JP6426553B2 - 乗員保護装置 - Google Patents
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Description
本発明の第1の実施形態に係る乗員保護装置10について、図1〜図7に基づいて説明する。なお、各図に適宜記す矢印FR、矢印UPは、車両用シート12の前方向(着座者の向く方向)、上方向をそれぞれ示している。以下、単に前後、上下、左右の方向を用いて説明する場合は、特に断りのない限り、シート前後方向の前後、シート上下方向の上下、シート前後方向の前方を向いた場合の左右を示すものとする。なお、この実施形態では、車両用シート12は、シート前後方向が車両の前後方向に一致され、シート上下方向が車両の上下方向に一致され、シート幅方向が車幅方向に一致されている。そして、各図に適宜記す矢印INは、車両用シート12が搭載された車両としての自動車における車幅方向の車両中央側を示している。
図1、図2、図4に示されるように、乗員保護装置10は、車両用シート12に搭載されている。車両用シート12は、図示しない自動車の車体における車幅方向中央に対し左右何れか(本実施形態では左側)にオフセットして配置されている。この車両用シート12は、シートクッション14と、該シートクッション14の後端に下端が連結されたシートバック16と、シートバック16の上端に設けられたヘッドレスト18とを有して構成されている。
図1及び図4(A)に示されるように、多方位エアバッグ装置20は、エアバッグとしての多方位エアバッグ30と、インフレータ32と、モジュールケース(エアバッグケースともいう)34とを有して構成されている。多方位エアバッグ30は、後述するようにインフレータ32がガス供給可能に接続された状態で折り畳まれ、モジュールケース34内に収納されている。このようにモジュール化された多方位エアバッグ装置20は、シートバック16上においてヘッドレスト18に設けられている。以下、具体的に説明する。
多方位エアバッグ30は、平断面視で図3(A)に示されるように、着座者Dの頭部H(以下、単に「頭部H」という場合がある)を前方及び左右両側方から取り囲むように膨張展開される一体の袋体として構成されている。より具体的には、図1〜図3に示されるように、多方位エアバッグ30は、ダクト状に膨張展開されるフレームダクト35と、頭部Hの前方で展開される前展開部36と、頭部Hの左右両側方で展開される一対の横展開部38とを含んで構成されている。
フレームダクト35は、シート幅方向の両側にそれぞれ設けられて一対を成しており、それぞれ側面視で(シート幅方向から見て)下向きに開口する「U」字状に膨張展開される構成である。具体的には、フレームダクト35は、膨張展開状態における側面視で、ヘッドレスト18に沿って上下に延びる後ダクト35Rと、後ダクト35Rの上端から前方に延びる上ダクト35Uと、上ダクト35Uの前端から垂下される前ダクト35Fとを含んでいる。図6にフラットパターンにて示すように、後ダクト35Rの下端には、後述するようにインフレータ32からガスが供給されるガス供給口を成す供給筒56が繋がっている。
前展開部36は、頭部Hの正面で展開される部分を含む前膨張部40と、前膨張部40を複数の膨張部に区画する非膨張部42とを含んで構成されている。この実施形態では、前膨張部40は、それぞれ上下方向を長手方向としてシート幅方向に隣接して膨張展開される一対の上下膨張部40Aと、一対の上下膨張部40Aの下方に位置する下膨張部40Lとを含んで構成されている。一対の上下膨張部40Aは、頭部Hの前方(正面)で膨張展開される構成とされ、下膨張部40Lは、着座者Dの胸部B及び肩部Sの前方で膨張展開される構成とされている。
横展開部38は、それぞれガス供給を受けて頭部Hの側方で膨張展開される横膨張部44及び遅れ膨張部64を主要部として構成されている。この実施形態では、膨張展開状態の横膨張部44は、側面視で下向きに開口するU字状を成すシームである非膨張部46を介して接続されているフレームダクト35によって、後方、上方、前方の三方から囲まれており、側面視で略矩形状を成している。この横膨張部44は、その前端側がフレームダクト35の前ダクト35Fを介して間接的に前膨張部40に接続されている。また、横膨張部44すなわち横展開部38は、側面視で頭部Hのほぼ全体にラップする大きさ(面積)を有している。
