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JP6471912B2 - 高純度硫酸コバルト水溶液の製造方法 - Google Patents

高純度硫酸コバルト水溶液の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、高純度硫酸コバルト水溶液の製造方法に関する。
より詳しくは、塩化ニッケルと塩化コバルトの混合水溶液から高純度硫酸コバルト水溶液を製造する方法に関する。
コバルトは、特殊鋼や磁性材料の合金用元素として、産業上、広く利用されている。その特殊鋼としては、優れた耐摩耗性、耐熱性から、航空宇宙、発電機、工具用途に用いられ、磁性材料としては、強い磁性を生かして小型ヘッドホンや小型モーター等に用いられている。
さらには、コバルトは、リチウムイオン二次電池の正極材の原料として使用されているが、近年、自動車用、電力貯蔵用、小型パーソナルコンピューターやスマートフォン等の移動式情報処理端末用として、リチウムイオン二次電池の需要は増加の一途をたどっている。
コバルトは、鉱物資源としてはニッケルや銅に付随して含まれることが多く、ニッケル製錬や銅製錬の副産物として産出されるものが大半を占めているため、コバルトの製造においてはニッケルや銅を始めとする不純物の分離が重要な技術要素となっている。
例えば、ニッケルの湿式製錬において副産物としてコバルトを回収する場合、まずニッケルとコバルトを含む水溶液を得るため、原料を鉱酸や酸化剤等を用いて水溶液に浸出又は抽出するか若しくは溶解処理に付する。
得られた酸性水溶液中に含まれるニッケルとコバルトは、各種の有機抽出剤を用いた溶媒抽出法によって分離回収されるのが一般的である。
例えば、コバルトを含んだニッケル原料を塩素ガスの酸化力を利用して浸出して得られた、不純物を含んだ塩化ニッケルと塩化コバルトの混合水溶液から、アミン系抽出剤を用いた溶媒抽出法によって不純物を含有した塩化コバルト水溶液としてコバルトを分離し、特許文献1に開示された方法により不純物を含有した塩化コバルト水溶液の精製を行った後、塩化コバルト水溶液を電解採取に供することによって電気コバルトとして製品化する方法が実用化されている。
ところで、コバルトの用途が、リチウムイオン二次電池の正極材の原料の場合、溶液系の反応によってコバルト酸リチウム等の正極材が製造されることから、原料として使用されるコバルトは、水溶性塩の結晶か水溶液の形態であることが望ましい。
さらには、硫酸コバルト水溶液であることが、より望ましい。
従来は、この硫酸コバルト水溶液は、一旦、製品化された電気コバルト(金属コバルト)を、再度、硫酸水溶液に溶解することによって製造していた。
さらには、電気コバルトを硫酸水溶液に溶解することによって得られた硫酸コバルト水溶液を、濃縮、結晶、脱水、乾燥させることによって硫酸コバルトの結晶を製造することも行われていた。
しかしながら、コストの掛かる電解採取工程を経ずに、直接、硫酸コバルト水溶液を製造するプロセスの方が、より効率的である。
ところで、リチウムイオン二次電池の正極材の原料としての硫酸コバルト水溶液には、不純物であるカルシウムの含有率が低い高純度硫酸コバルト水溶液が望ましいとされている。
そこで、電解採取法によれば、電解還元による金属化の過程で、カルシウムを全く含有しないコバルトを得ることができる。言い換えれば、電解採取工程によって、カルシウムを分離、除去することができることになり、その電解採取法に適した供試液を提供するための塩化コバルト水溶液の浄液方法が特許文献2に提案されている。
一方で、電解採取工程を経ずに、カルシウム濃度の低い硫酸コバルト水溶液を製造するプロセスとしては、特許文献3に、ホスホン酸またはホスフィン酸を用いた溶媒抽出法により、硫酸コバルト溶液を生成する方法が開示されている。
この特許文献3に開示された方法を用いれば、アミン系抽出剤を用いた溶媒抽出により得られた塩化コバルト水溶液を、硫酸コバルト水溶液に転換することができる。
しかしながら、塩化コバルト水溶液に不純物が含まれると、その不純物はホスホン酸またはホスフィン酸に抽出されてしまうため、コバルトが抽出された有機溶媒を硫酸コバルト水溶液で洗浄する洗浄工程が必要となる。
さらに、その洗浄工程で得られた洗浄後の硫酸コバルト水溶液にも不純物が残留するため、その不純物の除去工程も必要になってくる。
よって、コバルトの繰返し量、すなわち製品化されないコバルト量が増え、多大なコストが掛かることになる。
また、特許文献4には、有機リン酸型とオキシム型からなる混合有機溶媒抽出剤を使用して、コバルト溶液中の不純物を有機溶媒中に抽出分離する方法が開示されているが、特許文献4に開示された方法では、不純物と共に溶媒抽出されたコバルトを回収する必要があり、回収されたコバルト溶液から不純物を除去する工程が必要となってくる。
さらに、カルシウムのコバルトとの分離効率が高くは無く、ある程度のカルシウムがコバルト溶液に分配してしまう。
すなわち、特許文献3、特許文献4のいずれの方法においても、不純物を含んだコバルト水溶液が発生するため、その処理のために手間が必要となりコストが掛かることになる。
特開2015−203134号公報 特開2016−14164号公報 特開2012−153546号公報 特開平11−050167号公報
