本発明の実施形態の一例である縫製システム1を説明する。以下の説明では図中に矢印で示す上下、左右、前後を使用する。縫製システム1は、ループ片7(図20参照)の長さ方向両端部を夫々布9に縫製する。ループ片7を縫製した布9は、一例として靴の舌革に適用できる。靴の着用者はループ片7と布9の間に靴紐を挿通できる。
図1に示す如く、縫製システム1はループ片供給装置2、ミシン3、ループ片挟持機構200(図11参照)を備える。ループ片供給装置2は、連続帯状部材8(図14参照)からループ片7を作成し、且つループ片7をミシン3に供給する。ループ片挟持機構200は、ループ片供給装置2が供給したループ片7を上下方向から挟持する。ミシン3は、送り板302(図9参照)に載置した布9に、ループ片挟持機構200が挟持したループ片7を縫製する。
ループ片供給装置2は作業台5、第一装置10、第二装置40を備える。作業台5は、ミシン3右方で前後方向に延びる略矩形の板状部材であり、第一装置10、第二装置40を支持する。第一装置10は連続帯状部材8から所定長さのループ片7を作成する。第二装置40はループ片7をミシン3に供給する。
第一装置10は作業台5後端部に設ける。図2、図3に示す如く、第一装置10は、操出部(図示略)、保持部材16、掴み部17、載置部材11、切断部18、押圧部材12、移動部材38、駆動部21〜25等を備える。駆動部21〜25は夫々エアシリンダである。
操出部は作業台5後端部の右方に設ける。操出部は連続帯状部材8を巻回して保持する。操出部から左方に繰り出す連続帯状部材8は、左右方向に延びる。保持部材16は操出部の左方に設ける。保持部材16は、平面視で左右方向に延びる略矩形状であり、操出部から繰出した連続帯状部材8を下側から保持する。
掴み部17は保持部材16左方に設ける。掴み部17は、掴み位置(図14(a)参照)と退出位置(図3参照)の間で左右方向に移動可能である。掴み位置は、掴み部17の可動範囲の右端である。退出位置は、掴み部17の可動範囲の左端である。掴み位置にある掴み部17は、保持部材16左端部に近接する。退出位置にある掴み部17は、保持部材16から左方に離隔する。掴み部17は、駆動部21から動力を得ることで、左右方向に移動する。駆動部21は、保持部材16下方で固定する。
掴み部17は上掴み部材33と下掴み部材34を備える。上掴み部材33は、下掴み部材34に対して上方から対向し、且つ上下方向に移動可能である。上掴み部材33は、駆動部22に連結する。駆動部22は、上掴み部材33を上下方向に移動するエアシリンダである。駆動部22が駆動することで、掴み部17は掴み状態(図14(b)参照)と解放状態(図3参照)に切り替わる。掴み部17が掴み状態にある時、上掴み部材33は可動範囲の下端に位置する。掴み部17が解放状態にある時、上掴み部材33は可動範囲の上端に位置する。掴み状態にある掴み部17は、上掴み部材33と下掴み部材34の間で連続帯状部材8を挟んで掴む。解放状態にある掴み部17は、上掴み部材33と下掴み部材34の間にある連続帯状部材8を解放する。
掴み位置にある掴み部17は、解放状態から掴み状態に切り替わることで、保持部材16が保持する連続帯状部材8左端部を掴む。掴み部17が掴み位置から退出位置に移動することで、連続帯状部材8は左方に移動する。以下、保持部材16よりも左方に移動する連続帯状部材8の移動経路を、移動経路6と称す。
載置部材11は、平面視略矩形の板状部材であり、移動経路6の左右方向略中央の位置に設ける。載置部材11は、掴み部17の左右方向の移動領域よりも下方にある。載置部材11は、移動経路6に沿って移動する連続帯状部材8を下側から支持する。
切断部18は、左右方向において載置部材11と保持部材16の間に設ける。切断部18は、連続帯状部材8を上下方向から挟んで切断する。図3、図4に示す如く、切断部18は受台20と可動部材19を備える。受台20と可動部材19は移動経路6を間にして上下方向に対向する。受台20は略直方体状であり、移動経路6の下方で上下方向に移動可能に設ける。受台20は上面に前後方向に延びる溝部31を有する。受台20は駆動部23に連結する。駆動部23は受台20下方に設ける。受台20は駆動部23の動力を得ることで、上下方向に移動する。受台20は、移動経路6に対して下方から近接する位置(図14(d)参照)と、掴み部17の移動領域よりも下方に離隔する位置(図3参照)の間を上下方向に移動する。可動部材19は、略直方体状であり、移動経路6の上方で上下方向に移動可能に設ける。可動部材19は下面に発熱体32を有する。可動部材19は、駆動部24に連結する。駆動部24は可動部材19上方に設ける。可動部材19は、駆動部24から動力を得ることで、上下方向に移動する。可動部材19は、発熱体32が移動経路6下方にある位置(図14(d)参照)と、発熱体32が掴み部17の移動領域よりも上方にある位置(図3参照)の間を移動する。
駆動部23、24が駆動することで、切断部18は切断状態(図14(d)参照)と切断待機状態(図3参照)に切り替わる。切断部18が切断状態にある時、受台20は可動範囲の上端に位置し、可動部材19は可動範囲の下端に位置する。該時、発熱体32は受台20の溝部31に進入し、受台20と可動部材19は連続帯状部材8を上下方向から挟み込む。切断部18が切断待機状態にある時、受台20は可動範囲の下端に位置し、可動部材19は可動範囲の上端に位置する。
図3、図5に示す如く、押圧部材12は、平面視で略矩形状の板部材であり、載置部材11に対して移動経路6を間にして上方から対向する。押圧部材12の左右方向長さは、載置部材11の左右方向長さと略同じである。押圧部材12は腕39を介して軸部108に連結する。軸部108は押圧部材12後方に設け、左右方向に沿う。腕39は駆動部25に連結する。駆動部25は軸部108上方に設ける。押圧部材12は、腕39を介して駆動部25から動力を得ることで、軸部108を中心に回動する。可動範囲の下端にある押圧部材12は、載置部材11との間で連続帯状部材8を挟む(図14(c)参照)。可動範囲の上端にある押圧部材12は、掴み部17の移動領域の上方にある(図3参照)。
