JP6547221B2 - ダイ接着用接着剤 - Google Patents
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Description
本発明のダイ接着用接着剤は、上記構成において、前記ホスフィン系硬化触媒が、トリオルトトリルホスフィン、トリフェニルホスフィン、及びトリパラトリルホスフィンのうちの何れかであることが好ましい。
また、本発明のダイ接着用接着剤は、「前記重合体成分の含有量:前記エポキシ系熱硬化性成分の含有量」の質量比率が上記範囲とされた構成において、成分中にフィラーを含有しない構成とすることができる。
本発明に係るダイ接着用接着剤(以下、「接着剤」と略称することがある)は、エポキシ系熱硬化性成分及び硬化触媒を含有し、前記硬化触媒がホスフィン系硬化触媒であることを特徴としている。
即ち、本発明に係る接着剤は、封止以前の工程における加熱時に硬化するのが抑制されることで、基板等の接着面への追従性が高い状態が維持される。その結果、封止時に接着剤の硬化が完了した段階においては、封止以外の工程における加熱時間が短かった場合と同様に、接着剤と基板等との間のボイドが消失しているためであると推測される。このように、封止以外の工程における加熱時に接着剤の硬化が抑制されるのは、硬化触媒として反応活性化能力が低いホスフィン系硬化触媒を用いることで、硬化反応の進行が緩やかになるためではないかと推測される。
また、本発明に係る接着剤は、加熱して軟化させることで各種被着体に貼付できるものであってもよい。このような接着剤は、熱硬化を経て最終的には耐衝撃性が高い硬化物となり、かかる硬化物はせん断強度にも優れ、厳しい高温・高湿度条件下においても十分な接着特性を保持し得る。
本発明に係る接着剤は、エポキシ系熱硬化性成分等の接着剤を構成するための成分を含有する接着剤組成物を用いて製造できる。接着剤組成物中の非揮発性成分同士の含有量の比率は、接着剤においても同じとなる。以下、各成分について説明する。
まず、本発明に係る接着剤組成物に含有される、接着剤組成物の硬化速度を調整するための硬化触媒(d)について説明する。
本発明に係る接着剤においては、硬化触媒(d)としてホスフィン系硬化触媒を用いる。これは、ホスフィン系硬化触媒は、例えばイミダゾール系硬化触媒等に比べて、エポキシ系熱硬化性樹脂(b)の反応を活性化させる作用が穏やかであるためである。
本発明に係る接着剤に含有されるエポキシ系熱硬化性成分は、エポキシ系熱硬化性樹脂、例えば、エポキシ樹脂又はフェノール樹脂の少なくとも一方を含有することが好ましい。さらに、当該接着剤においては、エポキシ系熱硬化性成分であるエポキシ樹脂及びフェノール樹脂が、置換基を有していてもよいビフェニレン基を有することがより好ましい。
エポキシ樹脂(b1)は、置換基を有していてもよいビフェニレン基を有する、ビフェニル型エポキシ樹脂である。ここで「ビフェニレン基」とは、ビフェニル(ジフェニル、C6H5−C6H5)から2個の水素原子が除かれてなる2価の基を意味し、ジフェニレン基と称することもあり、通常は1個のベンゼン環骨格から1個ずつ水素原子が除かれてなるもの(−C6H4−C6H4−)である。
エポキシ樹脂(b1)が有するビフェニレン基は、その遊離原子価の位置は特に限定されないが、4,4’−ビフェニレン基であることが好ましい。
なお、本明細書において、重量平均分子量とは、特に指定のない限り、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法によって測定されるポリスチレン換算値のことをいう。
n12が0ではない場合、X12は、ビフェニレン基を構成する一方のフェニレン基(ベンゼン環骨格)に結合しており、その結合位置は特に限定されない。n13が0ではない場合、X13は、ビフェニレン基を構成する他方のフェニレン基(ベンゼン環骨格)に結合しており、その結合位置は特に限定されない。
同様に、n15が0ではない場合、X15は、ビフェニレン基を構成する一方のフェニレン基(ベンゼン環骨格)に結合しており、その結合位置は特に限定されない。n16が0ではない場合、X16は、ビフェニレン基を構成する他方のフェニレン基(ベンゼン環骨格)に結合しており、その結合位置は特に限定されない。
同様に、n14が0ではない場合、X14のベンゼン環骨格への結合位置は特に限定されない。
同様に、n17が0ではない場合、X17のベンゼン環骨格への結合位置は特に限定されない。
上記のアルケニル基としては、エテニル基(ビニル基)、2−プロペニル基(アリル基)、シクロヘキセニル基等、前記アルキル基中の、炭素原子間の1個の単結合(C−C)が二重結合(C=C)で置換されてなる基が例示できる。そして、前記アルケニル基は、炭素数が2〜5であることが好ましい。
