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JP6618713B2 - 皮膚洗浄料 - Google Patents

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JP6618713B2 JP2015106260A JP2015106260A JP6618713B2 JP 6618713 B2 JP6618713 B2 JP 6618713B2 JP 2015106260 A JP2015106260 A JP 2015106260A JP 2015106260 A JP2015106260 A JP 2015106260A JP 6618713 B2 JP6618713 B2 JP 6618713B2
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Description

本発明は水溶性コポリマーを含む皮膚洗浄料に関する。
従来、洗顔料などの皮膚洗浄料においては、泡立ちの良さ、洗浄力の良さ、洗い流し後のさっぱり感等に優れることから高級脂肪酸のカリウム塩が多用されてきた。しかしながら、高級脂肪酸のカリウム塩を主成分とした皮膚洗浄料は、このような優れた性質を有している反面、クリーミィな泡質が得られにくい、洗浄により肌が過度に脱脂されやすい、また、石鹸カス(スカム)が肌に残ることで使用後に肌がつっぱりやすいという問題点もあった。
このような問題点を改善する方法として、高級脂肪酸とアシルタウリン塩型、アシルイセチオン酸型、リン酸エステル型、アシルアミノ酸型等の界面活性剤との併用(例えば特許文献1)、界面活性剤以外の添加剤(例えば、シリコーン化合物や特定の糖脂質、ラフィノース、植物種子粘質物、種々の高分子化合物等)の配合(例えば特許文献2〜8)等が提案されている。
また高級脂肪酸のカリウム塩を主成分とせず、アシルグリシン型界面活性剤と特定の高分子化合物を組み合わせることにより上記問題点を改良する試みもなされている(特許文献9参照)。
特開平6−248298号公報 特開平10−77206号公報 特開2001−72574号公報 特開2000−178172号公報 特開平11−209799号公報 特開2003−73257号公報 特開2007−277140号公報 特開平10−183193号公報 特開平9−78082号公報
しかしながら、近年の消費者ニーズの高まりにより、特に泡質や洗浄後の感触に関しては、これらの方法では十分に満足できるものではなく、更なる改良が望まれてきた。
このような状況に鑑みて、本発明が解決しようとする課題は、皮膚洗浄料の使用後の肌のつっぱり感を低減する新規の技術を提供することにある。
また、洗浄力、泡立ちの良さ、良好な泡質、使用後のぬめり感の無さ、肌へののばしやすさ等の本来皮膚洗浄料が有している有利な効果を損なうことなく、使用後の肌のつっぱり感を低減する技術を提供することを第2の課題とする。
上記課題を解決する本発明は、下記一般式(I)、(II)又は(III)で表される疎水性モノマーから誘導される1種又は2種以上の構成単位(a)と、親水性モノマーから誘導される1種又は2種以上の構成単位(b)を必須構成単位として有する水溶性コポリマーを含む皮膚洗浄料である。
一般式(I)
(I)
(一般式(I)中R1は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、R2は炭素数13〜30の環構造を含まない分岐状炭化水素基、または、環構造を含まない、2つ以上の分岐を有する炭素数6〜12の炭化水素基を表す。)
一般式(II)
(II)
(一般式(II)中R3は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、R4,R5は同一でも異なっていてもよく、環構造を含まない、分岐を有する、炭素数6〜22のアシル基を表す。Xは三価のアルコールからOH基が脱離した基を表す。)
一般式(III)
(III)
(一般式(III)中R6は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、R7,R8,R9は同一でも異なっていてもよく、環構造を含まない、分岐を有する、炭素数6〜22のアシル基を表す。Yは四価のアルコールからOH基が脱離した基を表す。)
本発明の皮膚洗浄料は、前記水溶性コポリマーを含むことによって、良質な泡立ちとクリーミーな泡質を備えながらも、使用後のつっぱり感の低減を実現している。
本発明の好ましい形態では、前記親水性モノマーが、重合性カルボン酸、下記一般式(IV)で表される親水性モノマー、下記一般式(VI)で表される親水性モノマー、下記一般式(VII)で表される親水性モノマー及び下記一般式(VIII)で表される親水性モノマーからなる群から選ばれる1種又は2種以上の親水性モノマーである。
一般式(IV)
(IV)
(一般式(IV)中R10は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、R11は水酸基を有していてもよい炭素数2〜4のアルキレン基を表し、R12は水素原子、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基、炭素数1〜14の脂肪族炭化水素基又は炭素数1〜12のアシル基を表す。nは6〜40の整数を表す。)
一般式(VI)
(VI)
(一般式(VI)中R15は水素原子またはメチル基をあらわす。)
一般式(VII)
(VII)
(一般式(VII)中R16は水素原子またはメチル基を、G−O−は還元糖の1位の水酸基より水素を除いた基を表す。mは2又は3を、lは1〜5の整数を表す。)
一般式(VIII)
(VIII)
(一般式(VIII)中R17は水素原子またはメチル基を、R18はアミノ酸残基、ポリアミン残基又はアミノアルコール残基を表す。Qは酸素原子又はNHで表される基を表す。)
このような親水性モノマーから誘導される構成単位(b)を含む水溶性コポリマーを含むことによって、本発明の皮膚洗浄料の使用後のつっぱり感をより低減することができる。
本発明の好ましい形態では、前記疎水性モノマーが前記一般式(II)で表される疎水性モノマーであり、前記水溶性モノマーが前記一般式(IV)で表される親水性モノマーである。
このような疎水性モノマーと親水性モノマーから誘導される構成単位を有する水溶性コポリマーを含むことによって、本発明の皮膚洗浄料の使用後のつっぱり感をより低減することができる。
本発明の実施の形態では、前記水溶性コポリマーの含有量が0.1〜20質量%である。
水溶性コポリマーの含有量を前記範囲とすることによって、本発明の皮膚洗浄料の使用時におけるぬめり感を低減することができる。
本発明は泡立て洗浄料に適用することが好ましい。
本発明によれば、泡立て洗浄料の泡立ちや泡質を阻害することなく、使用後の肌のつっぱり感を低減することができる。
本発明はジェル状の皮膚洗浄料に適用することが好ましい。
本発明によれば、ジェル状の皮膚洗浄料の肌へののばしやすさを向上させながら、使用後の肌のつっぱり感を低減させることができる。
界面活性剤を含む皮膚洗浄料は洗浄力が比較的強いため、使用後のつっぱり感も強い。そのため、本発明は界面活性剤を含む形態の皮膚洗浄料に適用することが好ましい。本発明によれば、界面活性剤の優れた洗浄力を損なうことなく、または、向上させながら、皮膚洗浄料の使用後の肌のつっぱり感を低減することができる。
