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JP6743667B2 - 脱銅電解設備、および脱銅電解方法 - Google Patents

脱銅電解設備、および脱銅電解方法 Download PDF

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JP6743667B2 JP2016234068A JP2016234068A JP6743667B2 JP 6743667 B2 JP6743667 B2 JP 6743667B2 JP 2016234068 A JP2016234068 A JP 2016234068A JP 2016234068 A JP2016234068 A JP 2016234068A JP 6743667 B2 JP6743667 B2 JP 6743667B2
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Description

本発明は、脱銅電解設備、および脱銅電解方法に関する。さらに詳しくは、水溶液に含まれる銅を電解採取により除去するための脱銅電解設備、および脱銅電解方法に関する。
硫化物からニッケルを回収する湿式製錬プロセスでは、原料であるニッケルマットやニッケル・コバルト混合硫化物を塩素浸出し、得られた浸出液から不純物を除去する浄液工程などを経て、ニッケル電解工程で電気ニッケルを回収する。この湿式製錬プロセスには、浸出液に過剰に含まれる銅を電解採取による除去する脱銅電解工程が含まれる。
脱銅電解工程では、浸出液を電解槽に供給し、下記化学式(1)、(2)の反応により、浸出液に含まれる銅をカソードに析出させる。
Cu+ + e- = Cu0 ・・・(1)
Cu2+ + 2e- = Cu0 ・・・(2)
浸出液に2価の銅イオンが多く含まれていると、一旦カソードに析出した金属銅が、下記化学式(3)の反応により再溶解する。そのため、浸出液に2価の銅イオンが多く含まれていると電流効率が低下する。
Cu0 + Cu2+ = 2Cu+ ・・・(3)
特許文献1には、浸出液を希釈することにより銅濃度を調整したうえで、電解槽に供給することが記載されている。希釈により浸出液の2価銅イオン濃度が低下するため、化学式(3)の反応が低減され、電流効率を高めることができる。
特開2016−089259号公報
しかし、実操業では脱銅電解工程の電流効率をさらに高めることが求められている。
本発明は上記事情に鑑み、電流効率が高い脱銅電解設備、および脱銅電解方法を提供することを目的とする。
第1発明の脱銅電解設備は、銅を含む水溶液が供給され、電解採取により銅粉を析出させる電解槽と、前記電解槽から排出された湿潤状態の銅粉をレパルプするレパルプ槽と、前記レパルプ槽から排出されたスラリーをバッチ処理により固液分離する固液分離装置と、前記固液分離装置から排出された濾液を前記電解槽に供給する戻り流路と、を備え、前記レパルプ槽はレパルプ槽用撹拌装置を備え、前記レパルプ槽用撹拌装置は、少なくとも前記レパルプ槽から前記固液分離装置に前記スラリーを送液する期間は前記レパルプ槽内の前記スラリーが撹拌状態であるように、予め定められた期間は稼働し、その他の期間は停止することを特徴とする。
第2発明の脱銅電解設備は、第1発明において、前記戻り流路は前記濾液を一時貯留する濾液貯槽を備え、前記濾液貯槽は濾液貯槽用撹拌装置を備え、前記濾液貯槽用撹拌装置は、少なくとも前記濾液貯槽から前記電解槽に前記濾液を送液する期間は前記濾液貯槽内の前記濾液が撹拌状態であるように、予め定められた期間は稼働し、その他の期間は停止することを特徴とする。
