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JP6432802B2 - レーザ周波数安定化方法及びその装置 - Google Patents

レーザ周波数安定化方法及びその装置 Download PDF

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JP6432802B2 JP2017131976A JP2017131976A JP6432802B2 JP 6432802 B2 JP6432802 B2 JP 6432802B2 JP 2017131976 A JP2017131976 A JP 2017131976A JP 2017131976 A JP2017131976 A JP 2017131976A JP 6432802 B2 JP6432802 B2 JP 6432802B2
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Description

本発明はレーザ周波数安定化方法及びその装置に係り、特に半導体レーザを光源とするレーザ光の周波数(波長)を安定化するレーザ周波数安定化方法及びその装置に関する。
ヨウ素安定化HeNeレーザは、HeNeレーザの発振周波数を高確度な周波数をもつヨウ素の特定の飽和吸収線にロックさせ、発振周波数を安定化したものとして知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
また、レーザ光の周波数の安定化と狭窄化の技術としてレーザ光源から出射されたレーザ光の特定周波数のみを透過させる固体共振器(ソリッドエタロン)を用いることも知られている(例えば、特許文献3参照)。
特開2001−274497号公報 特開2003−224319号公報 特開平08−018145号公報
ところで、従来のヨウ素安定化HeNeレーザは、共振器が大気中にあるために振動や音によりレーザ光の周波数(波長)のロックが外れてしまうという問題がある。また、ロック可能な周波数のレンジが数MHzレベルと小さい。
ソリッドエタロン(固体共振器)は、上記の問題は少なく、ロック可能な周波数のレンジが広い。しかしながら、ソリッドエタロンは温度によって屈折率や厚みが変化してしまうため温度の影響を受けやすい。また、ソリッドエタロンの温度を制御するには、制御に用いる温度計の精度が十分でないため、周波数安定度・確度が良くないという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、振動や音などの外乱の影響や温度の影響が少なく、レーザ光の周波数を長時間に渡って安定化することができるレーザ周波数安定化方法及びその装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明に係るレーザ周波数安定化装置は、レーザ光を出射する光源と、光源から出射したレーザ光を第1レーザ光と第2レーザ光とに分割する光分割手段と、前記光分割手段により分割された第1レーザ光が通過するガスセルを含む第1光学系と、前記第1光学系を通過した第1レーザ光の光強度を示す第1検出信号を検出する第1光検出手段と、前記第1光検出手段により検出された第1検出信号に基づいて、前記光源から出射されるレーザ光の周波数が前記ガスセルの飽和吸収線の中心周波数に一致するように前記光源から出射されるレーザ光の周波数を制御する第1制御手段と、前記光分割手段により分割された第2レーザ光が通過するエタロンを含む第2光学系と、前記第2光学系を通過した第2レーザ光の光強度を示す第2検出信号を検出する第2光検出手段と、前記第2光検出手段により検出された第2検出信号に基づいて、前記光源から出射されるレーザ光の周波数が前記エタロンの共振周波数に一致するように前記光源から出射されるレーザ光の周波数を制御する第2制御手段と、前記光源から出射されるレーザ光の周波数の制御を、前記第1制御手段による制御と前記第2制御手段による制御とのいずれか一方に切替え可能に設定する制御切替手段であって、本動作の前の前動作の実施時において、前記光源から出射されるレーザ光の周波数の制御を前記第1制御手段による制御に設定し、前記本動作の実施時において、前記光源から出射されるレーザ光の周波数の制御を前記第2制御手段による制御に設定する制御切替手段と、前記エタロンの温度を制御する温度制御手段と、を備え、前記温度制御手段は、前記前動作の実施時において、前記エタロンの温度を変化させながら、前記第2光検出手段により検出された第2検出信号を取得し、該取得した第2検出信号に基づいて、前記エタロンの共振周波数が前記ガスセルの飽和吸収線の中心周波数に一致するときの前記エタロンの温度を校正温度として検出するエタロン校正温度検出手段と、前記本動作の実施時において、前記エタロン校正温度検出手段により検出された校正温度に前記エタロンの温度を維持するエタロン温度維持手段と、を有する。
本発明によれば、本動作の実施時には、エタロンを用いたレーザ光の周波数ロック制御により、レーザ光の周波数がガスセルの飽和吸収線の中心周波数にロックされるように制御される。そのため、振動や音などの外乱の影響を受け難く、長時間に渡って安定した周波数のレーザ光を外部に提供することができる。
また、エタロンは温度の影響を受け易く、温度によってエタロンの共振周波数が変動してレーザ光をロックする周波数が変動する。しかしながら、本発明では、本動作の前の前動作の実施時において、共振周波数がガスセルの飽和吸収線の中心周波数に一致するときのエタロンの温度を校正温度として検出し、本動作の実施時においては、その校正温度を維持するようにエタロンの温度を制御している。そのため、温度の影響によりレーザ光の周波数が変動することなく、安定した周波数のレーザ光を提供することができる。
また、本発明において、前記温度制御手段は、前記本動作の実施時において、前記第1光検出手段により検出された第1検出信号に基づいて、前記エタロンの共振周波数が前記ガスセルの飽和吸収線の中心周波数に一致するように前記エタロンの温度を補正するエタロン温度補正手段を備えた態様とすることができる。
本態様によれば、本動作の実施時において、温度制御手段が制御するエタロンの温度又は温度センサにより検出されるエタロンの温度と、エタロンの実際の温度との誤差が変化し、エタロンの共振周波数が、ガスセルの飽和吸収線の中心周波数からずれてしまうような事態が生じた場合であっても、そのずれがガスセルを含む光学系を通過したレーザ光により検出された第1検出信号に基づいて補正される。従って、長時間に渡って安定した周波数のレーザ光を提供することができる。
