以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。尚、以下の各図においては、各層や各部材を認識可能な程度の大きさにするため、各層や各部材の尺度を実際とは異ならせしめている。
(実施形態1)
「電子機器の概要」
図1は、電子機器の一例である投射型表示装置(3板式のプロジェクター)の模式図である。以下、図1を参照して電子機器の構成を説明する。
電子機器(投射型表示装置1000)は、3枚の電気光学装置20(図2参照、以下、第一パネル201、第二パネル202、第三パネル203と略称する)と、これら電気光学装置20に制御信号を供給する制御装置30と、を少なくとも有している。第一パネル201と第二パネル202と第三パネル203とは、相異なる表示色(赤色や緑色、青色)に対応する3個の電気光学装置20である。以下、特に第一パネル201と第二パネル202と第三パネル203とを区別する必要がなければ、これらを纏めて単に電気光学装置20と称する。
照明光学系1100は、照明装置(光源)1200からの出射光のうち赤色成分rを第一パネル201に供給し、緑色成分gを第二パネル202に供給し、青色成分bを第三パネル203に供給する。各電気光学装置20は、照明光学系1100から供給される各色光を表示画像に応じて変調する光変調器(ライトバルブ)として機能する。投射光学系1300は、各電気光学装置20からの出射光を合成して投射面1400に投射する。
「電子機器の回路構成」
図2は、電子機器の回路構成図である。次に、図2を参照して電子機器の回路構成を説明する。
本実施形態に係わる電子機器は、第一表示方式と第二表示方式とを切り替え可能な電気光学装置を備えている。第一表示方式とは、一例として、観察者に立体感を知覚させる三次元画像を表示する方式である。一方、第二表示方式とは、一例として、高精細な二次元画像を表示する方式である。図2に示す様に、電子機器は立体視用眼鏡10と電気光学装置20と駆動装置50とを少なくとも具備し、更に、この他に立体視用眼鏡10を制御する眼鏡制御回路31を含んでいる。この構成により、第一表示方式の際に観察者に三次元画像を認識させる事が可能となる。第一表示方式と第二表示方式とを切り替え可能としているのは、走査線駆動回路が切り替え動作に対応しているからである。
立体視用眼鏡10は、電気光学装置20が表示する三次元画像の視認時に観察者が装着する眼鏡型の器具であり、観察者の右眼の前方に位置する右眼用シャッター12と左眼の前方に位置する左眼用シャッター14とを含んで構成される。右眼用シャッター12及び左眼用シャッター14の各々は、照射光を透過させる開状態と照射光を遮断する閉状態とに制御される。例えば印加電圧に応じた液晶の配向方向に応じて開状態及び閉状態の一方から他方に変化する液晶シャッターが右眼用シャッター12及び左眼用シャッター14として採用され得る。
電気光学装置20は、複数の画素21が配列された表示領域42を備えている。表示領域42には、相交差する走査線22と信号線23とが形成される。走査線22は行方向(X方向)に延在しており、信号線23は走査線22の延在方向に交差する列方向(Y方向)に延在している。尚、走査線22の内でi行目の走査線22を特定する際には、走査線Giと表記する。各画素21は、走査線22と信号線23との各交差に対応して行列状に配列される。電気光学装置20では、m本の走査線22とn本の信号線23とを含む表示領域42(mは4以上の整数、nは1以上の整数)が形成されている。
電気光学装置20は駆動装置50によって駆動される。駆動装置50は、各画素21を駆動する駆動回路51と、駆動回路51に表示用信号を供給する表示用信号供給回路32と、フレーム画像を一時的に記憶する記憶回路33と、を含んで構成される。後述する様に、1フレームを構成する1枚のフレーム画像は奇数サブフィールドと偶数サブフィールドとを含んでいるので、記憶回路33に記憶されたフレーム画像から、表示用信号供給回路32は奇数サブフィールドや偶数サブフィールドとなる表示用信号を作製し、これを駆動回路51に供給する。
駆動回路51は走査線駆動回路52と信号線駆動回路53とを含んで構成される。走査線駆動回路52は画素を行方向に選択又は非選択する走査信号を各走査線22に出力し、走査線22はこの走査信号を画素21に伝える。言い換えると、走査信号は選択状態と非選択状態とを有しており、走査線22は、走査線駆動回路52からの走査信号を受けて、適宜選択され得る。後述する様に、走査線駆動回路52はシフトレジスター回路55(図5参照)を備えており、シフトレジスター回路55をシフトする信号が、一段毎にシフト出力信号として出力される。このシフト出力信号を用いて走査信号が形成される。信号線駆動回路53は、走査線22の選択に同期してn本の信号線23の各々に画像信号Vijを供給するここで、iは1からm迄の整数で、jは1からnまでの整数である。i行j列に位置する画素21には画像信号Vijが供給される。
この様に電気光学装置20は、第1の走査線22(一例として、1行目の走査線G1)と、第1の走査線22に接続する第1の画素21と、第1の走査線22にシフトレジスター回路55のシフト方向に隣り合う第2の走査線22(一例として、2行目の走査線G2)と、第2の走査線22に接続する第2の画素21と、第2の走査線22にシフトレジスター回路55のシフト方向に隣り合う第3の走査線22(一例として、3行目の走査線G3)と、第3の走査線22に接続する第3の画素21と、第3の走査線22にシフトレジスター回路55のシフト方向に隣り合う第4の走査線22(一例として、4行目の走査線G4)と、第4の走査線22に接続する第4の画素21と、第1の画素21と第2の画素21と第3の画素21と第4の画素21とに画像信号を供給する信号線と、を少なくとも備えている。尚、本実施形態では、m=820で、n=1300を例として、電気光学装置とその駆動方法などを説明する。この場合、820行×1300列の表示領域42に対し、800行×1280行のWXGA画像が表示される。
尚、第1の走査線22は必ずしも1行目の走査線G1だけを意味する訳ではなく、一般に(2kp+1)行目の走査線G(2kp+1)が第1の走査線22である。ここでkは後述するイネイブル信号の数で、pは0からm/(2k)−1までの整数である。本実施形態ではm=820、k=10、であるので、pは0から40までの整数となる。従って、第1の走査線22には、1行目の走査線G1(p=0)、21行目の走査線G21(p=1)、41行目の走査線G41(p=2)、と続き、801行目の走査線G801(p=40)、が相当する。同様に、第2の走査線22は、一般に、(2kp+2)行目の走査線G(2kp+2)であり、本実施形態では、2行目の走査線G2(p=0)、22行目の走査線G22(p=1)、42行目の走査線G42(p=2)、と続き、802行目の走査線G802(p=40)、が第2の走査線22に相当する。又、第3の走査線22は、一般に、(2kp+3)行目の走査線G(2kp+3)であり、本実施形態では、3行目の走査線G3(p=0)、23行目の走査線G23(p=1)、43行目の走査線G43(p=2)、と続き、803行目の走査線G803(p=40)、が第3の走査線22に相当する。又、第4の走査線22は、一般に、(2kp+4)行目の走査線G(2kp+4)であり、本実施形態では、4行目の走査線G4(p=0)、24行目の走査線G24(p=1)、44行目の走査線G44(p=2)、と続き、804行目の走査線G804(p=40)、が第4の走査線22に相当する。以下同様にして、第2kの走査線22は、一般に、(2kp+2k)行目の走査線G(2kp+2k)であり、本実施形態では、k=10であるので、20行目の走査線G20(p=0)、40行目の走査線G40(p=1)、60行目の走査線G60(p=2)、と続き、820行目の走査線G820(p=40)、が第20の走査線22に相当する。
本実施形態では電気光学装置20は不図示のガラス基板を用いて形成され、駆動回路51はこのガラス基板に薄膜トランジスター等の薄膜素子を用いて形成されている。又、眼鏡制御回路31と表示用信号供給回路32と記憶回路33とが、制御装置30となっている。この構成以外にも、電気光学装置20がガラス基板を用いて形成され、駆動回路51は単結晶半導体基板に形成される集積回路としても良いし、電気光学装置20も駆動回路51も単結晶半導体基板に形成される構成としても良い。又、眼鏡制御回路31と表示用信号供給回路32と記憶回路33とを単体の集積回路に搭載した構成や、或いは、これらの回路の二つを単体の集積回路に搭載した構成や、表示用信号供給回路32と眼鏡制御回路31と記憶回路33とを別体の集積回路に分散した構成が採用され得る。
「画素の構成」
図3は、各画素の回路図である。次に、図3を参照して画素21の構成を説明する。
本実施形態の電気光学装置20は液晶装置であり、電気光学材料は液晶26となる。図3に示す様に、各画素21は、液晶素子CLと画素トランジスター24とを含んで構成される。液晶素子CLは、相対向する画素電極25と共通電極27とを有し、これら両電極間に電気光学材料の液晶26が配置された電気光学素子である。画素電極25と共通電極27との間に印加される電界に応じて液晶26を通過する光の透過率が変化する。尚、電気光学材料としては、液晶26に代わり、電気泳動材料を用いても良い。その場合、電気光学装置20は電気泳動装置となり、電子書籍などに使用される。
画素トランジスター24は、走査線22にゲートが接続されたN型の薄膜トランジスターで構成され、液晶素子CLと信号線23との間に介在して両者の電気的な接続(導通/非導通)を制御する。従って、画素21(液晶素子CL)は、画素トランジスター24がオン状態に制御されたときの信号線23の電位(画像信号Vij)に応じた表示を行う。尚、液晶素子CLに対して並列に接続される補助容量等の図示は省略されている。
「走査線駆動回路」
図4は、実施形態1に係わる走査線駆動回路の全体構成の概略図である。図5は走査線駆動回路に用いられるシフトレジスター回路の一例である。次に、図4と図5とを参照して走査線駆動回路52の構成を説明する。
走査線駆動回路52は、第一表示方式と第二表示方式とを切り替え可能な回路となっている。第一表示方式とは、三次元画像を高速に表示する方式で、第一駆動方式と第二駆動方式とが交互に繰り返される。本実施形態では、第一駆動方式はラインペア走査であり、第二駆動方式はずらしラインペア走査である。高速駆動は領域走査と呼ばれる駆動方法が用いられるので、第一表示方式では、第一駆動方式(ラインペア走査)と第二駆動方式(ずらしラインペア走査)とで領域走査が行われる。ラインペア走査とずらしラインペア走査とに関しては、後に詳述する。第二表示方式とは、高解像度の二次元画像を高速に表示する方式で、走査線が一本ずつ選択されて、領域走査が行われる表示方法である。領域走査に関しても後に詳述する。
走査線駆動回路52は、第二表示方式を行うべく、m本の走査線22から1本の走査線22を選択するシングル走査を実行する回路を含んでいる。これと共に、走査線駆動回路52は、第一表示方式を行うべく、m本の走査線22から隣り合う2本の走査線22の組みをラインペアとしてラインペア毎に選択するラインペア走査を実行でき、又、m本の走査線22から隣り合う2本の走査線22で、ラインペアとは組み合わされる走査線22が一本ずれて異なる走査線22の組みをずらしラインペアとして、ずらしラインペア毎に選択するずらしラインペア走査を実行する回路をも含んでいる。尚、ラインペア走査を用いて形成された画像をラインペア画像と称し、ずらしラインペア走査を用いて形成された画像をずらしラインペア画像と称する事もある。
シングル走査とは、走査線22を1本ずつ適宜選択する走査方法で、例えば、1行目の走査線G1、2行目の走査線G2、3行目の走査線G3、と一本ずつ適当な走査線22を選択して行く。ラインペア走査とは、例えば、1行目の走査線G1と2行目の走査線G2とのラインペア、3行目の走査線G3と4行目の走査線G4とのラインペア、5行目の走査線G5と6行目の走査線G6とのラインペア、と(2s−1)行目の走査線G(2s−1)と(2s)行目の走査線G(2s)とをペアにして適宜選択して行く(sは1からm/2迄の整数)。ずらしラインペア走査とは、例えば、2行目の走査線G2と3行目の走査線G3とのラインペア、4行目の走査線G4と5行目の走査線G5とのラインペア、6行目の走査線G6と7行目の走査線G7とのラインペア、と(2t)行目の走査線G(2t)と(2t+1)行目の走査線G(2t+1)とをペアにして適宜選択して行く(tは1からm/2−1迄の整数)。この様に、ラインペアとずらしラインペアとでは、組み合わされる走査線22が一本ずれている。