第3発明の脱銅電解方法は、銅を含む水溶液を電解槽に供給し、電解採取により銅粉を析出させ、前記電解槽から排出された湿潤状態の銅粉をレパルプ槽に供給し、レパルプし、前記レパルプ槽から排出されたスラリーを固液分離装置に供給し、バッチ処理により固液分離し、前記固液分離装置から排出された濾液を前記電解槽に供給し、前記レパルプ槽に備えられたレパルプ槽用撹拌装置を、少なくとも前記レパルプ槽から前記固液分離装置に前記スラリーを送液する期間は前記レパルプ槽内の前記スラリーが撹拌状態であるように、予め定められた期間は稼働させ、その他の期間は停止させることを特徴とする。
第4発明の脱銅電解方法は、第3発明において、前記固液分離装置から排出された前記濾液を前記電解槽に供給するにあたり、前記濾液を濾液貯槽に一時貯留し、前記濾液貯槽に備えられた濾液貯槽用撹拌装置を、少なくとも前記濾液貯槽から前記電解槽に前記濾液を送液する期間は前記濾液貯槽内の前記濾液が撹拌状態であるように、予め定められた期間は稼働させ、その他の期間は停止させることを特徴とする。
第1発明によれば、レパルプ槽用撹拌装置の稼働期間を短くすることで、撹拌により1価の銅イオンが酸化されて2価の銅イオンになることを抑制できる。その結果、電解槽内の電解液の2価銅イオン濃度の上昇を抑制でき、電流効率を高くできる。
第2発明によれば、濾液貯槽用撹拌装置の稼働期間を短くすることで、撹拌により1価の銅イオンが酸化されて2価の銅イオンになることを抑制できる。その結果、電解槽内の電解液の2価銅イオン濃度の上昇を抑制でき、電流効率を高くできる。
第3発明によれば、レパルプ槽用撹拌装置の稼働期間を短くすることで、撹拌により1価の銅イオンが酸化されて2価の銅イオンになることを抑制できる。その結果、電解槽内の電解液の2価銅イオン濃度の上昇を抑制でき、電流効率を高くできる。
第4発明によれば、濾液貯槽用撹拌装置の稼働期間を短くすることで、撹拌により1価の銅イオンが酸化されて2価の銅イオンになることを抑制できる。その結果、電解槽内の電解液の2価銅イオン濃度の上昇を抑制でき、電流効率を高くできる。
本発明の一実施形態に係る脱銅電解設備の説明図である。 撹拌期間と送液期間とを示すタイミングチャートである。 湿式製錬プロセスの全体工程図である。
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
本発明の一実施形態に係る脱銅電解設備、および脱銅電解方法は、ニッケルを回収する湿式製錬プロセスの脱銅電解工程に好適に適用される。なお、本実施形態の脱銅電解設備、および脱銅電解方法は、水溶液に含まれる銅を電解採取により除去する工程であれば、いかなるプロセスの工程にも適用し得る。以下、前記湿式製錬プロセスの脱銅電解工程に適用する場合を例に説明する。
(湿式製錬プロセス)
まず、図3に基づき、前記湿式製錬プロセスを説明する。
湿式製錬プロセスでは、原料であるニッケル硫化物として、ニッケルマットとニッケル・コバルト混合硫化物(MS:ミックスドサルファイド)との2種類が用いられる。
ニッケルマットは乾式製錬により得られる。具体的には、ニッケルマットは硫鉄ニッケル鉱を熔錬することで得られる。
ニッケル・コバルト混合硫化物は湿式製錬により得られる。具体的には、低品位ラテライト鉱などのニッケル酸化鉱石を加圧酸浸出(HPAL:High Pressure Acid Leaching)し、浸出液から鉄などの不純物を除去した後、浸出液に硫化水素ガスを吹き込んで硫化反応を生じさせることによりニッケル・コバルト混合硫化物を得る。
