本発明は、新規セリンプロテアーゼ酵素、具体的には、LG12−系統群セリンプロテアーゼ酵素及び変異体、並びに特に洗剤組成物に有用な酵素を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、親セリンプロテアーゼ酵素と比較して、置換などの1つ以上の改変を有する、セリンプロテアーゼ酵素変異体を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、LG12−系統群のセリンプロテアーゼの、新規セリンプロテアーゼ酵素を提供する。上記のそれぞれにおいて、本発明のセリンプロテアーゼ酵素は、汚れの除去、穀物エタノールの製造、動物の飼料、食品加工助剤及び消助剤、皮革加工、及びパーソナルケアなどのいくつかの工業で有用であり得る。このような有用性は、クリーニング性能、化学薬品の存在下での酵素の安定性、及び/又は酵素の熱安定性を向上させることにより酵素に改良をなし、酵素の有効性を向上させることで達成され得る。本発明は、LG12sprCセリンプロテアーゼ酵素変異体が挙げられるが、これに限定されない、セリンプロテアーゼ酵素変異体であって、様々なクリーニング用途に特にうまく適合しかつ有用なセリンプロテアーゼ酵素変異体を提供する。本発明は、本明細書に記載の新規セリンプロテアーゼ酵素及び/又はセリンプロテアーゼ酵素変異体(例えば、G12 sprC変異体)のうち少なくとも1種を含む組成物を含む。このような組成物のうちいくつかのものは、洗剤組成物を含む。本発明は、バチルス種(Bacillus species)変異体セリンプロテアーゼ酵素を含む様々な種、及びかかるLG12−系統群セリンプロテアーゼ変異体を1種以上含む組成物を提供する。本発明のセリンプロテアーゼ酵素変異体は、洗剤組成物に有用な他の酵素と組み合わせることが可能である。本発明は、本発明の新規セリンプロテアーゼ酵素及び/又はセリンプロテアーゼ酵素変異体を使用する方法も提供する。
本発明は、親セリンプロテアーゼ酵素からの1つ以上の改変を有するセリンプロテアーゼ酵素の酵素変異体を包含する。酵素変異体は、洗浄性能、洗剤組成物中の酵素の安定性及び酵素の熱安定性に関し最小性能指数を有し、更に、これらの特性のうち少なくとも1つが親セリンプロテアーゼ酵素よりも改善されていることにより、洗剤組成物に有用であり得る。
更に、本発明は、洗剤組成物に有用であり得るセリンプロテアーゼ酵素の1つ以上のアミノ酸位置に、置換などの改変を付与するものであり、好ましい改変の結果として、洗浄性能、洗剤組成物中での酵素の安定性及び酵素の熱安定性に関し最小性能指数を得るとともに、これらの特性のうち少なくとも1種を親セリンプロテアーゼ酵素よりも改善する。これらの改変は、本発明の好適な改変と考えられる。これらアミノ酸の位置は、親セリンプロテアーゼ酵素に対する改変を組み合わせるのに有用な位置であると考えられる。有用な位置であることが判明しているセリンプロテアーゼ酵素のアミノ酸位置は、洗剤組成物での使用に適した複数の改変を有することを更に特徴とすることができる。それぞれの位置では、好適な改変の見込まれる数が多いほど、特定の位置の生産性が高いことを意味する。
更に、本発明は、本発明の新規セリンプロテアーゼ酵素及び/又はセリンプロテアーゼ酵素変異体を含む組成物を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、これらの新規セリンプロテアーゼ酵素及び/又はセリンプロテアーゼ酵素変異体のうちの少なくとも1種を含む、クリーニング組成物を提供する。
これら本発明の特定の特徴は、明確にするために個別の実施形態に照らして上記及び以降で説明するが、一つの実施形態において組み合わせて提供され得ると認識されるべきである。反対に、手短に説明するためにただ一つの実施形態に照らして説明された本発明の様々な特徴もまた、別個に又は任意のサブコンビネーションで提供され得る。
用語の定義
特に指定しない限り、本発明の実施は、当該技術分野内の分子生物学、タンパク質工学、微生物学及び組み換えDNAにおいて通常使用される従来技術を伴う。このような技術は当業者に既知のものであり、当業者に広く知られている数多くの文献及び参考文献に記載されている。本明細書の上述の及び以降に記載されるすべての特許、特許出願、論文及び刊行物は、参照により明示的に本明細書に組み込まれる。
本明細書において別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術及び科学用語は、本発明の属する技術分野の当業者により一般に理解される意味と同様の意味を持つ。多くの専門用語辞典が当業者に既知である。本明細書に記載されているものと類似した又は等価な任意の方法及び材料が本発明の実施に使用されるが、本明細書には一部の好適な方法及び材料を記載する。したがって、以降で定義される用語は、総じて本明細書を参照することでより詳しく説明される。同様に、本明細書で使用するとき、単数形「a」、「an」及び「the」には、文脈で明示されない限り、対象物が複数個ある場合も含まれる。数範囲は、範囲を定義する数を包含する。特に断りのない限り、核酸(の塩基配列)は5’側から3’側へ向かって左から右に表示され、そしてアミノ酸配列はアミノ基からカルボキシ基へ向かって左から右に表示される。本発明は、記載される特定の方法論、プロトコル、及び試薬に制限されるものではなく、これらは当業者により使用される文脈に応じて変動し得ると理解されるべきである。
本発明の実施は、特に断りのない限り、タンパク質精製、分子生物学、微生物学、組み換えDNA技術及びタンパク質配列決定の従来技術を採用し、これらはすべて、当該技術分野内のものである。
加えて、本明細書で提供される見出しは本発明の様々な態様又は実施形態を制限するものではなく、総じて本明細書において参照として用いられ得るものである。したがって、以降で定義される用語は、総じて本明細書を参照することでより詳しく定義される。それでもなお、本発明に対する理解を容易にする目的で、数多くの用語を以下に定義する。
本明細書全体を通じて記載されているあらゆる最大数値限度には、それよりも小さいあらゆる数値限度が、あたかもこうしたより小さい数値限度が本明細書に明確に記載されているかのように包含されることが意図される。本明細書の全体を通じて与えられるあらゆる最小数の限定は、それよりも大きいあらゆる数値の限定を、あたかもこうしたより大きい数値の限定が本明細書に明確に記載されているかのように包含する。本明細書の全体を通じて与えられるあらゆる数値範囲は、このような広い数値範囲に含まれるより狭いあらゆる数値範囲が、あたかもこうしたより狭い数値範囲がすべて本明細書に明確に記載されているかのように包含される。
本明細書で使用するとき、用語「プロテアーゼ」及び「プロテイナーゼ」は、他のタンパク質を分解する能力を有する酵素タンパク質を指す。プロテアーゼは、タンパク質を形成するペプチド鎖又はポリペプチド鎖中のアミノ酸を連結するペプチド結合を加水分解することにより、タンパク質の異化を開始する、「タンパク質分解」の実行能を有する。タンパク質消化酵素としてのプロテアーゼのこの活性は、「タンパク質分解活性」と呼ばれる。タンパク質分解活性の測定には、数多くの周知の手法が存在する(例えば、Kalisz,「Microbial Proteinases,」In:Fiechter(ed.),Advances in Biochemical Engineering/Biotechnology,(1988)を参照されたい)。例えば、タンパク質分解活性は、各プロテアーゼが市販の基質を加水分解する能力を解析する比較アッセイにより確認することができる。プロテアーゼ活性又はタンパク質分解活性の解析に有用な代表的な基質としては、限定するものではないが、ジメチルカゼイン(Sigma C−9801)、ウシコラーゲン(Sigma C−9879)、ウシエラスチン(Sigma E−1625)、及びウシケラチン(ICN Biomedical 902111)が挙げられる。これらの基質を利用する比色アッセイは当業界では広く知られている(例えば、いずれも参照により本明細書に援用される、国際公開第99/34011号及び米国特許第6,376,450号を参照されたい)。pNAアッセイ(例えば、Del Mar et al.,Anal.Biochem.99:316〜320[1979]を参照されたい)も、勾配溶出時に回収される分画中の活性な酵素濃度の測定に有用である。pNAアッセイは、酵素が、スクシニル−アラニン−アラニン−プロリン−フェニルアラニン−p−ニトロアニリド(suc−AAPF−pNA)などの可溶性の合成ペプチド基質を加水分解したときの、p−ニトロアニリンの放出速度を測定するものである。加水分解反応によりC−末端のアミノ酸(フェニルアラニン)とp−NAとの間に切断が生じることで、黄色の呈色が生じる。410nmに設定した分光光度計でこの呈色が測定され、この呈色は活性酵素の濃度に比例する。色の変化を測定することにより、反応速度を算出可能である。加えて、280ナノメートル(nm)での吸光度測定を使用して、総タンパク質濃度を測定することができる。参照標準を使用するとき、活性酵素/総タンパク質比によって酵素純度が与えられる。
本明細書で使用するとき、用語「ポリペプチド変異体」は、親又は参照ポリペプチド(限定するものではないが野生型ポリペプチドが挙げられる)のアミノ酸配列と少なくとも1つのアミノ酸残基が異なるアミノ酸配列を含むポリペプチドを指す。
本明細書で使用するとき、「バチルス(Bacillus)属」としては、当業者に既知の「バチルス(Bacillus)」属のすべての種を包含し、限定するものではないが、例えば、バチルス・スブチリス(B. subtilis)、バチルス・リケニフォルミス(B. licheniformis)、バチルス・レンタス(B. lentus)、バチルス・ブレビス(B.brevis)、バチルス・ステアロサーモフィルス(B. stearothermophilus)、バチルス・アルカロフィルス(B. alkalophilus)、バチルス・アミロリケファシエンス(B. amyloliquefaciens)、バチルス・クラウシイ(B. clausii)、バチルス・ハロデュランス(B. halodurans)、バチルス・プミルス(B. pumilus)、バチルス・ギブソニイ(B. gibsonii)、バチルス・シュードファームス(B.pseudofirmus)、バチルス・レヘンシス(B. lehensis)、バチルス・メガテリウム(巨大菌、B. megaterium)、バチルス・コアギュランス(B. coagulans)、バチルス・サークランス(B.circulans)、バチルス・ロータス(B. lautus)、及びバチルス・チューリンゲンシス(B. thuringiensis)が挙げられる。バチルス属は分類学上の再編成を絶えず受けているものと認識される。したがって、属には、これまでに再分類された種、限定するものではないが、現在では「ゲオバチルス・ステアロサーモフィルス(Geobacillus stearothermophilus)」と命名されているバチルス・ステアロサーモフィルス(B. stearothermophilus)などの生物を包含するものと意図される。酸素存在下での、耐久性の高い内生胞子の形成は、バチルス(Bacillus)属を定義する特性であると考慮されるものの、この特性は、現在、アリシクロバチルス(Alicyclobacillus)、アムピバチルス(Amphibacillus)、アネウリニバチルス(Aneurinibacillus)、アノキシバチルス(Anoxybacillus)、ブレビバチルス(Brevibacillus)、フィロバチルス(Filobacillus)、グラシリバチルス(Gracilibacillus)、ハロバチルス(Halobacillus)、パエニバチルス(Paenibacillus)、サリバチルス(Salibacillus)、サーモバチルス(Thermobacillus)、ウレイバチルス(Ureibacillus)、及びバルジバチルス(Virgibacillus)と命名されている属にも当てはまる。
用語「ポリヌクレオチド」及び「核酸」は、本明細書ではほぼ同じ意味で使用され、ヌクレオチドモノマーが鎖状に共有結合している任意の長さのポリマーを指す。デオキシリボヌクレオチドからなるポリヌクレオチドであるDNA(デオキシリボ核酸)、及びリボヌクレオチドポリマーであるRNA(リボ核酸)は、異なる生物学的機能を有するポリヌクレオチド又は核酸の例である。ポリヌクレオチド又は核酸としては、限定するものではないが、一本鎖、二本鎖、又は三本鎖DNA、ゲノムDNA、cDNA、RNA、DNA−RNAハイブリッド、又はプリン塩基及びピリミジン塩基、若しくは他の天然の、化学的に改変された、生化学的に改変された、非天然の、若しくは誘導体化されたヌクレオチド塩基を含むポリマーが挙げられる。以下は、ポリヌクレオチドの非限定例である:遺伝子、遺伝子断片、染色体断片、発現配列標識(EST)、エキソン、イントロン、メッセンジャーRNA(mRNA)、運搬RNA(tRNA)、リボソームRNA(rRNA)、リボザイム、相補的DNA(cDNA)、組み換えポリヌクレオチド、分枝状ポリヌクレオチド、プラスミド、ベクター、任意の配列の単離されたDNA、任意の配列の単離されたRNA、核酸プローブ及びプライマー。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、メチル化ヌクレオチド及びヌクレオチド類似体などの修飾されたヌクレオチド、ウラシル、他の糖、並びにフルオロリボース及びチオエートなどの結合基、並びに分岐ヌクレオチドからなる。特定の実施形態では、ヌクレオチド配列は、非ヌクレオチド成分により割り込まれる。
本明細書で使用するとき、用語「変異」は、開始アミノ酸又は核酸配列に生じた変化を指す。この用語には、置換、挿入及び欠失が包含されることを意図する。
本明細書で使用するとき、用語「ベクター」は、核酸又はポリヌクレオチドを、標的細胞又は組織に、導入又は移行するために使用される核酸構築物又はポリヌクレオチド構築物を指す。ベクターは、典型的には、外来DNAを他の細胞又は組織に導入する際に使用される。概してベクターは、導入遺伝子であるDNA配列と、ベクターの「骨格」として機能するより長いポリヌクレオチド配列と、からなる。典型的には、ベクターは、挿入された導入遺伝子などの遺伝子情報を、標的細胞又は組織で挿入断片が単離、複製、又は発現されるよう、標的細胞又は組織に移動させるよう機能する。ベクターとしては、プラスミド、クローニングベクター、バクテリオファージ、ウイルス(例えば、ウイルスベクター)、コスミド、発現ベクター、シャトルベクター、カセット、及びこれに類するものなどが挙げられる。典型的には、ベクターは複製開始点、マルチクローニング部位、及び選択マーカーを備えている。ベクターを標的細胞に挿入するプロセスは、一般に形質移入と呼ばれる。ウイルスベクターによる細胞の形質移入は、一般に形質導入と呼ばれる。いくつかの実施形態では、本発明には、DNA配列を好適なホストで発現させるよう機能し得る好適な配列(例えば、分泌型のシグナルペプチド配列など)に制御可能なように連結される、変異型プロテアーゼ(例えば、前駆型又は成熟型プロテアーゼ変異体)をコードするDNA配列を含むベクターが包含される。
本明細書で使用するとき、用語「発現カセット」、「発現プラスミド」又は「発現ベクター」は、対象とする核酸(例えば、外来核酸又は導入遺伝子)を標的細胞で発現させるにあたり組み換え的に又は合成的に生成される核酸構築物又はベクターを指す。典型的には、対象とする核酸は、対象とするタンパク質を発現する。発現ベクター又は発現カセットは、典型的には外来核酸の発現を駆動又は促進するプロモーターヌクレオチド配列を含む。また、典型的には発現ベクター又はカセットは、標的細胞で特定の核酸の転写を可能にする任意の他の指定された核酸エレメントを包含する。組み換え型発現カセットは、プラスミド、染色体、ミトコンドリアDNA、プラスチドDNA、ウイルス、又は核酸断片に組み込むことができる。いくつかの発現ベクターは、宿主細胞に異種性のDNA断片を組み込み、発現させすることができる。多くの原核及び真核細胞発現ベクターが、市販されている。適切な発現ベクターは、当業者の知識の範囲内で選択される。発現ベクターに組み込まれた核酸配列からタンパク質を発現させるのに適切な発現ベクターの選択は、当業者の知識の範囲内のものである。
DNA構築物は、標的細胞又は組織に導入することのできる、人工的に構築された核酸断片である。一般的には、DNA構築物は、対象とするタンパク質をコードするヌクレオチド配列からなる、ベクターにサブクローニングされたDNAの挿入断片を含む。ベクターは、バクテリア中での増殖に関係するバクテリア由来の耐性遺伝子、並びに対象とするタンパク質を微生物で発現させるためのプロモーターを含有し得る。DNAはPCRによりインビトロで生成されるか、あるいは当業者に既知である任意の他の好適な技術により生成される。いくつかの実施形態では、DNA構築物は対象とする核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、配列は、制御要素(例えば、プロモーターなど)のような追加の要素に、機能的に連結される。DNA構築物は、更に選択マーカーを含んでもよく、及びホメオボックスに隣接する組み込み配列を更に含んでもよい。構築物は、他の相同性ではない配列を末端に組み込んで含んでもよい(例えば、スタッファー配列(stuffer sequences)又は隣接配列)。いくつかの実施形態では、配列の両末端は、DNA構築物が閉環を形成するように閉じている。当業者に周知である技術を用いてDNA構築物に組み込まれる、対象とする核酸配列は、野生型、変異型、又は修飾型核酸であり得る。いくつかの実施形態では、DNA構築物は、宿主細胞染色体と相同である核酸配列を1種以上含む。他の実施形態においては、DNA構築物は、非相同的なヌクレオチド配列を1種以上含む。DNA構築物がインビトロで構築されたならば、例えば、1)異種配列の、宿主細胞の望ましい標的配列への挿入;及び/又は2)宿主細胞の染色体領域に対する変異誘発(すなわち、内在性配列を異種配列により置き換える);3)標的遺伝子の欠失;及び/又は4)複製プラスミドの宿主への導入、に使用できる。「DNA構築物」は、本明細書において「発現カセット」とほぼ同じ意味で使用される。
本明細書で使用するとき、「プラスミド」は、染色体DNAとは独立して複製することのできる染色体外DNA分子を指す。プラスミドは二本鎖(ds)であり、環状であってもよく、典型的にはクローニングベクターとして使用される。
本明細書で、核酸配列を細胞に導入する文脈において使用するとき、用語「導入」は、核酸配列を細胞に移入するのに好適な任意の方法を指す。導入の際のこのような方法としては、プロトプラスト融合、遺伝子導入、形質転換、電気穿孔、複合、及び形質導入(例えば、Ferrari et al.,「Genetics,」in Hardwood et al.(eds.),Bacillus,Plenum Publishing Corp.,pp.57〜72[1989]を参照されたい)が挙げられるがこれらに限定されない。
形質転換は、遺伝子材料(例えば、DNA)の取り込み、ゲノムへの組み込み、及び発現により生じる、細胞の遺伝的変化を指す。
本明細書で使用するとき、核酸は、別の核酸配列と機能的に関連を持つよう配置された場合に、別の核酸配列と「機能的に連結」される。例えば、プロモーターがコード配列の転写に影響を与える場合、プロモーター又はエンハンサーは、ヌクレオチドコード配列に機能的に連結される。リボソーム結合部位は、コード配列の翻訳を促進するように配置される場合、コード配列に機能的に連結され得る。通常、「機能的に連結された」DNA配列は隣接している。但し、エンハンサーが隣接する必要はない。連結は、好都合な制限部位におけるライゲーションにより達成される。このような部位が存在しない場合には、従来の実践に従い、合成オリゴヌクレオチドアダプタ又はリンカーが用いられ得る。
本明細書で使用するとき、用語「遺伝子」は、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えば、DNAセグメント)を指し、コード領域の前及び後に続く領域、並びに個々のコード配列(エキソン)の間に存在する介在配列(イントロン)を包含する。
本明細書で使用するとき、「組み換え」が細胞に関し使用される場合、典型的には、非相同な核酸配列の導入により細胞が改質されていることを、あるいはそのように改質された細胞からその細胞が誘導されていることを意味する。例えば、組み換え細胞は、未改変(非組み換え型)の細胞において同一の形で見られない遺伝子を含み得るか、又は組み換え細胞は、改変されて細胞に再導入されている未改変の遺伝子(未改変の細胞で見られる)を含み得る。組み換え細胞は、細胞から核酸を除去せずに改変されている細胞にとって内因性の核酸を含み得るが、このような改変としては、遺伝子置換、部位特異的変異、及び当業者に既知の関連技術によって生じる改変が挙げられる。組み換えDNA技術には、インビトロで組み換えDNAを産生する技術、及び組み換えDNAが発現され得る又は増加し得る細胞に組み換えDNAを移入して、それによって組み換えポリペプチドが産生される技術が挙げられる。ポリヌクレオチド又は核酸の「組み換え(Recombination)」、「組換する(recombining)」及び「組み換えられた(recombined)」は、概して、2つ以上の核酸若しくはポリヌクレオチド鎖若しくは断片をアセンブル又は結合させて新しいポリヌクレオチド又は核酸を生成することを指す。組み換えポリヌクレオチド又は核酸は、しばしばキメラと呼ばれる。人工的なもの又は設計されたものである場合、あるいは人工的な又は設計されたタンパク質又は核酸から誘導される場合、核酸又はポリペプチドは「組み換え体」である。
本明細書で使用するとき、核酸又は遺伝子の「増幅」といった用語は、増幅させた核酸又は遺伝子が、ゲノム中に最初に存在していたコピー数よりもより大きいコピー数で存在するように、特異的DNA配列を不釣り合いに複製させるプロセスを指す。いくつかの実施形態では、薬剤(例えば、阻害可能な酵素の阻害剤)の存在下で増殖させることによる細胞選別の結果、薬剤の存在下での増殖に必要とされる遺伝子産物をコードする内因性遺伝子が増幅されるか、又はこの核酸若しくは遺伝子産物又はこれら両方をコードする外因性の(すなわち、導入)配列が増幅されることになる。
「増幅」は鋳型特異性を伴う核酸複製の特殊例である。これは非特異的な鋳型複製(すなわち、鋳型依存的であるが、特定の鋳型に依存しない複製)と対比をなす。ここで、鋳型特異性は、複製の忠実度(すなわち、適切なポリヌクレオチド配列が合成される度合い)及びヌクレオチド(リボ又はデオキシリボヌクレオチド)の特異性とは区別される。鋳型特異性は、しばしば「標的」特異性に関して記載される。標的配列は、他の核酸から選別されることが求められるという意味での「標的」である。増幅技術は主にこの選別のために設計されている。
本明細書で使用するとき、用語「プライマー」は、精製された制限酵素消化物として天然に存在するか、又は合成により生成されるかによらず、核酸鎖に対して相補的であるプライマー伸長産物の合成が誘導される条件(すなわち、ヌクレオチド、及びDNAポリメラーゼなどの誘導物質の存在下で、かつ好適な温度及びpH)下に置かれた場合に、合成の開始点として作用することができるオリゴヌクレオチド(ヌクレオチド残基のポリマー)を指す。好ましくは、プライマーは増幅効率を最大にするために一本鎖であるが、あるいは、二本鎖であってもよい。二本鎖の場合、プライマーを最初に処理してその鎖を分離した後、伸長産物を調製するために使用する。いくつかの実施形態では、プライマーはオリゴデオキシリボヌクレオチドである。プライマーは、誘導物質の存在下で伸長産物の合成を開始するのに十分な長さでなければならない。プライマーの正確な長さは、温度、プライマー供給源、及び使用方法などの様々な因子に応じ異なる。
本明細書で使用するとき、用語「プローブ」は、精製された制限酵素消化物として天然に存在するか、又は合成、組み換え、若しくはPCR増幅により生成されるかによらず、典型的に対象とする他のオリゴヌクレオチドとハイブリダイズすることができるオリゴヌクレオチドを指す。プローブは一本鎖又は二本鎖であり得る。プローブは、特定の遺伝子配列の検出、同定、及び単離に有用である。本発明で使用される任意のプローブは、限定するものではないが酵素(例えば、ELISA、並びに酵素を用いる組織化学アッセイ)、蛍光、放射活性、及び発光システムなどの任意の検出システムで検出され得るように、任意の「リポーター分子」により標識されると想到される。本発明は、任意の特定の検出系又は標識に制限されることを意図しない。
本明細書で使用するとき、用語「標的」は、ポリメラーゼ連鎖反応に関し使用する場合、ポリメラーゼ連鎖反応に使用されるプライマーが結合する核酸領域を指す。したがって、「標的」は他の核酸配列から選別されることが求められる。ヌクレオチド「セグメント」は、標的核酸配列内の核酸領域である。
本明細書で使用するとき、用語「ポリメラーゼ連鎖反応」(PCR)は、米国特許第4,683,195号、同第4,683,202号、及び同第4,965,188号(これらは参照により本明細書に組み込まれる)に記載の方法を指し、クローニング又は精製せずにゲノムDNA混合物中の標的配列セグメントの濃度を増加させる方法を包含する。標的配列のこの増幅プロセスは当業者に周知である。
本明細書で使用するとき、用語「増幅試薬」は、プライマー、核酸鋳型、及び増幅酵素を除く、増幅に必要とされる試薬を指す(例えば、デオキシリボヌクレオチド三リン酸、緩衝液など)。典型的に、増幅試薬は他の反応成分と共に配置され、反応容器(試験管、マイクロウェルなど)に入れられる。
本明細書で使用するとき、用語「制限エンドヌクレアーゼ」又は「制限酵素」は、制限部位として知られる特異的ヌクレオチド配列又はその近傍で二本鎖又は一本鎖DNAを切断することのできる酵素(例えば、細菌酵素)を指す。制限部位を含むヌクレオチド配列は、所定の制限エンドヌクレアーゼ又は制限酵素により認識及び開裂され、しばしばDNA断片の挿入部位になる。制限部位は、発現ベクター又はDNA構築物中に工学操作することができる。
「相同的組み換え」は、同一の若しくはほとんど同一のヌクレオチド配列部位での2つのDNA分子又は染色体対の間で生じるDNA断片の交換を指す。いくつかの実施形態では、染色体への組み込みは相同的組み換えである。
核酸又はポリヌクレオチドは、未改変の状態にせよ又は当業者に既知の手法により工学操作された場合にせよ、転写及び/又は翻訳されてポリペプチド又はそれらの断片を産生できるのであれば、ポリペプチドを「コードする」と言われる。このような核酸のアンチセンス鎖も、同様に、配列をコードすると言われる。
当該技術分野において既知であるように、RNAポリメラーゼによりDNA配列を転写してRNA配列を生産することができるが、逆転写酵素によりRNA配列を逆転写してDNA配列を生産することもできる。
「宿主株」又は「宿主細胞」は、対象とするDNA配列を含む発現ベクターにとって好適な宿主を指す。対象とするDNA配列は、対象とするタンパク質を宿主株又は宿主細胞で発現することができる。
「タンパク質」又は「ポリペプチド」は、アミノ酸残基のポリマー配列からなる。用語「タンパク質」及び「ポリペプチド」は、本明細書ではほぼ同じ意味で使用される。IUPAC−IUB Joint Commission on Biochemical Nomenclature(JCBN)に従い定義されるアミノ酸の一文字表記及び三文字表記を、本開示全体を通して使用する。一文字のXは、20種のアミノ酸のうちのいずれかを指す。ポリペプチドは、遺伝子コードの縮重により1種以上のヌクレオチド配列によりコードされる場合があることも理解されたい。変異は、親アミノ酸の1文字表記、続いて3桁又は2桁の数字による位置番号、次に変異アミノ酸の1文字表記により記載される。例えば、87位でのグリシン(G)のセリン(S)への変異は、「G087S」又は「G87S」と表される。複数の変異は、「−」を変異の間に挿入することで示される。87位及び90位での変異は、「G087S−A090Y」若しくは「G87S−A90Y」、又は「G87S+A90Y」若しくは「G087S+A090Y」のいずれかとして表される。欠失については、一文字コード「Z」を使用する。親配列に対する挿入については、一文字コード「Z」を位置番号の左側に記載する。欠失については、一文字コード「Z」を位置番号の右側に記載する。挿入については、位置番号は、挿入されるアミノ酸の前の位置番号にアミノ酸毎に0.01を加えた番号である。例えば、位置87と88の間に三つのアミノ酸、アラニン(A)、セリン(S)及びチロシン(Y)を挿入することは、「Z087.01A−Z087.02S−Z087.03Y」と表される。したがって、上記のすべての変異に加え第100番目の位置に欠失が存在する場合には、「G087S−Z087.01A−Z087.02S−Z087.03Y−A090Y−A100Z」となる。改変について記載するとき、位置の後に続く括弧内に記載のアミノ酸は置換一覧を意味し、すなわち、その位置において、掲載の任意のアミノ酸により置換がなされる。例えば、6(L,I)とは、6位がロイシン又はイソロイシンで置換され得ることを意味する。
「プロ配列」又は「プロペプチド配列」は、シグナルペプチド配列と成熟プロテアーゼ配列の間に存在し、適切な折りたたみ及びプロテアーゼの分泌に必要とされるアミノ酸配列を指す。プロ配列又はプロペプチド配列の開裂により、成熟型活性プロテアーゼを生じる。プロ配列は内因性のものであってよく、又は生じ得る配列は、別のスブチリシンなどの関連性が高いタンパク質のものである。
用語「シグナル配列」又は「シグナルペプチド」は、成熟型又は前駆体型タンパク質の分泌又は直接輸送に関与し得るアミノ酸残基の配列を指す。シグナル配列は、典型的に、前駆体型又は成熟型タンパク質配列のN端末に位置する。シグナル配列は内因性又は外来性であり得る。シグナル配列は通常、成熟型タンパク質には存在しない。シグナル配列は、典型的には、タンパク質の輸送後にシグナルペプチダーゼによりタンパク質から開裂される。
用語「ハイブリッド型シグナル配列(hybrid signal sequence)」は、発現させる遺伝子に関するシグナル配列と融合させた発現宿主から配列の一部が得られる、シグナル配列を指す。いくつかの実施形態では、合成配列が用いられる。
用語「成熟」型タンパク質、ポリペプチド又はペプチドとは、シグナルペプチド配列及びプロペプチド配列を持たないタンパク質、ポリペプチド又はペプチドの機能的形態を指す。
用語「前駆体」型タンパク質又はペプチドとは、タンパク質のアミノ末端又はカルボニル末端に機能的に連結されたプロ配列を有する成熟型タンパク質を指す。前駆体型タンパク質又はペプチドは、プロ配列のアミノ末端に、機能的に連結された「シグナル」配列を有する場合もある。前駆体は、翻訳後活性に関与する追加のポリヌクレオチド(例えば、前駆体からこのポリヌクレオチドが切断されると、成熟型のタンパク質又はペプチドが得られる)を有する場合もある。
アミノ酸配列又は核酸配列に関する用語「野生型」は、そのアミノ酸配列又は核酸配列が未改変の又は天然に生じる配列であることを示す。本明細書で使用するとき、用語「天然に生じた」は、自然に見出される(すなわち、組み換え法により操作を受けていない)任意のものを指す(例えば、タンパク質、アミノ酸、又は核酸配列)。
本明細書で使用するとき、用語「天然に生じたものではない」は、自然界では見られない任意のものを指す(例えば、研究室で製造される組み換えポリヌクレオチド又はポリペプチド)。
本明細書でアミノ酸残基の位置に関して使用するとき、「対応する(「corresponding to」又は「corresponds to」又は「corresponds」)」とは、タンパク質若しくはペプチド中の列挙された位置にあるアミノ酸残基、又はタンパク質若しくはペプチド中の列挙された残基と類似、相同、若しくは等価であるアミノ酸残基を指す。本明細書で使用するとき、「対応する領域」とは、概して、関連するタンパク質又は参照タンパク質における類似の位置を指す。
用語「に由来する」及び「から得られる」とは、当該生物株により産生されるあるいは産生され得るタンパク質だけでなく、このような株から単離されるDNA配列によってコードされ、このようなDNA配列を含有している宿主生物で産生されるプロテアーゼも指す。更にこれらの用語は、合成DNA配列及び/又はcDNAにより生じるのDNA配列によりコードされかつ当該タンパク質を識別する特徴を有するプロテアーゼを指す。例えば、「バチルス(Bacillus)由来のプロテアーゼ」は、バチルス(Bacillus)により天然に産生されるタンパク質分解活性を有する酵素、並びバチルス(Bacillus)源により産生されるものなどのセリンプロテアーゼを指すが、遺伝子工学技術の利用により、セリンプロテアーゼをコードしている核酸で形質転換させたバチルス株(Bacillus)又はバチルス(Bacillus)以外の生物で産生されたものは含まれない。
2つのポリペプチド配列についての文脈において、用語「同一」は、以下の配列比較又は解析アルゴリズムのうちの1つを用いて測定する際に、最大限一致するようにアライメントさせたときに同じである2つの配列中の残基を指す。
本明細書で使用するとき、用語「相同な遺伝子」は、互いに対応し、かつ互いに同一であるか又は非常に類似している、異なるが通常は近縁種からの一対の遺伝子を指す。この用語は、種分化(すなわち、新種の発生)により分離される遺伝子(例えば、オルソロガス遺伝子)、並びに遺伝子複製により分離されている遺伝子(例えば、パラロガス遺伝子)を包含する。
本明細書で使用するとき、「相同性」は、配列類似性又は同一性を指し、同一性が好ましい。相同性は当業界で既知の標準法を利用して求めることができる(例えば、Smith and Waterman,Adv.Appl.Math.2:482[1981];Needleman and Wunsch,J.Mol.Biol.48:443[1970];Pearson and Lipman,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:2444[1988];Wisconsin Genetics(Genetics Computer Group,Madison,WI)ソフトウェアパッケージに含まれるGAP、BESTFIT、FASTA、及びTFASTAなどのソフトウェアプログラム;及びDevereux et al.,Nucl.Acid Res.12:387〜395[1984]を参照されたい)。有用なアルゴリズムの一例は、PILEUPである。PILEUPは、プログレッシブペアワイズアラインメント法を用いて、関連する配列群から複数の配列のアラインメントを作成する。PILEUPは、アラインメントを作成するのに使用されるクラスタリング関連性を示す系統樹をプロットすることもできる。PILEUPは、Feng及びDoolittleのプログレッシブアラインメント法を単純化したものを使用する(Feng及びDoolittle、J.Mol.Evol.35:351〜360[1987]を参照されたい)。この方法は、Higgins及びSharpにより記載されたものと類似のものである(Higgins and Sharp,CABIOS 5:151〜153頁[1989年]を参照されたい)。有用なPILEUPパラメーターとしては、3.00のデフォルトギャップ重みづけ(default gap weight)、0.10のデフォルトギャップ伸長重みづけ(default gap length weight)及び重みつき末端ギャップ(weighted end gaps)が挙げられる。
参照配列と対象とする試験配列との配列同一率は、当業者により容易に判定することができる。ポリヌクレオチド又はポリペプチド配列により共有される同一率は、配列をアライメントし、当該技術分野において既知の方法により同一性を判定することによって分子間での配列情報を直接比較することにより、判定される。配列類似性を判定するのに好適なアルゴリズムの一例は、BLASTアルゴリズムである(Altschulら、J.Mol.Biol.,215:403〜410(1990)を参照されたい)。BLAST解析を行うためのソフトウェアは、米国立生物工学情報センター(National Center for Biotechnology Information)より公的に入手可能である。このアルゴリズムは、まず、データベース配列中の同じ長さのワードとアライメントを行ったときに一致するか又はある程度ポジティブであると評価された(positive-valued)閾値スコアTを満たすかのいずれかである問い合わせ配列中の長さWの短いワードを同定することにより、高スコアの配列ペア(HSP)を同定する。これらの最初にヒットした隣接ワードは、これらを含有するより長いHSPを見つけるための開始点として働く。ワードのヒットは、累積アライメントスコアが増加し得る限り比較されている2つの配列の各々に沿って両方向に拡張される。ワードのヒットの拡張は、次の場合に止まる:累積アラインメントスコアが最大達成値から量Xだけ減少する、累積スコアがゼロ以下になる、又は、いずれかの配列の末端に到達する。BLASTアルゴリズムパラメーターW、T及びXは、感度及びアライメントの速度を決定する。BLASTプログラムは、デフォルトとして、語長(W)11、BLOSUM62スコア行列(例えば、Henikoff及びHenikoff,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:10915[1992]を参照されたい)アラインメント(B)50、期待値(E)10、M’5、N’−4、及び両菌株の比較を用いる。
次いで、BLASTアルゴリズムは、類似する2つの配列間の統計解析を実行する(例えば、上掲Karlin and Altschulを参照されたい)。BLASTアルゴリズムにより提供される類似性の一つの尺度は、最小和確率(smallest sum probability)(P(N))であり、これは、2つのヌクレオチド又はアミノ酸配列間の一致が偶然により生じ得る確率の指標を提供する。例えば、試験核酸をセリンプロテアーゼの核酸と比較した際の最小合計類似度が、約0.1未満、より好ましくは約0.01未満、及び最も好ましくは約0.001未満である場合、核酸は本発明のセリンプロテアーゼ核酸と類似していると考えられる。セリンプロテアーゼポリペプチドをコードしている試験核酸は、最小合計類似度の比較結果が約0.5未満、及びより好ましくは約0.2未満である場合に、特定のセリンプロテアーゼ核酸と類似していると考えられる。
2つ以上の核酸又はポリペプチド配列についての文脈において、「同一率(percent identical or percent identity)」は、2つ以上の配列を最も一致するように比較及びアライメントし、配列比較アルゴリズムを用いて又は目視確認により判定したときに、2つ以上の配列が、同一であるか、あるいは核酸残基又はアミノ酸残基と、表記される割合で同一であることを指すものである。参照(すなわち、クエリー)アミノ酸配列に対する、対象とするアミノ酸配列の、「配列同一率」又は「同一率(%)」又は「配列同一率(%)」又は「アミノ酸配列同一率」は、対象とするアミノ酸配列が、配列を最適にアライメントした際の比較長さにわたってクエリーアミノ酸配列に対して表記される割合(すなわち、アミノ酸とアミノ酸を並べたときの同一度)だけ同一であることを意味する。したがって、2つのアミノ酸配列に対するアミノ酸配列同一率80%又は同一率80%は、最適にアライメントした2つのアミノ酸配列中のアミノ酸残基のうち80%が同一であることを意味する。
参照核酸配列(すなわち、クエリー)に対する、対象とする核酸配列の、「配列同一率」又は「同一率(%)」又は「配列同一率(%)」又は「核酸配列同一率(%)」は、対象とする核酸配列が、配列を最適にアライメントした際の比較長さにわたってクエリー配列に対して表記される割合(すなわち、ヌクレオチドとヌクレオチドを並べたときの同一度)だけ同一であることを意味する。したがって、2つの核酸配列に対するヌクレオチド配列同一率80%又は同一率80%は、最適にアライメントした2つの核酸配列中のヌクレオチド残基のうち80%が同一であることを意味する。
参照タンパク質配列(すなわち、クエリー)に対する、対象とするタンパク質配列の、「配列同一率」又は「同一率(%)」又は「配列同一率(%)」又は「タンパク質配列同一率(%)」は、対象とするタンパク質配列が、配列を最適にアライメントした際の比較長さにわたってクエリー配列に対して表記される割合だけ同一(すなわち、ポリペプリド配列の残基と残基を並べたときに)であることを意味する。したがって、2つのタンパク質配列に対するポリペプチド配列同一率80%又は同一率80%は、最適にアライメントした2つのタンパク質配列中の残基のうち80%が同一であることを意味する。
いくつかの実施形態では、クエリー配列に対する対象とする配列の「配列同一性又は配列同一性(%)」、又は「同一性(%)」は、2つの配列を最適にアライメントし、比較長さにわたって、2つの最適にアライメントした配列を比較することで、算出することができる。最適なアライメントにおいて両方の配列の残基が一致している位置の数は、一致する位置の数を求めて一致する位置の数を比較長さ(特に断りのない限り、クエリー配列の長さである)のうちの位置の合計数で除することで決定される。得られる数に100を乗じることで、クエリー配列に対する対象とする配列の配列同一率を算出する。
「最適アライメント」又は「最適アライメントを行った」は、最高の同一性パーセントスコアを与える2つ(以上)の配列のアライメントを指す。例えば、2つのタンパク質配列の最適なアライメントは、各配列中の同一のアミノ酸残基が最多数アライメントされるように、配列を手作業でアライメントさせることで、あるいはソフトウェアプログラム又は本明細書に記載の若しくは当該技術分野において既知の手順を用いることで、達成することができる。2つの核酸配列の最適アライメントは、各配列中の同一のヌクレオチド残基の最大数が共にアライメントされるよう手作業で配列のアライメントを行うことにより、あるいは、本明細書に記載の又は当該技術分野において既知の、ソフトウェアプログラム又は手順を用いることにより、達成することができる。
いくつかの実施形態では、2つのポリペプチド配列は、配列対に関し可能性のある最も高い類似性スコアが得られるように、定義されたアミノ酸置換行列、ギャップ開始ペナルティ(ギャップオープンペナルティとも呼ばれる)、及びギャップ伸長ペナルティなどの定義されたパラメーターを用いてアライメントされたときに、「最適にアライメントされた」と見なされる。BLOSUM62スコア行列(上掲のHenikoff及びHenikoffを参照されたい)は、多くの場合、ポリペプチド配列アライメントアルゴリズム(例えば、BLASTP)でデフォルトのスコア置換行列として使用される。ギャップ存在ペナルティはアライメントされた配列の1つにアミノ酸ギャップが1つ導入された際に課せられ、ギャップ伸張ペナルティはギャップ中の各残基位置に対して課される。用いられる代表的なアライメントは以下のものである:BLOSUM62スコア行列、ギャップ存在ペナルティ=11、及びギャップ伸張ペナルティ=1。アライメントスコアは、可能性のある最も高い類似性スコアが得られるように、アライメントが開始及び終了する各配列のアミノ酸位置により(例えば、アライメントウィンドウ)、並びに場合によっては可能な限り最高の類似性スコアを達成するように一方若しくは両方の配列の中に1つ若しくは複数のギャップを挿入することにより、決定される。
2つ以上の配列間の最適なアライメントは、目視確認により手作業で、又はコンピュータ(限定するものではないが、例えば、アミノ酸配列用のBLASTPプログラム、及び核酸配列用のBLASTNプログラムなど)を用いて、決定することができる(例えば、Altschulら、Nucleic Acids Res.25(17):3389〜3402(1997)参照;the National Center for Biotechnology Information(NCBI)ウェブサイトも参照)。
対象とするポリペプチドは、対象とするポリペプチドが、参照ポリペプチドのアミノ酸配列と少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又は少なくとも約99.5%の配列同一性を有するアミノ酸配列からなる場合、参照ポリペプチドと「実質的に類似するもの」であるものとして参照される。2つのこのようなポリペプチド間の同一性(%)は、最適にアライメントした2つのポリペプチド配列を目視確認することで手作業により、又は標準的なパラメーターを用いるソフトウェアプログラム若しくはアルゴリズム(例えば、BLAST、ALIGN、CLUSTAL)を使用することにより、決定することができる。2つのポリペプチドが実質的に同一であることの指標の1つは、第一のポリペプチドが第二のポリペプチドと免疫学的に交差反応するというものである。典型的に、保存的アミノ酸置換が異なるポリペプチドは、免疫学的に交差反応する。したがって、例えば、2つのペプチドが、保存的アミノ酸置換のみが異なる、又は1つ以上の保存的アミノ酸置換のみが異なる場合、ポリペプチドは第二のポリペプチドと実質的に同一である。
対象とする核酸は、対象とする核酸が、参照核酸のヌクレオチド配列と少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又は少なくとも約99.5%の配列同一性を有するヌクレオチド配列からなる場合、参照核酸と「実質的に類似するもの」であるものとして参照される。2つのこのような核酸間の同一性(%)は、最適にアラインメントされた2つの核酸配列を目視確認することで手作業により、又は標準的なパラメーターを用いるソフトウェアプログラム若しくはアルゴリズム(例えば、BLAST、ALIGN、CLUSTAL)を使用することにより、決定することができる。2つの核酸配列が実質的に同一であることの指標の1つは、ストリンジェント(例えば、中程度〜高ストリンジェンシーの範囲)な条件下で、2つの核酸分子が互いにハイブリダイズするというものである。
核酸又はポリヌクレオチドは、例えば他のタンパク質、核酸、細胞等が挙げられるがこれらに限定されない他の成分から部分的又は完全に分離されているときに「単離され」ている。同様に、ポリペプチド、タンパク質又はペプチドは、例えば他のタンパク質、核酸、細胞等が挙げられるがこれらに限定されない他の成分から部分的又は完全に分離されているときに「単離され」ている。モルベースで、単離された種は組成物中の他の種よりも豊富である。例えば、単離された種は、存在するすべての高分子種のうちの少なくとも約50%、約70%、約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、又は約100%(モルベースで)を構成し得る。好ましくは、対象とする分子種は、本質的に均質になるよう精製される(すなわち、従来の検出法では、組成に夾雑物が検出されない)。純度及び均一度は、タンパク質又は核酸サンプルをアガロース又はポリアクリルアミドゲル電気泳動後に染色により可視化するなどの、当業者に周知である数多くの手法を用い測定することができる。必要に応じて、高解像度の技術、例えば高速液体クロマトグラフィー(HPLC)又は同様の手法を用いて材料を精製することができる。
核酸又はポリペプチドに使用される場合、用語「精製された」は、概して、当業者に周知の解析技術により決定したときに、核酸又はポリペプチドが他の成分を本質的に含まないことを意味する(例えば、精製されているポリペプチド又はポリヌクレオチドは、電気泳動ゲル、クロマトグラフィー溶出液、及び/又は密度勾配遠心分離にかけた培養液中で、別個のバンドを形成する)。例えば、電気泳動ゲルで本質的に1本のバンドのみが生じる核酸又はポリペプチドは、「精製されている」。精製されている核酸又はポリペプチドは、少なくとも純度約50%のものであり、通常、少なくとも約75%、約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、約99.5%、約99.6%、約99.7%、又は約99.8%以上(例えば、モル重量による純度)のものである。これに関連し、本発明は、本発明の1つ以上のポリペプチド又はポリヌクレオチドのような本発明の分子1つ以上について組成物を濃縮する方法を提供する。精製又は濃縮技術の適用後に分子の濃度が実質的に増加している場合、組成物はその分子について濃縮されている。本発明の、実質的に純粋なポリペプチド又はポリヌクレオチド(例えば、それぞれ、本発明のプロテアーゼ変異体をコードする実質的に純粋な変異型プロテアーゼ又はポリヌクレオチド)は、典型的には、特定の組成物中で、すべての高分子種の少なくとも約55%、約60%、約70%、約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98、約99%、又は約99.5%以上(モルベースで)を構成する。
これに関連し、本発明は、1つ以上の本発明の分子、例えば1つ以上の本発明のポリペプチド(例えば、1つ以上の本発明の変異型プロテアーゼ)又は1つ以上の本発明の核酸(例えば、1つ以上の本発明の変異型プロテアーゼをコードする1つ以上の核酸)について組成物を濃縮する方法を提供する。精製又は濃縮技術の適用後に分子の濃度が実質的に増加している場合、組成物はその分子について濃縮されている。実質的に純粋なポリペプチド又はポリヌクレオチドは、典型的には、特定の組成物中で、すべての高分子種の少なくとも約55%、約60%、約70%、約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98、約99%、又は約99.5%以上(モルベースで)を構成する。
本明細書で使用するとき、用語「コンビナトリアル変異導入」又は「コンビナトリアル」とは、参照核酸配列の核酸変異体のライブラリを作成する方法を指す。これらのライブラリでは、変異体は既定の変異の組から選択された1つ以上の変異を含有している。この方法は、既定の変異の組のメンバーではないランダム変異を導入する手段も提供する。このような方法のうちのいくつかのものは、米国特許第6,582,914号に記載されており、この特許は参照により本明細書に組み込まれる。このようなコンビナトリアル変異導入法のうちいくつかのものには、市販のキット(例えば、QUIKCHANGE(登録商標)多部位特異的変異導入キット(Stratagene)、PCR融合/伸長PCR)で具体化される方法が挙げられ、及び/又は包含される。
本明細書で使用するとき、変異体プロテアーゼに関連して使用される「改善された特性を有する」とは、対応する参照プロテアーゼ(例えば、野生型又は天然に生じるプロテアーゼ)と比較した場合に、変異型プロテアーゼの洗浄性能若しくはクリーニング性能が改善又は増強されていること、及び/又は場合により洗浄若しくはクリーニング性能は保持されたまま安定性が改善又は増強されている変異体プロテアーゼを意味する。変異体プロテアーゼの特性の改善には、洗浄若しくはクリーニング性能の改善及び/又は安定性の改善が含まれ得る。いくつかの実施形態では、本発明は、次の特性のうち1つ以上を呈する本発明の変異型プロテアーゼを提供する:参照プロテアーゼ(例えば、野生型LG12などの、野生型プロテアーゼ)と比較した場合に、手洗いの洗浄性能の改善、食器手洗い性能若しくは手動食器洗浄性能の改善、自動食器洗浄性能の改善、洗濯性能の改善、及び/又は安定性の改善。
本明細書で使用するとき、用語「機能性アッセイ」は、タンパク質活性の指標を提供するアッセイを指す。いくつかの実施形態では、この用語は、タンパク質を、通常の性能で機能し得るかに関して解析するアッセイ系を指す。例えば、酵素の場合、機能的アッセイは、反応を触媒する酵素の有効性を決定することを包含する。
本明細書で使用するとき、用語「標的特性」は、開始遺伝子から変化させることになる特性を指す。本発明は、任意の特定の標的特性に制限されないと意図される。しかしながら、いくつかの実施形態では、標的特性は遺伝子産物の安定性(例えば、変性、タンパク質分解又は他の分解要因に対する抵抗性)である一方、他の実施形態では、生産宿主による生産レベルが変化する。
本明細書で使用するとき、核酸に関する文脈における用語「特性」又はそれらの文法的に等価な表現は、選別又は検出が可能な核酸の任意の特性若しくは属性を指す。これらの特性としては、限定するものではないが、ポリペプチドに対する結合に影響する特性、特定の核酸を含む細胞に与えられる特性、遺伝子の転写に影響を与える特性(例えば、プロモーター強度、プロモーター認識、プロモーター制御、エンハンサー機能)、RNAのプロセシングに影響を与える特性(例えば、RNAスプライシング、RNA安定性、RNAコンフォメーション、及び転写後修飾)、翻訳に影響を与える特性(例えば、mRNAのレベル、調節、リボソームタンパク質に対する結合、翻訳後修飾)が挙げられる。例えば、核酸における、転写因子、ポリメラーゼ、制御因子などの結合部位を変化させることで、所望の特性を生じる、又は望ましくない特性を同定することができる。
本明細書で使用するとき、(タンパク質を含む)ポリペプチドに関する文脈における用語「特性」又はそれらの文法的に等価な表現は、選別又は検出が可能なポリペプチドの任意の特徴又は属性を指す。これらの特性としては、限定するものではないが、酸化安定性、基質特異性、触媒活性、酵素活性、熱安定性、アルカリ安定性、pH活性プロファイル、タンパク質分解に対する抵抗性、KM、kcat、kcat/kM比、タンパク質フォールディング、免疫応答の誘導、リガンドに対する結合能、受容体に対する結合能、分泌され得るか否か、細胞の表面に提示され得るか否か、オリゴマー形成能、シグナル伝達能、細胞増殖の刺激能、細胞増殖の阻害能、アポトーシス誘導能、リン酸化又はグリコシル化により改変され得るか否か、及び/又は疾患の治療能などが挙げられる。
本明細書で使用するとき、用語「スクリーニング」は、当該技術分野で通常使用される意味を有する。スクリーニングプロセスの一例では、変異核酸、又はこの核酸によってコードされるポリペプチド変異体が提供されて、変異核酸又はポリペプチド変異体の特性がそれぞれ評価又は決定される。変異核酸又はポリペプチド変異体について決定された特性を、それぞれ、対応する核酸前駆体(親核酸)の特性又は対応する親ポリペプチドの特性と比較することもできる。
