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JP6378089B2 - 微生物におけるタンパク質産生のための、B.ズブチリス(B.subtilis)からのリボソームプロモーター - Google Patents

微生物におけるタンパク質産生のための、B.ズブチリス(B.subtilis)からのリボソームプロモーター Download PDF

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Description

(優先権)
本出願は、2011年12月9日出願の米国特許仮出願第61/569,202号及び2011年12月19日出願の米国特許仮出願第61/577,491号に基づく優先権を主張するものであり、これらの出願はいずれもその全容にわたって本出願に援用される。
(発明の分野)
本発明は、微生物におけるタンパク質産生に関する。具体的には、本発明は、微生物における改善された発現系の方法及び組成物を提供する。特定の実施形態では、方法及び組成物は、バチルス(Bacillus)種微生物由来のリボソームプロモーターを含む。
遺伝子工学は、産業バイオリアクター又は細胞ファクトリーとして使用される微生物の改善を可能にした。例えば、バチルス(Bacillus)種は、多数の有用なタンパク質及び代謝産物を産生及び分泌する。産業で使用されている最も一般的なバチルス(Bacillus)種は、B.リケニフォルミス(B. licheniformis)、B.アミロリケファシエンス(B. amyloliquefaciens)、及びB.ズブチリス(B. subtilis)である。GRAS(一般に安全と認められる)のステータスを有するため、これらのバチルス(Bacillus)種の株は、食品及び製薬産業で利用されるタンパク質の生産のための当然の候補である。重要な産生酵素としては、α−アミラーゼ、中性プロテアーゼ、及びアルカリ(又はセリン)プロテアーゼが挙げられる。しかし、バチルス(Bacillus)宿主細胞中でのタンパク質の産生の理解が進歩しているにもかかわらず、微生物によるこれらのタンパク質の発現及び産生を向上させる方法の必要性が依然として存在する。
遺伝子によってコードされる産物の組換え生産は、所望の産物をコードする核酸がプロモーターの発現制御下に置かれている宿主細胞での使用に適した発現ベクターを構築することによって達成される。発現ベクターは、形質転換などの様々な技術によって宿主細胞に導入され、次いで、発現ベクターに含まれているプロモーターの機能に必要な適切な条件の下でその形質転換された宿主細胞を培養することによって、所望の産物の生産が達成される。多くのプロモーターが当該技術分野において周知であるが、異種遺伝子の発現及びコーディング配列を向上させる新しいプロモーターが必要とされている。
本発明は、目的のタンパク質をコードする核酸の生産のための新規プロモーター、発現ベクター、微生物、及び方法を提供する。具体的には、本発明は、バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)由来のリボソームプロモーターを含む目的のタンパク質をコードする核酸の生産のための新規プロモーター、発現ベクター、微生物、及び方法を提供する。リボソームプロモーターとしては、例えば、リボソームRNAプロモーター及びリボソームタンパク質プロモーターが挙げられる。
一実施形態では、本発明は、目的のタンパク質をコードする核酸に操作可能に連結されるB.ズブチリス(B. subtilis)のリボソームプロモーターを含む核酸を提供する。特定の実施形態では、本発明は、目的のタンパク質をコードする核酸に操作可能に連結されるB.ズブチリス(B. subtilis)のリボソームRNAプロモーターを含む核酸を提供する。別の実施形態では、本発明は、目的のタンパク質をコードする核酸に操作可能に連結されるB.ズブチリス(B. subtilis)のリボソームタンパク質プロモーターを含む核酸を提供する。
別の実施形態では、本発明は、目的のタンパク質をコードする核酸に操作可能に連結されるB.ズブチリス(B. subtilis)のリボソームプロモーターを含む核酸を含む発現ベクターを提供する。一実施形態では、発現ベクターは、目的のタンパク質をコードする核酸に操作可能に連結されるB.ズブチリス(B. subtilis)のリボソームRNAプロモーターを含む核酸を含む。別の実施形態では、発現ベクターは、目的のタンパク質をコードする核酸に操作可能に連結されるB.ズブチリス(B. subtilis)のリボソームタンパク質プロモーターを含む核酸を含む。
別の実施形態では、本発明は、B.ズブチリス(B. subtilis)のリボソームプロモーターを含む核酸を含む微生物を提供する。一実施形態では、本発明は、B.ズブチリス(B. subtilis)のリボソームプロモーターを含む核酸を含むグラム陽性菌を提供する。一実施形態では、リボソームプロモーターはリボソームRNAプロモーターである。別の実施形態では、リボソームプロモーターはリボソームタンパク質プロモーターである。
別の実施形態では、本発明は、タンパク質を産生するために微生物に適した条件下でB.ズブチリス(B. subtilis)のリボソームプロモーターを含む核酸を含む微生物を培養する工程を含む、目的のタンパク質を産生する方法を提供する。一実施形態では、リボソームプロモーターはリボソームRNAプロモーターである。別の実施形態では、リボソームプロモーターは、リボソームタンパク質プロモーターである。
別の実施形態では、本発明は、発現構築物の増幅をせずに目的のタンパク質を産生するための方法を提供する。特定の実施形態において、本方法は、核酸又はベクターが単一の組み込み体として宿主細胞に組み込まれる、リボソームプロモーターを含む核酸又はベクターで微生物を形質転換する工程と、微生物がタンパク質を産生するために適した条件下で微生物を培養する工程を含む。一実施形態では、リボソームプロモーターはリボソームRNAプロモーターである。別の実施形態では、リボソームプロモーターは、リボソームタンパク質プロモーターである。
特定の実施形態では、本発明は、本明細書に記載の核酸又はベクターを、抗生物質マーカーを必要とせずにそれが宿主細胞に組み込まれるように宿主細胞に導入することにより目的のタンパク質を産生する方法を提供する。
本明細書に記載の特定の実施形態では、リボソームRNAプロモーターは、B.ズブチリス(B. subtilis)由来のrnnプロモーターである。いくつかの実施形態では、rnnプロモーターは、B.ズブチリス(B. subtilis)からのrrnB、rrnI、又はrrnEリボソームRNAプロモーターである。特定の実施形態では、リボソームRNAプロモーターは、B.ズブチリス(B. subtilis)からのP2 rrnIリボソームRNAプロモーターである。
他の実施形態では、リボソームRNAプロモーターは、配列番号1〜6のいずれか1つのヌクレオチド配列、プロモーター活性を保持する配列番号1〜6のいずれか1つの部分配列、配列番号1〜6のいずれか1つに少なくとも60%相同な核酸、又は配列番号1〜6のいずれか1つ若しくはプロモーター活性を保持するその部分配列とともに中程度のストリンジェンシー条件下でハイブリダイズする核酸を含む。特定の実施形態では、リボソームRNAプロモーターは、配列番号3のヌクレオチド配列又はプロモーター活性を保持するその部分配列を含む。他の実施形態では、上記プロモーターのいずれかの組み合わせが使用される場合がある。例えば、rrnI、rrnB、及びrrnEプロモーターのP1、P2、又はP3プロモーターの1つ以上をいっしょに用いることができる。
本明細書に記載の他の実施形態では、リボソームタンパク質プロモーターはB.ズブチリス(B. subtilis)由来である。いくつかの実施形態では、リボソームタンパク質プロモーターはB.ズブチリス(B. subtilis)からのrpsD又はrpsJリボソームタンパク質プロモーターである。
別の実施形態では、リボソームタンパク質プロモーターは、配列番号13〜14のいずれか1つのヌクレオチド配列、プロモーター活性を保持する配列番号13〜14のいずれか1つの部分配列、配列番号13〜14のいずれか1つに少なくとも60%相同な核酸、又は配列番号13〜14のいずれか1つ若しくはプロモーター活性を保持するその部分配列と中程度のストリンジェンシー条件下でハイブリダイズする核酸を、含む。他の実施形態では、上記プロモーターのいずれかの組み合わせが使用される場合がある。例えば、rpsD又はrpsJプロモーターの1つ以上のプロモーターをいっしょに使用できる。他の実施形態では、リボソームタンパク質プロモーターは、配列番号13〜14のいずれか1つ又はプロモーター活性を保持するその部分配列に少なくとも70%、80%、90%、93%、95%、97%、又は99%相同な核酸を含む。
本明細書に記載のリボソームプロモーターは、目的のタンパク質をコードする核酸に操作可能に連結され得る。一実施形態では、目的のタンパク質は、ホルモン、酵素、成長因子、レポーター遺伝子(例えば、緑色蛍光タンパク質)、及びサイトカインからなる群から選択される。別の実施態様において、目的のタンパク質は酵素である。本発明で使用される酵素は、例えば、プロテアーゼ、セルラーゼ、アミラーゼ、キシラナーゼ、フィターゼ、マンナナーゼ、ヘミセルラーゼ、カルボヒドラーゼ、ヒドロラーゼ、エステラーゼ、オキシダーゼ、パーミアーゼ、プルラナーゼ、ラッカーゼ、リパーゼ、レダクターゼ、イソメラーゼ、エピメラーゼ、トートメラーゼ、トランスフェラーゼ、キナーゼ、及びホスファターゼであり得る。特定の実施態様において、目的のタンパク質はプロテアーゼである。別の特定の実施形態では、目的のタンパク質はスブチリシンである。特定の実施形態では、目的のタンパク質は、配列番号9、11、18又は20によってコードされる。
目的のタンパク質は、それが発現される微生物に対して異種又は相同である場合がある。特定の実施形態では、目的のタンパク質をコードする核酸を発現するために使用される核酸、ベクター、又は発現構築物は、宿主細胞に組み込まれる。特定の実施形態では、目的のタンパク質をコードする核酸を発現するために使用される核酸、ベクター、又は発現構築物は、宿主細胞に組み込まれる。目的のタンパク質をコードする核酸を発現するために使用される核酸、ベクター、又は発現構築物は、宿主細胞内で増幅することができるか、又は、単一のコピーとして維持され得る。
リボソームプロモーターから発現することができる任意の細菌又は真菌微生物は、本明細書中で宿主細胞として使用され得る。特定の実施形態において、微生物はグラム陽性微生物である。いくつかの実施形態では、微生物はバチルス(Bacillus)属に属する。本発明において有用なバチルス(Bacillus)細胞の例としては、例えば、B.ズブチリス(B. subtilis)、B.リケニフォルミス(B. licheniformis)、B.レンタス(B. lentus)、B.ブレビス(B. brevis)、B.ステアロサーモ(B. stearothermophilus)、B.アルカロフィラス(B. alkalophilus)、B.アミロリケファシエンス(B. amyloliquefaciens)、B・コアグランス(B. coagulans)、B.サーキュランス(B. circulans)、B.ラウタス(B. lautus)、及びB・チューリンゲンシス(B. thuringiensis)が挙げられる。他の実施形態では、微生物は、大腸菌、シュードモナス属(例えば、P.アエルギノア及びP.アルカリジェネス)、又はストレプトマイセス属(例えばストレプトマイセスリビダンス)である。