また、本発明において、前記第1制御手段は、前記第1光検出手段により検出された第1検出信号に基づいて、前記光源から出射されたレーザ光の周波数と、前記ガスセルの飽和吸収線の中心周波数との偏差を示す第1偏差信号を検出する第1偏差信号検出手段を有し、該第1偏差信号が0となるように、または現在値よりも小さくなるように前記光源から出射されるレーザ光の周波数を制御する態様とすることができる。
また、本発明において、前記第2制御手段は、前記第2光検出手段により検出された第2検出信号に基づいて、前記光源から出射されたレーザ光の周波数と、前記エタロンの共振周波数との偏差を示す第2偏差信号を検出する第2偏差信号検出手段を有し、該第2偏差信号が0となるように、または現在値よりも小さくなるように前記光源から出射されるレーザ光の周波数を制御する態様とすることができる。
また、本発明において、前記光源から出射されるレーザ光は、基準周波数ω0に対して周波数ωmの正弦波により周波数変調されたレーザ光であり、前記第1偏差信号検出手段は、前記第1光検出手段により検出された第1検出信号に含まれる周波数ωmの奇数倍の周波数の信号成分に基づいて前記第1偏差信号を検出する態様とすることができる。
また、前記第2偏差信号検出手段は、前記第2光検出手段により検出された第2検出信号に含まれる周波数ωmの奇数倍の周波数の信号成分に基づいて前記第2偏差信号を検出する態様とすることができる。
また、本発明に係るレーザ周波数安定化方法は、レーザ光を出射する光源と、光源から出射したレーザ光を第1レーザ光と第2レーザ光とに分割する光分割手段と、前記光分割手段により分割された第1レーザ光が通過するガスセルを含む第1光学系と、前記第1光学系を通過した第1レーザ光の光強度を示す第1検出信号を検出する第1光検出手段と、前記第1光検出手段により検出された第1検出信号に基づいて、前記光源から出射されるレーザ光の周波数が前記ガスセルの飽和吸収線の中心周波数に一致するように前記光源から出射されるレーザ光の周波数を制御する第1制御手段と、前記光分割手段により分割された第2レーザ光が通過するエタロンを含む第2光学系と、前記第2光学系を通過した第2レーザ光の光強度を示す第2検出信号を検出する第2光検出手段と、前記第2光検出手段により検出された第2検出信号に基づいて、前記光源から出射されるレーザ光の周波数が前記エタロンの共振周波数に一致するように前記光源から出射されるレーザ光の周波数を制御する第2制御手段と、前記光源から出射されるレーザ光の周波数の制御を、前記第1制御手段による制御と前記第2制御手段による制御とのいずれか一方に切替え可能に設定する制御切替手段と、前記エタロンの温度を制御する温度制御手段と、を備えたレーザ周波数安定化装置におけるレーザ周波数安定化方法であって、前記制御切替手段は、本動作の前の前動作の実施時において、前記光源から出射されるレーザ光の周波数の制御を前記第1制御手段による制御に設定し、前記本動作の実施時において、前記光源から出射されるレーザ光の周波数の制御を前記第2制御手段による制御に設定し、前記温度制御手段は、前記前動作の実施時において、前記エタロンの温度を変化させながら、前記第2光検出手段により検出された第2検出信号を取得し、該取得した第2検出信号に基づいて、前記エタロンの共振周波数が前記ガスセルの飽和吸収線の中心周波数に一致するときの前記エタロンの温度を校正温度として検出し、前記本動作の実施時において、前記エタロンの温度を前記校正温度に維持する。
本発明によれば、本動作の実施時には、エタロンを用いたレーザ光の周波数ロック制御により、レーザ光の周波数がガスセルの飽和吸収線の中心周波数にロックされるように制御される。そのため、振動や音などの外乱の影響を受け難く、長時間に渡って安定した周波数のレーザ光を外部に提供することができる。
また、エタロンは温度の影響を受け易く、温度によってエタロンの共振周波数が変動してレーザ光をロックする周波数が変動する。しかしながら、本発明では、本動作の前の前動作の実施時において、共振周波数がガスセルの飽和吸収線の中心周波数に一致するときのエタロンの温度を校正温度として検出し、本動作の実施時においては、その校正温度を維持するようにエタロンの温度を制御している。そのため、温度の影響によりレーザ光の周波数が変動することなく、安定した周波数のレーザ光を提供することができる。
また、本発明において、前記温度制御手段は、前記本動作の実施時において、前記第1光検出手段により検出された第1検出信号に基づいて、前記エタロンの共振周波数が前記ガスセルの飽和吸収線の中心周波数に一致するように前記エタロンの温度を補正する態様とすることができる。
本態様によれば、本動作の実施時において、温度制御手段が制御するエタロンの温度又は温度センサにより検出されるエタロンの温度と、エタロンの実際の温度との誤差が変化し、エタロンの共振周波数が、ガスセルの飽和吸収線の中心周波数からずれてしまうような事態が生じた場合であっても、そのずれがガスセルを含む光学系を通過したレーザ光により検出された第1検出信号に基づいて補正される。従って、長時間に渡って安定した周波数のレーザ光を提供することができる。
また、本発明において、前記第1制御手段は、前記第1光検出手段により検出された第1検出信号に基づいて、前記光源から出射されたレーザ光の周波数と、前記ガスセルの飽和吸収線の中心周波数との偏差を示す第1偏差信号を検出する第1偏差信号検出手段を有し、該第1偏差信号が0となるように、または現在値よりも小さくなるように前記光源から出射されるレーザ光の周波数を制御する態様とすることができる。
また、本発明において、前記第2制御手段は、前記第2光検出手段により検出された第2検出信号に基づいて、前記光源から出射されたレーザ光の周波数と、前記エタロンの共振周波数との偏差を示す第2偏差信号を検出する第2偏差信号検出手段を有し、該第2偏差信号が0となるように、または現在値よりも小さくなるように前記光源から出射されるレーザ光の周波数を制御する態様とすることができる。
また、本発明において、前記光源から出射されるレーザ光は、基準周波数ω0に対して周波数ωmの正弦波により周波数変調されたレーザ光であり、前記第1偏差信号検出手段は、前記第1光検出手段により検出された第1検出信号に含まれる周波数ωmの奇数倍の周波数の信号成分に基づいて前記第1偏差信号を検出する態様とすることができる。
