本発明をその実施の形態を示す図面を参照して具体的に説明する。
図1は、本実施形態に係る監視システム100の概要を示す図である。監視システム100は、監視対象のシステム又は装置の情報を収集するサーバ装置2(情報処理装置)と、収集された情報を取得するクライアント装置3(通信端末装置)とを含む。サーバ装置2はWebサーバ機能を含み、各装置について得られる情報を、クライアント装置3からのアクセスに応じて提示する。
監視システム100の監視対象は、メガソーラー発電システムS及び火力発電システムF夫々に含まれている蓄電システム101である。蓄電システム101は、発電システムS,Fで得られる電力を蓄電する蓄電モジュール群Lと、発電システムS,Fで得られる電力を適切に変換し、蓄電モジュール群L又は電力供給先へ出力するパワーコンディショナ(PCS:Power Conditioning System )Pとを含む。監視システム100は、蓄電システム101に含まれる蓄電モジュール群L、及びパワーコンディショナPの状態について詳細な情報を取得して提示させる。
蓄電モジュール群Lは、発電システムS,FではコンテナCに収容されている。コンテナCでは、複数のリチウムイオン電池のセルを含んだ蓄電モジュールが複数取り付けられたラックが複数収容されている。監視システム100の監視対象は、無停電電源装置(UPS:Uninterruptible Power Supply)U、鉄道用の安定化電源システム等に配設されている整流器(直流電源装置、又は交流電源装置)D等の装置も含む。
監視システム100では、サーバ装置2が情報を収集するために、又はクライアント装置3が情報を取得するために、各装置に通信デバイス1が搭載/接続されている。図2は、通信デバイス1の搭載例を示す模式図である。通信デバイス1は、蓄電素子に備えられる電池管理装置(BMU:Battery Management Unit )と通信して蓄電素子の情報を受信する端末装置(計測モニタ)であってもよいし、電源関連装置に接続可能なネットワークカード型のデバイスであってもよい。通信デバイス1は、無停電電源装置U、及び、安定化電源システムに含まれる直流電源装置又は交流電源装置である整流器Dの制御ユニットにも搭載/接続されている。蓄電システム101では、通信デバイス1は蓄電モジュール群Lの情報を取得すべく、複数の蓄電モジュールをまとめたグループ毎に1つずつに設けられている。パワーコンディショナPは複数台でシリアル通信が可能に接続されており、通信デバイス1は、いずれか代表となるパワーコンディショナPの制御ユニットに搭載/接続されている。
蓄電モジュール群Lに設けられている通信デバイス1について詳細に説明する。図3は、通信デバイス1の蓄電モジュール群への接続形態の一例を示す図である。蓄電モジュール群Lはシリアル通信が可能に接続されており、通信デバイス1は、いずれか代表となる蓄電モジュールに搭載された管理装置Mに接続されて各蓄電モジュールの情報を取得する。図3に示すように、蓄電モジュール群Lは、蓄電モジュールを複数直列に連結させたバンクと、バンクを複数並列に接続させたドメインとで構成されている。管理装置Mは、番号(#)1からNのバンク夫々、バンクを並列に接続したドメインの階層に各1つずつ設けられている。バンク毎に設けられている管理装置Mは、蓄電モジュールの内部に夫々内蔵されている通信機能付きの制御基板(CMU:Cell Monitoring Unit)とシリアル通信によって通信し、蓄電モジュール及び各モジュールが収容するセルの状態(電流、電圧、温度)の取得、各々の状態に応じたバンク毎の出力バランスの調整、通信状態の異常の検知処理等の管理処理を実行する。バンクの管理装置Mは夫々、ドメイン単位で設けられている管理装置Mへ各々のバンクの蓄電モジュールの情報を送信する。ドメインの管理装置Mは、そのドメインに所属するバンクの管理装置Mから送信される情報を集約する。通信デバイス1は、ドメイン毎の管理装置Mからそれらの情報を収集し、サーバ装置2又はクライアント装置3へ直接的に提供することが可能である。
このように監視システム100では、各装置に搭載させた通信デバイス1を利用し、蓄電システム101におけるSOC、SOH(State Of Health )等の状態、検知された異常といった情報を、サーバ装置2が収集し、収集されたデータが一括で提示される。監視システム100は、一括提示と共に、各通信デバイス1への直接的な通信をも可能として各装置における最新の情報を個別にクライアント装置3から取得させることも可能とする。個別に取得される情報は、共通部分を含みつつも装置の種別に応じて異なる態様で表示される。
図4は、監視システム100の構成を示すブロック図である。通信デバイス1は、制御部10、記憶部11、第1通信部12及び第2通信部13を備える。制御部10はCPU(Central Processing Unit )を用いたプロセッサであり、内蔵するROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等のメモリを用い、各構成部を制御して処理を実行する。
記憶部11は、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリを用いる。記憶部11には、制御部10が読み出して実行するデバイスプログラム1Pが記憶されている。デバイスプログラム1Pには、Linux (登録商標)等を用いた組み込み系OS(Operating System)、OS上で動作するWebサーバ、SSH(Secure Shell)、SNMP(Simple Network Management Protocol)等に準じた通信用プログラムが含まれる。デバイスプログラム1Pにはメーラプログラムが含まれてもよく、異常が発生した場合に、予め設定されてあるメールアドレスへ向けて電子メールが自動的に送信されるようにしてもよい。これらのプログラムは、制御部10内蔵のメモリ(ROM)に記憶されていてもよい。記憶部11には、制御部10の処理によって収集された情報、イベントログ等の情報が記憶される。記憶部11に記憶された情報は、通信デバイス1の筐体に端子が露出するUSB等の通信インタフェースを介して読み出すことも可能である。
