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JP6406158B2 - エンジンの制御装置 - Google Patents

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JP6406158B2
JP6406158B2 JP2015154129A JP2015154129A JP6406158B2 JP 6406158 B2 JP6406158 B2 JP 6406158B2 JP 2015154129 A JP2015154129 A JP 2015154129A JP 2015154129 A JP2015154129 A JP 2015154129A JP 6406158 B2 JP6406158 B2 JP 6406158B2
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  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

本開示は、ターボ過給機付きのエンジンを制御する制御装置に関する。
ターボ過給機付きのエンジンとして、特許文献1には、排気通路の一部が2つの独立した通路に分割され、それら2つの通路のうち一方の通路に、流路面積を変化させることにより排気の流速を調節する流路調節部(排気カット弁)が設けられた構成を有するエンジンが開示されている。このエンジンでは、排気の流量が少ないエンジンの運転状態では、流速調節部を閉じることにより排気の流速を高めて所要の過給効果を確保し、排気の流量が多いエンジンの運転状態では、流速調節部を開いて両方の通路から排気をタービンに供給することにより排圧の上昇によるエンジンの出力低下を防止するようにしている。
特開2003−328765号公報
ところで、排気通路におけるタービンの下流側に設けられた、排気中の有害成分を浄化する触媒コンバータは、その浄化機能を十分に発揮させるのにその内部に保持した触媒を活性状態にしなければならず、触媒の温度が低いときには、活性温度にまで触媒の温度を高める必要がある。そのためには、できるだけ多くの排気を排気通路に流してその排気熱により触媒を速やかに昇温させることが望ましい。
しかし、特許文献1では、排気通路を流れる排気の流量が少ない状況において、流速調節部を閉じるため、排気通路における流路抵抗が高まって流速調節部よりも上流側での排圧が上昇し、その分だけ排気がエンジン本体から排気通路に排出され難くなる。そうなると、ただでさえ排気量が少ない運転状態にあるのに触媒コンバータへ流れる排気が抑制されることになるため、エンジンの冷間始動時などの触媒温度を速やかに上昇させることが要望される場面において、排気熱による触媒コンバータ内の触媒の昇温が遅れてしまう。
本開示の技術は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、流速調節部を備えたエンジンにおいて、触媒コンバータ内の触媒を活性温度にまで早期に昇温させることにある。
上記の目的を達成するために、本開示の技術では、エンジン本体から排気通路への排気の排出を阻害せず且つ触媒コンバータに至るまでの排気熱の損失を少なくするように排気流路の状態を制御するようにした。
具体的には、本開示の技術は、エンジン本体から排出された排気が流通する排気通路に設けられたタービンを有するターボ過給機と、排気通路におけるタービンの下流側に設けられた触媒コンバータと、排気通路に流通する排気を、タービンをバイパスして触媒コンバータの上流側に流すためのバイパス通路と、バイパス通路に流通する排気の流量を調節するウェイストゲートバルブと、排気通路におけるタービンの上流側で当該排気通路の流路面積を変化させることにより排気の流速を調節する流速調節部と、を備えたエンジンを制御する制御装置を対象とする。このエンジンの制御装置は、触媒コンバータ内の触媒が未活性のときに前記触媒活性温度まで昇温させる昇温処理を実行する昇温制御部を備える。昇温制御部は、触媒の活性化の要否を所定の条件が成立したか否かによって判定し、触媒の活性化が必要であると判定したときに、昇温処理を実行する前と比べて、排気通路の流路面積を大きくするように流速調節部を制御し、且つバイパス通路に流通する排気の流量を多くするようにウェイストゲートバルブを制御する。
この構成によると、触媒コンバータ内の触媒を昇温させるのに排気通路の流路面積を大きくするように流速調節部を制御するので、排気通路における流路抵抗が低くなり、流速調節部よりも上流側で排圧の上昇が生じない。これにより、エンジン本体から排気通路への排気の排出を促進させることができる。さらに、流速調節部により排気通路の流路面積を大きくするのと併せてバイパス通路に流通する排気の流量を多くするようにウェイストゲートバルブを制御するので、エンジン本体から排気通路に排出された排気のうちタービンを経由せずに触媒コンバータに流入する量が増大する。これにより、タービンに奪われる排気熱の量、つまりは触媒コンバータに至るまでの排気熱の損失を少なくし、排気通路における触媒コンバータの上流側で排気温度が低下するのを抑制できる。こうした流速調節部及びウェイストゲートバルブの動作制御によれば、触媒コンバータ内の触媒になるべく多くの排気熱を与えることができ、触媒の温度を活性温度にまで速やかに上昇させることができる。
昇温制御部は、エンジンに要求される出力トルクが所定の大きさ未満であるか否かを判定し、当該出力トルクが所定の大きさ未満であると判定され、且つ所定の条件が成立したときに、昇温処理を実行する。
触媒の昇温処理を実行すると、タービンを経由する排気の流量が少なくなるため、タービンに作用する動圧が低下し、ターボ過給機の駆動力が小さくなり過給圧が低下する。特に、昇温処理において排気の全量をバイパス通路に流すようにウェイストゲートバルブを制御する場合には、排気に伴う動圧がタービンに作用せず、ターボ過給機が作動しなくなる。したがって、昇温制御部による触媒の昇温処理には、過給圧の損失が伴うことがある。
