JP6552133B2 - 塗膜、複合塗膜、及び塗装製品 - Google Patents
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Description
ここで、前記下塗り層は、水及び乳化剤の存在下でビニル単量体及び加水分解性珪素化合物をそれぞれ重合させる工程を含む方法によって得られる重合体エマルジョン粒子(A)を含有する、下塗り用コーティング剤組成物(I)の塗膜を乾燥して形成される膜である。また、前記上塗り層は、光触媒活性を有する金属酸化物粒子(B)と、水及び乳化剤の存在下でビニル単量体及び加水分解性珪素化合物をそれぞれ重合させる工程を含む方法によって得られる重合体エマルジョン粒子(C)と、コロイダルシリカ(D)と、を含有する上塗り用コーティング剤組成物(II)の塗膜を乾燥して形成される膜である。
しかしながら、例えば、特許文献1に記載されているような上塗り用コーティング剤組成物を、建築外装等に汎用されているガラス転移温度が−5〜20℃程度の材料を用いた基材に上塗りすると、上塗り用コーティング剤組成物から形成された上塗り層は、外界の温度変化等によって伸縮する基材に十分に追随できない場合がある。このような場合、上塗り層に割れ等が生じることもあり、この割れにより光沢が低下して外観を損なうこともある。さらに、下塗り層は、顔料等で着色されている場合が多く、L*の値が10〜40程度の濃色基材に上塗りすると、白濁等が生じ、外観を損なう場合がある。
したがって、下塗り層の基材や色の制限を受けることなく、長期に亘って、外観や耐汚染性をはじめとする種々の物性に優れる塗膜が求められている。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
二酸化珪素(B)と、
光触媒活性を有する無機酸化物(C)と、
フルオロカーボン界面活性剤(D)と、
を、含有する塗膜であって、
前記塗膜表面にクラックを有し、前記クラックの90%以上が、5.0μm以下の幅であり、
前記塗膜中に重合体(A)を0〜27.0質量%含有する、
塗膜。
[2]
塗膜の厚みが、0.15μm以上2.0μm未満である、[1]に記載の塗膜。
[3]
基材と、
前記基材の表面の少なくとも一部に形成された[1]又は[2]に記載の塗膜と、
を、具備する、塗装製品。
[4]
[1]又は[2]記載の塗膜から得られる上塗り層と、
下塗り層の少なくとも2層を有し、
前記下塗り層が、重合体と、防藻及び/又は防カビ剤とを含有する、
複合塗膜。
[5]
基材と、
前記基材の表面の少なくとも一部に形成された[4]に記載の複合塗膜と、
を、具備する、塗装製品。
[6]
前記基材が、有機基材である、[3]又は[5]に記載の塗装製品。
本実施形態の塗膜は、二酸化珪素(B)と、光触媒活性を有する無機酸化物(C)と、フルオロカーボン界面活性剤(D)とを、含有する塗膜である。また、本実施形態の塗膜は、該塗膜表面にクラックを有し、該クラックの90%以上が、5.0μm以下の幅である。
本実施形態の塗膜は、塗膜表面にクラックを有する。塗膜表面にあるクラックの幅は、塗膜の耐生物汚染性を一層向上させる観点から、5.0μm以下、好ましくは4.0μm以下、より好ましくは3.0μm以下、さらに好ましくは2.5μm以下、よりさらに好ましくは2.0μm以下である。
また、塗膜表面にあるクラックの幅の下限値は、0μmより大きければ特に制限されない。
本実施形態におけるクラックの幅とは、図1に示すように、膜の部分(すなわち、塗膜が形成されている部分)と、膜に裂け目が生じている線状の部分(すなわち、クラック部分)を介して存在する膜の部分との、最短距離である。
塗膜の耐生物汚染性を一層向上させる観点から、クラックの幅が5.0μm以下であることは、実施例記載の方法で測定するクラックの、90%以上が通常であり、92%以上であることが好ましく、95%以上であることがより好ましく、97%以上であることがさらに好ましい。
クラックの幅は、後述の実施例に記載の方法で測定することができる。
本実施形態の塗膜は、特に限定されないが、例えば、水系塗料や溶剤系塗料を乾燥し、得ることができる。本実施形態の塗膜は、好ましくは水系塗料を乾燥して得る。本実施形態の塗膜が上記クラックを含み、上記幅とする方法としては、特に限定されないが、例えば、水系塗料の膜厚を薄くする方法、特定量の重合体(A)を使用する方法等が挙げられる。
本実施形態の塗膜は、重合体(A)(以下、単に(A)成分と記載する場合がある。)を含有してもよい。本実施形態の塗膜中の(A)成分の含有量は、好ましくは0〜60.0質量%であり、より好ましくは0〜50.0質量%、さらに好ましくは0〜40.0質量%、よりさらに好ましくは0〜30.0質量%、さらにより好ましくは0〜27.0質量%である。塗膜中の(A)成分の含有量を上記範囲とすることで、濃色基材での外観、耐候性、耐汚染性、シーリング汚染性、耐生物汚染性に一層優れた塗膜を得ることができる。
重合体(A)としては、特に限定されないが、例えば、乳化重合等の方法で得られる重合体等を用いることができる。重合体(A)としては、具体的には、特に限定されないが、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合のいずれかの重合反応を水性媒体中で行うことにより得られる重合体等が挙げられる。
なお、ここでいう数平均粒子径は、湿式粒度分析計を用いて測定することができる。
これらは1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
このような化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、(ポリ)イソシアネート化合物、(ポリ)エポキシ化合物、アミノ化合物、(ポリ)カルボキシ化合物、(ポリ)ヒドロキシ化合物、グリコール化合物、シラノール化合物、シリル化合物、アルコキシ化合物、(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。
これらは1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(A)成分の製造に用いることができるビニル単量体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、(メタ)アクリル酸エステル、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、カルボキシル基含有ビニル化合物、水酸基含有ビニル化合物、グリシジル基含有ビニル化合物、2級及び/又は3級アミド基を有するビニル化合物、アニオン型ビニル化合物等の官能基を含有するビニル単量体等が挙げられる。
上述したビニル単量体以外のビニル単量体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、(メタ)アクリルアミド、エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン類;ブタジエン等のジエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデンフッ化ビニル、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン等のハロオレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、n−酪酸ビニル、安息香酸ビニル、p−tert−ブチル安息香酸ビニル、ピバリン酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、ラウリン酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル類;酢酸イソプロペニル、プロピオン酸イソプロペニル等のカルボン酸イソプロペニルエステル類;エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等のビニルエーテル類;スチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル化合物;酢酸アリル、安息香酸アリル等のアリルエステル類;アリルエチルエーテル、アリルフェニルエーテル等のアリルエーテル類;4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、パーフルオロメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロプロピルメチル(メタ)アクリレート、ビニルピロリドン、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アリル等が挙げられる。
これらは1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
連鎖移動剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン等のアルキルメルカプタン類;ベンジルメルカプタン、ドデシルベンジルメルカプタン等の芳香族メルカプタン類;チオリンゴ酸等のチオカルボン酸又はこれらの塩若しくはこれらのアルキルエステル類;ポリチオール類;ジイソプロピルキサントゲンジスルフィド、ジ(メチレントリメチロールプロパン)キサントゲンジスルフィド等のジスルフィド類;チオグリコール、α−メチルスチレンのダイマー等のアリル化合物等が挙げられる。
