以下、本発明の実施形態に係るLED照明装置(LEDシーリングライト)について、図面を参照して詳細に説明する。なお、本実施形態に係るLED照明装置1A,1Bは、例えば、家屋の天井面に設けられる引掛ローゼットや引掛シーリングなどの屋内配線器具(不図示)に係合する取付アダプタ(不図示)を介することによって、外部電源に接続されるとともに天井面の所定位置に固定されて利用に供されるものである。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係るLED照明装置を示す分解斜視図である。なお、図1では、紙面上側が天井側、紙面下側が床側である。
図1に示すように、LED照明装置1Aは、例えば丸型のものであり、本体ベース11、アダプタ受け部(絶縁材)12、電源基板13、放熱板14、LED光源基板15A、反射シート16、LEDカバー17、センタカバー18、セード19、リング部材20、センサユニット21などで構成されている。
本体ベース11は、鋼板(例えば、SPCC)を略円形状に加工成形した部品であり、凹面が床側を向くように略凹状(皿状)に形成されている。また、本体ベース11の中央には、取付アダプタ(不図示)が係止されるアダプタ取付孔11aが形成されている。
アダプタ受け部(絶縁材)12は、難燃性を有する合成樹脂(例えば、PBT:ポリブチレンテレフタレート樹脂)で形成され、本体ベース11にねじ固定されるリング形状の固定部12aと、この固定部12aの内周縁部から床側(下方)に延出する円筒部12bと、を有している。
電源基板13は、制御部を含む点灯回路基板などを有し、アダプタ受け部(絶縁材)12を介して本体ベース11にねじ固定されている。これにより、電源基板13は、本体ベース11と後記する放熱板14とで囲まれた放熱空間内に、電気絶縁性を維持した状態で配置される。
また、電源基板13は、不図示の電線を介して、取付アダプタ(不図示)と電気的に接続される。これにより、LED照明装置1Aは、屋内配線器具(不図示)、取付アダプタ(不図示)、電源基板13をそれぞれ介して、給電されるようになっている。
放熱板14は、鋼板を略円形状に加工成形したものであり、床側に突出する円錐台形状の基板支持部14aが形成されている。また、放熱板14は、例えば亜鉛メッキ鋼板などの熱伝導性の良好な金属を用いて構成され、しぼり加工を施すことによって強度アップが図られている。また、放熱板14は、本体ベース11よりも大径に形成され、本体ベース11よりも径方向外側に突出するようにして本体ベース11に取り付けられる。
また、放熱板14の径方向の中心には、アダプタ受け部(絶縁材)12の円筒部12bと対応する位置に円形の貫通孔14bが形成されている。また、放熱板14の外周に形成された環状部14cには、後記するセード19を掛止するための受け具14dが120°間隔で3箇所に取り付けられている。
LED光源基板15Aは、リング形状の配線基板15aと、この配線基板15aの一面側(床面側)に同心円状に配置された複数のLED素子群15bと、を含んで構成されている。なお、LED素子群15bの詳細については後記する。
配線基板15aは、例えば、アルミニウム合金製の略環状の金属板に絶縁層および銅箔パターンなどを形成することで構成され、または熱伝導性の良好な樹脂(例えばポリイミド樹脂など)の平板上に銅箔パターンおよびソルダーレジストなどを形成することで構成されている。また、配線基板15aは、放熱板14にねじ固定されている。
本実施形態では、前記のような構成の本体ベース11と放熱板14とを備えることによって、放熱空間の容積を大きくし(放熱空間の空気の量を多くし)、電源基板13およびLED光源基板15Aの放熱効率の向上を図っている。その結果、LED素子群15bの発光効率を高くできる。
図2は、第1実施形態に係るLED照明装置の各色LEDの配置を示す平面図である。なお、図2は、18畳用のLEDの配列パターンの一例を示している。
図2に示すように、LED素子群15bは、昼光色(D色)の光を発する複数個の昼光色LED(Light Emitting Diode)15b1、電球色(L色)の光を発する複数個の電球色LED15b2、青色の光を発する複数個の青色LED15b3を含んで構成されている。また、LED素子群15bは、保安灯用のLED15b4を備えている。
昼光色LED15b1は、ピーク波長が430nm〜460nmのものであり(後記する図6(a)参照)、外周側から内周側にかけて同心円状に複数列(図2の実施形態では9列)に形成されている。
電球色LED15b2は、ピーク波長が550nm〜650nmのものであり、同心円状に複数列配置された各列において昼光色LED15b1を間に挟んで配置されている。すなわち、電球色LED15b2は、同心円状の各列において、周方向に2個の昼光色LED15b1を間に挟んで配置されている。なお、内周側から2列目における電球色LED15b2は、1個または2個の昼光色LED15b1を間に挟んで配置されている。また、昼光色LED15b1と電球色LED15b2は、同心円状の各列において、周方向に向けて等間隔またはほぼ等間隔に配置されている。
