JP6338715B2 - 眼用及び医療用の重合性組成物及びそれを重合して得られる抗菌性組成物 - Google Patents
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Description
特許文献1(日本ペイント)は、ポリリジンを水不溶化させて含有するポリマーを含むことを特徴とする防汚塗料組成物に関する。この文献は、ポリリジンに不飽和結合を導入し、これに不飽和モノマーを共重合させることによって、ポリリジンが水不溶性ポリマーにグラフトしたポリリジン含有水不溶化ポリマーをバインダー樹脂として用いることを開示している。
物医学的な機器;泌尿器用カテーテル、ペースメーカー、心臓弁、人工心臓、乳房補充物、眼内レンズ、創傷被覆材、人工器官、生理活性剤用の輸送担体、関節全置換物などの生体移植材料などの多くの眼用機器及び医療用機器に幅広く有用である。
[1] (メタ)アクリロイル基を有するε−ポリリシンを含んでなる眼用又は医療用の重合性組成物。
[3] [1]又は[2]に記載の重合性組成物を含んでなる眼用又は医療用のコーティング剤。
[5] [4]に記載の抗菌性組成物を含んでなる眼用機器又は医療用機器。
本発明で使用するε−ポリリシンは(メタ)アクリロイル基を分子内に有することが重
要である。この(メタ)アクリロイル基はポリリシンの分子内のアミノ基とアミド結合を介して共有結合によって強固に結合し、ポリリシン分子の一部となっている。このため、本発明で使用するε−ポリリシンは(メタ)アクリロイル基の炭素炭素二重結合を使用して他のモノマーと共重合を行うことができ、結果として生成する共重合体内にε−ポリリシンを容易に導入することができる。他のモノマーを適宜選択することによって種々の用途に適合した抗菌性組成物を提供することができる。
状のアミノ酸ホモポリマーである。ε-ポリリシンは細菌から生化学的に製造することが
でき、本発明にはそのようなε-ポリリシンを使用することが眼用機器材料及び医療用機
器材料として使用する観点からより好ましい。
本発明の(メタ)アクリレート化ε−ポリリシンは、例えば、ε−ポリリシン中のアミノ基と(メタ)アクリル酸又はその誘導体とを反応させることによって調製することができる。例えば、ε−ポリリシン中のアミノ基と(メタ)アクリル酸との脱水縮合によって調製することができる。
本発明の重合性組成物は、上述した(メタ)アクリレート化ε−ポリリシンを含んでなる。
重合性組成物を形成する他の成分としては、例えば、
(A)ウレタン結合含有モノマー、
(B)親水性モノマー、
(C)化合物(A)以外のシリコーンモノマー、
(D)アルキル(メタ)アクリレート、フッ素含有アルキル(メタ)アクリレート、硬度調節モノマー、
(E)架橋性モノマー
等が挙げられる。
ウレタン結合含有モノマーは、ウレタン結合を介してエチレン型不飽和基およびポリシロキサン構造を有する化合物である(以下化合物(A)ということがある)。
による物理的な補強効果だけでなく、化学的結合(共有結合)による補強効果を付与するという優れた性質を有するものである。
A1−U1−(−S1−U2−)n−S2−U3−A2 (1)
[式中、A1は一般式(2):
Y21−Z21−R31− (2)
(式中、Y21は(メタ)アクリロイル基、ビニル基またはアリル基、Z21は酸素原子または直接結合、R31は直接結合または炭素数1〜12の直鎖状、分岐鎖もしくは芳香環を有するアルキレン基を示す)で表わされる基;
A2は一般式(3):
−R34−Z22−Y22 (3)
(式中、Y22は(メタ)アクリロイル基、ビニル基またはアリル基、Z22は酸素原子または直接結合、R34は直接結合または炭素数1〜12の直鎖状、分岐鎖もしくは芳香環を有するアルキレン基を示す)で表わされる基(ただし、一般式(2)中のY21および一般式(3)中のY22は同一であってもよく、異なっていてもよい);
U1は一般式(4):
−X21−E21−X25−R32− (4)
(式中、X21およびX25は、それぞれ独立して直接結合、酸素原子およびアルキレングリコール基から選ばれ、E21は−NHCO−基(ただし、この場合、X21は直接結合であり、X25は酸素原子またはアルキレングリコール基であり、E21はX25とウレタン結合を形成している)、−CONH−基(ただし、この場合、X21は酸素原子またはアルキレングリコール基であり、X25は直接結合であり、E21はX21とウレタン結合を形成している)または飽和もしくは不飽和脂肪族系、脂環式系および芳香族系の群から選ばれたジイソシアネート由来の2価の基(ただし、この場合、X21およびX25はそれぞれ独立して酸素原子およびアルキレングリコール基から選ばれ、E21はX21およびX25のあいだで2つのウレタン結合を形成している)、R32は炭素数1〜6の直鎖状または分岐鎖を有するアルキレン基を示す)で表わされる基;
