JP6471017B2 - 接着性樹脂組成物、積層フィルム、包装材料及び包装容器 - Google Patents
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Description
<1> エチレン重合体及びエチレン・酢酸ビニル共重合体の少なくとも一方の樹脂Aと、前記樹脂Aに非相溶の樹脂Bと、部分水添石油樹脂と、を含有し、JIS−K6760に準拠して測定した2mm厚での引張強度が2MPa以上15MPa以下である接着性樹脂組成物である。
<2> 前記樹脂Aがエチレン・酢酸ビニル共重合体であり、前記樹脂Bがブテン重合体である<1>に記載の接着性樹脂組成物である。
<3> <1>又は<2>に記載の接着性樹脂組成物を含む第1樹脂層と、低密度ポリエチレン、エチレン・α,β−不飽和カルボン酸共重合体及びエチレン・α,β−不飽和カルボン酸エステル共重合体の少なくとも一つを含む第2樹脂層と、を有する積層フィルムである。
<4> 支持体と、<3>に記載の積層フィルムと、を有する包装材料である。
<5> 前記積層フィルムは、共押出により前記支持体の上に層状に形成されている<4>に記載の包装材料である。
<6> 少なくとも最表面が樹脂である収納容器の開口部に接着させて前記開口部を閉塞する蓋材である<4>又は<5>に記載の包装材料である。
<7> 開口した収納部を有し、少なくとも最表面が樹脂である収納容器と、
支持体及び<3>に記載の積層フィルムを有し、前記収納容器の開口部に前記積層フィルムの第1樹脂層を接着させて前記開口部を閉塞する蓋材と、を備えた包装容器である。
<8> 前記収納容器の少なくとも蓋材と接する最表面が、ポリエステル系樹脂である<7>に記載の包装容器である。
また、本発明によれば、少なくとも表面材質が樹脂である容器(樹脂製容器)に接着して被収容物の保管又は運搬等に必要とされる密封性(接着性)と、開封時には容易にかつ滑らかに開封し得る易開封性(易剥離性)と、を兼ね備えた包装材料及び包装容器が提供される。
本発明の接着性樹脂組成物は、エチレン重合体及びエチレン・酢酸ビニル共重合体の少なくとも一方の樹脂Aと、前記樹脂Aに非相溶の樹脂Bと、部分水添石油樹脂と、を含有し、JIS−K6760に準拠して測定した2mm厚での引張強度が2MPa以上15MPa以下である。
なお、本明細書においては、本発明の接着性樹脂組成物を用いて形成された層を「接着性層」と称することがあり、後述の第1樹脂層は接着性層である。
本発明の接着性樹脂組成物は、必要に応じて、さらに他の成分を含んでいてもよい。
しかしながら、密封性及び易開封性のバランスについては、未だ両者をともに成り立たせる技術が確立されるに至っていない。このような状況のもと、凝集剥離による剥離機構を採用した場合に、接着強度を保ちつつも容易かつ滑らかに剥離し得るとの知見を得た。
かかる知見に基づき、本発明では、第1の樹脂Aとしてエチレン重合体又はエチレン・酢酸ビニル共重合体の一方又は両方と、第2の樹脂Bとして樹脂Aに非相溶な樹脂と、部分水添石油樹脂と、を組み合わせて混合した層(以下、接着性層もしくは第1樹脂層という。)とし、かつ当該層についてJIS−K6760に準拠して測定した2mm厚での引張強度が2MPa以上15MPa以下(好ましくは4MPa以上10MPa以下)であることで、接着強度を確保しつつも、この接着強度より弱い力で凝集破壊される層を得ることができる。これにより、容器内に被収容物を収容して密封する際には、樹脂製容器と蓋材の間において強固な接着性を確保する一方、蓋材を樹脂製容器から剥がして開封する際には、蓋材を容易にかつ滑らかに剥がすことができるものとなる。
本発明の接着性樹脂組成物を用いることで、被収容物の保管又は運搬等に必要とされる密封性(接着性)と、開封時に容易にかつ滑らかに開封し得る易開封性(易剥離性)と、を兼ね備えた包装材料を提供することができる。
