JP6167822B2 - 非水系電解質二次電池用正極活物質とその製造方法、およびこれを用いた非水系電解質二次電池 - Google Patents
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Description
さらに、本発明は、上記非水電解液二次電池用正極活物質の工業的規模での生産に適した製造方法を提供することを目的とする。
また、前記非水系電解質二次電池用正極活物質は、比表面積が1.5〜7.0m2/gであることが好ましい。
また、前記晶析工程における反応液中のアンモニア濃度が、1g/L以下であることが好ましく、前記晶析工程における雰囲気中の酸素濃度が、5容量%以上であることが好ましい。
さらに、本発明の非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法は、容易で工業的規模での生産に適したものであり、工業上極めて有用である。
本発明に係る非水系電解質二次電池用正極活物質は、一般式Li1+zNi1−x−yCoxNbyO2(但し、0.05≦x≦0.35、0.02≦y≦0.08、−0.05≦z≦0.10)で表され、一次粒子が凝集した二次粒子で構成されたリチウム金属複合酸化物粒子からなる非水系電解質二次電池用正極活物質であって、前記二次粒子が海綿状構造を有し、前記二次粒子の内部の空隙率が15〜70%である。
上記リチウム、ニオブおよび酸素からなる化合物が、リチウム金属複合酸化物の結晶粒界あるいは粒子表面に存在することで、リチウム金属複合酸化物の脱酸素による熱分解反応の抑制に寄与していると考えられる。
なお、リチウム、ニオブおよび酸素からなる化合物は、粉末X線回折法により検出することができる。
なお、上記リチウム遷移金属複合酸化物の各成分の含有量は、誘導結合プラズマ(ICP)法による定量分析により測定することができる。
一次粒子の平均粒径は、好ましくは0.5μm以下、より好ましくは粒径0.3μm以下である。さらに、二次粒子の内部の空隙率は、15〜70%であり、好ましくは20〜60%である。空隙率は、画像処理によって面積比で観察面における空隙量を算出することにより求めることができる。
平均粒径をこのような範囲とすることで、電池の正極に用いた場合に充填密度を向上させ、体積当たりの充放電容量が十分なものとするとともに、平均粒径が大きくなり過ぎることで電解液との接触面積が十分となって生じる充放電容量の低下を抑制することができる。
本発明に係る非水系電解質二次電池正極活物質の製造方法は、一般式Li1+zNi1−x−yCoxNbyO2(但し、0.05≦x≦0.35、0.02≦y≦0.08、−0.05≦z≦0.10)で表されるリチウム金属複合酸化物粒子からなる非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法であって、A)酸素濃度3容量%以上の雰囲気中において、特定のアンモニア濃度、温度に維持された、ニッケル塩とコバルト塩の混合水溶液とニオブ塩溶液とを含む反応液のアンモニア濃度を3g/L以下、温度を50〜80℃に維持しながら、アルカリ溶液を加えて反応液のpHを液温25℃基準で10〜12に制御することにより、ニッケルコバルトニオブ複合水酸化物を共沈させる晶析工程と、B)ニッケルコバルトニオブ複合水酸化物とリチウム化合物を混合してリチウム混合物を得る混合工程と、C)リチウム混合物を酸化性雰囲気中において650〜850℃の温度で焼成する焼成工程とを含むものである。
以下、工程ごとに詳細な説明をする。
上記晶析工程においては、ニッケル塩及びコバルト塩を含む混合水溶液とニオブ塩溶液とを含む反応液を用いるが、まず、ニオブ塩溶液の作成方法について説明する。
ニオブ塩溶液としては、ニオブ酸、水酸化ニオブ、ニオブメタル、五塩化ニオブを原料に苛性カリ水溶液で溶解した水溶液、または水酸化ニオブ、五塩化ニオブを塩酸に溶解した水溶液を使用することが好ましい。また、所望する濃度のニオブ塩溶液を得るためにフェロニオブを苛性カリ水溶液に溶解する方法でもよい。これらは、ニオブ濃度を高くすることが可能であり、上記晶析工程への使用に適している。
晶析工程に用いられるニオブ塩溶液のニオブ濃度としては、10g/l〜40g/lとすることが好ましい。