そこで、本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みて発明されたものであり、塩化ニッケルと塩化コバルトの混合水溶液から不純物濃度が低く、コバルト純度が高い硫酸コバルト水溶液である高純度硫酸コバルト水溶液を製造する方法であって、不純物を含んだコバルト水溶液を発生させず、特にカルシウムを含まない高純度硫酸コバルト水溶液を低コストで効率的に得ることができる、高純度硫酸コバルト水溶液の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく、特に、カルシウム、マンガン、鉄、銅を含む塩化ニッケルと塩化コバルトの混合水溶液から、これらの不純物を含まない高純度硫酸コバルト水溶液を製造する方法について鋭意検討を重ねた結果、特にpH調整剤として非カルシウム系アルカリスラリーまたは水溶液を使用することによって、効率良く高純度硫酸コバルト水溶液を製造することができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の第1の発明は、少なくともカルシウム、マンガン、鉄、銅を含む塩化ニッケルと塩化コバルトの混合水溶液から高純度硫酸コバルト水溶液を製造する方法において、(1)前記少なくともカルシウム、マンガン、鉄、銅を含む塩化ニッケルと塩化コバルトの混合水溶液を、アミン系抽出剤を用いた溶媒抽出に供することによって、コバルト、マンガン、鉄、銅が抽出されたアミン系有機溶媒を得るアミン系抽出工程、(2)前記コバルト、マンガン、鉄、銅が抽出されたアミン系有機溶媒に弱酸性塩酸水溶液を接触させることによって、前記アミン系有機溶媒中のコバルトを前記アミン系有機溶媒から前記弱酸性塩酸水溶液に逆抽出し、微量のマンガン、銅を含んだ塩化コバルト水溶液を得るアミン系逆抽出工程、(3)前記微量のマンガン、銅を含んだ塩化コバルト水溶液に酸化剤と、非カルシウム系アルカリスラリー又は水溶液を添加し、800以上、1050mV未満(Ag/AgCl電極基準)の酸化還元電位およびpHを2.0〜3.0に調整することにより、マンガンの酸化物沈澱を生成させて分離し、マンガン濃度が0.001g/L以下に除去された塩化コバルト水溶液を得る脱マンガン工程、(4)前記マンガンが除去された塩化コバルト水溶液に硫化剤と、非カルシウム系アルカリスラリー又は水溶液を添加し、−100以上、−50mV以下(Ag/AgCl電極基準)の酸化還元電位およびpHを1.3以上、1.5以下に調整することにより、銅の硫化物沈澱を生成させて分離し、マンガン濃度が0.001g/L以下、銅濃度が0.0005g/L以下に除去された塩化コバルト水溶液を得る脱銅工程、(5)前記(4)の工程で得られた塩化コバルト水溶液を水相として用い、非カルシウム系アルカリ水溶液で前記水相のpHを調整しつつ酸性リン酸系抽出剤を用いた溶媒抽出に供することによって、コバルトが抽出された有機相であるコバルト濃度10g/L以下の酸性リン酸系有機溶媒を得る酸性リン酸系抽出工程、(6)前記コバルトが抽出された酸性リン酸系有機溶媒に硫酸水溶液を接触させることによって、前記酸性リン酸系有機溶媒中のコバルトを前記酸性リン酸系有機溶媒から水相である前記硫酸水溶液に逆抽出し、コバルト/カルシウムの重量比が2500以上の高純度硫酸コバルト水溶液を得る酸性リン酸系逆抽出工程を含むことを特徴とする高純度硫酸コバルト水溶液の製造方法である。
本発明の第2の発明は、第1の発明におけるアミン系逆抽出工程で使用する弱酸性塩酸水溶液、脱マンガン工程で使用する非カルシウム系アルカリスラリー又は水溶液、脱銅工程で使用する非カルシウム系アルカリスラリー又は水溶液、酸性リン酸系抽出工程で使用する非カルシウム系アルカリ水溶液、及び酸性リン酸系逆抽出工程で使用する硫酸水溶液の溶媒として、カルシウム濃度が、2mg/L以下の純水又は軟水を使用し、その酸性リン酸系逆抽出工程においてコバルト/カルシウムの重量比が15000以上の高純度硫酸コバルト水溶液を得ることを特徴とする高純度硫酸コバルト水溶液の製造方法である。
本発明の第3の発明は、第1及び第2の発明における酸性リン酸系抽出工程の水相pHが4.0〜5.0、有機相の流量を水相の流量で除した流量比(O/A)を7〜9、及び酸性リン酸系逆抽出工程の水相pHが1.5〜1.8であることを特徴とする高純度硫酸コバルト水溶液の製造方法である。
本発明の第4の発明は、第1から第3の発明におけるアミン系抽出剤が3級アミンで、酸性リン酸系抽出剤が酸性リン酸エステルであることを特徴とする高純度硫酸コバルト水溶液の製造方法である。
本発明の第5の発明は、第1から第4の発明における酸性リン酸系抽出工程では、2段からなる多段向流型溶媒抽出装置を用い、酸性リン酸系逆抽出工程では、2段からなる多段向流型溶媒抽出装置を用いることを特徴とする高純度硫酸コバルト水溶液の製造方法である。
本発明の高純度硫酸コバルト水溶液の製造方法によれば、不純物を含んだコバルト水溶液を発生させず、特にカルシウムを含まない高純度硫酸コバルト水溶液を低コストで効率的に得ることができる。
本発明の高純度硫酸コバルト水溶液の製造プロセスの概略フロー図である。 従来の高純度硫酸コバルト水溶液の製造プロセスの概略フロー図である。
本発明は、(1)少なくともカルシウム、マンガン、鉄、銅を含む塩化ニッケルと塩化コバルトの混合水溶液を、アミン系抽出剤を用いた溶媒抽出に供することによって、コバルト、マンガン、鉄、銅が抽出されたアミン系有機溶媒を得るアミン系抽出工程、(2)そのアミン系抽出工程で得られたコバルト、マンガン、鉄、銅が抽出されたアミン系有機溶媒に弱酸性塩酸水溶液を接触させることによって、そのアミン系有機溶媒中のコバルトをアミン系有機溶媒から弱酸性塩酸水溶液に逆抽出し、微量のマンガン、銅を含んだ塩化コバルト水溶液を得るアミン系逆抽出工程、(3)そのアミン系逆抽出工程で得られた微量のマンガン、銅を含んだ塩化コバルト水溶液に酸化剤と、非カルシウム系アルカリスラリー又は水溶液を添加し、800以上、1050mV未満(Ag/AgCl電極基準)の酸化還元電位およびpHを2.0〜3.0に調整することにより、マンガンの酸化物沈澱を生成させて分離し、マンガン濃度が0.001g/L以下に除去された塩化コバルト水溶液を得る脱マンガン工程、(4)その脱マンガン工程で得られたマンガンが除去された塩化コバルト水溶液に硫化剤と、非カルシウム系アルカリスラリー又は水溶液を添加し、−100以上、−50mV以下(Ag/AgCl電極基準)の酸化還元電位およびpHを1.3以上、1.5以下に調整することにより、銅の硫化物沈澱を生成させて分離し、マンガン濃度が0.001g/L以下、銅濃度が0.0005g/L以下に除去された塩化コバルト水溶液を得る脱銅工程、(5)その脱銅工程で得られた塩化コバルト水溶液を水相に用いて非カルシウム系アルカリ水溶液で、その水相のpHを調整しつつ酸性リン酸系抽出剤を用いた溶媒抽出に供することによって、コバルトが抽出された有機相であるコバルト濃度10g/L以下の酸性リン酸系有機溶媒を得る酸性リン酸系抽出工程、(6)その酸性リン酸系抽出工程で得たコバルトが抽出された酸性リン酸系有機溶媒に硫酸水溶液を接触させることによって、その酸性リン酸系有機溶媒中のコバルトを酸性リン酸系有機溶媒から水相である硫酸水溶液に逆抽出し、コバルト/カルシウムの重量比が2500以上の高純度硫酸コバルト水溶液を得る酸性リン酸系逆抽出工程の(1)から(6)の工程によって全体プロセスが構成され、pH調整剤として非カルシウム系アルカリスラリー又は非カルシウム系アルカリ水溶液を使用する。
さらに、好ましくは、アミン系逆抽出工程で使用する弱酸性塩酸水溶液、脱マンガン工程で使用する非カルシウム系アルカリスラリー又は非カルシウム系アルカリ水溶液、脱銅工程で使用する非カルシウム系アルカリスラリー又は非カルシウム系アルカリ水溶液、酸性リン酸系抽出工程で使用する非カルシウム系アルカリ水溶液、および酸性リン酸系逆抽出工程で使用する硫酸水溶液の溶媒として、カルシウム濃度が2mg/L以下の純水または軟水を使用する。
本発明では、特に、酸性リン酸系抽出剤ではコバルトとの完全な分離が困難で、水酸化カルシウム等の中和剤に含有されており、一般的な工業用水にもある程度含有されているカルシウムを含有しない高純度硫酸コバルト水溶液を製造することができる。
ここでは、本発明の一実施形態として、ニッケルの湿式製錬プロセスで得られた塩化ニッケルと塩化コバルトの混合水溶液から高純度硫酸コバルト水溶液を製造する場合を例にとって、以下に説明する。
[ニッケルの湿式製錬プロセス]
先ず、ニッケル製錬においては、例えば、ニッケル硫化鉱石を溶鉱炉で溶解して得られるニッケル硫化物や、ニッケル酸化鉱石に硫黄を添加して電気炉で溶解して得られるニッケル硫化物等、いわゆる乾式製錬法で得られたNi等のニッケル硫化物を主成分とするニッケルマットが生産されている。
一方で、低ニッケル品位のニッケル酸化鉱石を加圧酸浸出し、その加圧酸浸出液から鉄をはじめとする不純物を除去した後、湿式硫化反応によって、例えば硫化水素ガスをニッケルイオンおよびコバルトイオンを含んだ浸出液中に吹込むことによって、得られたNiS等の硫化物を主成分とするニッケルおよびコバルトを含む混合硫化物(以降、混合硫化物と称する。)も生産されている。
上記ニッケルマットや混合硫化物を原料として、ニッケルおよびコバルトを精製する方法としては、ニッケルマットや混合硫化物を塩素ガスの酸化力を利用して浸出し、浸出されたニッケルイオンおよびコバルトイオンを電解採取によって電気ニッケル及び電気コバルトとして製品化する方法が実用化されている。
この方法は、混合硫化物を、塩化物水溶液にレパルプした後、そのスラリーに塩素ガスを吹込むことによりニッケル及びコバルトを塩化物水溶液中に塩素浸出して塩素浸出液を形成するもので、その得られた酸化剤としての2価の銅クロロ錯イオンを含んだ塩素浸出液に、粉砕したニッケルマットを接触させて、銅とニッケルの置換反応を行うことによりニッケルマット中のニッケルを、塩素浸出液に置換浸出して置換浸出液を生成するものである。
この置換浸出によって得られた置換浸出終液は、脱鉄工程、アミン系溶媒抽出工程、脱鉛工程、脱亜鉛工程で構成される浄液工程に送られる。
先ず、脱鉄工程では、置換浸出終液に、酸化剤として塩素ガスを、中和剤として炭酸ニッケルスラリーを添加して、水酸化第二鉄を主成分とする沈殿物を生成させることにより、置換浸出終液中の鉄を除去する処理が行われた脱鉄終液を得る。
この脱鉄工程の反応中の終液のpHは、2.0〜2.5程度であるので、この工程では鉄のみが選択的に置換浸出終液から除去される。
脱鉄工程で得られた脱鉄終液は、カルシウム、マンガン、鉄、銅、亜鉛等の不純物を含む塩化ニッケルと塩化コバルトの混合水溶液である。
次のアミン系溶媒抽出工程では、この脱鉄終液に、アミン系抽出剤であるトリ−ノルマル−オクチルアミン(TNOA)を混合、接触させることによって、コバルト、銅、亜鉛、鉄を水相から有機相に移行させ、コバルト、銅、亜鉛、鉄が除去されたニッケルを含む抽出残液(水相)を得る処理を行う。
次工程の脱鉛工程では、脱鉄工程と同様に、酸化剤として塩素ガスを、中和剤として炭酸ニッケルスラリーを添加して、アミン系溶媒抽出後の抽出残液である塩化ニッケル溶液中の鉛を酸化鉛として除去したニッケルを含む脱鉛終液を生成するもので、脱鉛工程での抽出残液のpHは4〜5に制御されるため、ニッケルの一部も3価の水酸化物として沈殿物を形成する。
脱鉛後の脱鉛終液は脱亜鉛工程に送られ、その脱亜鉛工程で、脱鉛終液中に残存した0.1mg/L程度の微量な亜鉛のクロロ錯イオンを、弱塩基性陰イオン交換樹脂に吸着させて除去して不純物を除去した塩化ニッケル水溶液を得る。
上記に示すような浄液工程を経て、不純物が除去された塩化ニッケル水溶液は、pH調整の後、電解工程に送られ、電解採取法によって電気ニッケルが製造される。
この方法はシンプルで、電解採取で発生した塩素ガスを浸出に再利用する等、効率的かつ経済的な生産を実現している。
また、アミン系溶媒抽出工程で分離されたコバルトについては、ニッケルとは別の処理ルートにより、さらなる不純物の除去が行われ、電解採取により電気コバルトとして製品化される。
ここで、本発明で用いるニッケルとコバルトを分離するための溶媒抽出法を説明する。
抽出に用いる有機抽出剤としては、トリ−ノルマル−オクチルアミン(TNOA)等のアミン系抽出剤や、ジ−(2−エチルヘキシル)ホスホン酸(D2EHPA)等の酸性リン酸エステル系抽出剤を用いる。