S1およびS2はそれぞれ独立して一般式(5):
U2は一般式(6):
−R37−X27−E24−X28−R38−(6)
(式中、R37およびR38は、それぞれ独立して炭素数1〜6の直鎖状または分岐鎖を有するアルキレン基;X27およびX28はそれぞれ独立して酸素原子またはアルキレングリコール基;E24は飽和もしくは不飽和脂肪族系、脂環式系および芳香族系の群から選ばれたジイソシアネート由来の2価の基(ただし、この場合、E24はX27およびX28のあいだで2つのウレタン結合を形成している)で表わされる基;
U3は一般式(7):
−R33−X26−E22−X22− (7)
(式中、R33は炭素数1〜6の直鎖状または分岐鎖を有するアルキレン基、X22およびX26は、それぞれ独立して直接結合、酸素原子およびアルキレングリコール基から選ばれ、E22は−NHCO−基(ただし、この場合、X22は酸素原子またはアルキレングリコール基であり、X26は直接結合であり、E22はX22とウレタン結合を形成している)、−CONH−基(ただし、この場合、X22は直接結合であり、X26は酸素原子またはアルキレングリコール基であり、E22はX26とウレタン結合を形成している)または飽和もしくは不飽和脂肪族系、脂環式系および芳香族系の群から選ばれたジイソシアネート由来の2価の基(ただし、この場合、X22およびX26はそれぞれ独立して酸素原子およびアルキレングリコール基から選ばれ、E22はX22およびX26のあいだで2つのウレタン結合を形成している)で表わされる基;
nは0または1〜10の整数を示す]で表わされる重合性基が1個以上のウレタン結合を介してシロキサン主鎖に結合しているポリシロキサンマクロモノマーである。
Y21−Z21−R31− (2)
(式中、Y21、Z21およびR31は前記と同じ)で表わされる基であり、またA2は一般式
(3):
−R34−Z22−Y22 (3)
(式中、Y22、Z22およびR34は前記と同じ)で表わされる基である。
Z21およびZ22は、いずれも酸素原子または直接結合であり、好ましくは酸素原子である。
U1、U2およびU3は、いずれも化合物(A)の分子鎖中でウレタン結合を含む基を表
わす。
酸素原子またはアルキレングリコール基であり、E21はX25と式:−NHCOO−で表わされるウレタン結合を形成する。また、E21が−CONH−基である場合には、X21は酸素原子またはアルキレングリコール基であり、X25は直接結合であり、E21はX21と式:−OCONH−で表わされるウレタン結合を形成する。さらにE21が前記ジイソシアネー
ト由来の2価の基である場合には、X21およびX25はそれぞれ独立して酸素原子および好ましくは炭素数1〜6のアルキレングリコール基から選ばれ、E21はX21とX25とのあいだで2つのウレタン結合を形成している。R32は炭素数1〜6の直鎖状または分岐鎖を有するアルキレン基である。
び芳香族系の群から選ばれたジイソシアネート由来の2価の基を表わす。ここで、飽和もしくは不飽和脂肪族系、脂環式系および芳香族系の群から選ばれたジイソシアネート由来の2価の基としては、たとえば前記U1およびU3における場合と同様の2価の基があげられる。これらのなかでは、比較的入手しやすく、かつ強度を付与しやすいので、ヘキサメチレンジイソシアネート由来の2価の基、トリレンジイソシアネート由来の2価の基およびイソホロンジイソシアネート由来の2価の基が好ましい。また、E24はX27とX28とのあいだで2つのウレタン結合を形成している。X27およびX28はそれぞれ独立して酸素原子または好ましくは炭素数1〜6のアルキレングリコール基であり、またR37およびR38はそれぞれ独立して炭素数1〜6の直鎖状または分岐鎖を有するアルキレン基である。
。E22が−NHCO−基である場合には、X22は酸素原子またはアルキレングリコール基であり、X26は直接結合であり、E22はX22と式:−NHCOO−で表わされるウレタン結合を形成する。また、E22が−CONH−基である場合には、X22は直接結合であり、X26は酸素原子またはアルキレングリコール基であり、E22はX26と式:−OCONH−で表わされるウレタン結合を形成する。さらにE22が前記ジイソシアネート由来の2価の基である場合には、X22およびX26はそれぞれ独立して酸素原子および好ましくは炭素数1〜6のアルキレングリコール基から選ばれ、E22はX22とX26とのあいだで2つのウレタン結合を形成している。
−O−(CxH2x−O)y− (8)
(式中、xは1〜4の整数、yは1〜5の整数を示す)で表わされる基などがあげられる。
一般式(5)において、R23、R24、R25、R26、R27およびR28は、前記したように、それぞれ独立して炭素数1〜6のアルキル基、フッ素置換されたアルキル基またはフェニル基である。