上記のアリールオキシ基としては、フェニルオキシ基(フェノキシ基)、1−ナフチルオキシ基等、前記アリール基が酸素原子に結合してなる1価の基が例示できる。
上記のアルケニルオキシ基としては、エテニルオキシ基、2−プロペニルオキシ基、シクロヘキセニルオキシ基等、前記アルケニル基が酸素原子に結合してなる1価の基が例示できる。
前記ヘテロ環式基が有するヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が例示できる。
前記ヘテロ環式基が2個以上のヘテロ原子を有する場合、これらヘテロ原子は互いに同一でも異なっていてもよい。即ち、2個以上のヘテロ原子は、全て同一であってもよいし、全て異なっていてもよく、一部のみ同一であってもよい。
前記ヘテロ環式基としては、前記環状のアルキル基又はアリール基において、1個以上の炭素原子が単独で又は炭素原子がこれに結合している水素原子と共に、ヘテロ原子で置換されてなるものが例示できる。
同様に、X13が複数個である場合、即ち、m11が2以上であるか又はn13が2以上(2、3又は4)である場合、これら複数個のX13は互いに同一でも異なっていてもよい。
同様に、X14が複数個である場合、即ち、m11が2以上であるか又はn14が2以上(2又は3)である場合、これら複数個のX14は互いに同一でも異なっていてもよい。
同様に、X15が複数個である場合、即ち、n15が2以上(2、3又は4)である場合、これら複数個のX15は互いに同一でも異なっていてもよい。
同様に、X16が複数個である場合、即ち、n16が2以上(2、3又は4)である場合、これら複数個のX16は互いに同一でも異なっていてもよい。
同様に、X17が複数個である場合、即ち、n17が2以上(2、3又は4)である場合、これら複数個のX17は互いに同一でも異なっていてもよい。
n12が2以上(2、3又は4)である場合、上述のX11の場合と同様に、複数個のX12は互いに結合して、これらX12が結合している炭素原子と共に環を形成していてもよい。
n13が2以上(2、3又は4)である場合、上述のX11の場合と同様に、複数個のX13は互いに結合して、これらX13が結合している炭素原子と共に環を形成していてもよい。
n14が2以上(2又は3)である場合、上述のX11の場合と同様に、複数個のX14は互いに結合して、これらX14が結合している炭素原子と共に環を形成していてもよい。
n15が2以上(2、3又は4)である場合、上述のX11の場合と同様に、複数個のX15は互いに結合して、これらX15が結合している炭素原子と共に環を形成していてもよい。
n16が2以上(2、3又は4)である場合、上述のX11の場合と同様に、複数個のX16は互いに結合して、これらX16が結合している炭素原子と共に環を形成していてもよい。
n17が2以上(2、3又は4)である場合、上述のX11の場合と同様に、複数個のX17は互いに結合して、これらX17が結合している炭素原子と共に環を形成していてもよい。
フェノール樹脂(b2)は、エポキシ樹脂(b1)に対する硬化剤として機能する。
フェノール樹脂(b2)は、置換基を有していてもよいビフェニレン基を有する、ビフェニル型フェノール樹脂である。ここで「置換基を有していてもよいビフェニレン基」とは、エポキシ樹脂(b1)の場合と同様のものである。
なお、上記の「フェノール類」とは、フェノールと、水酸基を構成している水素原子以外の1個以上の水素原子が水素原子以外の基(置換基)で置換されているフェノールと、の両方を包含する概念とする。
一般式(V)におけるm21は、前記一般式(IV)におけるm11と同様のものである。
一般式(V)におけるn21、n22、n23、n25、n26及びn27は、前記一般式(IV)におけるn11、n12、n13、n15、n16及びn17と同様のものであり、一般式(V)におけるn24は、前記一般式(IV)におけるn14と同様のものである。
n22が2以上(2、3又は4)である場合、上述のX21の場合と同様に、複数個のX22は互いに結合して、これらX22が結合している炭素原子と共に環を形成していてもよい。
n23が2以上(2、3又は4)である場合、上述のX21の場合と同様に、複数個のX23は互いに結合して、これらX23が結合している炭素原子と共に環を形成していてもよい。
n24が2以上(2又は3)である場合、上述のX21の場合と同様に、複数個のX24は互いに結合して、これらX24が結合している炭素原子と共に環を形成していてもよい。
n25が2以上(2、3又は4)である場合、上述のX21の場合と同様に、複数個のX25は互いに結合して、これらX25が結合している炭素原子と共に環を形成していてもよい。