本発明の接着性樹脂組成物は、エチレン重合体及びエチレン・酢酸ビニル共重合体の少なくとも一方を含有する。エチレン重合体及びエチレン・酢酸ビニル共重合体は、それぞれ1種単独で含む場合に限られず、複数種を混合して併用してもよい。
また、エチレン重合体の190℃、2160g荷重におけるメルトフローレート(MFR;JIS−K7210(1999年)に準拠)は、成形加工性、及び樹脂材料(例えば樹脂容器、具体的には、例えばポリエステル又はポリエステル製容器)との接着強度の点で、0.1g/10分以上100g/10分以下が好ましく、より好ましくは1g/10分以上80g/10分以下であり、さらに好ましくは3g/10分以上60g/10分以下である。
エチレン・酢酸ビニル共重合体において、エチレンに由来の構造単位の含有比率としては、全構造単位に対して、70質量%以上95質量%以下が好ましく、85質量%以上95質量%以下がより好ましい。
また、エチレン・酢酸ビニル共重合体において、酢酸ビニル(VA)由来の構造単位の含有比率としては、全構造単位に対して、4質量%以上20質量%以下が好ましく、5質量%以上15質量%以下がより好ましい。VA由来の構造単位の含有比率が4質量%以上であると、低温シール性の点で好ましい。
接着性樹脂組成物中における、エチレン重合体及びエチレン・酢酸ビニル共重合体の含有量としては、樹脂Aと、前記樹脂Aに非相溶の樹脂Bと、部分水添石油樹脂との総合計に対して、25質量%以上80質量%以下が好ましく、35質量%以上55質量%以下がより好ましい。
本発明の接着性樹脂組成物は、樹脂Aに非相溶な樹脂Bの少なくとも一種を含む。
「樹脂Aに非相溶」とは、樹脂Aと樹脂Bとを混合した後に、樹脂Aと樹脂Bとの境界が確認できる状態を意味する。樹脂Aと樹脂Bとの境界は、接着性樹脂組成物を用いて層状の薄片(厚み:0.05μm〜0.1μm)を作製し、オスミウム又はルテニウムにて染色した後、走査型電子顕微鏡などでモルフォロジー(微細構造)を観察することにより確認することができる。
この場合に、接着性層における上記樹脂Aと樹脂Bとの組合せとして、より適度な強度と易剥離性の両立という観点から、樹脂Aがエチレン・酢酸ビニル共重合体であり、樹脂Bがブテン重合体であることが好ましい。
樹脂Bの接着性樹脂組成物中における含有量としては、樹脂Aと、前記樹脂Aに非相溶の樹脂Bと、部分水添石油樹脂との総合計に対して、20質量%以上55質量%以下が好ましく、25質量%以上45質量%以下がより好ましく、32質量%以上40質量%以下が特に好ましい。樹脂Bの含有量が20質量%以上であると、接着性樹脂組成物の強度、特に層などの成形物を成形した際の成形物の強度を降下させる側に調製し、凝集破壊をさらに容易に発生させることができる。また、樹脂Bの含有量が55質量%以下であると、成形加工性及び経済性の点で有利である。
本発明の接着性樹脂組成物は、少なくとも粘着付与樹脂の1種である部分水添石油樹脂を含む。部分水添石油樹脂とは、水素化石油樹脂の1種であり、芳香族系石油樹脂の不飽和二重結合の一部が部分的に水添された脂環族炭化水素樹脂のことをいい、接着性樹脂組成物に粘着性を付与する機能を有する樹脂(粘着付与樹脂)である。部分水添石油樹脂を含有することで、部分水添石油樹脂以外の他の粘着付与樹脂に比べて、被着体である樹脂材料(例えば樹脂容器、具体的には、例えばポリエステル(好ましくはPET)又はポリエステル製容器)との接着強度により優れたものとなる。
これらの中でも、部分水添石油樹脂としては、接着性樹脂組成物の使用環境の観点から、軟化点が90℃以上のものが好ましい。
中でも、上記と同様の理由から、軟化点は、100℃以上が好ましく、110℃以上がより好ましく、120℃以上のものが特に好ましい。