=1〜10、n=1〜10)で表される基があげられ、その具体例としては、たとえば、3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル基、2−(ペルフルオロブチル)エチル基、2−(ペルフルオロオクチル)エチル基などの側鎖状または2−(ペルフルオロ−5−メチルヘキシル)エチル基などの分枝鎖状のフッ素置換されたアルキル基などがあげられる。なお、本発明においては、かかるフッ素置換されたアルキル基を有する化合物(A)を用い、その配合量を多くすると、得られる眼用レンズ材料の抗脂質汚染性が向上する傾向がある。
重合時に相分離して白濁を呈し、均一で透明な眼用レンズ材料が得られない傾向があり、また10未満である場合には、得られる眼用レンズ材料の酸素透過性が低くなり、柔軟性も低下する傾向がある。
A1−U1−T1−U4−(−S1−U2−)n−S2−U5−T2−U3−A2 (9)
[式中、A1、A2、U1、U2、U3、S1、S2、nについては、一般式(1)と同一であ
り、U4、U5は、それぞれU1、U3と同一である。ただし、A1、A2中のY21、Y22については、(メタ)アクリロイル基、ビニル基またはアリル基である。
−Q−(CH2CHD−Q−)n− (10)
(式中、Dは水素原子、メチル基または水酸基であり、Qは直接結合または酸素原子、nは5〜10,000である。)
あるいは、一般式(11):
―(M)x− (11)
((式中、Mは、1,3−メチルメチレンピロリドン、N−ビニルピロリドン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸塩、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフラン、オキセタン、オキサゾリン、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンなどから選択される親水性モノマー単位を示し、それらから構成されるポリマーの重合連鎖については、直鎖状でも分岐状でもよく、またランダム状、ブロック状に結合していてもよい。Xは5〜10,000である)で表される親水性ポリマー含有セグメントまたは親水性オリゴマー含有セグメントである)]で表わされる重合性基が1個以上のウレタン結合を介してシロキサン主鎖に結合しているポリシロキサンマクロモノマーである。
で表わされる化合物(以下、化合物(A−2)という)などがあげられる。これらは、単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
(B)親水性モノマー
シリコーン成分の相溶化剤として働き、かつ透明性に優れた均一な材料を得る上で重要な成分となり、使用量を多くすることで得られる共重合体眼用レンズ材料に優れた表面の水濡れ性と潤滑性/易潤性を付与することができる。
このような親水性モノマーとしては、N−ビニルピロリドン、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMA)、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、1−メチル−3−メチレン−2−ピロリ
ドン、1−エチル−3−メチレン−2−ピロリドン、1−メチル−5−メチレン−2−ピロリドン、1−エチル−5−メチレン−2−ピロリドン、5−メチル−3−メチレン−2−ピロリドン、5−エチル−3−メチレン−2−ピロリドンなどがあげられるが、これらに限定されるものではない。これらは、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。全重合性成分に対して、好ましくは5〜60重量%、より好ましくは10〜55重量%である。(B)の使用量が5重量%未満である場合、所望の水濡れ性および表面の潤滑性/易潤性を達成できず、材料表面の水濡れ性が劣る傾向がある。一方、60重量%を超える場合、酸素透過性が含水率支配となり、連続装用時またはうたた寝時などにおける装用状態を考慮した場合、十分な酸素を角膜に供給できない傾向がある。
キシ)シロキシジメチルシリルスチレンなどがあげられる。シリコーン含有フマル酸ジエステルとしては、たとえば、一般式(13):
前記一般式(13)で表される化合物としては、たとえば、ビス(3−(トリメチルシリル)プロピルフマレート、ビス(3−(ペンタメチルジシロキサニル)プロピル)フマレート、ビス(3−(1,3,3,3−テトラメチル−1−(トリメチルシリル)オキシ)ジシロキサニル)プロピル)フマレート、ビス(トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル)フマレートなどがあげられる。これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