脂肪酸石鹸を含む皮膚洗浄料は泡立ちがよく、クリーミーな泡質を有し、洗浄力に優れているが、使用後に強いつっぱり感を感じさせるものであった。そのため、本発明は、脂肪酸石鹸を含む形態の皮膚洗浄料に適用することが好ましい。本発明によれば、脂肪酸石鹸を含む皮膚洗浄料の有する有利な効果を損なうことなく、使用後の肌のつっぱり感を低減することができる。
本発明の好ましい形態では、前記水溶性コポリマーと前記脂肪酸石鹸の含有質量の比が、1:500〜1:2、好ましくは1:200〜1:3、より好ましくは1:100〜1:5である。
前記水溶性コポリマーの含有量を前記範囲とすることによって、脂肪酸石鹸を含む皮膚洗浄料の使用後のつっぱり感をより効果的に低減することができる。
本発明は非イオン性界面活性剤を含む皮膚洗浄料に適用することも好ましい。
本発明によれば、非イオン性界面活性剤を含む皮膚洗浄料の洗浄力を向上させながら、使用後の肌のつっぱり感を低減することができる。
本発明の好ましい形態では、前記水溶性コポリマーと前記非イオン性界面活性剤の含有質量の比が、1:20〜1:0.5、好ましくは1:15〜1:0.7、より好ましくは1:10〜1:1である。
水溶性コポリマーと非イオン性界面活性剤の含有量の比を前記範囲とすることによって、使用後のつっぱり感をより効果的に低減することができる。
本発明によれば、使用後のつっぱり感が低減された皮膚洗浄料を提供することができる。
また、脂肪酸石鹸を含む皮膚洗浄料に本発明を適用する場合には、良質な泡立ちやクリーミーな泡質を阻害することなく、使用後のつっぱり感を低減することができる。
また、本発明をジェル状の皮膚洗浄料に適用する場合であっても、使用後のつっぱり感を低減する効果を得られる。
本発明の皮膚洗浄料の特徴は、疎水性モノマーから誘導される構成単位(a)と、親水性モノマーから誘導される構成単位(b)を有する水溶性コポリマーを含むことである。以下、<1>の項目において、疎水性モノマー、親水性モノマー及びこれらのコポリマーである水溶性コポリマーについて説明する。
<1>水溶性コポリマー
(1)疎水性モノマー
本発明においては、前記一般式(I)、(II)又は(III)で表される疎水性モノマーから誘導される構成単位(以下、単に、「構成単位I」などと呼ぶこともある)の一種または二種以上を必須構成単位として含有する水溶性コポリマーを用いる。
なお、本発明において、「モノマーから誘導される構成単位」とは、対応するモノマーが有する炭素−炭素不飽和結合が重合反応によって開裂して形成される構成単位を言う。
以下、一般式(I)、(II)又は(III)で表される疎水性モノマーについて説明する。
(1−1)一般式(I)で表される疎水性モノマー
前記一般式(I)において、R1は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、R2は炭素数13〜30の環構造を含まない分岐状炭化水素基または、環構造を含まない、2つ以上の分岐を有する炭素数6〜12の炭化水素基を表す。
ここで、R1で表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基等が例示できる。本発明において、R1は水素原子又はメチル基であることが好ましい。
また、R2で表される炭素数13〜30の環構造を含まない分岐状炭化水素基としては、1−メチルドデカニル基、11−メチルドデカニル基、3−エチルウンデカニル基、3−エチル−4,5,6−トリメチルオクチル基、1−メチルトリデカニル基、1−ヘキシルオクチル基、2−ブチルデカニル基、2−ヘキシルオクチル基、4−エチル−1−イソブチルオクチル基、1−メチルペンタデカニル基、2−ヘキシルデカニル基、2−オクチルデカニル基、2−ヘキシルドデカニル基、16−メチルヘプタデカニル基、9−メチルヘプタデカニル基、7−メチル−2−(3−メチルヘキシル)デカニル基、3,7,11,15−テトラ−メチルヘキサデカニル基、2−オクチルドデカニル基、2−デシルテトラデカニル基、2−ドデシルヘキサデカニル基等を例示することができる。
また、R2で表される、環構造を含まない、2つ以上の分岐を有する炭素数6〜12の炭化水素基としては2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、1,2,2−トリメチルプロピル基、1,1−ジメチルペンタニル基、1−イソプロピルブチル基、1−イソプロピル−2−メチルプロピル基、1,1−ジエチルプロピル基、1−エチル−1−イソプロピルプロピル基、2−エチル−4−メチルペンチル基、1−プロピル−2,2−ジメチルプロピル基、1,1、2−トリメチル−ペンチル基、1−イソプロピル−3−メチルブチル基、1,2−ジメチル−1−エチルブチル基、1,3−ジメチル−1−エチルブチル基、1−エチル−1−イソプロピル−プロピル基、1,1−ジメチルヘキシル基、1−メチル−1−エチルペンチル基、1−メチル−1−プロピルブチル基、1,4―ジメチルヘキシル基、1−エチル−3―メチルペンチル基、1,5―ジメチルヘキシル基、1−エチル−6−メチルヘプチル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、1,2−ジメチル−1−イソプロピルプロピル基、3−メチル−1−(2,2−ジメチルエチル)ブチル基、1−イソプロピルヘキシル基、3.5.5−トリメチルヘキシル基、2−イソプロピル−5−メチルヘキシル基、1,5−ジメチル−1−エチルヘキシル基、3,7−ジメチルオクチル基、2,4,5−トリメチルヘプチル基、2,4,6−トリメチルヘプチル基、3,5−ジメチル−1−(2,2−ジメチルエチル)ヘキシル基等を例示することができる。
(1−2)一般式(II)又は(III)で表される疎水性モノマー
前記一般式(II)及び(III)において、R3、R6は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、R4,R5、R7、R8、R9は同一でも異なっていてもよく、環構造を含まない、分岐を有する、炭素数6〜22のアシル基を表す。Xは三価のアルコールからOH基が脱離した基を表す。
ここで、R3、R6で表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基等が例示できる。本発明において、R3は水素原子又はメチル基であることが好ましい。
また、R4、R5、R7、R8、R9で表される環構造を含まない、分岐を有する炭素数6〜22のアシル基としては、2−メチルペンタノイル基、3−メチルペンタノイル基、4−メチルペンタノイル基、2−エチルブタノイル基、2−エチルブタノイル基、2,2−ジメチルブタノイル基、3,3−ジメチルブタノイル基、2−メチルヘキサノイル基、4−メチルヘキサノイル基、5−メチルヘキサノイル基、2,2−ジメチルペンタノイル基、4,4−ジメチルペンタノイル基、2−メチルヘプタノイル基、2−エチルヘキシル基、2−プロピルペンタノイル基、2,2−ジメチルヘキサノイル基、2,2,3−トリメチルペンタノイル基、2−メチルオクタノイル基、3,3,5−トリメチルヘキサノイル基、2−メチルノナノイル基、4−メチルノナノイル基、8−メチルノナノイル基、4−エチルオクタノイル基、2−エチルオクタノイル基、2−ブチルヘキサノイル基、2−tert−ブチルヘキサノイル基、2,2−ジエチルヘキサノイル基、2,2−ジメチルオクタノイル基、3,7−ジメチルオクタノイル基、ネオデカノイル基、7−メチルデカノイル基、2−メチル−2−エチルオクタノイル基、2−メチルウンデカノイル基、10−メチルウンデカノイル基、2,2ジメチルデカノイル基、2−エチルデカノイル基、2−ブチルオクタノイル基、ジエチルオクタノイル基、2−tert−ブチル−2,2,4−トリメチルペンタノイル基、10−メチルドデカノイル基、3−メチルドデカノイル基、4−メチルドデカノイル基、11−メチルドデカノイル基,10−エチルウンデカノイル基、12−メチルトリデカノイル基、2−ブチルデカノイル基、2−ヘキシルオクタノイル基、2−ブチル−2−エチルオクタノイル基、12−メチルテトラデカノイル基、14−メチルペンタデカノイル基、2−ブチルドデカノイル基、2−ヘキシルデカノイル基、16−メチルヘプタデカノイル基、2,2−ジメチルヘキサノイル基、2−ブチルヘキサデカノイル基、2−ヘキシルドデカノイル基、2,4,10,14−テトラメチルペンタノイル基、18−メチルノナデカノイル基、3,7,11,15−テトラ−メチルヘキサデカノイル基、19−メチルエイコサノイル基等を例示することができる。