特性が変化した核酸又はタンパク質を得る際のスクリーニング手順は、変異核酸の生成により、その改変が促進されるものと意図される開始材料の特性によって異なることは当業者には明白である。したがって、本発明はスクリーニングされる任意の特定の特性に制限されるものではなく、また、以下の特性に関する記載は例証のみを掲載していることを、当業者は認識するであろう。任意の特定の特性に関するスクリーニング方法は、一般的に当該技術分野で記載されているものである。例えば、ある方法は、変異の前後の結合、pH、特異性などを測定することができ、それらの変化が変更の指標である。好ましくは、スクリーニングは、同時にスクリーニングされる多数の試料を含むハイスループット方式で実施されるものであって、例えば、限定するものではないが、チップ、ファージディスプレイ、並びに複数の基質及び/又は指示薬を利用するアッセイが挙げられる。
本明細書で使用するとき、いくつかの実施形態では、スクリーニングプロセスは、対象とする変異体を、変異体集団から濃縮する選別工程を一工程以上包含する。これらの実施形態の例としては、宿主生物に増殖優位性を与える変異体の選別、並びにファージディスプレイ法又は任意の他のディスプレイ法が挙げられるが、これらの方法では、変異体の結合特性又は触媒特性に基づき、変異体を変異体集団から捕捉することができる。いくつかの実施形態では、変異体ライブラリをストレス(例えば、熱、変性など)に曝露して、続いて変性を受けていない(intact)変異体を、スクリーニングにより同定するか、又は選別により濃縮する。この用語は、選別に関する任意の好適な手段を包含することを意図するものである。実際のところ、本発明は、任意の特定のスクリーニング方法に制限されることを意図しない。
用語「改変核酸配列」及び「改変遺伝子」は、本明細書において天然に生じる(すなわち、野生型の)核酸配列に欠失、挿入又は中断を含む核酸配列を指す際に互換的に使用される。いくつかの実施形態では、改変された核酸配列の発現産物は、切断型タンパク質である(例えば、改変が配列の欠失又は中断である場合)。いくつかの実施形態では、切断型タンパク質は生物活性を保持している。代替的な実施形態では、改変された核酸配列の発現産物は、伸長型タンパク質である(例えば、改変が核酸配列への挿入を含む場合)。いくつかの実施形態では、核酸配列にヌクレオチドを挿入することで切断型タンパク質が得られる(例えば、挿入により終止コドンが形成される場合)。したがって、挿入によって、切断型タンパク質又は伸長型タンパク質のいずれかが発現産物として生じ得る。
「変異体」核酸配列は、典型的には、変異体核酸配列の発現産物が、野生型タンパク質と比較してアミノ酸配列が変化しているタンパク質であるよう、宿主細胞の野生型配列に存在する少なくとも1つのコドンに変化を有する核酸配列を指す。発現産物は、変化した機能的能力(例えば、酵素活性の増強)を有し得る。
本明細書で使用するとき、語句「基質特異性の変化」は、酵素の基質特異性に生じる変化を指す。いくつかの実施形態では、基質特異性の変化は、酵素の変異、又は反応条件の変化により生じる、特定の基質に関するkcat及び/又はKmの変化として定義される。酵素の基質特異性は、その酵素が示す触媒効率を異なる基質と比較することで決定される。概して、対象とする基質のkcat/Km比がより大きい変異体酵素を生産することが所望されることから、これらの決定は、変異体酵素の効率を評価する際に特に有用である。しかしながら、本発明は、いかなる特定の基質組成物又は基質特異性にも制限されないと意図される。
本明細書で使用するとき、「表面特性」は、静電荷、並びにタンパク質の表面が示す疎水性及び親水性などの特性に関して使用される。
本明細書で使用するとき、用語「実効電荷」は、分子中に存在するすべての電荷の合計として定義される。親タンパク質分子の「実効電荷を変化」させることで、親分子とは異なる実効電荷を有する変異体が得られる(すなわち、変異体は親分子と同じではない実効電荷を有する)。例えば、中性アミノ酸を負電荷を持つアミノ酸に置き換えるか、又は正電荷を持つアミノ酸を中性アミノ酸に置き換えることで、親分子と比較して実効電荷が−1になる。正電荷を持つアミノ酸を負電荷を持つアミノ酸に置き換えることで、親分子と比較して実効電荷が−2になる。中性のアミノ酸を正電荷を持つアミノ酸に置き換えるか、又は負電荷を持つアミノ酸を中性のアミノ酸に置き換えることで、親分子と比較して実効電荷が+1になる。負電荷を持つアミノ酸を正電荷を持つアミノ酸に置き換えることで、親分子と比較して実効電荷が+2になる。親タンパク質の実効電荷は、電荷を持つアミノ酸の欠失及び/又は挿入によっても変化し得る。
用語「熱的に安定な」及び「熱安定性の」及び「熱安定性」は、変更された温度に曝露されているがタンパク質分解、加水分解、クリーニング、又は本発明の他のプロセスの際に一般的に適用される条件下で、所定の時間にわたって特定の温度に曝露された後でも、明記された量の酵素活性を保持するプロテアーゼを意味する。「変更された温度」は、温度の上昇又は低下を包含する。いくつかの実施形態では、プロテアーゼは、変化した温度に、例えば少なくとも約60分、約120分、約180分、約240分、約300分などの所定の時間にわたって曝露した後に、少なくとも約50%、約60%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約92%、約95%、約96%、約97%、約98%、又は約99%のタンパク質分解活性を保持する。
酸化安定性、キレート剤安定性、熱安定性及び/又はpH安定性のプロテアーゼに関する文脈において、用語「安定性の強化」は、他のプロテアーゼ(例えば、LG12プロテアーゼ)及び/又は野生型酵素と比較した場合に、時間が経過しても保持されるタンパク質分解活性が高いことを意味する。
酸化安定性、キレート安定性、熱安定性及び/又はpH安定性のプロテアーゼに関する文脈において、用語「安定性の低下」は、他のプロテアーゼ(例えば、LG12プロテアーゼ)及び/又は野生型酵素と比較した場合に、時間が経過するにつれて保持されるタンパク質分解活性が低下することを意味する。
用語「クリーニング活性」は、タンパク質分解、加水分解、クリーニング、汚れ/シミ除去、又は本発明の他のプロセスの際に一般的に適用される条件下で、プロテアーゼ変異体又は参照プロテアーゼにより得られるクリーニング性能を指す。いくつかの実施形態では、プロテアーゼ変異体又は参照プロテアーゼのクリーニング性能は、物品又は表面上の、1種以上の様々な酵素反応性の染み(例えば、食品、草類、血液、インク、牛乳、油、及び/又は卵タンパク質に由来する染み)のクリーニングについての、様々なアッセイを使用して決定することもできる。プロテアーゼ変異体又は参照プロテアーゼのクリーニング性能は、物品又は表面上の染みを標準的な洗浄条件に晒す工程、及び染みが除去される程度を、様々なクロマトグラフィー、分光光度法、又はその他の定量法を用いて評価する工程によって決定され得る。代表的なクリーニングアッセイ及び方法は、当該技術分野で既知であり、限定するものではないが、国際公開第99/34011号、及び米国特許第6,605,458号に記載のもの(これらの特許文献の両方共が参照により本明細書に援用される)、並びに以下に提供される実施例に包含されるクリーニングアッセイ及び方法が挙げられる。
プロテアーゼ変異体又は参照プロテアーゼの「クリーニング有効量」という表現は、特定のクリーニング組成物中で、所望のレベルの酵素活性を達成するプロテアーゼの量を指す。このような有効量は、当業者によって容易に確認され、使用される特定のプロテアーゼ、クリーニング用途、クリーニング組成物の具体的な組成、及び必要とされる組成物が液体又は乾燥形態(例えば、粒状、錠剤、棒状)のいずれであるのか、などの多くの要因に基づくものである。プロテアーゼ変異体又は参照プロテアーゼについての用語「汚れ除去指数」(SRI)は、ある量の酵素又は酵素活性により達成される汚れ除去の度合いを指す。
用語「クリーニング助剤」は、クリーニング組成物に包含される、本発明の変異体プロテアーゼ以外の任意の液体、固体、又はガス状の材料を指す。いくつかの実施形態では、本発明のクリーニング組成物は、1種以上のクリーニング助剤を包含する。各クリーニング助剤は、典型的には、クリーニング組成物の特定のタイプ及び形態(例えば、液体、粒状、粉末、棒状、ペースト、スプレー、錠剤、ゲル、フォーム、又はその他の組成)に応じて選択される。好ましくは、各クリーニング助剤は、組成物に使用されるプロテアーゼ酵素と適合性である。
クリーニング活性の文脈における表現「性能の強化」は、標準的な洗浄サイクル及び/又は複数回の洗浄サイクル後に通常の評価により決定されたときに、卵、牛乳、草類、インク、油、及び/又は血液などの特定の酵素反応性の染みに対する酵素によるクリーニング活性が増加又はより大きいことを指す。
クリーニング活性の文脈における表現「性能の低下」は、標準的な洗浄サイクル後に通常の評価により決定されたときに、卵、牛乳、草類又は血液などの特定の酵素反応性の染みに対する酵素によるクリーニング活性が低下又はより低いことを指す。
クリーニング性能は、標準的な洗浄サイクル条件後に通常の分光光度法又は分析技法により決定されたときに、草類、血液、インク、油、及び/又は牛乳などの酵素反応性の染みに関する様々なクリーニングアッセイにおいて、本発明のプロテアーゼ変異体を参照プロテアーゼと比較することで決定することができる。
本明細書で使用するとき、用語「消費者製品」は、布地ケア製品及びホームケア製品を意味する。本明細書で使用するとき、用語「布地ケア製品及びホームケア製品」又は「布地ケア及び家庭用ケア製品」は、販売される形態で使用又は消費されることが一般的に意図され、かつ布地、硬質表面及び任意の他の表面を処理するための製品、非生物表面のケア及びクリーニングの全般に関するクリーニング系、並びに布地コンディショナー製品及び布地のケア及び維持のために特に設計されたその他の製品、エアケア製品(例えば、エアフレッシュナー及び香り送達系など)、カーケア、ペットケア、家畜ケア、パーソナルケア、ジュエリーケア、食器洗浄、布地コンディショニング(例えば、柔軟化及び/又はフレッシュニングなど)、洗濯洗剤、洗濯及びすすぎ添加剤及び/又はケア剤、前処理クリーニング組成物、硬質表面クリーニング及び/又は処理剤(例えば、床及び便器クリーナー、ガラスクリーナー及び/又は処理剤、タイルクリーナー及び/又は処理剤、セラミッククリーナー及び/又は処理剤など)、並びに消費者若しくは業務用の他のクリーニング剤を包含する。いくつかの実施形態では、布地ケア製品及びホームケア製品は、創傷部及び/又は皮膚への使用に好適である。「布地ケア製品及びホームケア製品」としては、消費者製品及び業務用製品が挙げられる。
本明細書で使用するとき、用語「非布地用ケア製品及びホームケア製品」は、他の組成物に添加することで布地ケア製品及びホームケア製品となり得る最終製品を生成する組成物を指す。
本明細書で使用するとき、用語「業務用クリーニング組成物」は、限定するものではないが、学校、病院、工場、商店、企業、建造物、飲食店、総合オフィスビル、加工及び/又は製造プラント、動物病院、畜産場、大牧場などの施設での使用に好適な製品を指す。
本明細書で使用するとき、用語「クリーニング及び/又は処理組成物」は、特に断りのない限り、物品のクリーニング及び/又は処理に好適な組成物などが挙げられる、布地ケア及びホームケア製品に属する組成物である。このような製品としては、限定するものではないが、次のような布地処理用の製品、硬質面処理用の製品、並びに布地ケア及びホームケアの領域の任意の他の表面処理用の製品が挙げられる:エアフレッシュナー及び香り送達系などの空気ケア、カーケア、食器洗浄、布地コンディショニング(例えば、柔軟化及び/又はフレッシュニングなど)、洗濯洗浄、洗濯及びすすぎ添加剤及び/又はケア剤、硬質表面クリーナー及び/又は処理剤(例えば、床及び便器クリーナーなど)、粒状又は粉末形態の万能又は「強力」洗浄剤(特にクリーニング用洗剤)、液体、ゲル、又はペースト形態の万能洗浄剤(特にいわゆる強力液体型万能洗浄剤)、おしゃれ着用液体洗剤、食器手洗い用洗剤又はライトデューティ食器洗浄剤(特に高起泡型のもの)、食器洗浄機用食器洗浄剤(家庭用及び業務用の、様々な錠剤型、粒状、液体及びすすぎ補助型洗浄剤):車又はカーペット洗浄剤、便器クリーナーを含む風呂場クリーナー、並びにクリーニング補助剤(漂白添加剤及び「染み抜きスティック」又は前処理型、あるいは乾燥機用シートなどの、基材添加製品(substrate-laden product))。
実際には、本明細書で使用するとき、本発明の「クリーニング組成物」又は「クリーニング配合物」は、クリーニングされる物体、物品又は表面から化合物(例えば望ましくない化合物)を除去又は排除するのに有用な本発明の任意の組成物を指し、クリーニングされる物体、物品又は表面としては、これらに限定するものではないが、例えば、布地、布地物品、食器類、食卓用食器類、ガラス製品類、コンタクトレンズ、その他の固体基材、毛髪(シャンプー)(ヒト又は動物の毛髪を包含する)、皮膚(石鹸及び/又はクリーム)、歯(マウスウォッシュ、歯磨き粉)、物品又は対象物の表面(例えば、テーブルの硬質表面、テーブルトップ、壁、家具、床、天井、皿以外の物品、食卓用食器以外の物品などの硬質表面)、フィルター、薄膜(例えば、限外濾過膜を含むがこれに限定されない濾過膜)等が挙げられる。上記の用語は、組成物に使用されるプロテアーゼ及びその他の酵素とその組成物が適合する限り、所望の特定の種類のクリーニング組成物及び所望の特定の形態の製品(例えば、液体、ゲル、粒状、スプレー、又はその他の構成)のために選択されるいかなる材料及び/又は添加化合物も包含する。クリーニング組成物材料の具体的な選別は、クリーニングされる表面、物体、物品、又は布地を考慮することにより、及び使用時のクリーニング条件に所望される組成物の形態を考慮することにより、容易に行われる。
クリーニング組成物及びクリーニング配合物は、任意の対象物、物品、及び/又は表面をクリーニング、漂白、消毒、及び/又は殺菌するのに好適な任意の組成物を含む。このような組成物及び配合物としては、限定するものではないが、液体及び/又は固体組成物、例えば、クリーニング又は洗剤組成物(例えば、液体、錠剤、ゲル、棒状、粒状、及び/又は固体洗濯クリーニング又は洗剤組成物、並びにおしゃれ着用洗剤組成物など);硬質表面クリーニング組成物及び配合物(例えば、ガラス、木材、セラミック及び金属製のカウンター甲板及び窓用のもの);カーペットクリーナー;オーブンクリーナー;布地フレッシュナー;布地柔軟剤;及び繊維製品、洗濯洗浄性能増進用クリーニング又は洗剤組成物、洗濯用添加型クリーニング組成物、及び洗濯物のシミ抜き前処理用クリーニング組成物;食器手洗い用又は食器手動洗浄用組成物(例えば、食器「手洗い」用又は食器「手動」洗浄用の洗剤)及び自動食器洗浄機用組成物(例えば、「自動食器洗浄機用の洗剤」)を包含する食器洗浄用組成物などが挙げられる。
本明細書で使用するとき、クリーニング組成物又はクリーニング配合物としては、特に断りのない限り、粒状又は粉末状万能又は強力洗浄剤、特に、クリーニング洗剤;液状、粒状、ゲル状、固形、錠剤型又はペースト状万能洗浄剤、特にいわゆる強力液体(HDL)洗剤又は強力粉末洗剤(HDD)型;おしゃれ着用液体洗剤;高起泡型のものを含む食器手洗い又は食器手動洗浄剤;食器手洗い又は食器手動洗浄、食器自動洗浄、あるいは家事用及び業務用の様々な錠剤、粉末、固形、粒状、液状、ゲル状及びすすぎ助剤型の食器類若しくは食卓用食器類洗浄剤;抗菌性手洗い用液体クリーニング及び殺菌剤、固形石鹸、マウスウォッシュ、義歯クリーナー、車洗浄剤、カーペット洗浄剤、風呂場クリーナーなどの液体クリーニング及び殺菌剤;人間及び他の動物の毛髪用シャンプー及び/又は毛髪用リンス;シャワージェル及びバブルバス、並びに金属製品クリーナー;加えて、漂白添加剤及び「染み抜きスティック」又は前処理型などのクリーニング補助剤が挙げられる。いくつかの実施形態では、粒状組成物は「コンパクト」形態であり;いくつかの実施形態では、液体組成物は「濃縮」形態である。
本明細書で使用するとき、「布地クリーニング組成物」としては、洗濯用添加組成物などの手洗い用及び洗濯機用洗剤組成物、並びに染みの付いた布地(例えば、衣類、リネン類、及び他の繊維材料)の浸け置き及び/又は前処理に使用するのに好適な組成物が挙げられる。
本明細書で使用するとき、「非布地用クリーニング組成物」としては、限定するものではないが、例えば、食器手洗い用若しくは手動食器洗浄用又は自動食器洗浄用洗剤組成物、口腔クリーニング組成物、義歯クリーニング組成物、及びパーソナルクレンジング組成物などの、非繊維製品(すなわち、非布地)表面用のクリーニング組成物が挙げられる。
本明細書で使用するとき、用語「布地及び/又は硬質表面用のクリーニング及び/又は処理組成物」は、特に断りのない限り、粒状又は粉末状の万能又は「強力」洗浄剤、特にクリーニング用洗剤、液体、ゲル、又はペースト状の万能洗浄剤、特にいわゆる強力液体洗浄剤、おしゃれ着用液体洗剤、食器手洗い用洗浄剤又はライトデューティ食器洗浄剤(特に高起泡型のもの)、家庭用及び業務用の各種の錠剤型、粒状、液体、及びすすぎ補助型を含む食器洗浄機用洗剤、液体洗浄剤及び殺菌剤、車又はカーペット洗浄剤、便器クリーナーを含む浴室クリーナー、液体、固体、及び/又は乾燥機用シート形態であり得る柔軟化及び/又はフレッシュニングを含む布地コンディショニング製品、並びに漂白剤添加型及び「染み抜きスティック」又は前処理型そして乾燥機用シート(dryer added sheet)などの基材添加製品(substrate-laden product)のようなクリーニング補助剤を包含する、クリーニング及び処理組成物に属する組成物である。適用可能であるこのような製品のすべては、標準形態又は濃縮形態であってよく、又は特定の態様では、このような製品は、更には非水性となり得る程度まで高濃縮された形態であってもよい。
本明細書で使用するとき、用語「洗剤組成物」又は「洗剤配合物」は、特定の布地及び/又は非布地製の物体又は物品などの、汚れた又は泥の付いた物体を洗浄するために洗浄媒質中で使用することが意図される組成物に関して使用される。本発明のこのような組成物は、任意の特定の洗剤組成物又は配合物に限定されない。実際に、いくつかの実施形態では、本発明の洗剤は、少なくとも1種の本発明のプロテアーゼ変異体に加え、界面活性剤、トランスフェラーゼ、加水分解酵素、酸化還元酵素、ビルダー(例えば、ビルダー塩など)、漂白剤、漂白活性化剤、ブルーイング剤、蛍光染料、ケーキング防止剤、マスキング剤、酵素活性化剤、抗酸化物質、及び/又は可溶化剤を1種以上含有する。場合によっては、ビルダー塩はケイ酸塩とリン酸塩の混合物であり、好ましくはケイ酸塩(例えば、メタケイ酸ナトリウム)をリン酸塩(例えば、トリポリリン酸ナトリウム)よりも多く含む。例えば、限定するものではないが、クリーニング組成物又は洗剤組成物などの、本発明のいくつかの組成物は、リン酸塩(例えば、リン酸塩又はリン酸塩ビルダー)を含まない。
本明細書で使用するとき、用語「漂白」は、物質の増白(すなわち、ホワイトニング)及び/若しくはクリーニングを行うために充分な時間及び/又は適切なpH及び/又は温度条件下での物質(例えば、布地、洗濯物、パルプなど)又は表面の処理を指す。漂白に好適な化学物質の例としては、例えば、ClO2、H2O2、過酸、NO2などが挙げられるがこれらに限定されない。
本明細書で使用するとき、プロテアーゼ(例えば、本発明のプロテアーゼ変異体)の「洗浄性能」は、組成物にプロテアーゼ変異体を加えていない洗剤と比較して、追加のクリーニング性能を洗剤に付与するプロテアーゼ変異体の洗浄への貢献を指す。洗浄性能は、関連する洗浄条件下で比較される。いくつかの試験系では、洗剤組成物、泡濃度、水硬度、洗浄機構、時間、pH、及び/又は温度などの他の関連する要因を、特定のマーケットセグメントにおける家事用途に典型的な条件(例えば、食器手洗い又は食器手動洗浄、自動食器洗浄、食器クリーニング、食卓用食器類クリーニング、及び布地クリーニングなど)を模倣するように調節することができる。
本明細書において、用語「関連する洗浄条件」は、食器手洗い、自動食器洗浄、又は洗濯洗剤のマーケットセグメントに含まれる家事で実際に使用される条件であって、具体的には、洗浄温度、時間、洗浄機構、泡濃度(sud concentration)、洗剤のタイプ及び水硬度などの条件を意味する。
用語「洗浄性能の改善」は、関連する洗浄条件下で、染み除去において、より良好な仕上がり結果が得られること、又は対応する野生型若しくは開始親プロテアーゼと比較して同様の仕上がり結果を得るにあたり必要とされるプロテアーゼ変異体が重量ベースでより少量ですむことを表すのに使用される。
本明細書で使用するとき、用語、「消毒」は、汚染物質を表面から除去すること、並びに、物品の表面上の微生物の阻害又は死滅を指す。本発明は、任意の特定の表面、物品、又は除去される汚染物若しくは微生物に限定されないと意図される。
本明細書では、「コンパクト」形態のクリーニング組成物は、密度により表され、組成の点で言えば無機塩充填剤の量によって表される。無機塩充填剤は、粉末形態の洗剤組成物の通常の成分である。通常の洗剤組成物では、塩充填剤は、相当量で、典型的には組成物全体の約17〜約35重量%で存在する。対照的に、コンパクト組成物では、塩充填剤は、組成物全体の約15重量%以下の量で存在する。いくつかの実施形態では、塩充填剤は、組成物の約10重量%以下、より好ましくは約5%重量以下の量で存在する。いくつかの実施形態では、無機塩充填剤は、硫酸アルカリ塩及びアルカリ土類金属塩、並びアルカリ塩化物及びアルカリ土類金属塩化物から選択される。いくつかの実施形態では、塩充填剤は硫酸ナトリウムである。
所与のアミノ酸配列中のアミノ酸残基の位置は、本明細書では典型的には、配列番号3に示すLG12sprCのアミノ酸配列の対応するアミノ酸残基の位置に割り振られた番号を用いて付番される。すなわち、配列番号3に示すLG12sprCアミノ酸配列は、参照配列として提供される。本明細書に記載される変異型プロテアーゼのアミノ酸配列などの、所与のアミノ酸配列を、本明細書に記載されるようなアライメントアルゴリズムを使用してLG12sprC配列(配列番号3)とアライメントすることができ、及びLG12sprC配列中の対応するアミノ酸残基を参照することで、LG12sprC配列中のアミノ酸残基アライメントした(好ましくは部分的にアライメントさせた)所与のアミノ酸配列中のアミノ酸残基を都合よく番号付けすることができる。
概して、本明細書で使用する命名法、並びに以下に記載される細胞培養、分子遺伝学、分子生物学、核酸化学、及びタンパク質化学的な実験手順の多くは周知のものであり、当業者により一般的に採用される。組み換え核酸の製造及び操作法、核酸合成法、細胞培養法、及びトランスジーンの組み込み法(例えば、トランスフェクション、電気穿孔法)は当業者に既知のものであり、様々な一般的な文献に記載されている。オリゴヌクレオチドの合成工程及び精製工程は、典型的には本明細書に従って実施される。概して技術及び手順は、当業者に周知の従来法、並びに本明細書を通して提供される様々な一般参考文献に従って実施される。それらの手順は当業者に周知のものであると考えられ、読み手には便宜のため提供される。
本発明のLG12−系統群酵素
本明細書で使用するとき、LG12−系統群の酵素には、酵素、ポリポリペプチド又はタンパク質、あるいはその活性断片が包含される。本酵素には、実施例、図9A、図9B、図10A、図10Bに示すアライメント、及び/又は図8の系統樹に記載の通りのLG12−系統群のメンバーが包含される。LG12−系統群のメンバーは、LG12sprCと相同性の近いスブチリシン分子を選択し、これらの配列と他のスブチリシンとの構造ベースのアライメントを生成し、すべてのLG12−系統群の酵素について保存されていた固有の配列領域を特定することにより特定される。いくつかの実施形態では、LG12酵素の系統群は、スブチリシンプロテアーゼを含む、親、野生型、及び/又は変異体配列は、次のアミノ酸モチーフ:Ser221、His64、及びAsp32を含む触媒三残基;位置55〜58のPro、Asp/Asn、Ala、Leuモチーフ;Thr103−Leu104モチーフ;Tyr86−Asn/Asp87モチーフ;Ala16−His17モチーフ;Val21−Thr22モチーフ、及び/又は位置267から始まるC末端モチーフ:Val、Ile、Asp/Asn、Val/Leu、Glu、X、Ala、Leu、Glnのうち1つ以上を含み、ここでXは任意のアミノ酸を表し、残基番号はLG12sprC(配列番号3)に対応するものである。LG12野生型酵素の系統群の配列であれば、本発明のスブチリシン酵素変異体を生成するための親配列として使用することができる。いくつかの実施形態では、LG12酵素の系統群のスブチリシンプロテアーゼは、上記の通りのシグネチャモチーフのうちいずれか1つ以上を有し得る。LG12−系統群のメンバーは、近隣結合法を利用して作製した系統樹において同じ分岐点でクラスター化されることが確認されている(Saitou,N.and Nei,M.(1987)MolBiol.Evol.4:406〜425を参照されたい)。LG12−系統群の配列同一性は、LG12sprC配列(配列番号3)に対し少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%同一である酵素を包含する。LG12−系統群のメンバーは:LG12sprC(配列番号3,AAC43580.1)、バチルス種(Bacillus sp.)m3−13スブチリシンE(1)(配列番号7,WP_010192403.1,旧称ZP_07707657.1)、バチルス種(Bacillus sp.)KSM−LD1,SB(BAD21128.1)、バチルス種(Bacillus sp.)m3−13スブチリシンE(2)(WP_10192405.1,旧称ZP_07707658.1)、バチルス・ホリコシィ(Bacillus horikoshii)株DSM 8719,Bhon03321(配列番号10)、LG12sprD(AAC43581.1)、バチルス・ホリコシィ(Bacillus horikoshii)株DSM_9711(配列番号13)、バチルス・ホリコシィ(Bacillus horikoshii)株DSM_9712(配列番号16)、バチルス・ホリコシィ(Bacillus horikoshii)株DSM_6951(配列番号19)、及びバチルス種(Bac sp)BAD21128(配列番号20)を含む。
いくつかの実施形態では、本発明は、LG12−系統群の新規酵素及び変異体を含む。いくつかの実施形態では、本発明は、LG12−系統群の新規酵素及び/又は酵素変異体を含み、変異体は、配列番号3のLG12sprC配列(配列番号3、AAC43580.1)に対し少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、本発明は、Bhon03321の新規酵素及び/又は酵素変異体を含み、変異体は、配列番号10のバチルス種(Bacillus sp.)DSM 8719スブチリシン酵素Bhon03321配列に対し少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、本発明は、バチルス種(Bacillus sp.)m3−13スブチリシンE(1)(配列番号7,WP_010192403.1,旧称ZP_07707657.1)の新規酵素及び/又は酵素変異体を含み、変異体は、配列番号7のバチルス種(Bacillus sp.)M3−13配列に対し少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、本発明は、バチルス種(Bac sp)BAD21128の新規酵素及び/又は酵素変異体を含み、変異体は、バチルス種(Bacillus sp.)KSM−LD1、SB(BAD21128.1)に対し少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、本発明は、バチルス種(Bac sp)WP_010192405.の新規酵素及び/又は酵素変異体を含み、変異体は、ババチルス種(Bacillus sp.)m3−13スブチリシンE(2)(WP_10192405.1、旧称ZP_07707658.1)に対し少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、本発明は、バチルス種(Bac sp)LG12SprD AAC43581の新規酵素及び/又は酵素変異体を含み、変異体は、バチルス種(Bac sp)LG12sprD(AAC43581.1)に対し少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、本発明は、DSM_9711(配列番号13)の新規酵素及び/又は酵素変異体を含み、変異体は、DSM_9711(配列番号13)に対し少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、本発明は、DSM_9712(配列番号16)の新規酵素及び/又は酵素変異体を含み、変異体は、DSM_9712(配列番号16)に対し少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、本発明は、DSM_6951(配列番号19)の新規酵素及び/又は酵素変異体を含み、変異体は、DSM_6951(配列番号19)に対し少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、本発明は、バチルス種(Bac sp)BAD21128(配列番号20)の新規酵素及び/又は酵素変異体を含み、変異体は、バチルス種(Bac sp)BAD21128(配列番号20)に対し少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有する。
LG12−系統群の酵素の生産的位置
本発明は、LG12−系統群の酵素、例えば、LG12sprCセリンプロテアーゼのアミノ酸位置であって、望ましく改変することで、クリーニング性能、洗剤組成物中での酵素の安定性、及び酵素の熱安定性について最低限の性能指数が得られ、かつこれらの特性のうちの少なくとも1つが、上記の例における配列番号3のLG12sprCなどのLG12−系統群の親酵素から改良される、アミノ酸位置を提供する。これらの改変は、本発明の好適な改変と考えられる。
用語「熱的安定性」及び「熱安定性」は、脂肪分解プロセス、加水分解プロセス、クリーニングプロセス、又は本明細書において開示される他のプロセスの際に一般に使用される条件下で一定の時間にわたって特定の温度に曝された後に(例えば、変化した温度に曝されている間に)、所定量の酵素活性を維持する本発明のLG12−系統群セリンプロテアーゼを指す。変化した温度には、温度の上昇又は低下が含まれる。いくつかの実施形態では、LG12−系統群プロテアーゼは、変化した温度に、例えば少なくとも約60分、約120分、約180分、約240分、約300分などの所定の時間にわたって曝露した後に、少なくとも約50%、約60%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約92%、約95%、約96%、約97%、約98%、又は約99%のプロテアーゼ活性を保持する。
本明細書で使用するとき、特性が改良されたLG12−系統群プロテアーゼ酵素としては、対応するLG12−系統群の親酵素(例えば、野生型又は天然に生じるLG12−系統群の酵素)と比較してその洗浄性能若しくはクリーニング性能が改良又は増強された、並びに/又は任意選択で洗浄若しくはクリーニング性能が保持されつつ安定性が改良又は増強された、LG12−系統群プロテアーゼ酵素変異体が挙げられる。LG12−系統群酵素変異体の特性の改善には、洗浄若しくはクリーニング性能の改善及び/又は安定性の改善が含まれ得る。いくつかの実施形態では、本発明は、次の特性、すなわち、参照となるLG12−系統群の親酵素(例えば、配列番号3の成熟配列を有する野生型LG12sprCプロテアーゼなどの、野生型LG12sprC酵素)と比較して、手洗い性能の改良、食器手洗い性能又は手動食器洗浄性能の改良、自動食器洗浄性能の改良、洗濯性能の改良、並びに/又は安定性の改良のうち1つ以上を示す本発明のLG12−系統群の酵素変異体を提供する。
生産的位置は、改善された特徴を示すコンビナトリアル変異体を製造するのに最も有用な分子内位置として記載され、この位置では、少なくとも1種の組み合わせ可能な変異が生じ得る。組み合わせ可能な変異は、コンビナトリアルな変異体を作製するのに使用することのできる、これらの分子内の置換として記載され得る。組み合わせ可能な変異は、この分子の所望の特性のうち少なくとも1種を改善するが、発現、活性、又は安定性のいずれかを有意に低下させないものである。
組み合わせ可能な変異は、この分子の所望の特性のうち少なくとも1種を改善するが、発現、活性、又は安定性のいずれかを有意に低下させないものである。例えば、LG12−系統群プロテアーゼにおいて組み合わせ可能な変異は、実施例1に記載のアッセイ:N−suc−AAPF−pNAプロテアーゼアッセイ(活性)、EMPA−116アッセイ(活性)、PAS−38見本布地小片アッセイ(活性)、洗剤安定性及び熱安定性アッセイ、並びにタンパク質の定量(発現)、により得られる性能指数(PI)の値を利用して決定することができる。
組み合わせ可能な変異に加え、LG12−系統群プロテアーゼの第2の変異グループ、すなわち組み合わせ可能な活性を有する変異のグループがある。組み合わせ可能な活性を有する変異は、この分子の活性特性のうち少なくとも1つを改善し、1.5以上の性能指数を備えるが、発現又は安定性のPI値を0.5未満に低下させないものである。この組み合わせ可能な活性を有する変異を利用することで、分子の他の既知の望ましい特性(例えば、発現又は安定性)を有意に低下させることなく所望の特性を達成できるように、分子を改変することができる。
LG12−系統群のプロテアーゼ酵素の、有用な位置であることが判明しているアミノ酸位置には、洗剤組成物で使用するのに好適な様々な改変をなすことができる。改変としては、特定の位置での挿入、欠失又は置換を挙げることができる。一実施形態では、改変は置換である。各々の位置において、生じ得る好適な改変の数が多ければ、その位置での生産性スコアが高くなる。例えば、アミノ酸位置は、好適な改変として生産的な位置において試験される改変のうち、少なくとも50%、30%又は15%の改変を有することができ、この改変は次の好適な基準a)〜c)のうちの少なくとも1つを満たす:
a)次の1)〜4)の試験に関し、最小性能指数(PI)がLG12−系統群の親スブチリシン酵素に対し0.9以上であるのに加えて、これらの試験のうちのいずれについてもPIが1.0以上である生産的位置:1)pH9又はpH10下でのPAS−38布見本小片のクリーニング;及びpH6、pH8、又はpH10下でのEMPA−116布見本小片のクリーニングから選択された少なくとも1つのクリーニングアッセイ;2)suc−AAPF−pNAに対する活性;3)タンパク質発現;並びに4)洗剤安定性アッセイ及び熱安定性アッセイから選択される少なくとも1つの安定性アッセイ;
b)次の1)〜4)の試験に関し、最小性能指数(PI)がLG12−系統群の親スブチリシン酵素に対し0.8以上であるのに加えて、これらの試験のうちのいずれについてもPIが1.2以上である生産的位置:1)pH9又はpH10下でのPAS−38布見本小片のクリーニング;及びpH6、pH8、又はpH10下でのEMPA−116布見本小片のクリーニングから選択された少なくとも1つのクリーニングアッセイ;2)suc−AAPF−pNAに対する活性;3)タンパク質発現;並びに4)洗剤安定性アッセイ及び熱安定性アッセイから選択される少なくとも1つの安定性アッセイ;
c)次の1)〜4)の試験に関し、最小性能指数(PI)がLG12−系統群の親スブチリシン酵素に対し0.5以上であるのに加えて、これらの試験のうちのいずれについてもPIが1.5以上である生産的位置:1)pH9又はpH10下でのPAS−38布見本小片のクリーニング;及びpH6、pH8、又はpH10下でのEMPA−116布見本小片のクリーニングから選択された少なくとも1つのクリーニングアッセイ;2)suc−AAPF−pNAに対する活性;3)タンパク質発現;並びに4)洗剤安定性アッセイ及び熱安定性アッセイから選択される少なくとも1つの安定性アッセイ。
好適な改変として試験した改変のうち少なくとも50%を有する、本発明のLG12−系統群の酵素の位置は、位置27、40、43、78、98、130、131、158、166、182、237、239、242、245、及び251を含み、ここで、LG12−系統群の変異体のアミノ酸位置は、配列番号3に示すLG12sprCプロテアーゼのアミノ酸配列に対応させて付番される。好適な改変には、残基27(K、H、N、A、D、E、G、L、P、Q、R、S、T、M)、40(A、I、Q、L、T、W、D、E、H、K、M、N、R、V、Y)、43(N、V、I、A、F、G、H、K、L、M、Q、S、W、Y、D、E)、78(T、C、S、I、K、L、V、A、D、E、F、G、H、R、W)、98(A、Y、V、D、F、K、N、W、H、M、Q、S、T)、130(S、I、R、H、L、N、Q、T、W、E、F、V、Y)、131(G、I、K、L、T、H、N、A、P、R、S、D、E)、158(S、E、G、H、I、L、Q、K、A、D、M、T、V)、166(G、K、W、C、F、I、L、A、D、E、H、M、N、Q、S、T、Y)、182(S、C、Q、P、W、A、H、I、M、R、Y、D、E)、237(K、L、M、T、Y、F、S、D、G、H、R、A、N、Q)、239(P、Y、C、E、F、G、H、I、N、R、S、T、W、A、D、K、L、M、V)、242(T、G、H、L、I、K、N、V、W、A、E、P、Q、S)、245(Q、C、A、F、H、M、N、R、T、W、D、S、Y)、及び251(K、C、G、H、Y、W、F、L、R、A、D、M、N、S、T、V)を含み、ここで、LG12変異体のアミノ酸位置は、配列番号3に示すLG12sprCプロテアーゼのアミノ酸配列に対応させて付番される。
好適な改変として試験した改変のうちの少なくとも30%但し50%未満を有する、本発明のLG12−系統群の酵素の位置は、位置2、9、15、38、45、48、52、59、62、75、97、99、103、117、118、119、123、129、133、145、148、149、156、159、161、181、209、236、240、248、256、267、271、及び275を含み、ここで、LG12変異体のアミノ酸位置は、配列番号3に示すLG12sprCプロテアーゼのアミノ酸配列に対応させて付番される。好適な改変には、残基2(Q、E、F、K、P、R、S、W、Y)、9(P、Y、H、Q、A、G、I、M、R、S、T、V)、15(K、M、Q、T、G、H、R、V、Y、A)、38(N、H、Y、A、Q、T、D、E、K、S)、45(K、L、D、E、F、Q、R、S、W、A)、48(A、W、D、E、G、H、K、N、Q)、52(S、E、T、V、D、H、L、M、N、Q、R、F)、59(Q、F、M、H、N、W、T、I、V)、62(N、E、I、V、A、F、K、L、P、W)、75(L、A、N、H、K、F、Q、R、W、G)、97(S、D、G、H、L、M、N、A、I)、99(S、A、D、N、Q、R、S、I、K、L、V)、103(T、E、A、Y、G、H、K、N、R、S、D)、117(N、M、Q、H、K、R、E、G、S、T、Y)、118(G、T、K、R、Y、D、E、H、Q、S)、119(M、N、V、A、F、H、I、L、Q、S、T)、123(N、I、S、A、D、E、G、H、Q)、129(S、E、I、R、Y、K、Q、A、G、H、D)、133(T、G、H、A、F、L、M、N、Q、V、D、I)、145(R、D、F、G、L、V、M、W、Y、N)、148(V、D、I、L、M、Q、N、G、S)、149(V、A、P、S、E、G、L、N、Q)、156(S、C、E、G、D、H、Q、A、M、K、N)、159(S、C、F、T、M、N、Y、D、E、K、Q)、161(N、F、K、W、M、S、D、E、R、Y)、181(S、T、D、E、Q、A、H、K、N)、209(T、I、K、M、V、F、H、W、Y)、236(A、V、F、G、N、C、D、E、Q、S)、240(S、H、Q、F、I、L、P、V、W、M)、248(E、Q、K、L、N、T、W、D、C、H、M、Y)、256(N、V、A、D、K、M、Q、W、E、P、R)、267(V、H、N、A、F、I、K、S、T、Y)、271(E、D、L、M、Q、H、K、A、F、W、Y)、及び275(Q、L、T、Y、G、H、W、E、N、R)を含み、ここで、LG12変異体のアミノ酸位置は、配列番号3に示すLG12sprCプロテアーゼのアミノ酸配列に対応させて付番される。
好適な改変として試験した改変のうちの少なくとも15%但し30%未満を有する、本発明のLG12−系統群の酵素の位置は、位置1、3、18、19、20、22、24、25、26、28、30、31、44、50、53、55、57、58、61、67、72、76、77、79、80、85、86、87、89、90、91、93、96、100、101、102、106、107、108、113、116、121、124、126、127、136、137、140、144、147、150、152、153、160、162、170、172、173、183、185、187、188、194、213、216、217、218、222、225、228、231、234、235、241、243、244、246、252、255、265、及び272を含み、ここで、LG12変異体のアミノ酸位置は、配列番号3に示すLG12sprCプロテアーゼのアミノ酸配列に対応させて付番される。好適な改変には、残基1(A、L、H、K、G、R)、3(T、A、G、H、E、Y、I、V)、18(A、D、F、S、Q、N、R、T)、19(A、F、K、L、R、M、W)、20(G、H、Q、E、N)、22(T、D、S、E)、24(S、G、F、T、H、I、R、V)、24(S、G、F、T、H、I、R、V)、26(V、E、R、N、S)、28(V、N、S、E、T)、30(I、T、A、E、V)、31(L、I、M、Q、T)、44(V、A、I、F)、50(F、R、S、A、K、Q、Y)、53(G、Y、H、A、D、N、R、E)、55(P、I、K、N、R)、57(A、G、W、P)、58(L、F、D、K)、58(L、F、D、K)、67(A、G、A、I、P)、72(V、M、A、G、S、T)、76(N、F、P、A、Q、S、Y、D)、77(N、Q、G、T)、79(T、E、M、A、K、Q、I、L)、80(G、C、P、F、H、M、Y)、85(A、T、V、S)、86(Y、A、P、F)、87(N、Q、M、H、L、S)、89(D、A、R、F)、90(L、D、S、G、Q、E、N、P)、91(Y、H、I、M、N、T、V、W)、93(V、G、I、L、T)、96(L、G、K、R、Y、I、E、H)、100(G、F、K、V、Y、A、E)、101(S、M、A、T、V、R)、102(G、V、F、E、Y)、106(G、A、I、E、N、S、T、V)、107(I、H、Q、V、T)、108(A、S、I、C)、113(W、Y、F、H)、116(S、E、F、M)、121(V、T、S、A、I)、124(M、R、S、Y、A)、126(L、H、W、I、Q、G、K)、127(G、E、H、N)、136(Q、L、H、W、F、R、D)、137(Q、M、V、I、H、T、E)、140(N、I、F、Y、D、Q)、144(N、D、F、H、M、V、W、Y)、147(I、R、K、S、A、H、M)、150(I、A、S、D、N、T、V)、152(A、G、P、V)、153(A、M、G、S)、160(G、N、H、M)、162(R、K、M、V)、170(R、P、K、L)、172(S、C、N、T、G、H)、173(S、A、T、D)、183(N、G、A、Q、D、E)、185(T、C、W、Q、R、M)、187(A、C、G、D、H、P、V、W)、188(S、C、L、N、T、H、Y)、194(S、M、T、F、K、P、R、D)、213(N、V、W、G、M、R、K、Q)、216(S、C、F、I、T、A)、217(F、C、H、K、L、E、R)、218(N、C、H、D)、222(M、C、A、H、L、Q)、225(P、A、G、V)、228(A、C、R、S)、231(A、C、G、S)、234(I、M、Q、V)、235(K、I、N、S、G、D、E、F)、241(M、H、K、I、L、Q、S、W)、243(N、A、T、G)、244(V、A、E、Y)、246(I、N、V、A、T)、252(N、D、Q、F、E)、252(N、D、Q、F、E)、265(K、R、D、S)、及び272(S、P、V、M、F、N、Q、K)を含み、ここで、LG12変異体のアミノ酸位置は、配列番号3に示すLG12sprCプロテアーゼのアミノ酸配列に対応させて付番される。上記変異のそれぞれに関し、最初に掲載した置換はsprC(配列番号3)のもとのアミノ酸を表す。本発明のいくつかの実施形態では、変異体は、sprCのLG12−系統群の変異体であり、変異は、上掲のもののうち、最初に掲載される置換以外の、いずれかのものである。
好適な改変として試験した少なくとも1つの改変、但し改変の15%未満を有する、本発明のLG12−系統群の酵素の位置は、位置4、7、8、12、14、16、17、29、33、42、46、51、56、65、69、73、81、83、84、88、94、104、109、111、114、120、122、125、128、132、138、141、143、146、151、163、165、167、175、176、195、203、204、205、206、211、212、215、220、224、227、230、232、238、250、260、262、268、273、及び274を含み、ここで、LG12変異体のアミノ酸位置は、配列番号3に示すLG12sprCプロテアーゼのアミノ酸配列に対応させて付番される。好適な改変には、残基4(V、C)、7(G、N)、8(I、L)、12(K、G、R)、14(D、L)、16(A、G、V)、17(H、A)、29(A、T、S)、33(T、D)、42(L、D)、46(G、N)、51(V、I)、56(N、E)、65(G、T、V)、69(A、G、T)、73(A、G)、81(V、H、M)、83(G、S)、84(V、A)、88(A、C、G)、94(K、G)、104(L、Y、V)、109(Q、K)、111(I、V)、114(S、T、G)、120(N、H、E)、122(I、M)、125(S、G)、128(G、E、N)、132(S、A)、138(A、E、S)、141(N、G)、143(Y、D、E)、146(G、N、R)、151(A、H)、163(N、S、D)、165(M、I、V)、167(Y、G)、167(Y、G)、167(Y、G)、195(E、Q)、203(V、C)、204(N、E)、205(I、V)、206(L、Y)、211(G、C)、211(G、C)、215(A、D、E)、220(T、A、G)、224(A、S)、224(A、S)、230(A、S)、232(A、S)、238(Y、W、F)、250(L、I、M)、260(P、Y)、260(P、Y)、268(I、F)、273(A、S)、及び273(A、S)を含み、ここで、LG12変異体のアミノ酸位置は、配列番号3に示すLG12sprCプロテアーゼのアミノ酸配列に対応させて付番される。
本発明のいくつかの実施形態では、本発明のLG12−系統群酵素は、親と比較して有益な変異を有し、この効果は、下表に掲載する通りの、次の:Kirkland Ultra HDD(pH10.6)又はOMO Color HDD(pH10.6)において、HDD PI値が1.01以上である;OMO Klein & Krachtig HDL(pH8.2)において、HDL(pH8)PI値が1.01以上である;Blue Moon pH6.5において、HDL(pH6)PI値が1.01以上である;洗剤及び緩衝剤、51℃のOMO Klein & Krachtig HDL(pH8.2)又は52℃のLAS−EDTA緩衝剤において、洗濯安定性のPI値が1.01以上である;洗剤、GSM−B、GSM−B pH9、GSM−C、Sun All in One、又はFinish Quantum tabletにおいて、ADW PI値が1.01以上である;洗剤及び緩衝剤、68.5℃のGSM−B、62℃のGSM−C、51℃のTris EDTA緩衝液、72.5℃のTris−カルシウム緩衝液において、ADW安定性のPI値が1.01以上である;のうちのいずれか1つ以上であり得る。それぞれに分類する基準には、効果の1つ以上について、PIが1.01を超え、かつ発現についてPIが0.75を超えるというものが含まれる。
本発明のいくつかの実施形態では、洗濯安定性に効果的な変異を有する本発明のLG12−系統群の酵素は、A029T、I030A、I030V、A040D、A040E、A040H、A040K、A040L、A040N、A040R、A040T、A040V、A040W、A040Y、S101R、T103D、T103E、T103G、T103K、T103R、S052D、S052F、S052N、S052R、N183E、V093T、L031T、N117E、N117F、N117S、N117T、M124S、L126D、L126G、L126I、L126K、L126Q、N123D、S125G、S129A、S129D、S129K、S129Q、S130E、S130F、S130H、S130L、S130N、S130Q、S130T、S130V、S130W、S130Y、G131D、G131E、G131R、Q137E、S099K、G102E、G102F、G102Y、I107H、I107Q、N120E、V121G、S182D、S182E、T003E、T003I、T003V、A224P、A224S、K015V、P225G、T185Q、K027E、K027L、K027M、K027S、K027T、N043A、N043D、N043E、N043F、N043L、N043W、Q136D、Q136H、Q136R、Q136W、N163D、E248C、E248D、A019M、T022D、T022E、R145N、R145T、R145W、S158D、L090P、G100A、G100E、G100F、I147A、I147H、I147S、V148N、V148S、Q245M、Q245T、Q245V、I246N、N243G、S024H、S024T、S024V、K045D、K045E、K045F、K045L、K045Q、K045R、K045S、K045W、Q275E、Q275N、A048D、A048E、A048G、A048H、A048Q、A048Y、T078A、T078D、T078E、T078F、T078G、T078H、T078K、T078L、T078S、T078W、N087S、Y091H、Y091N、M241Q、M241S、M241W、V244Y、N252E、K265D、K265S、S272M、S272Q、N038A、N038D、N038E、N038T、K251A、K251C、K251F、K251M、K251N、K251R、K251S、K251T、K251V、F050Q、F050R、F050Y、V051I、N076D、N076S、T079L、T079Q、L075G、G166A、G166C、G166D、G166E、G166F、G166H、G166L、G166M、G166N、G166Q、G166S、G166T、G166Y、G053D、G053E、G053Q、G053R、Y143D、Y143E、S181A、S181H、S181N、S181Q、G154F、G154H、G154I、G154K、G154T、S194K、S194P、S194R、K237A、K237N、A215D、A215E、Y171G、Y171Q、K012G、V072A、V072T、S156A、S156D、S156H、S156K、S156M、S156N、S156Q、T255D、N256D、N256E、N256P、N256W、F262E、G106E、T133D、T133F、T133M、T133N、T133V、N161D、N161E、R170K、R170L、A108C、A108I、S114G、S114T、G118D、G118E、G118Q、G118S、G118T、G146N、A138E、A138S、N140D、V149A、V149E、V149G、V149L、V149N、V149Q、V149S、I150A、I150N、I150S、I150T、I150V、A152P、A152V、S216I、S216T、A228S、P239A、P239C、P239D、P239E、P239F、P239G、P239H、P239M、P239N、P239T、P239W、F217R、T220G、S159D、S159E、S159N、S159Q、G128N、T209F、T209V、T209W、T209Y、A236C、A236D、A236E、A236N、A236Q、A236S、S240P、S240Q、T242E、S173D、P009A、P009I、P009M、P009Q、P009S、P009T、P009V、L096E、L096H、L096I、L096R、L096Y、S116E、V081M、K235D、K235E、K235F、K235G、V267F、V267I、V267R、V267S、V267T、V267Y、M222A、M222H、及びM222Qからなる群から選択される置換を含む。
本発明のいくつかの実施形態では、HDL(pH6)での洗濯性能に効果的な変異を有する本発明のLG12−系統群の酵素は、I030A、A040E、A040L、A040T、A040Y、T103D、T103E、S052D、S052F、S052N、N183E、L031T、N117E、N117F、M124S、N123D、S129D、S130E、Q137E、G102E、I107Q、N120E、V121G、S182D、S182E、T003E、A224S、K015V、K027E、K027L、K027M、K027S、K027T、N043A、N043D、N043E、N043F、N043W、Q136D、N163D、T022D、T022E、R145N、R145T、R145W、S158D、L090P、G100A、G100E、I147A、I147H、I147S、V148S、Q245T、Q245V、I246N、S024T、S024V、K045D、K045E、K045F、K045L、K045Q、K045R、K045S、K045W、Q275E、Q275N、A048D、A048E、A048Q、T078D、T078E、T078F、T078L、T078W、N087S、Y091H、M241S、M241W、K265D、K265S、S272M、N038A、N038D、N038E、N038T、K251A、K251C、K251F、K251M、K251N、K251R、K251S、K251T、K251V、F050Q、T079L、G166D、G166E、G166H、G166N、G166Y、G053D、G053E、Y143D、Y143E、S181H、K237A、K237N、A215D、A215E、K012G、V072T、S156D、S156H、S156N、S156Q、T255D、N256D、N256E、F262E、G106E、T133D、N161D、N161E、R170L、A108C、S114G、S114T、G118D、G118E、G118Q、G118S、G118T、G146N、A138E、A138S、N140D、V149A、V149E、V149G、V149L、V149N、I150A、I150N、I150T、I150V、S216I、S216T、A228S、P239C、P239D、P239E、P239F、P239H、P239M、P239N、P239T、P239W、S159D、S159E、S159N、T209F、T209V、A236D、A236E、A236N、A236Q、A236S、T242E、S173D、P009A、P009I、P009M、P009Q、P009S、P009T、P009V、L096E、K235D、K235E、及びV267Sからなる群から選択される置換を含む。
