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JP6741942B2 - スプレー造粒法による顆粒状モールドパウダーの製造方法 - Google Patents

スプレー造粒法による顆粒状モールドパウダーの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は鋼の連続鋳造用モールドパウダーの製造方法に関し、更に詳細には、鋼の連続鋳造用においてモールド内に添加される顆粒状モールドパウダーの製造方法に関する。
鋼の連続鋳造時にモールド内の溶鋼上に添加されるモールドパウダーの形態は、粉末タイプと顆粒タイプに大別される。粉末状モールドパウダーはモールド内への投入時に発塵が多く、作業環境を悪化させる等の問題から、顆粒状モールドパウダーが使用されている。
顆粒状モールドパウダーには各種タイプがあるが、一般的にはスプレー造粒法により製造されている。スプレー造粒法とは、モールドパウダー原料に水を加えてスラリーとし、噴霧乾燥装置を用いて、粉末を含有するスラリーを霧状に吹き出し、熱風によって空中で乾燥させる方法であり、中空で球状の顆粒状モールドパウダーを得る方法である。その製造例として、例えば、特許文献1には、乾燥塔上部に設けられた熱風導入口から熱風を導入して乾燥塔下部にて排気すると共にモールドパウダー原料スラリーを乾燥塔上部に設けられた加圧ノズルから下向きに噴射してスラリー液滴を熱風と並流式に移動させながら乾燥し、得られた顆粒状モールドパウダーを乾燥塔下部から回収することを特徴とする鋼の連続鋳造用顆粒状モールドパウダーの製造方法が開示されている。
モールドパウダーは、一般的には主成分であるSiO、CaOと、フラックス成分であるAl、B、MgO、BaO、NaO、LiO、F等から構成されており、更に、溶融速度調整成分である炭素質原料のようなC原料等から構成されている。スプレー造粒法による顆粒状モールドパウダーの製造方法では、SiO、CaO、フラックス原料、C原料を混合したモールドパウダー原料に水、バインダー等を添加、混合してスラリーを作製し、噴霧乾燥装置にて噴霧し、熱風に曝すことにより乾燥して適度な粒径を有する顆粒状モールドパウダーとしている。
顆粒状モールドパウダーの主成分であるSiO、CaO原料として、従来から珪石、ガラス、珪藻土類、セメント類、ウォラストナイト、コレマナイト、炭酸カルシウム等が使用されている。また、フラックス原料としてはフッ化ナトリウム、蛍石、氷晶石、スポジュメン、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム等が使用されている。これらの中でも、蛍石、フッ化ナトリウム及び氷晶石等が多用されている。更に、C原料としては、炭素質原料(例えば、カーボンブラック、コークス粉、膨張性黒鉛等)が使用されている。加えて、疎水性である炭素質原料のようなC原料を分散させるため、分散剤も使用されている。
これら原料の中で、市販されている蛍石原料は、一般的に浮遊選鉱法によってCaFの純度を高めた原料である。浮遊選鉱法のプロセスでは、特許文献2、3のように採掘した蛍石鉱石を微粒子まで粉砕した後、粉砕物は捕収剤(オレイン酸などの脂肪酸)を添加した液中に投入される。粉砕物を含む液中に空気を吹き込むことで数mmの泡を発生させ、この泡と微粒子とを結びつけ泡に浮かんだ粒子と液中に沈降した粒子とを分離させ、CaFの純度を向上させた蛍石原料を得ている。即ち、特許文献2には、炭酸塩及び(または)バリタを含む脈石を有する蛍石鉱石から蛍石を浮遊選鉱によって分離する方法において、前記蛍鉱石を水の中に懸濁させてスラリーを作り、炭酸塩及びバリタの抑制剤としてのエトキシ化線状アルコールをもって調整し、次に捕収剤の通常の添剤並びにフッ素捕収剤を用いて調整し、その後、浮遊選鉱を行なうことを特徴とする蛍石の浮遊選鉱法が記載されている。また、特許文献3には、蛍石捕収剤、石英、粘土、方解石などの抑制剤、分散剤、pH調整剤などの存在下で1段または数段の浮遊選鉱を行なって蛍石を浮遊精鉱として回収して蛍石の純度を高めたる後、その浮遊蛍石に石英、粘土捕収剤、石英、粘土活性剤、蛍石抑制剤、分散剤、pH調整剤、消泡剤などを必要に応じて添加して浮遊選鉱を行ない石英、粘土などを浮鉱として除去し、沈鉱として高純度の蛍石を回収することを特徴とする蛍石の浮遊選鉱法が開示されている。
