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JP6549607B2 - 超電導磁場安定化装置 - Google Patents

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JP6549607B2 JP2016556974A JP2016556974A JP6549607B2 JP 6549607 B2 JP6549607 B2 JP 6549607B2 JP 2016556974 A JP2016556974 A JP 2016556974A JP 2016556974 A JP2016556974 A JP 2016556974A JP 6549607 B2 JP6549607 B2 JP 6549607B2
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Description

本発明は、関心体積(VOI)に一定の磁場を印加するための装置及びその稼働方法に関する。
多くの用途では、例えば電子顕微鏡では、強いが時間的に極めて一定の磁場が、限定された関心体積(関心体積、VOI)に印加される必要がある。対応する強い磁場源は、当該関心体積(VOI)の場所で適切に確保できない大きい空間を必要とするので、磁束が、当該磁場源によって磁気透過性のヨーク中に印加され、このヨークを透過して当該関心体積(VOI)内に誘導される。この関心体積(VOI)は、通常は、複数の磁極片として形成されたヨークの複数の領域間のギャップとして実現されている。ヨークが、磁極片として形成されていない場所では、当該ヨークは、通常は、円環体の形を成す。
様々な妨害要因が、関心体積(VOI)内の磁場の達成可能な時定数に制約を加える。例えば通電コイルが、磁場源として使用される場合、当該時定数は、電流I用の使用される電流源の定数によって最初から制限されている。ここでは、10−7〜10−8の範囲内の相対精度ΔI/Iだけが、許容できる経費で実現可能である。さらに、当該ヨークは、磁力線を電磁的に受信し又は可動な磁気物体によって生成された妨害磁場を受信し、目的とする磁場と一緒に関心体積(VOI)内に誘導するアンテナとして不利に作用する。さらに、統計学的変動(バルクハウゼンノイズ)が、透磁性(軟磁性)物質中のフラックスジャンプによって当該ヨークによって伝達される磁束に重ね合わされる。当該ヨークの透磁率は、温度に依存するので、温度変動も、同様に関心体積(VOI)内の磁場の変動に不利に変換される。
関心体積(VOI)内に配置されている、磁場を安定化するための超電導ループ構造体が、米国特許第3,234,435号明細書から公知である。関心体積(VOI)内の磁場分布が、当該ループ構造体によって不利に強く変化する。さらに、当該ループ構造体中の複数の磁束管が移動する。何故なら、強い磁場内の磁束管のピン止めが、専ら限定的に有効であるからである。このことは、当該VOI内の磁場のさらなる変動を引き起こす。
米国特許第3,234,435号明細書
それ故に、本発明の課題は、関心体積(VOI)内の磁場が磁場分布の影響なしに安定化され得る装置を提供することにある。
本発明によれば、この課題は、請求項1に記載の装置によって解決され、追加の請求項に記載の稼働方法によって解決される。別の好適な構成は、これらの請求項を引用する従属請求項に記載されている。
一定の磁場を前記関心体積(VOI)に印加するための装置が、本発明の範囲内で開発された。この装置は、少なくとも1つの磁場源と、この磁場源によって生成された磁束を関心体積(VOI)内に誘導する透磁性の、好ましくは軟磁性の1つのヨークとを有する。
この場合、当該磁場源は、特に常電導若しくは超電導コイル、並びに永久磁石若しくは低温磁束を伴う超電導の塊状の物体でもよい。
本発明によれば、前記ヨークが、超電導状態に遷移可能な少なくとも1つの閉導体ループに通されている結果、前記導体ループの超電導状態中に、前記ヨークを透過する磁束の変化が、前記導体ループに沿ったこの変化に逆らう電流を引き起こす。超電導が保持される限り、前記導体ループの内部を透過する磁束が一定に保持される。
「閉」は、本発明の範囲内では、前記導体ループの内部を透過する磁束の変化によって、持続する超電導電流が、前記導体ループに沿って誘導され得ることを意味する。形態的に閉じられているそれぞれの形、すなわち、少なくとも1つの孔を有するループの連続成形によって製造可能であるそれぞれの形が、この条件を満たす。
こうして、もはや、前記体積内の磁場分布が実質的に(ほとんど又は非常に僅かにしか)影響を受けないように、前記磁場用の安定化装置が、前記関心体積(VOI)から離間され得ることが確認された。同時に、当該安定化の品質も改良される。何故なら、前記導体ループが、もはや前記関心体積(VOI)内で優勢な全磁場に曝されないからである。前記ヨークに透過する磁束が、前記磁場源(例えば、ヨークの周りのコイル又は永久磁石)によって調整される間は、前記導体ループが、常電導状態にあり、この導体ループが、超電導状態に移行されても、依然として超電導電流が、この導体ループに依然として通電しない。望まない妨害要因が、前記ヨークに透過する磁束を変化させるときに初めて、このことが、この変化に逆らう、この導体ループに沿った超電導電流を引き起こす。この妨害要因は、このヨークを透過して関心体積(VOI)に誘導され、この導体ループの場所でこの導体ループで捕捉される磁束の非常に小さい部分(ハイエンドの電子顕微鏡では、一般に約10−7〜10−8)を成す。比較的小さい遮蔽電流が、この導体ループ内に僅かな機械的な力だけを引き起こし、フラックスジャンプ及び複数の磁束管の移動が、理想的でないピン止めによって最小限にされる。
前記導体ループに通電し得る全臨界電流が、当該磁束の変動を補正するための調整範囲として提供される。これに対して、従来の技術による装置の場合、安定化装置が、常に強い磁場内に存在する。その結果、明らかにより狭く且つ増大する磁場と共に常により狭くなる調整範囲が提供される。従来の技術によれば、この調整範囲が、外部から印加された磁場の強さを増大させることによって故意に拡張されることによって、一定に保持すべき磁界の強さの値が調整される。