アルキル(メタ)アクリレートとしては、たとえば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、n−ドデシル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、t−ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどの直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル(メタ)アクリレートがあげられる。これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
フッ素含有アルキル(メタ)アクリレートとしては、たとえば一般式(14):
CH2=CR4COOCsH(2s-t+1)Ft (14)
(式中、R4は水素原子またはCH3、sは1〜15の整数、tは1〜(2s+1)の整数を示す)で表わされる化合物があげられる。
,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,11−ノナデカフルオロウンデシル(メタ)アクリレート、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12−エイコサフルオロドデシル(メタ)アクリレートなどがあげられる。これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
硬度調節モノマーとしては、たとえば、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、3−エトキシプロピル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシプロピル(メタ)アクリレートなどのアルコキシアルキル(メタ)アクリレート;エチルチオエチル(メタ)アクリレート、メチルチオエチル(メタ)アクリレートなどのアルキルチオアルキル(メタ)アクリレート;スチレン;α−メチルスチレン;メチルスチレン、エチルスチレン、プロピルスチレン、ブチルスチレン、t−ブチルスチレン、イソブチルスチレン、ペンチルスチレンなどのアルキルスチレン;メチル−α−メチルスチレン、エチル−α−メチルスチレン、プロピル−α−メチルスチレン、ブチル−α−メチルスチレン、t−ブチル−α−メチルスチレン、イソブチル−α−メチルスチレン、ペンチル−α−メチルスチレンなどのアルキル−α−メチルスチレンなどがあげられる。これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
材料の柔軟性や硬質性の調節のために架橋性モノマー(E)を添加することができる。
架橋性モノマー(E)としては、たとえば、アリル(メタ)アクリレート、ビニル(メタ)アクリレート、4−ビニルベンジル(メタ)アクリレート、3−ビニルベンジル(メタ)アクリレート、メタクリロイルオキシエチルアクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジアリルエーテル、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどのポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレートなどのポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレートなどがあげられる。これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
の合計量100部に対して0.05部以上であり、好ましくは0.1部以上である。
その他、重合性組成物には、所望の用途により、適宜、着色剤、UV吸収剤等加えることができる。
抗菌性組成物は、上述した重合性組成物を重合して得られる。
抗菌性組成物は、例えば、以下の手順によって製造することができる。
b)前記混合液を成形用型へ導入する工程、
c)前記成形用型内の混合液にUV光を照射するか、および/または加熱することにより、硬化した成形体を得る工程、
d)前記成形体を成形用型から取り出す工程、
e)前記成形体から未反応物を取り除く工程、および
f)前記成形体を水和させる工程。
バルク重合法においては重合性成分のみを混合して重合に共するため、重合の進行と共に系の粘度が極端に上昇し、高粘度の系中で拡散できず、重合反応に関与できなくなったモノマーが多く残留する。医療機器の製造においては、この残留するモノマーを極力減量させるべく水または有機溶媒による溶出処理が施されることが好ましい。
重合性組成物構成成分を加熱して鋳型法にて重合させる場合には、所望の形状に対応した鋳型内に重合成分およびラジカル重合開始剤を配合したのち、該鋳型を徐々に加熱して重合成分の重合を行ない、得られた成形体に必要に応じて切削加工、研磨加工などの機械的加工を施す。
