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JP6315256B2 - リアクトル - Google Patents

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JP6315256B2 JP2014104773A JP2014104773A JP6315256B2 JP 6315256 B2 JP6315256 B2 JP 6315256B2 JP 2014104773 A JP2014104773 A JP 2014104773A JP 2014104773 A JP2014104773 A JP 2014104773A JP 6315256 B2 JP6315256 B2 JP 6315256B2
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Description

本発明は、ハイブリッド自動車などの車両に搭載される車載用DC−DCコンバータといった電力変換装置の構成部品などに利用されるリアクトルに関する。特に、コイルと端子金具との接続を精度よく行え、組立作業性にも優れるリアクトルに関するものである。
電圧の昇圧動作や降圧動作を行う回路の部品の一つに、リアクトルがある。特許文献1,2は、ハイブリッド自動車などの車両に載置されるコンバータに利用されるリアクトルを開示している。特許文献1は、巻線を螺旋状に巻回してなるコイルと環状の磁性コアとの組合体の全周を樹脂で覆った被覆体を液体冷媒に浸漬させて放熱性を高めることを開示している。特許文献2は、巻線を螺旋状に巻回してなるコイルを樹脂で覆ったコイル成形体とすることでコイルが取り扱い易く、磁性コアとの組み付け作業が行い易いこと、磁性コアのうちコイルから突出される部分を樹脂で覆ったコア成形体とすることで、この突出部分及び上記コイルを上記樹脂によって保護できることを開示している。
上記コイルには、電力供給を行う電源などの外部装置が接続される。このコイルと外部装置との電気的接続にあたり、従来、コイルを構成する巻線の端部には端子金具が接続される。特許文献2では、端子金具を備える端子台を開示している。この端子台は、端子金具の一部を絶縁性樹脂に埋設させた樹脂成形体であり、磁性コア(上記コア成形体)に安定して固定されるように、上記絶縁性樹脂によって成形された固定部分(台座)を備える。
特開2011−049494号公報 特開2013−179184号公報
リアクトルに対して、コイルを構成する巻線の端部と端子金具との接続を精度よく行えて、更には組立作業性に優れることが望まれている。
上述の端子台のような端子金具を備える樹脂成形体を用いると、コイルを構成する巻線の端部近傍に端子金具を容易にかつ安定して配置できる。従って、端子台を用いる形態は、例えば、ボルトが挿通される丸孔を有する丸型端子(特許文献1の図3の端子50)を利用する場合に比較して、上記巻線の端部と端子金具との接続部分を安定させ易い。しかし、上記端子台を利用すると、上記巻線の端部と端子金具とを精度よく接続できない場合がある。
ここで、樹脂成形体は一般に公差を有する。そのため、端子台の寸法が公差の範囲でずれが大きいとき、コイルを構成する巻線の端部の位置と、端子台の端子金具位置がずれる恐れがある。上記巻線の端部を引っ張るなどして、上記巻線の端部と端子台の端子金具とを位置合わせすると、上記巻線の端部における端子金具の接続箇所近傍に不必要な応力が付与されて、接続不良を招く恐れがある。このように端子台を用いると、上述の位置合わせの際にずれを是正することが難しいことがある。端子台に加え、上述のコア成形体、コイル成形体といった複数の樹脂成形体を用いる場合には、上述のずれが生じ易く、このずれの是正が更に困難になると考えられる。
そこで、本発明の目的の一つは、コイルと端子金具との接続を精度よく行え、組立作業性にも優れるリアクトルを提供することにある。
本発明の一態様に係るリアクトルは、巻線を巻回してなるコイルと、前記コイル内に配置される部分を有する磁性コアとを備え、前記磁性コアは、前記コイルから突出され、磁路となるサイド本体部と、前記巻線の端部に接続される端子金具と、前記サイド本体部と前記端子金具とを一体に保持するサイド樹脂モールド部とを備える端子付き外側コア部品を含む。
上記リアクトルは、コイルと端子金具との接続を精度よく行え、組立作業性にも優れる。
実施形態1のリアクトルを示す概略斜視図である。 実施形態1のリアクトルに備える端子付き外側コア部品と、別のコア部品(U字コア部品)とを組み付ける状態を説明する分解斜視図である。 実施形態1のリアクトルに備える磁性コアについて磁路を構成する主要部の概略、及び端子金具の概略を示す分解斜視図である。 実施形態2のリアクトルを示す概略斜視図である。 実施形態2のリアクトルを示す分解斜視図である。 実施形態2のリアクトルに備えるコイル及び磁性コアを示す分解斜視図である。 実施形態2のリアクトルの使用状態の一例を示す概略説明図である。 実施形態3のリアクトルを示す概略斜視図である。 実施形態3のリアクトルに備える端子付き外側コア部品において、端子金具を固定する手順を説明する説明図である。 実施形態3のリアクトルに備える端子付き外側コア部品において、端子金具と固定部との近傍を示す部分断面図であり、端子金具を固定する前後を示す。 実施形態4のリアクトルに備える端子付き外側コア部品において、端子金具を固定する手順を説明する説明図である。 ハイブリッド自動車の電源系統を模式的に示す概略構成図である。 コンバータを備える電力変換装置の一例を示す概略回路図である。
[本発明の実施の形態の説明]
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
(1) 本発明の一態様に係るリアクトルは、巻線を巻回してなるコイルと、上記コイル内に配置される部分を有する磁性コアとを備え、上記磁性コアは、上記コイルから突出され、磁路となるサイド本体部と、上記巻線の端部に接続される端子金具と、上記サイド本体部と上記端子金具とを一体に保持するサイド樹脂モールド部とを備える端子付き外側コア部品を含む。
サイド樹脂モールド部が端子金具を保持するとは、サイド本体部に対して、端子金具がサイド樹脂モールド部の樹脂によって直接支持されていることをいう。サイド樹脂モールド部の樹脂の一部が、端子金具の一部に結合したり(例えば、後述する(3)の形態)、端子金具の一部を覆ったり(例えば、後述する(5)の形態)、端子金具の一部を掛止したりなどすることで、端子金具はサイド樹脂モールド部に保持される。
上記の態様のリアクトルは、磁性コアのうち、磁路を形成する部分のうちの少なくとも一部を樹脂で覆った成形体(外側コア部品)とする。かつ上記の態様のリアクトルは、端子金具を、磁路を形成する部分とは独立した樹脂成形体(端子台)とせず、端子金具と上述の磁性コアの一部とを樹脂モールド部によって一体化された構成とする。即ち、端子金具は、サイド本体部の少なくとも一部を覆うサイド樹脂モールド部の構成樹脂自体によって直接支持される。この構成によって、上記の態様のリアクトルは、上述の樹脂成形体の公差に起因するずれを抑制でき、コイルを構成する巻線の端部と端子金具とを高精度に接続することができる。
かつ、上記の態様のリアクトルは、コイルと磁性コアとの組み付けを行って、磁性コアを所定の形状に構築することで、コイルを構成する巻線の端部近傍に端子付き外側コア部品に備える端子金具を容易にかつ精度よく配置できる。上記巻線の端部と端子金具とを高精度に配置可能なため、上記の態様のリアクトルは、両者の位置決めに要する時間を省略できる。サイド本体部と端子金具とがサイド樹脂モールド部の樹脂によって一体に成形された一体物である場合には、端子金具又は端子台がコイル及び磁路を形成する部分とは独立しており、磁路部分の形成と端子金具などの配置とが別工程である従来のリアクトルと比較して、端子金具を備えていながらも部品点数が少なく、製造工程数が少ない。これらの点から、上記の態様のリアクトルは、組立作業性に優れ、ひいては生産性に優れる。
その他、上記の態様のリアクトルは、サイド本体部がサイド樹脂モールド部に覆われていることで、機械的保護、環境からの保護、コイルとの間の絶縁性の向上、端子金具との間の絶縁性の向上などを図ることができる。
(2) 上記リアクトルの一例として、巻線を巻回してなるコイルと、上記コイル内に配置される部分を有する磁性コアと、上記コイルの設置面に配置される放熱板とを備え、上記磁性コアは、上記コイルから突出され、磁路となるサイド本体部と、上記巻線の端部に接続される端子金具と、上記サイド本体部と上記端子金具とを一体に保持するサイド樹脂モールド部とを備える端子付き外側コア部品を含む形態が挙げられる。
上記の放熱板を備えるリアクトルは、上述の(1)の態様のリアクトルと同様の効果を奏することに加えて、コイルの設置面とリアクトルの設置対象との間に介在される放熱板をコイルの放熱経路に利用することで、放熱性にも優れる。
(3) 上記リアクトルの一例として、上記端子付き外側コア部品は、上記サイド樹脂モールド部の樹脂によって形成されて、上記端子金具を保持する固定部を備え、上記固定部は、上記端子金具に設けられた少なくとも一つの固定孔に挿通される軸部と、上記軸部に連続して設けられて、上記固定孔の最小径よりも大きい部分を有する頭部とを備える形態が挙げられる。
上記形態は、代表的には、サイド樹脂モールド部の樹脂によって構成される軸部及び頭部がリベットとして機能して、端子金具がリベット結合されている。この構成によって、上記形態は、端子金具がサイド樹脂モールド部に強固に保持される。この形態に備える端子付き外側コア部品は、代表的には、サイド樹脂モールド部の成形時に軸部のみを形成し、この軸部を端子金具の固定孔に挿通した状態で軸部の端部を溶融し、この溶融部分によって頭部を形成することで容易に製造できる。成形されたサイド樹脂モールド部は、端子金具を備えていないため、外形が比較的単純な形状となり、中間部品(端子金具が固定される前の成形体)の製造性に優れる。
(4) 上述の固定部が少なくとも一つの軸部及び頭部を備える場合に、上記端子付き外側コア部品は、上記サイド樹脂モールド部の樹脂によって形成されて、上記端子金具の回転を防止する回転防止部を更に備える形態が挙げられる。
上述の(3)の形態においてリベット結合に用いられる固定孔が円筒孔であれば形成し易いものの、軸部を中心軸として端子金具が回転する恐れがある。端子金具が回転すると、コイルの巻線の端部と端子金具との位置がずれる恐れがある。上記形態は、回転防止部を更に備えるため、固定孔が円筒孔であっても、端子金具の回転に起因する上述の位置ずれを防止できる。回転防止部を、例えば、端子金具に設けられた別の孔に嵌め込まれる突起などとすれば、回転防止部は、上述の端子金具の固定部としても機能して、端子金具の固定強度を高め易い。
(5) 上記リアクトルの一例として、上記端子付き外側コア部品は、上記サイド樹脂モールド部の樹脂によって形成されて、上記端子金具の一部を埋設して保持する埋設固定部を備える形態が挙げられる。
上記形態は、端子金具の一部がサイド樹脂モールド部の樹脂に埋設されるため、強固に保持される。この形態に備える端子付き外側コア部品は、代表的には、サイド本体部と端子金具とがサイド樹脂モールド部に一体に成形された一体物であり、端子金具を別途固定する必要が無いため、工程数が少ない。
