JP6729051B2 - リチウムニッケル含有複合酸化物および非水系電解質二次電池 - Google Patents
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Description
前記混合粉末を、650℃〜800℃の範囲の温度で焼成して、焼結粒子を得る、焼成工程と、
前記焼結粒子を洗浄し、前記リチウム化合物に由来し、フラックスとして作用したリチウム成分、および、フラックスとして作用した前記リチウム以外のアルカリ金属の化合物に由来する成分を除去する、洗浄工程と、
を備え、
遷移金属として主としてニッケル(Ni)を含有し、層状岩塩型の結晶構造を備え、X線源としてCu−Kα線を用いた粉末X線回折から得られる(003)面と(104)面に帰属するピークの高さの比が1.20以上であり、前記(003)面と(104)面に帰属するピークの積分強度の比が1.15以上であり、かつ、八面体形状の一次粒子を含み、該八面体形状の一次粒子の数の全一次粒子の数に対する比率が1.0%以上である、リチウムニッケル含有酸化物を得る、
ことを特徴とする。
本発明は、遷移金属として主としてニッケル(Ni)を含有するリチウムニッケル含有複合酸化物に係る。特に、本発明のリチウムニッケル含有複合酸化物は、層状岩塩型の結晶構造を備え、X線源としてCu−Kα線を用いた粉末X線回折から得られる(003)面と(104)面に帰属するピークの高さの比が1.20以上であり、前記(003)面と(104)面に帰属するピークの積分強度の比が1.15以上であり、かつ、八面体形状の一次粒子を含み、該八面体形状の一次粒子の数の全一次粒子の数に対する比率が1.0%以上であることを特徴とする。
本発明は、層状岩塩型の結晶構造を備え、遷移金属として主としてニッケル(Ni)を含有するリチウムニッケル含有複合酸化物に広く適用される。なお、ニッケルを主として含むとは、リチウムを除く、遷移金属および添加金属元素の総量に対して、原子数比でニッケルが0.5以上の割合で含まれることを意味する。特に、本発明は、コバルト(Co)、あるいは、アルミニウム(Al)を添加元素として含むリチウムニッケル含有複合酸化物からなる正極活物質に好適に適用される。
本発明のリチウムニッケル含有複合酸化物は、層状岩塩型の結晶構造を有し、高い結晶性を備えている。具体的には、本発明のリチウムニッケル含有複合酸化物を構成する粒子における3a、3b、6cの各サイトを[Li1+u]3a[NixCoyAlz]3b[O2]6cで表示した場合、粉末X線回折のリートベルト解析から得られる3aサイトのリチウム席占有率が96.0%以上、好ましくは96.5%以上、より好ましくは97.0%以上、さらに好ましくは98.0%以上である。このような高いリチウム席占有率を有することにより、このリチウムニッケル含有複合酸化物を正極材料として用いた二次電池において、高い充放電容量を実現することが可能となる。
本発明のリチウムニッケル含有複合酸化物の層状岩塩型の結晶構造において、X線源としてCu−Kα線を用いた粉末X線回折から得られる、(003)面と(104)面に帰属するピークの高さ(ピークの最大値からバックグラウンドを差し引いた値)の比「(003)/(104)」が、1.20以上であることを特徴とする。このピークの高さの比が大きいほど、結晶子の大きさが(003)方向(c軸方向)に大きくなっていると考えられ、結果としてLiが挿入および脱離が困難な(003)面の比率が少ない自形の結晶が得られるため、電池特性の向上に寄与するものと考えられる。
本発明のリチウムニッケル含有複合酸化物の層状岩塩型の結晶構造において、X線源としてCu−Kα線を用いた粉末X線回折から得られる、(003)面と(104)面に帰属するピークの積分強度の比「(003)/(104)」が、1.15以上であることを特徴とする。このピーク強度の比から、結晶構造の乱れを判断することができる。たとえば、カチオンミキシングが生じている場合、すなわち、結晶構造が層状岩塩型から岩塩型へ近づく場合、(003)面に帰属するX線回折強度が小さくなる。このとき、このピーク強度の比の値が小さくなる。したがって、このピーク強度の比が大きいほど、乱れの少ない層状岩塩型構造であることを意味する。
