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JP6477083B2 - 光学的測距装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光学的測距装置に関し、特に車両等の移動体に搭載される光学的測距装置に関する。
衝突防止システム等の安全システム用途の車外環境用のセンサのひとつとして、レーザレーダがある。レーザレーダは、TOF(Time of Flight:飛行時間)を用いた光学的測距センサ(光学的測距装置)であり、センサから照射した光が測定対象物で反射し光学的測距装置に戻るまでの時間差、すなわちTOFに基づいて、光学的測距装置と測定対象物との間の距離を測定するセンサである。
光学的測距装置では、測定対象空間における照射光の走査、あるいは反射光を受光する受光部のアレイ化等により、多数の測定点(点群)を得るのが一般的である。そして、点群の空間分布を解析することで、路面や障害物を認識する。
安全システムが移動体の制動や回避の要否を判断する上で、測定点が路面であるか否かを判断することは重要である。測定点が路面であれば、安全システムは制動や回避の必要はないと判断する。一方、測定点が非路面、すなわち障害物等の場合には、安全システムは、警報、自動制動、自動回避等により、移動体の運転を支援する場合があるからである。
一方、TOFを用いた光学的測距装置では、反射光の受光素子としてフォトダイオードが用いられる場合がある。フォトダイオードのうち、ブレークダウン電圧(降伏電圧)付近の高電圧を印加し、電流の内部増幅作用を用いるフォトダイオードは、アバランシェフォトダイオード(Avalanche Photodiode:APD)と呼ばれている。
APDにフォトンが入射すると電子・正孔対が生成され、生成された電子と正孔が各々APDに印加された高電圧による高電界で加速され、次々と雪崩のように衝突、電離を引き起こして新たな電子・正孔対が生成されていく。これがアバランシェ効果によるAPDの内部増幅作用であり、この内部増幅作用により感度が高められるため、特に長距離における測定対象物の検出が求められる光学式測距装置ではAPDが用いられることが多い。
APDの動作モードには、降伏電圧より小さい逆バイアス電圧で動作させるリニアモードと、降伏電圧より大きい逆バイアス電圧で動作させるガイガーモードとがある。
リニアモードでは、生成される電子・正孔対の割合よりも消滅する(高電界の領域から出る)電子・正孔対の割合の方が大きく、アバランシェ増幅は自然に止まる。リニアモードにおけるAPDの出力電流は、APDに入射する光量にほぼ比例する。
一方、ガイガーモードでは、アバランシェ増幅は自然には止まらず、APDに対する印加電圧を降伏電圧以下まで下げることにより停止させる必要がある。この強制的にアバランシェ増幅を停止させることをクエンチングとい、APDに対してクエンチング作用をもたらす回路をクエンチング回路という。
最も簡易なクエンチング回路は、APDに対して直列に接続した抵抗によるクエンチング回路であり、この直列抵抗をクエンチング抵抗という。アバランシェ電流が発生するとクエンチング抵抗の端子間の電圧が上昇し、この上昇分だけAPDに印加される逆バイアス電圧が減少する。逆バイアス電圧が降伏電圧まで減少するとアバランシェ増幅が停止し、アバランシェ電流が流れなくなる。アバランシェ電流が止まると、クエンチング抵抗の端子間の電圧が減少し、APDには再び降伏電圧以上の逆バイアスが印加され、再度アバランシェ効果を引き起こせる状態になる。
このAPDとクエンチング抵抗との間における電位の変化を、たとえばバッファを介して取り出すことにより、フォトンの入射を電圧パルスとして出力させることができる。ガイガーモードでは、出力信号の振幅自体に情報は含まれず、電圧パルスの頻度が入射光量を表す。ガイガーモードのAPDは、単一のフォトンの入射でもアバランシェ効果を引き起こすことができるので、シングルフォトンアバランシェダイオード(SPAD:Single Photon Avalanche Diode)とも呼ばれる。
ここで、図8を参照し、測定対象物に照射した照射光が、測定対象物で反射して反射光として戻るまでの時間、すなわちTOFを求める原理について説明する。図8は、横軸を時間とし、図8(c)に示すように照射光パルスPtと反射光パルスPrが発生した場合の、リニアモードの出力と、ガイガーモードの出力を説明する図である。TOFを用いて測定対象物までの距離を測定する装置においては、自ら発光した光以外はノイズであるため、太陽光等の外乱光の影響を極力除去する必要がある。以下では、この外乱光の除去も含めて各モードの出力について説明する。
リニアモードのAPDでは、出力電流Iが入射光量にほぼ比例するので、図8(a)に示すように、受光電流に含まれる直流成分を除去したのちに閾値電流Ithと比較処理することにより、外乱光の影響を低減して反射光が到来するタイミングを抽出することができる。その結果、外乱光の存在下でも正しいTOFを求めることができる。
一方、ガイガーモードのSPADでは、フォトンの入射に対して図8(b)に示すような電圧パルスVを出力するので、該電圧パルスVの到来時刻を繰り返し測定してヒストグラムを作成し、そのヒストグラムにおけるピーク値を抽出することで、外乱光の存在下でも正しいTOFを求めることができる。図8(d)は、ヒストグラムおよび当該ヒストグラムから求められるTOFの一例を示す図であり、縦軸は測定回数(度数)Nを示している。
いずれのモードのAPDを使用する場合でも、TOFを精度よく求めるためには、受光信号において、外乱光、より一般的にはノイズと、自ら発光した光に対する反射光である信号との比率、すなわちS/N比を向上させることは重要である。
つぎに、光学的測距装置により測定された多数の測定点、すなわち点群から路面を検出する従来技術について説明する。
たとえば、特許文献1には、ステレオカメラで得られた距離画像(点群)から路面の高さを検出する方法が開示されている。図9を参照して、特許文献1に開示された路面の高さを検出する技術について説明する。特許文献1では、図9(a)に示すように、路傍7において建造物8の高さ方向に並ぶ対応点の列Lを抽出し、この対応点列Lから高さが最も低い最低対応点を抽出する。そして、図9(b)に示すように、前後方向に並ぶ該最低対応点列を曲線近似または直線近似することにより、走行路6の路面の高さを検出する。
また、特許文献2には、レーザレーダで得られた点群について路面か否かを判定する方法が開示されている。特許文献2では、予め設定された近距離閾値以下の距離に位置し、かつ反射波の受信強度が閾値未満となる擬似物標を路面の候補として追跡する。単一のものとして認識される擬似物標が複数の分割領域に渡って検出され、かつ奥行幅が予め設定された奥行閾値以下であり、かつ移動速度が予め設定された停止判定閾値以下である場合に、当該擬似物標を路面であると判定する。
さらに、特許文献3には、レーザレーダの反射光の波形から、測定点が路面か否か判定する方法が開示されている。図10を参照して、特許文献3に開示された、測定点が路面か否かを判定する方法について説明する。図10は、レーザスキャナ13から照射された照射ビーム29が反射面35に入射したときの、照射パルス23の波形と反射パルス25の波形を表している。
図10(a)のように、反射面35が建造物等の障害物の一部の場合は、反射面35への照射パルスの入射角度は直角に近くなるが、10(b)に示すように、反射面35が路面の一部である場合の照射パルスの反射面35への入射角度は小さくなる。そのため、図10(a)示すように、反射面35が障害物の一部である場合には、反射パルス25のパルス幅W1は比較的狭い。しかしながらが、反射面35が路面の場合は、照射ビーム29の空間的な分布に応じて反射面35までの距離に差が生ずるので、図10(b)に示すように、反射パルスのパルス幅が広がる。特許文献3では、この反射パルスのパルス幅の相違を用いて測定点が路面であるか否かを判定している。
