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JP6320057B2 - 光学フィルタおよび光学装置 - Google Patents

光学フィルタおよび光学装置 Download PDF

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JP6320057B2 JP2014013869A JP2014013869A JP6320057B2 JP 6320057 B2 JP6320057 B2 JP 6320057B2 JP 2014013869 A JP2014013869 A JP 2014013869A JP 2014013869 A JP2014013869 A JP 2014013869A JP 6320057 B2 JP6320057 B2 JP 6320057B2
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Description

本発明は光学フィルタに係り、特に、色選択性を有する光学フィルタに関する。
従来、入射光束から所望の波長帯域の光を選択するため、色選択性フィルタが用いられる。色選択性フィルタとして、一般的に、多層膜干渉を利用した分光フィルタ(多層膜干渉型フィルタ)が知られている。多層膜干渉型フィルタは、所望の波長帯域に合わせて屈折率や層厚を調整した周期構造を積層することにより得られる。吸収型分光フィルタと比較して、多層膜干渉型フィルタによる分光は吸収を伴わないため、光量損失や熱発生が起こらないという利点がある。
一方、多層膜干渉型フィルタでは、媒質内部における光線進行角度に依存して実効的な層厚が変化するため、入射角度に依存して反射波長が変化してしまう。このため、多層膜干渉型フィルタに対して開角をもって入射する光束を分光する場合、波長シフトに伴う弊害が生じる。
特許文献1、2には、ダイクロイックフィルタおよびダイクロイックプリズムにおける入射角度依存性を低減するため、低屈折率のL層に代えて中間屈折率のM層を導入する方法、および、吸収層の導入によって斜入射時の分光特性を補償する方法が開示されている。
特開2008−58561号公報 特開2007−334318号公報
しかしながら、特許文献1の方法では、斜入射による光路長変化を効果的に低減することができない。また特許文献2の方法では、総光量の低下や吸収による熱発生、斜入射によるバンド幅の低減などの問題が生じる。
そこで本発明は、所望の入射角度範囲において反射波長の変化を低減させる光学フィルタおよび光学装置を提供する。
本発明の一側面としての光学フィルタは、屈折率nHを有する平均層厚dHの第1の光学層および屈折率nHよりも低い屈折率nLを有する平均層厚dLの第2の光学層が交互に積層された幅W1の第1の多層膜と、前記第1および第2の光学層が交互に積層された幅W2の第2の多層膜と、を有し、前記第1および第2の多層膜は、前記第1および第2の光学層の積層方向において幅Dだけ互いにずれて配列された単位構造を構成し、|D|≦0.5(dL+dH)の場合の前記単位構造の傾斜角をφ=tan−1(|D|/0.5(W1+W2))、|D|>0.5(dL+dH)の場合の前記単位構造の傾斜角をφ=tan−1[{(dL+dH)−|D|}/0.5(W1+W2)]、前記第1および第2の多層膜の配列方向と前記積層方向とに平行な平面に対する光線の入射角の絶対値の最大値および最小値をそれぞれ|θ|maxおよび|θ|min、前記入射角が(|θ|max+|θ|min)/2であるときのP偏光の反射中心波長をλ0、とするとき、所定の関係を満たす。
本発明の一側面としての光学装置は、前記光学フィルタと光学素子とを有する。
本発明の他の目的及び特徴は、以下の実施例において説明される。
本発明によれば、所望の入射角度範囲において反射波長の変化を低減させる光学フィルタおよび光学装置を提供することができる。
本実施形態(実施例1)における光学フィルタの構成図、および、傾斜角φと入射角度θと関係図である。 比較例と本実施形態のそれぞれの光学フィルタの分光反射率の入射角度依存性を示す図である。 比較例と本実施形態のそれぞれの光学フィルタの反射中心波長の入射角度依存性を示す図である。 本実施形態における光学フィルタの分光反射率の入射角度依存性および波長シフト量ΔλplusのdH/dL依存性を示す図である。 本実施形態において、幅W1、W2が互いに異なる光学フィルタの構成図である。 本実施形態(実施例4)において、単位構造間のずれ幅が不規則である光学フィルタの構成図である。 本実施形態において、単位構造間に空間がある光学フィルタの構成図である。 本実施形態において、二次元周期性を有する光学フィルタの構成図である。 実施例1における光学フィルタの分光反射率の入射角度依存性を示す図である。 比較例1としての光学フィルタの分光反射率の入射角度依存性を示す図である。 実施例1における光学フィルタの分光反射率の入射角度依存性を示す図である。 実施例2における光学フィルタの構成図である。 実施例2における光学フィルタの分光透過率および分光反射率の入射角度依存性を示す図である。 比較例2としての光学フィルタの分光透過率の入射角度依存性を示す図である。 実施例3における光学フィルタの構成図である。 実施例3における光学フィルタの分光反射率の入射角度依存性を示す図である。 実施例4における光学フィルタの分光透過率および分光反射率の入射角度依存性を示す図である。 実施例5における画像表示装置の構成図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、図1(A)を参照して、本実施形態における光学フィルタ(光学素子)の構成について説明する。図1(A)は、光学フィルタ100の構成図である。光学フィルタ100は、屈折率nsの可視透光性を有する基板101上に複数の光学層を積層することにより構成され、所定の帯域の光を反射し、他の帯域の光を透過させる。本実施形態において、積層面内方向であって互いに直交する方向をX、Y方向、深さ方向(積層面に直交する方向)をZ方向とする。Z方向の符号は、表層から基板101に向かう方向(図1(A)中の下方向)を正とする。
本実施形態において、光学フィルタ100は、少なくとも2種類の材質による光学層(互いに異なる材質からなる第1の光学層および第2の光学層)がm回繰り返して積層されることにより構成される。また、リプル抑制の目的などで、光学フィルタ100は、3種類以上の光学層を備えて構成されていてもよい。