上展開部48は、図6に示されるように、それぞれシート幅方向を長手方向として膨張展開される前後一対のクロス膨張部48Aと、前後のクロス膨張部48A間を繋ぐ布状の非膨張部48Bとを含んで構成されている。また、上展開部48は、前側のクロス膨張部48Aと前展開部36(一対の上下膨張部40A)の上端とを繋ぐ布状の非膨張部48Cを含んで構成されている。なお、後側のクロス膨張部48Aは、後展開部55を介してモジュールケース34に接続されている(図示省略)。この実施形態では、後展開部55は、布状の非膨張部とされている。
次に、多方位エアバッグ30の各部へのガス供給経路について、図6に示すフラットパターンを参照しつつ説明する。多方位エアバッグ30は、周縁部の一部が接合される前でかつ折り畳みの前には、図6に示されるような展開形状(フラットパターン)とされている。この展開形状の多方位エアバッグ30は、OPW(One Piece Wovenの略)により一体の袋体として形成されている。なお、例えば2枚の織物の周縁を縫い合わせる方法(Cut & Sew)にて多方位エアバッグ30を一体の袋体として形成しても良い。
以上説明した多方位エアバッグ30は、上記の通りフラットパターンから周縁の一部が接合された状態から折り畳まれ、ヘッドレスト18内(モジュールケース34)に収納されるようになっている。多方位エアバッグ30の折り畳み形態については、展開誘導布58の構成と併せて、モジュールケース34の構成と共に後述する。
また、図1〜図3に示されるように、多方位エアバッグ装置20すなわち乗員保護装置10は、遅れ膨張部64の膨張展開に伴って該前膨張部40を後方に引っ張る張力構造体としてのテザー68を備えている。この実施形態では、テザー68は、シート幅方向の両側に各1枚設けられている。
インフレータ32は、燃焼式又はコールドガス式のものが採用され、作動されることで発生したガスを多方位エアバッグ30内に供給するようになっている。この実施形態では、インフレータ32は、シリンダ型のインフレータとされ、モジュールケース34内でシート幅方向を長手方向として配置されている。このインフレータ32は、後述する制御装置としてのECU60によって作動が制御されるようになっている。
図1及び図5に示されるように、モジュールケース34は、シートバック16上におけるヘッドレスト本体19の後方に配置されている。この実施形態では、モジュールケース34は、ヘッドレスト18(の後部意匠)を構成するバックボードとされている。すなわち、本実施形態におけるモジュールケース34は、多方位エアバッグ装置20の要素と、ヘッドレスト18の要素とを兼ねて構成されている。したがって、多方位エアバッグ30は、ヘッドレスト18の後部の内側(内部)に配設されていることとなる。
乗員保護装置10を構成する多方位エアバッグ装置20、サイドエアバッグ装置22、及びシートベルト装置24は、図4(A)に示されるように、制御装置としてのECU60によって制御されるようになっている。具体的には、多方位エアバッグ装置20のインフレータ32、サイドエアバッグ装置22のインフレータ22A、シートベルト装置24のリトラクタ26(プリテンショナ機能)は、それぞれECU60に電気的に接続されている。また、ECU60は、衝突センサ62(又はセンサ群)と電気的に接続されている。
次に、第1の実施形態の作用について説明する。先ず、多方位エアバッグ30の展開性と頭部Hの拘束性に係る基本作用について説明し、その後、各種の衝突形態に対する着座者の保護作用、多方位エアバッグ30の展開性等に係る他の作用を説明することとする。
[フレームダクトによる作用効果]
多方位エアバッグ30は、インフレータ32からガスが供給されると、モジュールケース34及び展開誘導布58に案内され、外ロール折りが解消されながら、ヘッドレスト18から前方に向けて膨張展開される。モジュールケース34、展開誘導布58、外ロール折りによる作用効果は後述する。
また、テザー68を備えない比較形態の場合、多方位エアバッグの展開性の観点からは問題ないが、膨張展開完了時における前膨張部40を頭部Hに対し一層近接させるには限界がある。この対策として、前膨張部40よりも大容量である前膨張部を備えた比較形態の場合、膨張展開しながら頭部Hの上方を通過する過程で、多方位エアバッグの前膨張部が頭部H又はルーフに干渉しやすい。この多方位エアバッグは、膨張展開過程で頭部H又はルーフに干渉すると、適正な姿勢又配置での膨張展開が阻害される場合がある。
