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JP6307406B2 - エレベータ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エレベータ装置に関する。
エレベータ装置には、一般に、乗りかごと呼称される昇降体の走行速度(移動速度/昇降速度)や走行位置を常時監視し、昇降体が所定の異常状態に陥った際に、昇降体を非常停止させる安全装置が備えられている。安全装置として、近年、昇降体の走行位置や走行速度を、速度センサを用いて電気的に検出(計測)し、この検出結果に基づいてエレベータ装置を安全な状態に移行させるための指令信号を出力する安全コントローラを用いた電子安全システムの導入が進んでいる。
この電子安全システムの技術として、特許文献1,2に記載の技術が知られている。特許文献1には、「電子安全コントローラは、エレベータの異常を検出し、エレベータを安全な状態に移行させるための指令信号を出力する。」と記載されている。
また、特許文献2には、「コントローラは、エレベータ制御装置と駆動・制動装置に制御信号を送信して、安全な方法でエレベータかごを停止させる。」と記載されている。
国際公開第2006/106575号 特表2002−538061号公報
ところで、電子安全システムは、昇降体の走行速度が異常速度に達した際に、昇降体の駆動を停止する過速スイッチ機能を有する。この過速スイッチ機能を有する電子安全システムでは、昇降体の走行中に昇降体内の乗客などによる昇降体の過度な振動(以下、「過振」と記述する場合もある)により、過速スイッチ機能が動作し、不要にエレベータ装置を停止(昇降体の走行を停止)させる可能性がある。
このような乗客などによる過度な昇降体の過振により、過速スイッチ機能が動作し、不要に昇降体が走行停止することへの対策については、特許文献1,2に記載の技術では考慮されていない。
そこで、本発明は、乗客などによる昇降体の過振により、過速スイッチ機能が動作し、不要に昇降体が走行停止するのを回避することが可能なエレベータ装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
本願は、上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、
昇降体の走行速度を検出する速度検出部と、
速度検出部が検出した速度信号が、昇降体の異常速度に対応して設定された規定値に達したとき、昇降体の駆動を停止する過速スイッチ機能を持つ制御部と、
を備えるエレベータ装置であって、
速度検出部が検出した速度信号に含まれる乗客による昇降体の過度な振動に起因する周波数成分を遮断するローパスフィルタを有し、
過速スイッチ機能は、乗客による昇降体の過度な振動に起因する周波数成分が遮断された速度信号が規定値に達したか否かを監視し、
ローパスフィルタの遮断特性には、昇降体に取り付けられた主ロープを含む昇降体の固有振動数の最小値が設定される
ことを特徴とする。
本発明によれば、昇降体の走行中に昇降体内の乗客などによる昇降体の過度な振動が発生しても、過速スイッチ機能が動作することがないため、不要な昇降体の走行停止を回避することができる。
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明によって明らかにされる。
本発明が適用されるエレベータ装置の構成例1の概略構成を示す側断面図の例である。 本発明が適用されるエレベータ装置の構成例2の概略構成を示す側断面図の例である。 本発明が適用されるエレベータ装置の構成例3の概略構成を示す側断面図の例である。 本発明が適用されるエレベータ装置の構成例4の概略構成を示す側断面図の例である。 本発明が適用されるエレベータ装置の制御系のシステム構成の概略を示すブロック図の例である。 ローパスフィルタの周波数特性を示す特性図の例である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」と記述する)について図面を用いて詳細に説明する。本発明は実施形態に限定されるものではない。本明細書および図面において、同一の構成要素又は実質的に同一の機能を有する構成要素には同一の符号を付することとし、重複する説明は省略する。
<本発明の実施形態に係るエレベータ装置>
本発明の実施形態に係るエレベータ装置は、後述する電子安全コントローラ200(図5参照)を用いた電子安全システムを導入している。また、エレベータ走行速度、より具体的には、乗りかごと呼称される昇降体の走行速度(移動速度/昇降速度)を検出する速度検出部を備える。速度検出部は、昇降体の走行速度を検出するのに、走行速度を電気的に計測する速度センサを用いている。