(6) 上記リアクトルの一例として、上記磁性コアが、上記コイル内に配置される一対のミドル本体部と、これら両ミドル本体部の一端を連結する上記サイド本体部と、上記コイルから突出され、上記両ミドル本体部の他端を連結する別のサイド本体部とによって環状の閉磁路を構成し、更に上記別のサイド本体部と上記一対のミドル本体部との少なくとも一部を覆ってこれらを一体に保持する連結樹脂モールド部を備える形態が挙げられる。
上記形態は、磁性コアの主要構成部品が端子付き外側コア部品と、連結樹脂モールド部によってサイド本体部と一対のミドル本体部とが一体化されたコア部品との二つであり、部品点数が少なく、磁性コアを容易に環状に組み立てられる。また、上記形態は、連結樹脂モールド部を備えるコア部品にコイルを支持させて両コア部品を接続することでコイルと磁性コアとの組み付けを容易に行え、組立作業性に優れる。更に、上記形態は、連結樹脂モールド部を備えることで、ミドル本体部とコイルとの間の絶縁性を高められる上に、機械的保護及び環境からの保護をも図ることができる。
(7) 上記リアクトルの一例として、上記磁性コアが上記コイル内に配置される一対のミドル本体部と、これら両ミドル本体部の一端を連結する上記サイド本体部と、上記コイルから突出され、上記両ミドル本体部の他端を連結する別のサイド本体部とによって環状の閉磁路を構成し、更に以下の外側コア部品と内側コア部品とを含む形態が挙げられる。上記外側コア部品は、上記別のサイド本体部と、この別のサイド本体部の少なくとも一部を覆うサイド樹脂モールド部とを備える。上記内側コア部品は、上記ミドル本体部と、上記ミドル本体部の少なくとも一部を覆うミドル樹脂モールド部とを備える。
上記形態に備える外側コア部品とは、いわば上述の端子付き外側コア部品から端子金具を省略したものである。上記形態は、磁性コアの主要構成部品が端子付き外側コア部品、外側コア部品、及び一対の内側コア部品の合計四つであり、端子金具を含めると、特許文献2などに記載される従来のリアクトルよりも組立部品点数が少なく、組立作業性に優れる。また、上記形態は、各コア部品が直方体状などの単純な形状にできるため、成形し易く製造性に優れる。更に、上記形態は、ミドル樹脂モールド部を備えることで、ミドル本体部とコイルとの間の絶縁性を高められる。加えて、上記形態は、各コア部品のいずれもが樹脂モールド部を備えることで、機械的保護及び環境からの保護をも図ることができる。
(8) 上記リアクトルの一例として、上記コイルの設置面に配置される接合層を備える形態が挙げられる。
上記形態は、接合層によってコイルを設置対象に容易に固定でき、ひいてはリアクトルを設置対象に固定できることから、設置作業性に優れる。このコイルの固定によって、リアクトルの使用時に振動などが与えられた場合にも、上記形態は、コイルの伸縮やターン同士の擦れ合いなどの挙動を防止できる。更に、上記コイルの固定によって、コイルの熱を設置対象や、上述の放熱板を備える場合には放熱板に伝え易く、上記形態は、放熱性にも優れる。
[本発明の実施形態の詳細]
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係るリアクトルを具体的に説明する。図中の同一符号は同一名称物を示す。
[実施形態1]
図1〜図3を参照して、実施形態1のリアクトル1Aを説明する。
(リアクトル)
・全体構成
リアクトル1Aは、図1に示すように、巻線2wを螺旋状に巻回してなるコイル2と、コイル2の内外に配置されて閉磁路を形成する磁性コア3とを備える。リアクトル1Aは、コンバータケースなどの設置対象(図示せず)に取り付けられて使用される。例えば、後述するように液体冷媒4L(図7)に直接曝される箇所に取り付けられて使用される。実施形態1のリアクトル1Aは、コイル2を構成する巻線2wの端部2eに接続される端子金具8Aと磁性コア3の一部(サイド本体部32)とが樹脂(サイド樹脂モールド部328m)によって一体化された部品(端子付き外側コア部品328A)を備える点を特徴の一つとする。以下、リアクトル1Aの主要な構成部材であるコイル2及び磁性コア3の概略、特徴点である端子付き外側コア部品328Aの具体的な構成及び特徴点に基づく主要な効果をまず説明し、その後、リアクトル1Aの各構成の詳細などを順に説明する。
・コイルの概略
この例に示すコイル2は、図1,後述の図6などに示すように一対のコイル素子2a,2bと、両コイル素子2a,2bを接続する連結部2rとを備える。各コイル素子2a,2bは、巻線2wを螺旋状に巻回して形成された筒体(ここでは角部を丸めた矩形筒状体)である。各コイル素子2a,2bは、各軸方向が平行するように並列(横並び)されている。連結部2rは、コイル素子2a,2bを形成する巻線2wの一部がU字状に屈曲されて形成されている。
巻線2wは、銅や銅合金、アルミニウムやアルミニウム合金といった導電性に優れる金属からなる導体と、その外周に設けられた絶縁材料(代表的にはポリアミドイミド)からなる絶縁被覆(図示せず)とを備える被覆線を好適に利用できる。導体は、平角線や丸線などが挙げられる。この例に示す巻線2wは、導体が平角線である被覆線であり、コイル素子2a,2bはエッジワイズコイルである。
巻線2wの両端部2e,2eはいずれも、コイル素子2a,2bのターン部分から引き出されている。この例では、両端部2e,2eは、コイル素子2a,2bの一端面(図1では紙面手前の面)からその軸方向に引き出されて、その先端が磁性コア3(ここでは端子付き外側コア部品328A)の外周縁に達している(後述の図7の側面図も参照)。これら巻線2wの両端部2e,2eは、端子金具8A,8Aの一方の端部8e,8eがそれぞれ接合される領域として機能する。両端部2e,2eは絶縁被覆が剥がされて導体(ここでは平角線)が露出されており、この導体部分に端子金具8A,8Aが接続される。図1では、巻線2wの両端部2e,2eと端子金具8A,8Aの端部8e,8eとがそれぞれ直接接合された状態を示す。
・磁性コアの概略
この例に示す磁性コア3は、図2、図3に示すように一対の柱状のミドル本体部31,31と、一対の柱状のサイド本体部32,32とを主体とし、これらの本体部31〜32は、主として軟磁性材料によって構成されて磁路を構築する。各ミドル本体部31,31はそれぞれ、横並びされたコイル素子2a,2b(図1)内に挿通配置されて、コイル2内に配置される部分として利用される。各サイド本体部32,32はそれぞれ、コイル2が実質的に配置されずにコイル2から突出された部分である。横並びされた両ミドル本体部31,31を繋ぐようにサイド本体部32,32を組み付けて、これらの本体部31〜32は環状に配置される。
この例に示す磁性コア3は、上述の磁路を構築する部分(ここではミドル本体部31,31、サイド本体部32,32)が樹脂(ここではサイド樹脂モールド部328m、連結樹脂モールド部30m)で覆われたコア部品を構成要素とする。ここでは、磁性コア3は、コイル2の一端(図1では左端)から露出されるコア部品と、コイル2内に配置される部分を有するコア部品とを有する。前者のコア部品は、図2に示すように一方のサイド本体部32が樹脂で覆われており、端子金具8Aを一体に保持する端子付き外側コア部品328Aである。後者のコア部品は、一対の柱状のミドル本体部31,31と他方のサイド本体部32とが樹脂によってU字状に一体成形されたU字コア部品30Uである。以下、図2を主として参照して、各コア部品328A,30Uを詳細に説明する。
・・端子付き外側コア部品
端子付き外側コア部品328Aは、一方のサイド本体部32と、サイド樹脂モールド部328mと、端子金具8Aとを主要構成要素とする。この例では、サイド本体部32は、その柱状の外周面が、一部を除いて、サイド樹脂モールド部328mの構成樹脂に覆われている。端子金具8Aの一部は、この構成樹脂に埋設されている。即ち、端子付き外側コア部品328Aは、上記構成樹脂によって形成されて端子金具8Aの一部を埋設して保持する埋設固定部3280を備える。
上記構成樹脂は、サイド本体部32の外形に沿って設けられており、端子付き外側コア部品328Aの外形は、サイド本体部32の外形と概ね相似する。両者の外形を非相似状とし、全く異ならせることもできる。サイド本体部32の形状、構成材料、サイド樹脂モールド部328mの構成材料と、ミドル本体部31の形状、構成材料、ミドル樹脂モールド部の構成材料とは、まとめて後述する。
・・・端子金具
端子付き外側コア部品328Aに備える端子金具8Aは、コイル2と、コイル2に電力供給を行う電源などの外部装置(図示せず)との間を電気的に接続する導電部材である。端子金具8Aは、銅や銅合金、アルミニウムやアルミニウム合金といった導電性に優れる金属によって構成され、ボルトなどの締結部材が挿通される貫通孔80hを有する形状のものが代表的である。端子金具8Aの形状、大きさは、リアクトル1Aが設置された状態においてコイル2を構成する巻線2の端部2eと、所定の位置に設けられた外部装置側の端子金具との間を接続可能な範囲で適宜選択することができる。端子金具8Aは、上述の丸型端子ではなく、図3に示すような板状体であると、リアクトル1Aが設置された状態において上記巻線2の端部2eと外部装置側の端子金具との間の距離がある程度大きく、両者が離れている場合でも、両者間を容易に接続できる。
この例に示す端子金具8Aは、板材を所定の立体形状に折り曲げ成形した屈曲形状の板材である。一端側領域(端部8e)を、コイル2を構成する巻線2の端部2eとの接続領域とし、他端側領域を、貫通孔80hを備えると共に外部装置との接続領域とする。両接続領域に挟まれる中間領域をサイド樹脂モールド部328mによる保持領域(埋設領域)とし、この領域に埋設固定部3280が設けられる。端子金具8Aの保持領域を図1に破線で示す。ここでは、中間領域に対して、一端側領域がコイル2の軸方向に沿ってコイル2に向かって折り曲げられ、他端側領域がコイル2の軸方向に沿ってサイド本体部32の外方に向かって折り曲げられ、中間領域がサイド本体部32の内端面32e(図2)と平行に配置されている。
この例に示す端子金具8Aにおける巻線2の端部2eとの接続領域(端部8e)は平板状であるが、例えば、U字状などとして、巻線2の端部2eを挟持可能な形状とすることができる。また、この例では、端子金具8Aは、折り曲げ部分を有するが、折り曲げ部分を有さない平坦な形状などとすることができる。端子金具8Aは、公知の板状の端子金具(例えば、特許文献2の端子部材9A,9B)と同様に、金属板を所定の大きさ、形状に打ち抜いて適宜成形することで製造できる。
・・・コイルと端子金具との接続
コイル2を構成する巻線2wの端部2eと端子金具8Aとの接続には、抵抗溶接、レーザ溶接、TIG(Tungsten Inert Gas)溶接などの各種の溶接、半田付け、ロウ付け、圧着、振動溶着などを利用することができる。列挙した方法によって、巻線2wの構成材料と端子金具8Aの構成材料とが直接接合される、又は半田などの導電性接合材料を含んで実質的に直接接合される。ここでは、抵抗溶接を行っている。上記巻線2wの端部2eと端子金具8Aとの接合面積は、適宜選択することができ、大きいほど、両者を強固に接合できる。この例に示すように導体が平角線である巻線2wを利用すると、板状の端子金具8Aとの接合面積を確保し易く、上述の直接接合された形態、又は実質的に直接接合された形態を構築し易い。また、このような直接接合された形態などは、コイル2と端子金具8Aとの接続にボルトなどの締結部材などが不要であり、部品点数を削減できる。