また、フッ化水素酸と硫酸の混合水溶液にニオブ金属を投入してニオブ塩溶液を得る場合でも、ニッケル塩及びコバルト塩を含む混合溶液と先に混合してしまうと、ニオブ酸化物あるいはニオブ水酸化物が析出してしまい、その後アルカリ水溶液を投入しても組成が均一な水酸化物の共沈殿物は得られず、この水酸化物を用いてリチウムニッケルコバルトニオブ化合物を合成しても、ニオブの偏析が起きてしまうため、上記晶析工程には適さない。
その際、pHを液温25℃基準で10〜11に制御する。また、反応液を撹拌して反応液中の金属濃度や晶析条件の局所的な変動を抑制する。
また、前記アルカリ溶液としては、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液などを用いることができる。
アンモニア濃度が3g/Lを超えると、反応液中でのNiの溶解度が大きくなることによる晶析反応速度の低下が大きくなり過ぎ、一次粒子の成長が促進されるため、微細な一次粒子が得られない。晶析中における一次粒子の成長を抑制するためには、反応液中のアンモニア濃度を2g/L以下に維持することが好ましい。また、アンモニア濃度が変動すると、金属イオンの溶解度が変動し、均一な水酸化物粒子が形成されないため、一定値に保持することが好ましく、設定値を中央値として1g/L以下の変動幅に抑制することがより好ましい。
なお、反応液にアンモニウムイオンを供給する際に用いるアンモニウムイオン供給体は、特に限定されないが、例えば、アンモニア、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、炭酸アンモニウム、フッ化アンモニウムなどを使用することができる。
混合工程は、前記複合水酸化物粒子とリチウム化合物を混合してリチウム混合物を得る工程である。
複合水酸化物粒子とリチウム化合物とは、リチウム混合物中のリチウム以外の金属の原子数(すなわち、ニッケル、コバルトおよびニオブの原子数の和(Me))と、リチウムの原子数(Li)との比(Li/Me)が、好ましくは0.95〜1.10、より好ましくは1.00〜1.10となるように混合される。すなわち、次工程である焼成工程前後でLi/Meは変化しないので、この混合工程で混合するLi/Meが正極活物質におけるLi/Meとなるため、リチウム混合物におけるLi/Meが、得ようとする正極活物質におけるLi/Meと同じになるように混合される。
焼成工程は、上記混合工程で得られたリチウム混合物を焼成して、リチウム金属複合酸化物を形成する工程である。焼成工程においてリチウム混合物を焼成すると、複合水酸化物粒子中の一次粒子に、リチウム化合物中のリチウムが拡散してリチウム金属複合酸化物粒子が形成される。リチウム混合物の焼成は、650〜850℃で行い、とくに720〜820℃で行うことが好ましい。焼成温度が650℃未満であると、熱処理粒子中へのリチウムの拡散が十分に行われなくなり、余剰のリチウムや未反応の粒子が残ったり、結晶構造が十分整わなくなったりして、十分な電池特性が得られないという問題が生じる。また、焼成温度が850℃を超えると、一次粒粒子間の焼結が進行して海綿状構造が維持できなくなるとともに、二次粒子間で激しく焼結が生じて異常粒成長を生じる可能性がある。
リチウム化合物の混合割合を化学量論比よりも高くした場合は、焼成後に残留する余剰のリチウム化合物を除去するために水洗してもよい。余剰のリチウム化合物が残留していると、非水系二次電池内において副反応を引き起こしガス発生による電池の膨張などの原因となるため安全性を損なうおそれがあるからである。
本発明の非水系電解質二次電池の実施形態について、構成要素ごとにそれぞれ詳しく説明する。本発明の非水系電解質二次電池は、正極、負極、非水系電解液等、一般のリチウムイオン二次電池と同様の構成要素から構成される。なお、以下で説明する実施形態は例示に過ぎず、本発明の非水系電解質二次電池は、下記実施形態をはじめとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。また、本発明の非水系電解質二次電池は、その用途を特に限定するものではない。
正極を形成する正極合材およびそれを構成する各材料について説明する。本発明の粉末状の正極活物質と、導電材、結着剤とを混合し、さらに必要に応じて活性炭、粘度調整等の目的の溶剤を添加し、これを混練して正極合材ペーストを作製する。正極合材中のそれぞれの混合比も、リチウム二次電池の性能を決定する重要な要素となる。
