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JP6739957B2 - ヒータおよび定着装置 - Google Patents

ヒータおよび定着装置 Download PDF

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Description

本発明は記録材上の画像を加熱するために用いられるヒータ、および、これを備える定着装置に関するものである。本発明のヒータおよび定着装置は複写機、プリンタ、ファックス、これらの機能を複数備える複合機等の画像形成装置に用いられ得る。
従来から画像形成装置では記録材上にトナー像を形成した後に、定着装置で加熱および加圧を施すことで、記録材上にトナー像を定着させる方式が一般的に用いられている。一方、近年の省エネルギーおよびクイックスタートの要望に対して、薄肉ベルトの内面にヒータを当接させ、ベルトを加熱する方式の定着装置が提案されている(特許文献1)。
また、特許文献1には加熱する記録材の幅サイズに応じてヒータが発熱する領域(発熱幅)を変更する構成が開示されている。図11は特許文献1に記載の定着装置におけるヒータ1006の回路図である。
このヒータ1006は電極1027(1027a〜1027f)を基板1021の長手方向に並べて配置し、各電極から抵抗発熱層1025(1025a〜1025e)に通電することで抵抗発熱層1025を発熱させている。また、このヒータ1006は各電極が基板上に形成された配線層1029(1029a、1029b)に接続されている。詳細には、電極1027bと電極1027dに接続される配線層1029bは基板の長手方向一端へと延びている。電極1027cと電極1027eに接続された配線層1029aは基板の長手方向他端へと延びている。
更に、基板の長手方向の一端において、電極1027aと配線層1029bはそれぞれ配線部材に接続可能となっており、基板の長手方向の他端において、電極1027fと配線層1029aはそれぞれ配線部材に接続可能となっている。基板の長手方向両端部では各配線を保護する為の絶縁層が設けられておらず、配線層1029a、1029b及び電極1027a、1027fが露出した状態となっている。そのため、配線層1029a、1029b及び電極1027a、1027fの露出した部位に配線部材が接触することで、抵抗発熱層1025は電源供給回路に接続される。
電源供給回路は交流電源とスイッチ1033(1033a、1033b、1033c、1033d)を備えており、スイッチ1033のオン、オフによって各配線の接続パターンを変えることができる。つまり、配線層1029a、1029bは電源供給回路内の接続パターンに応じて電源端子1031a側か電源端子1031b側のいずれかに接続され、加熱される記録材の幅サイズに応じて抵抗発熱層1025の発熱領域(発熱幅)を変えている。
例えば、図11の(a)のように、スイッチ1033aと1033bがオン、スイッチ1033cと1033dがオフの接続パターンの場合には、抵抗発熱層1025a〜1025eの全てが発熱する。(b)のように、スイッチ1033aと1033bがオフ、スイッチ1033cと1033dがオンの接続パターンの場合には、抵抗発熱層1025b・1025c・1025dが発熱する。
特開2012−37613号公報
ところで、特許文献1においてはヒータ温度を検知する温度センサ(温度検知手段)であるサーミスタがヒータ長手のどこの個所に配置されるかは記載されていないが、サーミスタはヒータの長手に一つである。しかしながら、長手の発熱分布を独立に変えられるヒータにおいて、ヒータに配置されているサーミスタの数が一つであると、各発熱体の温度が検知できない。そのため、ヒータが異常昇温したときには、その異常昇温個所に対応するベルト部分の寿命を早めてしまう可能性がある。
本発明の目的は、加熱する記録材の幅サイズに応じて抵抗発熱体が発熱する領域を変えることが可能であるヒータにおける異常昇温を防止することにある。また、ヒータの異常昇温を防止できる定着装置を提供することにある。
記の目的を達成するための本発明に係るヒータの代表的な構成は、記録材上の画像を加熱する定着装置に用いられるヒータであって、細長い基板と、前記基板の長手に沿って延在している通電により発熱する抵抗発熱体と、前記基板に設けられている複数の電極と、前記複数の電極のそれぞれから延在している複数の導体路と、前記複数の導体路のそれぞれから長手に沿って間隔をあけて分岐している複数の分岐路であって、前記抵抗発熱体を横断して前記抵抗発熱体と電気的に接続して分岐路間で前記抵抗発熱体を長手に沿って複数の小区間発熱に区分している分岐路と、を有し、搬送される記録材の幅サイズに応じてその幅サイズに対応する領域幅にかかる小区間発熱が発熱するように前記複数の電極に対して選択的に電圧が印加されるヒータにおいて、前記領域幅の端部に対応する小区間発熱部の領域内であって、前記抵抗発熱体の長手方向において前記領域幅よりも外側に設けられ、前記領域幅の端部に対応する小区間発熱部の温度を検知する端部温度センサと、前記抵抗発熱体の長手方向において前記領域幅の端部に対応する小区間発熱部の外側であって前記領域幅の端部に対応する小区間発熱部と隣り合う小区間発熱部の温度を検知する端部外温度センサと、を有し、前記端部外温度センサは、前記領域幅の端部に対応する小区間発熱部と隣り合う小区間発熱部の領域内の前記抵抗発熱体の長手方向において内側の端部の温度を検知することを特徴とする。
本発明によれば、加熱する記録材の幅サイズに応じて抵抗発熱体が発熱する領域を変えることが可能であるヒータにおける異常昇温を防止できる。また、ヒータの異常昇温を防止できる定着装置を提供することができる。