本発明のいくつかの実施形態では、HDL(pH8)での洗濯性能に効果的な変異を有する本発明のLG12−系統群の酵素は、A029G、A029T、T033N、T033V、A040D、A040E、G065A、A069G、K094A、K094D、K094E、K094H、K094L、K094M、K094N、K094S、K094T、V095A、V095S、G110S、I111M、Y086D、Y086E、Y086I、Y086P、Y086S、Y086T、S101A、T103A、T103D、T103E、T103N、L104I、L104T、S052D、S052F、S052G、S052H、S052L、L058V、N183E、G083A、V084E、V093I、L031A、L031E、L031N、L031Q、G034A、G034E、A037D、A037E、A037F、A037H、A037L、A037M、A037N、A037Q、A037T、A037W、V068D、V068Q、M124S、L126Q、M119A、M119F、M119H、M119I、M119L、N123A、N123D、N123E、N123G、N123H、N123I、N123Q、A187D、A187H、N062A、N062K、N062L、N062P、S129D、S130E、S130P、Q137E、N144M、S097G、S097H、S097I、S097L、S097M、S097Y、G102E、I107Q、N120P、S182D、S182E、A001G、A001H、A001L、T003E、V004E、D014E、E197D、L206Y、I011A、I011S、I011T、A013S、K015H、K015M、K015N、K015P、K015Q、K015S、K015T、K015V、K015Y、T185M、T185Q、P005D、P005T、K027D、K027E、K027G、K027L、K027M、K027N、K027Q、K027T、K027Y、N043D、N043E、S049A、S049D、S049E、S049G、S049H、S049I、S049K、S049N、S049Q、S049T、S049V、S049W、Q136D、N163D、N163E、G211D、G211Q、G211T、W006A、W006D、W006H、W006L、W006M、W006N、W006P、W006Q、W006S、A019K、A019W、T022G、T022L、G061E、R145N、R145T、R145W、S158D、S158H、S158Q、L090E、L090G、L090N、L090Q、G100A、G100E、I147H、I147M、I147S、V148A、V148D、V148E、V148F、V148G、V148L、V148Q、T164D、T164E、N184A、N184H、F189A、F189D、F189E、F189I、F189L、F189S、F189V、Q245M、Q245N、Q245P、Q245T、Q245V、I246A、I246C、L274D、L274E、L274G、N243D、H017I、V021D、L257C、L257G、L257I、S024G、K045E、K045L、K045W、Q275L、Q275T、A048D、A048E、A048G、A048H、A048L、E054F、E054G、E054H、E054I、E054L、E054M、E054N、E054P、E054R、E054T、E054V、E054W、A073I、T078D、T078E、T078F、T078G、T078H、T078W、N087F、N087H、N087P、N087Q、N087S、A088D、A088G、A088N、A088P、A088Q、D089F、D089K、D089L、Y091T、Y091V、Y091W、G020E、G020H、G020L、G020V、G020Y、G046E、G046L、G046M、N252E、N252F、N252I、N252L、N252Q、N252S、F261Y、K265D、K265V、S272F、S272M、S272Q、S272V、N056A、N056E、N056H、N056I、N056L、N056M、N056Q、N056S、N056V、A074G、N077D、N077G、N077P、T208A、A231F、A231L、A018F、A018K、A018L、A018N、A018P、A018Q、A018S、A018T、A018V、A018W、A018Y、N038D、N038E、N038H、N038I、N038K、N038P、N038Q、N038T、N038Y、K251A、K251C、K251F、K251M、K251N、K251R、K251S、K251T、K251V、E271A、E271D、E271F、E271M、E271W、F050I、F050S、F050Y、V051D、V051E、V051F、V051G、V051K、V051L、V051M、V051N、V051P、V051Q、V051R、V051T、V051W、V051Y、A057C、A057D、A057E、A057I、A057K、A057L、A057M、A057N、A057Q、A057R、A057S、A057T、A057V、A057Y、L075A、L075D、L075F、L075N、L075Q、L075S、L075T、L075V、L075W、G166A、G166C、G166D、G166E、G166H、G166L、G166M、G166N、G166Q、G166S、I175A、I175F、I175Q、I175S、I175T、I175V、G053A、G053D、G053E、G053I、G053L、G053P、P055A、P055G、P055M、P055W、P055Y、S194G、A232H、A232I、A232N、A232Q、A232S、A232T、I234M、I234N、I234S、I234T、I234V、I234W、K237A、K237D、K237F、K237L、K237M、K237N、K237T、K237V、K237W、A215D、A215E、A215M、V203A、V203D、V203E、V203G、V203I、V203L、L233G、L233H、L233N、L233T、L250I、K012D、K012E、K012G、K012H、K012L、K012M、K012T、K012Y、V072A、V072D、V072E、V072F、V072G、V072I、V072T、Y167D、Y167E、Y167F、Y167P、S156D、S156N、S172N、Y238A、Y238C、Y238E、Y238F、Y238G、Y238S、Y238W、T255L、N256D、N256E、I035A、I035F、I035G、I035L、I035M、I035T、V227F、V227S、V227Y、F262E、F262I、G106E、G106T、T133D、N161D、N161E、N161F、N161S、N161W、N161Y、R170I、R170L、R170M、A108C、A108I、S114T、G118D、G118E、G118Q、G118S、G118T、G146H、G146N、G146Q、D060E、D060N、D060S、W113F、A138E、N140D、N140G、V149D、V149F、V149G、V149L、I150A、N212I、N212L、N212Q、N212W、S216D、A228G、P239C、P239G、P239H、P239L、P239N、Q002E、Q002S、F217D、F217E、F217I、F217T、H226D、H226E、H226L、H226Q、H226T、A230F、A230H、A230I、A230M、A230Q、Q059I、A016H、A016W、P210D、P210E、P210W、S159D、S159E、S159N、G063D、G063E、G063L、G063M、G063N、G063S、G063T、G063V、A098F、A098S、I122L、V198A、V198C、V198F、V198T、T209M、T209Q、T209V、N213D、N213E、A236C、A236D、A236E、A236F、A236L、S240F、S240P、T242E、T242Q、P260C、G258D、N141G、S173D、Y214M、P009A、P009G、P009I、P009T、H010L、L096E、L096H、L096I、S116E、S116F、G025A、G025F、V081P、H039G、H039T、K235D、K235E、V267L、V267N、A151H、G160F、G160H、G160M、G160V、M222L、及びM222Yからなる群から選択される置換を含む。
本発明のいくつかの実施形態では、HDDでの洗濯性能に効果的な変異を有する本発明のLG12−系統群の酵素は、A029G、A029S、A029T、I030S、I030V、I030Y、T033N、T033V、A040D、A040E、A040G、A040H、A040K、A040L、A040N、A040P、A040Y、G065A、T066S、H067A、H067E、H067F、H067G、H067K、H067L、H067M、H067N、H067P、H067Q、H067S、H067T、H067V、H067Y、A069G、K094A、K094D、K094E、K094H、K094L、K094M、K094N、K094S、K094T、V095A、V095S、V095T、G110S、I111M、I111V、Y086D、Y086E、Y086I、Y086K、Y086M、Y086P、Y086Q、Y086T、Y086W、S101A、S101M、S101T、S101V、T103A、T103D、T103E、T103G、T103L、T103N、T103S、T103Y、L104I、S052D、S052F、S052G、S052H、S052L、S052M、S052N、S052Q、S052T、S052V、L058A、L058D、L058H、L058I、L058R、L058T、L058V、N183E、N183I、N183M、N183P、N183Y、G083A、G083S、V084L、V084S、V084T、A085I、A085S、V093G、V093I、V093M、V093T、L031A、L031E、L031N、L031Q、L031T、G034A、G034E、A037D、A037E、A037F、A037H、A037L、A037M、A037N、A037Q、A037R、A037S、A037T、A037W、V068D、V068I、V068M、V068Q、N117E、N117F、N117K、N117M、N117S、N117T、N117Y、M124S、L126G、L126I、L126Q、M119A、M119F、M119H、M119L、M119Q、M119S、M119T、N123A、N123D、N123E、N123G、N123H、N123I、N123Q、A187D、A187F、A187G、A187H、A187N、A187P、A187W、N062A、N062K、N062L、N062P、N062W、S129A、S129D、S129G、S129Q、S129T、S129Y、S130E、S130L、S130N、S130P、S130Q、S130T、G131D、G131P、G131Q、G131S、S132A、Q137E、Q137H、Q137I、Q137T、N144H、N144V、N144Y、A153S、S097G、S097H、S097I、S097K、S097L、S097M、S097N、S097Y、S099I、S099L、S099V、G102E、I107Q、N120G、N120P、N120T、V121A、V121F、V121G、V121S、V177I、V177T、A179G、S182A、S182D、S182E、S182F、S182L、S182M、S182N、S182W、A001G、A001K、A001L、A001R、T003E、T003H、T003I、T003V、T003Y、V004E、V004F、V004G、V004H、V004P、V004S、V004Y、D014E、D014F、D014G、D014H、D014T、D014Y、E197D、I205A、I205C、I205M、I205N、L206F、L206K、L206M、L206N、L206R、L206S、L206V、L206W、L206Y、A224S、I011A、I011M、I011T、I011V、A013S、K015H、K015M、K015N、K015P、K015Q、K015S、K015T、K015V、K015Y、A092V、T185F、T185G、T185H、T185M、T185Q、P005D、P005I、P005M、P005S、P005T、P005V、G007Y、K027D、K027E、K027G、K027H、K027L、K027M、K027N、K027P、K027Q、K027R、K027S、K027T、K027Y、N043A、N043D、N043E、N043F、N043G、N043H、N043I、N043K、N043L、N043M、N043Q、N043S、N043V、N043W、S049A、S049D、S049E、S049G、S049H、S049I、S049K、S049N、S049Q、S049R、S049T、S049V、S049W、Q136D、Q136G、Q136H、Q136L、Q136N、Q136V、N163D、N163E、N204L、G211H、G211K、G211Q、G211T、E248A、E248H、I008A、I008G、I008H、I008N、I008P、I008T、I008V、I008Y、V028E、V028F、V028H、V028I、V028L、V028M、V028N、V028Q、V028S、V028T、L042I、L042M、L042N、L042Q、L042T、L042V、W006A、W006D、W006H、W006K、W006L、W006M、W006N、W006P、W006Q、W006S、W006Y、A019F、A019K、A019L、A019M、A019R、A019W、A019Y、T022E、T022G、T022I、T022L、T022M、T022Q、T022R、T022S、T022V、T022W、V026E、V026F、V026H、V026L、V026N、V026Q、V026R、V026S、G061A、G061E、G061I、G061M、G061P、G061S、G061T、G061Y、R145N、R145T、S158D、S158G、S158H、S158M、S158N、S158Q、S158T、S158V、L090E、L090F、L090G、L090N、L090P、L090Q、L090R、L090Y、G100A、G100E、I147A、I147H、I147M、I147S、V148D、V148E、V148G、V148L、V148M、V148Q、V148S、N184A、N184S、F189A、F189D、F189E、F189G、F189H、F189I、F189K、F189L、F189M、F189N、F189P、F189Q、F189S、F189T、F189V、P201L、P201S、P201T、Q245A、Q245F、Q245M、Q245N、Q245P、Q245R、Q245S、Q245T、Q245W、Q245Y、I246A、I246F、I246M、I246V、L274F、L274M、L274Y、N243D、N243K、N243L、N243P、N243R、T253F、T253G、T253K、T253N、A254G、A254T、H017I、H017L、H017P、H017S、H017T、H017V、V021D、V021F、V021G、V021H、V021K、V021M、V021R、L257A、L257C、L257G、L257H、L257I、L257M、L257P、L257Q、L257V、V270I、V270L、V270M、V270Q、V270T、V270W、V270Y、S024G、S024H、S024I、S024P、S024R、S024T、S024V、K045D、K045L、K045Q、K045R、K045S、K045W、Q275K、Q275L、Q275N、Q275R、Q275W、Q275Y、A048D、A048E、A048G、A048H、A048I、A048K、A048L、A048N、A048Q、A048W、E054D、E054F、E054G、E054H、E054I、E054K、E054L、E054M、E054N、E054P、E054R、E054S、E054T、E054V、E054W、A073G、A073I、A073K、A073L、A073T、A073V、T078A、T078F、T078H、T078I、T078L、T078R、T078V、T078W、N087F、N087H、N087P、N087Q、N087S、A088D、A088G、A088N、A088P、A088Q、D089F、D089K、D089L、D089R、D089T、D089W、Y091H、Y091I、Y091M、Y091N、Y091V、Y091W、G020E、G020H、G020L、G020N、G020Q、G020T、G020V、G020Y、M241H、M241I、M241Q、M241S、V244L、V244Q、N252F、N252I、N252L、N252Q、N252R、N252S、F261Y、K265S、K265V、S272F、S272H、S272K、S272M、S272N、S272P、S272Q、S272T、S272V、N056A、N056E、N056I、N056L、N056M、N056P、N056Q、N056S、N056V、A074G、A074S、N077G、L135I、L196M、T208A、T208I、T208L、T208N、T208V、A231G、A231L、A231S、A231Y、R249K、R249W、A018F、A018K、A018L、A018N、A018S、A018T、A018W、A018Y、N038A、N038D、N038E、N038I、N038K、N038P、N038T、N038Y、K251A、K251C、K251F、K251M、K251N、K251R、K251S、K251T、K251V、E271A、E271D、E271F、E271L、E271M、E271Q、E271W、E271Y、F050A、F050I、F050K、F050Q、F050S、F050W、F050Y、V051A、V051D、V051E、V051F、V051G、V051H、V051I、V051K、V051L、V051M、V051N、V051P、V051Q、V051R、V051T、V051W、V051Y、N076D、N076E、N076I、N076K、N076Q、N076R、N076S、N076T、N076Y、T079K、T079L、T079Q、A057C、A057D、A057E、A057I、A057K、A057L、A057M、A057N、A057P、A057Q、A057R、A057S、A057T、A057V、A057Y、L075A、L075D、L075E、L075F、L075G、L075H、L075I、L075K、L075N、L075Q、L075R、L075S、L075T、L075V、L075W、G166A、G166C、G166D、G166E、G166F、G166H、G166I、G166M、G166N、G166Q、G166S、G166Y、I175A、I175F、I175Q、I175S、I175T、I175V、G053A、G053D、G053E、G053I、G053L、G053N、G053P、G053Q、P055A、P055G、P055K、P055M、P055N、P055R、P055S、P055W、P055Y、Y143E、Y143L、Y143M、Y143N、Y143Q、Y143T、Y143V、S181A、T071A、T071G、T071M、T071N、T071P、T071S、T071V、S194G、S194I、S194M、S194V、A232H、A232I、A232L、A232M、A232N、A232Q、A232S、A232T、I234A、I234F、I234M、I234N、I234Q、I234S、I234V、I234W、I234Y、K237F、K237G、K237I、K237L、K237M、K237N、K237Q、K237R、K237S、K237T、K237V、K237W、A215D、A215E、A215F、A215G、A215H、A215K、A215L、A215M、A215N、A215Y、A16
9S、V203A、V203D、V203E、V203G、V203L、V203T、L233A、L233D、L233G、L233H、L233M、L233T、L250I、L250T、K012D、K012E、K012G、K012H、K012L、K012M、K012R、K012T、K012Y、D036A、D036E、D036W、V072A、V072D、V072E、V072F、V072K、V072P、V072Q、V072T、Y167A、Y167D、Y167E、Y167F、V180A、V180N、V180S、V180T、G080F、G080M、G080Y、S156A、S156D、S156H、S156I、S156L、S156M、S156N、S156Q、S156V、S172H、S172I、S172L、S172M、S172N、S172T、S172V、S172Y、S188G、S188H、S188T、S188Y、Y238A、Y238C、Y238D、Y238F、Y238G、Y238I、Y238K、Y238L、Y238M、Y238Q、Y238T、Y238V、Y238W、T255A、T255D、T255F、T255G、T255H、T255I、T255K、T255L、T255M、T255N、T255Q、T255S、T255W、T255Y、N256D、N256E、N256K、N256L、N256M、N256P、N256Q、N256R、N256V、N256W、I035A、I035F、I035G、I035L、I035M、I035T、V227F、V227S、V227T、V227Y、F262E、F262S、G106E、G106I、G106N、G106S、T133A、T133D、T133F、T133L、T133M、T133N、T133Q、T133V、N161D、N161E、N161F、N161M、N161Q、N161W、N161Y、R170K、R170L、R170M、A108C、A108I、A108L、S114G、S114T、G118E、G118H、G118Q、G118R、G118S、G118T、G118Y、G146Q、G146R、D060A、D060E、D060F、D060H、D060K、D060L、D060M、D060N、D060P、D060Q、D060S、D060T、D060V、D060Y、W113F、W113H、W113Y、A138E、A138S、N140D、N140F、N140G、N140I、N140L、N140M、N140Q、N140T、N140V、N140W、N140Y、V149A、V149D、V149E、V149F、V149G、V149H、V149I、V149L、V149N、V149P、V149Q、V149S、V149T、I150A、I150M、I150N、I150T、I150V、N212F、N212G、N212L、N212P、N212W、S216A、A228S、P239F、P239I、P239K、P239T、P239V、P239W、Q002E、Q002K、Q002P、Q002S、Q002W、Q002Y、S207T、S207V、F217D、F217E、F217H、F217I、F217R、F217T、F217V、H226D、H226E、H226F、H226G、H226L、H226Q、H226T、A230D、A230F、A230H、A230M、A230Q、A230Y、Q059I、Q059N、A016E、A016G、A016H、A016I、A016K、A016L、A016Q、A016T、A016W、G023A、A200S、P210D、P210E、P210F、P210I、P210L、P210Q、P210S、P210T、P210V、P210W、S159D、S159E、S159N、S159Q、S159T、G063A、G063D、G063E、G063F、G063H、G063L、G063M、G063N、G063P、G063R、G063S、G063T、G063V、G063W、G063Y、A098H、A098L、A098M、A098P、A098Q、A098S、A098T、A098V、Q109K、I122L、I122M、G128N、V198A、V198C、V198F、T209E、T209M、T209Q、T209R、T209S、T209V、T209W、N213A、N213D、N213E、N213F、N213G、N213M、A236C、A236F、A236G、A236L、A236N、A236Q、A236V、S240F、S240I、S240M、S240P、S240Q、S240V、S240W、T242A、T242E、T242G、T242H、T242I、T242K、T242L、T242P、T242Q、T242S、T242V、T242Y、P260C、P260I、P260L、P260M、P260N、P260S、P260V、G258D、Y263T、Y263W、N141G、N141T、S173A、S173D、S173N、S173T、Y214F、Y214G、Y214I、Y214M、Y214N、P009A、P009G、P009H、P009M、P009Q、P009R、P009T、P009V、H010A、H010L、L096H、L096I、S116F、S116M、G025A、V044A、V044I、V081G、V081L、V081M、V081P、V081Y、N269K、N269T、N269V、H039G、H039S、H039T、K235A、K235D、K235E、V267A、V267E、V267F、V267G、V267I、V267K、V267L、V267N、V267S、V267T、V267Y、A151H、A151I、A151Q、A151S、A151T、G160F、G160H、G160M、G160V、M222E、M222H、M222L、及びM222Yからなる群から選択される置換を含む。
本発明のいくつかの実施形態では、洗濯安定性及びHDL(pH6)での洗濯性能に効果的な変異を有する本発明のLG12−系統群の酵素は、I030A、A040E、A040L、A040T、A040Y、T103D、T103E、S052D、S052F、S052N、N183E、L031T、N117E、N117F、M124S、N123D、S129D、S130E、Q137E、G102E、I107Q、N120E、V121G、S182D、S182E、T003E、A224S、K015V、K027E、K027L、K027M、K027S、K027T、N043A、N043D、N043E、N043F、N043W、Q136D、N163D、T022D、T022E、R145N、R145T、R145W、S158D、L090P、G100A、G100E、I147A、I147H、I147S、V148S、Q245T、Q245V、I246N、S024T、S024V、K045D、K045E、K045F、K045L、K045Q、K045R、K045S、K045W、Q275E、Q275N、A048D、A048E、A048Q、T078D、T078E、T078F、T078L、T078W、N087S、Y091H、M241S、M241W、K265D、K265S、S272M、N038A、N038D、N038E、N038T、K251A、K251C、K251F、K251M、K251N、K251R、K251S、K251T、K251V、F050Q、T079L、G166D、G166E、G166H、G166N、G166Y、G053D、G053E、Y143D、Y143E、S181H、K237A、K237N、A215D、A215E、K012G、V072T、S156D、S156H、S156N、S156Q、T255D、N256D、N256E、F262E、G106E、T133D、N161D、N161E、R170L、A108C、S114G、S114T、G118D、G118E、G118Q、G118S、G118T、G146N、A138E、A138S、N140D、V149A、V149E、V149G、V149L、V149N、I150A、I150N、I150T、I150V、S216I、S216T、A228S、P239C、P239D、P239E、P239F、P239H、P239M、P239N、P239T、P239W、S159D、S159E、S159N、T209F、T209V、A236D、A236E、A236N、A236Q、A236S、T242E、S173D、P009A、P009I、P009M、P009Q、P009S、P009T、P009V、L096E、K235D、K235E、V267S、及びM222Qからなる群から選択される置換を含む。
本発明のいくつかの実施形態では、洗濯安定性及びHDL(pH8)での洗濯性能に効果的な変異を有する本発明のLG12−系統群の酵素は、A029T、A040D、A040E、T103D、T103E、S052D、S052F、N183E、M124S、L126Q、N123D、S129D、S130E、Q137E、G102E、I107Q、S182D、S182E、T003E、K015V、T185Q、K027E、K027L、K027M、K027T、N043D、N043E、Q136D、N163D、R145N、R145T、R145W、S158D、G100A、G100E、I147H、I147S、Q245M、Q245T、Q245V、K045E、K045L、K045W、A048D、A048E、A048G、A048H、T078D、T078E、T078F、T078G、T078H、T078W、N087S、N252E、K265D、S272M、S272Q、N038D、N038E、N038T、K251A、K251C、K251F、K251M、K251N、K251R、K251S、K251T、K251V、F050Y、G166A、G166C、G166D、G166E、G166H、G166L、G166M、G166N、G166Q、G166S、G053D、G053E、K237A、K237N、A215D、A215E、K012G、V072A、V072T、S156D、S156N、N256D、N256E、F262E、G106E、T133D、N161D、N161E、R170L、A108C、A108I、S114T、G118D、G118E、G118Q、G118S、G118T、G146N、A138E、N140D、V149G、V149L、I150A、P239C、P239G、P239H、P239N、S159D、S159E、S159N、T209V、A236C、A236D、A236E、S240P、T242E、S173D、P009A、P009I、P009T、L096E、L096H、L096I、S116E、K235D、及びK235Eからなる群から選択される置換を含む。
本発明のいくつかの実施形態では、洗濯安定性及びHDDでの洗濯性能に効果的な変異を有する本発明のLG12−系統群の酵素は、A029T、I030V、A040D、A040E、A040H、A040K、A040L、A040N、A040Y、T103D、T103E、T103G、S052D、S052F、S052N、N183E、V093T、L031T、N117E、N117F、N117S、N117T、M124S、L126G、L126I、L126Q、N123D、S129A、S129D、S129Q、S130E、S130L、S130N、S130Q、S130T、G131D、Q137E、G102E、I107Q、V121G、S182D、S182E、T003E、T003I、T003V、A224S、K015V、T185Q、K027E、K027L、K027M、K027S、K027T、N043A、N043D、N043E、N043F、N043L、N043W、Q136D、Q136H、N163D、A019M、T022E、R145N、R145T、S158D、L090P、G100A、G100E、I147A、I147H、I147S、V148S、Q245M、Q245T、S024H、S024T、S024V、K045D、K045L、K045Q、K045R、K045S、K045W、Q275N、A048D、A048E、A048G、A048H、A048Q、T078A、T078F、T078H、T078L、T078W、N087S、Y091H、Y091N、M241Q、M241S、K265S、S272M、S272Q、N038A、N038D、N038E、N038T、K251A、K251C、K251F、K251M、K251N、K251R、K251S、K251T、K251V、F050Q、F050Y、V051I、N076D、N076S、T079L、T079Q、L075G、G166A、G166C、G166D、G166E、G166F、G166H、G166M、G166N、G166Q、G166S、G166Y、G053D、G053E、G053Q、Y143E、S181A、K237N、A215D、A215E、K012G、V072A、V072T、S156A、S156D、S156H、S156M、S156N、S156Q、T255D、N256D、N256E、N256P、N256W、F262E、G106E、T133D、T133F、T133M、T133N、T133V、N161D、N161E、R170K、R170L、A108C、A108I、S114G、S114T、G118E、G118Q、G118S、G118T、A138E、A138S、N140D、V149A、V149E、V149G、V149L、V149N、V149Q、V149S、I150A、I150N、I150T、I150V、A228S、P239F、P239T、P239W、F217R、S159D、S159E、S159N、S159Q、G128N、T209V、T209W、A236C、A236N、A236Q、S240P、S240Q、T242E、S173D、P009A、P009M、P009Q、P009T、P009V、L096H、L096I、V081M、K235D、K235E、V267F、V267I、V267S、V267T、V267Y、及びM222Hからなる群から選択される置換を含む。
本発明のいくつかの実施形態では、洗濯安定性並びにHDL(pH8)及びHDDでの洗濯に効果的な変異を有する本発明のLG12−系統群の酵素は、A029T、A040D、A040E、T103D、T103E、S052D、S052F、N183E、M124S、L126Q、N123D、S129D、S130E、Q137E、G102E、I107Q、S182D、S182E、T003E、K015V、T185Q、K027E、K027L、K027M、K027T、N043D、N043E、Q136D、N163D、R145N、R145T、S158D、G100A、G100E、I147H、I147S、Q245M、Q245T、K045L、K045W、A048D、A048E、A048G、A048H、T078F、T078H、T078W、N087S、S272M、S272Q、N038D、N038E、N038T、K251A、K251C、K251F、K251M、K251N、K251R、K251S、K251T、K251V、F050Y、G166A、G166C、G166D、G166E、G166H、G166M、G166N、G166Q、G166S、G053D、G053E、K237N、A215D、A215E、K012G、V072A、V072T、S156D、S156N、N256D、N256E、F262E、G106E、T133D、N161D、N161E、R170L、A108C、A108I、S114T、G118E、G118Q、G118S、G118T、A138E、N140D、V149G、V149L、I150A、S159D、S159E、S159N、T209V、A236C、S240P、T242E、S173D、P009A、P009T、L096H、L096I、K235D、及びK235Eからなる群から選択される置換を含む。
本発明のいくつかの実施形態では、洗濯安定性、並びにHDDでの洗濯及びHDL(pH6)での洗濯及びHDL(pH8)での洗濯に効果的な変異を有する本発明のLG12−系統群の酵素は、A040E、T103D、T103E、S052D、S052F、N183E、M124S、N123D、S129D、S130E、Q137E、G102E、I107Q、S182D、S182E、T003E、K015V、K027E、K027L、K027M、K027T、N043D、N043E、Q136D、N163D、R145N、R145T、S158D、G100A、G100E、I147H、I147S、Q245T、K045L、K045W、A048D、A048E、T078F、T078W、N087S、S272M、N038D、N038E、N038T、K251A、K251C、K251F、K251M、K251N、K251R、K251S、K251T、K251V、G166D、G166E、G166H、G166N、G053D、G053E、K237N、A215D、A215E、K012G、V072T、S156D、S156N、N256D、N256E、F262E、G106E、T133D、N161D、N161E、R170L、A108C、S114T、G118E、G118Q、G118S、G118T、A138E、N140D、V149G、V149L、I150A、S159D、S159E、S159N、T209V、T242E、S173D、P009A、P009T、K235D、及びK235Eからなる群から選択される置換を含む。
本発明のいくつかの実施形態では、ADW安定性に効果的な変異を有する本発明のLG12−系統群の酵素は、A001G、A001K、A001R、Q002F、Q002K、Q002P、Q002R、Q002S、Q002W、T003G、T003I、T003V、T003Y、G007N、P009A、P009G、P009H、P009I、P009M、P009Q、P009R、P009S、P009T、P009V、A018N、A019M、T022E、S024H、S024R、S024T、S024V、G025A、G025H、V026N、K027P、K027R、K027S、K027T、A029S、I030V、T033E、N038A、N038Q、N038T、A040D、A040E、A040H、A040K、A040L、A040N、A040R、A040T、A040V、N043A、N043D、N043E、N043F、N043H、N043K、N043L、N043M、N043S、K045D、K045Q、K045R、K045S、A048E、A048H、A048N、A048Q、A048W、F050A、F050Q、F050R、F050S、V051I、S052D、S052M、S052N、S052Q、G053D、G053E、G053N、G053Q、P055N、A057P、Q059I、H067A、H067G、H067P、V072A、V072G、V072T、A073G、L075F、L075G、L075R、N076Q、N076S、N077T、T078A、T078D、T078E、T078F、T078G、T078H、T078K、T078L、T078R、T078S、T078V、T079K、T079L、T079Q、G080M、V081M、Y086P、N087H、D089F、L090P、Y091I、Y091M、Y091V、L096E、L096N、S097N、A098N、A098Q、A098S、G100A、G100E、S101M、S101T、G102F、G102Y、T103D、T103E、T103G、T103S、G106E、G106N、G106T、I107Q、I107V、W113H、S114G、S114T、S116E、S116F、S116M、N117S、N117T、G118D、G118E、G118H、G118Q、G118R、G118S、G118T、G118Y、M119Q、V121A、V121G、L126G、L126I、L126K、G128N、S129D、S130E、S130H、S130N、S130Q、S130T、S130V、G131H、T133A、T133D、T133F、T133L、T133V、Q136H、Q137E、Q137T、A138S、N140D、N144H、N144Y、R145W、G146N、G146R、I147A、I147H、I147S、V149A、V149E、V149G、V149L、V149N、V149P、V149Q、V149S、I150N、I150V、A151H、A152P、A152V、S156A、S156H、S156K、S156M、S156N、S156Q、S158V、S159D、S159E、S159N、S159Q、N161M、N161R、M165V、G166A、G166D、G166E、G166F、G166H、G166I、G166L、G166M、G166N、G166Q、G166S、G166T、G166Y、S181A、S181H、S181N、S182A、S182E、S182M、S182R、T185M、T185Q、T185R、A187W、S188H、S194P、T209F、T209V、T209W、T209Y、N213K、S216F、S216I、S216T、F217R、M222L、A224S、A228S、I234V、A236C、A236D、A236E、A236N、A236Q、A236S、K237A、Y238F、P239A、P239E、P239F、P239G、P239H、P239K、P239N、P239R、P239S、P239W、S240F、S240M、S240P、M241W、T242S、N243G、V244F、Q245A、Q245N、Q245S、Q245T、I246N、L250I、L250M、K251R、N252E、T255I、N256E、N256K、N256P、N256Q、N256R、N256W、K265S、V267F、V267K、V267N、V267S、V267T、V267Y、E271W、S272F、S272K、S272N、S272Q、及びQ275Eからなる群から選択される置換を含む。
本発明のいくつかの実施形態では、ADW性能に効果的な変異を有する本発明のLG12−系統群の酵素は、A001G、A001H、A001K、A001R、Q002F、Q002K、Q002P、Q002R、Q002S、Q002W、Q002Y、T003E、T003G、T003H、T003I、T003V、T003Y、G007N、P009A、P009G、P009H、P009I、P009M、P009Q、P009R、P009S、P009T、P009V、K012G、K012R、K015H、K015V、K015Y、A018F、A018N、A018Q、A018R、A018T、A019K、A019L、A019M、A019R、A019W、G020N、T022D、T022E、T022S、S024H、S024I、S024R、S024T、S024V、G025A、V026N、V026S、K027D、K027E、K027G、K027L、K027M、K027P、K027Q、K027R、K027S、K027T、V028E、V028T、A029S、A029T、I030A、I030E、I030V、L031Q、L031T、N038A、N038Q、N038T、A040D、A040E、A040H、A040K、A040L、A040N、A040R、A040T、A040V、A040W、A040Y、N043A、N043D、N043E、N043F、N043G、N043H、N043I、N043K、N043L、N043M、N043Q、N043S、N043W、N043Y、K045D、K045E、K045F、K045L、K045Q、K045R、K045S、K045W、G046N、A048D、A048E、A048G、A048H、A048K、A048N、A048Q、A048W、F050A、F050K、F050Q、F050R、F050S、F050Y、S052D、S052H、S052L、S052M、S052N、S052Q、S052R、S052T、S052V、G053A、G053D、G053E、G053N、G053Q、G053R、P055K、P055N、P055R、A057P、L058D、Q059I、G061E、G061M、G061Y、N062K、N062L、N062P、N062W、H067A、H067G、A069G、V072A、V072G、V072T、A073G、L075F、L075G、L075Q、L075R、L075W、N076D、N076Q、N076S、N076Y、N077T、T078A、T078D、T078E、T078F、T078G、T078H、T078I、T078K、T078L、T078R、T078S、T078V、T079K、T079L、T079Q、G080M、G080Y、V081M、G083S、A085S、Y086P、N087H、N087S、D089F、L090E、L090N、L090P、Y091H、Y091I、Y091M、Y091N、Y091T、Y091V、Y091W、V093T、L096I、L096N、S097G、S097H、S097I、S097L、S097M、S097N、A098F、A098H、A098K、A098M、A098N、A098Q、A098S、A098T、S099I、S099K、S099L、S099V、G100A、G100E、S101A、S101M、S101R、S101T、S101V、G102E、T103D、T103E、T103H、T103K、T103N、T103R、T103S、G106E、G106N、G106S、G106T、G106V、I107Q、I107T、I107V、A108C、A108I、Q109K、I111V、W113F、W113H、S114G、S114T、S116E、S116F、S116M、N117G、N117K、N117S、N117T、N117Y、G118D、G118E、G118H、G118Q、G118R、G118S、G118T、G118Y、M119A、M119F、M119H、M119I、M119L、M119Q、M119S、M119T、N120E、V121A、N123A、N123D、N123E、N123G、N123H、N123Q、G128N、S129A、S129D、S129G、S129H、S129Q、S129T、S130E、S130F、S130H、S130L、S130N、S130Q、S130T、S130V、G131A、G131D、G131H、G131P、G131R、G131S、S132A、T133A、T133D、T133F、T133L、T133M、T133N、T133Q、T133V、Q136D、Q136F、Q136H、Q136R、Q136W、Q137E、Q137H、Q137T、A138E、A138S、N140D、N140Q、N140Y、N141T、Y143E、N144H、N144M、N144V、N144W、N144Y、R145W、G146N、G146R、I147A、I147H、I147M、I147S、V148G、V148S、V149A、V149E、V149G、V149L、V149N、V149P、V149Q、V149S、I150A、I150N、I150S、I150T、I150V、A151H、A152V、A153G、A153S、S156A、S156H、S156K、S156M、S156N、S158D、S158M、S158T、S158V、S159D、S159E、S159K、S159M、S159N、S159Q、S159Y、G160F、N161D、N161E、N161K、N161M、N161R、N161S、N163D、M165V、G166A、G166D、G166E、G166F、G166H、G166I、G166L、G166M、G166N、G166Q、G166S、G166T、G166Y、R170K、R170L、S172H、I175Q、I175S、S181A、S181H、S181K、S181N、S181Q、S182A、S182D、S182E、S182H、S182I、S182M、S182R、S182Y、N183E、T185M、T185Q、T185R、A187D、A187G、A187H、A187P、A187Q、A187V、A187W、S188H、S188Y、S194F、S194K、S194P、S194R、L206Y、T209F、T209V、T209W、T209Y、N213K、A215D、A215E、S216A、S216F、S216I、S216T、F217R、M222L、A224S、A228S、I234V、K235D、K235E、A236C、A236D、A236E、A236F、A236G、A236N、A236Q、A236S、K237A、K237G、K237N、K237Q、K237R、Y238F、P239A、P239C、P239D、P239E、P239F、P239G、P239H、P239I、P239K、P239L、P239M、P239N、P239R、P239S、P239T、P239V、P239W、S240F、S240I、S240M、S240P、S240Q、S240V、S240W、M241I、M241Q、M241S、M241W、T242A、T242E、T242I、T242K、T242P、T242Q、T242S、T242V、N243G、V244F、Q245A、Q245F、Q245M、Q245N、Q245S、Q245T、Q245W、Q245Y、I246A、I246N、I246V、E248D、E248H、E248K、E248M、E248Y、L250I、L250M、K251F、K251R、N252E、N252F、T255D、T255I、N256D、N256E、N256K、N256M、N256P、N256Q、N256R、N256W、F262E、K265D、K265S、V267A、V267F、V267K、V267N、V267S、V267T、V267Y、E271A、E271F、E271H、E271K、E271W、E271Y、S272F、S272K、S272N、S272Q、Q275E、Q275G、Q275N、及びQ275Rからなる群から選択される置換を含む。
本発明のいくつかの実施形態では、ADW安定性及びADW性能に効果的な変異を有する本発明のLG12−系統群の酵素は、A001G、A001K、A001R、Q002F、Q002K、Q002P、Q002R、Q002S、Q002W、T003G、T003I、T003V、T003Y、G007N、P009A、P009G、P009H、P009I、P009M、P009Q、P009R、P009S、P009T、P009V、A018N、A019M、T022E、S024H、S024R、S024T、S024V、G025A、V026N、K027P、K027R、K027S、K027T、A029S、I030V、N038A、N038Q、N038T、A040D、A040E、A040H、A040K、A040L、A040N、A040R、A040T、A040V、N043A、N043D、N043E、N043F、N043H、N043K、N043L、N043M、N043S、K045D、K045Q、K045R、K045S、A048E、A048H、A048N、A048Q、A048W、F050A、F050Q、F050R、F050S、S052D、S052M、S052N、S052Q、G053D、G053E、G053N、G053Q、P055N、A057P、Q059I、H067A、H067G、V072A、V072G、V072T、A073G、L075F、L075G、L075R、N076Q、N076S、N077T、T078A、T078D、T078E、T078F、T078G、T078H、T078K、T078L、T078R、T078S、T078V、T079K、T079L、T079Q、G080M、V081M、Y086P、N087H、D089F、L090P、Y091I、Y091M、Y091V、L096N、S097N、A098N、A098Q、A098S、G100A、G100E、S101M、S101T、T103D、T103E、T103S、G106E、G106N、G106T、I107Q、I107V、W113H、S114G、S114T、S116E、S116F、S116M、N117S、N117T、G118D、G118E、G118H、G118Q、G118R、G118S、G118T、G118Y、M119Q、V121A、G128N、S129D、S130E、S130H、S130N、S130Q、S130T、S130V、G131H、T133A、T133D、T133F、T133L、T133V、Q136H、Q137E、Q137T、A138S、N140D、N144H、N144Y、R145W、G146N、G146R、I147A、I147H、I147S、V149A、V149E、V149G、V149L、V149N、V149P、V149Q、V149S、I150N、I150V、A151H、A152V、S156A、S156H、S156K、S156M、S156N、S158V、S159D、S159E、S159N、S159Q、N161M、N161R、M165V、G166A、G166D、G166E、G166F、G166H、G166I、G166L、G166M、G166N、G166Q、G166S、G166T、G166Y、S181A、S181H、S181N、S182A、S182E、S182M、S182R、T185M、T185Q、T185R、A187W、S188H、S194P、T209F、T209V、T209W、T209Y、N213K、S216F、S216I、S216T、F217R、M222L、A224S、A228S、I234V、A236C、A236D、A236E、A236N、A236Q、A236S、K237A、Y238F、P239A、P239E、P239F、P239G、P239H、P239K、P239N、P239R、P239S、P239W、S240F、S240M、S240P、M241W、T242S、N243G、V244F、Q245A、Q245N、Q245S、Q245T、I246N、L250I、L250M、K251R、N252E、T255I、N256E、N256K、N256P、N256Q、N256R、N256W、K265S、V267F、V267K、V267N、V267S、V267T、V267Y、E271W、S272F、S272K、S272N、S272Q、及びQ275Eからなる群から選択される置換を含む。
本発明のポリペプチド
本発明は、総じて「本発明のポリペプチド」として参照することのできる新規ポリペプチドを提供する。本発明のポリペプチドには、単離されたLG12−系統群酵素ポリペプチド、LG12−系統群酵素ポリペプチドの組換体、実質的に純粋なLG12−系統群酵素ポリペプチド、又は非天然に生じかつ新規に発見されたLG12−系統群酵素ポリペプチドを含み、例えば、酵素活性(例えば、プロテアーゼ活性)を有するLG12sprC酵素変異体ポリペプチドが挙げられる。いくつかの実施形態では、本発明のポリペプチドは、クリーニング用途に有用であり、クリーニングする必要のある物品又は表面(例えば、物品の表面)をクリーニングする方法に有用なクリーニング組成物中に組み込まれ得る。
