以下、本発明の実施の形態1について、図面を用いて詳細に説明する。
図1は本発明のワイパ装置を示す斜視図を、図2はノズルユニットの周辺を表側から見た拡大斜視図を、図3はノズルユニットの周辺を裏側から見た拡大斜視図を、図4は図1のA−A線に沿う断面図を、図5は図2のB−B線に沿う断面図を、図6はワイパアームを裏側から見た斜視図をそれぞれ示している。
図1に示すように、ワイパ装置10は、ワイパブレード20とワイパアーム30とを備えている。ワイパブレード20は、ワイパアーム30の先端側に回動自在に装着され、自動車等の車両のフロント側にあるウィンドシールド(払拭面)11上を摺接する。ワイパアーム30の基端側は、車両のフロント側にある揺動軸PSに装着される。そして、車室内にあるワイパスイッチ(図示せず)をオン操作してワイパモータ(図示せず)を回転させることで、揺動軸PSが揺動される。これにより、ワイパ装置10は、ウィンドシールド11上に形成された所定の払拭範囲ARを、図中矢印に示すように往路側および復路側に向けて往復払拭動作する。
図1ないし図5に示すように、ワイパブレード20は、ウィンドシールド11に接触するブレードラバー21と、ブレードラバー21を保持するホルダ部材22と、ホルダ部材22の長手方向中間部分に設けられた連結部23とを備えている。なお、ホルダ部材22の長手方向両端部分には一対のエンドキャップCPが装着されている。これにより、ホルダ部材22に保持されたブレードラバー21の抜け止めがなされている。
図4および図5に示すように、ブレードラバー21は、ホルダ部材22に保持される本体部21aと、ウィンドシールド11に接触されるリップ部21bと、本体部21aとリップ部21bとを連結するネック部21cとを備えている。なお、ブレードラバー21は、ゴム等の弾性材料を押出成形することにより長尺に形成され、その断面形状は長手方向に沿う全域で一様の形状となっている。
ネック部21cのブレードラバー21の動作方向(図中左右方向)に沿う厚み寸法は、本体部21aおよびリップ部21bの厚み寸法よりも薄い厚み寸法に設定されて弾性変形し易くなっている。これにより、ワイパブレード20がウィンドシールド11上を往路側および復路側に移動する際に、リップ部21bの傾斜が許容され、ひいてはリップ部21bの先端部分がワイパブレード20の移動方向にスムーズに追従できるようになっている。したがって、ウィンドシールド11に付着した雨水や埃等の付着物(図示せず)を確実に払拭することができる。
ホルダ部材22は、図4に示すように、ホルダ本体22aとフィン部22bとを備えている。ホルダ本体22aおよびフィン部22bは、互いに硬度が異なる異種材料を二色成形することにより一体化され、ブレードラバー21と同様に長尺に形成されている。
ホルダ本体22aは、ブレードラバー21の本体部21aを保持し得る充分な強度を確保しつつ、ウィンドシールド11の曲面形状(図示せず)に追従可能とするために、柔軟性を有するプラスチック等の樹脂材料により形成されている。一方、フィン部22bは、ホルダ本体22aの硬度よりも低い硬度のゴム等の弾性材料により形成されている。そして、走行風がフィン部22bに当たることにより、ワイパブレード20にはダウンフォースが発生して、これによりブレードラバー21の払拭性能が良好に保持される。
ホルダ本体22aの内部には、一対のバーティブラ22cが所定間隔で設けられている。各バーティブラ22cは、バネ性を有する鋼板によって形成され、ブレードラバー21の本体部21aを、往路側および復路側からそれぞれ挟むようにして鏡像対称となるように配置されている。各バーティブラ22cは、外力を負荷していない自然状態においては、ウィンドシールド11の曲率よりも大きい曲率で湾曲されており、ホルダ部材22およびブレードラバー21をウィンドシールド11の曲率に合わせて弾性変形させるようになっている。これにより、リップ部21bの長手方向に沿う全域がウィンドシールド11に密着される。
図1および図5に示すように、ホルダ部材22の長手方向中間部分には、連結部23が設けられている。連結部23は、連結本体23aと、ベース板23bと、カバー部材23cとを備えている。連結本体23aは、鋼板をプレス加工等することにより断面が略U字形状に形成され、一体に設けられた固定脚部(図示せず)によって各バーティブラ22cにカシメ固定されている。
連結本体23aには、鋼材よりなる円柱ピン23dがカシメ固定されており、この円柱ピン23dには、プラスチック等の樹脂材料よって形成されたフック固定部材23eが回動自在に装着されている。ここで、フック固定部材23eには、ワイパアーム30の先端側に固定されたアームピース60(図2参照)が、ワンタッチで連結されるようになっている。なお、円柱ピン23dおよびフック固定部材23eにおいても、連結部23を構成している。
ベース板23bは、プラスチック等の樹脂材料により板状に形成されており、このベース板23bは、一体に設けられた固定脚部23fによって各バーティブラ22cに装着されている。ここで、連結本体23aはホルダ部材22のフィン部22b側(表側)に配置され、ベース板23bはホルダ部材22のホルダ本体22a側(裏側)に配置されている。
カバー部材23cは、プラスチック等の樹脂材料により略箱形状に形成されており、一体に設けられた複数の係合爪(図示せず)によって連結本体23aの外側に装着されている。このカバー部材23cは、連結本体23aの側面部分等を覆い隠すようになっており、これによりワイパブレード20の見栄えを良くしている。
図1および図6に示すように、ワイパアーム30は、アームヘッド40,アームシャンク50およびアームピース60を備えている。
アームヘッド40は、アルミ材料を鋳造成形等することで、略J字形状に湾曲された棒状に形成されている。アームヘッド40の一端部(図中右側)には、揺動軸PSに装着される軸固定部41が設けられている。一方、アームヘッド40の他端部(図中左側)には、アームシャンク50の一端部が回動自在に装着されるシャンク装着部42が設けられている。
図6に示すように、シャンク装着部42には、アームシャンク50の一端部を回動自在に支持する支持ピン42aが設けられている。この支持ピン42aは、円柱状の鋼材によって形成され、揺動軸PSの延在方向と交差する方向に延在されている。これにより、アームシャンク50はアームヘッド40に対して、がたつくこと無く回動自在に装着され、かつ容易にロックバック可能となっている。
また、シャンク装着部42には、一対のピン装着壁42b,42cが設けられており、これらのピン装着壁42b,42cの間には、フックFKが引っ掛けられる引っ掛けピン42dが設けられている。この引っ掛けピン42dは、本発明におけるピンを構成しており、支持ピン42aと同じ方向に延在されるとともに、支持ピン42aと同様に円柱状の鋼材によって形成されている。