本実施形態において、光学フィルタ100は、繰り返し構造における(複数の光学層のうち)屈折率nHを有するZ方向(積層方向における)平均層厚dHの光学層102(第1の光学層)を有する。また光学フィルタ100は、nHよりも低い屈折率nLを有するZ方向の平均層厚dLの光学層103(第2の光学層)を備えている。光学フィルタ100は複数の単位構造104を配列して構成されている。それぞれの単位構造104は、光学層102と光学層103とを交互にm回繰り返して積層して構成された幅W1の第1の多層膜、および、光学層102、103を交互に積層して構成された幅W2の第2の多層膜を有する(2つの多層膜構造)。また、幅W1、W2の2つの多層膜構造(第1の多層膜および第2の多層膜)は、Z方向に(積層方向において)ずれ幅Dだけ互いにずれて配置された互い違い構造を有する。このような単位構造104は、例えば図1Aに示されるように、凹凸の溝パターニングが施された基板101上に光学層102および光学層103を交互に積層することにより構成される。ただし本実施形態は基板に対する溝パターニングによる構成に限定されるものではない。
光学フィルタ100は、複数の単位構造104を基板101上に配列して構成されている。本実施形態において、単位構造104は、以下の条件式(1)、(2)を満たす。これにより、反射波長または透過波長の入射角度依存性を低減可能な光学フィルタを実現することができる。
15deg.<φ<35deg. … (1)
1.8<dH/dL<5.0 … (2)
条件式(1)において、φは、図1Aに示されている単位構造104内で定義される構造(多層膜構造)の傾斜角である。傾斜角φは、以下の式(3a)または式(3b)により定義される。
φ=tan−1(|D|/0.5(W1+W2))
(|D|≦0.5(dL+dH)の場合) … (3a)
φ=tan−1(((dL+dH) −|D|)/0.5(W1+W2))
(|D|>0.5(dL+dH)の場合) … (3b)
深さz方向の多層膜周期は(dL+dH)であるため、D=0.5(dL+dH)を境に、式(3a)、(3b)の傾斜角φの大小関係は逆転する。そこで、Dの値で条件分けし、式(3a)、(3b)のうち絶対値が小さいものを傾斜角φとして定義する。以降、式(3a)、(3b)を合わせて式(3)という。
図1(B)は、定義された傾斜角φと入射角度θの回転方向の正負の関係を定義する図である。図1(B)の[a]、[b]は、式(3a)、(3b)により定義された傾斜角φをそれぞれ示している。XY面内方向(水平方向)から図1(B)中の傾斜角φを開く(大きくする)回転方向を、入射角度θの正の回転方向と定義する。図1(B)の[a]に示されるように、|D|≦0.5(dL+dH)の場合、右回り方向が入射角度θの正の回転方向と定義する。一方、図1(B)の[b]に示されるように、|D|>0.5(dL+dH)の場合、左回り方向が入射角度θの正の回転方向と定義する。以下、入射角度依存性をより低減させるために必要な光学フィルタの諸条件について説明する。
まず、諸条件に関する説明の前に、面内微細形状を有しない単純多層膜および本実施形態の互い違い多層膜構造のそれぞれに関し、反射中心波長の入射角度依存性について簡単に比較説明を行う。比較説明に際して、表1に示される構造パラメータを有する面内微細形状を有しない単純多層膜、および、互い違い多層膜の反射スペクトルの入射角度依存性を計算で求めている。ここでの互い違い多層膜構造は、Y方向に対し完全一様、X方向に単位構造が一次元格子をなすように形成されたものとする。スペクトル計算は全て、Finite Difference Time Domain(FDTD)法、またはRigorous Coupled Wave Analysis(RCWA)法により行われている。FDTD法は、入力した誘電率分布構造を微小なメッシュ空間に区切り、隣接するメッシュ間に対してMaxwell方程式を解くことにより、電場・磁場の時間発展を計算する手法である。RCWA法は、入力した階段格子各層の誘電率分布をフーリエ級数展開し、Maxwell方程式により与えられる各層の境界条件から得られる反射回折成分・透過回折成分を求め、逐次計算することにより構造全体の反射・透過回折効率を求める計算手法である。
図2(A)は、比較例として表1中に構造パラメータが示される単純多層膜の分光反射率の入射角度依存性である。図2(A)において、横軸は波長λ(nm)、縦軸は反射率(%)をそれぞれ示している。分光反射波長シフト量の入射角度依存性の議論のため、図2(A)に示されるように、反射中心波長λrefは、反射率50%の短波長側の裾の波長と反射率50%の長波長側の裾の波長との中点の波長であると定義する。図2(A)は、入射角度θ=0、30、60deg.のそれぞれの結果を示している。ここでの入射光はP偏光である。単純多層膜においては、入射角度θが増大するにつれて単調に短波長シフトする振る舞いが得られる。
続いて、本実施形態における互い違い多層膜構造の入射角度依存性について説明する。図2(B)は、本実施形態における表1中に構造パラメータが示される互い違い多層膜構造の分光反射率の入射角度依存性である。図2(B)は、入射角度θ=0、30、60deg.のそれぞれの結果を示している。ここでの入射平面は、格子に垂直なXZ平面、P偏光(TM偏光)の入射である。図2(B)において、互い違い多層膜構造の反射中心波長λrefは、入射角度が増大するにつれて単調増加する。図2(A)に示されるような単純多層膜における入射角度依存性とは逆方向の波長シフトとなっている。
図3(A)は、比較例として表1で構造パラメータが示される単純多層膜の反射中心波長λrefの入射角度依存性である。図3(B)は、本実施形態における表1で構造パラメータが示される互い違い多層膜の反射中心波長λrefの入射角度依存性である。図3(A)、(B)において、横軸は入射角度θ、縦軸は反射中心波長λrefをそれぞれ示している。また図3(A)、(B)において、実線は表1の構造パラメータを有する多層膜構造に対する入射角度依存性である。図3(A)中の点線301は、スネルの法則により導出される計算モデル結果である。
図3(A)に示されるように、比較例としての単純多層膜における反射中心波長の入射角度依存性は、点線301に示される計算モデル結果に類似している。一方、本実施形態における互い違い多層膜における反射中心波長の入射角度依存性は、入射角度θが増大するにつれて、反射中心波長λrefは長波長シフトするため、単純多層膜と同様のスネルの法則による計算モデルでは説明できない。本実施形態の構造において、面内X方向の周期は波長と略同程度であり、深さZ方向の周期に対して十分大きい異方的な構造である。
そこで、本実施形態の多層膜を、図3(C)に示されるように傾斜多層膜としてみなし、反射中心波長の近似計算を行う。近似計算は、簡単のため、媒質内での平均進行角度<θ’>を用いることにより行われる。平均進行角度<θ’>は、格子の配列方向に平行な偏光(TM偏光)の光が垂直入射したときの有効屈折率neff={2/(1/nH+1/nL)}1/2を用いることにより、スネルの法則から<θ’>=sin−1(sinθ/neff)と求められる。有効屈折率neffの計算において、屈折率nHの媒質と屈折率nLの媒質が1:1に充填された一次元格子構造を想定している。以上の<θ’>を用いると、傾斜多層膜における反射中心波長λrefの入射角度θ依存性は、λref(θ)=λref’cos(<θ’>−φ)に従う。ここで、λref’はλref’=2(nHdH+nLdL)cosφにより定まる構成膜の光路長ndにより定まる反射波長である。λref’の式中のcosφは、傾斜多層膜にみなしたことによる、実質的な光学層厚減少に起因する項である。
