JP6317350B2 - 車両パネル用ハンドルのハンドルレバー - Google Patents

Description

本発明は、ハンドルレバー本体、ハンドルレバー本体上に取り付けられるようになっているハンドルレバーカバー、および車両パネル用ハンドルを作動させるためのラッチ機構と協働するようになされており、ラッチ機構を駆動しない基準位置と、車両パネルの開放を可能にするように、ラッチ機構を駆動する駆動位置との間で回転可能である可動トリガー部を備えている、車両パネル用ハンドルのハンドルレバーに関する。また本発明は、自動車の車両パネルを開放するための、上記のようなハンドルレバーを備えている車両パネル用ハンドルに関する。

自動車の車両パネル用ハンドル、特にサイドドアのハンドルは、通常、支持部に固定されるが、ユーザによって引っ張られると回転することができるハンドルレバーを備えている。支持部は、車両パネルに取り付けられる。

ハンドルレバーカバーの内部に入り込むように回転することができる可動トリガー部を有しているハンドルレバーが存在する。このハンドルレバーは、ユーザの手を受けるようになっている。

さらに可動トリガー部は、ハンドルを作動させるためのラッチ機構と協働するようになっている。このようなハンドルにおいては、ハンドルレバーカバーは、車両パネル（具体的には取り付け用金具）に固定されており、したがって、ユーザによって動かされることはない。可動トリガー部は、ハンドルの内部領域内に位置する回転軸のまわりに回転可動である。ユーザによるハンドルの駆動の際に、可動トリガー部は、グリップ領域において、ハンドルレバーカバー内に貫入する。車両パネルの開放を可能にするボーデンケーブルが、ハンドルレバーの回転軸の反対側に接続されている。したがって、可動トリガー部がユーザによって押されることによって、ボーデンケーブルは、ラッチを解除するように動く。

可動トリガー部を収容するハンドルレバーカバーが可動である別のハンドルレバーが存在する。これは、ユーザが、ハンドルレバーカバーと可動トリガー部とを含む組み立て体を回転させるために、ハンドルレバーカバーを握ると同時に、可動トリガー部は押されるようになっている。

この種のハンドルは、ハンドルレバーカバーおよび可動トリガー部の重量が軽いため、通常、衝突事故の際の変位を阻止するための慣性システムを必要としない。

現在、多くの自動車は、認証ユーザの身体の少なくとも一部分の存在、例えばユーザの手の存在を検出するために、ホール効果センサ、リードリレー、マイクロスイッチ、アンテナ、容量センサなどの少なくとも１つの電気素子を備えている。

したがって、少なくとも１つの電気素子を組み込まれたハンドルレバーを備えている車両パネル用ハンドルが求められる。このようなハンドルは効率的であり、製造が容易である。

本発明の一態様においては、次のものを備えている、車両パネル用ハンドルのためのハンドルレバーが提供される。
− ハンドルレバー本体。
− ハンドルレバー本体上に取り付けられるようになされているハンドルレバーカバー。
− 車両パネル用ハンドルを作動させるためのラッチ機構と協働するようになされており、ラッチ機構を駆動しない基準位置と、車両パネルの開放を可能にするように、ラッチ機構を駆動する駆動位置との間で回転可動である可動トリガー部。
可動トリガー部は、少なくとも１つの電気素子を収容するように構成されている内部領域を有している。

本発明による、車両パネル用ハンドルのためのこのようなハンドルレバーの構造によって、少なくとも１つの電気素子が、ハンドルレバーの内部、より正確には可動トリガー部の内部に一体化される。可動トリガー部の変位は、各電気素子の動作の妨害にならないから、可動トリガー部は、各電気素子を保護するものとなる。