ここで、一対のピン装着壁42b,42cのうちの一方のピン装着壁42cは、アームヘッド40の短手方向に沿う略中央部分に配置されている。これにより、フックFKに引っ掛けられるスプリングSPが、アームシャンク50の短手方向に沿う一方側(図中下方側)に寄せて配置される。このように、引っ掛けピン42dは、フックFKを介してスプリングSPの端部を支持している。
アームヘッド40のウィンドシールド11側(図中手前側)には、ウィンドシールド11側に向けて開口されたヘッド側配管収容部43が設けられている。このヘッド側配管収容部43は、アームヘッド40の形状に合わせて、アームヘッド40の長手方向全域に亘って設けられている。すなわち、アームヘッド40の短手方向に沿う断面形状は略U字状に形成されている。
ヘッド側配管収容部43には、往路側ウォッシャチューブ(配管)44および復路側ウォッシャチューブ(配管)45が収容されている。ここで、各ウォッシャチューブ44,45の配置構造を判り易くするために、図示において、各ウォッシャチューブ44,45に網掛けを施している。
図1の破線矢印に示すように、各ウォッシャチューブ44,45のそれぞれには、図示しないウォッシャポンプから、往路側ウォッシャ液(洗浄液)W1および復路側ウォッシャ液(洗浄液)W2がそれぞれ供給される。ここで、各ウォッシャチューブ44,45は、後述するノズルユニット70に、各ウォッシャ液W1,W2を送るものである。図6に示すように、往路側ウォッシャチューブ44は、車両側チューブ44aとノズル側チューブ44bとから形成されている。また、復路側ウォッシャチューブ45は、車両側チューブ45aとノズル側チューブ45bとから形成されている。
車両側チューブ44aとノズル側チューブ44b、および車両側チューブ45aとノズル側チューブ45bは、それぞれヘッド側配管収容部43の内側に固定されたジョイント部材46によって互いに連結されている。このように、ヘッド側配管収容部43の内側にジョイント部材46を固定することで、アームヘッド40の部分において、各ウォッシャチューブ44,45が弛むのを防止している。また、ジョイント部材46を境に、車両側チューブ44a,45aとノズル側チューブ44b,45bとに分割することで、車両側チューブ44a,45aおよびノズル側チューブ44b,45bを、アームヘッド40およびアームシャンク50に対して容易に組み付けられるようにしている。
図6に示すように、ヘッド側配管収容部43に収容された各ウォッシャチューブ44,45の揺動軸PS側は、軸固定部41を避けた位置からアームヘッド40の外部に纏めて引き出されている。具体的には、各ウォッシャチューブ44,45の揺動軸PS側は、揺動軸PSの延在方向(軸方向)に並べられた状態のもとで、アームヘッド40の外部に引き出されている。
これにより、アームヘッド40における軸固定部41の周辺が、幅広となって大型化するのを抑制している。また、アームヘッド40の揺動時において、各ウォッシャチューブ44,45は、軸固定部41の周囲に沿ってそれぞれ同じ曲率半径で弾性変形されるため、駆動側の揺動軸PS(ワイパモータ)に掛かる負荷を軽減することができる。
一方、ヘッド側配管収容部43に収容された各ウォッシャチューブ44,45のアームシャンク50側は、一方のピン装着壁42cを避けた位置から、アームヘッド40の外部に纏めて引き出されている。具体的には、ヘッド側配管収容部43に収容された各ウォッシャチューブ44,45のアームシャンク50側は、引っ掛けピン42dの延在方向(軸方向)に並べられた状態のもとで、アームヘッド40の外部に引き出されている。
これにより、図6に示すように、各ウォッシャチューブ44,45を、アームシャンク50の短手方向に沿う他方側(図中上方側)に寄せて配置することができる。また、アームシャンク50をアームヘッド40に対してロックバックさせる際に、各ウォッシャチューブ44,45がそれぞれ同じ曲率半径で弾性変形されるため、各ウォッシャチューブ44,45の双方に略同じ負荷を掛けることができ、ひいては各ウォッシャチューブ44,45のうちのいずれか一方が早期に劣化する等の不具合が発生するのを抑制できる。
図6に示すように、アームシャンク50は、鋼板をプレス加工等することで断面が略U字形状に形成され、略真っ直ぐの長尺の棒状に形成されている。そして、アームシャンク50の一端部(図中右側)は、アームヘッド40のシャンク装着部42に回動自在に装着され、アームシャンク50の他端部(図中左側)には、アームピース60を介してワイパブレード20(図1参照)が装着されている。ここで、本実施の形態では、アームシャンク50の他端部にアームピース60を介してワイパブレード20を装着しているが、本発明においては、アームシャンク50の他端部にワイパブレード20を直接装着する形態も含まれる。すなわち、アームシャンク50の他端部に、アームピース60と同様の形状に形成されたワイパブレード固定部を、一体に設けた形態も含まれる。
また、アームシャンク50の長手方向に沿う他端部側、つまりワイパアーム30の先端側には、ウィンドシールド11に向けて各ウォッシャ液W1,W2(図3参照)を噴射するノズルユニット70が装着されている。
アームシャンク50は、底壁51と、当該底壁51に対して略直角に起立された一対の側壁52a,52bとを備えている。これらの底壁51および一対の壁部52a,52bで囲まれた部分は、シャンク側配管収容部53となっている。シャンク側配管収容部53には、各ウォッシャチューブ44,45が収容され、シャンク側配管収容部53は、アームヘッド40に設けたヘッド側配管収容部43に連なっている。すなわち、シャンク側配管収容部53は、アームシャンク50の長手方向に沿うように設けられ、かつウィンドシールド11に向けて開口されている。
また、シャンク収容部53には、各ウォッシャチューブ44,45と並行となるようにスプリングSPが収容されており、このスプリングSPは、ワイパブレード20をウィンドシールド11に向けて押圧する弾性力を発生するようになっている。
図7は図6の破線円C部の拡大図を、図8(a),(b)は図7のD−D線に沿う断面図をそれぞれ示している。
図7および図8に示すように、アームシャンク50の長手方向に沿う一端部側、つまりワイパアーム30の基端側には、第1配管保持部としての突出片52cが設けられている。この突出片52cは、アームシャンク50の復路側にある側壁52bに一体に設けられている。具体的には、突出片52cは、アームシャンク50の往路側にある側壁52aに向けて突出され、かつ底壁51と平行に延ばされている。つまり、突出片52cは、側壁52bからワイパブレード20(図1参照)の往路側への払拭方向に突出され、かつウィンドシールド11と平行に延ばされている。なお、突出片52cは、アームシャンク50をプレス加工する際に、側壁52bに一体に設けられる。