実施例1のヒータの構成模式図 同ヒータの基本構成の説明図(その1) 同ヒータの基本構成の説明図(その2) ヒータの発熱方式および発熱幅の切り替え方式を説明する模式図 実施例1における画像形成装置(プリンタ)概略構成図 (a)は実施例1における定着装置の要部の横断面模式図、(b)は定着ベルトの層構成模式図 同定着装置の要部の途中部分省略の縦断正面模式図 実施例2のヒータの構成模式図 故障例を説明するための図 端部サーミスタと端部外サーミスタの検知温度を説明するための図 従来例のヒータ回路図
以下、本発明に係る実施の形態について説明する。尚、以下の実施例では画像形成装置として電子写真プロセスを利用したレーザービームプリンタを例に説明する。
《実施例1》
[画像形成装置]
図5は本実施例におけるプリンタ1の概略断面図である。このプリンタ1は、タンデム方式−中間転写方式のフルカラープリンタであり、イエロ(Y)色、マゼンタ(M)色、シアン(C)色、ブラック(Bk)色の各色トナーの画像(以降、トナー像)を形成する4つの画像形成部UY・UM・UC・UBkを有する。
各画像形成部は、それぞれ、感光ドラム2、帯電器3、レーザスキャナ4、現像器5、一次転写帯電器6、ドラムクリーナ7を有する。なお、図の煩雑を避けるため画像形成部UY以外の画像形成部UM・UC・UBkにおけるこれらの機器に対する符号の記入は省略した。また、これら画像形成部の電子写真プロセスや作像動作は公知であるからその説明は割愛する。
各画像形成部のドラム2から回動する中間転写ベルト8に対して各色のトナー像が所定に重畳されて一次転写される。これによりベルト8上に4色重畳のトナー像が形成される。一方、カセット9又は10、或いは手差しトレイ11から記録材(シート、用紙)Pが一枚宛給送されて搬送路12を通って所定の制御タイミングでベルト8と二次転写ローラ13との圧接部である二次転写ニップ部に導入される。これにより、記録材Pに対してベルト8上の4色重畳のトナー像が一括して二次転写される。その記録材Pが定着装置40に導入されてトナー像の定着処理を受ける。
定着装置40を出た記録材Pは片面画像形成モードの場合はフラッパ14の制御により搬送路15の側に誘導されて排出トレイ16上にフェイスダウンで排出される。或いは、搬送路17の側に誘導されて排出トレイ18上にフェイスアップで排出される。
両面画像形成モードの場合は、定着装置40を出た記録材Pはフラッパ14の制御により搬送路15の側に一旦誘導された後にスイッチバック搬送されて両面搬送路19の側に導入される。そして、表裏反転された状態で再び搬送路12を通って二次転写ニップ部に導入されて他方の面にトナー像が形成される。以後は、片面画像形成の場合と同様に定着装置40に導入され、排出トレイ16又は18に両面画像形成物として排出される。
なお、本実施例のプリンタ1においては、大小各種幅サイズの記録材Pの搬送は、記録材幅中心の所謂中央基準でなされる。以下において、装置に使用可能な最大幅サイズの記録材を大サイズ記録材、それよりも幅狭の記録材を小サイズ記録材と記す。本実施例の画像形成装置は、A4横サイズ記録材を1分間に30枚生産することができる。
[定着装置]
次に、本実施例における定着装置40について説明する。図6の(a)は定着装置40の要部の横断面模式図、(b)は定着ベルトの層構成模式図である。図7は定着装置40の要部の途中部分省略の縦断正面模式図である。定着装置40の正面は記録材導入側から見た面である。
この定着装置40はベルト加熱方式の画像加熱装置であり、大別して、記録材P上の画像を加熱するベルトユニット60と対向部材(ニップ形成部材、加圧部材)としての弾性加圧ローラ70と、これらを収容している装置筐体41と、を有する。
ベルトユニット60は可撓性を有する薄肉の定着ベルト(伝熱部材:エンドレスベルト、以下、ベルトと記す)603をベルト内面に接触するヒータ600により加熱する構成である。そのため、ベルト603を効率良く加熱でき、立ち上げ性能に優れる。ベルト603にはヒータ600と加圧ローラ70の加圧によりニップ部(定着ニップ部)Nが形成され、ニップ部Nに給送された記録材Pを挟持搬送する。この時、ヒータ600で発生した熱はベルト603を介して記録材Pに付与され、記録材P上のトナー画像Tは記録材Pに定着される。
ベルトユニット60は記録材P上の画像を加熱、加圧する為のユニットであり、加圧ローラ70とほぼ平行となるように設けられ、ヒータ600、ヒータホルダ601、支持ステー602、ベルト603を有する。
ヒータ600はニップ部Nが記録材搬送方向aにおいて所望の幅となるように、ベルト603を加圧ローラ70の方向に押圧する。また、ヒータ600は基板610と、基板610上に通電により発熱する抵抗発熱体620(抵抗発熱層:以後、発熱体と呼ぶ)を備え、ヒータホルダ601の下面の凹部601aに固定されている。尚、本実施例では基板610の裏面側(ベルト603と当接しない側)に発熱体620を設けている。しかし、これに限定されるものでは無く、表面側(ベルト603と当接する側)に設けても良い。
基板610のベルト603と当接する側である表面側には摺動層として厚さ約10μmのポリイミド層(不図示)を設けており、ベルト603とヒータ600との摺擦抵抗を低減することで、ベルト603の内面の磨耗を抑制することでできる。更に、摺擦抵抗低減するためにベルト603の内面にグリス等の潤滑剤を塗布しても良い。
ベルト603は記録材P上のトナー像Tをニップ部Nにて加熱、加圧するための円筒状のベルト(エンドレスベルト)である。本実施例では図6の(b)の層構成模式図のように基材603a上に弾性層603bと離型層603cを設けたものを用いる。具体的に、基材603aとしては外径が30mm、長さ(幅)が340mm、厚みが30μmのニッケル合金から成る円筒形状の部材を用いている。更に、基材603a上には弾性層603bとして厚みが400μmのシリコーンゴム層を形成し、更に弾性層603b上には離形層603cとして厚みが約20μmのフッ素樹脂チューブを被覆している。