特開2012−81490号公報 特開昭48−61302号公報 特開昭49−23705号公報
しかしながら、上述の浮遊選鉱法にて得られた蛍石原料の表面は捕収剤で被覆されて疎水性を有しているため、特に、蛍石原料の多いモールドパウダーの配合では、顆粒状モールドパウダーの製造時にモールドパウダー原料と水とを混合し難く、均一にモールドパウダー原料が分散したスラリーの作製が困難であった。更に、スラリー作製のため攪拌したとき、発生する気泡の周囲に蛍石原料の被膜が形成してしまい気泡が割れずにスラリー中あるいは液表面に多量に気泡が発生し、スラリー中に多量の気泡が存在すると圧送ポンプで噴霧ノズルまでスラリーを移送できないという問題があった。
従って、本発明の目的は、顆粒状モールドパウダーの製造に用いられるモールドパウダー原料のスラリーを製造する際に、モールドパウダー原料と水が混合しやすく、生成したスラリー中の気泡が発生することなく、噴霧乾燥装置にスラリーを移送でき、安定した顆粒状モールドパウダーを製造することができるスプレー造粒法による顆粒状モールドパウダーの製造方法を提供することにある。
スプレー造粒法により顆粒状モールドパウダーを製造するに際して、蛍石原料を多量に使用する配合ではスラリー作成時に気泡発生量が多くなる傾向があり、気泡の発生原因が蛍石原料にあるのではないかと推定した。蛍石原料を単独で水に投入したところ、水に馴染まないことを確認した。ここで、蛍石原料の親水性・疎水性の評価方法は、1.0gの蛍石原料を100mlの水に入れたとき、親水性なら水中に溶け込んで分散し、疎水性ならダマになる、または液表面で膜を張るなどを目視観察することで行った。一般的に販売されている蛍石原料は浮遊選鉱法によってCaFの高純度化がなされており、この方法で得られた蛍石原料の表面は補収剤の被膜が形成されているため疎水性を有している。
顆粒状モールドパウダーの多くには炭素質原料のようなC原料が配合されており、スラリー作製時に分散剤を配合して水に馴染みにくいC原料をスラリー中に分散させている。しかしながら、C原料を分散させるために適した分散剤では蛍石原料を分散させることができないため、C原料と蛍石原料とを分散させる分散剤および界面活性剤について鋭意検討を行った。しかしながら、分散剤や界面活性剤を配合して得た顆粒状モールドパウダーは、顆粒の強度が低下し、更に、C原料の分散性も損なわれるため、顆粒状モールドパウダーの性能が十分に発揮されないという問題が発生した。また、界面活性剤を配合した場合、界面活性剤に起因する泡が多量に発生するため、消泡剤を配合して界面活性剤によって発生した泡を消す必要があった。
そこで発想を変え、浮遊選鉱を行なっていない蛍石原料ならばスラリー中に蛍石原料が分散し、問題の解決が可能ではないかと考え、鋭意検討を行った結果、本発明に至ったものである。
即ち、本発明は、スプレー造粒法による少なくとも蛍石を含有してなる顆粒状モールドパウダーの製造方法において、手選鉱によって蛍石を選鉱する第1ステップと;前記選鉱された蛍石原料を粉砕、調粒する第2ステップと;前記調粒された蛍石原料を他の顆粒状モールドパウダー原料と共に水系のスラリーとする第3ステップと;前記スラリーを噴霧乾燥装置で造粒、乾燥させる第4ステップとを経ることを特徴とする顆粒状モールドパウダーの製造方法である。
本発明によれば、手選鉱で選鉱した蛍石原料を適用することで、顆粒状モールドパウダー原料のスラリー中における気泡の発生を大幅に低減でき、スラリーを噴霧乾燥装置に安定的に移送でき、その結果、顆粒状モールドパウダーの生産性が向上するという効果を奏するものである。
本発明のスプレー造粒法による少なくとも蛍石を含有してなる顆粒状モールドパウダーの製造方法の第1ステップは、蛍石は手選鉱によって選鉱することにある。手選鉱で得られた蛍石原料のCaFの純度は93質量%以上であり、好ましくは95質量%以上、更に好ましくは97質量%以上である。ここで、不純物成分として、SiO、Al、Fe、TiO、MnO、KO、Cr、Pを許容することができる。CaFの純度が93質量%未満であると、蛍石原料の組成が安定しないため、得られる顆粒状モールドパウダーの組成も安定し難く、配合設計が困難になるために好ましくない。