アミン系抽出剤と酸性リン酸エステル系抽出剤は、両者ともに優れたニッケルとコバルトの分離性能を有するが、一般的には、アニオンが硫酸イオンの場合は燐酸エステル系酸性抽出剤を用い、アニオンが、例えば塩化物イオンのようにコバルトとマイナスの錯イオンを生成する物質である場合にはアミン系抽出剤を使用する。
例えば、塩化物イオン濃度が十分に高い塩化物水溶液の場合、コバルトはクロロ錯イオンを形成するが、ニッケルはクロロ錯イオンを形成しないため、アミン系抽出剤の方が、酸性リン酸エステル系抽出剤に比べてより高いコバルトとニッケルの分離係数を持つ。
また、クロロ錯イオンを生成しない他の不純物との分離特性も高い。
さらに、コバルトよりもクロロ錯イオンを形成しやすい亜鉛、鉄、銅に対しても、コバルトを逆抽出するときの水相の塩化物イオン濃度を適切な範囲に制御すれば、亜鉛、鉄、銅を有機溶媒中に残留させたまま、コバルトを選択的に逆抽出することができる。
一方で、酸性リン酸エステル系抽出剤はカチオンをそのまま抽出するため、適切な特性を持つ抽出剤を選択すれば、例えば、ニッケル以外のほとんどの不純物を抽出することができる。
よって、ニッケルとコバルトの混合水溶液からニッケルを選択的に分離する場合には酸性リン酸エステル系抽出剤を、コバルトを選択的に分離する場合にはアミン系抽出剤を採用することが有利な方法となる。
しかしながら、アミン系抽出剤を用いた溶媒抽出によるニッケルとコバルトの分離は、コバルトがマイナスの錯イオンを生成する場合に制限される。
また、錯イオンとしてCl等のアニオンも一緒に抽出されるため、錯化アニオンがOHであるときを除いて、場合によっては望ましくない物質がコバルトに随伴してしまうという問題がある。
つまり、ニッケルとコバルトの混合水溶液からコバルトを選択的に分離する場合にはアミン系抽出剤による溶媒抽出が適切であるが、そこで得られるコバルト水溶液は塩化コバルト水溶液であるため、硫酸コバルト水溶液を得ようとした場合は、塩化コバルト水溶液中の塩化物イオンはコバルトに随伴する望ましくない物質となってしまう。
本発明の一実施形態としては、これまでに概要を説明してきたニッケルの湿式製錬プロセスにおける脱鉄終液からアミン系溶媒抽出工程によってコバルトを分離し、そのアミン系溶媒抽出工程で得られた微量のマンガン、銅を含んだ粗塩化コバルト水溶液から高純度硫酸コバルトを製造する方法に適用できるものである。
[本発明の高純度硫酸コバルト水溶液の製造プロセス]
図2は、従来の高純度硫酸コバルト水溶液の製造プロセスの概略フロー図である。
従来は、電気コバルトを硫酸水溶液に溶解することによって、硫酸コバルト水溶液を製造していた。
一方、図1は、本発明の高純度硫酸コバルト水溶液の製造プロセスの概略フロー図である。
本発明は、コストの掛かる電解採取工程を経ずに、直接、硫酸コバルト水溶液を製造するプロセスであるが、電解採取工程を経ない場合には除去することが難しい元素であるカルシウムを含まない、高純度硫酸コバルト水溶液を製造するプロセスである。
本発明の高純度硫酸コバルト水溶液の製造プロセスは、前述の通り、(1)アミン系抽出工程、(2)アミン系逆抽出工程、(3)脱マンガン工程、(4)脱銅工程、(5)酸性リン酸系抽出工程、(6)酸性リン酸系逆抽出工程で構成される。
ここで、(1)アミン系抽出工程と(2)アミン系逆抽出工程をアミン系溶媒抽出工程、(5)酸性リン酸系抽出工程と(6)酸性リン酸系逆抽出工程を酸性リン酸系溶媒抽出工程と称して、一括して説明することとする。
(1)アミン系溶媒抽出工程
アミン系溶媒抽出工程は、少なくともアミン系抽出工程、アミン系逆抽出工程から構成される。
例えば、アミン系抽出工程とアミン系逆抽出工程の間に、アミン系洗浄工程を設けても構わない。
その方法は、溶媒抽出は多段向流方式が好ましく、例えばミキサーセトラー方式の抽出装置を使用し、本発明の説明に用いた実施例においては、アミン系抽出工程は3段、アミン系洗浄工程も3段、アミン系逆抽出工程も3段から構成されている。
抽出剤は、好ましくは3級アミンを用い、より好ましくはトリ−ノルマル−オクチルアミン(TNOA)またはトリ−イソ−オクチルアミン(TIOA)を使用する。
抽出剤の希釈剤としては、芳香族炭化水素を用いる。
また、有機相の粘度を調整するため、有機相(抽出剤と希釈剤の混合物)中の抽出剤濃度は、20〜40体積%とする。
抽出剤に用いる3級アミンは、下記式(1)に従って、塩酸を付加されて活性化することにより、式(2)および式(2’)に示すような金属クロロ錯イオンの抽出能力を保有し、しかも優れたニッケルとコバルトの分離特性を有する。
Figure 0006471912
上記式(2)中のMは、Co、Cu、Zn等のクロロ錯イオンを形成する金属種を表すが、金属イオンの価数によってクロロ錯イオンの形態が異なるため、例えばFe(3価)の場合は、上記式(2’)に従う。また、Rは、アルキル基を表す。
なお、式(1)、式(2)、式(2’)中の「:」は、窒素原子の非共有電子対を表す。
アミン系抽出工程では、式(2)または式(2’)で示された反応により、Co、Cu、Zn、Fe等のクロロ錯イオンを形成する金属種が有機相中に抽出され、金属元素のクロロ錯イオンを担持したアミンが生成される。
なお、ニッケルはクロロ錯イオンを形成しないので、抽出残液に残留して分離される。また、カルシウムもクロロ錯イオンを形成しないので、コバルトから分離することができる。さらに、マンガンはクロロ錯イオンを形成するが、その安定度はコバルトよりも低いので、一部が有機相中に抽出される。
したがって、塩化ニッケル水溶液中に、コバルトよりもクロロ錯イオンを形成し易い、すなわちクロロ錯イオンの安定度が高い金属、例えば銅、亜鉛、鉄のクロロ錯イオンが含まれている場合には、これらの金属も抽出される。