本実施形態に係るエレベータ装置は、速度センサとして、例えば、昇降体の走行に連動して回転する回転体に取り付けられ、当該回転体の回転方向の機械的な変位量をデジタル量に変換するロータリエンコーダを用いる構成を採っている。ロータリエンコーダが取り付けられる回転体は、エレベータ装置の構成(種類)によって異なる。エレベータ装置には種々の構成のものが存在する。
本実施形態に係るエレベータ装置について説明する前に、本発明が適用されるエレベータ装置の具体的な構成例について以下に説明する。
[構成例1]
図1は、本発明が適用されるエレベータ装置の構成例1の概略構成を示す側断面図の例である。
一般に、エレベータ装置は、建築物100に設けられた昇降路102内に、昇降体(乗りかご)103とつり合いおもり104とを主ロープ(主索)105によって連結し、昇降体103が不図示のガイドレールに沿って昇降可能となるように構成されている。昇降路102の上部には、機械室101が設けられている。
機械室101内には、主ロープ105が巻き掛けられた巻上機106、この巻上機106等を制御する制御盤107および調速機110などが配置されている。調速機110は、昇降路102内における昇降体103の走行行程(昇降行程)の全域に亘って張られた無端状の調速用ロープ111を備えている。調速用ロープ111は、機械室101に設置された綱車112と、昇降路102の下部に設置された調速機ウェートの綱車113とに巻き掛けられている。綱車112は、建築物100に対して回転自在に取り付けられている。
昇降体103には、非常時に楔によって不図示のガイドレールを把持して昇降体103の走行を止める非常止め装置108と、この非常止め装置108を駆動する作動レバー109とが設けられている。作動レバー109は、昇降体103側に軸支され、調速用ロープ111に接した状態で設けられている。
調速機110の綱車112は、昇降体103の走行に連動して回転する回転体である。この綱車112には、昇降体103の走行速度を電気的に計測する速度センサの一例であるロータリエンコーダ120が取り付けられている。ロータリエンコーダ120は、綱車112の回転方向の機械的な変位量をデジタル量に変換する。ロータリエンコーダ120の出力信号は、制御盤107内に設けられた制御部である、後述する電子安全コントローラ200(図5参照)に供給される。
なお、本構成例1に係るエレベータ装置では、ロータリエンコーダ120を綱車112に取り付ける構成としたが、これに限られるものではない。綱車112と同様に、昇降体103の走行に連動して回転する回転体である調速機ウェートの綱車113にロータリエンコーダ120を取り付ける構成であっても構わない。ただし、ロータリエンコーダ120を綱車112に取り付ける方が綱車113に取り付けるよりも、ロータリエンコーダ120の信号を制御盤107に伝送する配線を短くできるため、配線に対するノイズなどの影響を抑える上で有利である。
[構成例2]
図2は、本発明が適用されるエレベータ装置の構成例2の概略構成を示す側断面図の例である。
図2から明らかなように、構成例2に係るエレベータ装置は、構成例1に係るエレベータ装置における機械室101が存在せず、巻上機106、制御盤107および調速機110を昇降路102内に配置した構成となっている。具体的には、巻上機106および制御盤107を昇降路102の下部に配置した、所謂下置きの配置構造となっている。
昇降体103およびつり合いおもり104には、綱車131および綱車132が回転自在に取り付けられている。また、昇降路102の上部には、2つの綱車133,134が設けられている。綱車133,134は、建築物100に対して回転自在に取り付けられている。そして、主ロープ105は、綱車131、綱車133、巻上機106、綱車134および綱車132に巻き掛けられ、両端が昇降路102の上部に固定されている。
上述したように、構成例2に係るエレベータ装置では、巻上機106および制御盤107について下置きの配置構造を採っている。この下置きの配置構造を採る場合には、昇降体103の走行速度を計測するロータリエンコーダ120を調速機ウェート113に取り付けるのが望ましい。これにより、ロータリエンコーダ120の信号を制御盤107に伝送する配線を、ロータリエンコーダ120を綱車112に取り付ける場合よりも短くできるため、配線に対するノイズなどの影響を抑える上で有利である。ただし、ロータリエンコーダ120を綱車112に取り付ける構成であっても構わない。