しかし、エンジンに要求される出力トルクが所定の大きさ未満であるとき、すなわち出力トルクが比較的低いときには、その出力トルクを実現するために必要とされる過給圧が小さい。上記の構成によると、このように必要される過給圧が小さいときに触媒の昇温処理を実行するので、当該昇温処理の実行に伴う過給圧の損失により運転性が損なわれるのを防止できる。
さらに、昇温制御部は、エンジンの運転状態がアイドル運転状態であるときに、前記エンジンに要求される出力トルクが所定の大きさ未満であると判定する。また、昇温制御部は、車速が所定の速度以下であるとき、例えば車速がゼロであるときに、エンジンに要求される出力トルクが所定の大きさ未満であると判定する。エンジンの運転状態がアイドル運転状態でない、又は、車速がゼロでないときには、昇温処理の実行を制限する。
エンジンがアイドル運転状態にあるときや車速がゼロであるときには、過給圧の要求が無い。上記の構成によると、このように過給圧の要求そのものが無いときに触媒の昇温処理を実行するので、当該昇温処理の実行に伴う過給圧の損失により運転性が損なわれるのをよりいっそう防止できる。
また、昇温制御部は、昇温処理の実行時に、エンジン本体の吸気ポートを開く期間とエンジン本体の排気ポートを開く期間とをオーバーラップさせることにより掃気を行うことが好ましい。
この構成によると、吸気ポートと排気ポートとの両方を開いたオーバーラップ期間中に吸気通路からエンジン本体の気筒内に流入した空気が排気通路へ吹き抜け、それによってエンジン本体の気筒内に残る既燃ガスが排気通路に押し出されると共に気筒内に充填される新気の量が増え、気筒内への新気の充填効率が高められる。このような掃気を流速調節部により流路面積を小さくしているときに実行する場合には、排気通路における流速調節部よりも上流側での排圧が高くなるため、掃気量が少なくなる。
これに対し、上記の構成によると、触媒の昇温処理の実行時、つまり流速調節部により流路面積を大きくしているときに掃気を行うので、掃気量の増加を図り排気の流量を増大させることができる。さらに、掃気作用により気筒内への新気の充填効率が高められるので、掃気を行った後のエンジン本体から排出される排気の流量も増大させることができる。それらによって、できるだけ多くの排気を排気通路に流して触媒コンバータ内の触媒に与える排気熱を増やすことができる。
本開示におけるエンジンの制御装置によれば、流速調節部を備えたエンジンにおいて、触媒コンバータ内の触媒を活性温度にまで早期に温度上昇させることができる。
エンジンの概略構成を示すブロック図である。 ECUの機能ブロック図である。 エンジンのトルクベース制御のフローチャート図である。 流速調節バルブの閉運転領域及び開運転領域を示す図である。 昇温制御部による触媒の昇温処理に関する制御のフローチャート図である。
以下に、例示的な実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
〈エンジンの構成〉
図1に、エンジン1の概略構成のブロック図を示す。
エンジン1は、主に、図1に示すように、外部から導入された吸気(空気)が通過する吸気通路3と、この吸気通路3から供給された吸気と後述するインジェクタ58から供給された燃料とを混合した混合気を燃焼させて車両の動力を発生するエンジン本体5と、このエンジン本体5内の燃焼により発生した排気を排出する排気通路7と、当該エンジン1全体を制御するECU(Electric Control Unit)9とを備える。
吸気通路3には、上流側から順に、外部から空気が導入される際にその空気中に含まれるゴミ等の異物を取り除いて吸気を浄化するエアクリーナ11と、通過する吸気を昇圧させる、ターボ過給機13のコンプレッサ15と、通過する吸気を冷却するインタークーラ17と、吸気通路3内の流路面積を変化させてエンジン本体5への吸気の供給量を調節するスロットルバルブ19と、エンジン本体5に供給する吸気を一時的に蓄えるサージタンク21とが設けられている。
吸気通路3のうちサージタンク21よりも下流側の部分は、詳しく図示しないが、後述するエンジン本体5の各気筒29毎に分岐した複数の独立吸気通路で構成されている。これら複数の独立吸気通路は、吸気マニホールド23により構成されている。本実施形態のサージタンク21は、この吸気マニホールド23に含まれている。
また、吸気通路3には、コンプレッサ15によって過給された吸気の一部をコンプレッサ15の上流側に還流するためのエアバイパス通路25が設けられている。このエアバイパス通路25には、当該エアバイパス通路25を流れる吸気の流量を制御するエアバイパスバルブ27が設けられている。このエアバイパスバルブ27は、例えば、エアバイパス通路25を完全に閉じる閉状態と完全に開く開状態とに切り換え可能な、いわゆるオンオフバルブである。
エンジン本体5は、いわゆる火花点火式直噴エンジンの本体であって、複数の気筒29(図1では1つのみ示す)が直列に設けられたシリンダブロック31と、このシリンダブロック31上に配置されたシリンダヘッド33とを備える。このエンジン本体5の各気筒29内には、空気と燃料との混合気を燃焼させる燃焼室35をシリンダヘッド33との間に区画するピストン37が往復動可能に嵌め入れられている。このピストン37は、コネクティングロッド39を介してクランクシャフト41に連結されている。
クランクシャフト41は、ピストン37の往復運動を回転運動に変換してトルク(回転動力)として出力する。このクランクシャフト41は、図示しない変速機を介して車輪と連結されている。変速機は、複数のギア段を有する多段変速機であり、運転者により操作されるシフトレバーと連繋されている。
