[go: up one dir, main page]

JP6654369B2 - エラスターゼ阻害剤 - Google Patents

エラスターゼ阻害剤 Download PDF

Info

Publication number
JP6654369B2
JP6654369B2 JP2015139906A JP2015139906A JP6654369B2 JP 6654369 B2 JP6654369 B2 JP 6654369B2 JP 2015139906 A JP2015139906 A JP 2015139906A JP 2015139906 A JP2015139906 A JP 2015139906A JP 6654369 B2 JP6654369 B2 JP 6654369B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
skin cosmetic
skin
elastase inhibitor
component
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015139906A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017019754A (ja
Inventor
亮 赤荻
亮 赤荻
成二 本間
成二 本間
慎也 笠松
慎也 笠松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP2015139906A priority Critical patent/JP6654369B2/ja
Publication of JP2017019754A publication Critical patent/JP2017019754A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6654369B2 publication Critical patent/JP6654369B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Medicines Containing Plant Substances (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Cosmetics (AREA)

Description

本発明は、エラスターゼ阻害剤に関する。
化粧料を皮膚に塗布して得られうる効果の1つに、皮膚の老化を抑制することが挙げられる。皮膚の老化の原因について、加齢、乾燥、酸化、太陽光(紫外線)等による影響が主な因子に挙げられている。皮膚の老化は、皮膚真皮におけるコラーゲンやエラスチンの減少、ヒアルロン酸をはじめとするムコ多糖類の減少、紫外線による細胞の損傷等により認知される。
このうち、エラスチンは、互いに架橋して組織の弾性に寄与しているが、紫外線暴露や加齢により、エラスチン破壊酵素であるエラスターゼの過剰発現によってエラスチンが変性、破壊されることが、皮膚の弾力性低下につながると考えられている。したがって、エラスターゼの活性を抑制することは、皮膚に弾力やハリを与え、皮膚の老化を防止するという点で重要である。
特許文献1(特開平9−87136号公報)には、トウダイグサ(Euphorbiaceae)科のフィランサス(Phyllanthuss)属のメニラン(P.niruri L.)の抽出物を皮膚外用剤に配合すること、および、かかる皮膚外用剤をエラスターゼ阻害剤として用いうることが記載されている。
特許文献2(特開2000−119189号公報)には、ショウキョウ、加水分解アーモンド、ワレモコウ、チョウジ、エイジツ、セイヨウサンザシ及びシラカバから選ばれる植物、又はその抽出物、水蒸気蒸留物、圧搾物を有効成分とするエラスターゼ阻害剤に関する技術が記載されている。
特開平9−87136号公報 特開2000−119189号公報
しかし、近年の消費者の健康・美意識の高まりから、老化に対して、より優れた抗老化効果を有する皮膚化粧料が求められるようになってきている。この点、特許文献1および2に記載の技術では、さらに優れたエラスターゼ阻害剤を提供するという点でなお改善の余地があった。
本発明者らは、ショウキョウエキスおよびアセチルヘキサペプチドを含むエラスターゼ阻害剤によって、優れたエラスターゼ阻害活性が得られることを見出した。
本発明は、ショウキョウエキスおよびアセチルヘキサペプチドを含む、エラスターゼ阻害剤を提供するものである。
また、本発明は、前述した本発明におけるエラスターゼ阻害剤を含む皮膚化粧料を提供するものである。
本発明によれば、優れたエラスターゼ阻害効果を奏するエラスターゼ阻害剤を得ることができる。
本実施形態におけるエラスターゼ阻害剤は、ショウキョウエキスおよびアセチルヘキサペプチドを含む組成物である。
以下、各成分について具体例を挙げて説明する。なお、各成分はいずれも単独でまたは二種以上を組み合わせて用いることができる。
本実施形態のエラスターゼ阻害剤で用いられるショウキョウは、ショウガ科(Zingiberaceae)のショウガ(Zingiber officinale Roscoe)の根茎である。
ショウキョウエキスは、各植物の全草またはその葉、花、樹皮、根、枝等から選ばれる1または2以上の箇所(以下「原体」と称する。)から得られる。具体的には、原体を乾燥しまたは乾燥することなく粉砕した後、常温または加温下に、溶剤により抽出するかまたはソックスレー抽出器等の抽出器具を用いて抽出することによりショウキョウエキスを得ることができる。
ここで、抽出に使用される溶剤は限定されず、たとえば水;メタノール、エタノール、プロパノール等の1価のアルコール;プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール;酢酸エチルエステル等の液状脂肪酸低級アルキルエステル;ヘキサン、エチルエーテル、アセトン等の上述したもの以外の有機溶媒;ヒマシ油、流動パラフィン、大豆油、ミリスチン酸イソプロピル、低級脂肪酸トリグリセリド、ヒマワリ油、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、スクワラン、トリス[2−(2−エトキシエトキシ)エチル]ホスフェート等の油剤で抽出することによりショウキョウエキスを得ることができる。これら溶剤は、1種以上を使用することができる。
抽出溶剤として、好ましくは1,3−ブチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール、水、エタノールおよびスクワランからなる群から選択される1種以上が用いられる。
原体からの好ましい抽出方法の具体例としては、原体を乾燥したものを裁断、粉砕し、溶剤として、多価アルコール、水、エタノール、スクワランから選ばれる1種以上を用いて抽出する方法が挙げられる。
得られたショウキョウエキスは、抽出された溶液のまま用いてもよいが、さらに必要により、希釈、濃縮、濾過等の処理をしたものを用いることができる。
本実施形態におけるエラスターゼ阻害剤中のショウキョウエキスの含有量は、優れたエラスターゼ阻害活性を安定的に得る観点から、エラスターゼ阻害剤全体に対して蒸発残分換算で好ましくは0.00001〜5質量%(以下単に「%」とも表す。)であり、また、0.0001〜1質量%含有するのが、エラスターゼ阻害活性効果を向上させる観点でより好ましい。