[構成例3]
図3は、本発明が適用されるエレベータ装置の構成例3の概略構成を示す側断面図の例である。
構成例1に係るエレベータ装置および構成例2に係るエレベータ装置では、昇降体103の走行速度を計測するロータリエンコーダ120を、昇降体103の走行に連動して回転する回転体である綱車112や調速機ウェートの綱車113に取り付ける構成を採っている。
これに対して、構成例3に係るエレベータ装置では、ロータリエンコーダ120を昇降体103に取り付ける構成を採っている。また、ロータリエンコーダ120のローラ135をガイドレール136に押し当てるようにしている。そして、ロータリエンコーダ120の出力信号(エンコーダ信号)をテールコード137によって制御盤107に伝送するようにしている。
上記構成の構成例3に係るエレベータ装置では、昇降体103の走行(移動/昇降)に伴ってローラ135が回転し、これに伴ってロータリエンコーダ120が昇降体103の走行方向(移動方向)の機械的な変位量をデジタル量に変換することになる。この場合のロータリエンコーダ120の取り付け対象は、昇降体103の走行に連動して回転する回転体ではなく、昇降体103の走行に連動して移動する移動体(即ち、昇降体103)ということになる。
[構成例4]
図4は、本発明が適用されるエレベータ装置の構成例4の概略構成を示す側断面図の例である。
図4に示すように、構成例4に係るエレベータ装置は、構成例1に係るエレベータ装置の構成に加えて、機械室101に綱車141を配置し、昇降路102の下部に綱車142を配置し、これらの綱車141,142に無端状のロープ143を巻き掛けた構成となっている。すなわち、無端状のロープ143は、昇降路102内の全域に亘って張られている。そして、無端状のロープ143は、昇降体103に支持されたレバー144に連結されている。
上記構成の構成例4に係るエレベータ装置では、昇降路102の走行に連動して無端状のロープ143が回動し、それに伴って綱車141,142が回転する。すなわち、綱車141,142は、昇降体103の走行に連動して回転する回転体である。そして、構成例4に係るエレベータ装置では、綱車141にロータリエンコーダ120を取り付ける構成としている。
なお、本構成例4に係るエレベータ装置では、ロータリエンコーダ120を綱車141に取り付ける構成としたが、これに限られるものではない。綱車141と同様に、昇降体103の走行に連動して回転する回転体である綱車142にロータリエンコーダ120を取り付ける構成であっても構わない。ただし、ロータリエンコーダ120を綱車141に取り付ける方が綱車142に取り付けるよりも、ロータリエンコーダ120の信号を制御盤107に伝送する配線を短くできるため、配線に対するノイズなどの影響を抑える上で有利である。
<制御系のシステム構成>
次に、本発明が適用されるエレベータ装置の制御系のシステム構成について説明する。図5は、本発明が適用されるエレベータ装置の制御系のシステム構成の概略を示すブロック図の例である。
図5に示すように、本制御系は、本発明が適用されるエレベータ装置の全体の制御を担う制御部である電子安全コントローラ200を中心として構成されている。電子安全コントローラ200には、ロータリエンコーダ120の出力信号(エンコーダ信号)、位置検出部150の位置検出信号およびスイッチ部160の検知信号が入力される。
ロータリエンコーダ120は、昇降体103の走行速度を電気的に計測する速度センサの一例であり、昇降体103の走行速度および走行位置の各情報を含むエンコーダ信号を出力する。位置検出部150は、昇降体103の絶対的な走行位置を検出するセンサである。位置検出部150は、例えば、昇降路102側の各階床に対応して設置された遮蔽板と、昇降体103側に取り付けられ、遮蔽板によって光路を遮断されることによって昇降体103の位置を検出する光学式センサとの組み合わせからなる。スイッチ部160は、エレベータ装置内の所定の箇所に設けられた各種のスイッチからなる。
図5では、電子安全コントローラ200について、電子安全コントローラ200が持つ各機能をブロック図化して機能ブロック図として図示している。電子安全コントローラ200は、位置情報算出部201、速度情報算出部202、ローパスフィルタ処理部203、各種スイッチ検査機能部204、リミットスイッチ機能部205および終端階強制減速機能部206を有している。電子安全コントローラ200はさらに、過速スイッチ機能部207、戸階走行保護機能部208、合理性検出機能部209および停止出力機能部210を有している。