部分水添石油樹脂の軟化点は、JIS K2207(2006年)に準拠して、軟化点試験方法(環球法)に基づいて測定された値を用いることができる。
テルペン系樹脂としては、テルペン単独重合体(例:ジペンテン重合体)、テルペンの一種であるピネン(C10H16で表される有機化合物)から誘導されるピネン単独重合体(例:α−ピネン重合体、β−ピネン重合体)、テルペン・フェノール共重合体(例:α−ピネン・フェノール共重合体)、及びこれらの水素添加物などが含まれる。
テルペン系樹脂の具体例としては、上市されている市販品として、YSレジンシリーズ(例えば、YSレジンPX1250、YSレジンPX1150、YSレジンPX1000、YSレジンPX800等のテルペン重合体、YSレジンPX1150N、YSレジンPX300N等のピネン重合体、YSレジンTO125、YSレジンTO115、YSレジンTO105等の芳香族変性テルペン樹脂;ヤスハラケミカル社製)、YSポリスターシリーズ(例えば、YSポリスターU、YSポリスターT、YSポリスターS、YSポリスターG、YSポリスターUH等のテルペン・フェノール樹脂;ヤスハラケミカル社製)、クリアロンシリーズ(例えば、クリアロンP150、クリアロンP135、クリアロンP125、クリアロンP115、クリアロンM125、クリアロンM115、クリアロンK100等の水添テルペン樹脂;ヤスハラケミカル社製)、タマノルシリーズ(例えば、タマノル803L、タマノル901等のテルペン・フェノール樹脂;荒川化学社製)などが挙げられる。
ロジン系樹脂としては、例えば、ロジン、ガムロジン、重合ロジン、水添ロジン、ロジンのグリセリンエステル及びその水添物又はその重合体、及びロジンのペンタエリスリットエステル及びその水添物又はその重合体などが挙げられる。
ロジン系樹脂の具体例としては、上市されている市販品として、エステルガムシリーズ(例えば、エステルガムAA−L、エステルガムAAV、エステルガムAT等;荒川化学社製)、ペンセルシリーズ(例えば、ペンセルA、ペンセルAZ、ペンセルC等;荒川化学社製)などが挙げられる。
スチレン系樹脂としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、イソプロピルトルエンなどのスチレン系単量体を重合して得られる分子量の低い樹脂状重合体が挙げられる。
スチレン系樹脂の具体例としては、上市されている市販品として、例えば、YSレジンSX(ヤスハラケミカル社製)等が挙げられる。
脂肪族炭化水素樹脂としては、例えば、1−ブテン、イソブテン、ブタジエン、1,3−ペンタジエン、イソプレンなどの炭素数4〜5のモノ又はジオレフィンの少なくとも1種以上を含む留分を重合して得られる樹脂が挙げられる。
接着性樹脂組成物は、上記の成分以外の他の成分として、防曇剤、滑剤、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤などの高分子分野で一般に用いられる添加剤をさらに含有してもよい。
他の成分は、接着性樹脂組成物による効果を損なわない範囲で含有することができる。
接着性樹脂組成物は、例えば、上記した成分を同時に又は逐次的にドライブレンド又はメルトブレンドすることによって調製することができる。これらの成分の混合順序には、特に制限はない。
前記ドライブレンドには、ヘンシェルミキサー、タンブラーミキサーなどの各種ミキサーを用いることができる。
前記メルトブレンドには、一軸又は二軸押出機、バンバリーミキサー、ロール、ニーダーなどの混練装置を用いることができる。混練装置による溶融混練は、例えば、160℃〜230℃の温度で行える。