第1通信部12は、通信デバイス1が接続されている装置(監視対象装置)との通信を実現する通信インタフェースであり、例えばRS−232C又はRS−485等のシリアル通信インタフェースを用いる。例えば蓄電モジュール群Lに含まれる各蓄電モジュールは、RS−232Cに準拠した通信機能を有する制御基板を内蔵し、第1通信部12は複数の蓄電モジュールと通信してもよい。蓄電モジュールは出力電圧及び電流値の測定センサ、及び温度センサを備え、制御基板はそれらのセンサから得られる測定値を通信デバイス1へ送信する。制御基板は更に異常検知機能を有し、異常を検知した場合に自身の動作を停止させたり、通信デバイス1へ通知したりしてもよい。
第2通信部13は、ネットワークNを介した通信を実現するインタフェースであり、例えばEthernet(登録商標)、又は無線通信用アンテナ等の通信インタフェースを用いる。制御部10は、第2通信部13を介してサーバ装置2と通信接続が可能である。
このように構成される通信デバイス1では、制御部10が第1通信部12を介して、通信デバイス1が搭載されている装置にて得られる状態情報を含む各種情報を取得する。制御部10は、Webサーバ用プログラムを読み出して実行することによって、Webサーバとしてサーバ装置2又はクライアント装置3からの接続を受け、情報を提示することも可能である。制御部10は、SSHにより遠隔からシャットダウンの機能を受けることが可能である。制御部10は、SNMP用プログラムを読み出して実行することにより、SNMPエージェントとして機能し、サーバ装置2からの情報要求に対して応答してもよい。
サーバ装置2はサーバコンピュータを用い、制御部20、記憶部21、及び通信部22を備える。本実施の形態においてサーバ装置2は、1台のサーバコンピュータとして説明するが、複数のサーバコンピュータで処理を分散させた構成としてもよい。
制御部20は、CPUを用いたプロセッサであり、内蔵するROM及びRAM等のメモリを用い、各構成部を制御して処理を実行する。制御部20は、記憶部21に記憶されているサーバプログラム2Pに基づく情報処理を実行する。サーバプログラム2PにはWebサーバプログラムが含まれ、制御部20は、クライアント装置3へのWebページの提供、Webサービスへのログインの受け付け等を実行するWebサーバとして機能する。制御部20は、サーバプログラム2Pに基づき、http/https通信により通信デバイス1から情報の収集を行なう。
記憶部21は、例えばハードディスク又はフラッシュメモリ等の不揮発性メモリを用いる。記憶部21には、上述したサーバプログラム2Pが記憶されているほか、制御部20の処理によって収集される監視対象となるパワーコンディショナP、蓄電モジュール群L、無停電電源装置U及び整流器Dの状態を含むデータを記憶する。
通信部22は、ネットワークNを介した通信接続及びデータの送受信を実現する通信デバイスである。具体的には通信部22は専用線及び一般光回線に対応した通信機器である。
クライアント装置3は、発電システムS,Fの蓄電システム101の管理者、安定化電源システムの管理者、又は無停電電源装置Uの保守担当者等のオペレータが使用するコンピュータである。クライアント装置3は、デスクトップ型若しくはラップトップ型のパーソナルコンピュータであってもよいし、所謂スマートフォン又はタブレット型の通信端末であってもよい。クライアント装置3は、制御部30、記憶部31、通信部32、表示部33、及び操作部34を備える。
制御部30は、CPUを用いたプロセッサである。制御部30は、記憶部31に記憶されているWebブラウザプログラムに基づき、サーバ装置2又は通信デバイス1により提供されるWebページを表示部33に表示させる。
記憶部31は、例えばハードディスク又はフラッシュメモリ等の不揮発性メモリを用いる。記憶部31には、Webブラウザプログラムを含む各種プログラムが記憶されている。
通信部32は、有線通信用のネットワークカード等の通信デバイス、基地局BS(図1参照)に接続する移動通信用の無線通信デバイス、又はアクセスポイントAPへの接続に対応する無線通信デバイスを用いる。制御部30は通信部32により、ネットワークNを介してサーバ装置2又は通信デバイス1との間で通信接続又は情報の送受信が可能である。
表示部33は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等のディスプレイを用いる。表示部33は制御部30のWebブラウザプログラムに基づく処理により、サーバ装置2で提供されるWebページのイメージを表示する。表示部33は、好ましくはタッチパネル内蔵型ディスプレイであるが、タッチパネル非内蔵型ディスプレイであってもよい。
操作部34は、制御部30との間で入出力が可能なキーボード及びポインティングデバイス、若しくは音声入力部等のユーザインタフェースである。操作部34は、表示部33のタッチパネル、又は筐体に設けられた物理ボタンを用いてもよい。操作部34は、ユーザによる操作情報を制御部20へ通知する。
図1に示すようにネットワークNは、所謂インターネットである公衆通信網N1と、所定の移動通信規格による無線通信を実現するキャリアネットワークN2とを含む。公衆通信網N1は、一般光回線を含み、またネットワークNは、サーバ装置2が接続する専用線を含む。キャリアネットワークN2には基地局BSが含まれ、クライアント装置3は基地局BSからネットワークNを介したサーバ装置2との通信を可能とする。公衆通信網N1にはアクセスポイントAPが接続されており、クライアント装置3はアクセスポイントAPからネットワークNを介してサーバ装置2との間で情報を送受信することも可能である。
監視システム100では、サーバ装置2がパワーコンディショナP、蓄電モジュール群L、無停電電源装置U、及び整流器Dの状態を含む様々な情報を定期的に、又はクライアント装置3からの要求に応じて取得し、記憶部21に記憶する。記憶部21に記憶してある最新のデータ及びその履歴は、クライアント装置3からWebページ又はデータ(ダウンロード)として取得できるようにサーバ装置2が処理する。サーバ装置2が提供する情報には、パワーコンディショナP、蓄電モジュール群L(管理装置M)、無停電電源装置U、及び整流器Dに搭載されている通信デバイス1が提供するWebサーバへの接続情報(URL:Uniform Resource Locator、IPアドレス等)が含まれる。クライアント装置3は、通信デバイス1から提供されるWebページにより、パワーコンディショナP、蓄電モジュール群L、無停電電源装置U、及び整流器Dの情報を取得することができる。