シリンダヘッド33には、各気筒29毎に燃焼室35の天井面にそれぞれ開口した吸気ポート43及び排気ポート45が形成されている。吸気ポート43は、独立吸気通路から燃焼室35に空気を導入する接続口である。この吸気ポート43には、その燃焼室35側の開口を開閉する吸気バルブ47が設けられている。他方、排気ポート45は、燃焼室35での混合気の燃焼により生じた排気を排気通路7へ排出する接続口である。この排気ポート45には、その燃焼室35側の開口を開閉する排気バルブ49が設けられている。
クランクシャフト41には、シリンダヘッド33の内部に軸支された吸気カムシャフト51及び排気カムシャフト53が、チェーンや伝動ベルトなどを含む図示しない動力伝達機構を介して連結されている。これら吸気カムシャフト51及び排気カムシャフト53は、クランクシャフト41の回転に連動して回転し、それぞれ、吸気バルブ47及び排気バルブ49をクランクシャフト41の回転に同期させて所定のタイミングで開閉作動させる。
吸気カムシャフト51には、当該吸気カムシャフト51の位相を所定の角度範囲内で連続的に変更可能な電磁式の位相可変機構(VVT:Variable Valve Timing、以下「吸気VVT」と称する)55が設けられている。この吸気VVT55は、吸気カムシャフト51の位相を進角側に変更することによって吸気バルブ47の開閉時期を早め、吸気カムシャフト51の位相を遅角側に変更することによって吸気バルブ47の開閉時期を遅らせることができる。
他方、排気カムシャフト53には、当該排気カムシャフト53の位相を所定の角度範囲内で連続的に変更可能な液圧式の位相可変機構(以下「排気VVT」と称する)57が設けられている。この排気VVT57は、排気カムシャフト53の位相を進角側に変更することによって排気バルブ49の開閉時期を早め、排気カムシャフト53の位相を遅角側に変更することによって排気バルブ49の開閉時期を遅らせることができる。
シリンダヘッド33にはさらに、各気筒29毎に、燃焼室35に向けて燃料(例えばガソリン)を噴射するインジェクタ58が設けられている。このインジェクタ58は、ECU9からの制御信号により、ピストン37の往復運動によって燃焼室35内の空気を圧縮する圧縮行程の上死点付近で燃料を噴射する。
また、シリンダブロック31には、各気筒29毎に、燃焼室35内において吸気ポート43から吸い込んだ空気とインジェクタ58から供給された燃料との混合気に点火する点火プラグ59が設けられている。この点火プラグ59は、ECU9からの制御信号により所定のタイミングで火花を発生し、その火花によって混合気を爆発燃焼させる。
排気通路7には、上流側から順に、当該排気通路7に流通する排気の流速を調節する流速調節機構60と、通過する排気によって回転させられ、その回転動作によってコンプレッサ15を回転させる、ターボ過給機13のタービン61と、排気に含まれるNOx(窒素酸化物)、CO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)等の有害な大気汚染物質を浄化する排気浄化装置63とが設けられている。
この排気通路7の上流側の部分は、詳しくは図示しないが、各気筒29毎に分岐して各気筒29の排気ポート45にそれぞれ接続された複数の独立排気通路と、これら複数の独立排気通路が集合する集合部とを有する排気マニホールド65によって構成されている。流速調節機構60は、この排気マニホールド65に設けられている。
流速調節機構60は、低速用通路67と、低速用通路67よりも流路面積が小さい高速用通路69とに排気通路7が分割された通路分割部71を有している。低速用通路67には、流速調節部としての電磁式の流速調節バルブ73が設けられている。流速調節バルブ73は、低速用通路67を完全に閉じる閉状態と完全に開く開状態とに切り換え可能なオンオフバルブである。流速調節バルブ73は、その開閉動作によって排気通路7の流路面積を変化させ、それにより排気通路7における通路分割部71で排気の流速を大小2段階に切り換えることができる。
すなわち、流速調節バルブ73の開状態では、排気が低速用通路67と高速用通路69との両方に流れるため、通路分割部71を流れる排気の流速は相対的に低速となる。他方、流速調節バルブ73の閉状態では、排気が高速用通路69のみに流れることとなるので、流速調節バルブ73が開状態のときよりも排気の流路面積が小さくなる分だけ通路分割部71を流れる排気の流速は相対的に高速となる。
排気浄化装置63は、エンジン本体5寄りに設けられた上流側触媒コンバータ75と、この上流側触媒コンバータ75よりも排気通路7の排出口側に設けられた下流側触媒コンバータ77とを併用してなる。これら上流側触媒コンバータ75及び下流側触媒コンバータ77は、詳しくは図示しないが、筒状のケーシング内に、例えばNOx触媒や三元触媒や酸化触媒などの、大気汚染物質を浄化可能な排気浄化用の触媒75a,77aが担持された担体を収容して構成されている。これら上流側触媒コンバータ75内及び下流側触媒コンバータ77内の触媒75a,77aの排気浄化性能は、当該触媒75a,77aが所定の活性温度以上であるときに活性状態となって良好に発揮される。
さらに、排気通路7には、流速調節バルブ73によって流速が低速又は高速とされた排気を、タービン61をバイパスして流すための排気バイパス通路79が設けられている。この排気バイパス通路79には、当該排気バイパス通路79を流通する排気の流量を調節するウェイストゲートバルブ(以下「WGバルブ」と称する」)81が設けられている。このWGバルブ81は、排気バイパス通路79の開度を全閉状態(開度0%)と全開状態(開度100%)との間で連続的又は多段階に変化させることが可能となっている。