いくつかの実施形態では、LG12−系統群の酵素変異体は、バチルス(Bacillus)属由来のLG12−系統群の親酵素の変異体であり得る。互いに高い同一性を有しかつ配列番号3で示されるLG12由来のLG12sprC成熟酵素とも高い同一性を有する、様々なLG12−系統群の酵素が、バチルス属(Bacillus)で発見されている。例えば、実施例4の表5及び6、実施例11の図4及び図8、実施例12の図9、及び実施例13の図10を参照されたい。他の実施形態では、本発明のLG12−系統群の酵素変異体は、表5又は6に掲載されるいずれかの属に由来するLG12−系統群の親酵素の変異体であってよく、あるいはバチルス(Bacillus)属、ゲオバチルス(Geobacillus)属、アリシクロバチルス(Alicyclobacillus)属、ラクトバチルス(Lactobacillus)属、エクシグオバクテリウム(Exiguobacterium)属、ブレビバチルス(Brevibacillus)属、パエニバチルス(Paenibacillus)属、ヘルペトシフォン(Herpetosiphon)属、オセアノバチルス(Oceanobacillus)属、Sシュワネラ(hewanella)属、クロストリジウム(Clostridium)属、ブドウ球菌(Staphylococcus)属、フラボバクテリウム(Flavobacterium)属、スチグマテラ(Stigmatella)属、ミクソコッカス(Myxococcus)属、ビブリオ(Vibrio)属、メタノサルシナ(Methanosarcina)属、クリセオバクテリウム(Chryseobacterium)属、ストレプトマイセス(Streptomyces)属、クリベラ(Kribbella)属、ジャニバクター(Janibacter)属、ノカルジオイデス(Nocardioides)属、ザンタモナス(Xanthamonas)属、ミクロモノスポラ(Micromonospora)属、バークホルデリア(Burkholderia)属、デハロコッコイデス(Dehalococcoides)属、クロセイバクター(Croceibacter)属、コルジア(Kordia)属、マイクロシーラ(Microscilla)属、サーモアクチノミセス(Thermoactinomyces)属、クロロフレクサス(Chloroflexus)属、リステリア(Listeria)属、プレシオシスチス(Plesiocystis)属、ハリスコメノバクター(Haliscomenobacter)属、サイトファーガ(Cytophaga)属、ハヘラ(Hahella)属、アルスロバクター(Arthrobacter)属、ブラキバクテリウム(Brachybacterium)属、クラビバクター(Clavibacter)属、マイクロバクテリウム(Microbacterium)属、イントラスポランギウム(Intrasporangium)属、フランキア(Frankia)属、メイオテルムス(Meiothermus)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、トウゴマ(Ricinus)属、カテヌリスポラ(Catenulispora)属、アナベナ(Anabaena)属、ノストック(Nostoc)属、ハロモナス(Halomonas)属、クロモハロバクター(Chromohalobacter)属、ボルデテラ(Bordetella)属、バリオボラックス(Variovorax)属、ディケヤー(Dickeya)属、ペクトバクテリウム(Pectobacterium)属、シトロバクター(Citrobacter)属、エンテロバクター(Enterobacter)属、サルモネラ(Salmonella)属、エルウィニア(Erwinia)属、パントエア(Pantoea)属、ラーネラ(Rahnella)属、セラチア(Serratia)属、ゲオデルマトフィルス(Geodermatophilus)属、ゲンマタ(Gemmata)属、ゼノラブダス(Xenorhabdus)属、フォロラブダス(Photorhabdus)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、ネオサルトリア(Neosartorya)属、ピレノフォラ(Pyrenophora)属、サッカロポリスポラ(Saccharopolyspora)属、ネクトリア(Nectria)属、ジベレラ(Gibberella)属、メタリジウム(Metarhizium)属、ワドリア(Waddlia)属、シアノセイス(Cyanothece)属、セルロファーガ(Cellulphaga)属、プロピデンシア(Providencia)属、ブラディリゾビウム(Bradyrhizobium)属、アグロバクテリウム(Agrobacterium)属、ムシラジニバクター(Mucilaginibacter)属、セラチア(Serratia)属、ソランジウム(Sorangium)属、ストレプトスポランジウム(Streptosporangium)属、レニバクテリウム(Renibacterium)属、アエロモナス(Aeromonas)属、レイネケア(Reinekea)属、クロモバクテリウム(Chromobacterium)属、モリテラ(Moritella)属、ハリアンギウム(Haliangium)属、カンギエラ(Kangiella)属、マリノモナス(Marinomonas)属、ビブリオナレス(Vibrionales)属、リストネラ(Listonella)属、サリニビブリオ(Salinivibrio)属、フォトバクテリウム(Photobacterium)属、アルテロモナダーレス(Alteromonadales)属、レジオネラ(Legionella)属、テレディニバクター(Teredinibacter)属、レイネケア(Reinekea)属、ヒドロゲニビルガ(Hydrogenivirga)属、及びシュードアルテロモナス(Pseudoalteromonas)からなる群から選択される属であってよい。様々な実施形態では、LG12−系統群の酵素変異体は、表5又は6に記載のいずれかの種に由来するLG12−系統群の親酵素の変異体であってよい。
いくつかの実施形態では、LG12−系統群の酵素変異体は、表5又は6に記載のLG12−系統群の酵素、例えば、配列番号3のLG12 sprCプロテアーゼ、又は次の:LG12 sprC(配列番号3、AAC43580.1)、バチルス種(Bacillus sp.)m3−13スブチリシンE(1)(配列番号7、WP_010192403.1,旧称ZP_07707657.1)、バチルス種(Bacillus sp.)KSM−LD1、SB(BAD21128.1)、バチルス種(Bacillus sp.)m3−13スブチリシンE(2)(WP_10192405.1,旧称ZP_07707658.1)、バチルス・ホリコシィ(Bacillus horikoshii)株DSM 8719、Bhon03321(配列番号10)、LG12sprD(AAC43581.1)、バチルス・ホリコシィ(Bacillus horikoshii)株DSM_9711(配列番号13)、バチルス・ホリコシィ(Bacillus horikoshii)株DSM_9712(配列番号16)、バチルス・ホリコシィ(Bacillus horikoshii)株DSM_6951(配列番号19)、及びバチルス種(Bac sp)BAD21128(配列番号20)のうちのいずれかのものに対し、50、60、70、75、80、85、90、95、96、97、98、99、又は100%の同一性を有する変異体であり得る。
LG12−系統群酵素、例えば、LG12からクローン化したLG12sprCに関連する組成物及び方法が記載される。当該組成物及び方法は、クローニング及び発現されたLG12が、洗剤組成物の存在下でタンパク質分解活性を有するという観察に一部基づいたものである。LG12はまた、洗剤組成物中で優れた安定性を示す。こうしたLG12の特徴により、LG12は、洗剤組成物に含まれている界面活性剤及び他の成分の存在下で酵素がタンパク質を加水分解可能である、様々なクリーニング用途で使用するのに、よく適している。
一態様では、本発明の組成物及び方法は、LG12−系統群の変異体ポリペプチドを提供する。LG12−系統群の親ポリペプチドはLG12から単離された。LG12−系統群の成熟ポリペプチドは、配列番号3のアミノ酸配列を有する。同様のほぼ同一のLG12−系統群のポリペプチドが、例えば株又はLG12単離株において天然に生じ得る。これらの及び他のLG12−系統群の組み換えポリペプチドが、本発明の組成物及び方法に包含される。
いくつかの実施形態では、本発明は、プロテアーゼ活性を有する、単離されたLG12−系統群酵素変異体、LG12−系統群酵素変異体の組換体、実質的に純粋なLG12−系統群酵素変異体、又は非天然に生じるLG12−系統群酵素変異体を含み、ポリペプチドは、本明細書で提供される通りのLG12−系統群の親酵素、例えば、配列番号3のLG12sprCプロテアーゼ、又は次の:LG12sprC(配列番号3、AAC43580.1)、バチルス種(Bacillus sp.)m3−13スブチリシンE(1)(配列番号7、WP_010192403.1,旧称ZP_07707657.1)、バチルス種(Bacillus sp.)KSM−LD1、SB(BAD21128.1)、バチルス種(Bacillus sp.)m3−13スブチリシンE(2)(WP_10192405.1,旧称ZP_07707658.1)、バチルス・ホリコシィ(Bacillus horikoshii)株DSM 8719、Bhon03321(配列番号10)、LG12sprD(AAC43581.1)、バチルス・ホリコシィ(Bacillus horikoshii)株DSM_9711(配列番号13)、バチルス・ホリコシィ(Bacillus horikoshii)株DSM_9712(配列番号16)、バチルス・ホリコシィ(Bacillus horikoshii)株DSM_6951(配列番号19)、及びバチルス種(Bac sp)BAD21128(配列番号20)のいずれかに対し、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、又は100%配列同一性を有するポリペプチド配列を含む。
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、例示のLG12−系統群ポリペプチドに対しある程度のアミノ酸配列相同性を有する変異体であり、例えば、配列番号3又は4のアミノ酸配列に対し、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は更には少なくとも99%配列相同性を有する。相同性は、例えば本明細書に記載する、BLAST、ALIGN、又はCLUSTALなどのプログラムを使用した、アミノ酸配列アラインメントにより決定することができる。
同様にして、プロテアーゼ活性を有するLG12−系統群の酵素変異体をコードしている配列を含む、単離されたLG12−系統群の酵素変異体、LG12−系統群の酵素変異体の組換体、実質的に純粋なLG12−系統群の酵素変異体、又は非天然に生じるLG12−系統群の酵素変異体が提供され、このLG12−系統群の酵素変異体(例えば、LG12変異体)は、配列番号3、7、10、13、16、19、又は20のアミノ酸配列とは、50個以下、40個以下、30個以下、35個以下、25個以下、20個以下、19個以下、18個以下、17個以下、16個以下、15個以下、14個以下、13個以下、12個以下、11個以下、10個以下、9個以下、8個以下、7個以下、6個以下、5個以下、4個以下、3個以下、2個以下、又は1個以下のアミノ酸残基が異なるアミノ酸配列を含み、ここで、LG12変異体のアミノ酸位置は、LG12系統群の酵素変異体のアミノ酸配列をLG12sprCのアミノ酸配列とアラインメントさせることにより評価された通りに、配列番号3に示すLG12sprCのアミノ酸配列に対応させたアミノ酸位置の番号付けにより付番される。
上記の通り、本発明のLG12−系統群の酵素変異体ポリペプチドは、酵素活性(例えば、タンパク質分解活性)を有し、したがって、食器類、食卓用食器類、布地、及び硬質表面を有する物品(例えば、テーブル、テーブルの天板、壁、家具、床、天井などの硬質表面)をクリーニングするための方法が挙げられるがこれらに限定されないクリーニング用途に有用である。本発明のLG12−系統群の酵素変異体ポリペプチドを1種以上含むクリーニング組成物の例を以下に記載する。本発明のLG12−系統群の酵素変異体ポリペプチドの酵素活性(例えば、LG12−系統群酵素活性)は、当業者に周知の手順を用いて、容易に決定することができる。以下に記載の実施例では、酵素活性、クリーニング性能、洗剤安定性及び/又は熱安定性の評価方法について説明する。染み(例えば、脂質による染み)の除去時、硬質表面のクリーニング時、又は洗濯物、食器類若しくは食卓用食器類のクリーニング時の本発明のLG12−系統群酵素変異体の性能は、当業者に周知の手順を用いて、及び/又は以降の実施例に記載の手順を用いて、容易に決定され得る。
本発明のポリペプチドは、1つ以上のアミノ酸の挿入、欠失、及び/又は保存的若しくは非保存的のいずれかの置換などといった様々な変化を受けることができ、このような変化としては、この変化によってポリペプチドの酵素活性が実質的に変更されないものが包含される。同様に、本発明の核酸には、様々な変更を施すこともでき、それらの変更には、例えば、特定のコドンが、サイレント変異(例えば、コードされるアミノ酸が核酸変異により変化しない場合では、ヌクレオチド配列中の変異によってアミノ酸配列中にサイレント変異が生じる)若しくは非サイレント変異を生じさせる同一の又は異なるアミノ酸をコードするような、1つ以上のコドンにおける1つ以上の核酸の1つ以上の置換、配列中の1つ以上の核酸(又はコドン)の1つ以上の欠失、配列中の1つ以上の核酸(又はコドン)の1つ以上の付加若しくは挿入、及び/又は配列中の1つ以上の核酸(又はコドン)の1つ以上の開裂若しくは切断、などが挙げられる。核酸配列における多くのこのような変化は、結果として得られたコードされたLG12−系統群酵素変異体の酵素活性を、元の核酸配列によりコードされたLG12−系統群酵素変異体の酵素活性と比較して実質的に変化させなくてもよい。同様に、本発明の核酸は、発現系(例えば、細菌の発現系)で最適な発現をもたらすが、必要に応じてなおも同じアミノ酸をコードするコドンを1つ以上包含するように改変され得る。
いくつかの実施形態では、本発明は、所望の酵素活性(例えば、LG12−系統群酵素活性又はクリーニング性能活性)を有するLG12−系統群酵素変異体ポリペプチドを含むポリペプチド種を提供し、ポリペプチドは本明細書に記載されるアミノ酸置換を有する配列からなり、かつ保存的及び非保存的置換などのような更なるアミノ酸置換も1箇所以上に含み、ポリペプチドは、所望の酵素活性(例えば、LG12−系統群酵素変異体のクリーニング活性又は性能に反映される通り、LG12−系統群酵素活性又はタンパク質分解活性)を示し、維持し、又は概ね維持する。本発明に従うアミノ酸置換には、限定するものではないが、1つ以上の非保存的置換及び/又は1つ以上の保存的アミノ酸置換が包含され得る。保存的アミノ酸残基置換は、典型的には、アミノ酸残基の1機能分類に含まれるアミノ酸を、同一の機能分類に属する残基(同一のアミノ酸残基は、機能的に相同であると見なされるか又は機能的相同性パーセントの算出において保存されている)と交換することを含む。保存的アミノ酸置換は、典型的には、アミノ酸配列中のアミノ酸を機能的に類似するアミノ酸により置換することを含む。例えば、アラニン、グリシン、セリン、及びトレオニンは機能的に類似するものであり、このため互いに保存的アミノ酸置換を提供し得る。アスパラギン酸及びグルタミン酸は、互いに保存的置換を提供し得る。アスパラギン及びグルタミンは、互いに保存的置換を提供し得る。アルギニン、リシン、及びヒスチジンは、互いに保存的置換を提供し得る。イソロイシン、ロイシン、メチオニン、及びバリンは、互いに保存的置換を提供し得る。フェニルアラニン、チロシン、及びトリプトファンは、互いに保存的置換を提供し得る。
他の保存的アミノ酸置換基も想定され得る。例えば、アミノ酸は、類似する機能又は化学的構造又は組成(例えば、酸性、塩基性、脂肪族、芳香族、硫黄の含有)をもとにグループ化することができる。例えば、脂肪族のグループには、グリシン(G)、アラニン(A)、バリン(V)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)が含まれ得る。互いに保存的な置換であるものと考えられるその他のアミノ酸を包含するグループには、芳香族:フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、トリプトファン(W);硫黄含有:メチオニン(M)、システイン(C);塩基性:アルギニン(R)、リジン(K)、ヒスチジン(H);酸性:アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E);非極性電荷残基、システイン(C)、メチオニン(M)、及びプロリン(P);親水性非荷電残基:セリン(S)、スレオニン(T)、アスパラギン(N)、及びグルタミン(Q)が挙げられる。アミノ酸のその他の分類も当業者に周知であり、様々な一般的な文献に記載されている。上記の置換基と共に、本明細書においてポリペプチド配列を列挙することで、保存的に置換されたすべてのポリペプチド配列の明白な一覧を提供する。
上記のアミノ酸残基分類には、より保存的な置換が存在し、これらも同様に又は別法として好適であり得る。より保存的である保存的置換基としては:バリン−ロイシン−イソロイシン、フェニルアラニン−チロシン、リシン−アルギニン、アラニン−バリン、及びアスパラギン−グルタミンが挙げられる。
本発明の保存的に置換された変異体のポリペプチド配列(例えば、本発明のプロテアーゼ変異体)は、ポリペプチド配列中のアミノ酸のうち、25%未満、20%未満、15%未満、14%未満、13%未満、12%未満、11%未満、10%未満、9%未満、8%未満、7%未満、又は6%未満の僅かな割合で、あるいはポリペプチド配列中のアミノ酸のうち5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、又は1%未満、すなわち10個未満、9個未満、8個未満、7個未満、6個未満、5個未満、4個未満、3個未満、2個未満、又は1個未満の僅かな割合で、同類の保存的置換基のアミノ酸から保存的に選択されたアミノ酸による置換を含有する。
本明細書内の他の箇所で更に詳細に記載されるように、及び本明細書で提供される実施例に記載されるように、本発明のポリペプチドは、既知のセリンプロテアーゼを包含する既知のプロテアーゼと同程度のクリーニング能力を有し得る。
いくつかの実施形態では、プロテアーゼ変異体は、1つ以上の変異を含み、LG12sprC(配列番号3)と比較して−5、−4、−3、−2、−1、0、1、2、3、4、又は5の総実効電荷を有する。
いくつかの実施形態では、本発明は、タンパク質分解活性を有する、単離されたプロテアーゼ変異体、プロテアーゼ変異体の組換体、実質的に純粋なプロテアーゼ変異体、又は非天然に生じるプロテアーゼ変異体(例えば、LG12変異体)を提供し、このプロテアーゼ変異体は、配列番号3、7、10、13、16、19、又は20に示すアミノ酸配列とは、50個以下、45個以下、40個以下、35個以下、30個以下、25個以下、20個以下、19個以下、18個以下、17個以下、16個以下、15個以下、14個以下、13個以下、12個以下、11個以下、10個以下、9個以下、6個以下、5個以下、4個以下、3個以下、2個以下のアミノ酸残基が異なるアミノ酸配列を含み、ここで、アミノ酸位置は、プロテアーゼ変異体のアミノ酸配列をLG12sprCのアミノ酸配列とアラインメントさせることにより評価された通りに、配列番号3に示すLG12sprCのアミノ酸配列に対応させたアミノ酸位置の番号付けにより付番される。
本発明の核酸
本発明は、単離された、天然に由来するものではない、又は組み換え型の核酸(本明細書では「ポリヌクレオチド」とも呼ばれる)を提供し、これは集合的に本発明のポリペプチドをコードする「本発明の核酸」又は「本発明のポリヌクレオチド」と呼ばれ得る。以下に記載のすべてのものを含む本発明の核酸は、典型的に、対象とするポリペプチドをコードする配列又はそれらの断片を含むプラスミド発現ベクターの発現を介した本発明のポリペプチドの組み換えによる産生(例えば発現)に有用である。上述のように、ポリペプチドには、例えば、酵素活性(例えば、タンパク質分解活性)を有する、LG12−系統群の変異体ポリペプチドなどの変異型プロテアーゼのポリペプチドが包含され、プロテアーゼ変異体ポリペプチドは、クリーニング用途、及びクリーニングする必要のある物品又は表面(例えば、物品の表面)をクリーニングするためのクリーニング組成物に有用である。
いくつかの実施形態では、本発明は、上記の表題「本発明のポリペプチド」と付けられた節及び本明細書の他の場所に記載される、任意のポリペプチド(任意の融合タンパク質などが包含される)をコードするヌクレオチド配列を含む、単離された、組み換え型の、実質的に純粋な、又は天然に由来するものではない核酸を提供する。本発明は、上記及び本明細書の他の箇所に記載の、本発明の任意のポリペプチドの2つ以上の組み合わせをコードするヌクレオチド配列を含む、単離された、組み換え型の、実質的に純粋な、又は天然に由来するものではない核酸も提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、プロテアーゼ活性を有する、単離されたLG12−系統群酵素、LG12−系統群酵素の組換体、実質的に純粋なLG12−系統群酵素、又は非天然に生じかつ新規に発見されたLG12−系統群酵素をコードするポリヌクレオチドを包含するものであり、このポリペプチドは、本明細書で提供されるLG12−系統群の親酵素に対し少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、又は100%配列同一性を有する。
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、例示のLG12−系統群ポリペプチドに対しある程度のアミノ酸配列相同性を有する変異体であり、例えば、配列番号3又は4のアミノ酸配列に対し、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は更には少なくとも99%配列相同性を有する。相同性は、例えば本明細書記載する、BLAST、ALIGN、又はCLUSTALなどのプログラムを使用した、アミノ酸配列アラインメントにより評価することができる。
同様に、タンパク質分解活性を有するプロテアーゼ変異体をコードしているポリヌクレオチド配列を含む、単離された核酸、組み換え核酸、実質的に純粋な核酸又は非天然に生じる核酸も提供され、上記プロテアーゼ変異体(例えば、LG12sprC変異体)は:3、7、10、13、16、19、又は20のアミノ酸配列とは、50個以下、40個以下、30個以下、35個以下、25個以下、20個以下、19個以下、18個以下、17個以下、16個以下、15個以下、14個以下、13個以下、12個以下、11個以下、10個以下、9個以下、8個以下、7個以下、6個以下、5個以下、4個以下、3個以下、2個以下、又は1個以下のアミノ酸残基が異なるアミノ酸配列を含み、ここで、LG12系統群の酵素変異体のアミノ酸位置は、プロテアーゼ変異体のアミノ酸配列をLG12sprCのアミノ酸配列とアラインメントさせることにより評価された通りに、配列番号3に示すLG12sprCのアミノ酸配列に対応させたアミノ酸位置の番号付けにより付番される。
本発明は、バチルス属(Bacillus)LG12のLG12−系統群の変異体をコードしている核酸を提供するものであり、このLG12変異体は、タンパク質分解活性を有する成熟型であり、かつ本明細書全体を通じて列挙されているようなアミノ酸置換の組み合わせを含むアミノ酸配列を含む(ここで、LG12変異体のアミノ酸位置は、配列番号3に示すLG12sprCのアミノ酸配列と対応させて付番される)。
本発明の核酸は、任意の好適な合成技術、操作技術、及び/又は単離技術、又はこれらの組み合わせを用いて作製できる。例えば、本発明のポリヌクレオチドは、当業者に周知の固相合成法などの標準的な核酸合成技術を用いて製造することもできる。このような技術では、典型的には50個まで又はそれ以上のヌクレオチド塩基の断片を合成して、次いで連結することで(例えば、酵素的若しくは化学的連結方法、又はポリメラーゼによる組み換え方法)、本質的に任意の所望の連続的な核酸配列が形成される。本発明の核酸の合成は、古典的なホスホラミダイト法(例えば、Beaucage et al.Tetrahedron Letters 22:1859〜69[1981]を参照されたい)を利用する化学的合成法;又はMatthes et al.により記載の、典型的に自動化合成法において実施されるものなどの方法(Matthes et al.,EMBO J.3:801〜805[1984]を参照されたい)などが挙げられるがこれらに限定されない、当業界で既知の任意の好適な方法によっても促進できる(あるいは達成できる)。本発明の核酸は、自動DNA合成装置を使用しても作製できる。カスタマイズした核酸を、各種供給業者(例えば、The Midland Certified Reagent Company、the Great American Gene Company、Operon Technologies Inc.及びDNA2.0)に発注することができる。核酸合成に関係するその他の技術及び関連する原理は、当業界で既知である(例えば、Itakura et al.,Ann.Rev.Biochem.53:323[1984];及びItakura et al.,Science 198:1056[1984]を参照されたい)。
上記のように、核酸の改変に有用な、DNAの組み換え技術は、当該技術分野において周知である。例えば、制限エンドヌクレアーゼによる消化、ライゲーション、逆転写、及びcDNAの生産、並びにポリメラーゼ連鎖反応(例えば、PCR)などの技法が知られており、当業者により容易に使用される。本発明のヌクレオチドは、本発明のプロテアーゼ変異体ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドとハイブリダイズすることのできる又は前記ポリヌクレオチドをPCRにより増幅することのできるオリゴヌクレオチドプローブを1つ以上用い、cDNAライブラリ(例えば、本明細書に記載のものを含む、当該技術分野で一般的に使用される変異導入技術を用いて生成されたcDNAライブラリ)をスクリーニングすることでも得ることができる。cDNAクローンのスクリーニング及び単離手順、並びにPCRによる増幅手順は当業者に周知のものであり、当業者に既知の標準的な参考文献に記載されている。本発明の核酸のいくつかは、天然由来のポリヌクレオチド主鎖(例えば、酵素又は親プロテアーゼをコードするポリヌクレオチド主鎖)を、例えば既知の変異導入法(例えば、部位特異的変異導入法、部位飽和変異導入法、及びインビトロ組み換え)によって変化させることによって得ることができる。
本発明の改変プロテアーゼ変異体の製造方法
本発明のプロテアーゼ変異体をコードしている本発明の改変されたポリヌクレオチドを生成するのに好適であるものとして様々な方法が既知であり、例えば、部位飽和変異導入(site-saturation mutagenesis)、系統的変異導入、挿入変異導入、欠失変異導入、ランダム変異導入、部位特異的変異導入、オリゴヌクレオチド合成法及びライゲーションによる合成遺伝子の構築、並びに定向進化、更にはその他の各種リコンビナトリアルなアプローチが挙げられるがこれらに限定されない。改変されたポリヌクレオチド及びタンパク質(例えば、プロテアーゼ変異体)の作製方法としては、DNAシャッフリング法、ITCHY(Ostermeier et al.,7:2139〜44[1999])、SCRACHY(Lutz et al.98:11248〜53[2001]を参照されたい)、SHIPREC(Sieber et al.,19:456〜60[2001]を参照されたい)、及びNRR(Bittker et al.,20:1024〜9[2001];Bittker et al.,101:7011〜6[2004]を参照されたい)などの遺伝子の非相同組み換えによる方法、並びにオリゴヌクレオチドを利用してランダムな及び標的とする変異、欠失及び/又は挿入を挿入する方法(Ness et al.,20:1251〜5[2002];Coco et al.,20:1246〜50[2002];Zha et al.,4:34〜9[2003];Glaser et al.,149:3903〜13[1992]を参照されたい)が挙げられる。
本発明のプロテアーゼ変異体を製造するためのベクター、細胞、及び方法
本発明は、本明細書に記載の少なくとも1種の本発明のポリヌクレオチド(例えば、本明細書に記載の本発明の変異型プロテアーゼをコードするポリヌクレオチド)を含む単離若しくは組み換え型のベクター、少なくとも1種の本発明の核酸又はポリヌクレオチドを含む単離若しくは組み換え型の発現ベクター又は発現カセット、少なくとも1種の本発明の核酸又はポリヌクレオチドを含む単離された、実質的に純粋な、又は組み換えDNA構築物、少なくとも1種の本発明のポリヌクレオチドを含む単離又は組み換え型細胞、少なくとも1種の本発明のポリヌクレオチドを含む細胞を含む細胞培養物、少なくとも1種の本発明の核酸又はポリヌクレオチドを含む細胞培養物、並びにこのようなベクター、核酸、発現ベクター、発現カセット、DNA構築物、細胞、細胞培養物、又はこれらの任意の組み合わせ若しくは混合物を1種以上含む組成物を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、本発明の少なくとも1種の核酸又はポリヌクレオチドを含む本発明のベクター(例えば、発現ベクター又はDNA構築物)を少なくとも1つ含む組み換え細胞を提供する。このような組み換え細胞のいくつかのものは、このような少なくとも1つのベクターにより形質転換又はトランスフェクトされる。このような細胞は、典型的には宿主細胞と呼ばれる。このような細胞のうち幾種類かは、バチルス種(Bacillus sp.)細胞、例えば、バチルス・スブチリス(B. subtilis)細胞が挙げられるがこれらに限定されない細菌細胞を含む。本発明は、本発明の少なくとも1種のプロテアーゼ変異体を含む組み換え細胞(例えば、組み換え宿主細胞)も提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、本発明の核酸又はポリヌクレオチドを含むベクターを提供する。いくつかの実施形態では、ベクターは、本発明のプロテアーゼ変異体をコードする本発明のポリヌクレオチド配列が、効率的な遺伝子発現に必要とされる1つ又は追加の核酸セグメント(例えば、本発明のプロテアーゼ変異体をコードする本発明のポリヌクレオチドに機能的に連結されるプロモーター)に機能的に連結される、発現ベクター又は発現カセットである。ベクターには、転写ターミネーター、及び/又は抗菌剤含有培地での増殖により、プラスミド感染宿主細胞の持続的な培養維持を可能にする、抗生物質耐性遺伝子などの選択遺伝子が包含され得る。
発現ベクターは、プラスミド又はウイルスDNAから誘導され得るか、又は代替的な実施形態では、これらの両方の要素を含有する。ベクターの例としては、pXX、pC194、pJH101、pE194、pHP13(Harwood and Cutting[eds.],Chapter 3,Molecular Biological Methods for Bacillus,John Wiley & Sons[1990]を参照されたい;バチルス・スブチリス(B. subtilis)に好適な複製プラスミドとしては、第92頁に掲載のものが挙げられる);同様にして、Perego,Integrational Vectors for Genetic Manipulations in Bacillus subtilis,in Sonenshein et al.,[eds.]Bacillus subtilis and Other Gram−Positive Bacteria:Biochemistry,Physiology and Molecular Genetics,American Society for Microbiology,Washington,D.C.[1993],pp.615〜624も参照されたい)が挙げられるがこれらに限定されない。
対象とするタンパク質(例えば、プロテアーゼ変異体)を細胞において発現及び生産する際、改変プロテアーゼをコードするポリヌクレオチドを少なくとも1コピー及び好ましくは複数コピー含む発現ベクターを少なくとも1つ用い、プロテアーゼの発現に好適な条件下で細胞を形質転換する。本発明のいくつかの実施形態では、プロテアーゼ変異体(並びにベクターに含まれる他の配列)をコードするポリヌクレオチド配列は宿主細胞のゲノムに組み込まれ、一方、他の実施形態では、プロテアーゼ変異体をコードするポリヌクレオチド配列を含むプラスミドベクターは自律性の染色体外因子として細胞内に留まる。本発明は、染色体外の核酸エレメント、並びに宿主細胞のゲノムに組み込まれる移入ヌクレオチド配列の両方を提供する。本明細書に記載のベクターは、本発明のプロテアーゼ変異体の生産に有用である。いくつかの実施形態では、プロテアーゼ変異体をコードするポリヌクレオチド構築物は、プロテアーゼ変異体をコードするポリヌクレオチドを細菌染色体に組み込み、そして場合により増幅することのできる組み込みベクターに存在する。組み込み部位の例は、当業者に周知である。いくつかの実施形態では、本発明のプロテアーゼ変異体をコードするポリヌクレオチドの転写は、選択された前駆体プロテアーゼのための野生型プロモーターであるプロモーターによりもたらされる。他のいくつかの実施形態では、プロモーターは、前駆体プロテアーゼとは異種であるものの、宿主細胞中で機能するものである。具体的には、細菌宿主細胞で使用するのに好適なプロモーターの例としては、限定するものではないが、例えば、AprE、amyE、amyL、pstS、sacB、pSPAC、pVeg、pHpaIIプロモーター;並びにバチルス・ステアロサーモフィルスのマルトース生成型アミラーゼ遺伝子、バチルス・アミロリケファシエンス(BAN)アミラーゼ遺伝子、バチルス・スブチリスアルカリプロテアーゼ遺伝子、バチルス・クラウシイのアルカリプロテアーゼ遺伝子、バチルス・プミルスのキシロシダーゼ遺伝子、バチルス・チューリンゲンシスのcryIIIA、及びバチルス・リケニフォルミスのα−アミラーゼ遺伝子のプロモーターが挙げられる。追加のプロモーターとしては、限定するものではないが、A4プロモーター、並びにファージλPR又はPLプロモーター、及び大腸菌lac、trp又はtacプロモーターが挙げられる。
本発明のプロテアーゼ変異体は、細菌及び糸状菌などの任意の好適な微生物宿主細胞において産生させることができる。
例えば、いくつかの実施形態では、プロテアーゼ変異体は真菌及び/又は細菌由来の宿主細胞で生産される。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、バチルス種(Bacillus sp.)、ストレプトマイセス種(Streptomyces sp.)、エシェリキア種(Escherichia sp.)、又はアスペルギルス種(Aspergillus sp.)である。いくつかの実施形態では、プロテアーゼ変異体は、バチルス種(Bacillus sp.)の宿主細胞により生産される。本発明のプロテアーゼ変異体の産生への使用が見出されるバチルス種(Bacillus sp.)宿主細胞の例としては、バチルス・リケニフォルミス(B. licheniformis)、バチルス・レンタス(B. lentus)、バチルス・スブチリス(B. subtilis)、バチルス・アミロリケファシエンス(B. amyloliquefaciens)、バチルス・レンタス(B. lentus)、バチルス・ブレビス(B. brevis)、バチルス・ステアロサーモフィルス(B. stearothermophilus)、バチルス・アルカロフィラス(B. alkalophilus)、バチルス・コアギュランス(B. coagulans)、バチルス・サーキュランス(B. circulans)、バチルス・プミリス(B. pumilis)、バチルス・チューリンゲンシス(B. thuringiensis)、バチルス・クラウシイ(B. clausii)、及びバチルス・メガテリウム(B. megaterium)、並びにバチルス(Bacillus)属に属するその他の生物が挙げられるがこれらに限定されない。いくつかの実施形態では、バチルス・スブチリス(B. subtilis)宿主細胞は、プロテアーゼ変異体の産生に使用される。米国特許第5,264,366号及び同第4,760,025号(再発行特許第34,606号)は、本発明のプロテアーゼ変異体の生産に使用することができる様々なバチルス属の宿主株を記述しているが、他の好適な株も使用することができる。
本発明のプロテアーゼ変異体の生産に使用することができるいくつかの工業用の細菌種としては、非組み換え型(すなわち、野生型)のバチルス種(Bacillus sp.)株、並びに天然由来の株の変異体及び/又は組み換え株が挙げられる。いくつかの実施形態では、宿主株は組み換え株であり、宿主には、対象とするポリペプチドをコードするポリヌクレオチドが導入されている。いくつかの実施形態では、宿主株はバチルス・スブチリス(B. subtilis)宿主株であり、特に組み換え型バチルス・スブチリス(B. subtilis)宿主株である。数多くのバチルス・スブチリス(B. subtilis)株が既知であり、限定するものではないが、例えば、1A6(ATCC 39085)、168(1A01)、SB19、W23、Ts85、B637、PB1753〜PB1758、PB3360、JH642、1A243(ATCC 39,087)、ATCC 21332、ATCC 6051、MI113、DE100(ATCC 39,094)、GX4931、PBT 110、及びPEP 211株が挙げられる(例えば、Hoch et al.,Genetics 73:215〜228頁[1973年]、また同様に、米国特許第4,450,235号及び同第4,302,544号、並びに欧州特許第0134048号を参照されたい。これら各公報は参照によりその全文が組み込まれる)。発現宿主細胞としてのバチルス・スブチリス(B. subtilis)の使用は当業者に周知である(例えば、Palva et al.,Gene 19:81〜87頁[1982年];Fahnestock and Fischer,J.Bacteriol.,165:796〜804頁[1986年];並びにWang et al.,Gene 69:39〜47頁[1988年]を参照されたい)。
いくつかの実施形態では、バチルス属の宿主細胞は、次の遺伝子:degU、degS、degR及びdegQのうちの少なくとも1つの遺伝子において変異又は欠失を含むバチルス種の宿主細胞である。好ましい変異はdegU遺伝子におけるものであり、より好ましくは変異はdegU(Hy)32におけるものである(例えば、Msadek et al.,J.Bacteriol.172:824〜834[1990];及びOlmos et al.,Mol.Gen.Genet.253:562〜567[1997]を参照されたい)。変異degU32(Hy)を有するバチルス・スブチリス(Bacillus subtilis)は、好適な宿主株の1つである。いくつかの実施形態では、バチルス(Bacillus)宿主は、scoC4(例えば、Caldwell et al.,J.Bacteriol.183:7329〜7340[2001]を参照されたい);spoIIE(例えば、Arigoni et al.,Mol.Microbiol.31:1407〜1415[1999]を参照されたい);及び/又はoppA又はoppオペロンのその他の遺伝子(例えば、Perego et al.,Mol.Microbiol.5:173〜185[1991]を参照されたい)中に変異又は欠失を含む。実際に、oppAの遺伝子の変異と同じ表現型を生じるoppオペロンにおけるいかなる変異も、本発明の、変更の生じたバチルス(Bacillus)株についてのいくつかの実施形態において有用であろうと想到される。いくつかの実施形態では、これらの変異は単独で生じるが、他の実施形態では複数の変異が組み合わさって存在する。いくつかの実施形態では、本発明のプロテアーゼ変異体の産生に使用することができる、変更の生じたバチルス(Bacillus)属の宿主細胞株は、上記の遺伝子のうちの1つ以上に予め変異を包含しているバチルス属(Bacillus)の宿主株である。加えて、内因性プロテアーゼ遺伝子に関する変異(複数可)及び/又は欠失を含むバチルス種(Bacillus sp.)宿主細胞も有用である。いくつかの実施形態では、バチルス(Bacillus)属の宿主細胞は、aprE遺伝子及びnprE遺伝子の欠失を含む。他の実施形態では、バチルス種(Bacillus sp.)宿主細胞は、5つのプロテアーゼ遺伝子に欠失を含むのに対し、他の実施形態では、バチルス種(Bacillus sp.)宿主細胞は9つのプロテアーゼ遺伝子に欠失を含む(例えば、参照により本明細書に援用される米国特許出願公開第2005/0202535号を参照されたい)。
宿主細胞は、当該技術分野において既知の任意の好適な手段を用いて、本発明の少なくとも1種のプロテアーゼ変異体をコードする少なくとも1つの核酸により形質転換される。核酸がベクターに組み込まれるか、又はプラスミドDNAの非存在下で用いられるかによらず、核酸は、典型的には微生物に導入され、いくつかの実施形態では、好ましくは大腸菌細胞又はコンピテントバチルス細胞に導入される。プラスミドDNA構築物又はベクターを利用して、核酸(例えば、DNA)をバチルス属の細胞又は大腸菌細胞に導入する方法、及びこのようなプラスミドDNA構築物又はベクターをそのような細胞に形質転換する方法は周知である。いくつかの実施形態では、プラスミドは、次に大腸菌(E. coli)細胞から単離され、バチルス(Bacillus)属の細胞に形質転換される。しかしながら、大腸菌(E. coli)などの介在微生物を用いることは必須ではなく、いくつかの実施形態では、DNA構築物又はベクターは直接バチルス(Bacillus)属の宿主に導入される。
当業者であれば、本発明の核酸配列をバチルス(Bacillus)細胞に導入するのに好適な方法を認識されるであろう(例えば、Ferrari et al.,「Genetics,」in Harwood et al.[eds.],Bacillus,Plenum Publishing Corp.[1989],pp.57〜72;Saunders et al.,J.Bacteriol.157:718〜726[1984];Hoch et al.,J.Bacteriol.93:1925〜1937[1967];Mann et al.,Current Microbiol.13:131〜135[1986];Holubova,Folia Microbiol.30:97[1985];Chang et al.,Mol.Gen.Genet.168:11〜115[1979];Vorobjeva et al.,FEMS Microbiol.Lett.7:261〜263[1980];Smith et al.,Appl.Env.Microbiol.51:634[1986];Fisher et al.,Arch.Microbiol.139:213〜217[1981];及びMcDonald,J.Gen.Microbiol.130:203[1984]を参照されたい)。実際に、プロトプラスト形質転換及び会合(congression)を包含する形質転換、形質導入、及びプロトプラスト融合などの方法は周知であり、本発明でも好適に使用される。本発明のプロテアーゼ変異体をコードする核酸を含むDNA構築物又はベクターを宿主細胞に導入するために、形質転換法が使用される。バチルス(Bacillus)属の細胞を形質転換させるのに当該技術分野で知られる方法としては、部分的に相同性の常在性プラスミドを保有しているコンピテントセルにドナープラスミドを取り込ませることを包含するプラスミドマーカーレスキュー形質転換法が挙げられる(Contente et al.,Plasmid 2:555〜571[1979];Haima et al.,Mol.Gen.Genet.223:185〜191[1990];Weinrauch et al.,J.Bacteriol.154:1077〜1087[1983];及び Weinrauch et al.,J.Bacteriol.169:1205〜1211[1987]を参照されたい)。この方法では、組み込まれるドナープラスミドは、染色体の形質転換を模倣するプロセスにおいて、常在性の「ヘルパー」プラスミドの相同領域と組み換えられる。
一般的に使用される方法に加えて、いくつかの実施形態では、宿主細胞は、本発明のプロテアーゼ変異体をコードする核酸を含むDNA構築物又はベクターにより直接的に形質転換される(すなわち、宿主細胞への導入前に、DNA構築物又はベクターを増幅又はさもなくば処理する中間細胞は利用しない)。本発明のDNA構築物又はベクターの宿主細胞への導入法には、核酸配列(例えば、DNA配列)を、プラスミド又はベクターに挿入せずに宿主細胞に導入するために当該技術分野において知られる、物理的及び化学的方法が包含される。このような方法としては、限定するものではないが、塩化カルシウム沈殿、電気穿孔、ネイキッドDNA、及びリポソームなどが挙げられる。更なる実施形態では、DNA構築物又はベクターは、プラスミドに挿入されることなく、プラスミドと共に同時形質転換される。更なる実施形態では、選択マーカーは、当該技術分野で知られる方法により、変更を加えたバチルス(Bacillus)株から欠失させる(Stahl et al.,J.Bacteriol.158:411〜418[1984];及びPalmeros et al.,Gene 247:255〜264[2000]を参照されたい)。
いくつかの実施形態では、本発明の形質転換細胞は、一般的な栄養培地で培養される。温度及びpHなどの好適な具体的な培養条件は当業者に既知であり、科学文献に詳しく記載されている。いくつかの実施形態では、本発明は、本発明の少なくとも1種のプロテアーゼ変異体又は本発明の少なくとも1種の核酸を含む培養物(例えば、細胞培養物)を提供する。同様に、本発明の核酸、ベクター、又はDNA構築物を少なくとも1つ含む組成物も提供する。
いくつかの実施形態では、本発明の少なくとも1種のプロテアーゼ変異体をコードする少なくとも1つのポリヌクレオチド配列によって形質転換された宿主細胞を、本発明のプロテアーゼの発現を可能にする条件下で、好適な栄養培地で培養した後、得られたプロテアーゼを培養物から回収する。細胞培養に使用する培地には、宿主細胞を増殖させるのに好適な、適切な添加剤を含有している最少培地又は複合培地などといった任意の一般的な培地を含む。好適な培地は、販売元から入手することができ、又は公開されている処方に従って調製することもできる(例えば、the American Type Culture Collectionのカタログを参照されたい)。いくつかの実施形態では、細胞により産生されたプロテアーゼは、例えば、遠心沈降又は濾過による培養液からの宿主細胞の分離、塩(例えば、硫酸アンモニウム)による上清又は濾液中のタンパク質様成分の沈殿、クロマトグラフィー精製(例えば、イオン交換、ゲル濾過、アフィニティーなど)などが挙げられるがこれらに限定されない従来法により培地から回収される。プロテアーゼ変異体を回収又は精製するための任意の好適な方法が、本発明において有用である。
いくつかの実施形態では、組み換え宿主細胞により生産されたプロテアーゼ変異体は、培養培地に分泌される。精製を促進するドメインをコードする核酸配列を使用して、可溶性タンパク質の精製を容易にすることもできる。プロテアーゼ変異体をコードするポリヌクレオチド配列を含むベクター又はDNA構築物は、プロテアーゼ変異体の精製を促進する精製促進ドメインをコードしている核酸配列を更に含む(例えば、Kroll et al.,DNA Cell Biol.12:441〜53[1993])。このような精製促進ドメインとしては、例えば、固定した金属による精製を可能にするヒスチジン−トリプトファンモジュールなどの金属キレートペプチド(Porath,Protein Expr.Purif.3:263〜281[1992]を参照されたい)、固定した免疫グロブリンによる精製を可能にするプロテインAドメイン、及びFLAGS伸長/アフィニティー精製系に利用されるドメイン[例えば、Immunex Corp.(Seattle,WA)から入手可能なプロテインAドメイン]が挙げられるがこれらに限定されない。精製ドメインと非相同的なタンパク質との間に、凝固因子XA又はエンテロキナーゼなどの開裂可能なリンカー配列[例えば、Invitrogen(San Diego,CA)から入手可能な配列]を含めることも、精製を容易にするのに有用である。
本発明のプロテアーゼ変異体などの酵素の酵素活性を検出及び測定するためのアッセイは周知である。プロテアーゼ(例えば、本発明の変異型プロテアーゼ)の活性を検出及び測定するための様々なアッセイも当業者には知られる。特に、当業者に周知であるように、280nmでの吸光度として又はフォーリン法を用いる比色法により測定した、カゼイン又はヘモグロビンからの酸可溶性ペプチドの放出に基づくアッセイを、プロテアーゼの活性を測定するのに利用できる。他の例示的なアッセイは、発色性基質の可溶化を伴う(例えば、Ward,「Proteinases,」 in Fogarty(ed.).,Microbial Enzymes and Biotechnology,Applied Science,London,[1983],pp.251〜317を参照されたい)。他の例示的なアッセイとしては、限定するものではないが、スクシニル−Ala−Ala−Pro−Phe−パラニトロアニリドアッセイ(suc−AAPF−pNA)及び2,4,6−トリニトロベンゼンスルホン酸ナトリウム塩アッセイ(TNBSアッセイ)が挙げられる。当該技術分野で知られる数多くのその他の参照文献により好適な方法が提供される(例えば、Wells et al.,Nucleic Acids Res.11:7911〜7925[1983];Christianson et al.,Anal.Biochem.223:119〜129[1994];及びHsia et al.,Anal Biochem.242:221〜227[1999]を参照されたい)。
宿主細胞での成熟プロテアーゼ(例えば、本発明の成熟型のプロテアーゼ変異体)の産生レベルを評価するために、様々な方法を利用することができる。このような方法としては、限定するものではないが、例えば、プロテアーゼに特異的なポリクローナル抗体又はモノクローナル抗体のいずれかを利用する方法が挙げられる。例示的な方法としては、限定するものではないが、例えば、酵素結合免疫吸着検査法(ELISA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、蛍光イムノアッセイ(FIA)、及び蛍光活性化セルソーティング(FACS)が挙げられる。これらの及びその他のアッセイは、当該技術分野で周知である(例えば、Maddox et al.,J.Exp.Med.158:1211[1983]を参照されたい)。
他のいくつかの実施形態では、本発明は、本発明の成熟型のプロテアーゼ変異体を製造又は生産する方法を提供する。成熟型プロテアーゼ変異体は、シグナルペプチド配列又はプロペプチド配列を含有しない。この方法のいくつかのものは、例えば、バチルス種(Bacillus sp.)細胞(例えば、バチルス・スブチリス(B. subtilis)細胞)などの、組み換え型細菌宿主細胞において、本発明のプロテアーゼ変異体を製造又は産生させる工程を含む。いくつかの実施形態では、本発明は、本発明のプロテアーゼ変異体の生産方法を提供し、この方法は、本発明のプロテアーゼ変異体をコードする核酸を含む組み換え発現ベクターを含む組み換え宿主細胞を、プロテアーゼ変異体の生産を誘導する条件下で培養する工程を含む。このような方法のいくつかのものは、更に、培養物からプロテアーゼ変異体を回収する工程を含む。
本発明のいくつかの実施形態では、本発明のプロテアーゼ変異体を産生する方法を提供し、方法は、(a)本発明のプロテアーゼ変異体をコードしている核酸を含む組み換え発現ベクターを細胞群[例えば、バチルス・スブチリス(B. subtilis)細胞などの細菌細胞]に導入することと;(b)この細胞を、発現ベクターによりコードされているプロテアーゼ変異体の産生を実施する条件下で、培養培地で培養することと、を含む。いくつかのこのような方法は、(c)細胞又は培養培地からプロテアーゼ変異体を単離することを更に含む。
クリーニング組成物
特に断りのない限り、本明細書に提供される成分又は組成物のレベルはすべて、成分又は組成物の活性レベルに関するものであり、市販の供給源に存在し得る不純物、例えば、残留溶媒又は副生成物は除外される。酵素成分の重量は活性タンパク質の合計に基づくものである。百分率(%)及び比率はすべて、特に断りのない限り、重量で計算している。すべての百分率(%)及び比率は、特に断りのない限り、総組成物に対し計算している。例示された洗剤組成物において、酵素レベルは、組成物の合計重量に基づき純粋な酵素濃度として表現され、かつ特に断りのない限り、洗剤成分は組成物の合計重量に基づき表記される。