本研究で使用されるバチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)のrrnオペロンの組織を示す。標的遺伝子へのプロモーターの融合により構築される異なる株を表1〜2に記載した。 rrnA、rrnB、rrnI、rrnD、rrnE、rrnJ、及びrrnOからのP1プロモーターとのrrnE P2のアライメントを示す。図2はまた、各プロモーターの−35及び−10の領域、並びに各プロモーターの−35配列の上流の、各プロモーターの上流「UP」要素を示す。 rrnA、rrnB、rrnI、rrnW、rrnH、rrnG、rrnD、rrnJ、及びrrnOからのP2プロモーターとrrnE P3プロモーターのアラインメントを示す。図3はまた、各プロモーターの−35及び−10の領域、並びに各プロモーターの−35配列の上流の、各プロモーターの上流「UP」要素を示す。 様々なPapre、PrrnI、PrrnE又はPrrnBプロモーターからGFPを発現する株に関する細胞密度測定値を示すグラフである。 株BG8000においてPapre及びPrrnIプロモーターからFNAを発現する株に関する細胞密度測定値を示すグラフである。 株BG8010においてPapre、PrrnI、PrrnE、及びPrrnBプロモーターからFNAを発現する株に関する細胞密度測定値を示すグラフである。 株BG8000及びBG8010においてPaprE及びPrrnIプロモーターからER11を発現する株に関する細胞密度測定値を示すグラフである。 株BG8000及びBG8010においてPaprE及びPrrnIプロモーターからER11を発現する株に関する細胞密度測定値を示すグラフである。 PaprE、PrrnI、PrrnE、及びPrrnBからのGFPの発現を示すグラフである。 PaprE及びPrrnIプロモーターからのFNA発現を示すグラフである。 PaprE、PrrnI、PrrnE、及びPrrnBプロモーターからのFNA発現を示すグラフである。 PaprE及びPrrnIプロモーターからのER11発現を示すグラフである。 PaprE及びPrrnIプロモーターからFNAを発現する株の細胞密度測定値を示すグラフである。 PaprE及びPrrnIプロモーターからFNAを発現する株を示すグラフである。 PaprE及びPrrnIプロモーター構築物の単一コピー組み込み体からのFNA発現の細胞密度測定値を示すグラフである。 PaprE及びPrrnIプロモーター構築物の単一コピー組み込み体からのFNA発現を示すグラフである。 様々なPapre、PrpsJ、及びPrpsDプロモーターからGFPを発現する株に関する細胞密度測定値を示すグラフである。 株BG8010においてPapre、PrpsD、及びPrpsJプロモーターからFNAを発現する株に関する細胞密度測定値を示すグラフである。 Papre、PrpsD、及びPrpsJプロモーターからのGFP発現を示すグラフである。 Papre、PrpsD、及びPrpsJプロモーターからのFNA発現を示すグラフである。 PaprE及びPrpoDプロモーターからFNAを発現する株の細胞密度測定値を示すグラフである。 PaprE及びPrpoDプロモーターからFNAを発現する株を示すグラフである。
本発明は、微生物における発現系の改善された方法及び組成物を提供する。特定の実施形態では、本方法及び組成物は、バチルス(Bacillus)種微生物由来のリボソームプロモーターを含む。リボソームプロモーターとしては、例えば、リボソームRNAプロモーター及びリボソームタンパク質プロモーターが挙げられる。いくつかの実施形態では、目的のタンパク質を産生するための新規産生微生物及び方法が提供される。
本明細書で参照される全ての特許及び刊行物(そのような特許及び刊行物内に開示されている全ての配列を含む)は、参照により明示的に組み込まれるものとする。
A.用語の定義
本明細書において別段に定義されない限り、本明細書で用いる全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されているものと同じ意味を有する(例えば、Singleton,et al.の「DICTIONARY OF MICROBIOLOGY AND MOLECULAR BIOLOGY 2D ED.」、John Wiley and Sons、New York[1994]及びHale & Marhamの「THE HARPER COLLINS DICTIONARY OF BIOLOGY」、Harper Perennial、NY[1991]を参照)。本明細書に記載のものと同様の、又は本明細書に記載のものに相当する任意の方法及び材料を、本開示を実施又は試験するために使用できるが、好ましい方法及び材料が記載される。
数値の範囲は、範囲を画定する数値を包含する。別途記載のない限り、核酸は左から右に向かって5’から3’配向になるよう、アミノ酸配列は、左から右に向かってアミノ基からカルボキシ基という配向になるようにそれぞれ記載される。
本明細書に提供されている見出しは、本発明の様々な態様又は実施態様を限定するものではない。したがって、以降で定義される用語は、総じて本明細書を参照することでより詳しく定義される。
本明細書で使用する用語「核酸配列」は、DNA、RNA、及びその一本鎖又は二本鎖構造、並びに修飾されたものを包含する。用語「核酸配列」と「ポリヌクレオチド」は、本明細書で互換的に用いられ得る。
本明細書で使用する「ポリペプチド」、「ペプチド」及び「タンパク質」は、互換的に用いられ、アミノ酸残基のポリマーへの言及を含む。これらの用語は、1つ以上のアミノ酸残基が、対応する天然に生じるアミノ酸の人工的化学類似体であるアミノ酸ポリマー、及び天然に生じるアミノ酸ポリマーに適用される。これらの用語はまた、ポリペプチドが機能的なまま維持される保守的なアミノ酸置換を含むポリマーにも適用される。
本明細書で使用する用語「宿主」は、本明細書に記載されるような、入来配列(すなわち、細胞に導入される配列)のための宿主及び発現媒体として作用し得る細胞を指す。一実施形態では、宿主細胞は微生物である。好ましい実施形態では、宿主細胞はバチルス(Bacillus)種である。
本明細書で使用する「バチルス(Bacillus)」は、バチルス(Bacillus)属内の全ての種、亜種、株及び他の分類群を指し、限定されるものではないが、B.ズブチリス(B. subtilis)、B.リケニフォルミス(B. licheniformis)、B.レンタス(B. lentus)、B.ブレビス(B. brevis)、B.ステアロサーモフィラス(B. stearothermophilus)、B.アルカロフィラス(B. alcalophilus)、B.アミロリケファシエンス(B. amyloliquefaciens)、B.コアグランス(B. coagulans)、B.サーキュランス(B. circulans)、B.ラウタス(B. lautus)、及びB・チューリンゲンシス(B. thuringiensis)が含まれる。
本明細書で使用する用語「DNA構築物」又は「発現構築物」は、少なくとも2つのDNAポリヌクレオチドフラグメントを含む核酸配列を指す。DNA又は発現構築物は、宿主細胞又は生物に核酸配列を導入するために使用され得る。DNAは、インビトロで(例えば、PCRにより)又は任意の他の適切な技法で生成され得る。いくつかの好ましい実施形態では、DNA構築物は目的の配列を含む。目的の核酸の配列は、操作可能にプロモーターに連結される。いくつかの実施形態において、DNA構築物は、少なくとも1つの選択可能なマーカーを更に含む。更なる実施形態において、DNA構築物は、宿主染色体に相同な配列を含む。他の実施形態において、DNA構築物は非相同な配列を含む。
本明細書で使用する用語「目的のタンパク質をコードする核酸」又は「目的のコーディング配列」は互換的に用いられ、タンパク質に翻訳されたときに目的のタンパク質をコードする核酸配列を意味する。いくつかの実施形態では、コード領域はcDNA形態で存在し、別の実施形態では、それはゲノムDNA又はRNAの形態で存在する。DNA形態で存在するとき、オリゴヌクレオチドは一本鎖(つまりセンス鎖)又は二本鎖構造であり得る。いくつかの実施形態では、一次RNA転写物の転写及び/又は正しい処理の適切な開始を可能にするために、必要に応じて、適した制御要素(例えば、エンハンサー、プロモーター、スプライス部位、ポリアデニル化シグナル等)が遺伝子のコード領域に近接して配置される。あるいは、いくつかの実施形態では、本発明の発現ベクターに使用されるコード領域は、内因性エンハンサー、スプライス部位、介在配列、ポリアデニル化シグナル、又は内因性と外因性の制御要素の組み合わせを含有する。
本明細書で使用される用語「プロモーター」、「プロモーター要素」及び「プロモーター配列」は、プロモーターがオリゴヌクレオチド配列の5’末端(つまりその前に)置かれたときに、mRNAへのオリゴヌクレオチド配列の転写を制御することができるDNA配列を指す。したがって、プロモーターは、典型的には、それが制御するmRNAへのその転写を制御するオリゴヌクレオチド配列の5’(すなわち、上流)に位置し、RNAポリメラーゼによる特異的な結合及び転写の開始のための部位を提供する。本明細書で使用されるリボソームプロモーターは、例えば、リボソームRNAプロモーター又はリボソームタンパク質プロモーターを含む。
用語「操作可能に連結される」は、要素を機能的に関連付けることができる配置にある並置を指す。例えば、プロモーターは、それが配列の転写を制御する場合、目的のコーディング配列に操作可能に連結され得る。
本明細書で使用する用語「プロモーター活性」は、それが核酸配列に関するものであるとき、mRNAへのオリゴヌクレオチド配列の転写を開始する核酸配列の能力を指す。
用語「ベクター」は、本明細書では、1つ以上の細胞型に導入される核酸配列を運ぶようにデザインされたポリヌクレオチドとして画定される。ベクターとしては、クローニングベクター、発現ベクター、シャトルベクター、プラスミド、ファージ又はウイルス粒子、DNA構築物、カセット等が挙げられる。プラスミドもまた含む典型的な発現ベクターは、プロモーター、シグナル配列、目的遺伝子、及び転写ターミネーターなどの調節配列を含む。
本明細書で定義される用語「単離された」は、少なくとも1つの他の化合物、タンパク質、細胞、核酸配列、アミノ酸、又は他の、通常はその天然源に関連している生物学的物質から分離されている化合物、タンパク質、細胞、核酸配列、又はアミノ酸を指す。
本明細書で使用する用語「コード領域」は、プロモーターを含む適切な制御配列の制御下に置かれたとき、ポリペプチドに翻訳されるmRNAに転写される核酸配列として画定される。コーディング配列は、cDNA、ゲノムDNA、合成DNA、及び組換えDNAを含むことができる。
本明細書で使用する用語「野生型」遺伝子、遺伝子産物、又は細胞は、天然源において見出されたとき、その遺伝子、遺伝子産物、又は細胞の特徴を有する遺伝子、遺伝子産物、又は細胞を指す。野生型遺伝子、遺伝子産物、又は細胞は、集団において最も頻繁に観察されるものであり、したがって、その「正常な」又は「野生型の」形態として指定される。本明細書で使用する用語「野生型配列」及び「野生型遺伝子」は、互換的に使用され、宿主細胞において天然の又は自然発生する配列を指す。
これに対して、用語「改変」「変異体」、又は「変異型」遺伝子、遺伝子産物、又は細胞は、野生型の形態と比較すると、配列及び/又は機能的特性における改変(すなわち、変化した特徴)を示す遺伝子、遺伝子産物、又は細胞を指す。配列改変は、例えば、置換、挿入、欠失、又は、変更された配列又は特徴をもたらす任意の他の改変によって生じ得る。天然に生じる変異体を単離することができることに留意されたい。これらは、野生型の遺伝子又は遺伝子産物と比較したときに、変更された特徴を有するという事実により認識される。
本明細書において、用語「改変配列」及び「改変遺伝子」は互換的に使用され、天然の核酸配列の置換、挿入、欠失、中断、又は任意の他の改変を意味する。いくつかの実施形態では、改変された配列の発現産物は、切断型タンパク質である(例えば、改変が配列の欠失又は中断である場合)。一部の実施形態では、切断型タンパク質は生物活性を保持している。他の実施形態では、改変された配列の発現産物は、伸長されたタンパク質である(例えば、改変が核酸配列への挿入である場合)。他の実施形態では、挿入は、発現産物として切断タンパク質の産生をもたらす(例えば、挿入の結果が終止コドンの形成である場合)。
