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JP6491993B2 - トリガー式液体噴出器 - Google Patents

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JP6491993B2
JP6491993B2 JP2015215249A JP2015215249A JP6491993B2 JP 6491993 B2 JP6491993 B2 JP 6491993B2 JP 2015215249 A JP2015215249 A JP 2015215249A JP 2015215249 A JP2015215249 A JP 2015215249A JP 6491993 B2 JP6491993 B2 JP 6491993B2
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Description

本発明は、トリガー式液体噴出器に関する。
ノズルの下方に延びるトリガー部の操作により、容器体から液体を吸い上げてノズルから吐出するトリガー式液体噴出器が知られている(例えば下記特許文献1)。
従来のトリガー式液体噴出器では、容器体と連通する縦供給筒部の上部に、前方に向けて延びる射出筒部が設けられている。射出筒部の先端側にはノズルが付設されている。射出筒部の下方には、トリガー部の操作により作動するシリンダが配置されている。そして、トリガー部の操作を行うことで、縦供給筒部からシリンダ内に液体を吸い上げることができると共に、その液体を射出筒部からノズルを経て前方に噴射(噴出)させることができる。
特許第3781904号公報
しかしながら、上記従来のトリガー式液体噴出器では、トリガー部を引くときにのみ液体が噴射される。従って、例えば広い面積に対して液体を吹き付けるようなときには、何度もトリガー部を引く操作を繰り返す必要があり面倒である。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、液体の連続噴射を可能にしたトリガー式液体噴出器を提供することである。
(1)本発明に係るトリガー式液体噴出器は、液体が収容された容器体に装着される噴出器本体と、前記噴出器本体の前方側に配置され、液体を前方に向けて噴射する噴出孔が形成されたノズル部材と、を備え、前記噴出器本体は、上下方向に延在し、前記容器体内の液体を吸上げる縦供給筒部と、前記縦供給筒部から前方に向けて延設され、内側が前記縦供給筒部の内部に連通した射出筒部と、前記射出筒部から下方に向けて延設され、前方付勢状態で後方に移動自在に配設されたトリガー部を有し、前記トリガー部の後方への移動によって、液体を前記縦供給筒部内から前記射出筒部内に導入させると共に、前記射出筒部内から前記噴出孔側に向けて射出させるトリガー機構と、を備えるトリガー式液体噴出器であって、前記ノズル部材は、供給孔を通じて内部が前記射出筒部内に連通し、液体を貯留する貯留シリンダと、前記貯留シリンダ内に、その中心軸線に沿う軸方向に移動自在に配設され、前記貯留シリンダ内への液体の貯留に伴って前記軸方向のうちの一方側に向けて移動する貯留プランジャと、前記貯留プランジャに連結され、前記貯留プランジャの前記軸方向の移動に連係する負圧プランジャと、前記軸方向に沿って延びると共に、前記軸方向の他方側に位置する開口部と外部の連通が遮断され、内部に前記負圧プランジャが前記軸方向の一方側に向けて移動自在に収容された負圧シリンダと、を備え、前記貯留シリンダには、前記貯留シリンダの内部と前記噴出孔とを連通する連通孔が形成され、前記供給孔は、前記射出筒部の前端開口よりも前方に配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、液体が収容された容器体に装着した状態でトリガー部を後方に引くこと、縦供給筒部内を通して吸上げた容器体内の液体を射出筒部内に導入できると共に、供給孔を通じて射出筒部内から貯留シリンダ内に液体を導入できる。これにより、貯留シリンダ内に導入した液体を、噴出孔を通じて外部に噴射させることができると同時に、貯留シリンダ内に液体を徐々に貯留することができる。貯留シリンダ内に液体が貯留されると、それに伴って貯留プランジャが軸方向の一方側に向けて移動すると共に、貯留プランジャに連結されている負圧プランジャが負圧シリンダ内を軸方向の一方側に向けて移動する。負圧シリンダは、軸方向の他方側に位置する開口部と外部との連通が遮断されているので、負圧シリンダ内のうち負圧プランジャよりも軸方向の他方側に位置する部分は密閉空間とされている。従って、負圧プランジャが軸方向の一方側に移動することで、密閉空間が負圧になる。これにより、負圧プランジャ及び貯留プランジャに対して、軸方向の他方側に向けた付勢力を発生させることができる。
このように、トリガー部を引く操作を行う毎に、液体を噴出孔から噴射させつつ、貯留プランジャを軸方向の一方側に移動させて貯留シリンダ内に液体を溜める(充填する)ことができる。
そして、トリガー部を引く操作を止めると、縦供給部内への液体の供給が停止するが、負圧シリンダ内の負圧によって、負圧プランジャ及び貯留プランジャが軸方向の他方側に向けて一体に復元移動しはじめる。これにより、貯留シリンダ内に充填した液体を、貯留シリンダ内から連通孔を通じて噴出孔側に押し出すことができ、噴出孔から引き続き噴射させることができる。
従って、トリガー部を後方に引く操作を行ったときだけでなく、トリガー部を操作しない場合であっても液体を噴射させることができ、液体の連続噴射を行うことができる。
特に、貯留シリンダは、射出筒部の前端開口よりも前方に配置された供給孔を通じて射出筒部の内部に連通しているので、縦供給筒部から射出筒部内に導入された液体の流れの勢いを損なうことなく、貯留シリンダを通じて液体を噴出孔に導き易い。従って、縦供給筒部から噴出孔に至る液体の流れを円滑に保つことができ、噴出孔から液体をスムーズに噴射させることができると共に貯留シリンダ内にスムーズに貯留できる。
