JP6167895B2 - リアクトル - Google Patents
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Description
最初に本発明の実施形態を列記して説明する。
(1) 実施形態に係るリアクトルは、巻線を巻回してなるコイルと、上記コイル内に配置される部分を有する磁性コアと、上記巻線の端部が直接接合された接合端部を有する導体線と、上記導体線の他端部に取り付けられて、上記コイルに電力供給を行う外部装置に接続される端子部とを備える。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を具体的に説明する。図中の同一符号は同一名称物を示す。
図1〜図5を参照して、実施形態1のリアクトル1Aを説明する。
・全体構成
リアクトル1Aは、図1に示すように、巻線2wを螺旋状に巻回してなるコイル2と、コイル2の内外に配置されて閉磁路を形成する磁性コア3とを備える。リアクトル1Aは、コンバータケースなどの設置対象(図示せず)に取り付けられて使用される。例えば、後述するように液体冷媒4L(図5)に直接曝される箇所に取り付けられて使用される。実施形態1のリアクトル1Aは、コイル2を構成する巻線2wの端部2eに、丸型端子やバスバといった端子金具を介することなく、導体線8が直接接合されている点を特徴の一つとする。以下、リアクトル1Aの主要な構成部材であるコイル2及び磁性コア3の概略、特徴点であるコイル2と導体線8との接続構造及び特徴点に基づく主要な効果をまず説明し、その後、リアクトル1Aの使用例や各構成の詳細を順に説明する。
この例に示すコイル2は、図1〜図3に示すように一対のコイル素子2a,2bと、両コイル素子2a,2bを接続する連結部2rとを備える。各コイル素子2a,2bは、巻線2wを螺旋状に巻回して形成された筒体(ここでは角部を丸めた矩形筒状体)である。各コイル素子2a,2bは、各軸方向が平行するように並列(横並び)されている。連結部2rは、コイル素子2a,2bを形成する巻線2wの一部がU字状に屈曲されて形成されている。
この例に示す磁性コア3は、図4に示すように一対の柱状のミドル本体部31,31と、一対の柱状のサイド本体部32,32とを主体とし、これらの本体部31〜32は、主として軟磁性材料によって構成されて磁路を構築する。各ミドル本体部31,31はそれぞれ、横並びされたコイル素子2a,2b内に挿通配置されて、コイル2内に配置される部分として利用される。各サイド本体部32,32はそれぞれ、コイル2が実質的に配置されずにコイル2から突出された部分である。横並びされた両ミドル本体部31,31を繋ぐようにサイド本体部32,32を組み付けて、これらの本体部31〜32は環状に配置される。この例に示す磁性コア3は、これらの本体部31〜32の少なくとも一つと、その外周を覆う樹脂とを備える複数のコア部品を備える。具体的には、図3に示すように一対の柱状のミドル本体部31,31と一方のサイド本体部32とが樹脂によってU字状に一体成形されたU字コア部品30Uと、他方のサイド本体部32が樹脂で覆われた外側コア部品320とを備える。各コア部品30U,320の詳細は後述する。
導体線8は、コイル2と、コイル2に電力供給を行う電源などの外部装置(図示せず)との間を電気的に接続する導電部材であり、その一端部を巻線2wの端部2eが接合される接合端部とし、その他端部に端子部80(後述)が取り付けられる接続領域を備える。導体線8は、銅や銅合金、アルミニウムやアルミニウム合金といった導電性に優れる金属によって構成された単一の線材、又は複数の線材を撚り合わせた撚線、又は撚線を圧縮成形した圧縮線が挙げられる。撚線や圧縮線は、単線に比較して曲げ易く可撓性に優れることから、取り回しをより容易に行える。単線でも、細径であったり、軟銅といった伸びに優れる材質であったりするものであれば、可撓性に優れて取り回しを良好に行える。
端子部80は、外部装置側の端子金具に接続される導電部材であり、同端子金具に接続可能であれば、種々の材料、形状、大きさのものが利用できる。代表的には、端子部80は、銅や銅合金、アルミニウムやアルミニウム合金といった導電性に優れる金属によって構成された金属板を図1などに示すように所定の大きさ、形状に打ち抜いた板材が挙げられる。このような端子部80は、従来のバスバと同様にして製造することができる。