本明細書で使用するとき、「入来配列」は、宿主細胞の染色体又はゲノムに導入されるDNA配列を意味する。この配列は、1つ以上の目的のタンパク質をコードし得る。入来配列は、目的のタンパク質をコードする配列に操作可能に連結されるプロモーターを含む。いくつかの実施形態では、入来配列は、形質転換される細胞のゲノムに既に存在する配列を含み、他の実施形態では、それは、形質転換される細胞のゲノムにまだ存在していない(すなわち、いくつかの実施形態ではそれは相同な配列であり、他の実施形態ではそれは異種の配列である)。
いくつかの実施形態では、入来配列は、限定されるものではないが、ホルモン、酵素、成長因子、又はサイトカインを含む少なくとも1つの相同又は異種のタンパク質をコードする。いくつかの好ましい実施形態において、入来配列は、限定されるものではないが、プロテアーゼ、セルラーゼ、アミラーゼ、キシラナーゼ、フィターゼ、マンナナーゼ、ヘミセルラーゼ、カルボヒドラーゼ、ヒドロラーゼ、エステラーゼ、オキシダーゼ(例えばフェノールオキシダーゼなど)、パーミアーゼ、プルラナーゼ、ラッカーゼ、リパーゼ、レダクターゼ、イソメラーゼ、エピメラーゼ、トートメラーゼ、トランスフェラーゼ、キナーゼ、又はホスファターゼを含む、少なくとも1種類の酵素をコードする。
いくつかの実施形態では、入来配列は機能性の野生型遺伝子又はオペロン、機能性変異遺伝子又はオペロン、若しくは非機能性の遺伝子又はオペロンをコードする。
本明細書で使用する用語「レポーター遺伝子」は、細胞内で発現する能力があるヌクレオチド配列を意味し、そのレポーターの発現は、発現された遺伝子を含有する細胞に、容易に検出され測定される能力を授ける。
本明細書で使用する用語「フランキング配列」は、検討対象の配列の上流又は下流のいずれかに隣接する任意の配列を意味する(例えば、配列ABCでは、A配列及びC配列は配列Bに隣接している)。いくつかの実施形態では、入来配列は、両側に隣接する相同ボックスで挟まれている。
本明細書で使用する用語「相同ボックス」は、もう1つの核酸配列に相同な配列を意味する。例えば、相同ボックスは、ゲノムDNAにおいて核酸配列に相同であり得る。そのような場合、相同ボックスは、新しい構築物のどこにゲノムDNAを組み込むかを指示するために有用である。
本明細書で使用する用語「相同な組換え」は、同一のヌクレオチド配列の部位における2つのDNA分子又は対の染色体間(すなわち、クロスオーバーの間)のDNAフラグメントの交換を意味する。一実施形態では、染色体組み込みは、相同な組み換えによって達成される。
本明細書で使用する用語「異種」は、一般には、宿主細胞中に天然には生じないポリヌクレオチド又はポリペプチド、又は宿主細胞と同じ遺伝源又は遺伝種に由来するポリヌクレオチド又はポリペプチドであるが、異種配列にネイティブではない場所にあるものを意味する。いくつかの実施形態では、異種配列は非宿主配列であるが、他の実施形態では、それは改変された配列、異なる宿主細胞株からの配列、又は宿主細胞の異なる染色体の場所からの相同な配列である。
本明細書で使用する用語「トランスフェクション」及び「形質転換」は、いずれも、細胞にDNAを導入する方法を指す。
本明細書で使用する用語「相補的」又は「相補性」は、塩基対合則によって関連する「ポリヌクレオチド」及び「オリゴヌクレオチド」(これらは、ヌクレオチドの配列を指す交換可能な用語である)に関連して使用される。例えば、配列「5’−CAGT−3’」は、配列「5’−ACTG−3’」と相補的である。相補性は「部分的」である場合か又は「全体的」である場合がある。「部分的」相補性は、1つ以上の核酸塩基が塩基対合則にしたがって一致をしていないものである。核酸同士の「全体的」又は「完全」相補性は、核酸塩基のそれぞれ及び全てが、塩基対合則に基づいて互いに一致しているものである。
本明細書で使用するとき、用語「染色体組み込み」は、入来配列が宿主細胞の染色体(すなわちゲノム)に導入されるプロセスを意味する。
本明細書で使用する用語「選択可能マーカー」は、目的のタンパク質又は遺伝子の存在又は欠如を示す任意の「マーカー」(すなわちインジケータ)の使用を指す。いくつかの実施形態では、この用語は、必須であるものが欠如している培地でも成長する能力を付与する酵素活性をコードする遺伝子を包含する。
本明細書で使用する用語「シグナル配列」又は「シグナルペプチド」は、細胞外の成熟型タンパク質の分泌を促進する、タンパク質のN末端部分におけるアミノ酸の配列を指す。細胞外タンパク質の成熟型は、分泌プロセスの際に切断されるシグナル配列は有していない。
本明細書において、「増幅」は、核酸配列の追加のコピーの産生として画定される。核酸の「増幅」は、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応又は当該技術分野において周知の他の技術によって行うことができる。本明細書で使用するとき、用語、「ポリメラーゼ連鎖反応」(「PCR」)は、米国特許第4,683,195号、同第4,683,202号、及び同第4,965,188号(これらの全ては参照により本明細書に組み込まれる)の方法を指し、これらは、クローニング又は精製を行わずにDNA試料(例えばゲノムDNA)中で標的配列の断片の濃度を増加させる方法を記載している。
PCRを用いて、又は組み込みPCRにより、いくつかの異なる方法論(例えば標識プローブとのハイブリダイゼーション、アビジン−酵素結合検出後にビオチン化プライマーの取り込みを行うこと、又は32Pで標識された、dCTP又はDATPなどのデオキシヌクレオチド三リン酸を増幅セグメントに組み込むこと)により検出可能なレベルまで、ゲノムDNA中の特定の標的配列の単一コピーを増幅することが可能である。ゲノムDNAに加えて、任意のオリゴヌクレオチド配列を適切な一式のプライマー分子によって増幅することができる。具体的には、PCRプロセス自体によって生成された増幅セグメントは、それら自体が、その後のPCR増幅のための効率的なテンプレートである。
本明細書で使用する用語「プライマー」は、制限酵素による消化断片の精製物として天然に生じるか又は合成により生成されるオリゴヌクレオチドを指し、核酸鎖に対して相補的であるプライマー伸長産物の合成が誘導される条件下に置かれたときに合成の開始点として作用することができるものである。好ましくはプライマーは増幅効率を最大にするために一本鎖であるが、あるいは、二本鎖であってもよい。
本明細書で使用する用語「プローブ」は、制限酵素による消化断片の精製物として天然に生じるか又は合成的に生産されたオリゴヌクレオチドを指し、通常、対象とする別のオリゴヌクレオチドとハイブリッド形成することができる。プローブは一本鎖であっても二本鎖であってもよい。プローブは、特定の遺伝子配列の検出、識別、及び単離に有用である。本発明で使用される任意のプローブを、これらに限定するものではないが酵素(例えば、ELISA、並びに酵素を用いる組織化学アッセイ)、蛍光、放射活性、及び発光系などの任意の検出系で検出され得るように、任意の「リポーター分子」により標識することが想到される。本発明は、任意の特定の検出系又は標識に制限されることを意図しない。
本明細書で使用する用語「制限エンドヌクレアーゼ」及び「制限酵素」は、細菌酵素を指し、そのそれぞれは、特定のヌクレオチド配列において又はその近くで、二本鎖又は一本鎖DNAを切断する。
B.リボソームプロモーター
リボソームRNAの合成は、エシェリキアコライ(Escherichia coli)及びバチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)におけるリボソーム合成の速度制限工程である。リボソームRNAプロモーターからのリボソームRNA転写の調節は、これまでに研究されてきた(Samarrai et al.,2011,J Bacteriology,193:723〜733;Natori et al.,2009,J Bacteriology,191:4555〜4561;Turnbough,2008,Molecular Microbiology 69:10〜14;Krasny et al.,2008,Mol Microbiology 69:42〜54;Krasny and Gourse,2004,EMBO 23:4473〜4483;)。翻訳要件が低いときにリボソームRNAとリボソームが過剰産生されないように、rRNAプロモーターは栄養条件によって厳しく調節される。大腸菌には7つのrRNA(rrn)オペロンがあり、そのそれぞれが2つのプロモーター指定P1及びP2を含有する。大腸菌rrnのP1プロモーターのコアの−10/−35領域は、RNAポリメラーゼのバインディングによってプロモーター活性を最高20〜50倍高める上流(UP)要素によって先行される。バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)は、10個のrrnオペロンを含有し(前出のKrasny及びGourse)、これらもまた、プロモーター活性を高めるために有用であり得る上流(UP)要素によって先行される。図2及び3を参照されたい。
リボソームRNAプロモーターの調節は天然のリボソームRNAの産生のために研究されてきたが、リボソームRNAプロモーターを使用したときの目的の異種タンパク質に関しての核酸配列コードの発現レベルはまだ研究されていない。
リボソームタンパク質をコードする遺伝子の調節は、エシェリキアコライ(Escherichia coli)及びバチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)においてこれまでに研究されている(Grundy and Henkin,1991,J.Bacteriology,173:4595〜4602)。多くの事例において、リボソームタンパク質は、それらをコードするオペロンの発現を制御する自家リプレッサーとして作用することが見出されている。
本発明は、目的の異種タンパク質の産生において、リボソームRNAプロモーター及びタンパク質プロモーターなどのリボソームプロモーターが予想外に有効であることを実証する。リボソームプロモーターから転写されたmRNAの量は、他の一般に使用されるプロモーターと比較したとき及び単位時間当たりに産生されるmRNA分子数による測定においての両方で、驚くほど高かった。例えば、リボソームプロモーターからの発現を、高度に発現されるapreプロモーターと比較している、実施例3〜5及び9〜10を参照されたい。一実施形態では、本発明のリボソームプロモーターは、単位時間当たりに産生されるmRNA分子数によって測定したときに、改善された転写効率を提供する。
リボソームプロモーターを使用したときに目的の異種タンパク質をコードする核酸配列が予想外に高レベルで発現することは、いくつかの利益を有する。一実施形態では、目的のコーディング配列をリボソームプロモーターを用いて発現することは、目的のコーディング配列の発現をそのネイティブプロモーターから行うことと比較して、より高いレベルで目的のコーディング配列を発現することを可能にする。より高いレベルでの発現は、不安定な転写の場合に特に有用である。
別の実施形態では、目的のコーディング配列の発現をリボソームプロモーターを用いて発現することは、リボソームプロモーターを含む発現構築物の増幅を用いずに目的のコーディング配列の発現レベルを高めることを可能にする。当該技術分野の他の発現構築物を用いるときは、目的のコーディング配列の高い発現レベルを達成するために、発現構築物の増幅がしばしば必要とされる。しかしながら、本明細書に記載のリボソームプロモーターを用いて達成される発現レベルは、発現構築物の増幅を必要としないほど十分に高い。代わりに、高い発現レベルは、リボソームプロモーターを含む発現構築物の単一の組み込み体によって達成される。実施例4及び5を参照されたい。これは、いくつかの利益を提供する。第1に、増幅された発現構築物の損失を宿主株が経験することがないので、宿主株はより安定である。また、発現構築物を増幅する必要がないならば、株の構築はより効率的になる。したがって、時間、金銭、及び材料が節減される。