本発明のリチウムニッケル含有複合酸化物は、八面体形状の一次粒子を含むことを特徴とする。ここで、八面体形状には、完全な八面体により構成される場合のみならず、実質的に八面体形状であることが確認できれば、その頂点や辺の一部が欠けた形状も含まれる。たとえば、平滑な結晶面が互いに交差して明瞭な稜線が形成された八面体に近い形状、八面体の4面が交差して形成される頂点が完全には形成されずに面または稜の形で形成された形状、八面体の2面が交差して形成される稜の部分に他の結晶面が現れている形状、およびこれらの形状の一部が欠けた形状も、本発明の八面体形状に含まれる。
さらに、本発明のリチウムニッケル含有複合酸化物においては、すべての一次粒子が八面体形状を有していなければならないわけではない。すなわち、本発明のリチウムニッケル含有複合酸化物を構成する一次粒子において、八面体形状を有する一次粒子の存在比率は高いほど好ましいが、八面体形状の一次粒子がたとえ少量であっても、出力特性および充放電特性の向上とともに、その高い結晶性に起因して、八面体形状の一次粒子を含むリチウムニッケル含有複合酸化物からなる正極活物質全体のサイクル特性を向上させる効果を生ずる。このような特性面から鑑みて、本発明における八面体形状の一次粒子の存在比率は、一次粒子全体の1.0%以上(1.0%〜100%の範囲)であることが必要である。その存在比率は、2.0%以上であることが好ましく、2.5%以上であることがより好ましい。その上限は限定されないが、その存在比率が、1.0%〜5.0%の範囲にあれば、正極活物質のサイクル特性の向上の効果が十分に得られる。
本発明のリチウムニッケル含有複合酸化物において、八面体形状の一次粒子を含む全一次粒子の平均粒径は、好ましくは0.8μm〜15μmの範囲であり、より好ましくは1.2μm〜15μmの範囲であり、さらに好ましくは、2.0μm〜15μmの範囲である。一次粒子の平均粒径を0.8μm以上とすることで、正極活物質を、粒界がなく比較的大きな一次粒子により構成することができ、もって、そのサイクル特性をより向上させるとともに、その保存特性も向上させることが可能となる。ただし、一次粒子の平均粒径が15μmを超えると、比表面積が小さくなりすぎるため、出力特性が著しく悪化することとなる。
本発明のリチウムニッケル含有複合酸化物の製造方法は、a)層状岩塩型の結晶構造を備え、遷移金属として主としてニッケル(Ni)を含有する、ニッケル含有複合水酸化物あるいはニッケル含有複合酸化物と、リチウム化合物と、リチウム以外のアルカリ金属(以下、「アルカリ金属D」と略す場合がある)の化合物とを混合して、混合粉末を得る、混合工程と、b)前記混合粉末を、酸素雰囲気下で650℃〜800℃の範囲の温度で焼成して、焼結粒子を得る、焼成工程と、c)前記焼結粒子を洗浄し、アルカリ金属元素Dを除去する、洗浄工程と、を備えることを特徴とする。
本発明のリチウムニッケル含有複合酸化物の前駆体としては、遷移金属として主としてニッケル(Ni)を含有する、ニッケル含有複合水酸化物が用いられる。
混合工程における、混合方法は、これらを均一に混合することができる限り、特に制限されることはなく、たとえば、乳鉢を用いて混合したり、シェーカーミキサ、レディーゲミキサ、ジュリアンミキサ、Vブレンダなどの混合機を用いて混合したりすることができる。
混合工程における、アルカリ金属Dの化合物の混合比は、ニッケル含有複合水酸化物あるいはニッケル含有複合酸化物中の金属元素、すなわち、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、アルミニウム(Al)、および添加元素Mの原子の合計の物質量(あるいは原子数)に対する、アルカリ金属Dの化合物中のアルカリ金属Dの原子の物質量(あるいは原子数)の比率が、0.04〜1.0の範囲となるように設定される。
