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JP6597705B2 - 回転電機 - Google Patents

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JP6597705B2 JP2017089433A JP2017089433A JP6597705B2 JP 6597705 B2 JP6597705 B2 JP 6597705B2 JP 2017089433 A JP2017089433 A JP 2017089433A JP 2017089433 A JP2017089433 A JP 2017089433A JP 6597705 B2 JP6597705 B2 JP 6597705B2
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Description

本発明は、例えば自動車やトラック等に搭載されて電動機や発電機として使用される回転電機に関する。
従来の回転電機として、通電により起磁力を発生する界磁巻線と、該界磁巻線の起磁力により回転周方向に沿って交互にNS磁極が励磁される複数の爪状磁極片とを有するランデル型ロータを備えたものが知られている。そして、特許文献1及び特許文献2には、界磁巻線によって励磁される磁気回路の有効磁束を増加させるために、周方向に隣接する爪状磁極片間に永久磁石を介在させた車両用交流発電機が開示されている。
特許文献1には、発電機出力特性の変曲点を生じる永久磁石磁束と、爪状磁極片の諸定数L,W及びθとの関係を求めることによって導かれた数式により、諸定数L,W及びθを決めれば、永久磁石の残留磁束密度Brを画一的に決定することができることが記載されている。これにより、仕様が異なっても普遍的にバッテリ過充電の回避と高効率高出力化を同時に行うことができる磁極の設定を可能としている。
また、特許文献2には、爪状磁極片の外周側に配置される磁極筒部(磁束短絡部材)を有し、磁束短絡部材の外径側表面に、爪状磁極片の輪郭形状に対応した凸部と、隣り合う爪状磁極片の間の空隙に対応した凹部とを有し、凸部と凹部とをスロープ状に接続することが記載されている。
特開平4−255451号公報 特開2009−148057号公報
ところで、上記特許文献2のように、回転子(ロータ)の爪状磁極片の外周側に磁束短絡部材を設ければ、渦電流を低減することができて信頼性が向上するが、磁束短絡部材により隣接する爪状磁極片のN極とS極間の磁束が短絡して出力低下となる。また、特許文献2では示唆されていないが、磁石と爪状磁極片で構成したロータは、磁石の重みが増加した分、遠心力による爪状磁極片の径方向外方への変形量が増加する。そのため、遠心力で最も変形量が大きくなった場合でも、磁石を具備しないロータと同等の、固定子(ステータ)とロータ間のエアギャップを確保するには、ステータとロータ間のエアギャップを拡げる必要がある。しかし、エアギャップを拡げると、磁気抵抗の増加によりロータの界磁電流による磁束発生能力が低下する。
なお、上記特許文献1には、磁石付きランデル型発電機が開示されているが、遠心力が永久磁石と爪状磁極片に及ぼす影響と対策については何ら記載されていない。
そこで、上記の課題を解決するために、磁石を備えたランデル型のロータにおいて爪状磁極片が拡がらないように根元部の厚みを厚くして補強すると、磁気回路の最適寸法とならなくなり、結果として出力が低下するという課題がある。そのため、ステータとロータ間のエアギャップを拡げずに、特許文献2に開示されているように爪状磁極片の外周面を磁束短絡部材で強度補強を行うことが好ましいが、特許文献2に記載のように、特許文献1の構成と比べ出力が劣る要因を含むため流通に至っていない。
ところで、ロータは、回転軸に発生する外乱を許容した上で、上記のエアギャップによりステータと接触しないようにする必要がある。エアギャップは、外乱と遠心力によるロータ自体の変形を考慮して設計される。ボールベアリングで比較的牽牛に外乱の影響を抑えられた構成では、特に爪状磁極片の変形が考慮される。そのため、爪状磁極片間に磁石という重みを増やし、信頼性を維持するためには、磁石付きランデル型ロータにおいては、エアギャップを磁石無しランデル型ロータよりも大きくとる必要がある。そのため、界磁電流を大きくとる必要があり、銅損が上昇し、発熱が増加するという新たな課題が発生する。ロータのディスク部の断面積を多くとることにより変形量を抑える設計もあるが、界磁巻線の配置スペース減少による、直流抵抗値の増加による発熱の増加や、軸方向寸法の増加による搭載性の悪化が起こる。
従来、界磁巻線の励磁によりロータのボス部で発生した磁束をディスク部から爪状磁極片へと案内するように設計する場合には、ロータの一部分の断面積を基準に磁束漏れ考慮し、ボス部から爪状磁極片に至るまで磁気特性を一定に、又は緩やかに落とすようにしていた。このような設計において、磁石の重量は、爪状磁極片の重量に対して0.3〜0.7倍程度であり、磁石付きランデル型ロータの爪状磁極片の重量は、従来の1.3〜1.7倍の範囲から大きく逸脱しない範囲であると容易に想定できる。そのため、現状の製品の一般的なエアギャップである0.25〜0.35mmに対して0.37〜0.52mm程度のエアギャップ範囲で設計しなければ、従来製品の磁気回路的に良い寸法を用いた磁石付きランデル型ロータを、従来製品と同様の強度的信頼性をもって作製することはできない。
図25は、起磁力の単位であるアンペアターン(AT)を横軸にとり、エアギャップが0.3mmと0.4mmの場合の回転電機の界磁特性を縦軸にとった特性図である。図25から解るように、従来では、エアギャップを0.3mmから0.4mmに拡げると界磁能力を40%向上させる必要がある。また、界磁能力は、現存のブラシ能力に合わせて設計されているため、従来の磁石無しランデル型ロータと同等の磁束を連続定格可能な電流域で利用することはブラシの耐熱能力的に困難と考えられる。たとえブラシが耐えられたとしても、図26に示すように、界磁巻線への流入電流増大で銅損による発熱量が92%悪化し、冷却の見直しが必要になる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、エアギャップの拡大を抑制しつつ十分な強度的信頼性を確保するとともに、界磁特性及び最大磁束の向上により高出力を実現し、且つ界磁巻線の発熱量を低減して熱的信頼性を確保し得るようにした回転電機を提供することを解決すべき課題とするものである。
図7は、エアギャップを0.3mmと0.4mmに設定した場合や、磁石の有無などを種々組み合わせた構成の回転電機について、アンペアターンと飽和磁束との関係を示す特性図である。特許文献2のように、ロータの爪状磁極片の外周側に磁束短絡部材を設けた場合には、図7の細い破線から太い破線への変化となり、界磁特性が低下するというのが現状技術の考え方である。この考え方は、できる限り磁束短絡部材の爪状磁極片間の寸法を小さくするという考えの源になっている。即ち、磁束短絡部材に漏洩する磁束の分だけ電機子巻線への鎖交磁束が低下するという考えである。
また、磁石磁力Ψmは、界磁ボス部が飽和するに従い、ボス部側の磁気抵抗が高くなっていくため、ステータ側に流れ出し易くなっていくので曲線を描く。ボス部が飽和した後は、界磁電流ATによる反磁界で減磁が起き、実行磁束密度Bdは小さくなる。図7では、ロータに無負荷時には、磁石の磁束がステータ側に案内されないで、バッテリを過充電させないため、Ab・Bs=2・Br・Amとして磁石量を設定している。なお、Ab:ボス部断面積、Bs:ボス部B50、Am:永久磁石の磁束流入出面の表面積、Br:磁石残留磁束密度である。ボス部断面積Abは、ボス部全体の断面積を、ロータの極対数で割った値である。本願の回転電機の磁界は、磁石の厚み5〜10mmに対して、温度により変化するが保磁力100kA/m程のネオジム磁石を想定しているため、Bsとして飽和磁束密度ではなく、B50の値を採用する。なお、このB50の磁束値は電磁軟鉄であればBsと1割程度の差しか一般的になく、おおよその場合、誤差少なく適応することができる。
ここで、短絡部がボス部の飽和を、短絡部という磁性体をステータとのエアギャップの手前に追加することにより効果的に磁気抵抗が下がり促進させるため、特許文献1の場合よりもステータが飽和していない時点でボス部が飽和するので、ステータの磁気抵抗がロータと相対的に低くなり、磁石磁力Ψmのピーク点は低い通電界磁=反磁界で迎えることになり、高くなるはずである。本願発明者は、この点に着目して鋭意研究を重ね、ボス部の磁気抵抗の増加と短絡部の断面積との関係を粘り強く突き詰めた結果、本発明を完成した。
即ち、上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の発明は、
ステータコア(21)に電機子巻線(25)が巻装されてなるステータ(20)と、前記ステータの内周側に径方向に対向して配置されたロータ(30)と、を備えた回転電機において、
前記ロータは、
筒状のボス部(321,321a,321b)、及び、前記ボス部の外周側に配置されて周方向に交互に異なる極性の磁極が形成される複数の爪状磁極部(323,323a,323b)を有する界磁コア(32)と、
前記ボス部の外周側に巻装されて通電により起磁力を発生する界磁巻線(33)と、
周方向に隣接する前記爪状磁極部の間に、磁化容易軸が周方向に向けられてその極性が励磁によって前記爪状磁極部に交互に現れる極性と一致するように配置された永久磁石(34)と、
周方向に異なる極性の前記爪状磁極部同士を磁気的に接続する短絡部(35a,36a)を有する磁束短絡部材(35,36,37,38)と、を備え、
前記ボス部の一対のNS磁極あたりの軸方向断面積をAbとし、前記ボス部の材料の磁界の強さ5000A/mにおける磁束密度をBsbとし、前記永久磁石の残留磁束密度をBrとし、前記永久磁石の磁束流入出面の表面積をAmとし、前記短絡部の周方向断面積をAsとし、前記短絡部の材料の磁界の強さ5000A/mにおける磁束密度をBssとしたときに、
Ab・Bsb+As・Bss≧2・Br・Am、且つ0.03≦As/Ab≦0.22となる関係が成立するように構成されている。
この構成によれば、界磁巻線への通電により界磁磁束が界磁コアに励磁されたときに、界磁巻線が巻装されているボス部を流れる磁束を飽和させて、永久磁石の磁力Ψmをステータへ流出させることができる。そのため、永久磁石の磁力Ψmにより、従来の爪状磁極部間に設けられた短絡部の磁束漏れによる能力低下と同等以上の磁力増加を引き出すことが可能となり、界磁特性及び最大磁束を高く設定することが可能となり、高出力を実現することができる。
また、磁束短絡部材は、爪状磁極部の外周側や内周側を含めて周方向に異なる極性の爪状磁極部の間にあって、永久磁石を除いたスペースに配置されている。磁束短絡部材が爪状磁極部の外周側に配置された場合には、遠心力による爪状磁極部の径方向強度が増加されているため、爪状磁極部が遠心力により径方向外側に拡がるのを抑制することができる。そのため、ステータとロータ間のエアギャップを、従来の流通多数を占める磁石無しランデル型ロータと同一レベルにすることができる。これにより、エアギャップの拡大を抑制しつつ十分な強度的信頼性を確保することができる。また、エアギャップの減少により、界磁巻線に通電する界磁電流を少なくできるため、従来の磁石付きランデル型ロータと比べ、界磁巻線の発熱量を低減することができる。これにより、熱的信頼性を現状の空気冷却機構の能力で成立させることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記ロータは、1≦(Ab・Bsb+As・Bss)/(2・Br・Am)≦1.4となる関係が成立するように構成されている。この構成によれば、低電圧範囲において、逆起電力を厳しく低減させることができるほか、永久磁石の削減によりコストダウンを図ることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2において、前記短絡部は、軸方向断面積が周方向において一定にされている。この構成によれば、短絡部の周方向断面積を用いて設定する請求項1の関係式を容易に導き出すことができる。また、短絡部は、応力集中係数がなく応力集中が起きないため、磁束短絡部材自身の遠心力に対する強度と、爪状磁極部の広がりに対抗するのに十分な強度を確保することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項において、前記短絡部は、前記ロータと前記ステータコアとの径方向に対向する対向面の軸方向外側に少なくとも一部がはみ出すように設けられている。この構成によれば、短絡部がロータとステータコアとの対向面以外の所で磁束を短絡するため、短絡部を通る磁束がステータコアに漏れ難くなるので、逆起電力をより下げ易くすることができる。
また、上記課題を解決するためになされた請求項5に記載の発明は、
ステータコア(21)に電機子巻線(25)が巻装されてなるステータ(20)と、前記ステータの内周側に径方向に対向して配置されたロータ(30)と、を備えた回転電機において、
前記ロータは、
筒状のボス部(521)、及び、前記ボス部の軸方向両端から周方向所定ピッチで径方向外側に突出するディスク部(522,522a,522b)を有するポールコア(52)と、
周方向に交互に異なる極性の磁極が形成される複数の磁極部(531,531a,531b)、前記磁極部を通るd軸から電気角で90°ずれた所に位置するq軸コア部(532)、及び、周方向に異なる極性の前記磁極部同士を磁気的に接続する短絡部(533)を有するコア部材(53)と、
前記ボス部の外周側に巻装されて通電により起磁力を発生する界磁巻線(54)と、
前記磁極部と前記q軸コア部の間に配置されて前記磁極部に交互に現れる極性と一致するように配置された永久磁石(55)と、を備え、
前記ボス部の一対のNS磁極あたりの軸方向断面積をAbとし、前記ボス部の材料の磁界の強さ5000A/mにおける磁束密度をBsbとし、前記永久磁石の残留磁束密度をBrとし、前記永久磁石の磁束流入出面の表面積をAmとし、前記短絡部の周方向断面積をAsとし、前記短絡部の材料の磁界の強さ5000A/mにおける磁束密度をBssとしたときに、
Ab・Bsb+As・Bss≧2・Br・Am、且つ0.03≦As/Ab≦0.22となる関係が成立するように構成されている。
この構成によれば、界磁巻線への通電により界磁磁束が界磁コアに励磁されたときに、界磁巻線が巻装されているボス部を流れる磁束を飽和させて、永久磁石の磁力Ψmをステータへ流出させることができる。そのため、永久磁石の磁力Ψmにより、従来の爪状磁極部間に設けられた短絡部の磁束漏れによる能力低下と同等以上の磁力増加を引き出すことが可能となり、界磁特性及び最大磁束の向上により高出力を実現することができる。この効果は、外周側に設置された円筒状の部材に限られず、磁極部の内周側などに配置された磁性鉄板などによっても実現しうる。また、後述する実施形態では円筒状の磁束短絡部材が爪状磁極部の外周側に配置されていることにより、遠心力による爪状磁極部の径方向強度が増加されているため、爪状磁極部が遠心力により径方向外側に拡がるのを抑制することができる。そのため、ステータとロータ間のエアギャップを、従来の流通多数を占める磁石無しランデル型ロータと同一レベルにすることができる。これにより、エアギャップの拡大を抑制しつつ十分な強度的信頼性を確保することができる。
また、エアギャップの減少により、界磁巻線に通電する界磁電流を少なくできるため、従来の磁石付きランデル型ロータと比べ、界磁巻線の発熱量を非常に効果的に、90%程度低減することができる。これにより、熱的信頼性を現状の空気冷却機構の能力で成立させることができる。また、ロータは、ボス部及びディスク部を有するポールコアと、複数の磁極部、q軸コア部及び短絡部を有するコア部材とを備える構成であるため、リラクタンストルクや回生出力を上昇させることができる。
請求項6に記載の発明は、請求項5において、前記ロータは、1≦(Ab・Bsb+As・Bss)/(2・Br・Am)≦1.4となる関係が成立するように構成されている。この構成によれば、低電圧範囲において、逆起電力を厳しく低減させることができるほか、永久磁石の削減によりコストダウンを図ることができる。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6の何れか一項において、前記ロータを単体にてインダクタンスの測定を行った際、負荷時のインダクタンスが、無負荷時のインダクタンスよりも半分以下となっている。この構成によれば、負荷時に磁石磁束を有効にステータ側に案内し、無負荷時に磁石磁束をロータ内で短絡させることができる。また、ランデル型を使う理由の一つである逆起電力を無負荷時に抑制するという効果を向上しつつ、高磁束を得ることができる。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7の何れか一項において、前記ステータコアは、径方向に延びる複数のティース(23)を有し、前記短絡部は、前記永久磁石から前記界磁巻線までのスペースと、前記永久磁石から前記ティースの径方向先端までのスペースとのうちで少なくとも一方に設けられている。言い換えると、周方向に異なる極性の爪状磁極部の間、かつ、径方向における界磁巻線とティースとの間であって、永久磁石を除いたスペースに短絡部が設けられている。この構成によれば、逆起電力を厳しく低減させることができる。また、ロータとステータ間のエアギャップを通らない非常に低い磁気抵抗の逆起電力抑制磁路が設けられ、逆起電力を50%から70%程度まで低減することができる。
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8の何れか一項において、前記ロータは、コア部(321,52)を有し、前記短絡部(35a,36a,38)の部材は、前記コア部の材料よりも高い比透磁率の材料で構成されている。この構成によれば、無負荷時の磁束低減効果を持つ短絡磁路の非透磁率が高いため、より効果的に逆起電力を低減することができる。
なお、この欄及び特許請求の範囲で記載された各部材や部位の後の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的な部材や部位との対応関係を示すものであり、特許請求の範囲に記載された各請求項の構成に何ら影響を及ぼすものではない。
実施形態1に係る回転電機の軸方向断面図である。 実施形態1に係るロータの磁束短絡部材を外した状態の斜視図である。 実施形態1に係るロータの磁束短絡部材を装着した状態の斜視図である。 実施形態1に係るロータの軸方向から見た正面図である。 実施形態1に係る界磁コアの諸寸法を示す説明図である。 実施形態1に係るロータの磁束短絡部材の一部を周方向に展開した部分展開図である。 エアギャップを0.3mmと0.4mmに設定した場合や磁石の有無などを種々組み合わせた回転電機について、アンペアターンと飽和磁束との関係を示す特性図である。 実施形態1において電機子巻線への鎖交磁束量とAs/Abとの関係を示す特性図である。 実施形態1において電機子巻線への鎖交磁束量とS/Ψnとの関係を示す特性図である。 変形例1において磁束短絡部材の短絡部とステータとの位置関係を示す説明図である。 変形例2に係るロータの斜視図である。 実施形態2に係る回転電機の軸方向断面図である。 実施形態2に係るロータの一部を示す部分斜視図である。 実施形態2に係るロータのポールコアの一部を示す部分斜視図である。 実施形態2に係るロータのコア部材の一部を示す部分平面図である。 実施形態3に係る回転電機の軸方向断面図である。 実施形態3に係るロータのコア部材を示す一部断面の斜視図である。 実施形態3に係る磁束短絡部材を示す斜視図である。 d軸の磁気回路を示す部分平面図である。 d軸の磁気回路を示す一部断面の斜視図である。 実施形態3に係るd軸の磁気回路を示す部分平面図である。 界磁電流とパーミアンスとの関係を示すグラフ図である。 磁束短絡部材の配置例を示す模式図である。 実施形態3に係る磁束短絡部材の変形例を示す斜視図である。 エアギャップを0.3mmと0.4mmに設定したときのアンペアターンと飽和磁束密度との関係を示す特性図である。 エアギャップを0.3mmと0.4mmに設定したときのアンペアターン比と界磁巻線発熱量比との関係を示す特性図である。
以下、本発明に係る回転電機の実施形態について図面を参照して具体的に説明する。
〔実施形態1〕
実施形態1に係る回転電機について図1〜図11,図19,図20を参照して説明する。実施形態1に係る回転電機は、車両に搭載されて発電機として使用される車両用交流発電機である。
<車両用交流発電機の全体構成>
実施形態1の車両用交流発電機1は、図1に示すように、ハウジング10、ステータ20、ロータ30、界磁巻線給電装置、整流器45等を含んで構成されている。ハウジング10は、それぞれ一端が開口した有底円筒状のフロントハウジング11とリアハウジング12とからなる。フロントハウジング11とリアハウジング12は、開口部同士が接合された状態でボルト13により締結されている。
ステータ20は、周方向に配列された図19,図20に示す複数のスロット22及び複数のティース23を有する円環状のステータコア21と、ステータコア21のスロット22に巻装された三相の相巻線よりなる電機子巻線25とを有する。複数のティース23はステータコア21から径方向に延びる部位である。複数のスロット22は、周方向に隣り合うティース23の間に形成される空間であって、電機子巻線25を収容する部位である。このステータ20は、フロントハウジング11とリアハウジング12の周壁内周面に、軸方向に挟持された状態で固定されている。
ロータ30は、図2、図3及び図4に示すように、ハウジング10に一対の軸受け14,14を介して回転自在に支持された回転軸31(図1参照)と、回転軸31の外周に嵌合固定された一対のポールコア32a,32bよりなるランデル型の界磁コア32と、界磁コア32のボス部321に巻装された界磁巻線33と、界磁コア32の周方向に隣接する爪状磁極部323の間に配置された複数の永久磁石34と、を有する。このロータ30は、ステータ20の内周側に径方向に対向して回転可能に設けられている。このロータ30は、回転軸31の前端部に固定されたプーリ31Aを介して、車両に搭載された図示しないエンジンによって回転駆動される。ボス部321は「コア部」に相当する。
界磁コア32は、図1及び図2に示すように、回転軸31の前側(図1の左側)に固定された第1ポールコア32aと、回転軸31の後側(図1の右側)に固定された第2ポールコア32bとにより構成されている。第1ポールコア32aは、界磁巻線33の径方向内側にて界磁束を軸方向に流す円筒状の第1ボス部321aと、第1ボス部321aの軸方向前端部から周方向所定ピッチで径方向外側へ延在して界磁束を径方向に流す第1ディスク部322aと、第1ディスク部322aの先端から界磁巻線33を囲むように軸方向に延在してステータコア21と磁束の授受をする第1爪状磁極部323aとからなる。
そして、第2ポールコア32bも第1ポールコア32aと同一形状を有する。但し、第2ポールコア32bの第2ボス部は321b、第2ディスク部は322b、第2爪状磁極部は323bと付番されている。これら第1及び第2ポールコア32a,32bは、軟磁性体からなる。
第1ポールコア32aと第2ポールコア32bは、第1爪状磁極部323aと第2爪状磁極部323bを互い違いに向かい合わせるようにして、第1ポールコア32aの軸方向後端面と第2ポールコア32bの軸方向前端面とが接触した状態に組み付けられている。これにより、第1ポールコア32aの第1爪状磁極部323aと第2ポールコア32bの第2爪状磁極部323bとが周方向に交互に配置されている。第1及び第2ポールコア32a,32bは、それぞれ8個の爪状磁極部323をもち、実施形態1では、16極(N極:8、S極:8)のランデル型ロータコアを形成している。
界磁巻線33は、第1及び第2ボス部321a,321bの外周面に界磁コア32と絶縁された状態で巻装されており、第1及び第2爪状磁極部323a,323bに囲まれている。この界磁巻線33は、図示しない界磁電流制御回路から界磁電流Ifが通電されることによってボス部321に起磁力を発生させる。これにより、第1及び第2ポールコア32a,32bの第1爪状磁極部323aと第2爪状磁極部323bにそれぞれ異なる極性の磁極が形成される。実施形態1の場合には、第1爪状磁極部323aがS極に磁化され、第2爪状磁極部323bがN極に磁化される。
この場合、界磁巻線33により界磁コア32のボス部321に発生した磁束は、例えば第1ポールコア32aの第1ボス部321aから第1ディスク部322a、第1爪状磁極部323aに流れた後、第1爪状磁極部323aからステータコア21を経由して第2ポールコア32bの第2爪状磁極部323bに流れ、第2爪状磁極部323bから第2ディスク部322b、第2ボス部321bを経由して第1ボス部321aに戻る磁気回路を形成する。この磁気回路は、ロータ30の逆起電力を生む磁気回路である。
そして、図2に示すように、周方向に交互に配置された第1爪状磁極部323aと第2爪状磁極部323bの間には、軸方向斜めに延在する隙間が形成されており、各隙間には永久磁石34が1個ずつ配置されている。各永久磁石34は、長方体形状の外形を有し、磁化容易軸が周方向に向けられて、周方向両側の端面(磁束流入出面)が第1及び第2爪状磁極部323a,323bの周方向側面にそれぞれ当接した状態で第1及び第2爪状磁極部323a,323bに保持されている。これにより、各永久磁石34は、その極性が界磁巻線33の励磁によって第1及び第2爪状磁極部323a,323bに交互に現れる極性と一致するように配置されている(図6参照)。
磁束短絡部材35は、図3〜図6に示すように、軟磁性体により軸方向断面積(肉厚)が周方向において一定の中空円筒状に形成されており(図4参照)、界磁コア32の外周側に各爪状磁極部323の外周面と接触した状態で嵌合固定されている。即ち、この磁束短絡部材35は、周方向に交互に配置された異なる極性の爪状磁極部323同士を磁気的に接続する短絡部35aを有している。実施形態1の場合、磁束短絡部材35は、図5に示すように、ステータコア21の軸長L2よりも大きい軸長L1を有し、軸長L1の全長が短絡部35aとされている。これにより、短絡部35aは、軸方向両端部がロータ30とステータコア21との径方向に対向する対向面の軸方向外側にはみ出すように設けられている。また、短絡部35aの軸方向の断面積Asは、周方向において一定にされている。即ち、短絡部35aには、周方向において肉厚が変化するような凹凸部や孔が設けられていない。短絡部35aの部材は、逆起電力を低減させるため、界磁コア32(特にボス部321)の材料よりも高い比透磁率の材料で構成するとよい。
界磁巻線給電装置は、界磁巻線33に給電するための装置であり、図1に示すように、一対のブラシ41、一対のスリップリング42及びレギュレータ43等を有する。一対のスリップリング42は、回転軸31の軸方向一端(図1の右側端)に嵌合固定されている。一対のブラシ41は、その径方向内側の先端がスリップリング42の表面に押圧された状態で摺動可能に配置されている。一対のブラシ41は、スリップリング42を介して界磁巻線33に給電する。レギュレータ43は、界磁巻線33に流す界磁電流Ifを制御することによって車両用交流発電機1の出力電圧を調整する装置である。また、整流器45は、電機子巻線25に電気的に接続されており、電機子巻線25から出力される交流電流を直流電流に整流する装置である。この整流器45は、複数のダイオード(整流素子)等により構成されている。
以上の構成を有する車両用交流発電機1は、ベルト等を介してプーリ31Aにエンジンからの回転力が伝えられると、ロータ30が回転軸31と共に所定方向に回転する。この状態で、ブラシ41からスリップリング42を介してロータ30の界磁巻線33に励磁電圧を印加することにより、第1及び第2ポールコア32a,32bのそれぞれの第1及び第2爪状磁極部323a,323bが励磁されて、ロータ30の回転周方向に沿って交互にNS磁極が形成される。これにより、ステータ20の電機子巻線25に回転磁界が付与されることで、電機子巻線25に交流の起電力を発生させる。電機子巻線25で発生した交流の起電力は、整流器45を通って直流電流に整流された後、図示しないバッテリに供給される。
次に、実施形態1に係る車両用交流発電機1の特徴構成について説明する。上記のように構成された車両用交流発電機1において、ボス部321の一対のNS磁極あたりの軸方向断面積をAb(以下、「ボス部断面積Ab」という。)とし、ボス部321の材料の磁界の強さ5000A/mにおける磁束密度をBsbとし、永久磁石34の残留磁束密度をBrとし、永久磁石34の磁束流入出面の表面積をAmとし、短絡部35aの周方向断面積をAs(以下、「短絡部断面積As」という。)とし、短絡部35aの材料の磁界の強さ5000A/mにおける磁束密度をBssとしたときに、Ab・Bsb+As・Bss≧2・Br・Am、且つ0.03≦As/Ab≦0.22となる関係が成立するように構成されている。なお、ボス部断面積Abは、図5に示すように、円筒状のボス部321の総断面積をAとし、対をなすNS極の極対数をPとしたときに、Ab=A/Pで表される。
ここで、Ab・Bsb+As・Bss≧2・Br・Amにおいて、Ab・Bsbは、ボス部321を流れる磁束であり、As・Bssは、短絡部35aを流れる磁束であり、Br・Amは、永久磁石34一つの磁束である。よって、ボス部321を流れる磁束と短絡部35aを流れる磁束の和が、永久磁石34の磁束よりも大きいことを意味する。
図8は、(短絡部断面積As)/(ボス部断面積Ab)と電機子巻線25への鎖交磁束量との関係を本願発明者が調べた結果である。即ち、図8に示すように、電機子巻線25への鎖交磁束量は、As/Abが0.03〜0.22の範囲で円筒部材を設置しないときと比べ、磁束量が低下することなく、同等であることが解った。なお、ステータ20側の断面積設計を現状製品一定として設計する場合は、本構成により円筒部材を設置した場合に低下する磁束と同等の磁石磁束を得ることができる。そのため、ステータ20から測定される磁束量の上昇による逆起電力定数やインダクタンスの特記すべき変化は起きない。その一方、従来技術では起こるとされている漏洩磁束をゼロとし、磁束低下を起こさず、円環による強度増加、爪のステータ励磁電流との共振の防止、風切音の低下などの、良好な副次効果を得ることが可能である。ここで、電機子巻線25への鎖交磁束は、磁石磁束Ψnと界磁磁束Ψmの和となるため、永久磁石34を削減してコストダウンし、抵抗値が減った分だけ界磁磁束Ψmを利用することができる。さらには、48Vや12Vといった、車両用としてはハイブリッド車の200V〜700Vよりも遙かに低い低電圧域のバッテリに接続してもEMF(起電力)による過充電を防げるように短絡性能を向上させることができる。また、図8の条件として、このときのステータ20の背厚の1極あたりの断面積Acbとステータ20の極歯1極分あたりの断面積Ateethの内で小さい方の断面積をAstatorとする。このとき、従来の技術ではAb×0.5≦Astator≦Ab×1.0とすることが一般的であるが、本願ではAstator≧1.0Abとすることが望ましい。
また、実施形態1に係る車両用交流発電機1では、ロータ30は、1≦(Ab・Bsb+As・Bss)/(2・Br・Am)≦1.4となる関係が成立するように構成されている。ここで、As/Abを電機子巻線25への鎖交磁束のピーク値である1.4に固定し、短絡能力S:(Bs・Ab+Bs・As)と無負荷時の磁石磁束Ψn:(Br・Am)のS/Ψnを横軸にとり、電機子巻線25への鎖交磁束量を縦軸にとると、図9に示す結果が得られる。即ち、Ab・Bsb+As・Bss≧2・Br・Am、且つ0.03≦As/Ab≦0.22となる関係を満たし、S/Ψnが1〜1.4の範囲でEMF制約が厳しい低電圧範囲でも、ロバスト性高くEMF条件を成立させて、電機子巻線25への鎖交磁束量を減らさずに利用することができる。
<作用及び効果>
以上のように構成された実施形態1の車両用交流発電機1によれば、ロータ30は、Ab・Bsb+As・Bss≧2・Br・Am、且つ0.03≦As/Ab≦0.22となる関係が成立するように構成されている。これにより、界磁巻線33への通電により界磁磁束が界磁コア32に励磁されたときに、界磁巻線33が巻装されているボス部321を流れる磁束を飽和させて、永久磁石34の磁力Ψmをステータ20へ流出させることができる。そのため、永久磁石34の磁力Ψmにより、従来の爪状磁極部間に設けられた短絡部の磁束漏れによる能力低下よりも高い磁力増加を引き出すことが可能となり、界磁特性及び最大磁束の向上により高出力を実現することができる。
また、実施形態1では、円筒状の磁束短絡部材35が爪状磁極部323の外周側に配置されていることにより、遠心力による爪状磁極部323の径方向強度が増加されているため、爪状磁極部323が遠心力により径方向外側に拡がるのを抑制することができる。そのため、ステータ20とロータ30間のエアギャップを、従来の流通多数を占める磁石無しランデル型ロータと同一レベルにすることができる。これにより、エアギャップの拡大を抑制しつつ十分な強度的信頼性を確保することができる。
また、実施形態1では、エアギャップの減少により、界磁巻線33に通電する界磁電流を少なくできるため、従来の磁石付きランデル型ロータと比べ、界磁巻線33の発熱量を低減することができる。これにより、熱的信頼性を現状の空気冷却機構の能力で成立させることができる。
また、実施形態1では、円筒状の磁束短絡部材35が爪状磁極部323を拘束することにより、爪状磁極部323の共振を抑え、騒音を低減することができる。更に、爪状磁極部323を爪先端に近づく程細くする場合、界磁巻線33を巻く更なるスペースが生まれる。このスペースに界磁巻線33を追加巻装し、爪状磁極部323を裏(つまり内周側)から抑え込むことにより、更に爪状磁極部323の振動を低減し、低騒音化をすることができる。
また、実施形態1では、円筒状の磁束短絡部材35により円周上に(すなわち周方向に沿って)ならぶ爪状磁極部323を覆い隠した。この構成によれば、爪状磁極部323の間の風を切る騒音を低下させ、負荷トルクを減少させることで効率性能を向上させることが可能である。
また、実施形態1では、円筒状の磁束短絡部材35が爪状磁極部323よりもステータ20側へ突出してステータ20の内周面と対向することにより、界磁巻線33により軸方向からステータ20側へ案内される磁束の向きが軸を法線とする平面に倣うようになる。よって、通例では電気的に絶縁された電磁鋼板を積層することで作られるステータ20の軸方向への磁束を少なくし、渦電流損を低減することができる。
また、実施形態1では、ロータ30は、1≦(Ab・Bsb+As・Bss)/(2・Br・Am)≦1.4となる関係が成立するように構成されている。これにより、低電圧範囲において、逆起電力を厳しく低減させることができるほか、永久磁石34の削減によりコストダウンを図ることができる。
また、実施形態1では、磁束短絡部材35の短絡部35aは、周方向断面積Asが周方向において一定にされていることから、短絡部35aの周方向断面積Asを用いて設定する上記の関係式を容易に導き出すことができる。また、短絡部35aは、応力集中係数がなく応力集中が起きないため、磁束短絡部材35の十分な強度を確保することができる。
また、実施形態1では、短絡部35aは、ロータ30とステータコア21との径方向に対向する対向面の軸方向外側に少なくとも一部がはみ出すように設けられている。これにより、短絡部35aがロータ30とステータコア21との対向面以外の所で磁束を短絡するため、短絡部35aを通る磁束がステータコア21に漏れ難くなるので、逆起電力をより下げ易くすることができる。
〔変形例1〕
変形例1は、図10に示すように、磁束短絡部材36の構造が上記実施形態1のものと異なる。変形例1の磁束短絡部材36は、軟磁性体により肉厚が一定の中空円筒状に形成されているが、界磁コア32の周方向に隣接する爪状磁極部323の間に配置された永久磁石34と径方向に対向する部位に複数の窓部36bが形成されている点で異なる。窓部36bは、爪状磁極部323の周方向側面に沿って軸方向斜めに傾斜して延在しており、傾斜方向が逆になった窓部36bが周方向に交互に配置されている。
この磁束短絡部材36は、窓部36b以外の部位が、周方向に交互に配列された第1爪状磁極部323a及び第2爪状磁極部323bの外周面に接触した状態で、界磁コア32の外周に嵌合固定されている。これにより、磁束短絡部材36の軸方向両端部には、周方向に隣接する第1爪状磁極部323aと第2爪状磁極部323bとを磁気的に接続する短絡部36aが形成されている。即ち、短絡部36aは、第1爪状磁極部323aの根元部と第2爪状磁極部323bの先端部、又は、第1爪状磁極部323aの先端部と第2爪状磁極部323bの根元部を接続している。この短絡部36aは、実施形態1と同様に、軸方向断面積が周方向において一定にされている。また、短絡部36aは、ロータ30とステータコア21との径方向に対向する対向面の軸方向外側に一部がはみ出すように設けられている。よって、変形例1場合にも、実施形態1と同様の作用及び効果を奏する。短絡部36aの部材は、短絡部35aと同様に逆起電力を低減させるため、界磁コア32(特にボス部321)の材料よりも高い比透磁率の材料で構成するとよい。
〔変形例2〕
変形例2の磁束短絡部材37は、図11に示すように、変形例1の磁束短絡部材36における軸方向両端部の2つの短絡部36a,36aの部分だけを抽出したもので構成されている。即ち、磁束短絡部材37は、界磁コア32の軸方向両端部に配置された2つのリング状部材よりなる。各磁束短絡部材37は、変形例1の短絡部36aと同様に、第1爪状磁極部323aの根元部と第2爪状磁極部323bの先端部、又は、第1爪状磁極部323aの先端部と第2爪状磁極部323bの根元部を接続している。
よって、変形例2の磁束短絡部材37によれば、変形例1の磁束短絡部材36に比べ、軸方向中央部分が削除されているため、遠心力による爪状磁極部323の径方向外方への変形を防止しつつ、重量の大幅な軽減を実現することができる。また、爪状磁極部323の遠心力による変位の小さい根元部と、遠心力による変位が最大となる先端部を押さえ付けているため、擬似的に両持ちの構造となるので、相乗的に牽牛な構成にすることができる。さらに、磁束短絡部材37で爪状磁極部323の先端部を抑えているため、径方向外方への変形を効果的に抑えることができる。また、変形例2の磁束短絡部材37は、界磁コア32の軸方向両端部に装着されるため、変形例1の磁束短絡部材36のように界磁コア32の軸方向中央部に装着されるものに比べ、簡単に取り付けることができる。
また、変形例2では、爪状磁極部323の外周面に対して、グルービングと呼ばれるボーダーライン状の周方向に延びる溝36cが付けられている。これにより、爪状磁極部323に発生する渦電流損を低減することができる。
〔実施形態2〕
実施形態2に係る回転電機について図12〜図15,図19,図20を参照して説明する。実施形態2に係る回転電機は、実施形態1と同様の車両用交流発電機であるが、主にロータ50の構成が実施形態1のものと異なる。以下、異なる点及び重要な点について説明する。なお、実施形態1と共通する要素については同じ符号を使用し、詳しい説明を省略する。
<車両用交流発電機の全体構成>
実施形態2の車両用交流発電機2は、図12に示すように、ハウジング10、ステータ20、ロータ50、スリップリング56、回転センサ57等を含んで構成されている。ハウジング10は、一端が開口した有底円筒状のフロントハウジング11と、フロントハウジング11の開口部に嵌合固定された蓋状のリアハウジング12とからなる。
ステータ20は、実施形態1と同様に構成されたものであり、図19,図20に示す複数のスロット22及び複数のティース23を有する円環状のステータコア21と、ステータコア21のスロット22に巻装された三相の相巻線よりなる電機子巻線25とを有する。図12の符号26は、電機子巻線25から取り出した電力を出力する出力線である。このステータ20は、フロントハウジング11の周壁内周面の軸方向中央部に固定されている。
ロータ50は、図12に示すように、ハウジング10に一対の含油軸受け14,14を介して回転自在に支持された回転軸51と、回転軸51の外周に嵌合固定されたポールコア52と、第1及び第2磁極部531a,531b、q軸コア部532並びに短絡部533を有するコア部材53と、界磁コア32のボス部321に巻装された界磁巻線54と、磁極部とq軸コア部の間に配置された永久磁石55と、を備えている。このロータ50は、ステータ20の内周側に径方向に対向して回転可能に設けられており、図示しないプーリやギア等の駆動力伝達部材を介して、車両に搭載された図示しないエンジンによって回転駆動される。ポールコア52は「コア部」に相当する。
ポールコア52は、図13及び図14に示すように、界磁巻線54の径方向内側にて界磁束を軸方向に流す円筒状のボス部521と、ボス部521の軸方向両端からそれぞれ周方向所定ピッチで径方向外側に突出する第1ディスク部522a及び第2ディスク部522bと、を有する。第1ディスク部522aは、ボス部521の軸方向一端側(図13及び図14の上側)に8個設けられ、径方向外側の先端から軸方向他端側へ突出する第1突出部523aを有する。第2ディスク部522bは、ボス部521の軸方向他端側に8個設けられ、径方向外側の先端から軸方向一端側へ突出する第2突出部523bを有する。第1ディスク部522aと第2ディスク部522bは、周方向において電気角で180°位相がずれた位置に設けられている。
コア部材53は、図13及び図15に示すように、界磁巻線54の外周側に配置されて周方向に交互に異なる極性の磁極が形成される複数(実施形態2では16個)の磁極部531と、磁極部531を通るd軸から電気角で90°ずれた所に位置するq軸コア部532と、磁極部531の外周側に設けられて隣接する異なる極性の磁極部531同士を磁気的に接続する短絡部533と、を有する。
磁極部531は、S極に磁化される第1磁極部531aと、N極に磁化される第2磁極部531bが周方向に交互に8個ずつ設けられている。第1磁極部531aは、軸方向一端側の端面が第1ディスク部522aの第1突出部523aと当接し、第2磁極部531bは、軸方向他端側の端面が第2ディスク部522bの第2突出部523bと当接している。各磁極部531の周方向両側と内周側の3箇所には、永久磁石55を収容する磁石収容孔534が設けられている。磁石収容孔534は、永久磁石55の断面形状よりも大きい断面形状を有し、磁石収容孔534に収容された永久磁石55の磁化困難軸の軸方向両側に磁気的空隙部(バリア)535が設けられている。短絡部533は、コア部材53の外周部に一体に設けられている。具体的には、q軸コア部532とその周方向両側にある2つの磁石収容孔534の外周側に位置する部位である。短絡部533の部材は、逆起電力を低減させるため、ポールコア52の材料よりも高い比透磁率の材料で構成するとよい。
界磁巻線54は、ボス部521の外周面にポールコア52と絶縁された状態で巻装されており、ポールコア52及びコア部材53に囲まれている。この界磁巻線54は、図示しない界磁電流制御回路から図示しないブラシや回転軸51に固定されたスリップリング56を介して界磁電流Ifが供給されることによってボス部521に起磁力を発生させる。これにより、コア部材53の第1磁極部531aと第2磁極部531bにそれぞれ異なる極性の磁極が形成される。実施形態2の場合には、第1磁極部531aがS極に磁化され、第2磁極部531bがN極に磁化される。
永久磁石55は、図15に示すように、各磁極部531の周方向両側と内周側のそれぞれの3箇所に設けられた磁石収容孔に1個ずつ収容配置されている。この場合、各磁極部531の周方向両側で磁極部531とq軸コア部532の間に配置された永久磁石55aは、磁化容易軸が周方向に向けられてその極性が励磁によって磁極部531に交互に現れる極性と一致するように配置されている。また、各磁極部531の内周側に配置された永久磁石55bは、磁化容易軸が径方向に向けられて径方向外側の極性が励磁によって現れる磁極部531の極性と一致するように配置されている。
なお、実施形態2の場合、界磁巻線54への通電によってコア部材53に形成されるd軸磁気回路(図15に実線で示す)は、大きく見れば第1d軸回路58aと第2d軸回路58bの2種類が存在する。第1d軸回路58aは、磁極部531とq軸コア部532の間に配置された永久磁石55aを周方向に横切る磁気回路である。また、第2d軸回路58bは、磁極部531の内周側に配置された永久磁石55bを径方向に横切る磁気回路である。一方、d軸磁気回路の鎖交磁束により電機子巻線25に流れる電流によってコア部材53に形成されるq軸磁気回路59(図15に破線で示す)は、q軸コア部532から永久磁石55bの内周側を経由して、隣接するq軸コア部532を通り抜ける磁気回路である。
回転センサ57は、ロータ50の回転位相を検知するものである。この回転センサ57は、車両用交流発電機2を制御する図示しない制御部と出力線57aで接続されており、検知したロータ50の回転位相情報を制御部に送る。
以上の構成を有する車両用交流発電機2は、図示しないエンジンから駆動力伝達部材を介して回転軸51に回転力が伝えられると、回転軸51と共にロータ50が所定方向に回転する。この状態で、スリップリング56を介してロータ50の界磁巻線54に励磁電圧を印加することにより、第1及び第2磁極部531a,531bが励磁されて、ロータ50の回転周方向に沿って交互にNS磁極が形成される。これにより、ステータ20の電機子巻線25に回転磁界が付与されることで、電機子巻線25に交流の起電力を発生させる。電機子巻線25で発生した交流の起電力は、図示しない整流器を通って直流電流に整流された後、出力端子から取り出され図示しないバッテリに供給される。
上記のように構成された実施形態2に係る車両用交流発電機2は、実施形態1の場合と同様に、ボス部521の一対のNS磁極あたりの軸方向断面積をAb(以下、「ボス部断面積Ab」という。)とし、ボス部521の材料の磁界の強さ5000A/mにおける磁束密度をBsbとし、永久磁石55の残留磁束密度をBrとし、永久磁石55の磁束流入出面の表面積をAmとし、短絡部533の周方向断面積をAs(以下、「短絡部断面積As」という。)とし、短絡部533の材料の磁界の強さ5000A/mにおける磁束密度をBssとしたときに、Ab・Bsb+As・Bss≧2・Br・Am、且つ0.03≦As/Ab≦0.22となる関係が成立するように構成されている。また、ロータ50は、1≦(Ab・Bsb+As・Bss)/(2・Br・Am)≦1.4となる関係が成立するように構成されている。
<作用及び効果>
以上のように構成された実施形態2の車両用交流発電機2によれば、ロータ50は、Ab・Bsb+As・Bss≧2・Br・Am、且つ0.03≦As/Ab≦0.22となる関係が成立するように構成されている。これにより、エアギャップの拡大を抑制しつつ十分な強度的信頼性を確保するとともに、界磁特性及び最大磁束を同等以上とすることにより高出力を実現し、且つ界磁巻線54の発熱量を低減して熱的信頼性を確保することができる等、実施形態1と同様の作用及び効果を奏する。
また、実施形態2では、ロータ50は、1≦(Ab・Bsb+As・Bss)/(2・Br・Am)≦1.4となる関係が成立するように構成されている。これにより、低電圧範囲において、逆起電力を厳しく低減させることができ、永久磁石55の削減によりコストダウンを図ることができる等、実施形態1と同様の作用及び効果を奏する。
そして、実施形態2のロータ50は、永久磁石55a,55bが埋め込まれたコア部材53を、ポールコア52のディスク部522で軸方向両側から挟み込んだ構造を有する。これにより、d軸のインダクタンスが低い本構成において、コア部材53部分のq軸トルクを有効に使うことができる。
また、ロータ50は、磁極部531の外周側に設けられて異なる極性の磁極部531同士を磁気的に接続する短絡部533を有するコア部材53を備えている。これにより、短絡部533の短絡磁路を逆起電力抑制構造として利用できるため、ボス部521やディスク部522の断面積を小さくすることで界磁巻線54のスペースを大きくすることができる。そのため、上記の熱的信頼性を確保する上でより一層効果的となる。
〔実施形態3〕
実施形態3に係る回転電機について図16〜図22を参照して説明する。実施形態3に係る回転電機は、実施形態1と同様の車両用交流発電機であるが、主にロータ30の構成が実施形態1のものと異なる。以下、異なる点及び重要な点について説明する。なお、実施形態1と共通する要素については同じ符号を使用し、詳しい説明を省略する。
<車両用交流発電機の全体構成>
実施形態3の車両用交流発電機3は、図16に示すように、ハウジング10、ステータ20、ロータ30、界磁巻線給電装置、整流器45等を含んで構成されている。実施形態1の図1に示す車両用交流発電機1に備える磁束短絡部材35に代えて、車両用交流発電機3では磁束短絡部材38を備える点が相違する。
磁束短絡部材38は、実施形態1の短絡部35a,36aに相当する。この磁束短絡部材38は、周方向に交互に配置された異なる極性の爪状磁極部323同士を磁気的に短絡するように接続する軟磁性体(例えば磁性鉄板など)である。
本形態の磁束短絡部材38は、図17に示すように、永久磁石34よりも径方向内側、かつ、界磁巻線33よりも径方向外側に設けられている。また図18に示すように、周方向に隣り合う爪状磁極部323(すなわち第1爪状磁極部323aと第2爪状磁極部323b)の双方に接して設けられている。言い換えると、磁束短絡部材38は界磁巻線33と永久磁石34との間に設けられて爪状磁極部323に接するので、異なる極性の爪状磁極部323同士を磁気的に短絡する。磁束短絡部材38は、爪状磁極部323に接する配置でもよく、永久磁石34と接着したり接合したりして設けてもよく、界磁巻線33と接着して設けてもよい。接合は、アーク溶接やレーザビーム溶接などの融接でもよく、抵抗溶接や鍛接などの圧接でもよく、はんだ付けやろう付けなどのろう接でもよい。
<磁束短絡部材38の作用>
次に、界磁巻線33に流す界磁電流Ifに応じて、磁石磁束Ψnの流れを制御する技術について説明する。ここで、完成された回転電機は、ステータ20およびロータ30の各磁気抵抗を容易に測定することができない。インダクタンスは、巻数(具体的にはターン数)の2乗で変動するため、大小関係を評価するのは難しい。そのため、本形態での評価には、後述する測定法で容易に測定でき、算出することが可能なパーミアンスを用いることにする。パーミアンスP[H]は、インダクタンスをL[H]とし、巻線の巻数をNとすると、一般式のP=L/N2の関係を有する。したがって、インダクタンスを測定できれば、容易にパーミアンスも求められる。また、巻数Nは定数であるので、パーミアンスPとインダクタンスLとは比例関係がある。
界磁巻線33に界磁電流Ifが流れているとき、図19,図20に太破線で示すように、ロータ30の逆起電力を生むd軸磁気回路Mdが形成される。図19に示すd軸磁気回路Mdは、界磁コア32のボス部321と、一対の第1爪状磁極部323aおよび第2爪状磁極部323bとを通る磁束により形成される。ボス部321は「コア部」に相当する。
上記磁束の流れは、さらに図20に一例を太破線で示す。本例は、界磁巻線33に電流が流れて、第1ポールコア32aがN極に磁化され、第2ポールコア32bがS極に磁化される例である。まずステータコア21のd軸のティース23から界磁コア32の第2爪状磁極部323bに入る。その後、第2ディスク部322b,第2ボス部321b,第1ボス部321a,第1ディスク部322a,第1爪状磁極部323aを経由する。さらに、ステータコア21の1磁極分ずれた位置にあるティース23からステータコア21に戻った後、バックヨーク24を通って1磁極分ずれた位置にあるd軸のティース23に至る。図示を省略するが、第1ポールコア32aがS極に磁化され、第2ポールコア32bがN極に磁化される場合には、磁束は上述した順番と逆順に流れる。
上述したd軸磁気回路Mdを考慮すると、ロータ30のパーミアンスPrt[H]は、界磁巻線33のインダクタンスを測定すれば求められる。界磁巻線33の巻数をNrとし、測定されたインダクタンスをLr[H]とすれば、Prt=Lr/Nr2で求められる。
また、ステータ20のパーミアンスPst[H]は、電機子巻線25のインダクタンスを測定すれば求められる。電機子巻線25の巻数をNsとし、測定されたインダクタンスをLs[H]とすれば、Pst=Ls/Ns2で求められる。
本形態では、図16,図17に示したように、ロータ30は永久磁石34および磁束短絡部材38を有する。そのため、図21に太破線で示す新たな磁気回路39が形成される。この磁気回路39は、界磁電流Ifが流れないとき(すなわちIf=0)に形成され、ボス部321,ディスク部322,磁束短絡部材38を流れてロータ30内で完結する。一方、界磁電流Ifが流れるときは、磁束短絡部材38を通る磁束が飽和してしまうため、磁気回路39は形成されない。すなわち磁束短絡部材38は、界磁電流Ifが流れないときに磁石磁束Ψnを抑制する最短絡路となり、界磁電流Ifが流れるときに漏洩磁束を無くす役割を担う。このことから、界磁電流Ifが流れるとき、漏洩磁束が無くなった磁石磁束Ψnは、その磁束のほぼ全てをステータ20側に供給できるので、車両用交流発電機3は永久磁石型モータのように作用する。
図22には、界磁電流Ifに対するパーミアンスPrt,Pstの変化を示す。実線で示すパーミアンスPrtと、一点鎖線で示すパーミアンスPstは、いずれもロータ30を単体にてインダクタンスの測定を行った結果に基づくものである。比較例として、二点鎖線で示すパーミアンスPrt2は、永久磁石34および磁束短絡部材38を有しない従来技術のロータのものである。
パーミアンスPrtは、無負荷時である界磁電流Ifが0[A]のときに最大値P2になり、界磁電流Ifが大きくなるにつれて低下してゆく。界磁電流IfがIf1[A]以上のとき、パーミアンスPrtは半分値P1以下となっている。半分値P1は最大値P2を半分した値である。上述したようにパーミアンスPとインダクタンスLとは比例関係があるので、パーミアンスPをインダクタンスLに読み替えることもできる。すなわち、界磁電流Ifが負荷時に流れるIf1[A]以上のとき、インダクタンスLは界磁電流Ifが0[A]のときの値よりも半分値以下となる。
これに対して、パーミアンスPstは界磁電流Ifの大きさに関わらず、一定幅の範囲で推移する。そのため、無負荷時はPrt>Pstになり、負荷時はPst>Prtになる。Pst>Prtが成り立つのは、厳密には界磁電流Ifが閾値電流Ifthよりも大きい範囲(すなわちIf>Ifth)に限られる。負荷時は、界磁巻線33に流す界磁電流Ifの定格電流が一般的なブラシの能力(例えばIf=4〜20[A]の間)であって、閾値電流Ifthよりも大きな電流を流している状態である。ブラシに進歩が向上すれば、界磁電流Ifは一般的なブラシの能力である20[A]を超えた電流値(例えば30[A]や50[A]等)を流してもよい。
上述したように、界磁電流Ifが0[A]のときにはロータ30とステータ20のパーミアンスをPrt>Pstにすることで、磁石磁束Ψnをロータ30内に留めることができる。磁束短絡部材38は、周方向に異なる極性の爪状磁極部323の間に設けられるので、磁石磁束Ψnを十分に短絡して、逆起電力を厳しく低減させることができる。
一方、界磁電流Ifが負荷時の電流のときにはロータ30とステータ20のパーミアンスをPst>Prtにすることで、磁石磁束Ψnをステータ20側に流すことができる。周方向に異なる極性の爪状磁極部323の間に設けられた磁束短絡部材38は、界磁巻線33に流れた界磁電流Ifによって生じる界磁磁束Ψmで飽和するので、磁石磁束Ψnはステータ20に向けて流せる。こうして、界磁巻線33に流す界磁電流Ifの大きさに基づいて、ロータ30とステータ20のパーミアンスの大小関係を制御できる。
<作用及び効果>
以上のように構成された実施形態3の車両用交流発電機3によれば、ロータ30は、Ab・Bsb+As・Bss≧2・Br・Am、且つ0.03≦As/Ab≦0.22となる関係が成立するように構成されている。これにより、界磁巻線33への通電により界磁磁束が界磁コア32に励磁されたときに、界磁巻線33が巻装されているボス部321を流れる磁束を飽和させて、永久磁石34の磁力Ψmをステータ20へ流出させることができる。そのため、永久磁石34の磁力Ψmにより、従来の爪状磁極部間に設けられた磁束短絡部材38の磁束漏れによる能力低下と比べて同等以上の磁力増加を引き出すことが可能となり、界磁特性及び最大磁束の向上により高出力を実現することができる。
また、実施形態3では、ロータ30を単体にてインダクタンスの測定を行った際、負荷時のインダクタンスが、無負荷時のインダクタンスよりも半分以下となっている。この構成によれば、負荷時に磁石磁束Ψnを有効にステータ20側に案内し、無負荷時に磁石磁束Ψnをロータ30内で短絡させることができる。また、ランデル型を使う理由の一つである逆起電力を無負荷時に抑制するという効果を向上しつつ、高磁束を得ることができる。
また、実施形態3では、短絡部に相当する磁束短絡部材38は、永久磁石34から界磁巻線33までのスペースと、永久磁石34からステータコア21のティースの径方向先端までのスペースとのうちで少なくとも一方に設けられている。この構成によれば、逆起電力を厳しく低減させることができる。ロータ30とステータ20間のエアギャップを通らない非常に低い磁気抵抗の逆起電力抑制磁路が設けられ、逆起電力を50%から70%程度まで低減することができる。