青色LED15b3は、ピーク波長が470nm〜480nmのものであり、同心円状に複数列配置された昼光色LED15b1と電球色LED15b2の最外周と最内周との間において、周方向に間隔を空けて円環状に配置されている。図2の実施形態において、昼光色LED15b1と電球色LED15b2とが配置された列は、円環状に配置された青色LED15b3の内周側には同心円状に5列配置、外周側には同心円状に4列配置となっている。
図3は、第1実施形態の変形例に係るLED照明装置の各色LEDの配置を示す平面図である。なお、図3に示すLED光源基板15Bは、8畳用のLEDの配列パターンを示し、LED光源基板15Aとは、LED素子群15bの数および配列が異なるだけで、配線基板15aの形状などは同一である。また、保安灯用のLED15b4は、畳数に拘わらず同じ位置に配置されている。
図3に示すように、昼光色LED15b1は、前記と同様のピーク波長を有するものであり、外周側から内周側にかけて同心円状に複数列(図3の実施形態では6列)に形成されている。
電球色LED15b2は、前記と同様のピーク波長を有するものであり、同心円状に配置された各列において昼光色LED15b1を間に挟んで配置されている。
青色LED15b3は、前記と同様のピーク波長を有するものであり、同心円状に複数列配置された昼光色LED15b1と電球色LED15b2の最外周と最内周との間において、周方向に間隔を空けて円環状に配置されている。図3の実施形態において、昼光色LED15b1と電球色LED15b2とが配置された列は、円環状に配置された青色LED15b3の内周側には同心円状に3列配置、外周側には同心円状に3列配置となっている。
図2に示すLED素子群15bは、例えば、275個の昼光色LED15b1、142個の電球色LED15b2、および41個の青色LED15b3によって構成されている。また、図3に示すLED素子群15bは、例えば、148個の昼光色LED15b1、76個の電球色LED15b2、および23個の青色LED15b3によって構成されている。このように、青色LED15b3の数は、昼光色LED15b1および電球色LED15b2の合計数の10%程度とすることが好ましい。
図1に戻って、反射シート(反射フィルム)16は、LED素子群15bから天井側に出射された光(LEDカバー17やセード19によって天井方向に反射された光)を床側に反射させる機能を有し、LED光源基板15Aの形状と対応するように平面視においてドーナツ状(環状)に形成されている。また、反射シート16は、白色の樹脂シートで構成され、LED素子群15bの各素子を個別に露出させる(挿通させる)貫通孔16aが形成されている。なお、本実施形態では、反射シート16を設ける場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、放熱板14や光源基板15Aに高反射塗装を行う構成であってもよい。本実施形態では、高反射塗装ではなく、反射シート16を用いることで、LED照明装置1Aを安価に製造することが可能になる。
LEDカバー17は、複数のLED素子群15bから発せられた光束を表面側(床側)へ導く機能およびLED光源基板15Aを放熱板14に対して密着させるように押圧する機能などを有している。
LEDカバー17は、例えばポリスチレン、ポリカーボネートなどの、透光性および電気絶縁性を有する樹脂を用いて、射出成形などによって一体成形されている。特に、透明性、コストおよび成形性の点においてポリスチレンを使用することが好ましい。また、LEDカバー17に用いる材料は、透光性および電気絶縁性を備えるものであれば、樹脂に限定されるものではなく、ガラスなどであってもよい。
また、LEDカバー17は、LED光源基板15Aの発光面(LED素子群15bが実装されている面)全体を覆う略円形状のLEDカバー部17aと、LEDカバー部17aの外周縁部から背面側(天井側)に向けて延びる円筒状の壁部17bと、壁部17bの上端(背面側)から径方向外側に向けて突出するつば部17cと、を有している。つば部17cは、周方向に沿って延在し、3箇所に分割されて形成されている。
センタカバー18は、装置本体の中央において露出する取付アダプタ(不図示)を覆うものであり、例えば、難燃性を有する合成樹脂(例えば、PP:ポリプロピレン樹脂)によって形成されている。また、センタカバー18は、円板状に形成され、LEDカバー17に着脱自在に取り付けられている。
セード19は、透光性(透明、半透明、または、乳白色を含む)を有する樹脂製(例えばアクリルやポリスチレンなど)であり、ドーム状に構成されたものである。また、セード19は、光源(LED素子群15b)から放射された光束を拡散させて、使用者がLED照明装置1Aを直視した際のまぶしさを軽減したり、LED照明装置1Aが設置された空間の明るさを均一化する役割を果たす。また、セード19は、放熱板14の受け具14dによって、着脱自在に係合保持される。