いくつかの実施形態では、リボソームプロモーターはリボソームRNAプロモーターである。本発明に使用されるリボソームRNAプロモーターは、バチルス(Bacillus)rrnI、rrnE、又はrrnBリボソームRNAプロモーターからのP1、P2、又はP3のいずれか1つである。一実施形態では、本発明で使用されるRNAプロモーターは、バチルス(Bacillus)rrnIリボソームRNAプロモーターからのP2プロモーターである。いくつかの実施形態では、バチルス(Bacillus)rrnI、rrnE、又はrrnBリボソームRNAプロモーターからのP1、P2、又はP3プロモーターの組み合わせを使用し得る。例えば、実施例2〜4及び図4、8、6、及び10を参照されたい。
特定の実施形態では、本明細書に記載のリボソームプロモーター(例えば、リボソームRNAプロモーター又はタンパク質プロモーター)の+1転写開始部位に位置するヌクレオチドは、グアニンからアデニンに改変される。例えば、本明細書に記載のリボソームRNAプロモーターの転写開始部位を図2及び図3に示す。+1転写開始部位の改変は、本明細書に記載のプロモーターからの一貫した産生を可能にし、したがって、このプロモーターからの生産性の総合的な向上をもたらす。
一実施形態では、プロモーターは、配列番号1〜6又は13〜14のいずれか1つの核酸配列、若しくはその部分配列を有する。その部分配列は、プロモーター活性を保持し、少なくとも約10個のヌクレオチド、少なくとも約20個のヌクレオチド、少なくとも約30個のヌクレオチド、少なくとも約40個のヌクレオチド、少なくとも約50個のヌクレオチド、少なくとも約60個のヌクレオチド、少なくとも約70個のヌクレオチド、少なくとも約80個のヌクレオチド、少なくとも約90個のヌクレオチド、又は少なくとも約100個のヌクレオチドを含むであろう。配列番号1〜6又は13〜14の任意の1つの部分配列は、親プロモーターの−35及び−10の領域を最小限に含むべきである。例えば、配列番号1〜6又は13〜14の任意の1つの部分配列は、図2及び3又は表1−1及び2−1に示されているように、親プロモーターの−35及び−10の領域を最小限に含むべきである。特定の実施形態では、図2及び図3に示すように、配列番号1〜6又は13〜14の任意の1つの部分配列は、親プロモーターの−35及び−10の領域を含み、かつ更に、親プロモーターの上流UP要素を含む。
特定の実施形態では、プロモーターは配列番号3の核酸配列を又はその部分配列を有する。その部分配列はプロモーター活性を保持し、少なくとも約10個のヌクレオチド、少なくとも約20個のヌクレオチド、少なくとも約30個のヌクレオチド、少なくとも約40個のヌクレオチド、少なくとも約50個のヌクレオチド、少なくとも約60個のヌクレオチド、少なくとも約70個のヌクレオチド、少なくとも約80個のヌクレオチド、少なくとも約90個のヌクレオチド、及び少なくとも約100個のヌクレオチドを含むであろう。
このプロモーターはまた、本発明の1つ以上のプロモーターの一部、又は本発明のプロモーターの一部と別のプロモーターの一部を含む、ハイブリッドプロモーターでもよい。いくつかの実施形態では、ハイブリッドプロモーターは、少なくとも約10個のヌクレオチド、少なくとも約20個のヌクレオチド、少なくとも約30個のヌクレオチド、少なくとも約40個のヌクレオチド、少なくとも約50個のヌクレオチド、少なくとも約60個のヌクレオチド、少なくとも約70個のヌクレオチド、少なくとも約80個のヌクレオチド、少なくとも約90個のヌクレオチド、少なくとも約100個のヌクレオチドを有する配列番号1〜6又は13〜14の任意の1つの部分配列を含む。
ハイブリッドプロモーターの他方のプロモーターは、宿主細胞のプロモーター活性を示し、かつ、宿主に天然であってもよく天然でなくてもよい変異プロモーター、短縮されたプロモーターなどを含む任意のプロモーターであり得る。本発明のハイブリッドプロモーターにおいて有用であり得る他のプロモーターの例としては、真菌及び細菌由来のプロモーターが挙げられる。いくつかの特定の非限定的な例としては、aprEプロモーター又は変異aprEプロモーター(WO 01/51643号);ストレプトマイセスフラジアエ・アミノグリコシド3’−ホスホトランスフェラーゼ遺伝子のaphプロモーター;アスペルギルスニガー・グルコアミラーゼ(glaA遺伝子)プロモーター;アクチノプラネスミズリエンシスのグルコースイソメラーゼ(GI)プロモーター及びその誘導体GI(GIT)プロモーター(米国特許第6,562,612号及びEPA 351029号);WO 03/089621号に開示されている、ストレプトマイセスリビダンスからのグルコースイソメラーゼ(GI)プロモーター、その短い野生型GIプロモーター、その1.5GIプロモーター、その1.20GIプロモーター、又はその変異型GIプロモーターのいずれか;糸状菌、特にトリコデルマレーシのセロビオヒドロラーゼプロモーターからの、cbh1、cbh2、eg11及びeg12プロモーター(GenBank Accession番号第D86235号);lacZ及びtacプロモーター(Bagdasarion et al.,1983,Gene 26:273〜282);ermEプロモーター(Ward et al.,1986,Mol.Gen.Genet.203:468〜478、及びSchmitt−John et al.,1992,Appl.Microbiol.Biotechnol.36:493〜498);及びバチルス・ズブチルスファージ(Bacillus subtilis phage)o29プロモーター(Pulido et al.,1986,Gene 49:377〜382)が挙げられる。ストレプトマイセスにおいて有効なプロモーターは、Hopwoodらに列挙されている(Hopwood et al.,Regulation of Gene Expression in Antibiotic−producing Streptomyces.In Booth,I.and Higgins,C.(Eds)SYMPOSIUM OF THE SOCIETY FOR GENERAL MICROBIOLOGY,REGULATION OF GENE EXPRESSION,Cambridge University Press,1986 pgs.251〜276)。ストレプトマイセスファージプロモーターもまた、Labes et al.,1997,Microbiol.143:1503〜1512.に開示されている。本明細書に記載のハイブリッドプロモーターでの使用に有効であり得る他のプロモーターは、Deuschle et al.,1986 EMBO J.5:2987〜2994及びWO 96/00787号に列挙されているプロモーターである。
このプロモーターはまた、2つ以上のプロモーターを含むタンデムプロモーターであってもよい。いくつかの実施形態では、タンデムプロモーターは、配列番号1〜6又は13〜14又はその部分配列の任意の1つのプロモーターと、ハイブリッドプロモーターに関して上述したもののような1つ以上の他のプロモーターを含む。
ハイブリッドプロモーター、タンデムプロモーター、配列番号1〜6又は13〜14のいずれか1つの部分配列若しくは配列番号1〜6又は13〜14のいずれか1つとハイブリダイズする核酸配列であるプロモーターは、その対応する親プロモーターのプロモーター活性の少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約80%、及び少なくとも約100%を有する。いくつかの実施形態では、プロモーター活性は、例えば、約100%を超える、約150%を超える、約200%を超える、及び約250%を超える。
いくつかの実施形態では、プロモーターは、配列番号1〜6又は13〜14のいずれか1つと、中程度の、高い、又は非常に高いストリンジェンシー条件下でハイブリダイズする核酸配列、若しくはその部分配列を含む。特定の実施形態では、プロモーターは、配列番号3と中程度の、高い、又は非常に高いストリンジェンシー条件下でハイブリダイズする核酸配列、若しくはその部分配列を含む。
特定の実施形態では、ハイブリダイゼーションを使用して、所与のDNAフラグメントが本明細書に記載のプロモーターDNA配列に相当するかどうか、及び本発明の範囲内であるかどうかを分析する。一般的なハイブリダイゼーションの方法は、Sambrook et al.,MOLECULAR CLONING:A LABORATORY MANUAL(2.sup.nd Ed.,1989 Cold Spring Harbor,N.Y.)に記載されている。
「ハイブリダイゼーション条件」とは、ハイブリダイゼーションが測定される条件の「ストリンジェンシー(厳密さ)」の程度を意味する。ハイブリダイゼーション条件は、Berger and Kimmel(1987,Guide to Molecular Cloning Techniques,METHODS IN ENZYMOLOGY,Vol 152,Academic Press,San Diego Calif.)に教示されているように、核酸バインディング複合体の融解温度(Tm)に基づく場合がある。ハイブリダイゼーション条件はまた、当該技術分野で周知のハイブリダイゼーションの後に採用される洗浄条件にも基づく場合がある。
あくまで例示を目的として、「低いストリンジェンシー」条件は、20℃で0.2x SSC/0.1% SDS溶液を用いて15分間洗浄することを意味する。「中程度のストリンジェンシー」条件は、37℃で0.2x SSC/0.1% SDS溶液を用いて30分間洗浄することを意味し得る。「高いストリンジェンシー」条件は、37℃で0.2x SSC/0.1% SDS溶液を用いて45分間洗浄することを意味し得る。「非常に高いストリンジェンシー」条件は、37℃で0.2x SSC/0.1% SDS溶液を用いて60分間洗浄することを意味し得る。しかし、特定の溶液の成分、温度、及び洗浄時間に関連づけられるストリンジェンシーは、特定の核酸及び他の関与する条件によって異なる場合がある。当業者は、所望の程度のストリンジェンシーに関連づけられるハイブリダイゼーション条件を決定することができる。
本発明の別の態様は、Berger and Kimmel(1987,Guide to Molecular Cloning Techniques,METHODS IN ENZYMOLOGY,Vol 152,Academic Press,San Diego Calif.)に教示されているような核酸バインディング複合体の融解温度(Tm)に基づくハイブリダイゼーション条件の使用である。例示を目的として、「非常に高いストリンジェンシー」は、典型的には約Tm−5℃(プローブのTmから約5℃下げた温度)で生じ、「高いストリンジェンシー」は、典型的にはTmより約5℃〜10℃低い温度で生じ、「中程度のストリンジェンシー」はTmより約10℃〜20℃低い温度で生じ、「低いストリンジェンシー」はTmより約20℃〜25℃低い温度で生じるものである。