本発明の積層フィルムは、少なくとも、既述の本発明の接着性樹脂組成物を含む第1樹脂層と、低密度ポリエチレン、並びにエチレン・α,β−不飽和カルボン酸共重合体及びエチレン・α,β−不飽和カルボン酸エステル共重合体(以下、総じて「エチレン・α,β−不飽和カルボン酸系共重合体」ともいう。)の少なくとも1つを含む第2樹脂層と、を有している。
本発明の積層フィルムにおける第2樹脂層は、低密度ポリエチレン又はエチレン・α,β−不飽和カルボン酸系共重合体を含むことで、第1の樹脂層に比べて引張強度が強く、かつ支持体への接着性を有しているので、後述するように例えばアルミ材料を備えた包装材料とした場合にアルミ材料に対する接着性に優れたものとなり、第1樹脂層との間の接着にも優れたものとなる。
本発明における第1樹脂層(接着性層)は、既述の本発明の接着性樹脂組成物を用いて形成された層である。接着性層は、既述のように、エチレン重合体及びエチレン・酢酸ビニル共重合体の一方又は両方(樹脂A)と、前記樹脂Aに非相溶な樹脂Bと、部分水添石油樹脂と、を含有し、JIS−K6760に準拠して測定した2mm厚での引張強度が2MPa以上15MPa以下(好ましくは4MPa以上10MPa以下)である樹脂組成物を含むことで、被着体である樹脂材料(例えば少なくとも最表面が樹脂である容器、具体的には、例えばポリエステル系樹脂(好ましくはPET)又はポリエステル系樹脂製容器)との接着性に優れている。
接着性層におけるエチレン重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体(樹脂A)、樹脂Aに非相溶な樹脂B、及び粘着付与樹脂の詳細については、接着性樹脂組成物の説明において既述した通りであり、好ましい態様も同様である。
伸び率が20%以上であると、接着の信頼性の点で有利であり、伸び率が500%以下であると、凝集破壊およびその剥離感の点で有利である。
なお、伸び(%)は、所定量の接着性樹脂組成物を加圧プレスして2mm厚のプレスシートを作製し、JIS−K6760に準拠した方法により測定される。
なお、引張強度(MPa)は、伸び(%)と同様に、所定量の接着性樹脂組成物を加圧プレスして2mm厚のプレスシートを作製し、JIS−K6760に準拠した方法により測定される値である。
接着性層の厚みは、積層フィルムを積層方向と平行に裁断した裁断面を光学顕微鏡等で拡大して観察し計測することで求められる。
ジオール成分として、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール等がある。エチレングリコールまたはブチレングリコールが一般的である。
−第2樹脂層−
第2樹脂層は、低密度ポリエチレン、エチレン・α,β−不飽和カルボン酸共重合体、及びエチレン・α,β−不飽和カルボン酸エステル共重合体の少なくとも1つを含有し、アルミ材料などの支持体に対する接着性を有している。中でも、特にエチレン・α,β−不飽和カルボン酸共重合体又はエチレン・α,β−不飽和カルボン酸エステル共重合体を含有する場合が好ましい。また、第2樹脂層は、必要に応じて、他の成分を含む態様も好ましい。
なお、下記α,β−不飽和カルボン酸エステルのα,β−不飽和カルボン酸についても同様である。
α,β−不飽和カルボン酸エステルの例としては、アクリル酸アルキルエステル(例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ノルマルブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等)、メタクリル酸アルキルエステル(例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸ノルマルブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等)などが挙げられる。
これらモノマーは、1種単独で又は2種以上組み合わせて共重合されてもよい。