このことは、特に、0を中心にして統計学的に変動しないノイズが、ヨークを透過する磁束中で発生するときに重要である。正の符号を有するノイズが、導体ループに通電する超電導電流を増大させ、負の符号を有する電流が、超電導電流を減少させる。それ故に、統計学的に0を中心にして変動するノイズは、時間経過中に平均化される。その結果、超電導電流が、差し引きされてこの導体ループ中に蓄積しない。これに対して、当該符号を変化させない上記の妨害要因(例えば、磁場を生成するコイルに電流を通電する電源のドリフト)は、このような超電導電流を蓄積する。このとき、この導体ループに通電する臨界電流に達するまで、当該妨害要因が、関心体積(VOI)内の磁場に影響することなしに残留する。
前記導体ループが、本発明の装置で既に超電導状態にある場合、磁束が、磁場源によって調整されるときに、この磁束の変化が、関心体積(VOI)内で直接に明確に現れるのではなくて、この導体ループ内に生成された超電導電流中に中間蓄積される。この導体ループが、少なくとも短期間に少なくとも一か所で常電導状態に移行されるときに初めて、当該超電導電流が、関心体積(VOI)内の磁場の変化に変換される。こうして、前記磁場源によって生成された磁束の変化が、この関心体積(VOI)内の磁場の強さの変化に変換され得る。この導体ループが、超電導状態に再び戻されると、この関心体積(VOI)内の磁場が、新しいレベルに一定に保持される。
VOI内の磁場を速く変化できるようにするためには、超電導導体ループを薄い基板上の薄膜として又は市販の帯状導体(例えば、高温超電導(HTSL)膜を有するハステロイ(登録商標))から製作することが有益である。横断面狭窄部(磁束ダム)及び/又は局所的な薄膜加熱部が、超電導薄膜上に局所的に実現され得る。磁束が、常電導状態中にこの横断面狭窄部(磁束ダム)を透過して侵入され得る。このとき、この導体ループは、少なくとも局所的に、ミリ秒の範囲内の時定数で超電導状態と常電導状態との間で切り替えられ得る。したがって、このことが、具体的な用途に対して必要である場合、関心体積(VOI)内の主磁場が、ほぼ連続して変化され得る。例えば、電磁レンズによる電子顕微鏡内での集光調整の場合、可能な限り連続する磁場の変化が、非常に望ましい。
本発明は、上記の本発明の装置の稼働方法にも関する。当該方法の場合、導体ループが、常電導状態にあるときに、VOI内の磁場が調整される、又は、最初に、磁場の変化が、この導体ループに通電する超電導電流に変換され、後に、この導体ループの切り替えによって常電導状態中にこのVOI内に転送される。
従来の技術に比べて、本発明は、まず第一に、前記導体ループを超電導状態と常電導状態との間で切り替えるために、通常は追加の手段を必要とするという見かけ上の欠点に妥協しなければならない。しかしながら、
・関心体積(VOI)内の磁場分布が、もはや影響を受けず、
・磁束の遥かに大きい変動が、ヨークによって問題なしに制御され得、
・関心体積(VOI)内で使用可能な磁場強さが、導体ループのために使用される超電導材料の臨界磁場強さによってもはや制限されないことによって、この欠点は、それ以上に補償される。
前記導体ループが、遷移温度未満の冷却によって常電導状態から超電導状態に移行されると、磁場源及びヨークも、特に同じ冷却媒体によって且つ同じ温度に有益に冷却され得る。このことは、技術的に非常に簡単に実現できるだけではなくて、この磁場源及びこのヨーク中の熱ノイズ及び磁気ノイズも同時に減少させる。さらに、この場合、好ましくは、(超電導持続電流によって生成された超電導永久磁石に相当する)低温磁束を伴う超電導コイル又は塊状の超電導物体が使用され得る。
この代わりに、導体ループだけが冷却されてもよい。僅かなサーマルマスが、冷却される必要がある。このことは、短期間に要求され、ヨークも磁場源も、熱サイクルで要求されない。このとき、この導体ループは、ヨークに対しても磁場源に対しても熱的に有益に絶縁する。
前記導体ループは、望まない変動が前記ヨークを透過する磁束に主に重ね合わされる場所と前記関心体積(VOI)との間の前記ヨークに沿って配置されている。例えば電流供給の限定された相対定数による、例えば磁場源の強さにおける変動が、関心体積(VOI)内の磁場の相対定数に対する限定された係数である場合、この磁場源とこのVOIとの間の任意の場所に配置されている1つの導体ループが十分である。このとき、相互の影響が大幅に回避されるように、この導体ループは、専らこのヨークに沿ってこの磁場源から離間されてなければならない。それ故に、好ましくは、前記磁場源から発生する磁場が、その最大磁場強さの最大で10分の1、好ましくは最大で100分の1、特に好ましくは最大で1000分の1を有する場所に、前記導体ループは配置されている。
これに対して、VOI内の磁場の変動が、主に、ヨーク自体で発生するか又はヨークから発生するノイズ(バルクハウゼンノイズ)から移動すると、1つの導体ループが、この関心体積(VOI)とこのヨークとの間のそれぞれの移行部分の領域内に、特にヨークが(例えば、このヨークの横断面の狭窄部分を通じて)磁極片として形成された領域内に移行される場所にわたって配置されなければならない。
しかし、前記導体ループは、ギャップによって磁極片から離間されている、透磁性の、特に軟磁性の付加物を、この磁極片として形成された領域に対して包囲してもよい。このとき、磁束が、このギャップを介してこの磁極片からこの追加物内に侵入する。この構成は、冷却が存在する磁極片に作用することなしに、この導体ループをこの追加物と一緒に冷却することを可能にする。この追加物は、特に磁束コンセントレータとして構成され得る。この磁束コンセントレータは、磁束を磁極片からVOI内の空間的に狭く限定された磁場分布に集光させる。
好ましくは、上記ヨークが、1つの磁場源から関心体積(VOI)に至るそれぞれの経路上で少なくとも1つの導体ループに通されている。これらの全ての経路上でこのヨーク中に印加される磁束に対する妨害要因が、もはや関心体積(VOI)に向かって進行するのではなくて、この導体ループに通電する対応する超電導電流に変換される。
別の複数の導体ループが、必要に応じて提供される調整範囲を拡張する。ノイズが、当該調整範囲内で補正される。例えば、複数の導体ループが、磁場源の近くに配置され得る。これらの導体ループは、比較的大きい空間を必要とし、それ故に高い臨界電流を通電し得るので、これらの導体ループは、この磁場源の電源からの大きい妨害要因を補正することを可能にする。空間が非常に限定されている関心体積(VOI)の近くでは、複数のより小さい導体ループが配置され得る。ヨーク自体で発生するか又はヨークから発生するノイズだけが、これらの導体ループに印加される。
好ましくは、前記ヨークから発生する散乱磁場の強さが、前記関心体積(VOI)内の最大磁場強さの最大で5分の1、好ましくは最大で10分の1、特に好ましくは最大で100分の1である場所に、少なくとも1つの導体ループが、前記ヨークに沿って配置されている。このとき、当該導体ループが関心体積(VOI)内の磁場分布に非常に僅かに影響を及ぼすことが保証されている。このことは、特に電子光学システム、例えば電子顕微鏡に対して有益である。