ハイブリダイゼーションアッセイの一例は次のように実行され得る。特定の標的ソースからのゲノムDNAを、製造業者の指示にしたがって、例えばEcoR I、Hind III、Bam HI、Cla I、Kpn I、Mlu I、Spe I、Bgl II、Nco I、Xba I、Xho I及びXma I(New England Biolabs,Inc.,Beverly,Mass.and Boehringer Mannheimが供給している)などの適切な制限酵素を用いる消化によりフラグメント化する。次いで、それらの試料をアガロースゲル(例えば、0.8%アガロース)を通して電気泳動させて、DNAフラグメントの分離がサイズ別に可視化できるようにする。DNAフラグメントは、典型的には、臭化エチジウム染色により可視化される。そのゲルを、蒸留水で軽く漱ぎ、次いで、適切な溶液(例えば0.25MのHCl)中で、穏やかに振とうしながら脱プリンし、次いで、穏やかに振とうしながら(例えば、0.4MのNaOH中で)30分間変性させることができる。再生工程を含めてもよく、その場合、ゲルを1.5MのNaCl、1Mのトリス、pH 7.0の中に入れ、穏やかに30分間振とうする。次いで、DNAを、(例えば6x SSC(900mMのNaCl、90mMのクエン酸三ナトリウム)など)移転溶液を用いて、例えばMaximum Strength Nytran Plusメンブレン(Schleicher & Schuell,Keene,N.H)のような適切にプラスに帯電したメンブレン上に移転する。一般的には約2時間後、移転が完了した後に、例えば2x SSC(2x SSC=300mMのNaCl、30mMのクエン酸三ナトリウム)中でメンブレンをすすぎ、室温で空気乾燥させる。次いで、メンブレンを、(例えば、100mL当たり20〜50mLのホルムアミド、25mLの20x SSPE(1x SSPE=0.18MのNaCl、1mMのEDTA、10mMのNaHPO(pH 7.7))、2.5mLの20% SDS、及び1mLの10mg/mLの剪断ニシン精子DNAを含有する水溶液など)適切なプレハイブリダイゼーション溶液中で(約2時間以上)プレハイブリダイズする必要がある。当業者には周知のように、プレハイブリダイゼーション溶液中のホルムアミドの量は、ルーチン方法にしたがって得られる反応の性質に依存して変えることができる。したがって、ハイブリダイズする分子の特定に関しては、同じ手順でより多くのホルムアミドを使用する場合と比較して、ホルムアミドの量が少ないほど完全なハイブリダイゼーションがもたらされ得る。その一方で、より多くのホルムアミドを使用するほうが、強ハイブリダイゼーション帯をより容易に視覚的に特定できる場合がある。
一般に、長さが50〜500塩基のDNAプローブは、アガロースゲル、ゲルから切り出されたフラグメント、及び切り出されたアガロースから回収されたフラグメントにおいて電気泳動により単離する必要がある。より詳細な手順については、上記のSambrookを参照されたい。次いで、この精製されたDNAフラグメントに、(例えば、Megapurime標識システムを製造業者の指示にしたがって使用して)標識を付け、P32をそのDNAに組み込む。標識したプローブを5分間95℃に加熱することにより変性し、直ちにメンブレンとプレハイブリダイゼーションの溶液に添加する。ハイブリダイゼーション反応は、例えば、穏やかに振とう又は回転しながら37℃で18時間、適切な時間及び適切な条件下で進行する必要がある。メンブレンを(2x SSC/0.3%SDSなどで)すすぎ、次いで、穏やかに撹拌しながら適当な洗浄液で洗浄する。所望のストリンジェンシーは、メンブレン(フィルター)の洗浄条件を反映する。
一実施形態において、核酸配列は配列番号1〜6又は13〜14のいずれか1つの配列であり、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシー条件は高い。別の実施形態において、核酸配列は配列番号3の配列であり、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシー条件は高い。
他の実施形態では、本発明のプロモーターは、配列番号1〜6又は13〜14のいずれか1つと少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、及び少なくとも99%の配列同一性を有する部分配列である。別の実施形態では、本発明のプロモーターは、配列番号3と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、及び少なくとも99%の配列同一性を有する部分配列である。例えば、配列番号1〜6又は13〜14の任意の1つの部分配列は、図2及び3又は表1−1及び2−1に示されているような、親プロモーターの−35及び−10の領域を最小限に含むべきである。特定の実施形態では、配列番号1〜6の任意の部分配列は、図2及び図3に示すように、親プロモーターの−35及び−10の領域を含み、かつ更に、親プロモーターの上流UP要素を更に含む。
2つの核酸配列又はポリペプチドの文脈において、用語「同一性」は、2つの配列中のヌクレオチド又はアミノ酸残基が、以下の「配列比較アルゴリズム」の1つを用いた評価において、最大限の相応になるようにアライメントされたときに同じであることを指す。比較のための配列の最適のアライメントは、例えば、Smith & Waterman,Adv.Appl.Math.2:482(1981)の局所相同性アルゴリズムによって、又はNeedleman & Wunsch,J.Mol.Biol.48:443(1970)の相同性アライメントアルゴリズムによって、又はPearson & Lipman,Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 85:2444(1988)の類似性検索方法によって、又はコンピュータ化されたこれらのアルゴリズムの実施(Wisconsin Genetics Software Package,Genetics Computer Group,575 Science Dr.,Madison,Wis.のGAP,BESTFIT,FASTA及びTFASTA)によって、又は目視検査によって、実施し得る。
配列類似性を判断するのに好適なアルゴリズムの例は、BLASTアルゴリズムである。このアルゴリズムは、Altschul,et al.,J.Mol.Biol.215:403〜410(1990)に記載されている。BLAST解析を行うためのソフトウェアは、ワールドワイドウェブ(www)ncbi.nlm.nih.gov.で入手可能なNational Center for Biotechnology Informationを通じて公開されており、入手可能である。BLASTアルゴリズムは、2つの配列間の相似性の統計解析を実行する(例えば、Karlin & Altschul,Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA 90:5873〜5787(1993)を参照)。
B.目的のコーディング配列
本発明によって包含されるプロモーターは、目的のタンパク質をコードする核酸(すなわち、目的のコーディング配列)に操作可能に連結される。コーディング配列によってコードされるポリペプチドは、酵素、ホルモン、成長因子、サイトカイン、抗生物質又はその一部、受容体又はその部分、レポーター遺伝子(例えば、緑色蛍光タンパク質)又は他の二次代謝産物であり得る。
いくつかの実施形態では、酵素は、プロテアーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、キシラナーゼ、アミラーゼ、グルコアミラーゼ、クチナーゼ、フィターゼ、ラッカーゼ、リパーゼ、イソメラーゼ、エステラーゼ、マンナナーゼ、カルボヒドラーゼ、ヒドロラーゼ、オキシダーゼ、ペルミアーゼ、プルラナーゼ、レダクターゼ、エピメラーゼ、トートメラーゼ、トランスフェラーゼ、キナーゼ、ホスファターゼ、又は細菌や真菌由来の類似物である。
いくつかの実施形態では、酵素はセルラーゼである。セルラーゼは、セルロース中のβ−D−グルコシド結合を加水分解する酵素である。セルロース分解酵素は、伝統的には、エンドグルカナーゼ、エキソグルカナーゼ又はセロビオヒドロラーゼ、及びβ−グルコシダーゼという3つの大分類に分類される(Knowles,J.et al.,TIBTECH 5:255〜261(1987))。科学文献に数多くのセルラーゼが記載されており、トリコデルマレーシ レーシ由来の例としては、Shoemaker,S.et al.,Bio/Technology,1:691〜696,1983(CBHIを開示している);Teeri,T.et al.,Gene,51:43〜52,1987(CBHIIを開示している);Penttila,M.et al.,Gene,45:253〜263,1986(EGIを開示している);Saloheimo,M.et al.,Gene,63:11〜22,1988(EGIIを開示している);Okada,M.et al.,Appl. Environ.Microbiol.,64:555〜563,1988(EGIIIを開示している);Saloheimo,M.et al.,Eur.J.Biochem.,249:584〜591,1997(EGIVを開示している);及びSaloheimo,A.et al.,Molecular Microbiology,13:219〜228,1994(EGVを開示している)が挙げられる。トリコデルマ以外の種に由来するエキソセロビオヒドロラーゼ及びエンドグルカナーゼも記載されており、例えば、Ooi et al.,1990(アスペルギルスアキュリタスによって産生されるエンドグルカナーゼF1−CMCをコードするcDNA配列を開示している);Kawaguchi T et al.,1996(アスペルギルスアキュリタスからのβ−グルコシダーゼ1をコードするcDNAのクローニング及び配列決定を開示している);Sakamoto et al.,1995(アスペルギルスカワチイIFO 4308からのエンドグルカナーゼCMCアーゼ−1をコードするcDNA配列を開示している);及びSaarilahti et al.,1990(エルウィニアカロトバラからのエンドグルカナーゼを開示している)である。
特定の実施形態において、本発明のプロモーターによって発現されるセルラーゼは、米国特許第6,2,87,839号及び米国特許第6,562,612号に開示されているセルラーゼである。特定の実施形態において、発現されるセルラーゼは、米国特許第6,562,612号の配列番号1のアミノ酸配列を含むセルラーゼか、又は、セルロース分解活性を有し、かつ米国特許第6,562,612号の配列番号1の活性部分との配列同一性が70%を超える、そのフラグメント若しくは誘導体である。
他の実施形態では、酵素は、セリン、メタロ、チオール又は酸性プロテアーゼなどのプロテアーゼである。いくつかの実施形態において、プロテアーゼはセリンプロテアーゼ(例えば、スブチリシン)である。セリンプロテアーゼは、Markland,et al.(1983)Honne−Seyler’s Z Physiol.Chem 364:1537〜1540;Drenth,J.et al.(1972)Eur.J.Biochem.26:177〜181;米国特許第4,760,025号(RE 34,606)、同第5,182,204号、及び同第6,312,936号、並びにEP 0 323,299号に記載されている。本発明で使用され得るプロテアーゼは、例えば、米国特許公開第2010/0152088号及び国際公開特許第2010/056635号にも記載されている。タンパク質分解活性を測定するための手段は、M.Kalisz,「Microbial Proteinases」ADVANCES IN BIOCHEMICAL ENGINEERING AND BIOTECHNOLOGY,A.Fiecht Ed.1988に開示されている。
別の実施形態において、本発明のプロモーターによって発現されるプロテアーゼは、配列番号10、12、19、又は21のアミノ酸配列を含むプロテアーゼか、若しくはタンパク質分解活性を有し、かつ配列番号10、12、19、又は21の活性部分との配列同一性が70%を超えるそのフラグメント又は誘導体である。配列番号10、12、19、又は21をコードする核酸配列は、それぞれ、配列番号9、11、18、及び20である。
他の実施形態では、酵素は、(T.レーシなど)トリコデルマ由来のアミラーゼ、トリコデルマグルコアミラーゼ、(B.ズブチリス(B. subtilis)など)バチルス(Bacillus)由来のアミラーゼ、又は(G.ステロサーモフィラス(G. stearothermophilus)など)ゲオバチルス(Geobacillus)由来のアミラーゼなどのアミラーゼである。細菌及び真菌由来のアミラーゼは、例えば、米国特許第8,058,033号、米国特許公開第2010/0015686号、米国特許公開第2009/0314286号、英国特許出願第1011513.7号、及び国際特許出願第PCT/IB2011/053018号に記載されている。これらの参照のそれぞれの明細書の全体が参照により本明細書に援用される。