ヒータホルダ601(以後、ホルダ601と呼ぶ)はヒータ600をベルト603に向かって押圧した状態で保持する部材である。また、ホルダ601は断面形状がほぼ半円弧形状であり、ベルト603の回転軌道を規制する機能を備えている。ホルダ601には高耐熱性の樹脂等が用いられ、本実施例ではデュポン社のゼナイト7755(商品名)を使用している。
支持ステー602はホルダ601を介してヒータ600を支持する部材である。支持ステー602は大きな荷重をかけられても撓みにくい材質であることが望ましく、本実施例においてはSUS304(ステンレス鋼)を使用している。
図7のように、支持ステー602はその長手方向の両端部において、フランジ411a・411bに支持されている。フランジ411a・411bを総称してフランジ411と呼ぶ。フランジ411はベルト603の長手方向の移動、および周方向の形状を規制している。フランジ411には耐熱性の樹脂等が用いられ、本実施例ではPPS(ポリフェニレンサルファイド)を使用している。フランジ411と加圧アーム414(a,b)との間には加圧バネ415(a,b)が縮められた状態で設けられる。
上記構成により、フランジ411、支持ステー602、ホルダ601を介して、加圧バネ415の弾性力がヒータ600に伝わる。そして、ベルト603が加圧ローラ70に対して所定の押圧力で加圧され、記録材搬送方向aにおいて所定幅のニップ部Nが形成される。本実施例に於ける加圧力は一端側と他端側がそれぞれ約156.8N、総加圧力が約313.6N(32kgf)である。
また、コネクタ700(a,b)はヒータ600に電圧を印加するためにヒータ600と電気的に接続される給電部材であり、ヒータ600の長手方向両端側に着脱可能に取り付けられる。
加圧ローラ70はベルト603と協働して記録材上(シート上)のトナー像Tを加熱するためのニップ部Nを形成するとともにベルト603を回転駆動する駆動回転体である。加圧ローラ70は金属の芯金71上に弾性層72を設け、更に、弾性層72上に離型層73を設けた多層構造である。芯金71としてはステンレス鋼、SUM(硫黄及び硫黄複合快削鋼鋼材)、アルミニウムを用いることができる。弾性層72としてはシリコーンゴム、スポンジゴム層、あるいは弾性気泡ゴムを用いることができる。離型層73としてはフッ素樹脂材料を用いることができる。
本実施例の加圧ローラ70はステンレス製の芯金71と、発泡シリコーンゴムの弾性層72と、フッ素樹脂チューブの離型層73からなり、外径は約25mm、弾性層の長手長さは330mmである。
図7のように、加圧ローラ70の芯金71の両端部はそれぞれ装置筐体41の一端側と他端側の側板41(a,b)との間に軸受け42(a,b)を介して回転可能に保持されている。芯金71の一方側の端部にはギアGが設けられて、制御回路(制御部)100で制御されるモータ(駆動源)Mの駆動力を芯金71に伝達する。
モータMにより駆動される加圧ローラ70は図6において矢印R70の方向に回転し、ニップ部Nにてベルト603に駆動力を伝達してベルト603を矢印R603の方向に従動回転させる。尚、本実施例では加圧ローラ70の表面速度が200mm/secとなるように、制御回路100によってモータMは制御される。
上記のように、モータMの駆動により加圧ローラ70が回転駆動され、これに伴いベルト603が従動回転する。そして、後述するように、加熱する記録材Pの幅サイズに応じて抵抗発熱体領域が発熱するようにヒータ600に対する通電制御がなされ、かつヒータ600の発熱領域が所定の温度に立ち上げられて温調される。
この定着装置状態において、画像形成部側から定着装置40に未定着のトナー像Tを担持した記録材Pが導入されてニップ部Nに進入して挟持搬送される。これにより、ニップ部Nでトナー像が記録材に加熱加圧定着される。ニップ部Nを通過した記録材Pはベルト603の面から曲率分離して排出搬送されていく。
[ヒータ]
次に、ヒータ600の構成を詳細に説明する。先ず、ヒータの発熱方式および発熱幅の切り替え方式を図4の模式図により説明する。(a)のように、第1導体路710には分岐路715a・715b・715cが接続される。一方、第2導体路720には分岐路725d・725e・725fが接続される。第1導体路710に接続される分岐路715a・715b・715cと第2導体路720に接続される分岐路725d・725e・725fは長手方向において交互に並べて配置され、各分岐路間に発熱体620が電気的に接続するように設けられる。
第1導体路710と第2導体路720間に電圧Vが印加されると、隣接する分岐路間に電位差が生じ、図中の矢印で示す電流の発生によって、発熱体620が発熱(点灯)する。また、(b)のように、分岐路725e・725f間にスイッチSWを設けてこのスイッチSWをオフにすると、分岐路715b・715cが同電位となるため、分岐路715b・715c間における発熱体620は発熱しない。
つまり、導体路の一部の電気的接続を切断することで、発熱体の一部のみを発熱することができる。尚、長手方向に並ぶ複数の発熱体に通電して発熱させる場合、隣接する発熱体の電流の向きが互い違いとなるように分岐路を配置する構成が好ましい。
発熱体と第2分岐路のその他の配置として、発熱体の両端に異極の分岐路を接続して、長手において電流の向きが同一方向となるようにする構成がある。しかしながら、隣接する発熱体間に2つの分岐路が必要となるため、この分岐路間で短絡が発生する恐れがある。加えて、発熱体間の分岐路の幅が広くなるので、非発熱部が大きくなり、長手方向においてヒータおよびベルトに温度ムラが生じてしまう。従って、隣接する発熱体間の分岐路を兼用するように発熱体と分岐路を配置する構成が望ましい。
次に、本実施例のヒータ600の基本構成を図2の模式図を用いて詳細に説明する。このヒータ600は、細長い基板610と、この基板の長手に沿って延在している通電により発熱する抵抗発熱体620と、共通電極641と、この共通電極641から発熱体620の長手に沿って延在している共通導体路640と、を有する。また、その共通導体路640から長手に沿って間隔をあけて分岐している複数の共通分岐路であって、それぞれ発熱体620を横断して発熱体620と電気的に接続している共通分岐路642(a〜j)を有する。