一方、光学的測距装置の受光信号のS/N比を向上させるための従来技術に係る受信回路の一例として、特許文献4に開示されたものが知られている。特許文献4に開示された受信回路は、外部からの信号を受信する2系統の受信部、各々の系統の受信部に接続された増幅器、一端が増幅器に接続されたスイッチ、増幅器の出力端にスイッチと並列になるように接続された比較器、2つのスイッチの各々の他端に接続された加算回路を備えて構成されている。
各々の受信部は、パルスレーザ等の外部からの信号を受信して各々の増幅器へ出力する。各々の比較器は、閾値電圧と、各々の増幅器から出力された信号の電圧とを比較する。
各々の比較器は、それぞれの増幅器から出力された信号の電圧が閾値電圧よりも高い場合には、HIGHレベルの信号を各々のスイッチへ出力し、各々の増幅器と加算回路とを電気的に繋ぐ。他方、各々の比較器は、それぞれ増幅器から出力された信号の電圧が閾値電圧よりも低い場合には、LOWレベルの信号を各々のスイッチへ出力し、各々の増幅器と加算回路とを電気的に分離する。
特許文献4に開示された受信回路では、複数の増幅器のそれぞれの信号の振幅と所定の閾値とを比較し、増幅器から出力された信号の振幅が閾値以上である場合に当該増幅器と加算回路とを電気的に繋ぎ、増幅器から出力された信号の振幅が閾値未満である場合に当該増幅器と加算回路とを電気的に分離する。特許文献4では、増幅器から出力された信号の振幅が閾値未満であれば、その信号に含まれる雑音は加算回路による加算処理を受けないことから、加算処理によって生じるS/N比の低下を防ぐことができ、より適切にS/N比の改善を図ることができるとされている。
特開2009−230709号公報 特開2014−089114号公報 EP1286178A2 特開2011−239329号公報
一般に、点群から路面を検出する場合は、特許文献1に開示された路面を検出する方法のように、多数の測定点の連続性や直線性を考慮して統計的に推定する。そのため、より正確に路面を推定するためには、より遠方まで多数の測定点を得ることが好ましい。しかしながら、距離が遠くなるほどレーザ光のパワー密度が低下する。さらに、上述したように、遠方ほど路面への入射角度が小さくなって反射パルスのパルス幅が広がるので、反射パルスのピークパワーが下がる。このため、遠方ほど路面の距離測定が困難になる。
特許文献2では、近距離の測定点のうち反射強度が小さい測定点を路面の候補としている。しかしながら、特許文献2に開示された方法は、近距離の路面の検出には有効であるが、遠方の路面の検出性能を高めることは困難である。
また、特許文献3では、反射パルスのパルス幅が広い、したがって強度が小さい点を路面の候補としている。しかしながら、壁面のように路面と垂直な面であっても、その位置と向きによっては照射光の測定対象物への入射角度が小さくなることもあり、障害物を路面と誤検出する虞がある。したがって、特許文献3のものもやはり遠方の路面の検出性能を高めることは困難である。
一方、受信回路のS/N比に関しては、特許文献4の方法では、受信部の出力が閾値以上であるときにスイッチをオンにして、受信部の出力が加算回路で加算される。すなわち、受信部の出力が閾値以上であるときに信号成分であるという仮定に基づいている。そのため、閾値を大きく定めると、大きなピーク値、つまりS/N比の改善の必要がない信号しか加算されない。逆に閾値を小さく定めると、小さなピーク値も加算される反面、ノイズ成分も加算されてS/N比が低下して誤検出を生じる可能性がある。
換言すれば、閾値処理により、容易かつ明確に信号成分とノイズ成分とを分離できる場合には、容易にTOFを求めることができるためS/N比の改善の必要はない。閾値処理により容易に信号成分とノイズ成分を分離できない場合にS/N比の改善が必要になるが、信号成分とノイズ成分の大きさは近い値になるため、閾値の設定が容易ではない。したがって、特許文献4に開示された受信回路のS/N比改善方法では、ノイズのレベルに応じてS/N比を改善するということはできず、光学的測距装置の検出性能を向上させる観点から改善の余地がある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、測定対象物、特に遠方に位置する測定対象物や反射率の低い測定対象物の検出性能が高められた光学的測距装置を実現することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の光学的測距装置は、測定対象物に対し照射光パルスを投光する投光部と、前記測定対象物で反射された反射光パルスが結像した結像面上に配置されるとともに、前記反射光パルスを受光する複数の受光画素を有する受光部と、前記複数の受光画素の各々から出力される複数の受光信号のうち注目画素と前記注目画素の近傍の1つまたは複数の画素から出力される受光信号を選択し複数の個別受光信号として出力する選択部と、前記複数の個別受光信号を加算した合成受光信号を出力する合成部と、前記合成受光信号を用いて前記注目画素に対応する前記照射光パルスの投光時刻と前記反射光パルスの受光時刻との差である飛行時間を算出し、前記飛行時間に基づいて前記測定対象物までの距離を算出する距離算出部と、を含み、前記合成部は、前記受光画素の観測方向が異なることによる前記反射光パルスの受光時刻の差を補正して前記複数の個別受光信号を加算し、前記合成受光信号を出力する
また、請求項に記載の発明は、測定対象物に対し照射光パルスを投光する投光部と、前記測定対象物で反射された反射光パルスが結像した結像面上に配置されるとともに、前記反射光パルスを受光する複数の受光画素を有する受光部と、前記複数の受光画素の各々から出力される複数の受光信号のうち注目画素と前記注目画素の近傍の1つまたは複数の画素から出力される受光信号を選択し複数の個別受光信号として出力する選択部と、前記複数の個別受光信号を加算した合成受光信号を出力する合成部と、前記合成受光信号を用いて前記注目画素に対応する前記照射光パルスの投光時刻と前記反射光パルスの受光時刻との差である飛行時間を算出し、前記飛行時間に基づいて前記測定対象物までの距離を算出する距離算出部と、信号と雑音との比率に基づいて前記個別受光信号のピーク値検出の信頼度である個別信頼度を算出し、信号と雑音との比率に基づいて前記合成受光信号のピーク値検出の信頼度である合成信頼度を算出する信頼度算出部と、を含み、前記合成部は、前記合成信頼度が前記個別信頼度より大きい場合に前記合成受光信号を出力するとともに、前記合成信頼度が前記個別信頼度以下の場合には、前記注目画素に対応する前記個別受光信号を前記合成受光信号として出力する。
また、請求項に記載の発明は、請求項に記載の発明において、信号と雑音との比率に基づいて前記個別受光信号のピーク値検出の信頼度である個別信頼度を算出し、信号と雑音との比率に基づいて前記合成受光信号のピーク値検出の信頼度である合成信頼度を算出する信頼度算出部をさらに含み、前記合成部は、前記合成信頼度が前記個別信頼度より大きい場合に前記合成受光信号を出力するとともに、前記合成信頼度が前記個別信頼度以下の場合には、前記注目画素に対応する前記個別受光信号を前記合成受光信号として出力する。
また、請求項に記載の発明は、請求項に記載の発明において、前記合成信頼度が前記個別信頼度より大きい場合には前記測定対象物が路面であると判定するとともに、前記合成信頼度が前記個別信頼度以下の場合には前記測定対象物が非路面であると判定する判定部をさらに含む。
また、請求項に記載の発明は、請求項〜請求項のいずれか1項に記載の発明において、前記受光部は、前記反射光パルスを含まない外乱光のみを受光する受光画素を備えた外乱光受光部を有し、前記信頼度算出部は、前記受光信号のピーク値を前記信号とし、前記外乱光受光部の出力を雑音として前記個別信頼度を算出する。