他の実施形態では、酵素はキシラナーゼである。特定の実施形態では、キシラナーゼはトリコデルマ(T.レーシなど)由来である。細菌及び真菌由来のキシラナーゼは、例えば、国際公開特許第2001/027252号及び米国特許第7,718,411号に記載されている。これらの参照のそれぞれの明細書の全体が参照により本明細書に援用される。
他の実施形態では、酵素はフィターゼである。特定の実施形態では、フィターゼはシトロバクター(C.フレウンディイ(C. freundi))又は大腸菌由来である。他の実施形態では、フィターゼは、バチアグセラ・アグレスティス・フィターゼのようなバチアグセラフィターゼであり得る。フィターゼは、例えば、国際公開特許第WO 2006/043178号、同第WO 2006/038062号、同第WO 2008/097619号、同第WO 2009/129489号、同第WO 2006/038128号、同第WO 2008/092901号、同第WO 2009/129489号、及び同第WO 2010/122532号に記載されている。これらの参照のそれぞれの明細書の全体が参照により本明細書に援用される。
いくつかの実施形態では、ホルモンは、卵細胞刺激ホルモン、黄体形成ホルモン、副腎皮質刺激ホルモン放出因子、ソマトスタチン、ゴナドトロピンホルモン、バソプレシン、オキシトシン、エリスロポエチン、インスリンなどである。
いくつかの実施形態では、細胞表面上の受容体に結合して細胞増殖及び/又は分化の活性化の主要な結果をもたらすタンパク質である成長因子としては、血小板由来成長因子、表皮成長因子、神経成長因子、線維芽細胞成長因子、インスリン様成長因子、形質転換成長因子などが含まれる。
いくつかの実施形態では、成長因子はサイトカインである。サイトカインとしては、コロニー刺激因子、インターロイキン(IL−I(α及びβ)、IL−2〜IL−13)及びインターフェロン(α、β及びγ)が挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態において、抗体は、それを大量に産生することが望まれる任意の種からの免疫グロブリンが含まれるが、これに限定されない。抗体は、ヒト抗体であることが特に好ましい。免疫グロブリンは任意のクラスのものでよく、すなわち、G、A、M、E、又はDであり得る。
コーディング配列は、宿主細胞に対して天然又は異種のいずれでもよい。加えて、コーディング配列は、完全長タンパク質、又は完全長タンパク質の切断型をコードすることができる。本発明は、特定のコーディング配列に限定されるものではなく、本発明のプロモーターに操作可能に連結されている多数のコーディング配列を包含する。
C.シグナル配列
いくつかの実施形態において、特に目的のコーディング配列が例えばセルラーゼ、プロテアーゼ又はデンプン分解酵素のような細胞外酵素をコードするときは、シグナル配列はコーディング配列のN末端部分に連結され得る。シグナルは、DNA配列の分泌を促進するために使用され得る。シグナル配列は、宿主生物に内因性又は外因性であり得る。シグナル配列は、コードされたポリペプチドに通常関連づけられるものであり得る。いくつかの実施形態において、シグナル配列は、参照により本明細書にその全体が援用される国際特許公開第WO 2011/014278号及び同第WO 2010/123754号に記載されているように変更又は改変され得る。いくつかの実施形態において、シグナル配列は、ストレプトマイセスセルラーゼ遺伝子由来のシグナル配列を含む。一実施形態において、好ましいシグナル配列は、S.リビダンスセルラーゼ、celA(Bently et al.,(2002)Nature 417:141〜147)である。しかしながら、当業者は、宿主生物中に発現され、分泌されるタンパク質に依存して使用され得る多くのシグナルペプチドを認識している。
D.DNA構築物及びベクター
目的のコード領域を含む本発明の核酸構築物は、確立された標準的な方法、例えば、Beaucage and Caruthers(1981)Tetrahedron Letters 22:1859〜1869により説明されているホスホロアミダイト法又はMatthes et al.(1984)EMBO Journal 3:801〜805によって説明されている方法によって、合成により調製することができる。核酸構築物は、合成及びゲノム起源の混合であってもよく、合成又はゲノムDNAのフラグメントをライゲーションすることによって調製することができる。核酸構築物は、例えば米国特許第4,683,202号又はSaiki et al.,Science 239(1988),487〜491に記載されているように、特定のプライマーを用いてポリメラーゼ連鎖反応によって調製することもできる。
本発明のDNA構築物は、発現ベクターのようなベクターに挿入し得る。真菌、酵母及び細菌におけるポリペプチドのクローニング、形質転換、及び発現に適した様々なベクターが当業者に知られている。典型的には、ベクター又はカセットは、本発明のプロモーターを含み、所望により、シグナル配列、目的のコード領域及びターミネーター配列を含む。好ましい実施形態において、ベクターは、シグナル配列とターミネーター配列との間に位置する1つ以上のクローニング部位を含む。
E.形質転換
本発明のベクターは、宿主細胞に形質転換される。一般的な形質転換手法は当該技術分野で周知である(Ausubel et al.,1994,CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY and Campbell et al.,1989 Curr.Genet 16:53〜56)。これらの一般的な手法のいくつかとしては、限定されるものではないが、粒子又は遺伝子銃(微粒子銃)の使用、形質転換プロセスの前の糸状菌細胞壁の透過処理(例えば0.05M〜0.4MのCaCl又はリチウムアセテートのような高濃度のアルカリの使用)、原形質融合、電気穿孔法、又はアグロバクテリウム媒介形質転換(米国特許第6,255,115号)が挙げられ、ポリエチレングリコール及び塩化カルシウムによるプロトプラスト又はスフェロプラストの処理は、Campbell,et al.,(1989)Curr.Genet.16:53〜56,1989、及びPenttila,M.et al.,(1988)Gene,63:11〜22に記載されている。
細菌の形質転換及び発現は、Brigidi,DeRossi,Bertarini,Riccardi and Matteuzzi,(1990),FEMS Microbiol.Lett.55:135〜138に開示されている。プロテアーゼ削除バチルス(Bacillus)株のための好ましい一般的な形質転換及び発現プロトコルは、Ferrari et al.の米国特許第5,264,366号に記載されている。
ストレプトマイセスでの形質転換及び発現は、Hopwood et al.,GENETIC MANIPULATION OF STREPTOMYCES:A LABORATORY MANUAL,(1985)John Innis Foundation,Norwich UK.に見出すことができる。
他の実施形態において、アスペルギルス及びトリコデルマにおける形質転換及び発現は、米国特許第5,364,770号及び同第6,022,725号、並びにNevalainen et al.(1992)、The Molecular Biology of Trichoderma and its Application to the Expression of Both Homologous and Heterologous Genes、MOLECULAR INDUSTRIAL MYCOLOGY,Eds.Leon and Berka,Marcel Dekker,Inc.pp.129〜148に記載されている。
F.宿主細胞
本発明にしたがって使用され得る宿主細胞は、細菌及び真菌細胞の両方を含む。好ましい真菌宿主細胞としては、アスペルギルス及びトリコデルマ細胞などの糸状菌細胞が含まれる。好ましい細菌宿主細胞は、グラム陽性及びグラム陰性細胞の両方を含み、バチルス(Bacillus)、マイコバクテリウム(Mycobacterium)、アクチノマイセス(Actinomyces)及びストレプトマイセス(Streptomyces)の細胞が含まれる。宿主細胞としてはまた、限定するものではないが、大腸菌、シュードモナス属(例えば、P.アエルギノア(P. aeruginoa)及びP.アルカリゲンス(P. alcaligenes))、ストレプトマイセス属(例えば、ストレプトマイセスリビダンス(Streptomyces lividans))、B.ズブチリス(B. subtilis)、B.リケニフォルミス(B. licheniformis)、B.レンタス(B. lentus)、B.ブレビス(B. brevis)、B.ステロサーモフィラス(B. stearothermophilus)、B.アルカロフィラス(B. alkalophilus)、B.アミロリケファシエンス(B. amyloliquefaciens)、B.コアグランス(B. coagulans)、B.シルクランス(B. circulans)、B.ラウタス(B. lautus)、B.メガセリウム(B. megatherium)、及びB.チューリンゲンシス(B. thuringiensis)が挙げられる。
G.細胞培養
宿主細胞及び形質転換細胞は、従来の栄養培地で培養することができる。形質転換された宿主細胞のための培養培地は、プロモーターを活性化し、形質転換体を選択するために適切に改善することができる。温度、pH及びこれらに類するものなどの特定の培養条件は、発現のために選択された宿主細胞に使用されるものであってよく、当業者には明白である。加えて、好ましい培養条件は、例えば、上記のSambrook(1982);Kieser,T,M J.Bibb,M J.Buttner,K F Chater及びD.A.Hopwood(2000)「PRACTICAL STREPTOMYCES GENETICS.」John Innes Foundation,Norwich UK;Harwood,et al.(1990)「MOLECULAR BIOLOGICAL METHODS FOR BACILLUS」、John Wiley、並びにthe American Type Culture Collection(ATCC;「http://www.atcc.org/」)のような科学文献に見出すことができる。トリコデルマ細胞のような、真菌宿主細胞の安定な形質転換体は、一般には、それらの増殖速度がより速いことによって、又は、ギザギザというよりもむしろなめらかな輪郭の円形のコロニーが固体培養培地上で形成されることによって、不安定な形質転換体から区別され得る。
H.発現されたポリペプチドの回収
形質転換された宿主細胞によって産生されたポリペプチドは、遠心分離又は濾過により培地から宿主細胞を分離するか、必要に応じて、細胞を破壊し、細胞画分及び破片から上澄みを除去することを含む従来の手順によって、培養培地から回収することができる。典型的には、清澄化した後、例えば硫酸アンモニウムなど塩を用いて上清又は濾液のタンパク質成分を沈殿させる。沈殿したタンパク質を、次いで、可溶化し、例えばイオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィーのようなクロマトグラフィー手順、及び他の当該分野で認識されている種々の手順によって、精製することができる。
I.構築物の組み立て