また、前記第2偏差信号検出手段は、前記第2光検出手段により検出された第2検出信号に含まれる周波数ωmの奇数倍の周波数の信号成分に基づいて前記第2偏差信号を検出する態様とすることができる。
本発明によれば、振動や音などの外乱の影響や温度の影響が少なく、レーザ光の周波数を長時間に渡って安定化することができる。
本発明に係るレーザ周波数安定化装置の構成を示した構成図 ガスセルの透過率の周波数特性を例示した図 偏差信号が示す信号値を簡略的に示した図 エタロンの透過率の周波数特性を例示した図 レーザ周波数安定化装置における動作手順を示したフローチャート 図1のレーザ周波数安定化装置の変形例を示した図
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
図1は、本発明に係るレーザ周波数安定化装置の構成を示した構成図である。
同図に示すレーザ周波数安定化装置1は、レーザ干渉測長器などのレーザ光を利用した測定機器で使用するレーザ光の発生源として適用可能な装置であり、所定の周波数(波長)のレーザ光を後述のビームスプリッタ12からの反射光として外部に出力する。なお、以下の説明において、レーザ光や信号の周波数fに関しては、周波数fに2・πの値を乗じた角周波数ωを用いて表すものとし、角周波数ωを単に周波数ωというものとする。
同図のレーザ周波数安定化装置1において、レーザ光源10は、例えば半導体レーザであり、電流ドライバ80から与えられる駆動電流により発振して所定周波数のレーザ光を出射する。
また、その駆動電流には、発振器60から出力される周波数ωmの正弦波の変調電流が重畳される。これによって、レーザ光源10から出射されるレーザ光の周波数が、β・sin(ωm・t)の信号により周波数変調される。レーザ光源10から出射されたレーザ光はビームスプリッタ12に入射する。
ビームスプリッタ12は、レーザ光源10から入射したレーザ光を反射光と透過光に分割する。反射光は外部で利用するレーザ光として本装置1から外部に出射される。透過光は偏光ビームスプリッタ14に入射する。
偏光ビームスプリッタ14は、ビームスプリッタ12から入射したレーザ光のうち、S偏光(S偏光成分)のレーザ光を反射し、P偏光(P偏光成分)のレーザ光を透過させる。P偏光のレーザ光はガスセル20を含む光学系(光路)を通過するレーザ光として偏光ビームスプリッタ16に入射し、S偏光のレーザ光はエタロン28を含む光学系(光路)を通過するレーザ光として偏光ビームスプリッタ24に入射する。
まず、ガスセル20を含む光学系から説明すると、偏光ビームスプリッタ16は、偏光ビームスプリッタ14から入射したP偏光のレーザ光を透過させる。透過したP偏光のレーザ光は1/4波長板18に入射する。
また、偏光ビームスプリッタ16は、後述のように1/4波長板18から入射するS偏光のレーザ光を反射する。反射したS偏光のレーザ光は光検出器40に入射する。
1/4波長板18は、偏光ビームスプリッタ16から入射したP偏光のレーザ光をP偏光から円偏光に変換する。円偏光に変換されたレーザ光は、ガスセル20に入射する。
また、1/4波長板18は、後述のようにガスセル20から入射する円偏光のレーザ光を円偏光からS偏光に変換する。S偏光に変換されたレーザ光は上述のように偏光ビームスプリッタ16に入射する。
ガスセル20は、例えばヨウ素などのガスを封入した光吸収セルであり、1/4波長板18から入射したレーザ光を周波数に応じた透過率で透過させる。透過したレーザ光はミラー22で反射して再度ガスセル20に入射する。ガスセル20は、ミラー22から入射したレーザ光に対しても周波数に応じた透過率で透過させる。
このようにガスセル20に入射してミラー22により折り返し、再度、ガスセル20を透過したレーザ光は上述のように1/4波長板18に入射する。そして、1/4波長板18により円偏光からS偏光に変換された後、偏光ビームスプリッタ16で反射して光検出器40に入射する。
光検出器40は、偏光ビームスプリッタ16から入射したレーザ光を光電変換し、入射したレーザ光の光強度に応じた大きさの電圧信号を検出信号として出力する。光検出器40から出力された検出信号は検波器42に入力される。
ここで、光検出器40から出力される検出信号IG(t)は、時間tによって変化するレーザ光の周波数ωの関数F(ω)で表すことができる。
一方、関数F(ω)は、ガスセル20の透過率の周波数特性に対応する。図2は、ガスセル20の透過率の周波数特性を例示した図である。同図に示すようにガスセル20は光の透過率が山型に大きくなる帯域幅が数MHzの飽和吸収線を有する。飽和吸収線はその帯域のほぼ中心の周波数(中心周波数ωa)において極大の透過率を示す。
その飽和吸収線を利用することで、光検出器40により得られる検出信号IG(t)に基づいて、飽和吸収線の中心周波数ωaに対するレーザ光の周波数のずれを検知することができる。そして、そのずれが無くなるように、レーザ光源10から出射されるレーザ光の周波数を制御することで、レーザ光の周波数を飽和吸収線の中心周波数ωaに略一致させた状態にロックすることができる。
この周波数ロック制御の原理とともに、関連する処理部の処理について説明する。
まず、レーザ光源10から出射されるレーザ光は、サブMHzのスペクトル線幅を有し、そのスペクトル線を示す周波数(例えば中心周波数)ω0を周波数ωmの正弦波で変調した周波数ωとなる。すなわち、レーザ光の周波数ωは、次式(1)で表される。
ω=ω0+β・sin(ωm・t) …(1)
なお、βはω0と比較して極めて小さいため、レーザ光の周波数は、式(1)を利用した演算処理等を除いてはω0とみなすことができる。ω0を以下、レーザ光の基準周波数というものとする。
一方、光検出器40から出力される検出信号IG(t)は、上述のようにガスセル20の透過率の周波数特性に対応した関数F(ω)で表すことができ、関数F(ω)をω=ω0のまわりでテイラー展開すると、次式(2)で表される。
F(ω)=F(ω0)+(ω−ω0)・F(1)(ω0)+(1/2!)・(ω−ω0)・F(2)(ω0)+(1/3!)・(ω−ω0)・F(3)(ω0)+…+(1/n!)・(ω−ω0)・F(n)(ω0)+… …(2)
ただし、F(n)(ω0)はFのω=ω0におけるn次導関数を示す。