リング部材20は、リング部の内周側がセード19の外周側に保持され、リング部の外周側がセード19の外周よりも外側に突出するように構成されている。また、リング部材20は、光透過性を有する材料で形成されている。
センサユニット21は、例えば、LED照明装置1Aが設置された環境(空間)の明るさに応じてLED素子群15bへの供給電力を変化させて、LED照明装置1A下で一定の照度が得られるようにする機能を提供する。また、LED照明装置1A下の照度を検知する。
図4は、第1実施形態に係るLED照明装置を示す縦断面図である。
図4に示すように(併せて図1に示すように)、LEDカバー部17aは、径方向の中央部に円形の貫通孔17a1が形成されている。また、LEDカバー部17aには、LED光源基板15AのLED素子群15b(昼光色LED15b1、電球色LED15b2、青色LED15b3)のそれぞれに対応する位置にドーム形状部17a2が形成されている。なお、ドーム形状部17a2は、レンズ機能を有するものであり、昼光色LED15b1、電球色LED15b2および青色LED15b3からの光束を拡散等させるものである。
また、LEDカバー17では、LEDカバー部17aが放熱板14の基板支持部14aにねじ固定され、つば部17cが放熱板14の環状部14cにねじ固定される。
壁部17bは、LEDカバー部17aに対して略直交する方向に延びて形成されている。また、壁部17bには、図示しない切欠きが形成され、LEDカバー17内の熱を外部に逃すことができるようになっている。なお、切欠きの開口面積は、使用者の指が挿入できない大きさに設定されている。これにより、使用者が手(指)で直接にLED光源基板15Aに触れるのを防止できる。
つば部17cは、LEDカバー17をLED光源基板15Aの外周側において放熱板14に固定する固定部である。
図5は、第1実施形態に係るLED照明装置を示す制御ブロック図である。
図5に示すように、LED照明装置1Aは、電源PS(または商用電源)および電源回路130から電力を供給されて動作する。電源回路130は、電源PSの電力を所定の電圧または電流に調整する機能を有する。
また、LED照明装置1Aは、受光部110を備えている。受光部110は、リモコン120のボタン操作によってリモコン120から出力される信号(例えば、赤外光)を受信し、受信した信号を制御部101に送信する機能を有する。
リモコン120は、人によって操作される不図示のボタンを有し、操作されたボタンに対して設定された信号を出力する機能を有する。例えば、全灯モード、明るさアップモード、青色LED追加モード、明るさアップモード+青色LED追加モードなどを設定することができる。
次に、LED照明装置1Aの機能例について説明する。LED照明装置1Aは、制御部101、3つの点灯回路102,103,104および3種類の昼光色LED15b1、電球色LED15b2、青色LED15b3(光源)を有する。なお、図2,3で説明した保安灯用のLED15b4については図示を省略している。
制御部101は、マイコン等を含んで構成され、受光部110によって受信された信号を受け付けて、点灯回路102,103,104を制御する制御信号を生成する機能を有する。制御信号は、例えば、PWM(Pulse Width Modulation)信号である。制御部101は、CPU(Central Processing Unit)およびメインメモリによって構成され、不図示の記憶部に記憶されているアプリケーションプログラムをメインメモリに展開して、その機能を具現化する。
点灯回路102,103,104は、制御部101から受信した制御信号に基づいて、昼光色LED15b1、電球色LED15b2、青色LED15b3を駆動する機能を有する。また、点灯回路102,103,104は、昼光色LED15b1、制御部101から受信した制御信号に基づいて、昼光色LED15b1、電球色LED15b2、青色LED15b3を駆動する駆動電流を個別に変更する機能を有する。
図6は、(a)は昼光色LEDのスペクトル分布図、(b)は電球色LEDのスペクトル分布図、(c)は青色LEDのスペクトル分布図である。なお、本実施形態では、スペクトル分布図として、波長(WAVELENGTH(nm))と放射強度との関係を示して説明するが、波長とエネルギ比との関係においても同様のピーク波長を有する波形を示すものである。
図6(a)に示すように、昼光色LED15b1は、430nm〜460nmの範囲内においてピーク波長を有するものであり、本実施形態では、450nmにピーク波長を有するものが使用される。また、昼光色LED15b1の色温度は、6500K(ケルビン)である。
図6(b)に示すように、電球色LED15b2は、550nm〜650nmの範囲内においてピーク波長を有するものであり、本実施形態では、610nmにピーク波長を有するものが使用される。また、電球色LED15b2の色温度は、2700Kである。