尚、ある特定の走査線22が選択されるとは、その走査線22に選択状態の走査信号(論理1に相当する信号)が供給されている事を意味する。又、ある特定の走査線22が非選択とされる(ある特定の走査線22が選択されない)とは、その走査線22に非選択状態の走査信号(論理0に相当する信号)が供給されている事を意味する。本実施形態では、画素トランジスター24にN型薄膜トランジスターが用いられているので、選択状態の走査信号は高電位(例えば正電源電位Vdd)であり、非選択状態の走査信号は低電位(例えば負電源電位Vss)である。又、本明細書では、高電位の信号を高電位信号Hにて表し、低電位の信号を低電位信号Lにて表わす。
制御装置30から駆動回路51に供給される表示用信号は、図4に示される様に、走査線駆動回路52に供給される信号(Yスタートパルス信号DYと称する)と、走査線駆動回路52に供給されるクロック信号(YクロックCKYと称する)と、走査線駆動回路52に供給されYクロックCKYに対して逆相となる信号(YクロックバーCKYBと称する)と、走査線駆動回路52に供給されるシフト方向信号(YディレクションDIRYと称する)と、走査線駆動回路52に供給されYディレクションDIRYに対して逆相となる信号(YディレクションバーDIRYBと称する)と、走査線駆動回路52に供給されるイネイブル信号と、走査線駆動回路52に供給されるモード信号MODEと、走査線駆動回路52に供給されモード信号MODEに対して逆相となる信号(モードバー信号MODEBと称する)と、を含んでいる。イネイブル信号には、第1イネイブル信号ENB1から第kイネイブル信号ENBkまでのk種類がある。イネイブル信号の数kは2以上の整数で、且つ、m/(2k)が整数となる値である。こうすると、イネイブル信号等の表示用信号の構成が簡単になる。本実施形態では、k=10で、m/(2k)=820/20=41となっている。即ち、イネイブル信号は、第1イネイブル信号ENB1から第10イネイブル信号ENB10までの10種類が用いられている。尚、制御装置30から駆動回路51に供給される表示用信号は、Yスタートパルス信号DYと、YクロックCKYと、YディレクションDIRYと、イネイブル信号と、モード信号MODEと、を含む様に構成しても良い。この場合、YクロックバーCKYBや、YディレクションバーDIRYB、モードバー信号MODEB、等の逆相信号は否定回路(インバーター回路)を用いて走査線駆動回路52内で作られる。
図4は、上述の様々な走査方法を可能とする回路構成の一例を示している。走査線駆動回路52は、シフトレジスター回路55と第一種制御線と第二種制御線と論理回路と共通制御回路54とを少なくとも備えている。
図5に示す様に、シフトレジスター回路55は、双方向型で、信号(Yスタートパルス信号DY)をシフトし、一段毎にシフト出力信号を出力する。即ち、シフトレジスター回路55は、YクロックCKYとYクロックバーCKYBとに同期して、Yスタートパルス信号DYを順次に転送する事で、シフト出力信号を第1段出力SR1、第2段出力SR2、・・・、第m段出力SRmに順次出力して行く。シフトレジスター回路55の具体的な構成の一例は図5に示されており、YディレクションDIRYが低電位信号LでYディレクションバーDIRYBが高電位信号Hの際に、Yスタートパルス信号DYは第1段出力SR1から第m段出力SRm(図4では上から下)に向かって転送されて行く(順シフトと称する)。反対に、YディレクションDIRYが高電位信号HでYディレクションバーDIRYBが低電位信号Lの際には、Yスタートパルス信号DYは第m段出力SRmから第1段出力SR1(図4では下から上)に向かって転送されて行く(逆シフトと称する)。シフトレジスター回路55の第i段出力SRiはi行目の走査線Giに対応している(iは1からm迄の整数)。
シフトレジスター回路55の出力は第一種出力と第二種出力とに分類される。本実施形態では、第一種出力とは偶数段目の出力で第(2s)段出力SR(2s)が相当し、第二種出力とは奇数段目の出力で第(2s−1)段出力SR(2s−1)が相当する(sは1からm/2迄の整数)。同様に、走査線22は第一種走査線と第二種走査線とに分類される。即ち、第一種走査線とは第一種出力に対応する走査線で、本実施形態では、偶数行目の走査線22で(2s)行目の走査線G(2s)に相当する。第二種走査線とは第二種出力に対応する走査線で、本実施形態では、奇数行目の走査線22で(2s−1)行目の走査線G(2s−1)が相当する(sは1からm/2迄の整数)。
論理回路は走査線22毎に設けられ、入力信号の論理積を対応する走査線22に走査信号として出力する回路である。具体的には、第一種走査線(本実施形態では偶数行目の走査線22)に対応する論理回路が第一種アンド回路AND1であり、従って、第一種アンド回路AND1の出力は第一種走査線に電気的に接続されている。同様に、第二種走査線(本実施形態では奇数行目の走査線22)に対応する論理回路が第二種アンド回路AND2であり、第二種アンド回路AND2の出力は第二種走査線に電気的に接続されている。より具体的には、第1の走査線に対応する論理回路が第1の論理回路であり、第2の走査線に対応する論理回路が第2の論理回路であり、第3の走査線に対応する論理回路が第3の論理回路であり、第4の走査線に対応する論理回路が第4の論理回路であり、以下同様である。
論理回路は第一入力と第二入力との、少なくとも2個の入力を有し、その内の一方はシフトレジスター回路55の出力段に電気的に接続されている。具体的には、第一種アンド回路AND1の第一入力はシフトレジスター回路55の第一種出力(本実施形態では偶数段出力)に電気的に接続され、第二種アンド回路AND2の第一入力はシフトレジスター回路55の第二種出力(本実施形態では奇数段出力)に電気的に接続されている。論理回路の第二入力に関しては後述する。
尚、本明細書にて、端子1と端子2とが電気的に接続されているとは、端子1と端子2とが同じ論理状態になり得る事を意味している。具体的には、端子1と端子2とが配線により直に接続されている場合の他に、抵抗素子やスイッチング素子、容量素子、バッファー回路等を介して接続されている場合を含む。即ち、端子1での電位と端子2での電位とが多少異なっていても、回路上で同じ論理を持たせる場合、端子1と端子2とは電気的に接続されている事になる。従って、例えば、論理回路と走査線22との間に、偶数個の直列接続されたインバーター回路からなるバッファー回路を含む場合も、論理回路の出力と走査線22とは電気的に接続されている事になる。又、論理回路の出力信号を遮断させたり通過させたりする為のスイッチング素子を論理回路の出力端子と走査線22との間に設けた場合も、そのスイッチング素子がオン状態では、論理回路の出力信号が走査線22に供給されるので、両者は電気的に接続されている事になる。
第一種制御線と第二種制御線とは、イネイブル信号が供給される配線である。イネイブル信号はk種類あり、其々のイネイブル信号に対応するイネイブル信号線が走査線駆動回路52に備えられている。即ち、第kイネイブル信号線には第kイネイブル信号ENBkが供給される。例えば、第1イネイブル信号線には第1イネイブル信号ENB1が供給され、第2イネイブル信号線には第2イネイブル信号ENB2が供給され、第3イネイブル信号線には第3イネイブル信号ENB3が供給される。本実施形態ではk=10であるので、第1イネイブル信号線から第10イネイブル信号線が走査線駆動回路52に備えられている。
第一種制御線と第二種制御線とは、ラインペアの走査線22((2s−1)行目の走査線G(2s−1)と(2s)行目の走査線G(2s)との対で、sは1からm/2迄の整数)に関して分類されるイネイブル信号線で、各ラインペアにて第二種アンド回路AND2(本実施形態では奇数行走査線22に位置する論理回路)の第二入力に電気的に接続されるのが第一種制御線であり、第一種アンド回路AND1(本実施形態では偶数行走査線22に位置する論理回路)の第二入力に電気的に接続され得るのが第二種制御線である。第一種アンド回路AND1の第二入力には第一種制御線も電気的に接続され得る。
第一種制御線と第二種制御線とは、(2q)行目の走査線G(2q)(qは1からm/2迄の任意の整数)に対応する第一種アンド回路AND1に関して、この第一種アンド回路AND1の第二入力と(2q−1)行目の走査線G(2q−1)に対応する第二種アンド回路AND2の第二入力とに電気的に接続するイネイブル信号線が第一種制御線であり、(2q)行目の走査線G(2q)の第一種アンド回路AND1の第二入力と(2q+1)行目の走査線G(2q+1)に対応する第二種アンド回路AND2の第二入力とに電気的に接続するイネイブル信号線が第二種制御線である。尚、q=m/2の最終行では、(2q+1)行目の走査線G(2q+1)が存在しないので、これは1行目の走査線G1とみなす。又、図4では上から下に向かって走査線番号が増えるので、便宜上、第一種制御線を上側イネイブル信号線と略称し、第二種制御線を下側イネイブル信号線と略称する事もある。要するに、第一種走査線(本実施形態では偶数行走査線)に位置する第一種アンド回路AND1の第二入力に電気的に接続し得る2本のイネイブル信号線の内で、上側イネイブル信号線が第一種制御線であり、下側イネイブル信号線が第二種制御線である。例えば、1行目の走査線G1と2行目の走査線G2とのラインペアでは、第一種制御線(上側イネイブル信号線)は第1イネイブル信号線であり、第二種制御線(下側イネイブル信号線)は第2イネイブル信号線である。同様に、3行目の走査線G3と4行目の走査線G4とのラインペアでは、第一種制御線(上側イネイブル信号線)は第2イネイブル信号線であり、第二種制御線(下側イネイブル信号線)は第3イネイブル信号線である。又、819行目の走査線G819と820行目の走査線G820とのラインペアでは、第一種制御線(上側イネイブル信号線)は第10イネイブル信号線であり、第二種制御線(下側イネイブル信号線)は第1イネイブル信号線である。
共通制御回路54は、第一スイッチSw1と第二スイッチSw2とを含んでおり、論理回路の第二入力にいずれかのイネイブル信号を供給する様に構成されている。具体的には、共通制御回路54は、第一種制御線と第一種アンド回路AND1の第二入力とが第一スイッチSw1を介して電気的に接続され、第二種制御線と第一種アンド回路AND1の第二入力とが第二スイッチSw2を介して電気的に接続され、第一種制御線と第二種アンド回路AND2の第二入力とが電気的に接続される様に構成されている。図4では上から下に向かって走査線番号が増え、第一スイッチSw1と第二スイッチSw2とは、第一種走査線(本実施形態では、偶数行走査線)と第一種アンド回路AND1(本実施形態では偶数行走査線22に位置する論理回路)とに係わるので、第一スイッチSw1を偶数行上側スイッチと略称し、第二スイッチSw2を偶数行下側スイッチと略称する事もある。
第一スイッチSw1と第二スイッチSw2とは排他的な動作を行うパスゲートで有る。即ち、第一スイッチSw1が信号の導通状態に有る際には、第二スイッチSw2は信号の遮断状態にあり、第一スイッチSw1が信号の遮断状態に有る際には、第二スイッチSw2は信号の導通状態にある。本実施形態では、第一スイッチSw1と第二スイッチSw2とに排他的なCMOSパスゲートが用いられている。具体的には、第一スイッチSw1は第一種制御線と第一種アンド回路AND1の第二入力との間に第一P型トランジスターと第一N型トランジスターとが並列に配置され、第一P型トランジスターのゲートにはモード信号MODEが供給され、第一N型トランジスターのゲートにはモードバー信号MODEBが供給される。又、第二スイッチSw2は第二種制御線と第一種アンド回路AND1の第二入力との間に第二N型トランジスターと第二P型トランジスターとが並列に配置され、第二N型トランジスターのゲートにはモード信号MODEが供給され、第二P型トランジスターのゲートにはモードバー信号MODEBが供給される。従って、モード信号MODEが低電位信号Lでモードバー信号MODEBが高電位信号Hの際に、第一スイッチSw1は導通状態となり、第二スイッチSw2は遮断状態となる。即ち、モード信号MODEが低電位信号Lでモードバー信号MODEBが高電位信号Hの際には、第一種アンド回路AND1の第二入力と第一種制御線とが電気的に接続される。又、モード信号MODEが高電位信号Hでモードバー信号MODEBが低電位信号Lの際に、第一スイッチSw1は遮断状態となり、第二スイッチSw2が導通状態となる。即ち、モード信号MODEが高電位信号Hでモードバー信号MODEBが低電位信号Lの際には、第一種アンド回路AND1の第二入力と第二種制御線とが電気的に接続される。