これらは1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
かかる場合、当該重合体(A)を製造するのに用いる加水分解性珪素化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、下記式(1)で表される化合物、シランカップリング剤、及びこれらの縮合物が好ましいものとして挙げられる。
Rは、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜30のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、ハロゲン原子で置換されている炭素数6〜20のアリール基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を表す。
xは1以上4以下の整数であり、yは0以上3以下の整数であり、x+y=4の関係を満たす。
Wが複数の場合、Rが複数の場合、それぞれのW及びRは、互いに同一であっても異なっていてもよい。
このようなシランカップリング剤を加水分解性珪素化合物として用いることで、加水分解性珪素化合物とビニル単量体の重縮合物等同士を化学的に結合させることができる。これにより、相溶性が一層向上し、塗膜の透明性が一層向上する。
ルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジエトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ジイソプロピルジエトキシシラン、ジ−n−ブチルジメトキシシラン、ジ−n−ブチルジエトキシシラン、ジ−n−ペンチルジメトキシシラン、ジ−n−ペンチルジエトキシシラン、ジ−n−ヘキシルジメトキシシラン、ジ−n−ヘキシルジエトキシシラン、ジ−n−ヘプチルジメトキシシラン、ジ−n−ヘプチルジエトキシシラン、ジ−n−オクチルジメトキシシラン、ジ−n−オクチルジエトキシシラン、ジ−n−シクロヘキシルジメトキシシラン、ジ−n−シクロヘキシルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン等のジアルコキシシラン類;トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン等のモノアルコキシシラン類等が挙げられる。
その中でも、水系組成物や得られる塗膜の性能向上の観点から、式(1)で表される珪素アルコキシドとシランカップリング剤とを併用することが好ましく、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン及びジメチルジメトキシシランからなる群より選ばれる少なくとも1種と、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシランとを併用することがより好ましい。
(A)成分を製造する際には、加水分解性珪素化合物とともに、チタンアルコキシド、ジルコニウムアルコキシド、それらの縮合生成物又はキレート化物を併用することもできる。これらの化合物の併用により、耐水性等が一層優れた塗膜を得ることができる。
チタンアルコキシドとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラ−i−プロポキシチタン、テトラ−n−プロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラ−sec−ブトキシチタン、テトラ−tert−ブトキシチタン等が挙げられる。
なお、ここでいう加水分解縮合物とは、ジメチルジメトキシシランの反応性基(例えば、アルコキシ基等)が、加水分解や縮合反応によって、シラノール結合に変換された縮合物である。ジメチルジメトキシシランの加水分解縮合物換算の含有量(質量%)は、重合体(A)を含む水分散体(AD)成分の加熱残分として求められる重合体(A)の含有量(全固形分量)、ジメチルジメトキシシランの仕込み量から、以下の計算で求めることができる。
キレート化剤の分子量は、以下に限定されるものではないが、好ましくは1万以下である。
これらのキレート化剤を用いることにより、加水分解性珪素化合物等の重合速度を制御することができ、水及び乳化剤の存在下における重合安定性が一層向上する。
キレート化剤の配合量は、特に限定されないが、配位させる遊離金属イオン1モル当たり、0.1モル〜2モルの割合であることが好ましい。
これらの乳化剤の中でも、ラジカル重合性の二重結合を有する反応性乳化剤(以下、単に反応性乳化剤と記載する場合がある。)が好ましい。このような反応性乳化剤を用いることで、重合体(A)の水分散安定性が非常に良好になるとともに、得られる塗膜の耐水性も一層向上する。
これらの中でも、アンモニウム−α−スルホナト−ω−1−(アリルオキシメチル)アルキルオキシポリオキシエチレン、α−〔2−〔(アリルオキシ)−1−(アルキルオキシメチル)エチル〕−ω−ポリオキシエチレン硫酸エステル塩が好ましい。
ビニル単量体の重合触媒としては、特に限定されないが、熱又は還元性物質等によって自身がラジカル分解することで、ビニル単量体の付加重合を起こさせるラジカル重合触媒が好ましい。
このようなラジカル重合触媒としては、以下に限定されるものではないが、例えば、過硫酸塩、過酸化物、アゾビス化合物等が挙げられる。これらは水溶性であってもよいし、油溶性であってもよい。
ラジカル重合触媒の配合量は、特に限定されないが、ビニル単量体の総量100質量部に対して、好ましくは0.001〜5質量部である。なお、重合速度の促進や低温(例えば、70℃以下等)での効率的な重合を望む場合、例えば、重亜硫酸ナトリウム、塩化第一鉄、アスコルビン酸塩、ロンガリット等の還元剤をラジカル重合触媒と併用することが好ましい。
これらの中で、加水分解性珪素化合物の重合触媒としては、重合触媒のみならず乳化剤としての機能も有する観点から、酸性乳化剤類が好ましい。酸性乳化剤類としては、炭素数5〜30のアルキルベンゼンスルホン酸(例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸等)がより好ましい。
乳化重合の具体的な方法としては、特に限定されず、例えば、ビニル単量体及び加水分解性珪素化合物は、そのまま又は乳化した状態で、一括若しくは分割で、又は連続的に反応容器中に滴下し、重合触媒の存在下、好ましくは大気圧〜10MPaの圧力下で、約30〜150℃の反応温度で重合する方法等が挙げられる。
反応温度及び反応圧力は、反応条件等によっては前記条件に限定されない。
コア/シェル構造を有する(A)成分を製造する方法としては、特に限定されるものではないが、多段乳化重合が好ましい方法として挙げられる。
ここでいう多段乳化重合とは、ビニル単量体や加水分解性珪素化合物を含有する、組成の異なる2種類以上の反応溶液を調製し、これらを別々の段階に分けて重合させる方法である。
2段乳化重合の一例としては、特に限定されないが、例えば、水及び乳化剤の存在下で、ビニル単量体及び/又は加水分解性珪素化合物を重合させてシード粒子を得る工程(第1段)と、得られたシード粒子の存在下で、加水分解性珪素化合物とビニル単量体とをそれぞれ重合する工程(第2段)とを有する方法等が挙げられる。
このような多段乳化重合を行うことにより、粒子径がより均一な重合体粒子を得ることができる。多段乳化重合における原料の添加方法としては、第1段の重合においてシード粒子(コア)を作製し、その後に他の単量体等を追添加する方法等が好ましい。これにより、第1段の重合で得られるシード粒子(コア)の体積平均粒子径/数平均粒子径の比率が変動することなく、第2段の重合で得られる重合体粒子の粒子径を大きくすることも可能となる。
3段以上の多段乳化重合を実施する場合、2段重合と同様にして、重合の段数を増加させればよい。
本実施形態の塗膜は、二酸化珪素(B)(以下、単に(B)成分と記載する場合がある。)を含有する。
二酸化珪素(B)は、コロイダルシリカから得ることが好ましい。コロイダルシリカとしては、二酸化珪素を基本単位とするシリカの水又は水溶性溶媒の分散体であるコロイダルシリカ等が挙げられる。
コロイダルシリカの製造方法は、特に限定されず、例えば、ゾル−ゲル法で調製することもできる。ゾル−ゲル法で調製する場合には、Werner Stober et al.; Journal of Colloid And Interface Science, vol. 26, pp. 62-69 (1968)や、Rickey D. Badley et al.; Lang muir 6, 792-801 (1990)や、「色材協会誌」、61[9]488−493(1988)等を参照することができる。
(B)成分の数平均粒子径を1nm以上とすることで、塗膜を得るための水系組成物の貯蔵安定性が一層向上する。(B)成分の数平均粒子径を100nm以下とすることで、得られる濃色基材での外観が一層向上する。なお、数平均粒子径は、湿式粒度分析計を用いて測定することができる。
水を分散媒体とする酸性のコロイダルシリカとしては、市販品を用いることもできる。
このような市販品としては、以下に限定されるものではないが、例えば、日産化学工業社製の「スノーテックス(商標)−OXS」、「スノーテックス−OS」、「スノーテックス−O」、「スノーテックス−O−40」、「スノーテックス−OL」及び「スノーテックス−OYL」、ADEKA社製の「アデライト(商標)AT−20Q」、クラリアントジャパン社製の「クレボゾール(商標)20H12」及び「クレボゾール30CAL25」等が挙げられる。