図3(B)中の点線302は、傾斜多層膜として近似した際の反射中心波長λrefの入射角度依存性の計算モデル結果を示している。計算モデル結果の点線302は、0deg.からsin−1(neffsinφ)なる入射角度の範囲まで、本実施形態の結果をよく再現している。ここで、角度sin−1(neffsinφ)は、媒質中の平均進行角度<θ’>がφとなる、空気中における入射角度に相当する値である。λref(θ)の関係式から、媒質中における光の平均進行角度<θ’>が傾斜角φとのずれが大きくなるにつれて実効層厚変化が大きくなり、角度変化に対して波長シフト量が大きくなることがわかる。以上から、互い違い多層膜構造の入射角度の増大に対して単調の長波長シフトの振る舞いは、単純多層膜におけるスネルの法則を用いた入射角度依存性によっては説明されず、傾斜多層膜にみなすことにより説明される。
また、図3(A)、(B)の比較から、互い違い多層膜構造の波長シフト量は、sin−1(neffsinφ)を中心とした角度範囲において、単純多層膜と比較して大きく低減されることがわかる。すなわち、sin−1(neffsinφ)を中心とした角度範囲においては、互い違い多層膜構造は、波長シフト量を低減するフィルタとして機能する。フィルタの使用時に要求される入射角度範囲が十分大きい場合、入射角度範囲の中点の角度で入射した際の<θ’>と傾斜角φとを一致させることができる。このため、要求される入射角度範囲内において波長シフト量を大きく低減することが可能である。条件式(1)における傾斜角φの範囲を満たしていれば、sin−1(neffsinφ)を中心とした十分広い入射角度範囲において、反射波長の入射角度依存性を低減した光学フィルタを得ることができる。
また、入射角度依存性の低減効果を高めるには、条件式(2)を満たす必要がある。続いて、条件式(2)に関する説明を行うため、反射率50%(または透過率50%)の長波長側の裾の波長λplusの入射角度の変化に伴う波長シフト量ΔλplusのdH/dL依存性の結果について説明する。Δλplusは、入射角|θ|max、|θ|minにおけるλplusであるλplus(|θ|max)、λplus(|θ|min)を用いて表される波長シフト量である。具体的には、波長シフト量Δλplusは、Δλplus=λplus(|θ|max)−λplus(|θ|min)で定義される符号付きの波長シフト量である。ここで、|θ|max、|θ|minは、それぞれ、積層面に垂直、かつ単位構造内の2つの多層膜構造をずれ幅Dを有して配置させた方向に平行な任意の入射平面における入射角度範囲の絶対値の最大値および最小値である。
図4(A)は、光学フィルタ100の分光反射率の入射角度依存性を示す図であり、|θ|min=30deg.、|θ|max=60deg.とした際のλplusおよびΔλplusの定義を示している。互い違い多層膜においては、定性的に短波長側の裾よりも長波長側の裾の波長が入射角度変化によりに大きく変化するため、波長シフト量の入射角度依存性の評価量としてΔλplusを採用する。図4(A)において、光学層102の屈折率nHは2.36、物理層厚dHは70nmである。また、光学層103の屈折率nLは1.47、物理層厚dLは115nmである。また光学フィルタ100は、基板101の屈折率ns=1.47、幅W1=W2=135nm、D=92.5nm、繰り返し数mは8回とした互い違いの単位構造がX方向に一次元格子をなすように配列されて構成されている。入射平面はXZ平面、偏光はP偏光(TM偏光)、入射角度範囲はθ=30deg.からθ=60deg.である。このような構造において、dH/dLは0.61となり、Δλplus=+40nmという結果が得られる。
続いて、θ=45deg.における反射中心波長がλ0〜540nmで一定となるように、dH、dLの比を変化させた際のΔλplusのdH/dL依存性について考える。図4(B)は、ΔλplusのdH/dL依存性を示す図である。図4(B)において、横軸の最低値dH/dL=0.61におけるdH、dLは、それぞれ、70nm、115 nm、横軸の最大値dH/dL=2.33におけるdH、dLは、それぞれ、105nm、45nmである。図4(B)に示されるように、dH/dLの増加に伴い、Δλplusは低減する。図4(B)のプロットでは、dH/dLの上限は2.33となっている。dH/dLを更に増加させると、バンド幅縮小や反射率低下などの性能劣化が顕著になるため、好ましくない。以上から、入射角度依存性を効果的に低減するには、dH/dLを、条件式(2)を満たすように設定する必要がある。
また、具体的に入射角度範囲が選択された際のΔλplusと入射角度範囲の条件について説明する。ここで、積層面に垂直、かつ単位構造内の2つの多層膜構造をずれ幅Dで配置した方向に平行な任意の入射平面における入射角度の絶対値の最大値|θ|max、最小値|θ|minを考える。このとき、Δλplusは以下の条件式(4)を満たすことが好ましい。また、|θ|min、|θ|maxは、以下の条件式(5)を満たすことが好ましい。
|Δλplus|<30nm … (4)
cos|θ|min−cos|θ|max>0.365 … (5)
条件式(5)は、入射角度範囲を規定している。図4(B)において波長シフト量Δλplusを比較した構造では、条件式(2)を満たすことにより条件式(4)が満足される。
また、入射角度範囲が決定された際に、傾斜角φは、以下の条件式(6)を満たすことが好ましい。
0.5(|θ|max+|θ|min)/2<sin−1(neffsinφ)<1.5(|θ|max+|θ|min)/2 … (6)
条件式(6)において、neffは、neff={2/(1/nH+1/nL)}1/2の関係式により与えられる有効屈折率である。条件式(5)は、規定した入射角度範囲の中心角度の0.5倍から1.5倍の範囲内にsin−1(neffsinφ)が値を有することを意味している。sin−1(neffsinφ)は、媒質中の平均進行角度<θ’>=φとなる際の、空気中における入射角度に相当する。
前述のとおり、本実施形態における構造の反射中心波長は、傾斜多層膜として計算することにより近似的に求められる。このため、入射角度(|θ|max+|θ|min)/2における反射中心波長λ0と、単位構造におけるdH、dL、nH、nLは、以下の条件式(7)を満たすことが好ましい。
0.35・λ0<(nH・dH+nL・dL)cosφ<0.65・λ0 … (7)
条件式(7)中のcosφは、傾斜多層膜としてみなしたことによる、実質的な光学層厚の減少に起因する項である。