移動部材38は前後方向に延びる円柱状であり、左右方向において載置部材11と切断部18の間に設ける。移動部材38は上下駆動部(図示外)に連結する。上下駆動部はエアシリンダである。移動部材38は上下駆動部から動力を得ることで、上下方向に移動する。可動範囲下端にある移動部材38は、載置部材11右端部の右下方にある(図3参照)。可動範囲上端にある移動部材38は、載置部材11右端部に近接する(図14(e)参照)。
図6、図7に示す如く、第二装置40は軸53、回転部51、第一挟持機構150、第二挟持機構170、駆動部61〜64等を備える。駆動部61〜64は夫々エアシリンダである。図6では、第二挟持機構170の図示を省略する。
軸53は作業台5前端部から上方に延びる。軸53下端部は螺子57で作業台5に固定する。回転部51は平面視略矩形状の箱状であり、軸53にて回動可能に支持する。回転部51は駆動部61に連結する。駆動部61は軸53右後方で作業台5に固定する。回転部51は、駆動部61から動力を得ることで、軸53を中心に受取位置(図13、図16等参照)と供給位置(図1、図18参照)の間で回転する。受取位置は、回転部51が前後方向に延びる時の回転部51の回転位置である。供給位置は、回転部51が左右方向に延びる時の回転部51の回転位置である。回転部51は、受取位置から供給位置に回転するとき、平面視で反時計回りに略90°回転する。
回転部51は、支持軸52、支持台56、一対の案内部55、移動体121、レール部材122、可動部材125、移動台127、レール部材171、移動部材172等を備える。以下、回転部51の延設方向の一方向を第一方向と称し、第一方向とは反対方向を第二方向と称し、第一方向と第二方向を総称するとき単に延設方向と称す。第一方向は、図1、図6、図16等で示す矢印A1が向く方向である。第二方向は、図1、図6、図16等で示す矢印A2が向く方向である。延設方向は水平方向と平行である。図6では、レール部材171、移動部材172の図示を省略する。
支持軸52は、軸53右上方で、水平方向と平行且つ延設方向と直交して延びる。支持軸52は、軸53の第二方向側且つ上側にて設ける。支持台56は平面視略矩形状の板状であり、回転部51上部に設ける。支持台56は支持軸52を中心に回動可能である。支持台56は、駆動部62に連結する。駆動部62は支持台56下方で回転部51に設ける。支持台56は、駆動部62から動力を得ることで、水平位置(図6参照)と傾斜位置(図示略)の間を回動する。水平位置は延設方向と平行に延びる支持台56の回動位置である。傾斜位置は第一方向に向かう程上側へ延びる支持台56の回動位置である。
一対の案内部55は支持台56上部に設ける。一対の案内部55は夫々延設方向に延びる。一対の案内部55は水平に隙間を空けて所定方向に並ぶ。所定方向は、水平方向と平行、且つ延設方向と直交する方向である。以下、所定方向の一方向を第三方向と称し、第三方向とは反対方向を第四方向と称す。第三方向は図1、図13で矢印A3が向く方向である。第四方向は図1、図13で矢印A4が向く方向である。
移動体121は平面視略矩形状であり、一対の案内部55に設ける。移動体121は一対の案内部55に沿って移動可能である。移動体121は駆動部63に連結する。駆動部63は一対の案内部55よりも第二方向側に設ける。移動体121は、駆動部63から動力を得ることで、退避位置(図13、図18参照)と延伸位置(図1、図16参照)の間を移動する。退避位置は、移動体121の可動範囲において第二方向の端となる位置である。延伸位置は、移動体121の可動範囲において第一方向の端となる位置である。
レール部材122は移動体121上面の第三方向側の部位にて支持する。レール部材122は所定方向に延びる。駆動部64はレール部材122の第一方向側で可動部材125に支持する。可動部材125はレール部材122上部に移動可能に設ける。可動部材125は駆動部64に連結する。可動部材125は、駆動部64から動力を得ることで、レール部材122に沿って挟持待機位置(図示略)と、挟持実行位置(図1、図13等参照)の間を移動可能である。挟持待機位置は、可動部材125の可動範囲において第三方向の端となる位置である。挟持実行位置は、可動部材125の可動範囲において第四方向の端となる位置である。
移動台127は、平面視略矩形状の板状であり、可動部材125上面に設ける。移動台127は昇降駆動部に連結する。昇降駆動部は、可動部材125に設けたエアシリンダである。昇降駆動部が駆動することで、移動台127は、可動範囲の上端と下端の間で移動する。
レール部材171は、駆動部64と可動部材125の第四方向側で移動体121に支持する。レール部材171は延設方向に延びる。移動部材172はレール部材171上部に設ける。移動部材172は、レール部材171に沿って、可動部材125に対して相対移動可能である。移動部材172は挟持駆動部に連結する。挟持駆動部はエアシリンダである。移動部材172は、挟持駆動部から動力を得ることで、第一所定位置(図1参照)と第二所定位置(図示外)の間を移動する。第一所定位置は、レール部材171において第一方向の端に接触する移動部材172の位置である。第二所定位置は、レール部材171において第二方向の端に接触する移動部材172の位置である。
図6に示す如く、第一挟持機構150は移動台127に支持する。第一挟持機構150は移動台127と共に移動可能である。第一挟持機構150は駆動部152、軸部材153、第一保持部154、軸部156、対向部材157、158、駆動部159を有する。駆動部152は移動台127にて支持したモータである。軸部材153は延設方向に延びる。軸部材153に設けたギヤ(図示外)と駆動部152の出力軸に設けたギヤ(図示外)は噛合う。故に軸部材153は駆動部152の駆動に伴って回転する。以下、軸部材153の軸線を軸線155と称す。軸部材153は軸線155を中心に回転可能である。