なお、昼光色LED15b1と電球色LED15b2の色温度は、6500Kや2700Kに限定されるものではない。
図6(c)に示すように、青色LED15b3は、470nm〜480nmの範囲内においてピーク波長を有するものであり、本実施形態では、475nmにピーク波長を有するものが使用される。
図7(a)は、図6の(a)と(b)と全灯のスペクトル分布図とを重ね合わせたスペクトル分布図、図7(b)は太陽光のスペクトル分布図と図6(c)と全灯のスペクトル分布図と全灯に青色LEDを追加した場合のスペクトル分布図とを重ね合わせたスペクトル分布図、図7(c)は図6(c)と明るさアップモードのスペクトル分布図と明るさアップモードに青色LEDを追加した場合のスペクトル分布図を重ね合わせたスペクトル分布図である。
ところで、人間の光に対する感度は、年齢によって変化し、特に高齢者では短波長領域(およそ500nm以下)の光に対する感度が低下することが知られている。白色LEDを光源として用いた照明装置では、図7(a)に示すように、波長−放射強度の特性において、昼光色LED15b1と電球色LED15b2の特性は略同一であり、ともに波長470nm〜480nm近傍で放射強度が低くなっている。また、昼光色LED15b1と電球色LED15b2の双方を同時に点灯させた全灯モード(6099lm、4800K)でも、特性は略同一であり、波長が470nm〜480nm近傍で放射強度が低くなっている。このため、高齢者では特にLED照明下において主に青色など短波長の光成分を含む色や文字が見づらくなるという課題がある。
そこで、本実施形態では、図7(b)において太実線で示すように、昼光色LED15b1と電球色LED15b2とを同時に(併せて)点灯させる全灯モードに、青色LED15b3を追加して点灯させること、つまり昼光色LED15b1と電球色LED15b2と青色LED15b3とを同時に点灯させることで、470nm〜480nmでの放射強度の落ち込みを改善できる。これにより、色温度を太陽光の5800Kのスペクトルの波形に近づけることができ、書面等の文字が見易くなる。
また、図7(c)において二点鎖線で示すように、昼光色LED15b1と電球色LED15b2に、全灯モード時の1.2倍(1より大きい所定倍率)の電流を流すことでも(明るさアップモード)、前記した470nm〜480nmの放射強度が低下する特性を有する。
そこで、図7(c)において太実線で示すように、図7(c)の明るさアップモード(二点鎖線)に、青色LED15b3を追加して点灯させることにより、図7(b)の太実線と同様に、470nm〜480nmの放射強度の落ち込みを解消することができ、文字などがより見易くなり、さらにこれに加えて物が楽に見える効果も奏するようになる。
図8は、色温度と光束との関係を示すパターン図である。図8の横軸は色温度(K)を表し、縦軸は光束(lm:ルーメン)を表している。
図8中の点200は、一般社団法人日本照明工業会によって畳数に応じて定められている部屋の明るさの範囲の最大値(以降、「部屋の広さに適した光束の最大値」と称する。)を表している。この点200では、昼光色LED15b1、電球色LED15b2に与えられる電流値は、その定格に対してある程度のマージンが取られている。
ドットを付したエリア250は、通常モードで調色および調光のいずれか一方または双方を実行できる範囲を表している。
点210は、制御部101が、点200よりもさらに光束を増加する「明るさアップモード」の指示を受け付けた時の光束および色温度を表している。制御部101は、明るさアップモードの指示を受け付けた場合には、例えば、「全灯モード」(定格出力)で昼光色LED15b1および電球色LED15b2に流す電流値の1.2倍の電流を流すように制御する。点210の色温度は、点200の色温度と同じである。点210における光束は、複数の昼光色LED15b1と複数の電球色LED15b2のそれぞれで光束を増加しているため、1つ当たりの調光率または電流値の増加量は、一部の昼光色LED15b1や電球色LED15b2で同じだけ光束を増加させる場合に比べて少なくて済む。
点221は、昼光色LED15b1を単独で駆動した場合に得られる「蛍光灯モード」である。点222は、電球色LED15b2を単独で駆動した場合に得られる「電球色モード」である。
点223は、昼光色LED15b1と電球色LED15b2の調色により得られる「図書館の明かりモード」である。この「図書館の明かりモード」は、色温度を蛍光灯モードより低く且つ電球モードよりも高い5000Kに設定し、さらに光束を蛍光灯モードおよび電球モードよりも高い5900lmに設定されている。
点224は、昼光色LED15b1と電球色LED15b2との調色により得られる「食卓モード」である。この「食卓モード」は、色温度を蛍光灯モードより低く且つ電球モードよりも高い3000Kに設定し、さらに光束を蛍光灯モードよりも低く且つ電球モードよりも高い約3650lmに設定されている。