また、負圧シリンダ内に発生した負圧を利用して、負圧プランジャ及び貯留プランジャを一体に復元移動させる構成であるので、例えばコイルバネ等の金属部品を用いた一般的な復元移動方式(付勢部材)とは異なり、作動時(液体噴射時)以外、各構成部品に対して余計な荷重(負荷)が作用することを防止できる。従って、例えば各構成部品に割れや伸び等を原因とする液漏れが発生することを抑制できる。さらに、コイルバネ等の金属部品を用いた場合には、金属材料を用いる分だけ廃棄時の環境負荷が大きく、コスト高になり易い。これに対して負圧を利用する本願発明では、例えば樹脂のみの単一の材料で構成することが可能であるので、環境に対する負荷が少なく、コストも抑えることができる。
なお、貯留プランジャが軸方向の他方側に向けて復元移動する際、再びトリガー部を引かなければ、貯留プランジャは貯留シリンダにおける軸方向の他端まで移動するが、その前にトリガー部を引く操作を繰り返すこともできる。この場合、貯留プランジャが略一定の幅で軸方向の一方側への移動と他方側への移動とを繰り返し、全体としては徐々に軸方向の一方側へ移動する。従って、この場合であっても貯留シリンダ内に徐々に液体を貯留することができる。
(2)前記負圧プランジャの受圧面積は、前記貯留プランジャの受圧面積よりも大きくても良い。
この場合には、負圧シリンダ内に、貯留シリンダ内に貯留された液体を確実に押し出すことができる程度の負圧を発生させ易いので、負圧プランジャ及び貯留プランジャに対して大きな推進力を付与できる。従って、負圧プランジャ及び貯留プランジャをスムーズに復元移動させて、噴出孔から液体を安定して連続噴射させ易い。
(3)前記貯留シリンダ及び前記負圧シリンダは、前記軸方向に直結されて一体に形成され、前記貯留プランジャ及び前記負圧プランジャは、前記軸方向に直結されて一体に形成されていても良い。
この場合には、貯留シリンダ及び負圧シリンダが一体に形成された内部に、一体に形成された貯留プランジャ及び負圧プランジャを配置すれば良いので、シンプルな構成にすることができ、構成の簡略化を図り易い。特に、貯留シリンダ及び負圧シリンダを一体に形成するので、両者を確実に一体で移動させることができ、先に述べた作用効果を安定して奏功させることができる。
(4)前記貯留シリンダ及び前記貯留プランジャは、前記射出筒部の上方に配設され、前記負圧シリンダ及び前記負圧プランジャは、前記縦供給筒部の後方に配設されていると共に、前記貯留シリンダ及び前記貯留プランジャに対して下方に偏心していても良い。
この場合には、貯留シリンダ及び貯留プランジャが射出筒部の上方に配設されているので、トリガー式液体噴出器の全長を短くして小型化を図り易い。それに加え、負圧シリンダ及び負圧プランジャが、縦供給筒部の後方に配設されていると共に貯留シリンダ及び貯留プランジャに対して下方に偏心しているので、上下方向のかさ張りを抑えることもでき、小型化に繋げ易い。
本発明によれば、トリガー部を後方に引く操作を行ったときだけでなく、トリガー部を操作しない場合であっても液体を噴射させることができ、液体の連続噴射を行うことができる。
本発明に係るトリガー式液体噴出器の実施形態を示す縦断面図である。 図1に示すトリガー式液体噴出器における噴出器本体周辺を拡大した縦断面図である。 図1に示すトリガー式液体噴出器におけるノズル部材周辺を拡大した縦断面図である。 図3に示すノズル部材の閉塞栓を貫通孔内に押し込む前の状態を示す縦断面図である。 図1に示すトリガー部を後方側に引いた状態を示す縦断面図である。
以下、本発明に係るトリガー式液体噴出器の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態のトリガー式液体噴出器1は、図示しない液体を収容する容器体Aに装着され、液体を吸上げる縦供給筒部10を有する噴出器本体2と、噴出孔4が形成され、噴出器本体2に装着されたノズル部材3と、を備えている。
なお、トリガー式液体噴出器1の各構成は、特に記載がなければ合成樹脂を用いた成型品とされている。
本実施形態では、縦供給筒部10の中心軸線を軸線O1とし、この軸線O1に沿って容器体A側を下側、その反対側を上側という。また、軸線O1に直交する一方向を前後方向といい、軸線O1方向及び前後方向の双方向に直交する方向を左右方向という。
噴出器本体2は、図1及び図2に示すように、上下方向に延在する縦供給筒部10と、縦供給筒部10から前後方向に沿って延設され、内側が縦供給筒部10の内部に連通した射出筒部11と、を備え、左右方向から見た側面視でL字状に形成されている。
なお、前後方向のうち、縦供給筒部10から射出筒部11が延びる方向を前側或いは前方とし、その反対方向を後側或いは後方という。
縦供給筒部10は、有頂筒状の外筒12と、外筒12内に嵌入される内筒13と、を備えている。
外筒12は、大径部12aと、大径部12aの上方に配置され、且つ大径部12aよりも径が小さい小径部12bと、大径部12aの上端部と小径部12bの下端部とを連結するフランジ部12cと、を備え、下方から上方に向けて縮径した二段筒状に形成されている。なお、小径部12bは頂壁部12dによって上部開口部が塞がれている。
内筒13は、大径部13aと、大径部13aの上方に配置され、且つ大径部13aよりも径が小さい小径部13bと、大径部13aの上端部と小径部13bの下端部とを連結するフランジ部13cと、を備え、下方から上方に向けて縮径した二段筒状に形成されている。
内筒13の小径部13bには、容器体A内に配置され、且つ容器体Aの図示しない底部に下端開口が位置するパイプ15の上部が嵌入されている。内筒13のフランジ部13cは、外筒12のフランジ部12cとの間に隙間S1を確保した状態で、外筒12のフランジ部12cよりも下方に位置している。
内筒13の大径部13aにおいて、外筒12の大径部12aから下方に突出した部分には、その径方向の外側に向けて突出する環状の鍔部13dが形成されている。鍔部13dは、容器体Aの口部A1に装着(例えば螺着)される装着キャップ14の上端部内に配設され、装着キャップ14の上端部をその軸線回りに回転自在に係止する。鍔部13dは、装着キャップ14と、容器体Aの口部A1における上端開口縁と、により上下方向に挟まれる。