n26が2以上(2、3又は4)である場合、上述のX21の場合と同様に、複数個のX26は互いに結合して、これらX26が結合している炭素原子と共に環を形成していてもよい。
n27が2以上(2、3又は4)である場合、上述のX21の場合と同様に、複数個のX27は互いに結合して、これらX27が結合している炭素原子と共に環を形成していてもよい。
本発明に係る接着剤には、さらに、上述したエポキシ系熱硬化性樹脂(b)中の成分に該当しない重合体成分(a)を含有することができる。重合体成分(a)は、重合性化合物が重合反応して形成されたとみなせる成分であり、接着剤に造膜性や可撓性等を付与すると共に、半導体チップ等の接着対象への接着性(貼付性)を向上させるための重合体化合物である。
このような重合体成分(a)としては、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
アクリル系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、1万〜200万であることが好ましく、10万〜150万であることがより好ましい。アクリル系樹脂の重量平均分子量が小さ過ぎると、接着剤と後述する粘着剤層との接着力が高くなって、半導体チップのピックアップ不良が生じることがある。また、アクリル系樹脂の重量平均分子量が大き過ぎると、被着体の凹凸面へフィルム状接着剤が追従できないことがあり、ボイド等の発生要因になることがある。
また、アクリル系樹脂は、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン、N−メチロールアクリルアミド等のモノマーが共重合されたものでもよい。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」及び「メタクリレート」の両方を包含する概念とする。
また、熱可塑性樹脂のガラス転移温度(Tg)は、−30〜150℃であることが好ましく、−20〜120℃であることがより好ましい。
また、熱可塑性樹脂としては、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリスチレン等が例示できる。
さらに、熱可塑性樹脂は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明に係る接着剤としては、その各種物性を改良するために、重合体成分(a)及びエポキシ系熱硬化性樹脂(b)以外に、さらに必要に応じて、これらに該当しない他の成分を含有していてもよい。
また、接着剤が含有する他の成分で好ましいものとしては、無機充填材(c)、硬化触媒(d)、カップリング剤(e)、架橋剤(f)、エポキシ樹脂に該当しないその他の熱硬化性樹脂(g)、汎用添加剤(h)等が例示できる。
本発明に係る接着剤においては、例えば、上記の重合体成分(a)を含有しない場合に、無機充填材(c)を含有させることで、半導体チップ等の接着対象への接着性(貼付性)を向上させることが可能となる。また、接着剤は、無機充填材(c)を含有することにより、その熱膨張係数の調整が容易となり、半導体チップや金属又は有機基板に対して、硬化後のフィルム状接着剤の熱膨張係数を最適化することで、半導体パッケージの信頼性を向上させることができる。
また、接着剤組成物(接着剤)は、さらに無機充填材(c)を含有することにより、硬化後のフィルム状接着剤の吸湿率を低減することも可能となる。
これらの中でも、無機充填材(c)は、シリカフィラー又はアルミナフィラーであることが好ましい。
また、無機充填材(c)は、上記のうちの1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明に係る接着剤は、さらに、カップリング剤(e)を含有することが好ましい。このようなカップリング剤(e)として、無機化合物と反応する官能基及び有機官能基と反応する官能基を有するものを用いることにより、フィルム状とされた接着剤の被着体に対する接着性及び密着性を向上させることができる。また、カップリング剤(e)を用いることで、フィルム状とされた接着剤を硬化して得られる硬化物について、その耐熱性を損なうことなく、耐水性を向上させることができる。
好ましい前記シランカップリング剤としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−6−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−6−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルファン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、イミダゾールシラン等が例示できる。