この式(2)のωに、式(1)で示されるω0+β・sin(ωm・t)を代入して、変形すると検出信号IG(t)は、次式(3)で表される。
IG(t)=F(ω0+β・sin(ωm・t))
=F(ω0)+…
+sin(ωm・t)・{β・F(1)(ω0)+(3/24)・β・F(3)(ω0)+…}
+cos(2・ωm・t)・{(−1/4)・β・F(2)(ω0)+(−1/48)・β・F(4)(ω0)+…}
+sin(3・ωm・t)・{(−1/24)・β・F(3)(ω0)+(−5/1920)・β・F(5)(ω0)+…}
≒F(ω0)+…
+sin(ωm・t)・β・F(1)(ω0)
+cos(2・ωm・t)・(−1/4)・β・F(2)(ω0)
+sin(3・ωm・t)・(−1/24)・β・F(3)(ω0)…(3)
これによれば、ガスセル20を通過したレーザ光により検出された検出信号IG(t)に対してsin(n・ωm・t)の信号をミキシング(混合)して検波(ロックイン)することで、周波数n・ωmの信号成分を抽出することができ、F(ω)のω=ω0におけるn次微分信号(n次微分の値に対応した大きさの電圧信号)が得られる。本実施の形態では以下のように検波器42によりF(ω)のω=ω0における3次微分信号を得るものとしている。
即ち、図1において検波器42には、光検出器40から出力された検出信号IG(t)(F(ω))が入力されると共に、増幅器62から参照信号βsin(3・ωm・t)を所
定倍した値の信号が入力される。
増幅器62は、発振器60から出力される周波数ωmの正弦波信号に基づいて3倍の周波数3・ωmの正弦波信号を変調信号として生成すると共に振幅を増幅して検波器42に出力する。
検波器42は、光検出器40から入力された検出信号IG(t)に対して、増幅器62から入力された参照信号βsin(3・ωm・t)をミキシングして、周波数3・ωmの信
号(信号成分)を検波(ロックイン)する。これにより、F(ω)のω=ω0における3次微分の値に対応した大きさの3次微分信号が得られる。
検波器42により得られた3次微分信号は飽和吸収線の中心周波数ωaに対するレーザ光の周波数(基準周波数ω0)のずれ量(偏差)を示す偏差信号DGとして検波器42から出力される。この偏差信号DGは信号処理器44に入力されるとともに、スイッチ76を介して信号処理器70に入力される。
図3は、レーザ光の基準周波数ω0の値を飽和吸収線の中心周波数ωaの周辺の値で変化させた場合に、F(ω)のω=ω0における3次微分信号(偏差信号DG)が示す信号値を簡略的に示した図である。
同図に示すようにレーザ光の基準周波数ω0が飽和吸収線の中心周波数ωaに等しい場合には、点Paで示す信号値DG0となる。この信号値DG0は理想的には0値を示す。なお、以下において信号値DG0は0値であるものとする。
基準周波数ω0の値を飽和吸収線の周波数ωaから小さくしていくと、信号値が徐々に小さくなり、所定の周波数ωbにおいて点Pbで示す極小値となる。更に基準周波数ω0の値を小さくしていくと、信号値が徐々に大きくなり、最終的には0値を示す。
反対に、基準周波数ω0の値を飽和吸収線の周波数ωaから大きくしていくと、信号値が徐々に大きくなり、所定の周波数ωcにおいて点Pcで示す極大値となる。更に基準周波数ω0の値を大きくしていくと、信号値が徐々に小さくなり、最終的には0値を示す。
これによれば、レーザ光源10から出射するレーザ光の基準周波数ω0の制御範囲を周波数ωbから周波数ωcまでの範囲に限定すれば、検波器42により得られる3次微分信号(偏差信号DG)の信号値は、飽和吸収線の中心周波数ωaに対する基準周波数ω0のずれ量を示したものとなる。
なお、基準周波数ω0が飽和吸収線の中心周波数ωaに一致しているとするときの信号値DG0は必ずしも0値でなくてもよく、その場合には、偏差信号DGは、信号値DG0を減算した値とすればよい。
また、本形態では、F(ω)のω=ω0におけるn次微分信号のうち、n=3のときの3次微分信号を偏差信号DGとしたが、nが3以外の奇数のときのn次微分信号を偏差信号DGとすることができる。即ち、nが奇数のときのn次微分信号の信号値は、基準周波数ω0を増加させたときに飽和吸収線の中心周波数ωaの周辺において増加又は減少する。したがって、基準周波数ω0の制御範囲をn次微分信号の信号値が増加又は減少する範囲に限定すれば、3次微分信号と同様にn次微分信号の信号値は、飽和吸収線の中心周波数ωaに対する基準周波数ω0のずれ量を示し、偏差信号DGとして用いることができる。
図1の信号処理器44は、検波器42から入力された偏差信号DGに基づいて、レーザ光源10が出射するレーザ光の基準周波数ω0が飽和吸収線の中心周波数ωaに一致するようにフィードバック制御を行う。
即ち、信号処理器44は、検波器42から入力された偏差信号DGが0値(DG0)でない場合に、偏差信号DGが0値となる方向にレーザ光源10の基準周波数ω0を変化させる制御信号を、スイッチ74を介して電流ドライバ80に出力する。
電流ドライバ80は、信号処理器44から入力された制御信号に従ってレーザ光源10に注入する駆動電流を制御してレーザ光源10から出射されるレーザ光の基準周波数ω0を変化させる。
これによって、レーザ光の基準周波数ω0が変化すると、変化した後の基準周波数ω0における偏差信号DGが検波器42から信号処理器44に入力される。信号処理器44は、その偏差信号DGが0値でなければ、さらに偏差信号DGが0値となる方向に基準周波数ω0を変化させる制御信号を電流ドライバ80に与える。
信号処理器44は、このような処理の繰り返しにより、基準周波数ω0に対するフィードバック制御を行い、基準周波数ω0を飽和吸収線の中心周波数ωaに一致させた状態に固定(ロック)する。
なお、基準周波数ω0に対するフィードバック制御に関して本実施の形態では、偏差信号DGが0値となるよう基準周波数ω0を制御するものとするが、これに限らず、偏差信号DGが現在値よりも小さくなるように基準周波数ω0を制御するものとしてもよいし、また、偏差信号DGが0値以外の所定の閾値よりも小さくなるように基準周波数ω0を制御するものとしてもよい。
ここで、このようなフィードバック制御(ガスセル20を用いたレーザ光の周波数ロック制御)は、図3において示したようにレーザ光の基準周波数ω0が周波数ωbから周波数ωcまでの制御範囲の周波数である場合には、基準周波数ω0を飽和吸収線の中心周波数ωaに適切に収束させてロックすることができる。