また、本発明の好ましい実施の形態では、一般式(II)及び(III)において、R4,R5、R7、R8、R9は同一でも異なっていてもよく、環構造を含まない、分岐を有する、炭素数10〜22のアシル基、または、環構造を含まない、2つ以上の分岐を有する炭素数6〜9のアシル基である。
このような、好ましい実施の形態におけるR4,R5、R7、R8、R9で表される、環構造を含まない、分岐を有する炭素数10〜22のアシル基としては、2−メチルノナノイル基、4−メチルノナノイル基、8−メチルノナノイル基、4−エチルオクタノイル基、2−エチルオクタノイル基、2−ブチルヘキサノイル基、2−tert−ブチルヘキサノイル基、2,2−ジエチルヘキサノイル基)、2,2−ジメチルオクタノイル基、3,7−ジメチルオクタノイル基、ネオデカノイル基)、7−メチルデカノイル基、2−メチル−2−エチルオクタノイル基、2−メチルウンデカノイル基、10−メチルウンデカノイル基、2,2ジメチルデカノイル基、2−エチルデカノイル基、2−ブチルオクタノイル基、ジエチルオクタノイル基、2−tert−ブチル−2,2,4−トリメチルペンタノイル基、10−メチルドデカノイル基、3−メチルドデカノイル基、4−メチルドデカノイル基、11−メチルドデカノイル基,10−エチルウンデカノイル基、12−メチルトリデカノイル基、2−ブチルデカノイル基、2−ヘキシルオクタノイル基、2−ブチル−2−エチルオクタノイル基、12−メチルテトラデカノイル基、14−メチルペンタデカノイル基、2−ブチルドデカノイル基、2−ヘキシルデカノイル基、16−メチルヘプタデカノイル基、2,2−ジメチルヘキサノイル基、2−ブチルヘキサデカノイル基、2−ヘキシルドデカノイル基、2,4,10,14−テトラメチルペンタノイル基、18−メチルノナデカノイル基、3,7,11,15−テトラ−メチルヘキサデカノイル基、19−メチルエイコサノイル基等を例示することができる。
また、好ましい実施の形態におけるR4、R5、R7、R8、R9で表される、環構造を含まない、2つ以上の分岐を有する炭素数6〜9のアシル基としては、2,2−ジメチルブタノイル基、3,3−ジメチルブタノイル基、2,2−ジメチルペンタノイル基、4,4−ジメチルペンタノイル基、2,2−ジメチルヘキサノイル基、2,2,3−トリメチルペンタノイル基、3,5,5−トリメチルヘキサノイル基等を例示することができる。
一般式(II)においてXで表される、三価アルコールから誘導される基は、三価アルコールから、OH基が離脱した基であれば特に限定されないが、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンからなる群から選択される三価アルコールから、OH基が離脱した基が好適に例示できる。
また、一般式(III)においてYで表される、四価アルコールから誘導される基は、四価アルコールから、OH基が離脱した基であれば特に限定されないが、ジグリセリン、ペンタエリスリトール、エリスリトール、D−トレイトール、L−トレイトールからなる群から選択される四価アルコールから、OH基が離脱した基が好適に例示できる。
本発明においては、構成単位IIを含む水溶性コポリマーを用いることが特に好ましい。
また、本発明のより好ましい実施の形態では、一般式(II)で表される疎水性モノマーは、下記一般式(V)で表される疎水性モノマーである。
一般式(V)
(V)
(一般式(V)中R13、R14は、同一でも異なっていてもよく、環構造を含まない、分岐を有する、炭素数16〜22のアシル基を表す。Zは三価のアルコールからOH基が脱離した基を表す。)
一般式(V)のR13、R14のアシル基の炭素数は12〜22、より好ましくは14〜20、さらに好ましくは16〜20である。
また、一般式(V)のR13、R14のアシル基の主鎖の炭素数は、好ましくは9〜21、より好ましくは12〜20、さらに好ましくは16〜18である。
また、一般式(V)のR13、R14のアシル基における分岐の数は好ましくは1〜3、より好ましくは1又は2、さらに好ましくは1である。
さらに、一般式(V)のR13、R14のアシル基において、分岐鎖が結合する主鎖の炭素の位置番号は大きいほど好ましい。具体的には、分岐鎖は主鎖端部の炭素から、好ましくは1〜3個目の炭素、より好ましくは1又は2個目の炭素、さらに好ましくは1個目の炭素に結合していることが好ましい。
R13、R14として具体的には、10−メチルウンデカノイル基、10−メチルドデカノイル基、11−メチルドデカノイル基,10−エチルウンデカノイル基、12−メチルトリデカノイル基、12−メチルテトラデカノイル基、14−メチルペンタデカノイル基、16−メチルヘプタデカノイル基、2,4,10,14−テトラメチルペンタノイル基、18−メチルノナデカノイル基、3,7,11,15−テトラ−メチルヘキサデカノイル基、19−メチルエイコサノイル基等を好適に例示することができる。
一般式(V)においてZで表される、三価アルコールから誘導される基は、三価アルコールから、OH基が離脱した基であれば特に限定されないが、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンからなる群から選択される三価アルコールから、OH基が離脱した基が好適に例示できる。
(2)親水性モノマー
本発明における親水性モノマーとしては、重合性カルボン酸、並びに前記一般式(IV)、下記一般式(VI)、下記一般式(VII)及び下記一般式(VIII)で表される化合物を用いることができる。
(2−1)重合性カルボン酸
本発明において、重合性カルボン酸又はその塩としては、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸及びそのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、アミン塩等が例示できる。これらの中では、重合性が高いことから、アクリル酸、メタクリル酸及びその塩が特に好ましい。本発明の水溶性コポリマーに重合性のカルボン酸の塩から誘導される構成単位を導入する場合は重合性カルボン酸を予め塩となし、重合反応を行っても良いし、重合反応により、重合性カルボン酸から誘導される構成単位を水溶性コポリマーに誘導した後、塩基により中和して塩となしてもよい。
(2−2)一般式(IV)で表される親水性モノマー