本明細書で示されるように、いくつかの実施形態では、本発明のクリーニング組成物は、更に、限定するものではないが、界面活性剤、ビルダー、漂白剤、漂白活性化剤、漂白触媒、他の酵素、酵素安定化系、キレート剤、蛍光増白剤、汚れ剥離ポリマー、移染剤、分散剤、抑泡剤、染料、香料、着色剤、充填塩、ヒドロトロープ、光活性化剤、蛍光剤、布地コンディショナー、加水分解性界面活性剤、保存料、抗酸化剤、収縮防止剤、防皺剤、殺菌剤、防カビ剤、色スペックル、銀製品ケア剤、変色防止剤及び/又は防食剤、アルカリ度供給源、可溶化剤、キャリア、加工助剤、色素、及びpH調整剤などの補助材料を含む(例えば、参照によりその全容が本明細書に援用される、米国特許6,610,642号、同第6,605,458号、同第5,705,464号、同第5,710,115号、同第5,698,504号、同第5,695,679号、同第5,686,014号、及び同第5,646,101号を参照されたい)。具体的なクリーニング組成物材料の実施形態を以下に詳細に例示する。クリーニング助剤が、クリーニング組成物中で本発明のプロテアーゼ変異体と適合性でない実施形態では、2つの成分を組み合わせることが適切になるまでの間、クリーニング助剤及びプロテアーゼを分離させたまま(すなわち、互いに接触させない)にするという好ましい手法が利用される。このような分離手法には、当該技術分野において既知の任意の好適な方法が包含される(例えば、ゲルキャップ法、カプセル封入、錠剤、物理的分離など)。
本発明のクリーニング組成物は、例えば、洗濯用途、硬質表面クリーニング用途、食器洗浄用途、並びに義歯、歯、毛髪、及び皮膚などの美容的化粧用途に好都合に使用される。加えて、低温の溶液中での有効性が増大しているという固有の利点により、本発明の酵素は洗濯用途に理想的なものである。更に本発明の酵素は、粒状及び液体組成物での使用が見出される。
本発明のプロテアーゼ変異体は、クリーニング添加剤においても有用である。いくつかの実施形態では、低温溶液を用いるクリーニング用途での使用が見出される。いくつかの実施形態では、本発明は、本発明の酵素を少なくとも1種含むクリーニング添加剤を提供し、当該クリーニング添加剤は、更に漂白効果が所望される場合に、洗浄プロセスに含めるために理想的に適している。このような場合の例としては、限定するものではないが、例えば、低温溶液を用いるクリーニング用途が挙げられる。いくつかの実施形態では、添加剤は最も単純な形態の1種以上のプロテアーゼである。いくつかの実施形態では、添加剤は、クリーニングプロセスに添加される剤形にパッケージングされる。いくつかの実施形態では、添加剤は、過酸化物供給源が用いられかつ漂白効果の増加が所望されるクリーニングプロセスに添加される剤形にパッケージングされる。限定するものではないが、例えば、丸剤、錠剤、ゲルキャップ、又は予め計量された粉末若しくは液体などの他の一回用量単位が挙げられる、任意の好適な一回用量単位が、本発明において有用である。いくつかの実施形態では、このような組成物を増量するために充填剤又はキャリア材料を含める。好適な充填剤又はキャリア材料としては、限定するものではないが、例えば、様々な硫酸塩、炭酸塩及びケイ酸塩並びにタルク、及びクレイなどが挙げられる。液体組成物に好適な充填剤又はキャリア材料としては、限定するものではないが、例えば、水、又はポリオール及びジオールなどの低分子量の一級及び二級アルコールが挙げられる。このようなアルコールの例としては、限定するものではないが、メタノール、エタノール、プロパノール及びイソプロパノールが挙げられる。いくつかの実施形態では、組成物は、このような材料を約5%〜約90%含有する。酸性充填剤はpHを低下させるために有用である。あるいは、いくつかの実施形態では、クリーニング添加剤として、以下により詳細に記載されるような補助成分が挙げられる。
本発明のクリーニング組成物及びクリーニング添加剤は、本明細書で提供される少なくとも1種のプロテアーゼ変異体の有効量を単独で、あるいは他のプロテアーゼ及び/又は追加の酵素と組み合わせて必要とする。必要とされる酵素レベルは、本発明のプロテアーゼ変異体を1種以上加えることにより達成される。典型的には、本発明のクリーニング組成物は、少なくとも約0.0001重量%、約0.0001〜約10重量%、約0.001〜約1重量%、又は更には約0.01〜約0.1重量%の、少なくとも1種の本発明のプロテアーゼ変異体を含む。
本明細書のクリーニング組成物は、典型的には、水性クリーニング操作で使用した場合に、洗浄水のpHが約5.0〜約11.5又は更には約7.5〜約10.5となるように配合される。液体製剤は、典型的には、約3.0〜約9.0又は更には約3〜約5の原液のpHを有するよう配合される。粒状洗濯製品は、典型的にはpHが約9〜約11になるよう配合される。推奨される使用レベルでpHを調節する技術としては、緩衝剤、アルカリ、酸などの使用が挙げられ、これらは当業者には周知のものである。
好適な「低pHのクリーニング組成物」は、典型的には、原液のpHが約3〜約5のものであり、典型的には、このようなpH環境で加水分解される界面活性剤を含まない。このような界面活性剤としては、エチレンオキシド部分を少なくとも1つ又は更にはエチレンオキシド約1〜約16モルを含むアルキル硫酸ナトリウム界面活性剤が挙げられる。このようなクリーニング組成物は、典型的には、原液のpHが約3〜約5であるクリーニング組成物を提供するのに十分な量のpH調整剤、例えば、水酸化ナトリウム、モノエタノールアミン、又は塩酸などを含む。このような組成物は、典型的には、酸に安定な酵素を少なくとも1種含む。いくつかの実施形態では、組成物は液体であるが、他の実施形態では、組成物は固体である。このような液体組成物のpHは、典型的には原液のpHとして測定される。このような固形組成物のpHは、上記組成物の10%固体溶液として測定され、ここで、その溶媒は蒸留水である。これらの実施形態では、特に断りのない限り、pHの測定はすべて20℃で行われる。
いくつかの実施形態では、プロテアーゼ変異体が粒状組成物又は液体組成物に使用される場合、保存時にプロテアーゼ変異体を粒状組成物の他の成分から保護するために、変異型プロテアーゼはカプセル封入粒子の形態であることが望ましい。加えて、カプセル封入は、クリーニングプロセスでプロテアーゼ変異体の利用能を制御する手段でもある。いくつかの実施形態では、カプセル封入は、プロテアーゼ変異体及び/又は追加の酵素の性能を向上させる。この観点から、本発明のプロテアーゼ変異体は、当該技術分野において既知の任意の好適なカプセル材によりカプセル封入される。いくつかの実施形態では、カプセル材は、典型的には、本発明のプロテアーゼ変異体に関する触媒の少なくとも一部を封入する。典型的には、カプセル材は、水溶性及び/又は水分散性である。いくつかの実施形態では、カプセル材は、0℃以上のガラス転移温度(Tg)を有する。ガラス転移温度は、PCT国際特許出願公開第97/11151号により詳細に記載されている。カプセル材は、典型的には、炭水化物、天然又は合成ゴム、キチン、キトサン、セルロース及びセルロース誘導体、ケイ酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、パラフィンワックス、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される。カプセル材が炭水化物である場合、典型的には、単糖、オリゴ糖、多糖、及びこれらの組み合わせから選択される。いくつかの典型的な実施形態では、カプセル材はデンプンである(例えば、欧州特許第0 922 499号;米国特許第4,977,252号、同第5,354,559号、及び同第5,935,826号を参照されたい)。いくつかの実施形態では、カプセル材は、熱可塑性物質、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリロニトリル及びこれらの混合物などのプラスチックから製造されるマイクロスフェアであり、有用な市販のマイクロスフェアとしては、限定するものではないが、EXPANCEL(登録商標)(Stockviksverken,Sweden)、並びにPM 6545、PM 6550、PM 7220、PM 7228、EXTENDOSPHERES(登録商標)、LUXSIL(登録商標)、Q−CEL(登録商標)、及びSPHERICEL(登録商標)(PQ Corp.,Valley Forge,PA)として供給されるものが挙げられる。
本明細書に記載のように、本発明のプロテアーゼ変異体は、限定するものではないが、洗濯用洗剤及び食器用洗剤などのクリーニング産業において特に有用である。これらの用途では、酵素を様々な環境ストレス下に置く。本発明のプロテアーゼ変異体は、様々な条件下で安定であることから、現在使用されている多数の酵素よりも有利である。
実際に、多様な洗剤の配合、多様な洗浄水の容量、多様な洗浄水の温度、及び多様な洗浄時間の長さを含む各種洗浄条件が存在し、洗浄に関与するプロテアーゼはこれらの条件に晒される。加えて、異なる地域で使用される洗剤配合物では、洗浄水中に、関連する成分が異なる濃度で存在する。例えば、欧州の洗剤は一般的には4500〜5000ppmの洗剤成分を洗浄水中に有するが、日本の洗剤は一般的には667ppmの洗剤成分を洗浄水に有する。北アメリカ、特に合衆国では、一般的には約975ppmの洗剤成分を洗浄水中に有する。
低濃度洗剤系には、約800ppm未満の洗剤成分が洗浄水に存在する洗剤が包含される。日本の洗剤は、洗浄水中におよそ667ppmの洗剤成分が存在していることから、一般に低濃度洗剤系とみなされる。
中間濃度の洗剤には、約800ppm〜約2000ppmの洗剤成分が洗浄水中に存在する洗剤が包含される。北アメリカの洗剤は、洗浄水中におよそ975ppmの洗剤成分が存在していることから、一般に中間濃度の洗剤系であるとみなされる。ブラジルでは、典型的に洗浄水中におよそ1500ppmの洗剤成分が存在する。
高濃度洗剤系には、約2000ppm超の洗剤成分が洗浄水中に存在している洗剤が包含される。欧州の洗剤は、洗浄水中におよそ4500〜5000ppmの洗剤成分が存在していることから、一般に高濃度洗剤系であるとみなされる。
ラテンアメリカの洗剤は、概して高起泡性のリン酸塩ビルダー洗剤であり、洗浄水中に1500〜6000ppmの範囲の洗剤成分が存在していることから、ラテンアメリカで使用されている洗剤の範囲は、中間濃度及び高濃度洗剤の両方に包含される。上記のように、ブラジルでは、洗浄水中に典型的におよそ1500ppmの洗剤成分が存在する。しかしながら、例えば、他のラテンアメリカの国々に限定されないが、高起泡性のリン酸ビルダー洗剤が使用されている他の地域では、洗浄水中に、洗剤成分が最大で約6000ppm存在している高濃度洗剤系が使用されている場合がある。
前述の内容を考慮すると、世界中の典型的な洗浄液中の洗剤組成物の濃度は、約800ppm未満の洗剤組成物(「低濃度洗剤地域」)、例えば、日本の約667ppmのものから、約800ppm〜約2000ppmの洗剤組成物(「中間濃度の洗剤地域」)、例えば、米国の約975ppm及びブラジルの約1500ppmのもの、そして約2000ppm超の洗剤組成物(「高濃度洗剤地域」)、例えば、欧州の約4500ppm〜約5000ppmのもの、及び高起泡性リン酸ビルダーの地域では約6000ppmのものまで様々であることが明白である。
典型的な洗浄液の濃度は経験的に決定される。例えば、米国では、典型的な洗濯機の洗浄液容量は約64.4Lである。したがって、洗浄溶液中に約975ppmの洗剤濃度を得るためには、64.4Lの洗浄液に約62.79gの洗剤組成物を添加しなくてはならない。この量は、消費者が、洗剤に付属された計量カップを用いて洗浄水に量り入れる典型的な量である。
更なる例として、異なる地域では異なる洗浄温度が使用される。日本で使用されている洗浄水の温度は、一般的に、欧州で使用される温度よりも低い。例えば、北アメリカ及び日本の洗浄水の温度は、典型的には約10〜約30℃(例えば、約20℃)であるが、欧州の洗浄水の温度は、典型的には約30〜約60℃(例えば、約40℃)である。しかしながら、エネルギーの節約の観点から、多くの消費者は冷水洗浄の使用に切り替えている。加えて、いくつかの更なる地域では、典型的に洗濯だけでなく食器洗浄用途にも冷水が使用されている。いくつかの実施形態では、本発明の「冷水洗浄」では、約10℃〜約40℃、又は約20℃〜約30℃、又は約15℃〜約25℃、並びに約15℃〜約35℃の範囲内のすべてのその他の組み合わせ、並びに10℃〜40℃のすべての範囲の洗浄温度に好適な「冷水用洗剤」を用いる。
更なる例として、異なる地域では、典型的には異なる硬度の水が用いられている。水硬度は、通常、Ca2+/Mg2+を合わせて1ガロンあたりのグレインを単位とする。硬度は、水中のカルシウム(Ca2+)及びマグネシウム(Mg2+)量の測定値である。米国ではほとんどの水は硬水であるが、硬度の程度は様々である。中硬水(60〜120ppm)〜硬水(121〜181ppm)は、60〜181ppm(ppmをグレイン/USガロン単位に変換する場合、ppm数を17.1で除したものがグレイン/ガロンに相当する)の鉱物を含有する。
欧州の水硬度は、一般的には約0.150(10.5)(例えば、Ca2+/Mg2+の合計が約0.150〜約0.29(10.5〜約20.0))グラム/リットル(括弧内はグレイン/ガロン単位)を上回る(例えば、Ca2+/Mg2+の合計が約0.21グラム/リットル(15グレイン/ガロン))。北アメリカの水硬度は、一般的には日本の水硬度よりも高いものの、欧州の水硬度より低い。例えば、北アメリカの水硬度は、約0.2〜約0.6グラム(3〜約10グレイン)、約0.2〜約0.5グラム又は約0.4グラム(3〜約8グレイン又は約6グレイン)であり得る。日本の水硬度は、一般的には北アメリカの水硬度よりも低く、通常Ca2+/Mg2+の合計が約0.3(4)未満、例えば約0.04グラム/リットル(3グレイン/ガロン)である。
したがって、いくつかの実施形態では、本発明は少なくとも1組の洗浄条件(例えば、水温、水の硬度、及び/又は洗剤濃度)において驚くべき洗浄性能を示すプロテアーゼ変異体を提供する。いくつかの実施形態では、本発明のプロテアーゼ変異体の洗浄性能は、他のLG12プロテアーゼの洗浄性能と同程度である。したがって、本発明のいくつかの実施形態では、本明細書に提供されるプロテアーゼ変異体は、強化された酸化安定性、強化された熱安定性、様々な条件下での強化されたクリーニング性能、及び/又は強化されたキレート剤中の安定性を示す。加えて、本発明のプロテアーゼ変異体は、単独でも又はビルダー及び安定化剤との組み合わせとしても、洗剤を含まないクリーニング組成物において有用である。
本発明のいくつかの実施形態では、クリーニング組成物は、組成物の約0.00001重量%〜約10重量%のレベルで本発明の少なくとも1種のプロテアーゼ変異体と、組成物の重量をもとに、クリーニング助剤を含む残部(例えば、約99.999重量%〜約90.0重量%)と、を含む。本発明の他のいくつかの実施形態では、本発明のクリーニング組成物は、組成物の重量に基づき、約0.0001重量%〜約10重量%、約0.001重量%〜約5重量%、約0.001重量%〜約2重量%、約0.005重量%〜約0.5重量%のレベルの少なくとも1種のプロテアーゼ変異体と、クリーニング助剤を含むクリーニング組成物の残部(例えば、約99.9999重量%〜約90.0重量%、約99.999重量%〜約98重量%、約99.995重量%〜約99.5重量%)と、を含む。
いくつかの実施形態では、本発明のクリーニング組成物は、クリーニング性能及び/又は布地ケア及び/又は食器洗浄効果を提供する追加の洗剤用酵素を1種以上含む。好適な酵素の例としては、限定するものではないが、ヘミセルラーゼ、セルラーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、キシラナーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、ペクチン酸リアーゼ、マンナナーゼ、ケラチナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、マラナーゼ、β−グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼ、及びアミラーゼ、あるいはこれらの任意の組み合わせ又はこれらの混合物が挙げられる。いくつかの実施形態では、プロテアーゼ、リパーゼ、クチナーゼ、及び/又はセルラーゼなどの一般的に適用可能な酵素をアミラーゼと共に含む酵素混合物(すなわち、「カクテル」)が使用される。
本明細書で提供されるプロテアーゼ変異体に加えて、任意の他の好適なプロテアーゼが本発明の組成物において有用である。好適なプロテアーゼとしては、動物、植物又は微生物由来のものが挙げられる。いくつかの実施形態では、微生物由来のプロテアーゼが使用される。いくつかの実施形態では、化学物質により改変された又は遺伝子改変された変異体が包含される。いくつかの実施形態では、プロテアーゼはセリンプロテアーゼであり、好ましくはアルカリ性の微生物プロテアーゼ又はトリプシン様プロテアーゼである。アルカリ性プロテアーゼの例としては、スブチリシン、特にバチルス(Bacillus)属由来のスブチリシンが挙げられる(例えば、スブチリシン、レンタス、アミロリケファシエンス、スブチリシンCarlsberg、スブチリシン309、スブチリシン147、及びスブチリシン168)。追加の例としては、参照によりその全容が本明細書に援用される、米国再発行特許第34,606号、同第5,955,340号、同第5,700,676号、同第6,312,936号、及び同第6,482,628号が挙げられる。追加のプロテアーゼ例としては、例えば、限定するものではないが、トリプシン(例えば、ブタ又はウシ由来)、及びPCT国際特許出願公開第89/06270号に記載のフサリウムプロテアーゼが挙げられる。いくつかの実施形態では、本発明に使用できる市販のプロテアーゼ酵素としては、限定するものではないが、MAXATASE(登録商標)、MAXACAL(商標)、MAXAPEM(商標)、OPTICLEAN(登録商標)、OPTIMASE(登録商標)、PROPERASE(登録商標)、PURAFECT(登録商標)、PURAFECT(登録商標)OXP、PURAMAX(商標)、EXCELLASE(商標)、及びPURAFAST(商標)(Genencor);ALCALASE(登録商標)、SAVINASE(登録商標)、PRIMASE(登録商標)、DURAZYM(商標)、POLARZYME(登録商標)、OVOZYME(登録商標)、KANNASE(登録商標)、LIQUANASE(登録商標)、NEUTRASE(登録商標)、RELASE(登録商標)及びESPERASE(登録商標)(Novozymes);BLAP(商標)及びBLAP(商標)変異体(Henkel Kommanditgesellschaft auf Aktien(Duesseldorf,Germany))、並びにKAP(バチルス・アルカロフィルススブチリシン;花王株式会社、日本国東京)が挙げられる。様々なプロテアーゼが、国際公開WO95/23221号、国際公開第92/21760号、米国特許出願公開2008/0090747号、及び米国特許第5,801,039号、同第5,340,735号、同第5,500,364号、同第5,855,625号、米国再発行特許第34,606号、米国特許第5,955,340号、同第5,700,676号、同第6,312,936、及び同第6,482,628号、並びに様々なその他の特許文献に記載されている。いくつかの更なる実施形態では、本発明において有用であるセリンプロテアーゼとしては、限定するものではないが、PCT国際特許出願公開第07/044993号に記載の中性のセリンプロテアーゼが挙げられる。
加えて、任意の好適なリパーゼが本発明において有用である。好適なリパーゼとしては、限定するものではないが、細菌又は真菌由来のものが挙げられる。化学物質により改変された又は遺伝子改変された変異体は本発明に包含される。有用なリパーゼの例としては、ヒュミコラ・ラヌギノーサ(Humicola lanuginosa)リパーゼ(例えば、欧州特許第258 068号、及び同第305 216号を参照されたい)、リゾムコール・ミエヘイ(Rhizomucor miehei)リパーゼ(例えば、欧州特許第238 023号を参照されたい)、カンジダ(Candida)リパーゼ、例えば、カンジダ・アンタークティカ(C. antarctica)リパーゼ[例えば、カンジダ・アンタークティカ(C. antarctica)リパーゼA又はB;例えば、欧州特許第214 761号を参照されたい]、シュードモナス(Pseudomonas)リパーゼ、例えば、シュードモナス・アルカリジェネス(P. alcaligenes)及びシュードモナス・シュードアルカリジェネス(P. pseudoalcaligenes)リパーゼ(例えば、欧州特許第218 272号を参照されたい)、シュードモナス・セパキア(P. cepacia)リパーゼ(例えば、欧州特許第331 376号を参照されたい)、シュードモナス・ストゥッチェリ(P. stutzeri)リパーゼ(例えば、英国特許第1,372,034号を参照されたい)、シュードモナス・フルオレッセンス(P. fluorescens)リパーゼ、バチルス(Bacillus)リパーゼ(例えば、バチルス・スブチリス(B. subtilis)リパーゼ[Dartois et al.,Biochem.Biophys.Acta 1131:253〜260[1993]);バチルス・ステアロサーモフィラス(B. stearothermophilus)リパーゼ[例えば、日本国特許第64/744992号を参照されたい];並びにバチルス・プミルス(B.pumilus)リパーゼ[例えば、国際公開第WO 91/16422号を参照されたい])が挙げられる。
更に、本発明のいくつかの実施形態には、ペニシリウム・カマンベルティ(Penicillium camembertii)リパーゼ(Yamaguchi et al.,Gene 103:61〜67[1991]を参照されたい)、ゲオトリクム・カンジドウム(Geotricum candidum)リパーゼ(Schimada et al.,J.Biochem.,106:383〜388[1989]を参照されたい)、及び様々なリゾプス(Rhizopus)リパーゼ、例えば、リゾプス・デレマー(R. delemar)リパーゼ(Hass et al.,Gene 109:117〜113[1991]を参照されたい)、リゾプス・ニベウス(R. niveus)リパーゼ(Kugimiya et al.,Biosci.Biotech.Biochem.56:716〜719[1992])、及びリゾプス・オリゼ(R. oryzae)リパーゼが挙げられるがこれらに限定されない数多くのクローン化されたリパーゼの使用が見出される。
クチナーゼなどの他の種類の脂肪分解酵素も本発明のいくつかの実施形態での使用が見出されており、限定するものではないが、例えば、シュードモナス・メンドシナ(Pseudomonas mendocina)由来のクチナーゼ(国際公開第88/09367号を参照されたい)、及びフザリウム・ソラニ・ピシ(Fusarium solani pisi)由来のクチナーゼ(国際公開第90/09446号を参照されたい)が挙げられる。
その他の好適なリパーゼとしては、M1 LIPASE(商標)、LUMA FAST(商標)、及びLIPOMAX(商標)(Genencor);LIPEX(登録商標)、LIPOLASE(登録商標)及びLIPOLASE(登録商標)ULTRA(Novozymes);及びLIPASE P(商標)「アマノ」(天野エンザイム,日本)などの市販のリパーゼが挙げられる。
本発明のいくつかの実施形態では、本発明のクリーニング組成物は、組成物の重量に基づき約0.00001重量%〜約10重量%の追加のリパーゼのレベルのリパーゼと、組成物の重量に基づき残部のクリーニング助剤と、を更に含む。本発明の他のいくつかの実施形態では、本発明のクリーニング組成物はまた、更にリパーゼを、組成物の重量に基づき約0.0001重量%〜約10重量%、約0.001重量%〜約5重量%、約0.001重量%〜約2重量%、約0.005重量%〜約0.5重量%リパーゼのレベルで含む。
本発明のいくつかの実施形態では、任意の好適なアミラーゼが、本発明において有用である。いくつかの実施形態では、アルカリ性溶液に使用するのに好適である任意のアミラーゼ(例えば、α及び/又はβ)も有用である。好適なアミラーゼとしては、限定するものではないが、細菌由来のもの又は真菌由来のものが挙げられる。いくつかの実施例では、化学物質により改変された又は遺伝子改変された変異体が包含される。本発明において有用なアミラーゼとしては、限定するものではないが、バチルス・リケニフォルミス(B. licheniformis)から得られるα−アミラーゼが挙げられる(例えば、英国特許第1,296,839号を参照されたい)。本発明において有用な市販のアミラーゼとしては、限定するものではないが、DURAMYL(登録商標)、TERMAMYL(登録商標)、FUNGAMYL(登録商標)、STAINZYME(登録商標)、STAINZYME PLUS(登録商標)、STAINZYME ULTRA(登録商標)、及びBAN(商標)(Novozymes)、並びにPOWERASE(商標)、RAPIDASE(登録商標)及びMAXAMYL(登録商標)P(Genencor)が挙げられる。
本発明のいくつかの実施形態では、本発明のクリーニング組成物は、組成物の重量に基づき約0.00001重量%〜約10重量%の追加のアミラーゼのレベルのアミラーゼと、組成物の重量に基づき残部のクリーニング助剤と、を更に含む。同様に、本発明の一部の他の実施例では、本発明のクリーニング組成物はまた、更にアミラーゼを、組成物の重量に基づき約0.0001重量%〜約10重量%、約0.001重量%〜約5重量%、約0.001重量%〜約2重量%、約0.005重量%〜約0.5重量%アミラーゼのレベルで含む。
いくつかの更なる実施形態では、任意の好適なセルラーゼが、本発明のクリーニング組成物において有用である。好適なセルラーゼとしては、限定するものではないが、細菌又は真菌由来のものが挙げられる。いくつかの実施形態では、化学物質により改変された又は遺伝子改変された変異体が包含される。好適なセルラーゼとしては、限定するものではないが、ヒュミコラ・インソレンス(Humicola insolens)セルラーゼが挙げられる(例えば、米国特許第4,435,307号を参照されたい)。特に好適なセルラーゼは、色ケア効果を有するセルラーゼである(例えば、欧州特許第0495257号を参照されたい)。本発明において有用である市販のセルラーゼとしては、限定するものではないが、CELLUZYME(登録商標)、CAREZYME(登録商標)(Novozymes)、及びKAC−500(B)(商標)(花王株式会社)が挙げられる。いくつかの実施形態では、セルラーゼは、N−末端部分が欠失している成熟野生型セルラーゼ又はセルラーゼ変異体の部分又は断片として組み込まれる(例えば、米国特許第5,874,276号を参照されたい)。いくつかの実施形態では、本発明のクリーニング組成物は、組成物の重量に基づき約0.00001重量%〜約10重量%のレベルの追加のセルラーゼと、組成物の重量に基づき残部のクリーニング助剤と、を更に含む。本発明の他のいくつかの実施形態では、本発明のクリーニング組成物はまた、更にセルラーゼを、組成物の重量に基づいて約0.0001重量%〜約10重量%、約0.001重量%〜約5重量%、約0.001重量%〜約2重量%、約0.005重量%〜約0.5重量%のレベルで含む。
洗剤組成物で使用するのに好適な任意のマンナナーゼも同様に本発明において有用である。好適なマンナナーゼとしては、限定するものではないが、細菌又は真菌由来のものが挙げられる。いくつかの実施形態では、化学物質により改変された又は遺伝子改変された変異体が包含される。本発明において使用が見出される様々なマンナナーゼが知られている(例えば、参照によりその全容が本明細書に援用される米国特許第6,566,114号、同第6,602,842号、及び同第6,440,991号を参照されたい)。いくつかの実施形態では、本発明のクリーニング組成物は、組成物の約0.00001重量%〜約10重量%のレベルの追加のマンナナーゼと、組成物の重量に基づき残部のクリーニング助剤と、を更に含む。本発明のいくつかの実施形態では、本発明のクリーニング組成物はまた、更に、組成物の約0.0001重量%〜約10重量%、約0.001重量%〜約5重量%、約0.001重量%〜約2重量%、約0.005重量%〜約0.5重量%レベルでマンナナーゼを含む。
いくつかの実施形態では、ペルオキシダーゼは過酸化水素又は過酸化水素供給源(例えば、過炭酸塩、過ホウ酸塩又は過硫酸塩)と組み合わせて本発明の組成物に使用される。いくつかの代替的な実施形態では、オキシダーゼは酸素と組み合わせて使用される。いずれのタイプの酵素も「溶液を漂白する」(すなわち、布地を一緒に洗浄液で洗浄する場合に、繊維製品の染料が、その染料で染色されている布から他の布へと色移りするのを予防する)ために、好ましくは増感剤と共に使用される(例えば、PCT国際特許出願公開第94/12621号及び同第95/01426号を参照されたい)。好適なペルオキシダーゼ/オキシダーゼとしては、限定するものではないが、植物、細菌又は真菌由来のものが挙げられる。いくつかの実施形態では、化学物質により改変された又は遺伝子改変された変異体が包含される。いくつかの実施形態では、本発明のクリーニング組成物は、組成物の重量に基づき約0.00001重量%〜約10重量%の追加のペルオキシダーゼ及び/又はオキシダーゼのレベルのペルオキシダーゼ及び/又はオキシダーゼと、組成物の重量に基づき残部のクリーニング助剤と、を更に含む。本発明の他のいくつかの実施形態では、本発明のクリーニング組成物はまた、更にペルオキシダーゼ及び/又はオキシダーゼを、組成物の重量に基づき約0.0001重量%〜約10重量%、約0.001重量%〜約5重量%、約0.001重量%〜約2重量%、約0.005重量%〜約0.5重量%ペルオキシダーゼ及び/又はオキシダーゼのレベルで含む。
いくつかの実施形態では、有用である追加の酵素としては、限定するものではないがペルヒドロラーゼが挙げられる(例えば、PCT国際特許出願公開第05/056782号を参照されたい)。加えて、いくつかの実施形態では、上述の酵素の混合物、特に、1種以上の追加のプロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、マンナナーゼ、及び/又は少なくとも1種のセルラーゼなどの酵素の混合物が、本明細書に包含される。実際に、これらの酵素の多様な混合物が本発明において有用であることは想到される。変異型プロテアーゼ及び1種以上の追加の酵素のレベルは、いずれも独立して約10%までの範囲で変化し、クリーニング組成物の残部はクリーニング助剤からなることも想到される。具体的なクリーニング助剤の選別は、クリーニングされる表面、物品、又は布地、並びに使用時(例えば、洗剤を用いた洗浄中)のクリーニング条件に所望される組成物の形態を考慮することで容易になされる。
好適なクリーニング助剤の例としては、限定するものではないが、界面活性剤、ビルダー、漂白剤、漂白活性化剤、漂白触媒、他の酵素、酵素安定化系、キレート剤、蛍光増白剤、汚れ剥離ポリマー、移染剤、移染防止剤、触媒材料、過酸化水素、過酸化水素供給源、予形成された過酸、ポリマー型分散剤、泥汚れ除去剤、構造弾性化剤、分散剤、抑泡剤、染料、香料、着色剤、フィラー塩、ヒドロトロープ、光活性化剤、蛍光剤、布地コンディショナー、布地柔軟剤、キャリア、ヒドロトロープ、加工助剤、溶媒、色素、加水分解性界面活性剤、保存料、抗酸化剤、収縮防止剤、防皺剤、殺菌剤、防カビ剤、色スペックル、銀製品ケア剤、変色防止剤及び/又は防食剤、アルカリ供給源、可溶化剤、キャリア、加工助剤、色素、及びpH調整剤が挙げられる(例えば、参照により本明細書にその全容が援用される、米国特許第6,610,642号;同第6,605,458号;同第5,705,464号;同第5,710,115号;同第5,698,504号;同第5,695,679号;同第5,686,014号、及び同第5,646,101号を参照されたい)。具体的なクリーニング組成物材料の実施形態を以下に詳細に例示する。クリーニング助剤が、クリーニング組成物中で本発明のプロテアーゼ変異体と適合性でない実施形態では、2つの成分を組み合わせることが適切になるまでの間、クリーニング助剤及びプロテアーゼを分離させたまま(すなわち、互いに接触させない)にするという好ましい手法が利用される。このような分離手法には、当該技術分野において既知の任意の好適な方法が包含される(例えば、ゲルキャップ法、カプセル封入、錠剤、物理的分離など)。
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される1種以上のプロテアーゼ変異体の有効量は、タンパク質性の染みを除去する必要のある各種表面をクリーニングするのに有用な組成物中に含まれる。このようなクリーニング組成物としては、硬質表面、布地、及び皿のクリーニングなどの用途向けのクリーニング組成物が挙げられる。実際に、いくつかの実施形態では、本発明は布地クリーニング組成物を提供するが、他の実施形態では、本発明は非布地用クリーニング組成物を提供する。特に、本発明は、口腔ケア組成物(歯磨剤、歯磨き粉、マウスウォッシュなど、並びに義歯洗浄用組成物を包含する)、皮膚クリーニング組成物及び毛髪クリーニング組成物などのパーソナルケアに好適なクリーニング組成物も提供する。本発明は、任意の形態(すなわち、液体、粒状、棒状、半固形、ゲル、乳濁液、錠剤、カプセル剤など)の洗剤組成物を包含することを意図する。
例として、本発明のプロテアーゼ変異体が有用である数種類のクリーニング組成物について、以降に更に詳細に説明する。本発明のクリーニング組成物が、洗濯機を用いる洗浄方法で使用するのに好適な組成物として配合されるいくつかの実施形態では、本発明の組成物は、好ましくは少なくとも1種の界面活性剤と、少なくとも1種のビルダー化合物と、並びに好ましくは、有機高分子化合物、漂白剤、追加の酵素、抑泡剤、分散剤、石鹸カス分散剤、汚れ懸濁剤及び再付着防止剤、及び防食剤から選択される1種以上のクリーニング助剤と、を含有する。いくつかの実施形態では、洗濯用組成物は柔軟剤も含有する(すなわち、追加のクリーニング助剤として)。本発明の組成物は、固形又は液体形態の洗剤添加剤としても有用である。このような添加剤は、従来の洗剤組成物の性能を補う及び/又は強化することが意図されるものであり、クリーニングプロセスの任意の段階で添加できる。いくつかの実施形態では、20℃で測定した場合、本発明の洗濯洗剤組成物の密度は約400〜約1200g/リットルの範囲であり、一方で他の実施形態では約500〜約950g/リットルの範囲である。
食器手洗い方式で使用する組成物として配合される実施形態では、本発明の組成物は、好ましくは少なくとも1種の界面活性剤と、好ましくは有機高分子化合物、起泡剤、第2族金属イオン、溶媒、ヒドロトロープ、及び追加の酵素から選択される少なくとも1種の追加のクリーニング助剤と、を含有する。
いくつかの実施形態では、米国特許第6,605,458号に提供されるものなどの様々なクリーニング組成物と、本発明のプロテアーゼ変異体とを組み合わせての使用が見出される。したがって、いくつかの実施形態では、本発明のプロテアーゼ変異体を少なくとも1種含有する組成物は、コンパクトな粒状布地クリーニング組成物である一方、他の実施形態では、組成物は、着色された布地を洗濯するのに有用な粒状布地洗浄組成物であり、他の実施形態では、組成物は、洗浄能を通して柔軟効果を提供する粒状布地クリーニング組成物であり、更なる実施形態では、組成物は、強力液体布地クリーニング組成物である。いくつかの実施形態では、本発明の少なくとも1種のプロテアーゼ変異体を含む組成物は、米国特許第6,610,642号及び同第6,376,450号に記載のものなどの布地クリーニング組成物である。更に、本発明のプロテアーゼ変異体は、欧州又は日本の洗浄条件(例えば、米国特許第6,610,642号を参照されたい)下で特に有用である顆粒状洗濯洗剤組成物への使用が見出される。
いくつかの代替的な実施形態では、本発明は、本明細書で提供されるプロテアーゼ変異体を少なくとも1種含む硬質表面クリーニング組成物を提供する。したがって、いくつかの実施形態では、少なくとも1種の本発明のプロテアーゼ変異体を含む組成物は、米国特許第6,610,642号、同第6,376,450号、及び同第6,376,450号に記載の硬質表面クリーニング組成物である。
更に他の実施形態では、本発明は、本明細書で提供されるプロテアーゼ変異体を少なくとも1種含む食器洗浄用組成物を提供する。したがって、いくつかの実施形態では、少なくとも1種の本発明のプロテアーゼ変異体を含む組成物は、米国特許第6,610,642号及び同第6,376,450号に記載のものなどの硬質表面クリーニング組成物である。更に他のいくつかの実施形態では、本発明は、本明細書で提供されるプロテアーゼ変異体を少なくとも1種含む食器洗浄用組成物を提供する。いくつかの更なる実施形態では、少なくとも1種の本発明のプロテアーゼ変異体を含む組成物は、米国特許第6,376,450号、及び同第6,376,450号に記載のものなどの口腔ケア組成物を含む。前述の米国特許第6,376,450号、同第6,605,458号、同第6,605,458号、及び同第6,610,642号に含有される化合物及びクリーニング助剤についての処方及び記載には、本明細書で提供されるプロテアーゼ変異体の使用が見出される。
本発明のクリーニング組成物は、製造者により選択される任意のプロセスにより、任意の好適な形態に処方され、かつ調製され、非限定的な例は、参照によりその全容が本明細書に援用される米国特許第5,879,584号、同第5,691,297号、同第5,574,005号、同第5,569,645号、同第5,565,422号、同第5,516,448号、同第5,489,392号、及び同第5,486,303号が挙げられる。低pHのクリーニング組成物が所望される場合、かかる組成物のpHは、モノエタノールアミン又は酸性材料(例えば、HCl)などの追加の材料により調整される。
本発明の目的には必須でないが、以下に例示される助剤の非限定的な一覧は、本発明のクリーニング組成物での使用に好適である。いくつかの実施形態では、これらの助剤は、例えば、クリーニング性能を補助又は強化させるために、クリーニングされる基材を処理するために、あるいは香料、着色剤、又は染料などの場合にはクリーニング組成物の美観を改善するために組み込まれる。これらの助剤が本発明のプロテアーゼ変異体に添加されることは理解されたい。このような追加成分の正確な性質及びその添加レベルは、組成物の物理的形態、及び組成物が使用されるクリーニング操作の性質によって決まる。好適な補助剤としては、限定するものではないが、界面活性剤、ビルダー、キレート剤、移染防止剤、付着助剤、分散剤、追加の酵素、及び酵素安定化剤、触媒材料、漂白活性化剤、漂白増進剤、過酸化水素、過酸化水素供給源、予形成された過酸、高分子分散剤、泥汚れ除去/再付着防止剤、増白剤、抑泡剤、染料、香料、構造弾性化剤、布地柔軟剤、キャリア、ヒドロトロープ、加工助剤及び/又は色素が挙げられる。以下の開示に加え、このような他の補助剤の好適な例及び使用レベルは、米国特許第5,576,282号、同第6,306,812号、及び同第6,326,348号に記載されており、これら公報は参照により組み込まれる。上述の補助成分は、本発明のクリーニング組成物の残部を構成し得る。
いくつかの実施形態では、本発明に従うクリーニング組成物は、少なくとも1種の界面活性剤及び/又は界面活性剤系を含み、界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、半極性非イオン性界面活性剤及びこれらの混合物から選択される。いくつかの低pHクリーニング組成物の実施形態(例えば、原液のpHが約3〜約5の組成物の場合)では、界面活性剤がこのような組成物の酸性成分により加水分解される恐れがあると考えられることから、典型的には当該組成物はエトキシル化アルキル硫酸塩を含まない。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、クリーニング組成物の重量に基づいて、約0.1重量%〜約60重量%のレベルで存在する一方、代替的な実施形態では約1重量%〜約50重量%のレベルで、あるいは更に他の実施形態では約5重量%〜約40重量%のレベルで存在する。
いくつかの実施形態では、本発明のクリーニング組成物は、1種以上の洗剤ビルダー又はビルダー系を含む。少なくとも1種のビルダーを組み込むいくつかの実施形態では、クリーニング組成物は、クリーニング組成物の重量に基づいて、少なくとも約1重量%、約3重量%〜約60重量%、又は更には約5重量%〜約40重量%のビルダーを含む。ビルダーとしては、限定するものではないが、例えば、ポリリン酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩及びアルカノールアンモニウム塩、ケイ酸アルカリ金属塩、炭酸のアルカリ土類金属塩及びアルカリ金属塩、アルミノケイ酸塩、ポリカルボン酸塩化合物、エーテルヒドロキシポリカルボン酸塩、無水マレイン酸とエチレン又はビニルメチルエーテルとのコポリマー、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン−2,4,6−トリスルホン酸、及びカルボキシメチルオキシコハク酸、ポリ酢酸の様々なアルカリ金属塩、アンモニウム塩及び置換アンモニウム塩(例えば、エチレンジアミン四酢酸及びニトリロ三酢酸)、並びにメリト酸、コハク酸、クエン酸、オキシジコハク酸、ポリマレイン酸、ベンゼン1,3,5−トリカルボン酸、カルボキシメチルオキシコハク酸、及びこれらの可溶性塩などのポリカルボン酸類が挙げられる。実際に、本発明の様々な実施形態では任意の好適なビルダーが有用であることが想到される。
いくつかの実施形態では、ビルダーは硬度をもたらす水溶性のイオン錯体(例えば、金属イオン封鎖ビルダー)、例えば、クエン酸塩及びポリリン酸塩など(例えば、トリポリリン酸ナトリウム及びトリポリリン酸ナトリウム六水和物、トリポリリン酸カリウム、並びにトリポリリン酸ナトリウムとトリポリリン酸カリウムとの混合物など)を形成する。当該技術分野において知られるものなどの(例えば、欧州特許第2 100 949号参照)、任意の好適なビルダーが、本発明において有用であることが想到される。
いくつかの実施形態では、本発明のクリーニング組成物は少なくとも1種のキレート剤を含有する。好適なキレート剤としては、銅、鉄及び/又はマンガンキレート剤及びこれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない。少なくとも1種のキレート剤を使用する実施形態では、本発明のクリーニング組成物は、対象とするクリーニング組成物の重量に基づいて、約0.1重量%〜約15重量%又は更には約3.0重量%〜約10重量%のキレート剤を含む。
いくつかの更なる実施形態では、本明細書で提供されるクリーニング組成物は、少なくとも1種の付着助剤を含有する。好適な付着助剤としては、限定するものではないが、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリカルボン酸塩、ポリテレフタル酸などの汚れ剥離ポリマー、カオリナイトなどのクレイ、モンモリロナイト、アタパルジャイト(atapulgite)、イライト、ベントナイト、ハロイサイト、及びこれらの混合物が挙げられる。
本明細書に記載されるように、再付着防止剤は、本発明の一部の実施形態において有用である。いくつかの実施形態では、非イオン性界面活性剤は有用である。例えば、自動食器洗浄機の実施形態では、非イオン性界面活性剤は、表面改質の目的で、特にシーチングのために、フィルミングとスポッティングを防止するため、及び光沢を改善するために有用である。これらの非イオンの界面活性剤は、また、汚れの再付着の防止にも有用である。いくつかの実施形態では、再付着防止剤は、当該技術分野において既知の非イオン性界面活性剤である(例えば、欧州特許第2 100 949号を参照されたい)。
いくつかの実施形態では、本発明のクリーニング組成物は、1種以上の移染防止剤を包含する。好適なポリマー移染防止剤としては、これらに限定されるものではないが、ポリビニルピロリドンポリマー、ポリアミンN−オキシドポリマー、N−ビニルピロリドンとN−ビニルイミダゾールとのコポリマー、ポリビニルオキサゾリドン、及びポリビニルイミダゾール、又はこれらの混合物が挙げられる。少なくとも1種の移染防止剤が使用される実施形態では、本発明のクリーニング組成物において、クリーニング組成物の重量に基づき約0.0001重量%〜約10重量%、約0.01重量%〜約5重量%、又は更には約0.1重量%〜約3重量%を構成する。
いくつかの実施形態では、ケイ酸塩が本発明の組成物に含まれる。このようないくつかの実施形態では、ケイ酸ナトリウム(例えば、二ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、及び結晶質フィロケイ酸塩)は有用である。いくつかの実施形態では、ケイ酸塩は約1%〜約20%のレベルで存在する。いくつかの実施形態では、ケイ酸塩は組成物の約5重量%〜約15重量%のレベルで存在する。
いくつかの更なる実施形態では、本発明のクリーニング組成物は分散剤も含有する。好適な水溶性有機材料には、ホモポリマー型若しくはコポリマー型の酸又はそれらの塩が挙げられるが、これらに限定されず、このうち、ポリカルボン酸は、炭素原子2個以内の程度で互いに離れている少なくとも2個のカルボキシルラジカルを含む。
いくつかの更なる実施形態では、クリーニング組成物に使用される酵素は任意の好適な技術により安定化されている。いくつかの実施形態では、本明細書で使用される酵素は、最終組成物中にカルシウムイオン及び/又はマグネシウムイオンの水溶性供給源を存在させて、カルシウムイオン及び/又はマグネシウムイオンを酵素に供給することで安定化する。いくつかの実施形態では、酵素安定化剤としては、オリゴ糖類、多糖類、及び二価の無機金属塩、例えばアルカリ土類金属塩(カルシウム塩など)が挙げられる。酵素安定化に関する様々な技術が本発明において有用であると想到される。例えば、いくつかの実施形態では、本明細書で使用される酵素は、最終組成物中に、亜鉛(II)、カルシウム(II)及び/又はマグネシウム(II)イオンの水溶性供給源、並びに他の金属イオン(例えば、バリウム(II)、スカンジウム(II)、鉄(II)、マンガン(II)、アルミニウム(III)、スズ(II)、コバルト(II)、銅(II)、ニッケル(II)、及びオキソバナジウム(IV)イオン)の水溶性供給源を存在させて当該イオンを酵素に供給することで安定化される。塩化物及び硫酸塩もまた、本発明のいくつかの実施形態において有用である。好適なオリゴ糖類及び多糖類(例えば、デキストリン)の例は、当該技術分野において既知である(例えば、PCT国際特許出願公開第07/145964号を参照されたい)。いくつかの実施形態では、例えば、ホウ素含有化合物(例えば、ホウ酸塩、4−ホルミルフェニルボロン酸)及び/又はトリペプチドアルデヒドなどの可逆的プロテアーゼ阻害剤もまた、所望により更に安定性を改善させるために有用である。
いくつかの実施形態では、漂白剤、漂白活性化剤及び/又は漂白触媒が、本発明の組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、本発明のクリーニング組成物は、無機及び/又は有機漂白化合物を含む。無機漂白剤としては、限定するものではないが、ペルハイドレート塩(例えば、過ホウ酸塩、過炭酸塩、過リン酸塩、過硫酸塩、及び過ケイ酸塩)が挙げられる。いくつかの実施形態では、無機ペルハイドレート塩はアルカリ金属塩である。いくつかの実施形態では、無機ペルハイドレート塩が、更なる保護はされずに結晶質の固体として含まれるが、他のいくつかの実施形態では、この塩はコーティングされる。当該技術分野において知られる任意の好適な塩が、本発明において有用である(例えば、欧州特許第2 100 949号を参照されたい)。
いくつかの実施形態では、漂白活性化剤を本発明の組成物に使用する。漂白活性化剤は、典型的には、60℃以下の温度にてクリーニング過程で漂白作用を増強させる有機過酸前駆体である。本明細書に用いるのに好適な漂白活性化剤としては、過加水分解条件下で好ましくは約1〜約10個の炭素原子、特に約2〜約4個の炭素原子を有する脂肪族ペルオキシカルボン酸及び/又は任意に置換された過安息香酸を生じる化合物が挙げられる。更なる漂白活性化剤も当該技術分野において知られており、本発明において有用である(例えば、欧州特許第2 100 949号を参照されたい)。
加えて、いくつかの実施形態において及び本明細書に更に記載されるように、本発明のクリーニング組成物は、少なくとも1種の漂白触媒を更に含む。いくつかの実施形態では、マンガントリアザシクロノナン及び関連する錯体、並びにコバルト錯体、銅錯体、マンガン錯体、及び鉄錯体も有用である。その他の漂白触媒も本発明において有用である(例えば、米国特許第4,246,612号、同第5,227,084号、及び同第4,810,410号;PCT国際特許出願公開第99/06521号;及び欧州特許第2 100 949号を参照されたい)。
いくつかの実施形態では、本発明のクリーニング組成物は1種以上の触媒性金属錯体を含有する。いくつかの実施形態では、金属系漂白触媒は有用である。いくつかの実施形態では、金属系漂白触媒には、所定の漂白触媒活性を有する遷移金属カチオン(例えば、銅、鉄、チタン、ルテニウム、タングステン、モリブデン又はマンガンカチオン)、漂白触媒活性をわずかしか有さない又は全く有さない補助金属カチオン(例えば、亜鉛又はアルミニウムカチオン)、及び触媒型及び補助金属カチオンに関して所定の安定性定数を有する金属イオン封鎖剤、具体的には、エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン四(メチレンホスホン酸)及びこれらの水溶性塩を含む触媒系が含まれる(例えば、米国特許第4,430,243号を参照されたい)。いくつかの実施形態では、本発明のクリーニング組成物はマンガン化合物により触媒される。このような化合物及び使用レベルは当該技術分野において周知である(例えば、米国特許第5,576,282号を参照されたい)。追加の実施形態では、コバルト漂白触媒は、本発明のクリーニング組成物において有用である。様々なコバルト漂白触媒が当該技術分野において知られており(例えば、米国特許第5,597,936号及び同第5,595,967号を参照されたい)、知られている手順により容易に調製される。
いくつかの更なる実施形態では、本発明のクリーニング組成物は、マクロ多環式剛性配位子(MRL)の遷移金属錯体を含有する。実際問題として、制限を目的とするものではないが、いくつかの実施形態では、本発明により提供される組成物及びクリーニング方法は、水性洗浄媒質中に少なくとも1pphmの次数で活性MRL種を供給するように調整され、及びいくつかの実施形態では約0.005ppm〜約25ppm、より好ましくは約0.05ppm〜約10ppm、及び最も好ましくは約0.1ppm〜約5ppmのMRLが洗浄液中に供給される。
いくつかの実施形態では、本発明の遷移金属漂白触媒の遷移金属としては、限定するものではないが、例えば、マンガン、鉄及びクロムが挙げられる。同様に、MRLとしては、限定するものではないが、例えば、特定の架橋型超剛性配位子(例えば、5,12−ジエチル−1,5,8,12−テトラアザビシクロ(6.6.2)ヘキサデカン)が挙げられる。好適な遷移金属MRLは、知られている手順により容易に調製される(例えば、PCT国際特許出願公開第2000/32601号及び米国特許第6,225,464号を参照されたい)。
いくつかの実施形態では、本発明のクリーニング組成物は、金属製品ケア剤を含有する。金属製品ケア剤は、アルミニウム、ステンレス鋼、及び非鉄金属(例えば、銀及び銅)を包含する金属の、変色、腐食、及び/又は酸化の予防及び/又は軽減に有用である。好適な金属製品ケア剤としては、欧州特許第2 100 949号、PCT国際特許出願公開第94/26860号、及び同第94/26859号に記載のものが挙げられる。いくつかの実施形態では、金属製品ケア剤は亜鉛塩である。いくつかの更なる実施形態では、本発明のクリーニング組成物は、1種以上の金属製品ケア剤を約0.1重量%〜約5重量%含む。
いくつかの実施形態では、クリーニング組成物は、LG12プロテアーゼ変異体を有する高密度液体(HDL)組成物である。HDL液体洗濯洗剤には、アニオン性洗剤界面活性剤(線状又は分岐状又はランダム鎖、置換又は非置換アルキル硫酸塩、スルホン酸アルキル、アルキルアルコキシル化硫酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルホスホン酸塩、アルキルカルボン酸塩、及び/又はこれらの混合物からなる群から選択される);及び任意選択的に非イオン界面活性剤(線状又は分岐状又はランダム鎖、置換又は非置換アルキルアルコキシル化アルコール、例えば、C8〜C18アルキルエトキシル化アルコール及び/又はC6〜C12アルキルフェノールアルコキシレートからなる群から選択される)を含む、洗剤界面活性剤を含ませることができ(10%〜40%)、任意選択的に、アニオン性洗剤界面活性剤(親水性指数(HIc)が6.0〜9のもの)の非イオン性洗剤界面活性剤に対する重量比は1:1である。
組成物には、任意選択的に、両親媒性アルコキシル化グリースクリーニングポリマーからなる界面活性増強ポリマー(surfactancy boosting polymer)(分岐親水性及び疎水性を備える分岐部分を有するアルコキシル化ポリマーからなる群から選択され、例えば、アルコキシル化ポリアルキレンイミンを0.05重量%〜10重量%)、及び/又はランダムグラフトポリマー(典型的には、不飽和C1〜C6カルボン酸、エーテル、アルコール、アルデヒド、ケトン、エステル、糖単位、アルコキシ単位、無水マレイン酸、飽和ポリアルコール、例えば、グリセロール、及びこれらの混合物からなる群から選択されるモノマーを含む親水性主鎖と、C4〜C25アルキル基、ポリプロピレン、ポリブチレン、飽和C〜C6モノカルボン酸のビニルエステル、アクリル酸又はメタクリル酸のC1〜C6アルキルエステル、及びこれらの混合物からなる群から選択される疎水性側鎖(複数可)とを含む)を含ませることができる。