このように、「蛍光灯モード」、「電球色モード」、「図書館の明かりモード」および「食卓モード」も、「全灯モード」と略同一の特性を有するものであり、波長が470nm〜480nm近傍で放射強度が低くなる特性を有している。
そこで、本実施形態では、図8において矢印230で示すように、点200の「全灯モード」に青色LED15b3を追加して点灯する「青色LED追加モード」を追加することで、色温度が太陽光の5800Kに近づくことで文字などが見易くなるという効果を奏する。
また、「全灯モード」において、昼光色LED15b1と電球色LED15b2に1.2倍の電流を加える「明るさアップモード」でも、波長が470nm〜480nm近傍で放射強度が低くなる特性を有している。
そこで、本実施形態では、点210の「明るさアップモード」に青色LED15b3を追加して点灯する「青色LED追加モード」を追加することで、色温度が太陽光の5800Kに近づくことで文字などがより見易くなるという効果および物が楽に見えるといった効果を奏する。
図9は、モードの種類毎の文字などの見易さを示す表である。なお、図9において、「○」は、「見易い」、1個の「◎」は、「より見易い」、2個の「◎」は、「更により見易い」ことを表している。
図9において、No.1は「電球色モード」、No.2は「食卓モード」、No.3は「図書館の明かりモード」、No.4は「蛍光灯モード」、No.5は「全灯モード」である。No.1〜No.5は、「見易い」という結果が得られた。
また、図9において、No.6は「明るさアップモード」(「全灯モード」の電流値の1.2倍)である。この場合、「より見易い」という結果が得られた。
また、図9のNo.7は、複数のモードをまとめて記載したものであり、No.1の「電球色モード」に「青色LED追加モード」を追加した場合、No.2の「食卓モード」に「青色LED追加モード」を追加した場合、No.3の「図書館の明かりモード」に「青色LED追加モード」を追加した場合、No.4の「蛍光灯モード」に「青色LED追加モード」を追加した場合、No.5の「全灯モード」に「青色LED追加モード」を追加した場合である。これらについては、No.1〜No.5のモード(青色LED15b3の追加無し)に対して、「より見易い」という結果が得られた。これら「電球色モード+青色LED追加モード」、「食卓モード+青色LED追加モード」、「図書館の明かりモード+青色LED追加モード」、「蛍光灯モード+青色LED追加モード」では、470nm〜480nmの放射強度が低い部分を補完することができ、各モードに青色LED15b3を追加することで、No.6のように電流値を1.2倍にしなくとも、470nm〜480nmの範囲における放射強度を太陽光(5800K)の470nm〜480nmにおける波形に近づけることができるので、文字などが見易くなる。
また、図9において、No.8は、No.6の「明るさアップモード」に「青色LED追加モード」を追加した場合である。この場合には、「明るさアップモード」(青色LED15b3の追加無し)に対して、「更により見易い」という結果が得られた。
以上説明したように、第1実施形態のLED照明装置1Aは、昼光色LED15b1と、電球色LED15b2と、青色LED15b3と、これら昼光色LED15b1、電球色LED15b2および青色LED15b3を制御する制御部101と、を備え、制御部101が、昼光色LED15b1、電球色LED15b2および青色LED15b3のすべてを同時に点灯させるものである。これによれば、昼光色LED15b1と電球色LED15b2とを定格出力で駆動させる全灯モードに、青色LED15b3を追加して点灯することで、波長470nm〜480nmの放射強度が低下する領域を補完することができ、また色温度を太陽光の5800Kに近づけることができるので、文字などが見易くなる。
また、第1実施形態では、昼光色LED15b1と電球色LED15b2とを定格出力で駆動させる「全灯モード」に青色LED15b3を追加した場合だけではなく、昼光色LED15b1のみを駆動させる「蛍光灯モード」に青色LED15b3を追加する構成、電球色LED15b2のみを駆動させる「電球色モード」に青色LED15b3を追加する構成、昼光色LED15b1と電球色LED15b2との調色による「図書館の明かりモード」に青色LED15b3を追加する構成、および昼光色LED15b1と電球色LED15b2との調色による「食卓モード」に青色LED15b3を追加する構成であってもよい。これらの構成であっても、青色LED15b3によって波長470nm〜480nmを補完できるので、前記したように文字などが見易くなる。
また、第1実施形態では、「全灯モード」に「青色LED追加モード」を追加することで、文字などが見易くなるとともに、物を楽に見ることが可能になる。なお、本実施形態では、全灯モードの1.2倍の電流を流す場合を例に挙げて説明したが、この倍率に限定されるものではなく、1.2倍よりも高い、または1.2倍よりも低い倍率の電流を流すことで、明るさアップモードを設定してもよい。