塗膜中の(B)成分の含有量を上記範囲とすることで、濃色基材での外観、耐候性、耐汚染性、シーリング汚染性、耐生物汚染性が一層優れた塗膜を得ることができる。
本実施形態の塗膜は、光触媒活性を有する無機酸化物(C)(以下、(C)成分と記載する場合がある。)を含有する。これにより、塗膜に光が照射されることで光触媒活性や親水性を発現させることができる。
光触媒活性を有する無機酸化物(C)としては、光触媒活性を有する無機酸化物であればよく、その種類は特に限定されない。
粒子表面を修飾処理することにより、H2O2やヒドロキシラジカル(・OH)等の活性酸素種の発生量を抑制でき、下地塗膜の損傷を一層抑制することができる。
酸化チタンの表面を修飾処理する方法としては、特に限定されず、例えば、酸化チタンのスラリーに珪素化合物を添加し、中和処理等の工程を経て珪素の含水酸化物を析出させる方法等が挙げられる。
(C)成分に金属を担持する方法としては、特に限定されず、例えば、粒子表面を修飾処理された酸化チタンに、塩化銅二水和物、硝酸銀、テトラ塩化金酸四水和物等をクエン酸三ナトリウム二水和物やタンニン酸等と反応させて得る方法が挙げられる。金属担持量としては、酸化チタンに対して金属が0.1〜5質量%であることが好ましく、0.1〜4.8質量%であることがより好ましく、0.1〜4.6質量%であることがさらに好ましい。
当該担持量が上記範囲であることで、金属担持酸化チタンの沈降を抑制し、耐生物汚染性に優れた塗膜を得ることができる。
(C)成分の含有量を上記範囲とすることで、濃色基材での外観、耐候性、耐汚染性、シーリング汚染性、耐生物汚染性が一層優れた塗膜を得ることができる。
本実施形態の塗膜は、フルオロカーボン界面活性剤(D)(以下、(D)成分と記載する場合がある)を含有する。
(D)成分を含有することにより、本実施形態の塗膜は、はじきや泡の巻き込みによるクレーター等の外観上のトラブルも一層抑制することができる。さらには、塗膜の均一性も一層向上する。
これらの理由としては定かではないが、(D)成分を含有することにより、塗膜を得るための水系塗料の表面張力を低下させることができると推測される。なお、本実施形態の作用はこれらに限定されない。
両性界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、非イオン性両性界面活性剤、陰イオン性両性界面活性剤、陽イオン性両性界面活性剤等が挙げられる。好ましい具体例としては、例えば、炭素数3〜20のパーフルオロアルキル基を有する両性界面活性剤が挙げられる。
パーフルオロアルキルカルボン酸塩としては、例えば、市販品を用いることもできる。このような市販品としては、以下に限定されないが、例えば、AGCセイミケミカル社製の「サーフロンS−211」等が挙げられる。
パーフルオロアルキルアミンオキシドとしては、例えば、市販品を用いることもできる。このような市販品としては、以下に限定されないが、例えば、AGCセイミケミカル社製の「サーフロンS−241」等が挙げられる。
パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物としては、例えば、市販品を用いることもできる。このような市販品としては、以下に限定されないが、例えば、DIC社製の「メガファックF−444」、AGCセイミケミカル社製の「サーフロンS−242」等が挙げられる。
陰イオン性基と陽イオン性基とを有するパーフルオロアルキル化合物としては、例えば、市販品を用いることもできる。このような市販品としては、以下に限定されないが、例えば、AGCセイミケミカル社製の「サーフロンS−231」、「サーフロンS−232」、「サーフロンS−233」等が挙げられる。
これらは、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(D)成分の含有量を上記範囲とすることで、はじきや泡の巻き込みによるクレーター等の外観が一層向上し、濃色基材での外観、耐候性、耐汚染性、耐生物汚染性が一層優れた塗膜を得ることができる。
本実施形態の塗膜は、退色性色素(E)(以下、単に(E)成分と記載する場合がある。)を含有してもよい。
本実施形態の塗膜が退色性色素(E)を含有することにより、塗膜を得るための水系塗料の塗装忘れ、重複塗装、塗装むら等のトラブルを防ぐことができる。
(E)成分としては、太陽光の照射により失色し、下地の意匠性を損ねないものが好ましい。失色までの時間は季節や照射方角等により異なるが、通常、目視で失色が確認されるまでの期間が、20日以下であることが好ましく、より好ましくは10日以下であり、さらに好ましくは3日以下である。
(E)成分としては、太陽光の照射で失色する性質を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、メチレンブルー、クリスタルバイオレット、マラカイトグリーン、ブリリアントブルーFCF、エリスロシン、ニューコクシン、フロキシン、ローズベンガル、アシッドレッド、及びファーストグリーンFCFからなる群より選ばれる1種等が挙げられる。これらの中でも、発色性が良好で、失色速度も速い観点から、メチレンブルーがより好ましい。
これらは1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(E)成分の含有量を上記範囲とすることで、濃色基材での外観、耐候性、耐汚染性、シーリング汚染性、耐生物汚染性が一層優れた塗膜を得ることができる。
本実施形態の塗膜は、消泡剤(F)(以下、「(F)成分」と記載する場合がある。)を含んでもよい。
消泡剤(F)を含有することにより、本実施形態の塗膜の、はじきや泡の巻き込みによるクレーター等の外観上のトラブルも一層抑制できる。
鉱物油系消泡剤としては、特に限定されないが、市販品を用いることもできる。
疎水性シリカタイプの鉱物油系消泡剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ノプコ8034、ノプコ8034−L、SNデフォーマーAP、SNデフォーマーH−2、SNデフォーマーTP−33、SNデフォーマーVL、SNデフォーマー113、SNデフォーマー154、SNデフォーマー154S、SNデフォーマー313、SNデフォーマー314、SNデフォーマー316、SNデフォーマー317、SNデフォーマー318、SNデフォーマー319、SNデフォーマー321、SNデフォーマー323、SNデフォーマー364、SNデフォーマー414、SNデフォーマー456、SNデフォーマー474、SNデフォーマー476−L、SNデフォーマー480、SNデフォーマー777、SNデフォーマー1341、SNデフォーマー1361(サンノプコ社製)BYK−1740(BYK社製)が挙げられ、金属石鹸タイプの鉱物油系消泡剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ノプコDF−122、ノプコDF−122−NS、ノプコNDW、ノプコNXZ、SNデフォーマー122−SV、SNデフォーマー269、SNデフォーマー1010(サンノプコ社製)、アマイドワックスタイプの鉱物油系消泡剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ノプコ267−A、ノプコDF−124−L、SNデフォーマーTP−39、SNデフォーマー477T、SNデフォーマー477−NS、SNデフォーマー479、SNデフォーマー1044、SNデフォーマー1320、SNデフォーマー1340、SNデフォーマー1360、SNデフォーマー5100(サンノプコ社製)が挙げられる。
これらは1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの消泡剤の中でも、好ましくは疎水性シリカタイプの鉱物油系消泡剤である。
上記した塗膜は、例えば、上記した塗膜中に、必要に応じて他の成分を混合することにより得てもよい。
前記他の成分としては、以下に限定されるものではないが、例えば、艶消し剤、架橋反応触媒、顔料、硬化触媒、架橋剤、充填剤、皮張り防止剤、分散剤、湿潤剤、光安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、成膜助剤、防錆剤、可塑剤、増粘剤、潤滑剤、還元剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、消臭剤、黄変防止剤、静電防止剤、帯電調整剤等が挙げられる。
これらは1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本実施形態の塗膜は、0.15μm以上2.0μm未満であることが好ましい。本実施形態の塗膜は、より好ましくは0.15μm以上1.5μm以下、さらに好ましくは0.15μm以上1.0μm以下、よりさらに好ましくは0.15μm以上0.9μmである。塗膜の厚みが上記範囲であることにより、塗膜のクラック幅を制御することが容易となり、濃色基材での外観、耐候性、耐汚染性、シーリング汚染性、耐生物汚染性が一層優れた塗膜を得ることができる。