また、突出片52cの側壁52bからの突出量は、図7に示すように、突出片52cの先端部分と、アームヘッド40に設けられた一方のピン装着壁42cとの間に、寸法Laの間隙Sを形成し得る突出量となっている。ここで、間隙Sの寸法Laは可変となっている。具体的には、図7に示すように、ワイパブレード20をウィンドシールド11に向けて倒した状態のもとで、間隙Sの寸法Laは、各ウォッシャチューブ44,45の直径寸法r(図8(b)参照)よりも小さくなる(La<r)。これにより、ワイパ装置10の作動時において、各ウォッシャチューブ44,45がシャンク側配管収容部53からはみ出たり脱落したりするようなことを、確実に防止している。
これに対し、図7の破線矢印R1の方向にアームシャンク50をアームヘッド40に対して回動させた場合、つまりアームシャンク50をアームヘッド40に対してロックバックする方向とは逆の方向に回動させた場合には、図8(b)に示すようになる。具体的には、間隙Sの寸法Lbは、各ウォッシャチューブ44,45の直径寸法rよりも若干大きくなる(Lb>r)。これにより、ワイパ装置10を車両に取り付ける前の状態、つまりワイパ装置10の単体状態において、各ウォッシャチューブ44,45を、ヘッド側配管収容部43およびシャンク側配管収容部53の双方に容易に組み付けることができる。
図7に示すように、突出片52cは、アームシャンク50の短手方向からフックFKと対向している。このように、突出片52cは、アームシャンク50におけるスプリングSPの一端側に対応した位置、つまりスプリングSPの一端側の近傍に設けられている。そして、図8に示すように、突出片52cは、一方のピン装着壁42cとともに、各ウォッシャチューブ44,45を纏めた状態のもとで、各ウォッシャチューブ44,45をアームシャンク50の短手方向に沿う他方側(図中左上側)に寄せて保持している。
このように、突出片52cは一方のピン装着壁42cとともに、スプリングSPの一端側において、各ウォッシャチューブ44,45をスプリングSPに対して並べて保持する機能を有している。ここで、各ウォッシャチューブ44,45は、スプリングSPに接触すること無くスプリングSPの側部から離れて配置されている。したがって、各ウォッシャチューブ44,45とスプリングSPとが擦れるようなことは無い。このように、突出片52cは一方のピン装着壁42cとともに、各ウォッシャチューブ44,45をスプリングSPに対して非接触の状態で保持するようになっている。
図9は図6の破線円E部の拡大図を、図10は図9のF−F線に沿う断面図を、図11(a),(b)は第1ホルダを示す斜視図を、図12は第1ホルダのアームシャンクへの装着手順を示す図をそれぞれ示している。
図9および図10に示すように、アームシャンク50の長手方向に沿う略中央部分には、支持片52dと、当該支持片52dに装着される第1ホルダ54とが設けられている。これらの支持片52dおよび第1ホルダ54は、突出片52cが配置された位置に対して、アームシャンク50の長手方向に沿う他端側に配置されており、本発明における第2配管保持部を構成している。また、第1ホルダ54は、本発明における保持駒を構成している。
支持片52dは、図12に示すように、アームシャンク50の往路側にある側壁52aに一体に設けられている。具体的には、支持片52dは、アームシャンク50の復路側にある側壁52bに向けて突出されている。つまり、支持片52dは、側壁52aからワイパブレード20(図1参照)の復路側への払拭方向に突出されている。また、支持片52dは略L字形状に形成されており、支持片52dの先端部分は、ワイパアーム30の先端側にも延在されている。なお、支持片52dは、アームシャンク50をプレス加工する際に、側壁52aに一体に設けられる。
支持片52dの先端部分には、スプリングSPの他端側が引っ掛けられる引っ掛け孔52eが設けられている。この引っ掛け孔52eは、アームシャンク50の長手方向に延在する長孔とされ、スプリングSPの他端側を容易に引っ掛けられるようにしている。このように、スプリングSPの一端側はフックFKを介してアームヘッド40の引っ掛けピン42d(図7参照)に引っ掛けられ、スプリングSPの他端側はアームシャンク50の引っ掛け孔52eに引っ掛けられている。これにより、スプリングSPの弾性力は、ワイパブレード20をウィンドシールド11(図1参照)に向けて押圧するように作用する。
また、支持片52dの先端側で、かつスプリングSP側とは反対側のノズルユニット70側(図中左側)には、第1ホルダ54が装着される装着本体52fが設けられている。この装着本体52fの引っ掛け孔52e側とは反対側には、係合凹部52gが設けられている。係合凹部52gには、第1ホルダ54に設けた一対の位置決め凸部54dのうちの一方が係合するようになっている。なお、第1ホルダ54に設けた他方の位置決め凸部54dは、引っ掛け孔52eの円弧形状の部分に係合するようになっている。これにより、第1ホルダ54は、支持片52dにがたつくこと無く確実に装着される。
図11に示すように、第1ホルダ54は、プラスチック等の樹脂材料により所定形状に形成され、装着本体52fに装着される本体部54aを備えている。また、本体部54aには、装着本体52fが挿通される挿通孔54bが設けられ、当該挿通孔54bの内側には、装着本体52fに第1ホルダ54を装着した状態のもとで、装着本体52fに押圧される押圧突起54c(図11(b)参照)が設けられている。これにより、第1ホルダ54のがたつきが防止される。
また、本体部54aにおける挿通孔54bの一方の開口側の部分および他方の開口側の部分には、略円柱形状に形成された位置決め凸部54dがそれぞれ設けられている。これらの位置決め凸部54dの突出高さは、図10に示すように、押圧突起54cの突出高さと略同じ突出高さとなっている。具体的には、位置決め凸部54dおよび押圧突起54cの突出高さは、それぞれ例えば2.0mmの高さとされ、挿通孔54bに対する装着本体52fの挿通の障害にならないようにしている。そして、装着本体52fに第1ホルダ54を装着した状態のもとで、一方の位置決め凸部54dは係合凹部52gに係合され、他方の位置決め凸部54dは引っ掛け孔52eの円弧形状の部分に係合される。
図9に示すように、第1ホルダ54を装着本体52fに装着した状態のもとで、本体部54aの側壁52b側(復路側)には、復路側ウォッシャチューブ45を保持する第1チューブ保持部54eが設けられている。また、本体部54aの底壁51側には、往路側ウォッシャチューブ44を保持する第2チューブ保持部54fが設けられている。