ここで、蛍石の手選鉱は、原鉱の色彩による選別である。蛍石は古来宝石としても利用されたように、高純度のものはやや青みがかった奇麗で透明な結晶として産出する。そのため、例えば、産出する鉱物の色彩と純度との関係について、色見本を作成し、その見本に従って選鉱することで、一定のCaF純度を有する蛍石を得ることができる。
手選鉱の方法は特に限定されるものではないが、例えば鉱山で採掘してきた直径80〜120mm程度、好ましくは直径100mm程度原鉱石から高純度のCaFを含有する鉱石の色彩を目視によって選別した後、更に、直径30〜60mm程度、好ましくは直径40mm程度に粗粉砕してより高純度のCaFを含有する鉱石を目視にて再選別するという方法を採用することができる。ここで、直径120mmよりも大きいと質量が大きすぎて手選鉱には不向きであり、また、CaF純度の高い部分と低い部分が混在するため、大きさ別に数回の目視選鉱が必要となる。また、直径30mmよりも小さいと選別する手間が増えるため手選鉱には不向きである。
本発明のスプレー造粒法による少なくとも蛍石を含有してなる顆粒状モールドパウダーの製造方法の第2ステップは、前記選鉱された蛍石原料を粉砕、調粒することからなる。蛍石原料を粉砕、調粒する方法は特に限定されるものではないが、例えば以下のような方法を採用することができる。まず、粉砕機(ジョークラッシャー、エッジランナー、ロールクラッシャー、インパクトクラッシャーなど)にて5〜0.5mm程度に粉砕し、更に、レイモンド粉砕機、バレル研磨機(回転バレル研磨、振動バレル研磨など)にて粉砕した後、風力分級機で規格内の蛍石原料を収集する。なお、蛍石原料の粒径は全体の90質量%が45μm以下の範囲であることが好ましい。45μmを超える粒径が全体の10質量%を超えて存在すると、顆粒状モールドパウダー成分の偏析や溶融性状が変化することが問題となるために好ましくない。
前記手選鉱及び粒調した蛍石をモールドパウダー原料として適用することで、浮遊選鉱の蛍石を使用した場合で問題となっていたモールドパウダー原料と水との混合のしにくさや、スラリー中の気泡による噴霧乾燥装置にスラリーを移送できないという課題を解決することが可能となる。
本発明のスプレー造粒法による少なくとも蛍石を含有してなる顆粒状モールドパウダーの製造方法の第3ステップは、前記調粒された蛍石を他の顆粒状モールドパウダー原料と共に水系のスラリーとすることからなる。スラリーは、SiO、CaO原料、フラックス原料、C原料を混合したモールドパウダー原料と水、バインダー等を添加して攪拌することで作製される。スラリーに含まれるモールドパウダー原料の固形分濃度は40〜75質量%の範囲内で、好ましくは50〜65質量%の範囲内である。ここで、スラリーの固形分濃度が40質量%未満では、スラリー濃度が低く、歩留まりの悪化や噴霧時間がかかるため燃料費がコスト高となるといった問題があるために好ましくない。また、固形分濃度が75質量%を超えると、スラリー粘度が高くなり過ぎて噴霧し難いという問題があるために好ましくない。
なお、上記第1ステップ及び第2ステップにより得られた蛍石原料の顆粒状モールドパウダー原料への配合割合は、5〜40質量%、好ましくは15〜30質量%の範囲内である。ここで、蛍石原料の配合割合が5質量%未満の場合、顆粒状モールドパウダー原料には、所定量の蛍石を配合するために慣用の蛍石原料を残余として適用することが必要となるが、この場合には、気泡は発生するものの、スラリーを噴霧乾燥装置に移送することはできる。また、蛍石原料が40質量%を超えると、顆粒状モールドパウダーのF成分が多くなり過ぎるため好ましくない。
なお、本発明方法は、顆粒状モールドパウダーに配合する蛍石原料に、上記蛍石原料を使用することを特徴とするものであり、蛍石原料除く顆粒状モールドパウダー原料の配合割合及び顆粒状モールドパウダー原料の組成割合は特に限定されるものではなく、慣用、公知の配合及び組成割合を利用することができる。
本発明のスプレー造粒法による少なくとも蛍石を含有してなる顆粒状モールドパウダーの製造方法の第4ステップは、第3ステップで得られたスラリーを噴霧乾燥装置で造粒、乾燥することからなる。スラリーを噴霧乾燥装置で造粒、乾燥させる噴霧方式は、特に限定されるものではなく、ノズル方式またはディスク方式のどちらでもよい。スラリーは500〜800℃、好ましくは600〜700℃の熱風を吹き込んだスプレードライヤー内に噴霧して造粒する。このときに得られる顆粒状モールドパウダーは、通常中空球状であるが、穴の閉じた中実の顆粒であってもよい。なお、得られる顆粒状モールドパウダーの平均粒径は150〜700μm、好ましくは300〜500μmの範囲内である。