また、反射中心波長において、垂直入射時に少なくとも反射回折が発生しないことが好ましい。このため、幅W1、W2は、以下の条件式(8)を満たすことが好ましい。
(W1+W2)<0.85・λ0 … (8)
また、傾斜多層膜として計算して反射中心波長を近似的に求めるには、単位構造内のずれ幅の絶対値|D|は、Z方向の半周期(dH+dL)/2を中心とした値を有することが好ましい。このため、以下の条件式(9)を満たすことが好ましい。
0.25(dH+dL)≦|D|≦0.75(dH+dL) … (9)
Z方向の半周期(dH+dL)/2からのずれが大きくなると、単純な多層膜における干渉反射条件nHdH+nLdL=λ0’/2から見積もられる波長λ0’を中心とした帯域の反射が強く生じるため、好ましくない。また、幅W1、W2は互いに同一の値である必要はなく、幅W1、W2は、以下の条件式(10)、(11)を満たせばよい。
W1≧W2 … (10)
W1/(W1+W2)≦0.8 … (11)
図5は、幅W1、W2が互いに異なる光学フィルタ500の構成図である。光学フィルタ500は、W1>W2の関係を満たす単位構造501を配列して構成されている。幅W1、W2の関係以外は、図1(A)を参照して説明した光学フィルタ100と同様であるため、その詳細な説明については省略する。条件式(11)の右辺値を超えると互い違い構造に由来する反射だけでなく、単純多層膜における干渉条件nHdH+nLdL=λ0’/2から見積もられる波長λ0’を中心とした帯域の反射が強く生じるため、好ましくない。
ここまでは、単位構造に関する条件について説明した。続いて、単位構造の配列性に関する条件式について説明する。単位構造の配列方法は、規則的である必要はない。例えば、光学フィルタの隣接する単位構造間のZ方向のずれによる乱雑さΔzが、全ての単位構造間において以下の条件式(12)を満たすように単位構造を配列してもよい。
0≦|Δz|≦2(dH+dL) … (12)
図6は、単位構造604間のずれ幅Dが不規則である光学フィルタ600の構成図である。図6の光学フィルタ600は、単位構造604を配列させる際に、単位構造604間にZ方向のずれ幅Dによる乱雑さΔz(不規則性)を有する。乱雑さΔz以外については、図1(A)を参照して説明した光学フィルタ100と同様であるため、その詳細な説明は省略する。全ての単位構造間で、条件式(12)における下限値|Δz|=0とした場合、完全に周期的な配列構造であることを意味する。条件式(12)の右辺値を超えると、乱雑さΔzに起因する散乱成分が強まるため、好ましくない。
また、単位構造を配列形成させる際に単位構造間に空間(スペース)が存在しても構わない。単位構造の中心間距離をPとする場合、W1、W2、Pは、以下の条件式(13)を満たすことが好ましい。
0.5≦(W1+W2)/P≦1 … (13)
条件式(13)において、左辺は基板601上における単位構造604の充填率が50%である配列構造を意味し、右辺は充填率が100%である配列構造を意味している。
図7は、単位構造701間に空間709(スペース)がある光学フィルタ700の構成図である。図7の光学フィルタ700は、単位構造701間に空間709が導入されていることを除いて、図1を参照して説明した光学フィルタ100と同様である。このため、その詳細な説明については省略する。条件式(13)を満たせば、光学フィルタ700の単位構造701に配列周期性を持たせることなく、単位構造701を乱雑に形成してもよい。条件式(13)の左辺値未満の場合、反射率の低下が大きくなるため好ましくない。
なお、第1および第2の多層膜の他に、リップル低減層を有していても良い。また、第1および第2の多層膜は、リップル低減層を含むように構成してもよい。このとき、リップル低減層は、nHとnLとの間の屈折率を有することが望ましい。さらに、リップル低減層は、2つの光学層(第3および第4の光学層)により構成されることが好ましい。
ここまで一次元周期性の構造について説明したが、本実施形態はこれに限定されるものではない。面内XY方向でそれぞれ格子をなすように(二次元状に)配列された二次元周期性を有する互い違い多層膜構造についても、XZ平面およびYZ平面における入射角度依存性を低減させる光学フィルタとして働くため、本実施形態は適用可能である。
図8は、二次元周期性を有する光学フィルタ800の構成図である。二次元周期性を有する多層膜構造をZ方向から俯瞰すると、図8(A)に示されるように、凹凸形状を有する平面図となる。図8(A)において、801は凸部領域、802は凹部領域である。二次元周期性を有する互い違い多層膜構造の単位構造は、X方向と同様にY方向も単位構造内のずれ幅Dによる互い違いの構造を有する。図8(B)、(C)に示されるように、凸部領域801および凹部領域802のX方向の幅をそれぞれWx1、Wx2、Y方向の幅をそれぞれWy1、Wy2と定義する。このときの単位構造805は、図8(D)に示されるように、4つの多層膜構造がそれぞれ幅Wx1、Wx2、Wy1、Wy2を有し、互いにZ方向にDだけずれて凹凸をなすように配置され、Z方向から俯瞰した際の平面図が長方形をなす形状となる。XZ平面、YZ平面で切り出した断面形状は、図8(B)、(C)に示される形状803、804となる。このとき、Wx1、Wx2、Wy1、Wy2を用いて、傾斜角φX、φYは、傾斜角φと同様に、以下の式(3a’)、(3b’)、(3a’’)、( 3b’’)により定義される。
φX=tan−1(|D|/(0.5(Wx1+Wx2)))
(|D|≦0.5(dL+dH)の場合) … (3a’)
φX=tan−1(((dL+dH)−|D|)/(0.5(Wx1+Wx2)))
(|D|>0.5(dL+dH)の場合) … (3b’)
φY=tan−1(|D|/(0.5(Wy1+Wy2)))
(|D|≦0.5(dL+dH)の場合) … (3a’’)
φY=tan−1(((dL+dH)−|D|)/(0.5(Wy1+Wy2)))
(|D|>0.5(dL+dH)の場合) … (3b’’)
また、入射角度依存性を低減するには、X方向およびY方向のそれぞれに対して定義されるφX、φYが、以下の条件式(2’)、(2’’)を満たす必要があり、条件式(6’)、(6’’)を満たすことが好ましい。
15deg.<φX<35deg. … (2’)
15deg.<φY<35deg. … (2’’)
0.5(|θX|max+|θX|min)/2<sin−1(neffsinφX)<1.5(|θX|max+|θX|min)/2 … (6’)
0.5(|θY|max+|θY|min)/2<sin−1(neffsinφY)<1.5(|θY|max+|θY|min)/2 … (6’’)
条件式(6’)、(6’’)において、θX、θYは、YZ平面内およびXZ平面内のそれぞれにおける光線入射角度である。また、|θX|max、|θX|min、|θY|max、|θY|minは、それぞれの平面内における光線入射角度の最大値または最小値である。以上の構造は、XZ平面内およびYZ平面内のそれぞれにおける入射角度依存性を低減させるため、好ましい。