また、請求項6に記載の発明は、測定対象物に対し照射光パルスを投光する投光部と、前記測定対象物で反射された反射光パルスが結像した結像面上に配置されるとともに、前記反射光パルスを受光する複数の受光画素を有する受光部と、前記複数の受光画素の各々から出力される複数の受光信号のうち注目画素と前記注目画素の近傍の1つまたは複数の画素から出力される受光信号を選択し複数の個別受光信号として出力する選択部と、前記複数の個別受光信号を加算した合成受光信号を出力する合成部と、前記合成受光信号を用いて前記注目画素に対応する前記照射光パルスの投光時刻と前記反射光パルスの受光時刻との差である飛行時間を算出し、前記飛行時間に基づいて前記測定対象物までの距離を算出する距離算出部と、を含み、前記投光部は、予め定められた計測時間に亘って前記測定対象物に繰り返し前記照射光パルスを投光し、前記選択部は、注目画素と前記注目画素の近傍の1つまたは複数の画素の各々から出力される、繰り返し投光された前記照射光パルスの受光信号を時間軸に沿って累積した個別ヒストグラムを前記個別受光信号として出力し、前記合成部は前記個別ヒストグラムを加算した合成ヒストグラムを前記合成受光信号として出力し、前記距離算出部は、前記合成ヒストグラムのピーク値に対応する時刻を前記受光時刻として前記測定対象物までの距離を算出する。
また、請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の発明において、前記投光部は、予め定められた計測時間に亘って前記測定対象物に繰り返し前記照射光パルスを投光し、前記選択部は、注目画素と前記注目画素の近傍の1つまたは複数の画素の各々から出力される、繰り返し投光された前記照射光パルスの受光信号を時間軸に沿って累積した個別ヒストグラムを前記個別受光信号として出力し、前記合成部は前記個別ヒストグラムを加算した合成ヒストグラムを前記合成受光信号として出力し、前記距離算出部は、前記合成ヒストグラムのピーク値に対応する時刻を前記受光時刻として前記測定対象物までの距離を算出する。
本発明によれば、測定対象物、特に遠方に位置する測定対象物や反射率の低い測定対象物の検出性能が高められた光学的測距装置を実現することができる、という効果を奏する。
実施の形態に係る光学的測距装置の構成の一例を示す側面図である。 実施の形態に係る受光LSIの構成の一例を示す平面図である。 実施の形態に係るTOF画素の観測方向と参照画素の観測方向とを示す図である。 実施の形態に係るTOF信号処理部および参照信号処理部を示すブロック図である。 実施の形態に係る光学的測距装置とその観測方向および路面との幾何学的関係を説明するための図である。 第1の実施の形態に係る個別ヒストグラムおよび合成ヒストグラムを説明するための図である。 第2の実施の形態に係る信頼度を説明するための図である。 受光素子であるアバランシェフォトダイオードのリニアモードとガイガーモードを説明するための図である。 従来技術に係る路面の検出方法を説明するための図である。 従来技術に係る他の路面の検出方法を説明するための図である。
[第1の実施の形態]
以下、図1ないし図6を参照して本実施の形態について詳細に説明するが、まず、図1を参照して、本実施の形態に係る光学的測距装置10の基本的な構成について説明する。
光学的測距装置10は、投光部30、受光部32、双曲面ミラー20、ポリゴンミラー22、および筐体26を備えている。
投光部30は、測定対象空間に照射する照射光となる投光光Ltを生成する部位であり、光源としてのLD(Laser Diode)素子18を搭載した投光基板16を含んで構成されている。本実施の形態においては、投光光Ltは連続して投光されるパルス状の波形とされ、投光基板16は、LD素子18から出射する連続光を光パルス(パルスレーザ光)とするLD素子駆動回路(図示省略)を含んでいる。なお、本実施の形態では、光源としてLD素子を用いた形態を例示して説明するが、固体レーザ等他の光源を用いた形態としてもよい。また、一例として、パルスレーザ光の周期は4μs(microsecond)、パルス幅は数ns(nanosecond)程度とすることができる。
受光部32は、測定対象物で反射した反射光を受光光Lrとして受光する部位であり、受光LSI(Large Scale Integrated Circuits)12を搭載した受光基板14を含んで構成されている。
ポリゴンミラー22は6面のミラー面を有する回転多角形ミラーであり、投光光Ltを走査し照射光として測定対象空間に向け照射するとともに、測定対象物からの反射光を走査して双曲面ミラー20へ導く部位である。
ポリゴンミラー22の各ミラー面は回転軸Aに対して傾けて設けられており、ポリゴンミラー22は回転軸Aを中心として所定の回転速度で回転される。本実施の形態に係るポリゴンミラー22の各ミラー面と回転軸Aとのなす角度は各々異なるように配置されているので、ポリゴンミラー22の回転に伴って照射光と反射光の俯角が変化する。
したがって、ポリゴンミラー22を回転させることにより、LD素子18からの投光光Ltは、水平方向の走査(スキャン)のみならず、異なる俯角で垂直方向にも走査され、つまり面状に走査され、測定対象空間に向け照射される。なお、本実施の形態では6面を有するポリゴンミラー22を用いた形態を例示して説明するが、これに限られず、具体的設計条件等に応じて他の面数のポリゴンミラーを用いた形態としてもよい。
双曲面ミラー20は、測定対象物で反射した反射光を集光し受光光Lrとして受光LSI12に導く部位である。
筐体26は、上記の各構成を支持する支持構造とともに、電源基板24および制御基板27を含んで構成され、電源基板24には、投光基板16および受光基板14が接続されている。電源基板24は、外部から供給される電力を用いて、投光基板16、受光基板14、および制御基板27に供給する電圧を生成する回路を含んでいる。また、制御基板27には、光学的測距装置10の全体を統括制御する制御部(図示省略)が設けられており、当該制御部は、投光基板16および受光基板14の制御等を実行する。当該制御部は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、およびRAM(Random Access Memory)等を備えて構成されている。
つぎに、上記構成を有する光学的測距装置10の動作について説明する。
LD素子18から出射されるパルスレーザ光は、図示しないコリメートレンズでコリメートされ(平行光とされ)、双曲面ミラー20に設けられた開口Kからポリゴンミラー22に導かれる。ポリゴンミラー22で反射した投光光Ltは測定対象空間に向けて投光され、測定対象空間内の測定対象物に照射され、測定対象物で反射された反射光は光学的測距装置10へと再び戻る。なお、上記コリメートレンズは投光空間を規定するものであり、必要に応じて用いればよい。
光学的測距装置10に戻った反射光は、再びポリゴンミラー22によって反射され、さらに双曲面ミラー20で反射され、受光光Lrとして受光LSI12へ入射する。双曲面ミラー20はレンズと同様の作用を奏し、受光光Lrを受光LSI12の受光面(後述)に結像させる。
以上の説明からも明らかなように、本実施の形態に係る光学的測距装置10の光学系は、投光における光軸と受光における光軸とを一致させた同軸型の光学系である。
つぎに、図2を参照して、本実施の形態に係る受光LSI12について説明する。受光LSI12は、受光光Lrを受光して光電変換する光検出部と、該光検出部からの信号を処理する信号処理部とが集積化された半導体集積回路である。本実施の形態では、光検出部としてシリコンフォトマルチプライヤ(SiPM:Silicon Photo Multipliers)を用いた形態を例示して説明する。SiPMとは、複数のSPADをアレイ状に行列配置し、全体として大きな光検出器、すなわち画素を構成したものである。