通信デバイス1から提供されるWebページは、システム又は装置毎に、共通要素を含みつつも、提示されている情報の対象装置の種別に応じて異なる態様で表示される。具体的には、システム又は装置毎にWebページに含まれるアイテム(アイコン、又は画像等のオブジェクト)の配色及び配置は共通しているが、ベースとなる色、及び図柄が異なる態様で表示される。これにより、通信デバイス1からの情報がサーバ装置2によって収集され、サーバ装置2からシステム毎又は場所毎に一括して情報が提示されると共に、いずれの種別の装置の個別状態が提示されているかが、クライアント装置3を使用するオペレータ(保守担当者)又はユーザによって視覚的に容易に把握される。
図5は、通信デバイス1の記憶部11に記憶されているデバイスプログラム1Pのプログラム構成を示す概要図である。デバイスプログラム1Pは前述したように、Linux (登録商標)等を用いた組み込み系OSプログラム10P、OS上で動作するWebサーバ用プログラム11Pのほか、SSH、及びSNMP等に準じた通信用プログラム12Pを含む。デバイスプログラム1Pは、これらのプログラムを共通部分として含む。そしてデバイスプログラム1Pは、パワーコンディショナP、管理装置M、無停電電源装置U、及び整流器Dの内のいずれの装置に接続されるかに応じて個別に読み出される個別部分を含む。個別部分は、各装置固有の通信プロトコル用の通信プログラム13P、Web画面データ(デザインデータ、素材画像データ、画面遷移情報を含む)14P、及び外部連携用プログラム15Pを含む。
通信プログラム13Pは、対象の装置との通信を行なうためのプロトコル(RS−232Cなのか、RS−485なのか、あるいはUSBなのか等のシリアル通信プロトコル又は他の信号入出力)と、そのプロトコルで通信される信号を解釈するためのプログラム(ステータスコード等)を含む。プロトコルは各装置固有であり、テーブル化されて記憶部11に記憶されており、通信プログラム13Pにより読み出し可能とされていてもよい。
Web画面データ14Pは、対象の装置によって異なるデザインデータ、素材画像データ、及び画面遷移情報を含む。蓄電モジュール群Lの管理装置Mに接続される通信デバイス1には、充電状態等の状態情報とエラー情報等を表示するためのWeb画面データ14Pが記憶されている。パワーコンディショナ(PCS)Pに搭載されている通信デバイス1には、充電中なのか、放電中なのか、売電中なのか買電中なのかなどの状態情報とエラー情報を表示するためのWeb画面データ14Pが記憶されている。無停電電源装置(UPS)Uに搭載されている通信デバイス1には、状態情報、エラー情報を示す画面、遠隔からの操作を受け付ける画面を表示するためのWeb画面データ14Pが記憶されている。本実施形態の通信デバイス1から提供されるWeb画面は、配色、レイアウト等は共通としつつ、その画面に含まれる画像、図柄、又は色などを含むアイテムがその装置の種別毎に異なる。表示されるWeb画面の装置毎の相違については後述する。
外部連携用プログラム15Pは、パワーコンディショナP用であれば例えば電力サーバと連携するためのクライアントプログラムであり、無停電電源装置U用であれば既存のシャットダウンプログラムと連携するためのプログラムである。整流器D、蓄電モジュール群L用にも個別のプログラムが用意されていてもよいし、対象の装置によっては外部連携用プログラム15Pが実行されない、又は記憶されていない構成としてもよい。
図6は、通信デバイス1における処理手順の一例を示すフローチャートである。通信デバイス1の制御部10は、第2通信部13によりサーバ装置2又はクライアント装置3からの通信イベントを検知する都度、以下の処理を開始する。
制御部10は、通信イベントがサーバ装置2からの送信要求であるか否かを判断する(ステップS101)。サーバ装置2からの送信要求であると判断された場合(S101:YES)、制御部10は第1通信部12により、接続されている装置から最新の情報を取得するか、予め取得して一時的に記憶してある情報を読み出して取得する(ステップS102)。制御部10は、取得した状態等の各種情報を第2通信部13からサーバ装置2宛てに送信し(ステップS103)、処理を終了する。制御部10は、ステップS101にて送信要求を受信せずとも、予め設定されたスケジュール(10分、30分、1時間毎など)に従って、第1通信部12により取得した情報を送信するようにしてもよい。
ステップS101にて通信イベントが送信要求でないと判断された場合(ステップS101:NO)、通信イベントはクライアント装置3からの接続要求であり、制御部10は、第1通信部12により接続されている装置から状態情報を含む最新の情報を取得する(ステップS104)。制御部10は、取得した最新の情報を含むWebページを作成(Webページに含まれるデータを更新)し(ステップS105)、作成したWebページのデータを要求元のクライアント装置3へ第2通信部13から送信する(ステップS106)。
制御部10は、クライアント装置3におけるWebページ上での操作を通信により取得して受け付け(ステップS107)、操作に応じてWebページを更新する(ステップS108)。制御部10は、クライアント装置3の操作部34にてログアウト又はWebブラウザの終了操作が行なわれたか否かを判断し(ステップS109)、ログアウト又は終了操作が行なわれたと判断された場合(S109:YES)、処理を終了する。ログアウト又は終了操作が行なわれていないと判断された場合(S109:NO)、制御部10は処理をステップS107へ戻し、操作の受け付けを続行する。
通信デバイス1から提供されるWebページは、サーバ装置2のWebサーバ機能により提供される表示画面に含まれる接続情報(URL)が対応付けられたアイコンの選択により表示される。図7及び図8は、サーバ装置2のWebサーバ機能により提供される表示画面の一例を示す図である。図7は、監視システム100へのログイン後に表示される画面例を示し、図8は1つのシステムが選択された後に表示される画面例である。