配列のランダム性に関する条件については既に説明したが、各単位構造に対し、製造誤差以上のばらつきを積極的に持たせてもよい。条件式(1)、(2)、(6)、(7)、(8)、(9)、(10)、(11)は、単位構造に関する条件であるが、単位構造のそれぞれがこれらの条件を満たしていればよい。単位構造にばらつきを持たせることにより、所望の透過波長帯域内に発生しうる狭帯域反射を緩和させることが可能である。このため、使用用途によっては、積極的に構造にばらつきを持たせることも効果的である。
本実施形態の光学フィルタを構成する微細素子構造は、例えば微細加工を施した基板上に積層を行うことにより作製される。微細加工の方法としては、一般的なエッチング技術、ナノインプリント技術などが挙げられる。積層成膜方法としては、一般的な蒸着法やスパッタリング法が挙げられる。また断面形状は矩形とは異なるが、積層とエッチングを繰り返すことにより、ジグザグ形状回折格子を多重に積層させるオートクローニング技術を用いてもよい。また、前述の作製方法に限定されるものではなく、本実施形態に適した微細な凹凸形状加工の方法や積層成膜の方法を利用して作製すればよい。
また積層成膜方法によっては、横堆積などにより表層に近づくにつれ矩形の形状から崩れることが想定されるが、傾斜角φは、常に最下層における構造の幅W1、W2、最下層におけるZ軸方向のずれ幅Dを用いて、式(3)により定義される。
次に、本発明の実施例1における光学フィルタについて説明する。緑色帯域を反射する本実施例の光学フィルタ(実施例1Gの光学フィルタ)は、入射角度範囲45±15deg.において波長シフトを低減するよう設計されており、例えば液晶プロジェクタにおける白色分光用ダイクロイックフィルタに用いられる。以降、青色帯域は主に400〜500nm、緑色帯域は500〜600nm、赤色帯域は600〜700nmを示すが、各帯域はこれらの波長帯域に明確に限定されるものではない。
本実施例における光学フィルタ100の構成は、図1(A)に示されるとおりであるため、その詳細な説明は省略する。光学フィルタ100は、屈折率ns=1.47の合成石英の基板101上に、屈折率nH=2.36のTiO2による光学層102(第1の光学層)、屈折率nL=1.47のSiO2による光学層103(第2の光学層)が交互に繰り返し積層された構造を有する。また、光学層102の物理層厚dHは105nm、光学層103の物理層厚dLは45nmである。光学フィルタ100は、光学層102と光学層103とが交互に8回繰り返し積層されて構成されている。また、幅W1=W2=135nmの多層膜構造をZ方向のずれ幅D=(dL+dH)/2=75nmだけずれてX方向に配置される複数の単位構造104を有する。単位構造104のY方向の形状は一様である。このように光学フィルタ100は、複数の単位構造104が基板101上にX方向に一次元格子をなすように配列されて構成されている。
図1(A)は、矩形の一次元格子のパターニングが施された基板101上に光学層102、光学層103が積層された形状を示しているが、必ずしも基板101に対してパターニングを施す必要はない。単位構造104の傾斜角φは29.1deg.であり、条件式(1)を満たしている。また、dH/dLは、2.33であり、条件式(2)を満たしている。本実施例(実施例1G)の構造パラメータは、表2に示されている。
続いて、図9を参照して、本実施例の緑色帯域反射ダイクロイックフィルタの反射率スペクトルについて説明する。図9は、本実施例における光学フィルタ100の分光反射率の入射角度依存性である。図9において、横軸は波長(nm)、縦軸は反射率(%)をそれぞれ示している。入射平面はXZ平面、偏光はP偏光(TM偏光)である。入射角度θ=45deg.における反射中心波長λ0は540nmであり、反射率90%以上、半値全幅が80nmの反射帯域を有している。θ=30deg.から60 deg.までの入射角度範囲において、Δλplus=22.5nmとなり、条件式(4)、(5)を満たす。また、条件式(6)〜(8)を満足することは、表2に示されるとおりである。また、各構造パラメータから、条件式(9)〜(13)も満たしている。
続いて、図10を参照して、比較例1としての、面内微細形状を有しない単純多層膜により構成されたθ=45deg.入射時に緑色帯域を反射するダイクロイックフィルタの反射スペクトルの入射角度依存性について説明する。図10は、比較例1としての光学フィルタの分光反射率の入射角度依存性である。θ=30deg.からθ=60deg.までの入射角度変化に対して、Δλplus=−50nmと求められる。以上から、本実施例(実施例1G)の光学フィルタの入射角度依存性が低減されていることがわかる。
また、本実施例(実施例1G)の構造パラメータのうち、dH、dL、W1、W2、Dを略定数倍にすることにより、青色帯域反射ダイクロイックフィルタや赤色帯域反射ダイクロイックフィルタの設計も可能である。青色帯域反射の実施例1B、赤色帯域反射フィルタの実施例1Rの構造パラメータも、表2にまとめられている。
図11(A)、(B)は、それぞれ、青色帯域反射ダイクロイックフィルタ(実施例1Bの光学フィルタ)、赤色帯域反射ダイクロイックフィルタ(実施例1Rの光学フィルタ)の反射率スペクトルの入射角度依存性を示す図である。入射平面はXZ平面、偏光はP偏光(TM偏光)である。θ=30deg.から60deg.までの入射角度変化に対し、実施例1Bを示す図11(A)においてΔλplus=20nm、実施例1Rを示す図11(B)においてΔλplus=25nmとなる。いずれにおいても、入射角度依存性が低減させるダイクロイックフィルタとして作用する。
なお本実施例は、表2に示されるパラメータ(構造パラメータ)に限定されるものではない。構造パラメータのうち、dH、dL、W1、W2、Dを略定数倍にすることにより、他の波長帯域を反射するダイクロイックフィルタを設計することができる。
次に、本発明の実施例2における光学フィルタについて説明する。本実施例における光学フィルタは、入射角度範囲θ=0deg.からθ=60deg.と広い入射角度範囲において、透過波長帯域が略一定となるよう設計されており、例えば吸収型カラーフィルタとして用いられる。本実施例の光学フィルタは、従来の吸収型カラーフィルタとは異なり、熱や耐久性の問題が発生しにくい利点を有する。
本実施例の光学フィルタ1200の構成は、図12に示されるとおりであり、その詳細の説明については省略する。光学フィルタ1200には、屈折率ns=1.47の基板1201(合成石英基板)上に、屈折率nH=2.36のTiO2による光学層1202(第1の光学層)、屈折率nL=1.47のSiO2による光学層1203(第2の光学層)が交互に積層されている。光学層1202の物理層厚dHは75nm、光学層1203の物理層厚dLは35nmである。光学フィルタ1200は、光学層1202と光学層1203とが交互に10回繰り返し積層されて構成されている。また光学フィルタ1200は、幅W1=W2=175nmの多層膜構造がZ方向のずれ幅D=(dL+dH)/2=55nmだけずれてX方向に配置した複数の単位構造1204を有する。単位構造1204のY方向の形状は一様である。光学フィルタ1200は、このような単位構造1204が基板1201上にX方向に一次元格子をなすように配列されて構成されている。