前記一般式(IV)中、R10は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、R11は水酸基を有していてもよい炭素数2〜4のアルキレン基を表し、R12は水素原子、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基、炭素数1〜14の脂肪族炭化水素基又は炭素数1〜12のアシル基を表す。nは6〜40の整数を表す。
前記一般式(IV)においてR10で表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基が例示できる。本発明において、R10は水素原子又はメチル基であることが好ましい。
また、R11で表されるアルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、2−ヒドロキシプロピレン基、1−ヒドロキシ−2−メチルエチレン基、2−ヒドロキシ−1−メチルエチレン基などが例示できるが、これらのうち、好ましくはエチレン基又はプロピレン基であり、より好ましくはエチレン基である。
また、R12で表される基のうち、炭素数6〜10の芳香族基としては、フェニル基、ベンジル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基等が例示でき;炭素数1〜14の脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、ブチル基、ターシャリーブチル基、ヘキシル基、シクロへキシル基、オクチル基、2−エチルへキシル基、ラウリル基などが好適に例示でき;炭素数1〜12のアシル基としては、フォルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、ラウロイル基などが好適に例示できる。これらのうち、R5で表される基として好ましくは炭素数1〜14の脂肪族炭化水素基であり、より好ましくは炭素数1〜12のアルキル基である。
さらに、一般式(IV)におけるnは6〜40の数値範囲である。
前記一般式(IV)で表されるモノマーのうち、R11がプロピレン基であるモノマーとして具体的には、ポリプロピレングリコール(9)モノアクリレート、ポリプロピレングリコール(13)モノアクリレート、ポリプロピレングリコール(9)モノメタクリレート、ポリプロピレングリコール(13)モノメタクリレート等が挙げられる。なお、括弧内の数字はNを表す。これらのポリマーの多くは市販品として入手可能である。これら市販品としては、具体的には、商品名「ブレンマー」AP−400、AP−550、AP−800、PP−500、PP−800(いずれも日本油脂(株)製)等が例示できる。
前記一般式(IV)で表されるモノマーのうち、R11がエチレン基であるモノマーとして具体的には、ポリエチレングリコール(10)モノアクリレート、ポリエチレングリコール(8)モノメタクリレート、ポリエチレングリコール(23)モノアクリレート、ポリエチレングリコール(23)モノメタクリレート、メトキシポリエチレングリコール(9)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(9)メタクリレート、メトキシポリエチレングリコール(23)メタクリレート、オレイロキシポリエチレングリコール(18)メタクリレート、ラウロキシポリエチレングリコール(18)アクリレート、ラウロイロキシポリエチレングリコール(10)メタクリレート、ステアロキシポリエチレングリコール(30)モノメタクリレート等が挙げられる。
上述の親水性モノマーは、対応するポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールモノエーテル、ポリエチレングリコールモノエステルとアクリル酸又はメタクリル酸のクロライド又は無水物とのエステル化反応により高収率で得ることができる。また、既に市販品も多数存在するので、かかる市販品を利用することも可能である。このような市販品としては、具体的に、商品名ブレンマー、AE−400、PE−350、AME−400、PME−400、PME−1000、ALE−800、PSE−1300等(いずれも日本油脂(株)製)等が例示できる。
(2−3)一般式(VI)で表される親水性モノマー
本発明における親水性モノマーとして、下記一般式(VI)で表される親水性モノマーを用いても良い。
(一般式VI)

(VI)
(一般式(VI)中R15は水素原子またはメチル基をあらわす。)
前記一般式(VI)で表される親水性モノマーとして具体的には、2−アクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(APC)、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)が挙げられる。これらのモノマーは、例えば、Polymer Journal, Vol22, No.5 記載の以下の方法により、合成が可能である。
<合成法>
2−ブロモエチルホスホリルジクロリドと2−ヒドロキシエチルメタクリレート又は2−ヒドロキシエチルアクリレートとを反応させ、2−メタクリロイルオキシエチル−2´−ブロモエチルリン酸又は2−アクリロイルオキシエチル−2´−ブロモエチルリン酸を得た後、これら化合物とトリエチルアミンをメタノール中で反応させる。
(2−4)一般式(VII)で表される親水性モノマー
本発明における親水性モノマーとして、下記一般式(VII)で表される親水性モノマーを用いても良い。
一般式(VII)
(VII)
(一般式(VII)中R16は水素原子またはメチル基を、G−O−は還元糖の1位の水酸基より水素を除いた基を表す。mは2又は3を、lは1〜5の整数を表す。)
一般式(VII)で表される親水性モノマーにおいて、G−O−で表される還元糖の1位の水酸基より水素を除いた基の還元糖としては、具体的には、グルコース、マンノース、ガラクトース、アラビノース、キシロース、リボースなどの単糖、マルトース、ラクトース、セロビオース等の2糖、マルトトリオース等の3糖、マルトオリゴ糖等のオリゴ糖からなる群から選択される一種または二種以上が例示されるが、中でも、グルコース、ガラクトース、アラビノース、キシロース、リボース、マルトース、ラクトースセロビオースからなる群から選択される一種または二種以上が好ましく、グルコースが特に好ましい。また、一般式(VII)で表されるモノマーとしては、グルコシルオキシエチルメタクリレート(以下GEMAと省略する。)またはグルコシルオキシエチルアクリレート(以下GEAと省略する。)が好ましい。
(2−5)一般式(VIII)で表される親水性モノマー
本発明における親水性モノマーとして、下記一般式(VIII)で表される親水性モノマーを用いても良い。
一般式(VIII)
(VIII)
(一般式(VIII)中R17は水素原子またはメチル基を、R18はアミノ酸残基、ポリアミン残基又はアミノアルコール残基を表す。Qは酸素原子又はNHで表される基を表す。)
一般式(VIII)のモノマーにおいて、R18で表されるアミノ酸残基のアミノ酸としては、通常知られているアミノ酸であれば、特に限定されず、具体的には、グリシン、アラニン、グルタミン、リジン、アルギニン等が例示される。これらのうちでは、得られる水溶性コポリマーが、皮膚バリアーの回復効果に優れるので、リジン残基が特に好ましい。