1つの一般的な実施形態において、本発明は、インビトロでDNA構築物を組み立てることに次いで、このような構築物が宿主ゲノムに組み込まれるように(例えば、バチルス(Bacillus)宿主細胞など)コンピテントな宿主細胞にそのような構築物を直接クローニングにすることを含む。例えば、いくつかの実施形態では、PCR融合及び/又はライゲーションを用いてDNA構築物を組み立てる。好ましい実施形態において、DNA構築物は非プラスミドDNA構築物である。別の実施形態では、DNA構築物は、変異が導入されたDNAを含む。次いで、この構築物を使用して宿主細胞を形質転換する。これに関して、好ましくは、高度にコンピテントな(例えばバチルス(Bacillus)などの)宿主細胞の変異体を用いて、細胞内への構築物の直接クローニングを促進する。例えば、キシロース誘導性プロモーター(Pxyl−comK)により制御されているcomK遺伝子を持つバチルス(Bacillus)は、本明細書に記載のように、非常に高い効率で信頼性を持って形質転換することができる。当該技術分野において周知の任意の好適な方法を使用してそれらの細胞を形質転換することができる。DNA構築物は、形質転換の前に、ベクター(すなわちプラスミド)に挿入することができる。いくつかの好ましい実施形態では、適切な制限酵素(すなわち、DNA構築物を破壊しないもの)を用いて円形プラスミドを切断する。したがって、いくつかの実施形態では、円形プラスミドが本発明に使用される。しかし、代替実施形態では、線状プラスミドを使用する。いくつかの実施形態では、DNA構築物(すなわちPCR産物)は、プラスミドDNAの存在なしに使用される。
本発明及びその利点を更に説明するために、以下の具体例は、それらが本発明を例示するために提供されているものであって、その範囲を限定するものとして決して解釈されるべきではないという理解に基づいて与えられている。
実施例1:リボソームRNA及びタンパク質プロモーターからタンパク質を発現するバチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)株の生成
緑色蛍光タンパク質(GPF)及び2つのスブチリシンプロテアーゼ、FNA(B.アミロリケファシエンススブチリシン(B. amyloliquefaciens subtilisin)BPN’−Y217L)並びにER11(WO2010/056635A1号に記載されている)のコード配列をバチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)のリボソームRNAプロモーター又はタンパク質プロモーターに融合させて、バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)株BG8000(ΔnprE、degU(Hy)32、ΔaprE、spoIIE312 amyE::PxylRA−comK−eryR)及びBG8010(ΔnprE、degU(Hy)32、ΔaprE、spoIIE312 amyE::PxylRA−comK−eryR oppA:phleoR)におけるタンパク質の発現の試験を行った。リボソームRNAプロモーター及びタンパク質プロモーターからのタンパク質の発現を、スブチリシンプロモーターaprEでの発現から得られたものと比較した(Transcription of Bacillus subtilis subtilisin and expression of subtilisin in sporulation mutants.E Ferrari,D J Henner,M Perego,and J A Hoch,J Bacteriol.1988 January;170(1):289〜295)。
表1−1に示すプロモーターは、バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)168染色体DNAからPCRにより増幅し、標的分子の遺伝子(ER11、FNA又はGFP)に転写により融合させたものである。プロモーター、目的の遺伝子及び抗生物質マーカーを含むカセットを用いてBG8010又はBG8000株を形質転換し、5μg/mLのクロラムフェニコールを含むLB寒天プレート上で形質転換体を選択した。また、標的分子遺伝子に融合したaprEプロモーターを含む構築物でもBG8010又はBG8000株を形質転換し、5μg/mLのクロラムフェニコールを含むLB寒天プレート上で形質転換体を選択した。スブチリシンプロモーターを有する構築物を保有する株を、カセットのコピー数を増加させるために、25μg/mlのクロラムフェニコールを含有するLB寒天プレート上で増幅し、一方、リボソームプロモーターを保有する株は、5μg/mlのクロラムフェニコールを含有するプレート上で再単離させた。
Figure 0006378089
標的分子のヌクレオチド配列及びアミノ酸配列を以下に示す。
リボソームRNAプロモーター及びタンパク質プロモーターに融合したGFP遺伝子のヌクレオチド配列
Figure 0006378089
リボソームRNAプロモーター及びタンパク質プロモーターから発現されたGFPのアミノ酸配列
Figure 0006378089
リボソームRNAプロモーター及びタンパク質プロモーターに融合したFNAスブチリシンプロテアーゼ遺伝子のヌクレオチド配列
Figure 0006378089
リボソームRNAプロモーター及びタンパク質プロモーターから発現したFNAスブチリシンプロテアーゼのアミノ酸配列
Figure 0006378089
リボソームRNAプロモーター及びタンパク質プロモーターに融合したER11スブチリシンプロテアーゼ遺伝子のヌクレオチド配列
Figure 0006378089
リボソームRNAプロモーター及びタンパク質プロモーターから発現したER11スブチリシンプロテアーゼのアミノ酸配列
Figure 0006378089
標的遺伝子へのプロモーターの融合により構築された異なる株を、以下の表1〜2に記載する。1/2/3は、標的分子の発現を駆動するためにそれらの3つのプロモーターをタンデムにクローニングしたことを示している。マーク「+G」は、アデニンの代わりに転写開始部位としてヌクレオチドグアニンを使用することを示す。
Figure 0006378089
実施例2:GFP、FNA及びER11発現株の細胞密度測定
細胞増殖を試験するために、構築された株のそれぞれにつき1コロニーを、5μg/mlのクロラムフェニコール(リボソームRNAプロモーターから発現する株の場合)又は25μg/mlのクロラムフェニコール(aprEプロモーターから発現する株の場合)を含有するルリアブロスに接種し、30℃で一晩増殖させた。32mlの2xSNB培地(以下の組成を参照)を接種するために、それぞれの前培養物1mlを使用し、280rpmで、70%の湿度において、振とうフラスコ中37℃で増殖させた。増殖時間4時間から8時間まで1時間おきに、各培養物の光学濃度をSpectraMaxリーダーを用いて600nmで測定した。GFP、FNA、及びER11を発現する株の細胞密度の測定値を図4(GFP)、図5及び6(FNA)、並びに図7A及び7B(ER11)に示す。異なる構築物を含む株の増殖はほぼ同等であった。
2xSNB培地
原液(濾過滅菌したもの):25x SNB塩−CaCl 2HO(3.7g/L)、FeSO 7HO(9.6mg/L)、MnCl 4HO(6mg/L)、KCl(25g/L)、MgSO 7HO(3.26g/L)、Maltrin 150 10%。16g/LのDifco Nutrient Broth溶液500mLを調製し、オートクレーブし、20mLの25xSNB塩及び25mLの 10% Maltrin 150を添加する。
実施例3:リボソームプロモーターからのGFP、FNA、及びER11のタンパク質発現
選択されたプロモーターによって駆動されるER11、FNAの細胞外産生又はGFPの細胞内発現を、BG8000及びBG8010株で試験した。それらの細胞は、実施例2の細胞密度測定に関して記載したように増殖した。増殖時間4時間から8時間まで1時間おきに、培養物の上清のAAPF活性(スブチリシン(subtilisin)発現)を分析した。GFP発現は、細胞に発現した相対蛍光単位(RFU)として測定した。
試料のAAPF活性は、N−スクシニル−L−アナニル−L−アナニル−L−プロリル−L−フェニル−p−ニトロアニリド(suc−AAPF−pNA)の加水分解の速度として測定した。以下の試薬溶液を使用した:0.005%のTWEEN(登録商標)−80を含有する100mMトリス/HCl(pH 8.6)(トリス希釈緩衝液及び160mMのsuc−AAPF−pNA/DMSO(suc−AAPF−pNA原液)(σ:S−7388)。suc−AAPF−pNA希釈標準溶液を調製するために、1mLのsuc−AAPF−pNA原液を100mLのトリス/HCl緩衝液に加え、少なくとも10秒にわたってウェルをよく混合した。アッセイは、アッセイ緩衝液(195μl中5μl)に試料を希釈することによって行った。次いで、AAPF基質とともにアッセイ緩衝液180μlを、マイクロタイタープレートに配列された希釈された試料20μlに添加した。溶液を5秒にわたって混合し、25℃にて、405nmで、SpectraMaxリーダーの動的解析モードにより吸光度変化を読み取った(5分間に20回の読み取り)。
RFUにおけるGFP発現を測定するために、それぞれの培養試料150μlをマイクロタイタープレートに充填し、485nmの励起波長、508nmの発光波長を使用して、495nmのカットオフで、SpectraMaxリーダーを用いて蛍光測定を行った。
異なるプロモーターからのGFP、FNA、及びER11の発現を図8(GFP)、図9及び10(FNA)、並びに図11A及び11B(ER11)に示す。非増幅リボソームRNAプロモーター及びタンパク質プロモーターからのタンパク質発現は、増幅されたaprEプロモーターから見られたそれよりも高かった。
実施例4:σA依存性プロモーターからのタンパク質発現
異なるプロモーターから異なるレベルでタンパク質発現が観察されるので、この実験は、増幅されたaprEプロモーターと増幅されていないrrnI P2プロモーターとでFNA発現を比較した。aprEからFNAを発現するBG8010株を25μg/mLのクロラムフェニコールを用いて増幅し、一方、rrnI P2からFNAを発現する株は、実施例1に記載のように5μg/mLのクロラムフェニコールで再単離した。細胞密度測定は実施例2に記載のように行い、FNA発現は実施例3に記載のように行った。図12及び13に結果を示す。全ての株からの細胞増殖はほぼ同等であったが、増幅されていないrrnI P2プロモーターからのFNA発現は、増幅されたaprEプロモーターからのそれよりも高かった。
実施例5:単一のコピー組み込み体を含有するBG8010株からのFNA発現
抗生物質マーカーを使用することなくrrnI P2プロモーターをタンパク質発現のために使用することができるかどうかを試験するために、PrrnI P2−FNA SPCR又はPaprE−FNA CATRカセットのいずれかを含む単一コピー組込み体をダブルクロスオーバー組み込みによりBG8010株に組み込んだ。その後に、cre−loxリコンビナーゼを用いて、lox配列が隣接している抗生物質マーカー遺伝子を除去した。構築された株の形質転換体は、実施例2に記載されたように増殖され、細胞密度測定及びFNA発現は、それぞれ実施例2及び3に記載のように検討した。図14に示す結果はrrnI P2プロモーター又はaprEプロモーターのいずれかを含む株の成長がほぼ同等であったことを示しているが、PrrnI−P2からのFNA発現はaprEからのそれより高かった(図15)。これらの研究は、PrrnI−P2が、標的分子のmRNAを多量に送達できる強力なプロモーターであることを実証している。このプロモーターを使用する利点は、構築物の増幅を必要とせずに、かつ抗生物質マーカーを使用することなく、多量の転写物を送達することにある。
実施例6:リボソームタンパク質プロモーターからタンパク質を発現するバチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)株の生成