コイル2を構成する巻線2wの端部2eと導体線8との接合には、抵抗溶接、レーザ溶接、TIG(Tungsten Inert Gas)溶接などの各種の溶接、半田付け、ロウ付け、圧着、振動溶着などを利用することができる。列挙した接合方法によって、バスバなどの端子金具を介することなく、巻線2wの構成材料と導体線8の構成材料とが直接接合される、又は半田などの導電性接合材料を含んで実質的に直接接合される。ここでは、抵抗溶接を行っている。
リアクトル1Aは、代表的には、組合体10の作製⇒コイル2と導体線8との接合、という過程を経て製造することができる。具体的には、コイル2、磁性コア3(ここでは、U字コア部品30U,外側コア部品320)、導体線8を用意する。図3に示すようにコイル2と磁性コア3とを組み付けて組合体10を作製する。この例では、U字コア部品30Uにコイル2を支持させた状態でU字コア部品30Uと外側コア部品320とを接続可能であり、組み付け作業を容易に行える。また、この例では、両コア部品30U,320がスライド連結部303s,323s(後述)を有することで、両コア部品30U,320の位置決めを精度よく行えながら、コイル2と磁性コア3とを容易に組み付けられる。更に、この例では、磁性コア3の主要構成部品がU字コア部品30Uと外側コア部品320との二つであるため、磁性コア3の組立部品点数が少なく、組立作業性に優れる。
リアクトル1Aは、以下の理由によって、コイル2と外部装置との接続作業性に優れる。
(1) 端子部80が接合された導体線8を、コイル2と外部装置とを電気的に接続する介在部材にすることで、導体線8が板状のバスバよりも可撓性に優れるため、このバスバを介在部材にする場合と比較して、導体線8を適宜折り曲げるなどして、端子部80を所望の位置に容易に、かつ精度よく配置できる。
(2) 導体線8が可撓性に優れるため、コイル2を構成する巻線2wの端部2eと導体線8との接合時にも導体線8を容易に取り回せるため、この接合も容易に行える。この例では、特に巻線2wの導体が平角線であることで接合面積を十分に広く確保できる点からも、上記接合を容易に行える。
(3) コイル2を構成する巻線2wの端部2eと導体線8との電気的接続にあたり、ボルトなどの締結部材が不要であり、部品点数を削減できる。
図5を参照してリアクトル1Aの使用状態の一例を説明する。図5は、分かり易いように冷却ケース4を断面で示し、リアクトル1Aは側面を示す。リアクトル1Aは、例えば、コイル2と磁性コア3との組合体10が冷却ケース4に収納され、ケース4内に固定されて利用される。ケース4は、その内部に液体冷媒4Lが供給及び排出される容器であり、液体冷媒4Lをケース4内に供給する供給口40iと、ケース4内の液体冷媒4Lをケース4外に排出する排出口40oと、組合体10を収納しかつ液体冷媒4Lを貯留可能な空間と、組合体10を固定する固定部(ここではボルト45が取り付けられるボルト穴を有するボス42)とを備える。液体冷媒4Lは、外部の冷却器(図示せず)によって適宜冷却され所定の温度にされて、ポンプなどの供給機構(図示せず)によって供給口40iからケース4内に供給される。ケース4内に導入された液体冷媒4Lは、組合体10に接触して、リアクトル1Aを冷却する。組合体10に接触して昇温した液体冷媒4Lは、排出口40oからケース4外へ排出され、上述の冷却器などに戻される。このように適宜な供給機構を利用することで、液体冷媒4Lをケース4内に循環供給することができる。
以下、リアクトル1Aの各構成の詳細、その他の利用可能な構成などを列挙して説明する。
コイル2は、代表的には、接続部の無い1本の連続する巻線2wを螺旋状に巻回して構成される。各コイル素子2a,2bは互いに同一の巻数であり、両コイル素子2a,2bは電気的に直列に接続される。コイル素子2a,2bの端面形状は、上述の角筒状などの他、円環状など、適宜変更することができる。
この例に示す磁性コア3は、上述のように磁路を構築する部分(ここではミドル本体部31,31、サイド本体部32,32)が樹脂(ここでは連結樹脂モールド部30m、サイド樹脂モールド部320m)で覆われたコア部品を構成要素とする。具体的には、磁性コア3は、コイル2の一端(図3では左端)から露出される外側コア部品320と、コイル2内に配置される部分を有するU字コア部品30Uとを備える。まず、図4を用いて磁性コア3の主体となるミドル本体部31及びサイド本体部32を説明し、図3を用いてコア部品を説明する。