また、複数の個別電極651・661・671と、その複数の個別電極からそれぞれ発熱体620の長手に沿って延在している対向導体路650・660(a,b)・670(a,b)を有する。また、それらの対向導体路のそれぞれから分岐している複数の対向分岐路652(a〜c)・662(a〜d)・672(a,b)を有する。これらの対向分岐路は、共通分岐路642(a〜j)と交互に配置されていて発熱体620を横断して発熱体620と電気的に接続して共通分岐路642(a〜j)と共に発熱体620を長手に沿って複数の小区間発熱体(小区間発熱部)620(a〜r)に区分している。

本実施例のヒータ600においては、共通電極641は基板610の長手方向の一端部側には配設されている。複数の個別電極、本実施例では3つの個別電極651・661・671は基板610の長手方向の他端部側には並設されている。
そして、共通電極641と複数の個別電極651・661・671の部分を除いて、発熱体620(a〜r)および導体パターンである上記の共通導体路、共通分岐路、対向導体路、対向分岐路の部分は保護層としての絶縁コート層(不図示)で覆われている。即ち、電極641・651・661・671は、コネクタ700(a,b)との電気的接続を確保するため絶縁コート層は設けられず、露出した状態でベルト603と接触するヒータ領域よりも外側に設けられる。
基板610はヒータ600の寸法や形状を決定する部材であり、材料としては耐熱性、熱伝導性、電気絶縁性に優れたアルミナ、窒化アルミ等のセラミック材料が用いられる。本実施例では長手方向の長さが400mm、短手方向の長さが8.0mm、厚さが約1mmのアルミナを用いている。
基板610上にはスクリーン印刷法によって上記の発熱体620と導体パターンが形成される。本実施例では導体パターンとしては低抵抗率材料である銀ペースト、若しくは銀に少量のパラジウムを混合した合金のペーストを用いている。また、発熱体620には所望の抵抗値となるように銀−パラジウム合金のペーストが用いられる。更に、発熱体620と導体パターンは耐熱性ガラスから成る絶縁コート層が被覆され、リークやショートが生じないように電気的に保護される。
基板610の長手方向の両端部側には図1のように電源(ヒータに給電する電源部)110とコネクタ700(a,b)を介して電気的に接続される電極641・651・661・671が設けられる。更に、基板610には発熱体620と導体である分岐路642(a〜j)・652(a〜c)・662(a〜d)・672(a,b)が設けられる。尚、分岐路は、共通導体路640、第1対向導体路650、第2対向導体路660a、第3対向導体路660b、第4対向導体路670a、第5対向導体路670bと発熱体620を電気的に接続する導体路である。
発熱体620(a〜r)は本実施例では基板610上に基板の長手に沿って細長い1つの発熱体として形成されている。本実施例の発熱体620は幅(短手方向の長さ)が約1.5〜2.0mmであり、厚みが約20μm、長手方向の長さが約320mmである。この長さ約320mmはA4サイズ(幅サイズ297mm)の大サイズ記録材Pの全域を加熱できる長さである。また、発熱体620の総抵抗は約10Ωである。
発熱体620上には共通導体路640が有する10本の共通分岐路642a〜642jが長手方向に間隔をあけて積層されることで、発熱体620は共通分岐路642a〜642jによって9個の区間に区切られる。この10本の共通分岐路642a〜642jで区切られる発熱体620の各区間の長さは約35.6mmである。更に、その各区間の中央部には合計9本の対向分岐路652(a〜c)・662(a〜d)・672(a,b)が積層され、発熱体620は620aから620rの18個の区間に分けられる。この18個の各区間の長さは約17.8mmである。
上記の共通分岐路642(a〜j)と対向分岐路652(a〜c)・662(a〜d)・672(a,b)は発熱体620と直交するように設けられる。
共通分岐路642(a〜j)及び対向分岐路652(a〜c)・662(a〜d)・672(a,b)の抵抗値は、発熱体620の抵抗値よりも著しく小さい。そのため、分岐路はほぼ発熱しないので、分岐路の幅(長手方向の長さ)が大きくなると、発熱体620に発熱量のムラが発生する。その結果、分岐路で温度低下が発生し、記録材上の画像の光沢が不均一になる。この現象は分岐路に対向する部分のベルト603の温度が低くなるため、記録材上のトナーを十分に加熱、溶融できないので、光沢が低くなることに起因する。
共通分岐路642(a〜j)は、共通導体路640、共通電極641、コネクタ700a等を介して電源(電源部)110の一方側の端子110aと電気的に接続される。対向分岐路652(a〜c)・662(a〜d)・672(a,b)は、それぞれ、第1乃至第5の対向導体路650、660、670、個別電極651・661・671、コネクタ700b等を介して電源110の他方側の端子110bに電気的と接続される。
つまり、共通分岐路642(a〜j)と対向分岐路652(a〜c)・662(a〜d)・672(a,b)は発熱体620の長手方向において交互に配置される。共通導体路640は基板610の長手方向に沿って形成され、各共通分岐路642(a〜j)に接続され、一端は共通電極641に接続される。
同様に、第1対向導体路650、第2対向導体路660a、第3対向導体路660b、第4対向導体路670a、第5対向導体路670bは、基板610の長手方向に沿って形成される。第1対向導体路650は対向分岐路652(a〜c)に接続され、一端は個別電極651に接続される。また、第2および第3対向導体路660a・660bはそれぞれ対向分岐路662(a〜d)に接続され、一端は個別電極661に接続される。また、第4および第5対向導体路670(a,b)はそれぞれ対向分岐路672(a,b)に接続され、一端は個別電極671に接続される。