図12では、矩形の一次元格子のパターニングが施された基板1201上に光学層1202および光学層1203が積層された構造が示されているが、必ずしも基板1201に対してパターニングを施す必要はない。単位構造1204の傾斜角φは17.4degであり、条件式(1)を満たす。また、dH/dLは2.14であり、条件式(2)を満たす。本実施例の構造パラメータは、表3にまとめられている。
図13は、本実施例における光学フィルタ1200の分光反射率および透過率の入射角度依存性を示す図である。図13(A)は、青色帯域反射型カラーフィルタの回折次数0次の透過率スペクトル、図13(B)は、青色帯域反射型カラーフィルタの回折次数1次の透過率スペクトルを示す。図13(C)は、青色帯域反射型カラーフィルタの回折次数0次の反射率スペクトル、図13(D)は、青色帯域反射型カラーフィルタの回折次数1次の反射率スペクトルを示す。入射平面はXZ平面、偏光はP偏光(TM偏光)である。反射中心波長λ0=435nmに対し、単位構造1204の構造幅Wは、W=W1+W2=350nmと入射波長に近い。このため、図13(D)に示されるように、θ=30deg.から反射回折が発生している。
本実施例は、吸収型カラーフィルタの代替用途、すなわち0次の透過光の利用を想定しているため、図13(A)に示される0次透過スペクトルにおけるΔλplusで性能評価を行う。θ=0deg.から60deg.までの入射角度範囲における透過0次スペクトルにおけるΔλplusは20nmであり、条件式(4)、(5)を満たす。また表3から、条件式(6)〜(8)の各条件も満たしていることがわかる。また、各構造パラメータから、条件式(9)〜(13)も満たしている。いずれの入射角度θにおいても、反射帯域の大きな波長シフトは見られず、λ=500nm以上の透過帯域において平均75%以上の0次透過率が得られる。以上より、本実施例の光学フィルタ1200は、入射角度変化に対して透過波長変化を低減した反射型カラーフィルタとして作用することがわかる。
続いて、図14を参照して、比較例2として面内微細形状を有しない単純多層膜により構成されたθ=0deg.入射時に青色帯域を反射するダイクロイックフィルタの透過率スペクトルの入射角度依存性について説明する。比較例2の構造パラメータは、表4にまとめられている。θ=0deg.からθ=60 deg.までの入射角度変化に対して、Δλplus=−70 nmと求められる。以上より、本実施例の光学フィルタ1200の入射角度依存性は大きく低減されていることがわかる。また、本実施例の構造パラメータのうち、dH、dL、W1、W2、Dを略定数倍にすることにより、他の波長帯域の反射型カラーフィルタを設計することもできる。
次に、本発明の実施例3における光学フィルタについて説明する。本実施例の光学フィルタは、実施例1と同様に、入射角度範囲45±15 deg.において波長シフトを低減するように設計されている。本実施例の光学フィルタは、例えば、液晶プロジェクタにおける白色分光用ダイクロイックフィルタとして用いられる。
本実施例の光学フィルタ1500は、図15に示されるとおりであるため、その構造の詳細な説明については省略する。光学フィルタ1500は、屈折率ns=1.47の合成石英基板1501上に、屈折率nH=2.36のTiO2による光学層1502(第1の光学層)、屈折率nL=1.47のSiO2による光学層1503(第2の光学層)が交互に積層された構造を有する。光学層1502の物理層厚dHは105nm、光学層1503の物理層厚dLは45nmである。光学フィルタ1500は、光学層1502と光学層1503とが繰り返し積層されている。また光学フィルタ1500は、幅W1=W2=135nmの多層膜構造がZ方向のずれ幅D=(dL+dH)/2=75nmだけずれてX方向に配置した複数の単位構造1506を有する。
実施例1の光学フィルタ100は、リップル低減設計を行うことなく、2種類の光学層により構成されている。一方、本実施例の光学フィルタ1500は、リップル低減層として第1の中間屈折率光学層(第3の光学層)1504、第2の中間屈折率光学層(第4の光学層)1505からなる2層構造を、最表層側および基板側のそれぞれに、2回繰り返しで導入している。第1の中間屈折率光学層1504の屈折率nM1および第2の中間屈折率光学層1505の屈折率nM2は、いずれも屈折率nHと屈折率nLとの間の値をとっている。本実施例の構造パラメータは、表5にまとめられている。光学フィルタ1500は、Y方向において一様な単位構造1506がX方向に格子をなすように周期的に配列されて構成されている。第1の中間屈折率光学層1504および第2の中間屈折率光学層1505の繰り返し構造を導入することにより、反射率が低下する。このため、繰り返し数を9回と設定し、実施例1と比較して積層数を増加させている。単位構造1506の傾斜角φは29.1degであり、条件式(1)を満たす。また、dH/dLは2.33であり、条件式(2)を満たす。
図16は、本実施例の光学フィルタ1500の分光反射率の入射角度依存性を示す図であり、緑色帯域反射ダイクロイックフィルタの反射率スペクトルを示している。入射平面はXZ平面、偏光はP偏光(TM偏光)である。θ=30deg.から60deg.までの入射角度範囲におけるΔλplusは25nmであり、条件式(4)、(5)を満たす。また、λ0=540nmであり、表5に示されているように、条件式(6)〜(8)を満たす。また、各構造パラメータに示されているように、条件式(9)〜(13)も満たす。実施例1Gのθ=45deg.における青色帯域における反射率は平均10%程度であるが、本実施例の結果では平均5%以下となり、不要反射光が大きく低減している。一方、赤色帯域では、構造の全層数に依存する狭帯域の反射が発生するが、平均10%程度であるため、実施例1Gと比較すると略同程度である。以上より、本実施例の光学フィルタ1500において、中間屈折率層の導入によるリップル低減効果が現れていることがわかる。
なお本実施例は、緑色帯域反射の設計例に限定されるものではない。また、緑色帯域から構造パラメータのうちdH、dL、W1、W2、D、dM1、dM2を略定数倍にすることにより、青色帯域反射ダイクロイックフィルタや赤色帯域反射ダイクロイックフィルタの設計も可能である。
次に、本発明の実施例4における光学フィルタについて説明する。本実施例における光学フィルタは、入射角度範囲0deg.から60deg.において反射波長シフトを低減するように設計されている。また本実施例の光学フィルタは、反射0次光を利用せず、透過0次スペクトルが所望の入射角度範囲において実質的に変化しないように構成されている。
