JP6726422B2 - ウェットワイピングシート用不織布および対人用ウェットワイピングシート - Google Patents
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再生セルロース繊維と熱接着性繊維とを含む上側繊維層および下側繊維層の間に、再生セルロース繊維を含む中間繊維層が位置し、3つの繊維層が繊維同士の交絡により一体化されている、ウェットワイピングシート用不織布であって、
熱接着性繊維により繊維同士が接着されており、
表面に凹凸が形成されており、
各繊維層は互いに独立して、ビスコースレーヨン、キュプラ、ポリノジック、アセテートおよび溶剤紡糸セルロース繊維から選択される、1または複数の再生セルロース繊維を含み、
各繊維層に含まれる再生セルロース繊維は互いに独立して、20mmを超える繊維長を有し、
上側繊維層および下側繊維層は互いに独立して、再生セルロース繊維と熱接着性繊維とを合わせた質量に対し、再生セルロース繊維を60質量%以上80質量%以下の量で含み、熱接着性繊維を20質量%以上40質量%以下の量で含み、
中間繊維層は再生セルロース繊維を50質量%以上の量で含む、
ウェットワイピングシート用不織布を提供する。
(a)再生セルロース繊維を含む第1繊維ウェブの両面に、再生セルロース繊維と熱接着性繊維とを含む第2繊維ウェブおよび第3繊維ウェブを配置して、積層ウェブを作製すること、
(b)積層ウェブに圧力が1MPa以上10MPa以下の柱状水流を積層ウェブの一方の面にのみ1〜5回噴射すること、または両方の面にそれぞれ1〜5回ずつ噴射すること、および
(c)熱処理を施して、熱接着性繊維により繊維同士を接着させること
を含み、
前記(a)において、
各繊維ウェブは互いに独立して、ビスコースレーヨン、キュプラ、ポリノジック、アセテートおよび溶剤紡糸セルロース繊維から選択される、1または複数の再生セルロース繊維を含み、
各繊維ウェブに含まれる再生セルロース繊維は互いに独立して、20mmを超える繊維長を有し、
第2繊維ウェブおよび第3繊維ウェブは互いに独立して、再生セルロース繊維と熱接着性繊維とを合わせた質量に対し、再生セルロース繊維を60質量%以上80質量%以下の量で含み、熱接着性繊維を40質量%以上20質量%以下の量で含み、かつ
第1繊維ウェブは再生セルロース繊維を50質量%以上の量で含み、
前記(b)において、凹凸を形成することが可能な支持体に積層ウェブを置いて、積層ウェブに柱状水流を少なくとも1回噴射することを含む、
ウェットワイピングシート用不織布の製造方法を提供する。
先に挙げた特許文献はいずれも、液体を保持させるために親水性繊維を使用してシートを構成しており、三層構造とするときには真中に位置する繊維層において親水性繊維の割合が最も高くなるようにしている。特許文献1ないし4に記載されたシートはいずれも、各文献に記載された課題を解決するものとして有用なものではあるが、対人用のウェットワイピングシート用不織布としては、なお改善の余地を有するものであった。
以下、本発明の実施形態に係るウェットワイピングシート用不織布を説明する。
本発明のウェットワイピングシート(以下、単に「シート」とも呼ぶ)用の不織布を実施形態1として説明する。実施形態1の不織布は、再生セルロース繊維と熱接着性繊維とを含む上側繊維層および下側繊維層の間に、再生セルロース繊維を含む中間繊維層が位置し、3つの繊維層が繊維同士の交絡により一体化されている積層不織布である。以下、本実施形態で用いられる、再生セルロース繊維および熱接着性繊維についてまず説明する。