アルカリ金属Dの化合物としては、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)などの化合物を広く適用することが可能であるが、入手の容易さや取り扱いやすさなどの観点から、ナトリウムおよびカリウムから選ばれる1種以上のアルカリ金属を含有する、水酸化物、塩化物、炭酸塩、硫酸塩、または、これらの混合物を用いることが好ましい。ナトリウムやカリウムは、リチウムに比して層状岩塩型構造の結晶構造中に入り込みにくいため、目的のリチウムニッケル含有複合酸化物中のフラックスによる不純物量を抑えることができる。
混合工程における、リチウム化合物の混合比は、アルカリ金属Dの化合物の混合比に応じて、ニッケル含有複合水酸化物あるいはニッケル含有複合酸化物中の金属元素、すなわち、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、アルミニウム(Al)、および添加元素Mの原子の合計の物質量(あるいは原子数)に対する、リチウム化合物中のリチウム(Li)原子の物質量(あるいは原子数)の比率が、0.98〜2.00の範囲、好ましくは1.00〜1.50の範囲となるように設定されることが好ましい。リチウム化合物の一部は、アルカリ金属Dの化合物とともにフラックスとして作用すると考えられる。したがって、最終的なリチウムの含有量が、リチウムニッケル含有複合酸化物中のニッケル、コバルト、アルミニウム、および添加元素Mの合計の含有量に対して、好ましくは0.97〜1.10の範囲、より好ましくは0.98〜1.05の範囲、さらに好ましくは、1.00〜1.04の範囲となるようにするとともに、焼成工程において揮発するリチウムの成分を考慮して、好ましくは予備試験を実施した上で、リチウム化合物の混合比は適宜決定される。リチウム源となるリチウム化合物としては、取り扱いやすさや入手の容易さなどの観点から、水酸化物、塩化物、酸化物、その他の無機塩、または任意の有機塩から選択される。
焼成工程は、混合工程で得られた、ニッケル含有複合水酸化物あるいはニッケル含有複合酸化物と、リチウム化合物と、アルカリ金属Dの化合物との混合粉末を、650℃〜800℃の範囲の温度で焼成し、焼結粒子(リチウムニッケル含有複合酸化物の焼結体)を得る工程である。
焼成工程における雰囲気は、カチオンミキシングの生じにくさから、大気雰囲気を含む酸化性雰囲気とすることが好ましい。より具体的には、酸素濃度が18容量%〜100容量%の雰囲気、すなわち、上記酸素濃度の酸素と不活性ガスの混合雰囲気(大気雰囲気を含む)を採用することが可能である。通常、焼成は、大気気流中ないしは酸素気流中で行われるが、電池特性を考慮すると、焼成を酸素気流中で行うことが特に好ましい。
第一の焼成工程における焼成温度は、650℃〜800℃の範囲、好ましくは700℃〜800℃の範囲とする。焼成温度が650℃未満では、アルカリ金属Dの化合物からなるフラックスの溶融が不十分であり、ひいては、溶質となるリチウムニッケル複合酸化物の結晶成長が促進されないおそれがある。一方、焼成温度が800℃を超えると、一次粒子を大きくすることはできるものの、カチオンミキシングが生じ、その結晶性が低下することとなる。また、リチウムニッケル複合酸化物からリチウム成分の過剰揮発が生じ、所定の組成からのずれが大きくなり特性面に悪影響を与えるおそれがある。
焼成工程において、焼成温度で保持する時間(焼成時間)は、好ましくは1時間〜72時間の範囲、より好ましくは5時間〜48時間の範囲である。72時間を超えて焼成した場合、粒子サイズは増大するが、リチウムニッケル複合酸化物からのリチウム成分の揮発が過度に進行し、結晶性の低下を招くおそれがある。一方、焼成時間が1時間未満の場合は、結晶成長が十分に進行しないため、自形の八面体形状の一次粒子を得ることが難しくなると考えられる。
