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JP6726059B2 - エンジンの冷却システム - Google Patents

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JP6726059B2
JP6726059B2 JP2016158937A JP2016158937A JP6726059B2 JP 6726059 B2 JP6726059 B2 JP 6726059B2 JP 2016158937 A JP2016158937 A JP 2016158937A JP 2016158937 A JP2016158937 A JP 2016158937A JP 6726059 B2 JP6726059 B2 JP 6726059B2
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Description

本発明は、車両に搭載されるエンジンの冷却システムに関する。
近年、車両の各部に循環させる冷却水の流量をコントロールする流量制御バルブを用いて、エンジンの冷却性能と車室内の暖房性能の両立を図るエンジンが増えている。例えば、エンジンのシリンダヘッドを通過した冷却水の温度に基づいて流量制御バルブの開度を制御することにより、シリンダブロックやシリンダヘッド、ラジエータ、ヒータなどの車両各部に循環させる冷却水の流量をコントロールするものが提案されている(例えば、特許文献1)。
特開2015−178824号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の流量制御バルブでは、シリンダヘッドを通過した冷却水の温度に基づいてバルブの開度が制御されるので、車室内を早期に暖めたい場合でも、冷却水の温度が所定温度に達するまではヒータに冷却水が流れない。したがって、車室内を早期に暖気することができず、暖房性能を損なってしまうという問題があった。
そこで、本発明は、車室内の暖房性能を早期に確保することのできるエンジンの冷却システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のエンジンの冷却システムは、エンジン内を流通した冷却水が流入するとともに、ラジエータ、および、ラジエータに対して迂回させるバイパス流路に流通させる冷却水の流量を調整可能な流量制御バルブと、流量制御バルブの開度を制御するバルブ制御部と、エンジンに形成された排気ポートの近傍に設けられ、冷却水が流通する排気ポート冷却回路と、排気ポート冷却回路から排出された冷却水をヒータに流通させる開状態、および、排気ポート冷却回路から排出された冷却水をヒータに流通させない閉状態を、排気ポート冷却回路から排出された冷却水の温度に基づいて切り替えるヒータ側サーモスタットバルブと、車室内の温度を計測する室温センサと、室温センサで計測された車室内の温度に基づいて、ヒータ側サーモスタットバルブの閉故障を診断する閉故障診断部と、を備える。
また、バルブ制御部は、エンジンのシリンダヘッドを流通した冷却水の温度に基づいて、流量制御バルブの開度を制御するとよい。
また、本発明のエンジンの冷却システムは、エンジン内を流通した冷却水が流入するとともに、エンジンのシリンダヘッドを流通した冷却水の温度に基づいて、ラジエータ、および、ラジエータに対して迂回させるバイパス流路のいずれか一方に冷却水を流通させる電子制御サーモスタットバルブと、エンジンに形成された排気ポートの近傍に設けられ、冷却水が流通する排気ポート冷却回路と、排気ポート冷却回路から排出された冷却水をヒータに流通させる開状態、および、排気ポート冷却回路から排出された冷却水をヒータに流通させない閉状態を、排気ポート冷却回路から排出された冷却水の温度に基づいて切り替えるヒータ側サーモスタットバルブと、車室内の温度を計測する室温センサと、室温センサで計測された車室内の温度に基づいて、ヒータ側サーモスタットバルブの閉故障を診断する閉故障診断部と、を備える。
本発明によれば、車室内の暖房性能を早期に確保することができる。