また、結着剤(バインダー)としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、エチレンプロピレンジエンゴム、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、スチレンブタジエン、セルロース系樹脂、ポリアクリル酸、ポリプロピレン、ポリエチレンなどを用いることができる。必要に応じ、正極活物質、導電材、活性炭を分散させ、結着剤を溶解する溶剤を正極合材に添加する。
溶剤としては、具体的にはN−メチル−2−ピロリドン等の有機溶剤を用いることができる。また、正極合材には電気二重層容量を増加させるために活性炭を添加することができる。
負極には、金属リチウム、リチウム合金等、また、リチウムイオンを吸蔵・脱離できる負極活物質に結着剤を混合し、適当な溶剤を加えてペースト状にした負極合材を、銅等の金属箔集電体の表面に塗布、乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成したものを使用する。
正極と負極との間にはセパレータを挟み込んで配置する。セパレータは、正極と負極とを分離し電解質を保持するものであり、ポリエチレン、ポリプロピレン等の薄い膜で、微少な穴を多数有する膜を用いることができる。
非水系電解液は、支持塩としてのリチウム塩を有機溶媒に溶解したものである。有機溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、トリフルオロプロピレンカーボネート等の環状カーボネート、また、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジプロピルカーボネート等の鎖状カーボネート、さらに、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等のエーテル化合物、エチルメチルスルホン、ブタンスルトン等の硫黄化合物、リン酸トリエチル、リン酸トリオクチル等のリン化合物等から選ばれる1種を単独で、あるいは2種以上を混合して用いることができる。
支持塩としては、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、LiN(CF3SO2)2等、およびそれらの複合塩を用いることができる。
さらに、非水系電解液は、ラジカル補足剤、界面活性剤および難燃剤等を含んでいてもよい。
以上説明してきた正極、負極、セパレータおよび非水系電解液で構成される本発明に係るリチウム二次電池の形状は、円筒型、積層型等、種々のものとすることができる。
いずれの形状を採る場合であっても、正極および負極をセパレータを介して積層させて電極体とし、この電極体に上記非水電解液を含浸させる。正極集電体と外部に通ずる正極端子との間、並びに負極集電体と外部に通ずる負極端子との間を集電用リード等を用いて接続する。以上の構成のものを電池ケースに密閉して電池を完成させることができる。
(実施例1)
ニオブ酸(Nb2O5・xH2O)粉末を300g/Lの濃度の苛性カリ溶液にニオブ濃度が30g/Lとなるように、溶解温度を80℃で一定に保持し、6時間攪拌して溶解した後、残渣を濾別してニオブ塩溶液を得た。ニッケル:コバルト:ニオブのモル比が82.0:13.0:5.0となるように、硫酸ニッケルおよび硫酸コバルトの混合溶液と、ニオブ塩溶液とを反応槽内で混合して反応液とし、大気雰囲気中で反応液の温度を70℃に保ち、反応液を撹拌しながら25質量%水酸化ナトリウム溶液を反応槽に添加してpHを液温25℃基準で10.5に調整し、ニッケルコバルトニオブ複合水酸化物粒子を共沈殿させた。
なお、晶析反応の際の撹拌羽根としてディスクタービンを用い、700〜900rpmの回転速度で回転させることにより、pHの変動幅が最小となるようにした。
反応液を濾過して生成した複合水酸化物粒子を全量回収した後、水洗し、乾燥して、ニッケルコバルトニオブ複合水酸化物の乾燥粒子を得た。アンモニアイオンメーター(Thermo SCIENTIFIC社製)を用いてアンモニア濃度を測定したところ、反応液中のアンモニア濃度は0.1g/L未満であり、反応槽内部の酸素濃度は21容量%であった。
ニッケルコバルトニオブ複合水酸化物粒子を得る際に液中のアンモニア濃度が2g/Lとなるようにアンモニア水を反応液に添加し、pHを11.0に調整した以外は実施例1と同様にして正極活物質を得るとともに評価した。レーザー回折散乱法により測定した平均二次粒子は、8.3μmであった。