しかしながら、何らかの理由で基準周波数ω0を制御範囲外の値に一度設定してしまうと、上記のフィードバック制御をそのまま継続しただけでは、基準周波数ω0を飽和吸収線の中心周波数ωaに再度収束させることができず、ロックが外れてしまうという現象が生じる。
一方、ガスセル20は、振動や音などの外乱の影響を受けやすく、検波器42で得られる偏差信号DGに外乱による誤差が生じやすい。
図3に示したように周波数ωbから周波数ωcまでの基準周波数ω0の制御範囲は、飽和吸収線の帯域幅よりも狭く、数MHz程度と極めて狭いため、偏差信号DGに誤差が生じた場合、それに従って基準周波数ω0を変更したときに基準周波数ω0が制御範囲から外れる可能性が高い。
従って、ガスセル20を用いたレーザ光の周波数ロック制御では、長時間に渡って、レーザ光の周波数を飽和吸収線の中心周波数ωaにロックすることが難しい。
そこで、本装置1では、レーザ光の周波数ロック制御は、直接的には、エタロン28を用いて行う。
エタロン28は、振動や音などの外乱に対する影響を受けにくく、長時間に渡ってレーザ光の周波数をエタロン28の共振周波数ωsにロックすることができる。
その反面、エタロン28は周知のように温度変化によって屈折率や厚みが変化し易く温度の影響を受け易い。したがって、温度が変動すると、エタロン28の共振周波数ωsが変動し、レーザ光をロックする周波数(ロック周波数)も変動する。また、エタロン28と温度と共振周波数ωs(ロック周波数)との関係も正確には定まっていない。
そこで、本装置1を起動した際の初期設定時等、即ち、本動作の前の前動作時には、ガスセル20を用いたレーザ光の周波数ロック制御を実施してレーザ光の基準周波数ω0をガスセル20の飽和吸収線の中心周波数ωaにロックし、エタロン28の共振周波数ωsがガスセル20の飽和吸収線の中心周波数ωaと一致するようにエタロン28の温度を校正する。
そして、本動作時においては、エタロン28を用いてレーザ光の周波数ロック制御を実施すると共に、エタロン28を校正した温度に維持し、エタロン28の共振周波数ωsを安定化してレーザ光の周波数を安定化する。
また、エタロン28を用いた周波数ロック制御時において、ガスセル20を含む光学系を通過したレーザ光により検出された検波器42からの偏差信号DGを利用してエタロン28の温度を補正して、レーザ光の周波数を更に安定化している。
エタロン28を含む光学系について説明すると、図1における偏光ビームスプリッタ24は、上述のように偏光ビームスプリッタ14から入射したS偏光のレーザ光を反射する。反射したレーザ光は1/4波長板26に入射する。
また、偏光ビームスプリッタ24は、後述のように1/4波長板26から入射するP偏光のレーザ光を透過させる。透過したP偏光のレーザ光は、光検出器50に入射する。
1/4波長板26は、偏光ビームスプリッタ24から入射したS偏光のレーザ光を円偏光に変換する。円偏光に変換されたレーザ光は、エタロン28に入射する。
また、1/4波長板26は、後述のようにエタロン28から入射する円偏光のレーザ光を円偏光からP偏光に変換する。P偏光に変換されたレーザ光は上述のように偏光ビームスプリッタ24に入射する。
エタロン28は、1/4波長板26から入射したレーザ光を周波数に応じた透過率で透過させるとともに往復させて、1/4波長板26に戻す。
このようにエタロン28を透過して1/4波長板26に戻されたレーザ光は、1/4波長板26により円偏光からP偏光に変換された後、偏光ビームスプリッタ24を透過して光検出器50に入射する。
また、エタロン28には、エタロン28の温度(周囲温度又はエタロン28の特定の構成要素の温度)を制御する温度制御器30が具備される。
光検出器50は、偏光ビームスプリッタ24から入射したレーザ光を光電変換し、入射したレーザ光の光強度に応じた大きさの電圧信号を検出信号として出力する。光検出器50から出力された検出信号は検波器52と信号処理器70に入力される。
温度制御器30は、後述の信号処理器70から与えられる温度制御信号に従ってエタロン28の温度(周囲温度又はエタロン28の特定の構成要素の温度)を制御する。
また、温度制御器30は、不図示の温度センサにより検出されるエタロン28の現時点の温度を示す温度情報を信号処理器70に出力する。
まず、エタロン28を用いたレーザ光の周波数ロック制御に関連する処理部の処理について説明する。なお、原理については上述のガスセル20を用いたレーザ光の周波数ロック制御の場合と同様であるため、詳細は省略する。
光検出器50から出力される検出信号IE(t)は、光検出器40から出力される検出信号IG(t)と同様に、時間tによって変化するレーザ光の周波数ωの関数G(ω)で表すことができる。関数G(ω)は、エタロン28の透過率の周波数特性に対応する。
エタロン28は、例えば石英等の基板の両面に反射面(反射膜)を形成したソリッドエタロンの構成を有し、図4に示すような透過率の周波数特性を有する。なお、エタロン28はソリッドエタロンでなくエアギャップエタロンを用いてもよい。
同図に示すようにエタロン28は、共振周波数を中心として光の透過率が大きくなる通過帯域を自由スペクトル領域(FSR)ごとに有する。
FSRは、次式(4)により表される。
FSR=c/(2・n・d・cosθ) …(4)
ただし、cは光速、nは屈折率、dは基板の厚み、θはレーザ光の入射角を示す。
また、各通過帯域の半値全幅(FWHM)は、次式(5)により表される。
FWHM=(1−R)・FSR/(π・R0.5) …(5)
ピークの鋭さを示すFinesseは、次式(6)により表される。
Finesse=FSR/FWHM=π・R0.5/(1−R) …(6)
本装置1では、エタロン28として、Finesseが十分に大きく(FWHMが十分に小さく)、共振周波数ωsがガスセル20の飽和吸収線の中心周波数ωaとほぼ一致する通過帯域を有するものが使用される。
そして、その通過帯域を利用することで、上述のガスセル20を用いたレーザ光の周波数ロック制御の場合と同様に、エタロン28を用いたレーザ光の周波数ロック制御を実施する。
即ち、光検出器50により得られる検出信号IE(t)は、上式(3)と同様に、次式(7)により表される。
IE(t)≒G(ω0)+…
+sin(ωm・t)・β・G(1)(ω0)
+cos(2・ωm・t)・(−1/4)・β・G(2)(ω0)
+sin(3・ωm・t)・(−1/24)・β・G(3)(ω0)…(7)
図1において検波器52には、光検出器50から出力された検出信号IE(t)(G(ω))が入力されると共に、増幅器64から参照信号βsin(3・ωm・t)を所定倍した値の信号が入力される。