以下、実施例により本発明のスプレー造粒法による少なくとも蛍石を含有してなる顆粒状モールドパウダーの製造方法を更に説明する。
実施例に使用される本発明の第1ステップ及び第2ステップを経た蛍石原料及び従来品である浮遊選鉱による蛍石原料を使用した顆粒状モールドパウダー原料の化学組成を以下の表1に示す。なお、表1の化学成分において、CaF由来のCaをCaOとして表示しているため、O(酸素)が余分に含まれることから、化学組成の合計が100質量%を超えることとなる。
Figure 0006741942
なお、蛍石原料1は、直径80〜120mmの原鉱石から緑色で不透明な、一部茶褐色で不透明な部分を含む鉱石を目視によって選別した後、更に、40〜60mmに粗粉砕し、得られた粗粉砕品から緑色で不透明な鉱石を選別して高純度のCaFを含有する蛍石原料を目視にて再選別した後、ジョークラッシャーにて5〜0.5mmに粉砕し、更に、振動バレル研磨機にて粉砕し、次いで、風力分級機で調粒することによって得たものである。なお、この蛍石原料の粒径は90質量%が45μm以下であり、CaF純度は93質量%であった。鉱物の選鉱に際しては、鉱石の色彩とCaF純度との関係について、予め色見本を作成し、その見本に従って選鉱を行った
蛍石原料2は、直径80〜120mmの原鉱石から緑色で透明な、一部不透明な部分を含む鉱石を目視によって選別した後、更に、40〜60mmに粗粉砕し、得られた粗粉砕品から緑色で透明な鉱石を選別して高純度のCaFを含有する蛍石原料を目視にて再選別した後、ジョークラッシャーにて5〜0.5mmに粉砕し、更に、振動バレル研磨機にて粉砕し、次いで、風力分級機で調粒することによって得たものである。なお、この蛍石原料の粒径は90質量%が45μm以下であり、CaF純度は95質量%であった。
蛍石原料3は、直径80〜120mmの原鉱石から無色透明で、一部緑色で不透明な部分を含む鉱石を目視によって選別した後、更に、40〜60mmに粗粉砕し、得られた粗粉砕品から無色透明な鉱石を選別して高純度のCaFを含有する蛍石原料を目視にて再選別した後、ジョークラッシャーにて5〜0.5mmに粉砕し、更に、振動バレル研磨機にて粉砕し、次いで、風力分級機で調粒することによって得たものである。なお、この蛍石原料の粒径は90質量%が45μm以下であり、CaF純度は97質量%であった。
蛍石原料4は、慣用の浮遊選鉱による市販のCaF純度93質量%品である。
蛍石原料5は、慣用の浮遊選鉱による市販のCaF純度95質量%品である。
蛍石原料6は、慣用の浮遊選鉱による市販のCaF純度97質量%品である。
次に、表1に記載する顆粒状モールドパウダー原料のスラリーについて、第3ステップ及び第4ステップでの特性を評価した。
まず、第3ステップで得られた表1に記載の顆粒状モールドパウダー原料のスラリーについて、蛍石原料の分散性とスラリーの気泡の有無によって評価した。
なお、顆粒状モールドパウダー原料のスラリーは、上記蛍石原料と、SiO2、CaO原料、フラックス原料、炭素質原料を表1に記載の組成となるように配合した顆粒状モールドパウダー原料と、水、バインダー(カルボキシメチルセルロース)を添加して攪拌することによって作製した。ここで、蛍石原料の水に対する分散性が悪い場合、均一なスラリーを得ることができず、また、スラリーに気泡が発生すると噴霧乾燥機へのスラリーの圧送を正常に行うことができない。
スラリー中の蛍石原料の分散性は、200mlのビーカーに1質量%CMC(カルボキシメチルセルロース)水溶液50gを入れ、次に、表1に記載の化学組成を有するスラリーの固形分濃度が40〜75質量%となるように、顆粒状モールドパウダー原料を投入し、250rpmまたは500rpmの2種類の回転数で5分間攪拌機にて攪拌を行い、攪拌後に12時間静置したときのスラリーをそれぞれ目視観察することで評価したものである。なお、「◎」は、液表面のスラリーが均一になって色むらやダマがない状態、「○」は、液表面のスラリーに色むらやダマがわずかにみられる状態、「×」は、液表面のスラリーに色ムラとダマが著しくみられる状態をそれぞれ示す。