本実施形態では、各繊維層が独立して、1または複数の再生セルロース繊維を含む。ここで「独立して」とは、各繊維層に含まれる再生セルロース繊維の種類および割合が互いに異なっていてよいことを意味する。したがって、例えば、上側繊維層と下側繊維層に含まれる再生セルロース繊維の種類は異なっていてよく、上側繊維層と下側繊維層に含まれる再生セルロース繊維が同じであって、中間繊維層はそれとは異なる再生セルロース繊維を含んでよい。
熱接着性繊維は熱可塑性樹脂から成る合成繊維であり、加熱により軟化または溶融して繊維同士を接合する役割をする。熱接着性繊維により繊維同士を接着させることによって、シートの強度を高くすることができ、また、拭き取り時に生じる毛羽立ちを抑制することができる。
・ポリエチレン(高密度、低密度、直鎖状低密度ポリエチレンを含む)、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブチレン、ポリメチルペンテン、ポリブタジエン、エチレン系共重合体(例えば、エチレン−αオレフィン共重合体)、プロピレン系共重合体(例えば、プロピレン−エチレン共重合体)、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、およびエチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体等などのポリオレフィン系樹脂、
・ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネートおよびその共重合体などのポリエステル樹脂、
・ナイロン66、ナイロン12、およびナイロン6などのポリアミド系樹脂、
・アクリル系樹脂、
・ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリスチレンおよび環状ポリオレフィンなどのエンジニアリング・プラスチック、
・それらの混合物、ならびに
・それらのエラストマー系樹脂
が挙げられる。
各繊維層は再生セルロース繊維および熱接着性繊維を所定の量で含む限りにおいて、他の繊維を含んでよい。他の繊維は、例えば、コットン、およびケナフ繊維等のセルロース系の天然繊維、シルク、およびウール等の動物由来の天然繊維、熱接着性繊維で繊維同士を接着させるときに接着性を示さない合成繊維である。合成繊維を構成し得る熱可塑性樹脂は、先に熱接着性繊維に関連して説明したとおりである。合成繊維は単一繊維であっても、複合繊維であってもよい。複合繊維の複合形態については先に熱接着性繊維に関連して説明したとおりである。他の繊維の繊度および繊維長も特に限定されない。例えば、他の繊維が天然繊維である場合には、その繊度および繊維長は、再生セルロース繊維に関連して説明した範囲内にあってよい。あるいは、例えば、他の繊維が合成繊維である場合には、その繊度および繊維長は、熱接着性繊維に関連して説明した範囲内にあってよい。
続いて、不織布の構造を説明する。本実施形態の不織布は、上側繊維層および下側繊維層、ならびにこれらの繊維層の間に位置する中間繊維層とからなり、3つの繊維層は繊維同士の交絡により一体化されるとともに、上側繊維層および下側繊維層に含まれる熱接着性繊維によって繊維同士が接着された構造を有する。
上側繊維層および下側繊維層において、再生セルロース繊維の割合は好ましくは65質量%以上75質量%以下、熱接着性繊維の割合は好ましくは25質量%以上35質量%以下である。
具体的には、凹凸は、図3に示すように、長軸が不織布のMD方向に配向し、長軸の長さが0.5〜2.5mm、短軸の長さが0.3〜1.0mmの略楕円状凹部(3a)(一部の凹部は厚み方向に貫通し、開口を形成している。以下、図4および図5に示すパターンについても同じ)がMD方向に0.5〜2mmの間隔で千鳥模様状に配列し、MD方向に隣り合う前記略楕円状凹部(3a)の間に直径0.2〜0.7mmの円形凹部(3b)が形成されたパターンを形成していてよい。