第一スイッチSw1と第二スイッチSw2とがCMOSパスゲートにて構成されると、論理1に対応する信号(例えば高電位信号H)も論理0に対応する信号(例えば低電位信号L)も、第一スイッチSw1や第二スイッチSw2を通過する遅延を短時間とする事ができ、高速動作が可能な走査線駆動回路52が実現する。一方、第一スイッチSw1と第二スイッチSw2とを片チャネル型のトランジスターで形成すると、回路面積を小さくする事ができる。第一スイッチSw1と第二スイッチSw2とを片チャネル型のトランジスターで形成するには、第一スイッチSw1に第一P型トランジスターを用い、第二スイッチSw2に第二N型トランジスターを用いる場合と、第一スイッチSw1に第一N型トランジスターを用い、第二スイッチSw2に第二P型トランジスターを用いる場合とがある。第一スイッチSw1に第一P型トランジスターを用い、第二スイッチSw2に第二N型トランジスターを用いる場合、其々のゲートにはモード信号MODEを供給する。反対に、第一スイッチSw1に第一N型トランジスターを用い、第二スイッチSw2に第二P型トランジスターを用いる場合、其々のゲートにはモードバー信号MODEBを供給する。尚、第一スイッチSw1を介する信号遅延量と第二スイッチSw2を介する信号遅延量とを同程度にするには、第一N型トランジスターのサイズと第二N型トランジスターのサイズとを同一とし、第一P型トランジスターのサイズと第二P型トランジスターのサイズとを同一とするのが好ましい。なお第一スイッチSw1と第二スイッチSw2とを片チャネル型のトランジスターで形成するには、トランジスターの閾値電圧がインバーター等のトリップ電圧と比較して数V程度小さいことが必要である。
共通制御回路54は、更に、図4に示す様に、第二種アンド回路AND2の第二入力と第一種制御線との間にCMOSパスゲートからなる第三スイッチSw3が設けられていても良い。
第三スイッチSw3は第一種制御線と第二種アンド回路AND2の第二入力との間に第三P型トランジスターと第三N型トランジスターとが並列に配置され、第三P型トランジスターのゲートには低電位信号Lが供給され、第三N型トランジスターのゲートには高電位信号Hが供給される。従って、第三スイッチSw3は、走査線駆動回路52が動作している期間は、常にオン状態である。即ち、走査線駆動回路52が動作している期間には、第二種アンド回路AND2の第二入力と第一種制御線とは、常時電気的に接続される。
第三スイッチSw3がCMOSパスゲートにて構成されると、論理1に対応する信号(例えば高電位信号H)も論理0に対応する信号(例えば低電位信号L)も、第三スイッチSw3を通過する遅延を短時間とする事ができ、高速動作が可能な走査線駆動回路52が実現する。一方、第三スイッチSw3を片チャネル型のトランジスターで形成すると、回路面積を小さくする事ができる。第三スイッチSw3を片チャネル型のトランジスターで形成するには、第三スイッチSw3に第三P型トランジスターを用いる場合と、第三スイッチSw3に第三N型トランジスターを用いる場合とがある。第三スイッチSw3に第三P型トランジスターを用いる場合、第三P型トランジスターのゲートには低電位信号Lを供給する。反対に、第三スイッチSw3に第三N型トランジスターを用いる場合、第三N型トランジスターのゲートには高電位信号Hを供給する。尚、第三スイッチSw3を片チャネル型のトランジスターで形成する際には、トランジスターの閾値電圧がインバーター等のトリップ電圧と比較して数V程度小さいことが必要である。
第一種アンド回路AND1に第一種制御信号が入力される際に、第一種制御信号はオン状態にある第一スイッチSw1を経由して来る。第二種アンド回路AND2の第二入力と第一種制御線との間に第三スイッチSw3が設けられる事で、第二種アンド回路AND2に第一種制御信号が入力される際にも、第一種制御信号はオン状態にある第三スイッチSw3を経由してくる事になる。その結果、第一スイッチSw1に基づく信号遅延の時定数と第三スイッチSw3に基づく信号遅延の時定数とを同程度とする事ができ、第一種アンド回路AND1に第一種制御信号が入力される際の信号遅延と、第二種アンド回路AND2に第一種制御信号が入力される際の信号遅延と、を同程度にする事ができる。要するに、第一種走査信号と第二種走査信号との間の位相差を小さくする事ができる。この結果、電気光学装置に走査線駆動回路52を適応した場合、ムラの目立たない均一な表示を得る事ができる。
尚、上述の効果をより確実な物とするには、第一スイッチSw1と第三スイッチSw3とを同じ構成とする事が好ましい。即ち、第一スイッチSw1がCMOS構成ならば、第三スイッチSw3もCMOS構成とし、第一スイッチSw1がP型トランジスターの片チャネル型ならば、第三スイッチSw3もP型トランジスターの片チャネル型とし、第一スイッチSw1がN型トランジスターの片チャネル型ならば、第三スイッチSw3もN型トランジスターの片チャネル型とする。又、これらを構成するトランジスターサイズも第一スイッチSw1と第三スイッチSw3とで同じにするのが好ましい。更に、第一スイッチSw1を介する信号遅延量と第二スイッチSw2を介する信号遅延量とを同程度にするには、第一N型トランジスターのサイズと第二N型トランジスターのサイズとを同一とし、第一P型トランジスターのサイズと第二P型トランジスターのサイズとを同一とするのが好ましい。従って、第一N型トランジスターのサイズと第二N型トランジスターのサイズと第三N型トランジスターのサイズとを同一とし、第一P型トランジスターのサイズと第二P型トランジスターのサイズと第三P型トランジスターのサイズとを同一とするのが最も好ましい。
共通制御回路54は、シフトレジスター回路55と論理回路とが配置された領域の外側に配置されている。即ち、シフトレジスター回路55の各出力段から走査線22に掛けての領域には共通制御回路54は設けられず、シフトレジスター回路55と論理回路とが配置された領域外の上側又は下側の領域に共通制御回路54は設けられる。従って、共通制御回路54からの出力信号を論理回路に供給する為に、第1制御出力線CL1から、第2制御出力線CL2、第3制御出力線CL3、第4制御出力線CL4、、、第(2k)制御出力線CL(2k)と、2k本の制御出力線が備えられている。更に、(2kp+1)行目の走査線G(2kp+1)に設けられた第1の論理回路(1行目の走査線G1に対応する論理回路や、21行目の走査線G21に対応する論理回路や、41行目の走査線G41に対応する論理回路、と続き、801行目の走査線G801に対応する論理回路)には第1制御出力線CL1が電気的に接続され、(2kp+2)行目の走査線G(2kp+2)に設けられた第2の論理回路(2行目の走査線G2に対応する論理回路や、22行目の走査線G22に対応する論理回路や、42行目の走査線G42に対応する論理回路、と続き、802行目の走査線G802に対応する論理回路)には第2制御出力線CL2が電気的に接続され、(2kp+3)行目の走査線G(2kp+3)に設けられた第3の論理回路(3行目の走査線G3に対応する論理回路や、23行目の走査線G23に対応する論理回路や、43行目の走査線G43に対応する論理回路、と続き、803行目の走査線G803に対応する論理回路)には第3制御出力線CL3が電気的に接続され、(2kp+4)行目の走査線G(2kp+4)に設けられた第4の論理回路(4行目の走査線G4に対応する論理回路や、24行目の走査線G24に対応する論理回路や、44行目の走査線G44に対応する論理回路、と続き、804行目の走査線G804に対応する論理回路)には第4制御出力線CL4が電気的に接続され、以下同様にして、(2kp+2k)行目の走査線G(2kp+2k)に設けられた第(2k)の論理回路(2k行目の走査線G(2k)に対応する論理回路や、4k行目の走査線G(4k)に対応する論理回路や、6k行目の走査線G(6k)に対応する論理回路、と続き、m行目の走査線Gmに対応する論理回路)には第(2k)制御出力線CL(2k)が電気的に接続されている。要するに、(2kp+r)行目の走査線G(2kp+r)に設けられた第rの論理回路(r行目の走査線Grに対応する論理回路や、(2k+r)行目の走査線G(2k+r)に対応する論理回路や、(4k+r)行目の走査線G(4k+r)に対応する論理回路、と続き、(m−2k+r)行目の走査線G(m−2k+r)に対応する論理回路)には第r制御出力線CLrが電気的に接続される。ここでrは1からk迄の任意の整数である。この為、第1制御出力線CL1や第2制御出力線CL2、第3制御出力線CL3、第4制御出力線CL4、等2k本の制御出力線の延在方向は、第1の走査線等の走査線22の延在方向と交差する事になる。
要するに、第一スイッチSw1と第二スイッチSw2と第三スイッチSw3とは、シフトレジスター回路55と第一種アンド回路AND1と第二種アンド回路AND2とが配置された領域の外側に配置される。その上で、第一種制御出力線が第一種アンド回路AND1の第二入力と、第一スイッチSw1及び第二スイッチSw2と、を電気的に接続している。第一種制御出力線とは、第2制御出力線CL2、第4制御出力線CL4、、、第(2k)制御出力線CL(2k)と偶数列の制御出力線である。同様に、第二種制御出力線が第二種アンド回路AND2の第二入力と第一種制御線とを電気的に接続している。第二種制御出力線とは、第1制御出力線CL1、第3制御出力線CL3、、、第(2k−1)制御出力線CL(2k−1)と奇数列の制御出力線である。斯うする事で、隣り合う走査線22の間隔を狭くした上で、後述する様に、高速表示を可能にするラインペア走査とずらしラインペア走査とで、ともに領域走査を行う事ができるようになる。
本実施形態で、共通制御回路54は第一スイッチSw1と第二スイッチSw2とは排他的な動作を行うパスゲートで有ったが、共通制御回路54の構成は上述の機能を満たせば、これに限られない。例えば、共通制御回路54を、NAND回路等を使って構成する事も可能である。この場合、イネイブル信号のゲート負荷が常に載る事になる。従って、排他的な動作を行うパスゲートを用いて共通制御回路54を構成した方が、イネイブル信号の容量負荷が軽くなり、高速動作が可能になる。
こうした回路構成の結果、第一種アンド回路AND1には、シフトレジスター回路55の第一種出力に現れるシフト出力信号(第一種出力信号と称する)と、第一種制御線に現れるイネイブル信号(第一種制御信号と称する)又は第二種制御線に現れるイネイブル信号(第二種制御信号と称する)のいずれか一方と、が入力され、これらの論理積が第一種走査線に出力される。例えば、2行目の走査線G2に対応する論理回路(第一種アンド回路AND1)には、シフトレジスター回路55の第2段出力SR2に現れるシフト出力信号と、共通制御回路54から出力される第1イネイブル信号ENB1又は第2イネイブル信号ENB2のいずれか一方と、が入力される。第1イネイブル信号ENB1が入力される際には、第一スイッチSw1がオン状態となっており、第二スイッチSw2はオフ状態である。反対に、第2イネイブル信号ENB2が入力される際には、第二スイッチSw2がオン状態となっており、第一スイッチSw1はオフ状態である。要するに、上述の構成により、第一種走査線へ出力される走査信号(第一種走査信号と称す)が、第一種出力信号と第一種制御信号との論理積の信号と、第一種出力信号と第二種制御信号との論理積の信号と、のいずれか一方とされる。この結果、第一種出力信号と第一種制御信号との論理積の信号と、第一種出力信号と第二種制御信号との論理積の信号と、で切り替えられる事が可能となる。
又、第二種アンド回路AND2には、シフトレジスター回路55の第二種出力に現れるシフト出力信号(第二種出力信号と称する)と第一種制御信号とが入力され、これらの論理積が第二種走査線に出力される(第二種走査線へ出力される信号を第二種走査信号と称す)。例えば、1行目の走査線G1に対応する論理回路(第二種アンド回路AND2)には、シフトレジスター回路55の第1段出力SR1に現れるシフト出力信号と、共通制御回路54から出力される第1イネイブル信号ENB1と、が入力され、これらの論理積が第二種走査信号として第二種走査線に出力される。
この様に、論理回路出力する走査信号が、シフトレジスター回路55からのシフト出力信号と、共通制御回路54にて選ばれたイネイブル信号と、の論理積となるので、ラインペア走査やずらしラインペア走査、領域走査、が実現する事になる。
「論理構成」
図6は論理回路の第二入力に入力され、モード信号MODEによって変化するイネイブル信号を説明した図である。次に、上述の構成をなす走査線駆動回路52の論理回路が参照する信号を説明する。
上述の走査線駆動回路52の構成の結果、各走査線22に対応する論理回路の第二入力(論理回路が参照する信号)はモード信号MODEに応じて異なる事になる。モード信号MODEが低電位信号Lでモードバー信号MODEBが高電位信号Hの際には、ラインペアとなる走査線22の対が同じイネイブル信号を参照する事になる。例えば、1行目の走査線G1に対応する論理回路と2行目の走査線G2に対応する論理回路とは第1イネイブル信号ENB1を参照し、3行目の走査線G3に対応する論理回路と4行目の走査線G4に対応する論理回路とは第2イネイブル信号ENB2を参照する。一方、モード信号MODEが高電位信号Hでモードバー信号MODEBが低電位信号Lの際には、ずらしラインペアとなる走査線22の対が同じイネイブル信号を参照する事になる。例えば、820行目の走査線G820に対応する論理回路と1行目の走査線G1に対応する論理回路とは第1イネイブル信号ENB1を参照し、2行目の走査線G2に対応する論理回路と3行目の走査線G3に対応する論理回路とは第2イネイブル信号ENB2を参照する。