まず、ニッケル・コバルト混合硫化物と後述のセメンテーション残渣とからなるスラリーを塩素浸出工程に供給する。塩素浸出工程では、浸出槽に吹き込まれる塩素ガスの酸化力によって、スラリー中の固形物に含まれる金属が実質的に全て液中に浸出される。塩素浸出工程から排出されたスラリーは浸出液と浸出残渣とに固液分離される。
ニッケルマットを、粉砕工程において粉砕した後、レパルプしてマットスラリーとし、セメンテーション工程に供給する。セメンテーション工程には塩素浸出工程で得られた浸出液も供給されている。浸出液には目的金属であるニッケルのほか、不純物として銅、鉄、鉛、マンガンなどが含まれている。
浸出液には2価の銅クロロ錯イオンが含まれている。ニッケルマットの主成分は二硫化三ニッケル(Ni32)と金属ニッケル(Ni0)である。セメンテーション工程では、浸出液とニッケルマットとを接触させて、銅とニッケルとの置換反応を行う。これにより、ニッケルマット中のニッケルが液に置換浸出され、浸出液中の銅イオンが硫化銅(Cu2S)または金属銅(Cu0)の形態で析出する。固液分離により得られたセメンテーション残渣は塩素浸出工程に供給される。
セメンテーション工程から得られたセメンテーション終液は浄液工程に供給される。浄液工程で不純物が除去された液(塩化ニッケル水溶液)は、電解給液としてニッケル電解工程に送られる。ニッケル電解工程では電解採取により電気ニッケルが製造される。
塩素浸出工程ではスラリー中の固形物に含まれる銅が浸出され、銅イオンとなる。浸出液に含まれる銅は、セメンテーション工程で析出して、再び塩素浸出工程に供給される。このように、系内の銅は塩素浸出工程とセメンテーション工程との間を循環する。系内に供給される原料には銅が含まれることから、そのままでは系内の銅保有量が増加する。系内の銅保有量を適切な量に維持するために、脱銅電解工程で銅を系外に払い出すことが行われる。
脱銅電解工程には塩素浸出工程から排出された浸出液の一部が供給される。脱銅電解工程では、電解採取により電気銅(銅粉)を製造して、電気銅を系外に排出する。原料として供給される銅と等量の銅を除去することで、系内の銅保有量を一定に維持する。脱銅電解工程から排出された脱銅電解廃液は、浸出液とともにセメンテーション工程に供給される。系外に排出された電気銅は、例えば銅製錬に供される。
(脱銅電解設備)
つぎに、前記脱銅電解工程を実行する脱銅電解設備1を説明する。
図1に示すように、脱銅電解設備1は、混合槽10、電解槽20、レパルプ槽30、固液分離装置40、濾液貯槽50を備えている。
混合槽10には撹拌装置11(以下、混合槽用撹拌装置11と称する。)が備えられている。混合槽用撹拌装置11の構成は特に限定されないが、撹拌羽根と、撹拌羽根を回転させるモータとからなる構成が挙げられる。
混合槽10には塩素浸出工程から排出された浸出液と、ニッケル電解工程から排出されたニッケル電解廃液(アノライトとも称される。)とが供給されている(図3参照)。混合槽10で浸出液とニッケル電解廃液とを混合して、浸出液をニッケル電解廃液で希釈することで電解給液を調製する。混合槽10と電解槽20とは第1流路61で接続されている。混合槽10で調製された電解給液は第1流路61を通って電解槽20に供給される。
浸出液は銅を含む塩化ニッケル水溶液であり、ニッケル濃度が200〜300g/L、銅濃度が25〜60g/Lである。ニッケル電解廃液は塩化ニッケル水溶液であり、ニッケル濃度が70〜80g/L、銅濃度が実質的に0g/Lである。浸出液をニッケル電解廃液で希釈することで、電解給液の銅濃度を20〜40g/Lに調整する。