なお、外筒12及び内筒13で構成される縦供給筒部10の軸線O1は、容器体Aの容器軸に対して後方側に偏心している。
射出筒部11は、後端部が縦供給筒部10における上端部の前側に接続されている。この際、射出筒部11の内部は、外筒12に形成された外側吐出孔16、及び内筒13に形成された内側吐出孔17を通じて縦供給筒部10の内部に連通している。
射出筒部11には、閉塞部材20が前方側から装着されている。
閉塞部材20は、射出筒部11の前端開口よりも前方側に位置し、上方に向けて開口した縦孔21を有する本体部22と、本体部22から後方に向けて延び、射出筒部11に外嵌された装着筒部23と、本体部22から後方に向けて延び、射出筒部11の内部に前方から挿入される挿入部24と、を備えている。
挿入部24は、射出筒部11のほぼ全長に亘って挿入されている。この際、挿入部24は、射出筒部11の内部空間のうち上側部分に僅かな隙間S3を確保するように、射出筒部11内に挿入されている。これにより、射出筒部11内の空間容積が大きくなることを抑制している。本体部22には、縦孔21内と射出筒部11内とを連通する射出孔25が形成されている。
内筒13の上端部側の内側には、上下方向に弾性変形可能に形成された吐出弁30が配置されている。
吐出弁30は、内筒13内に嵌合され、外筒12における頂壁部12dの下面に当接するベース部31と、ベース部31の下方に配置され、内筒13の内周面に段差状に形成された弁座32に対して上方から当接する弁体33と、ベース部31及び弁体33を上下に連結する中空ばね部34と、を備えている。
弁体33は、中空ばね部34によって上方から押圧されており、弁座32に対して例えば密に当接している。これにより弁体33は、内筒13内における弁座32よりも上方に位置する空間と、弁座32よりも下方に位置する空間との連通を遮断している。
なお、弁体33は中空ばね部34の付勢力に抗して上昇し、弁座32から離間することで、内筒13内における弁座32よりも上方に位置する空間と、弁座32よりも下方に位置する空間とを連通させる。
内筒13の内周面のうち弁座32よりも下方に位置し、且つパイプ15の上端よりも上方に位置する部分には、内側に向けて突出する環状のテーパ筒部35が形成されている。
このテーパ筒部35は、下方に向かうに従って漸次縮径している。テーパ筒部35の内側には、テーパ筒部35の内周面に離反可能に着座する球状の吸込弁36が配置されている。吸込弁36は、内筒13内において、テーパ筒部35よりも上方に位置する空間と、テーパ筒部35よりも下方に位置する空間とを連通及び遮断する。
外筒12において、射出筒部11よりも下方に位置する部分には、前方に向けて突出するシリンダ用筒部40が一体形成されている。
シリンダ用筒部40は、前方に向けて開口していると共に、部分的に外筒12におけるフランジ部12cと一体形成されている。
噴出器本体2は、射出筒部11から下方に向けて延び、前方付勢状態で後方に揺動自在に配置されたトリガー部51と、トリガー部51の揺動に連動して前後方向に移動する主ピストン52と、主ピストン52の移動に伴って内部が加圧及び減圧する主シリンダ53と、トリガー部51を前方に付勢する弾性板部54と、縦供給筒部10、射出筒部11、後述する貯留シリンダ90及び負圧シリンダ92を後方及び上方から覆うカバー体55と、をさらに備えている。
上述した吐出弁30、吸込弁36、トリガー部51、主ピストン52、主シリンダ53及び弾性板部54は、トリガー部51の後方への揺動によって、液体を縦供給筒部10内から射出筒部11内に導入させると共に射出筒部11内から噴出孔4側に射出させるトリガー機構50を構成する。
主シリンダ53は、前方に向けて開口する外筒部60と、外筒部60の後方開口部を塞ぐ後壁部61と、後壁部61の中央部分から前方に向けて突設されると共に前端が閉塞された有頂筒状のピストンガイド62と、を備えている。
ピストンガイド62は、内側が後方に開口しており、この開口内にシリンダ用筒部40における後壁(外筒12の小径部12b)から前方に向けて突設された嵌合突部41が嵌合されている。
外筒部60は、シリンダ用筒部40の内側に嵌合されている。シリンダ用筒部40の内周面と外筒部60の外周面とは、前後方向の両端部において例えば密に当接している。その一方、シリンダ用筒部40の内周面と外筒部60の外周面との間のうち、前後方向の両端部同士の間に位置する中間部に、環状の隙間S2が確保されている。
外筒部60には、外筒部60の内側と上記隙間S2とを連通させる第1通気孔63が形成されている。外筒12のフランジ部12cには、上記隙間S2と、外筒12のフランジ部12cと内筒13のフランジ部13cとの間に画成された隙間S1と、を連通させる第2通気孔64が形成されている。さらに、内筒13のフランジ部13cには、上記隙間S1と、内筒13の大径部13a及び装着キャップ14の内側と、を連通させる第3通気孔65が形成されている。
主シリンダ53の後壁部61には、ピストンガイド62の上方に位置する部分に、外筒12を貫通する第1貫通孔66が形成されている。この第1貫通孔66は、縦供給筒部10の内筒13に形成された第2貫通孔67を通じて、吐出弁30と吸込弁36との間の空間に連通している。
これにより、主シリンダ53の内側は、第1貫通孔66及び第2貫通孔67を通じて、内筒13内のうち、吐出弁30と吸込弁36との間の空間に連通している。従って、吐出弁30が、射出筒部11内と主シリンダ53内との連通及びその遮断を切替え、吸込弁36が、容器体A内と主シリンダ53内との連通及びその遮断を切替える。
主ピストン52は、トリガー部51に連結される円柱状の連結部70と、連結部70よりも後方に位置し、連結部70よりも大径とされたピストン筒71と、を備え、全体として後方に開口した筒状に形成されている。
なお、主シリンダ53及び主ピストン52は、前後方向に沿って延びる図示しない共通の軸線上に配置されている。
ピストン筒71は、後方に向けて開口し、且つ内部にピストンガイド62が挿入されるピストン本体部72と、ピストン本体部72の後端部からその径方向の外側に向けて突出し、且つ外筒部60の内周面に例えば密に摺接する摺動筒部73と、を備えている。