位置情報算出部201は、ロータリエンコーダ120のエンコーダ信号および位置検出部150の位置検出信号に基づいて昇降体103の位置情報を算出し、昇降体103の位置信号として出力する。この位置信号は、リミットスイッチ機能部205、終端階強制減速機能部206および戸階走行保護機能部208に供給される。
速度情報算出部202は、ロータリエンコーダ120のエンコーダ信号に基づいて昇降体103の速度情報を算出し、昇降体103の速度信号として出力する。この速度信号は、ローパスフィルタ処理部203および終端階強制減速機能部206に供給される。ここで、速度情報算出部202は、ロータリエンコーダ120と共に、エレベータ走行速度、より具体的には、昇降体103の走行速度(移動速度/昇降速度)を検出する速度検出部を構成している。
ここで、昇降体103の走行中に昇降体103内の乗客などによる昇降体103の過度な振動(過振)が発生すると、その過振に起因する周波数成分が、昇降体103の速度信号に含まれて速度情報算出部202から出力される。ローパスフィルタ処理部203は、この速度信号に含まれる昇降体103の過振に起因する周波数成分を遮断する。
各種スイッチ検査機能部204は、エレベータ装置内の所定の箇所に設けられた各種のスイッチからの情報に基づいて、これらのスイッチが正常に機能しているか否かを検出する。そして、各種スイッチ検査機能部204は、各種スイッチが正常に機能している場合に、これらのスイッチの検知信号をリミットスイッチ機能部205、終端階強制減速機能部206、過速スイッチ機能部207および戸階走行保護機能部208に供給する。
リミットスイッチ機能部205は、位置情報算出部201から供給される位置信号および各種スイッチ検査機能部204から供給される各種スイッチの検知信号に基づいて、昇降体103の走行位置を監視する。そして、リミットスイッチ機能部205は、昇降体103が終端階(最上階/最下階)を行き過ぎた場合に、昇降体103の頂部または底部が昇降路102の頂部または底部に衝突する前に昇降体103の走行を停止させるための指令信号を出力する。
終端階強制減速機能部206は、位置情報算出部201から供給される位置信号、速度情報算出部202から供給される速度信号および各種スイッチ検査機能部204から供給される各種スイッチの検知信号に基づいて、走行中の昇降体103に対して減速制御を行う。具体的には、終端階強制減速機能部206は、昇降体103が終端階に近づいたときに昇降体103の走行速度を強制的に減速するための指令信号を出力する。
過速スイッチ機能部207は、速度情報算出部202からローパスフィルタ処理部203を介して供給される速度信号および各種スイッチ検査機能部204から供給される各種スイッチの検知信号を監視する。速度信号は、昇降体103の過振に起因する周波数成分がローパスフィルタ処理部203で遮断されて過速スイッチ機能部207に入力する。そして、過速スイッチ機能部207は、速度信号が昇降体103の異常速度に対応して設定された規定値(閾値)に達したとき、即ち昇降体103の走行速度が異常速度に達したときに昇降体103の駆動を停止するための指令信号を出力する。
戸階走行保護機能部208は、位置情報算出部201から供給される位置信号および各種スイッチ検査機能部204から供給される各種スイッチの検知信号に基づいて、扉が開いた状態で昇降体103が動いたのを検知したとき、昇降体103の走行を停止させるための指令信号を出力する。合理性検出機能部209は、リミットスイッチ機能部205、終端階強制減速機能部206、過速スイッチ機能部207および戸階走行保護機能部208の各出力信号に基づいて、各機能部の処理自体に異常がないか合理性を確認する。
停止出力機能部210は、リミットスイッチ機能部205、終端階強制減速機能部206、過速スイッチ機能部207および戸階走行保護機能部208の各出力信号、ならびに、合理性検出機能部209の出力信号を入力とする。そして、停止出力機能部210は、これらの出力信号に基づいて、エレベータ装置が異常状態にあると判断した場合に、エレベータ装置の動作を停止させる停止信号を制御盤107に対して出力する。
例えば、昇降体103の走行速度が異常速度に達したことを過速スイッチ機能部207が検知し、昇降体103の駆動を停止するための指令信号を出力したときに、停止出力機能部210は、この指令信号を受けて制御盤107に対して停止信号を出力する。この停止信号を受けて、制御盤107は、昇降体103の駆動装置(巻上機106)および制動装置の電源を遮断することによって昇降体103の駆動を停止する制御を行う。
