JP6678501B2 - スパッタリングターゲット及びその製造方法 - Google Patents
スパッタリングターゲット及びその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6678501B2 JP6678501B2 JP2016081277A JP2016081277A JP6678501B2 JP 6678501 B2 JP6678501 B2 JP 6678501B2 JP 2016081277 A JP2016081277 A JP 2016081277A JP 2016081277 A JP2016081277 A JP 2016081277A JP 6678501 B2 JP6678501 B2 JP 6678501B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- water
- weight
- aluminum alloy
- disintegrable
- aluminum
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Physical Vapour Deposition (AREA)
- Coating By Spraying Or Casting (AREA)
Description
この水崩壊性のアルミニウム合金からなる膜は、水を用いることによって溶解するものであることから、成膜した部材を損傷させることなく膜を剥離することができ、容易に部材の再利用を行うことができる。
しかし、溶射法による膜は、100μm以上の厚さがあるとともに、その表面が凹凸を有するもので、成膜後に膜の表面を平坦化する必要がある。このため、薄く且つ均一な膜厚で、しかも表面が平坦な水崩壊性のアルミニウム合金膜を形成する技術が求められている。
さらに、きわめて清浄な雰囲気で使用する部材に対して水崩壊性のアルミニウム合金膜を形成することが求められているが、溶射法では成膜の際に雰囲気を汚染するおそれがあるという課題もある。
従来、スパッタリング法に用いるスパッタリングターゲットは、スパッタリングターゲットの材料を溶融してインゴットを作成し、このインゴットを加工することによって作成している。
また、本発明の他の目的は、溶射法によって形成した水崩壊性のアルミニウム合金膜と同等の水崩壊性を有するアルミニウム合金膜を形成可能なスパッタリングターゲットを製造する技術を提供することにある。
本発明では、前記水崩壊性のアルミニウム合金は、アルミニウム100重量%に対し、インジウムを0.1重量%以上20重量%以下含有する場合にも効果的である。
本発明では、前記水崩壊性のアルミニウム合金は、アルミニウム100重量%に対し、ビスマスを0.1重量%以上20重量%以下含有する場合にも効果的である。
本発明では、前記水崩壊性のアルミニウム合金は、更にシリコンを0.04重量%以上8重量%以下含有する場合にも効果的である。
本発明では、前記水崩壊性のアルミニウム合金は、更にチタンを0.13重量%以上4重量%以下含有する場合にも効果的である。
一方、本発明は、アルミニウムに少なくともインジウム又はビスマスのいずれかを含有する水崩壊性のアルミニウム合金からなる溶射材料を用意し、前記溶射材料を用い、溶射法によってバッキングプレート上にスパッタリングターゲットを設ける工程を有するスパッタリングターゲットの製造方法である。
本発明では、前記溶射材料は、前記水崩壊性のアルミニウム合金からなるインゴットを加工してワイヤー状にしたものである場合にも効果的である。
本発明では、前記水崩壊性のアルミニウム合金は、アルミニウム100重量%に対し、インジウムを0.1重量%以上20重量%以下含有する場合にも効果的である。
本発明では、前記水崩壊性のアルミニウム合金は、アルミニウム100重量%に対し、ビスマスを0.1重量%以上20重量%以下含有する場合にも効果的である。
本発明では、前記水崩壊性のアルミニウム合金は、更にシリコンを0.04重量%以上8重量%以下含有する場合にも効果的である。
本発明では、前記水崩壊性のアルミニウム合金は、更にチタンを0.13重量%以上4重量%以下含有する場合にも効果的である。
すなわち、インゴット形態の水崩壊性のアルミニウム合金は冷却速度が遅いので、冷却後にインゴットから切り出して得られたスパッタリングターゲットは、アルミニウム合金の粒界にインジウム等の添加金属が集まり、アルミニウム結晶粒中に分散するインジウム等の粒子数は少ない。
図1は、本発明に係るスパッタリングターゲットの製造方法の一例を示す流れ図である。
また、図2(a)〜(d)は、同スパッタリングターゲットの製造方法の一例を示す工程図である。
この場合、本例では、図1のプロセスP1並びに図2(a)に示すように、水崩壊性のアルミニウム合金からなるインゴット1を作成する。
なお、ワイヤー状の溶射材料2を作成する加工法としては、伸線加工、引き抜き加工、押し出し加工等があげられる。
なお、水崩壊性Al合金溶射膜を形成するバッキングプレート10の表面10aを、例えばSiCを用いたブラスト処理によって予め粗面化しておく。
そして、以上の工程により、バッキングプレート10付きのターゲットアセンブリ5を得る。
アルミニウムにインジウムを含有するアルミニウム合金から得られた溶射膜は、水分の存在する雰囲気中で溶解し、水崩壊性を発現するようになる。
アルミニウムにビスマスを含有するアルミニウムから得られた溶射膜は、上述したインジウムの場合と同様、水分の存在する雰囲気中で溶解し、水崩壊性を発現するようになる。