さらに、多方位エアバッグ30が遅れ膨張部64を含んで構成されているため、遅れ膨張部64を含んでいない構成と比較して、横展開部38が頭部Hに近接して展開される。このため、多方位エアバッグ30は、頭部Hをシート幅方向の両側方からしっかりと拘束することができる。これにより、後述する側面衝突、斜め衝突、微小ラップ衝突に対し着座者Dの頭部Hを一層効果的に保護することができる。
ECU60は、衝突センサ62からの情報に基づいて側面衝突を検知又は予測すると、インフレータ22A、32を作動させる。これにより、図1、図2に示されるように、サイドエアバッグ装置22のサイドエアバッグ22Bが着座者Dに対する車幅方向の外側で膨張展開されると共に、多方位エアバッグ装置20の多方位エアバッグ30が着座者Dの頭部Hを取り囲むように膨張展開される。以下に説明するニアサイドの側面衝突は、着座者Dに対し車幅方向で近い側の車両側面への側面衝突であり、ファーサイドの側面衝突は、着座者Dに対し車幅方向で遠い側の車両側面への側面衝突である。したがって例えば、着座者Dが運転席乗員である場合、ニアサイドの側面衝突は運転席側への側面衝突であり、ファーサイド側面衝突は助手席側への側面衝突である。
側面衝突が車幅方向における車両用シート12の設置側で生じた場合、着座者Dは、サイドエアバッグ22Bによって上体のサイドドア側への移動が制限されると共に、車幅方向外側の横展開部38によって頭部Hのサイドウインドウガラス側への移動が制限される。すなわち、着座者Dは、サイドエアバッグ22B及び車幅方向外側の横展開部38によって、上体及び頭部Hにおいて拘束され、側面衝突に対し保護される。
一方、側面衝突が車幅方向における車両用シート12の設置側とは反対側で生じた場合、着座者Dは、車幅方向中央側の横展開部38によって頭部Hの衝突側(車幅方向の中央側)への移動が制限される。すなわち、着座者Dは、車幅方向中央側の横展開部38によって、頭部Hが拘束され、側面衝突に対し保護される。
ECU60は、衝突センサ62からの情報に基づいてフルラップ前面衝突を検知又は予測すると、インフレータ32、リトラクタ26を作動させる。これにより、シートベルト装置24のベルト28がリトラクタ26により強制的に巻き取られると共に、多方位エアバッグ装置20の多方位エアバッグ30が着座者Dの頭部Hを取り囲むように膨張展開される。
ECU60は、衝突センサ62からの情報に基づいて斜め衝突を検知又は予測すると、インフレータ22A、32、及びリトラクタ26を作動させる。これにより、シートベルト装置24のベルト28がリトラクタ26により強制的に巻き取られると共に、多方位エアバッグ装置20の多方位エアバッグ30が着座者Dの頭部Hを取り囲むように膨張展開される。また、サイドエアバッグ装置22のサイドエアバッグ22Bが着座者Dに対する車幅方向の外側で膨張展開される。以下、斜め衝突の場合についてさらに説明するが、微小ラップ衝突の場合における乗員保護装置10による着座者Dの保護態様についても、斜め衝突の場合の乗員保護装置10による着座者Dの保護態様と概ね同様である。
斜め衝突が車幅方向における車両用シート12の設置側への斜め衝突であった場合、着座者Dは、図3(A)に矢印Xにて示すように、前方に移動しつつ、車体に対し車幅方向の衝突側である車幅方向外側に移動する。この場合も、3点式のシートベルト装置24が装着された着座者Dの前方への移動は、腰部Pを中心に前傾する形態となる。
斜め衝突が車幅方向における車両用シート12の設置側とは反対側への斜め衝突であった場合、着座者Dは、図3(A)に矢印Yにて示すように、前方に移動しつつ、車体に対し車幅方向の衝突側である車幅方向中央側に移動する。この場合も、3点式のシートベルト装置24が装着された着座者Dの前方への移動は、腰部Pを中心に前傾する形態となる。
以上説明したように、第1の実施形態に係る乗員保護装置10では、ヘッドレスト18に収納された多方位エアバッグ30を膨張展開させて、側面衝突、斜め衝突を含む各種形態の前面衝突(複数方向からの衝突)に対し着座者Dを効果的に保護することができる。そして、多方位エアバッグ30は、前展開部36、横展開部38が上展開部48等とで頭部Hを取り囲むように展開される一体の袋体として構成されている。このため、多方位エアバッグ30は、各展開部が強固に繋がっていると共に、頭部H、胸部B、肩部Sを拘束する際の荷重(反力)が車両用シート12に支持される。したがって、多方位エアバッグ30は、複数のエアバッグ(膨張部)が乗員の拘束の際に接合される構成と比較して、大きな拘束力で乗員を拘束することができる。