一方、アミン系逆抽出工程では、抽出後の有機相を、すなわちコバルトのクロロ錯イオンを担持したアミンを、弱酸性塩酸水溶液と接触させることにより、下記式(3)に従って、コバルトを水相中に脱離することができる。
Figure 0006471912
アミン系抽出工程では、抽出始液であるカルシウム、マンガン、鉄、銅、亜鉛等の不純物を含む塩化ニッケルと塩化コバルトの混合水溶液中の塩化物イオン濃度が、200〜250g/Lと高濃度であり、コバルトが安定したクロロ錯イオンを形成しているため、コバルトは有機相中に抽出される。
一方、アミン系逆抽出工程では、水相中の塩化物イオン濃度が低く、70〜100g/Lである。
そのために、その70〜100g/Lの塩化物イオン濃度では、有機相中のコバルトクロロ錯イオンが不安定となり、コバルトは水相中に逆抽出される。
さらに、鉄、銅、亜鉛は、その70〜100g/Lの塩化物イオン濃度でも、クロロ錯イオンが安定であるため、有機相中に残留する。
アミン系抽出工程で抽出されたマンガンの一部は、アミン系逆抽出工程で、水相中に溶離する。
このように、アミン系溶媒抽出工程では、水相中の塩化物イオン濃度を特定の範囲に操作することによって、コバルトの抽出および逆抽出、すなわちニッケルからの分離および回収を行うことができる。
さらには、コバルトとクロロ錯イオンを形成しないカルシウムとの分離、コバルトよりもクロロ錯イオンを形成し易い鉄、銅、亜鉛との分離も行うことができる。
また、好ましくは、アミン系逆抽出工程で使用する弱酸性塩酸水溶液の溶媒として、カルシウム濃度が2mg/L以下の純水または軟水を使用する。
この処理は、一旦、カルシウムが分離された逆抽出液、すなわち塩化コバルト水溶液へのカルシウムの再混入を回避するためである。
(2)脱マンガン工程
アミン系溶媒抽出工程にて得られた逆抽出液、すなわち粗塩化コバルト水溶液には、なお微量のマンガン、銅が含有されている。
脱マンガン工程は、マンガン、銅を含有する塩化コバルト水溶液に酸化剤を添加し、酸化還元電位(ORP:Ag/AgCl電極基準、以降、酸化還元電位の値は全てAg/AgCl電極基準とする)を、800mV以上、1050mV未満、及びpHを2.0〜3.0に調整することにより、マンガンの酸化物沈澱を生成させて分離し、マンガン濃度が0.001g/L以下に除去された塩化コバルト水溶液を得る工程である。
塩化コバルト水溶液中のマンガンは、酸化剤による高酸化性雰囲気下での反応により酸化物沈澱を生成して、水溶液中から分離除去される。この高酸化性雰囲気下での反応は、例えば酸化剤として塩素ガスを用い、pH調整のために炭酸コバルトを用いた場合を例にとると、下記式(4)により表すことができる。
Figure 0006471912
この脱マンガン工程では、マンガンを酸化物沈澱として十分に除去しかつコバルトの共沈澱を抑制するために、塩化コバルト水溶液の酸化還元電位を800mV以上、1050mV未満に調整し、かつpHを2.0〜3.0に調整することが重要である。
ここで、アミン系溶媒抽出工程において分離回収された塩化コバルト水溶液のpHは2.0未満であり、pH調整剤としてアルカリまたはアルカリ水溶液が使用される。
本発明では、カルシウムを含有しない高純度硫酸コバルト水溶液を製造するために、pH調整剤として非カルシウム系アルカリスラリーまたは水溶液を使用する。
非カルシウム系アルカリスラリーまたは水溶液とは、例えば水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液が挙げられるが、消石灰スラリー、炭酸カルシウムスラリー等のカルシウムを含有したものは使用できない。
また、好ましくは、この非カルシウム系アルカリスラリーまたは水溶液の溶媒として、カルシウム濃度が2mg/L以下の純水または軟水を使用する。さらに、アルカリとしては、前記した炭酸コバルトスラリーを用いることが望ましい。
炭酸コバルト中の炭酸根は、式(4)に示した通り反応によって炭酸ガスとなって気中に散逸するため、脱マンガン工程で得られる塩化コバルト水溶液にコバルトと塩化物イオン以外の不純物が混入する恐れが無いためである。
(3)脱銅工程
脱銅工程は、前記脱マンガン工程で得られたマンガンが除去された塩化コバルト水溶液に硫化剤を添加し、塩化コバルト水溶液の酸化還元電位(ORP)を−100〜−50mVおよびpHを1.3〜1.5に調整することにより、塩化コバルト水溶液から銅の硫化物沈澱を生成させて分離し、マンガン濃度が0.001g/L以下、銅濃度が0.0005g/L以下に除去された塩化コバルト水溶液を得る工程である。
塩化コバルト水溶液中の銅は、下記式(5)に従って硫化銅の沈澱物を生成して、水溶液中から除去される。
Figure 0006471912
上記脱銅工程では、塩化コバルト水溶液の酸化還元電位(ORP)を−100〜−50mVおよびpHを1.3〜1.5に調整することが、硫化物として銅を十分に除去しかつコバルトの共沈澱を抑制するために重要である。
また、上記式(5)に示した通り、反応に伴って酸が生成するので、脱銅工程でも、pH調整剤としてアルカリまたはアルカリ水溶液が使用される。
本発明では、脱マンガン工程と同様に、pH調整剤として非カルシウム系アルカリスラリーまたは水溶液を使用する。
また、好ましくは、前記非カルシウム系アルカリスラリーまたは水溶液の溶媒として、カルシウム濃度が2mg/L以下の純水または軟水を使用する。さらに、アルカリとしては、前記した炭酸コバルトスラリーを用いることが望ましい。
(4)酸性リン酸系溶媒抽出工程
酸性リン酸系溶媒抽出工程は、少なくとも酸性リン酸系抽出工程、酸性リン酸系逆抽出工程から構成される。
例えば、酸性リン酸系抽出工程において有機相中に塩化コバルト水溶液の微細な液滴が混入することがあるので、硫酸コバルト水溶液中への塩化物イオンの混入を防止するために、酸性リン酸系抽出工程と酸性リン酸系逆抽出工程の間に、酸性リン酸系洗浄工程を設けても構わない。