増幅器64は、発振器60から出力される周波数ωmの正弦波信号に基づいて3倍の周波数3・ωmの正弦波信号を変調信号として生成すると共に振幅を増幅して検波器52に出力する。
検波器52は、光検出器50から入力された検出信号IE(t)に対して、増幅器64から入力された参照信号βsin(3・ωm・t)をミキシングして、周波数3・ωmの信号を検波(ロックイン)する。これにより、G(ω)のω=ω0における3次微分の値に対応した大きさの3次微分信号が得られる。検波器52により得られた3次微分信号はエタロン28の共振周波数ωsに対するレーザ光の周波数(基準周波数ω0)のずれ量(偏差)を示す偏差信号DEとして出力される。この偏差信号DEは信号処理器54に入力される。
なお、本形態では、G(ω)のω=ω0におけるn次微分信号のうち、n=3のときの3次微分信号を偏差信号DEとしたが、nが3以外の奇数のときのn次微分信号を偏差信号DEとすることができる。
信号処理器54は、検波器52から入力された偏差信号DEに基づいて、レーザ光源10が出射するレーザ光の基準周波数ω0がエタロン28の共振周波数ωsに一致するようにフィードバック制御を行う。
即ち、信号処理器54は、検波器52から入力された偏差信号DEが0値でない場合に、偏差信号DEが0値となる方向にレーザ光源10の基準周波数ω0を変化させる制御信号を、スイッチ74を介して電流ドライバ80に出力する。
なお、スイッチ74は、信号処理器70から与えられる切替信号に従って、信号処理器44と信号処理器54のいずれかに接続を切り替える。
また、基準周波数ω0に対するフィードバック制御に関して本実施の形態では、偏差信号DEが0値となるよう基準周波数ω0を制御するものとするが、これに限らず、偏差信号DEが現在値よりも小さくなるように基準周波数ω0を制御するものとしてもよいし、また、偏差信号DEが0値以外の所定の閾値よりも小さくなるように基準周波数ω0を制御するものとしてもよい。
信号処理器70は、本動作時には、スイッチ74を信号処理器54に接続させて信号処理器54から出力される制御信号を電流ドライバ80に入力させる。これにより、エタロン28を用いたレーザ光の周波数ロック制御を実施させる。本動作前の前動作時には、スイッチ74を信号処理器44に接続させて信号処理器44から出力される制御信号を電流ドライバ80に入力させる。これにより、ガスセル20を用いたレーザ光の周波数ロック制御を実施させる。
電流ドライバ80は、信号処理器54から入力された制御信号に従ってレーザ光源10に注入する駆動電流を制御してレーザ光源10から出射されるレーザ光の基準周波数ω0を変化させる。
これによって、レーザ光の基準周波数ω0が変化すると、変化した後の基準周波数ω0における偏差信号DEが検波器52から信号処理器54に入力される。信号処理器54は、その偏差信号DEが0値でなければ、さらに偏差信号DEが0値となる方向に基準周波数ω0を変化させる制御信号を電流ドライバ80に与える。
信号処理器44は、このような処理の繰り返しにより、基準周波数ω0に対するフィードバック制御を行い、基準周波数ω0をエタロン28の共振周波数ωsに一致させた状態にロックする。
次に、前動作時におけるエタロン28の温度の校正に関連する処理部の処理について説明する。
本装置1の電源投入時等の前動作時において、信号処理器70は、スイッチ74を信号処理器44に接続させ、信号処理器44から出力される制御信号を電流ドライバ80に入力させる。これによって、ガスセル20を用いたレーザ光の周波数ロック制御が実施され、レーザ光源10から出射されるレーザ光の基準周波数ω0がガスセル20の飽和吸収線の中心周波数ωaにロックされる。
この前動作時において、信号処理器70は、エタロン28の温度を所定の初期温度に設定する温度制御信号を温度制御器30に出力する。温度制御器30は、信号処理器70から入力された温度制御信号に従ってエタロン28の温度を制御し、温度センサにより検出されるエタロン28の現時点の温度(現在温度)を温度情報として信号処理器70に出力する。
信号処理器70は、温度制御器30から入力される温度情報により、エタロン28の温度が安定したことを確認した後、エタロン28の温度を、初期温度に対してレーザ光の変調信号の1周期分の時間2・π/ωmと比較して十分に大きい周期(十分に小さい周波数)で変調する温度制御信号を温度制御器30に出力する。
即ち、温度制御信号の信号値が、エタロン28の設定すべき温度に対応した値であるとすると、初期温度に対応した信号値に対して周期が十分に大きい正弦波の変調信号を加えた温度制御信号を温度制御器30に出力する。
これによって、エタロン28の温度が所定の周期で変化すると、温度に応じてエタロン28の共振周波数ωsが変化し、光検出器50から出力される検出信号IE(t)の大きさも変化する。
信号処理器70は、光検出器50から入力される検出信号IE(t)をレーザ光の変調信号の1周期分の時間2・π/ωmごとに平均して、検出信号IE(t)の時間2・π/ωmごとの平均値を順次求める。そして、検出信号IE(t)の平均値が最大値を示すときのエタロン28の温度を校正温度として検出する。
このエタロン28の校正温度の検出として、例えば、検出信号IE(t)の平均値が最大値を示したときに温度制御器30から与えられた温度情報の温度、即ち、温度センサが示す温度を検出してもよいし、検出信号IE(t)の平均値が最大値を示したときに温度制御器30に出力した温度制御信号の信号値、即ち、エタロン28を校正温度に設定するための温度制御信号の信号値を検出してもよい。本形態では、後者を採用し、検出した温度制御信号の信号値を校正温度値として内部の記憶手段に記憶する。
ここで、検出信号IE(t)の平均値が最大値を示すときのエタロン28の共振周波数ωsは、レーザ光の基準周波数ω0と一致しており、その基準周波数ω0は、ガスセル20を用いたレーザ光の周波数ロック制御が実施されていることによって、ガスセル20の飽和吸収線の中心周波数ωaに一致している。
したがって、エタロン28の校正温度は、エタロン28の共振周波数ωsがガスセル20の飽和吸収線の中心周波数ωaに一致するときの温度であり、温度制御信号の校正温度値は、エタロン28を校正温度に設定するための温度制御信号の信号値を示す。
以上の処理が終了すると、信号処理器70は、記憶手段に記憶した校正温度値の温度制御信号を温度制御器30に出力し、エタロン28を校正温度に設定する。