この例に示すリアクトル1Aでは、コイル2を構成する巻線2wの端部2eと端子金具8Aとの接続は、コイル2と磁性コア3とを組み付けた後の任意の時期に行える。つまり、リアクトル1Aの一例として、巻線2wの端部2eと端子金具8Aとが接続されていない形態とすることができる。コア部品328A,30Uの形状によっては(例えば、後述の実施形態2)、巻線2wの端部2eと端子金具8Aとの接続を先に行った後、コイル2と磁性コア3とを組み付けることができる。この場合、巻線2wの端部2eと端子金具8Aとが接続されたリアクトルとなる。
コイル2を構成する巻線2wの端部2eと端子金具8Aとの接続箇所は、図1に示すようにそのままでもよいが、その外周を絶縁材料で覆うと、上記接続箇所とリアクトル1Aの周辺部品との間の絶縁性を高められる。例えば、上記接続箇所に絶縁テープなどを巻回すると、上記接続箇所の外周に絶縁層を容易に形成できる。
・・U字コア部品
U字コア部品30Uは、一対のミドル本体部31,31と、他方のサイド本体部32と、連結樹脂モールド部30mとを主要構成要素とする。この例に示すU字コア部品30Uは、他方のサイド本体部32の内端面32e(図3)と一対のミドル本体部31,31の一方の端面31e,31eとを図3の矢印に示すように接合させてU字状の中間部品とし、この中間部品の全周が連結樹脂モールド部30mの構成樹脂に実質的に覆われて、図2に示すようにU字状の外形を有する。上記中間部品の外形と、連結樹脂モールド部30mの外形とを相似状とせず、全く異ならせることもできる。
・・サイド樹脂モールド部、連結樹脂モールド部の被覆領域
端子付き外側コア部品328Aにおけるサイド樹脂モールド部328mによる被覆領域及びU字コア部品30Uにおける連結樹脂モールド部30mによる被覆領域は、適宜選択することができる。各樹脂モールド部30m,328mはサイド本体部32及びミドル本体部31の少なくとも一部を覆う。かつ、端子付き外側コア部品328Aでは、サイド樹脂モールド部328mは、一方のサイド本体部32に対して端子金具8Aが着脱不可能になるように端子金具8Aの一部を覆って固定する。上記被覆領域が大きいほど、各樹脂モールド部30m,328mを備える効果を得易い。即ち、サイド本体部32やミドル本体部31の機械的保護、環境からの保護(例えば、液体冷媒4Lなどとの接触による腐食防止)、コイル2との間の絶縁性の向上、端子金具8Aとの間の絶縁性の向上、リアクトル1Aの周辺部品との間の絶縁性の向上、端子金具8Aの強固な保持などの効果を得ることができる。
この例に示す端子付き外側コア部品328Aでは、一方のサイド本体部32の内端面32eの一部(ミドル本体部31,31の端面31e,31eを覆う樹脂の端面30e,30eが接合される領域)がサイド樹脂モールド部328mに覆われず露出され、残部がサイド樹脂モールド部328mに覆われている。即ち、この例では、一方のサイド本体部32と連結樹脂モールド部30mの構成樹脂とが接合される。樹脂同士の接合ではなく、コア片と樹脂との接合とすることで、樹脂モールド部の成形公差に起因する接合箇所の誤差を低減し易く、端子付き外側コア部品328AとU字コア部品30Uとを精度よく一体化することができる。ひいては、ミドル本体部31,31とサイド本体部32,32とを精度よく一体化することができ、所望のインダクタンスを良好に有することができる。
この例に示すU字コア部品30Uでは、各ミドル本体部31,31の他方の端面31e,31eと、他方のサイド本体部32の内端面32eの一部とが連結樹脂モールド部30mの構成樹脂によって覆われて、この構成樹脂からなる端面30eが形成されている。ミドル本体部31,31の他方の端面31e,31eを覆う上記構成樹脂は、一般に非磁性材料であるため、ギャップ材として機能する。
その他、端子付き外側コア部品328Aは、U字コア部品30Uと同様に、サイド本体部32の全体がサイド樹脂モールド部328mに覆われた形態とすることができる。また、端子付き外側コア部品328A及びU字コア部品30Uの一部、例えば設置面の一部などに樹脂モールド部を有しておらず、サイド本体部32などが露出された形態とすることができる。
・・サイド樹脂モールド部、連結樹脂モールド部の厚さ
サイド樹脂モールド部328mの構成樹脂の厚さ、連結樹脂モールド部30mの構成樹脂の厚さはいずれも適宜選択することができる。例えば、上記構成樹脂の厚さは、0.1mm以上3mm以下が挙げられる。ここでは、被覆対象であるサイド本体部32の各面、上述の中間部品の各面を覆う上記構成樹脂の厚さは、概ね一様である。但し、サイド樹脂モールド部328mにおいて上述の端子金具8Aを保持する部分の上記構成樹脂の厚さが、サイド本体部32におけるその他の個所と比較して厚く、この肉厚部分がサイド本体部32の外方に突出している。この肉厚部分が埋設固定部3280をなす。埋設固定部3280を構成する樹脂の厚さが局所的に厚いことで、端子金具8Aとリアクトル1Aの周辺部品との絶縁性を高められる。また、この例では、埋設固定部3280において二つの端子金具8A,8Aとの間に介在される突条329を有する。この突条329によって、端子金具8A,8A間の絶縁性を高められる。
その他、サイド本体部32の面ごとや上記中間部品の面ごとに、各面を覆う上記構成樹脂の厚さを異ならせることができる。例えば、サイド本体部32の設置面を覆う上記構成樹脂の厚さを他の面よりも薄くしたり、ミドル本体部31の端面31eを覆う上記構成樹脂の厚さを所望のギャップ長に応じて厚くしたり又は薄くしたりすることができる。
(リアクトルの製造方法)
リアクトル1Aは、代表的には、組合体10(図1)の作製⇒コイル2と端子金具8Aとの接続、という過程を経て製造することができる。具体的には、コイル2、磁性コア3(ここでは端子付き外側コア部品328A,U字コア部品30U)を用意し、コイル2と磁性コア3とを組み付けて組合体10を作製する。コア部品328A,30Uは、後述するようにインサート成形などを利用して適宜作製しておく。この例では、U字コア部品30Uにコイル2を支持させた状態でU字コア部品30Uと端子付き外側コア部品328Aとを接続可能であり、組み付け作業を容易に行える。また、この例では、両コア部品328A,30Uがスライド連結部303s,323s(後述、図2)を有することで、両コア部品328A,30Uの位置決めを精度よく行えながら、コイル2と磁性コア3とを容易に組み付けられる。
(主要な効果)
リアクトル1Aは、以下の理由(1)、(2)によって、コイル2と端子金具8Aとの接続を精度よく行える。また、リアクトル1Aは、以下の理由(3)、(4)によって、組立作業性にも優れる。
(1) 磁性コア3の一部と端子金具8Aとを一体物(端子付き外側コア部品328A)とすることで、端子金具や端子台が磁路を形成する部分と独立した部品である場合と異なり、磁性コア3に対する端子金具8Aの位置ずれが実質的に生じ得ない。
(2) 上記一体物をコイル2との組付部品とすることで、コイル2に対する磁性コア3の位置決めを行うと、コイル2に対する端子金具8Aの位置決めが自動的になされる。その結果、コイル2に対する端子金具8Aの位置精度とコイル2に対する磁性コア3の位置精度とを同程度の高精度にできる。
(3) 上記一体物をコイル2との組付部品とすることで、端子金具8Aを含むリアクトル1Aでありながら部品点数が少なく、端子金具や端子台が磁性コアなどと独立した部品である場合に比較して、組立工程数が少ない。
(4) 上記一体物をコイル2との組付部品とすることで、コイル2と磁性コア3との組み付け時に、コイル2に対する端子金具8Aの位置決めを別途行う必要が無く、この位置決めに要する時間が実質的に生じない。
その他、この例に示すリアクトル1Aは、磁性コア3の主要構成部品が端子付き外側コア部品328AとU字コア部品30Uとの二つであるため、磁性コア3自体の組立部品点数が少ない。また、スライド連結部303s,323sによって、磁性コア3を容易にかつ精度よく環状に組み付けられることからも、コイル2に対する磁性コア3の位置決めが精度よく行え、ひいてはコイル2に対する端子金具8Aの位置決めも精度よく行える。更に、リアクトル1Aは、コイル2を構成する巻線2wの端部2eと端子金具8Aとの電気的接続にあたり、ボルトなどの締結部材が不要であり、部品点数の削減、締結工程の省略を図ることができる。これらの点からも、リアクトル1Aは、組立作業性に優れる。
(構成の詳細など)
以下、リアクトル1Aの各構成の詳細、その他の利用可能な構成などを列挙して説明する。
・コイル
コイル2は、代表的には、接続部の無い1本の連続する巻線2wを螺旋状に巻回して構成される。各コイル素子2a,2bは互いに同一の巻数であり、両コイル素子2a,2bは電気的に直列に接続される。コイル素子2a,2bの端面形状は、上述の角筒状などの他、円環状など、適宜変更することができる。
各コイル素子を別々の巻線によって作製し、各コイル素子の巻線の他端部同士を上述の各種の溶接や半田付け、圧着などによって直接接合されたコイルや、別途用意した連結部材(例えば、板材)を介して接合されたコイルとすることができる。
・磁性コア
図3を用いて、磁性コア3の主体となるミドル本体部31及びサイド本体部32の構成材料、製造方法を詳細に説明する。
この例に示すミドル本体部31,31はそれぞれ、軟磁性材料を用いた複数のコア片31mと、コア片31mよりも比透磁率が低い材料から構成される複数のギャップ材31gとの組物である。この例に示すサイド本体部32,32は、軟磁性材料を用いたコア片32mである。ここでは、各コア片31m,32mは、軟磁性金属粉末を用いた圧粉成形体としている。ギャップ材31gには、アルミナなどの非金属無機材料や、不飽和ポリエステルなどの樹脂といった非金属有機材料に代表される非磁性材料の他、鉄粉などの軟磁性材料と樹脂などの非磁性材料とを混合した低透磁率材などが利用できる。
磁性コア3において磁路を構築する部分は、ギャップ材31gを備える形態の他、エアギャップを備える形態、コア片31m,32mの比透磁率によってはギャップを備えていない形態(ギャップレス構造)とすることができる。コア片31m,32m及びギャップ材31gの数は適宜選択することができ、図3は例示である。ギャップ材31gは、連結樹脂モールド部30m(図2)の構成樹脂によってコア片31mと一体に保持可能であるが、適宜、接着剤や粘着テープなどでコア片31mとギャップ材31gとを接合することができる。この接合によって樹脂モールド部30mの形成にあたり、コア片31mとギャップ材31gとの組物が取り扱い易い上に、強固な固定状態が維持できる磁性コア3とすることができる。
コア片31m,32mの主成分である軟磁性材料には、鉄や鉄合金(Fe−Si合金など)といった金属、フェライトといった非金属などが挙げられる。コア片31m,32mは、上記軟磁性材料からなる軟磁性粉末を用いた成形体や、絶縁被膜を有する電磁鋼板を複数積層した積層体を利用できる。上記成形体は、圧粉成形体(圧粉磁心)の他、焼結体、軟磁性粉末と樹脂とを含む複合材料などが挙げられる。
圧粉成形体は、代表的には、上記軟磁性材料と、適宜バインダ(樹脂など)や潤滑剤とを含む原料粉末を成形した後、成形に伴う歪みの除去などを目的とした熱処理を施して得られる。この熱処理によってバインダや潤滑剤は代表的には消失されることから、圧粉成形体は、複合材料よりも飽和磁束密度及び比透磁率が高いものを得易い。