図10および図11に示すように、第1チューブ保持部54eは、本体部54aから側壁52bに向けて突出された突片54gの支持面54hと、本体部54aの側壁52bに向けられた側面54kとを有している。そして、アームシャンク50の底壁51と側壁52bとの間には、略45度に傾斜された傾斜壁52hが設けられ、当該傾斜壁52hと、支持面54hと、側面54kとの間に復路側ウォッシャチューブ45が保持されている。このように、復路側ウォッシャチューブ45は、3点で支持されるため、そのがたつきが効果的に抑えられている。
第2チューブ保持部54fは、本体部54aから底壁51に向けて突出された一対の突片54mのそれぞれの支持面54nと、本体部54aの底壁51に向けられた底面54pとを有している。そして、傾斜壁52hと、支持面54nと、底面54pとの間に往路側ウォッシャチューブ44が保持されている。このように、往路側ウォッシャチューブ44においても、3点で支持されるため、そのがたつきが効果的に抑えられている。
図9に示すように、支持片52dおよび第1ホルダ54は、アームシャンク50におけるスプリングSPの他端側に対応した位置、つまりスプリングSPの他端側の近傍に設けられている。そして、図9に示すように、支持片52dおよび第1ホルダ54は、各ウォッシャチューブ44,45を纏めた状態のもとで、各ウォッシャチューブ44,45をアームシャンク50の短手方向に沿う他方側(図中上側)に寄せて保持している。
このように、支持片52dおよび第1ホルダ54は、スプリングSPの他端側において、各ウォッシャチューブ44,45をスプリングSPに対して並べて保持する機能を有している。ここで、各ウォッシャチューブ44,45は、スプリングSPに接触すること無くスプリングSPの側部から離れて配置されている。したがって、各ウォッシャチューブ44,45とスプリングSPとが擦れるようなことは無い。このように、支持片52dおよび第1ホルダ54は、各ウォッシャチューブ44,45をスプリングSPに対して非接触の状態で保持するようになっている。
第1ホルダ54を装着本体52fに装着するには、まず、図12の破線矢印M1に示すように、アームシャンク50の長手方向に沿う先端側から、第1ホルダ54を装着本体52fに臨ませる。その後、第1ホルダ54を装着本体52fに対して少し傾斜させるようにして、装着本体52fの係合凹部52g側を、位置決め凸部54dと押圧突起54c(図11(b)参照)との間に差し込む。その後、第1ホルダ54を装着本体52fに対して平行となるようにして、装着本体52fの係合凹部52g側の差し込み動作を続ける。これにより、一対の位置決め凸部54dが、引っ掛け孔52eの円弧状の部分と係合凹部52gとの双方にそれぞれ係合されて、これにより第1ホルダ54の装着本体52fへの装着が完了する。
ここで、図6に示すように、突出片52cおよび一方のピン装着壁42cが配置された位置と、支持片52dおよび第1ホルダ54が配置された位置との離間距離L1は、スプリングSPの長さ寸法と略同じ寸法となっている。さらに、離間距離L1は、アームシャンク50の長さ寸法の略1/3の寸法となっている。これにより、各ウォッシャチューブ44,45を、スプリングSPから離した被非接触の状態のもとで、スプリングSPに対して並べて配置することができ、かつ、離間距離L1をスプリングSPの長さ寸法程度に短くすることができる。したがって、各ウォッシャチューブ44,45が弛んで、シャンク側配管収容部53から外部にはみ出るのを確実に防止することができる。
図13は図6の破線円G部の拡大図を、図14は図13のH−H線に沿う断面図を、図15(a),(b)は第2ホルダを示す斜視図を、図16は第2ホルダのアームシャンクへの装着手順を示す図をそれぞれ示している。
図13および図14に示すように、アームシャンク50の長手方向に沿う第1ホルダ54とノズルユニット70との間には、支持片52kと、当該支持片52kに装着される第2ホルダ55とが設けられている。これらの支持片52kおよび第2ホルダ55は、スプリングSPの他端部側にある支持片52dおよび第1ホルダ54と、アームシャンク50の他端部との間に設けられ、本発明における第3配管保持部を構成している。
支持片52kは、図16に示すように、アームシャンク50の往路側にある側壁52aに一体に設けられている。具体的には、支持片52kは、アームシャンク50の復路側にある側壁52bに向けて突出されている。つまり、支持片52kは、側壁52aからワイパブレード20(図1参照)の復路側への払拭方向に突出されている。なお、支持片52kは、アームシャンク50をプレス加工する際に、側壁52aに一体に設けられる。
支持片52kの略中央部分には、支持片52kの板厚方向に貫通された装着孔52mが設けられている。この装着孔52mには、第2ホルダ55の係合突起55e(図15(b)参照)が入り込んで装着されるようになっている。ここで、装着孔52mの直径寸法は、係合突起55eの直径寸法よりも若干大きい寸法とされている。これにより、第2ホルダ55を支持片52kに容易かつ確実に装着することができるとともに、第2ホルダ55の支持片52kに対するがたつきが抑えられる。
図15に示すように、第2ホルダ55は、プラスチック等の樹脂材料により略長方形形状に形成され、支持片52kに装着される。第2ホルダ55は、本体部55aを備えており、本体部55aの長手方向に沿う先端側には、略円弧形状に形成された爪部55bが一体に設けられている。また、本体部55aの短手方向に沿う両側には、本体部55aよりも板厚に形成され、かつ内側に支持片52kの側部52n(図16参照)が入り込むスライド溝55cを備えた肉厚部55dが、それぞれ設けられている。つまり、第2ホルダ55の先端側には薄肉の爪部55bが設けられ、第2ホルダ55の基端側には爪部55bよりも肉厚とされた一対の肉厚部55dが設けられている。これにより、第2ホルダ55は、その長手方向に沿って段差形状となっている。
さらに、本体部55aの肉厚部55d側には、略円柱形状に形成された係合突起55eが設けられている。この係合突起55eは、第2ホルダ55を支持片52kに装着した状態のもとで、支持片52kの装着孔52mに装着される。ここで、係合突起55eの突出高さは、支持片52kの板厚よりも小さい突出高さ(例えば1.5mm)とされている。これにより、係合突起55eが、支持片52kへの第2ホルダ55の装着の障害にならないようにしている。
また、本体部55aには、第2ホルダ55の長手方向に延びる一対の貫通孔55fが設けられている。これにより、本体部55aの係合突起55e周辺の剛性が下げられており、第2ホルダ55の支持片52kへの装着を容易に行うことができる。