そして、前動作時におけるエタロン28の温度の校正を終了する。
なお、エタロン28の校正温度の検出として、検出信号IE(t)の平均値が最大値を示したときに温度制御器30から与えられた温度情報の温度を検出する場合、信号処理器70は、温度制御器30からの温度情報が示すエタロン28の温度が校正温度となるように温度制御器30に温度制御信号を出力してエタロン28の温度を設定する。
次に、本動作時におけるエタロン28の温度制御について説明する。上記のように前動作時におけるエタロン28の温度校正が終了すると、信号処理器70は、スイッチ74の接続を信号処理器44から信号処理器54に切り替え、信号処理器54から出力される制御信号を電流ドライバ80に入力させる。
これによって、エタロン28を用いたレーザ光の周波数ロック制御が開始され、レーザ光源10が出射するレーザ光の基準周波数ω0がエタロン28の共振周波数ωsにロックさせる。
また、本動作時において、信号処理器70は、エタロン28の温度を前動作時に検出した校正温度に維持する。即ち、記憶手段に記憶した校正温度値の温度制御信号を温度制御器30に継続的に出力してエタロン28の温度を校正温度に維持する。
これによれば、エタロン28の温度が校正温度となるように制御されるため、エタロン28の共振周波数ωsが、ガスセル20の飽和吸収線の中心周波数ωaに一致した状態に維持され、レーザ光源10が出射するレーザ光の基準周波数ω0がガスセル20の飽和吸収線の中心周波数ωaに一致した状態にロックされる。
また、エタロン28の温度変動が温度制御器30による温度制御により低減されており、周波数安定度及び確度の高いレーザ光が得られる。
更に、エタロン28を用いたレーザ光の周波数ロック制御では、周波数の制御範囲(ロックが外れない周波数範囲)が数百MHzであり、ガスセル20の場合と比較して大きい。したがって、外乱などによりレーザ光の周波数が変動した場合であってロックが外れるという事態も生じ難く、レーザ光の周波数を長時間に渡って安定化することができる。
一方、温度制御器30によりエタロン28を校正温度に維持するように制御している場合に、温度センサの温度計測の誤差(不確かさ)等に起因して、エタロン28の実際の温度が、共振周波数ωsをガスセル20の飽和吸収線の中心周波数ωaに一致させる校正温度から変動する可能性がある。
このとき、エタロン28の共振周波数ωsが、ガスセル20の飽和吸収線の中心周波数ωaからずれて、レーザ光の基準周波数ω0がガスセル20の飽和吸収線の中心周波数ωaからずれる。
そこで、次のようにエタロン28の温度補正を行うようにすると好適であり、本装置1ではその温度補正を実施する構成としている。
本動作時において、信号処理器70は、スイッチ76を接続状態(導通状態)に設定して検波器42から出力される偏差信号DGを取得する。
そして、検波器42から取得した偏差信号DGが0値でない場合には、偏差信号DGの値に基づいて温度制御器30に出力する温度制御信号の信号値を校正温度値から補正する。
即ち、偏差信号DGが0値と異なる場合には、エタロン28の共振周波数ωsがガスセル20の飽和吸収線の中心周波数ωaからずれたことを意味する。したがって、温度制御信号の校正温度値を補正することにより、偏差信号DGが0値となるようにエタロン28の温度を補正する。
このような偏差信号DGに基づくエタロン28の温度補正により、エタロン28を用いたレーザ光の周波数ロック制御においてレーザ光の基準周波数ω0が飽和吸収線の中心周波数ωaに長時間に渡ってより安定的に維持され、周波数安定度及び確度のより高いレーザ光が得られる。
また、仮に、振動や音などの外乱により、検波器42から出力される偏差信号DGに瞬時的な誤差が生じた場合に、それに従ってエタロン28の温度を補正した場合であっても、エタロン28の温度は急激に変化しないため、ロックが外れるという事態は生じずに、偏差信号DGが正常な値に戻れば、エタロン28の温度も正常な値に戻る。
以上のレーザ周波数安定化装置1における動作手順を図5のフローチャートを用いて説明する。
電源がオンされると、まず、前動作(ウォーミングアップ)の処理を実施する。
即ち、ステップS10において、信号処理器70は、スイッチ76を信号処理器44に接続し、ガスセル20を用いたレーザ光の周波数ロック制御を実施させる。これにより、レーザ光源10から出射されるレーザ光の基準周波数ω0がガスセル20の飽和吸収線の中心周波数ωaにロックされる。
続いて、ステップS12において、信号処理器70は、温度制御器30に出力する温度制御信号によりエタロン28の温度を所定の初期温度に安定化させた後、エタロン28の温度を変化させ、光検出器50から出力される検出信号に基づいて、エタロン28の共振周波数ωsが、ガスセル20の飽和吸収線の中心周波数ωaに一致するときのエタロン28の温度を校正温度として検出する。その検出した校正温度に関する情報(温度制御信号の信号値又は温度制御器30からの温度情報が示す温度値)を記憶手段に記憶する。
次にステップS14において、信号処理器70は、温度制御器30に出力する温度制御信号によりステップS12において検出した校正温度にエタロン28の温度を設定する。
以上の前動作の処理が終了すると本動作の処理に移行する。
ステップS16において、信号処理器70は、スイッチ74を信号処理器54に接続し、エタロン28を用いたレーザ光の周波数ロック制御を実施させる。これにより、レーザ光源10から出射されるレーザ光の基準周波数ω0が、ガスセルの飽和吸収線の中心周波数ωaと一致しているエタロン28の共振周波数ωsにロックされる。
続いて、ステップ18において、信号処理器70は、スイッチ76を接続状態(導通状態)にする。これにより、検波器42から出力される偏差信号DGを取得する。
次に、ステップS20において、信号処理器70は、検波器42から取得した偏差信号DGが0か否かを判定する。即ち、レーザ光の基準周波数ω0がガスセルの飽和吸収線の中心周波数ωaと一致しているか否かを判断する。NOと判定した場合には、ステップS22に移行し、YESと判定した場合には、ステップS20の処理を繰り返す。
ステップS22に移行した場合、信号処理器70は、偏差信号DGが0となるように、即ち、エタロン28の共振周波数ωsがガスセルの飽和吸収線の中心周波数ωaと一致するように、温度制御器30に出力する温度制御信号によりエタロン28の温度を補正する。このステップS24の処理が終了するとステップS20に戻り、ステップS20とステップS22の処理を装置1の電源がオフされるまで繰り返す。