この例に示すミドル本体部31,31はそれぞれ、軟磁性材料を用いた複数のコア片31mと、コア片31mよりも比透磁率が低い材料から構成される複数のギャップ材31gとの組物である。この例に示すサイド本体部32,32は、軟磁性材料を用いたコア片32mである。ここでは、各コア片31m,32mは、軟磁性金属粉末を用いた圧粉成形体としている。ギャップ材31gには、アルミナなどの非金属無機材料や不飽和ポリエステルなどの樹脂といった非金属有機材料に代表される非磁性材料の他、鉄粉などの軟磁性材料と樹脂などの非磁性材料とを混合した低透磁率材などが利用できる。
・・・構成材料
連結樹脂モールド部30m及びサイド樹脂モールド部320mの構成材料には、適宜な樹脂を利用できる。特に、磁性コア3は、コイル2の近傍に配置されることから、上記構成材料は絶縁性樹脂が好ましい。具体的な樹脂は、PPS樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂、液晶ポリマー(LCP)、ナイロン6、ナイロン66、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂などの熱可塑性樹脂が挙げられる。上記樹脂に、窒化珪素(Si3N4)、アルミナ(Al2O3)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ほう素(BN)、炭化珪素(SiC)、ムライトなどのセラミックスからなるフィラーを含有することができる。列挙したセラミックスのフィラーを1種以上含有する樹脂とすることで、連結樹脂モールド部30m及びサイド樹脂モールド部320mの放熱性や絶縁性などを高められる。フィラーの組成によっては、振動・騒音抑制効果も期待できる。
U字コア部品30Uにおける連結樹脂モールド部30mによる被覆領域、及び外側コア部品320におけるサイド樹脂モールド部320mによる被覆領域は、適宜選択することができ、各樹脂モールド部30m,320mはミドル本体部31及びサイド本体部32の少なくとも一部を覆う。上記被覆領域が大きいほど、樹脂モールド部30m,320mを備える効果を得易い。即ち、ミドル本体部31やサイド本体部32の機械的保護、環境からの保護(例えば、液体冷媒4Lなどとの接触による腐食防止)、コイル2との間の絶縁性の向上、導体線8との間の絶縁性の向上などを図ることができる。
連結樹脂モールド部30mの構成樹脂の厚さ、サイド樹脂モールド部320mの構成樹脂の厚さはいずれも、適宜選択することができる。ここでは、連結樹脂モールド部30mにおける上述のU字状の中間部品の各面を覆う上記構成樹脂の厚さを概ね一様にしている。また、サイド樹脂モールド部320mにおけるサイド本体部32の各面を覆う上記構成樹脂の厚さを概ね一様にしている。その他、上記中間部品の面ごとやサイド本体部32の面ごとに、各面を覆う上記構成樹脂の厚さを異ならせることができる。例えば、サイド本体部32の設置面を覆う上記構成樹脂の厚さを他の面よりも薄くしたり、ミドル本体部31の端面31eを覆って上記ギャップ材として機能する上記構成樹脂の厚さを所望のギャップ長に応じて厚く又は薄くしたりすることができる。
この例に示す外側コア部品320は、サイド樹脂モールド部320mに導体線8を固定する導体固定部321を備える(図1、図3)。導体固定部321は、上述の接合に必要な導体線8の取り回しを可能にしながら、導体線8の過度の移動や揺動を規制する機能を有する。この機能を奏するように、導体固定部321は、導体線8の長手方向の中間部における任意の一部を保持可能な形状とするとよい。この例に示す導体固定部321は、導体線8を挟持可能なC字状の把持部としている。C字状の把持部は、外側コア部品320の外方に向かって(図3では左側に向かって)開口しており、外側コア部品320の外方から導体線8の中間部を容易に挟み込ませられる。図3に示す開口方向は例示であり、例えば、C字状の把持部を図3において紙面手前側又は紙面奥側に向かって開口させることができる。図3に示す例では、導体固定部321がサイド樹脂モールド部320mに一体に成形された形態としているため、導体固定部321を備えていながらも、(1)部品点数が増えず、外側コア部品320に取り付ける工程も不要である、(2)導体固定部が別部材である場合よりも小型にし易い、(3)導体線8が外側コア部品320に対して移動し難く、導体線8の過度の移動などを規制し易い、といった効果を奏する。