具体的に、溶媒抽出は多段向流方式を用いて行う。例えばミキサーセトラー方式の抽出装置を使用し、本発明の説明に用いた実施例においては、酸性リン酸系抽出工程は2段、酸性リン酸系逆抽出工程も2段の多段向流方式を採用している。
抽出剤は、好ましくは酸性リン酸エステルを用い、より好ましくは2−エチルヘキシルホスホン酸モノ−2−エチルヘキシル(製品名:PC−88A)またはジ−(2−エチルヘキシル)ホスホン酸(D2EHPA)を使用する。
抽出剤の希釈剤としては、芳香族炭化水素を用いる。
有機相の粘度を調整するため、有機相(抽出剤と希釈剤)中の抽出剤濃度は、20〜40体積%とする。
酸性リン酸系抽出剤の酸性リン酸エステルは、下記式(6)に従って、上記脱銅工程で得られた塩化コバルト水溶液中のコバルトを抽出して、コバルト濃度が10g/L以下の酸性リン酸系有機溶媒を形成する。なお、その過程で酸が生成されている。
ここで上記式(6)中のRは、官能基を含む有機化合物全体を表す。
Figure 0006471912
コバルトを抽出するためには適正なpHを維持する必要があるため、酸性リン酸系抽出工程でも、pH調整剤としてアルカリまたはアルカリ水溶液が使用される。
本発明では、pH調整剤として、非カルシウム系アルカリ水溶液を使用する。その非カルシウム系アルカリ水溶液としては、水酸化ナトリウム水溶液を用いることができる。
また、好ましくは、この非カルシウム系アルカリ水溶液の溶媒として、カルシウム濃度が2mg/L以下の純水または軟水を使用する。
酸性リン酸系抽出工程における水相のpHは、4.0〜5.0が望ましい。
pHが4.0未満では、コバルトの抽出率が低下するため、酸性リン酸系抽出工程における抽出残液からコバルトを回収するための処理コストが増加する。またpHが5.0を超えると、コバルトが水酸化物沈澱を形成し、上記と同様にコバルトの抽出率低下を引き起こし、さらには生成した固形物(沈殿物)は、ミキサーセトラー内の油水分離不良を引き起こす。
酸性リン酸系逆抽出工程では、下記式(7)に従って、抽出後の有機相を、硫酸水溶液と接触させて、有機溶媒中に抽出されたコバルトを逆抽出して、コバルト/カルシウムの重量比が2500以上の高純度硫酸コバルト水溶液を得る。
言い方を替えれば、酸性リン酸系溶媒抽出工程では、塩化コバルト水溶液から硫酸コバルト水溶液への浴転換を行う。同時に、有機溶媒の抽出剤が再生されるので、その再生された有機溶媒は、酸性リン酸系抽出工程での利用に繰り返される。
Figure 0006471912
酸性リン酸系逆抽出工程における水相のpHは、1.5〜1.8が望ましい。
pHが1.5未満では、不純物が水相へ逆抽出される可能性がある。一方、pHが1.8を超えると、コバルトの水相への逆抽出量が減少する。さらに、酸性リン酸エステルを用いた溶媒抽出では、抽出反応に水素イオンが関与するため、pHの値により抽出率が変化する。
抽出率は金属によって異なり、Fe>Zn>Cu>Mn>Ca>Co>Mg>Niの順に抽出されやすい。
即ち、pHを高くすれば、上記Ni側寄りの、より抽出されにくい金属を抽出することができるし、pHを低くすれば、上記Fe側寄りの、より抽出されやすい金属も抽出されないようにすることができる。
脱銅工程で得られた塩化コバルト水溶液には、Fe、Zn、Cu、Mnは含有されていないが、脱マンガン工程や脱銅工程において、pH調整剤として、例えば消石灰スラリー等のカルシウム系アルカリスラリー又は水溶液を使用した場合、その塩化コバルト水溶液にCaが含有されてしまう。
このカルシウムはコバルトよりも抽出されやすく、さらには抽出挙動がコバルトに近いため、酸性リン酸系逆抽出工程において、抽出されたカルシウムの一部はコバルトと共に逆抽出されるため、得られた硫酸コバルト水溶液に混入してしまう。
したがって、本発明では、(1)アミン系抽出工程、(2)アミン系逆抽出工程、(3)脱マンガン工程、(4)脱銅工程、(5)酸性リン酸系抽出工程、(6)酸性リン酸系逆抽出工程で構成されるプロセス全体において、pH調整剤として非カルシウム系アルカリスラリーまたは水溶液を使用する。
さらに、好ましくは、アミン系逆抽出工程で使用する弱酸性塩酸水溶液、脱マンガン工程で使用する非カルシウム系アルカリスラリー又は水溶液、脱銅工程で使用する非カルシウム系アルカリスラリー又は水溶液、及び酸性リン酸系逆抽出工程で使用する硫酸水溶液の溶媒として、カルシウム濃度が2mg/L以下の純水又は軟水を使用する。
また、酸性リン酸系抽出工程における有機相の流量を水相の流量で除した流量比(O/A)を7〜9とすることが望ましい。
ここで、有機相(抽出剤と希釈剤)中のコバルト濃度は10g/L以下で管理することが好ましい。10g/Lを超えると、有機相の粘性が上昇し、油水分離性能が低下する。
一方で、上記脱銅工程で得られた塩化コバルト水溶液中のコバルト濃度は高い方が効率的であり、実際には70〜90g/L程度で操業される。
そこで、抽出剤の抽出能力の上限までコバルトを抽出すれば効率的ではあるが、有機相中のコバルト濃度を10g/L以下とするために、O/Aは7以上とすることが好ましい。
一般に、O/Aについては、小さい方が有機相の流量を低下させることができるため、ポンプや中継タンクを含む溶媒抽出装置全体の大きさを抑えることができ、設備コスト、運転コスト上有利となる。
そこで、必要以上にO/Aを上昇させると、設備コスト、運転コスト上不利となるため、O/Aは9以下とすることが好ましい。
本発明は、(1)アミン系抽出工程、(2)アミン系逆抽出工程、(3)脱マンガン工程、(4)脱銅工程、(5)酸性リン酸系抽出工程、(6)酸性リン酸系逆抽出工程で構成される高純度硫酸コバルト製造方法であり、この(2)〜(6)の工程では唯一分離が困難なカルシウムについては、pH調整剤として非カルシウム系アルカリスラリーまたは水溶液を使用すること、さらに、好ましくは、各工程で使用する水として、カルシウム濃度が2mg/L以下の純水または軟水を使用することで、カルシウムの混入を防止する。