ところで、図8(d)に示す、フォトンの入射時間を繰り返し測定したヒストグラムから、そのピーク値を高精度に抽出するためには、多数回の測定が必要となり、その結果TOFを求めるための測定時間が長くなる。測定時間が長くなると、測定対象物が移動した場合に測定誤差を生ずる。その点、SiPMを用いた光検出器は、短い測定時間で外乱光の影響を排除しつつ正しいTOFを求めることができる方法である(たとえば、特開2012−060012号公報、C.Niclass, M.Soga, H.Matsubara, S.Kato, “A 100m-range 10-frame/s 340×96-pixel time-of flight depth sensor in 0.18μm CMOS”, Proceeding of ESSCIRC, pp.107-110, September, 2011.等参照)。
図2に示すように、本実施の形態に係る受光LSI12の光検出部50は、信号光検出部130および参照光検出部230を含んで構成されている。信号光検出部130は、距離を計測するための受光光Lrを検出する光検出部であり、参照光検出部230は、外乱光の強度を検出する光検出部である。
本実施の形態に係る信号光検出部130は、受光光Lrを検出する、1次元に配列された16個のTOF画素GT1〜GT16(以下、総称する場合は「TOF画素GT」という)を含んで構成されている。また、TOF画素GTの各々は、SPAD120が4行×6列のアレイ状に配置されて構成されている。
一方、本実施の形態に係る参照光検出部230は、外乱光を検出する、1次元に配列された16個の参照画素GR1〜GR16(以下、総称する場合は「参照画素GR」という)を含んで構成されている。また、参照画素GRの各々は、SPAD220が4行×6列のアレイ状に配置されて構成されている。本実施の形態では、参照光検出部230として信号光検出部130と同じ構造の素子を用いている。
本実施の形態に係る投光部30から出射されるパルスレーザ光のビーム形状は、鉛直方向(図1のZ方向)に縦長のビーム形状とされている。また、信号光検出部130のTOF画素GT、および参照光検出部230の参照画素GRも鉛直方向(図2のZ方向)に配列されている。反射光も縦長のビーム形状のまま光学的測距装置10に戻るので、縦長のビーム形状を有する受光光Lrが、TOF画素GTの配列方向に沿って信号光検出部130に入射する。つまり、1つのパルスレーザ光に対応する反射光パルスを、信号光検出部130が一括して受光する。
さらに、本実施の形態では、信号光検出部130の受光領域と、信号光検出部130の受光面に結像する反射光パルスのビームスポットとが重なるように受光LSI12が配置されている。このように配置することにより、信号光検出部130が反射光と外乱光とを検出するのに対し、参照光検出部230は反射光を検出せず外乱光のみ検出する。
先述したように、本実施の形態では、ポリゴンミラー22が回転することにより、投光光Ltの光ビーム(投光ビーム)と、受光光Lrのビーム(受光ビーム)とが同時に水平方向に走査される。本実施の形態に係るポリゴンミラー22は6面で構成されるとともに、各面は俯角が異なるように形成されているので、垂直方向の6方向についても走査される。ポリゴンミラー22の各面の俯角の差を投光ビームのビーム広がり角度と略一致させることにより、垂直方向に隙間なく走査することができる。したがって、光学的測距装置10の垂直方向の走査線数は、信号光検出部130におけるTOF画素GTの数16と、ポリゴンミラー22の面の数6との積である96ラインとなる。
つぎに、図3を参照して、信号光検出部130と、参照光検出部230の観測方向について説明する。図3に示すように、本実施の形態では、信号光検出部130の観測方向DTと、参照光検出部230の観測方向DRとが常に異なる方向を観測するように構成されている。なお、図3に示す矢印Sは投光部30の走査方向を示している。
この観測方向の角度差φは、受光LSI12上での信号光検出部130と参照光検出部230との水平方向の間隔d(図2参照)、および双曲面ミラー20の焦点距離によって決まる。信号光検出部130の現在の観測方向と次回の観測方向の角度は、ポリゴンミラー22の回転速度、パルス光の発光時間間隔等によって決まる。いま、角度差φと双曲面ミラー20の焦点距離とを固定して考えると、信号光検出部130と参照光検出部230との間隔dを調節することにより、参照光検出部230の観測方向を信号光検出部130の次回の観測方向に一致させることができる。本実施の形態では、以上のように構成することにより、信号光検出部130の観測方向DTと、参照光検出部230の観測方向DRとが常に異なる方向となるように構成されている。
つぎに、図4を参照して、本実施の形態に係る信号処理部について説明する。本実施の形態に係る信号処理部は、光検出部50からの受光信号を処理する部位であり、信号光検出部130から出力される受光信号を用いてTOFを求めるTOF信号処理部100と、参照光検出部230から出力される受光信号を用いて外乱光の大きさを求める参照信号処理部200とを備えている。
図4(a)に示すように、TOF信号処理部100は、フロントエンド部102(フロントエンド部102−1〜102−24)、パルス整形回路104(パルス整形回路104−1〜104−24)、加算器106、コンパレータ108、TDC(Time to Digital Converter)110、およびヒストグラム処理部112を備えている。
フロントエンド部102は、SPAD120、SPAD120に直列に接続された抵抗122、SPAD120と抵抗122の接続点を入力とするプリアンプ124を含んで構成されている。SPAD120の各々には降伏電圧以上の逆バイアス電圧が印加されており、SPAD120の各々は、フォトンの入射に対してアバランシェ効果を引き起こし、電圧パルス(受光パルス)を出力する。抵抗122は上述したクエンチング抵抗であり、SPAD120のアバランシェ効果を停止させる機能を有している。プリアンプ124は、SPAD120と抵抗122との接続点の電位の変化を取り出すバッファである。
図4(a)に示すSPAD120は、図2(a)に示すSPAD120の各々に対応しており、24個のフロントエンド部102−1〜102−24の各々は、TOF画素GTに含まれる24個のSPAD120に対応させて設けられている。また、24個のフロントエンド部102の組が、TOF画素GTの各々に対応させてさらに16個設けられ、信号光検出部130に対応するフロントエンド部が構成される。なお、本実施の形態に係るフロントエンド部102では、プリアンプ124の後段に、次段のパルス整形回路104と信号レベルを合わせるための増幅器等、他の回路が設けられる場合もある。
パルス整形回路104(パルス整形回路104−1〜104−24)は、24個のフロントエンド部102の各々に接続され、フロントエンド部102から出力される受光パルスの波形を整形する。フロントエンド部102から出力される受光パルスのパルス幅は、SPAD120の寄生容量とクエンチング抵抗122によって決まる時定数に相当する(一例として、数10ns〜数100ns)。パルス整形回路104では、この受光パルスのパルス幅を、投光部30から出力されるパルスレーザ光のパルス幅程度(一例として、数ns程度)まで狭める整形を行う。
加算器106は、24個のパルス整形回路104からの出力を加算(合成)して、加算結果をコンパレータ108に出力する回路である。加算器106により、複数のSPAD120から同じタイミングで出力された受光パルスが加算される。本実施の形態では、加算結果はデジタル信号として出力される。たとえば、複数のSPAD120のうち2つから同時に受光パルスが出力されれば、加算器106からの出力信号はデジタル信号の”2”(10進数)となる。
コンパレータ108は、加算器106から出力された加算値を所定の閾値と比較し、加算値が閾値以上の場合に、投光光Ltのパルスレーザ光に対応する受光光Lrの光パルス(反射光パルス)が到来したことを示す判定結果を出力する。本実施の形態では当該閾値を2としており、加算器106から出力された加算値が2以上の場合に、コンパレータ108は、パルス信号を出力する。