電解給液の銅濃度を40g/L以下に調整することで、電解槽20においてカソードに析出した銅が電解液中の2価銅イオンとの反応(化学式(3))により再溶解することを抑制でき、電流効率を高くできる。ここで、電流効率は次式で定義される。
電流効率[%]=〔産出銅粉×銅品位[%]〕/〔Cu2+電気化学等量×通電時間×通電電流〕
電解給液の銅濃度を20g/L以上に調製することで、電解槽20において電解液の銅濃度が低すぎることによりカソードに針状電析が生じてショートが発生することを防止できる。また、電解液中のニッケルがカソードに電着することを抑制できる。
浸出液を希釈する希釈液はニッケル電解廃液に限定されず、銅濃度を調整できる液であればよく、例えば水でもよい。ただし、希釈液としてニッケル電解廃液を用いれば、系内に新規の水を添加する必要がない。そのため、脱水の工程を新たに設ける必要がなく、また、系内のニッケル濃度が低下しないので好ましい。
電解槽20には電解給液が供給される。電解給液は銅を含む塩化ニッケル水溶液である。電解槽20にはアノードとカソードとが挿入される。アノード−カソード間に電流を流すことで、電解採取によりカソードに銅粉を析出させる。
電解槽20内の電解液は銅が除去された後、電解槽20からオーバーフローして脱銅電解廃液として排出される。脱銅電解廃液はセメンテーション工程に供給される(図3参照)。
カソードに電着した銅粉は、カソードを振動させることにより、カソードから脱落して電解槽20の底部に堆積する。銅粉が所定量堆積したら、電解槽20の底から銅粉を抜き出す。抜き出された銅粉には電解液が付着しており、湿潤状態(泥状)である。
電解槽20の底部とレパルプ槽30とは第2流路62で接続されている。電解槽20から排出された湿潤状態の銅粉は第2流路62を通ってレパルプ槽30に供給される。レパルプ槽30にはレパルプ水が供給されている。レパルプ槽30において、銅粉とレパルプ水とを混合することで、銅粉をレパルプする。なお、レパルプ水としては特に限定されないが、ニッケル電解廃液、コバルト電解工程から排出された電解廃液、工業用水などが用いられる。
レパルプ槽30には撹拌装置31(以下、レパルプ槽用撹拌装置31と称する。)が備えられている。レパルプ槽用撹拌装置31の構成は特に限定されないが、撹拌羽根と、撹拌羽根を回転させるモータとからなる構成が挙げられる。レパルプ槽用撹拌装置31の撹拌作用により銅粉とレパルプ水とが混合される。
レパルプ槽30と固液分離装置40とは第3流路63で接続されている。レパルプ槽30から排出されたスラリーは第3流路63を通って固液分離装置40に供給される。固液分離装置40によりスラリーが銅粉と濾液とに固液分離される。
電解槽20から排出された湿潤状態の銅粉をレパルプした後に固液分離することで、銅粉に付着した電解液を効率よく分離できる。固液分離装置40から排出された銅粉は、系外に排出される。
固液分離装置40はバッチ処理によりスラリーを固液分離する。固液分離装置40としてはバッチ処理を行える装置であれば特に限定されず、フィルタープレス式の加圧濾過装置、真空ポンプ、濾過材、ブフナー漏斗などからなる吸引濾過装置などを用いることができる。第3流路63には第1ポンプ71が設けられている。固液分離装置40の処理周期にあわせて第1ポンプ71が稼働することにより、適したタイミングでスラリーを固液分離装置40に供給できる。具体的には、固液分離装置40の処理の合間の期間において、第1ポンプ71が稼働しスラリーが送液される。
固液分離装置40から排出された濾液は第4流路64を通って濾液貯槽50に供給される。濾液は濾液貯槽50に一時貯留された後、第5流路65を通って電解槽20に供給される。すなわち、固液分離装置40から排出された濾液は電解槽20に供給される。なお、第4、第5流路64、65および濾液貯槽50からなる流路が、特許請求の範囲に記載の「戻り流路」に相当する。