本実施形態の塗膜は、例えば、水系塗料を乾燥させる等して得ることができ、水系塗料中の固形分の含有量(固形分量)は、特に限定されないが、塗膜の均一性の観点から、好ましくは0.5質量%〜15.0質量%、より好ましくは0.5〜10.0質量%であり、さらに好ましくは1.0〜8.0質量%である。水系塗料の固形分の含有量を上記下限値以上とすることで、耐汚染性が一層向上する。水系組成物中の固形分の含有量を上記上限値以下とすることで、透明性が一層向上する。ここでいう固形分量は、後述する実施例に記載の方法によって求めることができる。さらに、塗膜の用途によっては、塗膜の膜厚が薄いことも要求される場合がある。そのような場合であっても、水系組成物中の固形分量が上記上限値以下であることにより、薄い膜厚でありながら、耐候性や耐汚染性やシーリング汚染性や耐生物汚染性といった物性に優れた塗膜とすることができる。水系組成物中の固形分量が上記下限値以上であることにより、塗膜形成時に要する乾燥時間を短縮することが可能となり、作業効率を一層向上させることができる。
本実施形態の複合塗膜は、本実施形態の塗膜から得られる上塗り層と、下塗り層の少なくとも2層を含む。また、本実施形態の複合塗膜における下塗り層は、重合体と、防藻及び/又は防カビ剤とを含有する。
本実施形態の複合塗膜は、例えば、下塗り層の表面に、前記塗膜を得ることができる水系塗料を塗布して乾燥させることにより得ることができる。
本実施形態の複合塗膜を構成する下塗り層は、重合体をさらに含有する。これにより、耐候性に優れる複合塗膜を形成することができる。なお、本実施形態の作用はこれらに限定されない。
これらは1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
このような化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、(ポリ)イソシアネート化合物、(ポリ)エポキシ化合物、アミノ化合物、(ポリ)カルボキシ化合物、(ポリ)ヒドロキシ化合物、グリコール化合物、シラノール化合物、シリル化合物、アルコキシ化合物、(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。
これらは1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
重合体の製造に用いることができるビニル単量体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、(メタ)アクリル酸エステル、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、カルボキシル基含有ビニル化合物、水酸基含有ビニル化合物、グリシジル基含有ビニル化合物、2級及び/又は3級アミド基を有するビニル化合物、アニオン型ビニル化合物等の官能基を含有するビニル単量体等が挙げられる。
上述したビニル単量体以外のビニル単量体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、(メタ)アクリルアミド、エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン類;ブタジエン等のジエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデンフッ化ビニル、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン等のハロオレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、n−酪酸ビニル、安息香酸ビニル、p−tert−ブチル安息香酸ビニル、ピバリン酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、ラウリン酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル類;酢酸イソプロペニル、プロピオン酸イソプロペニル等のカルボン酸イソプロペニルエステル類;エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等のビニルエーテル類;スチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル化合物;酢酸アリル、安息香酸アリル等のアリルエステル類;アリルエチルエーテル、アリルフェニルエーテル等のアリルエーテル類;4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、パーフルオロメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロプロピルメチル(メタ)アクリレート、ビニルピロリドン、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アリル等が挙げられる。
これらは1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
連鎖移動剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン等のアルキルメルカプタン類;ベンジルメルカプタン、ドデシルベンジルメルカプタン等の芳香族メルカプタン類;チオリンゴ酸等のチオカルボン酸又はこれらの塩若しくはこれらのアルキルエステル類;ポリチオール類;ジイソプロピルキサントゲンジスルフィド、ジ(メチレントリメチロールプロパン)キサントゲンジスルフィド等のジスルフィド類;チオグリコール、α−メチルスチレンのダイマー等のアリル化合物等が挙げられる。
これらは1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
かかる場合、当該重合体を製造するのに用いる加水分解性珪素化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、下記式(1)で表される化合物、シランカップリング剤、及びこれらの縮合物が好ましいものとして挙げられる。
Rは、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜30のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、ハロゲン原子で置換されている炭素数6〜20のアリール基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を表す。
xは1以上4以下の整数であり、yは0以上3以下の整数であり、x+y=4の関係を満たす。
Wが複数の場合、Rが複数の場合、それぞれのW及びRは、互いに同一であっても異なっていてもよい。
このようなシランカップリング剤を加水分解性珪素化合物として用いることで、加水分解性珪素化合物とビニル単量体の重縮合物等同士を化学的に結合させることができる。これにより、相溶性が一層向上し、塗膜の透明性が一層向上する。
これらの中でも、テトラアルコキシシラン類、トリアルコキシシラン類、ジアルコキシシラン類が好ましく、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシランがより好ましい。
キレート化剤の分子量は、以下に限定されるものではないが、好ましくは1万以下である。
これらのキレート化剤を用いることにより、加水分解性珪素化合物等の重合速度を制御することができ、水及び乳化剤の存在下における重合安定性が一層向上する。
キレート化剤の配合量は、特に限定されないが、配位させる遊離金属イオン1モル当たり、0.1モル〜2モルの割合であることが好ましい。
これらの乳化剤の中でも、ラジカル重合性の二重結合を有する反応性乳化剤(以下、単に反応性乳化剤と記載する場合がある。)が好ましい。このような反応性乳化剤を用いることで、重合体の水分散安定性が非常に良好になるとともに、得られる塗膜の耐水性も一層向上する。
これらの中でも、アンモニウム−α−スルホナト−ω−1−(アリルオキシメチル)アルキルオキシポリオキシエチレン、α−〔2−〔(アリルオキシ)−1−(アルキルオキシメチル)エチル〕−ω−ポリオキシエチレン硫酸エステル塩が好ましい。
ビニル単量体の重合触媒としては、特に限定されないが、熱又は還元性物質等によって自身がラジカル分解することで、ビニル単量体の付加重合を起こさせるラジカル重合触媒が好ましい。
このようなラジカル重合触媒としては、以下に限定されるものではないが、例えば、過硫酸塩、過酸化物、アゾビス化合物等が挙げられる。これらは水溶性であってもよいし、油溶性であってもよい。
ラジカル重合触媒の配合量は、特に限定されないが、ビニル単量体の総量100質量部に対して、好ましくは0.001〜5質量部である。なお、重合速度の促進や低温(例えば、70℃以下等)での効率的な重合を望む場合、例えば、重亜硫酸ナトリウム、塩化第一鉄、アスコルビン酸塩、ロンガリット等の還元剤をラジカル重合触媒と併用することが好ましい。
これらの中で、加水分解性珪素化合物の重合触媒としては、重合触媒のみならず乳化剤としての機能も有する観点から、酸性乳化剤類が好ましい。酸性乳化剤類としては、炭素数5〜30のアルキルベンゼンスルホン酸(例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸等)がより好ましい。
乳化重合の具体的な方法としては、特に限定されず、例えば、ビニル単量体及び加水分解性珪素化合物は、そのまま又は乳化した状態で、一括若しくは分割で、又は連続的に反応容器中に滴下し、重合触媒の存在下、好ましくは大気圧〜10MPaの圧力下で、約30〜150℃の反応温度で重合する方法等が挙げられる。
反応温度及び反応圧力は、反応条件等によっては前記条件に限定されない。