スラリーの気泡は、実機で、表1に記載の化学組成を有するスラリーの固形分濃度が40〜75質量%となるように顆粒状モールドパウダー原料を投入し、60rpmで20分間攪拌機にて攪拌を行い、スラリー液表面の気泡の有無を目視観察することで評価したものである。なお、「◎」は、気泡が全くない状態、「○」は、気泡がわずかにある状態、「×」は、気泡がスラリー全面を覆っている状態をそれぞれ示す。
第4ステップの噴霧乾燥装置での造粒・乾燥については、スラリーの圧送性と顆粒状モールドパウダーの粒強度、溶融性状によって評価した。
スラリーが噴霧装置に正常に圧送でき、噴霧できれば、熱風による造粒、乾燥は自動的に行われる。しかし、スラリーを噴霧装置へ圧送できなければ、噴霧できず、造粒もできないこととなる。また、正常に噴霧・乾燥を行うことができれば、粒強度の高い造粒粉を得ることができる。更に、問題なく噴霧・造粒を行うことができれば、得られる顆粒状モールドパウダーの溶融性状は良好なものとなる。
スラリーの圧送性は、実機で、表1に記載の配合について、スラリー固形分濃度が40〜75質量%となるように顆粒状モールドパウダー原料を投入し、60rpmで20分間攪拌機にて攪拌を行い、噴霧乾燥装置に移送する際に、スラリーが圧送可能か、否かを評価したものである。なお、「◎」は、最良、「○」は、良好、「×」は、不良をそれぞれ示す。
上記スラリーを650℃の熱風を吹き込んだ噴霧乾燥装置内にて1時間当たり1800リットル噴霧して造粒することによって顆粒状モールドパウダーを得た。
顆粒状モールドパウダーの粒強度は、上記のようにして得られた粒径150〜750μmの顆粒状モールドパウダー50gをボールミルにて2分間攪拌し、撹拌後の顆粒状モールドパウダーが150μmの篩を通過した量から評価したものである。なお、「◎」は、150μmの篩を全く通過せず、粒強度が高いものであり、「○」は、150μmの篩を一部通過するが、許容できる程度の粒強度を有する状態を示し、「×」は、150μmの篩を殆ど通過し、粒強度が殆どない状態をそれぞれ示す。なお、比較例1〜3については、スラリーの圧送性が悪く、噴霧乾燥することができなかったため、測定することができなかった。
溶融性状は、高周波誘導炉にて1500℃に保持した溶銑上に得られた顆粒状モールドパウダーを散布して評価した。なお、溶融性状が最良なものを「◎」、良好を「○」、不良を「×」とした。なお、比較例1〜3については、スラリーの圧送性が悪く、噴霧乾燥することができなかったため、測定することができなかった。
実施例で得られた顆粒状モールドパウダーは、本発明の第1ステップ及び第2ステップを経て得られた蛍石原料を適用しており、スラリー中の蛍石原料の分散性は良好で、スラリーの気泡はほとんど認められず、容易にスラリーを噴霧乾燥装置に圧送することができ、得られた顆粒状モールドパウダーの粒強度は高く、溶融性状は良好であった。
これに対して、比較例では、従来品の蛍石原料を適用しているため、スラリー中の蛍石原料の分散性は悪く、スラリー中に気泡が確認された。また、スラリー中に気泡が多く発生したことで、噴霧乾燥装置にスラリーを圧送することができず、顆粒状モールドパウダーを製造することができなかった。

Claims (4)

  1. スプレー造粒法による少なくとも蛍石を含有してなる顆粒状モールドパウダーの製造方法において、手選鉱によって蛍石を選鉱する第1ステップと;前記選鉱された蛍石原料を粉砕、調粒する第2ステップと;前記調粒された蛍石原料を他の顆粒状モールドパウダー原料と共に水系のスラリーとする第3ステップと;前記スラリーを噴霧乾燥装置で造粒、乾燥させる第4ステップとを経ることを特徴とする顆粒状モールドパウダーの製造方法。
  2. 第1ステップにおける蛍石の手選鉱は、原鉱の色彩による選別である、請求項1記載の顆粒状モールドパウダーの製造方法。
  3. 第2ステップにおける蛍石原料の粉砕、調粒は、第1ステップで得られた蛍石原料をまず粉砕機にて5〜0.5mm程度に粉砕し、次いで、レイモンド粉砕機またはバレル研磨機にて粉砕した後、風力分級機で所定の粒径範囲へ粒調することからなる、請求項1記載の顆粒状モールドパウダーの製造方法。
  4. 第2ステップで得られる蛍石原料の粒径は、90質量%が45μm以下の範囲内にある、請求項3記載の顆粒状モールドパウダーの製造方法。
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