電解槽20は銅粉を抜き出す際に液位が低下するが、濾液を供給することで液位を維持している。電解槽20から銅粉を抜き出す作業は断続的に行われる。濾液貯槽50から電解槽20への濾液の供給は、電解槽20から銅粉を抜き出す際に行われるため、これも断続的に行われる。第5流路65には第2ポンプ72が設けられている。第2ポンプ72を適したタイミングで稼働することにより、濾液の送液を断続的に行う。
濾液貯槽50には撹拌装置51(以下、濾液貯槽用撹拌装置51と称する。)が備えられている。濾液貯槽用撹拌装置51の構成は特に限定されないが、撹拌羽根と、撹拌羽根を回転させるモータとからなる構成が挙げられる。濾液には銅粉に付着していた電解液、すなわち銅を含有する塩化ニッケル水溶液が含まれている。濾液貯槽用撹拌装置51で濾液を撹拌することで、銅濃度が均一な濾液を電解槽20に供給できる。
本実施形態は、レパルプ槽用撹拌装置31の運転方法に特徴を有する。
前述のごとく、レパルプ槽30から固液分離装置40へのスラリーの送液は、固液分離装置40のバッチ処理に合わせて、断続的に行われる。ここで、図2に示すように、レパルプ槽30から固液分離装置40にスラリーを送液する期間を送液期間P1とする。なお、送液期間P1は第1ポンプ71の稼働期間に相当する。レパルプ槽用撹拌装置31はこの送液期間P1に合わせて稼働、停止する。レパルプ槽用撹拌装置31が稼働する期間を撹拌期間P2とする。撹拌期間P2は、少なくとも送液期間P1はレパルプ槽30内のスラリーが撹拌状態であるように、予め定められる。レパルプ槽用撹拌装置31は、撹拌期間P2は稼働し、その他の期間は停止する。
レパルプ槽用撹拌装置31を稼働してからスラリーが送液に十分な撹拌状態となるまでには所定時間(1〜数秒)のタイムラグがある。また、レパルプ槽用撹拌装置31を停止してから所定時間(1〜数秒)はスラリーの撹拌状態が維持される。そのため、撹拌期間P2の開始時期は送液期間P1の開始時期よりも所定時間前に設定される。また、撹拌期間P2の終了時期は送液期間P1の終了時期よりも所定時間前に設定される。このように撹拌期間P2を設定することで、レパルプ槽用撹拌装置31の稼働期間を必要最小限にできる。
なお、撹拌期間P2は、少なくとも送液期間P1はレパルプ槽30内のスラリーが撹拌状態であるように設定されればよい。すなわち、レパルプ槽30内のスラリーが撹拌状態である期間が送液期間P1と同一か、送液期間P1を包含していればよい。そのため、撹拌期間P2の開始時期が送液期間P1の開始時期よりも十分に早くてもよいし、撹拌期間P2の終了時期が送液期間P1の終了時期よりも後に設定されてもよい。
スラリーを撹拌すると、空気中の酸素がスラリーに取り込まれ、液相に含まれる1価の銅イオンが酸化されて2価の銅イオンとなる。スラリーの液相は固液分離装置40および濾液貯槽50を介して電解槽20に供給されることから、2価の銅イオンが電解槽20に供給されることになる。その結果、電解槽20に保持されている電解液の2価銅イオン濃度が上昇し、電流効率が低下する。
しかし、本実施形態ではレパルプ槽用撹拌装置31の稼働期間を短くすることで、撹拌により1価の銅イオンが酸化されて2価の銅イオンになることを抑制できる。その結果、電解槽20内の電解液の2価銅イオン濃度の上昇を抑制でき、電流効率を高くできる。しかも、必要な期間はレパルプ槽用撹拌装置31を稼働させるので、良好に撹拌されたスラリーを固液分離装置40に供給できる。
レパルプ槽用撹拌装置31と同様に、濾液貯槽用撹拌装置51を断続的に稼働させてもよい。