本実施形態におけるエラスターゼ阻害剤には、ショウキョウエキスとともにアセチルヘキサペプチドが含まれる。アセチルヘキサペプチドとは、具体的には、合成ヘキサペプチドの一種であり、筋肉の収縮に作用するペプチドとして知られ、配列1に示される下記アミノ酸配列を有するアセチルヘキサペプチド−8である。
Ac−Glu−Glu−Met−Gln−Arg−Arg−NH2
Ac:アセチル基
Glu:L−α−グルタミル基
Met:L−メチオニル基
Gln:L−グルタミニル基
Arg:L−アルギニル基
本発明者らは、エラスターゼ阻害効果を有するショウキョウエキスと、エラスターゼ阻害効果のないとされるアセチルヘキサペプチドとを組み合わせることにより、意外にも、エラスターゼ阻害活性が向上することを見出した。
アセチルヘキサペプチドとしては、たとえば市販品を用いることができる。市販品の具体例として、Lipotec社により製造され、Centerchem社(Norwalk、CT)から購入できるArgireline(登録商標)が挙げられる。
本実施形態におけるエラスターゼ阻害剤中のアセチルヘキサペプチドの含有量は、エラスターゼ阻害剤全体に対して好ましくは0.00001〜0.5%、より好ましくは0.0001〜0.1%、さらに好ましくは0.0005〜0.01%含有するのが、エラスターゼ阻害活性を向上させる観点で好ましい。
また、本実施形態におけるエラスターゼ阻害剤における、アセチルヘキサペプチドの含有量に対するショウキョウエキス(蒸発残分)の含有量の質量比(ショウキョウエキス/アセチルヘキサペプチド)は、エラスターゼ阻害活性効果を向上させる観点から、0.01〜2000が好ましく、0.08〜500がより好ましく、0.2〜200がさらに好ましい。
本実施形態のエラスターゼ阻害剤には、上記有効成分以外に、通常配合される成分、たとえば、精製水、アルコール、キレート剤、各種油剤、界面活性剤、乳化剤、増粘剤、防腐剤、酸化防止剤、溶剤、薬効成分、粉体、色素、香料等を配合できる。
本実施形態においては、ショウキョウエキスおよびアセチルヘキサペプチドを組み合わせて用いることにより、エラスターゼ阻害活性に優れたエラスターゼ阻害剤を得ることができる。また、本実施形態により、たとえば、安全性に優れるとともに優れたエラスターゼ阻害活性を有するエラスターゼ阻害剤を得ることも可能となる。
<皮膚化粧料>
本実施形態における皮膚化粧料は、前述のエラスターゼ阻害剤を含有してなるものである。
皮膚化粧料中のエラスターゼ阻害剤の含有量は、エラスターゼ阻害活性効果を向上させる観点および塗布時および塗布後のべたつきが抑制される観点から、0.00002〜6%が好ましく、0.00011〜1.5%がより好ましく、0.001〜0.6%がさらに好ましい。
また、同様の観点から、皮膚化粧料中のショウキョウエキス(蒸発残分)の含有量は0.00001〜5%が好ましく、0.0001〜1%がより好ましく、0.0005〜0.5%がさらに好ましい。
さらに、同様の観点から、皮膚化粧料中のアセチルヘキサペプチドの含有量は0.00001〜0.5%が好ましく、0.0001〜0.1%がより好ましく、0.0005〜0.01%がさらに好ましい。
本実施形態において、皮膚化粧料中のアセチルヘキサペプチドの含有量に対するショウキョウエキス(蒸発残分)の含有量の質量比(ショウキョウエキス/アセチルヘキサペプチド)は、エラスターゼ阻害活性効果を向上させる観点および塗布時および塗布後のべたつきが抑制される点から、0.01〜2000が好ましく、0.08〜500がより好ましく、0.2〜200がさらに好ましく、10〜100がさらにより好ましい。
本実施形態の皮膚化粧料には、上述した成分以外にも、皮膚化粧料に通常配合される成分、たとえば、精製水、アルコール、キレート剤、各種油剤、界面活性剤、乳化剤、増粘剤、防腐剤、酸化防止剤、溶剤、薬効成分、粉体、色素、香料、前述した本実施形態のエラスターゼ阻害剤以外のエラスターゼ阻害剤、角化改善剤、紫外線吸収剤、紫外線防御剤、コラーゲン、保湿剤、抗炎症剤、抗酸化剤等を配合できる。他の成分の好ましい例については、具体例を挙げながら後述する。
本実施形態の皮膚化粧料は、皮膚、好ましくは、頭皮を除く部位、より好ましくは、顔、身体、手足等のいずれかに塗布することにより、使用することができる。
本実施形態の皮膚化粧料は、化粧水、ローション、乳液、美容クリーム、下地化粧料、日焼け止め化粧料、パック、マッサージ化粧料などの皮膚化粧料;各種薬剤を含有するクリーム等の外用医薬品として好適に利用できるが、これらの中でも、エラスターゼ阻害効果をより効果的に発現させる観点から、化粧水、乳液が好ましく、乳液がより好ましい。
本実施形態の皮膚化粧料を乳液とする場合には、さらに、α−ゲル構造を有することが好ましい。皮膚化粧料がα−ゲル構造を有することで、肌の水分蒸散を抑制して肌を保湿することができるとともに、本実施形態のエラスターゼ阻害剤のエラスターゼ阻害効果とあいまって、よりいっそう優れた老化抑制効果を得ることができる。
皮膚化粧料にα−ゲル構造を形成させる観点から、たとえば、皮膚化粧料が、次の成分(A)〜(E)をさらに含有する構成とすることが好ましい。
(A)水酸基を2個以上有する有機化合物であって、無機性値が220〜450、有機性値が300〜1000である有機化合物、
(B)水酸基を1個有する有機化合物であって、無機性値が100〜200、有機性値が280〜700である有機化合物、
(C)セラミド類、
(D)ポリオキシエチレン基を有するHLB10以上の非イオン界面活性剤、イオン性界面活性剤およびスフィンゴシン塩類からなる群から選ばれる1種以上の化合物、および
(E)水。
成分(A)は、水酸基を2個以上有する有機化合物であって、無機性値が220〜450、有機性値が300〜1000である有機化合物である。成分(A)は、成分(B)、(C)および(D)と組み合わせてα−ゲル構造を形成させる観点から、無機性値が220〜340、有機性値が380〜840である有機化合物が好ましく、無機性値が250〜340、有機性値が380〜700である有機化合物がより好ましい。
本明細書において、無機性値および有機性値とは、それぞれ、有機概念図(藤田穆、有機化合物の予測と有機概念図、化学の領域Vol.11,No.10(1957)、P.719−725)に基づき求められる無機性値および有機性値の値をいう。
成分(A)の具体例としては、次の一般式(1)で表されるものが挙げられる。
Figure 0006654369
(上記一般式(1)中、Z1は、グリセリン、ソルビタン、ソルビトールまたはショ糖残基で2個以上のヒドロキシル基を有する構造を示し、Y1は、エステル結合基またはエーテル結合基を示し、Rは、炭素数14〜22の炭化水素基を示し、nは1〜2の数を示す。)
一般式(1)中、Rで示される炭素数14〜22の炭化水素基としては、直鎖炭化水素基が好ましく、たとえば、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、ベヘニル基等の直鎖アルキル基;パルミトイル基、オレイル基等が挙げられる。
一般式(1)で表される化合物としては、グリセリンモノ脂肪酸エステル、ソルビタンモノ脂肪酸エステル、ソルビタンジ脂肪酸エステル、ソルビトールモノ脂肪酸エステル、ソルビトールジ脂肪酸エステル、ショ糖モノ脂肪酸エステル、グリセリンモノアルキルエーテル等が挙げられる。