そして、図14に示すように、第2ホルダ55を支持片52kに装着した状態のもとで、爪部55bは、復路側ウォッシャチューブ45を、アームシャンク50の傾斜壁52hに向けて押さえ付けるようになっている。これに対し、一対の肉厚部55dは、往路側ウォッシャチューブ44を、アームシャンク50の底壁51に向けて押さえ付けるようになっている。
このように、第2ホルダ55を段差形状とすることで、復路側ウォッシャチューブ45および往路側ウォッシャチューブ44のそれぞれを、傾斜壁52hおよび底壁51のそれぞれに向けて押さえ付けている。これにより、各ウォッシャチューブ44,45のそれぞれがアームシャンク50の内側でがたつくことが効果的に抑えられ、かつ各ウォッシャチューブ44,45が弛んでシャンク側配管収容部53から外部にはみ出るのを確実に防止することができる。
第2ホルダ55を支持片52kに装着するには、まず、図16の破線矢印M2に示すように、アームシャンク50の短手方向に沿う側壁52a側から、第2ホルダ55の爪部55bを支持片52kに臨ませる。その後、各肉厚部55dの各スライド溝55c(図15(b)参照)に、支持片52kの各側部52nを挿入する。その後、第2ホルダ55をさらに支持片52kに差し込むことで、第2ホルダ55の係合突起55e(図15(b)参照)が支持片52kの装着孔52mに入り込む。これにより、第2ホルダ55の支持片52kへの装着が完了する。
ここで、図6に示すように、第2ホルダ55は、アームシャンク50の長手方向に対して、第1ホルダ54が配置された位置とノズルユニット70がある位置との間の略真ん中の位置に配置されている。具体的には、第2ホルダ55と第1ホルダ54との離間距離L2は、第2ホルダ55とノズルユニット70との離間距離L3と略同じ距離となっている(L2≒L3)。
また、突出片52cと第1ホルダ54との離間距離L1と、第2ホルダ55と第1ホルダ54との離間距離L2と、第2ホルダ55とノズルユニット70との離間距離L3とは、それぞれ略等しい距離となっている(L1≒L2≒L3)。これにより、第2ホルダ55と第1ホルダ54との間、および第2ホルダ55とノズルユニット70との間においても、突出片52cと第1ホルダ54との間と同様に、各ウォッシャチューブ44,45が弛んで、シャンク側配管収容部53から外部にはみ出ることが確実に防止される。
図6に示すように、アームシャンク50の先端側に固定されるアームピース60は、鋼材をプレス加工等することで所定形状に形成されている。アームピース60の先端側は略U字形状に形成されている。このアームピース60の先端部分は、フック固定部材23e(図5参照)にワンタッチで連結されるようになっている。また、アームピース60の基端側は、アームシャンク50の先端部分の内側に、一対のリベットR(図2参照)によって固定されている。このように、鋼板よりなるアームシャンク50と鋼材よりなるアームピース60とを互いにリベット止めすることで、両者はがたつくこと無く強固に固定されている。
アームピース60には、固定ネジSC(図6参照)によってノズルユニット70が固定されている。ここで、図2に示すネジ穴HLには、固定ネジSCが図中下側、つまりワイパブレード20側からネジ込まれるようになっている。そして、このネジ穴HLを含むアームピース60およびノズルユニット70の一部は、アームシャンク50の先端側によって覆われている。これにより、ワイパ装置10のノズルユニット70の周辺をすっきりさせて見栄えを良くしている。
このように、フック固定部材23eに装着されるアームピース60にノズルユニット70を固定することで、ノズルユニット70はフック固定部材23eに近付けて配置される。また、ノズルユニット70を、フック固定部材23eの近くにおいて、アームピース60に固定ネジSCにより強固に固定している。そのため、ノズルユニット70のワイパブレード20に対する位置ずれが最小限に抑えられている。
ノズルユニット70は、図2および図3に示すように、プラスチック等の樹脂材料を射出成形することで、アームシャンク50の長手方向と交差する方向(短手方向)の断面形状が、略U字形状に形成されている。そして、ノズルユニット70は、往路側ブロック71と復路側ブロック72とを備えている。
往路側ブロック71の基端側には、ワイパブレード20の長手方向基端側に向けられた往路側第1壁部71aが設けられている。往路側ブロック71の往路側第1壁部71a側には、往路側ウォッシャチューブ44の他端側が接続されている。一方、往路側ブロック71の先端側には、先端側に向かうにつれて徐々に先細り形状となった往路側腕部71bが一体に設けられている。そして、往路側腕部71bには、ワイパブレード20の長手方向先端側に向けられた往路側第2壁部71cが設けられている。
また、往路側ブロック71の往路側第1壁部71aと往路側第2壁部71cとの間には、ウィンドシールド11と対向する往路側対向面71dが形成されている。往路側対向面71dの往路側第2壁部71c寄りの部分には、往路側ノズルキャップ71eが設けられている。
往路側第2壁部71cには、往路側第1噴射ノズルA1が設けられている。この往路側第1噴射ノズルA1は、ワイパブレード20の長手方向先端側に向けられている。これにより、ワイパブレード20の往路側払拭動作の際に、ワイパブレード20の長手方向先端側で、かつ往路側のウィンドシールド11上(図1参照)を濡らせるようになっている。
ここで、往路側第1噴射ノズルA1は、往路側ウォッシャ液W1の噴射位置が可変の目玉式のノズルを採用している。具体的には、ノズルに針金等を刺して回動させることで、往路側第1噴射ノズルA1の噴射位置を調整することができる。これにより、ワイパアーム30に装着されるワイパブレード20の長さ違い等の仕様に対応させて、往路側第1噴射ノズルA1の噴射位置を最適化できる。
往路側ノズルキャップ71eには、往路側第2噴射ノズルB1および往路側第3噴射ノズルC1が設けられている。これらの往路側第2噴射ノズルB1および往路側第3噴射ノズルC1においては、往路側ウォッシャ液W1の噴射位置が固定式のノズルとなっている。そして、往路側第2噴射ノズルB1および往路側第3噴射ノズルC1から噴射される往路側ウォッシャ液W1は、ブレードラバー21の長手方向中央部の近傍で、かつ往路側を濡らすようになっている。
往路側第1壁部71aには、往路側第4噴射ノズルD1が設けられている。この往路側第4噴射ノズルD1は、ワイパブレード20の長手方向基端側に向けられている。これにより、ワイパブレード20の往路側払拭動作の際に、ワイパブレード20の長手方向基端側で、かつ往路側のウィンドシールド11上(図1参照)を濡らせるようになっている。