複合材料は、射出成形などを利用することで、複雑な立体形状であっても、容易に成形できる。複合材料中のバインダとなる樹脂は、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂や、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂などの熱可塑性樹脂を利用することができる。複合材料中の軟磁性粉末の含有量は、複合材料を100体積%とするとき、20体積%以上75体積%以下、更に30体積%以上65体積%以下が挙げられる。残部は、主として上記樹脂といった非金属有機材料が挙げられる。残部は、上記樹脂に加えて更にアルミナやシリカなどのセラミックスといった非金属無機材料などを含むことができる(例えば、複合材料を100体積%として0.2体積%以上20体積%以下)。複合材料は、軟磁性粉末、樹脂、非金属無機材料などの配合量を調整することで、磁気特性を容易に調整することができる。複合材料は、樹脂などの非磁性材料を含むことで、比透磁率が低いものを得易い。複合材料からなるコア片を含むミドル本体部31の表面やサイド本体部32の表面に連結樹脂モールド部30mなどの樹脂モールド部を成形する場合には、複合材料中の樹脂は、樹脂モールド部の成形時の熱や圧力などで劣化などし難いものを適宜選択するとよい。
磁性コア3において磁路を構築する部分は、ギャップ材を除いて一様な材料からなる形態の他、コア片の構成材料、製造方法などを適宜変更して、磁気特性が異なる形態とすることができる。例えば、ミドル本体部31とサイド本体部32との磁気特性が異なる形態とすることができる。
この例では、ミドル本体部31を直方体状、サイド本体部32を、その端面(図3では上下面)がドーム形状である異形柱状体としているが、形状は適宜変更することができる。例えば、ミドル本体部31を円柱状など、サイド本体部32を直方体状などとすることができる。その他、磁路を構築する部分は、一対のミドル本体部31と一方のサイド本体部32とが一体に成形されたU字状体、一方のミドル本体部31と一方のサイド本体部32とが一体に成形されたL字状体などとすることができる。
この例に示すリアクトル1Aは、設置状態でみると、サイド本体部32,32における設置対象に載置される側の領域(図3において下方側の領域)がミドル本体部31,31よりも突出している。より具体的には、両サイド本体部32,32の設置面(図3では下面)と、コイル2の設置面(図1では下面)とが概ね面一となるように、サイド本体部32,32の大きさが調整されている。両サイド本体部32,32の設置面は、サイド樹脂モールド部328m、連結樹脂モールド部30m(図2)の構成樹脂によって覆われており、端子付き外側コア部品328A、U字コア部品30Uの設置面は、上記構成樹脂で形成された平面としている。上記設置面を覆う構成樹脂の厚さは、2mm未満と薄く、両サイド本体部32,32は、ミドル本体部31,31よりも十分に突出している(図2)。リアクトル1Aの設置面は、コイル2の設置面とサイド本体部32,32の設置面を覆う樹脂とで構成され、ここでは実質的に平面である。従って、リアクトル1Aは、コイル2だけでなく、磁性コア3(特にサイド本体部32,32)も設置対象に面支持される。
一方、両サイド本体部32,32の設置面と対向する面(図3では上面)は、ミドル本体部31,31と実質的に面一になるように、サイド本体部32,32の大きさが調整されている。そのため、コイル2を構成する巻線2wの端部2e及び連結部2rがサイド本体部32,32に邪魔されることなく、各サイド本体部32,32の上方に容易に配置させられる(図1)。
・サイド樹脂モールド部、連結樹脂モールド部の構成材料
サイド樹脂モールド部328m及び連結樹脂モールド部30mの構成材料には、適宜な樹脂を利用できる。特に、磁性コア3は、コイル2の近傍に配置されることから、上記構成材料は絶縁性樹脂が好ましい。具体的な樹脂は、PPS樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂、液晶ポリマー(LCP)、ナイロン6、ナイロン66、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂などの熱可塑性樹脂が挙げられる。上記樹脂に、窒化珪素(Si)、アルミナ(Al)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ほう素(BN)、炭化珪素(SiC)、ムライトなどのセラミックスからなるフィラーを含有することができる。列挙したセラミックスのフィラーを1種以上含有する樹脂とすることで、サイド樹脂モールド部328m及び連結樹脂モールド部30mの放熱性や絶縁性などを高められる。フィラーの組成によっては、振動・騒音抑制効果も期待できる。
・サイド樹脂モールド部、連結樹脂モールド部に一体に成形される要素
・・スライド連結部
その他、この例に示す端子付き外側コア部品328A及びU字コア部品30Uは、相互に係合するスライド連結部323s,303s(図2)を備える。スライド連結部323s,303sは、コイル2の軸方向及びコイル素子2a,2bの横並び方向(図1、図2では左右方向)の双方向に直交する方向(図2では上下方向)に端子付き外側コア部品328A及びU字コア部品30Uをスライドさせることで両者の機械的な連結を可能にする部分である。この例では、端子付き外側コア部品328Aに備えるスライド連結部323sを上下方向に延びる突条とし、U字コア部品30Uに備えるスライド連結部303sを上下方向に延び、上記突条が嵌め込まれる溝としているが、両者が逆でもよい。また、この例では、図2の上方から、U字コア部品30Uのスライド連結部303s(溝)を端子付き外側コア部品328Aのスライド連結部323s(突条)に沿わせたときに、U字コア部品30Uの位置決めを行う当たり止め突起(図示せず)を端子付き外側コア部品328Aの端面に備える。当たり止め突起は、端子付き外側コア部品328Aの端面からミドル本体部31側に向かって突出する突条であり、両コア部品328A,30Uを連結したとき、U字コア部品30Uの下方縁に接するように設けられている。この当たり止め突起に当接するまで、U字コア部品30Uを端子付き外側コア部品328Aに対してスライドすることで、両コア部品328A,30Uを容易に環状に組み付けられる。また、この連結によって両コア部品328A,30Uは、環状に組み付けた状態を維持できる。
スライド連結部323s,303sによる機械的な係合だけでもよいが、更に接着剤などを適宜用いて、両コア部品328A,30Uを接合すると、より強固な一体物とすることができる。この例では、係合前に端子付き外側コア部品328Aのサイド本体部32の内端面32eやU字コア部品30Uの端面30eなどにシート状の接着剤を配置したり、接着剤を塗布やスプレーなどして接着剤層を形成したり、係合後に端子付き外側コア部品328Aの端面(サイド本体部32の内端面32e)とU字コア部品30Uの端面30eとの間に液状の接着剤を充填したりして、その後、適宜固化(硬化)するとよい。接着剤は、(1)エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、不飽和ポリエステルなどの熱硬化性樹脂、(2)PPS樹脂、LCPなどの熱可塑性樹脂、(3)ウレタンアクリレート、アクリル樹脂アクリレート、エポキシアクリレートなどの紫外線(光)硬化型樹脂などの樹脂を主体としたもの、特に絶縁性樹脂を主体としたものが好適に利用できる。紫外線硬化型樹脂は、硬化に加熱が不要であり、コイル2や磁性コア3(特にサイド樹脂モールド部328m,連結樹脂モールド部30m)が接着剤の硬化に伴う熱を受けることを防止できる。従って、コイル2や磁性コア3(特に樹脂モールド部328m,30m)の熱損傷を抑制できる。コイル2と磁性コア3とを接着剤で接合してもよい。
・・取付部
その他、この例に示す端子付き外側コア部品328A及びU字コア部品30Uはそれぞれ、設置対象への取付部325,305(図2)を備える(図7の側面図も参照)。ここでは、取付部325,305は、端子付き外側コア部品328Aの外方、及びU字コア部品30Uのサイド本体部32の外方に突出した突片であり、ボルト45(図7)が挿通されるボルト孔325h,305hを備える。取付部325,305の個数(ここでは合計4個)、形成位置は適宜選択することができる。ここでは、取付部325,305はサイド本体部32,32における上下方向の中間部に設けられているが、例えば、端子付き外側コア部品328A及びU字コア部品30Uの設置面と面一になるように下方側に設けることができる。ここでは、ボルト孔325h,305hは、金属筒で形成している。金属筒は、サイド樹脂モールド部328m、連結樹脂モールド部30mの構成樹脂よりも高強度であるため、ボルト45からの締付力を十分に受けられる。
・・仕切り部
その他、この例に示す端子付き外側コア部品328A及びU字コア部品30Uはそれぞれ、サイド本体部32の内端面32eを覆う樹脂から構成される端面30eから突出し、コイル2(図1)を組み付けたとき、コイル素子2a,2b(図1)間に介在される仕切り部327,307(図2)を備える。仕切り部327,307によって、コイル素子2a,2b間の絶縁性を高められる。
上述のスライド連結部323s・303s、取付部325・305、及び仕切り部327・307の少なくとも一つを省略することができる。サイド樹脂モールド部328mや連結樹脂モールド部30mは、端子金具8Aの他、上述の種々の要素が一体成形された複雑な外形を有していても、インサート成形などの射出成形を利用することで容易に成形可能である。サイド樹脂モールド部328mの成形は、一方のサイド本体部32を中子とし、このサイド本体部32の所定の位置に所定の形状の端子金具8Aが固定されるように端子金具8Aをも金型に配置してインサート成形などを行うとよい。連結樹脂モールド部30mの成形は、図3に示すように他方のサイド本体部32と一対のミドル本体部31,31とをU字状に組み付けた中間部品を中子としてインサート成形などを行うとよい。
・センサ
その他、リアクトル1Aは、動作時の物理量を測定するためのセンサ7(後述の図5参照)を備える形態とすることができる。センサ7の詳細は実施形態2で説明する。
[実施形態2]
図4〜図7を参照して、実施形態2のリアクトル1B及び使用例を説明する。実施形態2のリアクトル1Bは、上述の実施形態1のリアクトル1に対して、接合層62(図5、図7)と放熱板6(図4、図5、図7)とを更に備える。特に、コイル2と磁性コア3との組合体10と放熱板6とが接合層62で固定されて(図7)、一体物となっている(図4)。また、実施形態2のリアクトル1Bでは、磁性コア3が、各ミドル本体部31,31(図6)がそれぞれミドル樹脂モールド部310m,310m(図6)で覆われた一対の内側コア部品310,310(図6)と、各サイド本体部32,32(図4〜図6)がそれぞれサイド樹脂モールド部328m,320m(図4〜図6)で覆われた一対の外側コア部品328B,320(図4〜図6)とを備える。即ち、リアクトル1Bでは、磁性コア3が合計四つのコア部品328B,320,310,310を備える。更に、リアクトル1Bは、センサ7(図6)も備える。以下、各コア部品及びこの構成の効果、接合層62、放熱板6、センサ7及びこれらを備える効果を順に説明する。