ピストン本体部72は、内径がピストンガイド62の外径よりも大きく形成されている。図示の例では、ピストン本体部72の内周面とピストンガイド62の外周面との間には若干の隙間があいている。
摺動筒部73は、前後方向の中央部から前方及び後方に向かうにしたがって漸次拡径するテーパ状に形成され、前後方向の両端部に位置するリップ部73aが外筒部60の内周面に対して摺接している。
主ピストン52の連結部70は、後述する連結軸86を介してトリガー部51に連結されている。これにより、主ピストン52は、トリガー部51と共に弾性板部54の付勢力によって前方に付勢されていると共に、トリガー部51の後方への移動に伴って後方に移動して主シリンダ53内に押し込まれる。
また、トリガー部51が最前方揺動位置(最前方移動位置)にあるときに、主ピストン52の摺動筒部73は第1通気孔63を閉塞している。そして、トリガー部51の後方への揺動によって主ピストン52が所定量だけ後方移動したときに、摺動筒部73が第1通気孔63を開放する。これにより、容器体Aの内部は、第3通気孔65、第2通気孔64及び第1通気孔63を通じて外部に連通する。
トリガー部51は、左右方向から見た側面視で後方に向けて凹状に湾曲する前面を有する主板部材80と、主板部材80の左右の側縁部から後方に向けて起立する一対の側板部材81と、を備えている。
一対の側板部材81の上端部には、射出筒部11の側方に至るまで上方に延出し、射出筒部11を左右方向から挟み込む一対の連結板82が形成されている。一対の連結板82には、左右方向の外側に向けて回転軸部83が突設されている。これら回転軸部83は、射出筒部11の上方を覆う上板部材84に設けられた図示しない軸受け部に回動可能に支持されている。
これにより、トリガー部51は、回転軸部83を中心に前後方向に揺動可能とされている。
トリガー部51には、主板部材80を前後方向に貫通する開口部51aが形成されていると共に、開口部51aの周縁部から後方に向けて延びるように連結筒85が形成されている。
連結筒85の内周面のうち後方側に位置する部分には、連結筒85の内側に向けて左右方向に沿って突出した一対の連結軸86が形成されている。これら連結軸86は、主ピストン52の連結部70に形成された連結孔内に挿入されている。これにより、トリガー部51と主ピストン52部とは、互いに連結されている。
なお、主ピストン52の連結部70は、連結軸86回りに回動可能とされ、且つ上下方向で所定量だけ移動可能に連結されている。これにより、トリガー部51の前後方向への揺動に伴って、主ピストン52は前後移動可能とされている。
射出筒部11の上面には、縦供給筒部10における外筒12の頂壁部12dに連結される水平板状の上板部材84が取り付けられている。
上板部材84の左右両側には、左右方向から側面視で前方に凸の円弧状に形成され、且つ射出筒部11の下方まで延びる上記弾性板部54がそれぞれ一体的に形成されている。弾性板部54は、左右方向から見た側面視で互いに同心の円弧状に形成され、前後に並ぶ一対の板ばねを備えている。
一対の板ばねのうち、前側に位置する板ばねが主板ばね54aとされ、後側に位置する板ばねが副板ばね54bとされている。
これら主板ばね54a及び副板ばね54bの下端部は、円弧状の折返し部54cを介して一体的に接続されている。折返し部54cには、下方に向けて係止片54dが突設されており、この係止片54dがトリガー部51における側板部材81に形成されたポケット部81aに上方から差し込まれて係合している。
これにより、弾性板部54は、係止片54d及びポケット部81aを介してトリガー部51を前方に向けて付勢している。
トリガー部51の主板部材80の上端部は、弾性板部54による付勢によって閉塞部材20の下端部に対して後方から当接している。これにより、トリガー部51は最前方揺動位置に位置決めされている。
なお、最前方揺動位置からトリガー部51が後方に引かれると、弾性板部54が係止片54dを介して折返し部54cを後方に移動させるように弾性変形する。このとき、弾性板部54は、主板ばね54aよりも副板ばね54bが大きく弾性変形する。
なお、係止片54dは、トリガー部51が後方に引かれた場合であっても、ポケット部81aから上方に抜け出しつつもトリガー部51が最後方揺動位置(最後方移動位置)に至るまでポケット部81aへの係合状態を維持する。
ノズル部材3は、図1〜図3に示すように、閉塞部材20に装着されることで、噴出器本体2に対して組み合わされている。
ノズル部材3は、図1及び図3に示すように、主に噴出器本体2よりも上方側に配置されており、前後方向に延在する貯留シリンダ90と、貯留シリンダ90内に収容された貯留プランジャ91と、貯留シリンダ90に連結された負圧シリンダ92と、負圧シリンダ92内に収容された負圧プランジャ93と、を備えている。
貯留シリンダ90は、射出筒部11の上方に配置され、中心軸線O2に沿って前後方向に延びている。これにより、貯留シリンダ90は射出筒部11に対して平行に配置されている。
貯留シリンダ90は、前壁部100と、前壁部100から後方に向けて延びたシリンダ筒101と、を備え、後方に開口した筒状に形成されている。シリンダ筒101は、噴出器本体2における上板部材84上に配置されており、縦供給筒部10よりも後方に僅かに突出している。
前壁部100には、前方に向けて円柱状のノズル軸部102が突設されていると共に、このノズル軸部102をその径方向の外側から囲む囲繞筒103が前方に向けて突設されている。これらノズル軸部102及び囲繞筒103は、シリンダ筒101の中心軸線O2と同軸上に配置されている。なお、囲繞筒103は、ノズル軸部102よりも前方に向けて僅かに突出している。
さらに、前壁部100には、囲繞筒103をその径方向の外側から囲む外郭筒104が前方に向けて突設されている。但し、この外郭筒104は必須なものではなく、具備しなくても構わない。
ノズル軸部102と囲繞筒103との間には、環状の流通路105が形成されている。また、ノズル軸部102には、前方に向けて開口する噴出孔4が形成された有頂筒状のノズルキャップ106が装着され、流通路105と噴出孔4とを連通している。