洗浄工程は、焼成工程で得られた焼結粒子を洗浄し、混合工程において添加したリチウム化合物に由来するが、リチウムニッケル含有複合酸化物を構成するのではなく、フラックスとして作用したリチウム成分、および、混合工程においてフラックスとして添加されたアルカリ金属Dの化合物に由来する成分、すなわち元素状態で存在するアルカリ金属Dを除去する工程である。
本発明の非水系電解質二次電池は、正極、負極、セパレータ、非水系電解液などの、一般の非水系電解質二次電池と同様の構成要素を備える。なお、以下に説明する実施形態は例示にすぎず、本発明の非水系電解質二次電池は、本明細書に記載されている実施形態を基づいて、種々の変更、改良を施した形態に適用することも可能である。
a)正極
本発明により得られた非水系電解質二次電池用正極活物質を用いて、たとえば、以下のようにして非水系電解質二次電池の正極を作製する。
負極には、金属リチウムやリチウム合金など、あるいは、リチウムイオンを吸蔵および脱離できる負極活物質に、結着剤を混合し、適当な溶剤を加えてペースト状にした負極合材を、銅などの金属箔集電体の表面に塗布し、乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成したものを使用する。
セパレータは、正極と負極との間に挟み込んで配置されるものであり、正極と負極とを分離し、電解質を保持する機能を有する。このようなセパレータとしては、たとえば、ポリエチレンやポプロピレンなどの薄い膜で、微細な孔を多数有する膜を用いることができるが、上記機能を有するものであれば、特に制限されることはない。
非水系電解液は、支持塩としてのリチウム塩を有機溶媒に溶解したものである。
以上の正極、負極、セパレータおよび非水系電解液で構成される本発明の非水系電解質二次電池は、円筒形や積層形など、種々の形状にすることができる。
本発明の非水系電解質二次電池は、上述したように、本発明の正極活物質を正極材料として用いているため、充放電容量およびサイクル特性のいずれにも優れている。
本発明の非水系電解質二次電池は、上述のように、充放電容量およびサイクル特性の両方に優れるため、小型携帯電子機器(ノート型パーソナルコンピュータや携帯電話端末など)の電源、および、モータ駆動用の電源のいずれにも好適である。
(1)前駆体(ニッケル含有複合水酸化物)の作製
まず、硫酸ニッケル六水和物と硫酸コバルト七水和物とを、Ni:Co=82:15となる原子比で水に溶解し、1.9mol/Lの原料水溶液を調製した。この原料水溶液に、pH調整剤としての水酸化ナトリウム水溶液と、アンモニウムイオン供給体としてのアンモニア水を滴下しながら、液温を50℃、pH値(液温25℃基準)を12.0に調整し、ニッケルコバルト複合水酸化物を共沈させた。
この複合水酸化物と、リチウム化合物としての水酸化リチウム一水和物(和光純薬工業株式会社製、純度98.0%〜102.0%)と、アルカリ金属Dの化合物としての水酸化カリウム(関東化学株式会社製、純度86%)とを、原子数比で(Me=Ni+Co+Al):Li:K=1.00:1.33:0.348となるように、それぞれ秤量し、乳鉢を用いて混合し、混合粉末を得た(混合工程)。
得られたリチウムニッケル含有複合酸化物からなる正極活物質を、二次電池の正極材料として用い、その電池特性の評価、具体的には充放電特性(放電容量)およびサイクル特性(放電容量維持率)を測定し、得られた正極活物質の特性として評価した。
2032型コイン電池1を作製してから24時間程度放置し、開回路電圧OCV(Open Circuit Voltage)が安定した後、25℃で、正極に対する電流密度を正極活物質重量に対して9mA/gとして、カットオフ電圧が4.3Vとなるまで充電し、1時間の休止後、カットオフ電圧が3.0Vになるまで放電したときの放電容量を測定する充放電試験を行い、初期放電容量を求めることにより、充放電特性を評価した。この際、放電容量の測定には、マルチチャンネル電圧/電流発生器(株式会社アドバンテスト製、R6741A)を用いた。