その他、導体固定部321は、貫通孔を有する筒状体や環状体などとすることができる。導体固定部321を、貫通孔を有する形態とすると、リアクトル1Aの使用時に振動などが付与されても、外側コア部品320による導体線8の固定状態が解除され難く、導体線8の過度の移動などをより確実に規制し易い。この貫通孔の形態では、導体線8を導体固定部321の貫通孔に挿通してから、コイル2と導体線8との接合、又は導体線8と端子部80との接続を行うとよい。図3では、1本の導体線8に対して、一つの導体固定部321を備える場合を示すが、複数の導体固定部321を備える形態とすることができる。
その他、この例に示すU字コア部品30U及び外側コア部品320は、相互に係合するスライド連結部303s,323sを備える。スライド連結部303s,323sは、コイル2の軸方向及びコイル素子2a,2bの横並び方向(図3では左右方向)の双方向に直交する方向(図3では上下方向)にU字コア部品30U及び外側コア部品320をスライドさせることで両者の機械的な連結を可能にする部分である。この例では、U字コア部品30Uに備えるスライド連結部303sを上下方向に延びる溝とし、外側コア部品320に備えるスライド連結部323sを上下方向に延び、上記溝に嵌め込まれる突条としているが、両者が逆でもよい。また、この例では、図3の上方から、U字コア部品30Uのスライド連結部303s(溝)を外側コア部品320のスライド連結部323s(突条)に沿わせたときに、U字コア部品30Uの位置決めを行う当たり止め突起(図示せず)を外側コア部品320の端面に備える。当たり止め突起は、外側コア部品320の端面からミドル本体部31側に向かって突出する突条であり、両コア部品30U,320を連結したとき、U字コア部品30Uの下方縁に接するように設けられている。この当たり止め突起に当接するまで、U字コア部品30Uを外側コア部品320に対してスライドすることで、両コア部品30U,320を容易に環状に組み付けられる。また、この連結によって両コア部品30U,320は、環状に組み付けた状態を維持できる。
その他、この例に示すU字コア部品30U及び外側コア部品320はそれぞれ、設置対象への取付部305,325を備える(図5の側面図も参照)。ここでは、取付部305,325は、U字コア部品30Uのサイド本体部32の外方、及び外側コア部品320の外方に突出した突片であり、ボルト45(図5)が挿通されるボルト孔305h,325hを備える。取付部305,325の個数(ここでは合計4個)、形成位置は適宜選択することができる。ここでは、取付部305,325はサイド本体部32,32における上下方向の中間部に設けられているが、例えば、U字コア部品30U及び外側コア部品320の設置面と面一になるように下方側に設けることができる。ここでは、ボルト孔305h,325hは、金属筒で形成している。金属筒は、連結樹脂モールド部30m、サイド樹脂モールド部320mの構成樹脂よりも高強度であるため、ボルト45からの締付力を十分に受けられる。
その他、この例に示すU字コア部品30U及び外側コア部品320はそれぞれ、サイド本体部32の内端面32eを覆う樹脂から構成される端面30eから突出し、コイル2を組み付けたとき、コイル素子2a,2b間に介在される仕切り部307,327を備える(図3)。仕切り部307,327によって、コイル素子2a,2b間の絶縁性を高められる。
リアクトル1Aは、その設置面のうち、少なくともコイル2の設置面に接合層62(図5)を備える形態とすることができる。特に接合層62は、リアクトル1Aの設置面の実質的に全域に対して設けられていると、上述のように設置対象に対する安定した固定や放熱性の向上などが期待できて好ましい。接合層62の構成材料は、代表的には、リアクトル1Aの使用時における最高到達温度に対して軟化しない程度の耐熱性を有する樹脂(接着剤)が好ましく、更にリアクトル1Aと設置対象との絶縁性を高めるために絶縁性樹脂が好ましい。具体的な樹脂は、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、不飽和ポリエステルなどの熱硬化性や、PPS樹脂、LCPなどの熱可塑性の絶縁性樹脂が挙げられる。この絶縁性樹脂に、上述のセラミックスのフィラーが含有された形態とすると、放熱性や絶縁性などを向上させられる。接合層62の熱伝導率は、0.1W/m・K以上、更に1W/m・K以上、特に2W/m・K以上であると、熱伝導性に優れて好ましい。接合層62は、例えばシート状のものを用いたり、塗布やスプレーしたりして形成するとよい。リアクトル1Aを設置対象に接合するまでの間には、接合層62の表面に離型材を取り付けておくと、接合層62の表面を清浄に維持できて好ましい。設置対象にリアクトル1Aを設置するときに離型材を外し、接着剤に応じた硬化処理(不要な場合もある)を行うとよい。