第一保持部154は、軸部材153の第一方向端部に支持する。軸部156は第一保持部154に設け、所定方向に沿う軸部材である。対向部材157、158は夫々、平面視で延設方向に延びる略矩形状である。対向部材157、158は、軸線155を間にして上下方向に対向する。対向部材157の第二方向端部は軸部156にて回動可能に支持する。対向部材158は第一保持部154に支持する。対向部材157は駆動部159に連結する。駆動部159は、対向部材157に対して対向部材158とは反対側に設ける。対向部材157は、駆動部159から動力を得ることで、軸部156を中心に対向部材158に対して接近又は離間する方向に回動する。
駆動部152が軸部材153を回転することで、第一保持部154、軸部156、対向部材157、158、駆動部159は、一体的に回転する。駆動部152の駆動に伴い、第一挟持機構150は、通常状態(図6参照)と反転状態(図21(i)参照)に切り替わる。通常状態は、対向部材158が対向部材157上方にある第一挟持機構150の状態である。反転状態は、対向部材158が対向部材157下方にある第一挟持機構150の状態である。第一挟持機構150が通常状態から反転状態に切り替わることで、対向部材157、158の上下方向における位置関係は反転する。
対向部材157が駆動部159の駆動に伴い回動することで、第一挟持機構150は第一挟持状態(図6参照)と第一解放状態(図21(f)参照)に切り替わる。第一挟持機構150が第一挟持状態にある時、対向部材157は対向部材158に接触する。第一挟持機構150が第一解放状態にある時、対向部材157は対向部材158から離隔する。第一挟持状態にある第一挟持機構150は、対向部材157、158の夫々の第一方向端部の間でループ片7の端部を挟持できる。第一解放状態にある第一挟持機構150は、対向部材157、158の夫々の第一方向端部の間にあるループ片7の端部を解放できる。
図1、図7に示す如く、第二挟持機構170は移動部材172に設ける。第二挟持機構170は第二保持部(図示外)、軸部173、対向部材177、178、駆動部179を備える。第二保持部は移動部材172の第一方向端部に設ける。軸部173は第二保持部に設け、所定方向に沿う軸部材である。
対向部材177、178は夫々、平面視で延設方向に延びる略矩形状である。対向部材177は対向部材178に対して上方から対向する。対向部材177の第二方向端部は、軸部173にて回動可能に支持する。対向部材178は第二保持部に支持する。対向部材177は駆動部179に連結する。駆動部179は対向部材177上方に設けたエアシリンダである。対向部材177は、駆動部179から動力を得ることで、軸部173を中心に対向部材178に対して接近又は離間する方向に回動する。
対向部材177が回動することで、第二挟持機構170は第二挟持状態(図7参照)と、第二解放状態(図19(d)参照)に切り替わる。第二挟持機構170が第二挟持状態にある時、対向部材177は対向部材178に接触する。第二挟持機構170が第二解放状態にある時、対向部材177は対向部材178から離隔する。第二挟持状態にある第二挟持機構170は、対向部材177、178の夫々の第一方向端部の間でループ片7の端部を挟持できる。第二解放状態にある第二挟持機構170は、対向部材177、178の夫々の第一方向端部の間にあるループ片7の端部を解放できる。
第二挟持機構170の対向部材177、178は、第一挟持機構150の対向部材157、158に対して所定方向に隙間を空けて対向する。以下、対向部材177、178の夫々の第一方向の端部と、対向部材157、158の夫々の第一方向端部の、所定方向における離間距離を、所定距離と称す。所定距離は、可動部材125が挟持待機位置にある時に最大となり、可動部材125が挟持実行位置にある時に最小となる。所定距離の最大値は、図13、図15(f)、図19(a)の寸法L1である。所定距離の最小値は、図15(g)の寸法L2である。所定距離の最大値は、連続帯状部材8の移動経路6の長さよりも短い。所定距離の最小値は、第一装置10の載置部材11の左右方向長さよりも長い。
支持台56が水平位置にある時の対向部材157、158、177、178の高さ位置を説明する。第一挟持機構150が通常状態且つ第一解放状態にあり、且つ移動台127が可動範囲下端にある時、対向部材157の位置は、第一装置10の載置部材11よりも下方である(図15(f)参照)。該時、対向部材158の位置は、第一装置10の押圧部材12の可動範囲下端よりも上方である(図15(f)参照)。第二挟持機構170が第二解放状態にある時、対向部材178の位置は載置部材11よりも下方であり、対向部材177の位置は押圧部材12の可動範囲下端よりも上方である(図15(f)参照)。
図1、図8〜図11に示すミシン3は公知の構成を有する工業用ミシンである。図8では、後述のループ押え部350、ループ片挟持機構200の図示を省略する。図1、図8、図9に示す如く、ミシン3はベッド部71、脚柱部72、アーム部73、頭部74等を備える。ベッド部71は前後方向に延び、上部に針板77を有する。針板77は針穴78を有する。ベッド部71は内部に釜機構、糸切り機構等を備える。釜機構は下糸を収納する回転釜を回転する。糸切機構は、ベッド部71内部で上糸と下糸を切断する。