このWGバルブ81の開度が0%(全閉)であるときには、流速調節バルブ73によって流速が調節された排気の全量がタービン61へと流れ、それ以外の開度であるときには、その開度に応じて排気バイパス通路79に流れる排気の流量、換言するとタービン61へ流れる排気の流量が変化する。すなわち、WGバルブ81の開度が大きいほど、排気バイパス通路79に流れる排気の流量が多くなり、タービン61へ流れる排気の流量が小さくなる。
また、排気通路7には、排気の一部を吸気通路3に還流する排気再循環(Exhaust Gas Recirculation、以下「EGR」と称する)通路83が設けられている。EGR通路83の一端は、流速調節機構60の上流側の排気通路7に接続され、EGR通路83の他端はスロットルバルブ19の下流側の吸気通路3に接続されている。このEGR通路83には、還流させる排気を連脚するEGRクーラ85と、EGR通路83を流通する排気の流量を制御するEGRバルブ87とが設けられている。
また、図1に示すエンジン1には、各種のセンサが設けられている。
具体的には、吸気通路3においては、エアクリーナ11の下流側の吸気通路3、詳しくはエアクリーナ11とコンプレッサ15との間の吸気通路3に、吸気流量を検出するエアフローセンサ89が設けられている。このエアフローセンサ89は、吸気通路3の吸入口寄りの部分の吸気温度を検出する温度センサを内蔵している。コンプレッサ15とスロットルバルブ19との間の吸気通路3には、ターボ過給機13により圧縮された吸気の圧力、つまり過給圧を検出する圧力センサ91が設けられている。
さらに、スロットルバルブ19には、当該スロットルバルブ19の開度を検出するスロットル開度センサ93が設けられている。また、スロットルバルブ19の下流側の吸気通路3、詳しくはサージタンク21には、当該サージタンク21内の圧力であるインマニ圧を検出する圧力センサ95が設けられている。この圧力センサ95には、サージタンク21内の温度であるインマニ温を検出する温度センサが内蔵されている。
エンジン本体5においては、クランクシャフト41の回転角度を検出するクランク角センサ97と、吸気カムシャフト51のカム角度を検出する吸気カム角度センサ99と、排気カムシャフト53のカム角度を検出する排気カム角度センサ101とが設けられている。
排気通路7においては、WGバルブ81に、当該WGバルブ81の開度であるWG開度を検出するWG開度センサ103が設けられている。EGRバルブ87には、当該EGRバルブ87の開度を検出するEGR開度センサ105が設けられている。さらに、タービン61の下流側の排気通路7には、燃焼室35内の空燃比をフィードバック制御するために排気中の酸素濃度を検出するフロントOセンサ107及びリアOセンサ109が設けられている。
フロントOセンサ107は、排気中の酸素濃度に対し出力値がリニアに変化する出力特性を示すリニア空燃比センサ(LAFS:Linear A/F Sensor)であり、タービン61と上流側触媒コンバータ75との間に配置されている。他方、リアOセンサ109は、ストイキ(理論空燃比)に相当する酸素濃度を境に出力値が急激に変化する特性を示す、いわゆるラムダセンサであり、上流側触媒コンバータ75と下流側触媒コンバータ77との間に配置されている。
その他、エンジン1は、車両の速度を検出する車速センサ111や、アクセルペダル装置に対するペダルの踏込み量に応じたアクセル開度を検出するアクセルセンサ113、変速機に現在設定されているギア段の位置(シフトポジション)を検出するシフトポジションセンサ115等を備える。
エアフローセンサ89は、検出した吸気流量に対応する検出信号S89aと、内蔵する温度センサにより検出した吸気温度に対応する検出信号S89bとをECU9に供給する。圧力センサ91は、検出した吸気温度に対応する検出信号S91をECU9に供給する。スロットル開度センサ93は、検出したスロットルバルブ19の開度に対応する検出信号S93をECU9に供給する。圧力センサ95は、検出したインマニ圧に対応する検出信号S95aと、内蔵する温度センサにより検出したインマニ温に対応する検出信号S95bとをECU9に供給する。クランク角センサ97は、検出したクランクシャフト41の回転角度に対応する検出信号S97をECU9に供給する。吸気カム角度センサ99及び排気カム角度センサ101は、それぞれ検出したカム角度に対応する検出信号S99,S101をECU9に供給する。
WG開度センサ103は、検出したWGバルブ81の開度に対応する検出信号S103をECU9に供給する。EGR開度センサ105は、検出したEGRバルブ87の開度に対応する検出信号S105をECU9に供給する。フロントOセンサ107及びリアOセンサ109は、それぞれ検出した排気中の酸素濃度に対応する検出信号S107,S109をECU9に供給する。車速センサ111は、検出した車速に対応する検出信号をECU9に供給する。アクセルセンサ113は、検出したアクセル開度に対応する検出信号をECU9に供給する。シフトポジションセンサ115は、検出したギア段の位置に対応する検出信号をECU9に供給する。
ECU9は、CPU(Central Processing Unit)と、CPU上で実行される各種のプログラム(OS(Operating System)などの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)や各種のデータを格納するためのROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)の如き内部メモリとを備えるコンピュータにより構成される。ECU9は、上述した各種センサから供給された検出信号に基づいて、種々の制御や処理を行う。
図2に、ECU9の機能ブロック図を示す。
ECU9は、機能的には、流速調節バルブ73の開閉動作により通路分割部71の下流側の排気通路7における排気の流速を制御する流速制御部117と、エンジン本体5で発生させる出力トルクの大きさを制御するトルク制御部119と、上流側触媒コンバータ75内及び下流側触媒コンバータ77内の触媒75a,77aを昇温させる昇温処理を実行する昇温制御部121とを有する。なお、ECU9は、制御装置の一例である。