また、R18で表されるポリアミン残基におけるポリアミンとは、同一分子内にアルキル基で置換されていても良いアミノ基を2個以上有するアミンを意味し、具体的には、ジアミン、トリアミン、テトラアミン又はこれらのアミノ基の水素原子がアルキル基で置換されているアミンが例示される。これらのうちでは、得られる水溶性コポリマーを含有する皮膚外用剤の使用感が特に優れることから、ジアミンが好ましく、特に好ましい具体例として、合成する際の原料の入手の容易さから、エチレンジアミン、1,4−ジアミノ−n−ブタン、1,6−ジアミノ−n−ヘキサン等が挙げられる。
さらに、R18で表されるアミノアルコール残基におけるアミノアルコールとは、同一分子内にアルキル基で置換されていても良いアミノ基及びアルコール性の水酸基を有する化合物を意味する。アミノアルコールとしては、通常知られているものであれば、特に限定はされないが、具体例としては、エタノールアミン、トリエチルアミノエタノール等が例示される。
一般式(VIII)で表されるモノマーの塩としては、特に限定はされないが、具体的には、酸部分を塩基で中和した、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、アミン塩等、また、アミノ基部分を酸で中和した、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、クエン酸塩、蓚酸塩、炭酸塩等が例示できる。本発明の水溶性コポリマーに一般式(VIII)で表されるモノマーの塩から誘導される構成単位を導入する場合は一般式(VIII)で表されるモノマーを予め塩となし、重合反応を行っても良いし、重合反応により、一般式(VIII)で表されるモノマーから誘導される構成単位を水溶性コポリマーに誘導した後、中和して塩となしてもよい。
一般式(VIII)で表されるモノマー、その塩の具体例としては、以下の構造を有する化合物、その塩が好適に例示できる。
一般式(VIII)で表される親水性モノマーは、例えば、下記に示すように(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸クロライドを用いたエステル化反応、アミド化反応により合成可能である。
(反応式中R17は水素原子またはメチル基を、R18はアミノ酸残基、ポリアミン残基又はアミノアルコール残基を表す。Qは酸素原子又はNHで表される基を表す。)
上述の通り、本発明において親水性ポリマーとしては、前記一般式(IV)、前記一般式(VI)、前記一般式(VII)、及び前記一般式(VIII)を用いることができる。
本発明の好ましい実施の形態では、水溶性コポリマーは前記一般式(IV)から誘導される構成単位IVを含む。
(3)水溶性コポリマー
本発明においては、構成単位IIと構成単位IVを有する水溶性コポリマーを好ましく用いることができる。また、より好ましくは構成単位Vと構成単位IVを有する水溶性コポリマーを用いる。
このような水溶性コポリマーのうち、特に好ましくは(メタクリル酸メトキシPEG−23/ジイソステアリン酸メタクリル酸グリセリル)コポリマーを用いる。
このような水溶性コポリマーを含有することにより、使用後のつっぱり感のより少ない皮膚洗浄料を提供することができる。
(メタクリル酸メトキシPEG−23/ジイソステアリン酸メタクリル酸グリセリル)コポリマーは、構成単位(a)として、前記一般式(V)で表される疎水性モノマーのうち、R13、R14が16−メチルヘプタデカノイル基である疎水性モノマーから誘導される構成単位(a)を主として含む。
また、構成単位(b)として、前記一般式(IV)で表される親水性モノマーのうち、R10がメチル基、R11がエチレン基、R12がメチル基、nが23である親水性モノマーから誘導される構成単位(b)を主として含む。
本発明においては、水溶性コポリマーにおける、構成単位(a)の全構成単位に占める割合は、好ましくは1〜60質量%、より好ましくは10〜50質量%、20〜40質量%である。
水溶性コポリマーにおける、構成単位(a)が占める割合を前記範囲とすることによって、使用後のつっぱり感がより低減された皮膚洗浄料を提供することができる。
本発明においては、水溶性コポリマーにおける、構成単位(b)の全構成単位に占める割合は、好ましくは40〜99質量%、より好ましくは50〜90質量%、60〜80質量%である。
水溶性コポリマーにおける、構成単位(b)が占める割合を前記範囲とすることによって、使用後のつっぱり感がより低減された皮膚洗浄料を提供することができる。
本発明においては、水溶性コポリマーを構成する、構成単位(a)と構成単位(b)の質量比は、好ましくは1:99〜60:40、より好ましくは10:90〜50:50、さらに好ましくは20:80〜40:60である。
また、水溶性コポリマーを構成する、構成単位(a)と構成単位(b)のモル比は、好ましくは1:99〜71:29、より好ましくは15:85〜62:38、さらに好ましくは29:71〜52:48、さらに好ましくは35:65〜45:55である。
水溶性コポリマーにおける構成単位(a)及び構成単位(b)の質量比及びモル比を前記範囲とすることによって、つっぱり感の低減効果により優れた水溶性コポリマーとすることができる。
本発明においては、水溶性コポリマーの平均分子量は、好ましくは20000〜110000、より好ましくは20000〜80000、より好ましくは30000〜80000、より好ましくは40000〜70000、さらに好ましくは50000〜70000、さらに好ましくは57000〜66000である。
なお、ここで平均分子量とは、GPCにより測定したポリスチレン換算の重量平均分子量のことをいう。
<2>皮膚洗浄料
(1)剤型
皮膚洗浄料とは洗浄成分を含む組成物のことをいい、皮脂などの皮膚の汚れを落とすことを目的に使用される。このように、皮膚洗浄料は皮膚に存在する皮脂を落とす作用があるため、使用後に肌につっぱり感を生じさせるという問題点を有している。
本発明の皮膚洗浄料は、上述の水溶性コポリマーを含むことを特徴とする。本発明によれば、皮膚洗浄料が本来有する洗浄力を阻害せずに、または、向上させながら、使用後の肌のつっぱり感を低減させることができる。
本発明の皮膚洗浄料の剤形としては、通常皮膚洗浄料に使用されている剤形であれば、特段の限定無く適用することができる。通常の皮膚洗浄料には、固形状、パウダー状、クリーム状、液状、ジェル状の皮膚洗浄料等が存するが、本発明はいずれの剤形にも適用することができる。
剤形がクリーム状、液状、ジェル状等の液体である皮膚洗浄料における上述の水溶性コポリマーの含有量は、好ましくは0.1〜20質量%、より好ましくは0.5〜10質量%、さらに好ましくは1〜3質量%である。
上述の水溶性コポリマーの含有量を前記範囲とすることによって、皮膚洗浄料が本来持つ洗浄力を阻害することなく、使用後の肌のつっぱり感をより低減することができる。
皮膚洗浄料は、泡立てて使用するタイプのものと、泡立てないで使用するタイプものとに分けることができる。本発明はどちらのタイプの皮膚洗浄料に適用したとしても、皮膚洗浄料が本来持つ洗浄力を阻害することなく、使用後の肌のつっぱり感を低減することができる。
泡立てて使用するタイプの皮膚洗浄料において、上述の水溶性コポリマーの含有量は、泡立ちの良さを向上させる観点から、0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは0.8質量%以上、さらに好ましくは1質量%以上である。
また、使用後の肌のぬめり感の低減の観点からは、上述の水溶性コポリマーの含有量は、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは3質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下である。