さらに、前壁部100には、流通路105に連通する連通孔107が形成されている。これにより、貯留シリンダ90の内部は、連通孔107及び流通路105を通じて噴出孔4に連通している。つまり、連通孔107は、流通路105を通じて貯留シリンダ90の内部と噴出孔4とを連通している。
さらに、シリンダ筒101の前端部には、図1及び図2に示すように、閉塞部材20における縦孔21内に上方から嵌合する連結筒108が下方に向けて突設されている。この連結筒108が縦孔21内に嵌合していることにより、ノズル部材3は閉塞部材20に対して装着され、噴出器本体2に組み合わされている。
連結筒108の下端部には、閉塞部材20に形成された射出孔25と連結筒108の内部とを連通させる孔部が形成されている。これにより、連結筒108の内部と射出筒部11の内部とは射出孔25を通じて連通している。
なお、連結筒108の内部は、射出筒部11内から貯留シリンダ90内に液体を供給する供給孔109とされている。従って、貯留シリンダ90は、内部が供給孔109及び射出孔25を通じて射出筒部11内に連通し、内部に液体を貯留することが可能とされている。なお、供給孔109は射出筒部11の前端開口よりも前方に配置されている。
図1及び図3に示すように、貯留プランジャ91は、貯留シリンダ90内に、中心軸線O2と同軸上に配置されている。具体的には、貯留プランジャ91は貯留シリンダ90内に中心軸線O2に沿う前後方向(軸方向)に移動自在に配設され、貯留シリンダ90内への液体の貯留に伴って後方(軸方向の一方側)に向けて移動可能に収容されている。
貯留プランジャ91は、シリンダ筒101の内径よりも小径とされた有頂筒状の小径筒部110と、小径筒部110の後端開口部に一体に形成され、シリンダ筒101の内周面に対して密に摺接する円筒状の摺動筒部111と、を備えている。
小径筒部110の前壁部には、前方に向けて突出し、貯留シリンダ90の前壁部100に形成された連通孔107内に入り込んで、該連通孔107を直接的に塞ぐ凸部112が形成されている。これにより、貯留プランジャ91は、連通孔107を開放自在に閉塞している。
なお、小径筒部110の周壁部とシリンダ筒101との間には環状の空間部113が形成され、供給孔109の内部に連通している。これにより、この空間部113を利用して、貯留シリンダ90内に液体を貯留することが可能とされている。
摺動筒部111は、シリンダ筒101よりも僅かに後方に突出するように形成されており、その前端部に位置し、前方に向かうにしたがって漸次拡径するテーパ状のリップ部を介してシリンダ筒101の内周面に接している。
負圧シリンダ92は、シリンダ筒101に対して直結され、貯留シリンダ90と一体に形成されている。
具体的には、負圧シリンダ92は、貯留シリンダ90におけるシリンダ筒101の後端開口部から後方に向けて延びるように形成されることで、貯留シリンダ90と一体に形成されている。この際、負圧シリンダ92は、縦供給筒部10の後方に配設されていると共に、貯留シリンダ90に対して下方に偏心している。つまり、負圧シリンダ92の中心軸線O3は、貯留シリンダ90の中心軸線O2に対して平行とされると共に、下方にずれて配置されている。
負圧シリンダ92は、貯留シリンダ90におけるシリンダ筒101の後端開口部から中心軸線O3に直交する径方向の外側に向かって延びた連結壁部120と、連結壁部120から中心軸線O3に沿って後方に向けて延びたシリンダ筒121と、を備え、後方に開口する筒状に形成されている。なお、連結壁部120は縦供給筒部10の後方側に位置している。
負圧シリンダ92のシリンダ筒121の内径は、貯留シリンダ90におけるシリンダ筒101の内径よりも例えば2倍以上大きく形成されている。これにより、負圧プランジャ93の受圧面積は、貯留プランジャ91の受圧面積よりも大きくなるように設定されている。
具体的には、負圧プランジャ93及び貯留プランジャ91を、中心軸線O2、O3に直交する投影面に投影したときに、投影面において中心軸線O3と同軸の環状に現れる負圧プランジャ93の影の面積(負圧プランジャ93の投影面積)が、投影面において中心軸線O2上に現れる貯留プランジャ91の影の面積(貯留プランジャ91の投影面積)より大きく設定されている。
負圧プランジャ93の投影面積は、投影面において、負圧プランジャ93の最小内径部(図示の例では摺動筒部111)と最大外径部(図示の例では摺動筒部141)との間に位置する部分の面積である。貯留プランジャ91の投影面積は、投影面において、貯留プランジャ91の最大外径部(図示の例では摺動筒部111)よりも内側に位置する部分の面積である。
なお、負圧シリンダ92におけるシリンダ筒121の後端部には、中心軸線O3に直交する径方向の外側に向かって突出する環状の係止突起122が形成されている。但し、係止突起122は環状に限定されるものではなく、例えば中心軸線O3回りに沿って間隔をあけて複数形成されていても構わない。
また、負圧シリンダ92の後端開口部には、キャップ130が装着されている。
キャップ130は、負圧シリンダ92におけるシリンダ筒121の後端開口部を後方から閉塞するキャップ壁131と、キャップ壁131の外周縁に接続されると共にシリンダ筒121に対して外嵌されたキャップ筒132と、キャップ壁131から前方に向けて突設され、シリンダ筒121の内側に嵌合された嵌合筒133と、を備えている。
キャップ筒132は、シリンダ筒121に形成された係止突起122に対して前方から係止されている。これにより、キャップ130は後方への抜け止めがされた状態で負圧シリンダ92に装着されている。なお、キャップ壁131の中央部には、貯留シリンダ90及び負圧シリンダ92の内部と外部とを連通する空気孔134が形成されている。
負圧プランジャ93は、負圧シリンダ92内に貯留プランジャ91に連結された状態で収容され、負圧シリンダ92の中心軸線O3と同軸上に配置されている。これにより、負圧プランジャ93は、貯留プランジャ91に対して直結され、貯留プランジャ91と一体に形成されている。