成分(A)としては、成分(B)、(C)および(D)と組み合わせてα−ゲル構造を形成させる観点から、グリセリンモノ脂肪酸エステル、グリセリンモノアルキルエーテル、ソルビタンモノ脂肪酸エステルおよびソルビタンジ脂肪酸エステルからなる群から選ばれる1種以上が好ましく、グリセリンモノ脂肪酸エステルまたはグリセリンモノアルキルエーテルがより好ましい。
このうち、グリセリンモノ脂肪酸エステルとしては、モノパルミチン酸グリセリル(無機性値260、有機性値380)、モノステアリン酸グリセリル(無機性値260、有機性値420)、モノベヘン酸グリセリル(無機性値260、有機性値500)から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
グリセリンモノアルキルエーテルとしては、モノセチルグリセリルエーテル(無機性値220、有機性値380)、モノステアリルグリセリルエーテル(無機性値220、有機性値420)が好ましい。
ソルビタンモノ脂肪酸エステルとしては、モノステアリン酸ソルビタン(無機性値445、有機性値480)から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
また、ソルビタンジ脂肪酸エステルとしては、ジステアリン酸ソルビタン(無機性値340、有機性値840)が好ましい。
また、同様の観点から、成分(A)としては、モノベヘン酸グリセリルまたはモノセチルグリセリルエーテルがより好ましい。
成分(A)は、1種または2種以上を組み合わせて用いることができ、エラスターゼ阻害活性および保湿性を高め、抗老化効果を向上させる観点から、皮膚化粧料中の含有量は、皮膚化粧料全体に対して好ましくは0.05質量%以上であり、0.1質量%以上がより好ましく、0.3質量%以上がさらに好ましく、0.6質量%以上がさらにより好ましく、また、伸ばしやすさを向上させる観点から、好ましくは10質量%以下であり、6質量%以下が好ましく、3.5質量%以下がより好ましく、1.5質量%以下がさらに好ましい。また、成分(A)の含有量は、皮膚化粧料全体に対して好ましくは0.05〜10質量%であり、0.1〜6質量%がより好ましく、0.3〜3.5質量%がさらに好ましく、0.6〜1.5質量%がさらにより好ましい。
本実施形態で用いる成分(B)は、水酸基を1個有する有機化合物であって、無機性値が100〜200、有機性値が280〜700である有機化合物である。
成分(B)は、成分(A)、(C)および(D)と組み合わせてα−ゲル構造を形成させる観点から、無機性値が100〜182、有機性値が300〜520である有機化合物が好ましい。
成分(B)としては、具体的には、炭素数12〜22の高級アルコールおよびステロール類から選ばれる1種以上の化合物が挙げられ、α−ゲルを形成させる観点から、炭素数12〜22の高級アルコールが好ましい。
高級アルコールとしては、炭素数14〜22であるものが好ましく、炭素数16〜18のものがより好ましい。また、高級アルコールを構成する炭素鎖は、直鎖または分岐鎖のいずれでもよく、直鎖のものが好ましい。高級アルコールとしては、たとえば、ミリスチルアルコール(無機性値100、有機性値280)、セタノール(無機性値100、有機性値320)、ステアリルアルコール(無機性値100、有機性値360)、ベヘニルアルコール(無機性値100、有機性値440)、オレイルアルコール(無機性値102、有機性値360)等が挙げられる。
また、ステロール類としては、コレステロール(無機性値182、有機性値520)およびフィトステロールが挙げられる。フィトステロールは、β−シトステロール、カンペステロール、スティグマステロール、ブラシカステロール等の植物ステロールの総称であり、その組成は限定されるものではない。
成分(B)は、1種または2種以上を組み合わせて用いることができ、抗老化効果を向上させる観点、指止まり感および塗布後の肌がなじんだ化粧料で覆われる感じを向上させる観点から、皮膚化粧料中の含有量は、皮膚化粧料全体に対して、好ましくは0.05質量%以上であり、0.1質量%以上がより好ましく、0.3質量%以上がさらに好ましく、0.5質量%以上がさらにより好ましく、また、伸ばしやすさを向上させる観点から、好ましくは10質量%以下であり、6質量%以下がより好ましく、3.5質量%以下がさらに好ましく、1.5質量%以下がさらにより好ましい。また、成分(B)の含有量は、皮膚化粧料全体に対して好ましくは0.05〜10質量%であり、0.1〜6質量%がより好ましく、0.3〜3.5質量%がさらに好ましく、0.5〜1.5質量%がさらにより好ましい。
本実施形態で用いる成分(C)のセラミド類としては、(I)天然由来のセラミドおよび(II)擬似型セラミドから選ばれる1種または2種以上が好ましく、たとえば、特開2013−53146号公報に記載のセラミドが好ましい。
このうち、(I)天然由来のセラミド(以下、「天然型セラミド」ともいう。)の具体例としては、セラミドType1〜7(たとえば、J. Lipid Res., 24:759 (1983)の図2、およびJ. Lipid. Res.,35:2069(1994)の図4記載のブタおよびヒトのセラミド類)が挙げられる。さらに、これらのN−アルキル体(たとえば、N−メチル体)も含まれる。
これらのセラミドは、天然型(D(−)体)の光学活性体を用いても、非天然型(L(+)体)の光学活性体を用いても、さらに天然型と非天然型の混合物を用いてもよい。上記化合物の立体配置は、天然型の立体配置のものでも、それ以外の非天然型の立体配置のものでもよく、また、これらの混合物によるものでもよい。これらのうち、CERAMIDE1、CERAMIDE2、CERAMIDE3、CERAMIDE5、CERAMIDE6IIの化合物(以上、INCI、8th Edition)および次式で表わされるものが好ましい。
Figure 0006654369
これらは天然からの抽出物および合成物のいずれでもよく、市販のものを用いることができる。このような天然型セラミドの市販のものとしては、Ceramide I、Ceramide III、Ceramide IIIA、Ceramide IIIB、Ceramide IIIC、Ceramide VI(以上、コスモファーム社製)、Ceramide TIC-001(高砂香料社製)、CERAMIDE II(Quest International社製)、DS-Ceramide VI、DS-CLA-Phytoceramide、Phytoceramide、DS-ceramide Y3S(DOOSAN社製)、CERAMIDE2(セダーマ社製)が挙げられる。
Figure 0006654369
(II)擬似型セラミドとしては、次式で表されるN−(ヘキサデシロキシヒドロキシプロピル)−N−ヒドロキシエチルヘキサデカナミド、N−(ヘキサデシロキシヒドロキシプロピル)−N−ヒドロキシエチルデカナミド等が挙げられ、N−(ヘキサデシロキシヒドロキシプロピル)−N−ヒドロキシエチルヘキサデカナミドが好ましい。
Figure 0006654369