好ましくは、ヨークの材料が、少なくとも10、好ましくは少なくとも100の比透磁率μを有する。比透磁率μは、無次元のパラメータである。この比透磁率μは、どれだけ、その透磁率が真空の透磁率よりも大きいかをそれぞれ選択された単位系で示す。当該比透磁率が大きい程、磁場源から発生する磁束Φが大きく、前記ヨーク中に印加されるこの磁束の成分が大きく、散乱磁場として関心体積(VOI)の前方で消失するこの磁束の成分が少ない。前記ヨーク中の磁束は、Φ=B*S=μ*μ*HFeld*Sである。この場合、Bは、磁束密度であり、HFeldは、局所の磁場強さであり、Sは、ヨークの局所横断面積であり、μは、真空の磁気透磁率の4*π*10−7H/mである。μの単位は、様々なSI単位で表記され得る:[μ]=H/m=N/A=V*s/(A*m)=T*m/A=T*m/J=kg*m/C=kg*m(A*s)、この場合、使用される単位は、H−ヘンリー、m−メートル、V−ボルト、s−秒、A−アンペア、T−テスラ、J−ジュール、N−ニュートン、kg−キログラム、C−クーロンである。
前記ヨークは、1つの部品から製造される必要はなく、全体を同じ材料から成る必要もない。このヨークが、複数の部品から構成される場合、磁束が、例えば、これらの部品の平行な表面間のギャップを介して一方の部品から他方の部品に侵入し得る。例えば、TEMでは、このヨークが、対物レンズの一部と試料ホルダの一部との双方を包囲する。
例えば、磁場源の近くのヨークは、高い飽和磁化を有し、それ故に適度に高い比透磁率μだけを有し得る。これに対して、ヨークを透過する磁束が、磁場源に対して離れていて且つこのVOIを形成する目的でこのヨークを中断していることで既に除去されているこのVOIの近くでは、このヨークは、100,000までの非常に高い比透磁率μを有し得る代わりに、若干小さい飽和磁化を有する。一方では高い飽和磁化と、他方では高い比透磁率μとは、多くの場合に相反する効果である。
ヨークは、特に好ましくは少なくとも一部の領域内に磁場方向に延在する1つの孔を有し得る。光ビーム又は粒子ビーム、特に電子ビームが、この孔を通過して磁場方向に関心体積(VOI)内に指向され得る。この場合、この孔の出口の不均一な局所散乱磁場が、電子ビーム用の電磁レンズとして作用する。
本発明の特に好適な構成では、少なくとも1つの導体ループの一部を超電導状態から常電導状態に局所的に切り替えるための切替手段が設けられている。これにより、形態的に閉じられている超電導電流が中断され得る。その結果、磁束が、当該導体ループの内部に侵入され得る。このような切り替えは、通常は、遷移温度にわたる当該導体ループの完全な加熱又は冷却よりも十分に速く実現され得る。前記切替手段は、
・少なくとも1つのジョセフソン接点、任意のジョセフソン接点(例えば、SQUIDパターン)及び/又は
・1つの加熱要素、及び/又は
・前記導体ループを局所的に加熱するための1つの電磁ビーム源、及び/又は
・前記導体ループの周囲上の、減少した臨界電流を有する1つの局所導体横断面狭窄部分を備え、常電導状態への移行時に、磁束が、前記導体ループ中に侵入し得る(磁束ダム)。
ジョセフソン接点が、常電導状態と超電導状態との間で非常に速く純粋に電磁式に(熱式に、磁気式に、マイクロ波、光等によって)切り替えされ得る。局所的に加熱するためのビーム源は、特にレーザでもよい。
切替手段が、ジョセフソン接点を有する場合、導体ループ中の磁束が適切に使用可能である。検出器としてSQUIDを使用すると、侵入する磁束量をカウントすることが可能である。このとき、関心体積(VOI)内の磁場が、1磁束量子Φの非常に小さい(10−6)倍まで測定され得、補正コイルを通じてフィードバックによって調整され得る。
好ましくは、少なくとも1つの導体ループが、層として1つの基板上に形成されていて、この基板は、超電導状態に全く移行しないか又はこの層よりも低い遷移温度のときに超電導状態に移行する。この基板は、特に熱伝導性であり、この基板は、前記層の遷移温度未満に冷却するための手段を有し得る。層は、塊状の導体ループよりも遥かに速く冷却され得、再び加熱され得る。さらに、特に好適な高温超電導体、特にYBaCu7−x(YBCO)を母材とするセラミックは、非常にもろい。適切な安定性を付与する基板上の層が、YBCOの完全材料よりも丈夫である。
さらに、本発明の装置の基本的な機能は、導体ループの特定の幾何学形状に限定されず、導体ループの横断面の特定の形に限定されず、特定の超電導材料に限定されない。前記導体ループは、ヨークを包囲する任意に閉じられている形を有し得る。前記導体ループは、特にループ、例えば扁平な円形ループ又は円環体でもよい。しかし、前記導体ループは、最初と最後とが超電導に接続されているコイルでもよい。その結果、持続電流が通電し得る。導体ループの材料は、好ましくは、高い臨界磁場と良好な磁束ピン止めとを有する第2種超電導体である。前記導体ループの材料は、好ましくは、高温超電導体(HTSL)である。
好ましくは、前記磁場源、前記ヨーク及び少なくとも1つの導体ループは、前記関心体積(VOI)を貫通する軸線を中心にして回転対称回転対称に並設されている。好ましくは、この軸線は、この体積内に誘導された磁場の方向にこの関心体積を貫通する。このとき、同様に回転対称な磁場が、この関心体積(VOI)内に発生し、当該磁場は、特に電子光学システム、例えば電子顕微鏡用に使用可能である。
関心体積(VOI)内の磁場強さの安定化にとって重要である物理的に主要なメカニズムは、マイスナー−オクセンフェルト効果である。ヨークを透過する磁束のそれぞれの変化が、磁場を超電導導体ループの内部に印加しようとする。このような磁場が、当該内部から押し出されることによって、磁束の変化に逆らう、導体ループに通電する超電導電流が発生する。さらに、超電導導体ループを透過する磁束が、整数の磁束量子に量子化されていて、それぞれこのような整数だけ変更され得ることを、この超電導導体ループが引き起こす。通常の投影モードで使用される磁束が、生成された画像内で通常通りに発生しないように、電子顕微鏡において当該通常の投影モードで使用される磁束が高い。しかしながら、当該画像上に向けられた試験測定によって、当該量子化が、画像的に表示され得る。さらに、当該量子化は、実験時に量子化システムによって適切に使用され得る。当該量子化は、例えば電子ビームによるホログラフ的な実験時に磁気試料を分析するための電子顕微鏡で使用され得る。