ここで、往路側第4噴射ノズルD1においても、往路側第1噴射ノズルA1と同様に、往路側ウォッシャ液W1の噴射位置が可変の目玉式のノズルを採用している。したがって、ワイパブレード20の仕様に合わせて、往路側第4噴射ノズルD1の噴射位置を最適化できる。
復路側ブロック72の基端側には、ワイパブレード20の長手方向基端側に向けられた復路側第1壁部72aが設けられている。復路側ブロック72の復路側第1壁部72a側には、復路側ウォッシャチューブ45の他端側が接続されている。一方、復路側ブロック72の先端側には、先端側に向かうにつれて徐々に先細り形状となった復路側腕部72bが一体に設けられている。そして、復路側腕部72bには、ワイパブレード20の長手方向先端側に向けられた復路側第2壁部72cが設けられている。ここで、復路側腕部72bの長さ寸法の方が、往路側腕部71bの長さ寸法よりも短くなっている。
また、復路側ブロック72の復路側第1壁部72aと復路側第2壁部72cとの間には、ウィンドシールド11と対向する復路側対向面72dが形成されている。復路側対向面72dの復路側第1壁部72a寄りの部分には、復路側ノズルキャップ72eが設けられている。
復路側第2壁部72cには、復路側第1噴射ノズルE1が設けられている。この復路側第1噴射ノズルE1は、ワイパブレード20の長手方向先端側に向けられている。これにより、ワイパブレード20の復路側払拭動作の際に、ワイパブレード20の長手方向先端側で、かつ復路側のウィンドシールド11上(図1参照)を濡らせるようになっている。
ここで、復路側第1噴射ノズルE1は、復路側ウォッシャ液W2の噴射位置が可変の目玉式のノズルを採用している。具体的には、上述した往路側第1噴射ノズルA1と同様に噴射位置を調整することができる。これにより、ワイパアーム30に装着されるワイパブレード20の長さ違い等の仕様に対応させて、復路側第1噴射ノズルE1の噴射位置を最適化できる。
復路側ノズルキャップ72eには、復路側第2噴射ノズルF1が設けられている。この復路側第2噴射ノズルF1においては、復路側ウォッシャ液W2の噴射位置が固定式のノズルとなっている。そして、復路側第2噴射ノズルF1から噴射される復路側ウォッシャ液W2は、ブレードラバー21の長手方向中央部の近傍で、かつ復路側を濡らすようになっている。
復路側第1壁部72aには、復路側第3噴射ノズルG1が設けられている。この復路側第3噴射ノズルG1は、ワイパブレード20の長手方向基端側に向けられている。これにより、ワイパブレード20の復路側払拭動作の際に、ワイパブレード20の長手方向基端側で、かつ復路側のウィンドシールド11上(図1参照)を濡らせるようになっている。
ここで、復路側第3噴射ノズルG1においても、復路側第1噴射ノズルE1と同様に、復路側ウォッシャ液W2の噴射位置が可変の目玉式のノズルを採用している。したがって、ワイパブレード20の仕様に合わせて、復路側第3噴射ノズルG1の噴射位置を最適化できる。
なお、本実施の形態においては、往路側の各噴射ノズルA1〜D1による往路側ウォッシャ液W1のウィンドシールド11に対する噴射位置、および復路側の各噴射ノズルE1〜G1による復路側ウォッシャ液W2のウィンドシールド11に対する噴射位置を、以下に示す基準によって調整している。
ここで、各ウォッシャ液W1,W2の噴射位置がブレードラバー21に近いと、噴射された各ウォッシャ液W1,W2が運転者等の視界の妨げになることは無いが、噴射された各ウォッシャ液W1,W2は噴射直後に払拭される。そのため、ウィンドシールド11に付着した埃等が溶融せずに拭き残しが生じてしまう(洗浄性低下)。
これに対し、各ウォッシャ液W1,W2の噴射位置をブレードラバー21から遠くすると、今度は逆に、ウィンドシールド11に付着した埃等を確実に溶融させて、拭き残しを無くして綺麗に払拭することができるが、噴射された各ウォッシャ液W1,W2が運転者等の視界の妨げになってしまう(視界阻害)。
そこで、ブレードラバー21の周速を[v]とし、付着物の溶融時間を[t]とし、ブレードラバー21からの各ウォッシャ液W1,W2の噴射位置までの距離、つまり噴射距離を[L]としたときに、[L=v×t]の式を満たすように噴射距離[L]を調整する。これにより、付着物の洗浄性向上と視界阻害の抑制との相反する現象をバランス良く達成できるようになる。なお、本実施の形態においては、噴射距離[L]を約15mm程度の噴射距離としている。
ただし、ブレードラバー21の周速[v]には、ブレードラバー21の先端側(外周側)の周速[v1]と、ブレードラバー21の基端側(内周側)の周速[v2]とで異なる(v1>v2)ため、周速[v1]と周速[v2]との平均値を用いるようにする。また、周速[v]は、通常、多く使用されるワイパスイッチの[Low]操作時におけるブレードラバー21の移動速度とする。
次に、往路側ウォッシャ液W1と復路側ウォッシャ液W2との流れ方について、図面を用いて説明する。
ウォッシャスイッチ(図示せず)を操作することでウォッシャポンプ(図示せず)が駆動され、図1の破線矢印に示すように、各ウォッシャ液W1,W2が往路側ウォッシャチューブ44および復路側ウォッシャチューブ45にそれぞれ供給される。すると、図3に示すように、各ウォッシャ液W1,W2が往路側ブロック71および復路側ブロック72の内部にそれぞれ入り込む。これにより、図3の破線矢印に示すように、往路側の各噴射ノズルA1〜D1および復路側の各噴射ノズルE1〜G1から、各ウォッシャ液W1,W2がそれぞれ噴射される。
ここで、ブレードラバー21の移動方向の切り換えに応じて、ウォッシャポンプの駆動方向が切り換えられる。より具体的には、ワイパブレード20の往路側への払拭動作時には、往路側ブロック71のみに往路側ウォッシャ液W1が供給される。一方、ワイパブレード20の復路側への払拭動作時には、復路側ブロック72のみに復路側ウォッシャ液W2が供給される。
以上詳述したように、本実施の形態に係るワイパ装置10によれば、アームシャンク50に、スプリングSPの両端側において、各ウォッシャチューブ44,45をスプリングSPに対して並べて保持する、突出片52cと、支持片52dおよび第1ホルダ54と、を設けたので、突出片52cと、支持片52dおよび第1ホルダ54と、の間の長さ寸法L1を、スプリングSPの長さ寸法程度に短くできる。これにより、各ウォッシャチューブ44,45がアームシャンク50からはみ出てウィンドシールド11に擦れる等の不具合の発生が防止される。また、各ウォッシャチューブ44,45に張力を与えずに済むため、各ウォッシャチューブ44,45をスプリングSPに接触させないようにでき、ひいては各ウォッシャチューブ44,45の早期劣化を確実に防止できる。