リアクトル1Aの動作時の物理量を測定するためのセンサ7を備える形態とすることができる(図3)。センサ7は、例えば、温度センサ、電流センサ、電圧センサ、磁束センサ、加速度センサなどが挙げられる。この例に示すセンサ7は、サーミスタといった感熱素子を備える温度センサであり、感熱素子を保護する保護部(例えば、樹脂などのチューブ)と、感熱素子からの情報を外部に伝える配線72とを備える一体部材としている。ここでは、センサ7の配置位置を両コイル素子2a,2bの間とし、リアクトル1Aは、上記一体部材を上記の所定の配置位置に保持するセンサ保持部材75を備える。センサ保持部材75は、図3に示すように仕切り部307,327に掛止される爪部を有しており、センサ保持部材75をコイル素子2a,2bの間に挿入し、上記爪部を仕切り部307,327に引っ掛けることで、上記一体部材の配置位置が実質的にずれず、所定の配置位置を良好に維持できる。また、センサ保持部材75によってセンサ7の一部が覆われる構成としている。こうすることで、センサ7は、例えば、液体冷媒4Lに接触し難く、リアクトル1Aの物理量を適切に測定し易い。センサ7を更にエポキシ系接着剤、アクリル系接着剤などの接着剤によってセンサ保持部材75の所定の配置位置に固定する形態としたり、センサ保持部材75を用いずにセンサ7を上記接着剤のみで所定の配置位置に固定する形態としたりすることができる。センサ保持部材75は、サイド樹脂モールド部320mなどと同様に絶縁性樹脂で構成されることで、仕切り部307,327と同様にコイル素子2a,2bの間の絶縁性を高められる。
実施形態1のリアクトル1Aに対して、更に放熱板を備える形態とすることができる。放熱板は、例えば、使用時に発熱するコイル2の任意の箇所に備えることができる。図6に示す実施形態2のリアクトル1Bは、コイル2の設置面に配置される放熱板6を備える。リアクトル1Bは、設置対象に取り付けると、コイル2の設置面と設置対象との間に放熱板6を介在できることから、コイル2の熱をリアクトル1Bの設置対象に効率よく、均一的に伝えられる。従って、実施形態2のリアクトル1Bは、実施形態1のリアクトル1Aが奏する上述の効果に加えて、放熱性にも優れる。
実施形態1では、導体固定部321がサイド樹脂モールド部320mに一体に成形された形態を説明した。その他、導体固定部を樹脂などの絶縁性材料で別途形成し、この導体固定部がサイド樹脂モールド部に取り付けられる形態とすることができる。この場合、例えば、サイド樹脂モールド部が凹部及び凸部の少なくとも一方を取付部として備え、導体固定部が上記凹部又は凸部に嵌め込まれる係合凸部又は係合凹部を備えると、両者の嵌め合せを容易に行える上に、外側コア部品に取り付けるためのボルトなどの締結部材が不要であり、作業性にも優れる。特に、導体固定部及びサイド樹脂モールド部との双方が樹脂で構成される場合、このような凹部や凸部を容易に形成できて、製造性にも優れる。その他、取付部をボルト穴とし、ボルトを用いて導体固定部を外側コア部品に固定することができる。
実施形態1では、磁性コア3が二つのコア部品を備える形態を説明した。その他、実施形態4のリアクトルとして、各ミドル本体部31,31がそれぞれミドル樹脂モールド部(図示せず)で覆われた一対の内側コア部品(図示せず)と、各サイド本体部32,32がそれぞれサイド樹脂モールド部で覆われた一対の外側コア部品とを備える形態とすることができる。即ち、磁性コア3が合計四つのコア部品を備える形態とすることができる。このバラバラの形態は、各コア部品を成形し易い。又は、実施形態4のリアクトルとして、一方のミドル本体部31と一方のサイド本体部32とがL状に組み付けられた状態で樹脂モールド部に覆われたL字コア部品と、他方のミドル本体部31と他方のサイド本体部32とがL状に組み付けられた状態で樹脂モールド部に覆われたL字コア部品とを備える形態とすることができる。即ち、磁性コア3が合計二つのL字コア部品を備える形態とすることができる。