・コア部品
この例に示す外側コア部品320は、端子付き外側コア部品328Bと同様に、他方のサイド本体部32の内端面32eの一部がサイド樹脂モールド部320mから露出しており(図6)、その他はサイド樹脂モールド部320mの構成樹脂によって概ね均一的な厚さで覆われている。内側コア部品310は、ミドル本体部31の外周面の実質的に全体がミドル樹脂モールド部310mの構成樹脂によって覆われている。この例では、ミドル本体部31の端面31eの一部がミドル樹脂モールド部310mから露出している。この露出部分(ここでは円形状)は、樹脂モールド部の成形時にミドル本体部31を支持していた支持部材によって形成されている。この露出部分は、外側コア部品328B,320によって塞がれるが、例えば、本体部31,32同士を接合する接着剤の充填空間として利用することができる。
この例に示す外側コア部品328B,320と内側コア部品310,310とは、実施形態1で説明したスライド連結部を有していないが、相互に係合して位置決めを行う係合部を備える。端子付き外側コア部品328B(外側コア部品320)では、サイド樹脂モールド部328m(320m)の構成樹脂からなり、サイド本体部32の内端面32eを覆う端面30eからコイル素子2a,2bに向かってそれぞれ突出する短い筒状部323t,323tを備える。各内側コア部品310,310はそれぞれ両端部に、筒状部323t,323tが嵌め込まれる薄肉部313t,313tを備える。ここで、各内側コア部品310,310はそれぞれ、ミドル本体部31,31の外周面を覆う構成樹脂のうち、両端部の厚さを中間部よりも薄くして薄肉部313t,313tを設けている。筒状部323tの厚さ及び薄肉部313tの厚さは、筒状部323tを薄肉部313tに嵌め込んだときに、筒状部323tの表面と上記中間部の表面とが実質的に面一となるように調整している。これら筒状部323t,323tと薄肉部33t,33tとによって、上記係合部を構築する。
実施形態2のリアクトル1Bは、このように四つのコア部品328B,320,310,310を備えるものの、係合部(筒状部323t、薄肉部313t)を有することで、相互に容易に位置決めできる上に、精度よく組み付けられる。また、外側コア部品320に両内側コア部品310,310をまず組み付けてU字状にすることで、実施形態1のU字コア部品30Uと同様に、両内側コア部品310,310によってコイル2を支持でき、これらと端子付き外側コア部品328Bとの組み付けを容易に行える。このようにリアクトル1Bは、実施形態1と同様に、コイル2と端子金具8Aとの接続精度及び組立作業性に優れる。また、この例に示す各コア部品328B,320,310,310はいずれも、サイド本体部32,ミドル本体部31に沿った単純な形状であるため成形し易く製造性に優れることから、リアクトル1Bは、生産性にも優れる。更に、サイド樹脂モールド部320mに加えてミドル樹脂モールド部310mを備えることで、リアクトル1Bは、実施形態1と同様に、両本体部31,32の機械的保護、環境からの保護、コイル2・周辺部品との絶縁性の向上を図ることもできる。
・接合層
リアクトルの一例として、その設置面のうち、少なくともコイル2の設置面に接合層を備える形態とすることができる。この例に示すように接合層62は、リアクトル1Bの設置面の実質的に全域に対して設けられていると(図5)、放熱板6に対する安定した固定や、放熱板6に対する接触面積の増大に起因する放熱性の向上などが期待できて好ましい。接合層62の構成材料は、代表的には、リアクトル1Bの使用時における最高到達温度に対して軟化しない程度の耐熱性を有する樹脂(接着剤)が好ましく、更にリアクトル1Bと設置対象との絶縁性を高めるために絶縁性樹脂が好ましい。具体的な樹脂は、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、不飽和ポリエステルなどの熱硬化性や、PPS樹脂、LCPなどの熱可塑性の絶縁性樹脂が挙げられる。この絶縁性樹脂に、上述のセラミックスのフィラーが含有された形態とすると、放熱性や絶縁性などを向上させられる。接合層62の熱伝導率は、0.1W/m・K以上、更に1W/m・K以上、特に2W/m・K以上であると、熱伝導性に優れて好ましい。接合層62は、例えばシート状のものを用いたり、塗布やスプレーしたりして形成するとよい。
接合層62によってコイル2を放熱板6に固定できることで、リアクトル1Bの使用時に振動などが与えられた場合でもコイル2が伸縮したり、コイル2のターン同士が擦れ合ったりするなどの挙動を防止できる。特に、この例では、コイル素子2a,2bの全長に亘って接合層62を備えることで(図5)、上述のコイル2の挙動をより防止できる。更に、この例に示すリアクトル1Bでは、コイル素子2a,2bがエッジワイズコイルであることから占積率が高く小型である上に、角筒状であるためコイル2の設置面を平面状にし易く、コイル2と放熱板6との接触面積を大きく確保し易い。この点から、コイル2と放熱板6とを接合層62によって十分に固定できる。接合層62の厚さ(設置前)は、2mm未満、更に1mm以下、特に0.5mm以下が挙げられる。リアクトル1Bを設置した後では、接合層62の厚さが薄くなる(例えば、0.1mm程度となる)場合がある。
・放熱板
リアクトルの一例として、使用時に発熱するコイル2の任意の箇所に配置される放熱板を備える形態とすることができる。この例に示すリアクトル1Bは、コイル2の設置面に配置される放熱板6を備える。
放熱板6の構成材料には、金属や上述のセラミックスといった非金属材料が挙げられる。具体的な金属は、アルミニウムやアルミニウム合金、マグネシウムやマグネシウム合金、銅や銅合金、銀や銀合金、鉄やオーステナイト系ステンレス鋼などが挙げられる。金属は、熱伝導性に優れる上に、特にアルミニウムやその合金は、軽量で加工性にも優れる。放熱板6の厚さは、適宜選択することができ、例えば、2mm以上5mm以下程度が挙げられる。
放熱板6は、コイル2の設置面に接触可能な大きさを有していればよく、その大きさ、形状は適宜選択することができる。この例に示す放熱板6は、コイル2だけでなく、コイル2と磁性コア3との組合体10の設置面に接触可能な大きさを有している。そのため、リアクトル1Bは、コイル2の熱に加えて、磁性コア3の熱をも設置対象に良好に伝えられる。また、放熱板6は、組合体10の設置面よりも十分に大きいことで、例えば、組合体10を一体に支持する支持部材として機能させられて、搬送などが行い易いと期待される。この例に示す放熱板6は、矩形状であるが、例えば、その四隅にボス42(図7)を挿通可能な貫通孔(図示せず)を有する形態などとすることができる。
・センサ
センサ7は、例えば、温度センサ、電流センサ、電圧センサ、磁束センサ、加速度センサなどが挙げられる。この例に示すセンサ7は、サーミスタといった感熱素子を備える温度センサであり、感熱素子を保護する保護部(例えば、樹脂などのチューブ)と、感熱素子からの情報を外部に伝える配線72とを備える一体部材としている(図5、図6)。ここでは、センサ7の配置位置を両コイル素子2a,2bの間とし、リアクトル1Bは、上記一体部材を上記の所定の配置位置に保持するセンサ保持部材75を備える。センサ保持部材75は、仕切り部307,327(図6)に掛止される爪部を有しており、センサ保持部材75をコイル素子2a,2bの間に挿入し、上記爪部を仕切り部307,327に引っ掛けることで、上記一体部材の配置位置が実質的にずれず、所定の配置位置を良好に維持できる。また、センサ保持部材75によってセンサ7の一部が覆われる構成としている。こうすることで、センサ7は、例えば、液体冷媒4Lに接触し難く、リアクトル1Bの物理量を適切に測定し易い。センサ7を更にエポキシ系接着剤、アクリル系接着剤などの接着剤によってセンサ保持部材75の所定の配置位置に固定する形態としたり、センサ保持部材75を用いずにセンサ7を上記接着剤のみで所定の配置位置に固定する形態としたりすることができる。センサ保持部材75は、サイド樹脂モールド部328mなどと同様に絶縁性樹脂で構成されることで、仕切り部307,327と同様にコイル素子2a,2bの間の絶縁性を高められる。
(この形態の効果)
実施形態2のリアクトル1Bは、設置対象に取り付けると、コイル2の設置面と設置対象との間に放熱板6を介在できる。従って、リアクトル1Bは、実施形態1のリアクトル1Aが奏する上述の効果に加えて、放熱性にも優れる。特に、リアクトル1Bは、接合層62によって組合体10(特にコイル2)と放熱板6とが強固に固定されて、コイル2の熱だけでなく磁性コア3の熱をもリアクトル1Bの設置対象に効率よく、かつ均一的に伝えられ、放熱性により優れる。放熱板6は組合体10の支持部材としても利用でき、放熱板6を備えるリアクトル1Bは、組合体10の一体物としての強度や剛性を高められると期待される。更に、リアクトル1Bでは、センサ7によってリアクトル1B(特にコイル2)の温度などを適切に測定でき、冷却状態を適切に制御して高い放熱性を維持できる。
・使用例
図7を参照して実施形態2のリアクトル1Bの使用状態の一例を説明する。図7は、分かり易いように冷却ケース4を断面で示し、リアクトル1Bは側面を簡略化して示す。リアクトル1Bは、例えば、コイル2と磁性コア3との組合体10が冷却ケース4に収納され、ケース4内に固定されて利用される。ケース4は、その内部に液体冷媒4Lが供給及び排出される容器であり、液体冷媒4Lをケース4内に供給する供給口40iと、ケース4内の液体冷媒4Lをケース4外に排出する排出口40oと、組合体10を収納しかつ液体冷媒4Lを貯留可能な空間と、組合体10を固定する固定部(ここではボルト45が取り付けられるボルト穴を有するボス42)とを備える。液体冷媒4Lは、外部の冷却器(図示せず)によって適宜冷却され所定の温度にされて、ポンプなどの供給機構(図示せず)によって供給口40iからケース4内に供給される。ケース4内に導入された液体冷媒4Lは、組合体10に接触して、リアクトル1Bを冷却する。組合体10に接触して昇温した液体冷媒4Lは、排出口40oからケース4外へ排出され、上述の冷却器などに戻される。このように適宜な供給機構を利用することで、液体冷媒4Lをケース4内に循環供給することができる。このようなケース4は、例えば、コンバータケースに一体に形成される。
図7に示す例では、冷却ケース4は、断面矩形状の容器であり、平面で構成される取付面(内底面)41に組合体10が載置される領域と、組合体10の取付部305,325が配置される複数のボス42(ここでは4個)とを有する。取付部305,325のボルト孔305h,325h(図4〜図6)と、ボス42のボルト穴とに連通するようにボルト45をそれぞれねじ込むことで、ケース4内に組合体10を固定できる。ケース4は、ボス42を有していない場合がある。ボス42を有することで、ケース4の底面全体を厚くしなくても、ボルト45の締結長を十分に確保でき、組合体10を強固に固定できる。
この例に示すリアクトル1Bは、コイル2と磁性コア3との組合体10の設置面(ここではコイル2の下面,外側コア部品328B,320の下面)と冷却ケース4の取付面41との間に接合層62及び放熱板6が介在される。上記設置面は、実施形態1のリアクトル1Aと同様に実質的に平面で構成され、この設置面を覆う放熱板6の外表面が上記設置面(平面)に実質的に平行である。従って、リアクトル1Bの組合体10は、ケース4の取付面41に面接触することができ、ケース4に安定して固定される。ケース4を金属製とする場合、組合体10の熱を面接触する放熱板6からケース4に良好に伝えられて、放熱性に優れる。なお、図7では分かり易いように接合層62を誇張して厚く示しているが、実際には薄くてよい。