成分(C)は、1種または2種以上を組み合わせて用いることができ、抗老化効果を向上させる観点および指どまり感および塗布後の肌がなじんだ化粧料で覆われる感じを向上させる観点から、皮膚化粧料中の含有量は、皮膚化粧料全体に対して好ましくは0.05質量%以上であり、0.1質量%以上がより好ましく、0.5質量%以上がさらに好ましく、1質量%以上がさらにより好ましく、また、伸ばしやすさを向上させる観点から、好ましくは15質量%以下であり、10質量%以下がより好ましく、7質量%以下がさらに好ましく、3質量%以下がさらにより好ましい。また、成分(C)の含有量は、皮膚化粧料全体に対して好ましくは0.05〜15質量%であり、0.1〜10質量%がより好ましく、0.5〜7質量%がさらに好ましく、1〜3質量%がさらにより好ましい。
本実施形態で用いる成分(D)は、ポリオキシエチレン基を有するHLB10以上の非イオン界面活性剤、イオン性界面活性剤およびスフィンゴシン塩類から選ばれる1種以上の化合物である。
成分(D)のうち、非イオン界面活性剤は、ポリオキシエチレン基を有するものであって、HLB10以上、好ましくはHLB12.5〜15.5の親水性のものである。成分(D)として用いられる非イオン界面活性剤として、たとえば、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(HLB14)、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アルキルポリオキシエチレングリセリル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等が挙げられる。これらのうち、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油およびモノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタンから選ばれる1種以上が好ましい。
また、成分(D)のうち、イオン性界面活性剤としては、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられる。アニオン界面活性剤としては、たとえば、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸カリウム、ステアリン酸アルギニン等の炭素数12〜24の脂肪酸塩;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム等のアルキル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレンラウリル硫酸トリエタノールアミン等のアルキルエーテル硫酸エステル塩;ラウロイルサルコシンナトリウム等のN−アシルサルコシン塩;N−ステアロイル−N−メチルタウリンナトリウム、N−ミリストイル−N−メチルタウリンナトリウム等の脂肪酸アミドスルホン酸塩;モノステアリルリン酸ナトリウム等のアルキルリン酸塩;ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンステアリルエーテルリン酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩;ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム等の長鎖スルホコハク酸塩;N−ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N−ステアロイル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ステアロイル−L−グルタミン酸アルギニン、N−ステアロイルグルタミン酸ナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸ナトリウム等の長鎖N−アシルグルタミン酸塩などが挙げられる。これらのうち、炭素数12〜24の脂肪酸塩、脂肪酸アミドスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、長鎖N−アシルグルタミン酸塩が好ましく、N−ステアロイル−N−メチルタウリンナトリウム、N−ステアロイル−L−グルタミン酸アルギニン、ポリオキシエチレンステアリルエーテルリン酸ナトリウムがより好ましい。
また、カチオン界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩が好ましく、たとえば、塩化ステアリウムトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム等のアルキルトリメチルアンモニウム塩;ジアルキルジメチルアンモニウム、トリアルキルメチルアンモニウム塩、アルキルアミン塩などが挙げられる。
さらに、両性界面活性剤としては、たとえば、アルキルジメチルアミンオキシド、アルキルカルボキシベタイン、アルキルスルホベタイン、アミドアミノ酸塩、アルキルアミドプロピルベタインが挙げられ、好ましくはアルキルアミドプロピルベタインである。
本実施形態で用いる成分(D)の化合物のうち、スフィンゴシン塩類とは、スフィンゴシン類と酸性物質とから構成されるものである。スフィンゴシン類としては、天然由来のスフィンゴシン類または同構造の合成物、およびその誘導体(以下、天然型スフィンゴシンと記載する。)またはスフィンゴシン構造を有する擬似型スフィンゴシン類(以下、擬似型スフィンゴシンと記載する。)が好ましい。
天然型スフィンゴシンとして、具体的には、天然のスフィンゴシン、ジヒドロスフィンゴシン、フィトスフィンゴシン、スフィンガジエニン、デヒドロスフィンゴシン、デヒドロフィトスフィンゴシン、およびこれらのN−アルキル体(たとえばN−メチル体)等が挙げられる。これらのスフィンゴシンとしては天然型(D(+)体)の光学活性体を用いても、非天然型(L(−)体)の光学活性体を用いても、さらに天然型と非天然型の混合物を用いてもよい。上記化合物の相対立体配置は、天然型の立体配置のものでも、それ以外の非天然型の立体配置のものでもよく、また、これらの混合物によるものでもよい。さらに、PHYTOSPHINGOSINE(INCI名;8th Edition)および次式で表わされるものが好ましい。
Figure 0006654369
これらは、天然からの抽出物および合成物のいずれでもよく、市販のものを用いることができる。天然型スフィンゴシンの市販のものとしては、たとえば、D-Sphingosine(4-Sphingenine)(SIGMA-ALDRICH社製)、DS-phytosphingosine(DOOSAN社製)、phytosphingosine(コスモファーム社製)が挙げられる。
擬似型スフィンゴシンの具体例として、下記式で表される擬似型スフィンゴシン(i)〜(iv)、および1−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−3−イソステアリルオキシ−2−プロパノールが挙げられる。
Figure 0006654369
スフィンゴシン類としては、天然型のスフィンゴシン、フィトスフィンゴシンおよび擬似型スフィンゴシンからなる群から選択される1種以上が好ましく、擬似型スフィンゴシンがより好ましく、上記式で表される擬似型スフィンゴシン(ii)、1−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−3−イソステアリルオキシ−2−プロパノールがさらに好ましい。