乳化重合の際に粒子径をより制御したい場合は、予め水相中にエマルジョン粒子を存在させて重合させるシード重合法を採用することが好ましい。この場合の重合系のpHは、特に限定されないが、好ましくは1.0〜10.0であり、より好ましくは1.0〜6.0である。このpHは、燐酸二ナトリウム、四硼酸ナトリウム(ボラックス等)、炭酸水素ナトリウム、アンモニア等のpH緩衝剤を用いて調節することができる。
本実施形態の複合塗膜の下塗り層中の重合体の含有量を前記範囲とすることで、濃色基材での外観、耐候性、耐汚染性、シーリング汚染性、耐生物汚染性が一層優れた複合塗膜を得ることができる。
本実施形態の複合塗膜を構成する下塗り層は、防藻及び/又は防カビ剤をさらに含有することが好ましい。
これにより、太陽光等の光が照射されにくい場所においても、耐生物汚染性に優れる複合塗膜を形成することができる。なお、本実施形態の作用はこれらに限定されない。
これらの中でもイソチアゾリン系化合物、トリアジン系化合物、イミダゾール系化合物からなる群より選ばれる1種以上が好ましく、イソチアゾリン系化合物、トリアジン系化合物からなる群より選ばれる1種以上がより好ましい。
特に防藻性に優れたものとしては、例えば、トリアジン系化合物等が挙げられる。
特に防カビ性に優れたものとしては、例えば、チアゾリン系化合物、イソチアゾリン系化合物、イミダゾール系化合物等が挙げられる。
本実施形態の複合塗膜の下塗り層においては、防藻性と防カビ性を併せ持つものを使用してもよく、そのようなものとしては、例えば、分子中に塩素原子を含むイソチアゾリン系化合物等が挙げられる。
これらは1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
トリアジン系化合物としては、市販品を用いることもできる。市販品としては、例えば、日本曹達社製の「バイオカット−N35」、「DP−2159」、「DP−2615」。「DP−2619」、「DP−2623」、大和化学工業社製の「アモルデンNBP−8」、「アモルデンNBPconc」、三協化成社製の「サンアルガ1907」等が挙げられる。
イミダゾール系化合物としては、市販品を用いることもできる。市販品としては、例えば、日本曹達社製の「バイオカット−N35」、「バイオカット−AF40」、「DX−2」、ダウケミカル社製の「ROCIMA 363」等が挙げられる。
他の抗菌剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、銀系化合物、銅系化合物、亜鉛系化合物等が挙げられる。
これらは1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本実施形態の複合塗膜は、下塗り層の上に、直接上塗り層が形成されていてもよく、他の所定の層を介した多層構造、あるいは他の所定の層が下塗り層の下に形成された多層構造であってもよい。本実施形態の塗膜である上塗り層が、最上層にあることが好ましい。
本実施形態の複合塗膜の下塗り層は、例えば下塗り用水系塗料を、その用途や塗布対象の材料等に応じて、適宜好適な方法で塗布して得ることができる。
塗布方法としては、以下に限定されるものではないが、例えば、スプレー吹き付け法、フローコーティング法、ロールコート法、刷毛塗り法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、スクリーン印刷法、キャスティング法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、ワイヤーバーコート法等が挙げられる。
上塗り層は、下塗り層又は他の所定の層の上に、例えば、スプレー吹き付け法、フローコーティング法、ロールコート法、刷毛塗り法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、スクリーン印刷法、キャスティング法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法を適用して形成することができ、これにより、本実施形態の複合塗膜を作製することができる。
本実施形態の塗装製品は、基材と当該基材の表面の少なくとも一部に、本実施形態の塗膜、あるいは、本実施形態の複合塗膜を具備する。
基材の材料としては、以下に限定されるものではないが、例えば、合成樹脂、天然樹脂等の有機基材;金属、セラミックス、ガラス、石、セメント、コンクリート等の無機基材が挙げられる。
これらは1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
基材が上述した合成樹脂や天然樹脂等を用いた樹脂製の基材である場合、必要に応じて、コロナ放電処理、フレーム処理、プラズマ処理等の表面処理が施されていてもよい。
例えば、本実施形態の塗膜を、基材上に塗布した後、その塗膜をその基材から剥離させて、別の基材に接着してもよい。あるいは、本実施形態の塗膜を、基材上に塗布した後、その基材と密着させた状態で、別の基材に接着させてもよい。
〔エナメル塗料を予め塗装した7cm×15cmの基材の作製〕
(顔料ディスパージョンの作製)
分散剤(BASFジャパン社製、「Pig.Disperser MD20」)5.35g、アンモニア水0.5g、プロピレングリコール23.5g、水147.5g、酸化チタン(塩素法ルチル型酸化チタン;石原産業社製、「タイペークCR−97」)333.5g、消泡剤(変性シリコーン系;サンノプコ社製、「SNデフォーマー1310」)2.85gの配合物を、卓上サンドミル(カンペパピオ社製、バッチ式卓上サンドミル)にて20分間分散させて、顔料ディスパージョンを得た。
後述する〔製造例1〕で得られた重合体エマルジョン109.0gに、2,2,4−トリメチル−1,3−ブタンジオールイソブチレート(チッソ社製、「CS−12」)10.0g、エチレングリコールモノブチルエーテル50質量部と水50質量部との混合液10.0g、上述のようにして得た顔料ディスパージョン51.4g、増粘剤(旭電化工業社製、「アデカノールUH−438」)の10質量%水溶液0.5gを添加し、1時間混合してエナメル塗料Xを得た。
7cm×15cmの硫酸アルマイト板に上述のようにして得たエナメル塗料Xを、ワイヤーコーターNo.50を用いて塗装し、温度23℃、相対湿度50%で48時間乾燥させ、エナメル塗料Xを予め塗装した7cm×15cmの基材を得た。
後述する〔製造例1〕で得られた重合体エマルジョン109.0gに、2,2,4−トリメチル−1,3−ブタンジオールイソブチレート(チッソ社製、「CS−12」)10.0g、エチレングリコールモノブチルエーテル50質量部と水50質量部との混合液10.0g、上述のようにして得た顔料ディスパージョン51.4g、増粘剤(旭電化工業社製、「アデカノールUH−438」)の10質量%水溶液0.5g、防藻防カビ剤N−35(日本曹達社製、固形分量35質量%)0.9g、防藻防カビ剤AF−40(日本曹達製、固形分量40質量%)0.4gを添加し、1時間混合してエナメル塗料Yを得た。
7cm×15cmの硫酸アルマイト板に上述のようにして得たエナメル塗料Yを、ワイヤーコーターNo.50を用いて塗装し、温度23℃、相対湿度50%で48時間乾燥させ、エナメル塗料Yを予め塗装した7cm×15cmの基材を得た。
(1.各成分の含有量及び固形分量)
試料2.0gをアルミ皿にとり、150℃で1時間加熱した。加熱前後の試料の質量を測定し、その差から固形分量(質量%)を計算した。この方法に準拠して、各成分の含有量及び水系組成物中の固形分量をそれぞれ測定した。
ローディングインデックスが1.5〜3.0となるようイオン交換水を加えて希釈し、湿式粒度分析計(日機装社製、「マイクロトラックUPA−9230」)を用いて測定した。測定条件を以下に示す。
・ローディングインデックス:1.5〜3.0
・測定時間:60秒
・測定回数:3回
セイコーインスツル社、「DCS6220」を用いて、昇温速度10℃/分の測定条件で測定し、得られたDSC曲線の変極点よりガラス転移温度を求めた。なお、測定条件を以下に示す。
・測定用セル:アルミニウム製容器
・測定用サンプルの作製:アルミニウム製容器に測定試料としてのエマルジョン40mgを入れて、130℃で1時間乾燥させた。
JISK5600塗料一般試験方法隠ぺい率試験紙(日本テストパネル社製)の黒地部分(L*の値7)に、水系組成物の塗付量が17.0g/m2の割合となるようにスプレーを用いて塗装した。塗装した試験紙を水平に保ち、温度23℃、相対湿度50%、照度20000ルクスで48時間静置し、試験板とした。塗装前後の色差をBYKガードナー社製「カラーガイド」を用いて測定した。色差3.0以下であれば濃色下地での色差変化が少なく良好であることを示す。
上述のようにして作製した防藻防カビ剤を含むエナメル塗料を予め塗装した7cm×15cmの基材に、水系組成物の塗付量が17.0g/m2の割合となるようにスプレーを用いて塗装した。塗装した基材を水平に保ち、温度23℃、相対湿度50%、照度20000ルクスで48時間静置し、試験板とした。試験板を一般道路(トラック通行量500〜1000台/日程度)に面したフェンスに貼り付けて6ヶ月間又は1年間静置した。
静置後の試験板の汚染の度合いを、以下の基準に基づく目視で評価した。
なお、エナメル塗料を予め塗装した基材のみで評価した結果は、6ヶ月間、1年間共に「×」の評価であった。
[評価基準]
○:ほとんど汚れが確認されなかった。
△:多少の汚れが確認されたものの、実用上問題がない程度であった。
×:多量の汚れが確認された。