前述のごとく、濾液貯槽50から電解槽20への濾液の送液は、電解槽20の銅粉の抜き出しに合わせて、断続的に行われる。ここで、図2に示すように、濾液貯槽50から電解槽20に濾液を送液する期間を送液期間P1とする。なお、送液期間P1は第2ポンプ72の稼働期間に相当する。濾液貯槽用撹拌装置51はこの送液期間P1に合わせて稼働、停止する。濾液貯槽用撹拌装置51が稼働する期間を撹拌期間P2とする。撹拌期間P2は、少なくとも送液期間P1は濾液貯槽50内の濾液が撹拌状態であるように、予め定められる。濾液貯槽用撹拌装置51は、撹拌期間P2は稼働し、その他の期間は停止する。
濾液貯槽用撹拌装置51を稼働してから濾液が送液に十分な撹拌状態となるまでには所定時間(1〜数秒)のタイムラグがある。また、濾液貯槽用撹拌装置51を停止してから所定時間(1〜数秒)は濾液の撹拌状態が維持される。そのため、撹拌期間P2の開始時期は送液期間P1の開始時期よりも所定時間前に設定される。また、撹拌期間P2の終了時期は送液期間P1の終了時期よりも所定時間前に設定される。このように撹拌期間P2を設定することで、濾液貯槽用撹拌装置51の稼働期間を必要最小限にできる。
なお、撹拌期間P2は、少なくとも送液期間P1は濾液貯槽50内の濾液が撹拌状態であるように設定されればよい。すなわち、濾液貯槽50内の濾液が撹拌状態である期間が送液期間P1と同一か、送液期間P1を包含していればよい。そのため、撹拌期間P2の開始時期が送液期間P1の開始時期よりも十分に早くてもよいし、撹拌期間P2の終了時期が送液期間P1の終了時期よりも後に設定されてもよい。
濾液を撹拌すると、空気中の酸素が濾液に取り込まれ、濾液に含まれる1価の銅イオンが酸化されて2価の銅イオンとなる。濾液は電解槽20に供給されることから、2価の銅イオンが電解槽20に供給されることになる。その結果、電解槽20に保持されている電解液の2価銅イオン濃度が上昇し、電流効率が低下する。
しかし、本実施形態では濾液貯槽用撹拌装置51の稼働期間を短くすることで、撹拌により1価の銅イオンが酸化されて2価の銅イオンになることを抑制できる。その結果、電解槽20内の電解液の2価銅イオン濃度の上昇を抑制でき、電流効率を高くできる。しかも、しかも、必要な期間は濾液貯槽用撹拌装置51を稼働させるので、均一な銅濃度の濾液を電解槽20に供給できる。
以上のように、レパルプ槽用撹拌装置31および/または濾液貯槽用撹拌装置51を断続的に稼働させることで、電流効率を高くできる。撹拌装置31、51の稼働、停止は、作業員が手動で行ってもよいし、制御装置を用いて自動で行ってもよい。例えば、脱銅電解設備1に制御装置を設け、制御装置により撹拌装置31、51、ポンプ71、72、その他の機器を、予め定められた順序、タイミングで動作させるシーケンス制御を行えばよい。
つぎに、実施例を説明する。
図1に示す脱銅電解設備1を用いて湿式製錬プロセスの脱銅電解工程の操業を行った。混合槽10に供給される浸出液は、銅を含む塩化ニッケル水溶液であり、ニッケル濃度が220〜270g/L、銅濃度が25〜45g/Lである。混合槽10に供給されるニッケル電解廃液は塩化ニッケル水溶液であり、ニッケル濃度が70〜80g/L、銅濃度が0.01g/Lである。
混合槽10で浸出液をニッケル電解廃液で希釈することで、銅濃度が24g/Lの電解給液を調製した。電解給液の銅濃度の調整は、浸出液およびニッケル電解廃液の流量を調整することで行った。浸出液の流量は20〜200L/分、ニッケル電解廃液の流量は20〜200L/分であった。
(実施例1)