クライアント装置3からのログイン要求に応じてサーバ装置2の制御部20は、ログインページの情報をクライアント装置3へ送信する。クライアント装置3では、ログインページを表示部33に表示し、操作部34での操作に基づきログイン情報を受け付け、サーバ装置2へ送信する。これによりサーバ装置2は、ログイン情報によって閲覧可能なシステム又は装置を抽出し、その名称を含むWeb画面330の情報をクライアント装置3へ送信する。図7はこの際のWeb画面330の一例である。図7の例では、図1に示したメガソーラー発電システムSの名称「XY市メガソーラーシステム」、火力発電システムFの名称「WZ発電所システム」、「K鉄道システム」、「X工場UPS」等が夫々、識別情報と共にリンクとして表示されている。一覧のWeb画面には、各システムのその時点における状態(正常/異常)、各システムにおける測定パラメータのグラフ、システムに使用される蓄電モジュールの寿命予測を各出力するためのアイコンが現状把握又は情報分析として含まれている。
図7に示すように、サーバ装置2から提供されるWebページに基づき表示されるWeb画面330には、「システム検索」、「寿命予測」、「ダウンロード」、「レポート」等のメニュー331が含まれる。メニュー331の内、「システム検索」が選択された場合、アクセス権限を有するシステム又は単体装置の各情報へのリンク情報の一覧を含むページ(図7に戻る)が表示される。「寿命予測」がクライアント装置3の操作部34の操作により選択された場合、選択されるシステムにおける蓄電素子の寿命予測の実行を受け付けるページが表示される。「ダウンロード」が選択された場合、選択されるシステムに含まれる各機器、蓄電モジュール群Lの状態を所定の形式にてファイルとして一括取得するためのページが表示される。「レポート」が選択された場合、サーバ装置2自身の情報、サーバ装置2で取得される情報を文書形式にて取得するためのページが表示される。また「新規登録」が選択された場合、ログイン情報の新規登録、蓄電モジュール群Lを含むシステム又は電源関連装置の新規登録を受け付けるためのページが表示される。「編集」が選択された場合、既に登録されているログイン情報の編集、又は、既に登録されているシステム若しくは装置の情報についての編集を受け付けるためのページが表示される。更にWeb画面330には、ログアウト又は終了操作のためのボタン332が含まれている。
図8は、システム毎に各装置の情報が一括して含まれている画面の一例を示している。図8は、図7に表示されたWeb画面330で「XY市メガソーラーシステム」が選択された場合に表示部33に表示される例を示している。図8の画面例では、「XY市メガソーラーシステム」が用いている蓄電システム101のシステム構成に合わせて、4つのパワーコンディショナP、及び、複数のバンクに構成された蓄電モジュール群L夫々の名称(番号等の識別情報)が示されている。蓄電モジュール群Lについてはその階層構造を展開するための「+」アイコン333と、各々の詳細情報(サーバ装置2で収集した情報)を表示するためのアイコン334と、詳細情報(リアルタイム)を表示させるためのアイコン335とが配置されている。このアイコン335が、通信デバイス1にて動作しているWebサーバへ接続するためのアイコンであり、通信デバイス1の識別情報と共に配置されている。
図8に示したように、選択されたシステム毎に一括表示するWeb画面330には、選択されたシステムに対するメニューアイコン370が含まれる。メニューアイコン370は例えば、「異常履歴」、「統計情報」、「寿命予測」、及び「装置一覧」のメニューを含む。「異常履歴」のメニューアイコンがクライアント装置3の操作部34の操作により選択された場合、対象のシステム全体に含まれる蓄電モジュール群L及び電源関連装置にて検知された異常又は注意(警告)ログが一括して表示される。「統計情報」が選択された場合は、対象のシステム全体についての統計情報(電圧、電流、温度等の推移)のグラフが一括して表示される。「寿命予測」が選択された場合、システム全体又はシステムに含まれる各蓄電モジュール群Lに対する寿命予測の結果を得るためのインタフェースが表示される。「寿命予測」については詳細を後述する。「装置一覧」が選択された場合、システムに含まれているパワーコンディショナP、蓄電モジュール群L、及び該蓄電モジュール群Lに搭載されている管理装置M等について装置の一覧が表示される。装置の一覧には、品名、型番等の詳細情報が含まれていてもよい。
図8に示したWeb画面330にて蓄電システム101に対する寿命予測のメニューが選択された場合の処理について説明する。図9は、寿命予測の依頼を受け付ける画面の例を示す図である。図9は、図8中のメニューアイコン370の内の「寿命予測」が選択された場合に表示される画面である。図9の画面330では、再度寿命予測の依頼を受け付けるアイコン371、負荷パターンの抽出依頼を受け付けるアイコン372及び依頼を受け付けた日にち及び状況を示す表示ボックス373を表示する。サーバ装置2では上述したように蓄電モジュール群Lから定期的に情報(電圧、電流、及び温度)を収集している。サーバ装置2は収集した情報に基づきシステムとしての寿命予測・推定を行なう機能を有する。寿命予測の依頼を受け付けるアイコン371が選択された場合、サーバ装置2の制御部20は選択を検知し、寿命予測の演算(シミュレーション)を実行する。演算自体はサーバ装置2内で実行されてもよいが、サーバ装置2とは異なる専用装置、若しくは専用装置群で分散的に実行されるとよい。寿命予測の演算(シミュレーション)に要する時間は、収集されてある情報の量が多い程長く、例えば1から2時間を要する可能性がある。図9に示す画面330は、寿命予測の演算が開始された場合、表示ボックス373に依頼を受け付けた日時及び演算状況を示すテキストを表示し、他のページへ遷移することができる。上述のように演算には時間を要するので、実行中に寿命予測の受け付け画面で画面330が固定されてしまい、他の機能がその間使用できなくなることを回避するためである。サーバ装置2は、寿命予測の演算が完了すると、メニューアイコン370の内の「寿命予測」が選択された場合に表示される画面の表示ボックス373に、演算が終了した日時及び状況を示すテキスト「完了」を表示させ、演算結果のファイルをダウンロードするためのアイコンを表示させる。このアイコンがクライアント装置3の操作部34により選択されると、クライアント装置3へ演算結果のファイルがWebブラウザ経由で送信される。サーバ装置2は寿命予測の演算が完了すると、予め記憶してあるメールアドレスに向けて演算が完了したことを通知する。途中経過をメールにて通知するようにしてもよい。メールには寿命予測の演算結果のファイルが添付されているとよい。