これらの天然型のスフィンゴシン、フィトスフィンゴシン、擬似型スフィンゴシンと塩を構成する酸性物質としては、グルタミン酸、アスパラギン酸等の酸性アミノ酸;リン酸、塩酸等の無機酸;酢酸等のモノカルボン酸;コハク酸等のジカルボン酸;クエン酸、乳酸、リンゴ酸等のオキシカルボン酸などが挙げられる。これらの中で、天然型のスフィンゴシン、フィトスフィンゴシン、または擬似型スフィンゴシン(好ましくは擬似型スフィンゴシン(ii)、1−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−3−イソステアリルオキシ−2−プロパノール)のコハク酸塩、乳酸塩およびグルタミン酸塩からなる群から選択される1種以上が好ましく、より好ましくは、天然型のスフィンゴシン、フィトスフィンゴシン、または擬似型スフィンゴシンのグルタミン酸塩である。
成分(D)としては、成分(A)、(B)および(C)と組み合わせてα−ゲル構造を形成させる観点から、アニオン界面活性剤、スフィンゴシン塩類が好ましく、少ない量で安定な乳化物が得られる観点から、N−ステアロイル−N−メチルタウリンナトリウム、ポリオキシエチレンステアリルエーテルリン酸ナトリウム、N−ステアロイル−L−グルタミン酸アルギニン、フィトスフィンゴシンのグルタミン酸塩、擬似型スフィンゴシンのグルタミン酸塩がより好ましい。
成分(D)は、皮膚化粧料中に1種または2種以上を組み合わせて用いることができ、抗老化効果を向上させる観点、指どまり感、塗布後の肌がなじんだ化粧料で覆われる感じおよび保存安定性を向上させる観点から、皮膚化粧料中の含有量は、皮膚化粧料全体に対して好ましくは0.05質量%以上であり、0.1質量%以上がより好ましく、0.15質量%以上がさらに好ましく、0.3質量%以上がさらにより好ましく、また、伸ばしやすさおよび保存安定性を向上させる観点から、好ましくは5質量%以下であり、3質量%以下がより好ましく、2.2質量%以下がさらに好ましく、0.8質量%以下がさらにより好ましい。また、成分(D)の含有量は、皮膚化粧料全体に対して好ましくは0.05〜5質量%であり、0.1〜3質量%がより好ましく、0.15〜2.2質量%がさらに好ましく、0.3〜0.8質量%がさらにより好ましい。なお、成分(D)が、イオン性界面活性剤およびスフィンゴシン塩類である場合、皮膚化粧料中のこれらの成分の含有量は酸換算の質量を示す。以下、成分(D)の質量を示す場合も同様である。
本実施形態において、皮膚化粧料中の成分(A)、(B)、(C)および(D)の合計含有量は、抗老化効果を向上させる観点、指どまり感および塗布後の肌がなじんだ化粧料で覆われる感じを高める観点から、皮膚化粧料全体に対して好ましくは1.5質量%以上であり、2質量%以上がより好ましく、3質量%以上がさらに好ましく、また、伸ばしやすさを向上させる観点から、好ましくは22質量%以下であり、16質量%以下がより好ましく、6.5質量%以下がさらに好ましい。また、成分(A)、(B)、(C)および(D)の合計含有量は、皮膚化粧料全体に対して好ましくは1.5〜22質量%であり、2〜16質量%がより好ましく、3〜6.5質量%がさらに好ましい。
成分(E)は、水である。水の含有量は、たとえば皮膚化粧料中の水以外の成分を除いた残部とすることができる。
本実施形態において、皮膚化粧料が成分(A)〜(E)を含むとき、成分(A)〜(E)として上述した成分のそれぞれの好ましい成分、および好ましい含有量を組み合わせるのが、より好ましい。さらに好ましくは、成分(A)がモノベヘン酸グリセリルまたはモノセチルグリセリルエーテルであって、成分(B)がセタノールであって、成分(C)がN−(ヘキサデシロキシヒドロキシプロピル)−N−ヒドロキシエチルヘキサデカナミドであって、成分(D)がステアロイルグルタミン酸塩またはスフィンゴシン塩類である組み合わせである。
本実施形態の皮膚化粧料は、さらに、前述したもの以外の油性成分を含有することができる。たとえば、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン等の炭化水素油;セチルジメチルブチルエーテル、エチレングリコールジオクチルエーテル、グリセロールモノオレイルエーテル等のエーテル油;ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、トリオクタノイン等のエステル油;ステアリン酸、ベヘン酸、イソミリスチン酸等の高級脂肪酸;ジメチルポリシロキサン、環状ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、アミノ変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、フッ素変性シリコーン等のシリコーン油;パーフルオロアルキルエチルリン酸、パーフルオロアルキルポリオキシエチレンリン酸、パーフルオロポリエーテル、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系油などが挙げられる。これらの油性成分の含有量は、皮膚化粧料全体に対して0〜20質量%であるのが好ましい。
また、本実施形態の皮膚化粧料は、通常の化粧料に用いられる有効成分や添加剤、たとえば、エタノール等の炭素数1〜6の1価のアルコール;エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール;アミノ酸、ペプチド、および、トリメチルグリシン、N−アミジノ−L−プロリン等のアミノ酸誘導体;アスコルビン酸、ニコチン酸アミド、ニコチン酸等の水溶性ビタミン類;オウバクエキス、カンゾウエキス、アロエエキス、スギナエキス、茶エキス、キューカンバーエキス、チョウジエキス、ニンジンエキス、ハマメリス抽出液、プラセンタエキス、酵母エキス、海藻エキス、マロニエエキス、ユズエキス、レモンエキス、アスナロエキス、ローヤルゼリーエキス、ユーカリエキス、チューベロース多糖体、アスナロ抽出液、米ぬか抽出液等の動・植物抽出液;水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム等の塩基;クエン酸、酒石酸、乳酸、リン酸、コハク酸、アジピン酸等の酸;カルボキシビニルポリマー、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、グアーガム、キサンタンガム、カルボキシメチルキトサン、ヒアルロン酸ナトリウム、オキサゾリン変性シリコーン、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリル酸ジエチル硫酸塩・N,N−ジメチルアクリルアミド・ジメタクリル酸ポリエチレングリコール共重合体等の増粘剤;コハク酸2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルグアニジン等の保湿剤;フェノキシエタノール、パラオキシ安息香酸メチル等の防腐剤;香料などであって、前述した成分以外のものを含有することもできる。
本実施形態の皮膚化粧料は、通常の方法により製造することができる。たとえば、成分(A)〜(D)(油性成分を含む場合は、成分(A)〜(D)および油性成分)を含む油相成分を加熱撹拌し、溶解させた後、加熱した成分(E)を含む水相成分を混合し、その後撹拌しながら冷却することにより、製造することができる。