上述した電子安全コントローラ200の各機能部201〜210などについては、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することにより、ソフトウェアで実現することができる。このとき、各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に記録することができる。また、上記の各機能部201〜210などについては、それらの一部または全部を、例えば集積回路で設計する等により、ハードウェアで実現することもできる。
以上説明したように、本実施形態に係るエレベータ装置は、エレベータ走行速度、より具体的には、昇降体103の走行速度を検出する速度検出部を備えている。この速度検出部は、昇降体103の走行速度を電気的に計測するロータリエンコーダ120と、ロータリエンコーダ120のエンコーダ信号に基づいて昇降体103の速度情報を算出し、速度信号として出力する速度情報算出部202とから構成されている。
また、本実施形態に係るエレベータ装置は、制御部である電子安全コントローラ200の機能の一つとして、過速スイッチ機能部207を有している。この過速スイッチ機能部207には、速度情報算出部202からローパスフィルタ処理部203を介して速度信号が供給される。過速スイッチ機能部207は、入力される速度信号が昇降体103の異常速度に対応して設定された規定値(閾値)に達したとき、即ち昇降体103の走行速度が異常速度に達したときに昇降体103の駆動を停止するための指令信号を出力する。この指令信号を受けて、制御盤107は、昇降体103の駆動装置および制動装置の電源を遮断することによって昇降体103の駆動を停止する。
ここで、例えば、昇降体103に乗客による過度な振動が発生した場合、その振動に起因する周波数成分が、速度情報算出部202から出力される昇降体103の速度信号に含まれる(重畳される)ことになる。そして、過度な振動に起因する周波数成分が乗ることにより、速度信号が規定値に達すると、エレベータ装置が異常ではないにも拘わらず、過速スイッチ機能部207が動作し、不要にエレベータ装置を停止(即ち、昇降体103の走行を停止)させる可能性がある。
このような乗客による過度な振動に起因する不要なエレベータ装置の停止を回避するために、本実施形態に係るエレベータ装置は、電子安全コントローラ200の機能の一つとして、ローパスフィルタ処理部203を有している。このローパスフィルタ処理部203は、昇降体103の速度信号に含まれる過度な振動に起因する周波数成分を遮断するローパスフィルタでもある。そして、ローパスフィルタ処理部203により、昇降体103の速度信号に対して、過度な振動に起因する周波数成分を遮断するフィルタリング処理を行うことにより、乗客による過度な振動に起因する不要なエレベータ装置の停止を回避することができる。
ここで、乗客による過度な振動が加わるとき、昇降体103は、主ロープ105等のロープ系を含む昇降体103の固有振動数で揺れると言うことができる。よって、ローパスフィルタ(ローパスフィルタ処理部203)の遮断特性は、ロープ系を含む昇降体103の固有振動数を含むことが重要である。しかし、昇降体103の位置によって主ロープ105の長さ(例えば、図1の構成例1にあっては、巻上機106までの長さ)が変化することから、昇降体103の固有振動数も昇降体103の位置によって変化する。
したがって、ローパスフィルタの遮断特性に適用する昇降体103の固有振動数については、その最小値をローパスフィルタの遮断特性として設定することが望ましい。昇降体103の固有振動数の最小値は、主ロープ105の長さが一番長くなるときの固有振動数、即ち昇降体103が走行行程の一番下(例えば、最下階)に位置するときの固有振動数ということになる。
昇降体103の固有振動数fnの算出方法の一例を下記の算出式(1)に示す。
fn=(1/2π)(k/m)1/2 ・・・(1)
ここで、昇降体103に繋がるロープ系の重量、長さ、剛性、本数、シンブルロッドなどの合成ばね定数、mは昇降体103の最大積載量を含む質量である。昇降体103の質量は、乗客の人数などによって異なるため、最大積載量を含む質量としている。
図6は、ローパスフィルタの周波数特性(遮断特性)を示す特性図の例である。上記の算出式(1)を用いて算出した昇降体103の固有振動数fnを、ローパスフィルタの周波数特性のカットオフ周波数として設定することにより、乗客による過度な振動に起因して昇降体103の速度信号に含まれる(乗る)周波数成分を確実に遮断できる。これにより、乗客による過度な振動に起因する不要なエレベータ装置の停止を確実に回避することができる。