好ましくは、電流を通電可能な少なくとも1つの補正コイルが、導体ループと関心体積との間のヨークに沿って配置されている。このような補正コイルは、主磁場の強さの約0.1%だけを有する磁場によってこの主磁場の焦点を既に著しく変化させる。前記補正コイルは、常電導体から成り得る、又は−前記補正コイルが冷却されている場合は−超電導体から成り得る。
好ましくは、前記補正コイルから発生する磁場の強さを測定するための手段と、1つの帰還ループとが設けられている。この場合、前記帰還ループが、当該測定される磁場の強さを入力として受け取り、前記補正コイルに通電する電流を制御する。この場合、この測定用のセンサが、特にSQUIDでもよい。このとき、このセンサの冷却に対しては、通常は、追加の経費を費やす必要がない。何故なら、導体ループのための冷却が、共用され得るからである。当該制御は、特に測定される磁場強さの最大定数で実行され得る。
本発明の特に好適な別の構成では、ヨークが、このヨークに沿って互いに間隔をあけて配置されている少なくとも2つの導体ループに通されている。前記間隔は、前記導体ループと前記ヨークとの間の最短間隔、すなわち最小ギャップ幅と少なくとも丁度同じ大きさである。本発明の特に好適な別の構成では、前記導体ループが、幅と少なくとも同じ厚さである。本発明の特に好適な別の構成では、前記ヨークは、1つの突出部を有し、この突出部は、
・空間内の前記導体ループの延在部分によって規定された面上に載置し、及び/又は
・1つのギャップによってこの面から分離されていて、このときに、前記突出部は、前記導体ループによって生成された磁場が、その最大強さの少なくとも50%を前記面上に有する領域内に、前記突出部は延在する。
1つ又は複数の導体ループから超電導電流によって生成された補正磁場が、それぞれの導体ループによって包囲されている横断面にわたって均一にされることを、上記の構成は引き起こす。この磁場によって生成された磁束の大部分が、ヨークを透過し、このヨーク中の磁束変化の補正に寄与する。1つの導体ループに通電する超電導電流によって発生する、この導体ループとヨークとの間のギャップを通じて延在する磁束の成分が、当該補正のために消失する。この導体ループが、薄い層であり、同時にこの導体ループとこのヨークとの間のギャップが大きい場合、この成分は、この導体ループを透過する全磁束の3分の1に達し得る。
上記によれば、本発明の装置を、
・電子顕微鏡内の双極レンズ又は多極レンズとして使用するか、
・核磁気共鳴(NMR)の測定時に、試料に印加する磁場を安定化するために、
・微粒子捕捉装置内、特にイオン捕捉装置内、ボースアインシュタイン凝縮用の捕捉装置内若しくはその他の素粒子用の捕捉装置内の磁場を安定化するために、又は
・特に微粒子の分析及び/又は成形を目的とする微粒子加速装置内のビーム誘導磁石若しくは検出器磁石の磁場を安定化するために使用することにも関する。
以下に、本発明の対象が限定されることなしに、本発明の対象を図面に基づいて説明する。
電子顕微鏡用の磁気レンズの断面図である。 本発明の装置の実施の形態の斜視図である。 2つの磁場源と2つの超電導導体ループとを有する実施の形態の斜視図である。 関心体積(VOI)に向かって先細りに延在する電子顕微鏡レンズの断面図である。 透過型電子顕微鏡用の磁気レンズの断面図である。 透過型電子顕微鏡用の、3つの部分から成る軟磁性ヨークと試料ホルダ内に組み込まれている超電導導体ループとを有する磁気レンズの断面図である。 本発明の装置の実施の形態としての4極磁石の断面図である。 本発明の装置の実施の形態としての、磁場検出器と帰還コイルとを有する電子顕微鏡レンズの断面図である。 基本原理を実証するための「実証実験」測定用の実験装置を示す。 「実証実験」測定のオシロスコープの波形表示を示す。a)導体ループが、超電導状態にある。b)導体ループが、常電導状態にある。 a)1つの薄膜導体ループ、b)複数の薄膜導体ループ又はc)1つの固体導体ループの場合の、超電導導体ループとパーマロイから成るヨークとの間の磁場Hの分布を示す。
図1は、本発明の装置の実施の形態としての電子顕微鏡用の磁気レンズの断面図である。当該レンズは、電子顕微鏡内で、例えば、対物レンズ、補正レンズ又はコンデンサーレンズとして使用可能である。磁場源としての常電導又は超電導コイル1.2によって生成された磁束が、軟磁性ヨーク1.1によって、電子ビームレンズとして作用する関心体積(VOI)1.4内に誘導される。当該電子顕微鏡の運転中に、電子ビームによって投影される試料が、この関心体積の近くに存在する。当該電子ビームが、対称軸線1.5に沿って磁場方向に当該ヨークを貫通して延在する孔1.6を通過して当該関心体積(VOI)内に誘導され得る。この実施例は、対称軸線1.5を中心にして回転対称である。
本発明にしたがって設けられている超電導導体ループ1.3が、ヨーク1.1の一部1.7を包囲する。導体ループ1.3と常電導又は超電導コイル1.2が、この場所で少しだけ(ごく僅かだけ)相互に作用する。さらに、同時に、導体ループ1.3は、当該ヨークの一部1.7の最先端領域内で発生する散乱磁場の外側に存在する。この最先端領域は、円環形から始まって磁極片として形成されている結果、円錐状の横断面構造によって関心体積(VOI)1.4に向かって先細りに延在する。
図2は、本発明の装置の別の実施例の斜視図である。軟磁性ヨーク2.1が、長方形に曲げられた形を成す。磁束が、磁場源としての常電導コイル2.2によってこのヨーク2.1中に印加される。このヨーク2.1が、この磁束を関心体積(VOI)2.4内に誘導する。ヨーク2.1が、ギャップによって中断されたことによって、この関心体積(VOI)が形成されてある。コイル2.2によって生成された磁束φが、ヨーク2.1によって当該ギャップの、磁極片2.5である縁部に誘導される。当該磁極片が、N磁極(N)とS磁極(S)とを形成する。磁場が、磁束によって関心体積(VOI)に形成される。この磁場の磁力線2.6のうちの幾つかの磁力線が、当該図解のためにVOI2.4内に示されている。
VOI2.4内の磁場の強さが、ヨーク2.1を透過する磁束によって決定される。ヨーク2.1は、N極を形成する磁極片2.5の近くで超電導導体ループ2.3によって包囲されている。関心体積VOI2.4内の磁場が、常電導コイル2.2によって調整された後に、この導体ループ2.3が、その遷移温度未満に冷却される結果、超電導状態に移行される。その後に、ヨーク2.1を透過する磁束2.6の変化が、導体ループ2.3に沿った超電導電流の誘導によって補正される。加熱要素2.7が、当該超電導導体ループ上に存在する。必要の場合にVOI2.4内の磁束を変更できるようにするため、この加熱要素2.7は、当該導体ループを常電導状態に再び移行させることを可能にする。