なお、本実施の形態では上記閾値を一例として2としているが、当該閾値は所定数以上のSPADが同時に受光パルスを出力した場合、すなわち同時に多数のフォトンが到来した場合を判別するものであるから、上記閾値は2である必要はなく、具体的設計条件等を考慮して最適な値を設定すればよい。コンパレータ108の出力は次段のTDC110をトリガリングするトリガパルスとなる。
TDCとは、一般に、パルス信号とパルス信号との間の時間差を計測し、その時間差をデジタル数値に変換して出力する回路である。本実施の形態に係るTDC110は、コンパレータ108から出力されたトリガパルスにより、反射光パルスの到達時間を計測する。すなわち、TDC110は、投光部30からパルスレーザ光が投光された投光時刻から、コンパレータ108で反射光パルスが検出された受光時刻までの時間を、TOFの測定結果として出力する。
ヒストグラム処理部112は、TDC110で得られたTOFの測定結果をさらに所定の計測時間に亘って蓄積し、ヒストグラムHを生成する(図6参照)。ヒストグラムHは、投光部30からTOF測定用のパルスレーザ光を所定の計測時間に亘って繰り返し照射し、各々のパルスレーザ光に対応して得られたTOFの測定結果を累積することにより生成される。すなわち、投光部30からのパルスレーザ光の投光時刻tから受光部32における反射光パルスの受光時刻tまでの時間t−t(=TOF)について、所定の計測時間においてコンパレータ108がパルス信号を検出した回数(度数)を示している。本実施の形態では、TOFが計測される毎に、ヒストグラムHの対応するビンの値に加算器106の出力が加算される。これにより、同時にパルスを出力するSPAD数、すなわち入射光量がヒストグラムHの度数により正確に反映される。
所定の計測時間に亘る上記計測により生成されたヒストグラムHは、統計的に累積処理されることになるので、より遠方の路面からの弱い反射光パルスであっても捉えることができる。このように、反射光パルスの到来時刻を繰り返し測定してヒストグラムHを生成し、生成されたヒストグラムHのピーク値を抽出することによって、外乱光の存在下でも正しいTOFの計測を行うことができる。
上記のヒストグラムHによるTOFの算出処理は、投光部30から投光されるパルスレーザ光に対する反射光パルスが信号光検出部130に入射した場合には、多数のフォトンが同時に到来して複数のSPAD120で受光されるのに対し、外乱光が信号光検出部130に入射した場合には、フォトンがランダムなタイミングで到来するので、複数のSPAD120で同時に受光する確率は低いという性質に基づいた処理である。
以上のように構成されたTOF信号処理部100によれば、外乱光に起因するフォトンに対する応答を低減できるので、少ない測定回数でTOFを正しく計測することができる。
つづけて、本実施の形態に係る参照信号処理部200について説明する。図4(b)に示すように、参照信号処理部200は、フロントエンド部202(フロントエンド部202−1〜202−24)、パルス整形回路204(パルス整形回路204−1〜204−24)、加算器206、コンパレータ208、およびカウンタ210を備えている。
参照信号処理部200は、TOF信号処理部100におけるTDC110とヒストグラム処理部112を、カウンタ210に置き換えたものである。したがって、フロントエンド部202、パルス整形回路204、加算器206、およびコンパレータ208の動作は、各々フロントエンド部102、パルス整形回路104、加算器106、およびコンパレータ108の動作と同様なので説明を省略する。
上述したように、参照信号処理部200には外乱光のみが入射するように構成されているので、コンパレータ208の出力パルスの数を所定の時間に亘って計測することにより、外乱光(背景光)の光量を測定することができる。TOF信号処理部100における処理で得られた反射光パルスの情報には、正味のTOF信号成分と外乱光による背景光成分とが含まれる。したがって、ヒストグラムHのピーク値を抽出するときに、参照信号処理部200で処理された情報を用いることにより、適切に閾値を定めることができる。
つぎに、図5を参照して、車両に搭載した光学的測距装置10によって路面を計測する場合の、TOF画素間の光学的測距装置10と路面上の点との間の距離の違い、つまり俯角の違いと、路面の検出の難易度との関係について説明する。
図5に示すように、車両1の前方上部の、路面Rからの高さがHの位置に、本実施の形態に係る光学的測距装置10が搭載されている。光学的測距装置10の投光部30からは、ポリゴンミラー22によって連続して走査される投光光Ltのなかで、i番目のTOF画素GTによって受光される部分をLtとすると、投光光Ltは、光学的測距装置10との水平距離がXである路面R上の点Sに投光されている。投光光Ltの光軸と、路面Rとのなす角度をθとし、該角度θを俯角と定義する。先述したように、本実施の形態では、信号光検出部130および参照光検出部230が路面Rに対し垂直方向(すなわち、鉛直方向)に配置されていることから、俯角θを、i番目のTOF画素GTあるいは参照画素GRの観測方向の俯角とも称することにする。
路面Rを水平平面と仮定した場合の、光学的測距装置10から路面R上の点Sまでの距離DとTOFτとの関係は、図5に示す幾何学的な関係から以下に示す(式1)によって表される。


ここで、cは光速であり、c=3×10m/sec(second)である。
俯角θと路面R上の点Sの検出の難易度との関係について、俯角θに対するTOFτの変化率dτ/dθを用いて説明する。(式1)および(式2)から、dτ/dθは以下に示す(式3)で与えられる。
一例として、H=1.4mとし、5m前方の路面R(すなわち、水平距離X=5m)を計測する場合の俯角θは、θ=15.6度である。(式3)にθi=15.6度、H=1.4m、c=3×10m/secを代入すると、TOFτiの俯角θに対する変化率dτ/dθは、dτ/dθ=1.23×10−7(sec/度)となる。ひとつのTOF画素GTの垂直画角が0.1度であるとすると、ひとつのTOF画素GT内でのTOFτの変化率Δτは、Δτ=0.22nsec(nanosecond)となる。
一方、H=1.4mとし、30m前方の路面R(すなわち、水平距離X=30m)を計測する場合の俯角θは、θ=2.67度であり、この場合のΔτは、Δτ=7.5nsecとなる。さらに、H=1.4mとし、50m前方の路面R(すなわち、水平距離X=50m)を計測する場合の俯角θは、θ=1.60度であり、この場合のΔτは、Δτ=20nsecとなる。
つまり、0.1度という比較的狭い画素画角であっても、より遠方の路面Rの観測においては、ひとつのTOF画素GT内におけるTOFτの変化率Δτが大きくなることがわかる。ひとつのTOF画素GT内におけるTOFτの変化率Δτが大きくなると、反射光パルスのパルス幅が広がりピーク値が減少するので、TOFτの計測が困難になるという問題がある。
つぎに、図6を参照して、上記問題点を解決するための、本実施の形態における、より遠方の路面まで検出性能を高める方法について説明する。上記の説明で明らかなように、投光光Ltの俯角によって、各TOF画素GTで受光される反射光パルスに基づくTOFは、TOF画素GTごとに異なる。したがって、TOF画素GTごとの受光信号、すなわちヒストグラムを用いた場合には、ピーク値には一定の制限があり、遠方路面の検出性能にも自ずと限界がある。
そこで、本実施の形態では、近傍に配置されたTOF画素GTの間のTOFのずれ量を補正し、複数のTOF画素GTからの受光信号を合成する手法を採用している。このことにより、測定対象物が路面の場合には、受光信号のピーク値同士が加算され、受光信号がさらに増大されるので、受光信号のS/N比をさらに高めることができる。一方、測定対象物が障害物等の非路面の場合には、ピーク値同士が加算されないので、S/N比が高まることはない。