組成物には、追加ポリマー、例えば汚れ剥離ポリマー(アニオン性末端保護ポリエステル、例えば、SRP1、ランダム又はブロック構成で、単糖類、ジカルボン酸、ポリオール及びこれらの組み合わせから選択される少なくとも1種のモノマー単位を含むポリマー、ランダム又はブロック構成のエチレンテレフタレート系ポリマー及びそれらのコポリマーであって、例えば、Repel−o−tex SF、SF−2及びSRP6、Texcare SRA100、SRA300、SRN100、SRN170、SRN240、SRN300及びSRN325、Marloquest SLを含む)、再付着防止ポリマー(分子量500〜100,000Daの範囲の、アクリル酸、マイレン酸(若しくはマレイン酸無水物)、フマル酸、イタコン酸、アコニット酸、メサコン酸、シトラコン酸、メチレンマロン酸、及びこれらの任意の混合物から選択される少なくとも1種のモノマーを含むポリマー、ビニルピロリドンホモポリマー、並びに/又はポリエチレングリコールなどのカルボキシレートポリマーを0.1重量%〜10重量%含む)、セルロースポリマー(アルキルセルロース、アルキルアルコキシアルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロース、アルキルカルボキシアルキルセルロースであって、例えば、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルカルボキシメチルセルロース、及びこれらの混合物などから選択されるものを含む)、並びに高分子カルボキシレート(マレイン酸/アクリル酸ランダムコポリマー又はポリアクリル酸ホモポリマーなど)などを含めることもできる。
組成物は、飽和又は不飽和脂肪酸、好ましくは飽和又は不飽和C12〜C24脂肪酸(0重量%〜10重量%)、及び付着補助剤を含んでもよく、付着補助剤の例としては、多糖類、好ましくはセルロース系ポリマー、ポリジアリルジメチルアンモニウムハロゲン化物(DADMAC)、及びDADMACと、ビニルピロリドン、アクリルアミド、イミダゾール、ハロゲン化イミダゾリニウム、及びそれらの混合物との、ランダム又はブロック構成のコポリマー、カチオン性グアーガム、カチオン性セルロース(例えば、カチオン性ヒドロキシエチル(hydoxyethyl)セルロースなど)、カチオン性デンプン、カチオン性ポリアシルアミド、並びにそれらの混合物が挙げられる。
組成物には、更に、移染防止剤を含ませることもでき、移染防止剤としては、例えば、マンガンフタロシアニン、ペルオキシダーゼ、ポリビニルピロリドンポリマー、ポリアミンN−オキシドポリマー、N−ビニルピロリドンとN−ビニルイミダゾールとのコポリマー、ポリビニルオキサゾリドン及びポリビニルイミダゾール、並びに/又はこれらの混合物、キレート剤(例えば、エチレン−ジアミン−四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸(DTPMP)、ヒドロキシ−エタンジホスホン酸(HEDP)、エチレンジアミンN,N’−二コハク酸(EDDS)、メチルグリシン二酢酸(MGDA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、プロピレンジアミン四酢酸(PDTA)、2−ヒドロキシピリジン−N−オキシド(HPNO)、又はメチルグリシン二酢酸(MGDA)が挙げられる)、グルタミン酸N,N二酢酸(N,N−ジカルボキシメチルグルタミン酸四ナトリム塩(GLDA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、4,5−ジヒドロキシ−m−ベンゼンジスルホン酸、クエン酸及びその任意の塩、N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、トリエチレンテトラアミン六酢酸(TTHA)、N−ヒドロキシエチルイミノ二酢酸(HEIDA)、ジヒドロキシエチルグリシン(DHEG)、エチレンジアミンテトラプロピオン酸(EDTP)、及びこれらの誘導体が挙げられる。
組成物は、更に、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、コリンオキシダーゼ、ペルオキシダーゼ/オキシダーゼ、ペクチン酸リアーゼ、マンナナーゼ、クチナーゼ、ラッカーゼ、ホスホリパーゼ,リゾホスホリパーゼ、アシルトランスフェラーゼ、ペルヒドロラーゼ、アリールエステラーゼ、及びこれらの任意の混合物から選択される酵素(約0.01重量%活性酵素〜0.03重量%活性酵素)を含ませることもできる。組成物は、酵素安定化剤(例としては、プロピレングリコール若しくはグリセロールなどのポリオール類、糖若しくは糖アルコール、乳酸、可逆的プロテアーゼ阻害剤、ホウ酸、若しくは芳香族ホウ酸エステルなどのホウ酸誘導体、又は4−ホルミルフェニルボロン酸などのフェニルボロン酸誘導体が挙げられる)を含んでもよい。
組成物には、シリコーン又は脂肪酸系抑泡剤、色相染料、カルシウム及びマグネシウムカチオン、視覚的シグナル成分、消泡剤(0.001重量%〜約4.0重量%)、及び/又は構造剤/増粘剤(0.01重量%〜5重量%、ジグリセリド及びトリグリセリド、エチレングリコールジステアレート、微小結晶セルロース、セルロース系材料、微小繊維セルロース、バイオポリマー、キサンタンガム、ジェランガム、及びこれらの混合物からなる群から選択される)を更に含ませることもできる。
好適な洗浄界面活性剤には、カチオン性洗浄界面活性剤(アルキルピリジニウム化合物、アルキル第四級アンモニウム化合物、アルキル第四級ホスホニウム化合物、アルキル第三級スルホニウム化合物、及び/又はこれらの混合物からなる群から選択される)、双極性及び/又は両性洗浄界面活性剤(アルカノールアミンスルホベタインからなる群から選択される)、両性界面活性剤、半極性非イオン性界面活性剤、並びにこれらの混合物も含まれる。
組成物は任意の液体形態であってよく、例えば、液体又はジェル形態、あるいはこれらの組み合わせであってよい。組成物は、任意の単回用量形態であってよく、例えば、パウチであってもよい。
いくつかの実施形態では、クリーニング組成物は、LG12プロテアーゼ変異体を有する高密度粉末(HDD)組成物である。HDD粉末洗濯洗剤は、洗浄用界面活性剤、例えば、アニオン性洗浄用界面活性剤(例えば、直鎖状又は分岐鎖状又はランダム鎖状の、置換又は非置換のアルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアルコキシル化硫酸塩、アルキルリン酸塩、アルキルホスホン酸塩、アルキルカルボン酸塩、及び/又はそれらの混合物からなる群から選択される)、非イオン性洗浄用界面活性剤(例えば、直鎖状又は分岐鎖状又はランダム鎖状の、置換又は非置換のC8〜C18アルキルエトキシレート、及び/又はC6〜C12アルキルフェノールアルコキシレートからなる群から選択される)、カチオン性洗浄用界面活性剤(例えば、アルキルピリジニウム化合物、アルキル第四級アンモニウム化合物、アルキル第四級ホスホニウム化合物、アルキル第三級スルホニウム化合物、及びそれらの混合物からなる群から選択される)、双性イオン性及び/又は両性洗浄用界面活性剤(アルカノールアミンスルホベタインからなる群から選択される)、両性界面活性剤、半極性非イオン性界面活性剤、及びそれらの混合物など;ビルダー、例えば、リン酸塩を含まないビルダー(例えば、0重量%〜10重量%未満の範囲の、ゼオライトA、ゼオライトX、ゼオライトP及びゼオライトMAPなどのゼオライトビルダー)、リン酸塩ビルダー(例えば、0重量%〜10重量%未満の範囲の、トリポリリン酸ナトリウムを包含する)、15重量%未満の範囲のクエン酸、クエン酸塩、及びニトリロ三酢酸又はその塩、ケイ酸塩(0重量%〜10重量%未満の範囲のケイ酸ナトリウム若しくはケイ酸カリウム又はメタケイ酸ナトリウム、あるいは層状ケイ酸塩(SKS−6))、炭酸塩(0重量%〜10重量%未満の範囲の、炭酸ナトリウム及び/又は重炭酸ナトリウム);並びに漂白剤(すなわち、フォトブリーチであって、例としては、スルホン化亜鉛フタロシアニン、スルホン化アルミニウムフタロシアニン、キサンテン染料、及びそれらの混合物が含まれる)、疎水性若しくは親水性の漂白活性剤(例えば、ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸塩、デカノイルオキシベンゼンスルホン酸塩、デカノイルオキシ安息香酸若しくはその塩、3,5,5−トリメチルヘキサノイルオキシベンゼンスルホン酸塩、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、及びノナノイルオキシベンゼンスルホン酸塩(NOBS)、ニトリル四級アンモニウム塩、並びにこれらの混合物を含む)、過酸化水素、過酸化水素供給源(無機ペルハイドレート塩、例えば、過ホウ酸、過炭酸、過硫酸、過リン酸又は過ケイ酸のナトリウム塩一水和物又は四水和物を含む)、予形成された親水性及び/又は疎水性の過酸(過カルボン酸及びその塩、過炭酸及びその塩、ペルイミド酸及びその塩、ペルオキシ一硫酸及びその塩からなる群から選択される)、並びにこれらの混合物及び/又は漂白触媒(例えば、イミニウムカチオン及びポリイオンを含むイミン漂白増進剤など、イミニウム双性イオン、変性アミン、変性アミンオキシド、N−スルホニルイミン、N−ホスホニルイミン、N−アシルイミン、チアジアゾールジオキシド、ペルフルオロイミン、環状糖ケトン及びこれらの混合物、並びに金属含有漂白触媒(例えば、銅、鉄、チタン、ルテニウム、タングステン、モリブデン又はマンガンカチオンと、亜鉛又はアルミニウムなどの補助金属カチオン)が挙げられる)、並びにエチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン四(メチレンホスホン酸)及びそれらの水溶性塩などの金属イオン封鎖剤を含ませることができる。
組成物は、更に、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、コリンオキシダーゼ、ペルオキシダーゼ/オキシダーゼ、ペクチン酸リアーゼ、マンナナーゼ、クチナーゼ、ラッカーゼ、ホスホリパーゼ、リゾホスホリパーゼ、アシルトランスフェラーゼ、ペルヒドロラーゼ、アリールエステラーゼ、及びそれらの任意の混合物からなる群から選択される酵素を含めることもできる。
組成物には、香料マイクロカプセル、デンプンカプセル化香料アコード、色相剤(hueing agent)、追加のポリマー(布地保全剤(fabric integrity)及びカチオン性ポリマー)、染料固定剤、布地柔軟剤、増白剤(例えば、C.I.蛍光増白剤)、凝集剤、キレート剤、アルコキシル化ポリアミン、布地付着助剤(fabric deposition aid)、及び/又はシクロデキストリンなどの追加の洗剤原料を更に含ませることができる。
いくつかの実施形態では、クリーニング組成物は、LG12プロテアーゼ変異体を有する自動食器洗い機用(ADW)洗剤組成物である。ADW洗剤組成物は、0〜10重量%の量で存在する2種以上の非イオン性界面活性剤であって、エトキシル化非イオン性界面活性剤、アルコールアルコキシル化界面活性剤、エポキシキャップされたポリ(オキシアルキル化)アルコール、又はアミンオキシド界面活性剤から選択されるもの;5〜60%の範囲のビルダーであって、リン酸塩ビルダー(一リン酸塩、二リン酸塩、三リン酸塩又はオリゴマー化ポリリン酸塩、好ましくはトリポリリン酸ナトリウム(STPP))又はリン酸を含まないビルダー[アミノ酸系化合物、例えばMGDA(メチルグリシン二酢酸)及びその塩並びにそれらの誘導体、GLDA(グルタミン酸−N,N−二酢酸)及びその塩並びにそれらの誘導体、IDS(イミノ二コハク酸)及びその塩並びにそれらの誘導体、カルボキシメチルイヌリン及びその塩及びそれらの誘導体並びにこれらの混合物、ニトリロ三酢酸(NTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、B−アラニン二酢酸(B−ADA)及びその塩を含む]のうちいずれかを含むビルダー;約0.5重量%〜約50重量%の範囲の、ポリカルボン酸のホモポリマー及びコポリマー並びにそれらの部分中和した又は完全中和した塩、カルボン酸モノマー及びポリカルボン酸及びヒドロキシカルボン酸並びにそれらの塩;約0.1重量%〜約50重量%の範囲の、スルホン化/カルボキシル化ポリマー(製品に寸法安定性を付与するためのもの);約0.1重量%〜約10重量%の範囲の、乾燥補助剤(ポリエステルから選択され、特にアニオン性ポリエステルであって、場合により、重縮合を促す3〜6個の官能基、具体的には酸、アルコール又はエステル官能基を有する更なるモノマーを併せ持つもの、ポリカーボネート−、ポリウレタン−及び/若しくはポリ尿素−ポリオルガノシロキサン化合物又はその反応性環状炭酸エステル及び尿素型の前駆体化合物);約1重量%〜約20重量%の範囲のケイ酸塩(ケイ酸ナトリウム又はケイ酸カリウム、例えば、二ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム及び結晶質フィロケイ酸塩など);無機漂白剤(例えば、過ホウ酸塩、過炭酸塩、過リン酸塩、過硫酸塩及び過ケイ酸塩などのペルハイドレート塩)及び有機漂白剤(例えば、過酸化ジアシル及びテトラアシル、特に、ジペルオキシドデカン二酸、ジペルオキシテトラデカン二酸(diperoxytetradecanedioc acid)、及びジペルオキシヘキサデカン二酸(diperoxyhexadecanedioc acid)などの有機ペルオキシ酸);漂白活性剤(即ち、約0.1重量%〜約10重量%の範囲の有機過酸前駆物質);漂白触媒(マンガン−トリアザシクロノナン及び関連する錯体、Co、Cu、Mn及びFeビスピリジルアミン及び関連する錯体、並びにペンタミン酢酸コバルト(III)及び関連する錯体から選択されるもの);約0.1重量%〜5重量%の範囲の金属製品ケア剤(ベンゾトリアゾール(benzatriazole)、金属塩及び錯体、及び/又はケイ酸塩);自動食器洗浄用洗剤組成物1グラム当たり活性酵素約0.01〜5.0mgの範囲の酵素(プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、コリンオキシダーゼ、ペルオキシダーゼ/オキシダーゼ、ペクチン酸リアーゼ、マンナナーゼ、クチナーゼ、ラッカーゼ、ホスホリパーゼ、リゾホスホリパーゼ、アシルトランスフェラーゼ、ペルヒドロラーゼ、アリールエステラーゼ、及びそれらの任意の混合物などから選択されるもの);並びに酵素安定化剤成分(オリゴ糖、多糖類、及び二価の無機金属塩から選択されるもの)を含ませることができる。
本発明のセリンプロテアーゼポリペプチドを有益に含有する代表的な洗剤処方としては、参照により本明細書に援用される国際公開第2013063460号、第78〜152頁に見られるものが挙げられ、特に、第94〜152頁に見られるものが挙げられる。セリンプロテアーゼは、通常、酵素タンパク質のレベルが、組成物の0.00001重量%〜10重量%になるよう、洗剤組成物に組み込まれる。いくつかの実施形態では、洗剤組成物は、組成物の0.0001重量%超、0.001重量%超、0.01重量%超又は0.1重量%超のセリンプロテアーゼを含む。いくつかの実施形態では、洗剤組成物は、組成物の1重量%未満、0.1重量%未満、0.01重量%未満、又は0.001重量%未満のセリンプロテアーゼを含む。
本発明のクリーニング組成物は、製造者により選択される任意のプロセスにより、任意の好適な形態に処方され、かつ調製され、非限定的な例は、参照によりその全容が本明細書に援用される米国特許第5,879,584号、同第5,691,297号、同第5,574,005号、同第5,569,645号、同第5,516,448号、同第5,489,392号、及び同第5,486,303号が挙げられる。低pHのクリーニング組成物が所望される他のいくつかの実施形態では、このような組成物のpHは、HClなどの酸性材料を添加することで調整される。
本明細書で開示されるクリーニング組成物は、部位のクリーニングにおいて有用である(例えば、表面、物品、食器類又は布地)。典型的には、このような部位の少なくとも一部を、原液又は洗浄液で希釈した本発明のクリーニング組成物と接触させ、そしてその後、場合により、その部位を洗浄及び/又はすすぎ洗いする。本発明の目的に関し、「洗浄」には、擦ること及び機械的撹拌が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、クリーニング組成物は、典型的には溶液中で約500ppm〜約15,000ppmの濃度で使用される。洗浄溶媒が水である場合、水温は、典型的には、約5℃〜約90℃の範囲であり、部位が布地を含む場合、水と布地との質量比は、典型的には、約1:1〜約30:1である。
クリーニング組成物の製造及び使用方法
本発明のクリーニング組成物は、任意の好適な形態に組成配合されて、配合者により選択された任意の好適なプロセスにより調製される(例えば、米国特許第5,879,584号、同第5,691,297号、同第5,574,005号、同第5,569,645号、同第5,565,422号、同第5,516,448号、同第5,489,392号、同第5,486,303号、同第4,515,705号、同第4,537,706号、同第4,515,707号、同第4,550,862号、同第4,561,998号、同第4,597,898号、同第4,968,451号、同第5,565,145号、同第5,929,022号、同第6,294,514号及び同第6,376,445号を参照されたい)。
いくつかの実施形態では、本発明のクリーニング組成物は、錠剤、カプセル、分包剤、パウチ、及び多区画パウチなどの一回用量形状で提供される。いくつかの実施形態では、一回用量形式は、多区画パウチ(又は他の一回用量形式)内の成分を制御放出するよう設計される。好適な一回用量形式及び放出制御形式が、当業界で知られている(例えば、一回用量形式及び放出制御形式ヘの使用に好適な材料については、欧州特許第2 100 949号、国際公開第02/102955号、米国特許出願公開第4,765,916号及び同第4,972,017号、並びに国際公開第04/111178号を参照されたい)。いくつかの実施形態では、一回用量形状は、水溶性フィルムで包装された錠剤又は水溶性パウチとして提供される。様々な一回用量形式が欧州特許第2 100 947号に提示されており、当該技術分野においても既知である。
使用方法
いくつかの実施形態では、本発明のクリーニング組成物は、表面(例えば、食器類))、洗濯物、硬質表面、コンタクトレンズなどのクリーニングにおける使用が見出される。いくつかの実施形態では、表面の少なくとも一部を、原液又は洗浄液で希釈した本発明のクリーニング組成物の少なくとも一実施形態と接触させ、そしてその後、場合により、表面を洗浄及び/又はすすぎ洗いする。本発明の目的に関し、「洗浄」には、擦ること及び機械的洗浄が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、本発明のクリーニング組成物は、溶液中約500ppm〜約15,000ppmの濃度で使用される。洗浄溶媒が水であるいくつかの実施形態では、水温は、典型的には約5℃〜約90℃の範囲である。
本発明は、クリーニングの必要がある物品又は表面(例えば、硬質表面)をクリーニング又は洗浄する方法を提供し、こうした方法としては、これらに限定するものではないが、食器類、食卓用食器類、布地物品、洗濯物物品、パーソナルケア物品等のクリーニング又は洗浄方法、及び硬質若しくは軟質表面(例えば、物品の硬質表面)のクリーニング又は洗浄方法が挙げられる。
いくつかの実施形態では、本発明は、クリーニングする必要のある物品、対象物、又は表面をクリーニングするための方法を提供し、方法は、物品又は表面(又はクリーニングされることが所望される物品又は表面の一部)を本発明の少なくとも1種のLG12プロテアーゼ変異体又は本発明の組成物と、物品、対象物若しくは表面を所望される程度まで洗浄するのに十分な時間にわたって及び/又はそうするのに好適な及び/又は有効な条件下で接触させることを含む。このような方法のいくつかのものは、物品、物体、又は表面を水ですすぐ工程を更に含む。このような方法のいくつかのものでは、クリーニング組成物は食器洗剤組成物であり、クリーニングされる物品又は物体は食器類又は食卓用食器類である。本明細書で使用するとき、「食器類」は、食品を給仕する際又は食べる際に一般的に使用される物品である。食器類は、これらに限定するものではないが、例えば深皿、平皿、カップ、椀等のようなものであり得る。本明細書で使用するとき、「食卓用食器類」はより広義の用語であり、これらに限定するものではないが、例として深皿、金属食器、ナイフ、フォーク、スプーン、箸、ガラス食器、水差し、ソース入れ、飲用容器、給仕用具等が挙げられる。「食卓用食器類」は食品を給仕する又は食べるための上記又は類似物品のいかなるものも包含することを意図する。このような方法の一部では、クリーニング組成物は、自動食器洗浄用洗剤組成物又は食器手洗い用洗剤組成物であり、クリーニングされる物品又は物体は、食器又は食卓用食器類である。このような方法のいくつかのものでは、クリーニング組成物は、洗濯洗剤組成物(例えば、粉末洗濯洗剤組成物又は液体洗濯洗剤組成物)であり、クリーニングされる物品は布地物品である。その他のいくつかの実施形態では、クリーニング組成物は洗濯物前処理用組成物である。
いくつかの実施形態では、本発明は、それぞれ所望によりクリーニング又は洗浄が必要な布地物品をクリーニング又は洗浄する方法を提供する。いくつかの実施形態では、本方法は、布地又は洗濯物洗浄組成物を包含する、プロテアーゼ変異体を含む組成物、及びクリーニングが必要な布地物品又は洗濯物物品を準備する工程と、この布地物品又は洗濯物物品(又はクリーニングが望ましい物品の一部)を、組成物に、布地又は洗濯物物品を望ましい程度までクリーニング又は洗浄するのに十分な又は有効な条件下で接触させる工程と、を含む。
いくつかの実施形態では、本発明は、所望によりクリーニングする必要のある物品又は表面(例えば、硬質表面)をクリーニング又は洗浄するための方法を提供し、方法は、クリーニング又は洗浄される物品又は表面を準備する工程、並びに物品又は表面(又はクリーニング又は洗浄することが所望される物品又は表面の一部)を、本発明の少なくとも1種のLG12変異体又はこのようなLG12変異体を少なくとも1種含有する本発明の組成物に、所望される程度まで物品又は表面をクリーニング又は洗浄するのに十分な時間にわたって及び/又はそうするのに十分又は有効な条件下で接触させる工程を含む。このような組成物としては、これらに限定するものではないが、例えば、本発明のクリーニング組成物又は洗剤組成物(例えば、食器手洗い用洗剤組成物、食器手洗い用クリーニング組成物、洗濯洗剤又は布地洗剤又は洗濯物若しくは布地クリーニング組成物、液体洗濯洗剤、液体洗濯物クリーニング組成物、粉末洗濯洗剤組成物、粉末洗濯物クリーニング組成物、自動食器洗浄用洗剤組成物、洗濯用補助クリーニング又は洗剤組成物、洗濯物クリーニング添加剤、及び洗濯物シミ抜き前処理用組成物(laundry pre-spotter composition)等)が挙げられる。いくつかの実施形態では、本方法は、特に追加のクリーニング又は洗浄が望ましい場合に、1回以上繰り返される。例えば、場合によっては、本方法は任意で、その物品又は表面を望ましい程度までクリーニング又は洗浄するのに十分な又は有効な時間にわたって、物品又は表面を少なくとも1種のプロテアーゼ変異体又は組成物に接触させ続ける工程を更に含む。いくつかの実施形態では、本方法は、物品又は表面を水及び/又は別の液体ですすぎ洗いする工程を更に含む。いくつかの実施形態では、本方法は、物品又は表面を少なくとも1種の本発明のプロテアーゼ変異体又は本発明の組成物と再度接触させる工程と、その物品又は表面を望ましい程度までクリーニング又は洗浄するのに十分な又は有効な時間にわたって、物品又は表面を少なくとも1種のプロテアーゼ変異体又は組成物に接触させ続ける工程と、を更に含む。いくつかの実施形態では、クリーニング組成物は、食器洗い用洗剤組成物であり、クリーニングされる物品は食器又は食卓用食器類である。本方法のいくつかの実施形態では、クリーニング組成物は、自動食器洗浄用洗剤組成物又は食器手洗い用洗剤組成物であり、クリーニングされる物品は食器又は食卓用食器類である。本方法のいくつかの実施形態では、クリーニング組成物は洗濯洗剤組成物であり、クリーニングされる物品は布地物品である。
本発明はまた、自動食器洗浄機で食卓用食器類又は食器類をクリーニングする方法を提供し、この方法は、自動食器洗浄機を準備する工程、食卓用食器類又は食器類をクリーニングするのに十分な量の、本発明のLG12変異体を少なくとも1種含有している自動食器洗浄機用組成物又は本発明の組成物を自動食器洗浄機内に(例えば、組成物を適切な又は食器洗浄機内に装備された洗剤区画若しくはディスペンサーに入れることにより)入れる工程と、自動食器洗浄機内に食器類又は食卓用食器類を入れる工程と、食卓用食器類又は食器類がクリーニングされるよう自動食器洗浄機を操作する工程(例えば、製造元による取り扱い説明書に従って)と、を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、本明細書に記載の任意の自動食器洗浄機用組成物を包含し、組成物は、限定するものではないが本明細書で提供されるLG12変異体を少なくとも1種含む。自動食器洗浄用組成物の使用量は、製造元による取り扱い説明書又は提案に従って容易に決定することができ、本明細書に記載のものを含めて、本発明のプロテアーゼ変異体を少なくとも1種含むいかなる形態の自動食器洗浄用組成物(例えば、液体、粉末、固体、ゲル、錠剤等)も使用できる。
本発明は、所望によりクリーニングする必要のある表面、物品又は対象物をクリーニングするための方法も提供し、本方法は、所望される程度まで物品又は表面をクリーニング又は洗浄するのに十分な時間にわたって及び/又はそうするのに十分な若しくは有効な条件下で、物品又は表面(又はクリーニングすることが所望される物品又は表面の部分)を、原液若しくは洗浄溶液に希釈した本発明の少なくとも1種のLG12変異体又は本発明のクリーニング組成物と接触させる工程を含む。必要に応じて、その後、表面、物品、又は対象物を(任意に)洗浄し及び/又はすすいでもよい。本発明の目的に関し、「洗浄」には、例えば擦ること及び機械的撹拌が包含されるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、クリーニング組成物は、溶液(例えば水溶液)中で約500ppm〜約15,000ppmの濃度で使用される。洗浄溶媒が水であるとき、水温は、典型的には約5℃〜約90℃の範囲である。
本発明は、洗濯物又は布地物品を洗濯機でクリーニングする方法も提供し、方法は、洗濯機を準備する工程と、洗濯物又は布地物品をクリーニングするのに十分な量の、本発明のLG12変異体を少なくとも1種含む洗濯洗剤組成物を(例えば、組成物を洗濯機内の適切な又は備え付けの洗剤区画又はディスペンサーに入れることにより)洗濯機内に入れる工程と、洗濯機内に洗濯物又は布地物品を入れる工程と、及び洗濯物又は布地物品がクリーニングされるように洗濯機を(例えば、製造元の取扱説明書に従って)操作する工程と、を包含する。本発明の方法は、限定するものではないが、本明細書で提供される少なくとも1種の任意のLG12変異体を含む、本明細書に記載の任意の洗濯物洗浄用洗剤組成物を包含する。洗濯洗剤組成物の使用量は、製造元の取扱説明書又は提案に従って容易に決定することができ、本明細書に記載のものを含めて、本発明の変異型プロテアーゼを少なくとも1種含むいかなる形態の洗濯洗剤組成物(例えば、固体、粉末、液体、錠剤、ゲル等)も使用できる。
動物飼料に使用するための本発明のLG−12系統群のプロテアーゼポリペプチド
本発明の更なる態様では、本発明のLG−12系統群のプロテアーゼポリペプチドは、LG−12系統群のプロテアーゼ及びそれらの変異体を含む動物飼料組成物、動物飼料添加剤、及び/又はペットフードの成分として使用することができる。更に、本発明は、1種類以上の動物飼料材料、及び/又は動物飼料添加物成分、及び/又はペットフード材料に、LG−12系統群のプロテアーゼポリペプチドを混合することを含む、このような動物飼料組成物、動物飼料添加組成物、及び/又はペットフードの調製方法に関する。更に、本発明は、動物飼料組成物、及び/又は動物飼料添加組成物、及び/又はペットフードの調製における、LG−12系統群のプロテアーゼポリペプチドの使用に関する。
用語「動物」は、すべての非反芻及び反芻動物を含む。特定の実施形態では、動物は、馬及び単胃動物などの非反芻動物である。単胃動物の例としては、豚及び家畜豚(子豚、育成豚、雌豚など)、鶏(七面鳥、アヒル、鶏、ブロイラー、産卵鶏など)、魚(鮭、鱒、テラピア、ナマズ、及び鯉など)、及び甲殻類(海老及び車海老など)が挙げられるがこれらに限定されない。更なる実施形態では、動物は反芻動物であり、畜牛、幼若牛、ヤギ、羊、キリン、バイソン、ヘラジカ、エルク、ヤク、水牛、シカ、ラクダ、アルパカ、リャマ、レイヨウ、エダツノレイヨウ、及びニルガイが挙げられるがこれらに限定されない。
この文脈において、用語「ペットフード」は、イヌ、ネコ、スナネズミ、ハムスター、チンチラ、高級ラット、モルモット、飼育用鳥類(カナリア、インコ、及びオウムなど)、飼育用爬虫類(亀、とかげ、及びヘビなど)、並びに飼育用水生生物(熱帯魚、及び蛙など)であるがこれらに限定されない家庭内飼育用動物のための飼料を意味するものと理解されることが意図される。
用語「動物飼料組成物」、「飼料原料」及び「飼葉」は、互換的に使用され、かつa)シリアル類、例えば、小粒(例えば、小麦、大麦、ライ麦、オーツ麦、及びこれらの組み合わせ)及び/又はトウモロコシ若しくはソルガムなどの大粒;b)シリアル、例えば、トウモロコシグルテンミール、醸造乾燥粒可溶化物(Distillers Dried Grain Solubles)(DDGS)(特にコーンベースの醸造乾燥粒可溶化物(cDDGS)、小麦ふすま、ホイートミドリングス、小麦ショート、米ふすま、もみ殻、オーツ殻、パーム核、及びシトラスパルプからの生成物;c)大豆、ひまわり、落花生、ハウチワマメ、えんどう、そら豆、綿、キャノーラ、魚肉、乾燥結晶タンパク質、肉骨粉、じゃがいもタンパク質、乳清、コプラ,胡麻などの資源から得られたタンパク質;d)植物及び動物資源から得られる油脂;e)ミネラル及びビタミンからなる群から選択される1種以上の試料成分を含ませることができる。
布地の湯通しに使用するための本発明のLG−12系統群のプロテアーゼポリペプチド
本発明のLG−12系統群のプロテアーゼポリペプチドを用いて布地を処理する(例えば、布地を湯通しする)組成物及び方法も想到される。布地の処理方法は当該技術分野においてよく知られている(例えば、米国特許第6,077,316号を参照されたい)。例えば、布地の感触及び外観は、その布地を溶液中のLG−12系統群のプロテアーゼと接触させる工程を含む方法により改善することができる。布地は、圧力下で溶液により処理され得る。
本発明のLG−12系統群のプロテアーゼは、織物の製織の間に若しくはその後に、又は糊抜き段階、若しくは1つ以上の追加の布地加工工程の間に、適用することができる。織物の製織の間、織り糸は相当な機械的な歪に曝される。機械式織機での製織前、縦糸は、引張り強度を向上させ、かつ断裂を防止するために、しばしば糊付けデンプン又はデンプン誘導体により被覆される。本発明のLG−12系統群のプロテアーゼは、これらの糊付け用デンプン又はデンプン誘導体を取り除くために、製織の間又はその後に適用することができる。製織後にLG−12系統群のプロテアーゼを使用して、均一かつ耐洗浄効果を確保すべく布地を更に加工する前に、糊付けコーティングを取り除くことができる。
本発明のLG−12系統群のプロテアーゼは、単体で使用して、又は他の糊抜き用化学試薬、及び/若しくは糊抜き用酵素と共に、(例えば、水性組成物中の)洗剤添加剤として使用して、綿含有布地などの布地の糊抜きを行ってよい。また、アミラーゼは、インディゴ染色デニム布地及び衣類のストーンウォッシュ加工したような見た目を作り出すための組成物及び方法において使用することもできる。衣服の製造に際し、布地を裁断し、衣服又は衣類に縫製し、その後仕上げることができる。特にデニムジーンズの製造に関し、異なる酵素による仕上げ方法が開発されている。デニム衣類の仕上げは、通常、酵素による湯通し工程により開始され、この間、衣類はタンパク質分解酵素による作用を受け、布地には柔軟性がもたらされ、木綿は以降の酵素による仕上げ工程による作用を受けやすくなる。LG−12系統群のプロテアーゼは、デニム衣類の仕上げ方法(例えば、「バイオストーン加工」)、酵素による糊抜き方法及び、布地への柔らかさの付与方法、並びに/又は仕上げ加工にて使用することができる。
製紙用パルプの漂白に使用するための本発明のLG−12系統群のプロテアーゼポリペプチド
本明細書に記載のLG−12系統群のプロテアーゼポリペプチドは、酵素により補助される製紙パルプ漂白への更なる使用が見出されており、例えば、化学パルプ、セミケミカルパルプ、クラフトパルプ、機械パルプ又は亜硫酸塩法によリ調製されたパルプなどの漂白への更なる使用が見出されている。おおまかに言えば、製紙パルプの漂白に好適な条件下で製紙パルプを本発明のLG−12系統群のプロテアーゼポリペプチドとインキュベートする。
いくつかの実施形態では、パルプは無塩素漂白パルプのうち酸素、オゾン、ペルオキシド又はペルオキシ酸漂白されたものである。いくつかの実施形態では、LG−12系統群のプロテアーゼポリペプチドは、改変又はパルプ連続製造法により製造され、低リグニン含量を示すパルプの、酵素による漂白補助に使用される。その他のいくつかの実施形態では、LG−12系統群のプロテアーゼポリペプチドは単独で利用され、又は好ましくはキシラナーゼ及び/又はエンドグルカナーゼ及び/又はα−ガラクトシダーゼ及び/又はセロビオヒドロラーゼ酵素と組み合わせて利用される。
タンパク質分解に使用するための本発明のLG−12系統群のプロテアーゼポリペプチド
本明細書に記載のLG−12系統群のプロテアーゼポリペプチドは、羽毛、皮膚、毛髪、皮革、及び等価物などの動物由来のタンパク質の酵素による除去及びそれらの分解又は廃棄への使用が更に見出される。いくつかの例では、本発明のLG−12系統群のプロテアーゼポリペプチドを含む溶液中に動物の死骸を浸漬することで、従来の熱湯消毒水への浸漬又は抜羽プロセスと比較して皮膚を損傷から保護するよう機能させることができる。一実施形態では、羽毛には、羽毛の消化又は分解の開始に好適な条件下で、本発明の単離したメタロプロテアーゼポリペプチドを噴霧することができる。いくつかの実施形態では、本発明のLG−12系統群のプロテアーゼは、上記の通りに酸化剤と組み合わせて使用することができる。
いくつかの実施形態では、原羽毛の油脂の除去は本発明のLG−12系統群のプロテアーゼポリペプチドを使用することにより補助される。いくつかの実施形態では、LG−12系統群のプロテアーゼポリペプチドは、羽毛のクリーニング並びに繊維の消毒及び部分的脱水のために組成物に使用される。いくつかの他の実施形態では、LG−12系統群のプロテアーゼポリペプチドは、約0.5%(体積/体積)の界面活性剤を添加して又は添加せずに、95%エタノール又はその他の極性有機溶媒と組み合わせて利用される。
尚更なる実施形態では、本開示のLG−12系統群のプロテアーゼポリペプチドは、羽毛由来のタンパク質の回収への使用が見出される。いくつかの実施形態では、回収したタンパク質を、続いて動物又は魚用の飼料に使用することができる。
組織創傷清拭に使用するための本発明のLG−12系統群のプロテアーゼポリペプチド
本明細書に記載のLG−12系統群のプロテアーゼポリペプチドは、酵素による組織の創傷清拭の補助への使用が更に見出されている。これには、例えば、創傷から、死組織又は損傷組織を除去して治癒を補助することが包含される。
組織培養に使用するための本発明のLG−12系統群のプロテアーゼポリペプチド
本明細書に記載のLG−12系統群のプロテアーゼポリペプチドには、組織培養への使用が更に見出される。特に、本発明のLG−12系統群のプロテアーゼは、細胞の回収プロセス中などに、細胞培養壁に接着している細胞を懸濁又は再懸濁するのに使用できる。本発明のLG−12系統群のプロテアーゼは、培養細胞とディッシュとのタンパク質結合部を切断して、細胞を溶液に懸濁させるのに使用できる。
本発明のLG−12系統群のプロテアーゼポリペプチドの食品への応用
本明細書に記載のLG−12系統群のプロテアーゼポリペプチドには、食品添加物、消化助剤、又は食品加工助剤としての使用も更に見出される。
皮革加工に使用するための本発明のLG−12系統群のプロテアーゼポリペプチド
本明細書に記載のLG−12系統群のプロテアーゼポリペプチドは、動物の皮からの毛髪の除去、浸漬、脱脂、又はベーチングによるものなどの、レザーの製造中の非構造タンパク質の分解を包含する、皮革加工への使用が更に見出される。
実験
(実施例1)
アッセイ
以下のアッセイは、以下に記載の実施例に使用した標準アッセイ法である。場合により、特定のプロトコルは、これらの標準アッセイにあてはまらないこともある。この場合、以下のこれらの標準アッセイプロトコルから外れた部分については、実施例中で規定する。
性能指数
酵素の性能指数(PI)は、同一のタンパク質濃度にて、変異体(測定値)の性能を親酵素(理論値又は測定値)の性能と比較する。親酵素の理論濃度は、親酵素の標準曲線をラングミュア式に当てはめ抽出したパラメーターを利用して算出可能である。1を超える性能指数(PI)(PI>1)は、変異により、親(例えば、配列番号3のLG12sprC成熟タンパク質)と比較して性能が向上していることを示し、一方、PIが1の場合(PI=1)は、変異体の性能が親と同じであることを示し、PIが1未満である場合(PI<1)は、変異体の性能が親よりも劣ることを示す。
タンパク質定量アッセイ
96ウェルのマイクロタイタープレート(MTP)で増殖させた培養物の上清を使用し、高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)法を用いタンパク質を定量して、タンパク質の発現レベルを求めた。Acquity UPLC BEH 125 SEC(Waters)分子ふるいカラムを装備したAgilent 1200又は1260 HPLCを使用した。250mM塩化ナトリウムを含有させた25mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH6.8)を用い、カラムからサンプルを溶出させた。220nmで吸光度を測定し、ChemStationソフトウェア(Agilent Technologies)によりピークを積分した。精製した野生型タンパク質(LG12−系統群のスブチリシン親酵素、配列番号3のsprC)の標準曲線をもとにサンプルのタンパク質濃度を求めた。
プロテアーゼ活性
発色基質N−suc−AAPF−pNAの加水分解を測定することにより、LG12sprCプロテアーゼ及びそれらの変異体のプロテアーゼ活性を試験した。次の試薬溶液:使用した試薬溶液は、以下のものであった:0.005%のTWEEN(登録商標)−80を含有している100mMのトリス/HCl(pH8.6)(トリス希釈緩衝液)、10mMのCaCl2及び0.005%のTWEEN(登録商標)−80を含有している100mMトリス緩衝液(pH8.6)(トリス/Ca緩衝液)、並びに160mMのsuc−AAPF−pNA/DMSO(suc−AAPF−pNA保存溶液)(Sigma:S−7388)。基質の希釈溶液を調製するために、1mLのsuc−AAPF−pNA原液を100mLのTris/Ca緩衝液に加え、ウェルをよく混合した。1mg/suc−AAPF−pNA希釈液を入れたMTPプレート(Greiner 781101)に酵素サンプルを加え、室温で、SpectraMaxプレートリーダーを動態モードで使用して、405nmで3分間活性をアッセイした。プロテアーゼ活性は、mOD/min−1で表した。
安定性アッセイのためのサンプル調製の概要
高温下でのインキュベート後に残存している活性を測定し、様々なストレス条件下(下表1に記載の通りの緩衝液および洗剤)での適性について変異体を試験した。高温は、残存活性が約30%になるよう設定した。希釈した酵素サンプルをストレッサーに混合し、ストレスを加えていないプロテアーゼ活性を測定した。ストレッサーに加えた希釈サンプルを高温でインキュベートし、インキュベート後に、ストレスを加えたプロテアーゼの活性を測定した。
安定性アッセイ条件は下表に掲載する通りのものであり、洗剤は、安定性アッセイに使用する前に不活性化させた。
非ストレス条件に関しては、酵素の活性はAAPFで直ちにアッセイした(上記を参照のこと)。ストレス条件に関しては、PCRプレートをシールし、Eppendorf 384サーモサイクラーにより5分間高温でインキュベートした後、活性についてアッセイした。
上記の通り、合成基質AAPFの加水分解により、ストレス時及び非ストレス時活性を測定した。非ストレス時の活性に対するストレス時の活性の比をとり、100を乗じて、残存活性(%)を算出した。変異型の残存活性を野生型のもので除算して、適性PIを得た。
洗濯及び自動食器洗浄洗剤におけるクリーニング性能
洗濯物ベースの用途については、BMI(綿に血液/牛乳/インクを染みこませたもの)布見本小片(EMPA−116)で、及び食器ベースの用途については、卵黄(ポリアクリル布に卵黄を染みこませ、エージングし、カーボンブラック染料で着色したもの)布見本小片(PAS−38)で、変異体のクリーニング性能を野生型LG12sprCと比較して試験した。
布見本小片を(MTPに合うよう)予め切り出し、すすぎ洗いし、プレート(Corning 3641)に入れたものを、Testmaterials BV(Vlaardingen,The Netherlands)により準備した。布見本小片のプレートに洗剤を充填した後、酵素を添加した。市販の洗剤を熱により失活させて酵素を排除し、表2に記載の通りに添加した。更に、GSM−B及びGSM−C ADW洗剤の組成を表2.1に示す。
酵素を失活させる際の洗剤処理は以下の通りのものとした。各ADW洗剤の錠剤を700mL 21GH水に溶解させ、溶液を65℃で30〜45分間処理して酵素活性を失活させた。失活させた酵素溶液を、アッセイで使用する前に21GH水で10倍希釈した。
HDL洗濯洗剤を95℃の水浴で16時間加熱し、失活させた。失活後、AAPF基質を利用してプロテアーゼ活性をアッセイし、完全に失活していることを確認した。最終的なクリーニングアッセイで使用するものの10倍濃度の溶液を用意し、95℃で16時間加熱してHDD洗濯洗剤を失活させた。失活させた後、AAPF基質を用いプロテアーゼ活性をアッセイした。HDD及びHDL洗剤の両方を16時間加熱した後、プロテアーゼ活性は示されなかった。ADWの錠剤と、洗濯用HDDの10倍濃度の溶液を調製した。洗濯用HDLは未希釈のまま扱った。溶液を高温下でインキュベートし、酵素活性を失活させた。失活後、AAPF−pNA基質を用いプロテアーゼ活性をアッセイした。
*これらの洗剤のうちpHを設定したものについては値を掲載し、pHを設定していないものについてはNDと掲載する。
洗剤の供給元:Kirkland Ultra(Sun Products)、OMO Color(Unilever)OMO Klein & Krachtig(Unilever)及びBlue Monn(Guangzhou Blue Moon)は、近場のスーパーマーケットで2012年に購入した。Finish All in One(Reckitt Benckiser)、Finish Quantum(Reckitt Benckiser)、及びSUN All in One(Unilever)洗剤の錠剤は、2012年12月に近場のスーパーマーケットで購入した。
洗剤を充填した布見本小片プレートに、洗濯アッセイの最終用量200μLに達するよう酵素のアリコートを加え、酵素の最終濃度5〜0.5ppmを得た。HDL又はHDD処方による洗濯クリーニングアッセイを25℃で15〜20分間実施し、一方、自動食器洗浄(ADW)アッセイは40℃で30分間実施した。
インキュベート後、100μLの上清を新しいMTP(Costar 9017)に移しEMPA−116布見本小片については600nm、又はPAS−38布見本小片については405nmでSpectraMaxプレートリーダーを用い吸光度を読み取った。各サンプルの値からブランク対照(酵素不含有)の値を減算することで吸光度を得た。所与の変異体の吸光度を、同濃度であると推定される野生型の吸光度で除算することにより各アッセイ条件について、クリーニングPIを得た。ラングミュア式による親酵素の標準曲線に代入して野生型の濃度を求めた。
(実施例2)
バチルス種(Bacillus sp)LG12sprCプロテアーゼの部位評価ライブラリ(SEL)の作製
バチルス・スブチリス(B. subtilis)aprEプロモーター、ハイブリッドaprE−BPN’のシグナルペプチド、ハイブリッドBPN’−LG12sprCプロテアーゼのプロペプチド、成熟LG12sprCプロテアーゼ及びBPN’ターミネーターから構成される発現カセットを使用して、LG12sprCプロテアーゼをバチルス・スブチリス(B. subtilis)で産生させた。このカセットを、EcoRI−BamHI断片としてpHYT複製シャトルベクターにクローニングした。BstEII及びEcoRI認識部位を使用して、テトラサイクリン耐性遺伝子の後ろに転写終結部位を付加し、pHY300PLK(Takara)からpHYTベクターを誘導した(配列番号21、転写終結配列、GGTTACCTTGAATGTATATAAACATTCTCAAAGGGATTTCTAATAAAAAACGCTCGGTTGCCGCCGGGCGTTTTTTATGCATCGATGGAATTC)。BamHI及びHindIII認識部位にクローニングされているリンカーを利用して、pHY300PLKのHindIII認識部位も除去した(配列番号22、新しいリンカー配列、GGATCCTGACTGCCTGAGCTT)。
LG12sprC遺伝子(pHYT−LG12)を含有しているpHYTベクターのマップを図1に示す。プラスミドpHYT−LG12sprCによりTop10大腸菌(E. coli)コンピテントセルに形質転換し、形質転換した細胞を、50ppmカルベニシリンを添加したLG寒天プレートに播種した。37℃で一晩インキュベート後、50ppmカルベニシリンを添加した5mLルリアブロスで培養物を準備し、振盪させながら37℃で一晩生育させた。1日後、培養物からプラスミドDNAを単離し、配列決定した。確認のため、操作した領域にわたってプラスミドDNAの配列決定を行い、次に、正しい配列を有するプラスミドを使用してバチルス・スブチリス(Bacillus subtilis)細胞を形質転換した。形質転換した細胞を、10ppmテトラサイクリンを添加し、1.6%スキムミルクを含有させたLB寒天プレートに播種した。
LG12sprC成熟型セリンプロテアーゼ[B.Schmidt et al 1995,Applied and Environmental Microbiology 61:4490〜4493]の275部位のそれぞれについて部位ライブラリを作製した。
変異体は、LG12sprC変異体配列をコードしている発現プラスミドを含有する、形質転換したバチルス・スブチリス(B. subtilis)細胞から構成された。変異体を96ウェルプレートに整列させ、1ウェルに付き1変異体を配置した。LG12sprC置換変異体を含有するB・スブチリス(B. subtilis)形質転換体を、12.5ppmテトラサイクリンを添加したトリプチックソイブロス(TSB)を入れた96ウェルプレートで一晩生育させ、この予備培養物から10μLを、25ppmテトラサイクリンを添加した340μLの培養培地(下記)を入れた角型ウェルのMTP(Enzyscreen)に添加した。32℃、湿度80%で、300rpmの定速回転で混合させながら、このプレートを2日間インキュベートした。2500rpmで10分間遠心沈降させて細胞を回収し、Millipore真空システムを利用してMilliporeマルチスクリーンフィルタープレートにより濾過した。培養上清をアッセイに使用した。培養培地は、主要な窒素源として尿素を富化させ、主要な炭素源としてグルコースを富化させ、ロバストな細胞増殖のため1%ソイトンを添加したMOPs緩衝剤系の半合成培地とした。図2には、プラスミドpHYT−LG12にコードされるLG12sprCタンパク質前駆体の配列を提示する。シグナルペプチド(シグナルペプチド:AprEの7番目のアミノ酸(Trp)をBPN’の8番目のアミノ酸(Ile)と融合させたもの)には下線を付し(バチルス・スブチリス(Bacillus subtilis)由来の配列は小文字で示し、プロペプチド:BPN’の9番目のアミノ酸(Lys)をLG12の13番目のアミノ酸(Tyr)に融合させたもの、のバチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)由来の配列はイタリック体で示し、LG12配列は通常のテキストで示す)、プロペプチド配列にはハイライトし、成熟LG12配列はボールド体で示す。
LG12sprC遺伝子をコードする翻訳領域、及びN末端シグナル、及びpHYT−LG12プラスミドでの発現に使用されるプロペプチド領域のヌクレオチド配列を以下に示す。
配列番号1には、プラスミドpHYT−LG12にコードされる通り、LG12sprCタンパク質の前駆体をコードするヌクレオチド配列を示す。
配列番号2には、成熟LG12sprCタンパク質をコードするヌクレオチド配列を示す(825ヌクレオチド)。
GCTCAAACAGTTCCTTGGGGCATCCCTCATATCAAAGCTGACAAAGCGCATGCTGCTGGAGTGACTGGAAGCGGTGTGAAGGTTGCCATCCTGGATACAGGAATTGACGCAAACCATGCCGATCTTAACGTAAAAGGCGGAGCAAGCTTTGTTTCTGGAGAGCCGAATGCTCTTCAAGACGGTAACGGCCATGGAACACACGTAGCTGGAACAGTTGCTGCGTTGAATAACACAACTGGTGTACTTGGTGTAGCTTACAATGCTGACCTGTATGCAGTAAAAGTACTTAGTGCTTCAGGTAGTGGTACGTTAAGTGGTATTGCTCAAGGTATTGAGTGGTCGATCTCAAATGGAATGAATGTCATCAATATGAGTCTTGGTGGAAGCTCTGGTTCAACTGCTTTACAACAAGCGTGTAATAATGCTTATAACAGAGGCATTGTCGTAATTGCTGCTGCTGGGAATTCAGGTTCTTCAGGCAATCGGAATACGATGGGTTATCCTGCGAGATATAGCTCTGTAATCGCAGTAGGAGCGGTTAGTAGCAATAATACTCGTGCATCATTCTCCAGTGTAGGAAGTGAACTGGAAGTAATGGCACCAGGTGTCAACATTTTGAGCACAACTCCTGGCAACAATTATGCTTCCTTCAATGGTACATCCATGGCAGCTCCTCATGTTGCAGGAGCTGCTGCATTAATCAAAGCGAAATACCCAAGCATGACAAATGTTCAAATTCGTGAACGTCTGAAAAATACGGCTACAAATCTAGGTGATCCTTTCTTCTACGGAAAAGGTGTCATCAATGTGGAAAGTGCTTTACAG
配列番号3には、成熟LG12sprCタンパク質のアミノ酸配列を示す(275アミノ酸)。
AQTVPWGIPHIKADKAHAAGVTGSGVKVAILDTGIDANHADLNVKGGASFVSGEPNALQDGNGHGTHVAGTVAALNNTTGVLGVAYNADLYAVKVLSASGSGTLSGIAQGIEWSISNGMNVINMSLGGSSGSTALQQACNNAYNRGIVVIAAAGNSGSSGNRNTMGYPARYSSVIAVGAVSSNNTRASFSSVGSELEVMAPGVNILSTTPGNNYASFNGTSMAAPHVAGAAALIKAKYPSMTNVQIRERLKNTATNLGDPFFYGKGVINVESALQ
配列番号4には、完全長のLG12sprCタンパク質のアミノ酸配列を示す(シグナル配列には下線を引き、プロペプチドはイタリック体で示し、3残基付加AGKはボールド体で示し、成熟LG12配列は通常のフォントで示す)。
(実施例3)
生産的位置及び組み合わせ可能な変異
生産的位置は、改善された特徴を示すコンビナトリアル変異体を製造するのに最も有用な分子内位置として記載され、この位置では、少なくとも1種の組み合わせ可能な変異が生じ得る。組み合わせ可能な変異は、コンビナトリアルな変異体を作製するのに使用することのできる、これらの分子内の置換として記載され得る。組み合わせ可能な変異は、この分子の所望の特性のうち少なくとも1種を改善するが、発現、活性、又は安定性のいずれかを有意に低下させないものである。
組み合わせ可能な変異は、この分子の所望の特性のうち少なくとも1種を改善するが、発現、活性、又は安定性のいずれかを有意に低下させないものである。実施例1及び以下に記載のアッセイから得られる性能指数(PI)の値を利用し、LG12 sprCにおいて組み合わせ可能な変異を決定した。
タンパク質の定量(発現)を実施例1に示す。
プロテアーゼ活性(AAPFアッセイ)を実施例1に示す。
次の洗剤におけるクリーニング活性:Kirkland Ultra HDD(pH10.6)、OMO Color HDD(pH10.6)、OMO Klein & Krachtig HDL(pH8.2)、Blue Moon HDL(pH6.5)、GSM−B、GSM−B(pH9)、GSM−C、Sun All in One、Finish Quantum tablet。
次の洗剤及び緩衝液における安定性アッセイ:OMO Klein & Krachtig HDL[pH8.2、51℃]、GSM−B[68.5℃]、GSM−C[62℃]、LAS−EDTA緩衝液[52℃]、Tris EDTA緩衝液[51℃]、Tris−カルシウム緩衝液[72.5℃]。
組み合わせ可能な変異は、以降の基準に従って分類する:
発現、プロテアーゼ活性、1つ以上のクリーニング活性アッセイでの活性、並びに1つ以上の安定性アッセイについて、変異体の最小性能指数(PI)が、親LG12sprCのものと比較して、0.9以上であり、更には、これらの試験のうちのいずれか1つについて、PIが1.0以上である(A群)。
発現、プロテアーゼ活性、1つ以上のクリーニング活性アッセイでの活性、並びに1つ以上の安定性アッセイについて、変異体の最小性能指数(PI)が、親LG12sprCのものと比較して、0.8以上であり、更には、これらの試験のうちのいずれか1つについて、PIが1.2以上である(B群)。
発現、プロテアーゼ活性、1つ以上のクリーニング活性アッセイでの活性、並びに1つ以上の安定性アッセイについて、変異体の最小性能指数(PI)が、親LG12sprCのものと比較して、0.5以上であり、更には、これらの試験のうちのいずれか1つについて、PIが1.5以上である(C群)。
組み合わせ可能な変異について、特性を表3に要約する。
第A、B及びC群には、更に、複数の置換に関する寛容度が異なるアミノ酸位置が含まれている。生産的位置を同定するために、各位置で許容される置換の程度を測定して、各位置に生産性スコアを割り当てた。生産性スコアは、以降の基準を利用して、各位置の置換のうち、第A、B、又はC群に当てはまるものの割合により割り当てた。