第1実施形態のエンジンの冷却システムの構成を説明する図である。 ロータリーバルブにおけるロータリーの回転角度と開口率との関係を示す図である。 第1実施形態のエンジンの冷却システムにおける冷却水の流れを説明する図である。 第1実施形態のエンジンの冷却システムにおける冷却水の流れを説明する図である。 第1実施形態のエンジンの冷却システムにおける冷却水の流れを説明する図である。 第1実施形態のエンジンの冷却システムにおける冷却水の流れを説明する図である。 第1実施形態のエンジンの冷却システムにおける冷却水の流れを説明する図である。 第1実施形態のエンジンの冷却システムにおける冷却水の流れを説明する図である。 第2実施形態のエンジンの冷却システムの構成を説明する図である。 第2実施形態のエンジンの冷却システムにおける冷却水の流れを説明する図である。 第2実施形態のエンジンの冷却システムにおける冷却水の流れを説明する図である。 第2実施形態のエンジンの冷却システムにおける冷却水の流れを説明する図である。 第2実施形態のエンジンの冷却システムにおける冷却水の流れを説明する図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態のエンジンの冷却システム1の構成を説明する図である。なお、図1中、冷却流路を実線の矢印で示し、信号の流れを破線の矢印で示す。図1に示すように、車両に搭載されるエンジンの冷却システム1(以下、単に冷却システム1と称する)は、ウォーターポンプ10、エンジン2(シリンダブロック12、シリンダヘッド14)、ロータリーバルブ16(流量制御バルブ)、ラジエータ18、補機20、変速機22、変速機側サーモスタットバルブ24、排気ポート冷却回路26、ヒータ側サーモスタットバルブ28、ヒータ30、制御部32、温度センサT1およびT2、室温センサT3が設けられる。そして、冷却システム1は、これら各部に、冷却流路100(100a〜100k)を介して冷却水を循環させる。
ウォーターポンプ10は、ポンプ吐出流路100a、ラジエータ流路100g、バイパス流路100kが接続されている。ウォーターポンプ10は、エンジン2の回転動力により回転駆動し、ラジエータ流路100g、バイパス流路100kから流入した冷却水をポンプ吐出流路100aに吐出する。
ポンプ吐出流路100aは、ブロック流入流路100b、ヘッド流入流路100c、ヒータ流路100j、補機流路100h、変速機流路100iに分岐される。ウォーターポンプ10からポンプ吐出流路100aに吐出された冷却水は、これら分岐された各流路に流入する。
エンジン2は、シリンダブロック12、および、シリンダヘッド14を備えている。エンジン2の駆動トルクは、変速機22で変速されて車輪に伝達される。なお、図1においては、シリンダブロック12、および、シリンダヘッド14は互いに離隔して図示されているが、実施には、シリンダブロック12に対してシリンダヘッド14が連結される。
シリンダブロック12、および、シリンダヘッド14には、冷却水が流通する不図示のウォータージャケットが形成されている。ブロック流入流路100bから流入した冷却水は、シリンダブロック12のウォータージャケット内を流通し、ブロック排出流路100dから排出される。また、ヘッド流入流路100cから流入した冷却水は、シリンダヘッド14のウォータージャケット内を流通し、ヘッド流路100eから排出される。ブロック排出流路100d、および、ヘッド流路100eは、ロータリーバルブ16に接続されるバルブ流入流路100fと合流する。
なお、シリンダブロック12では、ウォータージャケット内に不図示のウォータージャケットスペーサが設けられる。ウォータージャケットスペーサは、ウォータージャケット内における冷却水の温度分布を調節するためのもので、より高温となるウォータージャケットの上部側に重点的に冷却水を流通させる。これにより、ウォータージャケットに隣接するシリンダライナの温度の均一化とフリクションの低減が図られる。
ロータリーバルブ16は、バルブ流入流路100f、ラジエータ流路100g、バイパス流路100kが接続されたロータリー式のバルブである。ロータリーバルブ16は、ロータリーが回転することで、詳しくは後述するように、バルブ流入流路100fと接続される流路(ラジエータ流路100g、および、バイパス流路100k)を切り替える。
ラジエータ18は、ラジエータ流路100gの途中に設けられ、冷却水の熱を外部に放熱することで、冷却水を冷却する。