泡立てて使用するタイプの皮膚洗浄料としては、クリーム状の皮膚洗浄料が好ましく挙げられる。
泡立てないで使用するタイプの皮膚洗浄料においては、上述の水溶性コポリマーの含有量は、肌へののばしやすさを向上させる観点から、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.5〜5質量%、さらに好ましくは0.6〜3質量%、さらに好ましくは0.7〜2質量%である。
泡立てないで使用するタイプの皮膚洗浄料としては、ジェル状の皮膚洗浄料が好ましく挙げられる。
(2)界面活性剤を含む皮膚洗浄料
洗浄成分として界面活性剤を含む皮膚洗浄料は強い洗浄力を有する反面、使用後の肌のつっぱり感が強いという問題がある。そのため、界面活性剤を含む皮膚洗浄料に本発明を適用することが好ましい。
本発明の皮膚洗浄料に含有することができる界面活性剤としては、通常皮膚洗浄料に用いられているものであれば特に限定はされず、イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤の何れであっても用いることができる。
イオン性界面活性剤としては、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤の何れであっても用いることができる。
陰イオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪酸ナトリウム、脂肪酸カリウム、脂肪酸トリエタノールアミン等の脂肪酸石鹸、ポリオキシエチレン基を有していても良い、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミンなどの、ポリオキシエチレン基を有していても良いアルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレン基を有していても良い、ラウリルリン酸ナトリウム、ラウリルリンカリウム、ラウリルリントリエタノールアミンなどの、ポリオキシエチレン基を有していても良いアルキルリンエステル塩、スルホコハク酸アルキルエステル塩などが好ましく例示できる。
陰イオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、塩化ジステアリルジメチルアンモニウムジアルキルジメチルアンモニウム塩、塩化ポリ(N,N’−ジメチル−3,5−メチレンピペリジニウム)、アルキル四級アンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、ジアルキルモリホニウム塩、POE−アルキルアミン、アルキルアミン塩、ポリアミン脂肪酸誘導体、アミルアルコール脂肪酸誘導体、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等を好ましく例示できる。
両性界面活性剤としては、両性界面活性剤としては、イミダゾリン系両性界面活性剤、ベタイン系界面活性剤等が挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラノリン・ラノリンアルコール・ミツロウ誘導体、ポリオキシエチレンヒマシ油・硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンステロール・水素添加ステロール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステル、ポリオキシエチレントリメチロールプロパン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体、有機変性シリコーン等を好ましく例示することができる。
これら界面活性剤の含有量は特に限定されず、界面活性剤の種類によって適宜設定することができる。
以下、脂肪酸石鹸を含む形態、非イオン性界面活性剤を含む形態及びジェル状の形態の皮膚洗浄料について、より具体的に説明する。
(2−1)脂肪酸石鹸を含む皮膚洗浄料
本発明は脂肪酸石鹸を含む皮膚洗浄料に適用することで、かかる皮膚洗浄料の有する良質な泡立ち、クリーミーな泡質を損なうことなく、使用後の肌のつっぱり感を低減することができる。
脂肪酸石鹸を含む皮膚洗浄料の形態は、固形状、液状、クリーム状の何れでもよいが、液状又はクリーム状の形態とすることが好ましい。特に、泡立てて使用するクリーム状の皮膚洗浄料の形態とすることが好ましい。
脂肪酸石鹸を構成する脂肪酸としては、皮膚洗浄料に適用することができるものであれば特に限定されず、飽和若しくは不飽和のいずれであってもよく、炭素数8〜24、特に10〜22のものが好ましい。好ましいものの具体例としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、ヒドロキシステアリン酸、ヒドロキシデセン酸、ヤシ油脂肪酸、還元ヤシ油脂肪酸、牛脂脂肪酸、還元牛脂脂肪酸、パーム核脂肪酸などが挙げられる。これらの脂肪酸の中でも、泡立ち、安全性、安定性の面から、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸から選択される1種又は2種以上を含有することが好ましく、特にミリスチン酸とパルミチン酸とステアリン酸の3種を用いることが好ましい。これらの高級脂肪酸と塩を形成するアルカリ剤としては、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、2−アミノ−2−メチルプロパノール、2−アミノ−2−メチルプロパンジオールなどのアルカノールアミン塩、リジン、アルギニンなどの塩基性アミノ酸塩等が挙げられる。
皮膚洗浄料に含まれる脂肪酸の含有量は特に制限されない。クリーム状の皮膚洗浄料とする場合には、脂肪酸の含有量は、好ましくは10〜70質量%、より好ましくは20〜60質量%、さらに好ましくは30〜50質量%とすることができる。
皮膚洗浄料の使用後のつっぱり感を低減する観点から、上述の水溶性コポリマーと脂肪酸の含有質量の比は、好ましくは1:500〜1:2、より好ましくは1:200〜1:3、さらに好ましくは1:100〜1:5である。
また、泡立ちの良さを向上させる観点から、上述の水溶性コポリマーと脂肪酸の含有質量の比は、好ましくは1:200〜1:2、より好ましくは1:100〜1:5、さらに好ましくは1:50〜1:10とする。
また、使用後の肌のぬめり感の低減の観点からは、上述の水溶性コポリマーと脂肪酸の含有質量の比は、好ましくは1:500〜1:10、より好ましくは1:200〜1:20、さらに好ましくは1:100〜1:50とする。
(2−2)非イオン性界面活性剤を含む皮膚洗浄料
本発明は、非イオン性界面活性剤を含む皮膚洗浄料に適用する場合であっても使用後の肌のつっぱり感を効果的に低減することができる。非イオン性界面活性剤としては、上述のものを制限なく用いることができる。
非イオン性界面活性剤を含む形態においては、使用後のつっぱり感を低減する観点から、上述の水溶性コポリマーの含有量は、好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは1質量%以上である。
また、洗浄力を向上させる観点からは、上述の水溶性コポリマーの含有量は、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは2質量%以上、さらに好ましくは3質量%以上である。