上記補正の具体的な方法として、本実施の形態では、注目画素のヒストグラムおよび該注目画素の近傍における1つまたは複数の画素のヒストグラム(以下、「個別ヒストグラム」という)を加算、統合して合成ヒストグラムを得、この合成ヒストグラムのピーク値に対応する時刻を用いてTOFを算出することにより、より遠方までの路面の検出性能を高めている。
図6(a)は、信号光検出部130において注目するTOF画素GT(以下、「画素」という)の個別ヒストグラムH、および画素の近傍の画素、すなわち前後に2つずつの画素、画素i−2、画素i−1、画素i+1、および画素i+2の個別ヒストグラムHi−2、Hi−1、Hi+1、およびHi+2を示している。各画素に対する俯角が異なるので、異なる時刻、ti−2、ti−1、t、ti+1、ti+2において、反射光パルスによるピークPKが形成される。
光学的測距装置10の車両1における設置位置および姿勢は既知であり、各画素の俯角θも既知であるから、路面Rの形状を仮定すれば、時刻ti−2、ti−1、t、ti+1、およびti+2の算出は可能である。本実施の形態では、各画素、画素i−2、画素i−1、画素、画素i+1、および画素i+2のピーク値形成時刻を、画素のピーク値形成時刻を基準として、ti−2−t、ti−1−t、0、ti+1−t、ti+2−tだけシフトさせて加算、統合し、図6(b)に示すような合成ヒストグラムHを得る。各画素の観測対象が上記の仮定した路面Rであれば、各画素に対応する個別ヒストグラムHのピーク値を与える時刻が重なって加算、統合されるので、合成ヒストグラムHはより大きなピーク値を形成する。その結果、路面Rの検出性能が高められる。
以上詳述したように、本実施の形態に係る光学的測距装置によれば、測定対象物、特に遠方に位置する測定対象物の検出性能を高めることができる。より遠方までの測定対象物の検出が可能になると、測定可能な測定点をより増加させることができる。より多数の測定点が得られると、連続性や直線性を考慮した測定対象物の統計的な推定がより正確で、よりロバストなものとなる。
[第2の実施の形態]
本実施の形態は、上述した方法を用いてあるヒストグラムについてなされたピーク値の検出、すなわちTOFの計測が、信頼に足るものであるか否かを判断するために「信頼度」という指標を導入し、さらに路面の検出性能を高めた形態である。上記実施の形態による補正を行った場合でも、補正後の受光信号により誤ったTOFを計測する場合が皆無とはいえない。本実施の形態は、この誤計測の回避を目的とする形態である。
図7を参照して、TOF信号処理部100および参照信号処理部200の出力を用いて計測されたTOFについての、上記信頼度を算出する方法について説明する。図7は、TOF信号処理部100で作成されるヒストグラムの一例であり、横軸は時間、縦軸は度数(カウント値)を示している。図7において、Pは反射光パルスの強度のピーク値(図7では、「P:ピークレベル」と表記)を示し、Nは外乱光の強度の平均値(図7では、「N:ノイズレベル」と表記)を示している。
図7に示すように、TOFを算出するヒストグラムでは、TOFを示す時間t(受光時刻tに相当する時刻)にピーク値Pが形成される。このピーク値は反射光パルスの強度を示している。ただし、このピーク値Pには外乱光成分がオフセットとして含まれている。したがって、ピーク値Pからオフセットの外乱光成分の平均値Nを減算したP−Nが、ピーク値で見た場合の正味のTOF信号成分となる。
本実施の形態では、図7に示すヒストグラムの信頼度を、図7に示すヒストグラムのS/N比を用いて定義する。外乱光成分のゆらぎ量をノイズ成分とみなせば、図7に示すヒストグラムのノイズ成分は、外乱光成分の平均値Nの平方根で表すことができる。したがって、図7に示すヒストグラムのS/N比は、正味のTOF信号成分P−Nをノイズ成分の平均値Nの平方根で除したものとなるので、信頼度Cは以下に示す(式4)で定義することができる。

なお、信頼度Cは、個別ヒストグラムH、合成ヒストグラムHの区別なく算出することが可能である。
ここで、以下においては、合成ヒストグラムHを算出することを「補正する」ということにする。したがって、合成する前の個別ヒストグラムHは補正がなされていない。本実施の形態では、この補正ありの場合の信頼度と、補正なしの場合の信頼度とを比較することにより、測定対象物が路面であるか否か(障害物等であるか否か)について、より確実に判定することを可能としている。
補正後、すなわち合成後の外乱光成分は、合成の対象であるTOF画素GTに対応する参照画素GRの出力の和を算出することにより得られる。合成後のTOF信号成分は合成ヒストグラムHのピーク値から求めることができる。
一例として、合成前のTOF信号成分のピーク値がP、外乱光成分の平均値がN、外乱光に起因するノイズ成分がNの平方根である2つの画素の受光信号について考える。この場合、合成後の外乱光成分の平均値は2・Nであるから、ノイズ成分は2・Nの平方根である。画素の観測対象が路面である場合、合成後のTOF信号成分のピーク値は2・Pとなる。したがって、合成後の、つまり補正後の信頼度Cは、以下に示す(式5)のように表せる。
(式5)は以下に示す(式6)にように変形できるので、合成後すなわち補正後の信頼度Cは、合成前すなわち補正前の信頼度Cの2の平方根倍となることがわかる。
観測対象が路面ではないもの、たとえば、路面に垂直な面を有する立体物について、上記同様2つの画素の合成を考えると、補正後の外乱光成分を含むTOF信号成分のピーク値はP+Nであり、補正後の正味のTOF信号成分のピーク値は補正前と同じP−Nである。一方、補正後のノイズ成分は2・Nの平方根であるから、この場合の信頼度C’は、以下に示す(式7)で与えられる。
(式7)は以下に示す(式8)のように変形できるので、補正後の信頼度C’は補正前の信頼度Cを2の平方根で除したものとなる。
以上の検討結果から、本実施の形態では、補正後の信頼度が補正前の信頼度より大きくなる場合には観測対象が路面であると判定し、補正後の信頼度が補正前の信頼度以下となる場合には観測対象が非路面(障害物)であると判定する。そして、路面と判定された場合には補正された合成ヒストグラムを採用してピーク値を検出し、非路面と判定された場合には補正なしのヒストグラムを採用してピーク値を検出する。
以上、詳述したように、本実施の形態によれば、補正の有無による信頼度を比較し、観測対象が路面か非路面かでピーク値を検出する対象を異ならせているので、TOFの誤検出を防止することができる。その結果、路面Rの検出性能が高められ、また、受光時刻tの測定もより正確なものとなるので、より遠方に位置する路面までの距離を、より正確に測定することができる。
[第3の実施の形態]
上記の実施の形態では、ヒストグラムのS/N比によるヒストグラムのピーク値検出の信頼度Cを用い、主として路面Rの検出性能を高める形態を示した。本実施の形態は、ヒストグラムのS/N比を用い、ノイズのレベルに応じて受信回路(具体的には、TOF信号処理部100)のS/N比の改善を図る形態である。
ここでは、説明の便宜上、上記個別ヒストグラムHの信頼度を「個別信頼度C」、合成ヒストグラムHの信頼度を「合成信頼度C」と称する。また、上記の実施の形態は、路面Rの検出が主目的であったので、画素ごとに俯角が異なり、異なる時刻において反射光パルスによるピークPKが形成される形態(異なる距離に観測対象が存在する形態)を例示して説明した。それに対し、本実施の形態は、観測対象が異なる距離に存在するか、同一の距離に存在するかに関わらず、受信回路のS/N比の改善を図る形態である。したがって、以下では、観測対象が同一の距離に存在する場合を例示して説明する。観測対象が同一の距離に存在する場合とは、たとえば、路面Rに対しほぼ垂直な面を有する障害物を観測するような場合である。
上述したように、個別信頼度Cは個別ヒストグラムHのS/N比であり、合成信頼度Cは合成ヒストグラムHのS/N比である。そこで、本実施の形態では、上述した方法によって、個別ヒストグラムHおよび合成ヒストグラムHを取得したのち、個別信頼度Cおよび合成信頼度Cを算出する。そして、算出された個別信頼度Cと合成信頼度Cとを比較し、合成ヒストグラムHおよび個別ヒストグラムHのいずれをTOF信号処理部100の出力とするかを判定する。