この引張強度は、所定量の接着性樹脂組成物を加圧プレスしてプレスシートを作製し、JIS−K6760に準拠した方法により測定される。
第2樹脂層の厚みは、積層フィルムを積層方向と平行に裁断した裁断面を光学顕微鏡等で拡大して観察し計測することで求められる。
本発明の包装材料は、支持体と、既述の本発明の積層フィルムと、を備えており、支持体に積層フィルムの第2樹脂層を直接又は他の層を介して配設することで構成される。
支持体としては、特に制限はなく、紙、アルミニウム板(例えばアルミ箔)、ポリエステル(例えばポリエチレンテレフタレート)の板状材(シート又はフィルム)、アルミ蒸着ポリエステル(例えばアルミ蒸着ポリエチレンテレフタレート)の板状材(シート又はフィルム)、シリカ蒸着ポリエステル(例えばシリカ蒸着ポリエチレンテレフタレート)の板状材(シート又はフィルム)、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン)の板状材(シート又はフィルム)、アルミ蒸着ポリオレフィン(例えばアルミ蒸着ポリプロピレン)の板状材(シート又はフィルム)などが挙げられる。これらの支持基体は、単層構造のみならず、2層以上の積層構造であってもよい。
積層フィルムは、具体例として、紙/ポリオレフィン層/アルミ箔/第2樹脂層/第1樹脂層(接着性層)等の構造に構成されてもよい。
本発明においては、経済性の点で、共押出により支持体上に積層フィルム成形する方法が好ましい。
包装容器としては、開口した収容部を有し、少なくとも最表面が樹脂である収納容器と、支持体及び本発明の積層フィルムを有し、少なくとも最表面が樹脂である収納容器の開口部に積層フィルムの第1樹脂層を接着させて開口部を閉塞する蓋材と、を備えた包装容器であってもよい。
また、メルトフローレート(MFR)は、JIS K−7210(1999年)に準拠して190℃、2160g荷重にて測定した。
原料として、以下の材料を準備した。
・エチレン・酢酸ビニル共重合体:酢酸ビニル10質量%、MFR(190℃、2160g荷重):9g/10分
(以下、EVAと略記する)
・ポリブテン:ホモタイプ、MFR(190℃、2160g荷重):1.8g/10分
(以下、PBと略記する)
・エチレン・メタクリル酸・アクリル酸ブチル共重合体:酸含量:4質量%、アクリル酸ブチル:8質量%、MFR(190℃、2160g荷重):14g/10分
(以下、酸ポリマーと略記する)
・部分水添石油樹脂(1):部分水素添加芳香族炭化水素樹脂(環球法軟化点:135℃、荒川化学社製)
・部分水添石油樹脂(2):部分水素添加芳香族炭化水素樹脂(環球法軟化点:90℃、荒川化学社製)
・完全水添石油樹脂:完全水素添加芳香族炭化水素樹脂(環球法軟化点:115℃、荒川化学社製)
・テルペン系樹脂:ピネン重合体(環球法軟化点;115℃、ヤスハラケミカル社製)
−第1樹脂層(接着性層)形成用の樹脂組成物の調製−
表1に示す配合にしたがって、原料を計量(仕込み量を10kgとした)し、溶融押出機(先端ダルメージフライトスクリュー、スクリュ径:φ65mm、L/D(=スクリュ長/スクリュ直径):28)の投入口へ投入した。各樹脂には、ペレットを用いた。そして、溶融押出機の加工温度を180℃に調節して溶融混練し、接着性層形成用の樹脂組成物を調製した。
なお、引張強度(MPa)、伸び(%)の測定は、以下の方法にて行った。
調製した第1樹脂層形成用の樹脂組成物をそれぞれ約60g計量し、加圧プレス法により2mm厚のプレスシートを作製した。そして、JIS−K6760に準拠した方法により引張強度(MPa)と伸び(%)を測定した。測定結果を表1に示す。
上記の酸ポリマー(エチレン・メタクリル酸共重合体)を、第2樹脂層形成用の樹脂(エチレン・α,β−不飽和カルボン系酸共重合体)として準備した。