以上のように、本実施例のヒータ600の発熱体620は電源110と、上記のコネクタ、電極、共通導体路および対向導体路、分岐路を介して電気的に接続される。
[ヒータへの給電]
ヒータ600への給電は、上記の複数の小区間発熱体620a〜620rに関して加熱する記録材Pの幅サイズに応じてその幅サイズに対応する領域幅にかかる部分における小区間発熱体が発熱するようになされる。これは、共通電極641と複数の個別電極651・661・671の少なくとも1つとの間に電圧が印加されることでなされる。即ち、発熱体620(a〜r)の発熱領域に関して加熱する記録材Pの幅サイズに応じた複数の発熱幅、本実施例では大幅の発熱幅A、中幅の発熱幅B、小幅の発熱幅Cの3つの発熱幅に変更可能である。
この給電方法について図1を用いて説明する。電源(電源部)110はヒータ600に対する電力供給回路である。本実施例では単相交流の実効値が約100Vの商用交流電源を用いており、電源端子110aと電源端子110bとを備えている。尚、ヒータ600に電力を供給する機能を有していれば、電源110は直流電源でも良い。
制御回路100はスイッチ(SW)643・653・663・673を制御するため夫々のスイッチに電気的に接続される。スイッチ643は電源端子110aと共通電極641の間に設けられたスイッチ(リレー)であり、制御回路100からの指示に従って、電源端子110aと共通電極641を接続するか否か(オン、オフ)の切り替えを行う。
スイッチ653は電源端子110bと個別電極651の間に設けられたスイッチであり、制御回路100からの指示に応じて、電源端子110bと個別電極651を接続するか否かの切り替えを行う。
また、スイッチ663は電源端子110bと個別電極661の間に設けられたスイッチであり、制御回路100からの指示に応じて、電源端子110bと個別電極661を接続するか否かの切り替えを行う。
スイッチ673は電源端子110bと個別電極671の間に設けられたスイッチであり、制御回路100からの指示に応じて、電源端子110bと個別電極671を接続するか否かの切り替えを行う。
制御回路100はプリントジョブ(印刷ジョブ)の実行指示の受信に伴って、記録材Pの幅サイズ情報を取得し、この幅サイズ情報に応じてスイッチ643・653・663・673のオン、オフを制御する。即ち、制御回路100は、発熱体620(a〜r)の長手における発熱領域が、取得した幅サイズ情報に対応した幅サイズの記録材Pを定着処理するのに適した発熱幅となるように制御する。本実施例のプリンタ1は記録材の搬送が記録幅中心の中央基準でなされるので、発熱体620(a〜r)の上記の発熱幅の変更制御も発熱体620(a〜r)の長手中心の中央基準で実行される。
この記録材Pの幅方向のサイズに応じて発熱体620(a〜r)の発熱幅を変える方法を具体的に説明する。まず、記録材PがA4横サイズ(幅サイズ297mm)等の大サイズの場合、制御回路100は発熱体620において発熱幅Aの範囲が発熱するように制御する。本実施例においては小区間発熱体620a〜620rの全長域が装置に使用可能な最大幅サイズの記録材の幅に対応している。
具体的には、制御回路100はスイッチ643・653・663・673の全てをオン状態にする。この場合は、ヒータ600には共通電極641と3つの全ての個別電極651・661・671との間に電圧が印加される。これにより、発熱体620は18個の小区間発熱体620a〜620rの全てが発熱する。この時、ヒータ600は約320mmの発熱体620の全長領域が発熱するので、A4横サイズの記録材Pの定着処理を行うのに適した発熱状態である。
記録材PがA4縦サイズ(A4Rサイズ:幅サイズ210mm)等の中サイズの場合は、制御回路100は発熱体620において発熱幅Bの範囲が発熱するように制御する。具体的には、制御回路100はスイッチ643・653・663をオン状態にし、スイッチ673をオフ状態にする。
この場合は、ヒータ600には共通電極641と2つの個別電極651・661との間に電圧が印加される。これにより、発熱体620は18個の小区間620a〜620rのうち小区間620c〜620pの14区間が発熱する。この時、ヒータ600は約249mmの領域が発熱するので、A4縦サイズの記録材Pの定着処理を行うのに適した発熱状態である。従って、A4縦サイズのような記録材の定着処理を行う場合であっても、記録材が通過しない部分に対応する小区間発熱体620a・620b・620q・620rは発熱しないので、無駄な電力を使用することは無い。
記録材Pがはがきサイズ(幅方向のサイズ100mm)等の小サイズの場合、制御回路100は発熱体620において発熱幅Cの範囲が発熱するように制御する。具体的には、制御回路100はスイッチ643・653をオン状態にし、スイッチ663・673をオフ状態にする。
この場合は、ヒータ600には共通電極641と1つの個別電極651との間に電圧が印加される。これにより、発熱体620は18個の小区間620a〜620rのうち小区間620g〜620lの6区間が発熱する。この時、ヒータ600は約107mmの領域が発熱するので、はがきサイズの記録材Pの定着処理を行うのに適した発熱状態である。従って、はがきサイズのような幅方向のサイズが小さい記録材の定着処理を行う場合であっても、記録材が通過しない部分に対応する小区間発熱体620a〜620f、620m〜620rは発熱しないので、無駄な電力を使用することは無い。
[ヒータの温調制御]
図1において、630kは加熱する記録材Pの幅サイズに対応する領域幅の幅内のヒータ部分の温度を所定の温度に立ち上げて維持させるヒータ温調用の温度センサとしてのサーミスタである。本実施例のプリンタ1は記録材Pの搬送が中央基準でなされる。そこで、この温調サーミスタ(温調用温度センサ)630kはヒータ600の発熱体620(a〜r)の長手中央部に対応するヒータ裏面(大小どの幅サイズの記録材も通過するヒータ領域部分)の絶縁コート層部分に当接して配設されている。