[適正な膨張展開による拘束性向上]
また、乗員保護装置10を構成する多方位エアバッグ装置20では、多方位エアバッグ30の横展開部38を構成する横膨張部44の下端44Bが着座者Dの肩部S上に接触することで、着座者Dに対する多方位エアバッグ30の上下方向の位置が決まる。このため、例えば着座者Dの体格や適正範囲の着座姿勢の個人差によらず、多方位エアバッグ30を上下方向の適切な位置で膨張展開させることができる。これにより、多方位エアバッグ30による着座者Dの拘束性(移動制限性能)が向上される。
またさらに、多方位エアバッグ30は、外ロール折りされた状態でヘッドレスト18内に収納されている。このため、多方位エアバッグ30における膨張展開過程で折りを解かれる部分であるロール折り部分30Rがフレームダクト35の上方に位置する。このため、折りを解かれる部分が下方すなわち着座者Dの頭部H側に位置する構成と比較して、多方位エアバッグ30は、フレームダクト35へのガス流通に伴って前方へ展開されつつ着座者Dの頭部Hを越える態様で展開されやすい。
さらに、乗員保護装置10を構成する多方位エアバッグ装置20は、多方位エアバッグ30と接触する側の面が低摩擦面とされた展開誘導布58を備えている。この展開誘導布58は、多方位エアバッグ30の膨張展開に伴って、該多方位エアバッグ30に先行して自動車の車室天井に沿って展開される。この展開誘導布58は、多方位エアバッグ30に対して車室天井材よりも低摩擦であるため、展開誘導布58を備えない構成と比較して、多方位エアバッグ30をスムースに膨張展開させることができる。
またさらに、乗員保護装置10を構成する多方位エアバッグ装置20では、モジュールケース34がヘッドレスト本体19に対し上方及びシート幅方向の両側に張り出している。このため、モジュールケース34における正面視でヘッドレスト本体19に対しシート幅方向に張り出している部分(ヘッドレスト本体19との隙間部分)から多方位エアバッグ30を前方へ展開させることができる。これにより、ヘッドレスト本体19を上部のみから前方へ展開される多方位エアバッグを備えた構成と比較して、多方位エアバッグ30の膨張展開を短時間で完了させることができる。
また、乗員保護装置10を構成する多方位エアバッグ装置20では、多方位エアバッグ30及びインフレータ32を収納したモジュールケース34をヘッドレスト本体19の後方に配置している。このため、例えば多方位エアバッグ30及びインフレータ32をシートバック16内に収納する構成と比較して、車両用シート12の構造による制約を受け難い。換言すれば、車両用シート12の構造を大きく変更することなく、該車両用シート12に多方位エアバッグ装置20を設けることができる。
図8には、変形例に係る遅れ膨張部72が設けられた多方位エアバッグ30のフラットパターンを示している。この図に示されるように、変形例に係る遅れ膨張部72は、横膨張部44を折り返して該横膨張部44の内側に配置される構成とされている。横膨張部44と遅れ膨張部72との間には、横膨張部44の下端44Bを成す非膨張部74が形成されている。この変形例に係る非膨張部は、前後に延びる環(無端)状のシームにて囲まれた部分として構成されている。
次に、第2の実施形態について、図9に基づいて説明する。なお、第1の実施形態と基本的に同様の構成、作用については、第1の実施形態と同一の符号を付与し、その説明及び図示を省略する場合がある。
多方位エアバッグ装置20すなわち乗員保護装置80は、遅れ膨張部88の膨張展開に伴って該前膨張部40を後方に引っ張るテザー84を備えている。これにより、頭部Hに対し前方に離れて膨張展開される前膨張部86を遅れ膨張部88の膨張展開に伴って頭部Hに近づける(後方に移動させる)ことができる。
さらに、多方位エアバッグ82が遅れ膨張部88を含んで構成されているため、遅れ膨張部88を含んでいない構成と比較して、前展開部36が頭部Hに近接して展開される。このため、多方位エアバッグ30は、頭部Hを前方からしっかりと拘束することができる。これにより、後述する前面衝突、斜め衝突、微小ラップ衝突に対し着座者Dの頭部Hを一層効果的に保護することができる。しかも、遅れ膨張部88が設けられているため、例えば前膨張部86の容量(展開厚み)を前膨張部40よりも小さく設定することができ、膨張展開過程で前膨張部86が頭部Hに一層干渉し難い構成とすることも可能である。