次に、本発明の不織布の製造方法の一実施形態を実施形態2として説明する。本発明の不織布の製造方法は、
(a)再生セルロース繊維を含む第1繊維ウェブの両面に、再生セルロース繊維と熱接着性繊維とを含む第2繊維ウェブおよび第3繊維ウェブを配置して、積層ウェブを作製すること、
(b)積層ウェブに圧力が1MPa以上10MPa以下の柱状水流を積層ウェブの一方の面にのみ1〜5回噴射すること、または両方の面にそれぞれ1〜5回ずつ噴射すること、および
(c)熱処理を施して、熱接着性繊維により繊維同士を接着させること
を含み、
前記(a)において、
各繊維ウェブは互いに独立して、ビスコースレーヨン、キュプラ、ポリノジック、アセテートおよび溶剤紡糸セルロース繊維から選択される、1または複数の再生セルロース繊維を含み、
各繊維ウェブに含まれる再生セルロース繊維は互いに独立して、20mmを超える繊維長を有し、
第2繊維ウェブおよび第3繊維ウェブは互いに独立して、再生セルロース繊維と熱接着性繊維とを合わせた質量に対し、再生セルロース繊維を60質量%以上80質量%以下の量で含み、熱接着性繊維を40質量%以上20質量%以下の量で含み、かつ
第1繊維ウェブは再生セルロース繊維を50質量%以上の量で含み、
前記(b)において、凹凸を形成することが可能な支持体に積層ウェブを置いて、積層ウェブに柱状水流を少なくとも1回噴射することを含む。
実施形態3として、実施形態1の不織布、または実施形態2の製造方法により得られる不織布に液体を含浸させて得られるウェットワイピングシートを説明する。本実施形態のウェットワイピングシートは特に対人用として好適である。ウェットワイピングシートに含浸させる液体は、それが人体から拭い取る対象物(メイク、汗、マニキュア、排泄物等)に応じて適宜選択される。液体の含浸量は、例えば、不織布100質量部に対し、100質量部以上700質量部以下としてよく、好ましくは200質量部以上500質量部以下であり、より好ましくは250質量部以上400質量部以下である。シートが拭い取る対象物に応じて、液体には、例えば、固形分が含まれていてよい。例えば、固形分は汗拭きシートにおいては、汗を吸収する制汗パウダーであってよい。
本実施例で用いる繊維として下記のものを用意した。
繊度1.7dtex、繊維長38mmの溶剤紡糸セルロース繊維(商品名リヨセル(登録商標)、レンツィング社製)
(再生セルロース繊維2)
繊度1.7dtex、繊維長40mmのビスコースレーヨン(商品名コロナ(登録商標)、ダイワボウレーヨン(株)製)
(熱接着性繊維1)
繊度1.7dtex、繊維長51mmの、高密度ポリエチレン(融点130℃)が鞘成分であり、ポリプロピレン(融点165℃)が芯成分である、芯鞘型複合繊維(芯/鞘複合比(体積比)50/50)
第1繊維ウェブとして、表2−1および表2−2に示す再生セルロース繊維を用いて、狙い目付15g/m2のパラレルウェブを作製した。また、第2繊維ウェブおよび第3繊維ウェブとして、表2−1および表2−2に示す再生セルロース繊維と熱接着性繊維とを、表2−1および表2−2に示す割合で混合して、狙い目付22.5g/m2のパラレルウェブを作製した。第1繊維ウェブの両面に第2繊維ウェブおよび第3繊維ウェブを重ねて、積層ウェブを作製し、この積層ウェブに水流交絡処理を施した。
・杉綾支持体(杉綾):経糸(モノフィラメント)の線径0.4mm、緯糸(モノフィラメント)の線径0.8mm、織り密度64/18(本/inch)の3/1杉綾織りネット
・杉綾支持体裏面(杉綾(裏)):経糸(モノフィラメント)の線径0.4mm、緯糸(モノフィラメント)の線径0.8mm、織り密度64/18(本/inch)の3/1杉綾織りネットであって、裏面を支持体表面(ウェブと接する側の表面)としたもの