供給口40i及び排出口40oの開口部の大きさ、形成箇所は、適宜選択できる。これらを調整したり、液体冷媒4Lの輸送条件などを調整したりすることで、例えば、組合体10を液体冷媒4Lに浸漬させた状態としたり(図7)、組合体10が順次供給された液体冷媒4Lに接触できる状態としたりすることができる。ここでは、組合体10を冷却ケース4に収納して固定した状態において、供給口40iをケース4の上方(組合体10から離れる側)に設け、排出口40oをケース4の取付面41の近く(組合体10の固定領域の近く)に設けている。また、排出口40oの口径φを供給口40iの口径φよりも小さくし、組合体10におけるケース4の取付面41との接触領域を除く実質的に全体が液体冷媒4Lに常時浸漬されるようにしている。
冷却ケース4の構成材料は、例えば、アルミニウムやアルミニウム合金といった金属が挙げられる。金属は、熱伝導率が一般に高く放熱性に優れる、組成によっては液体冷媒4Lに対する耐食性や耐薬品性に優れる、耐熱性に優れる、機械的強度に優れるといった利点を有する。一方、ケース4の構成材料は、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂といった非金属材料が挙げられる。樹脂は、軽量である他、組成によっては液体冷媒4Lに対する耐食性や耐薬品性に優れるといった利点を有する。
液体冷媒4Lは、リアクトル1Bの使用時の最高到達温度によって形態が変化しないもの(気化しないもの)であると、冷却能力が高く、好適に利用できる。具体的には、オートマチックトランスミッションの潤滑油であるATF(Automatic Transmission Fluid)、フロリナート(登録商標)などのフッ素系不活性液体、HCFC−123やHFC−134aなどのフロン系冷媒、メタノールやアルコールなどのアルコール系冷媒、アセトンなどのケトン系冷媒などが挙げられる。リアクトル1Bが自動車などの車両の車載用部品といった用途である場合には、ATFを流用すると、液体冷媒4Lを別途用意しなくてよく、ATFの循環供給機構を利用して、液体冷媒4Lによるリアクトル1Bの放熱構造を簡単に形成できる。
リアクトル1Bがこのような液体冷媒4Lが供給される環境に設置される場合、その実質的に全体が液体冷媒4Lに接触できる。特にリアクトル1Bの使用時に発熱するコイル2が液体冷媒4Lに直接接触できるため、液体冷媒4Lの高い冷却能力を利用して効果的に放熱でき、放熱性に優れる。なお、この使用例は、実施形態1を含むその他の実施形態についても同様に適用することができる。
[実施形態3]
図8〜図10を参照して、実施形態3のリアクトル1Cを説明する。サイド樹脂モールド部328mの成形時に端子金具8Aが一体化された端子付き外側コア部品328A,328Bを備える実施形態1,2とは異なり、実施形態3のリアクトル1Cは、サイド樹脂モールド部328mの成形後に、その構成樹脂によって端子金具8Cが固定されて端子金具8Cを保持する端子付き外側コア部品328Cを備える。以下、この相違点を中心に説明し、実施形態1,2と重複する構成及び効果は説明を省略する。
(端子付き外側コア部品)
リアクトル1Cに備える端子付き外側コア部品328Cは、サイド樹脂モールド部328mの構成樹脂によって形成されて、端子金具8Cを保持する固定部を備える。この例では、固定部は、端子金具8Cに設けられた円筒状の固定孔82hに挿通される軸部3282(図,図10)と、軸部3282に連続して設けられて、固定孔82hの直径よりも大きい部分を有する頭部3283とを備える。いわば、軸部3282及び頭部3283がリベットの軸及び頭部となり、端子金具8Cは、リベット結合された状態である。更に、この例では、端子付き外側コア部品328Cは、サイド樹脂モールド部328mの構成樹脂によって形成されて、端子金具8Cに設けられた別の二つの貫通孔(固定孔84h,84h)にそれぞれ挿通される突起(回転防止突起3284,3284)備える。これら固定孔84h,84hと突起3284,3284とが、端子金具8Cの回転を防止する回転防止部として機能すると共に、固定部としても機能する。即ち、この端子金具8Cは、固定孔82h,84hに挿通された軸部3282,突起3284によって掛止されると共に、頭部3283によって軸部3282,突起3284からの抜け(脱落)が防止され、更には回転も防止される。このような固定部によって、端子付き外側コア部品328Cは、実施形態1の端子付き外側コア部品328Aなどと同様に端子金具8Cを強固に保持する。
この例では、端子金具8Cは、上述の中間領域に三つの円筒孔を上下方向に縦並びに備える(図9)。そのうちの一つの円筒孔(ここでは中央の孔)を上記のリベット結合に用いる固定孔82hとし、この固定孔82hを挟む上下二つの円筒孔を端子金具8Cの回転防止部に用いる固定孔84h,84hとする。この例では、リベット結合に用いる固定孔82hの直径を他の二つの固定孔84h,84hの直径よりも大きくしているが、三つの円筒孔の直径を等しくしたり、全ての直径を異ならせたりすることができる。固定孔82h,84hを円筒孔とすると、パンチによる打ち抜きやドリルなどで容易に形成できる(この点は後述する実施形態4の固定孔86hについても同様である)。
この例では、サイド樹脂モールド部328mは、上述の縦並びされた三つの円筒孔に対応するように上下方向に縦並びに、その構成樹脂で形成された回転防止突起3284,軸部3282及び頭部3283,回転防止突起3284を備える(図8,図9)。軸部3282,突起3284は、円筒状の固定孔82h,84hの内周形状に相似な円柱状であり(図9)、固定孔82h,84hの内径に応じて軸部3282の外径が突起3284の外径よりも大きい。軸部3282が太いことで、後述するようにその端部を溶融して頭部3283を形成し易く、かつ十分に大きな頭部3283を形成できる。軸部3282,突起3284の外形(外周形状)は、固定孔82h,84hの内周形状と非相似とすることができるが、円筒孔に相似形状である円柱状とすると、成形性に優れる。
固定孔82hと固定部(軸部3282,頭部3283)との組が一つあれば、端子金具8Cを固定できるため、固定孔84h及び回転防止突起3284を省略できる。しかし、この例に示すように、固定孔84h及び突起3284を更に備えることで、固定孔82hが円筒孔であっても、軸部3282を中心軸とする端子金具8Cの回転を防止でき、端子金具8Cの位置を安定して維持できて好ましい。また、固定孔84h及び突起3284によって、端子金具8Cの位置決め精度や固定状態を高め易い。固定孔82hが円筒孔であれば、軸部3282が非円柱状であっても、端子金具8Cが回転し得るため、回転防止部を備えることが好ましい。
端子金具8Cの回転を防止できれば、固定孔84h及び回転防止突起3284の形状、配置位置、個数などは適宜変更できる。例えば、上述の固定孔82h及び固定部(3282,3283)を縦並びに代えて、横並びにしたり、三角形状に配置したりすることが挙げられる。また、固定孔84h及び突起3284を1組のみとしたり、3組以上とすることができる。
(製造方法)
次に、端子付き外側コア部品328Cの製造方法を説明する。まず、図9に示すように、所定の位置に所定の大きさ及び形状の固定孔82h,84hが形成された端子金具8Cを用意する。また、インサート成形などを利用して、サイド本体部32がサイド樹脂モールド部328mで覆われ、この樹脂モールド部328mの所定の位置に所定の大きさ及び形状の軸部3282,回転防止突起3284が一体に成形されたコア成形品を用意する。
この形態では、サイド樹脂モールド部328mの構成樹脂は、溶融が可能な樹脂、例えば、PPSなどの熱可塑性樹脂とする。こうすることで、後述するようにリベット結合に用いる軸部3282の端部を溶融できる。
軸部3282の突出高さは、端子金具8Cの固定孔82hに挿通させたときに軸部3282の端部が十分に突出する高さとする(図10の左図参照)。こうすることで、軸部3282の端部を溶融することによって、十分な大きさの頭部3283を形成できる。回転防止突起3284の突出高さは、端子金具8Cの固定孔84hに挿通させたときに端子金具8Cの回転を防止できれば、特に問わない。例えば、端子金具8Cの固定孔84hに挿通させたときに回転防止突起3284の端部が若干突出する程度、端子金具8Cの表面と実質的に面一となる程度、又は固定孔84hから突出しない程度のいずれでもよい。
次に、用意したコア成形品の軸部3282,回転防止突起3284,3284にそれぞれ、端子金具8Cの固定孔82h,84h,84hを挿通させる。この例では、挿通させた状態では、図10の左図に示すように端子金具8Cの固定孔84h,82h,84hから突起3284の端部,軸部3282の端部,突起3284の端部がいずれも突出している。ここでは、軸部3282の突出量を回転防止突起3284の突出量よりも大きくしている。
次に、端子金具8Cの固定孔82hから突出する軸部3282の端部を溶融して、図10の右図に示すように固定孔82hの直径よりも大きな部分を有するように頭部3283を形成する。この頭部3283は、図10の右図に示すように端子金具8Cの表面から突出して設けられる。端子金具8Cは、頭部3283における上記の大きな部分と端子金具8Cの裏面に存在するコア成形品の樹脂とで端子金具8Cを挟むようにして支持される。
上記工程により、端子金具8Cがサイド樹脂モールド部328mの構成樹脂によってリベット結合された端子付き外側コア部品328Cが得られる。得られた端子付き外側コア部品328Cは、実施形態2と同様にして、コイル2及びコア部品310,310,320を組付けることで、リアクトル1Cが得られる。
又は、コイル2と磁性コア3とを組み付けた後に、軸部3282の端部を溶融して端子金具8Cを固定した端子付き外側コア部品328Cとすることができる。しかし、上述のようにコイル2と磁性コア3とを組み付ける前に、軸部3282の端部を溶融して端子金具8Cを予め固定した端子付き外側コア部品328Cを作製しておくと、コイル2と磁性コア3とを組み付けることで、端子金具8Cの端部8eをコイル2の巻線2wの端部2eに自動的に配置でき、組立作業性に優れる。
(この形態の効果)
実施形態3のリアクトル1Cは、端子金具8Cと、サイド本体部32を備えるコア成形品とがリアクトル1Cの製造過程では独立しているものの、最終的にサイド樹脂モールド部328mの構成樹脂によって一体化された端子付き外側コア部品328Cをコイル2との組付部品とする。即ち、リアクトル1Cは、端子付き外側コア部品328Aを備えるリアクトル1Aなどと同様の組付部品点数とすることができる。従って、実施形態1で述べた理由(1)〜(4)により、リアクトル1Cは、コイル2と端子金具8Cとの接続を精度よく行える上に、組立作業性にも優れる。また、上記コア成形品は、端子金具8Cを備えておらず、単純な外形を有するため、サイド本体部32を金型に配置してインサート成形などすることで容易に製造できて製造性に優れる。更に、上記コア成形品では、サイド樹脂モールド部328mの成形時に、サイド本体部32に対して端子金具8Cがずれるということも無い。