図3は、本発明の装置の別の実施の形態の斜視図である。磁束が、2つの常電導コイル3.2a,3.2bによって軟磁性ヨーク3.1中に印加され、関心体積(VOI)に誘導される。当該VOIは、ヨーク3.1が中断されているギャップ内に存在する。このギャップへ向かう複数の経路がそれぞれ、当該VOIにN磁極又はS磁極のように作用する磁極片3.3a及び3.3bとして形成されている。ヨーク3.1は、磁極片3.3a及び3.3bの近くでそれぞれ超電導ループに通されている。これらの超電導ループ3.5a及び3.5bは、薄い超電導層として非超電導の環状基板上に実現されている。どの地点で、寄生誘導成分が、ヨーク3.1を透過する磁束に重ね合わされるかに関係なく、当該寄生誘導成分が、当該ループ3.5a,3.5bに通電する、磁束の変化を補正する超電導電流に変換される。その結果、ヨーク3.1を透過する当該磁束、すなわちVOI内の磁場が、ほぼ一定のままである。試料3.4が、当該複数の磁極片間の中心に配置され得る。
図4は、本発明の装置の実施の形態としての、電子顕微鏡用の別の回転対称なレンズの断面図である。コイル4.2が、磁束を軟磁性ヨーク4.1内に印加する。このヨークは、関心体積(VOI)4.7に向かって先細りに延在する。関心体積(VOI)4.7は、電子ビーム用のレンズとして作用する。当該電子ビームが、レンズとして作用するVOI4.7の通過時にこのレンズに対して作動距離をあけて配置された試料4.4上に集光される。当該ヨークを先細りに延在させようとする場合、当該ヨークの中央の部分が、超電導導体ループ4.3に通されている。当該部分は、超電導閉コイル又は冷却可能な基板上の環状薄膜である。当該レンズは、このレンズ内の孔4.6を貫通してVOIに向かって主磁場の方向に延在する軸線4.5を中心にして回転対称である。
図5は、本発明の装置の実施例としての、透過型電子顕微鏡用のレンズの断面図である。当該レンズは、特に対物レンズとして使用可能である。磁場源からの磁束が透過する、軟磁性ヨーク5.1の一部は、図5に示されていない。ヨーク5.1が円錐状の延在部分を介して磁極片5.2a及び5.2b内に至る当該一部だけが示されている。これらの磁極片5.2a及び5.2bは、関心体積VOIを限定する。両磁極片5.2a及び5.2bはそれぞれ、孔5.6を有する。電子ビームが、当該孔を貫通して当該VOI内に誘導され、試料5.4に到達され、この試料5.4から図5に図示されていない検出器に到達され得る。不均一な磁場が、これらの磁極片5.2a及び5.2b間で優勢である。当該不均一な磁場は、孔5.6から出た直近でレンズとして作用する。当該磁力線のうちの幾つかの磁力線が、図解のために示されている。当該レンズ作用は、孔5.6の領域内の磁力線の強い湾曲によって起こる。この領域は、関心体積(VOI)である。すなわち、どのくらい良好に、当該磁場が、ここではその強さとその幾何学形状との時間的及び空間的な変動に関して安定しているかによって、当該レンズの画質が決まる。特に、レンズとして作用する当該磁力線の強い湾曲が保持される必要がある。
試料5.4が、磁極片5.2a及び5.2b間の磁場内に存在するものの、レンズとして作用するVOIに対して作動距離をあけて存在し、そこに図示されていない試料ホルダ上に固定されている。対称軸線5.5が、両孔5.6と関心体積VOIとを貫通して延在する。当該レンズが、この対称軸線5.5を中心にして回転対称である。
両磁極片5.1又は5.2a及び5.2bが、高温超電導体YBCOから成る扁平な超電導ループ5.3a及び5.3bに通されている。これらのループは、例えば薄膜として基板上に被覆され得る。これらの超電導ループは、例えば銅から成るキャリア(冷却フィンガ)5.7a及び5.7b上に固定されている。これらのキャリア(冷却フィンガ)5.7a及び5.7bは、熱結合部5.8a及び5.8bを介して図示されていない冷却槽にその運転温度で結合されている。
VOI内の希望の磁場が、当該磁場源によって調整された後に、冷却フィンガ5.7a及び5.7bが、熱伝導性の結合部5.8a及び5.8bによって冷却され、これらの冷却フィンガ5.7a及び5.7b自体でループ5.3a及び5.3bをそれらの遷移温度未満に冷却する。その後に、当該VOI内の磁場が、一定に保持される。当該磁場の強さが変更されなければならない場合、ループ5.3a及び5.3bが、当該変更のために加熱要素によって少なくとも局所的に一時的に遷移温度の上で加熱され得る結果、常電導にされ得る。
当該導体ループは、室温に保持され得る当該電子顕微鏡の磁極片に関係なく、熱伝導性の結合部5.8a及び5.3bによって独立して当該導体ループの遷移温度未満に冷却されるか又は少なくとも1つの加熱要素によって当該遷移温度の上に戻るように加熱される。電子顕微鏡では、磁極片5.2a及び5.3bと、導体ループ5.3a及び5.3bと冷却フィンガ5.7a及び5.7bとから構成される装置との双方が、熱絶縁体として作用する高真空中に存在する。さらに、導体ループ5.3a及び5.3bと冷却フィンガ5.7a及び5.7bとが、追加の熱シールド5.9a及び5.9b、例えば反射シートによって磁極片5.2a及び5.2bに対して熱的に絶縁され得る。
図6は、本発明の装置の実施例としての、透過型電子顕微鏡用の別のレンズの断面図である。図6でも、磁場源が、見やすさの理由から示されていない。軟磁性ヨーク6.1が、1つの基体6.1aと磁極片として形成されている2つの集光器6.1bとから構成される。基体6.1aは、例えば、存在する電子顕微鏡の当該磁極片を包囲し得る。複数の平坦面が対向し、磁束が、基体6.1aからほぼ損失なしに集光器6.1b内に入射し得るように、当該集光器6.1bは、当該基体6.1aに対して配置されている。関心体積VOIは、当該両集光器6.1bが最も近づいて対向している場所に存在する。レンズとして作用する不均一な磁場が、この体積内で優勢である。試料6.4が、当該磁場内に存在する。
当該集光器が、YBCOから成る超電導ループ6.3に通されている。当該集光器6.1bと当該導体ループ6.3とは、試料6.4用の試料ホルダ6,2内に一緒に組み込まれている。この試料ホルダ6,2は、当該電子顕微鏡のその他の構成要素に関係なく冷却され得る。こうして、本発明の装置が、この試料ホルダ6,2を特に変更されていない電子顕微鏡内に挿入することによって非常に簡単に組み込み可能である。