以上の作用効果に加え、第2の実施形態に係る乗員保護装置80は、第1の実施形態における前膨張部40及び遅れ膨張部64が設けられていることによる作用効果を除いて、基本的に第1の実施形態と同様の作用によって同様の効果を得ることができる。なお、第2の実施形態では、テザー84の一端84A側の一部が横膨張部44の外側に配置された例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、非膨張部46における横膨張部44に対する前後に位置する部分に形成されたスリットを通して、テザー84の一端84A側の一部が横膨張部44の内側に配置される構成としても良い。この構成では、テザー84の一部は、前ダクト35F及び後ダクト35Rの外側に配置されることとなる。この構成では、横膨張部44によるテザー84の内方への押し込みによる多方位エアバッグ82の外側からの該テザー84の引き込み量の増加すなわち前膨張部40を後方へ引っ張る引張量を増加させることも可能である。
上記した各実施形態では、張力構造体としての一対のテザー68、84の他端68B、84Bが前膨張部40、86(非膨張部42A)に接続された例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、図10(A)、図10(B)に示すような変形例に係る構成を採用しても良い。
なお、上記した各実施形態では、乗員保護装置10がサイドエアバッグ装置22を備えた例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、乗員保護装置10がサイドエアバッグ装置22を備えない構成としても良い。また、乗員保護装置10がサイドエアバッグ装置を備える構成において、サイドエアバッグ装置が車両用シート12に設けられる構成には限定されない。例えば、サイドドア等に設けられたサイドエアバッグ装置を備えて乗員保護装置10が構成されても良い。さらに、上記した各実施形態では、乗員保護装置10が車幅方向外側のサイドエアバッグ装置22を備えた例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、乗員保護装置10は、車幅方向外側のサイドエアバッグ装置22に代えて又は加えて、車幅方向中央側に配置されるサイドエアバッグ装置を備える構成としても良い。
16 シートバック
18 ヘッドレスト
30 多方位エアバッグ(エアバッグ)
40 前膨張部(前バッグ)
44 横膨張部(横バッグ)
64 遅れ膨張部(横バッグ)
68 テザー(張力構造体)
72 遅れ膨張部(横バッグ)
80 乗員保護装置
82 多方位エアバッグ(エアバッグ)
84・92・94 テザー(張力構造体)
86 前膨張部(前バッグ)
88 遅れ膨張部(前バッグ)
Claims (3)
- ヘッドレスト又はシートバックに収納され、ガス供給を受けて膨張展開された状態で乗員の頭部に対するシート前方に位置する前膨張部を有する前バッグ及び乗員の頭部に対するシート幅方向の両側方に位置する一対の横バッグを含み、一体の袋体として構成されたエアバッグと、
一端側が前記エアバッグにおけるシート前後方向の後部、前記ヘッドレスト又は前記シートバックに接続され、前記横バッグ又は前バッグの膨張展開に伴って負荷される張力によって前記前膨張部を後方に引っ張る張力構造体であって、前記エアバッグの膨張展開状態で乗員の頭部とラップする高さ領域に配置される前記張力構造体と、
を備えた乗員保護装置。 - ヘッドレスト又はシートバックに収納され、ガス供給を受けて膨張展開された状態で乗員の頭部に対するシート前方に位置する前膨張部を有する前バッグ及び乗員の頭部に対するシート幅方向の両側方に位置する一対の横バッグを含み、一体の袋体として構成されたエアバッグと、
一端側が前記エアバッグにおけるシート前後方向の後部、前記ヘッドレスト又は前記シートバックに接続され、他端が前記前膨張部に接続され、前記横バッグと前バッグとの間を摺動可能に通されて一部が前記エアバッグの内側に配置されると共に他の一部が前記エアバッグの外側に配置されており、前記横バッグ又は前バッグの膨張展開に伴って負荷される張力によって前記前膨張部を後方に引っ張る張力構造体と、
を備えた乗員保護装置。 - 前記横バッグ又は前バッグは、ガス供給を受けて前記前膨張部の膨張展開後に膨張展開される遅れ膨張部を有しており、
前記張力構造体は、前記遅れ膨張部に対する内側に配置されている請求項2記載の乗員保護装置。
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