また、本実施形態では、複数の昼光色LED15b1が同心円状に配置され、複数の電球色LED15b2が各列において周方向に昼光色LED15b1を間に挟んで配置され、青色LED15b3が昼光色LED15b1および電球色LED15b2の間に環状に配置されている。これによれば、昼光色LED15b1と電球色LED15b2に使用される配線基板と青色LED15b3に使用される配線基板とを、1枚の配線基板15aで構成することができるので、安価に構成することができ、しかも組み立て作業を簡略化できる。また、セード19に青色のリング状の影が写り込むのを防止できる。
(第2実施形態)
図10は、第2実施形態に係るLED照明装置を示す分解斜視図である。
図10に示すように、LED照明装置1B(照明装置)は、本体ベース111、アダプタ受け部(絶縁材)112、電源基板113、放熱板114、第1LED光源基板115、LEDカバー116、反射シート117、遮光部材118、保安灯カバー119、第2LED光源基板121、センタカバー122、センサユニット123、導光板(導光体)131、リングカバー132、導光ピース133(導光体)などで構成されている。
本体ベース111は、鋼板(例えば、SPCC)を略円形状に加工成形した部品であり、凹面が床側を向くように略凹状に形成されている。また、本体ベース111の中央には、取付アダプタ(不図示)が係止されるアダプタ取付孔111aが形成されている。
また、本体ベース111の上面には、リング形状のパッキン111bが接着固定されている。このパッキン111bによって、本体ベース111と天井面との間の隙間が密閉されることで、装置本体内へ塵埃などが入り込むのを防止できる。
アダプタ受け部(絶縁材)112は、難燃性を有する合成樹脂(例えば、PBT:ポリブチレンテレフタレート樹脂)で形成され、本体ベース111に固定されるリング形状の固定部112aと、この固定部112aの内周縁部から床側(下方)に延出する円筒部112bと、を有している。円筒部112bには、後記する保安灯カバー119が係止される係止孔112cが形成されている。
電源基板113は、点灯回路基板などを有し、絶縁板(不図示)を介して本体ベース111に固定されている。なお、絶縁板は、電気絶縁性および難燃性を有する例えばポリプロピレンなどの樹脂材料で成形されている。これにより、電源基板113は、本体ベース111と後記する放熱板114とで囲まれた放熱空間内に、電気絶縁性を維持した状態で配置される。
また、電源基板113は、不図示の電線を介して、取付アダプタ(不図示)と電気的に接続される。これにより、LED照明装置1Bは、屋内配線器具(不図示)、取付アダプタ(不図示)、電源基板113をそれぞれ介して、給電されるようになっている。
放熱板114は、鋼板を略円形状に加工成形したものであり、例えば亜鉛メッキ鋼板などの熱伝導性の良好な金属を用いて構成されている。また、放熱板114は、本体ベース111よりも大径に形成され、本体ベース111よりも径方向外側に突出するようにして本体ベース111に取り付けられる。
また、放熱板114の径方向の中心には、アダプタ受け部(絶縁材)112の円筒部112bと対応する位置に円形の貫通孔114aが形成されている。また、放熱板114の外周縁部には、後記する第1LED光源基板115をねじ固定するためのねじ孔114bが周方向に沿って複数個所に形成されている。また、放熱板114のねじ孔114bの外周側には、後記する受け具140を掛止させるための引掛孔114c,114cが複数個所に形成されている。引掛孔114c,114cは、周方向に120°間隔で配置されている。また、放熱板114には、各引掛孔114cの近傍に、受け具140を放熱板114にねじ固定するためのねじ孔114dが形成されている。なお、放熱板114は、加工成形時に円形状の溝114e,114fや直線状の溝114gを形成することにより、放熱板114の強度アップが図られている。
第1LED光源基板115は、リング形状の配線基板115aと、この配線基板115aの一面側(床面側)に一列の環状に配置される複数のLED素子群115bと、を含んで構成され、放熱板114の外周に搭載される。なお、LED素子群115bは、例えば、昼光色の光を発する昼光色LED115b1と、電球色の光を発する電球色LED115b2と、で構成され、各素子が周方向に交互に配置されることで構成されている。例えば、電球色LED115b2が2個の昼光色LED115b1を挟んで配置されている。これにより、電球色、電球色+昼光色、昼光色の3色の光を放射することができ、さらにLED素子群115bに調光機構を付加することにより、さらにきめ細かな色の光を放射することが可能になる。
配線基板115aは、例えば、アルミニウム合金製の略環状の金属板に絶縁層および銅箔パターンなどを形成したり、または熱伝導性の良好な樹脂(例えばポリイミド樹脂など)の平板上に銅箔パターンおよびソルダーレジストなどを形成することで構成されている。