種類を選択する必要がある。
m2以下である。また照射時間は、材料を十分に硬化させるためには、1分以上が好まし
い。紫外線の照射は、一段階にて行っても良く、また、異なる照度の紫外線を段階的に照射しても良い。さらに、重合時には紫外線の照射と同時に加熱をしてもよく、このことにより重合反応は促進され、効果的に眼用レンズを成形しうる。
、前記親水性モノマー(B)および前記架橋性モノマー(E)、水系溶媒を含む混合液中に所望の眼用機器や医療用機器を接触させ、光(紫外線)照射および/または加熱することで、表面に所望のコーティングができる。効率よくコーティングを施すために、当該混合液に予め超音波等を照射して脱気したり、窒素ガスなどの不活性ガスをバブリングするなどして、当該混合液に溶解した酸素を取り除くことで、重合反応が促進でき、より効率よくコーティングを施すことができる。
1.(メタ)アクリレート化ε−ポリリシンマクロモノマーの合成例
原材料:
数平均分子量(Mn)3000のε-ポリリシン(Handary Bio-Engineering製)、
N,N′-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC(Sigma-aldrich製))、
N-ヒドロキシサクシンイミド(HoSu(Sigma-aldrich製))、
N,N-ジメチルホルムアミド(DMF(Sigma-aldrich製))、
メタクリル酸(MA(Sigma-aldrich製))、
より以下のスキームで(メタ)アクリレート化したポリリシンマクロモノマーを合成した。
メタクリル酸0.63g(7.34mmol)、N-ヒドロキシスクシンイミド0.93g (8.1mmol)をDMF10ml中に溶解し、0℃に冷却した。この溶液中に、別途DMF10ml中にDCC 1.51g (7.34mmol)を溶解させておいたものを30分以上かけて添加し、0℃、2時間攪拌しながら反応させた。その後、室温にて4時間放置し、濾過した。得られたろ液をε-ポリリシン溶液20g (6.67mmol)(水200mlとDMF 100mlの混合溶媒に溶解したもの)に加え、24時間攪拌した。
反応後、溶媒除去して、アセトン中に沈澱物を生成させ、40℃で1晩真空乾燥した。乾燥した沈殿物を再度、蒸留水100ml中に溶解、不溶解物をろ過にて除去した後、アセトン
500ml中で沈澱精製し、40℃で一晩真空乾燥した。収率は、80%超であった。
(メタ)アクリレート化ε−ポリリシンマクロモノマーの生成、重合基の導入は、1HのNMRにて確認した。例えば、図1のNMRスペクトルに示すように、5.4ppmと5.64ppmの位置
にメタクリル基の二重結合の存在を確認できるので、この部分のピークの有無で確認した。
ミューラーヒントン液体培地(MHB)中、標準的なマイクロタイター希釈法で測定した
。細菌培養条件は、MHB中、37℃、一晩培養して、106 コロニー形成単位(CFU)/mlの細菌濃度になるように希釈した。サンプルの調製は、103〜1μg/mlに希釈
したポリリシン水溶液の100μl に、上記の条件で培養した細菌懸濁液100μlを添加する
ことにより、5×105 CFU/mlの細菌濃度に調整して行った。そのサンプルを37℃で18時間インキュベートし、18時間後のMIC(細胞増殖を妨げた最も低いポリリシン濃度)を測定した。波長600nmにおける吸光度(A600)で光学濃度測定し、MICは、18時間の
培養期間において細菌増殖しない最小ポリリシン濃度と定義した。結果を表1に示す。
表1.EPLとMA-EPLのMIC比較(単位:μg/mL)
MA-ε-ポリリシン(0.1g)、N,N-ジメチルアクリルアミド(DMA)(0.2g)、ポリエ
チレングリコールジアクリレート(PEGDA)(0.1g)(Mn=700、Sigma-Aldrich)、水(3.6ml)、水溶性光重合開始剤(Irgacure 2959(0.05%))を攪拌混合し、当該混合溶液(10wt%)を水平ガラスのプレートの上に注ぎ、紫外線(365nm、±10mW/cm2、SUSS MicroTecGmbH製Osram 350-W水銀灯、モデルMA6)を15分間露光することでヒドロゲルを調製した。
同様に、MA-EPL、DMA、PEGDA及びポリエチレングリコールモノアクリレート(PEGA)(Mn=526、Sigma-Aldrich)を使用し、適宜モノマーの配合を変えて4種類のヒドロゲル(
サンプルA〜D)を調製した。
インストロン引張圧縮試験機により、円柱形状試験片:径20mm、高さ10mmを使用して、加圧速度:0.5mm/secでヤング率および材料強度を求めた。
光架橋されたヒドロゲルを大量の蒸留水に浸し、25℃にて平衡膨潤時の重量を測定した。その後、水中より取り出し、48時間放置、表面を吸水紙により拭い乾燥させ、乾燥重量を測定した。吸水性を以下の式により求めた。
吸水性=((ヒドロゲル重量−乾燥重量)/乾燥重量)×100