補機20は、例えばアクセルペダルの踏み込み量に応じてエンジン2に供給される空気量を調整するスロットルや、エンジン2に設けられたEGRシステムにおいて排気ガスを冷却するEGRクーラなどであり、補機流路100hの途中に設けられる。補機流路100hは、バイパス流路100kと合流する。
変速機22は、例えば無段変速機(CVT(Continuously Variable Transmission))であり、変速機流路100iの途中に設けられ、エンジン2から伝達された伝達トルクを無段階で変速して車輪に伝達する。
変速機側サーモスタットバルブ24は、変速機流路100i、および、バイパス流路100kが接続されている。変速機側サーモスタットバルブ24は、変速機流路100i内の冷却水の温度が予め設定された第1温度(例えば、50℃)以上になると、変速機流路100iとバイパス流路100kとを連通させる開状態となり、変速機流路100i内の冷却水の温度が第1温度未満である場合には、変速機流路100iとバイパス流路100kとを遮断する閉状態となる。
排気ポート冷却回路26は、排気ガスの性能改善を目的として設けられる排気ガス冷却用の回路であり、シリンダヘッド14に形成される排気ポートの近傍に設けられる。排気ポート冷却回路26に流通した冷却水は、その流通過程において、高温となっている排気ポートの集合部との熱交換により、排気ガスを冷却する。このとき、冷却水は急速に温度が上昇する。
ヒータ側サーモスタットバルブ28は、排気ポート冷却回路26とヒータ30との間に設けられ、ヒータ流路100j内の冷却水の温度に基づいて、ヒータ30への冷却水の流通状態を切り替える。具体的には、ヒータ側サーモスタットバルブ28は、ヒータ流路100j内の冷却水の温度が予め設定された第2温度(例えば、70℃)以上になると、ヒータ流路100j内の冷却水をヒータ30へ流通させる開状態となり、ヒータ流路100j内の冷却水の温度が第2温度未満である場合には、ヒータ流路100j内の冷却水をヒータ30へ流通させない閉状態となる。
ヒータ30は、ヒータ流路100jの最も下流側に設けられ、不図示のヒータスイッチがオンされることで、ヒータ側サーモスタットバルブ28から流通した冷却水の熱を車室内に放熱し、車室内を暖める。
制御部32は、中央処理装置(CPU)、プログラム等が格納されたROM、ワークエリアとしてのRAM等を含む半導体集積流路で構成されている。制御部32には、温度センサT1、T2が接続されており、これら温度センサT1、T2から送信される信号に基づいて、ロータリーバルブ16を制御する。
温度センサT1は、ポンプ吐出流路100aに設けられ、ウォーターポンプ10から吐出される冷却水の温度を計測する。温度センサT2は、シリンダヘッド14内に設けられ、シリンダヘッド14の内部を流通した冷却水の温度を計測する。
また、制御部32には、室温センサT3が接続されている。室温センサT3は、車室内に設けられ、車室内の温度を計測する。制御部32は、室温センサT3で計測された車室内の温度に基づき、ヒータ側サーモスタットバルブ28の閉故障(クローズドロック)を診断する。この閉故障診断処理については後述する。
次に、制御部32による制御処理について説明する。ここでは、まず、ロータリーバルブ16におけるロータリーの回転角度と開口率との関係について説明した後、制御部32による制御処理を説明する。
図2は、ロータリーバルブ16におけるロータリーの回転角度と開口率との関係を示す図である。なお、図2において、ラジエータ流路100gに対する開口率を破線で示し、バイパス流路100kに対する開口率を太線(実線)で示す。
図2に示すように、ロータリーバルブ16は、ロータリーの回転角度が0°である状態を基準として、ロータリーが回転可能である。ロータリーバルブ16は、ロータリーの回転角度が0°である場合(図中「A」)には、ラジエータ流路100g、およびバイパス流路100kに対する開口率がいずれも0%であり、ラジエータ流路100g、およびバイパス流路100kのいずれにも冷却水を排出することはない。
また、ロータリーバルブ16は、ロータリーが回転され、図中「B」の回転角度になると、バイパス流路100kに対する開口率が100%となり、バイパス流路100kに冷却水が排出される。つまり、図中「B」の回転角度では、ラジエータ流路100gに冷却水が流通せず、バイパス流路100kに冷却水が流通することになるので、バイパス流路100kは、ラジエータ18を迂回して冷却水を流通させる流路であるとも言える。