・平織支持体A(平織A):経糸(モノフィラメント)の線径0.7mm、緯糸(モノフィラメント)の線径0.7mm、織り密度25/25(本/inch)の平織りネット
・平織支持体B(平織B):経糸(モノフィラメント)の線径1.2mm、緯糸(モノフィラメント)の線径1.2mm、織り密度12/12(本/inch)の平織りネット
・平織支持体D(平織D):経糸(モノフィラメント)の線径0.9mm、緯糸(モノフィラメント)の線径1.0mm、織り密度9/10(本/inch)の平織りネットであって、経糸を2本ずつ同じ状態に並べて緯糸を1本ずつ打ち込んだもの
第1繊維ウェブとして、比較例1においては、パルプを湿式抄紙してなる目付17g/m2の湿式抄紙不織布を用意し、比較例2においては、再生セルロース繊維1(商品名リヨセル)からなる、目付15g/m2のパラレルウェブを作製し、比較例3においては、鞘/芯が高密度ポリエチレン/ポリプロピレンの芯鞘型複合繊維(繊度1.7dtex)からなり、接着部がドット状に形成された、目付20g/m2のポイントボンド不織布を用意した。また、第2繊維ウェブおよび第3繊維ウェブとして、表3に示す再生セルロース繊維と熱接着性繊維とを、表3に示す割合で混合して、狙い目付22.5g/m2のパラレルウェブを作製した。第1繊維ウェブの両面に第2繊維ウェブおよび第3繊維ウェブを重ねて、積層ウェブを作製した。
表3に示す割合で、再生セルロース繊維1と熱接着性繊維とを混合して、目付約60g/m2のパラレルウェブを作製し、これに実施例1ないし8の不織布の製造で採用した条件と同様の条件で、水流交絡処理および熱処理を実施して、単層構造の不織布を得た。
厚さは、厚み測定機(商品名 THICKNESS GAUGE モデル CR−60A (株)大栄科学精器製作所製)を用い、300Paの荷重を加えた状態で測定した。
不織布のドレープ性(剛軟度)は、JIS L 1096 6.19.5 E法(ハンドルオメータ法)に準じて測定した。具体的には、次の手順で測定した。
縦:20cm、横:20cmの試験片を試料台の上に、試験片の測定方向がスロット(隙間幅20mm)と直角になるように置く。
次に、試料台の表面から8mmまで下がるように調整されたペネトレータのブレードを下降させ、試験片を押し込んだとき、いずれか一方の辺から6.7cm(試験片の幅の1/3)の位置で、縦方向および横方向それぞれ表裏異なる個所について、押し込みに対する抵抗値を読み取る。抵抗値として、マイクロアンメータの示す最高値(g)を読み取る。
測定は不織布のMD方向(機械方向、縦方向とも呼ばれる)、CD方向(幅方向、横方向とも呼ばれる)に平行な方向についてそれぞれ行い、CD方向に平行な方向について異なる2箇所にて剛軟度を測定し、その後MD方向に平行な方向について異なる2箇所にて測定する。
各測定箇所にて3回測定を行い、その平均値の総和を、そのサンプルの剛軟度として評価した。
不織布をMD方向×CD方向=100mm×100mmに切断し、不織布の質量を測定した後、蒸留水に2分間浸した。それから、蒸留水を含浸させた不織布の三隅を洗濯ばさみで挟んで吊し、10分経過後の質量を測定して、下記の式に従って保液率を算出した。
保液率(%)=[(M2−M1)/M1]×100
M1:蒸留水を含浸させる前の不織布の質量(g)
M2:蒸留水を含浸させてから10分間吊した後の不織布の質量(g)
使用した際に肌に与える摩擦感を評価するため、摩擦係数を測定し、評価した。測定には静動摩擦測定機(株式会社トリニティラボ社性 TL201Ts)を使用した。摩擦係数を測定は摩擦係数を求める試料(不織布)に対し、30gの荷重を加えた接触子(擬似指紋)を当て、移動速度が毎秒10mmになるように接触子を水平に30mm移動させる。この移動を2往復行い、2往復する間の摩擦係数を測定した。測定された摩擦係数から以下のように静止摩擦係数、動摩擦係数を求めた。