〈排気の流速制御〉
流速制御部117は、エンジン本体5の運転状態に応じて流速調節バルブ73を開状態又は閉状態に切り換える。この流速調節バルブ73の開閉切り換え動作について、以下に、図3を参照しながら説明する。図3は、流速調節バルブ73の閉運転領域及び開運転領域を示す図である。
本実施形態では、図3に示すように、エンジン本体5の回転数が所定回転数N1(例えば2000rpm)よりも大きい運転領域である開運転領域では、流速調節バルブ73を開状態にし、所定回転数N1以下の運転領域である閉運転領域では、流速調節バルブ73を閉状態にする。エンジン本体5の回転数は、クランク角センサ97により検出されたクランクシャフト41の回転角度に基づいて算出される。
すなわち、流速調節バルブ73の基本制御としては、排気の流量が少ない閉運転領域(N1以下の低回転領域)では、高速用通路69のみからタービン61に排気を供給することにより、高速用通路69での排気の流速を速くしてターボ過給機13による所要の過給効果を確保し、排気の流量が多い開運転領域(N1よりも大きな高回転領域)では、低速用通路67及び高速用通路69の両方からタービン61に排気を供給することにより、排圧の上昇によるエンジン本体5の出力低下を防止するようになっている。
〈エンジンの出力トルク制御〉
トルク制御部119は、エンジン1に要求される出力トルクの大きさを基準として、スロットルバルブ19やWGバルブ81の開度を制御する、いわゆるトルクベース制御を実行する。トルクベース制御では、エンジン1の運転状態に基づいてエンジン5に要求される出力トルクの目標値(以下「目標トルク」と称する)を演算し、この目標トルクが得られるようにエンジン1を制御する。
このトルク制御部119によるトルクベース制御について、以下に、図4を参照しながら説明する。図4は、トルクベース制御のフローチャート図である。
トルクベース制御では、図4に示すように、まず、ステップST001において、トルク制御部119がエンジン1の運転状態を検知する。具体的には、エアフローセンサ89により検出される吸気流量や、クランク角センサ97の検出値に基づいて算出されるエンジン本体5の回転数、車速センサ111により検出される車速、アクセルセンサ113により検出されるアクセル開度、シフトポジションセンサ115により検出されるギア段の位置などをエンジン1の運転状態として取得する。
次に行われるステップST002では、トルク制御部119が、検知された運転状態(アクセル開度、ギア段、車速)に基づき、アクセルペダルの踏込み量に応じた加速度の目標値(以下「目標加速度」と称する)を設定する。この目標加速度は、ECU9の内部メモリに予め記憶しておいた、アクセル開度及び車速とそれらに応じた加速度とが変速段毎に関連付けて規定された加速度マップから取得される。
続くステップST003では、トルク制御部119が、設定された目標加速度を達成するために必要となる目標トルクを設定する。この目標トルクは、車速センサ111により検出される現在の車速などに基づいて設定される。
次いで行われるステップST004では、トルク制御部119が、設定された目標トルクを実現するのに必要となるエンジン本体5の気筒29内への空気の充填効率の目標値(以下「目標充填効率」と称する)を算出する。この目標充填効率の算出方法について特に限定されないが、例えば、目標トルク及びエンジン本体5の回転数と、図示平均有効圧力の目標値(以下「目標図示平均有効圧力」と称する)とに基づいて算出される。目標図示平均有効圧力は、目標トルクと、トルク損失となる機械抵抗及びポンプ損失(ポンピングロス)とに基づいて算出される。
このステップST004の後には、ステップST005〜ST008とステップST009〜ST011とが並行して行われる。
ステップST005では、トルク制御部119が、算出された目標充填効率を実現するために必要となる吸気マニホールド23内の空気量の目標値(以下「目標インマニ空気量」と称する)を算出する。この目標インマニ空気量の算出方法については特に限定されないが、例えば、圧力センサ95により検出されるインマニ温と、インマニ圧の目標値(以下「目標インマニ圧」と称する)と、吸気バルブ47の開閉時期とに基づいて算出される。目標インマニ圧は、ECU9の内部メモリに予め記憶しておいた、目標インマニ空気量及びインマニ温とそれらに応じた目標インマニ圧との関係を規定した吸気特性マップに基づいて設定される。吸気バルブ47の開閉時期は、同じくECU9の内部メモリに予め記憶しておいた、エンジン本体5の回転数及びエンジン負荷とそれらに応じた吸気バルブ47の開閉時期とが関連付けて規定されたVVTマップに基づいて設定される。
ステップST006では、トルク制御部119が、目標インマニ空気量を実現するのに必要となるスロットルバルブ19を通過する吸気流量の目標値(以下「目標スロットル通過流量」と称する)を算出する。この目標スロットル通過流量の算出方法については特に限定されないが、例えば、これまでのステップST004,ST005で算出した目標空気充填量及び目標インマニ空気量と、現在の吸気マニホールド23内の空気量(以下「実インマニ空気量」と称する)とに基づいて算出される。実インマニ空気量は、圧力センサ95により検出されるインマニ圧及びインマニ温に基づいて算出される。なお、この実インマニ空気量は、吸気マニホールド23に流入する空気量と吸気マニホールド23からエンジン本体5の気筒29内へ流出する空気量との収支を計算する公知の方法により算出してもよい。