また、配線基板115aには、第1LED光源基板115を放熱板114にねじ固定する際にねじ(不図示)が挿通されるねじ挿通孔115cが、周方向に間隔を置いて複数個所に形成されている。
本実施形態では、前記のような構成の本体ベース111と放熱板114とを備えることによって、放熱空間の容積を大きくし(放熱空間の空気の量を多くし)、電源基板113および第1LED光源基板115の放熱効率の向上を図ることができる。その結果、LED素子群115bの発光効率を高くできる。
LEDカバー116は、第1LED光源基板115の全体を覆うことができるように環状に形成されたものである。なお、LEDカバー116は、無色透明の合成樹脂(例えば、PET:ポリエチレンテレフタレート樹脂)によってフィルム状に形成されている。これにより、ユーザがLED照明装置1Bを設置する際に、ユーザが第1LED光源基板115に触れるのを防止することができる。つまり、本実施形態のLED照明装置1Bでは、ユーザ自身が導光板131を着脱するタイプであるので、ユーザが導光板131の着脱時に第1LED光源基板115に触れないようになっている。
また、LEDカバー116は、ねじ挿通孔115cに対応する位置に、ねじ挿通孔116aが複数個所に形成されている。なお、図示していないが、別個に設けられた抑え部材によってLEDカバー116の浮きを防止するようにしてもよい。
反射シート117は、LED素子群115bから天井側に出射された光を床側に反射させる機能を有し、平面視においてドーナツ状(環状)に形成されている。また、反射シート117は、白色の樹脂シートで構成されている。なお、本実施形態では、反射シート117を設ける場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、放熱板114に高反射塗装を行う構成であってもよい。
遮光部材118は、LED素子群115bの光が導光板131の内側に漏れるのを抑える機能を有し、例えば、ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)樹脂でリング状に形成されている。また、遮光部材118は、反射シート117の外周縁部117aを抑えている。
保安灯カバー119は、後記する第2LED光源基板121を覆うものであり、リング状に形成されている。また、保安灯カバー119は、光透過性を有する材料で形成され、内周縁部に、当該保安灯カバー119を固定部112aに掛止させる掛止部119aが形成されている。
第2LED光源基板121は、配線基板121aを有し、この配線基板121a上に、保安灯として使用される暖色系のLED素子121bと、青色の光を発する青色LED121cとが、周方向に交互に配置されて構成されている。また、第2LED光源基板121は、第1LED光源基板よりも径方向の内側(本実施形態では、最内周)に配置されている。
センタカバー122は、装置本体の中央において露出する取付アダプタ(不図示)を覆うものであり、例えば、難燃性を有する合成樹脂(例えば、PP:ポリプロピレン樹脂)によって形成されている。また、センタカバー122は、円板状に形成され、保安灯カバー119に着脱自在に取り付けられている。
センサユニット123は、例えば、LED照明装置1Bが設置された環境(空間)の明るさに応じてLED素子群115bへの供給電力を変化させて、LED照明装置1B下で一定の照度が得られるようにする機能を提供する。また、センサユニット123は、LED照明装置1B下の照度を検知する。また、センサユニット123は、ABS樹脂やポリプロピレン(polypropylene)樹脂などで成形されたセンサケース123a内にセンサ基板(不図示)が収容されるように構成され、放熱板114の天井側に取り付けられている。
導光板131は、複数のLED素子群115bから発せられた光束を床側へ導く機能と、LED照明装置1Bの最も外側(床側、外面側)に位置して当該LED照明装置1Bのカバーとしての機能と、を有している。このように、導光板131を最も外側(床側、外面側)に配置することにより、LED素子群115bの性能を最大限利用できる。また、導光板131のさらに外側に乳白色のカバーを設けないので、LED照明装置1Bを薄型化できる。
また、導光板131は、例えば、PMMA(ポリメタクリル酸メチル樹脂)からなる透光性および電気絶縁性を有する樹脂を用いて、射出成形などによって一体成形されている。なお、導光板131の材料は、PMMAに限定されるものではなく、透光性および電気絶縁性を備えるものであればよく、ポリスチレン樹脂やポリカーボネート樹脂など他の樹脂であってもよく、また樹脂に限定されるものではなくガラスなどであってもよい。
また、導光板131は、凹面が天井側を向くように皿状に形成されるとともに、導光板131の外周に、受け具140に着脱自在に保持されるつば部131aが形成されている。このつば部131aは、導光板131の外周縁部の3箇所に形成されている。