また、本実施の形態に係るワイパ装置10によれば、突出片52cと、支持片52dおよび第1ホルダ54とは、各ウォッシャチューブ44,45をスプリングSPに対して非接触の状態で保持するので、各ウォッシャチューブ44,45を擦れ等に起因した偏摩耗から確実に保護することができ、ワイパ装置10の長寿命化を図ることができる。
さらに、本実施の形態に係るワイパ装置10によれば、アームヘッド40に、その長手方向に沿うように延在され、ウィンドシールド11側に向けて開口され、各ウォッシャチューブ44,45を収容するヘッド側配管収容部43を設けた。これにより、アームシャンク50側から引き続いて、アームヘッド40側の部分においても、各ウォッシャチューブ44,45の外部への露出を防止できる。よって、ワイパ装置10の見栄えを良くすることができる。
また、本実施の形態に係るワイパ装置10によれば、アームヘッド40の他端部に、スプリングSPの一端部を支持する引っ掛けピン42dが装着されるピン装着壁42cを設け、スプリングSPの一端部側に、アームシャンク50の側壁52bからワイパブレード20の払拭方向に突出された突出片52cを設け、各ウォッシャチューブ44,45を、ピン装着壁42cおよび突出片52cにより保持させた。これにより、アームシャンク50をアームヘッド40に対して回動させることで、各ウォッシャチューブ44,45を、ピン装着壁42cと突出片52cとの間に容易に配置することができる。よって、ワイパ装置10の組み立て性が向上する。
さらに、本実施の形態に係るワイパ装置10によれば、スプリングSPの他端部側に、アームシャンク50の側壁52aからワイパブレード20の払拭方向に延びる支持片52dを設け、さらに支持片52dに装着される第1ホルダ54を設けた。これにより、シャンク側配管収容部53に各ウォッシャチューブ44,45を収容させた後に、支持片52dに第1ホルダ54を装着することで、各ウォッシャチューブ44,45のシャンク側配管収容部53からの弛みを確実に防止できる。よって、ワイパ装置10の組み立て性が向上する。
また、本実施の形態に係るワイパ装置10によれば、アームシャンク50に、スプリングSPの他端部側にある支持片52dおよび第1ホルダ54と、アームシャンク50の他端部との間において、各ウォッシャチューブ44,45を保持する支持片52kおよび第2ホルダ55を設けた。これにより、シャンク側配管収容部53におけるスプリングSPが配置されない部分においても、各ウォッシャチューブ44,45の弛みを確実に防止することができる。また、シャンク側配管収容部53に各ウォッシャチューブ44,45を収容させた後に、支持片52kに第2ホルダ55を装着するので、ワイパ装置10の組み立て性が向上する。
次に、本発明の実施の形態2について、図面を用いて詳細に説明する。なお、上述した実施の形態1と同様の機能を有する部分には同一の記号を付し、その詳細な説明を省略する。
図17(a),(b)は実施の形態2の図7に対応する図を示している。また、図17(a)は往路側ウォッシャチューブ44および復路側ウォッシャチューブ45を組み付ける前の状態を示している。
図17(a)に示すように、実施の形態2においては、実施の形態1に比して、第1配管保持部の構造が異なっている。実施の形態1においては、図7に示すように、アームシャンク50の側壁52bに設けた突出片52cによって第1配管保持部を形成し、突出片52cとアームヘッド40に設けたピン装着壁42cとによって、往路側ウォッシャチューブ44および復路側ウォッシャチューブ45を保持した。
これに対し、実施の形態2における第1配管保持部は、アームシャンク50の長手方向に沿う一端部側、つまりワイパアーム30の基端側に設けた断面が略U字形状のチューブ囲い部80によって形成されている。このチューブ囲い部80は、アームシャンク50の側壁52aからワイパブレード20(図1参照)の払拭方向に延びる第1延在部81と、当該第1延在部81からウィンドシールド11側とは反対側に延びる第2延在部82と、から形成されている。なお、チューブ囲い部80は、アームシャンク50をプレス加工する際に、側壁52aに一体に設けられる。
そして、第2延在部82は、支持ピン42aによってアームヘッド40の一端部に回動自在に接続されている。ここで、支持ピン42aの軸方向から第2延在部82と対向する側壁52aの部分には、治具挿通孔83が設けられている。治具挿通孔83には、ワイパ装置10の組み立て時において、支持ピン42aの端部を支持する支持治具(図示せず)が挿通されるようになっている。この治具挿通孔83は、図17(b)に示すように、ワイパ装置10の組み立て後において、ゴムキャップRCにより閉塞される。これにより、ワイパ装置10の見栄えを良くしている。なお、各ウォッシャチューブ44,45は、ワイパ装置10の組み立て時において、アームシャンク50の長手方向からチューブ囲い部80の内側に挿通するようにする。
以上のように形成した実施の形態2に係るワイパ装置10においても、上述した実施の形態1のワイパ装置10と同様の作用効果を奏することができる。
次に、本発明の実施の形態3について、図面を用いて詳細に説明する。なお、上述した実施の形態1と同様の機能を有する部分には同一の記号を付し、その詳細な説明を省略する。
図18は実施の形態3の第1ホルダを示す斜視図を示している。
図18に示すように、実施の形態3においては、実施の形態1に比して、第2配管保持部の構造が異なっている。実施の形態1においては、図9に示すように、アームシャンク50の側壁52aに設けた支持片52dと、当該支持片52dに装着される第1ホルダ54とから、第2配管保持部を形成した。
これに対し、実施の形態3における第2配管保持部は、スプリングSPの他端側の近傍で、かつアームシャンク50の側壁52a,52bのそれぞれに設けられた一対の支持片90,91と、これらの支持片90,91によって支持される第1ホルダ(保持駒)92とから形成されている。そして、一対の支持片90,91は、側壁52a,52bのそれぞれから互いに向き合う方向に突出され、ワイパブレード20(図1参照)の払拭方向に延ばされている。なお、一対の支持片90,91は、アームシャンク50をプレス加工する際に、側壁52a,52bのそれぞれに一体に設けられる。
第1ホルダ92は、プラスチック等の樹脂材料により略平板状に形成されており、アームシャンク50のシャンク側配管収容部53に入り込む本体部92aを備えている。そして、第1ホルダ92を各支持片90,91に支持させた状態のもとで、本体部92aの底壁51側でかつ側壁52a側には、各ウォッシャチューブ44,45が挿通されたチューブ挿通凹部92bが設けられている。また、本体部92aの底壁51側とは反対側には、各支持片90,91の先端部分がそれぞれ係合する一対の係合凹部92c,92dが設けられている。