脚柱部72はベッド部71後端部から上方に延びる。脚柱部72は内部にミシンモータ98等を備える。アーム部73は脚柱部72上端部から前方に延びる。アーム部73はベッド部71の上面に対向する。アーム部73は内部に主軸79等を備える。主軸79は前後方向に延びる。主軸79後端はミシンモータ98に接続する。ミシンモータ98は主軸79を回転する。頭部74は、アーム部73前端部に設け、下端部がアーム部73よりも下方に突出する。頭部74は内部に針棒上下動機構と天秤駆動機構を備える。針棒上下動機構は針棒86に連結する。針棒86は頭部74下端から下方に延びる。針棒86下端部は縫針85を装着する。縫針85は下端部に目孔を備える。縫針85は目孔に上糸を挿通して保持する。ミシンモータ98の駆動力は、主軸79を介して針棒上下動機構と天秤駆動機構に伝達する。針棒上下動機構の駆動に伴って、針棒86と縫針85は上下動する。縫針85下端部は針穴78を通過してベッド部71内部の回転釜に到達可能である。
図8、図9に示す如く、ミシン3は送り機構300を備える。送り機構300は、第二移動部材107の移動により布9を前後方向と左右方向に送る機構である。送り機構300はX軸モータ、一対のX軸固定レール101、第一移動部材103、一対のY軸固定レール105、第二移動部材107、送り板302、押え腕330、ガイド軸305、保持部材307、駆動軸310、Y軸モータ312等を備える。
X軸モータ、一対のX軸固定レール101、第一移動部材103、一対のY軸固定レール105、第二移動部材107等はベッド部71内部に設ける。図8では、一対のY軸固定レール105の一方を図示する。X軸モータはベッド部71内部の後側に設ける。一対のX軸固定レール101は、X軸モータ前方で前後方向に並ぶ。一対のX軸固定レール101は夫々左右方向に延びる。第一移動部材103は平面視略矩形状の板状部材であり、一対のX軸固定レール101に移動可能に設ける。第一移動部材103は、X軸モータから動力を得ることで、一対のX軸固定レール101に沿って移動する。一対のY軸固定レール105は第一移動部材103上面で左右方向に並ぶ。一対のY軸固定レール105は夫々前後方向に延びる。第二移動部材107は、平面視略矩形状の板状部材であり、一対のY軸固定レール105に設ける。第二移動部材107と一対のY軸固定レール105は、第一移動部材103と共に、一対のX軸固定レール101に沿って左右方向に移動可能である。第二移動部材107は、後述のY軸モータ312から動力を得ることで、一対のY軸固定レール105に沿って前後方向に移動可能である。即ち、第二移動部材107は、左右方向と前後方向に移動可能である。
送り板302は平面視略矩形状である。送り板302後端部は、第二移動部材107上面に接続する。押え腕330は、基端部331、腕部332、先端部333を有する。基端部331は、送り板302を挟んで第二移動部材107に固定する。即ち基端部331は送り板302と共に第二移動部材107に固定する。基端部331は左右方向に延びる貫通穴を備える。腕部332は、基端部331から上方に延び、更に前方に屈曲して延びる。先端部333は、押え腕330のうち基端部331とは反対側の端部である。先端部333は正面視で略矩形状であり、送り板302上方にある。先端部333は二つの挿通孔を有する。二つの挿通孔は左右方向に並ぶ。二つの挿通孔は夫々上下方向に長径を有し、先端部333を前後方向に貫通する。
以下、送り板302と押え腕330を総称する時、「可動体345」と称す。可動体345は、第二移動部材107と共に左右方向と前後方向に移動可能であり、第二移動部材107の移動により布9を左右方向と前後方向に送る。
ガイド軸305は、基端部331の貫通穴に挿通し、左右方向に延びる。ガイド軸305は押え腕330の左右方向の移動を案内する。保持部材307は、押え腕330後方で左右方向に延び、ガイド軸305両端部に固定する。保持部材307は押え腕330を左右方向に移動可能に支持する。駆動軸310は保持部材307後面の左右方向中央部から後方に延びる。駆動軸310は前後方向に移動可能である。駆動軸310は、脚柱部72前壁部に設けた孔を介して、脚柱部72内部に進入する。Y軸モータ312は脚柱部72内部に固定する。Y軸モータ312は駆動軸310後端部に連結する。駆動軸310は、Y軸モータ312から動力を得ることで、前後方向に移動する。駆動軸310が移動することで、保持部材307、ガイド軸305、可動体345、第二移動部材107は一体的に前後方向に移動する。
図9に示す如く、押え腕330は、ループ押え駆動部342、軸部343、回動部344、右駆動部346、ループ押え部350等を備える。ループ押え駆動部342は基端部331右面に設けたエアシリンダである。軸部343は、ループ押え駆動部342前方で、腕部332右面から右方に突出する。回動部344は軸部343にて回動可能に支持する。回動部344は軸部343から後上方に延びる部位と、軸部343から前方に延びる部位を備える。回動部344後端部はループ押え駆動部342に連結する。回動部344前端部は先端部333に設けた右側の挿通孔を介して、先端部333前方に突出する。回動部344は、ループ押え駆動部342から動力を得ることで、軸部343を中心に回動する。右駆動部346は、左側面視略L字の板状部材であり、先端部333前面に上下動可能に設ける。右駆動部346は回動部344前端部に連結する。右駆動部346は回動部344の回動に伴って上下方向に移動する。
ループ押え部350は板状である。ループ押え部350は延設部材352、押え部材354を備える。延設部材352は、右駆動部346から前方に延びて上方へ折れ曲がり、更に前方へ延びる。延設部材352の後端部は、右駆動部346下面に螺子355、356で固定する。押え部材354は、延設部材352前端部から左斜め下方に延び、更に左方に延びる。押え部材354は前後方向に二股に分岐する。押え部材354右端部は、複数の螺子317で、延設部材352下面に固定する。押え部材354左端部は、送り板302上面に対向する。