続くステップST007では、トルク制御部119が、算出された目標スロットル通過流量を実現するために必要となるスロットルバルブ19の開度の目標値(以下「目標スロットル開度」と称する)を算出する。この目標スロットル開度は、目標スロットル通過流量と、圧力センサ91により検出されたスロットルバルブ19下流側の圧力と、圧力センサ95により検出されたスロットルバルブ19上流側の圧力とに基づいて算出される。
そして、ステップST008では、トルク制御部119が、スロットル開度センサ93により検出されるスロットルバルブ19の開度がステップST007で算出した目標スロットル開度となるようにスロットルバルブ19を駆動しその開度を調節すると共に、目標トルクに応じた点火時期となるように点火プラグ59を制御し、目標トルクに応じた目標充填効率を実現するように吸気バルブ47の開閉時期を制御し、目標充填効率に基づいて理論空燃比から定まる燃料噴射量が噴射されるようにインジェクタ58を制御する。
また、ステップST009では、トルク制御部119が、目標充填効率を実現するために必要となる、スロットルバルブ19よりも上流側の圧力、つまり過給圧の目標値(以下「目標過給圧」と称する)を取得する。この目標過給圧は、ECU9の内部メモリに予め記憶しておいた、エンジン本体5の回転数及び目標充填効率とそれらに応じた吸気バルブ47の開閉時期とが関連付けて規定された過給圧マップに基づいて求められる。
続くステップST010では、トルク制御部119が、算出された目標過給圧を実現するのに必要となるWGバルブ81の開度の目標値(以下「目標WG開度」と称する)を算出する。この目標WG開度は、現在の過給圧(以下「実過給圧」と称する)と目標過給圧とに基づいて算出される。実過給圧は、圧力センサ91により検出される過給圧である。
そして、ステップST011では、トルク制御部119が、WG開度センサ103により検出されるWGバルブの開度がステップST010で算出された目標WG開度となるようにWGバルブ81を駆動しその開度を調節する。こうして、上述したステップST008及びステップST011を終えると、リターンする。
〈触媒の昇温処理〉
昇温制御部121は、触媒75a,77aの昇温の要否を所定の昇温条件が成立したか否かによって判定し、触媒75a,77aの昇温が必要であると判定したときに、触媒75a,77aの昇温処理を実行する。本実施形態における所定の昇温条件は、エンジン1に要求される出力トルク(以下「要求出力トルク」と称する)が所定の大きさ未満であり、且つ排気流量が所定量以上であるという条件である。昇温制御部121は、このような昇温条件に基づき、過給圧の要求が無いときに必要に応じて触媒75a,77aの昇温処理を実行する。
この触媒75a,77aの昇温処理について、以下に、図5を参照しながら詳しく説明する。図5は、触媒75a,77aの昇温処理に関する制御のフローチャート図である。
まず、ステップST101において、昇温制御部121は、要求出力トルクが所定の大きさ未満であるか否かを判定する。要求出力トルクが所定の大きさ未満であるか否かは、エンジン1の運転状態と車速とに基づいて判定される。具体的には、エンジン1の運転状態がアイドル運転状態であり、且つ車速がゼロ(0km/h)、つまり停車している場合には、要求出力トルクが所定の大きさ未満であると判定する。それ以外の場合、つまりエンジン1がアイドル運転状態でないか、又は車速がゼロ(0km/h)でない場合には、要求出力トルクが所定の大きさ以上であると判定する。
ここで言う「アイドル運転状態」とは、アクセルセンサ113により検出されるアクセル開度がゼロ、つまりアクセルペダルの踏込みがなく、且つエンジン本体5の回転数が所定のアイドル回転数以下となっている状態である。よって、エンジン1の運転状態については、アクセル開度とエンジン本体5の回転数に基づいて判定される。また、車速については、車速センサ111により検出される車速に基づいて判定される。
このステップST101において、エンジン1がアイドル運転状態でないか、又は車速がゼロ(0km/h)でないと判定された場合には、要求出力トルクに応じた過給圧の要求があるかも知れない。この場合には、ステップST102に進む。また、エンジン1がアイドル運転状態であり且つ車速がゼロ(0km/h)であると判定された場合には、要求出力トルクが無いため、過給圧の要求も無い。この場合には、ステップST105に進む。
ステップST102では、ECU9は、エンジン1が減速運転中であるか否かを判定する。具体的には、アクセルセンサ113により検出されるアクセル開度がゼロである場合には、エンジン1は減速運転中であると判定し、そのアクセル開度がゼロでない場合には、エンジン1は減速運転中でないと判定する。このとき、エンジン1が減速運転中でない場合には、ステップST103に進む。他方、エンジン1が減速運転中である場合には、ステップST104に進む。
ステップST103では、トルク制御部119が、エンジン1の運転状態に応じて要求される目標トルクを実現するように、上述したトルクベース制御に従ってWGバルブ81の開度を目標WG開度とするように制御する。しかる後、触媒75a,77aの昇温処理は必要ないとして昇温制御部121による制御を終了する。
ステップST104では、ECU9が、WGバルブ81の開度を0%、つまり全閉状態とし、且つ流速調節バルブ73も閉状態とする。こうすることで、減速運転状態においては、排気通路7の流路抵抗が高められて排圧が上昇し、それによりエンジン本体5の回転が妨げられてブレーキ作用をもたらす、いわゆる排気ブレーキによる制動効果を得ることができ、スムーズな減速が可能となる。しかる後、触媒75a,77aの昇温処理は必要ないとして昇温制御部121による制御を終了する。