また、成分(D)がイオン性界面活性剤およびスフィンゴシン塩類である場合、イオン性界面活性剤およびスフィンゴシン塩類として配合してもよいし、たとえば成分(D')として中和前の酸を油相成分として配合し、水相成分に塩基を配合して、水相と油相との混合により中和させて成分(D)としてもよい。
以上により得られる皮膚化粧料は、α−ゲル(α型結晶)であり、結晶(γ型結晶)の析出が抑制される。α−ゲルは、X線による構造解析により、確認することができる。α型構造は六方晶系のことであり、親油基が親水基層の面に対して直角に配向しており、Bragg角21〜23°付近に鋭い一本の回折ピークが現れるのが特徴である。
本実施形態の皮膚化粧料は、伸びの良さを高める点から、25℃における粘度が、1000mPa・s〜300000mPa・sであるのが好ましく、2500mPa・s〜100000mPa・sであるのがより好ましく、5000mPa・s〜70000mPa・sであるのがさらに好ましい。
なお、本実施形態において、粘度は、たとえばVISCOMETER TVB−10(東機産業社製)により測定される。そして、粘度は、低粘度を測定できる条件から測定し、その条件で粘度の上限を超えた場合は、次に高粘度を測定できる条件に変更して測定する。測定条件の具体例を以下に示す。
・粘度250mPa・s以上2500mPa・s未満:ローターNo.M2、回転数12rpm、
・粘度2500mPa・s以上20000mPa・s未満:ローターNo.M3、回転数6rpm、
・粘度20000mPa・s以上160000mPa・s未満:ローターNo.T−B、回転数5rpm
・粘度160000mPa・s以上400000mPa・s未満:ローターNo.T−C、回転数5rpm
(実施例1、2、比較例1および2)
ショウキョウエキスおよびアセチルヘキサペプチドを表1に示す濃度で含むエラスターゼ阻害剤のエラスターゼ活性抑制効果について評価した。ショウキョウエキスは以下の製造例1に記載の方法で調製した。また、アセチルヘキサペプチドとしては、Lipotec社により製造され、Centerchem社(Norwalk、CT)から購入できるArgireline(登録商標)を用いた。
(製造例1)ショウキョウエキスの製造
ショウキョウを細切し、その50gに50vol%エタノール500mLを加え、室温で2日間浸漬した。これを濾過して得られたショウキョウ抽出液をショウキョウエキスとした。得られたショウキョウエキスを濃縮したところ、その蒸発残分は2.59gであった。
(試験例1)培養ヒト繊維芽細胞のエラスターゼ(NEP)活性抑制試験
ダルベッコ改変イーグル培地(Dulbecco's Modified Eagle's Medium:DMEM)を用いて、2.5×104個の真皮線維芽細胞を96穴プレートに播種した。播種の翌日に、製造例1のショウキョウエキスとアセチルヘキサペプチドのサンプルを培地中で表1の評価濃度となるように添加し、紫外線を照射した。48時間後、培養上清を除き、各ウェルに10μLのBuffer A(0.1M Tris(:tris(hydroxymethyl)aminomethane)−HCl、pH7.2、1% NP−40、0.01% SDS(:Sodium Dodecyl Sulfate))と30μLのBuffer B(0.3M NaCl、0.1M MES(:2-Morpholinoethanesulfonic acid, monohydrate))を添加して、振動を与えながら4℃でインキュベートし、細胞を溶解した。1時間後、各ウェルにBuffer Bで希釈し60μLとした上記各例のサンプルを、培地中で表1の評価濃度になるように添加し、さらに2μLの10mM NEP蛍光基質を添加して37℃でインキュベートした。1時間後、各ウェルに2μLの100μM Phosphoramidonと2μLの25mU/mL Leucine aminopeptidase Mを添加して、37℃でさらにインキュベートした。15分後、プレートリーダーを用いて励起波長:355nm、蛍光波長:430nmの蛍光を計測し、中性エンドペプチダーゼ(Neutral Endopeptidase:NEP)活性を測定した。結果を表1に示す。
Figure 0006654369
表1より、実施例1および2においては、ショウキョウエキスとアセチルヘキサペプチドとを組み合わせて用いているため、それぞれ、比較例1および2に比べてNEP活性が抑制されていることがわかる。
(実施例3〜7および比較例3〜4)
表2〜表4に示す組成の水中油型乳化組成物を製造して各例の皮膚化粧料とした。実施例3〜6、比較例3および4で得られた皮膚化粧料について、X線による構造解折によりα−ゲル構造の形成の有無を評価した。また、実施例3、比較例3および4で得られた皮膚化粧料について、しわ改善効果を評価した。これらの評価結果を表2および表3に併せて示す。
(皮膚化粧料の製造方法)
成分(A)〜(D')を含む油相成分を、プロペラ撹拌下(300rpm)で80〜95℃で加熱混合して溶解した。これに、80℃に加熱混合した成分(E)を含む水相成分を加えて乳化した後、プロペラ撹拌(300rpm)をしながら25℃に冷却して、皮膚化粧料を得た。得られた化粧料では、成分(D')は、L−アルギニン、水酸化カリウムの全部または一部で中和されて、成分(D)のN−ステアロイル−L−グルタミン酸塩になっていると考えられる。
実施例7(処方例)では、表4に記載の成分をすべて合わせて80℃に加熱混合し溶解させ後、プロペラ撹拌(300rpm)をしながら25℃に冷却して、化粧水を得る。
(評価方法)
(1)しわ改善効果評価
しわに悩みのある40〜50歳代の女性16名(香粧品学会しわグレード)により、各化粧料0.15mLを毎日朝・夜の2回、半顔ずつに8週間塗布した。試験開始前と8週連用後に、素肌(洗顔し、化粧料を除去した状態)での目尻のしわの状態を、気温20〜22℃/湿度45〜55%の環境下(香粧品学会シワガイドライン準拠)で、しわグレード表に基づきスコア化した。評価は化粧品開発に従事し、定常的にしわ評価を行っている専門評価者2名でおこない、0.5刻みで評価した。このしわスコアについて、16名のパネラーの試験前から8週連用後の変化を平均し得られた、平均しわスコア変化量(Δ)を以下の基準で判断し、しわ改善効果を評価した。
改善:しわスコア変化量(Δ)がΔ≦−0.4
やや改善:しわスコア変化量(Δ)が−0.4<Δ≦−0.2
変化なし:しわスコア変化量(Δ)が−0.2<Δ≦0
悪化:しわスコア変化量(Δ)が0<Δ
X線による構造解折:得られた皮膚化粧料について、2θ=10〜30°の広角X線回折ピークより、WilsonとOttの方法(Wilson,D.A. and Ott,E., J.Chem.Phys., 2, 231-238(1934))に従い、結晶構造を決定した。表2および表3中、結晶構造についての評価は以下の基準で示した。
A:α型構造が確認された。
B:α型構造が確認されない。
Figure 0006654369
Figure 0006654369
Figure 0006654369
表2および表3より、実施例3〜6の皮膚化粧料は、いずれもα−ゲル構造であることが確認された。また、表2より、ショウキョウエキスおよびアセチルヘキサペプチドのいずれか一方を含む比較例3および4では、いずれもしわ改善効果が認められなかったのに対し、ショウキョウエキスおよびアセチルヘキサペプチドを組み合わせて用いた実施例3の皮膚化粧料ではしわ改善効果が認められた。