また、負圧プランジャ93は、貯留プランジャ91の移動に伴って、中心軸線O3に沿う前後方向(軸方向)に移動自在に負圧シリンダ92内に配設されている。つまり、負圧プランジャ93は、貯留プランジャ91の移動に連係して移動する。
負圧プランジャ93は、貯留プランジャ91における摺動筒部111の後端開口部から中心軸線O3に直交する径方向の外側に向かって突出し、連結壁部120に対して密に(隙間なく)接触したプランジャ壁140と、プランジャ壁140の外縁部から後方に向かって突出し、シリンダ筒121の内周面に対して密に摺接する円筒状の摺動筒部141と、を備えている。
特に、プランジャ壁140が連結壁部120に対して接触し、且つ摺動筒部141がシリンダ筒121の内周面に対して摺接しているので、負圧シリンダ92における前端側開口部(軸方向の他方側に位置する開口部)は外部との連通が遮断された密閉状態とされている。そのため、負圧プランジャ93が後方移動した場合、負圧シリンダ92内のうち負圧プランジャ93よりも前方側に位置する部分は密閉空間S4となる(図5参照)。
プランジャ壁140には、該プランジャ壁140を前後方向に貫通する貫通孔142と、貫通孔142内に嵌合されて、該貫通孔142を閉塞する閉塞栓143とが設けられている。
なお、閉塞栓143は、図4に示すように、貯留プランジャ91及び負圧プランジャ93の組み立て時、貫通孔142の後方側に配置され、破断容易な複数の破断片144を介してプランジャ壁140に一体に連結されている。具体的には、閉塞栓143は貫通孔142内に後方から押し込み可能に、破断片144を介してプランジャ壁140に支持されている。
上述のように構成された貯留プランジャ91及び負圧プランジャ93では、図3に示すように、凸部112が連通孔107を塞いでいるときの貯留プランジャ91及び負圧プランジャ93の位置を最前進位置とする。従って、貯留プランジャ91及び負圧プランジャ93が最前進位置に配置されている場合には、貯留シリンダ90内に液体がほとんど収容されていないうえ、連通孔107が遮断されている。
これに対して、貯留プランジャ91及び負圧プランジャ93の後方移動によって、負圧プランジャ93の後端部がキャップ壁131に対して当接或いは近接しているときの貯留プランジャ91及び負圧プランジャ93の位置を最後退位置とする(図5参照)。従って、貯留プランジャ91及び負圧プランジャ93が最後退位置に配置されている場合には、貯留シリンダ90内に液体が最大に収容されている。
(貯留プランジャ及び負圧プランジャの組み立て)
次に、上述のように構成されたトリガー式液体噴出器1の組み立てのうち、貯留シリンダ90及び負圧シリンダ92内に貯留プランジャ91及び負圧プランジャ93を装着する作業について簡単に説明する。
この場合には、図4に示すように、負圧シリンダ92からキャップ130を取り外した状態で、貯留シリンダ90内及び負圧シリンダ92内に、貯留プランジャ91及び負圧プランジャ93を後方から例えばゆっくりと挿入する。この際、プランジャ壁140に形成された貫通孔142は開放したままの状態にしておく。これにより、負圧シリンダ92における連結壁部120とプランジャ壁140との間の空気を、貫通孔142を通じてプランジャ壁140よりも後方側に排出しながら貯留プランジャ91及び負圧プランジャ93の挿入作業を行うことができる。
従って、負圧シリンダ92における連結壁部120に対してプランジャ壁140を隙間なく接触させ、連結壁部120とプランジャ壁140との間から空気を適切に抜いた状態で、貯留プランジャ91及び負圧プランジャ93を挿入することができる。
次いで、貯留プランジャ91及び負圧プランジャ93を挿入した後、閉塞栓143を図4に示す矢印のように後方から貫通孔142内に押し込み、破断片144を破断させながら閉塞栓143を貫通孔142内に嵌合させる。これにより、図3に示すように、それ以降、貫通孔142を通じた空気の出入りを防止できるので、連結壁部120とプランジャ壁140との間に位置する部分を、負圧状態(減圧状態)に維持して密閉することができる。
従って、貯留プランジャ91及び負圧プランジャ93の後方移動によって、連結壁部120とプランジャ壁140との間に位置する密閉空間S4を負圧にさせることが可能となる。
なお、貯留プランジャ91及び負圧プランジャ93を挿入した後、閉塞栓143を押し込む前の段階で、例えば負圧シリンダ92内を後方から真空引きする作業を行い、貫通孔142を通じて、連結壁部120とプランジャ壁140との間に残存している微小空気を排出しても良い。
(トリガー式液体噴出器の作用)
次に、上述のように構成されたトリガー式液体噴出器1を使用する場合について説明する。
なお、トリガー部51の複数回の操作によって、トリガー式液体噴出器1の各部内に液体が充填され、縦供給筒部10から液体を吸い上げることができる状態になっているものとする。
図5に示すように、トリガー部51を弾性板部54の付勢力に抗して後方に引くと、トリガー部51の後方移動に伴って主ピストン52が後退するので、主シリンダ53内の液体を、第1貫通孔66及び第2貫通孔67を通じて縦供給筒部10の内筒13に導入することができる。すると、内筒13に導入された液体は、吸込弁36を押し下げて閉弁させると共に、吐出弁30を押し上げて開弁させるので、内側吐出孔17及び外側吐出孔16を通じて射出筒部11内に液体を導入することができる。
これにより、射出筒部11の内圧が上昇するので、射出筒部11内の液体を、射出孔25及び供給孔109を通じて貯留シリンダ90内に導入することができる。これにより、貯留プランジャ91を最前進位置から後方に移動させることができ、凸部112を連通孔107から離間させて、連通孔107を開放することができる。
従って、連通孔107及び流通路105を通じて液体を噴出孔4に導き、噴出孔4から前方に向けて液体を噴射させることができる。また、これと同時に貯留プランジャ91を後方に向けて移動させて、空間部113を利用して貯留シリンダ90内に液体を徐々に貯留することができる。
このように、トリガー部51を後方に引く操作を行う毎に、液体を噴出孔4から噴射させることができると共に、貯留プランジャ91を後方に移動させて、貯留シリンダ90内に液体を溜める(充填する)ことができる。