図10は、寿命予測により得られるデータの内容例を示す図である。寿命予測により得られるデータは、図10に示すように例えば使用開始から所定の期間(例えば10年間)後までの蓄電素子の劣化挙動をグラフ化したもの、所定の期間中における充放電の挙動(電力、温度、電圧、電流)のシミュレーション結果をグラフ化したものを含む。その他寿命予測により得られるデータは、シミュレーション結果である関連するパラメータについての期間中の数値の推移、及び詳細な分析結果を含む。このように、総合的に表示されるWeb画面から、サーバ装置2にて収集される情報に基づくシステム毎の寿命予測の結果を得ることができる。寿命予測演算中は他の機能を停止することもなく、長期間の実績データの演算により精度のよい結果を得ることも可能である。
通信デバイス1のWebサーバ機能により提示されるWeb画面について具体例を示して説明する。着目すべきは、各々の通信デバイス1により提示されるWeb画面が接続されている装置(表示すべき内容)の種別に応じてデザインに共通性がありつつも、表示される文字情報のみならず背景色、アイコン(素材画像)が異なる態様とした点である。
図11は、通信デバイス1から提示されるWeb画面の一例を示す図である。図11は、図8中の蓄電モジュール群Lについてのドメインの階層のアイコン335が選択された場合に表示される画面であり、蓄電モジュール群Lの管理装置Mに接続されている通信デバイス1のWebサーバにより提供される新たなWeb画面336を示している。Web画面336にて表示される情報は、蓄電モジュール群L用に個別に記憶してあるWeb画面データ14Pに基づき出力されている。図11に示す通信デバイス1から提供されるWeb画面336を表示するためにはログインが必要になる。このときのログイン情報はサーバ装置2で提供されるWebサーバへのログインと共通としてあり、これにより改めてログイン情報を入力する操作を行なうことなしに自動的にログインされて表示されることが好ましい。
図11に示す例において通信デバイス1は、ドメインの階層に設けられている管理装置M、又は各バンクに設けられている管理装置Mを介し、各蓄電モジュールに搭載されている制御基板から得られる情報をクライアント装置3へ提供する。図11の例に示すように蓄電モジュール群Lの情報を表示するためのWeb画面336には、ドメイン全体でのステータスを示す「全体ステータス」、充電状態を示す「充電状態(SOC)」、充放電状態を示す「電池電流」の項目を示す文字情報が含まれている。Web画面336には、各々の項目の状態を視覚的に示す図柄が含まれている。具体的には「全体ステータス」には「チェックマーク(正常)」、「充電状態(SOC)」には「電池」、「電池電流」には「稲光」の図柄が対応付けられている。図柄は状態に応じて変化するようにしてあり、「全体ステータス」が異常である場合には「チェックマーク」の代わりに「エクスクラメーションマーク(感嘆符マーク)」が表示され、不明である場合には「クエスチョンマーク(疑問符マーク)」が表示される。「電池」の図柄については、充電状態に応じて枠内に含まれる矩形の数が変化する。満充電状態であれば図11に示すように枠内を満たすような数、充電量が少ない状態である場合には1つなどのように視覚的に充電状態が把握可能に表示される。「電池電流」については、充電中である場合には、文字情報が「放電中」の代わりに「充電中」となる。「稲光」の図柄の色が変化するようにしてもよい。
Web画面336は、蓄電モジュール群Lの階層に応じて表示される内容も変えられる。ドメインの階層に対応する管理装置Mに接続されている通信デバイス1から提供され、表示部33に表示されるWeb画面336は図11に示すように、「全体ステータス」の項目を含む。「全体ステータス」は、本実施の形態の例ではそのドメインに含まれるバンクの総数に対して正常に稼働しているバンクの数が所定の割合以上であるか否かを示しているので、バンクの階層に対応する管理装置Mに接続されている通信デバイス1から提供されるWeb画面336には、「全体ステータス」の項目は含まれない。「充電状態(SOC)」については、ドメインの階層に対応する通信デバイス1から提供されるWeb画面336には、そのドメインに含まれている複数のバンクの充電量の平均値が示される。バンクの階層に対応する通信デバイス1から提供されるWeb画面336には、バンクの充電量が示される。「電池電流」は、ドメインの階層に対応する通信デバイス1から提供されるWeb画面336には、そのドメインに含まれている複数のバンクからの総電流量を示す文字情報が表示される。バンクの階層に対応する通信デバイス1から提供されるWeb画面336には、そのバンクからの電流量を示す文字情報が表示される。
蓄電モジュール群Lの情報を表示するためのWeb画面336には、メニューアイコン337が複数含まれている。複数のメニューアイコン337は例えば夫々、通信デバイス1を介して得られる上述したような異常の情報を含む各種情報を表示するためのメニューを含む。またメニューアイコン337は、通信デバイス1における時刻、通知用のメールアドレス等の設定、ネットワーク設定、SNMPに関する設定、シリアル通信を介した制御に関する設定、又は通信デバイス1の再起動(シャットダウン)のためのメニューを含む。Web画面336は、ログイン情報に応じて内容が異なる。保守担当者権限を有するログイン情報により表示されるWeb画面336のメニューアイコン337には、接続されている管理装置Mの設定及びアップデート処理、パスワードの設定、遠隔操作のための設定、並びにログの間隔等の設定メニュー等が含まれる。
通信デバイス1では、記憶されている画面データ14Pに基づき、クライアント装置3の操作部34により、Web画面336上でこれらのメニューアイコン337等、各種アイコンの選択操作に応じて、Web画面336が遷移する。メニューの選択に応じて、詳細情報の表示画面、設定の入力画面等が表示される。