温調サーミスタ630kはA/Dコンバータ(不図示)を介して制御回路100に接続され、検知した温度に応じた出力を制御回路100に送信する。制御回路100は各種制御に伴う演算を行うCPUとROM等の不揮発記憶媒体を備えた回路である。このROMにはプログラムが記憶されており、CPUがこれを読み出して実行することで、各種制御は実行される。制御回路100は電源110の通電を制御するように電源110と電気的に接続される。
また、制御回路100は温調サーミスタ630kから取得(入力)した温度情報を電源110の通電制御に反映させている。つまり、制御回路100は温調サーミスタ630kの出力をもとに、ヒータ600へ供給する電力を制御している。本実施例では電源110の出力に対して波数制御または位相制御を行うことで、ヒータ600の発熱量を調整する方式を用いており、記録材上のトナーを定着する際、ヒータ600は所定の温度に立ち上げられて維持される。
630a・630c・630e・630f・630h・630jはヒータ600の複数の発熱幅A・B・Cの各幅端部の温度を検知するためにヒータ裏面の絶縁コート部分に当接して配設した温度センサとしての端部サーミスタ(端部温度センサ)である。この端部サーミスタについては後述するが、これらの端部サーミスタもA/Dコンバータ(不図示)を介して制御回路100に接続され、検知した温度に応じた出力を制御回路100に送信する。
温調サーミスタ630kは端部サーミスタ630a・630c・630e・630f・630h・630jよりも検知分解能を高くしている。本実施例においては、温調サーミスタ630kのサイズは、横は約5[mm]、縦約2[mm]である。端部サーミスタ630a・630c・630e・630f・630h・630jは縦横共に約2[mm]である。即ち、温調サーミスタ630kと端部サーミスタ630a・630c・630e・630f・630h・630jは種類を異ならせている。
[実施例ヒータの特徴構成]
本実施例のヒータ600の特徴は、上記複数の発熱幅A・B・Cの各幅端部の温度を検知するためにヒータ裏面部分に当接して配設した温度センサとしての端部サーミスタ630a・630c・630e・630f・630h・630jを有することである。即ち、複数の発熱幅A、B、Cの各幅端部に対応するヒータ部分の温度を検知するための端部温度センサ630a、630c、630e、630f、630h、630jが配置されていることである。
前述のように複数の小区間発熱体620a〜620rに関して加熱する記録材Pの幅サイズに応じてその幅サイズに対応する領域幅にかかる部分における小区間発熱体が発熱するように電極641・651・661・671に対して選択的に電圧が印加される。端部サーミスタ630a・630c・630e・630f・630h・630jは、前記領域幅の端部に対応位置する小区間発熱体における前記領域幅の外側の端部に対応するヒータ部分の温度を検知する。
本実施例のヒータ600においては、複数の小区間発熱体620a〜620rに区分されている発熱体620の全長幅は320mmである。加熱する記録材が大サイズ記録材であるA4サイズ(幅サイズ297mm)であるときは、全ての小区間発熱体620a〜620rを発熱させる。即ち、その発熱幅Aは320mmであり、A4サイズの幅サイズに対応する領域幅は297mmである。そのため、発熱幅Aの両端部側のそれぞれ約11.5mmの幅部分が記録材非通過部となり、所謂非通過部昇温(非通紙部昇温)し得る部分となる。
そこで、端部サーミスタ630aと630jは領域幅297mmの端部に対応位置する小区間発熱体620aと同620rにおける領域幅297mmの外側の端部に対応するヒータ部分の温度を検知するように配置してある。
また、加熱する記録材が中サイズ記録材であるA4Rサイズ(幅サイズ210mm)であるときは小区間発熱体620c〜620pを発熱させる。即ち、その発熱幅Bは約249mmであり、A4Rサイズの幅サイズに対応する領域幅は210mmである。そのため、発熱幅Bの両端部側のそれぞれ約20mmの幅部分が記録材非通過部となり、非通過部昇温し得る部分となる。
そこで、端部サーミスタ630cと630hは領域幅210mmの端部に対応位置する小区間発熱体620cと同620pにおける領域幅210mmの外側の端部に対応するヒータ部分の温度を検知するように配置してある。
また、加熱する記録材が小サイズ記録材であるはがきサイズ(幅サイズ100mm)であるときは小区間発熱体620g〜620lを発熱させる。即ち、その発熱幅Cは約107mmであり、はがきサイズの幅サイズに対応する領域幅は100mmである。そのため、発熱幅Cの両端部側のそれぞれ約3.5mmの幅部分が記録材非通過部となり、非通過部昇温し得る部分となる。
そこで、端部サーミスタ630eと630fは領域幅100mmの端部に対応位置する小区間発熱体620gと同620lにおける領域幅100mmの外側の端部に対応するヒータ部分の温度を検知するように配置してある。
これらの端部サーミスタ630a・630c・630e・630f・630h・630jもA/Dコンバータ(不図示)を介して制御回路100に接続され、検知した温度に応じた出力を制御回路100に送信する。
そうすることにより、発熱幅A・B・Cのそれぞれにおける記録材非通過部(非通紙部領域)の温度(非通過部昇温温度)を検知でき、ベルト603が高温になることを防げ、ベルト603の短寿命化を防止できる。ベルト603の短寿命化の原因は、ベルト603の基材603aと弾性層603bとの接着剤が熱劣化し、弾性層603bが基材603aから剥がれるためである。
本実施例では、ベルト表面温度が230[℃]以下になるように制御している。具体的には、ベルト表面温度が230[℃]を超える場合は、ヒータ600の通電制御を変更するか、生産性を落として記録材の非通過部温度が230[℃]を超えないように制御している。