上述のようにして作製した防藻防カビ剤を含まないエナメル塗料を予め塗装した7cm×15cmの基材に、水系組成物の塗付量が17.0g/m2の割合となるようにスプレーを用いて塗装した。塗装した基材を水平に保ち、温度23℃、相対湿度50%、照度20000ルクスで48時間静置し、試験板とした。試験板を茨城県笠間市で、周囲に木が茂っている建屋の北面に面したフェンスに、水平面から45°傾けて、塗装された面が上向きになるよう貼り付けて、6月から2か月間静置した。
静置後の試験板の汚染の度合いを、以下の基準に基づく目視で評価した。
なお、防藻防カビ剤を含まないエナメル塗料を予め塗装した基材のみで評価した結果は、「×」の評価であった。
[評価基準]
○:ほとんど藻やカビの汚れが確認されなかった。
△:多少の藻やカビの汚れが確認されたものの、実用上問題がない程度であった。
×:多量の藻やカビの汚れが確認された。
上述のようにして作製した防藻防カビ剤を含むエナメル塗料を予め塗装した7cm×15cmの基材に、水系組成物の塗付量が17.0g/m2の割合となるようにスプレーを用いて塗装した。塗装した基材を水平に保ち、温度23℃、相対湿度50%、照度20000ルクスで48時間静置し、試験板とした。試験板を茨城県笠間市で、周囲に木が茂っている建屋の北面に面したフェンスに、水平面から45°傾けて、塗装された面が上向きになるよう貼り付けて、6月から1年間静置した。
静置後の試験板の汚染の度合いを、以下の基準に基づく目視で評価した。
なお、防藻防カビ剤を含むエナメル塗料を予め塗装した基材のみで評価した結果は、「○」の評価であった。
[評価基準]
○:ほとんど藻やカビの汚れが確認されなかった。
△:多少の藻やカビの汚れが確認されたものの、実用上問題がない程度であった。
×:多量の藻やカビの汚れが確認された。
防藻防カビ剤を含むエナメル塗料を予め塗装した7cm×15cmの基材に、水系組成物の塗付量が17.0g/m2の割合となるようにスプレーを用いて塗装した。塗装した基材を水平に保ち、温度23℃、相対湿度50%、照度20000ルクスで48時間静置し、試験板とした。スガ試験器製、「サンシャインウェザーメーター」を使用して曝露試験(ブラックパネル温度63℃、降雨18分/2時間)を行った。曝露3000時間後の60°光沢度を、光沢計(BYKガードナー社製、「マイクロトリグロスμ」)を用いてそれぞれ測定した。
そして、下記式に基づき、光沢保持率を算出した。なお、エナメル塗料を予め塗装した基材のみで評価した結果は、曝露3000時間後の光沢保持率80%であり、この値よりも光沢保持率の値が大きい場合、耐候性は良好であることを示す。
光沢保持率(%)=曝露試験後の60°光沢度/曝露試験前の60°光沢度×100
水系組成物100gを、100mlのポリ容器に入れ、30秒間強く振った。その後、水系組成物の入ったポリ容器を10分間静置した。防藻防カビ剤を含むエナメル塗料を予め塗装した7cm×15cmの基材に、水系組成物の塗付量が17.0g/m2の割合となるようにスプレーを用いて塗装した。塗装した基材を水平に保ち、温度23℃、相対湿度50%、照度20000ルクスで48時間静置し、試験板とした。静置後の試験板の外観を、以下の基準に基づく目視で評価した。
[評価基準]
○:ほとんどクレーターやハジキが確認されなかった。
△:多少のクレーターやハジキが確認されたものの、実用上問題がない程度であった。
×:多くのクレーターやハジキが確認された。
防藻防カビ剤を含むエナメル塗料を予め塗装した7cm×15cmの基材に、水系組成物の塗付量が17.0g/m2の割合となるようにスプレーを用いて塗装した。塗装した基材を水平に保ち、温度23℃、相対湿度50%、照度20000ルクスで48時間静置し、試験板とした。試験板上に、1成分形シリコーン系シーリング材シリコーン系シーリング材8060プロ(セメダイン社製)を、乾燥後のシーリング材の大きさが、面積が1cm×2cm、高さ1cmになるよう塗布し、シーリング材を10日間乾燥させた。
試験板を一般道路(トラック通行量500〜1000台/日程度)に面したフェンスに張り付けて所定期間静置した。静置後の試験板の汚染の度合いを、静置前後の色差(L値)をBYKガードナー社製「カラーガイド」を用いて測定した。以下の基準に基づき評価した。
[評価基準]
◎:8週間の静置でL値の差が2以下、12週間の静置でL値の差が3以下であった。
○:8週間の静置でL値の差が2以下、12週間の静置でL値の差が3超過4以下であった。
△:8週間の静置でL値の差が2以下、12週間の静置でL値の差が4超過であった。
×:8週間の静置でL値の差が2超過であった。
7cm×15cmのアクリル板(商品名「デラグラスK」、旭化成社製、厚み2mm)に、水系組成物の塗付量が17.0g/m2の割合となるようにスプレーを用いて塗装した。塗装した基材を水平に保ち、温度23℃、相対湿度50%、照度20000ルクスで48時間静置し、試験板とした。大塚電子製反射分光膜厚計FE−3000を用いて、膜厚を求めた。
上述のようにして作製した防藻防カビ剤を含むエナメル塗料を予め塗装した3cm×3cmの基材に、水系組成物の塗付量が17.0g/m2の割合となるように、スプレーを用いて水系組成物を塗装した。塗装した基材を水平に保ち、温度23℃、相対湿度50%、照度20000ルクスで48時間静置し、試験板とした。試験板上に、日本電子株式会社製試料コーターMP−19010NCTRを用いて、金を3〜9nmコーティングした。日本電子株式会社製卓上走査電子顕微鏡JCM−5000を用いて塗膜の表面を観察した。観察倍率は、クラック幅が5μmを超える試験板は500倍とし、クラック幅が3μm超5μm以下の試験板は1000倍とし、クラック幅が3μm以下は3000倍とした。評価は、各試験板で4視野分を観察し、1視野に対して5か所の幅を測定した。合計20か所のうち、クラック幅が、小さい方から18か所分のクラック幅の最小値と最大値の範囲を求めた。
〔製造例1〕(重合体エマルジョンの合成)
還流冷却器、滴下槽、温度計及び攪拌装置を有する反応器に、イオン交換水292.0g、反応性乳化剤(ADEKA社製、「アデカリアソープSR−1025」;固形分量25質量%水溶液)8.0g投入し、攪拌下で反応器中の温度を80℃に加温した。この反応器中に、2質量%の過硫酸アンモニウム水溶液を10.0g添加し、その5分後に、メタクリル酸メチル10.0g、メタクリル酸シクロヘキシル5.0g、アクリル酸n−ブチル75.0g、メタクリル酸5.0g、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル10.0g、反応性乳化剤(ADEKA社製、「アデカリアソープSR−1025」;固形分量25質量%水溶液)4.0g、2質量%の過硫酸アンモニウム水溶液15.0g、イオン交換水49.0gからなる乳化混合液を、反応器中の温度を80℃に保った状態で60分かけて滴下した。その後、反応器中の温度を80℃に維持して60分攪拌を続けた。
次に、メタクリル酸メチル70.0g、メタクリル酸シクロヘキシル90.0g、アクリル酸n−ブチル232.0g、メタクリル酸8.0g、反応性乳化剤(ADEKA社製、「アデカリアソープSR−1025」;固形分量25質量%水溶液)16.0g、2質量%の過硫酸アンモニウム水溶液60.0g、イオン交換水196.0gからなる乳化混合液と、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.0g、ジメチルジメトキシシラン20.0g、メチルトリメトキシシラン20.0gからなる混合液とを、別々の滴下槽より160分かけて滴下した。その後、反応器中の温度を80℃に維持して120分攪拌を続けた。
室温まで冷却後、反応器中の反応液の水素イオン濃度を測定したところ、pH2.2であった。25%質量アンモニア水溶液を反応液に添加してpHを8.0に調整した後、100メッシュの金網で反応液を濾過して、エナメル塗料用の重合体エマルジョンを得た。
得られた重合体エマルジョンの固形分量は44.5質量%であった。この重合体エマルジョンに含まれる重合体について、上述した方法に準拠してDSC曲線の変極点より求めたガラス転移温度は、−5℃であった。
〔製造例2〕(重合体(A−1)の水分散体(AD−1)の合成)
還流冷却器、滴下槽、温度計及び攪拌装置を有する反応器に、イオン交換水1364.2g、反応性乳化剤(ADEKA社製、「アデカリアソープSR−1025」;固形分量25質量%水溶液)28.8g投入し、攪拌下で反応器中の温度を80℃に加温した。この反応器中に、2質量%の過硫酸アンモニウム水溶液を10.0g添加し、その5分後に、メタクリル酸メチル40.0g、アクリル酸n−ブチル36.0g、アクリル酸4.0g、反応性乳化剤(ADEKA社製、「アデカリアソープSR−1025」;固形分量25質量%水溶液)3.2g、2質量%の過硫酸アンモニウム水溶液12.0g、イオン交換水34.8gからなる乳化混合液を、反応器中の温度を80℃に保った状態で60分かけて滴下した。その後、反応器中の温度を80℃に維持して60分攪拌を続けた。
次に、メタクリル酸メチル250.0g、アクリル酸n−ブチル66.0g、アクリル酸4.0g、反応性乳化剤(ADEKA社製、「アデカリアソープSR−1025」;固形分量25質量%水溶液)12.8g、2質量%の過硫酸アンモニウム水溶液48.0g、イオン交換水149.2gからなる乳化混合液を、滴下槽より160分かけて滴下した。その後、反応器中の温度を80℃に維持して120分攪拌を続けた。室温まで冷却後、25%質量アンモニア水溶液を反応液に添加してpHを8.0に調整した。このとき、反応液における全固形分量は412.6gであった。反応液を100メッシュの金網で濾過した。反応生成物をイオン交換水で固形分量10.0質量%に調整し、重合体として数平均粒子径30nmの重合体(A−1)の水分散体(AD−1)を得た。
