JP6741942B2 - スプレー造粒法による顆粒状モールドパウダーの製造方法 - Google Patents
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Description
顆粒状モールドパウダーには各種タイプがあるが、一般的にはスプレー造粒法により製造されている。スプレー造粒法とは、モールドパウダー原料に水を加えてスラリーとし、噴霧乾燥装置を用いて、粉末を含有するスラリーを霧状に吹き出し、熱風によって空中で乾燥させる方法であり、中空で球状の顆粒状モールドパウダーを得る方法である。その製造例として、例えば、特許文献1には、乾燥塔上部に設けられた熱風導入口から熱風を導入して乾燥塔下部にて排気すると共にモールドパウダー原料スラリーを乾燥塔上部に設けられた加圧ノズルから下向きに噴射してスラリー液滴を熱風と並流式に移動させながら乾燥し、得られた顆粒状モールドパウダーを乾燥塔下部から回収することを特徴とする鋼の連続鋳造用顆粒状モールドパウダーの製造方法が開示されている。
そこで発想を変え、浮遊選鉱を行なっていない蛍石原料ならばスラリー中に蛍石原料が分散し、問題の解決が可能ではないかと考え、鋭意検討を行った結果、本発明に至ったものである。
実施例に使用される本発明の第1ステップ及び第2ステップを経た蛍石原料及び従来品である浮遊選鉱による蛍石原料を使用した顆粒状モールドパウダー原料の化学組成を以下の表1に示す。なお、表1の化学成分において、CaF2由来のCaをCaOとして表示しているため、O(酸素)が余分に含まれることから、化学組成の合計が100質量%を超えることとなる。
蛍石原料2は、直径80〜120mmの原鉱石から緑色で透明な、一部不透明な部分を含む鉱石を目視によって選別した後、更に、40〜60mmに粗粉砕し、得られた粗粉砕品から緑色で透明な鉱石を選別して高純度のCaF2を含有する蛍石原料を目視にて再選別した後、ジョークラッシャーにて5〜0.5mmに粉砕し、更に、振動バレル研磨機にて粉砕し、次いで、風力分級機で調粒することによって得たものである。なお、この蛍石原料の粒径は90質量%が45μm以下であり、CaF2純度は95質量%であった。
蛍石原料3は、直径80〜120mmの原鉱石から無色透明で、一部緑色で不透明な部分を含む鉱石を目視によって選別した後、更に、40〜60mmに粗粉砕し、得られた粗粉砕品から無色透明な鉱石を選別して高純度のCaF2を含有する蛍石原料を目視にて再選別した後、ジョークラッシャーにて5〜0.5mmに粉砕し、更に、振動バレル研磨機にて粉砕し、次いで、風力分級機で調粒することによって得たものである。なお、この蛍石原料の粒径は90質量%が45μm以下であり、CaF2純度は97質量%であった。
蛍石原料4は、慣用の浮遊選鉱による市販のCaF2純度93質量%品である。
蛍石原料5は、慣用の浮遊選鉱による市販のCaF2純度95質量%品である。
蛍石原料6は、慣用の浮遊選鉱による市販のCaF2純度97質量%品である。
まず、第3ステップで得られた表1に記載の顆粒状モールドパウダー原料のスラリーについて、蛍石原料の分散性とスラリーの気泡の有無によって評価した。
なお、顆粒状モールドパウダー原料のスラリーは、上記蛍石原料と、SiO2、CaO原料、フラックス原料、炭素質原料を表1に記載の組成となるように配合した顆粒状モールドパウダー原料と、水、バインダー(カルボキシメチルセルロース)を添加して攪拌することによって作製した。ここで、蛍石原料の水に対する分散性が悪い場合、均一なスラリーを得ることができず、また、スラリーに気泡が発生すると噴霧乾燥機へのスラリーの圧送を正常に行うことができない。
スラリー中の蛍石原料の分散性は、200mlのビーカーに1質量%CMC(カルボキシメチルセルロース)水溶液50gを入れ、次に、表1に記載の化学組成を有するスラリーの固形分濃度が40〜75質量%となるように、顆粒状モールドパウダー原料を投入し、250rpmまたは500rpmの2種類の回転数で5分間攪拌機にて攪拌を行い、攪拌後に12時間静置したときのスラリーをそれぞれ目視観察することで評価したものである。なお、「◎」は、液表面のスラリーが均一になって色むらやダマがない状態、「○」は、液表面のスラリーに色むらやダマがわずかにみられる状態、「×」は、液表面のスラリーに色ムラとダマが著しくみられる状態をそれぞれ示す。