カップリング剤(e)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明に係る接着剤は、さらに、架橋剤(f)を含有することが好ましい。ここで、重合体成分(a)として、イソシアネート基等の他の化合物と結合可能な官能基を有するものを用いる場合、この官能基を他の化合物と結合させて架橋するために架橋剤(f)を用いることができる。架橋剤(f)を用いて架橋することにより、フィルム状接着剤の初期接着力及び凝集力を調節できる。
架橋剤(f)としては、有機多価イソシアネート化合物、有機多価イミン化合物等が例示できる。
その他の熱硬化性樹脂(g)としては、エポキシ樹脂及びフェノール樹脂に該当しないものであればよく、例えば、熱硬化性ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。
汎用添加剤(h)としては、例えば、公知の可塑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、顔料、染料、ゲッタリング剤等が挙げられる。
接着剤組成物は、さらに溶媒を含有することで、希釈によって取り扱い性が良好となる。
接着剤組成物が含有する溶媒は、特に限定されないが、好ましいものとしては、例えば、トルエン、キシレン等の炭化水素;メタノール、エタノール、2−プロパノール、イソブチルアルコール(2−メチルプロパン−1−オール)、1−ブタノール等のアルコール;酢酸エチル等のエステル;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン;テトラヒドロフラン等のエーテル;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド(アミド結合を有する化合物)等が挙げられる。
接着剤組成物が含有する溶媒は、上記のうちの1種のみでもよいし、2種以上でもよい。
また、接着剤組成物が含有する溶媒は、接着剤組成物で用いる各成分を均一に混合する点から、メチルエチルケトン等であることが好ましい。
本発明に係る接着剤は、本発明の効果を損なわない範囲内において、エポキシ系熱硬化性樹脂(b)に該当しないその他のエポキシ系熱硬化性樹脂(z)、即ち、エポキシ樹脂(b1)に該当しないその他のエポキシ樹脂(z1)(以下、「エポキシ樹脂(z1)」と略称することがある)、及びフェノール樹脂(b2)に該当しないその他の熱硬化剤(z2)(以下、「熱硬化剤(z2)」と略称することがある)を含有していてもよい。
エポキシ樹脂(z1)としては、従来公知のものが挙げられ、具体的には、多官能系エポキシ樹脂、ビスフェノールAジグリシジルエーテル及びその水添物、オルソクレゾールノボラックエポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェニレン骨格型エポキシ樹脂(ビフェニル型エポキシ樹脂を除く)等、2官能以上のエポキシ化合物等が例示できる。
不飽和炭化水素基を有するエポキシ樹脂は、不飽和炭化水素基を有しないエポキシ樹脂よりもアクリル系樹脂との相溶性が高い。このため、不飽和炭化水素基を有するエポキシ樹脂を含む接着剤組成物を用いることで、半導体パッケージの信頼性が向上する。
また、エポキシ樹脂(z1)のエポキシ当量は、100〜1000g/eqであることが好ましく、300〜800g/eqであることがより好ましい。
熱硬化剤(z2)は、少なくともエポキシ樹脂(z1)に対する硬化剤として機能し、エポキシ樹脂(b1)に対する硬化剤として機能することもある。
熱硬化剤(z2)としては、1分子中にエポキシ基と反応し得る官能基を2個以上有する化合物が例示できる。このような官能基としてはフェノール性水酸基、アルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基、酸基が無水物化された基等が例示でき、フェノール性水酸基、アミノ基、酸基が無水物化された基であることが好ましく、フェノール性水酸基、アミノ基であることがより好ましく、フェノール性水酸基であることが特に好ましい。
熱硬化剤(z2)のうち、アミン系硬化剤(アミノ基を有する硬化剤)としては、DICY(ジシアンジアミド)等が例示できる。
不飽和炭化水素基を有する熱硬化剤(z2)としては、フェノール樹脂の水酸基の一部を、不飽和炭化水素基を含む基で置換してなる化合物、フェノール樹脂の芳香環に不飽和炭化水素基を含む基が直接結合した化合物等が例示できる。熱硬化剤における不飽和炭化水素基は、上述の不飽和炭化水素基を有するエポキシ樹脂における不飽和炭化水素基と同様のものである。
接着剤組成物は、エポキシ系熱硬化性樹脂(b)等、本発明に係る接着剤を構成するための上述の各成分を配合することで得られる。