これにより、走査線駆動回路52は、第一表示方式(本実施形態では三次元表示)と第二表示方式(本実施形態では二次元表示)とを切り替え可能な回路となると共に、第一表示方式で領域走査を行いつつ第一駆動方式(本実施形態ではラインペア走査)と第二駆動方式(本実施形態ではずらしラインペア走査)とを交互に繰り返す事が可能となる。又、走査線駆動回路52は第二表示方式でも領域走査を行う事が可能となる。
具体的には、第一駆動方式(本実施形態ではラインペア走査)の際にはモード信号MODEが低電位信号Lでモードバー信号MODEBが高電位信号Hとされる。その結果、共通制御回路54は、第1の論理回路((2kp+1)行目の走査線G(2kp+1)に対応する論理回路で第二種アンド回路AND2)と、第2の論理回路((2kp+2)行目の走査線G(2kp+2)に対応する論理回路で第一種アンド回路AND1)と、に第1イネイブル信号ENB1を入力し、第3の論理回路((2kp+3)行目の走査線G(2kp+3)に対応する論理回路で第二種アンド回路AND2)と、第4の論理回路((2kp+4)行目の走査線G(2kp+4)に対応する論理回路で第一種アンド回路AND1)と、に第2イネイブル信号ENB2を入力し、以下、図6のMODE=Lに示される様に論理回路の参照信号が定められる。要するに、第一駆動方式の際には、第1の走査線と第2の走査線とがラインペアになっており、第3の走査線と第4の走査線とがラインペアになっているので、これらのラインペアを用いて領域走査を実現する事ができる。
一方、第二駆動方式(本実施形態ではずらしラインペア走査)の際にはモード信号MODEが高電位信号Hでモードバー信号MODEBが低電位信号Lとされる。その結果、共通制御回路54は、第1の論理回路に第1イネイブル信号ENB1を入力し、第2の論理回路と第3の論理回路とに第2イネイブル信号ENB2を入力し、第4の論理回路に第3イネイブル信号ENB3を入力し、以下、図6のMODE=Hに示される様に論理回路の参照信号が定められる。言い換えると、第二駆動方式では、第(2k)の走査線と第1の走査線とがずらしラインペアになっており、第2の走査線と第3の走査線とがずらしラインペアになっているので、このずらしラインペアを用いて領域走査を実現する事ができる。この様に、高速表示を可能にするラインペア走査とずらしラインペア走査とで、ともに領域走査を行う事ができる。領域走査に関しては後に詳述する。
第二表示方式(本実施形態では二次元表示)の際には、モード信号MODEが低電位信号Lでモードバー信号MODEBが高電位信号Hとされる。その結果、共通制御回路54は、第1の論理回路と第2の論理回路とに第1イネイブル信号を入力し、第3の論理回路と第4の論理回路とに第2イネイブル信号を入力し、以下、図6のMODE=Lに示される様に論理回路の参照信号が定められる。要するに、第二表示方式の際には、第1の走査線(1行目の走査線G1、21行目の走査線G21、41行目の走査線G41、、、801行目の走査線G801)と第2の走査線(2行目の走査線G2、22行目の走査線G22、42行目の走査線G42、、、802行目の走査線G802)とが第1イネイブル信号ENB1を参照する走査線群になっており、第3の走査線(3行目の走査線G3、23行目の走査線G23、43行目の走査線G43、、、803行目の走査線G803)と第4の走査線(4行目の走査線G4、24行目の走査線G24、44行目の走査線G44、、、804行目の走査線G804)とが第2イネイブル信号ENB2を参照する走査線群になっており、以下、第kイネイブル信号ENBkまで其々について走査線群が形成されている。これらの走査線群を用いて領域走査を実現する事ができるので、走査線を一行ずつ選択して行く第二表示方式にて領域走査が可能となる。
「駆動方法」
図7は、第二表示方式でのタイミングチャートの一例で、具体的には、順シフトにて二次元画像を表示する際のタイミングチャートである。図8は、第一表示方式で第一駆動方式から第二駆動方式へと切り替えられる際のタイミングチャートの一例で、具体的には、順シフトにてラインペア画像を表示した後にずらしラインペア画像を表示する際のタイミングチャートである。図9は、第一表示方式で第二駆動方式から第一駆動方式へと切り替えられる際のタイミングチャートの一例で、具体的には、順シフトにてずらしラインペア画像を表示した後にラインペア画像を表示する際のタイミングチャートである。次に、上述の構成をなす走査線駆動回路52の駆動方法を説明する。
まずは、図7を参照して、領域走査を説明する。順シフトを行うシフトレジスター回路55では、Yスタートパルス信号DYは第1段出力SR1から最終段の第m段出力SRmへと順次転送されて行く。尚、この際に、YクロックCKYの半周期毎にYスタートパルス信号DYが次段の出力に転送されて行くので、本明細書ではYクロックCKYの半周期を1クロック期間(1CK)と呼ぶ。図7に示す駆動方法では、3番目のクロック期間CK3に第1段出力SR1に現れたアクティブ信号(本実施形態では、高電位信号Hで、論理1に相当、第一アクティブ信号A1と称する)は、4番目のクロック期間CK4には第2段出力SR2に現れ、5番目のクロック期間CK5には第3段出力SR3に現れ、以降順次転送されて行き、不図示の(m+2)番目のクロック期間CK(m+2)に最終段の第m段出力SRmに現れる。
通常の駆動方式では、一つのアクティブ信号が最終段の第m段出力SRmを出た後に(上述の例では、例えば、(m+3)番目のクロック期間CK(m+3)に)次の画像を形成する為のアクティブ信号が第1段出力SR1に現れる。従って、ある瞬間では、シフトレジスター回路55からの出力は何処か一段だけの出力がアクティブ状態となっている。
これに対して、領域走査とは、あるアクティブ信号が第1段出力SR1に導入され、順次転送されるが、このアクティブ信号が最終段の第m段出力SRmを出る前に、次のアクティブ信号が第1段出力SR1に現れる駆動方式である。従って、領域走査では、ある瞬間では、シフトレジスター回路55からの出力が複数段の出力でアクティブ状態となっている事もあり得る。言い換えると、複数個のアクティブ信号が同時にシフトレジスター回路55内を転送されている事もあり得るのが領域走査である。実際に、図7では第一アクティブ信号A1が第5段出力SR5に現れている7番目のクロック期間CK7に、次のアクティブ信号(第二アクティブ信号A2)が第1段出力SR1に現れている。その為に、7番目のクロック期間CK7や8番目のクロック期間CK8、9番目のクロック期間CK9などでは、シフトレジスター回路55の出力で2つの段がアクティブ状態となっており、第一アクティブ信号A1と第二アクティブ信号A2との2個のアクティブ信号が同時にシフトレジスター回路55内を移動している。一つのアクティブ信号とイネイブル信号とを用いて形成される画像の一部がサブフィールドと呼ばれる。従って、領域走査を用いると、1枚のフレーム画像は複数個のサブフィールドから構成される事になる。
論理回路から走査線22への出力は、シフトレジスター回路55からのシフト出力信号と共通制御回路54からのイネイブル信号との論理積となるので、シフトレジスター回路55の出力で複数の段がアクティブ状態となっても、イネイブル信号を用いて、走査線22の選択は1本ずつとされる。1クロック期間はk分割され、各分割単位にアドレスが割り当てられる。各アドレスでは、k個のイネイブル信号の内の一つのイネイブル信号だけがアクティブ状態(論理1に相当)となる。本実施形態ではk=10であるので、1クロック期間は10分割され、各分割単位に1から10のアドレスが割り当てられている。第1アドレスでは第2イネイブル信号ENB2がアクティブ状態で他のイネイブル信号はノンアクティブ(論理0に相当)となっている。第2アドレスでは第3イネイブル信号ENB3だけがアクティブ状態となり、以下同様にして、第10アドレスでは第1イネイブル信号ENB1だけがアクティブ状態となる。
こうする事で走査線22の選択は1本ずつなる。具体的に、第二表示方式の際には、第一種走査線に第一種出力信号と第一種制御信号との論理積が供給され、第二種走査線に第二種出力信号と第一種制御信号との論理積が供給されるので、例えば、3番目のクロック期間CK3の第10アドレスで1行目の走査線G1が選択され、1行目の走査線G1に接続する画素21では、第1サブフィールドSF1に相当する表示がなされる。同様に、4番目のクロック期間CK4の第10アドレスで2行目の走査線G2が選択され、2行目の走査線G2に接続する画素21では、第1サブフィールドSF1に相当する表示がなされる。5番目のクロック期間CK5の第10アドレスで3行目の走査線G3が選択され、3行目の走査線G3に接続する画素21では、第1サブフィールドSF1に相当する表示がなされる。6番目のクロック期間CK6の第10アドレスで4行目の走査線G4が選択され、4行目の走査線G4に接続する画素21では、第1サブフィールドSF1に相当する表示がなされる。7番目のクロック期間CK7の第8アドレスで1行目の走査線G1が選択され、1行目の走査線G1に接続する画素21では、ここから第2サブフィールドSF2に相当する表示がなされる。7番目のクロック期間CK7の第10アドレスで5行目の走査線G5が選択され、5行目の走査線G5に接続する画素21では、第1サブフィールドSF1に相当する表示がなされる。以下同様である。こうすると、順シフトの場合、各サブフィールドが帯状の領域をなして、表示領域42の上から下へと移動して行くので、領域走査と呼ばれる。サブフィールドとは、一本の走査線22(例えば1行目の走査線G1)に関しては、シフトレジスター回路55からのあるアクティブ信号(例えば第一アクティブ信号A1)を用いてその走査線22(今の例では、1行目の走査線G1)を選択してから、次のアクティブ信号(例えば第二アクティブ信号A2)を用いてその走査線22(今の例では、1行目の走査線G1)を選択するまでの期間とも言える。尚、図7では、第1イネイブル信号ENB1にのみ第1イネイブル信号ENB1がアクティブとなるアドレス番号を記述してある。
領域走査を行うと、デジタル駆動や極性反転駆動が可能となる。本実施形態では、画像信号Vijにデジタル信号(画像用高電位信号HVと画像用低電位信号LVと)を用い、各サブフィールドの期間を適当に重み付けし、デジタル信号による時分割の階調表現を可能としている。又、画像信号Vijにアナログ信号(階調に応じた電位となる信号)を用い、奇数サブフィールドと偶数サブフィールドとで極性反転駆動を行う事もできる。
図8は、順シフトにて第一表示方式で領域走査を行いつつ第一駆動方式(本実施形態ではラインペア走査)の表示を行った後に、領域走査を行いつつ第二駆動方式(本実施形態ではずらしラインペア走査)の表示を行う際の駆動方法を説明するタイミングチャートである。本実施形態では、シフトレジスター回路55はYスタートパルス信号DYを順シフトするので、YディレクションDIRYは低電位信号Lで、YディレクションバーDIRYBが高電位信号H(図8では省略)である。尚、図8では、1行目の走査線G1が選択される瞬間をt1とし、1クロック期間(1CK)毎に順次t2、t3、としている。又、820行の総ての走査線22のタイミングチャートを記載する事は困難なので、途中は省略してある。この為、t11はt811にも相当する。
領域走査を適応した駆動方法で、1フレーム画像を複数個のサブフィールドを用いて構成し、時分割で階調表現する駆動方法をサブフィールド駆動と称する。領域走査を用いずに通常駆動方式にてサブフレームを用いて、時分割駆動する事も可能であるが、この方式では超高速駆動が必要になってしまう。これに対して、サブフィールド駆動では、実用可能なクロック周期で、デジタル信号を用いて、階調度数の高い画像を表示する事ができる。本実施形態では、1枚のフレーム画像は40セットのフィールド画像からなり、各フィールド画像は2つのサブフィールドから構成される。従って、1枚のフレーム画像は80個のサブフィールドから構成される事になる。
図8に示す様に、1つのサブフィールドは一回のラインペア走査又は一回のずらしラインペア走査にて形成される。1枚のフレーム画像は、第1のラインペア走査LP Scan1から第80のラインペア走査LP Scan80までが行われて、形成される。その後に、出力禁止期間OPPを経て、次のフレーム画像が、第1のずらしラインペア走査SLP Scan1から(不図示の)第80のずらしラインペア走査SLP Scan80までが行われて、形成される。尚、第1のフレーム画像で、第qのラインペア走査LP Scanq(qは1から80までの整数)を行う選択状態の走査信号を作り出すYスタートパルス信号DYを1FSPqとして、図8に記載してある。同様に、図8には、第2のフレーム画像で、第qのずらしラインペア走査SLP Scanq(qは1から80までの整数)を行う選択状態の走査信号を作り出すYスタートパルス信号DYを2FSPqとして、記載してある。