そして、第1ホルダ92を各支持片90,91に装着するには、図中破線矢印M3の方向から第1ホルダ92を各支持片90,91に臨ませて、まず、一方の係合凹部92cを一方の支持片90に係合させる。次いで、第1ホルダ92をアームシャンク50に対して抉るようにして、他方の係合凹部92dを他方の支持片91に係合させる。これにより、第1ホルダ92の各支持片90,91に対する装着が完了する。なお、上述とは逆に、最初に他方の係合凹部92dを他方の支持片91に係合させても良い。
以上のように形成した実施の形態3に係るワイパ装置10においても、上述した実施の形態1のワイパ装置10と同様の作用効果を奏することができる。
次に、本発明の実施の形態4について、図面を用いて詳細に説明する。なお、上述した実施の形態3と同様の機能を有する部分には同一の記号を付し、その詳細な説明を省略する。
図19(a),(b)は実施の形態4の第1ホルダを示す斜視図を示している。
図19に示すように、実施の形態4においては、実施の形態3に比して、第1ホルダ(保持駒)100の構造が異なっている。実施の形態4の第1ホルダ100は、プラスチック等の樹脂材料により略直方体形状に形成された本体部101を備えている。本体部101の長手方向に沿う両端側には、一対の支持片90,91がそれぞれ入り込む一対の支持片装着溝101a,101bが設けられている。
そして、第1ホルダ100を各支持片90,91に支持させた状態のもとで、一方の支持片90に対応した一方の支持片装着溝101aは、アームシャンク50の先端側(図中左側)に向けて開口され、他方の支持片91に対応した他方の支持片装着溝101bは、アームシャンク50の基端側(図中右側)に向けて開口されている。
各支持片装着溝101a,101bの内側には、各支持片装着溝101a,101bに各支持片90,91をそれぞれ入り込ませた状態のもとで、各支持片90,91のそれぞれに押圧される抜け止め突起T(図示では一方のみを示す)が設けられている。これにより、第1ホルダ100の各支持片90,91からの脱落が防止される。
第1ホルダ100を各支持片90,91に支持させた状態のもとで、本体部101の底壁51側には、突片101cが一体に設けられている。そして、突片101cの支持面101dと、本体部101の底面101eとで、各ウォッシャチューブ44,45を纏めて保持するようになっている。
そして、第1ホルダ100を各支持片90,91に装着するには、まず、図19(b)に示すように、第1ホルダ100を各支持片90,91に対して傾斜させた状態のもとで、各支持片90,91の間に配置する。次いで、第1ホルダ100を、各支持片90,91の間で図中破線矢印R2の方向(時計回り方向)に回転させる。これにより、各支持片90,91が各支持片装着溝101a,101bに入り込んで、第1ホルダ100の各支持片90,91に対する装着が完了する。ここで、各支持片装着溝101a,101bに設けた抜け止め突起Tが、それぞれ各支持片90,91に押圧されるので、各支持片90,91から第1ホルダ100が振動等によって外れることは無い。
以上のように形成した実施の形態4に係るワイパ装置10においても、上述した実施の形態1のワイパ装置10と同様の作用効果を奏することができる。
次に、本発明の実施の形態5について、図面を用いて詳細に説明する。なお、上述した実施の形態1と同様の機能を有する部分には同一の記号を付し、その詳細な説明を省略する。
図20は実施形態5の第1ホルダを示す斜視図を示している。
図20に示すように、実施の形態5においては、実施の形態1に比して、第2配管保持部の構造が異なっている。実施の形態1においては、図9に示すように、アームシャンク50の側壁52aに設けた支持片52dと、当該支持片52dに装着される第1ホルダ54とから、第2配管保持部を形成した。
これに対し、実施の形態5における第2配管保持部は、スプリングSPの他端側の近傍で、かつアームシャンク50の側壁52bに設けた支持片110と、この支持片110によって支持される第1ホルダ(保持駒)120とから形成されている。そして、支持片110は、側壁52bから側壁52aに向けて突出され、ワイパブレード20(図1参照)の払拭方向に延ばされている。なお、支持片110は、アームシャンク50をプレス加工する際に、側壁52bに一体に設けられる。
支持片110に設けられる引っ掛け孔52eは、アームシャンク50の長手方向に沿う基端部側(図中右側)に寄せて設けられ、支持片110の引っ掛け孔52e側とは反対側には、何も形成されない部分が設けられている。この何も形成されない部分に、第1ホルダ120が装着されるようになっている。
第1ホルダ120は、プラスチック等の樹脂材料により略L字形状に形成され、略直方体形状に形成された本体部121を備えている。そして、第1ホルダ120を支持片110に支持させた状態のもとで、本体部121の側壁52b側には、支持片110が入り込む支持片装着溝121aが設けられている。支持片装着溝121aには、支持片110が圧入によって装着されるようになっている。これにより、支持片110に装着された第1ホルダ120は、ワイパ装置10の作動時に発生する振動等によって外れることが無い。
また、第1ホルダ120を支持片110に支持させた状態のもとで、本体部121の側壁52b側には、底壁51に向けて突出された突片121bが一体に設けられている。そして、突片121bの支持面121cと、本体部121の底面121dとで、各ウォッシャチューブ44,45を纏めて保持するようになっている。
そして、第1ホルダ120を支持片110に装着するには、図中破線矢印M4の方向から第1ホルダ120を支持片110に臨ませて、支持片装着溝121aに支持片110を圧入する。これにより、支持片110が支持片装着溝121a内に固定されて、第1ホルダ120の支持片110に対する装着が完了する。
以上のように形成した実施の形態4に係るワイパ装置10においても、上述した実施の形態1のワイパ装置10と同様の作用効果を奏することができる。
本発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。例えば、上記各実施の形態においては、ノズルユニット70をアームシャンク50に設けたものを示したが、本発明はこれに限らず、例えば、ワイパブレードの長手方向に沿うようにノズルユニットを設けても構わない。
また、上記各実施の形態においては、車両のフロント側にあるウィンドシールド11を払拭するワイパ装置10を示したが、本発明はこれに限らず、車両のリヤ側にあるウィンドシールドを払拭するワイパ装置にも適用することができる。さらには、自動車等の車両に限らず、鉄道車両や航空機,船舶等のワイパ装置にも本発明を適用することができる。