上記の各成分の配合時における添加順序は、特に限定されず、例えば、2種以上の成分を同時に添加してもよい。
溶媒を用いる場合には、この溶媒を、溶媒以外の何れかの配合成分と混合してこの配合成分を予め希釈しておくことで用いてもよいし、溶媒以外の何れかの配合成分を予め希釈しておくことなく、溶媒をこれら配合成分と混合することで用いてもよい。
また、各成分の添加及び混合時の温度並びに時間は、各配合成分が劣化しない限り、特に限定されず、適宜調節すればよいが、温度は15〜30℃であることが好ましい。
本発明に係る接着剤を支持シート上にフィルム状に設けて、フィルム状接着剤としたものは、ダイボンディングシート、ダイシングダイボンディングシート等のダイ接着用複合シートとして用いることができる。
上記の支持シートとしては、基材又は基材上に粘着剤層を備えたものを用いることができる。粘着剤層を備えた支持シートを用いる場合には、粘着剤層上にフィルム状接着剤を設ける。
基材の材質としては、各種樹脂であることが好ましく、具体的には、ポリエチレン(低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE等))、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニルフィル、塩化ビニル共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリウレタン、ポリウレタンアクリレート、ポリイミド、エチレン酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリスチレン、ポリカーボネート、フッ素樹脂、これらの何れかの樹脂の水添加物、変性物、架橋物又は共重合物等が例示できる。
基材は、上記の中でも、ダイシング時のブレードの摩擦による基材の断片の発生が抑制される点から、特に表面が電子線照射処理を施されたものが好ましい。
上記の粘着剤層としては、従来公知のものを適宜使用できる。
粘着剤層は、これを構成するための各種成分を含有する粘着剤組成物を用いて形成できる。粘着剤組成物中の非揮発性成分同士の含有量の比率は、粘着剤層においても同じとなる。
上記の粘着剤層が、エネルギー線の照射により重合する成分を含んでいる場合には、エネルギー線を照射してその粘着性を低下させることで、半導体チップのピックアップが可能となる。このような粘着剤層は、例えば、エネルギー線の照射により重合する、エネルギー線重合性のアクリル重合体を含有する各種の粘着剤組成物を用いて形成できる。
上記のフィルム状接着剤の厚さは、目的に応じて適宜選択できるが、1〜100μmであることが好ましく、5〜75μmであることがより好ましく、5〜50μmであることが特に好ましい。
支持シートが上記の基材である場合、フィルム状接着剤は、粘着剤組成物に代えて上記の接着剤組成物を用いる点以外は、上述のように基材上に粘着剤層を形成する場合と同様の方法で、基材上に形成できる。
支持シートが基材上に粘着剤層を備えたものである場合には、通常は、粘着剤層上に接着剤組成物を直接塗布することは困難である。そこで、この場合には、例えば、剥離材の剥離層表面に接着剤組成物を塗布し、乾燥させることでフィルム状接着剤を形成した後、このフィルム状接着剤の剥離材が設けられていない側の露出面を粘着剤層の表面に貼り合わせ、上記の剥離材を取り除くなど、フィルム状接着剤を別途形成しておき、これを粘着剤層の表面に貼り合わせる方法で、フィルム状接着剤を基材上に形成することが好ましい。
以上説明したように、本発明に係るダイ接着用接着剤によれば、エポキシ系熱硬化性成分及び硬化触媒を含有し、硬化触媒がホスフィン系硬化触媒である構成を採用することで、ダイ接着用接着剤の硬化が進行するのを抑制でき、樹脂封止を行う工程におけるボイドの消失作用が維持される。これにより、例えば、樹脂封止以外の工程における加熱時間が長くなり、熱履歴が増大した場合であっても、信頼性に優れた半導体パッケージを製造することが可能なダイ接着用接着剤を提供することができる。
[実施例1〜3、比較例1〜2]
(接着剤組成物の製造)
表1に示す量で各成分を配合し、さらにメチルエチルケトンで希釈して、接着剤組成物を得た。
なお、表1中の各成分の略号は、それぞれ以下の意味を有する。
アクリル系樹脂(ナガセケムテックス社製「テイサンレジンSG−P3」)
・エポキシ樹脂(b1):
下記一般式(VI)で表されるビフェニル型エポキシ樹脂(エポキシ当量280〜298g/eq、軟化点63〜75℃、重量平均分子量1.4×103)
・フェノール樹脂(b2):
下記一般式(VII)で表されるビフェニル型フェノール樹脂(水酸基当量237g/eq、軟化点122.4℃、重量平均分子量7.5×103)