このハンドルレバー、したがってこのハンドルレバーを備えている車両パネル用ハンドルは、効率的で信頼性が高く、かつ製造が容易である。

さらに、本発明によるハンドルレバーおよび車両パネル用ハンドルは、スリムな形状を呈している。

本発明によるハンドルレバーは、さらに、次の特徴の１つ以上を、単独で、または組み合わせて備えている場合がある。
− 内部領域は、それぞれに１つ以上の電気素子を収容するための、いくつかの凹部に分割されている。
− 電気素子の１つは、ユーザの身体の少なくとも一部分の存在を検出するための電気的検出器である。
− この電気的検出器は、アンテナ、容量センサ、ホール効果センサ、およびリードリレーを含むリストから選択される。
− 電気素子の１つは、１つの素子を操作するためのマイクロスイッチである。
− 可動トリガー部は、１つ以上の慣性質量体を収容している。
− 慣性質量体は、ザマック（登録商標）、鋼、またはプラスチック材料から成っている。
− 慣性質量体は、電気的検出器またはマイクロスイッチなどの電気素子によって構成されている。
− さらに本発明によるハンドルレバーは、少なくとも１つの電気素子を、可動トリガー部の内部に保持するための固定手段を、備えている。
− 本発明によるハンドルレバーは、可動トリガー部が基準位置にあるときに、ラッチ機構の駆動を防止するためのロック手段を備えている。
− 可動トリガー部は、可動トリガー部が、駆動位置に達した後に、基準位置に戻ることを可能にする弾性手段と組み合わされている。
− 可動トリガー部と、少なくとも１つの電気素子とは、良好な防水品質を備えるために、樹脂で一緒にシールされている。

別の一態様によれば、本発明は、自動車の車両パネルを開放するために、次のものを備えている車両パネル用ハンドルを提供するものである。
− 作動したときに、車両パネルの開放を可能にするように構成されているラッチ解除機構と、
− 操作されたときに、ラッチ解除機構を作動させるように構成されている、前述のいずれか１つのハンドルレバー。

一実施形態によれば、本発明による車両パネル用ハンドルは、ハンドルレバーを取り付けられる取り付け用金具を備えている。

本発明の一実施形態のハンドルレバーの側面図である。 図１のハンドルレバーの組立分解側面斜視図である。 図２の可動トリガー部の組立分解側面斜視図である。 本発明の別の一実施形態のハンドルレバーの組立分解側面斜視図である。

添付図面を参照して、例示的に示す以下の説明を読むことによって、本発明をよりよく理解することができると思う。

全ての図において、同一の要素には、同一の符号を付してある。

図２に示すように、本発明のハンドルレバー１は、次のものを備えている。
− ハンドルレバー本体３と、
− ハンドルレバー本体３上に取り付けられるようになされているハンドルレバーカバー５と、
− ハンドル（図示せず）を作動させるためのラッチ機構（図示せず）と協働するようになっており、ラッチ機構を駆動しない基準位置と、車両パネルの開放を可能にするように、ラッチ機構を駆動する駆動位置との間で回転可能である可動トリガー部７。

本発明によれば、可動トリガー部７は、少なくとも１つの電気素子を収容しうるような形状を呈する内部領域８を有している。

したがって、少なくとも１つの電気素子９が、可動トリガー部のハウジング、すなわち内部領域８に収容される。

このような構造を備えているため、使用空間は小となり、したがって、このようなハンドルレバー１を備えるハンドルの形状を、スリムでコンパクトなものにすることができる。

可動トリガー部７が、これらの少なくとも１つの電気素子９の周囲の保護外枠として働くから、可動トリガー部７の動きによって、各電気素子９の動作が妨害を受けることはなく、各電気素子９は、効率的に動作する。

このようなハンドルレバー１、したがって、ハンドルレバー１を備えているハンドルは、効率的で信頼性が高く、かつ製造が容易である。少なくとも１つの電気素子９が、可動トリガー部７の内部領域８内に配置され、次いで、可動トリガー部７が、ハンドルレバー本体３内に据え付けられる。その後、ハンドルレバー本体３が、ハンドルレバーカバー５で覆われる。

一変形例によれば、ハンドルレバー本体３とハンドルレバーカバー５とは、可動トリガー部７を収容するように構成された一体物として作られており、可動トリガー部７は、この一体物を介して作動させられる場合がある。

ハンドルレバー本体３、ハンドルレバーカバー５、および可動トリガー部７を含む組み立て体が、車両パネル（おそらくは、車両パネル上の特定の取り付け用金具）に据え付けられる。

車両パネルは、例えばドア、特にサイドドアである場合がある。

ハンドルレバー本体３は、さまざまな材料で作ることができ、例えばプラスチック材料で作られる場合がある。その場合には、ハンドルレバー本体３を、射出成形法で作ることができる。

可動トリガー部７とハンドルレバー本体との両方が回転可能であるように、ハンドルが構成されている場合には、ハンドルレバー本体３の一端部１２は、支持体（図示せず）のヒンジ部と組み合うことができるようになっている。他端部１”は、ユーザのキーを受けることができる錠本体（図示せず）を取り付けられるように構成されている場合がある。

この他端部１３において、ハンドルレバー本体３は、ラッチ解除機構と協働するための手段（図２において主レバー１４として表されている）を有している場合がある。ラッチ解除機構は、ラッチ機構（図示せず）を駆動するためのボーデンケーブルを作動させることができる。より具体的には、この主レバー１４は、駆動位置を占めた後に基準位置に戻ることができる弾性手段１５と協働する。図示の実施形態においては、弾性手段１５は、ねじりばねである。