以下、本実施の形態に係る受信回路のS/N比改善方法について、より具体的に説明する。まず、個別信頼度Cおよび合成信頼度Cは、上記実施の形態と同様にして算出することができる。すなわち、信号光検出部130において注目するTOF画素GTである画素の個別ヒストグラムH、および画素の近傍の画素、画素i−2、画素i−1、画素i+1、および画素i+2の個別ヒストグラムHi−2、Hi−1、Hi+1、およびHi+2は、図6(a)のように求めることができる。ただし、本実施の形態では、観測対象が同一の距離に存在するので、Hi−2、Hi−1、H、Hi+1、およびHi+2は、同一の時刻に観測される。
合成ヒストグラムHは、個別ヒストグラムHi−2、Hi−1、H、Hi+1、およびHi+2を、時間差を補正することなく加算、統合して、図6(b)のように求めることができる。各画素の観測対象が上記の仮定した障害物等であれば、各画素に対応する個別ヒストグラムHのピーク値を与える時刻が重なって加算、統合されるので、合成ヒストグラムHはより大きなピーク値を形成する。
いま、上記実施の形態と同様に、注目画素を画素とし、該画素に、画素の近傍の画素i+1を合成する場合を考える。合成後の外乱光成分は画素および画素i+1のヒストグラム出力の和から、上記実施の形態と同様の方法で求めることができる。合成後の信号成分は画素および画素i+1のヒストグラム出力の和のピーク値から求めることができる。一例として、画素および画素i+1の個別ヒストグラムのピーク値がP、外乱光成分がN、ノイズ成分がNの平方根である場合を考える。この場合の個別信頼度Cは、(式4)を用いて各々以下に示す(式9)で与えられる。
一方、個別ヒストグラムHの合成後の外乱光成分は2N、ノイズ成分は2Nの平方根となる。画素および画素i+1が同じ距離の対象を観測するとき、上述のように合成前の個別ヒストグラムHのピークは同じ時刻に形成されるので、合成後のピーク値は加算されて2Pとなる。したがって、観測対象が同一距離に存在する場合の合成信頼度CTOは、式(5)を用いて以下に示す(式10)で与えられる。

すなわち、観測対象が同一の距離に存在する場合の合成信頼度CTOは、個別信頼度Cの2の平方根倍となる。
一方、画素および画素i+1が異なる距離の対象を観測するとき、合成前の個別ヒストグラムHのピークは異なる時間に形成されるので、合成後のピーク値は加算されずに、大きさP+Nの2つのピークが異なる時間に形成される。しかしながら、この場合も外乱光成分は加算されて2Nとなり、ノイズ成分は2Nの平方根となる。信号成分はピーク値P+Nから外乱光成分2Nを減じたP−Nであり、個別ヒストグラムHと同じである。
したがって、観測対象が異なる距離に存在する場合の合成信頼度CTRは、以下に示す(式11)で与えられる。

すなわち、観測対象が異なる距離に存在する場合の合成信頼度CTRは、個別信頼度Cを2の平方根で除した値となる。
以上のように、本実施の形態では、観測対象の距離に応じて、個別信頼度Cに対する合成信頼度Cの値、すなわちS/N比の値が異なることを利用する。つまり、観測対象が同一距離にある場合の合成信頼度CTOは個別信頼度Cより大きくなり、観測対象が異なる距離にある場合の合成信頼度CTRは個別信頼度Cより小さくなることを利用する。
本実施の形態では、観測対象が同一距離に存在する場合において、同一時刻における個別ヒストグラムHを合成する場合を例示して説明したが、上記の個別信頼度Cと合成信頼度Cとの大小関係は、観測対象が異なる距離に存在する場合において、俯角の違いに基づく時間差を補正して個別ヒストグラムHを合成する場合でも同様に成り立つ。ただし、先述したように、この場合の合成信頼度CTOおよびCTRと、個別信頼度Cとの大小関係は逆になる。
そして、本実施の形態では、合成信頼度Cが個別信頼度C以下の場合には、個別ヒストグラムHを出力する。このような判定処理を行うことにより、受信回路から出力される信号のS/N比は少なくとも個別信頼度Cより小さくなることがない。一方、合成信頼度Cが個別信頼度Cより大きい場合には、合成ヒストグラムHを出力する。このような判定処理を行うことによりさらに大きなS/N比が見込める場合を判別し、よりS/N比を向上させることが可能となる。
以上詳述したように、本実施の形態に係る受信回路のS/N比の改善方法によれば、個別ヒストグラムを合成する場合としない場合とでピーク値検出の信頼度、すなわち、S/N比を比較することにより、個別ヒストグラムHの合成の適否を適切に判定できるので、常に最適なS/N比の受光信号が得られる。
ここで、本実施の形態では、注目画素とその近傍の1画素を合成する形態を例示して説明たが、これに限られず、合成される近傍画素は複数であってもよい。この場合、注目画素と近傍の画素の1対ずつで、個別ヒストグラムHの合成の適否を判断してもよく、また、注目画素とすべての近傍画素との合成の適否を同時に判断することもできる。
また、本実施の形態では、受光LSI12上の異なる複数の画素を合成する形態を例示して説明したが、これに限られず、受光LSI12上の同一画素の異なる時刻の出力を合成することもできる。受光LSI12上の画素は、観測対象空間において鉛直方向に列をなして並んでいるのに対し、水平方向に走査中の連続する異なる時刻の出力は、水平方向に並ぶ。したがって、上記合成は、水平方向の隣接画素の出力を合成していることに相当する。
なお、上記各実施の形態では、路面として水平の平面路面を仮定し、俯角が時間的に変動しない場合について本発明を適用した形態を例示して説明したが、これに限られず、勾配や曲率が異なる複数の路面パターンを仮定し、俯角が時間的に変動する場合について本発明を適用した形態としてもよい。この場合、仮定した複数の路面パターンごとに求めたピーク値形成時刻tに基づいて、注目画素の個別ヒストグラムおよび該注目画素の近傍画素の個別ヒストグラムを加算、統合して合成ヒストグラムを生成する。その複数の路面パターンに対応する複数の加算、統合された合成ヒストグラムの信頼度を比較し、最も信頼度が大きくなる路面パターンを採用する。このことにより、さまざまな形状の路面に対して柔軟に対応した路面の検出が可能となる。
さらに、上記各実施の形態に係る光学的測距装置が搭載された移動体(車両等)の上下運動に伴う俯角の変動について考慮した、本発明の実施の形態とすることも可能である。
この場合、俯角θに正負の複数のオフセット値を加算した複数の俯角ごとに求めたピーク値形成時刻tに基づいて、上記同様最も信頼度が大きくなる俯角条件を採用すればよい。
また、上記各実施の形態では、24個のSPADからなるSiPMを用いた画素(TOF画素GT、参照画素GR)により光検出部を構成する形態を例示して説明したが、これに限られず、SPADの数を他の適宜な数としたSiPMを用いた画素により光検出部を構成する形態としてもよい。さらに、1個のSPADでも画素を構成することが可能であり、この場合でも個別ヒストグラムの生成、および合成ヒストグラムの生成(すなわち、補正)が可能である。
また、上記各実施の形態では、ガイガーモードのSPADにより受光部を構成する形態を例示して説明したが、これに限られず、リニアモードのAPDにより受光部を構成し、受光信号として該受光部から得られる時系列信号を用いる形態としてもよい。
また、上記各実施の形態では、信号光検出部と参照光検出部とを同じ素子構造で形成する形態を例示して説明したが、これに限られず、各々の光検出部に要求される特性等を考慮して、信号光検出部と参照光検出部とを異なる素子構造とした形態としてもよい。また、信号光検出部と参照光検出部とで受光モード(ガイガーモード、リニアモード)を異ならせてもよい。さらに、参照光検出部を用いないで、信号光検出部だけを用いて光検出部を構成することも可能である。この場合、照射光を投光しない休止期間における信号光検出部からの受光信号から、外乱光レベルを求めることができる。