そして、ロータリーバルブ16は、図中「B」からロータリーがさらに回転されると、図中「C」の範囲において、バイパス流路100kに対する開口率が100%から0%に減少するとともに、ラジエータ流路100gに対する開口率が0%から100%に増加する。したがって、ロータリーバルブ16は、図中「C」の範囲において、バイパス流路100kおよびラジエータ流路100gに対して中間開度で冷却水を排出することになる。つまり、ロータリーバルブ16は、図中「C」の範囲において、ラジエータ18およびバイパス流路100kに流通させる冷却水の流量を中間開度によって調整可能である。
また、ロータリーバルブ16は、図中「C」の範囲の回転角度から、さらにロータリーが回転され、図中「D」の回転角度になると、ラジエータ流路100gに対する開口率が100%となり、ラジエータ流路100gに冷却水が排出される。
このように、ロータリーバルブ16は、ロータリーの回転角度によって、バイパス流路100kおよびラジエータ流路100gに対する開口率を調整することが可能である。つまり、ロータリーバルブ16は、回転角度によって、バイパス流路100kおよびラジエータ18に流通させる冷却水の流量を調整することが可能である。
続いて、制御部32による制御処理について説明する。図1に示すように、制御部32は、制御処理を実行する場合、バルブ制御部34、バルブ閉故障診断部36として機能する。
バルブ制御部34は、温度センサT2によって計測される、シリンダヘッド14を流通した冷却水の温度(以下、ヘッド温度と称する)に基づいて、ロータリーバルブ16のロータリーの回転角度を制御する。
具体的に説明すると、バルブ制御部34は、温度センサT2によって計測されるヘッド温度に応じて、ロータリーバルブ16のロータリーの回転角度を決定し、決定した回転角度となるようにロータリーバルブ16(ロータリー)を図2中「A」〜「D」のいずれかの状態に制御する。なお、ここでは、バルブ制御部34は、ヘッド温度が高くなるに連れて、ロータリーをより回転させるように制御する。つまり、バルブ制御部34は、ヘッド温度が高くなるに連れてラジエータ18に冷却水を流通させるようにして、冷却水の温度を低下させるように制御する。
バルブ閉故障診断部36は、室温センサT3で計測される車室内の温度に基づいて、ヒータ側サーモスタットバルブ28が閉状態で固着する、所謂クローズドロックの発生有無を診断する。
例えば、ヒータ側サーモスタットバルブ28にクローズドロックが発生すると、冷却水の流通がヒータ側サーモスタットバルブ28で阻害されるため、冷却水が高温となり、エンジン2や排気ポート冷却回路26の溶損などの不具合が発生するおそれがある。そのため、ヒータ側サーモスタットバルブ28にクローズドロックが発生した場合は、その旨を検出する必要がある。
一方、ヒータ側サーモスタットバルブ28にクローズドロックが発生すると、冷却水の温度が第2温度(例えば70℃)以上になってもヒータ側サーモスタットバルブ28が開状態とならず、ヒータ30に冷却水が流れない。この場合、ヒータスイッチをオンしても、車室内の温度が上昇しない。そこで、バルブ閉故障診断部36は、ヒータスイッチをオンしてから所定時間経過しているにもかかわらず、室温センサT3で計測された車室内の温度が上昇しない場合に、ヒータ側サーモスタットバルブ28にクローズドロックが発生したと診断する。
なお、バルブ閉故障診断部36により、ヒータ側サーモスタットバルブ28にクローズドロックが発生したと診断された場合は、運転席のメインパネルに警告灯を点灯して運転者に報知したり、エンジン回転数を下げるように制御するなど、フェールセーフを確保する制御が行われる。
続いて、ロータリーバルブ16、変速機側サーモスタットバルブ24、およびヒータ側サーモスタットバルブ28の開閉状態に応じた冷却流路100を流通する冷却水の流れについて、具体的な例を挙げながら説明する。
図3〜図8は、冷却水の流れを説明する図である。なお、図3〜図8において、冷却水が流れている冷却流路100(100a〜100k)を実線で示し、冷却水が流れていない冷却流路100(100a〜100k)を破線で示し、冷却水の流通が中間開度によって制御されている冷却流路100(100a〜100k)を一点鎖線で示す。