・カップリング剤(e):
シランカップリング剤(信越化学工業社製「KBM−402」)
・硬化触媒(d)
(d)−1:下記一般式(I)で表されるトリオルトフェニルホスフィン(北興化学工業社製)
(d)−2:下記一般式(II)で表されるトリパラフェニルホスフィン(北興化学工業社製)
(d)−3:下記一般式(III)で表されるトリフェニルホスフィン(北興化学工業社製)
(d)−4:2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール(四国化成工業社製)
ポリエチレンテレフタレート製フィルムの片面が剥離処理された剥離シートの前記剥離処理面に、上記で得られた接着剤組成物を塗布し、120℃で3分間乾燥させることで、厚さが20μmのフィルム状接着剤(ダイ接着用接着剤)を形成した。さらに、上記と同じ剥離シートをフィルム状接着剤に貼合して、ノンキャリアフィルムを作製した。
次いで、このノンキャリアフィルムの一方の剥離シートを剥離し、基材上に粘着剤層を備えたダイシングテープ(リンテック社製「G−562」)の粘着剤層上にフィルム状接着剤を転写して、ダイシングダイボンディングシートを得た。
上記で得られたダイシングダイボンディングシートを用いて、下記方法により、半導体パッケージの熱履歴に対する信頼性を評価した。
次に、上記で得られたダイシングダイボンディングシートを用いて、せん断接着強度を測定した。
次に、上記で得られたダイシングダイボンディングシートを用いて、下記方法により、シリコンウェハ(基板)とフィルム状接着剤との間のボイド面積を測定した。
まず、上記同様、テープマウンター(リンテック社製「Adwill RAD2500」)を用いて、ドライポリッシュ仕上げシリコンウェハ(150mm径、厚さ75μm)の研磨面に、各実施例及び各比較例のダイシングダイボンディングシートを、そのフィルム状接着剤を介して貼付し、このシリコンウェハをウェハダイシング用リングフレームに固定した。次いで、ダイシング装置(ディスコ社製「DFD651」)を用いて、8mm×8mmのサイズにシリコンウェハをダイシング(50mm/秒、30000rpm)して、チップを得た。このダイシングのとき、基材を表面から20μmだけ切り込むようにした。
次に、上記のボンディング後のボイド面積の測定用サンプルの作製と同じ条件及び手順により、樹脂封止後のボイド面積の測定用サンプルに供するチップを得た。
上記で得られた、ボンディング後のボイド面積の測定用サンプル、及び、樹脂封止後のボイド面積の測定用サンプルについて、まず、研磨機(リファインテック社製「リファインポリッシャーHV」)を用い、基板側から研磨することにより、基板の厚さが20μmになるまで平面研磨した。次いで、デジタル顕微鏡を用いて、基板側から、(基板)/(フィルム状接着剤)の界面を撮影し、撮影した画像から、基板とフィルム状接着剤との間においてボイドが占める面積比率を算出し、その結果を下記表3に示した。
表1に示すように、実施例1〜3及び比較例1、2は、重合体成分(a)、エポキシ系熱硬化性樹脂(b){エポキシ樹脂(b1)及びフェノール樹脂(b2)}、シランカップリング剤(e)の組成が同じものである。さらに、実施例1〜3は、それぞれ、ホスフィン系の硬化触媒(d)として、トリオルトトリルホスフィン、トリフェニルホスフィン、又はトリパラトリルホスフィンのうちの1種を、それぞれ、同じ質量比率で含有している。一方、比較例1においては、イミダゾール系の硬化触媒を、各実施例における硬化触媒(d)と同じ質量比率で含有しており、また、比較例においては、硬化触媒が添加されていないものである。
Claims (3)
- エポキシ系熱硬化性成分及び硬化触媒を含有し、前記硬化触媒がホスフィン系硬化触媒であり、
前記エポキシ系熱硬化性成分が、エポキシ樹脂に加えてフェノール樹脂を含有し、且つ、前記エポキシ樹脂及びフェノール樹脂が、置換基を有していてもよいビフェニレン基を有し、
さらに、前記エポキシ系熱硬化性成分に該当しない重合体成分としてアクリル重合体を含有し、「前記アクリル重合体の含有量:前記エポキシ系熱硬化性成分の含有量」の質量比率が、70:30〜99:1であることを特徴とするダイ接着用接着剤。 - 前記ホスフィン系硬化触媒が、トリオルトトリルホスフィン、トリフェニルホスフィン、及びトリパラトリルホスフィンのうちの何れかであることを特徴とする請求項1に記載のダイ接着用接着剤。
- 成分中にフィラーを含有しないことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のダイ接着用接着剤。
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