すなわち、本発明に用いる水崩壊性のアルミニウム合金は、少なくともインジウム又はビスマスのいずれかを含有するものであればよい。
この場合、水崩壊性のアルミニウム合金中のシリコンの含有量については特に限定されることはないが、アルミニウム100重量%に対し、シリコンを0.04重量%以上8重量%以下含有させることが好ましい。
この場合、水崩壊性のアルミニウム合金中のチタンの含有量については特に限定されることはないが、アルミニウム100重量%に対し、0.13重量%以上4重量%以下含有させることが好ましい。
このAl−In−Si−Tiからなる合金は、Al100重量%に対し、2.0重量%以上3.5重量%以下、好ましくは2.5重量%以上3.0重量%以下のIn、0.2重量%以上0.5重量%以下のSi、及び0.13重量%以上0.25重量%以下、好ましくは0.15重量%以上0.25重量%以下、さらに好ましくは0.17重量%以上0.23重量%以下のTiを含有するものを好適に用いることができる。
本発明の場合、水崩壊性のアルミニウム合金からなるスパッタリングターゲット15の厚さは、1mm〜20mmに設定することが好ましい。
例えば、上記実施の形態では、バッキングプレート10の表面に水崩壊性のアルミニウム合金の溶射膜からなるスパッタリングターゲット15を形成する場合を例にとって説明したが、本発明はこれに限られず、所定の基板上に本発明の方法によって上述した水崩壊性のアルミニウム合金の溶射膜からなるスパッタリングターゲット15を形成し、この基板をバッキングプレート10の表面に取り付けることもできる。
Al100重量%に対し、Inを3重量%、Siを0.4重量%、Tiを0.2重量%含有する水崩壊性のアルミニウム合金からなるインゴットを作成し、このインゴットをスライス加工してワイヤー状の溶射材料を作成した。
このワイヤー状の溶射材料を用い、銅(Cu)からなるバッキングプレートの表面に、フレーム溶射法によって厚さ1.5mmの溶射膜からなるスパッタリングターゲットを設けた。
この場合、バッキングプレートの表面を、SiCを用いたブラスト処理によって予め粗面化した。
また、アルミニウム合金膜の組成を蛍光X線分析法によって分析したところ、Inを2.50重量%含有することが確認された。
このアルミニウム合金膜は、Al100重量%に対し、Inを2.6重量%含有するものであり、成膜に用いたスパッタリングターゲットにおけるInの含有量と殆ど変化がないことが確認された。
上記アルミニウム合金からなるスパッタ膜が形成されたガラス基板を、温度70〜80℃の一般水道水に10分間浸漬してスパッタ膜の水崩壊性を観察した。
以上より、本発明の効果を確認することができた。
2…ワイヤー状の溶射材料
5…ターゲットアセンブリ
10…バッキングプレート
11…溶射装置
15…スパッタリングターゲット
Claims (11)
- アルミニウムに少なくともインジウム又はビスマスのいずれかを含有する水崩壊性のアルミニウム合金からなり、
前記アルミニウム合金の前記アルミニウムの結晶粒中に、前記少なくともインジウム又はビスマスのいずれかで、かつ、粒径10nm以下の粒子が分散されているスパッタリングターゲット。 - 前記水崩壊性のアルミニウム合金は、アルミニウム100重量%に対し、インジウムを0.1重量%以上20重量%以下含有する請求項1記載のスパッタリングターゲット。
- 前記水崩壊性のアルミニウム合金は、アルミニウム100重量%に対し、ビスマスを0.1重量%以上20重量%以下含有する請求項1又は2のいずれか1項記載のスパッタリングターゲット。
- 前記水崩壊性のアルミニウム合金は、更にシリコンを0.04重量%以上8重量%以下含有する請求項2又は3のいずれか1項記載のスパッタリングターゲット。
- 前記水崩壊性のアルミニウム合金は、更にチタンを0.13重量%以上4重量%以下含有する請求項2乃至4のいずれか1項記載のスパッタリングターゲット。
- アルミニウムに少なくともインジウム又はビスマスのいずれかを含有する水崩壊性のアルミニウム合金からなる溶射材料を用意し、
前記溶射材料を用い、溶射法によってバッキングプレート上にスパッタリングターゲットを設ける工程を有するスパッタリングターゲットの製造方法。 - 前記溶射材料は、前記水崩壊性のアルミニウム合金からなるインゴットを加工してワイヤー状にしたものである請求項6記載のスパッタリングターゲットの製造方法。
- 前記水崩壊性のアルミニウム合金は、アルミニウム100重量%に対し、インジウムを0.1重量%以上20重量%以下含有する請求項6又は7のいずれか1項記載のスパッタリングターゲットの製造方法。
- 前記水崩壊性のアルミニウム合金は、アルミニウム100重量%に対し、ビスマスを0.1重量%以上20重量%以下含有する請求項6乃至8のいずれか1項記載のスパッタリングターゲットの製造方法。
- 前記水崩壊性のアルミニウム合金は、更にシリコンを0.04重量%以上8重量%以下含有する請求項8又は9のいずれか1項記載のスパッタリングターゲットの製造方法。
- 前記水崩壊性のアルミニウム合金は、更にチタンを0.13重量%以上4重量%以下含有する請求項8乃至10のいずれか1項記載のスパッタリングターゲットの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016081277A JP6678501B2 (ja) | 2016-04-14 | 2016-04-14 | スパッタリングターゲット及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016081277A JP6678501B2 (ja) | 2016-04-14 | 2016-04-14 | スパッタリングターゲット及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017190508A JP2017190508A (ja) | 2017-10-19 |