主レバー１４は、さらに、ボーデンケーブルに連結されたボーデンアーム１６に接続されている。

ハンドルレバーカバー５は、大気の状況の変化に耐えるようになっており、かつ美的観点においてもすぐれている任意の材料で作ることができる。ハンドルレバーカバー５は、通常、ハンドルレバー本体３および可動トリガー部７を収容することができるように中空である。

上述のように、ハンドルレバーカバー５とハンドルレバー本体３とは、例えばプラスチック材料から成る一体物として作られる場合がある。ハンドルレバー本体３とハンドルレバーカバー５とが、それぞれ別個の素子である場合には、これらの２つの素子は、ねじ、クリップ、接着剤、またはそれらの任意の組み合わせなどの固定手段によって固定されることとなる。

可動トリガー部７は、少なくとも１つの電気素子９を収容するための内部領域８を有している。

内部領域８は、それぞれに少なくとも１つの電気素子９を収容するための、いくつかの凹部に分割されていることが好ましい。各凹部は、可動トリガー部７の主軸に対して実質的に垂直な壁によって画定されている場合がある。

図示の全ての実施形態において、ハンドルレバーを構成しているハンドルレバー本体３、ハンドルレバーカバー５、および可動トリガー部７などは、主軸１０に沿って細長い形状を有している。

したがって、少なくとも２つの電気素子9を、いくつかの内部領域８内に分散させることが可能である。それによって、それらの電気素子９はよりよく保護され、さらに、本発明のハンドルレバー１の組み立てが容易となる。

可動トリガー部７と、少なくとも１つの電気素子９とは、良好な防水品質を備えるために、例えば樹脂で、一緒にシールされる場合がある。可動トリガー部７内に複数の凹部が存在することによって、シーリングステップの遂行が容易になる。

本発明の一態様によれば、電気素子９の１つは、ユーザの身体の少なくとも一部分の存在を検出するための電気的検出器である場合がある。ユーザの身体の少なくとも一部分の例として、ユーザの手を挙げることができる。

電気的検出器は、アンテナ、容量センサ、ホール効果センサ、またはリードリレーである場合がある。

図２〜図４に示すように、アンテナ９ａが、コネクタ９ｂと組み合わされて用いられ、少なくとも１本のワイヤ９ｃを介して、コネクタ９ｂに接続されている場合がある。

可動トリガー部７は、ワイヤまたはケーブルなどの素子が、可動トリガー部７を貫通することを可能にするための、少なくとも１つの開口を有している場合がある。

電気素子９の１つは、ドアラッチなどの素子を操作するためのマイクロスイッチである場合がある。

したがって、本発明のハンドルレバー１は、それぞれに特定の機能を有する、いくつかの電気的検出器を収容することができる。したがって、ハンドルレバー本体３内に、これらの電気的検出器を収容するための空間を設ける必要はない。したがって、多くの空間を節約するとともに、高度のコンパクト性を得ることができる。

一実施形態によれば、可動トリガー部７は、１つ以上の慣性質量体３０を収容している場合がある（図２および図３を参照）。少なくとも１つの電気素子９の存在によって、可動トリガー部の重量は増加するようになる。したがって、自動車の衝突事故の際の、ラッチ機構への突発的な駆動による、車両パネルの開放を防止するために、慣性質量体を加えることが必要となる場合がある。慣性質量体は、電気的検出器および／またはマイクロスイッチなどの、少なくとも１つの電気素子９によって構成することができる（図４を参照）。このような観点においては、アンテナのフェライト、封止用の樹脂、電子部品、プリント回路基板によって、電気素子９で構成される慣性質量体を、より重くすることもできる。

慣性質量体は、ザマック（登録商標）、鋼、またはプラスチック材料から成る追補質量体である場合がある（図２および図３を参照）。さらに、より重い電気素子を用いることも、追補慣性質量体を用いることも可能である。

図２および図３に示すように、追補質量体である慣性質量体３０は、電気素子９の配置される凹部とは別の凹部８０内に配置される場合がある。いくつかの慣性質量体が用いられる場合には、それらの慣性質量体は、単一の凹部内に配置される場合もあるし、いくつかの凹部内に配置される場合もある。

本発明のハンドルレバー１は、少なくとも１つの電気素子９を可動トリガー部の内部に保持するための、さらなる固定手段（図示せず）を有している場合がある。そのような固定手段は、例えばねじ、クリップ、接着剤、またはそれらの任意の組み合わせである。