正極活物質中に含まれるリチウムニオブ複合酸化物の種類、正極活物質粒子の空隙率および比表面積、電池評価によって得られた初期放電容量及び、DSC測定によって得られた発熱ピーク高さを表1に示す。
ニッケルコバルトニオブ複合水酸化物粒子を得る際の反応温度を60℃とし、pHを10.0とし、反応槽中に酸素ガスを流し、反応槽内部の酸素濃度が100容量%となるようにした以外は実施例1と同様にして正極活物質を得るとともに評価した。レーザー回折散乱法により測定した平均二次粒子は、8.4μmであった。
正極活物質中に含まれるリチウムニオブ複合酸化物の種類、正極活物質粒子の空隙率および比表面積、電池評価によって得られた初期放電容量及び、DSC測定によって得られた発熱ピーク高さを表1に示す。
ニッケルコバルトニオブ複合水酸化物粒子のニッケル:コバルト:ニオブのモル比が84.6:13.4:2.0となるようにした以外は実施例1と同様にして正極活物質を得るとともに評価した。レーザー回折散乱法により測定した平均二次粒子は、9.3μmであった。
正極活物質中に含まれるリチウムニオブ複合酸化物の種類及び電池評価によって得られた初期放電容量及び、DSC測定によって得られた最大発熱ピーク高さを表1に合わせて示す。
ニッケルコバルトニオブ複合水酸化物粒子のニッケル:コバルト:ニオブのモル比が80.3:12.7:7.0となるようにし、複合水酸化物粒子を得る際に反応槽中に窒素ガスを流し、反応槽内部の酸素濃度が5容量%となるように以外は実施例1と同様にして正極活物質を得るとともに評価した。レーザー回折散乱法により測定した平均二次粒子は、8.8μmであった。
正極活物質中に含まれるリチウムニオブ複合酸化物の種類及び電池評価によって得られた初期放電容量及び、DSC測定によって得られた最大発熱ピーク高さを表1に合わせて示す。
また、各実施例おける1次粒子の平均粒径は、断面SEM像を計測して求めた結果、0.1〜0.4μmであることが確認された。
ニッケルコバルトニオブ複合水酸化物粒子を得る際に液中のアンモニア濃度が5g/Lとなるようにアンモニア水を反応液に添加した以外は実施例1と同様にして正極活物質を得るとともに評価した。レーザー回折散乱法により測定した平均二次粒子は、9.1μmであった。
正極活物質中に含まれるリチウムニオブ複合酸化物の種類、正極活物質粒子の空隙率および比表面積、電池評価によって得られた初期放電容量及び、DSC測定によって得られた発熱ピーク高さを表1に示す。
ニッケルコバルトニオブ複合水酸化物粒子を得る際に窒素ガスを流して反応槽内の酸素濃度を1容量%となるようにした以外は実施例1と同様にして正極活物質を得るとともに評価した。レーザー回折散乱法により測定した平均二次粒子は、8.8μmであった。
正極活物質中に含まれるリチウムニオブ複合酸化物の種類、正極活物質粒子の空隙率および比表面積、電池評価によって得られた初期放電容量及び、DSC測定によって得られた発熱ピーク高さを表1に示す。
ニッケルコバルトニオブ複合水酸化物粒子を得る際に窒素ガスを流して反応槽内の酸素濃度を1%とするとともに、反応温度を50℃、pHを12.5とし、アンモニア濃度が10g/Lとなるようにアンモニア水を添加した以外は実施例1と同様にして正極活物質粉末を得るとともに評価した。レーザー回折散乱法により測定した平均二次粒子は、8.1μmであった。
得られた正極活物質の断面SEM像を図4に示す。
正極活物質中に含まれるリチウムニオブ複合酸化物の種類、正極活物質粒子の空隙率および比表面積、電池評価によって得られた初期放電容量及び、DSC測定によって得られた発熱ピーク高さを表1に示す。
ニッケルコバルトニオブ複合水酸化物粒子のニッケル:コバルト:ニオブのモル比が85.5:13.5:1.0となるようにし、ニッケルコバルトニオブ複合水酸化物粒子を得る際に窒素ガスを流して反応槽内の酸素濃度を1%とするとともに、反応温度を50℃、pHを12.5とし、アンモニア濃度が10g/Lとなるようにアンモニア水を添加した以外は実施例1と同様にして正極活物質粉末を得るとともに評価した。レーザー回折散乱法により測定した平均二次粒子は、8.1μmであった。
表1に示すように、本発明の請求の範囲内にある実施例1〜5では正極活物質中にLi10Nb2O10あるいはLi8Nb2O9を含有し、図3の断面SEM像に示す通り、空隙率および比表面積が高く得られた正極活物質の初期放電容量がおおむね190mAh/gを超え、正極活物質として使用可能な材料であることがわかる。またDSC測定による最大発熱ピーク高さは0.4〜1.4cal/sec/gであり、発熱量が比較例4のニオブの比率yが0.01のリチウム金属複合酸化物と比較して小さいことがわかる。