緑色蛍光タンパク質(GPF)及び2つのスブチリシンプロテアーゼ、FNA(B.アミロリケファシエンススブチリシンBPN’−Y217L)及びER11(WO2010/056635A1号に記載されている)のコード配列を、バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)のリボソームタンパク質プロモーターに融合させて、バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)株BG8000(ΔnprE、degU(Hy)32、ΔaprE、spoIIE312 amyE::PxylRA−comK−eryR)及びBG8010(ΔnprE、degU(Hy)32、ΔaprE、spoIIE312 amyE::PxylRA−comK−eryR oppA:phleoR)におけるタンパク質の発現を試験した。リボソームタンパク質プロモーターからのタンパク質の発現を、スブチリシンプロモーターaprEでの発現から得られたものと比較した(Transcription of Bacillus subtilis subtilisin and expression of subtilisin in sporulation mutants.E Ferrari,D J Henner,M Perego,and J A Hoch,J Bacteriol.1988 January;170(1):289〜295)。
表2−1に示すプロモーターは、バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)168染色体DNAからPCRにより増幅し、標的分子の遺伝子(FNA又はGFP)に転写により融合させた。プロモーター、目的の遺伝子及び抗生物質マーカーを含むカセットを用いてBG8010株又はBG8000株を形質転換し、5μg/mLのクロラムフェニコールを含有するLB寒天プレート上で形質転換体を選択した。また、標的分子遺伝子に融合したaprEプロモーターを含む構築物でもBG8010株又はBG8000株を形質転換し、5μg/mLのクロラムフェニコールを含有するLB寒天プレート上で形質転換体を選択した。スブチリシン(aprE)プロモーターを有する構築物を保有する株を、カセットのコピー数を増加させるために、25μg/mlのクロラムフェニコールを含有するLB寒天プレート上で増幅し、一方、リボソームプロモーターを保有する株は、5μg/mlのクロラムフェニコールを含有するプレート上で再単離させた。
Figure 0006378089
表2−1:rpsD、rpsJ及びrpoD(P1)のプロモーター配列を示す。各プロモーターについて、−35及び−10配列を太字及び下線で示した。rpsJに関しては、2つのプロモーター(P1とP2)が利用できる。rpsJ P1についての−35及び−10配列は、rpsJ P2配列についての−35及び−10配列の上流(すなわち、5’)である。
Figure 0006378089
リボソームタンパク質プロモーターから発現したGFPのアミノ酸配列
Figure 0006378089
リボソームタンパク質プロモーターに融合したFNAスブチリシンプロテアーゼ遺伝子のヌクレオチド配列
Figure 0006378089
リボソームタンパク質プロモーターから発現したFNAスブチリシンプロテアーゼのアミノ酸配列
Figure 0006378089
リボソームタンパク質プロモーターに融合したER11スブチリシンプロテアーゼ遺伝子のヌクレオチド配列
Figure 0006378089
リボソームタンパク質プロモーターから発現したER11スブチリシンプロテアーゼのアミノ酸配列
Figure 0006378089
標的遺伝子へのプロモーターの融合により構築した異なる株を以下の表2−2に記載する。
Figure 0006378089
実施例7:GFP及びFNA発現株の細胞密度測定
細胞増殖を試験するために、aprEプロモーター又はrpoDプロモーターを発現する株について、構築された株のそれぞれにつき1コロニーを、25μg/mlのクロラムフェニコールを含有するルリアブロスに接種し、30℃で一晩増殖させた。2xSNB培地32mlを接種するために、それぞれの前培養物1mlを使用し(以下の組成物を参照)、280rpmで、70%の湿度にて、振とうフラスコ中37℃で増殖させた。増殖時間4時間から8時間まで1時間おきに、各培養物の光学濃度をSpectraMaxリーダーを用いて600nmで測定した。GFP発現株及びFNA発現株の細胞密度測定値を図16(GFP)及び17(FNA)に示す。異なる構築物を含む株の増殖はほぼ同等であった。
2xSNB培地
原液(滅菌濾過):25x SNB塩−CaCl 2HO(3.7g/L)、FeSO 7HO(9.6mg/L)、MnCl 4HO(6mg/L)、KCl(25g/L)、MgSO 7HO(3.26g/L)、Maltrin 150 10%。16g/LのDifco Nutrient Broth溶液500mLを調製し、オートクレーブして、20mLの25xSNB塩及び25mLの10% Maltrin 150を添加した。
実施例8:リボソームプロモーターからのGFP及びFNAのタンパク質発現
選択されたプロモーターによって駆動されるFNAの産生又はGFPの細胞内発現は、BG8000株及びBG8010株で試験した。これらの細胞は、実施例7の細胞密度測定について記載したように増殖させた。増殖時間4時間から8時間まで1時間おきに、AAPF活性(スブチリシン発現)について培養液の上清を分析した。GFP発現は、細胞に発現した相対蛍光単位(RFU)として測定した。
試料のAAPF活性は、N−サクシニル−L−アラニル−L−アラニル−L−プロリル−L−フェニル−p−ニトロアニリド(suc−AAPF−pNA)の加水分解速度として測定した。使用した試薬溶液は、0.005%のTWEEN(登録商標)−80を含有している100mMトリス/HCl(pH 8.6)(トリス希釈緩衝液及び160mM suc−AAPF−pNA/DMSO(suc−AAPF−pNA原液)(σ:S−7388)である。suc−AAPF−pNA希釈標準溶液を調製するために、1mLのsuc−AAPF−pNA原液を100mLのトリス/HCl緩衝液に加え、少なくとも10秒にわたってウェルをよく混合した。アッセイは、アッセイ緩衝液に試料を希釈することにより行った(195μl中に5μl)。次いで、AAPF基質とともにアッセイ緩衝液180μlを、マイクロタイタープレートに配列された20μlの希釈試料に添加した。溶液を5秒にわたって混合し、25℃にて、405nmで、SpectraMaxリーダーの動的解析モードにより吸光度変化を測定した(5分間に20回の読み取り)。
RFUにおけるGFP発現を測定するために、それぞれの培養試料150μlをマイクロタイタープレートに充填し、485nmの励起波長、508nmの発光波長を使用して、495nmのカットオフで、SpectraMaxリーダーを用いて蛍光測定を行った。
異なるプロモーターからのGFP及びFNAの発現を図18(GFP)及び19(FNA)に示す。増幅されていないリボソームタンパク質プロモーターからのタンパク質発現は、増幅されたaprEプロモーターから見られたそれよりも高かった。
実施例9:σA依存性プロモーターからのタンパク質発現
異なるプロモーターから異なるレベルのタンパク質発現が観察されるので、この実験では、増幅されたrpoDプロモーター(B.ズブチリス(B subtilis)菌におけるσAハウスキーピングσ因子のプロモーター)からのFNA発現と、増幅されたaprEプロモーターからのそれを比較した。rpoD及びaprEからFNAを発現するBG8010株を、25μg/mlのクロラムフェニコールを用いて増幅した。細胞密度測定は実施例7に記載のように、FNA発現は実施例8に記載のように、それぞれ検討した。図20及び21に結果を示す。全ての株からの細胞増殖はほぼ同等であった。

Claims (23)

  1. 対象のタンパク質をコードする核酸に操作可能に連結されるB.ズブチリス(B. subtilis)リボソームプロモーターを含む単離された核酸であって、
    前記B.ズブチリスリボソームプロモーターがrpsJリボソームタンパク質プロモーターであり、そして、前記対象のタンパク質が酵素である、単離された核酸。
  2. 前記rpsJリボソームタンパク質プロモーターが、配列番号14のヌクレオチド配列を含む、請求項1に記載の単離された核酸。
  3. 前記対象のタンパク質が、プロテアーゼ、セルラーゼ、アミラーゼ、キシラナーゼ、フィターゼ、マンナナーゼ、ヘミセルラーゼ、カルボヒドラーゼ、加水分解酵素、エステラーゼ、オキシダーゼ、パーミアーゼ、プルラナーゼ、ラッカーゼ、リパーゼ、レダクターゼ、イソメラーゼ、エピメラーゼ、トートメラーゼ、トランスフェラーゼ、キナーゼ、及びホスファターゼからなる群から選択される酵素である、請求項に記載の単離された核酸。
  4. 前記対象のタンパク質がプロテアーゼである、請求項に記載の単離された核酸。
  5. 前記プロテアーゼがスブチリシンである、請求項に記載の単離された核酸。
  6. 前記プロテアーゼが配列番号9、11、18又は20によりコードされる、請求項に記載の単離された核酸。
  7. 請求項1の単離された核酸を含む発現ベクター。
  8. 対象のタンパク質をコードする核酸を更に含み、前記核酸が前記rpsJリボソームタンパク質プロモーターに操作可能に連結される、請求項に記載の発現ベクター。
  9. 前記対象のタンパク質が酵素である、請求項に記載の発現ベクター。
  10. 前記対象のタンパク質がプロテアーゼである、請求項に記載の発現ベクター。
  11. 前記プロテアーゼが配列番号9、11、18又は20によりコードされる、請求項1に記載の発現ベクター。
  12. 請求項1に記載の核酸を含む微生物。
  13. 前記微生物がバチルス(Bacillus)属に属する、請求項1に記載の微生物。
  14. 前記核酸が前記微生物の細胞の染色体に組み込まれている、請求項1に記載の微生物。
  15. 前記タンパク質の産生のために前記微生物にとって好適な条件下で、請求項1に記載の微生物を培養することを含む、対象のタンパク質の産生のための方法。
  16. 前記微生物がバチルス(Bacillus)属に属する、請求項1に記載の方法。
  17. 前記微生物が、B.ズブチリス(B. subtilis)、B.リケニフォルミス(B. licheniformis)、B.レンタス(B. lentus)、B.ブレビス(B. brevis)、B.ステロサーモフィラス(B. stearothermophilus)、B.アルカロフィラス(B. alkalophilus)、B.アミロリケファシエンス(B. amyloliquefaciens)、B.コアグランス(B. coagulans)、B.シルクランス(B. circulans)、B.ラウタス(B. lautus)、及びB.チューリンゲンシス(B. thuringiensis)からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  18. 前記核酸が前記微生物の細胞の染色体に組み込まれている、請求項1に記載の方法。
  19. 前記対象のタンパク質がプロテアーゼである、請求項1に記載の方法。
  20. 前記プロテアーゼが配列番号9、11、18又は20によりコードされる、請求項19に記載の方法。
  21. 請求項1に記載の核酸で微生物を形質転換する工程であって、前記核酸が単一の組み込み体として前記微生物の細胞に組み込まれる工程と、
    前記微生物が前記タンパク質を産生するために好適な条件下で前記微生物を培養する工程を含む、
    発現構築物の増幅をせずに対象のタンパク質を産生する方法。
  22. 請求項に記載のベクターで微生物を形質転換する工程であって、前記ベクターが単一の組み込み体として前記微生物の細胞に組み込まれる工程と、
    前記微生物が前記タンパク質を産生するために好適な条件下で前記微生物を培養する工程を含む、
    発現構築物の増幅をせずに対象のタンパク質を産生する方法。
  23. 前記微生物が抗生物質マーカーを含まない、請求項2又は2に記載の方法。
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