ステップST105は、排気流量に基づいて触媒75a,77aの昇温の要否を判定するステップである。具体的には、このステップST105において、昇温制御部121は、排気流量が所定量以上、例えば15g/s以上であるか否かを判定する。エンジン1の温度が低いときには、触媒75a,77aの温度も低いため、触媒75a,77aを昇温させる必要がある。ここで、エンジンの温度が低いと吸気密度が高いため、エンジン本体5の気筒29内には比較的多量の空気が流入し、排気流量は多くなる。そのことから、排気流量が所定量以上であるときには触媒75a,77aの温度が低く、触媒75a,77aの昇温が必要であると判定している。排気流量は、エンジン本体5の気筒29内への現在の空気の充填効率(以下「実充填効率」と称する)と、インジェクタ58による燃料噴射量と、EGR通路83を流通する排気の流量(以下「外部EGR量」と称する)とに基づいて算出される。
実充填効率は、エアフローセンサ89により検出される吸気流量及び吸気温度に基づいて算出される。インジェクタ58による燃料噴射量は、上述のトルクベース制御によって設定された目標噴射量に基づいて推定される。外部EGR量は、EGR開度センサ105により検出されるEGRバルブ87の開度と、EGRバルブ87の上流側及び下流側の圧力とに基づいて算出される。EGRバルブ87の上流側の圧力は、吸気流量やエンジン本体5の回転数などに基づいて算出される。EGRバルブ87の下流側の圧力は、圧力センサ95により検出されるインマニ圧に基づいて算出される。
なお、吸気行程中にも排気バルブ49を開くように排気VVT57によって排気バルブ49の開閉時期を調整することにより、排気行程で一旦排気ポート45に排出された排気を吸気行程中に燃焼室35に逆流させ既燃ガスを燃焼室35に残留させる、いわゆる内部EGRを行う場合には、上記排気流量は、当該内部EGRによる排気の逆流量、つまり気筒29内における既燃ガスの残留量を加味して算出される。
このステップST105において、排気流量が所定量(15g/s)未満である場合には、触媒75a,77aが活性状態であることが推定される。この場合には、ステップST104に進む。ステップST104では、上述した通り、WGバルブ81の開度を0%、つまり全閉状態とし、且つ流速調節バルブ73も閉状態とする。これは、車速ゼロのアイドル運転状態から加速運転状態に移行した場合に、所要の過給圧を速やかに得てスムーズな加速を実現するためである。他方、排気流量が所定量(15g/s)以上である場合には、触媒75a,77aが未活性状態であると推定される。この場合には、ステップST106に進む。
ステップST106において、昇温制御部121は、WGバルブ81の開度を100%、つまり全開状態とし、且つ流速調節バルブ73も開状態とすることにより、触媒75a,77aの昇温処理を実行する。流速調節バルブ73を開状態とすると、排気通路7における流路抵抗が低くなり、流速調節バルブ73よりも上流側で排圧の上昇が生じない。これにより、エンジン本体5から排気通路7への排気の排出を促進させることができる。また、WGバルブ81を全開状態とすると、エンジン本体5から排気通路7に排出された排気がタービン61を経由せずに上流側触媒コンバータ75及び下流側触媒コンバータ77に流入する。これにより、排気熱がタービン61に奪われるのを回避して上流側触媒コンバータ75に至るまでの排気熱の損失を少なくし、排気通路7における上流側触媒コンバータ75の上流側で排気温度が低下するのを抑制できる。
したがって、このような触媒75a,77aの昇温処理によれば、上流側触媒コンバータ75内及び下流側触媒コンバータ77内の触媒75a,77aになるべく多量の排気熱を与えることができ、触媒75a,77aの温度を活性温度にまで速やかに上昇させることができる。また、本実施形態では、触媒75a,77aの昇温処理を、過給圧の要求が無いときに実行するので、当該昇温処理の実行に伴う過給圧の損失により運転性が損なわれるのを防止できる。
また、昇温制御部121は、上述した昇温処理の実行時に、排気行程の途中で吸気ポート43を開くように、吸気VVT55によって吸気バルブ47の開閉時期を調整するか、排気VVT57によって排気バルブ49の開閉時期を調整するか、又はこれら両バルブ47,49の開閉時期を調整し、吸気ポート43の開期間と排気ポート45の開期間とをオーバーラップさせ、それによってエンジン本体5の気筒29内に残る既燃ガスを掃気する。
このように触媒75a,77aの昇温処理時、つまり流速調節バルブ73で通路分割部71での流路面積を大きくしているときに掃気を行うと、通路分割部71よりも上流側での排圧の上昇を抑えて掃気量を増大させ、排気流量を増大させることができる。さらに、掃気作用によりエンジン本体5の気筒29内への新気の充填効率が高められるので、掃気を行った後のエンジン本体5から排出される排気流量も増大させることができる。それらによって、上流側触媒コンバータ75内及び下流側触媒コンバータ77内の触媒75a,77aに与える熱量を増やすことができ、その結果、当該触媒75a,77aの昇温をよりいっそう促進させることができる。
このような触媒75a,77aの昇温処理を終えると、昇温制御部121による制御を終了する。上記の昇温制御部121による触媒75a,77aの昇温処理を含む制御は、上述したトルクベース制御と並行して連続的に又は所定期間をあけて定期的に繰り返し実行される。
以上のように、本明細書で開示する技術の例示として上記実施形態を説明したが、本開示の技術範囲は、これに限定されない。本開示の技術は、上記実施形態の構成要素や処理プロセスに、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能であり、さらに色々な変形例が可能なこと、またそうした変形例も本開示の技術範囲に属することは当業者に理解されるところである。また、添付図面及び詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく本開示の技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることを以て、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