JP6678501B2 true JP6678501B2 (ja) | 2020-04-08 |
Family
ID=60085030
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016081277A Active JP6678501B2 (ja) | 2016-04-14 | 2016-04-14 | スパッタリングターゲット及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6678501B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6726523B2 (ja) * | 2016-05-10 | 2020-07-22 | 株式会社アルバック | 水分検出素子製造方法、水崩壊性配線膜製造方法、水崩壊性薄膜製造方法、水分検出素子 |
-
2016
- 2016-04-14 JP JP2016081277A patent/JP6678501B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2017190508A (ja) | 2017-10-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4579709B2 (ja) | Al−Ni−希土類元素合金スパッタリングターゲット | |
KR20190125447A (ko) | 높은 균일성 및 원소 함량을 갖는 알루미늄 합금 및 제품 | |
JP5847207B2 (ja) | チタンインゴット、チタンインゴットの製造方法及びチタンスパッタリングターゲットの製造方法 | |
WO2013038962A1 (ja) | 高純度銅マンガン合金スパッタリングターゲット | |
KR20200037461A (ko) | 스퍼터링 타깃의 제조 방법 및 스퍼터링 타깃 | |
JP2010248619A (ja) | 酸素含有Cu合金膜の製造方法 | |
TWI613303B (zh) | 高純度銅鉻合金濺鍍靶 | |
TWI608108B (zh) | 以銀合金爲基礎的濺鍍靶 | |
TWI627291B (zh) | 基於銀合金的濺鍍靶 | |
JP5263665B2 (ja) | 配線膜用Cu合金膜および配線膜形成用スパッタリングターゲット材 | |
JP6678501B2 (ja) | スパッタリングターゲット及びその製造方法 | |
JP5547574B2 (ja) | Al基合金スパッタリングターゲット | |
JP6380837B2 (ja) | 被覆層形成用スパッタリングターゲット材およびその製造方法 | |
TWI548762B (zh) | Alumina film containing tantalum | |
JP2016079433A (ja) | スパッタリングターゲット材、スパッタリングターゲット材の製造方法及び配線積層体 | |
JP5406753B2 (ja) | Al基合金スパッタリングターゲットおよびその製造方法 | |
KR20210111301A (ko) | 알루미늄 합금 타겟, 알루미늄 합금 배선막, 및 알루미늄 합금 배선막의 제조 방법 | |
JP2002069626A (ja) | スパッタリングターゲットおよびその製造方法 | |
JP5510812B2 (ja) | 配線膜用Cu合金膜および配線膜形成用スパッタリングターゲット材 | |
JP6331824B2 (ja) | 銅合金スパッタリングターゲット | |
TW202214885A (zh) | 金之蒸鍍材料 | |
JP2016074958A (ja) | スパッタリングターゲット材及び配線積層体 | |
TW201207135A (en) | Titanium target for sputtering |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20190221 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20191203 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20191129 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20200128 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20200128 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20200303 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20200317 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6678501 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |