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JP6568466B2 - 電界紡糸装置 - Google Patents

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JP6568466B2
JP6568466B2 JP2015238052A JP2015238052A JP6568466B2 JP 6568466 B2 JP6568466 B2 JP 6568466B2 JP 2015238052 A JP2015238052 A JP 2015238052A JP 2015238052 A JP2015238052 A JP 2015238052A JP 6568466 B2 JP6568466 B2 JP 6568466B2
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Description

本発明は、溶融樹脂を原料とする電界紡糸装置に関する。
溶融樹脂を原料として用い、電界紡糸法によって極細繊維を製造する技術が知られている。例えば特許文献1には、溶融樹脂原料を押し出す押出機と、該押出機から押し出された溶融樹脂原料を吐出して極細繊維を製造するための複数の金属製紡糸ノズル及び複数の該金属製紡糸ノズルの周囲のそれぞれに形成され溶融樹脂原料の吐出方向に沿った方向に向けて高温気流を流す高温気流流路を有する紡糸部とを備えた極細繊維製造装置が記載されている。この装置によれば、ノズルから吐出された溶融樹脂原料が冷却される速度を遅くすることが可能となるため、溶融樹脂原料の粘度が上昇する速度を遅くすることが可能となり、より細径の極細繊維を製造することが可能となると、同文献には記載されている。
この技術とは別に、本出願人は先に、凹曲面を備えた電極と、該電極の凹曲面に囲まれるように配置された針状の紡糸液吐出用ノズルとを有する電界紡糸装置を提案した。この電界紡糸装置は、ナノファイバの生産性を高めることができ、且つ省スペース化を達成し得るという利点を有する。
特開2011−89240号公報 特開2014−95174号公報
電界紡糸装置においては、ノズルの帯電量を高くし、ノズルと電極との間に生じる電界を強め、ノズルから紡出された原料の帯電量を高くする目的で、ノズル以外への帯電の分散を避けることが有利であり、その目的のために、ノズルを帯電させるために用いられる電極の近傍に、ヒーターも含めて導電体製部品を配置しないことが望まれる。電極やノズルの近傍に導電体製部品を配置しないことは、電極やノズルと導電体製部品との間での放電を防止するためにも必要となる。しかし特許文献1に記載の極細繊維製造装置では、紡糸部に近接してヒーターが設置されていることから、ノズルの帯電量を大きくするには限界があり、ノズルに印加する電圧を高くした場合には、ノズルとヒーターの導電体部分との間での放電の危険性が高まる。
特許文献2に記載の電界紡糸装置では、ノズルを帯電させるための電極を凹曲面にすることによって、ノズルの帯電量は大きくなる。しかし同文献には、溶融樹脂を原料として電界紡糸法を行うための具体的な構成、例えば溶融状態の樹脂をどのような手段で溶融状態を維持しつつノズルに供給するのかが記載されていない。
したがって本発明の課題は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得る電界紡糸装置を提供することにある。
本発明は、溶融樹脂を吐出する溶融樹脂吐出装置と、
前記溶融樹脂吐出装置から吐出された溶融樹脂を紡出する導電体製ノズルと、
前記導電体製ノズルとの間に電界を生じさせるための電極と、
前記導電体製ノズル又は前記電極に電圧を印加する電源装置と、
前記導電体製ノズルから紡出された繊維状樹脂を捕集する捕集部と、
を有する電界紡糸装置であって、
前記電極が、前記導電体製ノズルを囲むように凹曲面が配置された凹曲面電極であり、
前記溶融樹脂吐出装置と前記導電体製ノズルとの間に、溶融樹脂を流通させる流通路が形成された電気的絶縁部を配し、
前記電気的絶縁部の内部に、溶融樹脂の前記流通路を囲むように気体流通路を形成した、電界紡糸装置を提供するものである。
本発明によれば、溶融樹脂吐出装置とノズルとの間に溶融樹脂を流通させる流通路が形成された電気的絶縁部を配することで、電極やノズルに一層高い電圧を印加してノズルの帯電量を高めることができる。更に、該電気的絶縁部内部に形成した気体流通路に加熱気体を流通することで、溶融樹脂の粘度が低い状態を維持したまま、ノズルの帯電量を高めることができるので、低粘度と高帯電量との相乗効果で、従来よりも微細な繊維を製造することができる。
図1は、本発明の電界紡糸装置の第1の実施形態の構造を示す断面図である。 図2(a)ないし(c)は、図1に示す電界紡糸装置における電気的絶縁部の横断面の構造を示す断面図である。 図3は、本発明の電界紡糸装置の第2の実施形態の構造を示す断面図である。 図4は、本発明の電界紡糸装置の第3の実施形態の構造を示す断面図である。 図5は、本発明の電界紡糸装置の第4の実施形態の構造を示す断面図である。 図6は、本発明の電界紡糸装置の第5の実施形態の構造を示す一部破断斜視図である。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1には、本発明の電界紡糸装置の一実施形態の構造を示す断面図が示されている。図1に示す電界紡糸装置10は、溶融樹脂吐出装置20を備えている。溶融樹脂吐出装置20は、繊維の原料となる樹脂を溶融させて吐出させるために用いられる。溶融樹脂吐出装置20には、一般に、内部にシリンダ(図示せず)を備えている押出機が用いられる。該シリンダ内にはスクリュー(図示せず)が挿入されている。シリンダとスクリューは、樹脂を溶融混練して押し出すための構造となっている。シリンダとスクリューを備えた押出機の種類としては主に、シリンダとスクリューとを一組備えた一軸押出機、シリンダとスクリューとを二組備え混練性能を向上させた二軸押出機がある。溶融樹脂吐出装置20にはヒーターが備えられており、該ヒーターによってシリンダの壁面が加熱されるようになっている。スクリューの一端は、溶融樹脂吐出装置20に付設されているか、又は溶融樹脂吐出装置20の外に別途に設置された駆動源(図示せず)に接続されており、該駆動源の回転によってスクリューはその軸周りに一方向に回転可能になっている。一軸押出機の場合、溶融樹脂吐出装置20にはホッパー(図示せず)が付設されており、該ホッパー内には繊維の原料となる樹脂が充填されるようになっている。ホッパーはシリンダと連通している。ホッパー内に充填されたペレット状又は粉末状等の原料樹脂は、スクリューの回転に連れて徐々にシリンダ内に供給される。溶融樹脂の吐出量はスクリューの回転数によって決まる。二軸押出機の場合には、一般的に押出機へ原料樹脂を供給するフィーダーが必要となり、フィーダーの供給量によって溶融樹脂の吐出量が決まる。どちらの種類の押出機においても、シリンダ内に供給されたペレット状又は粉末状等の原料樹脂は、シリンダの内壁とスクリューとの間で熱及び圧力を受けて次第に溶融しながら、スクリューの回転軸方向に向けて前進する。溶融樹脂吐出装置20は、この熱及び圧力に耐え得る材料から構成されており、一般に金属製である。つまり導電性の材料から構成されている。また、溶融樹脂吐出装置としては、前記押出機の溶融樹脂吐出側にギヤポンプを接続し、溶融樹脂吐出の定量性を一層向上させたものもある。この場合のギヤポンプも、前記の理由によって一般に金属製であり、つまり導電性の材料から構成されている。
溶融樹脂吐出装置20の先端側、すなわち溶融樹脂が吐出される側の先端には、該溶融樹脂吐出装置20の一部をなす樹脂吐出装置部品21が、該溶融樹脂吐出装置20に接続された状態で配置されている。樹脂吐出装置部品21は、その内部に貫通孔22が形成されている。貫通孔22の一端は、溶融樹脂吐出装置20のシリンダ(図示せず)と連通している。また、樹脂吐出装置部品21は、その側面に気体導入口23を有している。気体導入口23には、電界紡糸装置10の外部に設置された気体供給源(図示せず)から供給された気体が流入するようになっている。樹脂吐出装置部品21は、溶融樹脂吐出装置20と同様に金属製である。つまり導電性の材料から構成されている。
上述のとおり、樹脂吐出装置部品21の気体導入口23には、電界紡糸装置10の外部に設置された気体供給源(図示せず)から気体が供給される。気体としては、溶融樹脂からの繊維形成に影響を及ぼさないものであれば、その種類に特に制限はない。一般的には空気を用いることが簡便である。気体導入口23に供給される気体供給源としては、加熱気体供給源(図示せず)を用いることができる。該加熱気体供給源から供給された加熱気体は、気体導入口23を通じて、後述する電気的絶縁部40に設けられた気体流通路44に導入されるようになっている。気体導入口23に供給される気体供給源としては、室温気体供給源(図示せず)を用いることもできる。この場合にも、該室温気体供給源から供給された室温気体は、気体導入口23を通じて、電気的絶縁部40に設けられた気体流通路44に導入されるようになっている。本発明において室温とは、40℃又はそれ以下の温度のことをいう。
加熱気体供給源と室温気体供給源とは、それらのうちのいずれか一方のみを用いることができ、あるいは両方を用いることもできる。両方の供給源を用いる場合には、これらの供給源と気体導入口23とを三方弁等の流路切り替え手段(図示せず)で接続し、室温気体供給源と加熱気体供給源とが択一的に気体流通路44に導入可能になるようにすることが好ましい。また、室温気体供給源は用いず、加熱気体供給源のみを用い、且つ該加熱気体供給源の加熱部を作動させずに気体を供給することで室温気体供給源とすることもできる。この形態は、設備を簡略化する観点でより好ましい。
電界紡糸装置10は紡糸部30を備えている。紡糸部30は、導電体製ノズル31を備えている。ノズル31は金属等の導電体から構成されており、溶融樹脂を紡出する先端側に直管からなる部分を有する。ノズル31は、上述した溶融樹脂吐出装置20から吐出された溶融樹脂を紡出するために用いられる。この目的のために、ノズル31には、溶融樹脂の流通が可能な貫通孔31aが、該ノズル31の長手方向に沿って形成されている。
貫通孔31aの直径は、その下限値を好ましくは50μm以上、更に好ましくは100μm以上に設定することができる。一方、その上限値を好ましくは3000μm以下、更に好ましくは2000μm以下に設定することができる。貫通孔31aの直径は、好ましくは50μm以上3000μm以下、更に好ましくは100μm以上2000μm以下に設定することができる。貫通孔31aの直径をこの範囲内に設定することで、溶融樹脂を容易に、且つ定量的に送液できるとともに、溶融樹脂を効率よく帯電させられるので好ましい。
ノズル31を、その長手方向に沿って複数の区画に区切り、各区画の貫通孔31aの直径を異なるようにしてもよい。ノズル31をその長手方向に沿って複数の区画に区切った場合、上述した貫通孔31aの直径とは、ノズル31の先端の溶融樹脂紡出部における直径のことを言う。例えばノズルをその長手方向に沿って三つの区画に区切り、押出機側の端部から10mmの区間の貫通孔31aの直径を3000μmとし、押出機側の端部とノズル先端との中間部30mmの区間の貫通孔31aの直径を2000μmとし、更にノズル先端の溶融樹脂紡出部から1mmの区間の貫通孔31aの直径を300μmとすることで、溶融樹脂紡出部は直径300μmと微細な孔を形成しているにも関わらず、溶融樹脂流通時のノズル全体の圧損を低く抑えることが可能となり、溶融樹脂をより容易に、且つ安定して紡出することができる。
紡糸部30は、上述したノズル31に加えて電極32を備えている。電極32は、電気絶縁性材料からなる支持部材37によって、その外面が支持されている。電極32は、ノズル31との間に電界を生じさせ、ノズル31を帯電させるために用いられる。ノズル31の帯電量を増加させる目的で、電極32は、ノズル31を囲むように凹曲面が配置された凹曲面電極から構成されている。詳細には、電極32は、その内面に凹曲面32aを備えている。電極32は、その内面が凹曲面32aとなっている限りにおいて、その全体の形状はいかなるものであってもよい。図1に示す凹曲面32aは略椀形をしている。凹曲面32aは導電性材料から構成されており、一般には金属製である。
略椀形をしている凹曲面32aをその開口端側から見たとき、該開口端は円形をしている。この円形は、真円形でもよく、あるいは楕円形でもよい。ノズル31の先端に電荷を集中させてノズル31の帯電量を高める観点からは、凹曲面32aの開口端は真円形であることが好ましい。開口端の形状が真円でない場合、該開口端の形状としては、例えば特開2014−95174号公報の図3(a)ないし(d)に示す形状とすることができる。凹曲面32aの開口端が楕円であるときには、楕円に内接する円C1の直径D1と、該楕円に外接する円C2の直径D2との比であるD1/D2の値が9/16以上であることが好ましく、3/4以上であることが更に好ましく、4/5以上であることが更に好ましい。
凹曲面32aは、そのいずれの位置においても曲面になっていることが好ましい。ここで言う曲面とは、(イ)平面部を全く有していない曲面のことであるか、(ロ)平面部を有する複数のセグメントを繋ぎ合わせて全体として凹曲面32aとみなせる形状となっていることであるか、又は(ハ)互いに直交する三軸のうち一軸が曲率を有さない帯状部を有する複数の環状セグメントを繋ぎ合わせて全体として凹曲面とみなせる形状となっていることのいずれかを言う。(ロ)の場合は、例えば縦及び横の長さが0.5mm以上5mm以下程度の四角形又は六角形となっている、同一の又は異なる大きさの平面部を有するセグメントを繋ぎ合わせて凹曲面32aを形成することが好ましい。(ハ)の場合は、例えば半径が種々異なり、且つ高さが0.001mm以上5mm以下である扁平な複数種類の円筒からなる環状セグメントを繋ぎ合わせて凹曲面32aを形成することが好ましい。この環状セグメントにおいては、互いに直交する三軸、すなわちX軸、Y軸及びZ軸のうち、円筒の横断面を含むX軸及びY軸が曲率を有し、且つ円筒の高さ方向であるZ軸が曲率を有していない。
凹曲面32aは、その任意の位置における法線がノズル31の先端又はその近傍を通るような値となっていることが好ましい。この観点から、略椀形をしている凹曲面32aは、真球の球殻の内面と同じ形状をしていることが特に好ましい。
特に、電極32の凹曲面32aにおける開口端によって画成される円の半径をrとしたとき、該円を含む平面上に中心を同じくして描かれる、半径がr/5である仮想円を考えた場合、ノズル31の軸芯は、その延びる方向が、該仮想円の内側と、凹曲面32aにおける最底部とを通るように配置されることが好ましい。とりわけ、前記仮想円として、半径がr/10であるものを考えた場合、ノズル31の軸芯は、その延びる方向が、半径がr/10である該仮想円の内側と、凹曲面32aにおける最底部とを通るように配置されることが好ましい。更に好ましい形態として、ノズル31の軸芯は、その延びる方向が、電極32の凹曲面32aにおける開口端によって画成される円の中心と、該凹曲面32aにおける最底部とを通るように配置される形態が挙げられる。
図1に示すとおり、紡糸部30は、上述したノズル31及び電極32に加えて、被覆体33を備えている。被覆体33は、電極32の凹曲面32aの全面を被覆していることが好適である。電極32と被覆体33とは直接に接触している。被覆体33において電極32の凹曲面32aを被覆している面は、電極32の凹曲面32aと相補形状を有している。また、被覆体33のうち、外方に露出している面は凹曲面33aをなしている。この凹曲面の曲率は、電極32の凹曲面32aの曲率と同じであってもよく、あるいは異なっていてもよい。
被覆体33は誘電体からなることが好ましい。誘電体からなる被覆体33を電極32の凹曲面32aに接触して配置することで、ノズル31の帯電量を一層高めることができる。被覆体はその表面、すなわち内面に誘電体が露出し、該表面に金属などの導電体が非存在とした被覆体であることが好ましい。単一種の誘電体から構成された被覆体がその典型例であるが、被覆体は複数種の誘電体が積層された複合体であってもよいし、表面が誘電体のみで構成されていれば、内部(表面に露出しない部分)に金属の粒子又は空気の層等を含んだ複合体であってもよい。特に電極32と被覆体33の接合部の一部に空気の層が存在していてもよいが、電極と被覆体の接合を強固にする観点からは電極と被覆体は密着している方が好ましい。なお本発明では、被覆体の表面を更に被覆するような物体は存在しないものと想定している。
被覆体33に使用する誘電体としては、絶縁材料であるマイカ、アルミナ、ジルコニア、チタン酸バリウム等のセラミックス材料や、ベークライト(フェノール樹脂)、ナイロン(ポリアミド)、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリ四フッ化エチレン、ポリフェニレンサルファイド等の樹脂系材料が挙げられる。これらのうち、アルミナ、ベークライト、ナイロン、塩化ビニル樹脂の中から選ばれる少なくとも1種以上の絶縁材料を用いることが好ましく、特にナイロンを用いることが好ましい。ナイロンとしては、6ナイロンや66ナイロンなどの各種のポリアミドを用いることができる。またナイロンとして市販品を用いることもできる。そのような市販品としては、例えばMCナイロン(登録商標)が挙げられる。被覆体33に用いる誘電体には帯電防止剤を含有させることができる。帯電防止剤を含有させることによって、帯電した溶融樹脂や繊維等が被覆体33に付着したとき、被覆体33の帯電を低減することができる。帯電防止剤としては公知の市販品を使用することができ、例えばペレクトロン(登録商標、三洋化成工業(株))、エレクトロストリッパー(登録商標、花王(株))、リケマール(登録商標 理研ビタミン(株))などを用いることができる。
被覆体33を構成する、表面に露出した誘電体の厚みは、0.8mm以上、特に8mm以上であることが好ましい。これよりも薄いと、溶融樹脂の帯電量を高められない場合がある。この厚みは、被覆体33が単一種又は複数種の誘電体から構成されている場合、被覆体33の厚みを指す(被覆体33の厚みに等しい)ものとする。また被覆体33が内部(表面に露出しない部分)に金属の粒子又は空気の層等を含んだ複合体である場合は、該被覆体33の厚みから該被覆体33の厚み方向における金属の粒径や空気の層の厚みの合計を差し引いた誘電体のみの厚みを指すものとする。被覆体33の厚みは、電極32の大きさ、及び電極32とノズル31との位置関係によるが、少なくとも被覆体33とノズル31とが直接接することのない値であることが好ましい。
電界紡糸装置10は、ノズル31の先端と対向する位置に、繊維の捕集用電極60が配置されている。捕集用電極60は、ノズル31から紡出された繊維状樹脂を捕集するために用いられる。捕集用電極60は円筒状のものであり、その周面がノズル31の先端に臨むように配置されている。捕集用電極60の周面は金属等の導電体、又は捕集用電極である導電体を被覆した誘電体から構成されている。捕集用電極60の周面と、ノズル31の延びる方向とは略直交している。捕集用電極60は、高電圧電源61によって負の電圧が印加されている。捕集用電極60とノズル31の先端との距離は、その下限値を好ましくは100mm以上、更に好ましくは500mm以上とすることができる。上限値は好ましくは3000mm以下、更に好ましくは2000mm以下とすることができる。例えば前記距離は、好ましくは100mm以上3000mm以下、更に好ましくは500mm以上2000mm以下とすることができる。
図1に示すとおり、溶融樹脂吐出装置20とノズル31との間には、電気的絶縁部40が配置されている。電気的絶縁部40は、内筒41と、該内筒41を覆う外筒42で形成された二重管の構造を有している。電気的絶縁部40の横断面においては、図2(a)に示すとおり、内筒41と外筒42とはいずれも円形をしており、且つ同心の位置関係になっている。内筒41の内部は、溶融樹脂吐出装置20から吐出された溶融樹脂を流通させる樹脂流通路43となっている。内筒41と外筒42との間の空間は、気体流通路44となっている。このように、電気的絶縁部40には、溶融樹脂を流通させる樹脂流通路43が形成されているとともに、該樹脂流通路43を囲むように気体流通路44が形成された構造となっている。
電気的絶縁部40はその長手方向におけるノズル31側の一端部において、ノズル接続部材48を介して該ノズル31と接続されている。ノズル接続部材48はフランジ部(図示せず)を有している。このフランジ部は、外筒42におけるノズル31側の内壁と、内筒41におけるノズル31側の端部との間で把持されて固定されている。ノズル接続部材48とノズル31との接続は、例えば螺合などによって達成されるが、これらの接続方法に限定されない。電気的絶縁部40とノズル31との接続状態において、電気的絶縁部40の内筒41の内部と、ノズル31の貫通孔31aとは連通している。
また、電気的絶縁部40はその長手方向におけるノズル31側の一端部において、該電気的絶縁部40を構成する外筒42の端部に、該外筒42の中心方向に向けて張り出した張り出し部42aが形成されている。張り出し部42aは、内筒41の端部を覆うように張り出している。しかし張り出し部42aは、内筒41の内部を覆うようには張り出していない。張り出し部42aのうち、内筒41と外筒42との間で形成される空間である気体流通路44に対応する位置には、1個又は複数個の気体噴出孔(図示せず)が形成されている。電気的絶縁部40をノズル31の先端側から見たときに、気体噴出孔は、ノズル31を囲むように複数個形成されていることが好ましい。それによって、ノズル31から紡出された繊維状樹脂を囲むように、気体噴出孔から気体が噴出するようになっている。
電気的絶縁部40は、溶融樹脂吐出装置20とノズル31との間に介在して、両者を電気的に絶縁している。また、電気的絶縁部40を介在させることで、ノズル31及び電極32から溶融樹脂吐出装置20までを例えば50mm以上の距離でもって遠ざけることにより、溶融樹脂吐出装置20の導電体部分が、ノズル31と電極32の間に生じる電界を乱さないようにしている。この目的のために、電気的絶縁部40は、絶縁材料から構成されている。例えば電気的絶縁部40は、各種セラミックスや耐熱性樹脂などから構成されている。上述のとおり電気的絶縁部40は内筒41及び外筒42の2部材から構成されているので、内筒41及び外筒42のいずれもが絶縁材料から構成されている。本発明において絶縁材料とは、体積抵抗率が1×10Ω・cm以上である材料のことである。
電気的絶縁部40の長手方向における溶融樹脂吐出装置20側の一端部には、該電気的絶縁部40を構成する外筒42の外面に係止部42bが突設されている。この係止部42bが、導電体製連結部材50と導電体製取付部材51とによって係止されることで、該一端部は導電体製連結部材50に接続されている。更に、外筒42が上述のとおり導電体製連結部材50に係止されることで、内筒41及びノズル接続部材48は外筒42の張り出し部42aによって導電体製連結部材50側に押し付けられて係止される。導電体製連結部材50は、溶融樹脂吐出装置20と電気的絶縁部40との間に配置されて、両者を接続する部材である。導電体製連結部材50は、貫通孔50aを有し、電気的絶縁部40と導電体製連結部材50とが接続された状態において、電気的絶縁部40における樹脂流通路43と、導電体製連結部材50の貫通孔50aとが連通するようになっている。導電体製連結部材50と導電体製取付部材51とは、例えば螺合やボルト締結等の結合方法によって結合されるようになっている。導電体製連結部材50及び導電体製取付部材51は、耐熱性や機械的強度等の観点から、例えば金属で構成されている。
更に、導電体製連結部材50における溶融樹脂吐出装置20側の端部は、先に述べた樹脂吐出装置部品21と接続されている。両者が接続された状態において、導電体製連結部材50の貫通孔50aと、樹脂吐出装置部品21の貫通孔22は連通するようになっている。導電体製連結部材50と樹脂吐出装置部品21は、例えば螺合やボルト締結等の結合方法によって結合されるようになっている。
また、前記の導電体製連結部材50には、それに隣接する樹脂吐出装置部品21に設けられた気体導入口23に連通し、導入された気体を周方向に分配する空間である周方向気体分配部52、及び該周方向気体分配部52に連通する空間である気体流通部53が形成されている。周方向気体分配部52及び気体流通部53はいずれも環状の空間になっており、周方向に均等に配置された複数の貫通孔によって連通している。気体流通部53は、導電体製連結部材50に電気的絶縁部40が接続された状態において、電気的絶縁部40に設けられた気体流通路44と連通するようになっている。
以上のとおりに電界紡糸装置10を構成する各部材が組み付けられることで、該電界紡糸装置10においては、溶融樹脂吐出装置20の先端から、ノズル31にわたって連通した溶融樹脂の流通路が形成される。また、樹脂吐出装置部品21に設けられた気体導入口23から、電気的絶縁部40に設けられた気体流通路44にわたって連通した気体の流通路が形成される。
電界紡糸装置10においては、溶融樹脂吐出装置20がヒーター等の加熱手段(図示せず)によって所定温度に保たれるようになっている。また、溶融樹脂吐出装置20に隣接して、該溶融樹脂吐出装置20の一部をなす部材である樹脂吐出装置部品21は、ノズル31から遠い側に位置する部位21aが、ヒーター等の加熱手段(図示せず)によって、溶融樹脂吐出装置20の温度と同温度又は異なる温度に保たれるようになっている。一方、樹脂吐出装置部品21のうち、ノズル31に近い側に位置する部位21bにはヒーター等の加熱手段が取り付けられていない。この部位21bには、先に述べた気体導入口23が設けられている。このように、溶融樹脂吐出装置20のうち、最もノズル31側の位置であって、且つ加熱手段の非設置位置に、気体導入口23が設けられている。また、ノズル31を含め、樹脂吐出装置部品21よりも、ノズル31側に位置するすべての部材、すなわち導電体製連結部材50、導電体製取付部材51、電気的絶縁部40及び紡糸部30にも、ヒーター等の加熱手段が取り付けられていない。
電界紡糸装置10は、紡糸部30のノズル31又は電極32に高電圧を印加するための高電圧電源装置62を備えている。図1においては、高電圧電源装置62が電極32に接続されている状態が示されている。高電圧電源装置62と電極32とは、該電極32の背面から引き出された電気導通路34を介して接続されている。本実施形態においては、高電圧電源装置62を電極32に接続することに代えて、高電圧電源装置62をノズル31に接続してもよい。また図1においては、電極32に負電圧が印加されている状態が示されているが、これに代えて正電圧を印加してもよい。
高電圧電源装置62を電極32に接続する場合には、ノズル31はアースに接続する。逆に、高電圧電源装置62をノズル31に接続する場合には、電極32はアースに接続する。いずれの場合においても、ノズル31に電圧を印加するための電気導通路、又は該ノズル31をアースに接続するための電気導通路が必要となる。本実施形態においては、図1に示すとおり、この電気導通路35を、電気的絶縁部40を構成する部材の内部に配置している。詳細には、電気的絶縁部40を構成する部材である内筒41と外筒42との間の空間、すなわち気体流通路44内に電気導通路35を配置している。図1に示す実施形態では、電気導通路35はその一端が導電体製のノズル接続部材48に接続され、電気導通路35とノズル31は電気的に導通している。また電気導通路35は電気的絶縁部40の途中から外部に引き出されて、他端がアースに接続されている。このようにノズル31の後方に電気導通路35を配することで、電極32と該電気導通路35との間の放電を防止し、またノズル31の先端から前方に向けて紡出される繊維の搬送を妨げることなく、ノズル31をアースに接続することができる。
以上の構成を有する電界紡糸装置10によれば、ノズル31を囲むように凹曲面電極32が配置されており、ノズル31と電極32との間に電圧を印加することで、ノズル31の帯電量を大幅に高めることができる。それによって、ノズル31と電極32との間に生じる電界強度を大幅に高め、ノズル31から紡出される溶融樹脂の帯電量を大幅に高めることができるという利点がある。ノズル31の帯電量を高めるためには、凹曲面電極32を用いることに加えて、帯電の分散を避けることが有利である。また、ノズル31と電極32との間により高い電圧を印加して帯電量をより高くするためには、ノズル31や電極32と導電体部品との間に生じる放電を防止することが重要となる。これらの目的のために、ノズル31や電極32の近傍、例えば50mm以内に、ヒーター等の加熱手段を含め、導電体部品を配置しないことが望ましい。また、導電体から構成される部材である溶融樹脂吐出装置20の設置位置も、ノズル31や電極32から可能な限り離間させることが望ましい。そこで、本実施形態においては、ノズル31及び電極32を含む紡糸部30と、溶融樹脂吐出装置20との間に電気的絶縁部40を介在させて、ノズル31の帯電量を高める工夫をしている。ところで、ノズル31に電圧を印加するための、又は該ノズル31をアースに接続するための電気導通路35も導電体であるところ、該電気導通路35を通じて電流が流れるとしても、その値は0.1mA以下と微小なことから、該電気導通路35としては、帯電の分散への影響をほとんど与えない導体である1mm以下の線径の導線を使用できる。
ところで、紡糸部30と溶融樹脂吐出装置20との距離を隔てると、溶融樹脂吐出装置20において溶融状態にある樹脂が、紡糸部30に到達するまでの間に冷却されて溶融粘度が上昇し、該樹脂の吐出に大きな動力を要してしまう可能性がある。最悪の場合には吐出不能になる可能性がある。また樹脂の溶融粘度が上昇することで、ノズルから紡出された樹脂の電界による延伸・細径化に支障を来す可能性もある。そこで、本実施形態の電界紡糸装置10においては、加熱気体供給源から供給された加熱空気を、紡糸部30と溶融樹脂吐出装置20とを隔てる電気的絶縁部40内に形成された溶融樹脂の流通路43を囲むように流通させることで、溶融樹脂の冷却及びそれに起因する溶融粘度の上昇を抑制している。
紡出部30における溶融樹脂の粘度を低下させて微細な繊維を形成するには、樹脂を高温(例えばポリプロピレンの場合には280℃以上350℃以下)にすることが有利である。しかし、高温の状態下に樹脂を長時間置くと、樹脂の熱劣化が生じやすい。これに対して本実施形態の電界紡糸装置10においては、溶融樹脂吐出装置20及び樹脂吐出部品21における樹脂の温度は、電気的絶縁部40に吐出するのに必要最低限の温度とし、加熱空気を電気的絶縁部40内に形成された溶融樹脂の流通路43を囲むように流通させて、電気的絶縁部40において溶融樹脂の温度をより上昇させることで、電界紡糸装置10の内部において樹脂が高温に曝される時間を短縮できるとともに、紡出時の溶融樹脂の粘度を低下させることが可能となる。更に、加熱空気をこのように流通させることで、該電気的絶縁部40に存在する樹脂の温度を速やかに上昇させることができ、電気的絶縁部40の加熱を開始してから短時間で紡糸を行うことが可能になる。そのことに起因して、樹脂の熱劣化を効果的に抑制することができる。以上のとおり、電界紡糸装置10によれば、樹脂の熱劣化を抑制しつつ繊維の一層の細径化が可能となる。一方、電界紡糸装置10の停止時には、電気的絶縁部40内に加熱気体を流通させることに代えて、室温気体供給源から供給された相対的に低温の気体を流通させることで、電気的絶縁部40内に存在する樹脂の温度を速やかに低下させることができる。このことによっても、長時間にわたって高温に曝されることに起因する樹脂の熱劣化を効果的に抑制することができる。この観点から、室温気体供給源と加熱気体供給源とが択一的に電気的絶縁部40の気体流通路44に導入可能になっているか、より好ましくは加熱気体供給源の加熱部を作動させずに気体を供給することで室温気体供給源とすることが有利である。
本実施形態の電界紡糸装置10における電気的絶縁部40は、その横断面形状が図2(a)に示すとおりとなっているところ、電気的絶縁部40の組立て、取り付けを容易にすることを目的として、電気的絶縁部40を、溶融樹脂の流通路43の周囲に複数の気体流通路44を配置した部材から構成することができる。具体的には、図2(b)に示すとおり、円柱状の内柱45と、該内柱45と嵌まり合う大きさを有する円筒状の外筒42とから電気的絶縁部40を構成し、該内柱45の横断面において、その中心に1つの樹脂流通路43を配置するとともに、該内柱45の側面に、該内柱45の長手方向に延びる複数の切り欠き凹部46を設け、内柱45と外筒42とが嵌まり合うことで画成される切り欠き凹部46を含む空間を気体流通路44として用いた電気的絶縁部40を採用することができる。あるいは、図2(c)に示すとおり、電気的絶縁部40を1本の円柱47から構成し、該円柱の横断面において、その中心に1つの樹脂流通路43を配置するとともに、該樹脂流通路43を囲むように複数の気体流通路44を配置した電気的絶縁部40を採用することもできる。
図1に示すとおり、加熱気体は樹脂吐出装置部品21に設けられた気体導入口23から導入される。気体導入口23は、樹脂吐出部品21における符号21bで示される部位に設けられている。この部位に気体導入口23を設け、そこから加熱気体を導入し、前述の導電体製連結部材50の周方向気体分配部52と気体流通部53を介して、電気的絶縁部40の気体流通路44に気体を流通させることで、該気体流通路44での気体の流通を周方向で均一な状態にすることが可能となる。
電気的絶縁部40内に導入された加熱気体は、該電気的絶縁部40内に滞留せず、電気的絶縁部40のノズル31側の先端に設けられた複数個の気体噴出孔(図示せず)から噴出するようになっている。噴出した加熱気体は、ノズル31から紡出された繊維状樹脂を、繊維の捕集部である捕集用電極60まで搬送する搬送流として利用される。これによって加熱気体を効率的に利用できる。また、加熱気体を繊維状樹脂の搬送流として用いることで、繊維の一層の細径化が達成される。ここで、気体噴出部は複数個の孔である必要は必ずしもなく、例えば電気的絶縁部40の内筒41と外筒42の間にノズル31の先端側に開口した隙間を設ける構造とし、この隙間から気体を噴出させることもできる。
次に、本発明の第2ないし第4の実施形態を、図3ないし図6を参照しながら説明する。これらの実施形態に関し、特に説明しない点については、図1及び図2に示す第1の実施形態に関して詳述した説明が適宜適用される。また、図3ないし図6において、図1及び図2と同じ部材には同じ符号を付してある。
図3に示す第2の実施形態においては、ノズル31をアースに接続するための電気導通路35の引き回しの態様が、第1の実施形態と相違している。詳細には、本実施形態においては、一端がノズル接続部材48に接続されている電気導通路35の他端を、導電体製の部材である導電体製連結部材50に接続してある。そして、導電体製連結部材50を別の電気導通路36を介してアースに接続している。それによって、電気導通路35,36を介してノズル31をアースに接続している。電気導通路35をこのように引き回すことで、電気的絶縁部40の内部から外部への貫通孔を設ける必要がなくなり、溶融樹脂及び流通気体が一層漏れにくくなる。なお図3には電気導通路35が、電気的絶縁部40の気体流通路44を通して導電体製連結部材50に接続してある状態が示されているが、これに代えて該電気導通路35を、樹脂流通路43を通して導電体製連結部材50に接続してもよい。
なお、第1の実施形態と同様に、本実施形態においても、高電圧電源62を用い、電気導通路35,36を介してノズル31に高電圧を印加してもよい。その場合には、電極32をアースに接続すればよい。
また本実施形態においては、第1の実施形態と異なり、ノズル31を囲むように電気的絶縁体製の筒状体70が配置されている。そして、この筒状体70の内部とノズル31との間の空間に、電気的絶縁部40の気体流通路44を流通してきた気体、特に加熱気体を噴出させるようにしている。このような筒状体70を設置することで、ノズル31の内部を流通する溶融樹脂の冷却が効果的に防止される。その結果、ノズル31に形成されている貫通孔31aの大きさを小さくしても、溶融樹脂の流動性が損なわれにくくなる。貫通孔31aの大きさを小さくできることは、該貫通孔31aから紡出される繊維状樹脂の細径化に寄与する。この観点から、筒状体70の端縁70aは、ノズル31の先端から10mmを超えない範囲で溶融樹脂吐出装置20側に位置するか、筒状体70の端縁70aが該ノズル31の先端と同位置にあるか、又は、筒状体70の端縁70aがノズル31の先端を超えて外方に延出していることが好ましい。
筒状体70は、その横断面が例えば円形、楕円形、多角形などの形状であり得る。横断面が円形である場合、円の中心位置にノズル31が位置するように、筒状体70が設置されていることが好ましい。横断面が円形以外の形状である場合には、当該形状の図心の位置にノズル31が位置するように、筒状体70が設置されていることが好ましい。
筒状体70は、上述のとおり電気的絶縁体から構成されている。そのような絶縁体としては、例えば各種のセラミックスや耐熱樹脂を用いることができる。
図4に示す実施形態の電界紡糸装置10は、図3に示す実施形態の変形形態である。本実施形態においては、溶融樹脂吐出装置20と電気的絶縁部40との間に導電体製連結部材50が配置されている。この点は、図3に示す実施形態と同様である。本実施形態においては、更に、導電体製連結部材50と溶融樹脂吐出装置20との間に電気的絶縁体製連結部品80が配置されている。そして、これらの部品によって溶融樹脂吐出装置20と電気的絶縁部40とが接続されている。これとともに、電気的絶縁体製連結部品80によって、溶融樹脂吐出装置20と導電体製連結部材50とが電気的に絶縁されている。
本実施形態の電界紡糸装置10によれば、電気的絶縁体製連結部品80によって、溶融樹脂吐出装置20と導電体製連結部材50とが電気的に絶縁されているので、導電体製連結部材50を介してアースに接続されているノズル31と、高電圧電源62に接続されている電極32との間に高電圧が印加されても、溶融樹脂吐出装置20に意図せず異常電流が流れることを効果的に防止できるという利点がある。
溶融樹脂吐出装置20と導電体製連結部材50とを電気的に絶縁する電気的絶縁体製連結部品80は、例えばセラミックスや耐熱樹脂から構成されている。また、溶融樹脂吐出装置20の先端に位置する樹脂吐出装置部品21の気体導入口23から導入された気体は、電気的絶縁体製連結部品80及び導電体製連結部材50を経由して電気的絶縁部40の気体流通路44に供給される。
なお、第1及び第2の実施形態と同様に、本実施形態においても、高電圧電源62を用い、電気導通路35,36を介してノズル31に高電圧を印加してもよい。その場合には、電極32をアースに接続すればよい。
図5に示す実施形態の電界紡糸装置10も、図3に示す実施形態の変形形態である。本実施形態は、紡糸部30の構造が図3に示す実施形態と相違している。本実施形態の紡糸装置10における紡糸部30は、凹曲面33aを有する被覆体33の開口端の位置に、筒状体70の端縁70aを保持する筒状体保持部材71が取り付けられている。開口端と向かい合うように紡糸部30を見たときに、筒状体保持部材71は、該開口端に位置する円環部72を有している。円環部72は、被覆体33の開口端に固定されている。両者の固定手段としては、例えばネジ止め、接着剤による接着、及び嵌合などが挙げられる。
筒状体保持部材71は、円環部72に加え、該円環部72の内周72aから紡糸部30の背面側(すなわち開口端と180度反対側)に向けて漸次縮径した漏斗状部73を有している。漏斗状部73は、截頭錐体の側面形状をしている。漏斗状部73の最縮径端73aは、筒状体70の端縁70aと連結している。これによって、被覆体33の凹曲面33aと、筒状体保持部材71の内面と、筒状体70の外面とで画成される閉じた空間74が形成される。筒状体保持部材71は、電気的絶縁体からなることが好ましい。
紡糸部30はその背面に、冷媒の導入口75及び排気口76を備えた背面板77を更に備えている。冷媒の導入口75及び排気口76は、背面板77をその厚み方向に沿って貫通している。冷媒の導入口75及び排気口76は、被覆体33に設けられた第1貫通孔331及び第2貫通孔332にそれぞれ連通している。第1貫通孔331は、被覆体33内を貫通するように形成されている。第2貫通孔332は、被覆体33と外筒42との間に生じた空間から構成されている。第1貫通孔331及び第2貫通孔332の延びる方向は、ノズル31からの溶融樹脂の紡出方向と同方向になっている。換言すれば、第1貫通孔331及び第2貫通孔332の延びる方向は、ノズル31の延びる方向と同方向になっている。
冷媒の導入口75は、冷媒の供給源(図示せず)に接続されている。導入口75を通じて供給された冷媒は、第1貫通孔331を通じて被覆体33内を通過して空間74に達するようになっている。空間74に達した冷媒は、第2貫通孔332を通じて被覆体33内を通過し、更に排気口76を通じて紡糸部30の外部に排出されるようになっている。その結果、本実施形態の電界紡糸装置10によれば、その運転中における被覆体33の温度上昇を抑制できる。このように、本実施形態においては、被覆体33、筒状体保持部材71、筒状体70、及び背面板77によって、電界紡糸装置10の運転中における被覆体33の温度上昇を抑制するための冷却手段が構成されている。
本実施形態の電界紡糸装置10によれば、その運転中における被覆体33の温度上昇を抑制できる。温度上昇の抑制のために用いられる冷媒としては、気体及び液体が挙げられる。特に取り扱い性の点から気体を用いることが好ましく、経済性の点から空気を用いることが特に好ましい。すなわち、紡糸部30に備えられた冷却手段は空冷手段であることが好ましい。この場合には、被覆体33内に設けられている空気の流通路である第1貫通孔331及び第2貫通孔332内に空気を流通させることで、被覆体33を冷却することができる。
電界紡糸装置10の運転中における被覆体33の温度上昇を抑制することには次に述べる技術的な意義がある。電界紡糸装置10の運転中に、誘電体などから構成される被覆体33の温度が上昇すると、漏れ電流が増大する場合が観察されることが、本発明者らの検討の結果判明した。漏れ電流の増大の原因は現時点では分明ではないが、原因の如何によらず、漏れ電流の増大は、紡出された樹脂の帯電量の低下につながる。帯電量の低下は、繊維の微細化の妨げの一因となる。そこで本実施形態では、被覆体33の温度上昇を、冷却手段を用いて抑制することで漏れ電流の増大を抑制し、ひいては帯電量の低下を抑制して、繊維の微細化を達成している。この技術的意義を一層顕著なものとする観点から、被覆体33はその表面温度が150℃以下、特に130℃以下に保たれるように冷却が行われることが好ましい。被覆体33の表面温度は、例えば表面温度計で測定できる。
以上のとおり本実施形態の電界紡糸装置10を用いれば、導電体製ノズル31と、該導電体製ノズル31を囲むように凹曲面32aが配置された電極32との間に生じさせた電界によって、該導電体製ノズル31から紡出された溶融樹脂を延伸紡糸する工程を有する微細繊維の製造方法を行うことができる。この製造方法においては、前記溶融樹脂を吐出するための溶融樹脂吐出装置20と前記導電体製ノズル31との間を電気的に絶縁した状態下に、該溶融樹脂吐出装置20と該導電体製ノズル31との間を流通する該溶融樹脂を加熱気体によって加熱する。特に、前記電極32として、その凹曲面32aの全面を覆う被覆体33を備えているものを用い、前記被覆体33の温度上昇を抑制しながら延伸紡糸する。
図6に示す実施形態の電界紡糸装置10は、これまで説明してきた実施形態と電極の形状が相違している。これまでの実施形態における電極は、球殻の内面に対応する凹曲面を有していたのに対し、本実施形態における電極は、円筒の内面に対応する凹曲面を有している。そして、ノズル31の延びる方向が、円筒形状の軸方向であって、電極32の一方の開口端38によって画成される円の中心か、又はその中心の近傍を通り、且つノズル31の先端が、該開口端38によって画成される円を含む平面内に位置するか、又は該平面よりも該凹曲面の内側に位置するように、ノズル31が配置されている。
特に、電極32の内面によって画成される円筒の半径をrとしたとき、該円筒と中心軸を同じくして描かれる、半径がr/5である仮想円筒を考えた場合、ノズル31の軸芯は、その延びる方向が、該仮想円筒の内側を通るように配置されることが好ましい。とりわけ、前記仮想円筒として、半径がr/10であるものを考えた場合、ノズル31の軸芯は、その延びる方向が、半径がr/10である該仮想円筒の内側を通るように配置されることが好ましい。更に好ましい形態として、ノズル31の軸芯は、その延びる方向が、電極32の内面によって画成される円筒の中心軸に配置される形態が挙げられる。
電極32は全体として円筒形状をしており、例えば金属製パイプをカットしたもの、円柱状の金属製ブロックに貫通孔を開けたもの、半円筒形状の電極を重ねて円筒としたもの、平板を曲げ加工して円筒形状としたものでもよい。こうすることで、簡便に加工ができ低コストで作製できる点から好ましい。
電極32の軸方向に垂直な断面における内面の形状は楕円形状でもよく、内面に平板を曲げ加工した際にできる微細な凹凸があってもよいが、真円である方が好ましい。こうすることで、ノズル先端に電界を集中させて帯電量を高められる点で好ましい。
電極32の内面の形状は、半円筒形状の電極を重ねたり、平板を曲げ加工したりして円筒形状を作る際に、接合部の端部をすべて結合する必要はないが、接合部に隙間がない方が好ましい。こうすることで、ノズル31の先端に電界を集中させて帯電量を高められる点で好ましい。
電極32を構成する円筒形状の凹曲面のうち、ノズル31に対向する面は、これまでの実施形態と同様に、誘電体からなる被覆体33で被覆されていることが好ましい。特に、ノズル31と対向する面の全面が、被覆体33で被覆されることが好ましい。ノズル31と対向する面とは、ノズルの先端(溶融樹脂が噴射する開口部)から臨むことのできる電極32の表面のことである。より詳細には、ノズルの先端から電極32に向けて直線を引いたときに電極32と最初に接する点の集合のことである。
以上の各実施形態の電界紡糸装置10を用いることで、極めて細い繊維を紡糸することができる。例えばナノファイバと呼ばれる極細繊維を容易に得ることができる。極細繊維は、その太さを円相当直径で表した場合、一般に10nm以上3000nm以下、特に10nm以上1000nm以下のものである。ナノファイバの太さは、例えば走査型電子顕微鏡観察によって測定することができる。このようなナノファイバを捕集用電極60の周面にランダムに堆積させることでナノファイバシートが得られる。このナノファイバシートは、例えば高集塵性で且つ低圧損の高性能フィルタ、高電流密度での使用が可能な電池用セパレータ、高空孔構造を有する細胞培養用基材等として好適に用いられる。
電界紡糸装置10に供給される樹脂としては、繊維形成能を有する1種又は2種以上の熱可塑性樹脂が好適に用いられる。溶融状態での樹脂の温度は、樹脂の種類に応じて異なるが、例えばポリプロピレンやポリエチレンテレフタレートなどの樹脂では、ノズル31の出口における樹脂の温度が、100℃以上、特に200℃以上であることが好ましく、350℃以下であることが好ましい。
ノズル31と電極32との間に加える電位差は、1kV以上、特に10kV以上とすることが、溶融樹脂を十分に帯電させる点から好ましい。一方、この電位差はノズル31と電極32との距離にもよるが、100kV以下、特に50kV以下とすることが、ノズル31と電極32との間における放電を防止する点から好ましい。具体的には電位差は1kV以上100kV以下、特に10kV以上50kV以下とすることが好ましい。この場合、上述のとおり、ノズル31をアースに接続し、且つ電極32に負電圧を印加することで、両者間に電位差を与えてもよく、あるいはこの反対に、電極32をアースに接続し、且つノズル31に負電圧を印加することで、両者間に電位差を与えてもよい。また、ノズル31をアースに接続し、且つ電極32に正電圧を印加してもよく、あるいはその逆でもよい。
なお、図6に示す実施形態においては、図3及び図4に示す実施形態で採用した筒状体70を配置することができる。その場合、筒状体70は円筒状の電極32に囲まれるように配置されることが好ましい。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。例えば、前記の各実施形態では、溶融樹脂吐出装置20一台につき、一組のノズル31と電極32とが用いられていたが、これに代えて、溶融樹脂吐出装置20一台につき、複数の組のノズル31と電極32とを用いることも可能である。
また、上述した一の実施形態における説明省略部分及び一の実施形態のみが有する要件は、それぞれ他の実施形態に適宜適用することができ、更に、各実施形態における要件は、適宜、実施形態間で相互に置換可能である。
上述した実施形態に関し、本発明は更に以下の電界紡糸装置を開示する。
<1>
溶融樹脂を吐出する溶融樹脂吐出装置と、
前記溶融樹脂吐出装置から吐出された溶融樹脂を紡出する導電体製ノズルと、
前記導電体製ノズルとの間に電界を生じさせるための電極と、
前記導電体製ノズル又は前記電極に電圧を印加する電源装置と、
前記導電体製ノズルから紡出された繊維状樹脂を捕集する捕集部と、
を有する電界紡糸装置であって、
前記電極が、前記導電体製ノズルを囲むように凹曲面が配置された凹曲面電極であり、
前記溶融樹脂吐出装置と前記導電体製ノズルとの間に、溶融樹脂を流通させる流通路が形成された電気的絶縁部が配されており、
前記電気的絶縁部の内部に、溶融樹脂の前記流通路を囲むように気体流通路が形成されている、電界紡糸装置。
<2>
前記電気的絶縁部が、溶融樹脂の前記流通路を有する内筒と、該内筒を覆う外筒で形成され、前記気体流通路が該内筒と該外筒の間の空間で形成されている前記<1>に記載の電界紡糸装置。
<3>
前記電気的絶縁部は、内筒と、該内筒を覆う外筒で形成された二重管の構造を有しており、
前記電気的絶縁部の横断面においては、前記内筒と前記外筒とはいずれも円形をしており、且つ同心の位置関係になっている前記<2>に記載の電界紡糸装置。
<4>
前記電気的絶縁部を構成する部材である前記内筒と前記外筒との間の空間である前記気体流通路内に電気導通路が配置されている前記<2>又は<3>に記載の電界紡糸装置。
<5>
前記溶融樹脂吐出装置と前記電気的絶縁部との間に、両者を接続する導電体製連結部材が配置されており、
電気導通路が、前記内筒内の空間である溶融樹脂の前記流通路を通して前記導電体製連結部材に接続されている前記<2>ないし<4>のいずれか1に記載の電界紡糸装置。
<6>
前記電気的絶縁部内に導入された加熱気体は、該電気的絶縁部内に滞留せず、該電気的絶縁部の前記導電体製ノズル側の先端に設けられた複数個の気体噴出孔から噴出するようになっており、
前記気体噴出部は、複数個の孔からなるか、又は前記内筒と前記外筒との間に、前記導電体製ノズルの先端側に開口した隙間を設けた構造となっており、この隙間から気体を噴出させるようにしてある前記<2>ないし<5>のいずれか1に記載の電界紡糸装置。
<7>
前記電気的絶縁部はその長手方向における前記導電体製ノズル側の一端部において、ノズル接続部材を介して該導電体製ノズルと接続されており、
前記ノズル接続部材はフランジ部を有しており、
前記フランジ部は、前記外筒における前記導電体製ノズル側の内壁と、前記内筒における前記導電体製ノズル側の端部との間で把持されて固定されており、
前記ノズル接続部材と前記導電体製ノズルとは、螺合によって接続されている前記<2>ないし<6>のいずれか1に記載の電界紡糸装置。
<8>
前記電気的絶縁部はその長手方向における前記導電体製ノズル側の一端部において、該電気的絶縁部を構成する前記外筒の端部に、該外筒の中心方向に向けて張り出した張り出し部が形成されており、
前記張り出し部のうち、前記内筒と前記外筒との間で形成される空間である気体流通路に対応する位置に、1個又は複数個の気体噴出孔が形成されており、
前記電気的絶縁部を前記導電体製ノズルの先端側から見たときに、前記気体噴出孔は、該導電体製ノズルを囲むように複数個形成されている前記<2>ないし<7>のいずれか1に記載の電界紡糸装置。
<9>
前記電気的絶縁部はその長手方向における前記導電体製ノズル側の一端部において、ノズル接続部材を介して該導電体製ノズルと接続されており、
前記電気的絶縁部の長手方向における前記溶融樹脂吐出装置側の一端部において、該電気的絶縁部を構成する前記外筒の外面に係止部が突設されており、
前記係止部が、前記導電体製連結部材と導電体製取付部材とによって係止されることで、前記一端部は前記導電体製連結部材に接続されており、
前記外筒が前記導電体製連結部材に係止されることで、前記内筒及び前記ノズル接続部材は、前記外筒の前記張り出し部によって前記導電体製連結部材側に押し付けられて係止されている前記<8>に記載の電界紡糸装置。
<10>
前記電気的絶縁部が、溶融樹脂の前記流通路の周囲に複数の前記気体流通路が配置された部材である、前記<1>ないし<9>のいずれか1に記載の電界紡糸装置。
<11>
前記電気的絶縁部は、円柱状の内柱と、該内柱と嵌まり合う大きさを有する円筒状の外筒とから構成され、
前記内柱においては、その横断面において、その中心に1つの樹脂流通路が配置されているとともに、該内柱の側面に、該内柱の長手方向に延びる複数の切り欠き凹部が設けられており、
前記内柱と前記外筒とが嵌まり合うことで画成される前記切り欠き凹部を含む空間を気体流通路として用いるか、又は
前記電気的絶縁部を1本の円柱から構成し、該円柱の横断面において、その中心に1つの樹脂流通路が配置されているとともに、該樹脂流通路を囲むように複数の気体流通路が配置されている前記<1>ないし<10>のいずれか1に記載の電界紡糸装置。
<12>
加熱気体供給源を更に有し、該加熱気体供給源から供給された加熱気体を前記気体流通路に導入するように構成されている前記<1>ないし<11>のいずれか1に記載の電界紡糸装置。
<13>
前記加熱気体供給源の加熱部を作動させずに前記気体流通路に気体を導入することで、室温気体を該気体流通路に導入可能とした前記<12>に記載の電界紡糸装置。
<14>
室温気体供給源を更に有し、
前記室温気体供給源と前記加熱気体供給源とが択一的に前記気体流通路に導入可能になっている前記<12>又は<13>に記載の電界紡糸装置。
<15>
前記導電体製ノズルに電圧を印加するための電気導通路、又は該導電体製ノズルをアースに接続するための電気導通路が、前記電気的絶縁部を構成する部材の内部に配置されており、
前記溶融樹脂吐出装置と前記電気的絶縁部との間に、両者を接続する導電体製連結部材が配置されており、
前記電気導通路と前記導電体製連結部材とを接続し、該導電体製連結部材に電源又はアースを接続することで、前記電気導通路を介して前記導電体製ノズルに電圧を印加するか又は該導電体製ノズルをアースに接続するようにした前記<1>ないし<14>のいずれか1に記載の電界紡糸装置。
<16>
前記溶融樹脂吐出装置と前記電気的絶縁部との間に前記導電体製連結部材が配置されており、且つ該導電体製連結部材と該溶融樹脂吐出装置との間に電気的絶縁体製連結部品が配置されており、これらの部品によって該溶融樹脂吐出装置と該電気的絶縁部とが接続されているとともに、該電気的絶縁体製連結部品によって該溶融樹脂吐出装置と導電体製連結部材とが電気的に絶縁されている前記<15>に記載の電界紡糸装置。
<17>
前記電気的絶縁体製連結部品は、セラミックス又は耐熱樹脂から構成されており、
前記溶融樹脂吐出装置の先端に位置する樹脂吐出装置部品の気体導入口から導入された気体が、前記電気的絶縁体製連結部品及び前記導電体製連結部材を経由して前記電気的絶縁部の前記気体流通路に供給されるようになっている前記<16>に記載の電界紡糸装置。
<18>
前記導電体製ノズルを囲むように電気的絶縁体製の筒状体が配置されており、
前記筒状体の内部と前記導電体製ノズルとの間の空間に、前記電気的絶縁部の前記気体流通路を流通してきた気体を噴出させる前記<1>ないし<17>のいずれか1に記載の電界紡糸装置。
<19>
前記筒状体は、その横断面が円形、楕円形又は多角形であり、
前記筒状体は、その横断面が円形である場合、円の中心位置に前記導電体製ノズルが位置するように、該筒状体が設置されており、
前記筒状体は、その横断面が円形以外の形状である場合には、当該形状の図心の位置に前記導電体製ノズルが位置するように、該筒状体が設置されている前記<18>に記載の電界紡糸装置。
<20>
前記筒状体がセラミックス又は耐熱樹脂から構成されている前記<18>又は<19>に記載の電界紡糸装置。
<21>
前記電極は、円筒の内面に対応する凹曲面を有しており、
前記導電体製ノズルの延びる方向が、円筒形状の軸方向であって、前記電極の一方の開口端によって画成される円の中心か、又はその中心の近傍を通り、且つ該導電体製ノズルの先端が、該開口端によって画成される円を含む平面内に位置するか、又は該平面よりも該凹曲面の内側に位置するように、該導電体製ノズルが配置されている前記<18>ないし<20>のいずれか1に記載の電界紡糸装置。
<22>
前記電極の内面によって画成される円筒の半径をrとしたとき、該円筒と中心軸を同じくして描かれる、半径がr/5である仮想円筒を考えた場合、前記導電体製ノズルの軸芯は、その延びる方向が、該仮想円筒の内側を通るように配置されることが好ましく、
前記仮想円筒として、半径がr/10であるものを考えた場合、前記導電体製ノズルの軸芯は、その延びる方向が、半径がr/10である該仮想円筒の内側を通るように配置されることが一層好ましく、
前記導電体製ノズル31の軸芯は、その延びる方向が、前記電極の内面によって画成される円筒の中心軸に配置されることが一層好ましい、前記<18>ないし<21>のいずれか1に記載の電界紡糸装置。
<23>
前記溶融樹脂吐出装置のうち、最も前記導電体製ノズル側の位置であって、且つヒーターの非設置位置に、前記電気的絶縁部の前記気体流通路に流通させる気体の導入口が設けられている前記<1>ないし<22>のいずれか1に記載の電界紡糸装置。
<24>
前記電気的絶縁部の前記気体流通路に加熱気体を流通させて、これを噴出させ、噴出した該加熱気体を、前記導電体製ノズルから紡出された前記繊維状樹脂を前記捕集部まで搬送する搬送流として利用するようにした前記<1>ないし<23>のいずれか1に記載の電界紡糸装置。
<25>
前記導電体製ノズルには、溶融樹脂の流通が可能な貫通孔が、該導電体製ノズルの長手方向に沿って形成されており、
前記貫通孔の直径は、その下限値を好ましくは50μm以上、更に好ましくは100μm以上に設定することができ、その上限値を好ましくは3000μm以下、更に好ましくは2000μm以下に設定することができ、
前記貫通孔の直径は、好ましくは50μm以上3000μm以下、更に好ましくは100μm以上2000μm以下に設定することができる前記<1>ないし<24>のいずれか1に記載の電界紡糸装置。
<26>
前記導電体製ノズルには、溶融樹脂の流通が可能な貫通孔が、該導電体製ノズルの長手方向に沿って形成されており、
前記導電体製ノズルを、その長手方向に沿って複数の区画に区切り、各区画の前記貫通孔の直径を異なるようにし、
前記導電体製ノズルを、その長手方向に沿って複数の区画に区切った場合、前記貫通孔の直径とは、該導電体製ノズルの先端の溶融樹脂紡出部における直径のことである前記<1>ないし<25>のいずれか1に記載の電界紡糸装置。
<27>
前記電極の凹曲面は、そのいずれの位置においても曲面になっており、
前記曲面とは、(イ)平面部を全く有していない曲面のことであるか、(ロ)平面部を有する複数のセグメントを繋ぎ合わせて全体として前記凹曲面とみなせる形状となっていることであるか、又は(ハ)互いに直交する三軸のうち一軸が曲率を有さない帯状部を有する複数の環状セグメントを繋ぎ合わせて全体として凹曲面とみなせる形状となっていることのいずれかであり、
(ロ)の場合は、例えば縦及び横の長さが0.5mm以上5mm以下程度の四角形又は六角形となっている、同一の又は異なる大きさの平面部を有するセグメントを繋ぎ合わせて前記凹曲面を形成することが好ましく、
(ハ)の場合は、例えば半径が種々異なり、且つ高さが0.001mm以上5mm以下である扁平な複数種類の円筒からなる環状セグメントを繋ぎ合わせて前記凹曲面を形成することが好ましく、
前記環状セグメントにおいては、互いに直交する三軸、すなわちX軸、Y軸及びZ軸のうち、円筒の横断面を含むX軸及びY軸が曲率を有し、且つ円筒の高さ方向であるZ軸が曲率を有していないことが好ましい、前記<1>ないし<26>のいずれか1に記載の電界紡糸装置。
<28>
前記電極の前記凹曲面における開口端によって画成される円の半径をrとしたとき、該円を含む平面上に中心を同じくして描かれる、半径がr/5である仮想円を考えた場合、前記導電体製ノズルの軸芯は、その延びる方向が、該仮想円の内側と、該凹曲面における最底部とを通るように配置されることが好ましく、
前記仮想円として、半径がr/10であるものを考えた場合、前記導電体製ノズルの軸芯は、その延びる方向が、半径がr/10である該仮想円の内側と、前記凹曲面における最底部とを通るように配置されることが好ましく、
前記導電体製ノズルの軸芯は、その延びる方向が、前記電極の前記凹曲面における開口端によって画成される円の中心と、該凹曲面における最底部とを通るように配置されることが更に好ましい、前記<1>ないし<27>のいずれか1に記載の電界紡糸装置。
<29>
前記電気的絶縁部を、前記溶融樹脂吐出装置と前記導電体製ノズルとの間に介在させて、該導電体製ノズル及び前記電極から該溶融樹脂吐出装置を50mm以上の距離でもって遠ざけ、該溶融樹脂吐出装置の導電体部分が、該導電体製ノズルと前記電極の間に生じる電界を乱さないようにした、前記<1>ないし<28>のいずれか1に記載の電界紡糸装置。
<30>
前記電極は、その凹曲面の全面を覆う誘電体製被覆体を備えた前記<1>ないし<29>のいずれか1に記載の電界紡糸装置。
<31>
前記電界紡糸装置の前記誘電体製被覆体の冷却手段を更に備えている前記<30>に記載の電界紡糸装置。
<32>
前記冷却手段が、空冷手段である前記<31>に記載の電界紡糸装置。
<33>
前記誘電体製被覆体内に空気の流通路が設けられており、該流通路内に空気を流通させることで該誘電体製被覆体を冷却する前記<32>に記載の電界紡糸装置。
<34>
導電体製ノズルと、該導電体製ノズルを囲むように凹曲面が配置された電極との間に生じさせた電界によって、該導電体製ノズルから紡出された溶融樹脂を延伸紡糸する工程を有する微細繊維の製造方法であって、
前記溶融樹脂を吐出するための溶融樹脂吐出装置と前記導電体製ノズルとの間を電気的に絶縁した状態下に、該溶融樹脂吐出装置と該導電体製ノズルとの間を流通する該溶融樹脂を加熱気体によって加熱する、微細繊維の製造方法。
<35>
前記電極として、その凹曲面の全面を覆う誘電体製被覆体を備えているものを用い、
前記誘電体製被覆体の温度上昇を抑制しながら延伸紡糸する前記<34>に記載の微細繊維の製造方法。
<36>
前記電気的絶縁部の前記気体流通路に加熱気体を流通させて、これを噴出させ、噴出した該加熱気体を、前記導電体製ノズルから紡出された前記繊維状樹脂を前記捕集部まで搬送する搬送流として利用するようにした、前記<1>ないし<33>のいずれか1に記載の電界紡糸装置を用いた微細繊維の製造方法。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。
〔実施例1〕
図1に示す構造の電界紡糸装置10を用いて極細繊維のランダム堆積体からなる繊維シートを製造した。溶融樹脂吐出装置20として、二軸押出機を用いた。この押出機の最終段温度を240℃に設定した。樹脂の吐出量は1g/minとした。
電気的絶縁部40としてアルミナ製の二重管を用いた。この二重管における内筒41の内径は5mm、外径は14mmであり、外筒42の内径は24mmであった。この二重管の長さは102mmであった。
ノズル31としてステンレス製の管を用いた。長さは8mm、溶融樹脂紡出部内径は0.5mm、外径は4mmであった。
ノズル31をアースに接続し、電極32を−20kVの高電圧電源に接続した。捕集用電極60は、−20kVの高電圧電源に接続した。
加熱気体供給源として、株式会社ハイベック製のSAH−2PFT2 200V 3kWを用いた。気体として空気を用い、これを430℃の設定温度で加熱した。風量は200NL/分とした。
樹脂として、MFRが1800であるポリプロピレンを用いた。
以上の条件で電界紡糸すなわちエレクトロスピニングを行ったところ、最小繊維径が610nmである極細繊維を紡糸することができた。
〔実施例2〕
図3に示す構造の電界紡糸装置10を用いて極細繊維のランダム堆積体からなる繊維シートを製造した。溶融樹脂吐出装置20として、二軸押出機を用いた。この押出機の最終段温度を240℃に設定した。樹脂の吐出量は1g/minとした。
電気的絶縁部40として、実施例1と同様のアルミナ製の二重管を用いた。
ノズル31としてステンレス製の管を用いた。長さは37mm、溶融樹脂紡出部内径は0.2mm、外径は4mmであった。
ノズル31をアースに接続し、電極32を−20kVの高電圧電源に接続した。捕集用電極60は、−20kVの高電圧電源に接続した。
加熱気体供給源として、実施例1と同様の装置を用いた。気体として空気を用い、これを430℃の設定温度で加熱した。風量は200NL/分とした。
樹脂として、MFRが1800であるポリプロピレンを用いた。
以上の条件で電界紡糸を行ったところ、最小繊維径が90nmである極細繊維を紡糸することができた。
〔比較例1〕
実施例1において用いた二重管からなる電気的絶縁部40に代えて、内径5mm長さ95mmのアルミナ製の管を用いた。また、加熱気体供給源を用いなかった。これら以外は実施例1と同様にして繊維を紡糸しようとしたところ、ノズル31の先端までの間に樹脂が固化してしまい、紡糸を行えなかった。
10 電界紡糸装置
20 溶融樹脂吐出装置
21 樹脂吐出装置部品
22 貫通孔
23 気体導入口
30 紡糸部
31 導電体製ノズル
31a 貫通孔
32 電極
32a 凹曲面
33 被覆体
33a 凹曲面
34 電気導通路
35 電気導通路
36 電気導通路
37 支持部材
38 開口端
40 電気的絶縁部
41 内筒
42 外筒
42a 張り出し部
42b 係止部
43 樹脂流通路
44 気体流通路
45 内柱
46 切り欠き凹部
47 円柱
48 ノズル接続部材
50 導電体製連結部材
50a 貫通孔
51 導電体製取付部材
52 周方向気体分配部
53 気体流通部
60 捕集用電極
62 高電圧電源装置
70 筒状体
70a 端縁
71 筒状体保持部材
72 円環部
72a 内周
73 漏斗状部
74 空間
75 導入口
76 排気口
77 背面板
80 電気的絶縁体製連結部品
331 第1貫通孔
332 第2貫通孔

Claims (17)

  1. 溶融樹脂を吐出する溶融樹脂吐出装置と、
    前記溶融樹脂吐出装置から吐出された溶融樹脂を紡出する導電体製ノズルと、
    前記導電体製ノズルとの間に電界を生じさせるための電極と、
    前記導電体製ノズル又は前記電極に電圧を印加する電源装置と、
    前記導電体製ノズルから紡出された繊維状樹脂を捕集する捕集部と、
    を有する電界紡糸装置であって、
    前記電極が、前記導電体製ノズルを囲むように凹曲面が配置された凹曲面電極であり、
    前記溶融樹脂吐出装置と前記導電体製ノズルとの間に、溶融樹脂を流通させる流通路が形成された電気的絶縁部が配されており、
    前記電気的絶縁部の内部に、溶融樹脂の前記流通路を囲むように気体流通路が形成されている、電界紡糸装置。
  2. 前記電気的絶縁部が、溶融樹脂の前記流通路を有する内筒と、該内筒を覆う外筒で形成され、前記気体流通路が該内筒と該外筒の間の空間で形成されている請求項1に記載の電界紡糸装置。
  3. 前記電気的絶縁部が、溶融樹脂の前記流通路の周囲に複数の前記気体流通路が配置された部材である、請求項1に記載の電界紡糸装置。
  4. 加熱気体供給源を更に有し、該加熱気体供給源から供給された加熱気体を前記気体流通路に導入するように構成されている請求項1ないし3のいずれか一項に記載の電界紡糸装置。
  5. 室温気体供給源を更に有し、
    前記室温気体供給源と前記加熱気体供給源とが択一的に前記気体流通路に導入可能になっている請求項4に記載の電界紡糸装置。
  6. 前記導電体製ノズルに電圧を印加するための電気導通路、又は該導電体製ノズルをアースに接続するための電気導通路が、前記電気的絶縁部を構成する部材の内部に配置されており、
    前記溶融樹脂吐出装置と前記電気的絶縁部との間に、両者を接続する導電体製連結部材が配置されており、
    前記電気導通路と前記導電体製連結部材とを接続し、該導電体製連結部材に電源又はアースを接続することで、前記電気導通路を介して前記導電体製ノズルに電圧を印加するか又は該導電体製ノズルをアースに接続するようにした請求項1ないし5のいずれか一項に記載の電界紡糸装置。
  7. 前記溶融樹脂吐出装置と前記電気的絶縁部との間に前記導電体製連結部材が配置されており、且つ該導電体製連結部材と該溶融樹脂吐出装置との間に電気的絶縁体製連結部品が配置されており、これらの部品によって該溶融樹脂吐出装置と該電気的絶縁部とが接続されているとともに、該電気的絶縁体製連結部品によって該溶融樹脂吐出装置と導電体製連結部材とが電気的に絶縁されている請求項6に記載の電界紡糸装置。
  8. 前記導電体製ノズルを囲むように電気的絶縁体製の筒状体が配置されており、
    前記筒状体の内部と前記導電体製ノズルとの間の空間に、前記電気的絶縁部の前記気体流通路を流通してきた気体を噴出させるように構成されている請求項1ないし7のいずれか一項に記載の電界紡糸装置。
  9. 前記溶融樹脂吐出装置のうち、最も前記導電体製ノズル側の位置であって、且つヒーターの非設置位置に、前記電気的絶縁部の前記気体流通路に流通させる気体の導入口が設けられている請求項1ないし8のいずれか一項に記載の電界紡糸装置。
  10. 前記電気的絶縁部の前記気体流通路に加熱気体を流通させて、これを噴出させ、噴出した該加熱気体を、前記導電体製ノズルから紡出された前記繊維状樹脂を前記捕集部まで搬送する搬送流として利用するようにした請求項1ないし9のいずれか一項に記載の電界紡糸装置。
  11. 前記電極は、その凹曲面の全面を覆う被覆体を備えており、
    前記被覆体は誘電体からなる請求項1ないし10のいずれか一項に記載の電界紡糸装置。
  12. 前記被覆体の冷却手段を更に備えている請求項11に記載の電界紡糸装置。
  13. 前記冷却手段が、空冷手段である請求項12に記載の電界紡糸装置。
  14. 前記被覆体内に空気の流通路が設けられている請求項13に記載の電界紡糸装置。
  15. 導電体製ノズルと、該導電体製ノズルを囲むように凹曲面が配置された電極との間に生じさせた電界によって、該導電体製ノズルから紡出された溶融樹脂を延伸紡糸する工程を有する微細繊維の製造方法であって、
    前記溶融樹脂を吐出するための溶融樹脂吐出装置と前記導電体製ノズルとの間を電気的に絶縁した状態下に、該溶融樹脂吐出装置と該導電体製ノズルとの間を流通する該溶融樹脂を加熱気体によって加熱する、微細繊維の製造方法。
  16. 前記電極として、その凹曲面の全面を覆う被覆体を備えているものを用い、
    前記被覆体は誘電体からなり、
    前記被覆体の温度上昇を抑制しながら延伸紡糸する請求項15に記載の微細繊維の製造方法。
  17. 電気的絶縁部の気体流通路に加熱気体を流通させて、これを気体噴出孔から噴出させ、噴出した該加熱気体を、前記導電体製ノズルから紡出された繊維状樹脂を捕集部まで搬送する搬送流として利用するようにした、請求項15又は16のいずれか一項に記載の微細繊維の製造方法。
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