Claims (8)

  1. ショウキョウエキスおよびアセチルヘキサペプチド−8を含む、エラスターゼ阻害剤。
  2. 前記エラスターゼ阻害剤全体に対して前記ショウキョウエキスを蒸発残分として0.00001〜5質量%含む、請求項1に記載のエラスターゼ阻害剤。
  3. 前記エラスターゼ阻害剤中の前記アセチルヘキサペプチド−8の含有量に対する前記ショウキョウエキス(蒸発残分)の含有量の質量比(ショウキョウエキス/アセチルヘキサペプチド−8)が0.01〜2000である、請求項1または2に記載のエラスターゼ阻害剤。
  4. 請求項1〜3いずれか1項に記載のエラスターゼ阻害剤を含む皮膚化粧料。
  5. α−ゲル構造を有する、請求項4に記載の皮膚化粧料。
  6. 次の成分(A)〜(E):
    (A)水酸基を2個以上有する有機化合物であって、無機性値が220〜450、有機性値が300〜1000である有機化合物、
    (B)水酸基を1個有する有機化合物であって、無機性値が100〜200、有機性値が280〜700である有機化合物、
    (C)セラミド類、
    (D)ポリオキシエチレン基を有するHLB10以上の非イオン界面活性剤、イオン性界面活性剤およびスフィンゴシン塩類からなる群から選ばれる1種以上の化合物、および
    (E)水
    をさらに含有し、前記皮膚化粧料全体に対する前記成分(A)、(B)、(C)および(D)の含有量の合計が、1.5〜22質量%である、請求項4または5に記載の皮膚化粧料。
  7. 当該皮膚化粧料全体に対して前記ショウキョウエキスを蒸発残分として0.0001〜0.5質量%含む、請求項4〜6いずれか1項に記載の皮膚化粧料。
  8. 当該皮膚化粧料全体に対して前記アセチルヘキサペプチド−8を0.00001〜0.01質量%含む、請求項4〜7いずれか1項に記載の皮膚化粧料。
JP2015139906A 2015-07-13 2015-07-13 エラスターゼ阻害剤 Active JP6654369B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015139906A JP6654369B2 (ja) 2015-07-13 2015-07-13 エラスターゼ阻害剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015139906A JP6654369B2 (ja) 2015-07-13 2015-07-13 エラスターゼ阻害剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017019754A JP2017019754A (ja) 2017-01-26
JP6654369B2 true JP6654369B2 (ja) 2020-02-26