皮膚洗浄料の使用後のつっぱり感を低減する観点から、上述の水溶性コポリマーと非イオン性界面活性剤の含有質量の比は、好ましくは1:20〜1:0.5、より好ましくは1:10〜1:0.7、さらに好ましくは1:5〜1:1とする。
また、洗浄力を向上させる観点からは、上述の水溶性コポリマーと非イオン性界面活性剤の含有質量の比は、好ましくは1:10〜1:0.5、より好ましくは1:5〜1:0.5、より好ましくは1:3〜1:0.6、さらに好ましくは1:1.5〜1:0.7とする。
また、非イオン性界面活性剤を含むジェル状の皮膚洗浄料とする場合には、使用時における肌へののばしやすさを向上させる観点から、上述の水溶性コポリマーと非イオン性界面活性剤の含有質量の比は、好ましくは1:15〜1:0.7、より好ましくは1:10〜1:1、さらに好ましくは1:7〜1:3とする。
(3)その他
本発明の皮膚洗浄料においては、上述の成分以外に、通常皮膚外用剤で使用される任意成分を含有することが出来る。この様な任意成分としては、例えば、マカデミアナッツ油、アボガド油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、ホホバ油、ヤシ油、パーム油、液状ラノリン、硬化ヤシ油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、イボタロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、ホホバロウ等のオイル、ワックス類;流動パラフィン、スクワラン、プリスタン、オゾケライト、パラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類;オレイン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸等の高級脂肪酸類;セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール等の高級アルコール等;イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタンエリトリット等の合成エステル油類;ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン;オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン等の環状ポリシロキサン;アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等の変性ポリシロキサン等のシリコーン油等の油剤類;ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、イソプレングリコール、1,2−ペンタンジオール、2,4−ヘキサンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール等の多価アルコール類;ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム等の保湿成分類;表面を処理されていても良い、マイカ、タルク、カオリン、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸(シリカ)、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の粉体類、;表面を処理されていても良い、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛の無機顔料類;表面を処理されていても良い、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等のパール剤類;レーキ化されていても良い赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等の有機色素類;ポリメタクリル酸メチル、ナイロン粉末、オルガノポリシロキサンエラストマー等の有機粉体類;パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤;アントラニル酸系紫外線吸収剤;サリチル酸系紫外線吸収剤、;桂皮酸系紫外線吸収剤、;ベンゾフェノン系紫外線吸収剤;糖系紫外線吸収剤;2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤類;エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類;ビタミンA又はその誘導体、ビタミンB6塩酸塩、ビタミンB6トリパルミテート、ビタミンB6ジオクタノエート、ビタミンB2又はその誘導体、ビタミンB12、ビタミンB15又はその誘導体等のビタミンB類;α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、ビタミンEアセテート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン、ピロロキノリンキノン等のビタミン類等;フェノキシエタノール等の抗菌剤などが好ましく例示できる。
本発明の皮膚洗浄料は上記各成分を常法に従って処理することによって製造することができる。
本発明は洗顔料に適用することが好ましい。本発明によれば、洗顔後に肌のつっぱり感を感じにくい洗顔料を提供することができる。
<製造例1>
以下に示す処方に従って、実施例1〜3及び比較例1、2の洗顔料を製造した。即ち、イ、ロの成分をそれぞれ80℃に加温し、攪拌下イにロを加え攪拌し、冷却することで洗顔料を得た。
なお、水溶性コポリマーとしては、疎水性モノマーであるグリセリルジイソステアレートメタクリレートと、親水性モノマーであるメタクリル酸メトキシPEG−23を、およそ3:7のモル比で共重合させた、平均分子量61000の(グリセリルジイソステアレートメタクリレート/メタクリル酸メトキシPEG−23)コポリマーを用いた。
<試験例1>
熟練した評価者に、実施例1〜3及び比較例1、2の洗顔料を用いて洗顔をさせ、使用時における泡立ち及びその泡質と、洗顔後の肌のつっぱり感の無さ及びぬめり感の無さを以下の評価基準によって評価させた。結果を表1に示す。
・泡立ち
◎・・・非常によく泡立つ
○・・・よく泡立つ
△・・・泡立ちが弱い
×・・・泡立たない

・泡質
◎・・・非常にクリーミーな泡質である
○・・・クリーミーな泡質である
△・・・あまりクリーミーではない
×・・・クリーミーではない

・つっぱり感の無さ
◎・・・つっぱり感が無い
○・・・つっぱり感がほとんどない
△・・・つっぱり感がある
×・・・強いつっぱり感がある

・ぬめり感の無さ
◎・・・ぬめり感が無い
○・・・ぬめり感がほとんど無い
△・・・ぬめり感がある
×・・・強いぬめり感がある
表1に示す通り、比較例1の洗顔料は洗顔後に肌に強いつっぱり感がある一方、実施例1〜3の洗顔料は洗顔後につっぱり感がほとんどなかった。
この結果は、(グリセリルジイソステアレートメタクリレート/メタクリル酸メトキシPEG−23)コポリマーによって、脂肪酸石鹸に起因する肌のつっぱり感が低減されたことを示している。
また、(グリセリルジイソステアレートメタクリレート/メタクリル酸メトキシPEG−23)コポリマーに代えて、水溶性高分子であるカルボキシメチルセルロースを含む比較例2の洗顔料においては、脂肪酸石鹸の利点である良好な泡立ちが見られなかった。一方、実施例1〜3の洗顔料は良好な泡立ちを示した。