(変形例3−1)
端子金具8Cの回転を防止可能な別の形態として、固定孔82hが非円形孔(例えば、三角形、四角形などの多角形状、楕円などの異形状)であり、固定部の軸部が上記非円形孔に相似形状な柱状である形態が挙げられる。この形態は、リベット結合に用いる固定孔82hが一つであっても、端子金具8Cを固定できながら、回転も防止できる。
(変形例3−2)
端子金具8Cの回転を防止可能な別の形態として、固定孔82hと固定部(軸部3282,頭部3283)との組を複数備える形態とすることが挙げられる。例えば、固定孔84hに挿通された上述の回転防止突起3284の端部を溶融して頭部を形成してもよい。この形態は、頭部3283による抜け止めをより確実に行えて、端子金具8Cをより強固に支持できる上に、端子金具8Cの回転を防止できる。なお、実施形態3で説明したように上記のリベット結合をなす組を一つとすれば、溶融箇所を少なくできる。
(変形例3−3)
上述の固定孔82hは、その軸方向に一様な径を有する円筒孔である場合を説明した。固定孔をその軸方向に径が異なる段付き孔(図示せず)とすることができる。この段付き孔は、端子金具8Cの表面側に配置される径を、同裏面側(サイド本体部32側)に配置される径よりも大きくすることで(大径とすることで)、上記表面側に配置される大径の孔を埋めるように形成された頭部3283によって抜け止め及び固定を行える。この場合、頭部3283は、端子金具8Cの表面と面一になるように形成されていても問題ない。しかし、段付き孔を有する場合も、頭部3283の一部が端子金具8Cの表面から突出するように形成されていれば、端子金具8Cをより強固に固定できる。
(変形例3−4)
実施形態3では、磁性コア3に関して、端子付き外側コア部品328Cにおける端子金具8Cの固定に関する点以外の構成は、実施形態2のリアクトル1Bと同様に四つのコア部品を備える形態を示しているが、実施形態1のリアクトル1Aと同様に二つのコア部品を備える形態とすることができる。この点は、後述する実施形態4についても同様である。
[実施形態4]
実施形態3では、サイド樹脂モールド部328mの一部を溶融して、端子金具8Cを固定する形態を説明した。その他、実施形態4のリアクトルとして、端子金具8Dがサイド樹脂モールド部328mの構成樹脂からなる掛止部によって固定された端子付き外側コア部品328Dを備える形態とすることができる。以下、掛止部を備える端子付き外側コア部品328Dを詳細に説明し、実施形態1〜3と重複する構成及び効果は説明を省略する。
(端子付き外側コア部品)
図11に示す端子付き外側コア部品328Dは、サイド樹脂モールド部328mの構成樹脂によって形成されて、端子金具8Dを保持する掛止部を備える。この例では、掛止部は、端子金具8Dが嵌め込まれて圧入されることで端子金具8Dを機械的に保持する部分(挟持突起3288,3288)を備える。
より具体的には、掛止部は、端子金具8Dに設けられた固定孔86hに挿通される掛止突起3286と、端子金具8Dの両縁にそれぞれ設けられた切欠88,88を挟持する二つの挟持突起3288,3288とを備える。端子金具8Dは、固定孔86hに挿通された掛止突起3286によって掛止されると共に、挟持突起3288,3288が切欠88,88に噛み込みつつ両縁を挟むことで、突起3286からの抜け(脱落)及び回転が防止される。このような掛止部によって、端子付き外側コア部品328Dは、実施形態1の端子付き外側コア部品328Aなどと同様に端子金具8Dを強固に保持する。
この例では、端子金具8Dは、上述の中間領域に一つの円筒孔と、中央領域の両縁に矩形状に切り掛かれた部分とを有し、前者を固定孔86hとし、後者を切欠88,88とする。固定孔86hの形状及び大きさ、切欠88の形状及び大きさは適宜変更できる。この例では、サイド樹脂モールド部328mに設けられた掛止突起3286は、その外形(外周形状)を固定孔86hの内周形状に相似形状である円柱状としているが、固定孔86hの内周形状と非相似とすることができる。
この例では、各挟持突起3288,3288は、角柱状であって、両突起3288,3288の対向面が傾斜面3288s,3288sとなっている。この傾斜面3288sは、両突起3288,3288間の間隔が、開口する外方からサイド本体部32側に向かって狭くなるように傾斜している(突起3288,3288の自由端側が広く、固定端側が狭くなっている)。突起3288,3288間の最小間隔は、端子金具8Dに設けられた切欠88,88間の距離よりも若干小さい。この例に示す固定孔86h,突起3286,3288の形状は、一例であり、適宜変更できる。
このような挟持突起3288,3288間に嵌め込まれた端子金具8Dは、切欠88,88間の領域が突起3288,3288間に圧入状態で挟持されると共に、切欠88,88の縁面88eが突起3288の上端面3288eによって支持される。更に、端子金具8Dは、固定孔86h及び掛止突起3286のみでは回転し得るが、挟持突起3288,3288によって回転も防止される。このように掛止突起3286による端子金具8Dの掛止と、挟持突起3288,3288による端子金具8Dの挟持とで、端子金具8Dは、高精度に位置決めされ、上下方向及び左右方向の位置が規制されて固定される。
(製造方法)
次に、端子付き外側コア部品328Dの製造方法を説明する。所定の位置に所定の大きさ及び形状の固定孔86h、切欠88,88が形成された端子金具8Dを用意する。また、インサート成形などを利用して、サイド本体部32がサイド樹脂モールド部328mで覆われ、この樹脂モールド部328mの所定の位置に所定の大きさ及び形状の掛止突起3286、挟持突起3288,3288が一体に成形されたコア成形品を用意する。
実施形態3とは異なり、この形態では、端子金具8Dの固定に際してサイド樹脂モールド部328mを溶融しない。そのため、樹脂モールド部328mの構成樹脂は、熱硬化性樹脂などでもよく、熱可塑性樹脂でもよい。
掛止突起3286の突出高さは、端子金具8Dの固定孔86hに挿通させたときに端子金具8Dを掛止できればよく、突起3286の端部が若干突出する程度、端子金具8Dの表面と実質的に面一となる程度、又は固定孔86hから突出しない程度のいずれでもよい。
次に、用意したコア成形品の掛止突起3286に、端子金具8Dの固定孔86hを挿通させると共に、切欠88,88を挟持突起3288,3288間に嵌め込む。この嵌め込みは、サイド樹脂モールド部328mの構成樹脂の弾性変形を利用して行うことができる。掛止突起3286及び挟持突起3288の傾斜面は、端子金具8Dを取り付ける際のガイドとしても機能する。
上記工程により、端子金具8Dがサイド樹脂モールド部328mの構成樹脂によって機械的に掛止された端子付き外側コア部品328Dが得られる。得られた端子付き外側コア部品328Dは、実施形態2と同様にして、コイル2及びコア部品310,310,320(図6)と組付けることで、実施形態4のリアクトルが得られる。
(この形態の効果)
実施形態4のリアクトルは、端子金具8Dと、サイド本体部32を備えるコア成形品とがリアクトルの製造過程では独立しているものの、最終的にサイド樹脂モールド部328mの構成樹脂によって一体化された端子付き外側コア部品328Dをコイル2との組付部品とする。即ち、実施形態4のリアクトルは、端子付き外側コア部品328Aを備えるリアクトル1Aなどと同様の組付部品点数とすることができる。従って、実施形態1で述べた理由(1)〜(4)により、実施形態4のリアクトルは、コイル2と端子金具8Dとの接続を精度よく行える上に、組立作業性にも優れる。また、上記コア成形品は、端子金具8Dを備えておらず、製造性に優れる上に、端子金具8Dとコア成形品との一体化に当たり、溶融といった加熱工程が不要である。この実施形態4のリアクトルは、例えば、端子金具8Dの全長が短く、振動時に共振する可能性が低い場合や、コイル2と設置対象との接続強度が十分に高い場合などに利用できると期待される。
(変形例4−1)
挟持突起3288,3288の少なくとも一方をフック形状(端子金具Dの側面から表面に回り込むL字形状など)とすることができる。この場合、端子金具8Dの抜け(サイド本体部32の外方に向かう抜け。図11の紙面手前側に向かう方向の抜け。)をより効果的に防止できる。フック形状の突起は、成形の他、切削などを行うことで形成できる。
[実施形態5]
実施形態2では、接合層62と放熱板6との双方を備える形態を説明した。その他、実施形態5のリアクトルとして、接合層62のみを備える形態とすることができる。この形態も、接合層62は、コイル2の設置面、更にはリアクトルの設置面の実質的に全域に対して設けられていると、設置対象に対する安定した固定や放熱性の向上などが期待できる。実施形態のリアクトルを設置対象に接合するまでの間には、接合層62の表面に離型材を取り付けておくと、接合層62の表面を清浄に維持できて好ましい。設置対象に実施形態5のリアクトルを設置するときに離型材を外し、接着剤に応じた固化(硬化)処理(不要な場合もある)を行うとよい。
実施形態5のリアクトルは、接合層62を備えることで、例えば、上述のボルト45による締結などを省略しても設置対象に十分に固定できる。また、実施形態5のリアクトルは、接合層62によってコイル2を設置対象に固定できることで、使用時に振動などが与えられた場合でもコイル2が伸縮したり、コイル2のターン同士が擦れ合ったりするなどの挙動を防止できる。更に、コイル素子2a,2bが角筒状のエッジワイズコイルであると、上述のようにコイル2の設置面と設置対象との接触面積を大きく確保し易く、コイル2と設置対象とを接合層62によって十分に固定できる。接合層62を備える形態、更に放熱板6を備える形態は、上述の実施形態3,4、後述する実施形態6〜8にも適用できる。
[実施形態6]
実施形態2では、リアクトル1Bの収納対象として、コンバータケースに一体に設けられた冷却ケース4を説明した。実施形態6のリアクトルとして、コンバータケースとは独立しており、コンバータケースに取り付けられる冷却ケース4を備える形態とすることができる。
[実施形態7]
実施形態1では、I字状のコア部品(端子付き外側コア部品328A)とU字状のコア部品(U字コア部品30U)とを備える形態、実施形態2〜4では、複数のI字状のコア部品(内側コア部品310,310、外側コア部品328A,328B,328C,328D,320)を備える形態を説明した。その他、実施形態7のリアクトルとして、一方のミドル本体部31と一方のサイド本体部32とがL状に組み付けられた状態で樹脂モールド部に覆われた端子付きL字コア部品と、他方のミドル本体部31と他方のサイド本体部32とがL状に組み付けられた状態で樹脂モールド部に覆われたL字コア部品とを備える形態とすることができる。即ち、磁性コア3が合計二つのL字コア部品を備える形態とすることができる。
[実施形態8]
実施形態1〜7では、磁性コア3の主要構成部品のいずれもが樹脂モールド部を備える形態を説明した。その他、実施形態8のリアクトルとして、磁性コアが樹脂モールド部を備えていない部分を有する形態とすることができる。即ち、実施形態8のリアクトルとは、図6などに示すコイル2と、端子付き外側コア部品328A〜328Dのいずれかと、図3に示すミドル本体部31,31及び他方のサイド本体部32とを備える形態、図6などに示すコイル2と、上述の端子付きL字コア部品と、図3に示す他方のミドル本体部31及び他方のサイド本体部32とを備える形態などが挙げられる。いずれの形態も、樹脂モールド部の成形が不要な部分を有するため、磁性コアの製造性に優れる。