スラリーの気泡は、実機で、表1に記載の化学組成を有するスラリーの固形分濃度が40〜75質量%となるように顆粒状モールドパウダー原料を投入し、60rpmで20分間攪拌機にて攪拌を行い、スラリー液表面の気泡の有無を目視観察することで評価したものである。なお、「◎」は、気泡が全くない状態、「○」は、気泡がわずかにある状態、「×」は、気泡がスラリー全面を覆っている状態をそれぞれ示す。
スラリーが噴霧装置に正常に圧送でき、噴霧できれば、熱風による造粒、乾燥は自動的に行われる。しかし、スラリーを噴霧装置へ圧送できなければ、噴霧できず、造粒もできないこととなる。また、正常に噴霧・乾燥を行うことができれば、粒強度の高い造粒粉を得ることができる。更に、問題なく噴霧・造粒を行うことができれば、得られる顆粒状モールドパウダーの溶融性状は良好なものとなる。
スラリーの圧送性は、実機で、表1に記載の配合について、スラリー固形分濃度が40〜75質量%となるように顆粒状モールドパウダー原料を投入し、60rpmで20分間攪拌機にて攪拌を行い、噴霧乾燥装置に移送する際に、スラリーが圧送可能か、否かを評価したものである。なお、「◎」は、最良、「○」は、良好、「×」は、不良をそれぞれ示す。
上記スラリーを650℃の熱風を吹き込んだ噴霧乾燥装置内にて1時間当たり1800リットル噴霧して造粒することによって顆粒状モールドパウダーを得た。
顆粒状モールドパウダーの粒強度は、上記のようにして得られた粒径150〜750μmの顆粒状モールドパウダー50gをボールミルにて2分間攪拌し、撹拌後の顆粒状モールドパウダーが150μmの篩を通過した量から評価したものである。なお、「◎」は、150μmの篩を全く通過せず、粒強度が高いものであり、「○」は、150μmの篩を一部通過するが、許容できる程度の粒強度を有する状態を示し、「×」は、150μmの篩を殆ど通過し、粒強度が殆どない状態をそれぞれ示す。なお、比較例1〜3については、スラリーの圧送性が悪く、噴霧乾燥することができなかったため、測定することができなかった。
溶融性状は、高周波誘導炉にて1500℃に保持した溶銑上に得られた顆粒状モールドパウダーを散布して評価した。なお、溶融性状が最良なものを「◎」、良好を「○」、不良を「×」とした。なお、比較例1〜3については、スラリーの圧送性が悪く、噴霧乾燥することができなかったため、測定することができなかった。
これに対して、比較例では、従来品の蛍石原料を適用しているため、スラリー中の蛍石原料の分散性は悪く、スラリー中に気泡が確認された。また、スラリー中に気泡が多く発生したことで、噴霧乾燥装置にスラリーを圧送することができず、顆粒状モールドパウダーを製造することができなかった。
Claims (4)
- スプレー造粒法による少なくとも蛍石を含有してなる顆粒状モールドパウダーの製造方法において、手選鉱によって蛍石を選鉱する第1ステップと;前記選鉱された蛍石原料を粉砕、調粒する第2ステップと;前記調粒された蛍石原料を他の顆粒状モールドパウダー原料と共に水系のスラリーとする第3ステップと;前記スラリーを噴霧乾燥装置で造粒、乾燥させる第4ステップとを経ることを特徴とする顆粒状モールドパウダーの製造方法。
- 第1ステップにおける蛍石の手選鉱は、原鉱の色彩による選別である、請求項1記載の顆粒状モールドパウダーの製造方法。
- 第2ステップにおける蛍石原料の粉砕、調粒は、第1ステップで得られた蛍石原料をまず粉砕機にて5〜0.5mm程度に粉砕し、次いで、レイモンド粉砕機またはバレル研磨機にて粉砕した後、風力分級機で所定の粒径範囲へ粒調することからなる、請求項1記載の顆粒状モールドパウダーの製造方法。
- 第2ステップで得られる蛍石原料の粒径は、90質量%が45μm以下の範囲内にある、請求項3記載の顆粒状モールドパウダーの製造方法。
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