還流冷却器、滴下槽、温度計及び攪拌装置を有する反応器に、イオン交換水1364.2g、反応性乳化剤(ADEKA社製、「アデカリアソープSR−1025」;固形分量25質量%水溶液)28.8g投入し、攪拌下で反応器中の温度を80℃に加温した。この反応器中に、2質量%の過硫酸アンモニウム水溶液を10.0g添加し、その5分後に、メタクリル酸メチル40.0g、アクリル酸n−ブチル36.0g、アクリル酸4.0g、反応性乳化剤(ADEKA社製、「アデカリアソープSR−1025」;固形分量25質量%水溶液)3.2g、2質量%の過硫酸アンモニウム水溶液12.0g、イオン交換水34.8gからなる乳化混合液を、反応器中の温度を80℃に保った状態で60分かけて滴下した。その後、反応器中の温度を80℃に維持して60分攪拌を続けた。
次に、メタクリル酸メチル250.0g、アクリル酸n−ブチル66.0g、アクリル酸4.0g、反応性乳化剤(ADEKA社製、「アデカリアソープSR−1025」;固形分量25質量%水溶液)12.8g、2質量%の過硫酸アンモニウム水溶液48.0g、イオン交換水149.2gからなる乳化混合液と、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン2.0g、ジメチルジメトキシシラン20.0g、メチルトリメトキシシラン20.0gからなる混合液とを、別々の滴下槽より160分かけて滴下した。その後、反応器中の温度を80℃に維持して120分攪拌を続けた。室温まで冷却後、25質量%アンモニア水溶液を反応液に添加してpHを8.0に調整した。このとき、反応液における全固形分量は436.2gであった。反応液を100メッシュの金網で濾過した。反応生成物をイオン交換水で固形分量10.0質量%に調整し、重合体として数平均粒子径30nmの重合体(A−2)の水分散体(AD−2)を得た。
該水分散体を合成する際に用いたジメチルジメトキシシランの量を加水分解縮合物換算すると、重合体(A−2)中の2.8質量%であった。
還流冷却器、滴下槽、温度計及び攪拌装置を有する反応器に、イオン交換水850.0g、10質量%のドデシルベンゼンスルホン酸水溶液40.0gを投入した後、攪拌下で反応器中の温度を80℃に加温した。この反応器中に、ジメチルジメトキシシラン85.5g、メチルトリメトキシシラン193.0gからなる混合液を、反応器中の温度を80℃に保った状態で120分かけて滴下した。その後、反応器中の温度を80℃に維持して30分攪拌を続けた。次に、10質量%のドデシルベンゼンスルホン酸水溶液14.8gを投入した後、反応器中の温度を80℃に維持して120分攪拌を続けた。そこに、2質量%の過硫酸アンモニウム水溶液6.6gを投入した後、メタクリル酸メチル22.5g、アクリル酸n−ブチル11.2g、フェニルトリメトキシシラン20.0g、テトラエトキシシラン28.6g、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.1gからなる混合液と、アクリル酸0.9g、反応性乳化剤(ADEKA社製、「アデカリアソープSR−1025」;固形分量25質量%水溶液)1.2g、反応性乳化剤(第一工業製薬社製、「アクアロンKH−1025」;固形分量25質量%水溶液)1.2g、2質量%の過硫酸アンモニウム水溶液30.0g、イオン交換水286.4gからなる混合液とを、反応器中の温度を80℃に保った状態で120分かけて同時に滴下した。さらに、反応器中の温度を80℃に維持して60分攪拌を続けた後、室温まで冷却し、25質量%アンモニア水溶液を反応液に添加してpHを8.0に調整した。このとき、反応液における全固形分量は210.0gであった。反応液を100メッシュの金網で濾過した。反応生成物をイオン交換水で固形分量10.0質量%に調整し、重合体として数平均粒子径15nmの重合体(A−3)の水分散体(AD−3)を得た。
該水分散体を合成する際に用いたジメチルジメトキシシランの量を加水分解縮合物換算すると、重合体(A−3)中の25.0質量%であった。
還流冷却器、滴下槽、温度計及び攪拌装置を有する反応器に、イオン交換水850.0g、10質量%のドデシルベンゼンスルホン酸水溶液40.0gを投入した後、攪拌下で反応器中の温度を80℃に加温した。この反応器中に、ジメチルジメトキシシラン109.0g、フェニルトリメトキシシラン29.5g、メチルトリメトキシシラン136.5gからなる混合液を、反応器中の温度を80℃に保った状態で120分かけて滴下した。その後、反応器中の温度を80℃に維持して30分攪拌を続けた。次に、10.0質量%のドデシルベンゼンスルホン酸水溶液14.8gを投入した後、反応器中の温度を80℃に維持して120分攪拌を続けた。そこに、2質量%の過硫酸アンモニウム水溶液6.6gを投入した後、メタクリル酸メチル1.0g、アクリル酸n−ブチル1.0g、フェニルトリメトキシシラン29.5g、テトラエトキシシラン27.8g、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.1gからなる混合液と、アクリル酸0.9g、反応性乳化剤(ADEKA社製、「アデカリアソープSR−1025」;固形分量25質量%水溶液)4.5g、反応性乳化剤(第一工業製薬社製、「アクアロンKH−1025」;固形分量25質量%水溶液)2.3g、2質量%の過硫酸アンモニウム水溶液30.0g、イオン交換水256.4gからなる混合液とを、反応器中の温度を80℃に保った状態で120分かけて同時に滴下した。さらに、反応器中の温度を80℃に維持して60分攪拌を続けた後、室温まで冷却し、25質量%アンモニア水溶液を反応液に添加してpHを8.0に調整した。このとき、反応液における全固形分量は192.4gであった。反応液を100メッシュの金網で濾過した。反応生成物をイオン交換水で固形分量10.0質量%に調整し、重合体として数平均粒子径20nmの重合体(A−4)の水分散体(AD−4)を得た。
該水分散体を合成する際に用いたジメチルジメトキシシランの量を加水分解縮合物換算すると、重合体(A−4)中の35.0質量%であった。
還流冷却器、滴下槽、温度計及び攪拌装置を有する反応器に、イオン交換水1000.0g、10質量%のドデシルベンゼンスルホン酸水溶液40.0gを投入した後、攪拌下で反応器中の温度を80℃に加温した。この反応器中に、ジメチルジメトキシシラン220.0g、フェニルトリメトキシシラン5.0g、メチルトリメトキシシラン106.0gからなる混合液を、反応器中の温度を80℃に保った状態で120分かけて滴下した。その後、反応器中の温度を80℃に維持して30分攪拌を続けた。次に、10.0質量%のドデシルベンゼンスルホン酸水溶液14.8gを投入した後、反応器中の温度を80℃に維持して120分攪拌を続けた。そこに、2質量%の過硫酸アンモニウム水溶液6.6gを投入した後、メタクリル酸メチル1.0g、アクリル酸n−ブチル1.0g、フェニルトリメトキシシラン5.0g、テトラエトキシシラン10.0g、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.1gからなる混合液と、アクリル酸0.9g、反応性乳化剤(ADEKA社製、「アデカリアソープSR−1025」;固形分量25質量%水溶液)4.5g、反応性乳化剤(第一工業製薬社製、「アクアロンKH−1025」;固形分量25質量%水溶液)2.3g、2質量%の過硫酸アンモニウム水溶液30.0g、イオン交換水256.4gからなる混合液とを、反応器中の温度を80℃に保った状態で120分かけて同時に滴下した。さらに、反応器中の温度を80℃に維持して60分攪拌を続けた後、室温まで冷却し、25質量%アンモニア水溶液を反応液に添加してpHを8.0に調整した。このとき、反応液における全固形分量は208.9gであった。反応液を100メッシュの金網で濾過した。反応生成物をイオン交換水で固形分量10.0質量%に調整し、重合体として数平均粒子径35nmの重合体(A−5)の水分散体(AD−5)を得た。
該水分散体を合成する際に用いたジメチルジメトキシシランの量を加水分解縮合物換算すると、重合体(A−5)中の65.0質量%であった。
還流冷却器、滴下槽、温度計及び攪拌装置を有する反応器に、イオン交換水241.8g、反応性乳化剤(ADEKA社製、「アデカリアソープSR−1025」;固形分量25質量%水溶液)3.2g投入し、攪拌下で反応器中の温度を80℃に加温した。この反応器中に、2質量%の過硫酸アンモニウム水溶液を10.0g添加し、その5分後に、メタクリル酸メチル40.0g、アクリル酸n−ブチル36.0g、アクリル酸4.0g、反応性乳化剤(ADEKA社製、「アデカリアソープSR−1025」;固形分量25質量%水溶液)3.2g、2質量%の過硫酸アンモニウム水溶液12.0g、イオン交換水34.8gからなる乳化混合液を、反応器中の温度を80℃に保った状態で60分かけて滴下した。その後、反応器中の温度を80℃に維持して60分攪拌を続けた。
次に、メタクリル酸メチル250.0g、アクリル酸n−ブチル66.0g、アクリル酸4.0g、反応性乳化剤(ADEKA社製、「アデカリアソープSR−1025」;固形分量25質量%水溶液)12.8g、2質量%の過硫酸アンモニウム水溶液48.0g、イオン交換水149.2gからなる乳化混合液と、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン2.0g、ジメチルジメトキシシラン20.0g、メチルトリメトキシシラン20.0gからなる混合液とを、別々の滴下槽より160分かけて滴下した。その後、反応器中の温度を80℃に維持して120分攪拌を続けた。室温まで冷却後、25質量%アンモニア水溶液を反応液に添加してpHを8.0に調整した。このとき、反応液における全固形分量は431.6gであった。反応液を100メッシュの金網で濾過した。反応生成物をイオン交換水で固形分量10.0質量%に調整し、重合体として数平均粒子径120nmの重合体(A−6)の水分散体(AD−6)を得た。