・静止摩擦係数(μs)
不織布試料上に静止している接触子が動き出した際に記録される摩擦係数
・動摩擦(μk)
接触子が移動を開始した際に記録される摩擦係数の最大値が低下してから、移動が終了するまでの摩擦の平均値
不織布100質量部に対して、蒸留水を300質量部含浸させて作製したウェットワイピングシートについて、1)拭き取り感、2)肌にあてたときに感じる柔らかさ、3)拭き取り時の不織布のヨレにくさ、4)拭き取り時の不織布における毛羽立ちにくさ、5)拭き取り時に感じる抵抗感(拭き取り軽さ)を、3人のモニターで評価した。各モニターが、以下の表1に示す評価基準に従って、それぞれの使用感について点数を付け、最も多くのモニターが付けた点数を、その項目についての評価結果として示した。
実施例1、比較例1および比較例5の不織布について、バイレック法により吸液速度を測定した。水の吸い上げ方向をMD方向とした試料(MD方向×CD方向=250mm×25mm)を作成し、水の吸い上げ方向がMD方向と一致するように試料をセットして吸い上げ高さを測定した。吸い上げた高さを、10秒、20秒、30秒、60秒、90秒、120秒、180秒、240秒、300秒経過後にそれぞれ測定した。同様に、水の吸い上げ方向をCD方向とした試料(MD方向×CD方向=25mm×250mm)を作成し、水の吸い上げ方向がCD方向と一致するように試料をセットして、吸い上げ高さをMD方向のそれと同じ時間間隔で測定した。結果を表4に示すとともに、図6(MD方向)および図7(CD方向)に示す。
実施例1、比較例1および比較例3の不織布について、液体を含浸した状態で重ねて長期間保管した場合を想定した液体移行性を評価した。
液体移行性は下記の方法に従って評価した。
評価する不織布を、縦(MD方向)100mm×横(CD方向)150mmの寸法に裁断する。この試料を40枚作製する。所定の大きさに裁断した不織布に対し、蒸留水を含浸させた。蒸留水の含浸量は不織布の質量を100質量部としたとき、含浸させる蒸留水が300質量部となるように調整した。蒸留水を所定の割合で含浸させた不織布の質量を1枚ずつ測定する。質量を測定した不織布をC字状になるよう折り、40枚重ねる。蒸留水を含浸させた不織布を40枚重ねた状態で、市販されているプラスチック製の線ファスナーがついたポリエチレン製の袋に入れ、線ファスナーを閉じて密封状態とする。この状態で、50℃に調整した恒温乾燥機に入れて、一週間放置した。所定時間が経過した後、袋から試料を取り出し、各シートの質量を測定する。そして上から2枚目に位置していた不織布と、上から39枚目、すなわち下から2枚目に位置していた不織布の保水率(不織布の質量に対する水の質量の割合を百分率で示したもの)を計算する。上から39枚目の不織布と、2枚目の不織布の保水率の差から、保水率差を求め、これの大小によって液体移行性を評価した。結果を表5に示す。
(態様1)
再生セルロース繊維と熱接着性繊維とを含む上側繊維層および下側繊維層の間に、再生セルロース繊維を含む中間繊維層が位置し、3つの繊維層が繊維同士の交絡により一体化されている、ウェットワイピングシート用不織布であって、
熱接着性繊維により繊維同士が接着されており、
表面に凹凸が形成されており、
各繊維層は互いに独立して、ビスコースレーヨン、キュプラ、ポリノジック、アセテートおよび溶剤紡糸セルロース繊維から選択される、1または複数の再生セルロース繊維を含み、
各繊維層に含まれる再生セルロース繊維は互いに独立して、20mmを超える繊維長を有し、
上側繊維層および下側繊維層は互いに独立して、再生セルロース繊維と熱接着性繊維とを合わせた質量に対し、再生セルロース繊維を60質量%以上80質量%以下の量で含み、熱接着性繊維を20質量%以上40質量%以下の量で含み、