生産的位置は、複数の置換に対してある程度の寛容度を示し、なおかつ以降に示す通りの組み合わせ可能性に関する基準の組を満たす位置と定義される。
生産的位置の生産性スコアを決定するための基準は次の通りである。
所定の位置での置換の15%未満が第A、B、又はC群に当てはまる場合、生産性スコア「1」が割り当てられる。
所定の位置での置換の15%以上30%未満が第A、B、又はC群に当てはまる場合、生産性スコア「2」が割り当てられる。
所定の位置での置換の30%以上50%未満が第A、B、又はC群に当てはまる場合、生産性スコア「3」が割り当てられる。
所定の位置での置換の50%以上が第A、B、又はC群に当てはまる場合、生産性スコア「4」が割り当てられる。
生産性スコアが「1」の位置を以下に掲載する:
4、7、8、12、14、16、17、29、33、42、46、51、56、65、69、73、81、83、84、88、94、104、109、111、114、120、122、125、128、132、138、141、143、146、151、163、165、167、175、176、195、203、204、205、206、211、212、215、220、224、227、230、232、238、250、260、262、268、273、及び274。
生産性スコアが「2」の位置を以下に掲載する:
1、3、18、19、20、22、24、25、26、28、30、31、44、50、53、55、57、58、61、67、72、76、77、79、80、85、86、87、89、90、91、93、96、100、101、102、106、107、108、113、116、121、124、126、127、136、137、140、144、147、150、152、153、160、162、170、172、173、183、185、187、188、194、213、216、217、218、222、225、228、231、234、235、241、243、244、246、252、255、265、及び272。
生産性スコアが「3」の位置を以下に掲載する:
2、9、15、38、45、48、52、59、62、75、97、99、103、117、118、119、123、129、133、145、148、149、156、159、161、181、209、236、240、248、256、267、271、及び275。
生産性スコアが「4」の位置を以下に掲載する:
27、40、43、78、98、130、131、158、166、182、237、239、242、245、及び251。
実施例1に記載のアッセイから得られる性能指数(PI)の値を利用し、LG12sprCにおいて組み合わせ可能な変異を決定した。次の洗剤[Kirkland Ultra HDD(pH10.6)、OMO Color HDD(pH10.6)、OMO Klein & Krachtig HDL(pH8.2)、Blue Moon HDL(pH6.5)、GSM−B、GSM−B(pH9)、GSM−C、Sun All in One、及びFinish Quantum tablet]におけるタンパク質の定量(発現)、AAPF活性、クリーニング活性、並びに次の洗剤及び緩衝液[OMO Klein & Krachtig HDL洗剤(pH8.2)、GSM−B洗剤、GSM−C洗剤、LAS−EDTA緩衝液、Tris EDTA緩衝液、及びTris−カルシウム緩衝液(72.5℃)]における安定性アッセイ。
組み合わせ可能な変異を、実施例4に記載の基準に照らして第A、B又はC群に割り当てた。これらの置換に、更に、置換が出現する群(第A、B、C群)に基づいて適性スコアを割り当てるが、適性スコアは大きいほど、コンビナトリアル変異体を製造する際の使用に一層適した置換を表す。適性スコアを表4に規定する。上記基準に該当する、LG12 sprCの各置換の適性スコアを表4に報告する。
LG12−系統群のスブチリシン変異体の特定のクリーニング用途についての有効性評価
以下の通りの異なるアッセイ条件下での性能に基づき、SEL変異体を更に様々に分類した。この解析に関し、HPLC PI値が0.75未満のSEL変異体は除外した。更に、各解析に関し、対応するCV値が0未満又は100超である場合にはPI値を考慮しなかった。
各性能分類について最良の変位を得るため、HPLC(タンパク質の相対的な発現)のPI値に加え、次の測定結果も考慮に入れた:
1)Kirkland Ultra HDD(pH10.6)、又はOMO Color HDD(pH10.6)において、HDDのPI値が1.01以上である。
2)OMO Klein & Krachtig HDL(pH8.2)において、HDL(pH8)のPI値が1.01以上である。
3)Blue Moon(pH6.5)において、HDL(pH6)のPI値が1.01以上である。
4)洗濯洗剤及び緩衝液、51℃のOMO Klein & Krachtig HDL(pH8.2)又は52℃のLAS−EDTA緩衝液において、洗濯安定性のPI値が1.01以上である。
5)洗剤、GSM−B、GSM−B(pH9)、GSM−C、Sun All in One、又はFinish Quantum tabletにおいて、ADWのPI値が1.01以上である。
6)洗剤及び緩衝液、68.5℃のGSM−B、62℃のGSM−C、51℃のTris EDTA緩衝液、72.5℃のTris−カルシウム緩衝液において、ADW安定性のPI値が1.01以上である。
各分類の基準:表7に掲載する通りの個別分類に関しPI>1.01であり、かつ発現のPI>0.75である。
洗濯安定性において最も有効な変異一覧
A029T、I030A、I030V、A040D、A040E、A040H、A040K、A040L、A040N、A040R、A040T、A040V、A040W、A040Y、S101R、T103D、T103E、T103G、T103K、T103R、S052D、S052F、S052N、S052R、N183E、V093T、L031T、N117E、N117F、N117S、N117T、M124S、L126D、L126G、L126I、L126K、L126Q、N123D、S125G、S129A、S129D、S129K、S129Q、S130E、S130F、S130H、S130L、S130N、S130Q、S130T、S130V、S130W、S130Y、G131D、G131E、G131R、Q137E、S099K、G102E、G102F、G102Y、I107H、I107Q、N120E、V121G、S182D、S182E、T003E、T003I、T003V、A224P、A224S、K015V、P225G、T185Q、K027E、K027L、K027M、K027S、K027T、N043A、N043D、N043E、N043F、N043L、N043W、Q136D、Q136H、Q136R、Q136W、N163D、E248C、E248D、A019M、T022D、T022E、R145N、R145T、R145W、S158D、L090P、G100A、G100E、G100F、I147A、I147H、I147S、V148N、V148S、Q245M、Q245T、Q245V、I246N、N243G、S024H、S024T、S024V、K045D、K045E、K045F、K045L、K045Q、K045R、K045S、K045W、Q275E、Q275N、A048D、A048E、A048G、A048H、A048Q、A048Y、T078A、T078D、T078E、T078F、T078G、T078H、T078K、T078L、T078S、T078W、N087S、Y091H、Y091N、M241Q、M241S、M241W、V244Y、N252E、K265D、K265S、S272M、S272Q、N038A、N038D、N038E、N038T、K251A、K251C、K251F、K251M、K251N、K251R、K251S、K251T、K251V、F050Q、F050R、F050Y、V051I、N076D、N076S、T079L、T079Q、L075G、G166A、G166C、G166D、G166E、G166F、G166H、G166L、G166M、G166N、G166Q、G166S、G166T、G166Y、G053D、G053E、G053Q、G053R、Y143D、Y143E、S181A、S181H、S181N、S181Q、G154F、G154H、G154I、G154K、G154T、S194K、S194P、S194R、K237A、K237N、A215D、A215E、Y171G、Y171Q、K012G、V072A、V072T、S156A、S156D、S156H、S156K、S156M、S156N、S156Q、T255D、N256D、N256E、N256P、N256W、F262E、G106E、T133D、T133F、T133M、T133N、T133V、N161D、N161E、R170K、R170L、A108C、A108I、S114G、S114T、G118D、G118E、G118Q、G118S、G118T、G146N、A138E、A138S、N140D、V149A、V149E、V149G、V149L、V149N、V149Q、V149S、I150A、I150N、I150S、I150T、I150V、A152P、A152V、S216I、S216T、A228S、P239A、P239C、P239D、P239E、P239F、P239G、P239H、P239M、P239N、P239T、P239W、F217R、T220G、S159D、S159E、S159N、S159Q、G128N、T209F、T209V、T209W、T209Y、A236C、A236D、A236E、A236N、A236Q、A236S、S240P、S240Q、T242E、S173D、P009A、P009I、P009M、P009Q、P009S、P009T、P009V、L096E、L096H、L096I、L096R、L096Y、S116E、V081M、K235D、K235E、K235F、K235G、V267F、V267I、V267R、V267S、V267T、V267Y、M222A、M222H、及びM222Q
HDL(pH6)性能において最も有効な変異一覧
I030A、A040E、A040L、A040T、A040Y、T103D、T103E、S052D、S052F、S052N、N183E、L031T、N117E、N117F、M124S、N123D、S129D、S130E、Q137E、G102E、I107Q、N120E、V121G、S182D、S182E、T003E、A224S、K015V、K027E、K027L、K027M、K027S、K027T、N043A、N043D、N043E、N043F、N043W、Q136D、N163D、T022D、T022E、R145N、R145T、R145W、S158D、L090P、G100A、G100E、I147A、I147H、I147S、V148S、Q245T、Q245V、I246N、S024T、S024V、K045D、K045E、K045F、K045L、K045Q、K045R、K045S、K045W、Q275E、Q275N、A048D、A048E、A048Q、T078D、T078E、T078F、T078L、T078W、N087S、Y091H、M241S、M241W、K265D、K265S、S272M、N038A、N038D、N038E、N038T、K251A、K251C、K251F、K251M、K251N、K251R、K251S、K251T、K251V、F050Q、T079L、G166D、G166E、G166H、G166N、G166Y、G053D、G053E、Y143D、Y143E、S181H、K237A、K237N、A215D、A215E、K012G、V072T、S156D、S156H、S156N、S156Q、T255D、N256D、N256E、F262E、G106E、T133D、N161D、N161E、R170L、A108C、S114G、S114T、G118D、G118E、G118Q、G118S、G118T、G146N、A138E、A138S、N140D、V149A、V149E、V149G、V149L、V149N、I150A、I150N、I150T、I150V、S216I、S216T、A228S、P239C、P239D、P239E、P239F、P239H、P239M、P239N、P239T、P239W、S159D、S159E、S159N、T209F、T209V、A236D、A236E、A236N、A236Q、A236S、T242E、S173D、P009A、P009I、P009M、P009Q、P009S、P009T、P009V、L096E、K235D、K235E、及びV267S
HDL(pH8)性能において最も有効な変異一覧
A029G、A029T、T033N、T033V、A040D、A040E、G065A、A069G、K094A、K094D、K094E、K094H、K094L、K094M、K094N、K094S、K094T、V095A、V095S、G110S、I111M、Y086D、Y086E、Y086I、Y086P、Y086S、Y086T、S101A、T103A、T103D、T103E、T103N、L104I、L104T、S052D、S052F、S052G、S052H、S052L、L058V、N183E、G083A、V084E、V093I、L031A、L031E、L031N、L031Q、G034A、G034E、A037D、A037E、A037F、A037H、A037L、A037M、A037N、A037Q、A037T、A037W、V068D、V068Q、M124S、L126Q、M119A、M119F、M119H、M119I、M119L、N123A、N123D、N123E、N123G、N123H、N123I、N123Q、A187D、A187H、N062A、N062K、N062L、N062P、S129D、S130E、S130P、Q137E、N144M、S097G、S097H、S097I、S097L、S097M、S097Y、G102E、I107Q、N120P、S182D、S182E、A001G、A001H、A001L、T003E、V004E、D014E、E197D、L206Y、I011A、I011S、I011T、A013S、K015H、K015M、K015N、K015P、K015Q、K015S、K015T、K015V、K015Y、T185M、T185Q、P005D、P005T、K027D、K027E、K027G、K027L、K027M、K027N、K027Q、K027T、K027Y、N043D、N043E、S049A、S049D、S049E、S049G、S049H、S049I、S049K、S049N、S049Q、S049T、S049V、S049W、Q136D、N163D、N163E、G211D、G211Q、G211T、W006A、W006D、W006H、W006L、W006M、W006N、W006P、W006Q、W006S、A019K、A019W、T022G、T022L、G061E、R145N、R145T、R145W、S158D、S158H、S158Q、L090E、L090G、L090N、L090Q、G100A、G100E、I147H、I147M、I147S、V148A、V148D、V148E、V148F、V148G、V148L、V148Q、T164D、T164E、N184A、N184H、F189A、F189D、F189E、F189I、F189L、F189S、F189V、Q245M、Q245N、Q245P、Q245T、Q245V、I246A、I246C、L274D、L274E、L274G、N243D、H017I、V021D、L257C、L257G、L257I、S024G、K045E、K045L、K045W、Q275L、Q275T、A048D、A048E、A048G、A048H、A048L、E054F、E054G、E054H、E054I、E054L、E054M、E054N、E054P、E054R、E054T、E054V、E054W、A073I、T078D、T078E、T078F、T078G、T078H、T078W、N087F、N087H、N087P、N087Q、N087S、A088D、A088G、A088N、A088P、A088Q、D089F、D089K、D089L、Y091T、Y091V、Y091W、G020E、G020H、G020L、G020V、G020Y、G046E、G046L、G046M、N252E、N252F、N252I、N252L、N252Q、N252S、F261Y、K265D、K265V、S272F、S272M、S272Q、S272V、N056A、N056E、N056H、N056I、N056L、N056M、N056Q、N056S、N056V、A074G、N077D、N077G、N077P、T208A、A231F、A231L、A018F、A018K、A018L、A018N、A018P、A018Q、A018S、A018T、A018V、A018W、A018Y、N038D、N038E、N038H、N038I、N038K、N038P、N038Q、N038T、N038Y、K251A、K251C、K251F、K251M、K251N、K251R、K251S、K251T、K251V、E271A、E271D、E271F、E271M、E271W、F050I、F050S、F050Y、V051D、V051E、V051F、V051G、V051K、V051L、V051M、V051N、V051P、V051Q、V051R、V051T、V051W、V051Y、A057C、A057D、A057E、A057I、A057K、A057L、A057M、A057N、A057Q、A057R、A057S、A057T、A057V、A057Y、L075A、L075D、L075F、L075N、L075Q、L075S、L075T、L075V、L075W、G166A、G166C、G166D、G166E、G166H、G166L、G166M、G166N、G166Q、G166S、I175A、I175F、I175Q、I175S、I175T、I175V、G053A、G053D、G053E、G053I、G053L、G053P、P055A、P055G、P055M、P055W、P055Y、S194G、A232H、A232I、A232N、A232Q、A232S、A232T、I234M、I234N、I234S、I234T、I234V、I234W、K237A、K237D、K237F、K237L、K237M、K237N、K237T、K237V、K237W、A215D、A215E、A215M、V203A、V203D、V203E、V203G、V203I、V203L、L233G、L233H、L233N、L233T、L250I、K012D、K012E、K012G、K012H、K012L、K012M、K012T、K012Y、V072A、V072D、V072E、V072F、V072G、V072I、V072T、Y167D、Y167E、Y167F、Y167P、S156D、S156N、S172N、Y238A、Y238C、Y238E、Y238F、Y238G、Y238S、Y238W、T255L、N256D、N256E、I035A、I035F、I035G、I035L、I035M、I035T、V227F、V227S、V227Y、F262E、F262I、G106E、G106T、T133D、N161D、N161E、N161F、N161S、N161W、N161Y、R170I、R170L、R170M、A108C、A108I、S114T、G118D、G118E、G118Q、G118S、G118T、G146H、G146N、G146Q、D060E、D060N、D060S、W113F、A138E、N140D、N140G、V149D、V149F、V149G、V149L、I150A、N212I、N212L、N212Q、N212W、S216D、A228G、P239C、P239G、P239H、P239L、P239N、Q002E、Q002S、F217D、F217E、F217I、F217T、H226D、H226E、H226L、H226Q、H226T、A230F、A230H、A230I、A230M、A230Q、Q059I、A016H、A016W、P210D、P210E、P210W、S159D、S159E、S159N、G063D、G063E、G063L、G063M、G063N、G063S、G063T、G063V、A098F、A098S、I122L、V198A、V198C、V198F、V198T、T209M、T209Q、T209V、N213D、N213E、A236C、A236D、A236E、A236F、A236L、S240F、S240P、T242E、T242Q、P260C、G258D、N141G、S173D、Y214M、P009A、P009G、P009I、P009T、H010L、L096E、L096H、L096I、S116E、S116F、G025A、G025F、V081P、H039G、H039T、K235D、K235E、V267L、V267N、A151H、G160F、G160H、G160M、G160V、M222L、及びM222Y
HDD性能において最も有効な変異一覧
A029G、A029S、A029T、I030S、I030V、I030Y、T033N、T033V、A040D、A040E、A040G、A040H、A040K、A040L、A040N、A040P、A040Y、G065A、T066S、H067A、H067E、H067F、H067G、H067K、H067L、H067M、H067N、H067P、H067Q、H067S、H067T、H067V、H067Y、A069G、K094A、K094D、K094E、K094H、K094L、K094M、K094N、K094S、K094T、V095A、V095S、V095T、G110S、I111M、I111V、Y086D、Y086E、Y086I、Y086K、Y086M、Y086P、Y086Q、Y086T、Y086W、S101A、S101M、S101T、S101V、T103A、T103D、T103E、T103G、T103L、T103N、T103S、T103Y、L104I、S052D、S052F、S052G、S052H、S052L、S052M、S052N、S052Q、S052T、S052V、L058A、L058D、L058H、L058I、L058R、L058T、L058V、N183E、N183I、N183M、N183P、N183Y、G083A、G083S、V084L、V084S、V084T、A085I、A085S、V093G、V093I、V093M、V093T、L031A、L031E、L031N、L031Q、L031T、G034A、G034E、A037D、A037E、A037F、A037H、A037L、A037M、A037N、A037Q、A037R、A037S、A037T、A037W、V068D、V068I、V068M、V068Q、N117E、N117F、N117K、N117M、N117S、N117T、N117Y、M124S、L126G、L126I、L126Q、M119A、M119F、M119H、M119L、M119Q、M119S、M119T、N123A、N123D、N123E、N123G、N123H、N123I、N123Q、A187D、A187F、A187G、A187H、A187N、A187P、A187W、N062A、N062K、N062L、N062P、N062W、S129A、S129D、S129G、S129Q、S129T、S129Y、S130E、S130L、S130N、S130P、S130Q、S130T、G131D、G131P、G131Q、G131S、S132A、Q137E、Q137H、Q137I、Q137T、N144H、N144V、N144Y、A153S、S097G、S097H、S097I、S097K、S097L、S097M、S097N、S097Y、S099I、S099L、S099V、G102E、I107Q、N120G、N120P、N120T、V121A、V121F、V121G、V121S、V177I、V177T、A179G、S182A、S182D、S182E、S182F、S182L、S182M、S182N、S182W、A001G、A001K、A001L、A001R、T003E、T003H、T003I、T003V、T003Y、V004E、V004F、V004G、V004H、V004P、V004S、V004Y、D014E、D014F、D014G、D014H、D014T、D014Y、E197D、I205A、I205C、I205M、I205N、L206F、L206K、L206M、L206N、L206R、L206S、L206V、L206W、L206Y、A224S、I011A、I011M、I011T、I011V、A013S、K015H、K015M、K015N、K015P、K015Q、K015S、K015T、K015V、K015Y、A092V、T185F、T185G、T185H、T185M、T185Q、P005D、P005I、P005M、P005S、P005T、P005V、G007Y、K027D、K027E、K027G、K027H、K027L、K027M、K027N、K027P、K027Q、K027R、K027S、K027T、K027Y、N043A、N043D、N043E、N043F、N043G、N043H、N043I、N043K、N043L、N043M、N043Q、N043S、N043V、N043W、S049A、S049D、S049E、S049G、S049H、S049I、S049K、S049N、S049Q、S049R、S049T、S049V、S049W、Q136D、Q136G、Q136H、Q136L、Q136N、Q136V、N163D、N163E、N204L、G211H、G211K、G211Q、G211T、E248A、E248H、I008A、I008G、I008H、I008N、I008P、I008T、I008V、I008Y、V028E、V028F、V028H、V028I、V028L、V028M、V028N、V028Q、V028S、V028T、L042I、L042M、L042N、L042Q、L042T、L042V、W006A、W006D、W006H、W006K、W006L、W006M、W006N、W006P、W006Q、W006S、W006Y、A019F、A019K、A019L、A019M、A019R、A019W、A019Y、T022E、T022G、T022I、T022L、T022M、T022Q、T022R、T022S、T022V、T022W、V026E、V026F、V026H、V026L、V026N、V026Q、V026R、V026S、G061A、G061E、G061I、G061M、G061P、G061S、G061T、G061Y、R145N、R145T、S158D、S158G、S158H、S158M、S158N、S158Q、S158T、S158V、L090E、L090F、L090G、L090N、L090P、L090Q、L090R、L090Y、G100A、G100E、I147A、I147H、I147M、I147S、V148D、V148E、V148G、V148L、V148M、V148Q、V148S、N184A、N184S、F189A、F189D、F189E、F189G、F189H、F189I、F189K、F189L、F189M、F189N、F189P、F189Q、F189S、F189T、F189V、P201L、P201S、P201T、Q245A、Q245F、Q245M、Q245N、Q245P、Q245R、Q245S、Q245T、Q245W、Q245Y、I246A、I246F、I246M、I246V、L274F、L274M、L274Y、N243D、N243K、N243L、N243P、N243R、T253F、T253G、T253K、T253N、A254G、A254T、H017I、H017L、H017P、H017S、H017T、H017V、V021D、V021F、V021G、V021H、V021K、V021M、V021R、L257A、L257C、L257G、L257H、L257I、L257M、L257P、L257Q、L257V、V270I、V270L、V270M、V270Q、V270T、V270W、V270Y、S024G、S024H、S024I、S024P、S024R、S024T、S024V、K045D、K045L、K045Q、K045R、K045S、K045W、Q275K、Q275L、Q275N、Q275R、Q275W、Q275Y、A048D、A048E、A048G、A048H、A048I、A048K、A048L、A048N、A048Q、A048W、E054D、E054F、E054G、E054H、E054I、E054K、E054L、E054M、E054N、E054P、E054R、E054S、E054T、E054V、E054W、A073G、A073I、A073K、A073L、A073T、A073V、T078A、T078F、T078H、T078I、T078L、T078R、T078V、T078W、N087F、N087H、N087P、N087Q、N087S、A088D、A088G、A088N、A088P、A088Q、D089F、D089K、D089L、D089R、D089T、D089W、Y091H、Y091I、Y091M、Y091N、Y091V、Y091W、G020E、G020H、G020L、G020N、G020Q、G020T、G020V、G020Y、M241H、M241I、M241Q、M241S、V244L、V244Q、N252F、N252I、N252L、N252Q、N252R、N252S、F261Y、K265S、K265V、S272F、S272H、S272K、S272M、S272N、S272P、S272Q、S272T、S272V、N056A、N056E、N056I、N056L、N056M、N056P、N056Q、N056S、N056V、A074G、A074S、N077G、L135I、L196M、T208A、T208I、T208L、T208N、T208V、A231G、A231L、A231S、A231Y、R249K、R249W、A018F、A018K、A018L、A018N、A018S、A018T、A018W、A018Y、N038A、N038D、N038E、N038I、N038K、N038P、N038T、N038Y、K251A、K251C、K251F、K251M、K251N、K251R、K251S、K251T、K251V、E271A、E271D、E271F、E271L、E271M、E271Q、E271W、E271Y、F050A、F050I、F050K、F050Q、F050S、F050W、F050Y、V051A、V051D、V051E、V051F、V051G、V051H、V051I、V051K、V051L、V051M、V051N、V051P、V051Q、V051R、V051T、V051W、V051Y、N076D、N076E、N076I、N076K、N076Q、N076R、N076S、N076T、N076Y、T079K、T079L、T079Q、A057C、A057D、A057E、A057I、A057K、A057L、A057M、A057N、A057P、A057Q、A057R、A057S、A057T、A057V、A057Y、L075A、L075D、L075E、L075F、L075G、L075H、L075I、L075K、L075N、L075Q、L075R、L075S、L075T、L075V、L075W、G166A、G166C、G166D、G166E、G166F、G166H、G166I、G166M、G166N、G166Q、G166S、G166Y、I175A、I175F、I175Q、I175S、I175T、I175V、G053A、G053D、G053E、G053I、G053L、G053N、G053P、G053Q、P055A、P055G、P055K、P055M、P055N、P055R、P055S、P055W、P055Y、Y143E、Y143L、Y143M、Y143N、Y143Q、Y143T、Y143V、S181A、T071A、T071G、T071M、T071N、T071P、T071S、T071V、S194G、S194I、S194M、S194V、A232H、A232I、A232L、A232M、A232N、A232Q、A232S、A232T、I234A、I234F、I234M、I234N、I234Q、I234S、I234V、I234W、I234Y、K237F、K237G、K237I、K237L、K237M、K237N、K237Q、K237R、K237S、K237T、K237V、K2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33G、L233H、L233M、L233T、L250I、L250T、K012D、K012E、K012G、K012H、K012L、K012M、K012R、K012T、K012Y、D036A、D036E、D036W、V072A、V072D、V072E、V072F、V072K、V072P、V072Q、V072T、Y167A、Y167D、Y167E、Y167F、V180A、V180N、V180S、V180T、G080F、G080M、G080Y、S156A、S156D、S156H、S156I、S156L、S156M、S156N、S156Q、S156V、S172H、S172I、S172L、S172M、S172N、S172T、S172V、S172Y、S188G、S188H、S188T、S188Y、Y238A、Y238C、Y238D、Y238F、Y238G、Y238I、Y238K、Y238L、Y238M、Y238Q、Y238T、Y238V、Y238W、T255A、T255D、T255F、T255G、T255H、T255I、T255K、T255L、T255M、T255N、T255Q、T255S、T255W、T255Y、N256D、N256E、N256K、N256L、N256M、N256P、N256Q、N256R、N256V、N256W、I035A、I035F、I035G、I035L、I035M、I035T、V227F、V227S、V227T、V227Y、F262E、F262S、G106E、G106I、G106N、G106S、T133A、T133D、T133F、T133L、T133M、T133N、T133Q、T133V、N161D、N161E、N161F、N161M、N161Q、N161W、N161Y、R170K、R170L、R170M、A108C、A108I、A108L、S114G、S114T、G118E、G118H、G118Q、G118R、G118S、G118T、G118Y、G146Q、G146R、D060A、D060E、D060F、D060H、D060K、D060L、D060M、D060N、D060P、D060Q、D060S、D060T、D060V、D060Y、W113F、W113H、W113Y、A138E、A138S、N140D、N140F、N140G、N140I、N140L、N140M、N140Q、N140T、N140V、N140W、N140Y、V149A、V149D、V149E、V149F、V149G、V149H、V149I、V149L、V149N、V149P、V149Q、V149S、V149T、I150A、I150M、I150N、I150T、I150V、N212F、N212G、N212L、N212P、N212W、S216A、A228S、P239F、P239I、P239K、P239T、P239V、P239W、Q002E、Q002K、Q002P、Q002S、Q002W、Q002Y、S207T、S207V、F217D、F217E、F217H、F217I、F217R、F217T、F217V、H226D、H226E、H226F、H226G、H226L、H226Q、H226T、A230D、A230F、A230H、A230M、A230Q、A230Y、Q059I、Q059N、A016E、A016G、A016H、A016I、A016K、A016L、A016Q、A016T、A016W、G023A、A200S、P210D、P210E、P210F、P210I、P210L、P210Q、P210S、P210T、P210V、P210W、S159D、S159E、S159N、S159Q、S159T、G063A、G063D、G063E、G063F、G063H、G063L、G063M、G063N、G063P、G063R、G063S、G063T、G063V、G063W、G063Y、A098H、A098L、A098M、A098P、A098Q、A098S、A098T、A098V、Q109K、I122L、I122M、G128N、V198A、V198C、V198F、T209E、T209M、T209Q、T209R、T209S、T209V、T209W、N213A、N213D、N213E、N213F、N213G、N213M、A236C、A236F、A236G、A236L、A236N、A236Q、A236V、S240F、S240I、S240M、S240P、S240Q、S240V、S240W、T242A、T242E、T242G、T242H、T242I、T242K、T242L、T242P、T242Q、T242S、T242V、T242Y、P260C、P260I、P260L、P260M、P260N、P260S、P260V、G258D、Y263T、Y263W、N141G、N141T、S173A、S173D、S173N、S173T、Y214F、Y214G、Y214I、Y214M、Y214N、P009A、P009G、P009H、P009M、P009Q、P009R、P009T、P009V、H010A、H010L、L096H、L096I、S116F、S116M、G025A、V044A、V044I、V081G、V081L、V081M、V081P、V081Y、N269K、N269T、N269V、H039G、H039S、H039T、K235A、K235D、K235E、V267A、V267E、V267F、V267G、V267I、V267K、V267L、V267N、V267S、V267T、V267Y、A151H、A151I、A151Q、A151S、A151T、G160F、G160H、G160M、G160V、M222E、M222H、M222L、及びM222Y
洗濯安定性+HDL(pH6)において最も有効な変異一覧
I030A、A040E、A040L、A040T、A040Y、T103D、T103E、S052D、S052F、S052N、N183E、L031T、N117E、N117F、M124S、N123D、S129D、S130E、Q137E、G102E、I107Q、N120E、V121G、S182D、S182E、T003E、A224S、K015V、K027E、K027L、K027M、K027S、K027T、N043A、N043D、N043E、N043F、N043W、Q136D、N163D、T022D、T022E、R145N、R145T、R145W、S158D、L090P、G100A、G100E、I147A、I147H、I147S、V148S、Q245T、Q245V、I246N、S024T、S024V、K045D、K045E、K045F、K045L、K045Q、K045R、K045S、K045W、Q275E、Q275N、A048D、A048E、A048Q、T078D、T078E、T078F、T078L、T078W、N087S、Y091H、M241S、M241W、K265D、K265S、S272M、N038A、N038D、N038E、N038T、K251A、K251C、K251F、K251M、K251N、K251R、K251S、K251T、K251V、F050Q、T079L、G166D、G166E、G166H、G166N、G166Y、G053D、G053E、Y143D、Y143E、S181H、K237A、K237N、A215D、A215E、K012G、V072T、S156D、S156H、S156N、S156Q、T255D、N256D、N256E、F262E、G106E、T133D、N161D、N161E、R170L、A108C、S114G、S114T、G118D、G118E、G118Q、G118S、G118T、G146N、A138E、A138S、N140D、V149A、V149E、V149G、V149L、V149N、I150A、I150N、I150T、I150V、S216I、S216T、A228S、P239C、P239D、P239E、P239F、P239H、P239M、P239N、P239T、P239W、S159D、S159E、S159N、T209F、T209V、A236D、A236E、A236N、A236Q、A236S、T242E、S173D、P009A、P009I、P009M、P009Q、P009S、P009T、P009V、L096E、K235D、K235E、V267S、及びM222Q
洗濯安定性+HDL(pH8)において最も有効な変異一覧
A029T、A040D、A040E、T103D、T103E、S052D、S052F、N183E、M124S、L126Q、N123D、S129D、S130E、Q137E、G102E、I107Q、S182D、S182E、T003E、K015V、T185Q、K027E、K027L、K027M、K027T、N043D、N043E、Q136D、N163D、R145N、R145T、R145W、S158D、G100A、G100E、I147H、I147S、Q245M、Q245T、Q245V、K045E、K045L、K045W、A048D、A048E、A048G、A048H、T078D、T078E、T078F、T078G、T078H、T078W、N087S、N252E、K265D、S272M、S272Q、N038D、N038E、N038T、K251A、K251C、K251F、K251M、K251N、K251R、K251S、K251T、K251V、F050Y、G166A、G166C、G166D、G166E、G166H、G166L、G166M、G166N、G166Q、G166S、G053D、G053E、K237A、K237N、A215D、A215E、K012G、V072A、V072T、S156D、S156N、N256D、N256E、F262E、G106E、T133D、N161D、N161E、R170L、A108C、A108I、S114T、G118D、G118E、G118Q、G118S、G118T、G146N、A138E、N140D、V149G、V149L、I150A、P239C、P239G、P239H、P239N、S159D、S159E、S159N、T209V、A236C、A236D、A236E、S240P、T242E、S173D、P009A、P009I、P009T、L096E、L096H、L096I、S116E、K235D、及びK235E
洗濯安定性+HDDにおいて最も有効な変異一覧
A029T、I030V、A040D、A040E、A040H、A040K、A040L、A040N、A040Y、T103D、T103E、T103G、S052D、S052F、S052N、N183E、V093T、L031T、N117E、N117F、N117S、N117T、M124S、L126G、L126I、L126Q、N123D、S129A、S129D、S129Q、S130E、S130L、S130N、S130Q、S130T、G131D、Q137E、G102E、I107Q、V121G、S182D、S182E、T003E、T003I、T003V、A224S、K015V、T185Q、K027E、K027L、K027M、K027S、K027T、N043A、N043D、N043E、N043F、N043L、N043W、Q136D、Q136H、N163D、A019M、T022E、R145N、R145T、S158D、L090P、G100A、G100E、I147A、I147H、I147S、V148S、Q245M、Q245T、S024H、S024T、S024V、K045D、K045L、K045Q、K045R、K045S、K045W、Q275N、A048D、A048E、A048G、A048H、A048Q、T078A、T078F、T078H、T078L、T078W、N087S、Y091H、Y091N、M241Q、M241S、K265S、S272M、S272Q、N038A、N038D、N038E、N038T、K251A、K251C、K251F、K251M、K251N、K251R、K251S、K251T、K251V、F050Q、F050Y、V051I、N076D、N076S、T079L、T079Q、L075G、G166A、G166C、G166D、G166E、G166F、G166H、G166M、G166N、G166Q、G166S、G166Y、G053D、G053E、G053Q、Y143E、S181A、K237N、A215D、A215E、K012G、V072A、V072T、S156A、S156D、S156H、S156M、S156N、S156Q、T255D、N256D、N256E、N256P、N256W、F262E、G106E、T133D、T133F、T133M、T133N、T133V、N161D、N161E、R170K、R170L、A108C、A108I、S114G、S114T、G118E、G118Q、G118S、G118T、A138E、A138S、N140D、V149A、V149E、V149G、V149L、V149N、V149Q、V149S、I150A、I150N、I150T、I150V、A228S、P239F、P239T、P239W、F217R、S159D、S159E、S159N、S159Q、G128N、T209V、T209W、A236C、A236N、A236Q、S240P、S240Q、T242E、S173D、P009A、P009M、P009Q、P009T、P009V、L096H、L096I、V081M、K235D、K235E、V267F、V267I、V267S、V267T、V267Y、及びM222H
洗濯安定性+HDL(pH8)+HDDにおいて最も有効な変異一覧
A029T、A040D、A040E、T103D、T103E、S052D、S052F、N183E、M124S、L126Q、N123D、S129D、S130E、Q137E、G102E、I107Q、S182D、S182E、T003E、K015V、T185Q、K027E、K027L、K027M、K027T、N043D、N043E、Q136D、N163D、R145N、R145T、S158D、G100A、G100E、I147H、I147S、Q245M、Q245T、K045L、K045W、A048D、A048E、A048G、A048H、T078F、T078H、T078W、N087S、S272M、S272Q、N038D、N038E、N038T、K251A、K251C、K251F、K251M、K251N、K251R、K251S、K251T、K251V、F050Y、G166A、G166C、G166D、G166E、G166H、G166M、G166N、G166Q、G166S、G053D、G053E、K237N、A215D、A215E、K012G、V072A、V072T、S156D、S156N、N256D、N256E、F262E、G106E、T133D、N161D、N161E、R170L、A108C、A108I、S114T、G118E、G118Q、G118S、G118T、A138E、N140D、V149G、V149L、I150A、S159D、S159E、S159N、T209V、A236C、S240P、T242E、S173D、P009A、P009T、L096H、L096I、K235D、及びK235E
洗濯安定性+HDD+HDL(pH6)+HDL(pH8)において最も有効な変異一覧
A040E、T103D、T103E、S052D、S052F、N183E、M124S、N123D、S129D、S130E、Q137E、G102E、I107Q、S182D、S182E、T003E、K015V、K027E、K027L、K027M、K027T、N043D、N043E、Q136D、N163D、R145N、R145T、S158D、G100A、G100E、I147H、I147S、Q245T、K045L、K045W、A048D、A048E、T078F、T078W、N087S、S272M、N038D、N038E、N038T、K251A、K251C、K251F、K251M、K251N、K251R、K251S、K251T、K251V、G166D、G166E、G166H、G166N、G053D、G053E、K237N、A215D、A215E、K012G、V072T、S156D、S156N、N256D、N256E、F262E、G106E、T133D、N161D、N161E、R170L、A108C、S114T、G118E、G118Q、G118S、G118T、A138E、N140D、V149G、V149L、I150A、S159D、S159E、S159N、T209V、T242E、S173D、P009A、P009T、K235D、及びK235E
ADW安定性において最も有効な変異一覧
A001G、A001K、A001R、Q002F、Q002K、Q002P、Q002R、Q002S、Q002W、T003G、T003I、T003V、T003Y、G007N、P009A、P009G、P009H、P009I、P009M、P009Q、P009R、P009S、P009T、P009V、A018N、A019M、T022E、S024H、S024R、S024T、S024V、G025A、G025H、V026N、K027P、K027R、K027S、K027T、A029S、I030V、T033E、N038A、N038Q、N038T、A040D、A040E、A040H、A040K、A040L、A040N、A040R、A040T、A040V、N043A、N043D、N043E、N043F、N043H、N043K、N043L、N043M、N043S、K045D、K045Q、K045R、K045S、A048E、A048H、A048N、A048Q、A048W、F050A、F050Q、F050R、F050S、V051I、S052D、S052M、S052N、S052Q、G053D、G053E、G053N、G053Q、P055N、A057P、Q059I、H067A、H067G、H067P、V072A、V072G、V072T、A073G、L075F、L075G、L075R、N076Q、N076S、N077T、T078A、T078D、T078E、T078F、T078G、T078H、T078K、T078L、T078R、T078S、T078V、T079K、T079L、T079Q、G080M、V081M、Y086P、N087H、D089F、L090P、Y091I、Y091M、Y091V、L096E、L096N、S097N、A098N、A098Q、A098S、G100A、G100E、S101M、S101T、G102F、G102Y、T103D、T103E、T103G、T103S、G106E、G106N、G106T、I107Q、I107V、W113H、S114G、S114T、S116E、S116F、S116M、N117S、N117T、G118D、G118E、G118H、G118Q、G118R、G118S、G118T、G118Y、M119Q、V121A、V121G、L126G、L126I、L126K、G128N、S129D、S130E、S130H、S130N、S130Q、S130T、S130V、G131H、T133A、T133D、T133F、T133L、T133V、Q136H、Q137E、Q137T、A138S、N140D、N144H、N144Y、R145W、G146N、G146R、I147A、I147H、I147S、V149A、V149E、V149G、V149L、V149N、V149P、V149Q、V149S、I150N、I150V、A151H、A152P、A152V、S156A、S156H、S156K、S156M、S156N、S156Q、S158V、S159D、S159E、S159N、S159Q、N161M、N161R、M165V、G166A、G166D、G166E、G166F、G166H、G166I、G166L、G166M、G166N、G166Q、G166S、G166T、G166Y、S181A、S181H、S181N、S182A、S182E、S182M、S182R、T185M、T185Q、T185R、A187W、S188H、S194P、T209F、T209V、T209W、T209Y、N213K、S216F、S216I、S216T、F217R、M222L、A224S、A228S、I234V、A236C、A236D、A236E、A236N、A236Q、A236S、K237A、Y238F、P239A、P239E、P239F、P239G、P239H、P239K、P239N、P239R、P239S、P239W、S240F、S240M、S240P、M241W、T242S、N243G、V244F、Q245A、Q245N、Q245S、Q245T、I246N、L250I、L250M、K251R、N252E、T255I、N256E、N256K、N256P、N256Q、N256R、N256W、K265S、V267F、V267K、V267N、V267S、V267T、V267Y、E271W、S272F、S272K、S272N、S272Q、及びQ275E
ADW性能において最も有効な変異一覧