サイクル特性は、上述の正極活物質を85質量%、アセチレンブラックを10質量%、PVDFを5質量%ずつ秤量し、これらを混合した後、これにNMP(n−メチルピロリドン)を適量加えてペースト状にした。この正極合材ペーストを、アルミニウム箔上に、乾燥後の正極化活物質の面密度が7mg/cm2となるように塗布し、120℃で真空乾燥した後、30mm×50mmに切り抜くことで、正極膜を作製した。負極にはカーボンを用い、電解液には、1MのLiPF6を支持塩とするエチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)を3:7の体積比で混合した混合液を用いて、ラミネートセルを作製した。温度60℃、正極に対する電流密度を正極活物質の重量に対して360mA/gとして、4.1Vまで充電して3.0Vまで放電するサイクルを500回繰り返した後の放電容量と初期放電容量の比を計算して、放電容量維持率(500サイクル容量維持率)を求めることにより、サイクル特性を評価した。
混合工程において、複合水酸化物と、水酸化リチウム一水和物と、水酸化カリウムとを、原子数比で(Ni+Co+Al):Li:K=1.00:1.15:0.174となるように、混合したこと以外は、実施例1と同様にして正極活物質を作製した。ICP発光分光分析法により測定した結果、この正極活物質は、一般式:Li1.010Ni0.818Co0.146Al0.036O2で表されるリチウムニッケル含有複合酸化物からなることが確認された。また、この正極活物質において、有意量のカリウムは測定されなかった。なお、2視野のSEM写真から合計517個の一次粒子について観察を行ったところ、八面体形状の一次粒子の存在比率は、2.95%であった。また、八面体形状の一次粒子を含む一次粒子全体の平均粒径は、2.10μmであった。
混合工程において、複合水酸化物と、水酸化リチウム一水和物と、水酸化カリウムとを、原子数比で(Me=Ni+Co+Al):Li:K=1.00:1.09:0.087となるように、混合したこと以外は、実施例1と同様にして正極活物質を作製した。この正極活物質は、一般式:Li1.000Ni0.818Co0.146Al0.036O2で表されるリチウムニッケル含有複合酸化物からなることが確認された。また、この正極活物質において、有意量のカリウムは測定されなかった。なお、2視野のSEM写真から合計879個の一次粒子について観察を行ったところ、八面体形状の一次粒子の存在比率は、2.19%であった。また、八面体形状の一次粒子を含む一次粒子全体の平均粒径は、1.43μmであった。
混合工程において、水酸化カリウムを添加せず、複合水酸化物と水酸化リチウム一水和物のみを、原子数比で(Me=Ni+Co+Al):Li:K=1.00:1.03:0となるように混合し、かつ、その後の洗浄および濾過の工程を実施しなかったこと以外は、実施例1と同様にして正極活物質を作製した。この正極活物質は、一般式:Li1.019Ni0.815Co0.149Al0.036O2で表されるリチウムニッケル含有複合酸化物からなることが確認された。図4に示すように、SEM観察からは、八面体形状の一次粒子は確認できず、粒子は一次粒子が凝集した二次粒子により形成されていた。なお、1視野のSEM写真から合計205個の一次粒子について観察を行った。その結果、比較例1における一次粒子の平均粒径は、0.48μmであった。
2 ケース
2a 正極缶
2b 負極缶
2c ガスケット
3 電極
3a 正極
3b 負極
3c セパレータ
Claims (10)