Family

ID=57887662

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015139906A Active JP6654369B2 (ja) 2015-07-13 2015-07-13 エラスターゼ阻害剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6654369B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102169116B1 (ko) * 2019-02-22 2020-10-22 주식회사 엘지생활건강 신경전달물질 분비 억제 조성물
JP7558607B2 (ja) 2019-02-22 2024-10-01 エルジー・エイチアンドエイチ・カンパニー・リミテッド 神経伝達物質分泌抑制組成物
JP7482608B2 (ja) * 2019-06-11 2024-05-14 花王株式会社 乳化組成物の製造方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001058920A (ja) * 1999-08-20 2001-03-06 Kao Corp 化粧料
JP2004323400A (ja) * 2003-04-23 2004-11-18 Mikimoto Pharmaceut Co Ltd 皮膚外用剤
JP4926420B2 (ja) * 2005-07-21 2012-05-09 花王株式会社 乳化組成物
KR101239393B1 (ko) * 2011-12-16 2013-03-05 바이허브 주식회사 자연추출물을 함유한 즉각적인 주름개선용 화장품 조성물

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017019754A (ja) 2017-01-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2449782C2 (ru) Везикула, пригодная для лекарственного средства для наружного применения на коже, и лекарственное средство для наружного применения на коже, включающее везикулу
WO2011004589A1 (ja) 乳化組成物
JP2012041302A (ja) 皮膚化粧料
WO2006134890A1 (ja) 身体表面保護用組成物
JP7086354B2 (ja) ベシクル組成物およびこれを含有する皮膚外用剤又は化粧料
JP6654369B2 (ja) エラスターゼ阻害剤
JP6423701B2 (ja) 化粧料
JP6622015B2 (ja) 皮膚外用剤又は化粧料
JP6356457B2 (ja) セラミド配合外用剤組成物
KR20200071334A (ko) 양까막까치밥나무열매(블랙커런트) 추출물과 포도 추출물을 유효성분으로 함유하는 피부 주름탄력 개선 조성물, 이를 이용한 피부 주름탄력 개선 화장료 조성물 및 이를 이용한 피부 주름탄력 개선 화장품
JP6654812B2 (ja) 乳化組成物
JP6552280B2 (ja) 頭皮用化粧料
WO2020230691A1 (ja) セラミド類とオレイン酸イソブチルを含有する組成物
JP5455292B2 (ja) 皮膚外用組成物
JPH08268859A (ja) シワ予防・改善化粧料
JP7294713B2 (ja) 皮膚化粧料
JP2006241102A (ja) Scf遊離抑制剤及び皮膚外用組成物
JPH1160462A (ja) 皮膚化粧料
JP4754671B2 (ja) 化粧料
JP2005298503A (ja) 粉状化した玉竹を含む保湿性化粧料組成物
JPH11269033A (ja) 皮膚プレトリートメント剤
JP4246150B2 (ja) 皮膚化粧料組成物
JP2003238383A (ja) 皮膚外用剤
WO2013030635A2 (en) Compositions for extended periods of skin moisturization
JPH08259420A (ja) 皮膚外用組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A80 Written request to apply exceptions to lack of novelty of invention

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A80

Effective date: 20150723

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180604

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190308

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190423

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20190619

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190807

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200121

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200130

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6654369

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250