また、上記各実施の形態では、光検出部と信号処理部とを集積化した形態を例示して説明したが、これに限られず、光検出部と信号処理部とを別々の半導体集積回路で形成してもよい。
また、上記各実施の形態では、参照光検出部の観測方向を次回の信号光検出部の観測方向とする形態を例示して説明したが、これに限られず複数回先の観測方向とする形態としてもよい。さらに、参照光検出部の観測方向を前回の信号光検出部の観測方向とする形態としてもよい。
また、上記各実施の形態では、受光信号の信号処理を、TOF信号処理部100および参照信号処理部200が実行する形態を例示して説明したが、これに限られず、各信号処理部の機能、あるいはその一部をソフトウエアによりプログラムとして記述し、該プログラムを図示しない制御部のCPUが実行する形態としてもよい。この場合、当該プログラムを図示しないROMに格納しておき、CPUが図示しないRAMに展開して実行するようにしてもよい。
1 車両
6 走行路
7 路傍
8 建造物
10 光学的測距装置
12 受光LSI
13 レーザスキャナ
14 受光基板
16 投光基板
18 LD素子
20 双曲面ミラー
22 ポリゴンミラー
23 照射パルス
24 電源基板
27 制御基板
25 反射パルス
26 筐体
29 照射ビーム
30 投光部
32 受光部
35 反射面
50 光検出部
100 TOF信号処理部
102 フロントエンド部
104 パルス整形回路
106 加算器
108 コンパレータ
110 TDC
112 ヒストグラム処理部
120 SPAD
122 抵抗
124 プリアンプ
130 信号光検出部
200 参照信号処理部
202 フロントエンド部
204 パルス整形回路
206 加算器
208 コンパレータ
210 カウンタ
220 SPAD
230 参照光検出部
A 回転軸
DT、DR 観測方向
GT TOF画素
GR 参照画素
K 開口
Lt 投光光
Lr 受光光
Pt 照射光パルス
Pr 反射光パルス
PK ピーク
Si 点
Xi 水平距離

Claims (7)

  1. 測定対象物に対し照射光パルスを投光する投光部と、
    前記測定対象物で反射された反射光パルスが結像した結像面上に配置されるとともに、前記反射光パルスを受光する複数の受光画素を有する受光部と、
    前記複数の受光画素の各々から出力される複数の受光信号のうち注目画素と前記注目画素の近傍の1つまたは複数の画素から出力される受光信号を選択し複数の個別受光信号として出力する選択部と、
    前記複数の個別受光信号を加算した合成受光信号を出力する合成部と、
    前記合成受光信号を用いて前記注目画素に対応する前記照射光パルスの投光時刻と前記反射光パルスの受光時刻との差である飛行時間を算出し、前記飛行時間に基づいて前記測定対象物までの距離を算出する距離算出部と、を含み、
    前記合成部は、前記受光画素の観測方向が異なることによる前記反射光パルスの受光時刻の差を補正して前記複数の個別受光信号を加算し、前記合成受光信号を出力する
    光学的測距装置。
  2. 測定対象物に対し照射光パルスを投光する投光部と、
    前記測定対象物で反射された反射光パルスが結像した結像面上に配置されるとともに、前記反射光パルスを受光する複数の受光画素を有する受光部と、
    前記複数の受光画素の各々から出力される複数の受光信号のうち注目画素と前記注目画素の近傍の1つまたは複数の画素から出力される受光信号を選択し複数の個別受光信号として出力する選択部と、
    前記複数の個別受光信号を加算した合成受光信号を出力する合成部と、
    前記合成受光信号を用いて前記注目画素に対応する前記照射光パルスの投光時刻と前記反射光パルスの受光時刻との差である飛行時間を算出し、前記飛行時間に基づいて前記測定対象物までの距離を算出する距離算出部と、
    信号と雑音との比率に基づいて前記個別受光信号のピーク値検出の信頼度である個別信頼度を算出し、信号と雑音との比率に基づいて前記合成受光信号のピーク値検出の信頼度である合成信頼度を算出する信頼度算出部と、を含み、
    前記合成部は、前記合成信頼度が前記個別信頼度より大きい場合に前記合成受光信号を出力するとともに、前記合成信頼度が前記個別信頼度以下の場合には、前記注目画素に対応する前記個別受光信号を前記合成受光信号として出力する
    光学的測距装置。
  3. 信号と雑音との比率に基づいて前記個別受光信号のピーク値検出の信頼度である個別信頼度を算出し、信号と雑音との比率に基づいて前記合成受光信号のピーク値検出の信頼度である合成信頼度を算出する信頼度算出部をさらに含み、
    前記合成部は、前記合成信頼度が前記個別信頼度より大きい場合に前記合成受光信号を出力するとともに、前記合成信頼度が前記個別信頼度以下の場合には、前記注目画素に対応する前記個別受光信号を前記合成受光信号として出力する
    請求項に記載の光学的測距装置。
  4. 前記合成信頼度が前記個別信頼度より大きい場合には前記測定対象物が路面であると判定するとともに、前記合成信頼度が前記個別信頼度以下の場合には前記測定対象物が非路面であると判定する判定部をさらに含む
    請求項に記載の光学的測距装置。
  5. 前記受光部は、前記反射光パルスを含まない外乱光のみを受光する受光画素を備えた外乱光受光部を有し、
    前記信頼度算出部は、前記受光信号のピーク値を前記信号とし、前記外乱光受光部の出力を雑音として前記個別信頼度を算出する
    請求項〜請求項のいずれか1項に記載の光学的測距装置。
  6. 測定対象物に対し照射光パルスを投光する投光部と、
    前記測定対象物で反射された反射光パルスが結像した結像面上に配置されるとともに、前記反射光パルスを受光する複数の受光画素を有する受光部と、
    前記複数の受光画素の各々から出力される複数の受光信号のうち注目画素と前記注目画素の近傍の1つまたは複数の画素から出力される受光信号を選択し複数の個別受光信号として出力する選択部と、
    前記複数の個別受光信号を加算した合成受光信号を出力する合成部と、
    前記合成受光信号を用いて前記注目画素に対応する前記照射光パルスの投光時刻と前記反射光パルスの受光時刻との差である飛行時間を算出し、前記飛行時間に基づいて前記測定対象物までの距離を算出する距離算出部と、を含み、
    前記投光部は、予め定められた計測時間に亘って前記測定対象物に繰り返し前記照射光パルスを投光し、
    前記選択部は、注目画素と前記注目画素の近傍の1つまたは複数の画素の各々から出力される、繰り返し投光された前記照射光パルスの受光信号を時間軸に沿って累積した個別ヒストグラムを前記個別受光信号として出力し、
    前記合成部は前記個別ヒストグラムを加算した合成ヒストグラムを前記合成受光信号として出力し、
    前記距離算出部は、前記合成ヒストグラムのピーク値に対応する時刻を前記受光時刻として前記測定対象物までの距離を算出する
    光学的測距装置。
  7. 前記投光部は、予め定められた計測時間に亘って前記測定対象物に繰り返し前記照射光パルスを投光し、
    前記選択部は、注目画素と前記注目画素の近傍の1つまたは複数の画素の各々から出力される、繰り返し投光された前記照射光パルスの受光信号を時間軸に沿って累積した個別ヒストグラムを前記個別受光信号として出力し、
    前記合成部は前記個別ヒストグラムを加算した合成ヒストグラムを前記合成受光信号として出力し、
    前記距離算出部は、前記合成ヒストグラムのピーク値に対応する時刻を前記受光時刻として前記測定対象物までの距離を算出する
    請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の光学的測距装置。
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