本発明のハンドルレバー１は、さらに、可動トリガー部７が基準位置にあるときに、ラッチ機構の駆動を防止するためのロック手段を備えている場合がある。このようなロック手段は、例えばまわりを可動トリガー部７が回転可動である１つ以上のピン４０である。ピン４０は、ハンドルレバー本体の内部でブロックされる。

可動トリガー部７は、駆動位置に達した後に、基準位置に戻ることを可能にする弾性手段５０と組み合わされている場合がある。この弾性手段５０は、１つ以上の圧縮ばねである場合がある。

本発明は、さらに、作動時に車両パネルの開放を可能にするように構成されているラッチ解除機構（図示せず）と、操作されたときにラッチ解除機構を作動させるように構成されている、本発明によるハンドルレバー１とを備えている、車両パネル用ハンドルを提供するものである。この車両パネル用ハンドルは、さらに、そのハンドルレバーを取り付けるための取り付け用金具を備えている場合がある。

１ ハンドルレバー
３ ハンドルレバー本体
５ ハンドルレバーカバー
７ 可動トリガー部
８ 内部領域
９ 電気素子
９ａ アンテナ
９ｂ コネクタ
９ｃ ワイヤ
１０ 主軸
１２ 一端部
１３ 他端部
１４ 主レバー
１５ 弾性手段
１６ ボーデンアーム
３０ 慣性質量体
４０ ピン
５０ 弾性手段
８０ 凹部

Claims (12)

1. 車両パネルに据え付ける車両パネル用ハンドルのためのハンドルレバー（１）であって、
   − ハンドルレバー本体（３）と、
   − 前記ハンドルレバー本体（３）上に取り付けられるようになっているハンドルレバーカバー（５）と、
   − 前記車両パネル用ハンドルを作動させるためのラッチ機構と協働するようになっており、前記ラッチ機構を駆動しない基準位置と、前記車両パネルの開放を可能にするように、前記ラッチ機構を駆動する駆動位置との間で回転可動である可動トリガー部（７）とを備えているハンドルレバー（１）であって、
   前記ハンドルレバー（１）は、車両パネル用ハンドルに取り付けられ、
   前記車両パネル用ハンドルは、作動時に車両パネルの開放を可能にするように構成されているラッチ解除機構と、前記ハンドルレバー（１）を取り付けるための取り付け用金具とを備え、
   前記可動トリガー部（７）は、少なくとも１つの電気素子（９）を収容するように構成されている内部領域（８）を有し、
   操作時に前記ラッチ解除機構を作動させるように構成されていることを特徴とするハンドルレバー（１）。
2. 前記内部領域（８）は、それぞれに１つ以上の電気素子（９）を収容するための、いくつかの凹部に分割されている、請求項１に記載のハンドルレバー（１）。
3. 前記電気素子の１つは、ユーザの身体の少なくとも一部分の存在を検出するための電気的検出器である、請求項１または２に記載のハンドルレバー（１）。
4. 前記電気的検出器は、アンテナ（９ａ）、容量センサ、ホール効果センサ、およびリードリレーを含むリストから選択される、請求項３に記載のハンドルレバー（１）。
5. 前記電気素子の１つは、１つの素子を操作するためのマイクロスイッチである、請求項１に記載のハンドルレバー（１）。
6. 前記可動トリガー部（７）は、１つ以上の慣性質量体（３０）を収容している、請求項１〜５のいずれか１つに記載のハンドルレバー（１）。
7. 前記慣性質量体（３０）の少なくとも１つは、ザマック（登録商標）、鋼、またはプラスチック材料から成る、請求項６に記載のハンドルレバー（１）。
8. 前記慣性質量体（３０）の少なくとも１つは、電気的検出器またはマイクロスイッチなどの前記電気素子（９）によって構成されている、請求項６または７に記載のハンドルレバー（１）。
9. 前記少なくとも１つの電気素子（９）を、前記可動トリガー部（７）の内部に保持するための固定手段を、さらに備えている、請求項１〜８のいずれか１つに記載のハンドルレバー（１）。
10. 前記可動トリガー部（７）が前記基準位置にあるときに、前記ラッチ機構の駆動を防止するためのロック手段（４０）を備えている、請求項１〜９のいずれか１つに記載のハンドルレバー（１）。
11. 前記可動トリガー部（７）は、前記可動トリガー部（７）が、前記駆動位置に達した後に、前記基準位置に戻ることを可能にする弾性手段（５０）と組み合わされている、請求項１〜１０のいずれか１つに記載のハンドルレバー（１）。
12. 前記可動トリガー部（７）と、前記少なくとも１つの電気素子（９）とは、樹脂で一緒にシールされている、請求項１〜１１のいずれか１つに記載のハンドルレバー（１）。

Images