中間繊維層は再生セルロース繊維を50質量%以上の量で含む、
ウェットワイピングシート用不織布。
(態様2)
上側繊維層、下側繊維層、および中間繊維層が、再生セルロース繊維として溶剤紡糸セルロース繊維を含む、態様1に記載のウェットワイピングシート用不織布。
(態様3)
凹凸が、繊維密度の大きい部分からなる凸部と、繊維密度の小さい部分からなる凹部とにより形成されており、
繊維密度の小さい部分(以下、「低繊維密度領域」)が不織布の機械方向(以下、「MD方向」)に対して5〜60゜の角度で存在したMD方向に延びるパターン(A)列と、パターン(A)列を反転させたMD方向に延びるパターン(B)列とが、MD方向に直交する方向(以下、「CD方向」)に交互に繰り返して存在し、かつ隣り合う低繊維密度領域の間に、繊維密度の大きい領域(以下、「高密度繊維領域」)が位置していて、凹部である低繊維密度領域と凸部である高繊維密度領域とが不織布のMD方向において交互に繰り返して存在している、
態様1または2に記載のウェットワイピングシート用不織布。
(態様4)
(a)再生セルロース繊維を含む第1繊維ウェブの両面に、再生セルロース繊維と熱接着性繊維とを含む第2繊維ウェブおよび第3繊維ウェブを配置して、積層ウェブを作製すること、
(b)積層ウェブに圧力が1MPaMPa以上10MPaMPa以下の柱状水流を積層ウェブの一方の面にのみ1〜5回噴射すること、または両方の面にそれぞれ1〜5回ずつ噴射すること、および
(c)熱処理を施して、熱接着性繊維により繊維同士を接着させること
を含み、
前記(a)において、
各繊維ウェブは互いに独立して、ビスコースレーヨン、キュプラ、ポリノジック、アセテートおよび溶剤紡糸セルロース繊維から選択される、1または複数の再生セルロース繊維を含み、
各繊維ウェブに含まれる再生セルロース繊維は互いに独立して、20mmを超える繊維長を有し、
第2繊維ウェブおよび第3繊維ウェブは互いに独立して、再生セルロース繊維と熱接着性繊維とを合わせた質量に対し、再生セルロース繊維を60質量%以上80質量%以下の量で含み、熱接着性繊維を40質量%以上20質量%以下の量で含み、かつ
第1繊維ウェブは再生セルロース繊維を50質量%以上の量で含み、
前記(b)において、凹凸を形成することが可能な支持体に積層ウェブを置いて、積層ウェブに柱状水流を少なくとも1回噴射することを含む、
ウェットワイピングシート用不織布の製造方法。
(態様5)
凹凸を形成することが可能な支持体が、杉綾織り構造の支持体である、態様4に記載のウェットワイピングシート用不織布の製造方法。
(様態6)
様態1ないし3のいずれかのウェットワイピングシート用不織布100質量部に対して液体が100質量部以上1000質量部以下含浸されている、対人用ウェットワイピングシート。
2b 凸部(高繊維密度領域)
3a 略楕円状凹部(平織支持体Aを使用して形成)
3b 円形凹部
4a 略楕円状凹部(平織支持体Bを使用して形成)
4b 破線状凹部
d4a MD方向に隣り合う略楕円凹部(4a)の間隔
d4b CD方向に並んでいる略楕円凹部(4a)の間隔
5a 波状凸部
5b 楕円状凹部
5c 連結凹部
d5a 波状凸部の波長
d5b 波状凸部の幅
Claims (9)
- 再生セルロース繊維と熱接着性繊維とを含む上側繊維層および下側繊維層の間に、再生セルロース繊維を含む中間繊維層が位置し、3つの繊維層が繊維同士の交絡により一体化されている、ウェットワイピングシート用不織布であって、
熱接着性繊維により繊維同士が接着されており、
表面に凹凸が形成されており、
各繊維層は互いに独立して、ビスコースレーヨン、キュプラ、ポリノジック、アセテートおよび溶剤紡糸セルロース繊維から選択される、1または複数の再生セルロース繊維を含み、