図3に示すように、エンジン2の始動時など、冷却水が温められておらず低温(50℃以下)である場合には、ロータリーバルブ16は図2中「A」の回転角度に維持されているとともに、変速機側サーモスタットバルブ24およびヒータ側サーモスタットバルブ28が閉状態となっている。この場合、冷却システム1では、変速機側サーモスタットバルブ24およびヒータ側サーモスタットバルブ28が閉状態であり、かつ、ロータリーバルブ16の開口率がいずれの流路に対しても0%であるため、ウォーターポンプ10から吐出された冷却水は、補機流路100hにのみ流通する。そして、補機流路100hに流入した冷却水は、バイパス流路100kを介してウォーターポンプ10に戻される。
このように、冷却水が低温である場合には、冷却水が流れる冷却流路100を限定して、エンジン2、および変速機22内の早期の暖機を図り、エンジン2内のオイルの温度を上昇させ、オイルフリクションを早期に低減させる。
そして、変速機流路100i内の冷却水の温度が第1温度(50℃)以上になると、冷却システム1では、図4に示すように、変速機側サーモスタットバルブ24が開状態となり、変速機流路100iにも冷却水が流通するようになり、変速機22内のオイル温度を上昇させオイルフリクションを早期に低減させることが可能となる。
一方、ヒータ流路100j内の冷却水は、排気ポート冷却回路26における排気ガスとの熱交換により、急速に温度が上昇する。そして、ヒータ流路100j内の冷却水の温度が第2温度(70℃)以上になると、冷却システム1では、図5に示すように、ヒータ側サーモスタットバルブ28が開状態となり、ヒータ流路100jにも冷却水が流通するようになる。そうすると、ヒータ30は、冷却水の熱を車室内に放出して車室内を早期に暖気することが可能になる。
その後、ヘッド温度が上昇し、90℃に達すると、ロータリーバルブ16が図2中「B」の回転角度に維持され、バイパス流路100kに対する開口率が100%になる。このとき、冷却システム1では、図6に示すように、ロータリーバルブ16からバイパス流路100kに冷却水が流通するようになり、シリンダブロック12、および、シリンダヘッド14に冷却水が流通するようになる。これにより、シリンダブロック12、および、シリンダヘッド14が冷却水によって冷却されるようになる。
その後、さらに冷却水の水温が上昇し、90℃から110℃の範囲になると、ロータリーバルブ16が図2中「C」の領域で制御され、バイパス流路100kおよびラジエータ流路100gに対する開口率が中間開度になる。そうすると、冷却システム1では、図7に示すように、シリンダブロック12、およびシリンダヘッド14を流通した冷却水の一部がラジエータ18にも流通するようになる。ラジエータ18に冷却水が流通するようになると、冷却水はラジエータ18によって冷却されるようになる。このとき、バイパス流路100kおよびラジエータ流路100gに対する開口率によってラジエータ18に流入する冷却水の流量が調整されることになるので、冷却水の冷却量も調整されることになる。
そして、エンジン負荷が高くなり、冷却水が110℃以上になると、ロータリーバルブ16が図2中「D」の回転角度に維持され、ラジエータ流路100gに対する開口率が100%になる。この場合、冷却システム1では、図8に示すように、エンジン2を流通した冷却水がラジエータ18に流入するようになり、冷却水を最大限で冷却するようになる。
このように、冷却システム1は、エンジン2(シリンダブロック12およびシリンダヘッド14)を流通した冷却水が流入され、ラジエータ流路100gおよびバイパス流路100kに対する冷却水の流入を中間開度で制御するロータリーバルブ16が設けられている。
したがって、冷却システム1は、ロータリーバルブ16を制御することにより、ラジエータ流路100gおよびバイパス流路100kの少なくとも一方に冷却水を流通させることで、シリンダブロック12、および、シリンダヘッド14に冷却水を流通させることができる。また、冷却システム1は、ロータリーバルブ16を制御することによりラジエータ流路100gに対する開口率を調整することで、冷却水の冷却量を調整することができる。
また、冷却システム1では、ヒータ側サーモスタットバルブ28の上流側に排気ポート冷却回路26を配置することにより、ヒータ流路100j内の冷却水の温度を早期に第2温度以上まで上昇させることができる。これにより、冷却システム1では、冷却水を速やかにヒータ30に流通させることができ、車室内を早期に暖気することができる。また、冷却システム1では、冷却水の温度が第2温度を下回ると、ヒータ30への冷却水の流通が遮断されるので、車室内に温度の低い空気が送出されるおそれがない。このようにして、冷却システム1では、車室内の暖房性能を確保することができる。