本実施例の光学フィルタの構成は、図6に示されるとおりである。光学フィルタ600には、屈折率ns=1.47の基板601(合成石英基板)上に、屈折率nH=2.36のTiO2による光学層602(第1の光学層)、屈折率nL=1.47のSiO2による光学層603(第2の光学層)が交互に積層されている。光学層602の物理層厚dHは75nm、光学層603の物理層厚dLは35nmである。光学フィルタ600は、光学層602と光学層603とが交互に12回繰り返し積層して構成されている。また光学フィルタ600は、幅W1=W2=175nmの多層膜構造がZ方向のずれ幅D=(dL+dH)/2=55nmだけずれてX方向に配置した複数の単位構造604を有する。単位構造604のY方向の形状は一様である。
実施例1から実施例3では、一次元格子を形成するように全単位構造を周期的に配列形成させた構造を示している。一方、本実施例の光学フィルタ600は、隣接する単位構造604を配置させる際に、隣接する単位構造間のZ方向のずれによる乱雑さΔzを導入している。各単位構造間に与えられる乱雑さΔzは、平均0nm、標準偏差σ=25nmの規格化された逆正規累積分布関数に対し0〜1の乱数を入力することにより得ている。このとき、乱雑さΔzは、条件式(12)を満たすように設定される。
単位構造604の構造パラメータは、表6が示されるとおりである。繰り返し数が12回と増加している点以外は、全て実施例2と共通の構造である。FDTDの計算では、有限の計算領域の電場時間発展しか計算できないため、完全なランダム構造の反射率および透過率を調べることはできない。そこで、ランダム構造をできるだけ再現するため、単位構造25個を上記のランダム性を持って配列させた構造のスペクトルを、乱数群を変更して5回計算を行う。そして、それらのスペクトルを平均化することにより、図17に示されるスペクトルが近似的に求められる。
図17(A)は、本実施例における青色帯域反射型カラーフィルタの回折次数0次の透過率スペクトルである。図17(B)は、回折次数1次の透過率スペクトルである。図17(C)は、回折次数0次の反射率スペクトルである。図17(D)は、回折次数1次の反射率スペクトルである。入射平面はXZ平面、偏光はP偏光(TM偏光)である。θ=0deg.から60deg.までの入射角度範囲において、中心波長450nmの青色帯域を反射し、Δλplusは−25nmであり、条件式(4)、(5)を満たす。また、表6より、条件式(6)〜(8)の各条件を満足していることがわかる。また、表6の各構造パラメータから、条件式(9)〜(13)も満たしている。実施例2と比較すると、本実施例の反射率は低下しているが、透過目標帯域内に存在する狭帯域反射が低減されており、平均で80%の透過率が確保されている。以上から、ランダム性を導入することにより、透過目標帯域内の狭帯域反射が低減されることがわかる。
なお本実施例は、配列形成時のΔzがランダムな構造における性能について説明したが、これに限定されるものではない。配列性だけでなく、構造パラメータのうちdH、dL、W1、W2、D、Pに対してランダム性を与えてもよい。また、本実施例の構造を略定数倍することにより、緑色帯域から赤色帯域における反射型カラーフィルタを設計することが可能である。
次に、図18を参照して、本発明の実施例5における画像表示装置(光学装置)について説明する。図18は、画像表示装置1800の構成図である。
画像表示装置1800は、光源1801、偏光子1803、レンズ1804、ダイクロイックフィルタ1805、偏光分離素子1807、位相補償板1808、画像表示素子1809、偏光板1811、および、色選択性位相板1812を備えている。このような構成により、画像表示装置1800は、画像光を生成することができる。また画像表示装置1800は、合成プリズム1813、ダイクロイック膜1814、および、投射光学系1815を備え、各帯域の画像光の合成および投射を行う。
光源1801から発せられた照明光束1802は、偏光子1803に入射し、P偏光の照明光束1802pとなる。次に、照明光束1802pをレンズ1804により集光した後、緑色帯域反射のダイクロイックフィルタ1805に入射させる。緑色帯域反射のダイクロイックフィルタ1805への入射光束は、集光により、角度θの半開角を持って入射する。青色帯域光束1806bp、赤色帯域光束1806rpは、ダイクロイックフィルタ1805を透過する。
緑色帯域光束1806gpは、ダイクロイックフィルタ1805により反射され、偏光分離素子1807gに入射する。偏光分離素子1807gは、偏光分離面1807g1に入射する偏光のうち、P偏光を透過しS偏光を反射させる素子であり、緑帯域光束1806gpを透過させる。緑色帯域光束1806gpは、位相補償板1808gおよび画像表示素子1809gへの照射により画像情報を含む分布に変換される。更に緑色帯域光束1806gpは、偏光変換されてS偏光となり、緑色帯域の画像光1810gとなる。その後、画像光1810gは偏光分離素子1807gに再入射され、偏光分離面1807g1により反射される。これにより、画像光1810gは、入射光路とは異なる光路に出射され、合成プリズム1813に向かう方向に進行する。
青色帯域光束1806bp、赤色帯域光束1806rpは、偏光板1811を透過することにより偏光度が向上し、その後、色選択性位相板1812に入射する。色選択性位相板1812は、青色帯域光束のみ偏光方向を90°変換させる特性を有する。これにより、赤色帯域光束の偏光状態は維持したまま、青色帯域光束は90deg.だけその偏光方向が回転した状態で(青色帯域光束1806bsとして)偏光分離素子1807brに入射する。偏光分離素子1807brは、偏光分離面1807r1に入射する偏光のうち、P偏光を透過しS偏光を反射する素子である。このような作用を有する素子は、例えば屈折率の異なる薄膜を偏光分離面1807br1に積層したものなどがある。偏光分離素子1807brの偏光分離面1807br1により、青色帯域光束1806bsは反射し、赤色帯域光束1806rpは透過し、色分離される。
青色帯域光束1806bsおよび赤色帯域光束1806rpは、位相補償板1808b、1808rをそれぞれ透過し、各色に対応する画像表示素子1809b、1809rにそれぞれ照射され、画像情報を含む分布に変換される。これらの画像光は、再び、位相補償板1808b、1808rを透過した後、偏光分離素子1807brに再入射する。ここで、青色帯域光束の画像光1810bは、偏光分離面1807br1を透過する。赤色帯域の画像光1810rは、偏光分離面1807br1で反射される。これにより、画像光1810b、1810rは合成され、合成プリズム1813に入射する。合成プリズム1813内のダイクロイック膜1814により、緑色帯域光束の画像光1810gは反射され、青色帯域光束の画像光1810b、赤色帯域光束の画像光1810rは透過することにより、青色、緑色、赤色の帯域の光が合成されて出射される。色合成された画像光は、投射光学系1815により投影および結像される。