第1のフレーム画像では、ラインペア走査にてサブフィールド駆動を行う。この際に、モード信号MODEは低電位信号Lでモードバー信号MODEBが高電位信号Hとなる。1セットのフィールドで、Yスタートパルス信号DYは2回入力される。例えば、1セット目のフィールド画像は、第1のラインペア走査LP Scan1によるサブフィールドと、第2のラインペア走査LP Scan2によるサブフィールドと、により構成される。第1のラインペア走査LP Scan1は第1フレームの1番目のYスタートパルス信号1FSP1を用いて形成され、第2のラインペア走査LP Scan2は第1フレームの2番目のYスタートパルス信号1FSP2を用いて形成される。
Yスタートパルス信号DYのアクティブ期間(一つのYスタートパルス信号DYがアクティブとなっている期間)は、シフト出力信号のアクティブ期間(一つのシフト出力信号がアクティブとなっている期間)が3クロック期間(3CK)となる様に設定するのが好ましい。1クロック期間(1CK)毎にシフト出力信号は一段進むので、シフトレジスター回路55で隣接する出力でのシフト出力信号のアクティブ期間は、2クロック期間(2CK)分重なり合っている。シフト出力信号のアクティブ期間を3クロック期間(3CK)とするのは、選択状態の走査信号を作り出すのに、シフト出力信号のアクティブ期間の1クロック期間目と2クロック期間目と3クロック期間目との其々においてイネイブル信号と論理積が取られる必要がある為である。例えば、第1段出力SR1の第1フレームの1番目のYスタートパルス信号1FSP1に相当するシフト出力信号のアクティブ期間では、2クロック期間目(t1−t2の期間)に第1イネイブル信号ENB1と論理積が取られて、1行目の走査線G1が第1のラインペア走査LP Scan1での選択状態とされている。又、第2段出力SR2の第1フレームの1番目のYスタートパルス信号1FSP1に相当するシフト出力信号のアクティブ期間では、1クロック期間目(t1−t2の期間)に第1イネイブル信号ENB1と論理積が取られて、2行目の走査線G2が第1のラインペア走査LP Scan1での選択状態とされている。更に、第1段出力SR1の第1フレームの2番目のYスタートパルス信号1FSP2に相当するシフト出力信号のアクティブ期間では、3クロック期間目(t10−t11の期間)に第1イネイブル信号ENB1と論理積が取られて、1行目の走査線G1が第2のラインペア走査LP Scan2での選択状態とされている。この様に、シフト出力信号のアクティブ期間は3クロック期間(3CK)とされるのが好ましいが、これに限定される訳ではない。アクティブ状態のシフト出力信号とアクティブ状態のイネイブル信号との論理積で、独立した3つのアクティブ状態の走査信号を作成できれば、例えば、シフト出力信号のアクティブ期間が5クロック期間(5CK)とされても良い。本実施形態では、イネイブル信号の入力タイミングの自由度(即ち、サブフィールド期間の重み付けの自由度)を最大限に確保する為に、シフト出力信号のアクティブ期間を最短の3クロック期間(3CK)としている。
イネイブル信号のアクティブ期間(一つのイネイブル信号がアクティブとなっている期間)は、1クロック期間(1CK)である事が好ましい。一つのイネイブル信号がアクティブになった後に2クロック期間(2CK)遅れて次のイネイブル信号がアクティブとなる。例えば、第1イネイブル信号ENB1がアクティブとなった瞬間(t1)に2クロック期間(2CK)遅れて(今の例ではt3)、第2イネイブル信号ENB2がアクティブとなる。又、第10イネイブル信号ENB10がアクティブとなった瞬間に2クロック期間(2CK)遅れて、第1イネイブル信号ENB1がアクティブとなる。従って、1つのフィールド画像を形成する期間中のイネイブル信号の周期は、イネイブル信号の数kの2倍のクロック期間、即ち(2k)クロック期間(2kCK)である。
奇数サブフィールドと偶数サブフィールドとに対応すべく、イネイブル信号の周期内にイネイブル信号は2回アクティブ状態となる。あるサブフィールドを構成するイネイブル信号がr番目のクロック期間CKrでアクティブとなった場合、次のサブフィールドを構成する為のイネイブル信号はsクロック期間(sCK)後の(r+s)番目のクロック期間CK(r+s)となる。ここで、sは、SRA<s<(2k−SRA)を満たす奇数で、SRAはシフト出力信号のアクティブ期間である。本実施形態では、上述の様に、k=10、SRA=3、であるので、sは5から15迄の奇数から選ばれる。こうすると、第1のサブフィールド(例えば奇数サブフィールド)がYクロックCKY周期の一方の半周期(今の例の場合、YクロックCKYが高電位信号Hとなっている半周期)を用いて形成されれば、次の第2のサブフィールド(例えば偶数サブフィールド)はYクロックCKY周期の他方の半周期(今の例の場合、YクロックCKYが低電位信号Lとなっている半周期)を用いて形成される事になる為、第1のサブフィールドと第2のサブフィールドとが干渉する事がなくなるからである。言い換えると、sを奇数とする事で、第1のサブフィールドを形成する為の走査線22の選択信号と第2のサブフィールドを形成する為の走査線22の選択信号とが同時にアクティブとなる事態を避ける事ができる。更に、sをSRAよりも大きい値で、且つ(2k−SRA)よりも小さい値とする事で、第1のサブフィールドを作り出すYスタートパルス信号DYのアクティブ期間と第2のサブフィールドを作り出すYスタートパルス信号DYのアクティブ期間とを分離でき、領域走査が実現される。本実施形態では、奇数サブフィールドを構成するイネイブル信号に9クロック期間(9CK)遅れて、次の偶数サブフィールドを構成するイネイブル信号がアクティブとなっている。即ち、s=9となっている。これに応じて、偶数サブフィールドを構成するイネイブル信号に(2k−s)の11クロック期間(11CK)遅れて、次の奇数サブフィールドを構成するイネイブル信号がアクティブとなっている。例えば、図8では、第1のラインペア走査LP Scan1に対応して、第1イネイブル信号ENB1がt1からt2の期間にアクティブとなり、これに9クロック期間(9CK)遅れて、第2のラインペア走査LP Scan2に対応すべく、第1イネイブル信号ENB1はt10からt11の期間に再度アクティブとなっている。
第一表示方式の際には第一駆動方式と第二駆動方式とが交互に行われ、第一駆動方式の際には、第一種走査線に第一種出力信号と第一種制御信号との論理積が供給され、第二種走査線に第二種出力信号と第一種制御信号との論理積が供給されるので、図6のMODE=Lに示す様にラインペア毎に参照するイネイブル信号が定められる。更に、上述の様に、シフトレジスター回路55で隣接する出力でのシフト出力信号のアクティブ期間が2クロック期間(2CK)分重なり合っている。これらの結果、図8に示す様に、1行目の走査線G1と2行目の走査線G2、3行目の走査線G3と4行目の走査線G4、5行目の走査線G5と6行目の走査線G6という様なラインペアとなって、走査線22は選択状態とされて行く。この様にして、第1サブフィールドとして第1のラインペア走査LP Scan1が行われる。
次に第2サブフィールドを形成すべく、第1フレームの2番目のYスタートパルス信号1FSP2がシフトレジスター回路55に入力される。第1フレームの2番目のYスタートパルス信号1FSP2は、第1フレームの1番目のYスタートパルス信号1FSP1に対して、本実施形態では、8クロック期間(8CK)遅れている。すると、先と同様にして、1行目の走査線G1と2行目の走査線G2、3行目の走査線G3と4行目の走査線G4、5行目の走査線G5と6行目の走査線G6という様なラインペアとなって走査線22は選択状態とされて行く。即ち、第2サブフィールドとして第2のラインペア走査LP Scan2が実現される。この際に、先にも述べた様に、イネイブル信号(第1イネイブル信号ENB1から第10イネイブル信号ENB10)は、其々9クロック期間(9CK)又は11クロック期間(11CK)毎にアクティブになる様に設定されているので、第1のラインペア走査LP Scan1と第2のラインペア走査LP Scan2とで、走査線22の選択期間が重なる事はない。こうして、ラインペア走査での領域走査が成立する事になる。
第2のラインペア走査LP Scan2を開始するタイミングは、奇数サブフィールドと偶数サブフィールドとの重み付けの比に応じて、領域走査が実現する様に設定される。即ち、第1フレームの1番目のYスタートパルス信号1FSP1がシフトレジスター回路55に入力されてから、第1フレームの2番目のYスタートパルス信号1FSP2がシフトレジスター回路55に入力される迄の期間は第1サブフィールドの期間と第2サブフィールドの期間とに応じて、領域走査が実現する様に設定される。上述の如く本実施形態では、第1フレームの偶数番目のYスタートパルス信号(例えば1FSP2)は、その直前の奇数番目のYスタートパルス信号(例えば1FSP1)に8クロック期間(8CK)遅れていたが、この遅れ量はこの値に限られる訳ではない。例えば、図8に破線で示したタイミング(図8では(1FSP2)と記載)で第1フレームの2番目のYスタートパルス信号1FSP2を開始することも可能である。
一般に、あるサブフィールド(例えば、第1サブフィールド)を構成する為のイネイブル信号と次のサブフィールド(この例では、第2サブフィールド)を構成する為のイネイブル信号との間隔が、sクロック期間(sCK)の場合(本実施形態では、一例としてs=9)、最初のサブフィールド(この例では、第1サブフィールド)を構成する為のYスタートパルス信号(この例では、1番目のYスタートパルス信号1FSP1)と次のサブフィールド(この例では、第2サブフィールド)を構成する為のYスタートパルス信号(この例では、2番目のYスタートパルス信号1FSP2)との間隔は、(s−1+2kr)クロック期間((s−1+2kr)CK)とされる。ここで、kはイネイブル信号の数であり、rは0以上の整数である。本実施形態では、s=9、k=10、r=0であり、図8に破線にて示した2番目のYスタートパルス信号(1FSP2)の場合には、r=1とされている。この関係を満たすと、ラインペア走査にて領域走査が実現する。
以降、同様にして、第80サブフィールドとして第80のラインペア走査LP Scan80までが行われ、第一駆動方式での領域走査が実現する事になる。第80のラインペア走査LP Scan80が終了した後、モード信号MODEとモードバー信号MODEBとを反転させて、モード信号MODEが高電位信号Hでモードバー信号MODEBが低電位信号Lとする。こうすると、第二駆動方式の際には、第一種走査線に第一種出力信号と第二種制御信号との論理積が供給され、第二種走査線に第二種出力信号と第一種制御信号との論理積が供給されるので、図6のMODE=Hに示す様に、ずらしラインペア毎に参照するイネイブル信号が定められる。その結果、ずらしラインペア走査が可能な状態となる。
モード信号MODEとモードバー信号MODEBとを反転させる際には、図8に示す様に、イネイブル信号の出力を禁止する出力禁止期間OPPを設ける事が望ましい。即ち、第一駆動方式と第二駆動方式との間には出力禁止期間OPPが設けられ、出力禁止期間では、第一種制御信号と第二種制御信号とは論理0に相当する事が好ましい。即ち、出力禁止期間では、総てのイネイブル信号がノンアクティブになっている事が好ましい。こうすると、第一駆動方式と第二駆動方式とが切り替えられる際に生じ得る誤動作を回避する事ができるからである。第一駆動方式と第二駆動方式とが切り替えられる際には(モード信号MODEとモードバー信号MODEBを反転させる際には)、論理状態の異なるイネイブル信号線同士を切り替える事になる。具体的には、第一種アンド回路AND1の第二入力は第一種制御線と第二種制御線とで接続先が交換される。その為に、出力禁止期間を設けないと、接続先の交換の際に、貫通電流が発生して電源の電圧降下を生じめ、電気光学装置は意図せぬシャットダウンに陥る恐れがある。これに対して、出力禁止期間を設ける事で、不要な貫通電流の発生を抑制する事ができる。従って、出力禁止期間を設ける事で、電気光学装置が瞬間的な大きな貫通電流により、動作停止になる事態を回避する事ができる。
出力禁止期間を設けると、1枚のフレーム画像を形成する為の最終偶数サブフィールド(本実施形態では、第80のラインペア走査LP Scan80)の重み付け(即ち、第80のラインペア走査LP Scan80開始位置)によっては、最終偶数サブフィールドが画面を走査中に、イネイブル信号が総てノンアクティブとなる出力禁止期間に掛かる可能性がある。こうした場合には第80のラインペア走査LP Scan80を省いても良い。