(第2実施形態)
第1実施形態では、流量制御バルブとしてロータリーバルブ16を採用した例を説明したが、第2実施形態では、ロータリーバルブ16に代えて、電子制御サーモスタットバルブ52(以下、電制サーモと称する)を採用した例を説明する。
図9は、第2実施形態のエンジンの冷却システム50の構成を説明する図である。車両に搭載されるエンジンの冷却システム50(以下、単に冷却システム50と称する)は、流量制御バルブとして電制サーモ52を用いる点が上記第1実施形態と異なり、その他の構成、および、作用については、上記第1実施形態と実質的に差異はない。したがって、ここでは、上記第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略し、上記第1実施形態と異なる点についてのみ説明する。
電制サーモ52は、バルブ流入流路100f、ラジエータ流路100g、およびバイパス流路100kが接続される。電制サーモ52は、バルブ流入流路100fから流入する冷却水を、ラジエータ流路100gまたはバイパス流路100kのうちいずれか一方にのみ流通させる電子制御式のサーモスタットバルブであり、ヘッド温度に応じて流路を切り替えるほか、制御部32によって電制サーモ52の内部に通電することで、流路の切り替えを制御することが可能となっている。
具体的には、電制サーモ52は、ヘッド温度が第3温度(例えば、110℃)に達するまでは、バイパス流路100k側のポートを開状態とし、冷却水をバイパス流路100kに流通させる。一方、ラジエータ流路100g側のポートは閉状態とし、冷却水の流通を遮断する。
そして、ヘッド温度が上昇して第3温度(例えば、110℃)以上になると、電制サーモ52は、ラジエータ流路100g側のポートを開状態とし、冷却水をラジエータ流路100gに流通させる。一方、バイパス流路100k側のポートは閉状態とし、冷却水の流通を遮断する。
以下、電制サーモ52の開閉状態に応じた冷却流路100を流通する冷却水の流れについて、具体的な例を挙げながら簡単に説明する。
図10〜図13は、冷却水の流れを説明する図である。なお、図10〜図13においては、図3〜図8と同様、冷却水が流れている冷却流路100(100a〜100k)を実線で示し、冷却水が流れていない冷却流路100(100a〜100k)を破線で示す。
図10に示すように、エンジン2の始動時など、冷却水が温められておらず低温(50℃以下)である場合には、電制サーモ52は、バイパス流路100k側のポートが開状態となり、ラジエータ流路100g側のポートは閉状態となっている。また、変速機側サーモスタットバルブ24およびヒータ側サーモスタットバルブ28は閉状態となっている。この場合、冷却システム50では、ウォーターポンプ10から吐出された冷却水は、シリンダブロック12、シリンダヘッド14、および補機流路100hにのみ流通する。そして、シリンダブロック12、シリンダヘッド14、および補機流路100hを流通した冷却水は、バイパス流路100kを介してウォーターポンプ10に戻される。
そして、変速機流路100i内の冷却水の温度が第1温度(50℃)以上になると、冷却システム50では、図11に示すように、変速機側サーモスタットバルブ24が開状態となり、変速機流路100iにも冷却水が流通するようになる。
一方、ヒータ流路100j内の冷却水は、排気ポート冷却回路26における排気ガスとの熱交換により、急速に温度が上昇する。そして、ヒータ流路100j内の冷却水の温度が第2温度(70℃)以上になると、冷却システム50では、図12に示すように、ヒータ側サーモスタットバルブ28が開状態となり、ヒータ流路100jにも冷却水が流通するようになる。そうすると、ヒータ30は、冷却水の熱を車室内に放出して車室内を早期に暖気することが可能になる。
そして、エンジン負荷が高くなり、冷却水が第3温度(110℃)以上になると、電制サーモ52はバイパス流路100k側のポートを閉状態とし、ラジエータ流路100g側のポートを開状態とする。この場合、冷却システム50では、図13に示すように、エンジン2を流通した冷却水がラジエータ18に流入するようになり、冷却水を最大限で冷却するようになる。