また、実施形態3では、短絡部に相当する磁束短絡部材38の部材は、コア部に相当するボス部321の材料よりも高い比透磁率の材料で構成されている。この構成によれば、無負荷時の磁束低減効果を持つ短絡磁路の非透磁率が高いため、より効果的に逆起電力を低減することができる。
実施形態3では、図16,図17に示すように、磁束短絡部材38は永久磁石34から界磁巻線33までのスペースに設ける構成とした。この構成に限らず、図23,図24に示すように、永久磁石34からステータコア21のティース23の径方向先端(図23ではステータ20の左側端面)までのスペースに設ける構成としてもよい。永久磁石34から界磁巻線33までと、永久磁石34からティース23の径方向先端までの双方に磁束短絡部材38を設ける構成としてもよい。要するに1以上の磁束短絡部材38は、周方向に異なる極性の爪状磁極部323の間、かつ、図23に示す界磁巻線33からティース23の径方向先端までのスペースSPのうちで永久磁石34を除いた部位に設けることができる。いずれの場所に設けた場合でも、上述した作用効果が得られる。
実施形態3では、磁束短絡部材38によって、界磁電流Ifが0[A]のときにはロータ30とステータ20のパーミアンスをPrt>Pstにし、界磁電流Ifが負荷時の電流のときにはロータ30とステータ20のパーミアンスをPst>Prtにした。このことは、実施形態1の短絡部35a,36aや、実施形態2の短絡部533でも同様に実現できる。すなわち、実施形態3の作用効果は実施形態1,2でも得られる。
〔他の実施形態〕
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更することが可能である。例えば、上記の実施形態では、本発明に係る回転電機を車両用交流発電機に適用した例を説明したが、車両に搭載される回転電機としての電動機や、さらには発電機と電動機を選択的に使用し得る回転電機にも本発明を適用することができる。
1,2,3…車両用交流発電機(回転電機)、10…ハウジング、11…フロントハウジング、12…リアハウジング、13…ボルト、14…軸受け、20…ステータ、21…ステータコア、22…スロット、23…ティース、25…電機子巻線、26…符号、30…ロータ、31…回転軸、31A…プーリ、32…界磁コア、32a…第1ポールコア、32b…第2ポールコア、321…ボス部、321a…第1ボス部、321b…第2ボス部、322a…第1ディスク部、322b…第2ディスク部、323…爪状磁極部、323a…第1爪状磁極部、323b…第2爪状磁極部、33,54…界磁巻線、34,55,55a,55b…永久磁石、35,36,37,38…磁束短絡部材、35a,36a,533…短絡部、36b…窓部、36c…溝、41…ブラシ、42…スリップリング、43…レギュレータ、45…整流器、50…ロータ、51…回転軸、52…ポールコア、521…ボス部、522…ディスク部、522a…第1ディスク部、522b…第2ディスク部、523a…第1突出部、523b…第2突出部、53…コア部材、531…磁極部、531a…第1磁極部、531b…第2磁極部、532…q軸コア部、534…磁石収容孔、56…スリップリング、57…回転センサ、57a…出力線、58a…第1d軸回路、58b…第2d軸回路、59…q軸磁気回路、Ab…ボス部断面積、As…短絡部断面積、Am…表面積、Bd…実行磁束密度、Br…残留磁束密度、If…界磁電流。

Claims (9)

  1. ステータコア(21)に電機子巻線(25)が巻装されてなるステータ(20)と、前記ステータの内周側に径方向に対向して配置されたロータ(30)と、を備えた回転電機において、
    前記ロータは、
    筒状のボス部(321,321a,321b)、及び、前記ボス部の外周側に配置されて周方向に交互に異なる極性の磁極が形成される複数の爪状磁極部(323,323a,323b)を有する界磁コア(32)と、
    前記ボス部の外周側に巻装されて通電により起磁力を発生する界磁巻線(33)と、
    周方向に隣接する前記爪状磁極部の間に、磁化容易軸が周方向に向けられてその極性が励磁によって前記爪状磁極部に交互に現れる極性と一致するように配置された永久磁石(34)と、
    周方向に異なる極性の前記爪状磁極部同士を磁気的に接続する短絡部(35a,36a)を有する磁束短絡部材(35,36,37,38)と、を備え、
    前記ボス部の一対のNS磁極あたりの軸方向断面積をAbとし、前記ボス部の材料の磁界の強さ5000A/mにおける磁束密度をBsbとし、前記永久磁石の残留磁束密度をBrとし、前記永久磁石の磁束流入出面の表面積をAmとし、前記短絡部の周方向断面積をAsとし、前記短絡部の材料の磁界の強さ5000A/mにおける磁束密度をBssとしたときに、
    Ab・Bsb+As・Bss≧2・Br・Am、且つ0.03≦As/Ab≦0.22となる関係が成立するように構成されている回転電機。
  2. 請求項1において、
    前記ロータは、1≦(Ab・Bsb+As・Bss)/(2・Br・Am)≦1.4となる関係が成立するように構成されている回転電機。
  3. 請求項1又は2において、
    前記短絡部は、軸方向断面積が周方向において一定にされている回転電機。
  4. 請求項1〜3の何れか一項において、
    前記短絡部は、前記ロータと前記ステータコアとの径方向に対向する対向面の軸方向外側に少なくとも一部がはみ出すように設けられている回転電機。
  5. ステータコア(21)に電機子巻線(25)が巻装されてなるステータ(20)と、前記ステータの内周側に径方向に対向して配置されたロータ(30)と、を備えた回転電機において、
    前記ロータは、
    筒状のボス部(521)、及び、前記ボス部の軸方向両端から周方向所定ピッチで径方向外側に突出するディスク部(522,522a,522b)を有するポールコア(52)と、
    周方向に交互に異なる極性の磁極が形成される複数の磁極部(531,531a,531b)、前記磁極部を通るd軸から電気角で90°ずれた所に位置するq軸コア部(532)、及び、周方向に異なる極性の前記磁極部同士を磁気的に接続する短絡部(533)を有するコア部材(53)と、
    前記ボス部の外周側に巻装されて通電により起磁力を発生する界磁巻線(54)と、
    前記磁極部と前記q軸コア部の間に配置されて前記磁極部に交互に現れる極性と一致するように配置された永久磁石(55)と、を備え、
    前記ボス部の一対のNS磁極あたりの軸方向断面積をAbとし、前記ボス部の材料の磁界の強さ5000A/mにおける磁束密度をBsbとし、前記永久磁石の残留磁束密度をBrとし、前記永久磁石の磁束流入出面の表面積をAmとし、前記短絡部の周方向断面積をAsとし、前記短絡部の材料の磁界の強さ5000A/mにおける磁束密度をBssとしたときに、
    Ab・Bsb+As・Bss≧2・Br・Am、且つ0.03≦As/Ab≦0.22となる関係が成立するように構成されている回転電機。
  6. 請求項5において、
    前記ロータは、1≦(Ab・Bsb+As・Bss)/(2・Br・Am)≦1.4となる関係が成立するように構成されている回転電機。
  7. 請求項1〜6の何れか一項において、
    前記ロータを単体にてインダクタンスの測定を行った際、負荷時のインダクタンスが、無負荷時のインダクタンスよりも半分以下となっている回転電機。
  8. 請求項1〜7の何れか一項において、
    前記ステータコアは、径方向に延びる複数のティース(23)を有し、
    前記短絡部は、前記永久磁石から前記界磁巻線までのスペースと、前記永久磁石から前記ティースの径方向先端までのスペースとのうちで少なくとも一方に設けられている回転電機。
  9. 請求項1〜8の何れか一項において、
    前記ロータは、コア部(321,52)を有し、
    前記短絡部(35a,36a,38)の部材は、前記コア部の材料よりも高い比透磁率の材料で構成されている回転電機。
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