画像表示装置1800において、角度θの半開角を持つ白色光束が、緑色帯域反射のダイクロイックフィルタ1805やダイクロイック膜1814に入射する。緑色帯域反射のダイクロイックフィルタ1805やダイクロイック膜1814として前述の各実施例の光学フィルタを用いることにより、従来の多層膜において生じる入射角度に依存した波長変化による色味の変化を低減することができる。
前述の比較例1を緑色帯域透過のダイクロイックフィルタ1805やダイクロイック膜1814として用いた場合、θ=31deg.における色度座標は(X,Y)=(0.40,0.40)である。また、θ=59deg.における色度座標は(X,Y)=(0.23,0.53)となる。角度変化による座標の変化量は、(ΔX,ΔY)=(−0.17,0.13)であり、入射角度に依存して色味は大きく変化する。
一方、前述の実施例1Gを緑色帯域反射ダイクロイックフィルタ1805やダイクロイック膜1814として用いた場合、θ=31deg.における色度座標は、(X,Y)=(0.28,0.60)である。また、θ=59deg.における色度座標は(X,Y)=(0.36,0.58)となる。角度変化による座標の変化量は、(ΔX,ΔY)=(−0.08,0.02)であり、色味の変化が大きく低減される。以上より、画像表示装置1800に各実施例の光学素子(光学フィルタ)を用いることにより、入射角度に依存する色味変化を低減することができる。
各実施例によれば、積層方向にずれ幅を有する互い違いの単位構造を配列した構造を多層膜に設ける。これにより、所望の入射角度範囲において反射波長の変化が抑制された光学フィルタを提供することができる。
本発明によれば、所望の入射角度範囲において反射波長の変化を低減させる光学フィルタ、および色味の劣化が抑制された光学装置を提供することができる。
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されないことはいうまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
例えば、第1および2の多層膜のそれぞれが、第1および第2の光学層以外の層を有していてもよい。その際に、第1の光学層と第2の光学層との間に他の層が配置された構成を採ってもよい。
100 光学フィルタ
102 光学層(第1の光学層)
103 光学層(第2の光学層)
104 単位構造

Claims (12)

  1. 屈折率nHを有する平均層厚dHの第1の光学層および屈折率nHよりも低い屈折率nLを有する平均層厚dLの第2の光学層が交互に積層された幅W1の第1の多層膜と、
    前記第1および第2の光学層が交互に積層された幅W2の第2の多層膜と、を有し、
    前記第1および第2の多層膜は、前記第1および第2の光学層の積層方向において幅Dだけ互いにずれて配列された単位構造を構成し、
    |D|≦0.5(dL+dH)の場合の前記単位構造の傾斜角をφ=tan−1(|D|/0.5(W1+W2))、|D|>0.5(dL+dH)の場合の前記単位構造の傾斜角をφ=tan−1[{(dL+dH)−|D|}/0.5(W1+W2)]、前記第1および第2の多層膜の配列方向と前記積層方向とに平行な平面に対する光線の入射角の絶対値の最大値および最小値をそれぞれ|θ|maxおよび|θ|min、前記入射角が(|θ|max+|θ|min)/2であるときのP偏光の反射中心波長をλ0、とするとき、
    15°<φ<35°
    1.8<dH/dL<5.0
    (W1+W2)<0.85λ0
    を満たすことを特徴とする光学フィルタ。
  2. 前記光学フィルタの反射帯域における反射率50%のときの長波長側の裾の波長をλplus、P偏光の前記入射角が|θ|minから|θ|maxまで変化したときの波長シフト量をΔλplus、とするとき、
    |Δλplus|<30nm
    cos|θ|min−cos|θ|max>0.365
    を満たすことを特徴とする請求項1に記載の光学フィルタ。
  3. eff={2/(1/nH+1/nL)}1/2とするとき、
    0.5(|θ|max+|θ|min)/2<sin−1(neffsinφ)<1.5(|θ|max+|θ|min)/2
    を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載の光学フィルタ。
  4. 前記入射角が(|θ|max+|θ|min)/2であるときのP偏光の反射中心波長をλ0とするとき、
    0.35λ0<(nH・dH+nL・dL)cosφ<0.65λ
    を満たすことを特徴とする請求項2または3に記載の光学フィルタ。
  5. 0.25(dH+dL)≦|D|≦0.75(dH+dL)
    を満たすことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
  6. 隣接する2つの前記単位構造の中心間距離をPとするとき、
    0.5≦(W1+W2)/P≦1
    を満たすことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
  7. 隣接する2つの前記単位構造同士についての前記幅Dの乱雑さをΔzとするとき、
    0≦Δz≦2(dH+dL)
    を満たすことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
  8. W1>W2
    W1/(W1+W2)≦0.8
    を満たすことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
  9. 前記第1および第2の多層膜は、nより小さくnLより大きな屈折率を有する層を含むことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
  10. 前記第1および第2の多層膜は、前記第1および第2の光学層とは異なる材質の第3および第4の光学層を含むことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
  11. 前記第1および第2の多層膜は、前記積層方向と直交する方向において二次元状に配列された複数の前記単位構造を構成していることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
  12. 請求項1乃至11のいずれか1項に記載の光学フィルタと光学素子とを有することを特徴とする光学装置。
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