当該レンズは、主磁場の方向に関心体積VOIを貫通して延在する軸線に対して回転対称である。この軸線6.5は、電子顕微鏡の稼働時に電子ビームのビーム軸線と一致する。基体6.1と集光器6.1bとの双方がそれぞれ、孔6.6を有する。電子ビームが、当該孔6.6を通過して誘導され得る。
電子ビームに向かってレンズとして作用する強く曲げられた磁場分布が、もはや基体6.1aを貫通する孔6.6の複数の縁部で発生するのではなくて、VOIに達する複数の集光器6.1bの合流点で発生することが、上記の電子顕微鏡の稼働に比べて変わっている。当該磁束が、最適に進行するように、基体6.1aと集光器6.1bとの間のギャップが、可能な限り小さくされなければならない。当該磁力線のうちの幾つかの磁力線が、複数の矢印によって示されている。
図7は、本発明の装置の実施例としての、電子顕微鏡用の4極子磁気レンズの断面図である。複数の磁束が、4つのコイル7.2a,7.2b,7.2c及び7.2dによって軟磁性ヨーク7.1中に印加される。コイル7.2a,7.2b,7.2c又は7.2dによって誘導されているこれらの磁束はそれぞれ、当該ヨークの分岐部7.1a,7.1b,7.1c及び7.1dによって当該レンズの中心に誘導される。当該中心では、関心体積(VOI)が、当該4つの分岐部の端部間に存在する。多極磁場が、この体積に印加される。当該ヨークの全ての4つの分岐部7.1a,7.1b,7.1c及び7.1dが、共通の1つの外側ループ7.1eにつながっている。これらの分岐部7.1a,7.1b,7.1c及び7.1dが、この外側ループ7.1eを介して互いに結合されている。
当該ヨークの4つの分岐部7.1a,7.1b,7.1c又は7.1dがそれぞれ、コイル7.2a,7.2b,7.2c及び7.2dの経路上で超電導ループ7.3a,7.3b,7.3c及び7.3dに通されている。これらの超電導ループ7.3a,7.3b,7.3c及び7.3dは、それらの超電導状態中に当該磁束を一定に保持する。
図7の4極の配置と同様に、より多い多極、例えば6極又は8極も実現され得る。
図8は、本発明の装置の実施の形態としての、透過型電子顕微鏡用の別のレンズの断面図である。図8でも、磁場源が、見やすさの理由から示されていない。磁極片として形成された複数の領域8.1aが、軟磁性ヨーク8.1から延在する。これらの領域8.1aは、複数の領域8.1bに向かって狭くなり、これらの領域8.1bでギャップを形成する。
関心体積VOIは、磁極片8.1bが最も近づいて対向している場所に存在する。この体積では、レンズとして作用する不均一な磁場が、特に複数の磁極片8.1bの複数の端部で優勢である。試料8.4が、これらの端部の近くに存在する。当該試料8.4は、図示されていないTEM試料ホルダ上に取り付けられている。
複数の磁極片8.1aがそれぞれ、YBCOから成る超電導ループ8.3に通されている。それぞれ1つの常電導又は超電導補正コイル8.3が、このループ8.3とVOIとの間に配置されている。2つの補正コイル8.7が一緒に、軸線上に配置された1つのコイル対を構成する。当該VOI内の磁束が、ループ8.3の超電導状態中でもこのコイル対によって少なくとも小さい領域内で変更され得る。このコイル対は、当該VOI内で、例えば電子顕微鏡における焦点合わせ用の補正磁場として作用する。
しかし、この補正磁場の領域内では、磁場センサ8.8が、VOIの縁部又は外側に配置されている。当該磁場センサの場所の磁場の強さが、当該VOI内の磁場の強さに比例することだけが、当該磁場センサの位置決めのために重要である。当該磁場センサは、例えばホールセンサでもよいが、遮蔽されたSQUIDと組み合わせた磁束変換器でもよい。当該磁束変換器によって受け取られる磁束が、当該SQUIDに転送される。(例えば、磁場センサ8.8としての磁束変換器を有するSQUIDのための)VOI内の磁場を1磁束量子の10−6倍まで一定に保持するため、磁場センサ8.8が、補正コイル8.7にフィードバック接続され得る。
当該レンズは、主磁場の方向に関心体積VOIを貫通する軸線に対して回転対称である。この軸線8.5は、電子顕微鏡の稼働時に電子ビームのビーム軸と一致する。ヨーク8.1が、孔8.6を有する。当該電子ビームが、当該孔8.6を貫通され得る。
図9は、本発明の基本原理を明確にする「実証実験」測定用の実験装置の斜視図である。軟磁性ヨーク9.2が、長方形に曲げられた形を成す。磁束が、磁場源としてのコイル9.1によってこのヨーク9.2中に形成される。このヨーク9.2が、この磁束を関心体積(VOI)9.4内に誘導し、磁場をこの体積VOI9.3に印加する。この磁場の磁力線のうちの幾つかの磁力線が、当該図解のためにVOI内に示されている。
VOI9.3内の磁場の強さが、ヨーク9.2を透過する磁束によって決定される。ヨーク9.2は、1つの磁極片の近くで超電導ループ9.4によって包囲されている。関心体積VOI内の磁場が、コイル9.1によって調整された後に、この導体ループ9.4が、その遷移温度未満に冷却される結果、超電導状態に移行される。その後に、ヨーク9.2を透過する磁束の変化が、導体ループ9.4に沿った超電導電流の誘導によって補正される。加熱要素9.5が、当該超電導導体ループ上に存在する。必要の場合にVOI9.3内の磁束を変更できるようにするため、この加熱要素9.5は、当該導体ループを常電導状態に再び移行させることを可能にする。
当該VOI内の磁場の強さが、例えば、結合ループ9.6と開放ループ9.7とSQUID9.8とを有する磁束変換器から構成される磁場センサによって測定される。この場合、当該SQUID及び当該磁束変換器の一部は、磁気シールド9.9内に存在する。ギャップでの磁極片の端部によって生成されないで、結合ループ9.6に直接に作用する、磁場源9.1によって生成された散乱磁場は、妨害磁場が完全に抑制されないことを引き起こし得る。同様に、磁場源9.1と超電導ループ9.4との間のヨークの一部から発生する散乱磁場が、妨害磁場の遮蔽を抑制し得る。例えば、図11に基づいてさらに説明するように、これらの効果が、適切に構成された対策によって最小限に減少され得る。
図10は、「実証実験」測定のオシロスコープの波形表示を示す。a)導体ループが、超電導状態にある。b)導体ループが、常電導状態にある。測定図10bは、加熱要素9.5が接続されてあり、したがって環状の導体ループ9.4が常電導状態にあった間に、磁場を生成するコイル9.1によって印加された正弦波状の妨害信号(約80Hz)に対するSQUID検出器の応答を示す。測定図10aは、当該加熱要素9.5の遮断後の同じ妨害信号に対する応答を示す。この場合、当該SQUIDによって記録された妨害信号振幅が、測定図10bに比べて約係数3だけ低下した。