実施形態8のリアクトルでは、例えば、樹脂モールド部を有さない他方のサイド本体部32を上述の複合材料で構成する場合、複合材料の製造条件などによって(例えば、樹脂よりも比重が大きい磁性成分を沈降させる、など)、複合材料中の樹脂成分によって実質的に形成される表面樹脂層を備えるものとすることができる。この場合、表面樹脂層(上述のセラミックスを含んでもよい)によって、磁性成分に対する環境からの保護を期待でき、樹脂被覆を別途備えていなくても、腐食抑制などの効果が期待できる。ミドル本体部31は、コイル2に覆われた状態になるため、磁心の組成、樹脂の有無に依らず、コイル2によって、腐食抑制などの効果をある程度期待できる。
実施形態8のリアクトルでは、コイル2と、磁性コア3において樹脂モールド部を有さない部分との間にインシュレータ(図示せず)を別途介在させると、コイル2と磁性コア3との間の絶縁性を高めたり、コイル2と磁性コア3との相互の位置をずれ難くしたりすることができる。インシュレータは、適宜な形状のものを利用でき、例えば、ミドル本体部31の外周に配置される筒状部と、他方のサイド本体部32とコイル2との端面との間に配置される枠状部とを備える形態が挙げられる。インシュレータの構成材料は、樹脂モールド部の構成材料の項で述べた各種の熱可塑性樹脂などが挙げられる。
[実施形態9]
実施形態1〜8のリアクトル1A〜1Cなどは、通電条件が、例えば、最大電流(直流):100A〜1000A程度、平均電圧:100V〜1000V程度、使用周波数:5kHz〜100kHz程度である用途に好適に利用できる。この用途の代表例として、実施形態1〜8のリアクトル1A〜1Cなどは、電気自動車やハイブリッド自動車などに載置されるコンバータの構成部品や、このコンバータを備える電力変換装置の構成部品といった車載部品に好適に利用することができる。以下、図12,図13を参照して、実施形態1のリアクトル1Aなどを車載用電力変換装置に適用した例を簡単に説明する。
例えば、ハイブリッド自動車や電気自動車といった車両1200は、図12に示すようにメインバッテリ1210と、メインバッテリ1210に接続される電力変換装置1100と、メインバッテリ1210からの供給電力により駆動して走行に利用されるモータ(負荷)1220とを備える。モータ1220は、代表的には、3相交流モータであり、走行時、車輪1250を駆動し、回生時、発電機として機能する。ハイブリッド自動車の場合、車両1200は、モータ1220に加えてエンジンを備える。なお、図12では、車両1200の充電箇所としてインレットを示すが、プラグを備える形態とすることができる。
電力変換装置1100は、メインバッテリ1210に接続されるコンバータ1110と、コンバータ1110に接続されて、直流と交流との相互変換を行うインバータ1120とを有する。この例に示すコンバータ1110は、車両1200の走行時、200V〜300V程度のメインバッテリ1210の直流電圧(入力電圧)を400V〜700V程度にまで昇圧して、インバータ1120に給電する。また、コンバータ1110は、回生時、モータ1220からインバータ1120を介して出力される直流電圧(入力電圧)をメインバッテリ1210に適合した直流電圧に降圧して、メインバッテリ1210に充電させている。インバータ1120は、車両1200の走行時、コンバータ1110で昇圧された直流を所定の交流に変換してモータ1220に給電し、回生時、モータ1220からの交流出力を直流に変換してコンバータ1110に出力している。
コンバータ1110は、図13に示すように複数のスイッチング素子1111と、スイッチング素子1111の動作を制御する駆動回路1112と、リアクトルLとを備え、ON/OFFの繰り返し(スイッチング動作)により入力電圧の変換(ここでは昇降圧)を行う。スイッチング素子1111には、電界効果トランジスタ(FET)、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)などのパワーデバイスが利用される。リアクトルLは、回路に流れようとする電流の変化を妨げようとするコイルの性質を利用し、スイッチング動作によって電流が増減しようとしたとき、その変化を滑らかにする機能を有する。このリアクトルLとして、上記実施形態1〜8のリアクトル1A〜1Cなどを備える。特に、コンバータ1110内に液体冷媒4Lを供給可能な冷却ケース4を備える場合、このケース4内にリアクトル1A〜1Cの組合体10などを収納することで、放熱性にも優れる構造を容易に構築することができる。電力変換装置1100やコンバータ1110は、コイル2と端子金具8Aの接続を精度よく行え、組立作業性にも優れるリアクトル1A〜1Cなどを備えることで、コイル2と端子金具8Aなどとを高精度に接続できて、組立作業性にも優れる上に、上述のように放熱性にも優れる構造にすることができる。
なお、車両1200は、コンバータ1110の他、メインバッテリ1210に接続された給電装置用コンバータ1150や、補機類1240の電力源となるサブバッテリ1230とメインバッテリ1210とに接続され、メインバッテリ1210の高圧を低圧に変換する補機電源用コンバータ1160を備える。コンバータ1110は、代表的には、DC−DC変換を行うが、給電装置用コンバータ1150や補機電源用コンバータ1160は、AC−DC変換を行う。給電装置用コンバータ1150のなかには、DC−DC変換を行うものもある。給電装置用コンバータ1150や補機電源用コンバータ1160のリアクトルに、上記実施形態1〜8のリアクトル1A〜1Cなどと同様の構成を備え、適宜、大きさや形状などを変更したリアクトルを利用することができる。また、入力電力の変換を行うコンバータであって、昇圧のみを行うコンバータや降圧のみを行うコンバータに、上記実施形態1〜8のリアクトル1A〜1Cなどを利用することもできる。
なお、本発明は、これらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。例えば、コイル素子を一つのみ有するリアクトルとすることができる。例えば、コイルの外周に樹脂モールド部を形成したコイル成形体を構成要素とすることができる。更に、少なくとも一つのミドル本体部とコイルとが樹脂モールド部によって一体に保持されたコア−コイル成形体、一対のミドル本体部と他方のサイド本体部とコイルとが樹脂モールド部によって一体に保持されたU字コア−コイル成形体を構成要素とすることができる。これらのコア−コイル成形体を備える形態は、部品点数が少なく、組立作業性に更に優れる。
本発明のリアクトルは、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車などの車両に搭載される車載用コンバータ(代表的にはDC−DCコンバータ)や空調機のコンバータなどの種々のコンバータ、電力変換装置の構成部品に好適に利用することができる。
1A,1B,1C リアクトル 10 組合体
2 コイル
2a,2b コイル素子 2r 連結部 2w 巻線 2e 端部
3 磁性コア
30U U字コア部品 310 内側コア部品
320 外側コア部品
328A,328B,328C,328D 端子付き外側コア部品
31 ミドル本体部 31e 端面 31m,32m コア片
31g ギャップ材
32 サイド本体部 32e 内端面
30m 連結樹脂モールド部 310m ミドル樹脂モールド部
320m,328m サイド樹脂モールド部
3280 埋設固定部 3282 軸部 3283 頭部 3284 回転防止突起
3286 掛止突起 3288 挟持突起 3288e 上端面
3288s 傾斜面
30e 端面
303s,323s スライド連結部
313t 薄肉部 323t 筒状部
305,325 取付部 305h,325h ボルト孔
307,327 仕切り部 329 突条
4 冷却ケース 4L 液体冷媒 45 ボルト
40i 供給口 40o 排出口 41 取付面(内底面) 42 ボス
6 放熱板 62 接合層
7 センサ 72 配線 75 センサ保持部材
8A,8C,8D 端子金具 8e 端部 80h 貫通孔
82h,84h,86h 固定孔 88 切欠 88e 縁面
1100 電力変換装置 1110 コンバータ
1111 スイッチング素子 1112 駆動回路 L リアクトル
1120 インバータ
1150 給電装置用コンバータ 1160 補機電源用コンバータ
1200 車両 1210 メインバッテリ 1220 モータ
1230 サブバッテリ 1240 補機類 1250 車輪

Claims (5)

  1. 巻線を巻回してなるコイルと、
    前記コイル内に配置される部分を有する磁性コアと、
    前記コイルの設置面に配置される放熱板とを備え、
    前記磁性コアは、
    前記コイルから突出され、磁路となるサイド本体部と、
    前記巻線の端部にそれぞれ接続され、互いに並列される二つの端子金具と、
    前記サイド本体部と前記端子金具とを一体に保持するサイド樹脂モールド部とを備える端子付き外側コア部品を含み、
    前記端子付き外側コア部品は、前記サイド樹脂モールド部の樹脂によって形成されて、前記両端子金具の一部を埋設して保持する埋設固定部を備え、
    前記埋設固定部は、二つの前記端子金具の間に介在される突条を備えるリアクトル。
  2. 巻線を巻回してなるコイルと、
    前記コイル内に配置される部分を有する磁性コアとを備え、
    前記磁性コアは、
    前記コイルから突出され、磁路となるサイド本体部と、
    前記巻線の端部にそれぞれ接続され、互いに並列される二つの端子金具と、
    前記サイド本体部と前記端子金具とを一体に保持するサイド樹脂モールド部とを備える端子付き外側コア部品を含み、
    前記端子付き外側コア部品は、前記サイド樹脂モールド部の樹脂によって形成されて、前記両端子金具の一部を埋設して保持する埋設固定部を備え、
    前記埋設固定部は、二つの前記端子金具の間に介在される突条を備えるリアクトル。
  3. 前記磁性コアは、前記コイル内に配置される一対のミドル本体部と、これら両ミドル本体部の一端を連結する前記サイド本体部と、前記コイルから突出され、前記両ミドル本体部の他端を連結する別のサイド本体部とによって環状の閉磁路を構成し、
    前記別のサイド本体部と前記一対のミドル本体部との少なくとも一部を覆ってこれらを一体に保持する連結樹脂モールド部を備える請求項1又は請求項2に記載のリアクトル。
  4. 前記磁性コアは、前記コイル内に配置される一対のミドル本体部と、これら両ミドル本体部の一端を連結する前記サイド本体部と、前記コイルから突出され、前記両ミドル本体部の他端を連結する別のサイド本体部とによって環状の閉磁路を構成し、
    前記別のサイド本体部と、この別のサイド本体部の少なくとも一部を覆うサイド樹脂モールド部とを備える外側コア部品と、
    前記ミドル本体部と、前記ミドル本体部の少なくとも一部を覆うミドル樹脂モールド部とを備える内側コア部品とを含む請求項1又は請求項2に記載のリアクトル。
  5. 前記コイルの設置面に配置される接合層を備える請求項1から請求項のいずれか1項に記載のリアクトル。
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