図12は、通信デバイス1から提示されるWeb画面の一例を示す図である。図12は、図11のメニューアイコン337の内、詳細情報を表示するためのアイコンが選択された場合に表示される画面例である。図12に示すようにメニューアイコン337が選択されると、Web画面336に重畳するようなエフェクトで画面338が表示されると共に、図11のWeb画面336に戻るためのアイコン339が表示される。画面338には、詳細情報として、通信デバイス1が接続している管理装置Mに対応するドメインのリアルタイムの詳細情報が表示される。詳細情報は例えば、ドメインに含まれるバンクの数(総バンク数)、全バンク中で稼働しているバンクの数(ONバンク数)、そのドメインのセル電圧、SOC、総電圧、温度、及び電流の最小値、平均値及び最高値を表示している。詳細情報では、管理装置M又はモジュール毎の制御基板が有する自己診断機能により注意情報又は異常検知結果が出力されている場合は、内容を表わすメッセージ及び対応する異常コードが表示されているとよい。詳細情報の画面338では、ドメインの階層の下のバンクの階層における状態が各バンクの番号等の識別情報を付した図柄で表されている。色、明るさ又は模様にてその状態を区別して表示してもよい。図12の例であれば、#17から#20のバンクは稼働していないので例えばグレーで表示される。また各バンクに対応する図柄が画面338で操作部34により選択された場合、リンクが付与されており、画面338内でバンクの詳細情報の表示に切り替えられる。バンクの情報を表示する画面では各蓄電モジュールの詳細情報へのリンクを含むとよい。
その他、選択されるメニューの内容によっては、イベントログの一覧が表示されたり、通信デバイス1及び管理装置Mのアドレス、機器の固有情報、設定されている通知用のメールアドレスを含む設定情報が表示されたり、SNMPの接続情報が表示されたりしてもよい。
図13は、通信デバイス1から提示されるWeb画面の他の一例を示す図である。図13は、図8中のパワーコンディショナ(PCS)Pに対応するアイコン335が選択された場合に表示される画面であり、パワーコンディショナPに接続されている通信デバイス1のWebサーバにより提供される新たなWeb画面341を示している。Web画面341にて表示される情報は、パワーコンディショナP用に個別に記憶してあるWeb画面データ14Pに基づき出力されている。図13に示す通信デバイス1から提供されるWeb画面341に表示するためにもログインが必要になる。このときのログイン情報はサーバ装置2で提供されるWebサーバへのログインと共通としてあり、これにより改めてクライアント装置3にてログイン情報を入力する操作を行なうことなしに自動的にログインされて表示される。
図13に示す例において通信デバイス1は、シリアル接続されているパワーコンディショナP(図14の例では4つ)の制御ユニットから得られる情報をクライアント装置3へ提供する。図13に示すように、パワーコンディショナPの情報を表示するためのWeb画面341には、パワーコンディショナPに接続されている発電システムにおけるリアルタイムの発電電力を示す「発電電力」、パワーコンディショナP群全体での状態を示す「PCS状態」の項目を示す文字情報が含まれている。Web画面341には更に、パワーコンディショナP(複数接続している内の親機となるPCS)の総合交流電力(正)と総合交流電力(負)の大小(売電中/買電中)を示す「交流電力」の項目を示す文字情報が示されている。各項目には図13に示すように、夫々の項目における状態を視覚的に示す図柄が含まれている。具体的には「発電電力」には「太陽(発電電力の合計値が最大値に対して所定割合以上)」、「PCS状態」には「チェックマーク(正常)」、「交流電力」には「天秤」の図柄が対応付けられている。図柄は状態に応じて変化するようにしてあり、「発電電力」が最大値に対して所定割合未満である場合には「太陽」の代わりに「雲」が表示され、不明である場合には「クエスチョンマーク」が表示される。「PCS状態」が異常である場合には「チェックマーク」の代わりに「エクスクラメーションマーク」が表示され、不明である場合には「クエスチョンマーク」が表示される。マークの色も、緑色又は青色等の寒色系から黄色又は赤色等の暖色系へ、状態に応じて変化するとよい。「天秤」の図柄については、総合交流電力(正)が総合交流電力(負)よりも大きい場合に「売電中」、小さい場合に「買電中」であるといった表示がされる。また「発電電力」の項目には、具体的な発電電力のリアルタイムな数値、「PCS状態」には「正常」又は「異常」の文字情報、「交流電力」には総合交流電力(正)と総合交流電力(負)との間の差分(絶対値)が表示される。
Web画面341には、パワーコンディショナPの設置場所(又は、含まれるシステム名)が表示され、出力制御の割合、温度等の情報が文字情報として表示されている。接続される蓄電モジュール群Lの充電状態について図柄と共にWeb画面341内に表示されてもよい。
図13に示すように、パワーコンディショナPの情報を表示するためのWeb画面341には、メニューアイコン342が複数含まれている。複数のメニューアイコン342は例えば夫々、通信デバイス1を介して得られる上述したような異常の情報を含む各種情報を表示するためのメニューを含む。またメニューアイコン342は、クライアント装置3にて通信デバイス1における時刻、通知用のメールアドレス等の設定、ネットワーク設定、SNMPに関する設定、シリアル通信を介した制御に関する設定、又は通信デバイス1の再起動(シャットダウン)を実行するためのメニューを含む。Web画面341は、ログイン情報に応じて内容が異なる。保守担当者権限を有するログイン情報により表示されるWeb画面341のメニューアイコン342には、出力制御の設定、出力制御スケジュールの設定、契約容量の確認、余剰買取の設定、又はパスワードの設定メニュー等が含まれる。
パワーコンディショナPに関するWeb画面341においても、クライアント装置3の操作部34によるメニューアイコン342の選択操作に応じて、画面が遷移する。パワーコンディショナPについてのWeb画面341では、メニューの選択に応じて、詳細情報の表示画面、設定の入力画面等が表示される。
