリマー
(B)成分:下記一般式(1b)で示される単量体(1b)と下記一般式(2b)で示される単量体(2b)とを構成単量体として含み、構成単量体中の単量体(1b)と単量体(2b)の合計量が90質量%以上100質量%以下である共重合体
〔式中、
R1b、R2b:同一でも異なっていても良く、水素原子又はメチル基
R3b:水素原子又は−COO(AO)n1X1
X1:水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基
AO:エチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基から選ばれる基
n1:AOの平均付加モル数であり、110以上300以下の数
q:0以上2以下の数
を示す。〕
〔式中、
R4b、R5b、R6b:同一でも異なっていても良く、水素原子、メチル基又は(CH2)rCOOM2であり、(CH2)rCOOM2は、COOM1又は他の(CH2)rCOOM2と無水物を形成していてもよく、その場合、それらの基のM1、M2は存在しない。
M1、M2:同一でも異なっていても良く、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属(1/2原子)、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基、置換アルキルアンモニウム基、アルキル基、ヒドロアルキル基又はアルケニル基
r:0以上2以下の数
を示す。〕 - (A)成分の重量平均分子量が100,000以上10,000,000以下である、請求項1に記載の水硬性組成物用混和剤。
- (B)成分の重量平均分子量が20,000以上100,000以下である、請求項1又は2に記載の水硬性組成物用混和剤。
- (B)成分の単量体(1b)と単量体(2b)の合計に対する単量体(2b)の割合が2質量%以上50質量%以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の水硬性組成物用混和剤。
- (A)成分が、酸性基を含む不飽和化合物(1a)とエチレン性不飽和化合物(2a)とを構成単量体として含む共重合体である、請求項1〜4のいずれかに記載の水硬性組成物用混和剤。
- (A)成分が、不飽和カルボン酸(1a1)と、エチレン性不飽和化合物(2a)とを構成単量体として含む共重合体である、請求項1〜5のいずれかに記載の水硬性組成物用混和剤。
- (A)成分が、アクリル酸及びメタクリル酸から選ばれる単量体(1a’)と、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルから選ばれる単量体(2a’)とを構成単量体として含む共重合体である、請求項1〜6のいずれかに記載の水硬性組成物用混和剤。
- 単量体(2a’)が、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル及びメタクリル酸エチルからなる群から選ばれる1種以上の単量体である、請求項7に記載の水硬性組成物用混和剤。
- 水を含有する、請求項1〜8のいずれかに記載の水硬性組成物用混和剤。
- 請求項1〜9いずれかに記載の水硬性組成物用混和剤、水硬性粉体、及び水を含有する水硬性組成物。
- 次の(A)成分と(B)成分とを含有する混合物の、水硬性組成物用混和剤としての使用。
(A)成分:アルカリ増粘型ポリマー
(B)成分:下記一般式(1b)で示される単量体(1b)と下記一般式(2b)で示される単量体(2b)とを構成単量体として含み、構成単量体中の単量体(1b)と単量体(2b)の合計量が90質量%以上100質量%以下である共重合体
〔式中、
R1b、R2b:同一でも異なっていても良く、水素原子又はメチル基
R3b:水素原子又は−COO(AO)n1X1
X1:水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基
AO:エチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基から選ばれる基
n1:AOの平均付加モル数であり、110以上300以下の数
q:0以上2以下の数
を示す。〕
〔式中、
R4b、R5b、R6b:同一でも異なっていても良く、水素原子、メチル基又は(CH2)rCOOM2であり、(CH2)rCOOM2は、COOM1又は他の(CH2)rCOOM2と無水物を形成していてもよく、その場合、それらの基のM1、M2は存在しない。
M1、M2:同一でも異なっていても良く、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属(1/2原子)、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基、置換アルキルアンモニウム基、アルキル基、ヒドロアルキル基又はアルケニル基
r:0以上2以下の数
を示す。〕 - (A)成分が、酸性基を含む不飽和化合物とエチレン性不飽和化合物とを構成単量体として含む共重合体である、請求項11に記載の使用。
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