以上のように、冷却システム50においても、ヒータ側サーモスタットバルブ28の上流側に排気ポート冷却回路26を配置することにより、ヒータ流路100j内の冷却水の温度を速やかに第2温度以上まで上昇させることができる。これにより、冷却水を速やかにヒータ30に流通させることができ、車室内を早期に暖気することができる。
また、冷却システム50では、電制サーモ52を用いて冷却水の流通を制御するため、流量制御バルブとしてロータリーバルブを用いた場合よりも安価に回路を構成することができ、流量制御バルブの小型化、軽量化を促進することができる。
なお、冷却システム50では上記のように、冷却水の温度が110℃以上になるまでは、エンジン2(シリンダブロック12およびシリンダヘッド14)に常時冷却水が流通するため、第1実施形態の冷却システム1と比較すると冷却損失は大きくなる。したがって、流量制御バルブとして電制サーモ52を採用する構成は、エンジン2の暖機を促進する必要性がさほど高くない場合に有効である。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記第1実施形態では、バルブ制御部34がヘッド温度に基づいてロータリーバルブ16のロータリーの回転角度を制御する例を説明したが、かかるロータリーの回転角度の制御は、エンジン回転数およびエンジン負荷や、温度センサT1で計測される、ウォーターポンプ10から吐出される冷却水の温度を用いて行うようにしてもよい。
また、上記第1実施形態および第2実施形態では、変速機22としてCVTを例に挙げて説明したが、変速機22はこれに限らず、例えば有段の変速機であってもよい。
本発明は、車両に搭載されるエンジンの冷却システムに利用できる。
T3 室温センサ
1 エンジンの冷却システム
2 エンジン
14 シリンダヘッド
16 ロータリーバルブ(流量制御バルブ)
18 ラジエータ
26 排気ポート冷却回路
28 ヒータ側サーモスタットバルブ
30 ヒータ
34 バルブ制御部
36 バルブ閉故障診断部(閉故障診断部)
52 電子制御サーモスタットバルブ
100k バイパス流路

Claims (3)

  1. エンジン内を流通した冷却水が流入するとともに、ラジエータ、および、該ラジエータに対して迂回させるバイパス流路に流通させる冷却水の流量を調整可能な流量制御バルブと、
    前記流量制御バルブの開度を制御するバルブ制御部と、
    前記エンジンに形成された排気ポートの近傍に設けられ、冷却水が流通する排気ポート冷却回路と、
    前記排気ポート冷却回路から排出された冷却水をヒータに流通させる開状態、および、該排気ポート冷却回路から排出された冷却水を該ヒータに流通させない閉状態を、該排気ポート冷却回路から排出された冷却水の温度に基づいて切り替えるヒータ側サーモスタットバルブと、
    車室内の温度を計測する室温センサと、
    前記室温センサで計測された車室内の温度に基づいて、前記ヒータ側サーモスタットバルブの閉故障を診断する閉故障診断部と、
    を備えることを特徴とするエンジンの冷却システム。
  2. 前記バルブ制御部は、
    前記エンジンのシリンダヘッドを流通した冷却水の温度に基づいて、前記流量制御バルブの開度を制御することを特徴とする請求項1に記載のエンジンの冷却システム。
  3. エンジン内を流通した冷却水が流入するとともに、該エンジンのシリンダヘッドを流通した冷却水の温度に基づいて、ラジエータ、および、該ラジエータに対して迂回させるバイパス流路のいずれか一方に冷却水を流通させる電子制御サーモスタットバルブと、
    前記エンジンに形成された排気ポートの近傍に設けられ、冷却水が流通する排気ポート冷却回路と、
    前記排気ポート冷却回路から排出された冷却水をヒータに流通させる開状態、および、該排気ポート冷却回路から排出された冷却水を該ヒータに流通させない閉状態を、該排気ポート冷却回路から排出された冷却水の温度に基づいて切り替えるヒータ側サーモスタットバルブと、
    車室内の温度を計測する室温センサと、
    前記室温センサで計測された車室内の温度に基づいて、前記ヒータ側サーモスタットバルブの閉故障を診断する閉故障診断部と、
    を備えることを特徴とするエンジンの冷却システム。
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