貯留プランジャ91が後方に移動すると、それに伴って貯留プランジャ91に連結されている負圧プランジャ93が後方に移動する。これにより、負圧プランジャ93のプランジャ壁140が負圧シリンダ92の連結壁部120から離間するので、負圧シリンダ92内のうち負圧プランジャ93よりも前方に位置する密閉空間S4が負圧になる。これにより、負圧プランジャ93及び貯留プランジャ91に対して、前方側に向けた付勢力を発生させることができる。
特に、貯留プランジャ91及び貯留プランジャ91が後方に移動するほど負圧力が大きくなるので、負圧プランジャ93及び貯留プランジャ91を前方に向けて付勢する付勢力が大きくなる。
そして、トリガー部51を引く操作を止めて該トリガー部51を解放すると、弾性板部54の弾性復元力によってトリガー部51が前方に付勢されて元の位置に復帰するので、これに伴って主ピストン52が前方移動する。そのため、主シリンダ53内に負圧が生じ、この負圧によってパイプ15を通じて容器体A内の液体を縦供給筒部10に吸い上げることができる。
すると、新たに吸い上げられた液体は、吸込弁36を押し上げて開弁させ、主シリンダ53内に導入される。これにより、次の噴射に備えることができる。なお、吐出弁30は閉弁している。
このとき、射出筒部11から貯留シリンダ90内への液体の供給は停止するものの、負圧シリンダ92内に発生した負圧によって、貯留プランジャ91及び負圧プランジャ93が最前進位置に向けて一体に前方移動しはじめる。これにより、貯留シリンダ90内に溜まった(充填された)液体を、連通孔107及び流通路105を通じて噴出孔4側に押し出すことができ、噴出孔4から前方に向けて引き続き液体を噴射させることができる。
このように、トリガー部51を後方に引く操作を行ったときだけでなく、トリガー部51を操作しない場合であっても液体を噴射させることができ、液体の連続噴射を行うことができる。
特に、貯留シリンダ90は、射出筒部11の前端開口よりも前方に配置された供給孔109を通じて射出筒部11の内部に連通しているので、縦供給筒部10から射出筒部11内に導入された液体の流れの勢いを損なうことなく、貯留シリンダ90を通じて液体を噴出孔4に導くことができる。従って、縦供給筒部10から噴出孔4に至る液体の流れを円滑に保つことができ、噴出孔4から液体をスムーズに噴射させることができると共に、貯留シリンダ90内にスムーズに貯留することができる。
また、負圧シリンダ92内に発生した負圧を利用して、貯留プランジャ91及び負圧プランジャ93を一体に復元移動させる構成であるので、例えばコイルバネ等の金属部品を用いた復元移動方式とは異なり、作動時(液体噴出時)以外、各構成品部材に対して余計な荷重(負荷)が作用することを抑えることができる。従って、例えば各構成部品に割れや伸び等を原因とする液漏れが発生することを抑制することができる。
さらに、コイルバネ等の金属部品を用いる場合には、廃棄時に環境負荷が大きいうえコスト高になり易い。これに対して、負圧を利用する本実施形態では、例えば樹脂のみの単一の材料で構成することが可能であるので、環境に対する負荷が少ないうえ、コストも抑えることができる。
また、貯留シリンダ90に、噴出孔4に連通する連通孔107と射出筒部11内に連通する供給孔109とがそれぞれ形成され、さらに貯留プランジャ91が連通孔107を直接的に塞いでいるので、射出筒部11から貯留シリンダ90に至る経路の空間容積(経路が占める内部容積)を制約少なく容易に小さくすることができる。
従って、トリガー部51を操作した際、液体を射出筒部11内から貯留シリンダ90内に直ちに導入することができ、貯留シリンダ90内の圧力を速やかに上昇させて、貯留プランジャ91及び負圧プランジャ93を直ちに後方移動させ易い。そのため、プライミング回数を抑えながら速やかに液体を噴射させることができる。従って、使い勝手が良く、操作性に優れている。
特に、挿入部24によって射出筒部11内には僅かな隙間S3しか確保されていないので、射出筒部11内の容積が抑えられている。そのため、上述した作用効果を顕著に奏功させ易い。
さらに、貯留プランジャ91が連通孔107を直接的に塞いでいるので、貯留シリンダ90の内圧が所定値を超えない限り、液体が噴射されることがない。従って、高圧弁等を別途設けなくても適正な圧力(噴射圧)で液体を噴射させることができると共に、構成の簡略化を図り易い。また、未使用時に噴出孔4から液漏れすることを効果的に抑制することができる。
なお、貯留プランジャ91及び負圧プランジャ93の前進時、再びトリガー部51を引く操作を行わない限り、貯留プランジャ91及び負圧プランジャ93は最前進位置まで移動するが、その前にトリガー部51を引く操作を繰り返し行っても良い。
この場合、貯留プランジャ91及び負圧プランジャ93は、後退と前進とを繰り返しながらも、全体としては徐々に後方に移動する。これにより、貯留シリンダ90内に徐々に液体を溜めることができる。そして、貯留プランジャ91及び負圧プランジャ93を最後退位置まで移動させることで、これら貯留プランジャ91及び負圧プランジャ93が最後退位置から最前進位置に移動するまでの長時間に亘って、液体を連続噴射することができる。
以上説明したように、本実施形態におけるトリガー式液体噴出器1によれば、トリガー部51を後方に引く操作を行ったときだけでなく、トリガー部51を操作しない場合であっても液体を噴射させることができ、液体の連続噴射を行うことができる。
また、貯留シリンダ90及び負圧シリンダ92が一体に形成された内部に、一体に形成された貯留プランジャ91及び負圧プランジャ93を配置すれば良いのでシンプルな構成にすることができ、構成の簡略化を図ることができる。特に、貯留シリンダ90及び負圧シリンダ92を一体に形成するので、両者を確実に一体で移動させることができ、先に述べた作用効果を安定して奏功させることができる。
また、負圧プランジャ93の受圧面積が貯留プランジャ91の受圧面積よりも大きいので、負圧シリンダ92内に、貯留シリンダ90内に貯留された液体を確実に押し出すことができる程度の負圧を発生させ易い。従って、貯留プランジャ91及び負圧プランジャ93に対して大きな推進力を付与することができ、貯留プランジャ91及び負圧プランジャ93をスムーズに前方に復元移動させ、噴出孔4から液体を安定して連続噴射させ易い。