図14は、通信デバイス1から提示されるWeb画面の一例を示す図である。図14は、図13のメニューアイコン342にて、詳細情報、即ち複数のパワーコンディショナP夫々についての詳細情報を示すためのメニューが選択された場合に表示される画面例である。Web画面341が他の内容へ変化した場合、図13のWeb画面341に戻るためのアイコン343が表示される。そして図14に示すようにメニューアイコン342が選択されると、Web画面341には通信デバイス1からシリアル通信接続しているパワーコンディショナP夫々に対応するアイコン344が表示される。各アイコン344にはパワーコンディショナPを識別する番号等の識別情報が付されており、各パワーコンディショナPの状態に応じて表示態様が異なる。図14であれば例えば、稼働しているパワーコンディショナP(#1から#4)に対応するアイコンは、実線及び無地で表示されている。稼働していないパワーコンディショナPに対応するアイコン344は実線且つグレー色で(図中ではハッチングで示している)表示されている。警告状態、異常が検知された状態では無地の色を黄色、赤色など視覚的に把握し易く変化させるとよい。最大20台のパワーコンディショナPをシリアル通信接続することができるところ、接続されていないパワーコンディショナPに対応するアイコン344は破線にて表示されている。シリアル通信接続されているが、実際に通信できない場合にはクエスチョンマークが付されているなど、状態に応じて態様が変化するとよい。各アイコン344には、対応するパワーコンディショナP個別の詳細情報(警告状態又は異常検知状態である場合に異常コード)を示す画面へのリンクが付与されており、選択されると画面341内でパワーコンディショナPの詳細情報の表示に切り替えられる。
選択されるメニューの内容によっては、イベントログの一覧が表示されたり、通信デバイス1及び管理装置Mのアドレス、機器の固有情報、設定されている通知用のメールアドレスを含む設定情報が表示されたり、SNMPの接続情報が表示されたりしてもよい。
図15は、通信デバイス1から提示されるWeb画面の他の一例を示す図である。図15は、無停電電源装置Uに接続されている通信デバイス1のWebサーバにより提供される新たなWeb画面351を示している。Web画面351にて表示される情報は、無停電電源装置(UPS)U用に個別に記憶してあるWeb画面データ14Pに基づき出力される。図15に示す通信デバイス1から提供されるWeb画面351をクライアント装置3にて表示するためにもログインが必要になる。ログイン情報はサーバ装置2で提供されるWebサーバへのログインと共通としてあり、これによりクライアント装置3にて改めてログイン情報を入力する操作を行なうことなしに自動的にログインされて表示される。
通信デバイス1は、接続されている無停電電源装置Uの制御ユニットから得られる情報をクライアント装置3へ提供する。図15に示すように、無停電電源装置Uの情報をクライアント装置3にて表示するためのWeb画面351には、装置自体の状態を示す「UPS状態」、装置のON又はOFFを示す「出力状態」、内蔵するバッテリの充電状態を示す「バッテリ状態」の項目を示す文字情報が含まれている。そして各項目には図15に示すように、状態を視覚的に示す図柄が含まれている。具体的には「UPS状態」には「OKの文字をデザイン化したスマイルマーク」、「出力状態」には「電球」の図柄、「バッテリ状態」には「電池」の図柄が対応付けられている。図柄は状態に応じて変化するようにしてあり、「UPS状態」に対しては、注意を要する状態である場合には「スマイルマーク」が「エクスクラメーションマーク」へ変化したり、異常状態である場合には、注意喚起を想起させる三角形の図柄になるなど形状が変化したりする。マークの色も、緑色又は青色等の寒色系から黄色又は赤色等の暖色系へ状態に応じて変化するとよい。「出力状態」については「電球」の図柄が、ON状態では「点灯中」を表わす文字、色、又は模様となり、OFF状態では「消灯中」を表わす、文字、色、又は模様となるように変化する。「充電状態」については、満充電状態であれば枠内に含まれる矩形の数が枠内を満たすような数となり、充電量が少ない状態である場合には1つなどのように視覚的に充電状態が把握可能に表示される。充電中には稲光など充電中であることを示す図柄が表示され、放電中には上下にグラデーション化された模様などで放電状態を想起させる図柄が表示されるとよい。
Web画面351には、クライアント装置3にて操作を受け付けるためのメニューアイコン352が複数含まれている。複数のメニューアイコン352は例えば夫々、通信デバイス1を介して得られる上述したような異常の情報を含む各種情報を表示するためのメニューを含む。またメニューアイコン352は、クライアント装置3にて通信デバイス1における時刻、通知用のメールアドレス等の設定、ネットワーク設定、SSH若しくはSNMPに関する設定、シリアル通信を介した制御に関する設定、又は通信デバイス1の再起動(シャットダウン)を実行するための設定系メニューを含む。設定系メニューには、無停電電源装置Uの自動シャットダウン時における遅延時間の設定用メニューも含まれる。メニューアイコン352は、無停電電源装置Uを遠隔からシャットダウン(再起動)させたり、内蔵バッテリのテストをさせたりするための制御系メニューを含む。メニューアイコン352は、ログイン情報に応じて内容が異なる。保守担当者権限を有するログイン情報により表示されるWeb画面351のメニューアイコン352には、ファームウェアのアップデート処理、パスワードの設定等の設定メニューが含まれる。
図16は、通信デバイス1から提示されるWeb画面の一例を示す図である。図16は、図15のメニューアイコン352の内、自動シャットダウンに係る設定用メニューが選択された場合に表示される画面例である。設定対象の時間を視覚的に把握し易くなるように、下部に時間軸上で発生する(すべき)イベントを、イベントの内容及び状態に応じて異なる色又は形状を用いて表示させる。
図17は、通信デバイス1から提示されるWeb画面の他の一例を示す図である。図17は、整流器Dに接続されている通信デバイス1のWebサーバにより提供される新たなWeb画面361を示している。Web画面361にて表示される情報は、整流器D用に個別に記憶してあるWeb画面データ14Pに基づき出力される。図17に示す通信デバイス1から提供されるWeb画面361をクライアント装置3にて表示するためにもログインが必要になる。ログイン情報はサーバ装置2で提供されるWebサーバへのログインと共通としてあり、これにより改めてログイン情報を入力する操作をクライアント装置3にて行なうことなしに自動的にログインされて表示される。