通常、一枚のフレーム画像は偶数枚のサブフィールドによって構成される。第一駆動方式又は第二駆動方式にて形成される1枚のフレーム画像は、f枚のフィールド画像から構成され(fは2以上の整数で、本実施形態では、一例としてf=40)、各フィールド画像が偶数個のサブフィールドからなるのが一般である。実際に、本実施形態では、1枚のフィールド画像は2個のサブフィールドから構成されている。但し、この際に、偶数番目の最終サブフィールドの重み付け(最終サブフィールドの期間)によっては、偶数番目の最終サブフィールドが表示領域を走査中に出力禁止期間が始まる恐れがある。こうした場合、偶数番目の最終サブフィールドを省略し、その一つ前の奇数番目のサブフィールドを実質的な最終サブフィールドとすると、出力禁止期間が始まった段階で、全走査線で奇数番目の最終サブフィールドの書き込みが既に行われているので、その結果に応じた表示が続く事になる。要するに、1枚目のフィールド画像からf−1枚目のフィールド画像の各々は偶数個のサブフィールドから構成され、f枚目のフィールド画像は奇数個のサブフィールドから構成される様にする。こうすると、本来予定されていた偶数番目の最終サブフィールドに於ける表示不良が回避されるので、良好な表示を実現する事ができる。図10(b)に示す様に、第一表示方式の際には第21サブフィールドから第40サブフィールド及び第61サブフィールドから第80サブフィールドは、右眼用映像と左眼用映像の切り替えの為に黒表示となっている。従って第79サブフィールドに於いて、黒が書きこまれているので、そのまま新たな書き込み動作をせずに第80サブフィールドの黒として使用できる訳である。
出力禁止期間はkクロック期間(kCK)又はこの整数倍とするのが好ましい。こうすると表示用信号の制御が容易となるからである。又、出力禁止期間は最終サブフィールドだけに設け、その他のサブフィールドには出力禁止期間を設定しない事も可能であるが、表示用信号の制御を容易にするには、総てのサブフィールドに同じ期間の出力禁止期間を設けるのが好ましい。本実施形態では、1枚のフィールド画像が2個のサブフィールドからなり、各サブフィールドがkクロック期間(kCK)の出力禁止期間を有している為に、1枚のフィールド画像に2kクロック期間(2kCK)の奇数サブフィールド帰還期間OSRPが設けられている。奇数サブフィールド帰還期間OSRPとは、あるフィールド画像の奇数サブフィールドの走査(例えば、第1のラインペア走査LP Scan1)が終了してから、次のフィールド画像の奇数サブフィールドの走査(例えば、第3のラインペア走査LP Scan3)が開始されるまでの期間である。実際に図8では、時刻t820に第1のラインペア走査LP Scan1が終了し、20クロック期間(20CK)の奇数サブフィールド帰還期間OSRPを経て、時刻t841に第3のラインペア走査LP Scan3が開始されている。
出力禁止期間OPPにモード信号MODEとモードバー信号MODEBとが反転された後に、次のフレーム画像を形成すべく、第二駆動方式が開始される。第2のフレーム画像は、ずらしラインペア走査にてサブフィールド駆動で形成される。即ち、1セットのフィールド画像は、ずらしラインペア走査にて奇数サブフィールドと偶数サブフィールドとで構成される。例えば、1セット目のフィールド画像は第1のずらしラインペア走査SLP Scan1によるサブフィールドと、第2のずらしラインペア走査SLP Scan2によるサブフィールドと、により構成される。第1のずらしラインペア走査SLP Scan1は第2フレームの1番目のYスタートパルス信号2FSP1を用いて形成され、第2のずらしラインペア走査SLP Scan2は第2フレームの2番目のYスタートパルス信号2FSP2を用いて形成される。
ずらしラインペア走査を行うには、最初のサブフィールド(この例では、第1サブフィールド)を構成する為のYスタートパルス信号(この例では、1番目のYスタートパルス信号2FSP1)と次のサブフィールド(この例では、第2サブフィールド)を構成する為のYスタートパルス信号(この例では、2番目のYスタートパルス信号2FSP2)との間隔を、(s+1+2kr)クロック期間((s+1+2kr)CK)とする。ここで、kはイネイブル信号の数であり、rは0以上の整数である。本実施形態では、s=9、k=10、r=0であり、1番目のYスタートパルス信号2FSP1と2番目のYスタートパルス信号2FSP2との間隔は、10クロック期間(10CK)とされている。この様に、ずらしラインペア走査で領域走査を行う際の奇数番目のYスタートパルス信号DYとそれに続く偶数番目のYスタートパルス信号DYとの間隔は、ラインペア走査で領域走査を行う際の奇数番目のYスタートパルス信号DYとそれに続く偶数番目のYスタートパルス信号DYとの間隔によりも2クロック期間(2CK)長くする。
こうすると、第一種アンド回路AND1が参照するイネイブル信号が、図6のMODE=Hに示される様に変更される為、1行目の走査線G1、2行目の走査線G2と3行目の走査線G3とのずらしラインペア、4行目の走査線G4と5行目の走査線G5とのずらしラインペア、、、820行目の走査線G820、という様にずらしラインペアとなって走査線22が選択されて行き、第1のずらしラインペア走査SLP Scan1が可能となる。
第2のフレーム画像での1番目のYスタートパルス信号2FSP1に対して10クロック期間(10CK)遅れて、第2のフレーム画像での2番目のYスタートパルス信号2FSP2がシフトレジスター回路55に入力されると、先と同様に、1行目の走査線G1、2行目の走査線G2と3行目の走査線G3とのずらしラインペア、4行目の走査線G4と5行目の走査線G5とのずらしラインペア、、、820行目の走査線G820、という様にずらしラインペアとなって走査線22が選択されて行き、第2のずらしラインペア走査SLP Scan2が可能となる。ラインペア走査と同様に、各イネイブル信号はsクロック期間(sCK)又は(2k−s)クロック期間((2k−s)CK)毎にアクティブとされているので、第1のずらしラインペア走査SLP Scan1で走査線22が選択状態とされている期間と第2のずらしラインペア走査SLP Scan2で走査線22が選択状態とされている期間とが重なる事はない。こうしてずらしラインペア走査による領域走査が成立する。
図9は、順シフトにて第一表示方式で領域走査を行いつつ第二駆動方式(本実施形態ではずらしラインペア走査)の表示を行った後に、領域走査を行いつつ第一駆動方式(本実施形態ではラインペア走査)の表示を行う際の駆動方法を説明するタイミングチャートである。本実施形態では、シフトレジスター回路55はYスタートパルス信号DYを順シフトするので、YディレクションDIRYは低電位信号Lで、YディレクションバーDIRYBが高電位信号H(図9では省略)である。尚、図9では、1行目の走査線G1が選択される瞬間をt1とし、1クロック期間(1CK)毎に順次t2、t3、としている。又、820行の総ての走査線22のタイミングチャートを記載する事は困難なので、途中は省略してある。この為、t11はt811にも相当する。
まず、モード信号MODEが高電位信号Hでモードバー信号MODEBが低電位信号Lとする。こうすると、第二駆動方式の際には、第一種走査線に第一種出力信号と第二種制御信号との論理積が供給され、第二種走査線に第二種出力信号と第一種制御信号との論理積が供給されるので、図6のMODE=Hに示す様に、ずらしラインペア毎に参照するイネイブル信号が定められる。その結果、ずらしラインペア走査が可能な状態となる。この状態で、シフトレジスター回路55に第1のフレーム画像での1番目のYスタートパルス信号1FSP1を導入する。すると、1行目の走査線G1、2行目の走査線G2と3行目の走査線G3とのずらしラインペア、4行目の走査線G4と5行目の走査線G5とのずらしラインペア、、、820行目の走査線G820、という様にずらしラインペアとなって走査線22が選択されて行き、第1のずらしラインペア走査SLP Scan1が可能となる。
第1のフレーム画像での1番目のYスタートパルス信号1FSP1に対して10クロック期間(10CK)遅れて、第1のフレーム画像での2番目のYスタートパルス信号1FSP2がシフトレジスター回路55に入力されると、先と同様に、1行目の走査線G1、2行目の走査線G2と3行目の走査線G3とのずらしラインペア、4行目の走査線G4と5行目の走査線G5とのずらしラインペア、、、820行目の走査線G820、という様にずらしラインペアとなって走査線22が選択されて行き、第2のずらしラインペア走査SLP Scan2が可能となる。以下同様にして、第80のずらしラインペア走査SLP Scan80迄が行われる。
尚、一般に、あるサブフィールド(例えば、第1サブフィールド)を構成する為のイネイブル信号と次のサブフィールド(この例では、第2サブフィールド)を構成する為のイネイブル信号との間隔が、sクロック期間(sCK)の場合(本実施形態では、一例としてs=9)、最初のサブフィールド(この例では、第1サブフィールド)を構成する為のYスタートパルス信号(この例では、1番目のYスタートパルス信号1FSP1)と次のサブフィールド(この例では、第2サブフィールド)を構成する為のYスタートパルス信号(この例では、2番目のYスタートパルス信号1FSP2)との間隔は、(s+1+2kr)クロック期間((s+1+2kr)CK)とされる。ここで、kはイネイブル信号の数であり、rは0以上の整数である。本実施形態では、s=9、k=10、r=0であり、1番目のYスタートパルス信号1FSP1と2番目のYスタートパルス信号1FSP2との間隔は、10クロック期間(10CK)とされている。これに限らず、奇数サブフィールドを構成する為のYスタートパルス信号と次の偶数サブフィールドを構成する為のYスタートパルス信号との間隔は、(s+1+2kr)クロック期間((s+1+2kr)CK)とする事ができ、例えば、図9に破線にて示したタイミングで2番目のYスタートパルス信号(1FSP2)を導入しても良い。ちなみにこの場合には、r=1とされている。この関係を満たす事で、ずらしラインペア走査にて領域走査が実現する。
第80のずらしラインペア走査SLP Scan80迄が行われた後に、出力禁止期間を経て、第2のフレーム画像を、ラインペア走査を用いて形成する。第2のフレーム画像の形成方法は、先に図8を用いて説明したラインペア画像の形成方法と同じである。
「表示方法」
図10は、表示方法を説明した図で、(a)は第二表示方式を説明し、(b)は第一表示方式を説明している。次に、図10を参照して、高精細な二次元画像の表示方法と、三次元画像の表示方法と、を説明する。
図10(a)に示す様に、第二表示方式にて高精細な二次元画像をデジタル表示するには、1枚のフレーム画像が4枚のフィールド画像にて形成され、各フィールド画像は10個のサブフィールドにて構成される。従って、1枚のフレーム画像は40個のサブフィールドから構成される。一つのサブフィールドで各画素21は明表示又は暗表示のデジタル表示を行う。1枚のフィールド画像を構成する各サブフィールドはそれぞれ異なったサブフィールド期間を有するので、40個のサブフィールドにより、画素21毎に明表示の期間と暗表示の期間とを細かく設定する事が可能となり、高い階調表現が高精細な表示領域42で実現する。
図10(b)に示す様に、第一表示方式にて三次元画像をデジタル表示するには、第一駆動方式(ラインペア走査LP Scan)と第二駆動方式(ずらしラインペア走査SLP Scan)とが交互に繰り返される。第一駆動方式や第二駆動方式で形成される1枚のフレーム画像は40枚のフィールド画像にて形成され、各フィールド画像は2個のサブフィールド(即ち、第1サブフィールドと第2サブフィールド)にて構成される。従って、1枚のフレーム画像は80個のサブフィールドから構成される。40枚のフィールド画像で第1サブフィールドと第2サブフィールドとの重み付けは同じとされている。即ち、80個のサブフィールドを構成する40個の奇数サブフィールドの期間は皆同じであり、又、80個のサブフィールドを構成する40個の偶数サブフィールドの期間も皆同じである。斯うする事で表示用信号の制御が容易となる。
第1のフレーム画像を構成する40枚のフィールド画像の内で最初の10枚のフィールド画像(第1サブフィールドSF1から第20サブフィールドSF20)は、右眼用のラインペア画像とされる。右眼用のラインペア画像では、20個のサブフィールドを用いて画素21毎に明表示の期間と暗表示の期間とが細かく設定され、時分割のデジタル階調表現が実現される。次の10枚のフィールド画像(第21サブフィールドSF21から第40サブフィールドSF40)は暗表示画像とされ、この期間に立体視用眼鏡10の右眼用シャッター12と左眼用シャッター14とが切り替えられる。次の10枚のフィールド画像(第41サブフィールドSF41から第60サブフィールドSF60)は、左眼用のラインペア画像とされる。左眼用のラインペア画像では、20個のサブフィールドを用いて画素21毎に明表示の期間と暗表示の期間とが細かく設定され、時分割のデジタル階調表現が実現される。次の10枚のフィールド画像(第61サブフィールドSF61から第80サブフィールドSF80)は暗表示画像とされ、この期間に立体視用眼鏡10の右眼用シャッター12と左眼用シャッター14とが再度切り替えられる。