さらに、貯留シリンダ90及び貯留プランジャ91が射出筒部11の上方に配置され、且つ射出筒部11と平行に配置されているので、貯留シリンダ90が射出筒部11と前後に連なるように配置される場合に比べて、トリガー式液体噴出器1の全長を短くして小型化を図りつつ、貯留プランジャ91のストロークを確保して長時間の連続噴射を行い易い。
しかも、負圧シリンダ92及び負圧プランジャ93が縦供給筒部10の後方に配設されていると共に、貯留シリンダ90及び貯留プランジャ91に対して下方に偏心しているので、上下方向のかさ張りも抑えることができ、小型化に繋げ易い。
なお、本発明の技術範囲は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態において、トリガー部51の操作をロックする機構や、噴出孔4の前方に液体の噴射形態(例えば霧状、泡状等)を切り換えるための切換部材をさらに設けても構わない。
また、上記実施形態では、貯留シリンダ90及び貯留プランジャ91に対して、負圧シリンダ92及び負圧プランジャ93を下方に偏心させたが、この場合に限定されるものではなく、同軸上に配置しても構わない。この場合であっても同様の作用効果を奏功することができる。
但し、負圧シリンダ92及び負圧プランジャ93を縦供給筒部10よりも後方に配置させたうえで、貯留シリンダ90及び貯留プランジャ91に対して下方に偏心させることで、下方に偏心させた分だけ高さを抑えることができるので、好ましい。
さらに、上記実施形態では、貯留シリンダ90に対して負圧シリンダ92を直結して一体に形成し、貯留プランジャ91に対して負圧プランジャ93を直結して一体に形成したが、直結に限定されるものではなく、並設(並列に配置)しても構わない。
例えば、貯留シリンダ90の下方に負圧シリンダ92を配置することで、両者を上下に並設させても構わない。この場合には、貯留プランジャ91と負圧プランジャ93とが同期して移動するように、例えば連結部材を介して両者を一体に連結すれば良い。
さらに、負圧プランジャ93の受圧面積を貯留プランジャ91の受圧面積より大きくしたが、小さくてもよいし、同等であってもよい。
また、上記実施形態では、トリガー部51が後方に揺動自在とされていたが、トリガー部51が後方に移動する形態を適宜採用することが可能である。例えば、トリガー部51が後方に向けてスライド移動自在とされている等してもよい。
さらに、上記実施形態では、付勢部材等、他の部材から作用する付勢力を利用することなく、負圧シリンダ92内の負圧を利用することで、負圧プランジャ93及び貯留プランジャ91を復元移動させているが、本発明はこれに限られない。例えば、負圧シリンダ92内の負圧に加え、例えば金属スプリング等の付勢部材から負圧プランジャ93や貯留プランジャ91に作用する付勢力も利用することで、負圧プランジャ93及び貯留プランジャ91を復元移動させてもよい。
A…容器体
1…トリガー式液体噴出器
2…噴出器本体
3…ノズル部材
4…噴出孔
10…縦供給筒部
11…射出筒部
50…トリガー機構
51…トリガー部
90…貯留シリンダ
91…貯留プランジャ
92…負圧シリンダ
93…負圧プランジャ
107…連通孔
109…供給孔

Claims (4)

  1. 液体が収容された容器体に装着される噴出器本体と、
    前記噴出器本体の前方側に配置され、液体を前方に向けて噴射する噴出孔が形成されたノズル部材と、を備え、
    前記噴出器本体は、
    上下方向に延在し、前記容器体内の液体を吸上げる縦供給筒部と、
    前記縦供給筒部から前方に向けて延設され、内側が前記縦供給筒部の内部に連通した射出筒部と、
    前記射出筒部から下方に向けて延設され、前方付勢状態で後方に移動自在に配設されたトリガー部を有し、前記トリガー部の後方への移動によって、液体を前記縦供給筒部内から前記射出筒部内に導入させると共に、前記射出筒部内から前記噴出孔側に向けて射出させるトリガー機構と、を備えるトリガー式液体噴出器であって、
    前記ノズル部材は、
    供給孔を通じて内部が前記射出筒部内に連通し、液体を貯留する貯留シリンダと、
    前記貯留シリンダ内に、その中心軸線に沿う軸方向に移動自在に配設され、前記貯留シリンダ内への液体の貯留に伴って前記軸方向のうちの一方側に向けて移動する貯留プランジャと、
    前記貯留プランジャに連結され、前記貯留プランジャの前記軸方向の移動に連係する負圧プランジャと、
    前記軸方向に沿って延びると共に、前記軸方向の他方側に位置する開口部と外部の連通が遮断され、内部に前記負圧プランジャが前記軸方向の一方側に向けて移動自在に収容された負圧シリンダと、を備え、
    前記貯留シリンダには、前記貯留シリンダの内部と前記噴出孔とを連通する連通孔が形成され、
    前記供給孔は、前記射出筒部の前端開口よりも前方に配置されていることを特徴とするトリガー式液体噴出器。
  2. 請求項1に記載のトリガー式液体噴出器において、
    前記負圧プランジャの受圧面積は、前記貯留プランジャの受圧面積よりも大きいことを特徴とするトリガー式液体噴出器。
  3. 請求項1又は2に記載のトリガー式液体噴出器において、
    前記貯留シリンダ及び前記負圧シリンダは、前記軸方向に直結されて一体に形成され、
    前記貯留プランジャ及び前記負圧プランジャは、前記軸方向に直結されて一体に形成されていることを特徴とするトリガー式液体噴出器。
  4. 請求項3に記載のトリガー式液体噴出器において、
    前記貯留シリンダ及び前記貯留プランジャは、前記射出筒部の上方に配設され、
    前記負圧シリンダ及び前記負圧プランジャは、前記縦供給筒部の後方に配設されていると共に、前記貯留シリンダ及び前記貯留プランジャに対して下方に偏心していることを特徴とするトリガー式液体噴出器。
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