各繊維層に含まれる再生セルロース繊維は互いに独立して、20mmを超える繊維長を有し、
上側繊維層および下側繊維層は互いに独立して、再生セルロース繊維と熱接着性繊維とを合わせた質量に対し、再生セルロース繊維を60質量%以上80質量%以下の量で含み、熱接着性繊維を20質量%以上40質量%以下の量で含み、
中間繊維層は再生セルロース繊維を90質量%以上の量で含む、
ウェットワイピングシート用不織布。 - 上側繊維層、下側繊維層、および中間繊維層が、再生セルロース繊維として溶剤紡糸セルロース繊維を含む、請求項1に記載のウェットワイピングシート用不織布。
- 凹凸が、繊維密度の大きい部分からなる凸部と、繊維密度の小さい部分からなる凹部とにより形成されており、
繊維密度の小さい部分(以下、「低繊維密度領域」)が不織布の機械方向(以下、「MD方向」)に対して5〜60゜の角度で存在したMD方向に延びるパターン(A)列と、パターン(A)列を反転させたMD方向に延びるパターン(B)列とが、MD方向に直交する方向(以下、「CD方向」)に交互に繰り返して存在し、かつ隣り合う低繊維密度領域の間に、繊維密度の大きい領域(以下、「高密度繊維領域」)が位置していて、凹部である低繊維密度領域と凸部である高繊維密度領域とが不織布のMD方向において交互に繰り返して存在している、
請求項1または2に記載のウェットワイピングシート用不織布。 - 中間繊維層は再生セルロース繊維のみを含む、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のウェットワイピングシート用不織布。
- (a)再生セルロース繊維を含む第1繊維ウェブの両面に、再生セルロース繊維と熱接着性繊維とを含む第2繊維ウェブおよび第3繊維ウェブを配置して、積層ウェブを作製すること、
(b)積層ウェブに圧力が1MPa以上10MPa以下の柱状水流を積層ウェブの一方の面にのみ1〜5回噴射すること、または両方の面にそれぞれ1〜5回ずつ噴射すること、および
(c)熱処理を施して、熱接着性繊維により繊維同士を接着させること
を含み、
前記(a)において、
各繊維ウェブは互いに独立して、ビスコースレーヨン、キュプラ、ポリノジック、アセテートおよび溶剤紡糸セルロース繊維から選択される、1または複数の再生セルロース繊維を含み、
各繊維ウェブに含まれる再生セルロース繊維は互いに独立して、20mmを超える繊維長を有し、
第2繊維ウェブおよび第3繊維ウェブは互いに独立して、再生セルロース繊維と熱接着性繊維とを合わせた質量に対し、再生セルロース繊維を60質量%以上80質量%以下の量で含み、熱接着性繊維を40質量%以上20質量%以下の量で含み、かつ
第1繊維ウェブは再生セルロース繊維を90質量%以上の量で含み、
前記(b)において、凹凸を形成することが可能な支持体に積層ウェブを置いて、積層ウェブに柱状水流を少なくとも1回噴射することを含む、
ウェットワイピングシート用不織布の製造方法。 - 凹凸を形成することが可能な支持体が、杉綾織り構造の支持体である、請求項5に記載のウェットワイピングシート用不織布の製造方法。
- 第1繊維ウェブ、第2繊維ウェブ、および第3繊維ウェブが、再生セルロース繊維として溶剤紡糸セルロース繊維を含む、請求項5または6に記載のウェットワイピングシート用不織布の製造方法。
- 第1繊維ウェブは再生セルロース繊維のみを含む、請求項5ないし7のいずれか1項に記載のウェットワイピングシート用不織布の製造方法。
- 請求項1ないし4のいずれか1項に記載のウェットワイピングシート用不織布100質量部に対して液体が100質量部以上1000質量部以下含浸されている、対人用ウェットワイピングシート。
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