結果を図4に示す。架橋剤(PEGDA)量を多くすることにより、吸水量(含水量)を減
らすことができることがわかる。
4.の方法で培養ポリスチレンプレート上にポリリシンヒドロゲル試験体を生成させて、以下の抗菌性試験を行った。ヒドロゲルの配合組成は以下のとおりであった。
(重量比で1:10:5)
サンプルA2:MA-EPL(11.8重量%)-DMA(58.8重量%)-PEGDA(29.4重量%)の配合比(重量比で2:10:5)
各ポリリシンヒドロゲル試験体を蒸留水で2日間洗浄した。各々の細菌をトリプトソイ
寒天培地(Trypticase Soy Agar)の上で24時間培養後、当該培養した細菌懸濁液をリン
酸緩衝液(pH 7.2)で、3回遠心懸濁させた。得られた細菌懸濁液各10μlを、上記用意
したポリリシンヒドロゲル試験体の中央に接種し、24℃、2時間維持した。その後、細菌
懸濁液中に残存する菌数を確認するため、中和剤にて10倍に希釈した検体をトリプトソイ寒天培地中にて、35℃、48時間培養後、形成されたコロニー数をカウントした。コロニー数の減少率は以下の式により評価した。
LOG(減少率) = LOG(初期コントロール値)−LOG(2時間接触後のコロニー数)
結果を表2に示す。本発明のヒドロゲルは、大腸菌、緑膿菌、霊菌(セラチア)、黄色ブドウ球菌、カンジダアルビカンス(C. albicans)、Fusarium solani(F.solani)のいずれに対しても優れた抗菌活性を示した。
フルオロアルキル(シリコーン含有アルキル)フマレート共重合体からなるコンタクトレンズ材料ディスク表面を、ガス種としてアルゴンガスを用い、出力50Wで、13.56MHz高周波誘導プラズマ放電処理(機種:March PX-500)を1分間おこなった。15分
間大気中に放置した後、その上に、先に調製したコーティング組成物(配合組成:MA-EPL
25重量%、DMA 50重量%、PEGDA 25重量%)の10重量%水溶液を滴下し、その上にポリエステルフィルム(デュポン製 Melinex453)をかぶせてUV照射(365nm、100mW/cm2、30分間)した。ポリエステルフィルムを取り除き、当該コンタクトレンズ材料ディスクを1晩、脱イオン交換水中で超音波処理することで未反応のコーティング組成物を取り除いた。得られたコンタクトレンズ材料ディスク表面に無色透明な薄いゲ
ル膜が全面に均一にグラフトされていることが確認された。
成されていることを確認した。(図5の(I)コーティングする前、及び(II)コーティングした後の写真を参照。)
Claims (6)
- (メタ)アクリロイル基を有するε−ポリリシンを含んでなる眼用又は医療用の重合性組成物であって、前記(メタ)アクリロイル基はポリリシンのアミノ基とアミド結合を介して結合し、
(i)N−ビニルピロリドン、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMA)、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、1−メチル−3−メチレン−2−ピロリドン、1−エチル−3−メチレン−2−ピロリドン、1−メチル−5−メチレン−2−ピロリドン、1−エチル−5−メチレン−2−ピロリドン、5−メチル−3−メチレン−2−ピロリドン、及び5−エチル−3−メチレン−2−ピロリドンからなる群から選ばれる親水性モノマーであって、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる親水性モノマー;
及び/又は(ii)アリル(メタ)アクリレート、ビニル(メタ)アクリレート、4−ビニルベンジル(メタ)アクリレート、3−ビニルベンジル(メタ)アクリレート、メタクリロイルオキシエチルアクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジアリルエーテル、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジメタクリレート、及びトリメチロールプロパントリメタクリレートからなる群から選ばれる架橋性モノマーであって、単独でまたは2種以上を混合して用いることができる架橋性モノマー;
を含む、前記組成物。 - 組成物全量に基づいて、(メタ)アクリロイル基を有するε−ポリリシンの含有量が、約0.1〜99重量%である請求項1に記載の重合性組成物。
- 請求項1又は2に記載の重合性組成物を含んでなる眼用又は医療用のコーティング剤。
- 請求項1又は2に記載の重合性組成物を重合して得られる眼用又は医療用の抗菌性組成
物。 - 請求項4に記載の抗菌性組成物を含んでなる眼用機器又は医療用機器。
- 請求項4に記載の抗菌性組成物を含んでなるコンタクトレンズ。
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