ところで、電子安全コントローラ200は、過速スイッチ機能以外の機能でも、速度情報算出部202から出力される昇降体103の速度信号を用いる構成となっている。具体的には、昇降体103の速度信号は、過速スイッチ機能部207以外に、終端階強制減速機能部206でも用いられる。ここで、ローパスフィルタ(ローパスフィルタ処理部203)は、過速スイッチ機能(過速スイッチ機能部207)で用いる速度信号に対してのみフィルタリング処理を行うことが重要となる。
具体的には、速度情報算出部202から過速スイッチ機能部207に入力される速度信号に対してのみフィルタリング処理を行い、その他の機能部に対しては速度情報算出部202から出力される速度信号の波形そのままを使用する構成とする。本例の場合、速度信号を用いる過速スイッチ機能部207以外の機能部は終端階強制減速機能部206となっている。終端階強制減速機能部206には、位置情報算出部201から出力される位置信号と、速度情報算出部202から出力される速度信号とが入力される。
ここで、速度情報算出部202から入力される速度信号に対してフィルタリング処理を行うと、速度信号に遅れが生じる。これにより、同じタイミングで終端階強制減速機能部206に入力する必要がある位置信号と速度信号との間に入力タイミングにずれが生じることになるため、終端階強制減速機能部206の処理に支障が生じる。このような観点から、過速スイッチ機能(過速スイッチ機能部207)で用いる速度信号に対してのみフィルタリング処理を行い、他の機能に用いる速度信号に対してはフィルタリング処理を行わないことが重要となる。
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例を含む。例えば、上記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細したものであり、必ずしも全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
100 建築物
101 機械室
102 昇降路
103 昇降体
104 つり合いおもり
105 主ロープ(主索)
106 巻上機
107 制御盤
108 非常止め装置
109 作動レバー
110 調速機
111 調速用ロープ
112,131〜134,141,142 綱車
113 調速機ウェートの綱車
120 ロータリエンコーダ
135 ロータリエンコーダのローラ
136 ガイドレール
137 テールコード
143 無端状のロープ
150 位置検出部
160 スイッチ部
200 電子安全コントローラ
201 位置情報算出部
202 速度情報算出部
203 ローパスフィルタ処理部
204 各種スイッチ検査機能部
205 リミットスイッチ機能部
206 終端階強制減速機能部
207 過速スイッチ機能部
208 戸階走行保護機能部
209 合理性検出機能部
210 停止出力機能部

Claims (3)

  1. 昇降体の走行速度を検出する速度検出部と、
    前記速度検出部が検出した速度信号が、前記昇降体の異常速度に対応して設定された規定値に達したとき、前記昇降体の駆動を停止する過速スイッチ機能を持つ制御部と、
    を備えるエレベータ装置であって、
    前記速度信号に含まれる乗客による前記昇降体の過度な振動に起因する周波数成分を遮断するローパスフィルタを有し、
    前記過速スイッチ機能は、前記ローパスフィルタにより乗客による前記昇降体の過度な振動に起因する周波数成分が遮断された前記速度信号が前記規定値に達したか否かを監視し、
    前記ローパスフィルタの遮断特性には、前記昇降体に取り付けられた主ロープを含む前記昇降体の固有振動数の最小値が設定される
    ことを特徴とするエレベータ装置。
  2. 前記制御部が、前記過速スイッチ機能以外の機能でも前記速度信号を用いる場合であっても、
    前記ローパスフィルタは、前記過速スイッチ機能で用いる前記速度信号に対してのみフィルタリング処理を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載のエレベータ装置。
  3. 前記昇降体の固有振動数は、前記昇降体に繋がるロープ系の重量、長さ、剛性および本数を含む合成ばね定数、ならびに、前記昇降体の最大積載量を含む質量から求められる
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のエレベータ装置。
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