第2のフレーム画像を構成する40枚のフィールド画像の内で最初の10枚のフィールド画像(第1サブフィールドSF1から第20サブフィールドSF20)は、右眼用のずらしラインペア画像とされる。右眼用のずらしラインペア画像では、20個のサブフィールドを用いて画素21毎に明表示の期間と暗表示の期間とが細かく設定され、時分割のデジタル階調表現が実現される。次の10枚のフィールド画像(第21サブフィールドSF21から第40サブフィールドSF40)は暗表示画像とされ、この期間に立体視用眼鏡10の右眼用シャッター12と左眼用シャッター14とが切り替えられる。次の10枚のフィールド画像(第41サブフィールドSF41から第60サブフィールドSF60)は、左眼用のずらしラインペア画像とされる。左眼用のずらしラインペア画像では、20個のサブフィールドを用いて画素21毎に明表示の期間と暗表示の期間とが細かく設定され、時分割のデジタル階調表現が実現される。次の10枚のフィールド画像(第61サブフィールドSF61から第80サブフィールドSF80)は暗表示画像とされ、この期間に立体視用眼鏡10の右眼用シャッター12と左眼用シャッター14とが再度切り替えられる。以下同じサイクルが繰り返されて、三次元表示が実現する。
第一表示方式では、奇数番目のフレーム画像では、ラインペア走査を用いて奇数画像が表示され、偶数番目のフレーム画像では、ずらしラインペア走査を用いて偶数画像が表示される。
奇数画像とは、元になる1フレームの画像(フルフレーム画像と称する、本実施形態では、縦800画素×横1280画素のWXGA画像)の内から、奇数行の画像信号を用いて形成された画像である。言い換えると、フルフレーム画像から奇数行で表示されている画像を選び出した画像が、奇数画像である。本実施形態では、1フルフレーム画像の縦方向に800画素あるので、フルフレーム画像の1行目の画像信号V1jや、フルフレーム画像の3行目の画像信号V3jや、フルフレーム画像の5行目の画像信号V5j等、400行分の奇数行目の画像信号を用いて、奇数画像を形成する。その際に、ラインペアとなって隣り合っている2本の走査線22に接続する画素21に同じ画像信号を供給して行く。例えば、11行目の走査線G11と12行目の走査線G12とに接続する画素21にフルフレーム画像の1行目の画像信号V1jを供給し、13行目の走査線G13と14行目の走査線G14とに接続する画素21にフルフレーム画像の3行目の画像信号V3jを供給し、以下同様にして、809行目の走査線G809と810行目の走査線G810とに接続する画素21にフルフレーム画像の799行目の画像信号V779jを供給する。尚、電気光学装置20の表示領域42は画像領域と調整領域とを含んでいる。画像領域は実際に画像が表示される領域で、この画像領域の上下に走査線22が10本分の調整領域が設けられている。画像領域の画素21には画像信号が供給され、調整領域の画素21には黒信号Blackが供給される。ラインペア走査では、調整領域は、1行目の走査線G1から10行目の走査線G10までの走査線22に接続する画素21と、m−9行目の走査線Gm−9からm行目の走査線Gmまでの走査線22に接続する画素21と、が為す領域であり、画像領域は、11行目の走査線G11からm−10行目の走査線Gm−10までの走査線22に接続する画素21が為す領域である。
偶数画像とは、元になる1フルフレーム画像の内から、偶数行の画像信号を用いて形成された画像である。言い換えると、フルフレーム画像から偶数行で表示されている画像を選び出した画像が、偶数画像である。本実施形態では、フルフレーム画像の2行目の画像信号V2jや、フルフレーム画像の4行目の画像信号V4jや、フルフレーム画像の6行目の画像信号V6j等、400行分の偶数行目の画像信号を用いて、偶数画像を形成する。その際に、ずらしラインペアとなって隣り合っている2本の走査線22に接続する画素21に、同じ画像信号を供給して行く。例えば、12行目の走査線G12と13行目の走査線G13とに接続する画素21にフルフレーム画像の2行目の画像信号V2jを供給し、14行目の走査線G14と15行目の走査線G15とに接続する画素21にフルフレーム画像の4行目の画像信号V4jを供給し、以下同様にして、810行目の走査線G810と811行目の走査線G811とに接続する画素21にフルフレーム画像の800行目の画像信号V800jを供給する。この際に、調整領域は、1行目の走査線G1から11行目の走査線G11までの走査線22に接続する画素21と、m−8行目の走査線Gm−8からm行目の走査線Gmまでの走査線22に接続する画素21と、が為す領域であり、画像領域は、12行目の走査線G12からm−9行目の走査線Gm−9までの走査線22に接続する画素21が為す領域である。先と同様に、調整領域の画素21には黒信号Blackが供給される。この様に、偶数画像が奇数画像に対して走査線1行分だけ下にずれているので、時分割で高精細なフルフレーム画像を正確に表示する事が可能になる。
「他の電子機器」
電気光学装置20は上述の駆動方法で駆動されるが、この電気光学装置20を組み込んだ電子機器としては、図1を参照して説明したプロジェクターの他にも、リアプロジェクション型テレビ、直視型テレビ、携帯電話、携帯用オーディオ機器、パーソナルコンピューター、ビデオカメラのモニター、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳、電卓、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、ディジタルスチルカメラなどを挙げる事ができる。
(実施形態2)
「第二群イネイブルを用いた形態」
図11は、実施形態2に係わる走査線駆動回路の回路構成図である。次に、図11を参照して、実施形態2に係わる走査線駆動回路52を説明する。尚、実施形態1と同一の構成部位については、同一の符号を附し、重複する説明は省略する。
図11に示す本実施形態の走査線駆動回路52は、図4に示された実施形態1の走査線駆動回路52と比べて、第一群イネイブル信号に加えて、第二群イネイブル信号を用いている点が異なっている。それ以外の構成は、実施形態1とほぼ同様である。実施形態1の走査線駆動回路52(図4)では、k本のイネイブル信号線と共通制御回路54とが用いられていた。これに対し、本実施形態では共通制御回路54をなくし、代わりに更にk本のイネイブル信号線を用いている。
本実施形態に於いても、走査線駆動回路は、第一表示方式と第二表示方式とを切り替え可能な回路となっており、信号をシフトし、一段毎にシフト出力信号を出力するシフトレジスター回路と、論理回路と、イネイブル信号線と、を備えている。イネイブル信号線は第一群イネイブル信号線と第二群イネイブル信号線とを含んでいる。第一群イネイブル信号線とは、第一群イネイブル信号1GENB(α)が供給され、第一群第1イネイブル信号1GENB1が供給される第一群第1イネイブル信号線から第一群第kイネイブル信号1GENBkが供給される第一群第kイネイブル信号線までのk本の第一群イネイブル信号線の群である。尚、kは1以上の整数で、αは1からk迄の整数である。第二群イネイブル信号線とは、第二群イネイブル信号2GENB(β)が供給され、第二群第1イネイブル信号2GENB1が供給される第二群第1イネイブル信号線から第二群第kイネイブル信号2GENBkが供給される第二群第kイネイブル信号線までのk本の第二群イネイブル信号線の群である。βも1からk迄の整数である。第一群イネイブル信号1GENB(α)は実施形態1に於けるイネイブル信号に相当する。
論理回路には、シフトレジスター回路55からのシフト出力信号と、第一群第1イネイブル信号から第二群第kイネイブル信号のいずれかの信号と、が入力され、これらの信号を受けて、論理回路は対応する走査線に走査信号を出力する。
第一群イネイブル信号線と第二群イネイブル信号線からのイネイブル信号を論理回路に供給する為に、第1制御出力線CL1から、第2制御出力線CL2、第3制御出力線CL3、第4制御出力線CL4、、、第(2k)制御出力線CL(2k)と、2k本の制御出力線が備えられている。更に、第1の論理回路には第1制御出力線CL1が電気的に接続され、第2の論理回路には第2制御出力線CL2が電気的に接続され、第3の論理回路には第3制御出力線CL3が電気的に接続され、第4の論理回路には第4制御出力線CL4が電気的に接続され、以下同様にして、第(2k)の論理回路には第(2k)制御出力線CL(2k)が電気的に接続されている。この為、第1制御出力線CL1や第2制御出力線CL2、第3制御出力線CL3、第4制御出力線CL4、等2k本の制御出力線の延在方向は、第1の走査線等の走査線22の延在方向と交差する事になる。
要するに、第一群イネイブル信号1GENB(α)が(2α−1+2kp)行目の走査線G(2α−1+2kp)に伝えられるべく(pは0からm/(2k)−1迄の整数)、第一群第αイネイブル信号線は第(2α−1)の走査線に対応する第(2α−1)の論理回路に電気的に接続される(αは1からk迄の整数)。即ち、第二種制御出力線が第二種アンド回路AND2の第二入力と第一群イネイブル信号線とを電気的に接続する。第二種制御出力線とは、第1制御出力線CL1、第3制御出力線CL3、、、第(2k−1)制御出力線CL(2k−1)と奇数列の制御出力線である。具体的には、第一群第1イネイブル信号線が第1の走査線22の論理回路(第二種アンド回路AND2)の第二入力に第1制御出力線CL1にて接続され、第一群第2イネイブル信号線が第3の走査線22の論理回路(第二種アンド回路AND2)の第二入力に第3制御出力線CL3にて接続され、以下同様にして、第一群第kイネイブル信号線が第(2k−1)の走査線22の論理回路(第二種アンド回路AND2)の第二入力に第(2k−1)制御出力線CL(2k−1)にて接続される。
同様に、第二群イネイブル信号2GENB(β)が(2β+2kp)行目の走査線G(2β+2kp)に伝えられるべく(pは0からm/(2k)−1迄の整数)、第二群第βイネイブル信号線は第(2β)の走査線に対応する第(2β)の論理回路に電気的に接続される(βは1からk迄の整数)。即ち、第一種制御出力線が第一種アンド回路AND1の第二入力と第二群イネイブル信号線とを電気的に接続している。第一種制御出力線とは、第2制御出力線CL2、第4制御出力線CL4、、、第(2k)制御出力線CL(2k)と偶数列の制御出力線である。具体的には、第二群第1イネイブル信号線が第2の走査線22の論理回路(第一種アンド回路AND1)の第二入力に第2制御出力線CL2にて接続され、第二群第2イネイブル信号線が第4の走査線22の論理回路(第一種アンド回路AND1)の第二入力に第4制御出力線CL4にて接続され、以下同様にして、第二群第kイネイブル信号線が第(2k)の走査線22の論理回路(第一種アンド回路AND1)の第二入力に第(2k)制御出力線CL(2k)にて接続される。
上述の構成とする事で、隣り合う走査線22の間隔を狭くした上で、高速表示を可能にするラインペア走査とずらしラインペア走査とで、ともに領域走査を行う事ができるようになる。次に図12と図13とを参照して、本実施形態での駆動方法を説明する。
図12は、順シフトにて第一表示方式で領域走査を行いつつ第一駆動方式(本実施形態ではラインペア走査)の表示を行った後に、領域走査を行いつつ第二駆動方式(本実施形態ではずらしラインペア走査)の表示を行う際の駆動方法を説明するタイミングチャートである。本実施形態では、シフトレジスター回路55はYスタートパルス信号DYを順シフトするので、YディレクションDIRYは低電位信号Lで、YディレクションバーDIRYBが高電位信号H(図12では省略)である。
本実施形態でも、第一表示方式の際には第一駆動方式と第二駆動方式とが交互に行われ、第一駆動方式では、第一群第αイネイブル信号1GENB(α)と第二群第αイネイブル信号2GENB(α)とが等しくなる。例えば図12に示す様に、ラインペア走査の際には第一群第1イネイブル信号1GENB1と第二群第1イネイブル信号2GENB1とが等しくなる。
第二駆動方式では、第一群第(α+1)イネイブル信号1GENB(α+1)と第二群第αイネイブル信号2GENB(α)とが等しくなる。例えば図12に示す様に、ずらしラインペア走査の際には第一群第2イネイブル信号1GENB2と第二群第1イネイブル信号2GENB1とが等しくなる。尚、第一群イネイブル信号はk個なので、第一群第(k+1)イネイブル信号1GENB(k+1)は第一群第1イネイブル信号1GENB1とする。