そのことによって、酸性リン酸系抽出工程におけるコバルト抽出率を99.8%以上に維持しながら、コバルトとカルシウムの重量比(コバルト重量をカルシウム重量で除した値)で15000以上となる硫酸コバルト水溶液を製造することができる。
以下、実施例および比較例により、本発明を詳細に説明するが、本実施例および比較例の記載により本発明の範囲が特別に限定されるものでは無い。
ニッケルの湿式製錬プロセスにおける脱鉄工程で得られた脱鉄終液を、アミン系溶媒抽出工程において、100L/分の流量で処理した。
脱鉄終液の組成は、Ni濃度が180g/L、Co濃度が7.5g/L、Ca濃度が0.6g/L、Cu濃度が0.03g/L、Fe濃度が0.02g/L、Mn濃度が0.005g/Lであった。
アミン系溶媒抽出工程では、ミキサーセトラー方式の抽出装置を使用し、アミン系抽出工程は3段、アミン系洗浄工程も3段、アミン系逆抽出工程も3段の装置構成であった。
抽出剤としてトリ−ノルマル−オクチルアミン(TNOA)を、希釈剤としてJX日鉱日石エネルギー株式会社製テクリーンN−20を用い、有機溶媒(抽出剤と希釈剤の混合物)中の抽出剤濃度が20体積%となるように希釈された有機溶媒を使用した。
アミン系逆抽出工程では、軟水で希釈した希塩酸水溶液で逆抽出を行った。
逆抽出液の組成は、Co濃度が70g/L、Ca濃度が0.002g/L、Cu濃度が0.2g/L、Fe濃度が0.001g/L、Mn濃度が0.01g/Lであった。
次に、アミン系溶媒抽出工程で得られた逆抽出液を、脱マンガン工程で処理をした。
脱マンガン工程では、酸化還元電位を800〜1050mV未満、pHを2.0〜3.0に調整した。
酸化剤として塩素ガスを吹込み、pH調整剤としてソーダ灰を軟水で溶解したソーダ灰水溶液を添加した。その後、脱マンガン処理液をフィルタープレスで固液分離することにより、脱マンガン終液を得、脱銅工程に供給した。
脱銅工程では、酸化還元電位を−100〜−50mV、pHを1.3〜1.5に調整した。
硫化剤として硫化水素ガスを吹込み、pH調整剤としてソーダ灰を軟水で溶解したソーダ灰水溶液を添加した。その後、脱銅処理液をフィルタープレスで固液分離することにより、脱銅終液を得た。
その脱銅終液を、酸性リン酸系溶媒抽出工程において、11L/分の流量で処理した。
酸性リン酸系溶媒抽出工程では、ミキサーセトラー方式の抽出装置を使用し、酸性リン酸系抽出工程(抽出段)、酸性リン酸系洗浄工程(洗浄段)、酸性リン酸系逆抽出工程(逆抽出段)の段数は、表1に示した各運転条件によって条件を変え、抽出段1〜2段、洗浄段0または3段、逆抽出段2段とした。
抽出剤として大八化学工業株式会社製PC−88Aを、希釈剤としてJX日鉱日石エネルギー株式会社製テクリーンN−20を用い、有機溶媒(抽出剤と希釈剤の混合物)中の抽出剤濃度が20体積%となるように希釈された有機溶媒を使用した。
pH調整剤としては、200g/Lの苛性ソーダ水溶液を使用した。
運転条件は、表1に示したように、酸性リン酸系抽出工程の水相pHを3.5〜5.0、O/Aを7.0と8.8に変化させた6ケースの条件で操業を行った。
また、苛性ソーダ水溶液と硫酸水溶液の希釈水は、RUN1からRUN4では軟水、RUN5およびRUN6では工業用水とした。
工業用水のカルシウム濃度は、0.012g/Lであった。
各運転条件の評価項目として、実収率ではコバルト抽出率、コスト指標では薬液使用量、品質指標では硫酸コバルト水溶液のCo/Ca濃度比を選定した。
液中のCo、Ca濃度は、ICP発光分光分析法により測定した。
RUN1で得られた硫酸コバルト水溶液のCo/Ca濃度比は20106で20000以上と高純度であったが、抽出段数を1基で運転したことにより、コバルト抽出率は97.14%に留まった。
RUN2では、コバルトロスを低減するために抽出段数を1段から2段に増加させ、かつ低pH運転を行った。
結果、pHを4以下としたことで、コバルト抽出率が95.00%に低下した。
RUN3、4において、抽出段を2段とし、かつ運転pHをRUN1並みに制御したことで、コバルト抽出率は99.99%と99.9%以上に到達し、かつ硫酸コバルト水溶液Co/Ca濃度比は15000以上となった。
RUN5では、RUN1〜4で使用した軟水の代わりに、カルシウム濃度0.012g/Lの工業用水を用いてアミン系溶媒抽出工程、脱マンガン工程、脱銅工程、酸性リン酸系溶媒抽出工程の操作を実施し、硫酸コバルト水溶液を製造した。
結果、コバルト抽出率は99.93%と99.9%以上であったが、硫酸コバルト水溶液Co/Ca濃度比は2646と、RUN1〜4と比較して低かった。
RUN6では、RUN1〜4で使用した軟水の代わりに、カルシウム濃度0.012g/Lの工業用水を用いてアミン系溶媒抽出工程、脱マンガン工程、脱銅工程の操作を実施し、塩化コバルト水溶液を得た。
酸性リン酸系溶媒抽出工程については、抽出段と逆抽出段との間に洗浄段を3基設置し、多段向流方式により、抽出後有機相を高純度硫酸コバルト水溶液で洗浄した。
洗浄始液としては、逆抽出段水相のうち32%の量を抜き取り、コバルト濃度を50g/Lに調整した硫酸コバルト水溶液を用いた。
結果、コバルト抽出率は99.9%以上であったが、硫酸コバルト水溶液Co/Ca濃度比は8333と、RUN1〜4と比較して低かった。
(比較例1)
図2に示した、従来の高純度硫酸コバルト水溶液の製造プロセスの概略フローに従って、電気コバルトを硫酸水溶液に溶解することにより、高純度硫酸コバルト水溶液を製造した。
アミン系抽出工程、アミン系逆抽出工程、脱マンガン工程、脱銅工程の運転条件は、pH調整剤に水酸化カルシウムスラリーを用いたこと、アミン系逆抽出工程で使用する弱酸性塩酸水溶液、脱マンガン工程で使用する水酸化カルシウムスラリー、脱銅工程で使用する水酸化カルシウムスラリーの希釈水にカルシウム濃度0.012g/Lの工業用水を用いたこと以外は、実施例1と同様であった。