当該妨害信号の抑制の効率を向上させるためには、当該軟磁性磁極片と当該軟磁性磁極片を包囲する超電導ループとの間の間隔を可能な限り小さく保持することが有益である。さらに、当該超電導ループの厚さが、可能な限り大きいことが有益である、すなわち、当該超電導ループが、塊状の超伝導体から成り得ること、又は、複数の薄膜超電導ループのスタックから成り得ることが有益である。このことは、図11に具体的に示されている。
図11は、a)1つの薄膜導体ループ、b)複数の薄膜導体ループ、c)1つの塊状の導体ループ、又はd)1つのヨークに接する1つの突出部の場合の、超電導導体ループとパーマロイから成るヨークとの間の磁場Hの分布を示す。部分図a)、b)及びd)では、これらの導体ループはそれぞれ、(ハッチングで示された)常電導又は絶縁基板上の(黒色に示された)薄い層である。
導体ループとヨークとの間の間隔が大きい程、当該導体ループを透過する超電導電流の、当該ギャップを貫通する成分が大きい。この成分に属する磁束は、ヨーク11.1中の磁束の変化の補正に寄与しない。同時に、導体ループ11.2の縁部では、導体ループが薄い程、局所磁場が大きい。このため、当該導体ループの磁束の、当該ギャップを貫通する成分が増大する。これにより、ヨーク11.1中の磁束の変化の補正が、さらに悪化する(図11a)。導体ループ11.2の縁部での非常に強い局所磁場の増大の場合、当該ギャップ内の真空に比べて遥かに高い当該ヨークの比透磁率μにもかかわらず、当該ギャップ内の磁束が、当該導体ループを透過する全磁束のうちの(約1/3までの)多くの成分に達する。
図11bは、複数の導体ループが、最大でこれらの導体ループの幅に相当する間隔をあけて配置されているために、導体ループ11.2a,11.2b及び11.2cから発生する磁場が、これらの導体ループによって形成されたスタック部分の内部で均一にされることによって、この問題が、十分に解消されることを示す。磁束が、早期にヨーク11.1a中に入射し、当該スタック部分に沿ってこのヨーク11.1a中で進行することが、エネルギー的に有益である。このヨーク11.1a中では、磁気抵抗が、高い比透磁率μに起因して小さい。
図11cは、ギャップ内の高い磁束を回避するために別の経路を示す。ここでは、導体ループ11.2dが、ヨーク11.1aの延在部分に沿って幅よりも遥かに厚いことによって、当該磁場が、導体ループ11.2dによって包囲されている領域内で均一にされる。
図11dは、どのようにして、突出部を有するヨーク11.1bが、当該ギャップ内の高い磁束を回避するかを示す。当該突出部は、空間内の導体ループ11.2dの延在部分によって規定された面上に載置する。これにより、当該導体ループの表面に沿って延在する、当該導体ループ11.2dによって生成された磁束の大部分が、当該ギャップ内に入射する前にヨーク11.1bによって捕捉される。
1.1 ヨーク
1.2 コイル
1.3 導体ループ
1.4 関心体積
1.5 対称軸線
1.6 孔
1.7 ヨークの一部
2.1 ヨーク
2.2 コイル
2.3 導体ループ
2.4 関心体積
2.5 磁極片
2.6 磁力線
2.7 加熱要素
3.1 ヨーク
3.2a コイル
3.2b コイル
3.3a 磁極片
3.3b 磁極片
3.4 試料
3.5a 超電導ループ
3.5b 超電導ループ
4.1 ヨーク
4.2 コイル
4.3 導体ループ
4.4 試料
4.5 軸線
4.6 孔
4.7 関心体積
5.1 軟磁性ヨーク
5.2a 磁極片
5.2b 磁極片
5.3a 超電導ループ、導体ループ
5.3b 超電導ループ、導体ループ
5.4 試料
5.5 対称軸線
5.6 孔
5.7a キャリア(冷却フィンガ)
5.7b キャリア(冷却フィンガ)
5.8a 熱結合部
5.8b 熱結合部
5.9a 熱シールド
5.9b 熱シールド
6.1 ヨーク
6.1a 基体
6.1b 集光器
6.2 試料ホルダ
6.3 導体ループ
6.4 試料
6.5 軸線
6.6 孔
7.1 ヨーク
7.1a 分岐部
7.1b 分岐部
7.1c 分岐部
7.1d 分岐部
7.1e 外側ループ
7.2a コイル
7.2b コイル
7.2c コイル
7.2d コイル
7.3a 超電導ループ
7.3b 超電導ループ
7.3c 超電導ループ
7.3d 超電導ループ
8.1 軟磁性ヨーク
8.1a 領域
8.1b 領域
8.3 超電導ループ
8.4 試料
8.5 軸線
8.6 孔
8.7 補正コイル
8.8 磁場センサ
9.1 コイル
9.2 ヨーク
9.3 関心体積
9.4 導体ループ
9.5 加熱要素
9.6 結合ループ
9.7 解放ループ
9.8 SQUID
9.9 磁気シールド
11.1 ヨーク
11.2 導体ループ
11.2a 導体ループ
11.2b 導体ループ
11.2c 導体ループ
11.2d 導体ループ

Claims (25)

  1. 少なくとも1つの磁場源と、この磁場源によって生成された磁束を関心体積(VOI)内に誘導する1つの透磁性ヨークとを有する、一定の磁場を前記関心体積(VOI)に印加するための装置において、
    前記ヨークが、超電導状態に遷移可能な少なくとも1つの閉導体ループに通されている結果、前記導体ループの超電導状態中に、前記ヨークを透過する磁束の変化が、前記導体ループに沿ったこの変化に逆らう電流を引き起こすこと、
    少なくとも1つの導体ループの一部を超電導状態から常電導状態に局所的に切り替えるための切替手段が設けられていること、並びに
    前記切替手段は、
    ・少なくとも1つのジョセフソン接点、及び/又は
    ・1つの加熱要素、及び/又は
    ・前記導体ループを局所的に加熱するための1つの電磁ビーム源、及び/又は
    ・前記導体ループの周囲上の、減少した臨界電流を有する1つの局所導体横断面狭窄部分を備え、常電導状態への移行時に、磁束が、前記導体ループ中に侵入し得ることを特徴とする装置。
  2. 前記導体ループは、望まない変動が前記ヨークを透過する磁束に主に重ね合わされる場所と前記関心体積(VOI)との間の前記ヨークに沿って配置されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
  3. 前記導体ループは、前記磁場源と前記関心体積(VOI)との間に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の装置。