ループ押え部350は、右駆動部346と共に上下方向に移動することで、第一離隔位置(図9参照)と第一近接位置(図20参照)の間を移動する。第一離隔位置は、押え部材354が送り板302上面に対して隙間を空けて対向するループ押え部350の上下位置である。第一近接位置は、押え部材354がループ片7と布9を送り板302に向けて押えるループ押え部350の上下位置である。
図8、図10に示す如く、押え腕330は布押え駆動部362、軸部363、回動部364、左駆動部366、布押え部370を備える。布押え駆動部362、軸部363、回動部364、左駆動部366は夫々、ループ押え駆動部342、軸部343、回動部344、右駆動部346と同一構成であるので説明を簡略化する。布押え駆動部362は、基端部331を間にして布押え駆動部362左方に設けたエアシリンダである。軸部363、回動部364は夫々、腕部332を間にして軸部343、回動部344左方に設ける。回動部364前端部は、先端部333に設けた左側の挿通孔を介して、先端部333前方に突出する。左駆動部366は、右駆動部346左方で、先端部333前面に上下動可能に設ける。布押え駆動部362が駆動することで、回動部364が軸部363を中心に回動し、左駆動部366は上下方向に移動する。
図9〜図11に示す如く、布押え部370は、支持部材371、延設部材372、押え部材374、375を備える。支持部材371は、平面視で左右方向に長い板状部材であり、左駆動部366前端部の上面から左方へ延びる。支持部材371右端部は、左駆動部366前端部の上面に複数の螺子317で固定する。延設部材372は、支持部材371上面の左右方向中央部から前方に延びて右方に折れ曲がり、更に前方に延びる。延設部材372後端部は、支持部材371上面に複数の螺子391で固定する。押え部材374は支持部材371前方に設ける。押え部材374は、延設部材372後部から右下方に延びて、更に右方に延びる板状部材である。押え部材374は、ループ押え部350の押え部材354後方で、送り板302上面に対向する。押え部材375は延設部材372前端部から右下方に延びて、更に右方に延びる板状部材である。押え部材375は、ループ押え部350の押え部材354を間にして、押え部材374と前後方向に対向する。押え部材374、375の前後方向における離間距離は、対向部材157、158と対向部材177、178の所定距離の最大値よりも長い。
布押え部370は、左駆動部366と共に上下方向に移動することで、第二離隔位置(図10参照)と第二近接位置(図20参照)の間を移動する。第二離隔位置は、押え部材374、375が送り板302上面に対して隙間を空けて対向する布押え部370の高さ位置である。第二近接位置は、押え部材374、375が布9を送り板302に向けて押える布押え部370の高さ位置である。
図10〜図12に示す如く、ループ片挟持機構200は布押え部370の支持部材371に設ける。即ちループ片挟持機構200は可動体345の押え腕330に連結する。ループ片挟持機構200は、駆動部201、連結部材206、固定部材208、軸部204、ループ片挟持部材211、212、バネ214、保持部材220、駆動部222を備える。
駆動部201は、支持部材371左端部の上面にて支持したエアシリンダである。駆動部201は左右方向に延びる腕部202を有する。駆動部201が駆動することで腕部202は左右方向に移動する。連結部材206は左側面視で前後方向に延びる略矩形状の板状部材である。連結部材206後端部は腕部202右端部に連結する。連結部材206は、布押え部370の延設部材372左方に位置する。連結部材206は前端部に二つの長孔207を有する。二つの長孔207は駆動部201前方で前後方向に並ぶ。二つの長孔207は夫々、上下方向に長径を有し、連結部材206を左右方向に貫通する。
固定部材208は、右側面視で略矩形状の板状部材であり、連結部材206前端部の右面に螺子203で固定する。固定部材208は、二つの螺子穴を備える。二つの螺子穴は夫々二つの長孔207に対向する。螺子203は、長孔207に挿通して、螺子穴に締結する。固定部材208は一対の支持壁部209を有する。一対の支持壁部209は夫々正面視で略矩形状である。一対の支持壁部209は、連結部材206右方で、隙間を空けて前後方向に対向する。図12では、一対の支持壁部209のうち後方にある支持壁部209を図示する。
軸部204は一対の支持壁部209の夫々に固定する。軸部204は一対の支持壁部209の間で左右方向に延びる。ループ片挟持部材211、212は夫々、平面視で左右方向に延びる略矩形状の板状部材であり、前後方向において一対の支持壁部209の間の位置に設ける。ループ片挟持部材211、212は夫々、布押え部370の延設部材372下方で前後方向に延びる。ループ片挟持部材211下面の右端部は、左右方向に沿って凹凸状である。ループ片挟持部材211の左端部は、軸部204に回動可能に連結する。ループ片挟持部材212は、送り板302上面に対して隙間を空けて対向する。ループ片挟持部材212上面の右端部は、左右方向に沿って凹凸状である。バネ214は、ループ片挟持部材211、212の夫々の左右方向中央部に連結する。バネ214は、ループ片挟持部材211、212を互いに接近する方向に付勢する。
保持部材220は正面視略L字の板状部材であり、ループ片挟持部材211上方で固定部材208に螺子219で固定する。保持部材220は右端部に取付孔を有する。取付孔は保持部材220を上下方向に貫通する。駆動部222は取付孔に取り付けたエアシリンダである。駆動部222は、上下方向に延びる腕部223を有する。腕部223の下端部は、バネ214左方で、ループ片挟持部材211に連結する。駆動部222は、腕部223を上下方向に移動することで、ループ片挟持部材211を軸部204を中心に回動する。