脱亜鉛工程では、脱銅工程で得られた塩化コバルト水溶液を、弱塩基性陰イオン交換樹脂(オルガノ製アンバーライトIRA96SB)が5m充填されたイオン交換樹脂塔に通液することによって、塩化コバルト水溶液中の亜鉛を吸着除去した。
電解採取工程では、チタン板に酸化イリジウムがコーティングされた不溶性アノードを用いて、巾0.8m、高さ1mで1枚当たり5〜7kgの純金属コバルトの薄板をカソードにして、カソード基準で240〜260A/mの電流密度で約8日間の通電を行った。
硫酸溶解工程では、100mm×100mm×12.5mmに切断された電気コバルトが約3t装入された溶解槽に、240〜250g/Lの硫酸水溶液を添加し、蒸気にて90℃に加温することによって、高純度硫酸コバルト水溶液を製造した。
比較例1は、コバルト1t当たりの電力、蒸気、薬剤等の合計コストが、実施例1のRUN3の1.34倍となった。
また、比較例1では、約8日間の通電時間を考慮すると、ニッケルの原料から高純度硫酸コバルト水溶液になるまでに要する日数が、実施例1のRUN3の約3倍となった。
(比較例2)
脱マンガン工程、脱銅工程でのpH調整剤に水酸化カルシウムスラリーを用いたこと、アミン系逆抽出工程で使用する弱酸性塩酸水溶液、脱マンガン工程で使用する水酸化カルシウムスラリー、脱銅工程で使用する水酸化カルシウムスラリー、酸性リン酸系抽出工程で使用する水酸化ナトリウム水溶液、硫酸水溶液の希釈水としてカルシウム濃度0.012g/Lの工業用水を用いたこと以外は、実施例1のRUN3と同様の条件にて、高純度硫酸コバルト水溶液の製造を行った。
その結果、得られた硫酸コバルト水溶液のCo/Ca濃度比は152であった。
Figure 0006471912

Claims (5)

  1. 少なくともカルシウム、マンガン、鉄、銅を含む塩化ニッケルと塩化コバルトの混合水溶液から高純度硫酸コバルト水溶液を製造する方法において、
    (1)前記少なくともカルシウム、マンガン、鉄、銅を含む塩化ニッケルと塩化コバルトの混合水溶液を、アミン系抽出剤を用いた溶媒抽出に供することによって、コバルト、マンガン、鉄、銅が抽出されたアミン系有機溶媒を得るアミン系抽出工程、
    (2)前記コバルト、マンガン、鉄、銅が抽出されたアミン系有機溶媒に弱酸性塩酸水溶液を接触させることによって、前記アミン系有機溶媒中のコバルトを前記アミン系有機溶媒から前記弱酸性塩酸水溶液に逆抽出し、微量のマンガン、銅を含んだ塩化コバルト水溶液を得るアミン系逆抽出工程、
    (3)前記微量のマンガン、銅を含んだ塩化コバルト水溶液に酸化剤と、非カルシウム系アルカリスラリー又は水溶液を添加し、800以上、1050mV未満(Ag/AgCl電極基準)の酸化還元電位およびpHを2.0〜3.0に調整することにより、マンガンの酸化物沈澱を生成させて分離し、マンガン濃度が0.001g/L以下に除去された塩化コバルト水溶液を得る脱マンガン工程、
    (4)前記マンガンが除去された塩化コバルト水溶液に硫化剤と、非カルシウム系アルカリスラリー又は水溶液を添加し、−100以上、−50mV以下(Ag/AgCl電極基準)の酸化還元電位およびpHを1.3以上、1.5以下に調整することにより、銅の硫化物沈澱を生成させて分離し、マンガン濃度が0.001g/L以下、銅濃度が0.0005g/L以下に除去された塩化コバルト水溶液を得る脱銅工程、
    (5)前記(4)の工程で得られた塩化コバルト水溶液を水相として用い、非カルシウム系アルカリ水溶液で前記水相のpHを調整しつつ酸性リン酸系抽出剤を用いた溶媒抽出に供することによって、コバルトが抽出された有機相であるコバルト濃度10g/L以下の酸性リン酸系有機溶媒を得る酸性リン酸系抽出工程、
    (6)前記コバルトが抽出された酸性リン酸系有機溶媒に硫酸水溶液を接触させることによって、前記酸性リン酸系有機溶媒中のコバルトを前記酸性リン酸系有機溶媒から水相である前記硫酸水溶液に逆抽出し、コバルト/カルシウムの重量比が2500以上の高純度硫酸コバルト水溶液を得る酸性リン酸系逆抽出工程、
    を含むことを特徴とする高純度硫酸コバルト水溶液の製造方法。
  2. 前記アミン系逆抽出工程で使用する弱酸性塩酸水溶液、
    前記脱マンガン工程で使用する非カルシウム系アルカリスラリーまたは水溶液、
    前記脱銅工程で使用する非カルシウム系アルカリスラリーまたは水溶液、
    前記酸性リン酸系抽出工程で使用する非カルシウム系アルカリ水溶液、
    および前記酸性リン酸系逆抽出工程で使用する硫酸水溶液の溶媒として、
    カルシウム濃度が、2mg/L以下の純水または軟水を使用し、前記酸性リン酸系逆抽出工程においてコバルト/カルシウムの重量比が15000以上の高純度硫酸コバルト水溶液を得ることを特徴とする請求項1に記載の高純度硫酸コバルト水溶液の製造方法。
  3. 前記酸性リン酸系抽出工程における前記水相pHが4.0〜5.0、有機相の流量を水相の流量で除した流量比(O/A)を7〜9、
    前記酸性リン酸系逆抽出工程における前記水相pHが、1.5〜1.8であることを特徴とする請求項1又は2に記載の高純度硫酸コバルト水溶液の製造方法。
  4. 前記アミン系抽出剤が3級アミンで、前記酸性リン酸系抽出剤が酸性リン酸エステルであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の高純度硫酸コバルト水溶液の製造方法。
  5. 前記酸性リン酸系抽出工程では、2段からなる多段向流型溶媒抽出装置を用い、
    前記酸性リン酸系逆抽出工程では、2段からなる多段向流型溶媒抽出装置を用いることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の高純度硫酸コバルト水溶液の製造方法。
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