以上、上記実施の形態におけるレーザ光源10として、半導体チップ内に共振器を有し、電流により屈折率を変調して共振器長を変更することができるDBR−LD(Distributed Bragg Reflection Laser Diode)又はDFB−LD(Distributed FeedBack Laser Diode)を用いると好適である。ただし、レーザ光源10はこれに限らない。また、必ずしも半導体レーザに限らない。
また、レーザ光の周波数変調は、レーザ光源10の外部に配置された変調器により行うようにしてもよい。例えば、図6に示すように図1におけるビームスプリッタ12と偏光ビームスプリッタ14との間に変調器90を配置し、ビームスプリッタ12を透過したレーザ光源10からの基準周波数ω0のレーザ光を変調器90により、周波数ωmの正弦波で変調する構成とすることができる。変調器90での変調信号は例えば発振器60から与えられる。
1…レーザ周波数安定化装置、10…レーザ光源、12…ビームスプリッタ、14、16、24…偏光ビームスプリッタ、18、26…1/4波長板、20…ガスセル、22…ミラー、28…エタロン、30…温度制御器、40、50…光検出器、42、52…検波器、44、54、70…信号処理器、60…発振器、62、64…増幅器、74、76…スイッチ、80…電流ドライバ、90…変調器

Claims (2)

  1. レーザ光を出射する光源と、
    光源から出射したレーザ光を第1レーザ光と第2レーザ光とに分割する光分割手段と、
    前記光分割手段により分割された第1レーザ光が通過するガスセルを含む第1光学系と、
    前記第1光学系を通過した第1レーザ光の光強度を示す第1検出信号を検出する第1光検出手段と、
    前記第1光検出手段により検出された第1検出信号に基づいて、前記光源から出射されるレーザ光の周波数が前記ガスセルの飽和吸収線の中心周波数に一致するように前記光源から出射されるレーザ光の周波数を制御する第1制御手段と、
    前記光分割手段により分割された第2レーザ光が通過するエタロンを含む第2光学系と、
    前記第2光学系を通過した第2レーザ光の光強度を示す第2検出信号を検出する第2光検出手段と、
    前記第2光検出手段により検出された第2検出信号に基づいて、前記光源から出射されるレーザ光の周波数が前記エタロンの共振周波数に一致するように前記光源から出射されるレーザ光の周波数を制御する第2制御手段と、
    前記光源から出射されるレーザ光の周波数の制御を、前記第1制御手段による制御と前記第2制御手段による制御とのいずれか一方に切替え可能に設定する制御切替手段であって、本動作の前の前動作の実施時において、前記光源から出射されるレーザ光の周波数の制御を前記第1制御手段による制御に設定し、前記本動作の実施時において、前記光源から出射されるレーザ光の周波数の制御を前記第2制御手段による制御に設定する制御切替手段と、
    前記エタロンの温度を制御する温度制御手段と、
    を備え、
    前記温度制御手段は、
    前記前動作の実施時において、前記エタロンの温度を変化させながら、前記第2光検出手段により検出された第2検出信号を取得し、該取得した第2検出信号に基づいて、前記エタロンの共振周波数が前記ガスセルの飽和吸収線の中心周波数に一致するときの前記エタロンの温度を校正温度として検出するエタロン校正温度検出手段と、
    前記本動作の実施時において、前記第1光検出手段により検出された第1検出信号に基づいて、前記エタロンの共振周波数が前記ガスセルの飽和吸収線の中心周波数に一致するように前記校正温度を補正し、補正後の前記校正温度に基づき前記エタロンの温度を補正するエタロン温度補正手段と、
    を備えるレーザ周波数安定化装置。
  2. レーザ光を出射する光源と、
    光源から出射したレーザ光を第1レーザ光と第2レーザ光とに分割する光分割手段と、
    前記光分割手段により分割された第1レーザ光が通過するガスセルを含む第1光学系と、
    前記第1光学系を通過した第1レーザ光の光強度を示す第1検出信号を検出する第1光検出手段と、
    前記第1光検出手段により検出された第1検出信号に基づいて、前記光源から出射されるレーザ光の周波数が前記ガスセルの飽和吸収線の中心周波数に一致するように前記光源から出射されるレーザ光の周波数を制御する第1制御手段と、
    前記光分割手段により分割された第2レーザ光が通過するエタロンを含む第2光学系と、
    前記第2光学系を通過した第2レーザ光の光強度を示す第2検出信号を検出する第2光検出手段と、
    前記第2光検出手段により検出された第2検出信号に基づいて、前記光源から出射されるレーザ光の周波数が前記エタロンの共振周波数に一致するように前記光源から出射されるレーザ光の周波数を制御する第2制御手段と、
    前記光源から出射されるレーザ光の周波数の制御を、前記第1制御手段による制御と前記第2制御手段による制御とのいずれか一方に切替え可能に設定する制御切替手段と、
    前記エタロンの温度を制御する温度制御手段と、
    を備えたレーザ周波数安定化装置におけるレーザ周波数安定化方法であって、
    前記制御切替手段は、本動作の前の前動作の実施時において、前記光源から出射されるレーザ光の周波数の制御を前記第1制御手段による制御に設定し、前記本動作の実施時において、前記光源から出射されるレーザ光の周波数の制御を前記第2制御手段による制御に設定し、
    前記温度制御手段は、前記前動作の実施時において、前記エタロンの温度を変化させながら、前記第2光検出手段により検出された第2検出信号を取得し、該取得した第2検出信号に基づいて、前記エタロンの共振周波数が前記ガスセルの飽和吸収線の中心周波数に一致するときの前記エタロンの温度を校正温度として検出し、
    前記温度制御手段は、前記本動作の実施時において、前記第1光検出手段により検出された第1検出信号に基づいて、前記エタロンの共振周波数が前記ガスセルの飽和吸収線の中心周波数に一致するように前記校正温度を補正し、補正後の前記校正温度に基づき前記エタロンの温度を補正するレーザ周波数安定化方法。
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