- 遷移金属として主としてニッケルを含有し、層状岩塩型の結晶構造を備え、主として平均粒径が0.8μm〜15μmの範囲にある一次粒子からなり、X線源としてCu−Kα線を用いた粉末X線回折から得られる(003)面と(104)面に帰属するピークの高さの比が1.50以上であり、前記(003)面と(104)面に帰属するピークの積分強度の比が1.15以上であり、かつ、八面体形状の一次粒子を含み、該八面体形状の一次粒子の数の全一次粒子の数に対する比率が1.0%以上であることを特徴とする、リチウムニッケル含有複合酸化物。
- リートベルト解析法によって求められる、前記層状岩塩型の結晶構造の3aサイトにおけるLi席占有率が96.0%以上である、請求項1に記載のリチウムニッケル含有複合酸化物。
- 前記遷移金属としてコバルトをさらに含有する、請求項1または2に記載のリチウムニッケル含有複合酸化物。
- 添加元素をさらに含み、該添加元素がアルミニウムである、請求項1〜3のいずれかに記載のリチウムニッケル含有複合酸化物。
- Li1+uNixCoyAlzMtO2(ただし、−0.03≦u≦0.10、x+y+z+t=1、0.65≦x≦1.00、0≦y≦0.35、0≦z≦0.10、0≦t≦0.15、ただし、Mは、Mn、Fe、Ti、V、Mg、Zr、Sr、Si、W、Mo、Cr、およびNbの群から選択される1種以上の元素)で表される組成を有する、請求項1〜4のいずれかに記載のリチウムニッケル含有複合酸化物。
- 層状岩塩型の結晶構造を備え、遷移金属として主としてニッケルを含有する、ニッケル含有複合水酸化物あるいはニッケル含有複合酸化物と、リチウム化合物と、リチウム以外のアルカリ金属の化合物とを混合して、混合粉末を得る、混合工程と、
前記混合粉末を、650℃〜800℃の範囲の温度で焼成して、焼結粒子を得る、焼成工程と、
前記焼結粒子を洗浄し、前記リチウム化合物に由来し、フラックスとして作用したリチウム成分、および、フラックスとして作用した前記リチウム以外のアルカリ金属の化合物に由来する成分を除去する、洗浄工程と、
を備え、
遷移金属として主としてニッケルを含有し、層状岩塩型の結晶構造を備え、X線源としてCu−Kα線を用いた粉末X線回折から得られる(003)面と(104)面に帰属するピークの高さの比が1.20以上であり、前記(003)面と(104)面に帰属するピークの積分強度の比が1.15以上であり、かつ、八面体形状の一次粒子を含み、該八面体形状の一次粒子の数の全一次粒子の数に対する比率が1.0%以上であるリチウムニッケル含有酸化物を得る、
ことを特徴とする、リチウムニッケル含有複合酸化物の製造方法。 - 前記混合工程において、前記ニッケル含有複合水酸化物あるいはニッケル含有複合酸化物中の金属元素の原子の物質量に対する、前記リチウム以外のアルカリ金属の化合物中のリチウム以外のアルカリ金属元素の原子の物質量の比率が、0.04〜1.0の範囲となるように、前記リチウム以外のアルカリ金属の化合物を混合する、請求項6に記載のリチウムニッケル含有複合酸化物の製造方法
- 前記混合工程において、前記リチウム以外のアルカリ金属の化合物として、ナトリウム、およびカリウムから選ばれる1種以上のアルカリ金属を含有する、塩化物、炭酸塩、硫酸塩、または、これらの混合物を用いる、請求項6または7に記載のリチウムニッケル含有複合酸化物の製造方法。
- 前記混合工程において、前記ニッケル含有複合水酸化物あるいはニッケル含有複合酸化物中の金属元素の原子の物質量に対する、前記リチウム化合物中のLi原子の物質量の比率が、0.98〜2.00の範囲となるように、前記リチウム化合物を混合する、請求項6〜8のいずれかに記載のリチウムニッケル含有複合酸化物の製造方法。
- 正極と、負極と、セパレータと、非水系電解質とを備え、前記正極の正極材料として、請求項1〜5のいずれかに記載のリチウムニッケル含有複合酸化物が用いられている、非水系電解質二次電池。
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