駆動部222が駆動することで、ループ片挟持機構200はループ挟持状態(図12参照)とループ解放状態(図19(a)参照)に切り替わる。ループ片挟持機構200が挟持状態にある時、ループ片挟持部材211はループ片挟持部材212上面に対して近接する。ループ片挟持機構200が解放状態にある時、ループ片挟持部材211はループ片挟持部材212上面から上方に離隔する。挟持状態のループ片挟持機構200は、ループ片挟持部材211、212でループ片7の端部を挟持する。解放状態のループ片挟持機構200は、ループ片挟持部材211、212の間にあるループ片7の端部を解放する。
駆動部201が駆動することで、ループ片挟持部材211、212は、腕部202と共に左右方向に移動する。換言すると、支持部材371はループ片挟持部材211、212を左右方向に移動可能に支持する。図12では、可動範囲の左端にあるループ片挟持部材211、212を実線で図示し、可動範囲の右端にあるループ片挟持部材211、212を二点鎖線で図示する。
ループ片挟持機構200は、押え腕330の左駆動部366の上下動に伴い、布押え部370と共に上下方向に移動する。ループ片挟持機構200は、上下方向位置に関わらず、送り板302上面よりも隙間を空けて上方にある。
図14、図15を参照し、第一装置10が連続帯状部材8からループ片7を作成し、第二装置40がループ片7を受取る動作を説明する。ループ片7の作成前において、第一装置10、第二装置40は夫々初期状態にある(図13、図14(a)参照)。第一装置10が初期状態にある時、掴み部17は解放状態で掴み位置にあり、切断部18は切断待機状態であり、押圧部材12は可動範囲の上端にあり、移動部材38は可動範囲の下端に位置する(図14(a)参照)。第二装置40が初期状態にある時、回転部51は受取位置にあり、支持台56は水平位置にあり、移動体121は退避位置にあり、可動部材125は挟持待機位置にあり、移動台127は可動範囲の上端にあり、移動部材172は第二所定位置にあり、第一挟持機構150は通常状態且つ第一解放状態にあり、第二挟持機構170は第二解放状態にある。ループ片7作成前において、第一装置10の操出部から繰り出した連続帯状部材8の左端部は、保持部材16の左端部に載置する。
駆動部22(図2参照)が駆動することで、掴み部17は解放状態から掴み状態に切り替わる。掴み部17は、上掴み部材33と下掴み部材34の間で連続帯状部材8左端部を掴む。駆動部21(図2参照)が駆動することで、掴み状態の掴み部17は、掴み位置から退出位置に移動する(図14(a)参照)。連続帯状部材8は掴み部17と共に左方に移動する(図14(a)、(b)参照)。
図14(c)に示す如く、駆動部25(図5参照)が駆動することで、押圧部材12は可動範囲の上端から可動範囲の下端に移動する。押圧部材12は、連続帯状部材8を載置部材11との間で挟む。図14(d)に示す如く、駆動部23、24が駆動することで、切断部18は切断待機状態から切断状態に切り替わる。可動部材19の発熱体32は、受台20の溝部31の間で連続帯状部材8を挟む。発熱体32は発熱する。故に、切断部18は溝部31内側にある連続帯状部材8を切断する。該時、発熱体32よりも左方にある連続帯状部材8は、ループ片7である。
図14(e)に示す如く、駆動部22(図2参照)が駆動することで、掴み部17は掴み状態から解放状態に切り替わる。駆動部23、24が駆動することで、切断部18は切断状態から切断待機状態に切り替わる。上下駆動部が駆動することで、移動部材38は、可動範囲の下端から可動範囲の上端に移動する。押圧部材12と載置部材11よりも右方にあるループ片7は、移動部材38から右上方へ直線状に延びる。
図15(f)、図16に示す如く、第二装置40の駆動部63が駆動することで、移動体121は退避位置から延伸位置に移動する。第一挟持機構150と第二挟持機構170は、移動体121と共に第一方向(矢印A1方向)に移動する。対向部材157、158は、移動部材38から右上方に延びるループ片7右方で、移動経路6を間にして対向する。対向部材177、178は、載置部材11と掴み部17の間で、ループ片7を間にして対向する。
第二装置40の駆動部64(図6参照)が駆動することで、可動部材125(図6参照)は挟持待機位置から挟持実行位置に移動する。対向部材158が、移動部材38から右上方に延びていたループ片7を左方に押しながら、第一挟持機構150は可動部材125と共に移動する。駆動部159(図6参照)が駆動することで、第一挟持機構150は第一解放状態から第一挟持状態に切り替わり、駆動部179(図7参照)が駆動することで、第二挟持機構170は第二解放状態から第二挟持状態に切り替わる。図15(g)に示す如く、対向部材157、158は、ループ片7の端部を二つに折り畳んで上下方向から挟持し、対向部材177、178は、ループ片7の他の端部を上下方向から挟持する。以下、二つ折りになったループ片7の端部を、ループ片7の一端部と称し、一端部とは反対の端部を他端部と称す。
図17に示す如く、駆動部63が駆動することで、移動体121は延伸位置から退避位置に移動する。第一挟持機構150と第二挟持機構170は、移動体121と一体的に移動し、載置部材11と押圧部材12の間にあるループ片7を前方に引き抜く。
図18に示す如く、駆動部61が駆動することで、回転部51は受取位置から供給位置に回転する。第二装置40が挟持するループ片7は、ミシン3の送り板302右方に位置する(図9参照)。駆動部62(図6参照)が駆動することで、支持台56は水平位置から傾斜位置に回動する。対向部材157、158、177、178は、ループ片7と共に上方に移動する(図示外)。以下、該時の第二装置40の状態を中間状態と称す。中間状態の第二装置40が挟持するループ片7は前後方向に延びる。中間状態の第二装置40が挟持するループ片7一端部は後端部であり、ループ片7他端部は前端部である。