A001G、A001H、A001K、A001R、Q002F、Q002K、Q002P、Q002R、Q002S、Q002W、Q002Y、T003E、T003G、T003H、T003I、T003V、T003Y、G007N、P009A、P009G、P009H、P009I、P009M、P009Q、P009R、P009S、P009T、P009V、K012G、K012R、K015H、K015V、K015Y、A018F、A018N、A018Q、A018R、A018T、A019K、A019L、A019M、A019R、A019W、G020N、T022D、T022E、T022S、S024H、S024I、S024R、S024T、S024V、G025A、V026N、V026S、K027D、K027E、K027G、K027L、K027M、K027P、K027Q、K027R、K027S、K027T、V028E、V028T、A029S、A029T、I030A、I030E、I030V、L031Q、L031T、N038A、N038Q、N038T、A040D、A040E、A040H、A040K、A040L、A040N、A040R、A040T、A040V、A040W、A040Y、N043A、N043D、N043E、N043F、N043G、N043H、N043I、N043K、N043L、N043M、N043Q、N043S、N043W、N043Y、K045D、K045E、K045F、K045L、K045Q、K045R、K045S、K045W、G046N、A048D、A048E、A048G、A048H、A048K、A048N、A048Q、A048W、F050A、F050K、F050Q、F050R、F050S、F050Y、S052D、S052H、S052L、S052M、S052N、S052Q、S052R、S052T、S052V、G053A、G053D、G053E、G053N、G053Q、G053R、P055K、P055N、P055R、A057P、L058D、Q059I、G061E、G061M、G061Y、N062K、N062L、N062P、N062W、H067A、H067G、A069G、V072A、V072G、V072T、A073G、L075F、L075G、L075Q、L075R、L075W、N076D、N076Q、N076S、N076Y、N077T、T078A、T078D、T078E、T078F、T078G、T078H、T078I、T078K、T078L、T078R、T078S、T078V、T079K、T079L、T079Q、G080M、G080Y、V081M、G083S、A085S、Y086P、N087H、N087S、D089F、L090E、L090N、L090P、Y091H、Y091I、Y091M、Y091N、Y091T、Y091V、Y091W、V093T、L096I、L096N、S097G、S097H、S097I、S097L、S097M、S097N、A098F、A098H、A098K、A098M、A098N、A098Q、A098S、A098T、S099I、S099K、S099L、S099V、G100A、G100E、S101A、S101M、S101R、S101T、S101V、G102E、T103D、T103E、T103H、T103K、T103N、T103R、T103S、G106E、G106N、G106S、G106T、G106V、I107Q、I107T、I107V、A108C、A108I、Q109K、I111V、W113F、W113H、S114G、S114T、S116E、S116F、S116M、N117G、N117K、N117S、N117T、N117Y、G118D、G118E、G118H、G118Q、G118R、G118S、G118T、G118Y、M119A、M119F、M119H、M119I、M119L、M119Q、M119S、M119T、N120E、V121A、N123A、N123D、N123E、N123G、N123H、N123Q、G128N、S129A、S129D、S129G、S129H、S129Q、S129T、S130E、S130F、S130H、S130L、S130N、S130Q、S130T、S130V、G131A、G131D、G131H、G131P、G131R、G131S、S132A、T133A、T133D、T133F、T133L、T133M、T133N、T133Q、T133V、Q136D、Q136F、Q136H、Q136R、Q136W、Q137E、Q137H、Q137T、A138E、A138S、N140D、N140Q、N140Y、N141T、Y143E、N144H、N144M、N144V、N144W、N144Y、R145W、G146N、G146R、I147A、I147H、I147M、I147S、V148G、V148S、V149A、V149E、V149G、V149L、V149N、V149P、V149Q、V149S、I150A、I150N、I150S、I150T、I150V、A151H、A152V、A153G、A153S、S156A、S156H、S156K、S156M、S156N、S158D、S158M、S158T、S158V、S159D、S159E、S159K、S159M、S159N、S159Q、S159Y、G160F、N161D、N161E、N161K、N161M、N161R、N161S、N163D、M165V、G166A、G166D、G166E、G166F、G166H、G166I、G166L、G166M、G166N、G166Q、G166S、G166T、G166Y、R170K、R170L、S172H、I175Q、I175S、S181A、S181H、S181K、S181N、S181Q、S182A、S182D、S182E、S182H、S182I、S182M、S182R、S182Y、N183E、T185M、T185Q、T185R、A187D、A187G、A187H、A187P、A187Q、A187V、A187W、S188H、S188Y、S194F、S194K、S194P、S194R、L206Y、T209F、T209V、T209W、T209Y、N213K、A215D、A215E、S216A、S216F、S216I、S216T、F217R、M222L、A224S、A228S、I234V、K235D、K235E、A236C、A236D、A236E、A236F、A236G、A236N、A236Q、A236S、K237A、K237G、K237N、K237Q、K237R、Y238F、P239A、P239C、P239D、P239E、P239F、P239G、P239H、P239I、P239K、P239L、P239M、P239N、P239R、P239S、P239T、P239V、P239W、S240F、S240I、S240M、S240P、S240Q、S240V、S240W、M241I、M241Q、M241S、M241W、T242A、T242E、T242I、T242K、T242P、T242Q、T242S、T242V、N243G、V244F、Q245A、Q245F、Q245M、Q245N、Q245S、Q245T、Q245W、Q245Y、I246A、I246N、I246V、E248D、E248H、E248K、E248M、E248Y、L250I、L250M、K251F、K251R、N252E、N252F、T255D、T255I、N256D、N256E、N256K、N256M、N256P、N256Q、N256R、N256W、F262E、K265D、K265S、V267A、V267F、V267K、V267N、V267S、V267T、V267Y、E271A、E271F、E271H、E271K、E271W、E271Y、S272F、S272K、S272N、S272Q、Q275E、Q275G、Q275N、及びQ275R
ADW安定性+ADW性能において最も有効な変異一覧
A001G、A001K、A001R、Q002F、Q002K、Q002P、Q002R、Q002S、Q002W、T003G、T003I、T003V、T003Y、G007N、P009A、P009G、P009H、P009I、P009M、P009Q、P009R、P009S、P009T、P009V、A018N、A019M、T022E、S024H、S024R、S024T、S024V、G025A、V026N、K027P、K027R、K027S、K027T、A029S、I030V、N038A、N038Q、N038T、A040D、A040E、A040H、A040K、A040L、A040N、A040R、A040T、A040V、N043A、N043D、N043E、N043F、N043H、N043K、N043L、N043M、N043S、K045D、K045Q、K045R、K045S、A048E、A048H、A048N、A048Q、A048W、F050A、F050Q、F050R、F050S、S052D、S052M、S052N、S052Q、G053D、G053E、G053N、G053Q、P055N、A057P、Q059I、H067A、H067G、V072A、V072G、V072T、A073G、L075F、L075G、L075R、N076Q、N076S、N077T、T078A、T078D、T078E、T078F、T078G、T078H、T078K、T078L、T078R、T078S、T078V、T079K、T079L、T079Q、G080M、V081M、Y086P、N087H、D089F、L090P、Y091I、Y091M、Y091V、L096N、S097N、A098N、A098Q、A098S、G100A、G100E、S101M、S101T、T103D、T103E、T103S、G106E、G106N、G106T、I107Q、I107V、W113H、S114G、S114T、S116E、S116F、S116M、N117S、N117T、G118D、G118E、G118H、G118Q、G118R、G118S、G118T、G118Y、M119Q、V121A、G128N、S129D、S130E、S130H、S130N、S130Q、S130T、S130V、G131H、T133A、T133D、T133F、T133L、T133V、Q136H、Q137E、Q137T、A138S、N140D、N144H、N144Y、R145W、G146N、G146R、I147A、I147H、I147S、V149A、V149E、V149G、V149L、V149N、V149P、V149Q、V149S、I150N、I150V、A151H、A152V、S156A、S156H、S156K、S156M、S156N、S158V、S159D、S159E、S159N、S159Q、N161M、N161R、M165V、G166A、G166D、G166E、G166F、G166H、G166I、G166L、G166M、G166N、G166Q、G166S、G166T、G166Y、S181A、S181H、S181N、S182A、S182E、S182M、S182R、T185M、T185Q、T185R、A187W、S188H、S194P、T209F、T209V、T209W、T209Y、N213K、S216F、S216I、S216T、F217R、M222L、A224S、A228S、I234V、A236C、A236D、A236E、A236N、A236Q、A236S、K237A、Y238F、P239A、P239E、P239F、P239G、P239H、P239K、P239N、P239R、P239S、P239W、S240F、S240M、S240P、M241W、T242S、N243G、V244F、Q245A、Q245N、Q245S、Q245T、I246N、L250I、L250M、K251R、N252E、T255I、N256E、N256K、N256P、N256Q、N256R、N256W、K265S、V267F、V267K、V267N、V267S、V267T、V267Y、E271W、S272F、S272K、S272N、S272Q、及びQ275E
(実施例4)
LG12sprCプロテアーゼと関連する分子の比較
相同なプロテアーゼの同定
クエリー配列としてLG12sprCプロテアーゼ(配列番号3)の成熟タンパク質のアミノ酸配列を利用し、検索パラメーターはデフォルト値に設定して、BLAST検索(Altschul et al.,Nucleic Acids Res,25:3389〜402,1997)により、NCBIの非冗長タンパク質データベース及びGenome Quest Patentデータベースで相同物を同定した。いずれの検索セットに関しても、同一率(PID)は、ペアワイズアラインメントにおいて、同一残基数をアラインメントした残基の数で除したものとして定義した。表中、「配列長」と記載される値は、掲載されている受け入れ番号により参照されるタンパク質の長さ(アミノ酸)に対応するものであるのに対し、「アライメント長」は、アライメント及びPIDの算出に使用した配列について参照するものである。表5には、NCBIの非冗長タンパク質データベースのLG12sprCに対する同一率(%)とともに配列一覧を提供し、表6には、Genome Quest Patentデータベースの配列一覧を提供する。
(実施例5)
LG12sprC及びバチルス種(Bacillus sp.)m3−13、スブチリシンE(1)プロテアーゼの機能比較
バチルス種(Bacillus sp.)m3−13スブチリシンE(1)(受け入れ番号WP_010192403.1、旧称ZP_07707657.1)は、LG12sprCに対し同一率が92%であることが判明した(実施例4、表5)。特性をLG12sprCプロテアーゼの特性と比較するため、実施例2に記載のLG12sprCのクローニング工程後に、バチルス種(Bacillus sp.)m3−13スブチリシンE(1)タンパク質をコードしている合成遺伝子(配列番号5)を作成し、pHYTベクターにクローニングした。簡単に記載すると、タンパク質のプロ配列に対応させて、NheI−HindIII認識部位と隣りあわせた合成DNAを作製し、予めpHYTベクター内に存在していたAprEシグナル配列と融合させる。
配列番号5には、NheI−HindIII認識部位を利用して遺伝子をpHYTベクターにクローニングするのに利用した、バチルス種(Bacillus sp.)m3−13スブチリシンE(1)タンパク質の前駆体をコードするヌクレオチド配列を示す。
GCTAGCGCAGCAGCTTCTGGTCCGAGTGCTAATGCCAAGAAAGAGTACTTAGTGGGATTTGCTAAAGGAAACAAAGCGAATGCTCAGTCTTCCAAAAATTTAATTACAGCTGCTGGTGGCGATATTCAACATACATTCCAGTACATGGATGTAGTGGAAGTGAGCTTGCCTGAAAAAGCGGCTGAAGCATTAGCGAAAAATCCTAACATTGCATTTGTAGAGGTAAACGCAGAAGTTCAAGCTACTGCACAAACAGTTCCTTGGGGAATTCCTCACATTAAAGCAGACAAAGCGCACGCTTCAGGTGTAACAGGAAGTGGAGTGAAAGTTGCGGTCCTTGATACAGGAATTGATGCAAACCATGCGGATTTGAATGTTAAAGGTGGAGCAAGCTTTGTTTCTGGTGAACCAAATGCCCTTCAAGATGGAAACGGGCACGGAACACACGTAGCAGGAACGGTTGCTGCATTGAATAATACGACAGGAGTGCTTGGTGTAGCTTATAATGCGGATCTTTATGCAGTTAAAGTTCTTAGTGCTTCCGGAAGCGGTACATTAAGTGGAATCGCACAAGGAATTGAGTGGTCCATTGCTAATGATATGGACGTTATCAATATGAGCCTTGGTGGTAGTACCGGTTCCACAGCACTTCAGCAAGCTTGTGACAATGCATATGCAAGTGGAATTGTAGTGGTTGCAGCTGCTGGAAACTCCGGTTCTAAAGGTAAGAGAAACACAATGGGTTACCCTGCTAGATACAGTTCTGTAATTGCAGTTGGTGCGGTCGACAGCAGTAACAACCGTGCATCTTTCTCAAGTGTTGGAAGTGAGCTTGAAGTAATGGCTCCAGGTGTAAGTATCCTTAGCACGACTCCTGGAAACAACTACTCTTCCTTCAATGGTACGTCTATGGCTTCTCCACATGTTGCAGGAGCAGCTGCATTAATCAAAGCAAAATATCCTAGCATGACGAATGTACAAATTCGTGAAAAACTAAAAAATACTGCCACTAACCTTGGCGATGCGTTCTATTATGGACATGGTGTAATTAACGTTGAAAGTGCTTTGCAATAAAAGCTT
配列番号6には、pHYTプラスミドにおいて配列番号5の遺伝子配列として表される完全長のバチルス種(Bacillus sp.)m3−13スブチリシンE(1)タンパク質のアミノ酸配列(383残基)を示す。
以降のバチルス・スブチリス(Bacillus subtilis)細胞ヘの形質転換及びタンパク質の単離は実施例2における記載と同様にした。複数のアッセイにおいて、成熟型のバチルス種(Bacillus sp.)m3−13スブチリシンE(1)タンパク質(配列番号7)の清澄な上清サンプルを、LG12sprCの野生型タンパク質のとともに試験した。使用した方法については実施例1に記載してある。
配列番号7には、成熟型のバチルス種(Bacillus sp.)m3−13スブチリシンE(1)タンパク質(275残基)のアミノ酸配列を示す。
AQTVPWGIPHIKADKAHASGVTGSGVKVAVLDTGIDANHADLNVKGGASFVSGEPNALQDGNGHGTHVAGTVAALNNTTGVLGVAYNADLYAVKVLSASGSGTLSGIAQGIEWSIANDMDVINMSLGGSTGSTALQQACDNAYASGIVVVAAAGNSGSKGKRNTMGYPARYSSVIAVGAVDSSNNRASFSSVGSELEVMAPGVSILSTTPGNNYSSFNGTSMASPHVAGAAALIKAKYPSMTNVQIREKLKNTATNLGDAFYYGHGVINVESALQ
表7には、OMO洗剤又はKirkland HDL洗剤のいずれかを使用し、MTPアッセイを実施して、BMI布見本小片に対する洗濯クリーニング活性を評価することで得られた試験結果、GSM(pH9)又はSun all in One洗剤を使用することによる、卵のシミ付き布見本小片に対するADWクリーニング、OMO HDL又はLAS/EDTAのいずれかにおけるタンパク質安定性、並びにAAPF−pNAに対するプロテアーゼ活性の要約を示す。バチルス種(Bacillus sp.)m3−13スブチリシンE(1)(受け入れ番号WP_010192403.1、旧称ZP_07707657.1)及びLG12sprCプロテアーゼは、試験した系間で非常に類似する特性を示す。
(実施例6)
セリンプロテアーゼBhon03321の発見及び同定
バチルス・ホリコシィ(Bacillus horikoshii)株DSM 8719(Leibniz−Institut DSMZ−Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbHから入手)を工業用途に有用である可能性のある酵素供給源として選択した。DSM 8719による酵素産生及びこれらの酵素をコードする遺伝子を同定するため、合成(SBS)法によるIllumina(登録商標)配列決定法を利用してDSM8719の完全なゲノムを配列決定した。ゲノムの配列決定及び配列データのアセンブリはBaseClear(Leiden,The Netherlands)で実施した。コンティグはBioXpr(Namur,Belgium)により注釈付した。DSM 8719株においてこの方法により同定された遺伝子のうち1つが、様々なその他の細菌のセリンプロテアーゼに対し相同性を示すタンパク質をコードする。この遺伝子の配列、Bhon03321.nを配列番号8に示す。
配列番号8には、Bhon03321遺伝子のヌクレオチド配列を示す。
TTGAAGAAGTGGATGAAGAGTTTTTCAGTTATACTTATTGCAATATTGGCTTTCTCGTTAGCTTTTGGAACTGCTCAGGCAGAGTCTTCTAATCCGAATGCTAGTGTAAAGAAAGAATACTTAATTGGGTTTGCAAAAGGAAACAAGGCAAGTGCACAGACCTCCCAAAATCTGGTTACAGCAGCAGGGGGAGAAGTTCAACACACATTCCAATACATGGATGTAGTGGAAGTTTCGTTACCTGAAAAAGCTGCAGAAGCATTGAAGAAGAATCCTAACATAGCATTCGTAGAGGAAAACGTAGAGGTTATGGCGACTGCCCAAACAGTACCTTGGGGCATCCCGCATATCAAAGCAGACAAAGCACATGCTGCCGGTGTGACAGGAAGCGGAGTGAAAGTGGCAATCCTTGATACAGGGATCGACGCCAATCATGCAGACTTAAATGTAAGAGGCGGAGCAAGTTTTGTGGCAGGTGAGCCGAATGCCCTTCAAGATGGAAATGGACACGGAACTCACGTGGCCGGTACGGTTGCCGCATTGAATAATTCAACTGGCGTTCTAGGGGTCGCTTACAACGCAGACCTTTATGCGGTAAAAGTTCTTAGCGCTTCAGGTAGTGGGACTTTAAGTGGCATCGCACAAGGTATTGAATGGTCCATTGCAAATGGAATGGATGTAATCAATATGAGTCTTGGTGGAAGCTCTGGGTCTACTGCACTCCAACAAGCTTGTAATAATGCCTACAATAGAGGCATTGTTGTAATTGCTGCTGCTGGGAATTCCGGCTCTTCAGGAAATCGCAACACTATCGGGTACCCTGCAAGATATAGTTCAGTAATCGCAGTGGGAGCAGTGGATTCCAATAACAACCGCGCTTCTTTCTCCAGTGTTGGAAATGAGCTGGAAGTAATGGCGCCGGGTGCTAATATCTTGAGCACGACTCCTGGTAATAACTATGCATCCTTCAACGGAACGTCCATGGCAGCTCCACATGTTGCAGGAGCAGCAGCATTGATAAAAGCAAAATATCCTAGCATGACAAATGTCCAAATTCGTGATCGTTTAAGAAATACGGCTACAAACCTTGGTGATCCTTTCTTTTATGGAAACGGAGTAATCAATGTAGAAAGTGCTTTACAA
Bhon03321.n遺伝子によりコードされるプレプロ酵素を配列番号9に示す。1残基目のメチオニンは、Bhon03321.n遺伝子のttg開始コドンによりコードされる。このタンパク質は、N−末端に、SignalP−NNにより予想される通りの長さ27残基のシグナルペプチドを有する(Emanuelsson et al.,Nature Protocols(2007)2:953〜971)。配列番号9において、このシグナルペプチド配列には下線を引き、ボールド体で示す。シグナルペプチドが存在することから、このセリンプロテアーゼは分泌酵素であることが示唆される。その他のセリンプロテアーゼ同様、この酵素は79残基であることが予想されるプロ配列を有する(配列番号9においてイタリック体で示す)。この予想は、BPN’などの相同なセリンプロテアーゼとのプロ成熟の分岐点(pro-mature junction)に基づく(Wells et al.,Nucleic Acids Res.(1983)11:7911〜25)。完全にプロセシングを受けた成熟鎖に予想される配列(Bhon03321,275残基)を配列番号10に示す。配列番号9には、セリンプロテアーゼ前駆体Bhon03321のアミノ酸配列を示す。
配列番号10には、成熟型Bhon03321プロテアーゼのアミノ酸配列を示す(275残基)。
AQTVPWGIPHIKADKAHAAGVTGSGVKVAILDTGIDANHADLNVRGGASFVAGEPNALQDGNGHGTHVAGTVAALNNSTGVLGVAYNADLYAVKVLSASGSGTLSGIAQGIEWSIANGMDVINMSLGGSSGSTALQQACNNAYNRGIVVIAAAGNSGSSGNRNTIGYPARYSSVIAVGAVDSNNNRASFSSVGNELEVMAPGANILSTTPGNNYASFNGTSMAAPHVAGAAALIKAKYPSMTNVQIRDRLRNTATNLGDPFFYGNGVINVESALQ
(実施例7)
更なるバチルス・ホリコシィ(B. horikoshii)セリンプロテアーゼの発見及び同定
バチルス・ホリコシィ(Bacillus horikoshii)DSM 9711、バチルス・ホリコシィ(Bacillus horikoshii)DSM 9712及びバチルス・ホリコシィ(Bacillus horikoshii)DSM 6951も、LG12−系統群のスブチリシン及びその他の工業用途に有用な酵素に可能性のある供給源として選択した。これらの株は、Leibniz−Institut DSMZ−Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbHから得た。これらの株及びこれらの酵素をコードしている遺伝子により産生された酵素を同定するため、Illumina(登録商標)配列決定を使用し、合成(SBS)法により全3種のバチルス・ホリコシィ(Bacillus horikoshii)株を配列決定した。ゲノム配列決定、配列データのアセンブリ、及びコンティグの注釈付はBaseClear(Leiden,The Netherlands)で実施した。バチルス・ホリコシィ(Bacillus horikoshii)DSM 9711株においてこの方法で同定された遺伝子のうち1つが、LG12−系統群のスブチリシンに属するタンパク質をコード質している。この遺伝子の配列、DSM9711_sprCを配列番号11に示す。
配列番号11には、DSM9711_sprC遺伝子のヌクレオチド配列を示す:
TTGAAGAAGTGGATGAAAGGTTTTTCGGTCATACTTATTGCAATATTGGCTTTCTCGTTAGCATTTGGTACTGCGCAGGCAGAATCGTCCAGTCCCAATGCTAGTGCAAA
GAAAGAATACTTAGTTGGCTTTACAAAAGGAAATAAGGCAAGTGCACAATCTTCTAAAAACTTGATTGCCGCAGCAGGTGGGGAAGTACAGCACACGTTCCAATACATGG
ATGTTGTGGAAGTGTCTTTACCTGAAAAAGCGGTAGATGCATTGAAGAAAAATCCTAACATCGCTTTTGTAGAAGAAAACGCAGAAGTTCAAGCAACTGCACAAACTGTG
CCATGGGGTATCCCTCATATCAAGGCTGACAAAGCGCATGCCTCTGGTGTGACAGGAAGCGGTGTCAAAGTCGCGATCCTAGATACAGGAATTGACGCAAACCATACTGA
TCTTAATGTAAAAGGCGGAGCGAGCTTTGTTTCAGGTGAGCCAAATGCCCTTCAAGATGGTAACGGCCATGGAACACACGTAGCAGGAACAGTTGCTGCGTTAAATAATT
CTACTGGTGTACTTGGTGTAGCTTACAATGCTGACCTTTATGCGGTGAAAGTACTTAGTGCTTCAGGTAGTGGAACATTAAGTGGAATCGCACAAGGGATTGAGTGGTCC
ATTGCAAATGGAATGAACGTCATCAATATGAGTTTAGGAGGCAGCACTGGATCAACTGCATTGCAACAAGCTTGTGATAATGCTTATGCAAGAGGTATTGTCGTCATTGC
GGCAGCTGGAAACTCTGGTTCTAGAGGGAAGCAAAACACAATGGGTTATCCTGCAAGATACAGCTCCGTCATCGCAGTAGGAGCGGTAGATTCCAGTAACAACCGTGCTT
CTTTCTCCAGTGTAGGAAACGAATTGGAAGTAATGGCACCGGGTGTTAACATTTTAAGCACAACTCCTGGTAACAACTATGCATCCTTCAATGGAACGTCCATGGCGTCT
CCACACGTTGCTGGAGCTGCTGCATTAATCAAAGCGAAGTATCCAAGCATGACAAATGTTCAAATCCGTGACCGTCTGAAAAATACGGCTACAAACTTAGGTGATCCTTT
CTTCTACGGTAAAGGTGTCATCAATGTGGAAAGTGCTTTACAATAA
DSM9711_sprC遺伝子によりコードされるプレプロ酵素を配列番号12に示す。このタンパク質は、N−末端に、SignalP−NNにより予想される通りの長さ27残基のシグナルペプチドを有する(Emanuelsson et al.,Nature Protocols(2007)2:953〜971)。配列番号12において、このシグナルペプチド配列には下線を引き、ボールド体で示す。シグナルペプチドが存在することから、このセリンプロテアーゼは分泌酵素であることが示唆される。この酵素は、79残基であることが予想されるプロ配列を有する(配列番号12においてイタリック体で示す)。完全にプロセシングを受けた成熟鎖に予想される配列(DSM9711_SprC,275残基)を配列番号13に示す。
配列番号12には、セリンプロテアーゼ前駆体DSM9711_SprCのアミノ酸配列を示す。
配列番号13には、成熟型DSM9711_SprCプロテアーゼのアミノ酸配列を示す(275残基)。
AQTVPWGIPHIKADKAHASGVTGSGVKVAILDTGIDANHTDLNVKGGASFVSGEPNALQDGNGHGTHVAGTVAALNNSTGVLGVAYNADLYAVKVLSASGSGTLSGIAQGIEWSIANGMNVINMSLGGSTGSTALQQACDNAYARGIVVIAAAGNSGSRGKQNTMGYPARYSSVIAVGAVDSSNNRASFSSVGNELEVMAPGVNILSTTPGNNYASFNGTSMASPHVAGAAALIKAKYPSMTNVQIRDRLKNTATNLGDPFFYGKGVINVESALQ
バチルス・ホリコシィ(Bacillus horikoshii)DSM 9712では、LG12−系統群のスブチリシンをコードしている別の遺伝子が同定された。この遺伝子配列、DSM9712_sprCを配列番号14に示す。
配列番号14には、DSM9712_sprC遺伝子のヌクレオチド配列を示す:
TTGAAGAAGTGGATGAAAGGTTTTTCGGTCATACTTATAGCAATATTGGCTTTCTCATTAGCCTTCGGAACTGGAACTGCCCAGGCGGAATCTTCAGGACCGAGTGCTGG
TGCAAAGAAAGAGTACTTAATTGGATTTACGAAAGGAAATAAAGCAAGCGCACAATCCTCCCAAAATCTAGTCACTGCTGCAGGTGGCGATATTCAATACACATTCCAAT
ACATGGATGTAGTGGAAGTAACTTTACCTGAAAAAGCTGCTGAGGCATTAAAGAAGAACCCTAACATTGCATTTGTAGAGGAAAACGTAGAAATGATGGCGACTGCACAG
ACAGTACCATGGGGTATTCCGCACATCAAAGCAGATAAGGCACATGCCGCTGGTGTAACTGGAAGTGGTGTGAAGGTAGCGATCCTTGACACAGGAATTGACGCTAACCA
TGCCGACCTTAATGTAAAAGGTGGAGCAAGCTTTGTTTCTGGTGAACCAAATGCCCTACAAGATGGCAATGGCCATGGAACACATGTAGCGGGAACGGTTGCTGCGTTAA
ATAACACAACTGGTGTGCTTGGAGTGGCTTACAATGCGGATCTTTATGCAGTTAAAGTCCTTAACGCATCTGGTAGTGGGACGTTAAGTGGCATTGCCCAAGGAATTGAG
TGGTCCATTGCAAATGGAATGGATGTAATCAATATGAGCCTTGGTGGCAGCACTGGATCAACTGCATTACAACAAGCTAGTAATAATGCTTACAATAGAGGCATTGTCGT
CATTGCAGCTGCCGGAAATTCAGGTTCTTTAGGCAATCGGAATACAATTGGGTATCCTGCCAGATATAGTTCTGTTATCGCGGTAGGAGCGGTTGACTCCAACAACAACC
GTGCTTCCTTCTCTAGTGTAGGAAGTGAATTGGAAGTAATGGCACCTGGTGTAAATATTCTGAGCACGACTCCTGGTAATAACTATGCTTCTTTCAATGGTACATCTATG
GCAGCTCCACATGTTGCAGGAGCAGCAGCATTAATCAAGGCGAAATACCCGAATATGACAAACGTCCAAATTCGTGATCGCCTGAGAAATACAGCTACAAACCTTGGTGA
TCCATTCTTCTATGGAAGAGGAGTCATCAATGTGGAAAGTGCTTTACAATAA
DSM9712_sprC遺伝子によりコードされるプレプロ酵素を配列番号15に示す。このタンパク質は、N−末端に、SignalP−NNにより予想される通りの長さ29残基のシグナルペプチドを有する。配列番号15において、このシグナルペプチド配列には下線を引き、ボールド体で示す。シグナルペプチドが存在することから、このセリンプロテアーゼは分泌酵素であることが示唆される。この酵素は79残基であることが予想されるプロ配列を有する(配列番号15においてイタリック体で示す)。完全にプロセシングを受けた成熟鎖に予想される配列(DSM9712_SprC,275残基)を配列番号16に示す。
配列番号15には、セリンプロテアーゼ前駆体DSM9712_SprCのアミノ酸配列を示す。
配列番号16には、成熟型DSM9712_SprCプロテアーゼのアミノ酸配列を示す(275残基)。
AQTVPWGIPHIKADKAHAAGVTGSGVKVAILDTGIDANHADLNVKGGASFVSGEPNALQDGNGHGTHVAGTVAALNNTTGVLGVAYNADLYAVKVLNASGSGTLSGIAQGIEWSIANGMDVINMSLGGSTGSTALQQASNNAYNRGIVVIAAAGNSGSLGNRNTIGYPARYSSVIAVGAVDSNNNRASFSSVGSELEVMAPGVNILSTTPGNNYASFNGTSMAAPHVAGAAALIKAKYPNMTNVQIRDRLRNTATNLGDPFFYGRGVINVESALQ
バチルス・ホリコシィ(Bacillus horikoshii)DSM 6951では、LG12−系統群のスブチリシンをコードしている別の遺伝子が同定された。この遺伝子配列、DSM6951_sprCを配列番号17に示す。
配列番号17には、DSM6951_sprC遺伝子のヌクレオチド配列を示す:
TTGAAAAAGTGGATGAAAGGTTTTTCGGTCATACTTATCGCAATATTGGCTTTCTCGTTAGCCTTCGGAACTGCTCAGGCAGAAGCATCAAATCCGAATGCTAGTGCAAA
GAAAGAATACTTAGTTGGATTTGCAAAAGGTAATAAAGCAAATGCCCAGTCTTCTAAAAATTTGATTACCGCTGCTGGTGGGGACATACAACATACATTCCAGTACATGG
ATGTTGTGGAAGTATCGTTGCCTGTAAAAGCTGCAGAAGCATTAATGAAGAATCCTAACATTGCTTTCGTTGAGGAAAACGTCGAAATGATGGCTACTGCTCAAACAGTT
CCTTGGGGCATCCCTCATATCAAAGCTGACAAAGCGCATGCTGCTGGAGTGACTGGAAGCGGTGTGAAGGTTGCCATCCTGGATACAGGAATTGACGCAAACCATGCCGA
TCTTAACGTAAAAGGCGGAGCAAGCTTTGTTTCTGGTGAGCCGAATGCTCTTCAAGACGGTAACGGCCATGGAACACACGTAGCTGGAACAGTTGCTGCTTTGAATAACA
CAACTGGTGTACTTGGTGTAGCTTACAATGCTGACCTATATGCAGTAAAAGTACTTAGTGCTTCAGGTAGTGGAACATTAAGTGGCATTGCGCAAGGTATTGAGTGGTCC
GTTGCTAACGGAATGGATGTCATCAATATGAGTCTTGGTGGAAGCTCTGGATCTTCAGCTTTACAACAAGCTTGTGATAATGCTTATGCTAGAGGAGTTGTAGTAATTGC
CGCAGCTGGGAACTCTGGTTCAAGAGGAAAGCAAAACACAATGGGGTATCCTGCTAGATACAGTTCTGTTATCGCAGTAGGAGCGGTGGATTCCAGTAACAACCGTGCCT
CTTTCTCCAGTGTTGGGAATGAACTGGAAGTAATGGCTCCTGGAGTGAATATTTTAAGCACGACTCCTGGTAATAACTATGCTTCTTTCAATGGTACGTCCATGGCATCT
CCGCACGTTGCAGGAGCTGCTGCATTAATCAAGGCGAAATACCCAAGCATGACAAATGTTCAAATTCGTGAACGTCTGAAAAATACGGCTACAAATTTAGGTGATCCTTT
CTTCTACGGAAAAGGTGTCATCAATGTGGAAAGTGCTTTACAATAA
DSM6951_sprC遺伝子によりコードされるプレプロ酵素を配列番号18に示す。このタンパク質は、N−末端に、SignalP−NNにより予想される通りの長さ27残基のシグナルペプチドを有する。配列番号18において、このシグナルペプチド配列には下線を引き、ボールド体で示す。シグナルペプチドが存在することから、このセリンプロテアーゼは分泌酵素であることが示唆される。この酵素は79残基であることが予想されるプロ配列を有する(配列番号18においてイタリック体で示す)。完全にプロセシングを受けた成熟鎖に予想される配列(DSM6951_SprC残基)を配列番号19に示す。
配列番号18には、セリンプロテアーゼ前駆体DSM6951_SprCのアミノ酸配列を示す。
配列番号19には、成熟型DSM6951_SprCプロテアーゼのアミノ酸配列を示す(275残基)。
AQTVPWGIPHIKADKAHAAGVTGSGVKVAILDTGIDANHADLNVKGGASFVSGEPNALQDGNGHGTHVAGTVAALNNTTGVLGVAYNADLYAVKVLSASGSGTLSGIAQGIEWSVANGMDVINMSLGGSSGSSALQQACDNAYARGVVVIAAAGNSGSRGKQNTMGYPARYSSVIAVGAVDSSNNRASFSSVGNELEVMAPGVNILSTTPGNNYASFNGTSMASPHVAGAAALIKAKYPSMTNVQIRERLKNTATNLGDPFFYGKGVINVESALQ
配列番号20には、成熟型KSM−LD1,SB(BAD21128)プロテアーゼのアミノ酸配列を示す(276残基)。
SQTVPYGVPHIKADVAHSQNVTGNGVKVAILDTGIDAAHEDLRVVGGASFVAGEPNALQDGNGHGTHVAGTVAALNNQVGVLGVAYDVDLYAVKVLGADGSGTLSGIAQGIEWSIANNMDVINMSLGGSTGSTTLKQAADNAYNSGLVVVAAAGNSGDFFGLINTIGYPARYDSVIAVGAVDSNNRRASFSSVGSQLEVMAPGVNILSTLPGNSYGSLNGTSMASPHVAGAAALLLAQDPTLTNVQVREILRDTATNLGSSFYYGNGVIDVEKALQ
(実施例8)
バチルス・ホリコシィ(B. horikoshii)セリンプロテアーゼの異種発現
バチルス・スブチリス(B. subtilis)aprEプロモーターの下流のBhon03321、DSM9711_SprC、DSM9712_SprC及びDSM6951_SprCのプロ成熟配列、バチルス・スブチリス(B. subtilis)aprEシグナルペプチド配列、並びに末端のBPN転写終結配列、をコードしているDNA配列から構成された発現カセットを使用して、Bhon03321、DSM9711、DSM9712及びDSM6951プロテアーゼをバチルス・スブチリス(B. subtilis)で産生させた。4つの異なるカセットをpHYT複製シャトルベクターにクローニングし、適切なバチルス・スブチリス(B. subtilis)株に形質転換した。BstEII及びEcoRI認識部位を使用して、テトラサイクリン耐性遺伝子の後ろに転写終結部位を付加し、pHY300PLK(Takara)からpHYTベクターを誘導した(配列番号21、転写終結配列、GGTTACCTTGAATGTATATAAACATTCTCAAAGGGATTTCTAATAAAAAACGCTCGGTTGCCGCCGGGCGTTTTTTATGCATCGATGGAATTC)。BamHI及びHindIII認識部位にクローニングされているリンカーを利用して、pHY300PLKのHindIII認識部位も除去した(配列番号22、新しいリンカー配列、GGATCCTGACTGCCTGAGCTT)。
Bhon03321遺伝子(pHYT−Bhon03321)を含有しているpHYTベクターのマップを図3に示す。DSM9711_SprC、DSM9712_SprC及びDSM6951_SprC(図示せず)の発現プラスミドは類似しており、各プロテアーゼのプロ成熟部分をコードしている配列のみが異なっている。
Bhon03321、DSM9711、DSM9712、及びDSM6951プロテアーゼを産生するため、尿素を主要な窒素源とし、グルコースを主要な炭素源とし、ロバストな細胞増殖のため1%ソイトンを添加した、MOPs緩衝系の富化半合成培地で、それぞれpHYT−Bhon03321、pHYT−DSM9711_SprC、pHYT−DSM9712_SprC、又はDSM6951_SprCを含有するバチルス・スブチリス(B. subtilis)形質転換体を培養した。培地には25ppmテトラサイクリンを添加した。インキュベート後(32℃で2日間)、全4株の増殖培地でプロテアーゼを検出した。遠心分離及びろ過後、Bhon03321、DSM9711、DSM9712及びDSM6951プロテアーゼを含む培養上清を、アッセイ及び濾過に用いた。
(実施例9)
バチルス・ホリコシィ(B. horikoshii)セリンプロテアーゼのクリーニング性能
洗濯系用途に関してはBMI(綿に血液/牛乳/インクを染みこませたもの)布見本小片(EMPA−116、Center for Testmaterials、The Netherlands)、及び食器系の用途に関しては卵黄(ポリアクリル布に卵黄を染みこませ、エージングし、カーボンブラック染料で染色したもの)布見本小片(PAS−38、Center for Testmaterials、The Netherlands)に対し、バチルス・ホリコシィ(B. horikoshii)セリンプロテアーゼBhon03321、DSM6951_SprC(DSM_6951)、DSM9711_SprC(DSM_9711)、及びDSM9712_SprC(DSM_9712)のクリーニング性能を試験した。
自動食器洗浄(ADW)クリーニングアッセイ(GSM−B 9及びGSM−B 10.5)を、40℃で30分間実施した。インキュベート後、100μLの上清を新しいMTP(Costar 9017)に移し、PAS−38布見本小片については405nmでSpectraMaxプレートリーダーを用い吸光度を読み取った。緩衝液のみの対照から得られた吸光度を差し引き、405nmで得られたOD値をプロテアーゼ濃度の関数としてプロットした。このデータをシグモイド曲線に代入した。
市販のHDL(OMO Klein & Krachtig,Unilever)又はHDD(OMO Color,Unilever)洗剤処方による洗濯物クリーニングアッセイを25℃で15分間実施した。インキュベート後、100μLの上清を新しいMTP(Costar 9017)に移し、405nmでSpectraMaxプレートリーダーを使用して、BMI布見本小片[血液、牛乳及びインクを染みこませたもの、Center for Testmaterials(The Netherlands)]の吸光度を読み取った。緩衝液のみの対照から得られた吸光度を差し引き、405nmで得られたOD値をプロテアーゼ濃度の関数としてプロットした。HDL洗剤を用いるアッセイにはウェル当たり2枚の布見本小片を使用し、HDD洗剤を用いるアッセイはウェル当たり1枚の布見本小片を用い実施した。このデータをラングミュア曲線に代入した。LG12系統群のプロテアーゼ:Bhon03321、DSM6951_SprC(DSM_6951)、DSM9711_SprC(DSM_9711)、及びDSM9712_SprC(DSM_9712)のクリーニング性能を図4〜7に示す。
(実施例10)
LG12及び相同体の安定性
高温でのインキュベート後に残存している活性を測定することにより、Bhon03321、DSM6951_SprC(DSM_6951)、DSM9711_SprC(DSM_9711)、DSM9712_SprC(DSM_9712)、及びLG12SprCプロテアーゼの、40〜80℃の範囲の温度下、50mM Tris(pH9);2mM CaCl2中での安定性について試験した。希釈した酵素をストレッサーと混合し、かつストレスを加えていないプロテアーゼの活性を測定した。ストレッサーに加えた希釈サンプルを高温でインキュベートし、インキュベート後に、ストレスを加えたプロテアーゼの活性を測定した。非ストレス条件に関しては、酵素の活性はDMC法で直ちに評価した(下記の通り)。ストレス条件に関しては、PCRプレートをシールし、Eppendorf 384サーモサイクラーにより5分間高温でインキュベートした後、活性についてアッセイした。ストレス付加時及び未付加時の活性を、DMC法により評価した。
DMCアッセイに関し、使用した試薬溶液は、100mM炭酸ナトリウム(pH9.5)中2.5%ジメチルカゼイン(DMC,Sigma)100mM炭酸ナトリウム(pH9.5)、0.075% TNBSA(2,4,6−トリニトロベンゼンスルホン酸,Thermo Scientific)とした。希釈用液:10mM NaCl、0.1mM CaCl2、0.005% Tween−80、0.02%アジ化ナトリウム。MTP(Greiner PS−マイクロウェル384)に20ppmプロテアーゼの上清5μLを入れた後、27.5μL DMC基質を入れた。次に、ゆっくりと混合しながら27.5μLのTNBSAを加えた。SpectraMaxプレートリーダーを、室温にて動態解析モードで使用して、活性をmOD/minで表し、405nmで5分間にわたって活性を測定した。
緩衝液のみの対照から得られた吸光度を差し引き、405nmで得られたOD値を温度の関数としてプロットした。可能性のある場合、データを4パラメーターのロジスティック関数に代入した(y=a+b/(1+(x/c)^d))。LG12、Bhon03321、DSM6951_SprC(DSM_6951)、DSM9711_SprC(DSM_9711)、及びDSM9712_SprC(DSM_9712)プロテアーゼでは、活性の50%が保存されているものと算出された。これらを表8に示す。
(実施例11)
成熟型のLG12−系統群のスブチリシン及びその他のスブリシンの系統樹
近隣結合法(NJ)(Saitou,N.;及びNei,M.(1987).The neighbor−joining method:a new method for reconstructing Guide Trees.Mol Biol Evol 4,406〜425)を利用して、実施例4、表5に示すNCBIでの検索により同定された成熟配列のサブセット、並びに新しく発見されたバチルス・ホリコシィ(Bacillus horikoshii)セリンプロテアーゼ:Bhon03321(配列番号10)、DSM_9711(配列番号13)、DSM_9712(配列番号16)、及びDSM_6951(配列番号19)について、系統樹を作製した。NJ法は、解析するすべての配列対間の距離行列を検討するものである。これらの距離は、配列間の相違の度合いに関係する。木構成は、以下のパラメーターを用い算出した:配列距離については木村の相関を用い、ギャップ位置は無視した。図8に示す木表示にはMEGA6プログラムを使用した。Bhon03321、DSM_9711、DSM_9712、及びDSM_6951の配列は、LG12−系統群を構成する10種のプロテアーゼのクラスターで見られる。今までのところ、LG12−系統群のメンバーは、LG12sprC(配列番号3)、DSM_9711(配列番号13)、DSM_9712(配列番号16)、DSM_6951(配列番号19)、Bhon03321(配列番号10)、バチルス種(Bac sp)WP_010192403.1、バチルス種(Bac sp)LG12SprD AAC43581、バチルス種(Bac sp)WP_010192405.1、及びバチルス種(Bac sp)BAD21128の組み合わせが同定されている。
(実施例12)
相同体配列のアラインメント
LG12−系統群間で同定された成熟型スブチリシン配列のアミノ酸配列:LG12sprC(配列番号3)、DSM_9711(配列番号13)、DSM_9712(配列番号16)、DSM_6951(配列番号19)、Bhon03321(配列番号10)、バチルス種(Bac sp)BAD11988、バチルス種(Bac sp)WP_010192403.1、バチルス種(Bac sp)LG12SprD AAC43581、バチルス種(Bac sp)WP_010192405.1、バチルス種(Bac sp)BAD21128を互いに及び距離から言ってより関連性のあるバチルス・レンタス(B lentus)(P29600)のスブチリシンに対しアライメントした。CLUSTALWソフトウェア(Thompson et al.,Nucleic Acids Research,22:4673〜4680,1994)をデフォルトパラメーターで使用し、LG12sprCの1〜275番目の残基の領域についてタンパク質配列のアライメントを実施した。これらの11種のプロテアーゼのアライメントを図9に示す。
(実施例13)
LG12−系統群のスブチリシンにより共有される固有の配列の同定
LG12sprCプロテアーゼとその他のスブチリシンプロテアーゼとの構造ベースの配列アライメントを図10に示す。洗剤プロテアーゼのバチルス・レンタス(Bacillus lentus)(pdb code 1JEA)、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)(pdb code 2ST1.A)、及びバチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)(pdb code 3UNX.A)の成熟タンパク質の配列を、LG12sprC(配列番号3、AAC43580.1)及び相同体:バチルス種(Bacillus sp.)m3−13スブチリシンE(1)(配列番号7、WP_010192403.1、旧称ZP_07707657.1)、バチルス種(Bac sp)KSM−LD1、SA(BAD11988.2)、バチルス種(Bac sp)KSM−LD1、SB(BAD21128.1)、バチルス種(Bacillus sp.)m3−13スブチリシンE(2)(WP_10192405.1、旧称ZP_07707658.1)、Bhon03321(配列番号10)、DSM_9711、DSM_9712、DSM_6951及びLG12sprD(AAC43581.1)の配列とアライメントした。
図10には、LG12sprCプロテアーゼの配列及びその相同体の他の洗剤プロテアーゼの配列と異なっている部分について下線を付した領域を3つ示す。あるものでは、Carlsberg、BPN’及びバチルス・レンタス(B. lentus)などのその他の洗剤プロテアーゼに見られる非常に相同な領域の代わりに、LG12sprCプロテアーゼ及びその相同体において、55〜58番目の位置にP、N又はD、A、及びLが見られる。
全てのLG12−系統群のスブチリシンにより共有されているのが判明している別のものとしては、その他の市販の洗剤プロテアーゼにおいて見られるP及びS配列の代わりに、LG12sprCプロテアーゼ及びその相同体の位置86にYと、これに続く位置87にN又はDが見られる。そして最後に、市販の洗剤プロテアーゼで見られるQ/S及びY/Vの代わりに、LG12sprCプロテアーゼ及びその相同体における位置103及び104にT及びLが存在する。
バチルス・アミロリケファシエンス(B. amyloliquefaciens)、バチルス・リケニフォルミス(B. licheniformis)、及びバチルス・レンタス(B. lentus)のスブチリシン構造について最も高い配列同一性を共有するスブチリシンCarlsbergバチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)(pdbコード3UNX.A)の構造を元に、LG12sprCプロテアーゼの相同体モデルを作製した。LG12sprCプロテアーゼの相同体モデルにおけるTyr86及びAsn87付近の構造を図11に示す。Tyr86の側鎖は、His17に対し水素結合を形成し、Asn87の側鎖はThr22に対し水素結合を形成する位置にある。上記図10のアライメントにおいて、全てのLG12−様配列において、直前にあるAla16とともにHis17が保存されており、同様にして全てのLG12sprC−様配列において、直前にあるVal21とともにThr22が保存されていることは興味深い。これらの水素結合は安定なループに供され、全てのLG12sprCプロテアーゼ様酵素に共通の構造モチーフを表すことが予想される。その他に知られるスブチリシン構造において、LG12sprCプロテアーゼ及びその相同体の位置86に対し相同な位置でProが見られ、分子中のこの領域を安定化させる代替手段として供される。
LG12sprCプロテアーゼ及びその相同体に同定される別の共通の配列モチーフには、Thr103及びLeu104の保存がある。これらの残基は、図12に示す通り、基質結合クレフトの部分を形成する。Ser221、His64及びAsp32を含む触媒3残基は、Thr103及びLeu104残基とともにスティック図として示す。基質結合クレフトにおいて見られるはこの残基の組み合わせは、LG12sprCプロテアーゼ及びLG12系統群のプロテアーゼの基質特異性に関与することが見込まれる。
LG12−系統群の野生型酵素により共有される固有の配列モチーフとしては:275残基の成熟配列におけるThr103、Leu104、及びTyr86、Asp/Asn87が挙げられる。更に、LG12系統群のプロテアーゼは、C−末端に、位置267から始まるシグネチャモチーフを示す:V、I、N/D、V/L、E、X、A、L、Q、ここで、Xは任意のアミノ酸を表す。V267〜Q275のこれらの配列(V、I、N/D、V/L、E、X、A、L、Q)は、LG12系統群のスブチリシンに固有に見られる。
シグネチャ配列モチーフは、これまでに、全てのLG12−系統群のスブチリシンメンバーについて同定されている[LG12sprC(配列番号3、AAC43580.1)及び相同体:バチルス種(Bacillus sp.)m3−13スブチリシンE(1)(配列番号7、WP_010192403.1、旧称ZP_07707657.1)、バチルス種(Bacillus sp.)KSM−LD1、SB(BAD21128.1)、バチルス種(Bacillus sp.)m3−13スブチリシンE(2)(WP_10192405.1、旧称ZP_07707658.1)、Bhon03321(配列番号10)、DSM_9711、DSM_9712、DSM_6951及びLG12sprD(AAC43581.1)]。配列モチーフは、Pro55−Asp/Asn56−Ala57−Leu58及びTyr86−Asp/Asn87及びThr103−Leu104から構成される。第55〜58番目の残基が、LG12−SprCの構造で観察されるループに固有の構成を付与する。第86〜88番目の残基が、最終的な立体構造において空間を充填するのに対し、第103〜104番目の残基は活性部位に隣接し、この系統群においてスブチリシンの基質結合特性に影響を与えているものと考えられる。