この結果は、(グリセリルジイソステアレートメタクリレート/メタクリル酸メトキシPEG−23)コポリマーによれば、脂肪酸石鹸の良好な泡立ちを阻害することなく、使用後の肌のつっぱり感を低減することができることを示している。
また、表1に示すように、実施例2及び3の洗顔料は、比較例1の洗顔料よりも優れた泡立ちを示した。
この結果は、(グリセリルジイソステアレートメタクリレート/メタクリル酸メトキシPEG−23)コポリマーの含有量を0.8質量%以上とすることによって、脂肪酸石鹸の泡立ちを向上させることができることを示している。
また、表1に示すように、比較例2の洗顔料は洗顔後に肌に強いぬめり感があった。一方、実施例1〜3の洗顔料は洗顔後にぬめり感がほとんど無かった。
この結果は、(グリセリルジイソステアレートメタクリレート/メタクリル酸メトキシPEG−23)コポリマーによれば、ぬめり感を生じることなく、皮膚洗浄料の使用後の肌のつっぱり感を低減することができることを示している。
また、表1に示すように、実施例1及び2の洗顔料は、実施例3の洗顔料よりもぬめり感の無さに優れている。
この結果は、(グリセリルジイソステアレートメタクリレート/メタクリル酸メトキシPEG−23)コポリマーの含有量を3質量%以下とすることによって、ぬめり感を生じることなく、皮膚洗浄料の使用後の肌のつっぱり感を低減することができることを示している。
<製造例2>
表2に示す成分を撹拌混合することによって、実施例4〜7及び比較例3〜5のジェル洗顔料を得た。
<試験例2>
試験例1と同じく、熟練した評価者に、ジェル洗顔料を用いて洗顔をさせ、洗浄力、使用時における肌へののばしやすさ、洗顔後の肌のつっぱり感の無さを以下の評価基準によって評価させた(つっぱり感の無さの評価基準は試験例1と同じ)。結果を表2に示す。
・洗浄力
◎・・・洗浄力が非常に強い
○・・・洗浄力が強い
△・・・洗浄力が弱い
×・・・洗浄力が非常に弱い

・肌へののばしやすさ
◎・・・非常にのばしやすい
○・・・のばしやすい
△・・・のばしにくい
×・・・非常にのばしにくい
表2に示すように、比較例3及び4のジェル洗顔料は洗顔後に肌に強いつっぱり感がある一方、実施例4〜7の洗顔料は洗顔後につっぱり感がほとんどなかった。
この結果は、(グリセリルジイソステアレートメタクリレート/メタクリル酸メトキシPEG−23)コポリマーによって、非イオン性界面活性剤に起因する肌のつっぱり感が低減されたことを示している。
また、表2に示す通り、実施例5及び6のジェル洗顔料は、実施例4のジェル洗顔料と比較して、使用後の肌のつっぱり感の低減効果に優れている。
この結果は、(グリセリルジイソステアレートメタクリレート/メタクリル酸メトキシPEG−23)コポリマーの含有量を0.7質量%以上とすることによって、より効果的に使用後の肌のつっぱり感を低減することができることを示している。
また、表2に示す通り、実施例4〜7のジェル洗顔料は、比較例3〜5のジェル洗顔料と比較して洗浄力に優れる。
この結果は、(グリセリルジイソステアレートメタクリレート/メタクリル酸メトキシPEG−23)コポリマーによれば、非イオン性界面活性剤を含む皮膚洗浄料の洗浄力を向上させることができることを示している。
さらに、実施例6のジェル洗顔料は、実施例4及び5のジェル洗顔料と比較して洗浄力に優れる。
この結果は(グリセリルジイソステアレートメタクリレート/メタクリル酸メトキシPEG−23)コポリマーの含有量を2質量%以上とすることによって、非イオン性界面活性剤を含む皮膚洗浄料の洗浄力を向上させることができることを示している。
また、表2に示す通り、実施例5のジェル洗顔料は、実施例4及び6のジェル洗顔料と比較して肌へののばしやすさに優れている。
この結果は、(グリセリルジイソステアレートメタクリレート/メタクリル酸メトキシPEG−23)コポリマーの含有量を0.6〜3質量%とすることによって、ジェル洗顔料の使用時における肌へののばしやすさを向上させることができることを示している。
また、実施例2のジェル洗顔料と実施例4のジェル洗顔料は、非イオン性界面活性剤の含有量は等しいが、その種類が異なる。しかし、表2に示す通り、これら2種類のジェル洗顔料は、洗浄力、肌へののばしやすさ、つっぱり感の無さにおいて、同等の効果を示した。
この結果は、(グリセリルジイソステアレートメタクリレート/メタクリル酸メトキシPEG−23)コポリマーを皮膚洗浄料に含有させることによる有利な効果は、皮膚洗浄料に含まれる界面活性剤の種類に左右されないことを示している。
試験例1及び2の結果は、本発明によれば皮膚洗浄料の使用後の肌のつっぱり感を低減することができることを示している。
また、本発明によれば、良質な泡立ち、クリーミーな泡質、洗浄力、また、肌へののばしやすさ等、皮膚洗浄料が本来有する有利な効果を損なわず、または、向上させながら使用後の肌のつっぱり感を低減することができることを示している。
本発明は洗顔料に応用することができる。

Claims (9)

  1. 下記一般式(II)で表される疎水性モノマーから誘導される1種又は2種以上の構成単位(a)と、下記一般式(IV)で表される親水性モノマーから誘導される1種又は2種以上の構成単位(b)を必須構成単位として有する水溶性コポリマーを含む皮膚洗浄料。

    一般式(II)
    (II)
    (一般式(II)中R3は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、R4,R5は同一でも異なっていてもよく、環構造を含まない、分岐を有する、炭素数6〜22のアシル基を表す。Xは三価のアルコールからOH基が脱離した基を表す。)

    一般式(IV)
    (IV)
    (一般式(IV)中R10は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、R11は水酸基を有していてもよい炭素数2〜4のアルキレン基を表し、R12は水素原子、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基、炭素数1〜14の脂肪族炭化水素基又は炭素数1〜12のアシル基を表す。nは6〜40の整数を表す。)
  2. 前記水溶性コポリマーが、(グリセリルジイソステアレートメタクリレート/メタクリル酸メトキシPEG−23)コポリマーであることを特徴とする、請求項1に記載の皮膚洗浄料。
  3. さらに、脂肪酸を含み、前記水溶性コポリマーと脂肪酸との含有質量比が、1:80〜1:40であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の皮膚洗浄料。
  4. 前記水溶性コポリマーの含有量が0.1〜20質量%であることを特徴とする、請求項1〜3の何れか一項に記載の皮膚洗浄料。
  5. 泡立て洗浄料であることを特徴とする、請求項1〜4の何れか一項に記載の皮膚洗浄料。
  6. ジェル状であることを特徴とする、請求項1〜4の何れか一項に記載の皮膚洗浄料。
  7. 界面活性剤を含むことを特徴とする、請求項1〜6の何れか一項に記載の皮膚洗浄料。
  8. 前記界面活性剤として非イオン性界面活性剤を含むことを特徴とする、請求項7に記載の皮膚洗浄料。
  9. 前記水溶性コポリマーと前記非イオン性界面活性剤の含有質量の比が、1:20〜1:0.5であることを特徴とする、請求項8に記載の皮膚洗浄料
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