図1、図9、図19〜図22を参照し、第二装置40がミシン3にループ片7を供給し、ミシン3がループ片7を布9に縫製する動作を説明する。ループ片7の供給前において、第二装置40は中間状態でループ片7を挟持し(図18参照)、ミシン3は初期状態にある。ミシン3が初期状態にある時、ループ押え部350の押え部材354は縫針85前方にあり、ループ押え部350は第一離隔位置にあり、布押え部370は第二近接位置にあり、ループ片挟持機構200はループ解放状態にあり、ループ片挟持部材211、212は可動範囲の左端にある。第二近接位置にある布押え部370の押え部材374、375は、上方から布9を送り板302に押える。
図1、図18、図19(a)に示す如く、第二装置40の駆動部63が駆動することで、移動体121は退避位置から延伸位置に移動する。対向部材157、158、177、178は、ループ片7を送り板302上方に移動する。ループ片7他端部は、押え部材354と縫針85下方となる位置に移動する。該時、対向部材157、158、177、178は、可動範囲左端にあるループ片挟持部材211、212に対して右側にある。対向部材157、158は、前後方向において押え部材374とループ片挟持部材211、212の間となる位置にあり、対向部材177、178は、ループ片挟持部材211、212と押え部材354の間となる位置にある。
図19(b)に示す如く、第二装置40の駆動部62(図6参照)が駆動することで、支持台56(図6参照)は傾斜位置から水平位置に回動する。対向部材157、158、177、178は、ループ片7を挟持した状態で、下方に移動する。図19(c)に示す如く、ミシン3のループ押え駆動部342(図11参照)が駆動することで、ループ押え部350は、第一離隔位置から第一近接位置に移動する。押え部材354は、布押え部370の押え部材374、375の間で、ループ片7他端部と布9を上側から押える。該時、対向部材157、158、177、178は、ループ片7を挟持した状態を維持する。
図19(d)に示す如く、第二装置40の駆動部179が駆動することで、第二挟持機構170は第二挟持状態から第二解放状態に切り替わる。対向部材177、178はループ片7他端部を解放する。
図19(e)、図20に示す如く、第二装置40の挟持駆動部が駆動することで、移動部材172(図7参照)は第二所定位置から第一所定位置に移動する。対向部材177、178は送り板302右方まで移動する(図20の矢印P方向)。ループ片挟持機構200の駆動部201(図10参照)が駆動することで、ループ片挟持部材211、212は可動範囲の左端から右端に移動する(図20の矢印Q方向)。ループ片挟持部材211、212右端部は、対向部材157、158と縫針85の間となる前後位置で、ループ片7一端部を間にして対向する。ループ片挟持機構200の駆動部222(図12参照)が駆動することで、ループ片挟持機構200はループ解放状態からループ挟持状態に切り替わる。ループ片挟持部材211、212は、ループ片7一端部を挟持する。
図21(f)に示す如く、第二装置40の駆動部159(図6参照)が駆動することで、第一挟持機構150は第一挟持状態から第一解放状態に切り替わる。対向部材157、158はループ片7一端部を解放する。
図8、図21(g)に示す如く、ミシン3のミシンモータ98とX軸モータが互いに連動して駆動する。第二移動部材107がX軸モータの駆動によって左右方向に移動することで、送り板302はループ片7と布9を左右方向に移動する。該時、ループ押え部350、ループ片挟持機構200、布押え部370は、送り板302と共に左右方向に移動する。ミシンモータ98の駆動により主軸79が回転する。縫針85下端はループ片7他端部と布9を貫通して針板77下方に下降する。縫針85下端が回転釜に到達すると、回転釜は縫針85が保持する上糸に下糸を絡める。天秤駆動機構は下糸に絡んだ上糸を針板77上に引き上げる。ミシン3はループ片7と布9に縫目を形成する。送り板302がループ片7と布9を左右方向に移動しながら縫針85は繰り返し上下動する。ミシン3はループ7他端部に左右方向に沿って縫目を形成する。故にミシン3は、ループ片7他端部を布9に縫製する。
図21(h)に示す如く、ミシン3がループ片7他端部を布9に縫製した後、ループ押え駆動部342(図11参照)が駆動することで、ループ押え部350は第一近接位置から第一離隔位置に移動する。第二装置40の駆動部159(図6参照)が駆動することで、第一挟持機構150は第一解放状態から第一挟持機構に切り替わる。対向部材157、158はループ片7一端部を挟持する。ループ片挟持機構200の駆動部222(図12参照)が駆動することで、ループ片挟持機構200はループ挟持状態からループ解放状態に切り替わる。
図21(i)に示す如く、ループ片挟持部材211、212は、ループ片7の一端部を解放する。駆動部201が駆動することで、ループ片挟持部材211、212は、可動範囲の右端から可動範囲の左端に移動し、ループ片7から左方に退避する。駆動部152(図6参照)が駆動することで、第一挟持機構150は通常状態から反転状態に切り替わる。対向部材157、158は、ループ片7一端部を、軸線155(図4参照)を中心に、左側面視で時計回りに略180°回転する。
図21(j)に示す如く、ミシン3のY軸モータ312(図8参照)が駆動することで、送り機構300(図8参照)は、ループ押え部350、布押え部370、ループ片挟持機構200、可動体345(図10参照)を一体的に後方に移動する。ループ片7他端部はループ片7一端部の下後方に移動する。ループ片7他端部は、左側面視略C字に膨らむ。
図22(k)に示す如く、第二装置40の昇降駆動部が駆動することで、移動台127(図6参照)は、可動範囲の上端から下端に移動する。対向部材157、158は、布9に上方から近接する位置まで下降する。