通信デバイス1は、接続されている無停電電源装置Uの制御ユニットから得られる情報をクライアント装置3へ提供する。図17に示すように、無停電電源装置Uの情報を表示するためのWeb画面361には、装置自体の状態を示す「装置状態」、装置のON又はOFFを示す「出力状態」、付属のバッテリの充電状態を示す「バッテリ状態」の項目を示す文字情報が含まれている。そして各項目には図17に示すように、状態を視覚的に示す図柄が含まれている。具体的には、「装置状態」には異常状態又は注意を要する状態であることを示す「エクスクラメーションマーク」、「出力状態」には「電球」の図柄、「バッテリ状態」には「電池」の図柄が対応付けられている。図柄は状態に応じて変化するようにしてあり、「装置状態」に対しては正常状態である場合には「スマイルマーク」に変化したり、不明な場合は「クエスチョンマーク」へ変化したりする。マークの色も、注意又は警告となる状態の場合は暖色系、正常、安全な場合は寒色系となるなど変化するとよい。「出力状態」については「電球」の図柄が、ON状態では「点灯中」を表わす文字、色、又は模様となり、OFF状態では「消灯中」を表わす文字、色、又は模様となるように変化する。「充電状態」については満充電状態であれば枠内に含まれる矩形の数が枠内を満たすような数となり、充電量が少ない状態である場合には1つなどのように視覚的に充電状態が把握可能に表示される。充電中には、稲光など充電中であることを示すような図柄が表示され、放電中には上下にグラデーション化された模様などで放電状態を想起させる図柄が表示されるとよい。
Web画面361には、クライアント装置3にて操作を受け付けるためのメニューアイコン362が複数含まれている。複数のメニューアイコン362は例えば夫々、通信デバイス1を介して得られる上述したような異常の情報、整流器D内の各整流器ユニットのON又はOFFの状態等、出力電圧、電流等の各種情報を表示するためのメニューを含む。メニューアイコン362は、クライアント装置3にて通信デバイス1における時刻、通知用のメールアドレス等の設定、ネットワーク設定、SSH若しくはSNMPに関する設定、シリアル通信を介した制御に関する設定、又は通信デバイス1の再起動(シャットダウン)を実行するための設定系メニューを含む。またメニューアイコン352は、整流器Dを遠隔からシャットダウン(再起動)させたり、内蔵バッテリのテストをさせたりするための制御系メニューを含む。メニューアイコン362は、ログイン情報に応じて内容が異なる。保守担当者権限を有するログイン情報により表示されるWeb画面361のメニューアイコン362には、ファームウェアのアップデート処理、パスワードの設定等の設定メニューが含まれる。
図18は、通信デバイス1から提示されるWeb画面の一例を示す図である。図18は、図17のメニューアイコン362にて、詳細情報、即ち内蔵されている整流器ユニット夫々についての詳細情報を示すためのメニューが選択された場合に表示される画面例である。整流器ユニット夫々の詳細情報のメニューが選択されると、複数の内蔵整流器ユニット夫々に対応するアイコン363が表示される。各アイコン363には整流器ユニットを相互に識別する番号等の識別情報が付されており、各整流器ユニットの状態に応じて表示態様が異なる。図18であれば例えば、最大20台の整流器ユニットを備える整流器Dにて、実際に備えられている整流器ユニットは実線で、空に対応するユニットは破線にて表示されている。内蔵されている整流器ユニットの内、稼働している(ON状態の)ユニットに対応するアイコン363は無地で、稼働していないユニットに対応するアイコン363はグレー色で表示される。警告状態、異常が検知された状態ではアイコン363の色を黄色、赤色など視覚的に把握し易く変化させるとよい(図中では色の違いをハッチングで示している)。各アイコン363には、対応する整流器ユニット個別の詳細情報(電流値、電圧値、警告状態又は異常検知状態である場合に異常コード)を示す画面へのリンクが付与されており、選択されると画面361内で整流器ユニットの詳細情報の表示に切り替えられる。
このように通信デバイス1を利用することで、サーバ装置2で提供されるWeb画面330(図7、図8)とは異なる態様で、且つサーバ装置2を拠点として装置毎に個別に情報を提示するWebページへのアクセスがクライアント装置3から可能になる。
図11から図18では、Web画面例を線図で示している。Web画面は好ましくは、表示する内容の種別に応じて背景色(背景画像)を異なる態様で表示させる。例えば蓄電モジュール群Lの通信デバイス1から提供されるWeb画面336は背景色を、グレーを基調としたものとし、文字及びアイコンは白塗り(白から明るいグレー、ベージュ等)とする。グレーは例えば(R,G,B)=(80-130, 80-130, 80-130)の範囲でグラデーションとしてもよい。パワーコンディショナPの通信デバイス1から提供されるWeb画面341は背景色を、例えば紺色を基調としたものとし、文字及びアイコンの色は蓄電モジュール群Lと同様に白っぽいものとする。紺色は例えば(R,G,B)=( 5-10, 30-65, 60-120)の範囲でグラデーションとしてもよい。無停電電源装置Uの通信デバイス1から提供されるWeb画面351は背景色を、例えば深緑色を基調としたものとし、文字及びアイコンの色は蓄電モジュール群Lと同様に白っぽいものとする。紺色は例えば(R,G,B)=(0-5, 50-160, 0-5)の範囲でグラデーションとしてもよい。整流器Dの通信デバイス1から提供されるWeb画面361は背景色を、例えば紫色を基調としたものとし、文字及びアイコンの色は蓄電モジュール群Lと同様に白っぽいものとする。紫色は例えば(R,G,B)=( 80-100, 0-20, 100-150)の範囲でグラデーションとしてもよい。
本実施形態では、ネットワークカード型として蓄電モジュールのみならず、パワーコンディショナP、無停電電源装置U、及び整流器Dへも汎用的に搭載可能な通信デバイス1を用いて、各装置の個別の情報をクライアント装置3から取得することが可能である。しかも通信デバイス1へは、各通信デバイス1から情報を収集するサーバ装置2から接続情報を取得して接続することが可能である。通信デバイス1夫々から提供されるWeb画面は、共通部分を含みつつ、情報の対象の種別に応じて異なる態様で表示される。したがって、クライアント装置3を使用するユーザ又はオペレータは、多数の機器が含まれるシステムにて個別の情報を表示させた場合であってもいずれの種別の蓄電素子又は機器の情報が表示されているのかを視覚的に容易に把握することができる。
蓄電モジュール及び蓄電モジュール群Lが、複数のリチウムイオン電池セルから構成される例を説明した。代替的に、蓄電モジュール及び蓄電モジュール群Lが(或いはその一部が)複数の鉛蓄電池又はキャパシタから構成されてもよい。
上述の実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。