実施形態1では、リアクトル1Aの収納対象としてコンバータケースに一体に設けられた冷却ケース4を説明した。実施形態5のリアクトルとして、コンバータケースとは独立しており、コンバータケースに取り付けられる冷却ケース4を備える形態とすることができる。
実施形態1では、磁性コア3が樹脂被覆(連結樹脂モールド部30m、サイド樹脂モールド部320m)を備える形態を説明した。その他、実施形態6のリアクトルとして、樹脂被覆を備えていない形態とすることができる。即ち、実施形態6のリアクトルとは、図2に示すコイル2、及び端子部80を備える導体線8と、図4に示すミドル本体部31,31及びサイド本体部32,32とを備える。
実施形態1〜6のリアクトル1Aなどは、通電条件が、例えば、最大電流(直流):100A〜1000A程度、平均電圧:100V〜1000V程度、使用周波数:5kHz〜100kHz程度である用途に好適に利用できる。この用途の代表例として、実施形態1〜6のリアクトル1Aなどは、電気自動車やハイブリッド自動車などに載置されるコンバータの構成部品や、このコンバータを備える電力変換装置の構成部品といった車載部品に好適に利用することができる。以下、図6,図7を参照して、実施形態1のリアクトル1Aなどを車載用電力変換装置に適用した例を簡単に説明する。
2 コイル
2a,2b コイル素子 2r 連結部 2w 巻線 2e 端部
3 磁性コア 30U U字コア部品 320 外側コア部品
31 ミドル本体部 31e 端面 31m,32m コア片
31g ギャップ材
32 サイド本体部 32e 内端面
30m 連結樹脂モールド部 320m サイド樹脂モールド部
30e 端面
303s,323s スライド連結部
305,325 取付部 305h,325h ボルト孔
307,327 仕切り部
321 導体固定部
4 冷却ケース 4L 液体冷媒 45 ボルト
40i 供給口 40o 排出口 41 取付面(内底面) 42 ボス
6 放熱板 62 接合層
7 センサ 72 配線 75 センサ保持部材
8 導体線 80 端子部 80h 貫通孔
1100 電力変換装置 1110 コンバータ
1111 スイッチング素子 1112 駆動回路 L リアクトル
1120 インバータ
1150 給電装置用コンバータ 1160 補機電源用コンバータ
1200 車両 1210 メインバッテリ 1220 モータ
1230 サブバッテリ 1240 補機類 1250 車輪
Claims (4)
- 巻線を巻回してなるコイルと、
前記コイル内に配置される部分を有する磁性コアと、
前記巻線の端部が直接接合された接合端部を有する導体線と、
前記導体線の他端部に取り付けられて、前記コイルに電力供給を行う外部装置に接続される端子部と、
前記コイルの設置面に配置される放熱板とを備え、
前記巻線の導体は、平角線であり、
前記導体線は、丸線、丸線を用いた撚線、及び前記撚線を用いた圧縮線のいずれか一つであり、
前記巻線の端部と前記導体線の接合端部との接合は、溶接、半田付け、ロウ付け、圧着、及び溶着のいずれか一つからなるリアクトル。 - 巻線を巻回してなるコイルと、
前記コイル内に配置される部分を有する磁性コアと、
前記巻線の端部が直接接合された接合端部を有する導体線と、
前記導体線の他端部に取り付けられて、前記コイルに電力供給を行う外部装置に接続される端子部とを備え、
前記巻線の導体は、平角線であり、
前記導体線は、丸線、丸線を用いた撚線、及び前記撚線を用いた圧縮線のいずれか一つであり、
前記巻線の端部と前記導体線の接合端部との接合は、溶接、半田付け、ロウ付け、圧着、及び溶着のいずれか一つからなるリアクトル。 - 前記磁性コアは、
前記コイルから突出され、磁路となるサイド本体部と、
前記サイド本体部の外周の少なくとも一部を覆って前記サイド本体部と前記導体線との間を絶縁するサイド樹脂モールド部と、
前記サイド樹脂モールド部に設けられ、前記導体線を固定する導体固定部とを備える外側コア部品を含む請求項1又は請求項2に記載のリアクトル。 - 前記導体固定部は、前記サイド樹脂モールド部に一体に成形されている請求項3に記載のリアクトル。
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