図22(l)に示す如く、ミシン3のループ押え駆動部342(図11参照)が駆動することで、ループ押え部350は、第一離隔位置から第一近接位置に移動する。押え部材354は、縫針85前方でループ片7一端部と布9を送り板302に押える。第二装置40の駆動部159(図6参照)が駆動することで、第一挟持機構150は第一挟持状態から第一解放機構に切り替わる。対向部材157、158はループ片7一端部を解放する。第二装置40の駆動部63(図6参照)が駆動することで、移動体121(図6参照)は延伸位置から退避位置に移動する。第一挟持機構150は、第二挟持機構170と共に送り板302から右方に離隔する位置まで移動する。
図22(m)に示す如く、ミシンモータ98とX軸モータが互いに連動して駆動する。縫針85はミシンモータ98の駆動に伴い上下動する。X軸モータの駆動に伴い、送り板302はループ片7を左右方向に移動する。ミシン3は、ループ片7一端部を、左右方向に沿って布9に縫製する。ミシン3は、ループ片7の両端部を布9に縫製する。
以上の如く、ミシン3が、前後方向に延びるループ片7他端部を布9に縫製する時、ループ片挟持部材211、212は、可動体345と共に左右方向に移動する。故に、送り板302が送る布9と、ループ片7一端部を挟持したループ片挟持部材211、212の相対的な位置がずれにくい。例えば、ループ片挟持機構200がミシン3右方で移動不能な時、ループ片挟持機構200は可動体345と一体的に動くことができず、可動体345の送り板302が送る布9とループ片挟持部材211、212の相対位置がずれる。該時、布9が移動する方向を向く過度の力が、ループ片7に作用する。故にループ片7のよれが生じる可能性がある。また、ループ片7の長さ方向が、ループ片7に作用する過度の力に起因して前後方向と交差する方向に変化することで、ループ片7の布9に対する傾きが生じる可能性がある。しかし、本実施形態では、ループ片挟持部材211、212が可動体345と一体的に移動するので、布9が移動する方向を向く力はループ片7に作用しにくい。故に縫製システム1は、縫製中にループ片7の位置と布9の位置がずれることに起因するループ片7のよれとループ片7の傾きを抑制できる。ループ片挟持機構200が押え腕330の支持部材371にて支持するので、ループ片挟持部材211、212がミシン3の縫製動作に連動する為の制御は、不要である。故に縫製システム1は、ループ片7のよれとループ片7の傾きを簡易な制御で抑制できる。
駆動部201が駆動することで、ループ片挟持部材211、212は可動体345に対して左右方向に相対移動できる。故に縫製システム1は、布9とループ片7の夫々の厚さ、生地等の種々の種類に応じて、ループ片挟持部材211、212がループ片7を挟持する位置を調整できる。
可動範囲の左端にあるループ片挟持部材211、212は、送り板302上方まで移動した対向部材157、158、177、178の夫々に対して、左側に位置する。縫製システム1は、ミシン3に対するループ片供給装置2の既存の位置関係を変更することなく、ループ片挟持部材211、212を配置できる。故に縫製システム1は、ループ片挟持部材211、212を既存のループ片供給装置2に適用できる。
第一挟持機構150が通常状態から反転状態に切り替わった後、送り機構300は布9とループ片7他端部を後方に移動する。ループ片7の他端部側の部位は、左側面視で略C字に湾曲する。故に縫製システム1は、ループ片7他端部の上方へ向けた膨らみを大きくできる。ループ片7を縫製した布9が例えば靴の舌革である時、靴の着用者はループ片7と布9の間に靴紐を挿通し易い。
ループ片挟持機構200は支持部材371にて支持する。即ち、ループ片挟持部材211、212は布押え部370に連結する。布押え駆動部362は、布押え部370に加えてループ片挟持部材211、212を上下方向に移動できる。故に縫製システム1は、ループ片供給装置2の機構を簡易化できる。
ループ押え駆動部342が駆動することでループ押え部350は上下動し、布押え駆動部362が駆動することで布押え部370は上下動する。ループ押え部350とループ片挟持部材211、212は、互いに独立して上下動できる。故に縫製システム1は、ミシン3の機構を簡易化し、且つループ片7を布9に押える動作とループ片7を挟持する動作を自在に実行できる。
以上説明にて、縫製システム1は本発明のループ片縫製システムに相当する。ループ片供給装置2は本発明の供給装置に相当する。対向部材157、158は本発明の一対の第一対向部材に相当する。対向部材177、178は本発明の一対の第二対向部材に相当する。第一挟持機構150と第二挟持機構170は本発明の挟持機構に相当する。移動体121は本発明の第一移動体に相当する。第二移動部材107は本発明の第二移動体に相当する。駆動部201は本発明の第一駆動部に相当する。駆動部222は本発明の第二駆動部に相当する。右方向は本発明の特定方向に相当する。左右方向は本発明の第一所定方向に相当する。前後方向は本発明の第二所定方向に相当する。回転部51が供給位置にある時の移動体121の退避位置は本発明の第二位置に相当する。回転部51が供給位置にある時の移動体121の延伸位置は本発明の第一位置に相当する。
縫製システム1は種々の変更が可能である。ループ片挟持機構200は支持部材371に支持する代わりに、送り板302に支持してもよい。該時でも、ループ片挟持機構200は、ミシン3の縫製動作に連動して移動できる。ループ片挟持機構200は駆動部201を備えなくてもよい。
可動範囲の左端にあるループ片挟持部材211、212は、送り板302上方まで移動した対向部材157、158、177、178の夫々に対して、左側に位置せず、右側に位置してもよい。
対向部材177、178は、ループ片7の他端部を直線状に延びる状態で挟持する代わりに、二つに折り畳んで上下方向から挟持してもよい。第一挟持機構150が通常状態から反転状態に切り替わる時の対向部材157、158の回転角度は、180°未満であってもよいし、180°を超えてもよい。