例えば、図3に示したように、A4R(縦)サイズの記録材Pを使用する場合、記録材の幅とヒータ600の発熱幅Bの差部分である非通過部Eにおいて、ヒータ600の熱が記録材に奪われなく、昇温し易い。
図3に示したような個所に端部サーミスタ630c・630hを配置することにより、制御部100はヒータ600の記録材非通過部Eにおける異常昇温を検知できる。制御部100はこの端部サーミスタ630c・630hから入力する検知温度情報にも基づいて記録材非通過部Eの温度が所定の温度を超えないようにヒータ600の通電制御を変更するか、装置の生産性を落とす制御する。これにより、記録材非通過部Eにおける異常昇温に起因するベルト603の短寿命化を防止できる。
本実施例においては、他の幅サイズの記録材を使用する場合を考慮して、図1に示したような端部サーミスタ630a・630c・630e・630f・630h・630jの配置にした。
尚、本実施例のヒータ600では発熱幅Aと発熱幅Bと発熱幅Cの3つの発熱幅のみを有する構成であるが、この構成に限られるものでは無く、4パターン以上の発熱幅を有する構成においても適用可能であることは言うまでも無い。
以上のように本実施例のヒータ600によって、加熱する記録材Pの幅サイズに応じて発熱体620(a〜r)の発熱幅を変えることが可能であり、かつヒータ600の異常昇温を防止できる定着装置を提供することができる。
《実施例2》
本実施例に係る定着装置及びこれを備える画像形成装置について説明する。なお、画像形成装置の構成は実施例1の図5と同一であるのでその説明は省略し、ここでは定着装置の構成についてのみ説明を行う。定着装置においても実施例1と同様の部分は説明を省略する。
本実施例2は、実施例1のヒータ構成に加えて、サーミスタの故障を考慮した実施例である。本構成にすることにより、サーミスタが故障しても、ヒータ600の異常昇温を確実に検知できる構成である。
本実施例2のヒータ構成を図8に示す。図8に示した構成は、実施例1と同様に各種発熱幅A・B・Cの最端部の小区分発熱体の個所に端部サーミスタ630a・630c・630e・630f・630h・630を配置する。そして、その配置した端部サーミスタにそれぞれ隣接して、もう一つ端部外サーミスタ(端部外温度センサ)630b、630d、630g、630iを配置するものである。
端部外サーミスタ630b、630d、630g、630iは、加熱する記録材の幅サイズに対応する領域幅の端部に対応位置する小区間発熱体の外側において端部サーミスタに隣接したヒータ部分の温度を検知する。本実施例では端部外温度センサ630b、630d、630g、630iは前記領域幅の端部に対応位置する小区間発熱体の外側において隣接する小区間発熱体の内側の端部に対応するヒータ部分の温度を検知する。
即ち、実施例1の構成に加え、端部外サーミスタ630b、630d、630g、630iを追加した。これらの端部外サーミスタ630b、630d、630g、630iもA/Dコンバータ(不図示)を介して制御回路100に接続され、検知した温度に応じた出力を制御回路100に送信する。端部外サーミスタ630b、630d、630g、630iのサイズは端部サーミスタ630a・630c・630e・630f・630h・630と同じく縦横共に約2[mm]である。
図9に、ヒータ600の異常昇温を検知する一例を示す。図9はA4Rサイズの記録材を使用した例であるので発熱体620が発熱幅Bまで発熱(点灯)するように小区分発熱体620c〜620pに対する通電制御をする。
図9では、共通導体路640の一部(異常個所1の部分)が断線した例である。異常個所1の部分が断線すると、ヒータ600は発熱幅Bの内、発熱範囲Dの部分しか発熱しなくなる。その状態において、端部サーミスタ630cが故障すると、ヒータ600の高温部(記録材非通過部E)が検知できなくなる。そこで本実施例では、端部サーミスタ630cに隣接して端部外サーミスタ630bを配置することにより、ベルト603に異常が発生する温度になる前に、ヒータ600の昇温を抑えることができる。
図10に時間に対する端部サーミスタ630cと端部外サーミスタ630bの温度推移のグラフを示す。図10に示したように、端部サーミスタ630cが270℃になったとき、端部外サーミスタ630bは250℃と検知する。ベルト603に異常が発生する温度は、ヒータ温度が270℃であるので、制御回路100は端部外サーミスタ630bが温度250℃を検知したらヒータ高温部が270℃を超えないようにヒータ600の通電制御を変更する。その結果、ヒータ600の高温部が270℃を超えることなく、ベルト603を短寿命にすることがない。
他の故障モード、他の幅サイズの記録材を使用することを考慮して、図8、図9に示したような端部外サーミスタ630b、630d、630g、630iを追加した構成にした。
端部サーミスタと端部外サーミスタの隣接配置は、本実施例2では、発熱体620の長手方向に隣接配置したが、短手方向に隣接配置してもよい。
尚、実施例のヒータ600では発熱体620の発熱領域の変更可能幅を大幅の発熱幅Aと中幅の発熱幅Bと小幅の発熱幅Cの3つの幅とした構成である。しかし、この構成に限られるものでは無く、4パターン以上の発熱領域を有する構成においても適用可能であることは言うまでも無い。
以上のように本実施例のヒータ600は加熱する記録材の幅サイズに応じて発熱体620(a〜r)のの発熱幅を変えることが可能であり、且つ、ヒータ600の異常昇温を抑制防止できる。また、このヒータ600を用いた定着装置を提供することができる。
《その他の実施例》
(1)実施例で例示した寸法等の数値は一例であって、この数値に限定されるものではない。本発明を適用できる範囲において数値は適宜選択できる。また、本発明を適用できる範囲において実施例に記載の構成を適宜変更してもよい。
(2)ヒータ600の発熱領域の発熱幅の広狭変更制御は中央基準には限られない。記録材の搬送が片側基準でなされる場合には発熱幅の広狭変更制御は端部基準となる。