なお、電気自動車用の電源とは、純粋に電気エネルギーで駆動する電気自動車のみならず、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン等の燃焼機関と併用するいわゆるハイブリッド車用の電源を含み、これらに好適に用い得る。
2 セパレータ(電解液含浸)
3 正極(評価用電極)
4 ガスケット
5 負極缶
6 正極缶
7 集電体
Claims (11)
- 一般式Li1+zNi1−x−yCoxNbyO2(但し、0.05≦x≦0.35、0.02≦y≦0.08、−0.05≦z≦0.10)で表され、一次粒子が凝集した二次粒子で構成されたリチウム金属複合酸化物粒子からなる非水系電解質二次電池用正極活物質であって、
前記二次粒子は、その内部に空隙を有する構造を形成し、前記二次粒子の内部の空隙率が15〜70%であることを特徴とする非水系電解質二次電池用正極活物質。 - 前記二次粒子が、最外層、高空隙層及び低空隙層を含む3層以上の構造を有し、前記高空隙層が最外層の内部に位置し、前記低空隙層が前記高空隙層の内部に位置し、前記高空隙層は、最外層より空隙率が高く、前記低空隙層は、前記高空隙層より空隙率が低いことを特徴とする請求項1に記載の非水系電解質二次電池用正極活物質。
- 前記リチウム金属複合酸化物粒子中にリチウム、ニオブおよび酸素からなる化合物を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の非水系電解質二次電池用正極活物質。
- 前記リチウム、ニオブおよび酸素からなる化合物が、Li10Nb2O10および/またはLi8Nb2O9であることを特徴とする請求項4記載の非水系電解質二次電池用正極活物質。
- 比表面積が1.5〜7.0m2/gであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の非水系電解質二次電池用正極活物質。
- 一般式Li1+zNi1−x−yCoxNbyO2(但し、0.05≦x≦0.35、0.02≦y≦0.08、−0.05≦z≦0.10)で表されるリチウム金属複合酸化物粒子からなる非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法であって、
酸素濃度3容量%以上の雰囲気中において、ニッケル塩及びコバルト塩を含む混合水溶液と、ニオブ塩溶液と、を含む反応液に、前記反応液のアンモニア濃度を3g/L以下、温度を50〜80℃に維持しながら、アルカリ溶液を加え、前記反応液のpHを液温25℃基準で10〜11に制御することにより、ニッケルコバルトニオブ複合水酸化物粒子を共沈させる晶析工程と、
ニッケルコバルトニオブ複合水酸化物粒子とリチウム化合物を混合してリチウム混合物を得る混合工程と、
リチウム混合物を酸化性雰囲気中において650〜850℃の温度で焼成する焼成工程と、
を含むことを特徴とする非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法。 - 前記混合工程におけるリチウム化合物が、水酸化リチウムまたはその水和物であることを特徴とする請求項6に記載の非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
- 前記晶析工程における反応液中のアンモニア濃度が、1g/L以下であることを特徴とする請求項6または7に記載の非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
- 前記ニオブ塩溶液は、ニオブ塩を、濃度150〜500g/Lの苛性カリ水溶液に溶解して得られることを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
- 前記晶析工程における雰囲気中の酸素濃度が、5容量%以上であることを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載の非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の非水系電解質二次電池用正極活物質を用いた正極を備えることを特徴とする非水系電解質二次電池。
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