また、導光板131の表面の中央には、平面視円形状の凹部131cが形成されている。なお、この凹部131cは、導光板131を成形する際にゲート跡(樹脂充填跡)が形成される部位であり、射出成形後に残るゲート跡を導光ピース133で覆い隠すための段差である。
リングカバー132は、導光板131のつば部131aの上から重ねて配置され、床側からつば部131aを視認できなくするものである。
導光ピース133は、導光板131と同様の材料で形成され、小径の円板状(コイン状)に形成されている。また、導光ピース133は、導光板131に形成された凹部131cに嵌め込まれ、接着剤などで固定されている。また、導光ピース133は、同心円状に溝133aが形成され、外側の導光板131と同様に光が出射されるようになっている。
受け具140は、導光板131を着脱自在に保持するものであり、例えば、POM(ポリオキシメチレン)などの合成樹脂によって形成されている。
図11は、第2実施形態に係るLED照明装置の斜視断面図である。なお、図11は、LED照明装置1Bの径方向の中心を通るように半分に切断したときの状態を示している。
図11に示すように、導光板131の内面には、複数本の溝131dが同心円状に形成されている。このように、溝131dを導光板131の内面に形成することにより、溝131d内に埃などが溜まるのを防止することができ、光を安定して出射させることができる。
また、溝131dは、凹部131cを除く全体に形成されている。これにより、LED素子群115bの光を導光板131の略中央部を含む全面に拡散させることができる。また、隣り合う溝131dの間隔sは、径方向の外側から中心側に向けて徐々に狭くなるように形成されている。これにより、径方向の外周から内周にかけて均一に光らせることができる。なお、図示していないが、各溝131d内には、さらにシボ加工が施されている。これにより、導光板131の全面に光を拡散させることができる。
図12は、図11のA部拡大図である。
図12に示すように、導光板131は、LED素子群115bと対向して配置されてLED素子群115b(昼光色LED115b1および電球色LED115b2)の光が入射する入射部131iと、入射部131iから入射された光を導光板131の中心部を含めて全体から出射させる出射部131oと、を有している。
入射部131iは、導光板131の厚み分に対応する部分であり、LED素子群115bの配列に沿って円環状に形成されている。
出射部131oは、入射部131iから床側に向けて延出する湾曲部131o1と、水平方向に向けて円板状に形成される平面部131o2と、を有している。
LED素子群115bの光が入射部131iから入射されると、導光板131内を導光するとともに、光が出射部131oから導光板131の外側(床側)に出射される。また、遮光部材118によって、入射部131iに入射した光が導光板131の内側に漏れ出ないようになっている。
また、第2実施形態では、第1実施形態と同様な制御部101(図5参照)によって、昼光色LED115b1、電球色LED115b2、青色LED121cをそれぞれ制御できるようになっている。また、図8および図9において説明したように、各種のモードを設定できるようになっている。
すなわち、昼光色LED115b1と電球色LED115b2を定格出力で点灯させる「全灯モード」に、青色LED121cを追加して点灯する「青色LED追加モード」を追加することで、波長470nm〜480nmの放射強度を補完することができるので、文字などが見易くなる。また、全灯モード時の1.2倍の電流を昼光色LED115b1と電球色LED115b2にそれぞれに流すことで、文字などが見易くなるとともに、物が楽に見えるようになる。また、「電球色モード」、「食卓モード」、「図書館の明かりモード」、「蛍光灯モード」に、「青色LED追加モード」を追加することによっても文字などが見易くなる。
また、第2実施形態では、昼光色LED115b1が一列の円環状に配置され、昼光色LED115b1および電球色LED115b2の径方向内側(最内周側)に配置されている。これによれば、第1LED光源基板115と第2LED光源基板121との2つの基板に分けて最小限の基板面積で構成でき、基板を1枚で全面に配置する場合よりも基板を安価に構成できる。
なお、本発明は、前記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々変更することができる。例えば、前記した実施形態では、昼光色LED15b1,115b1と、電球色LED15b2,115b2と、青色LED15b3,121cと、を備えたLED照明装置1A,1Bを例に挙げて説明したが、4700Kや5000Kの昼白色LEDに、青色LED15b3,121cを追加する構成であってもよい。
また、LED照明装置1A,1Bの形状は、丸型に限定されるものではなく、四角などの角型、多角型など他の形状であってもよい。