図13は、順シフトにて第一表示方式で領域走査を行いつつ第二駆動方式(本実施形態ではずらしラインペア走査)の表示を行った後に、領域走査を行いつつ第一駆動方式(本実施形態ではラインペア走査)の表示を行う際の駆動方法を説明するタイミングチャートである。本実施形態では、シフトレジスター回路55はYスタートパルス信号DYを順シフトするので、YディレクションDIRYは低電位信号Lで、YディレクションバーDIRYBが高電位信号H(図13では省略)である。図13に示す様に、ずらしラインペア走査からラインペア走査に変える駆動方法も同様である。
尚、本実施形態では、実施形態1とは異なり、モード信号MODEやモードバー信号MODEBの切り替えを必要としないので、出力禁止期間OPPを設けなくても良い。
この様に、本実施形態によれば、シフトレジスター回路55と論理回路との間に特別な回路を必要としないので、隣り合う走査線の間隔を狭くする事ができる。従って、走査線駆動回路を電気光学装置に適応すると、高解像度の表示領域を備えた電気光学装置で、高速表示を可能にするラインペア走査とずらしラインペア走査とで、ともに領域走査を行う事ができる。
本発明は上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加えることが可能である。変形例を以下に説明する。
(変形例1)
「逆シフトの形態1」
本変形例は実施形態1に対応する。図14は、変形例1に於けるタイミングチャートで、実施形態1にて詳述した走査線駆動回路で逆シフトにてラインペア画像を表示した後にずらしラインペア画像を表示する際のタイミングチャートである。図15は、変形例1に於けるタイミングチャートで、実施形態1にて詳述した走査線駆動回路で逆シフトにてずらしラインペア画像を表示した後にラインペア画像を表示する際のタイミングチャートである。次に、本変形例における走査線駆動回路52の駆動方法を説明する。尚、実施形態1と同一の構成部位については、同一の符号を附し、重複する説明は省略する。
実施形態1ではシフトレジスター回路55は順シフトの例で説明されていた。これに対して、本変形例では、シフトレジスター回路55は逆シフトである点が異なっている。それ以外の構成は、実施形態1とほぼ同様である。
シフトレジスター回路55を逆シフトで走査線駆動回路52を動作させるには、図14や図15に示されている様に、YディレクションDIRYを高電位信号Hとし、不図示のYディレクションバーDIRYBを低電位信号Lとする。こうすると、Yスタートパルス信号DYは第m段出力SRm(本変形例ではm=820)から第1段出力SR1に向かって転送されて行き、逆シフトでの駆動が実現する。
イネイブル信号の参照の仕方が順シフトと逆シフトとで対称でないので、逆シフトで走査線駆動回路52を駆動させるには、順シフトでのイネイブル信号に若干の変更が必要になるが、逆シフトでもラインペア走査とずらしラインペア走査とで領域走査を実現する事ができる。以下、この点を説明する。
図14に示す様に、逆シフトにて領域走査のラインペア画像を表示した後に領域走査のずらしラインペア画像を表示するには、順シフトにてラインペア画像を表示した後にずらしラインペア画像を表示する場合(図8)に比べて、イネイブル信号がアクティブとなるタイミングを変える。尚、この際に、基準となるのは、第1フレームの1番目のYスタートパルス信号1FSP1である。逆シフトのラインペア走査の際には、順シフト(図8)の第1イネイブル信号ENB1と同じ信号を、逆シフト(図14)の第10イネイブル信号ENB10とし、順シフト(図8)の第2イネイブル信号ENB2と同じ信号を、逆シフト(図14)の第9イネイブル信号ENB9とし、順シフト(図8)の第3イネイブル信号ENB3と同じ信号を、逆シフト(図14)の第8イネイブル信号ENB8とし、順シフト(図8)の第4イネイブル信号ENB4と同じ信号を、逆シフト(図14)の第7イネイブル信号ENB7とし、順シフト(図8)の第5イネイブル信号ENB5と同じ信号を、逆シフト(図14)の第6イネイブル信号ENB6とし、順シフト(図8)の第6イネイブル信号ENB6と同じ信号を、逆シフト(図14)の第5イネイブル信号ENB5とし、順シフト(図8)の第7イネイブル信号ENB7と同じ信号を、逆シフト(図14)の第4イネイブル信号ENB4とし、順シフト(図8)の第8イネイブル信号ENB8と同じ信号を、逆シフト(図14)の第3イネイブル信号ENB3とし、順シフト(図8)の第9イネイブル信号ENB9と同じ信号を、逆シフト(図14)の第2イネイブル信号ENB2とし、順シフト(図8)の第10イネイブル信号ENB10と同じ信号を、逆シフト(図14)の第1イネイブル信号ENB1とする。こうすると、図14に示す様に、逆シフトでラインペア走査にて領域走査が行われる。
出力禁止期間OPPを経て、逆シフトにて領域走査のずらしラインペア画像を表示するには、順シフト(図8)の第1イネイブル信号ENB1に対して2クロック期間(2CK)アクティブ状態を後退させた信号を、逆シフト(図14)の第10イネイブル信号ENB10とし、順シフト(図8)の第2イネイブル信号ENB2に対して2クロック期間(2CK)アクティブ状態を後退させた信号を、逆シフト(図14)の第9イネイブル信号ENB9とし、順シフト(図8)の第3イネイブル信号ENB3に対して2クロック期間(2CK)アクティブ状態を後退させた信号を、逆シフト(図14)の第8イネイブル信号ENB8とし、順シフト(図8)の第4イネイブル信号ENB4に対して2クロック期間(2CK)アクティブ状態を後退させた信号を、逆シフト(図14)の第7イネイブル信号ENB7とし、順シフト(図8)の第5イネイブル信号ENB5に対して2クロック期間(2CK)アクティブ状態を後退させた信号を、逆シフト(図14)の第6イネイブル信号ENB6とし、順シフト(図8)の第6イネイブル信号ENB6に対して2クロック期間(2CK)アクティブ状態を後退させた信号を、逆シフト(図14)の第5イネイブル信号ENB5とし、順シフト(図8)の第7イネイブル信号ENB7に対して2クロック期間(2CK)アクティブ状態を後退させた信号を、逆シフト(図14)の第4イネイブル信号ENB4とし、順シフト(図8)の第8イネイブル信号ENB8に対して2クロック期間(2CK)アクティブ状態を後退させた信号を、逆シフト(図14)の第3イネイブル信号ENB3とし、順シフト(図8)の第9イネイブル信号ENB9に対して2クロック期間(2CK)アクティブ状態を後退させた信号を、逆シフト(図14)の第2イネイブル信号ENB2とし、順シフト(図8)の第10イネイブル信号ENB10に対して2クロック期間(2CK)アクティブ状態を後退させた信号を、逆シフト(図14)の第1イネイブル信号ENB1とする。こうすると、図14に示す様に、逆シフトでずらしラインペア走査にて領域走査が行われる。
図15に示す様に、逆シフトにて領域走査のずらしラインペア画像を表示した後に領域走査のラインペア画像を表示するには、順シフトにてずらしラインペア画像を表示した後にラインペア画像を表示する場合(図9)に比べて、イネイブル信号がアクティブとなるタイミングを変える。尚、この際に、基準となるのは、第1フレームの1番目のYスタートパルス信号1FSP1である。逆シフトにて領域走査のずらしラインペア画像を表示するには、順シフト(図9)の第1イネイブル信号ENB1に対して2クロック期間(2CK)アクティブ状態を後退させた信号を、逆シフト(図15)の第10イネイブル信号ENB10とし、順シフト(図9)の第2イネイブル信号ENB2に対して2クロック期間(2CK)アクティブ状態を後退させた信号を、逆シフト(図15)の第9イネイブル信号ENB9とし、順シフト(図9)の第3イネイブル信号ENB3に対して2クロック期間(2CK)アクティブ状態を後退させた信号を、逆シフト(図15)の第8イネイブル信号ENB8とし、順シフト(図9)の第4イネイブル信号ENB4に対して2クロック期間(2CK)アクティブ状態を後退させた信号を、逆シフト(図15)の第7イネイブル信号ENB7とし、順シフト(図9)の第5イネイブル信号ENB5に対して2クロック期間(2CK)アクティブ状態を後退させた信号を、逆シフト(図15)の第6イネイブル信号ENB6とし、順シフト(図9)の第6イネイブル信号ENB6に対して2クロック期間(2CK)アクティブ状態を後退させた信号を、逆シフト(図15)の第5イネイブル信号ENB5とし、順シフト(図9)の第7イネイブル信号ENB7に対して2クロック期間(2CK)アクティブ状態を後退させた信号を、逆シフト(図15)の第4イネイブル信号ENB4とし、順シフト(図9)の第8イネイブル信号ENB8に対して2クロック期間(2CK)アクティブ状態を後退させた信号を、逆シフト(図15)の第3イネイブル信号ENB3とし、順シフト(図9)の第9イネイブル信号ENB9に対して2クロック期間(2CK)アクティブ状態を後退させた信号を、逆シフト(図15)の第2イネイブル信号ENB2とし、順シフト(図9)の第10イネイブル信号ENB10に対して2クロック期間(2CK)アクティブ状態を後退させた信号を、逆シフト(図15)の第1イネイブル信号ENB1とする。こうすると、図15に示す様に、逆シフトでずらしラインペア走査にて領域走査が行われる。
出力禁止期間OPPを経て、逆シフトのラインペア走査の際には、順シフト(図9)の第1イネイブル信号ENB1と同じ信号を、逆シフト(図15)の第10イネイブル信号ENB10とし、順シフト(図9)の第2イネイブル信号ENB2と同じ信号を、逆シフト(図15)の第9イネイブル信号ENB9とし、順シフト(図9)の第3イネイブル信号ENB3と同じ信号を、逆シフト(図15)の第8イネイブル信号ENB8とし、順シフト(図9)の第4イネイブル信号ENB4と同じ信号を、逆シフト(図15)の第7イネイブル信号ENB7とし、順シフト(図9)の第5イネイブル信号ENB5と同じ信号を、逆シフト(図15)の第6イネイブル信号ENB6とし、順シフト(図9)の第6イネイブル信号ENB6と同じ信号を、逆シフト(図15)の第5イネイブル信号ENB5とし、順シフト(図9)の第7イネイブル信号ENB7と同じ信号を、逆シフト(図15)の第4イネイブル信号ENB4とし、順シフト(図9)の第8イネイブル信号ENB8と同じ信号を、逆シフト(図15)の第3イネイブル信号ENB3とし、順シフト(図9)の第9イネイブル信号ENB9と同じ信号を、逆シフト(図15)の第2イネイブル信号ENB2とし、順シフト(図9)の第10イネイブル信号ENB10と同じ信号を、逆シフト(図15)の第1イネイブル信号ENB1とする。こうすると、図15に示す様に、逆シフトでラインペア走査にて領域走査が行われる。
(変形例2)
「逆シフトの形態2」
本変形例は実施形態2に対応する。図16は、変形例2に於けるタイミングチャートで、実施形態2にて詳述した走査線駆動回路で逆シフトにてラインペア画像を表示した後にずらしラインペア画像を表示する際のタイミングチャートである。図17は、変形例2に於けるタイミングチャートで、実施形態2にて詳述した走査線駆動回路で逆シフトにてずらしラインペア画像を表示した後にラインペア画像を表示する際のタイミングチャートである。次に、本変形例における走査線駆動回路52の駆動方法を説明する。尚、実施形態2と同一の構成部位については、同一の符号を附し、重複する説明は省略する。
実施形態2ではシフトレジスター回路55は順シフトの例で説明されていた。これに対して、本変形例では、シフトレジスター回路55は逆シフトである点が異なっている。それ以外の構成は、実施形態2とほぼ同様である。
シフトレジスター回路55を逆シフトで走査線駆動回路52を動作させるには、図16や図17に示されている様に、YディレクションDIRYを高電位信号Hとし、不図示のYディレクションバーDIRYBを低電位信号Lとする。こうすると、Yスタートパルス信号DYは第m段出力SRm(本変形例ではm=820)から第1段出力SR1に向かって転送されて行き、逆シフトでの駆動が実現する。
本変形例でも、第一駆動方式では、第一群第αイネイブル信号1GENB(α)と第二群第αイネイブル信号2GENB(α)とが等しくなる。例えば図16に示す様に、ラインペア走査の際には第一群第10イネイブル信号1GENB10と第二群第10イネイブル信号2GENB10とが等しくなる。
第二駆動方式では、第一群第(α+1)イネイブル信号1GENB(α+1)と第二群第αイネイブル信号2GENB(α)とが等しくなる。例えば図16に示す様に、ずらしラインペア走査の際には第一群第10イネイブル信号1GENB10と第二群第9イネイブル信号2GENB9とが等しくなる。
図17に示す様に、ずらしラインペア画像を表示した後にラインペア画像を表示する場合も同様である。
(変形例3)
「走査線の種類が異なる形態」
実施形態1乃至2では、第一種走査線が偶数行の走査線22で、第二種走査線が奇数行の走査線22であったが、第一種走査線を奇数行の走査線22とし、第二種走査線を偶数行の走査線22としても良い。
(変形例4)
「駆動方式が異なる形態」
実施形態1乃至2では、第一駆動方式がラインペア走査で、第二駆動方式がずらしラインペア走査であったが、第一駆動方式がずらしラインペア走査で、第二駆動方式がラインペア走査としても良い。