65mmφラミネーター(ダイ幅:900mm幅)を用いて、79.1g/m2の片アート紙(三菱製紙社製)とアルミ箔(UACJ社製1N30)との間に厚み15μmの低密度ポリエチレン(1)を挟み込むようにして、加工温度320℃でサンド加工し、片アート紙/低密度ポリエチレン(15μm)/アルミ箔の積層構造を有する支持体を作製した。
<溶融押出条件>
・各層の溶融押出温度:260℃(第2樹脂層)、240℃(第1樹脂層)
・アダプター温度:250℃
・ダイ温度:250℃
・ライン速度:30m/分
上記で作製した評価サンプルの各々について、以下の評価を行った。評価結果を表2に示す。
上記で作製した各評価サンプルを、第1樹脂層において接するようにA−PET支持体(PR東プラ社製、厚み:500μm)の上に置き、下記の条件にてヒートシールした。
<シール条件>
・シール装置:ヒートシールバー(10mm幅)
・シール温度:130℃
・シール時間:1秒
・シール圧:0.2MPa(実圧)
さらに、剥離時に第1樹脂層を観察し、剥離形態を、下記基準1にしたがって評価した。
<基準1>
A:凝集破壊により剥離した。
B:凝集破壊と界面破壊が混在して剥離した。
C:界面剥離により剥離した。
また、測定の際、糸曳きの発生の有無を評価した。糸曳きの評価は、下記の基準2にしたがって行った。
<基準2>
A:糸曳きはみられない。
B:糸曳き及び毛羽立ちの発生は僅かである。
C:糸曳きの発生が明らかに認められる。
実施例1において、第1樹脂(接着性層)の配合を配合2に代えたこと以外は、実施例1と同様にして、評価サンプルを作製し、測定及び評価を行った。結果を表2に示す。
実施例1において、第1樹脂(接着性層)の配合を配合3に代えたこと以外は、実施例1と同様にして、評価サンプルを作製し、測定及び評価を行った。結果を表2に示す。
実施例1において、第1樹脂(接着性層)の配合を配合4に代えたこと以外は、実施例1と同様にして、評価サンプルを作製し、測定及び評価を行った。結果を表2に示す。
これに対して、部分水添石油樹脂を含まない比較例1では、接着性層で凝集破壊を生じさせて剥離することができずに界面剥離が発生し、シール強度(剥離強度)を確保することもできなかった。
Claims (8)
- エチレン重合体及びエチレン・酢酸ビニル共重合体の少なくとも一方の樹脂Aと、前記樹脂Aに非相溶の樹脂Bと、部分水添石油樹脂と、を含有し、JIS−K6760に準拠して測定した2mm厚での引張強度が2MPa以上15MPa以下である接着性樹脂組成物。
- 前記樹脂Aがエチレン・酢酸ビニル共重合体であり、前記樹脂Bがブテン重合体である請求項1に記載の接着性樹脂組成物。
- 請求項1又は請求項2に記載の接着性樹脂組成物を含む第1樹脂層と、低密度ポリエチレン、エチレン・α,β−不飽和カルボン酸共重合体及びエチレン・α,β−不飽和カルボン酸エステル共重合体の少なくとも一つを含む第2樹脂層と、を有する積層フィルム。
- 支持体と、請求項3に記載の積層フィルムと、を有する包装材料。
- 前記積層フィルムは、共押出により前記支持体の上に層状に形成されている請求項4に記載の包装材料。
- 少なくとも最表面が樹脂である収納容器の開口部に接着させて前記開口部を閉塞する蓋材である請求項4又は請求項5に記載の包装材料。
- 開口した収納部を有し、少なくとも最表面が樹脂である収納容器と、
支持体及び請求項3に記載の積層フィルムを有し、前記収納容器の開口部に前記積層フィルムの第1樹脂層を接着させて前記開口部を閉塞する蓋材と、を備えた包装容器。 - 前記収納容器の少なくとも蓋材と接する最表面が、ポリエステル系樹脂である請求項7に記載の包装容器。
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