レパルプ槽用撹拌装置31を断続的に稼働させた。具体的には、レパルプ槽用撹拌装置31による撹拌期間P2の開始時期をスラリーの送液期間P1の開始時期よりも1秒前とし、撹拌期間P2の終了時期を送液期間P1の終了時期よりも1秒前とした。濾液貯槽用撹拌装置51は連続的に稼働させた。
その結果、電流効率は74.7%となった。
(実施例2)
実施例1と同様にレパルプ槽用撹拌装置31を断続的に稼働させた。また、濾液貯槽用撹拌装置51を断続的に稼働させた。具体的には、濾液貯槽用撹拌装置51による撹拌期間P2の開始時期を濾液の送液期間P1の開始時期よりも1秒前とし、撹拌期間P2の終了時期を送液期間P1の終了時期よりも1秒前とした。
その結果、電流効率は78.4%となった。
(比較例1)
レパルプ槽用撹拌装置31および濾液貯槽用撹拌装置51を連続的に稼働させた。
その結果、電流効率は57.2%となった。
以上より、レパルプ槽用撹拌装置31を断続的に稼働させると、電流効率を約57%から約75%まで高くできることが確認できた。さらに濾液貯槽用撹拌装置51を断続的に稼働させると、電流効率を約78%まで高くできることが確認できた。
1 脱銅電解設備
10 混合槽
20 電解槽
30 レパルプ槽
31 レパルプ槽用撹拌装置
40 固液分離装置
50 濾液貯槽
51 濾液貯槽用撹拌装置

Claims (4)

  1. 銅を含む水溶液が供給され、電解採取により銅粉を析出させる電解槽と、
    前記電解槽から排出された湿潤状態の銅粉をレパルプするレパルプ槽と、
    前記レパルプ槽から排出されたスラリーをバッチ処理により固液分離する固液分離装置と、
    前記固液分離装置から排出された濾液を前記電解槽に供給する戻り流路と、を備え、
    前記レパルプ槽はレパルプ槽用撹拌装置を備え、
    前記レパルプ槽用撹拌装置は、少なくとも前記レパルプ槽から前記固液分離装置に前記スラリーを送液する期間は前記レパルプ槽内の前記スラリーが撹拌状態であるように、予め定められた期間は稼働し、その他の期間は停止する
    ことを特徴とする脱銅電解設備。
  2. 前記戻り流路は前記濾液を一時貯留する濾液貯槽を備え、
    前記濾液貯槽は濾液貯槽用撹拌装置を備え、
    前記濾液貯槽用撹拌装置は、少なくとも前記濾液貯槽から前記電解槽に前記濾液を送液する期間は前記濾液貯槽内の前記濾液が撹拌状態であるように、予め定められた期間は稼働し、その他の期間は停止する
    ことを特徴とする請求項1記載の脱銅電解設備。
  3. 銅を含む水溶液を電解槽に供給し、電解採取により銅粉を析出させ、
    前記電解槽から排出された湿潤状態の銅粉をレパルプ槽に供給し、レパルプし、
    前記レパルプ槽から排出されたスラリーを固液分離装置に供給し、バッチ処理により固液分離し、
    前記固液分離装置から排出された濾液を前記電解槽に供給し、
    前記レパルプ槽に備えられたレパルプ槽用撹拌装置を、少なくとも前記レパルプ槽から前記固液分離装置に前記スラリーを送液する期間は前記レパルプ槽内の前記スラリーが撹拌状態であるように、予め定められた期間は稼働させ、その他の期間は停止させる
    ことを特徴とする脱銅電解方法。
  4. 前記固液分離装置から排出された前記濾液を前記電解槽に供給するにあたり、前記濾液を濾液貯槽に一時貯留し、
    前記濾液貯槽に備えられた濾液貯槽用撹拌装置を、少なくとも前記濾液貯槽から前記電解槽に前記濾液を送液する期間は前記濾液貯槽内の前記濾液が撹拌状態であるように、予め定められた期間は稼働させ、その他の期間は停止させる
    ことを特徴とする請求項3記載の脱銅電解方法。
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