該水分散体を合成する際に用いたジメチルジメトキシシランの量を加水分解縮合物換算すると、重合体(A−6)中の2.8質量%であった。
〔製造例8〕
(光触媒活性を有する無機酸化物(C−1)の合成)
<シリカ修飾ルチル型酸化チタン>
TiO2として200g/Lの濃度の四塩化チタン水溶液700mLと、Na2Oとして100g/Lの濃度の水酸化ナトリウム水溶液を、反応液のpHを5〜9に維持しながら、反応器に添加した。その後、反応液のpHを7に調整した後、濾過し、濾液の導電率が100μS/cmとなるまで洗浄し、固形分量が28.3質量%である酸化チタン湿ケーキ1を得た。この酸化チタン湿ケーキ1は、ルチル型構造を有する微粒子を含有し、その1次粒子の数平均粒子径は8nmであった。
得られた酸化チタン湿ケーキ1を純水で希釈して、1モル/Lのスラリーを調製した。このスラリー1Lを3Lのフラスコに仕込み、さらに、酸化チタン/硝酸のモル比が1/1となるように1規定の硝酸を添加し、95℃の温度に加熱し、この温度で2時間維持して、酸加熱処理を行った。酸加熱処理後のスラリーを室温まで冷却し、28%アンモニア水を用いてpH6.7に中和し、濾過した。その後、濾液の導電率が100μS/cmとなるまで洗浄し、固形分量が25質量%の酸化チタン湿ケーキ2を得た。
得られた酸化チタン湿ケーキ2に、10質量%の濃度の水酸化ナトリウム水溶液を添加してリパルプし、その後、超音波洗浄機で3時間分散して、pH10.5、固形分量10質量%のアルカリ性酸化チタンゾルを得た。
このアルカリ性酸化チタンゾル2Lを3Lのフラスコに仕込み、当該フラスコを、70℃の温度に昇温し、SiO2として432g/Lの濃度のケイ酸ナトリウム水溶液69.4mLを添加し、その後90℃に昇温して1時間維持した後、10%の硫酸を添加してpHを6に調整して、酸化チタンの表面をケイ素の含水酸化物で表面処理された酸化チタンゾルを得た。
得られた酸化チタンゾルを室温まで冷却し、5.4Lの純水を添加し、脱塩濃縮装置を用いて、不純物の除去、及び濃縮を行い、pH7.3、固形分量29質量%、導電率1.18mS/cmの中性ルチル型酸化チタンゾルを得た。
この中性ルチル型酸化チタンゾルは、TiO2に対してSiO2基準で15質量%のケイ素の含水酸化物を含有していた。このゾル中の酸化チタンの1次粒子の数平均粒子径は9nmであった。
(光触媒活性を有する無機酸化物(C−2)の合成)
<シリカ修飾アナタース型酸化チタン>
チタン鉱石を硫酸と反応させて得られた硫酸チタン溶液を加熱加水分解して生成させた凝集メタチタン酸を、TiO2換算で30質量%の水性スラリーとした。このスラリーにアンモニア水を添加してpH7に中和し、その後濾過・洗浄によって硫酸イオンを除去して、脱水ケーキを得た。
得られた脱水ケーキに硝酸を加えることで解膠処理して、アナタース型結晶構造を有する酸化チタン微粒子(1次粒子の数平均粒子径7nm)からなるpH1.5の酸性酸化チタンゾルを得た。
得られた酸性酸化チタンゾルを純水で希釈して、TiO2換算濃度が200g/Lの酸化チタンゾル600mLとした後、70℃に昇温し、SiO2換算濃度が432g/Lであるケイ酸ナトリウム水溶液20.8mLを20%硫酸と同時に反応器に添加した。その後、30分間熟成した。
次いで、10%水酸化ナトリウム水溶液を添加して反応液のpHを8に調整した後、2%硫酸水溶液で反応液のpHを6に調整し、反応液の濾過・洗浄を行い、湿ケーキを得た。
この湿ケーキを純水中にリパルプした後、超音波分散して、中性域で安定なアナタース型酸化チタンゾル(固形分量20質量%、pH7.5)を得た。
これには、酸化チタン微粒子の表面に凝集シリカが多孔質の状態で被着しており、その含有量は、TiO2100質量部に対してSiO2換算で7質量部であった。
重合体(A−1)の水分散体(AD−1)4.000g(固形分量10.0質量%)に、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(B−1)(日産化学工業社製、「スノーテックスOS」;固形分量20質量%)6.000gと、光触媒活性を有する無機酸化物(C−1)1.379g(固形分量29質量%)と、エタノールにより固形分量を10.0質量%に調整したフルオロカーボン界面活性剤(D−1)(DIC社製、「メガファックF−444」)1.000gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(E−2)(保土ヶ谷化学工業社製、「アシッドレッド」)1.200gと、鉱物油系消泡剤(F−1)(サンノプコ社製、「SNデフォーマーAP」)0.020gと、エタノール10.000gと、イオン交換水76.401gとを混合し、攪拌することにより、固形分量2.0質量%の水系組成物(G−1)を得た。
次に、隠ぺい率試験紙(日本テストパネル社製)の黒地部分(L*の値7)と、防藻剤及び防カビ剤を含まないエナメル塗料を予め塗装した7cm×15cm基材の片面(エナメル塗料を予め塗装した面)と、防藻防カビ剤を含むエナメル塗料を予め塗装した7cm×15cm基材の片面(エナメル塗料を予め塗装した面)と、アクリル板とのそれぞれに水系組成物(G−1)を塗付量17g/m2となるようにスプレーを用いて塗装した。塗装した基材を水平に保ち、温度23℃、相対湿度50%、照度20000ルクスで48時間静置して、隠ぺい率試験紙の黒地部分に塗膜が形成された試験紙(H−1)と、基材上に防藻防カビ剤を含まない塗膜が形成された試験板(I−1)と、基材上に防藻防カビ剤を含む塗膜が形成された試験板(J−1)、アクリル板上に塗膜が形成された試験板(K−1)を得た。
水系組成物(G−1)と、塗膜及び試験紙(H−1)と、塗膜及び試験板(I−1、J−1、K−1)との各種物性及び特性評価結果を表1に示す。
実施例1と同様の手順により、表1及び表2記載の重量比率で水系組成物(G−2〜G−21)、塗膜及び試験紙(H−2〜H−21)と、塗膜及び試験板(I−2〜I−21、J−2〜J−21、K−2〜K−21)の各種物性・評価結果を表1及び表2に示す。なお、比較例3で得られた塗膜及び試験紙(H−18)と、塗膜及び試験板(I−18、J−18、K−18)は、膜厚が薄すぎて基材に未塗着の箇所がある塗着ムラが発生していた。
(B−1):数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(日産化学工業社製、「スノーテックスOS」;固形分量20質量%)
(B−2):数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(日産化学工業社製、「スノーテックスNS」;固形分量20質量%)
(B−3):数平均粒子径25nmの水分散コロイダルシリカ(日産化学工業社製、「スノーテックスO−40」;固形分量40質量%)
(B−4):数平均粒子径25nmの水分散コロイダルシリカ(日産化学工業社製、「スノーテックス50」;固形分量48質量%)
(D−1):エタノールにより固形分量を10.0質量%に調整したフルオロカーボン界面活性剤(DIC社製、「メガファックF−444」)
(D−2):フルオロカーボン界面活性剤(AGCセイミケミカル社製、「サーフロンS−232」;固形分量30質量%)
(D−3):エタノールにより固形分量を10.0質量%に調整したポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤(信越化学工業社製、「KF−643」)
(E−1):イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)
(E−2):イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(保土ヶ谷化学工業社製、「アシッドレッド」)
(F−1):鉱物油系消泡剤(サンノプコ社製、「SNデフォーマーAP」)
(F−2):鉱物油系消泡剤(サンノプコ社製、「SNデフォーマーVL」)
(F−3):鉱物油系消泡剤(サンノプコ社製、「ノプコ8034L」)
Claims (6)
- 二酸化珪素(B)と、
光触媒活性を有する無機酸化物(C)と、
フルオロカーボン界面活性剤(D)と、
を、含有する塗膜であって、
前記塗膜表面にクラックを有し、前記クラックの90%以上が、5.0μm以下の幅であり、
前記塗膜中に重合体(A)を0〜27.0質量%含有する、
塗膜。 - 塗膜の厚みが、0.15μm以上2.0μm未満である、請求項1に記載の塗膜。
- 基材と、
前記基材の表面の少なくとも一部に形成された請求項1又は2に記載の塗膜と、
を、具備する、塗装製品。 - 請求項1又は2記載の塗膜から得られる上塗り層と、
下塗り層の少なくとも2層を有し、
前記下塗り層が、重合体と、防藻及び/又は防カビ剤とを含有する、
複合塗膜。 - 基材と、
前記基材の表面の少なくとも一部に形成された請求項4に記載の複合塗膜と、
を、具備する、塗装製品。 - 前記基材が、有機基材である、請求項3又は5に記載の塗装製品。
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