(3)実施例のヒータ600では基板610の長手方向に沿って伸びた発熱体620上に複数の共通分岐路と複数の対向分岐路を交互に間隔をあけて積層して複数の小区間発熱体620a〜620lに区分している。基板610の長手方向に沿って複数の共通分岐路と複数の対向分岐路を交互に間隔をあけて並べて形成し、隣り合う各分岐路間に発熱体620a〜620lをそれぞれ形成する構成であってもよい。
(4)電極641・651・661・671の数は実施例のヒータ600の4つには限られない。3つあるいは5つ以上にしたヒータ構成にすることもできる。複数の電極は実施例のヒータ600のように基板610の長手方向の一端部側と他端部側に分かれて位置されている構成に限られない。全ての電極を基板610の長手方向の一端部側または他端部側に位置させた構成にすることもできる。
(5)ベルト603は、ヒータ600によってその内面を支持され、ローラ70によって駆動される構成に限られない。例えば、複数のローラに架け渡されてこれらの複数のローラのいずれかによって駆動されるベルトユニット方式であってもよい。
(6)ベルト603とニップ部Nを形成するニップ形成部材は、ローラ70のようなローラ部材には限られない。例えば、複数のローラにベルトを架け渡した加圧ベルトユニットを用いてもよい。
(7)定着装置は記録材に形成された未定着のトナー像を固着像として加熱定着する装置としての使用に限られない。記録材に一旦定着された或いは仮定着されたトナー像を再度加熱加圧して画像の光沢度を向上させるなどの画像の表面性状を調整する装置としても有効である(このような装置についても定着装置と呼ぶ)。
(8)画像形成装置は実施例のようなフルカラーの画像を形成する画像形成装置に限られず、モノクロの画像を形成する画像形成装置でもよい。また画像形成装置は、必要な機器、装備、筐体構造を加えて、複写機、FAX、及び、これらの機能を複数備えた複合機等、種々の用途で実施できる。
40・・定着装置、600・・ヒータ、610・・基板、・・抵抗発熱体、620a〜620r・・小区間発熱体、641・651・661・671・・電極、640・650・660・670・・導体路、642・652・662・672・・分岐路、630a・630c・630e・630f・630h・630j・・端部温度センサ、630b・630d・630g・630i・・端部外温度センサ、630k・・温調用温度センサ、100・・制御部、110・・電源部

Claims (8)

  1. 記録材上の画像を加熱する定着装置に用いられるヒータであって、
    細長い基板と、
    前記基板の長手に沿って延在している通電により発熱する抵抗発熱体と、
    前記基板に設けられている複数の電極と、
    前記複数の電極のそれぞれから延在している複数の導体路と、
    前記複数の導体路のそれぞれから長手に沿って間隔をあけて分岐している複数の分岐路であって、前記抵抗発熱体を横断して前記抵抗発熱体と電気的に接続して分岐路間で前記抵抗発熱体を長手に沿って複数の小区間発熱に区分している分岐路と、を有し、
    搬送される記録材の幅サイズに応じてその幅サイズに対応する領域幅にかかる小区間発熱が発熱するように前記複数の電極に対して選択的に電圧が印加されるヒータにおいて、
    前記領域幅の端部に対応する小区間発熱部の領域内であって、前記抵抗発熱体の長手方向において前記領域幅よりも外側に設けられ、前記領域幅の端部に対応する小区間発熱部の温度を検知する端部温度センサと、前記抵抗発熱体の長手方向において前記領域幅の端部に対応する小区間発熱部の外側であって前記領域幅の端部に対応する小区間発熱部と隣り合う小区間発熱部の温度を検知する端部外温度センサと、を有し、
    前記端部外温度センサは、前記領域幅の端部に対応する小区間発熱部と隣り合う小区間発熱部の領域内の前記抵抗発熱体の長手方向において内側の端部の温度を検知することを特徴とするヒータ。
  2. 前記領域幅におけるヒータ部分の温度を所定の温度に制御するための温調用温度センサが配置されていることを特徴とする請求項に記載のヒータ。
  3. 前記温調用温度センサと前記端部温度センサは種類が異なり、前記温調用温度センサは前記端部温度センサよりも検知分解能が高いことを特徴とする請求項に記載のヒータ。
  4. 前記複数の小区間発熱の全長域が使用可能な最大幅の記録材の幅サイズに対応していることを特徴とする請求項乃至の何れか一項に記載のヒータ。
  5. 請求項乃至の何れか一項に記載のヒータと、
    前記ヒータに接して摺動しつつ移動するエンドレスベルトと、
    前記ヒータとの間に前記エンドレスベルトを挟んで当接する加圧部材と、を有し、
    前記エンドレスベルトと前記加圧部材との間に形成されるニップ部で記録材を挟持搬送して記録材上の画像を加熱することを特徴とする定着装置。
  6. 前記ヒータに給電する電源部と、前記電源部から前記ヒータへの給電を制御する制御部と、を有し、前記制御部は前記複数の小区間発熱に関して加熱する記録材の幅サイズに応じてその幅サイズに対応する領域幅にかかる部分における小区間発熱が発熱するように前記複数の電極に対して選択的に電圧を印加することを特徴とする請求項に記載の定着装置。
  7. 装置に使用可能な最大幅サイズの記録材を加熱する場合は、前記制御部は前記複数の電極の全てに電圧を印加することを特徴とする請求項に記載の定着装置。
  8. 前記領域幅におけるヒータ部分の温度を所定の温度に制御するための温調用温度センサが配置されており、前記制御部は前記温調用温度センサから入力する検知温度情報に基づいて前記領域幅におけるヒータ部分の温度が所定の温度に維持されるように前記電源部から前記ヒータに給電する電力を制御することを特徴とする請求項6又は7に記載の定着装置。
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