  4. 前記導体ループは、前記関心体積(VOI)と前記ヨークとの間のそれぞれの移行部分の領域内に配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の装置。
  5. 前記磁場源から発生する磁場が、その最大磁場強さの最大で10分の1を有する場所に、前記導体ループは配置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の装置。
  6. 前記磁場源から発生する磁場が、その最大磁場強さの最大で100分の1を有する場所に、前記導体ループは配置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の装置。
  7. 前記磁場源から発生する磁場が、その最大磁場強さの最大で1000分の1を有する場所に、前記導体ループは配置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の装置。
  8. 前記ヨークは、磁場源から前記関心体積(VOI)に至る各経路上で少なくとも1つの導体ループに通されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の装置。
  9. 前記ヨークから発生する散乱磁場の強さが、前記関心体積(VOI)内の最大磁場強さの最大で5分の1である場所に、少なくとも1つの導体ループが、前記ヨークに沿って配置されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の装置。
  10. 前記ヨークから発生する散乱磁場の強さが、前記関心体積(VOI)内の最大磁場強さの最大で10分の1である場所に、少なくとも1つの導体ループが、前記ヨークに沿って配置されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の装置。
  11. 前記ヨークから発生する散乱磁場の強さが、前記関心体積(VOI)内の最大磁場強さの最大で100分の1である場所に、少なくとも1つの導体ループが、前記ヨークに沿って配置されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の装置。
  12. 前記ヨークの材料が、少なくとも10の比透磁率μを有することを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の装置。
  13. 前記ヨークの材料が、少なくとも100の比透磁率μ を有することを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の装置。
  14. 少なくとも1つの導体ループが、層として1つの基板上に形成されていて、この基板は、超電導状態に全く移行しないか又はこの層よりも低い遷移温度のときに超電導状態に移行することを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の装置。
  15. 前記磁場源、前記ヨーク及び少なくとも1つの導体ループが、前記関心体積(VOI)を貫通する軸線を中心にして回転対称に並設されていることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の装置。
  16. 少なくとも1つの導体ループが、高温超電導材料、特にYBCOを母材とした高温超電導材料から成ることを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の装置。
  17. 電流を電可能な単独の少なくとも1つの補正コイルが、前記導体ループと前記関心体積との間の前記ヨークに沿って配置されていることを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載の装置。
  18. 前記補正コイルから発生する磁場の強さを測定する手段と、1つの帰還ループとが設けられていて、前記帰還ループが、当該測定される磁場の強さを入力として受け取り、前記補正コイルに通電する電流を制御することを特徴とする請求項17に記載の装置。
  19. 前記ヨークは、このヨークに沿って互いに間隔をあけて配置されている少なくとも2つの導体ループに通されていて、当該間隔は、最大でこれらの導体ループの幅と一致することを特徴とする請求項1〜18のいずれか1項に記載の装置。
  20. 前記間隔は、前記導体ループと前記ヨークとの間の最短間隔と少なくとも丁度同じ大きさであることを特徴とする請求項19に記載の装置。
  21. 前記導体ループは、幅と少なくとも同じ厚さであることを特徴とする請求項1〜20のいずれか1項に記載の装置。
  22. 前記ヨークは、1つの突出部を有し、この突出部は、
    ・空間内の前記導体ループの延在部分によって規定された面上に載置し、及び/又は
    ・1つのギャップによってこの面から分離されていて、このときに、前記導体ループによって生成された磁場が、その最大強さの少なくとも50%を前記面上に有する領域内に、前記突出部が延在することを特徴とする請求項1〜21のいずれか1項に記載の装置。
  23. 請求項1〜22のいずれか1項に記載の装置を、
    ・電子顕微鏡内の磁気レンズとして使用すること、
    ・核磁気共鳴(NMR)の測定時に、試料に印加する磁場を安定化するために、
    ・微粒子捕捉装置内の磁場を安定化するために、又は
    ・微粒子加速装置内のビーム誘導磁石若しくは検出器磁石の磁場を安定化するために使用することを特徴とする使用方法。
  24. 請求項1〜22のいずれか1項に記載の装置の稼働方法において、
    導体ループが、常電導状態にある間に、ヨークを透過する磁束が、前記磁場源によって調整されること、及び
    引き続き、前記導体ループが、前記磁束を一定に保持するために超電導状態に移行されることを特徴とする方法。
  25. 請求項1〜22のいずれか1項に記載の装置の稼働方法において、
    ・導体ループが、超電導状態にあるときに、ヨークを透過する磁束が、磁場源によって調整される結果、当該磁束変化が、前記導体ループに通電する超電導電流に変換され、
    ・前記超電導電流を関心体積(VOI)内の磁場の変化に変換するため、引き続き、前記導体ループの少なくとも一か所が、常電導状態に移行され、
    ・前記関心体積(VOI)内の磁場を新しいレベルで一定に保持するため、引き続き、前記導体ループが、超電導状態に戻されることを特徴とする方法。
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