例えば、上記実施形態では、エンジン1の運転状態がアイドル運転状態であり且つ車速がゼロであるときに、要求出力トルクが所定の大きさ未満であると判定するとしたが、これに限らず、例えば、エンジン1がアイドル運転状態であってアクセルペダルを踏み込むことなく車両が動くクリープ現象により所定の速度以下の車速が出ているときにも、要求出力トルクが所定の大きさ未満であると判定するようにしてもよいし、その他の方法や手段によって要求出力トルクが過給圧の要求が無いか又は必要とされる過給圧が比較的小さな範囲にあることを判定するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、要求出力トルク及び排気流量に基づいて触媒75a,77aの昇温の要否を判定するとしたが、これに限らず、上流側触媒コンバータ75及び下流側触媒コンバータ77のうち少なくとも一方の触媒コンバータに触媒の温度を検出する温度センサが設けられ、昇温制御部121は、その温度センサにより検出された触媒の温度が活性温度に達していないときに、触媒の昇温が必要であると判定し、昇温処理を実行するようになっていてもよい。
また、上記実施形態では、排気通路7を流通する排気の流速を調節する流速調節部としてオンオフタイプの流速調節バルブ73を例に挙げて説明したが、これに限らず、流速調節部は、全閉状態と全開状態との間を連続的に又は多段階に変化させることが可能なバルブであってもよい。この場合には、上記実施形態と同様に通路分割部71の低速用通路67に当該バルブが設けられた構成であってもよいし、通路分割部71に代えて単一の通路を有し、その通路に当該バルブが設けられた構成であってもよい。また、流速調整部は、バルブ以外にも排気通路7の管壁を絞ることにより当該排気通路7の流路面積を小さくするような機構であってもよい。要は、排気通路7におけるタービン61の上流側で当該排気通路7の流路面積を変化させることにより、排気通路7を流通する排気の流速を調節するものであればよい。
以上説明したように、本開示の技術は、ターボ過給機付きのエンジンの制御装置について有用であり、特に、排気浄化用の触媒を活性温度にまで早期に温度上昇させることが要望されるエンジンの制御装置に適している。
1…エンジン、3…吸気通路、5…エンジン本体、7…排気通路、9…ECU、
11…エアクリーナ、13…ターボ過給機、15…コンプレッサ、
17…インタークーラ、19…スロットルバルブ、21…サージタンク、
23…吸気マニホールド、25…エアバイパス通路、27…エアバイパスバルブ、
29…気筒、31…シリンダブロック、33…シリンダヘッド、35…燃焼室、
37…ピストン、39…コネクティングロッド、41…クランクシャフト、
43…吸気ポート、45…排気ポート、47…吸気バルブ、49…排気バルブ、
51…吸気カムシャフト、53…排気カムシャフト、55…吸気VVT、
57…排気VVT、58…インジェクタ、59…点火プラグ、60…流速調節機構、
61…タービン、63…排気浄化装置、65…排気マニホールド、67…低速用通路、
69…高速用通路、71…通路分割部、73…流速調節バルブ(流速調節部)、
75…上流側触媒コンバータ、75a…触媒、77…下流側触媒コンバータ、
77a…触媒、79…排気バイパス通路、81…WGバルブ、83…EGR通路、
85…EGRクーラ、87…EGRバルブ、89…エアフローセンサ、
91…圧力センサ、93…スロットル開度センサ、95…圧力センサ、
97…クランク角センサ、99…吸気カム角度センサ、101…排気カム角度センサ、
103…WG開度センサ、105…EGR開度センサ、107…フロントOセンサ、
109…リアOセンサ、111…車速センサ、113…アクセルセンサ、
115…シフトポジションセンサ、117…流速制御部、119…トルク制御部、
121…昇温制御部

Claims (2)

  1. エンジン本体から排出された排気が流通する排気通路に設けられたタービンを有するターボ過給機と、
    前記排気通路における前記タービンの下流側に設けられた触媒コンバータと、
    前記排気通路に流通する排気を、前記タービンをバイパスして前記触媒コンバータの上流側に流すためのバイパス通路と、
    前記バイパス通路に流通する排気の流量を調節するウェイストゲートバルブと、
    前記排気通路における前記タービンの上流側で当該排気通路の流路面積を変化させることにより排気の流速を調節する流速調節部と、を備えたエンジンを制御する制御装置であって、
    前記触媒コンバータ内の触媒が未活性のときに前記触媒活性温度まで昇温させる昇温処理を実行する昇温制御部を備え、
    前記昇温制御部は、
    前記触媒の活性化の要否を所定の条件が成立したか否かによって判定し、
    前記触媒の活性化が必要であると判定したときであって、前記エンジンの運転状態がアイドル運転状態でありかつ、車速がゼロであるときに、前記昇温処理を実行する前と比べて、前記排気通路の流路面積を大きくするように前記流速調節部を制御し、且つ前記バイパス通路に流通する排気の流量を多くするように前記ウェイストゲートバルブを制御し、前記エンジンの運転状態がアイドル運転状態でない、又は、車速がゼロでないときには、前記昇温処理の実行を制限する
    ことを特徴とするエンジンの制御装置。
  2. 請求項1に記載されたエンジンの制御装置において、
    前記昇温制御部は、前記昇温処理の実行時に、前記エンジン本体の吸気ポートを開く期間と前記エンジン本体の排気ポートを開く期間とをオーバーラップさせることにより掃気を行う
    ことを特徴とするエンジンの制御装置。
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