以下、記録装置の一実施形態について、図面に従って説明する。
図1及び図2に示すように、記録装置としてのインクジェット式プリンター(以降は、プリンターと称する)11は、インク(液体)を噴射して画像を形成する印刷部12及び原稿G(媒体)を読み取る画像読取部としての読取部13を有する本体装置14と、印刷部12にインクを供給する液体供給装置の一例としてのインク供給装置15とを備えている。読取部13は、印刷部12の上に配置されている。
読取部13は、その上端に原稿Gを読み取る読み取り面13aを有している。読取部13上には、読み取り面13aを開閉可能にオートドキュメントフィーダー16が配置されている。オートドキュメントフィーダー16は、積層された複数の原稿Gを一枚ずつ反転させながら読み取り面13a上に順次給送する。
図2及び図3に示すように、インク供給装置15は、本体装置14の左側に取り付けられている。また、インク供給装置15は底壁形成部材50が本体装置14の底面よりも高い位置になるように本体装置14の左側壁に取り付けられている。このことにより、インク供給装置15は、底壁形成部材50が設置面から離間した状態に配置されるため、プリンター11としての設置面積が増加することはない。
インク供給装置15は、インクが収容された液体収容体の一例としての複数(本実施形態では4つ)の略矩形状のインク収容体17と、各インク収容体17を保持する保持体の一例としてのケース18とを備えている。ケース18は、上端に各インク収容体17を収容するための開口部19を有した前後方向に長い有底矩形箱状の容器本体20と、開口部19を開閉自在に覆う蓋体21とを備えている。容器本体20及び蓋体21は、いずれも合成樹脂材料によって構成されている。
容器本体20内には、4つのインク収容体17が前後方向に並んで配置されている。そして、これら4つのインク収容体17には、後側から前側に向かって順に、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ブラックインクがそれぞれ収容されている。この場合、使用頻度の高いブラックインクのインク収容体17が容器本体20内の最も前側に配置される。
ケース18は、蓋体21が閉じた状態において当該ケース18の上面が読み取り面13aと高さが揃うように、印刷部12(本体装置14)の左側面に対して着脱自在に取り付けられている。ここで、本明細書において、「高さが揃う」とは、高さが同じであることに加えて、高さの差が2センチメール以内の場合も含むものとする。そして、本実施形態では、ケース18の高さは、読み取り面13aの高さよりも5ミリメートルだけ低くなっている。
図1及び図3に示すように、印刷部12は、左右方向に長い略直方体状の筐体25を備えている。筐体25内の中央部には、後述するターゲットの一例としての用紙Pを支持する支持台26が設けられている。支持台26の上方には、主走査方向である左右方向に往復移動可能なキャリッジ27が設けられている。
キャリッジ27内には、キャリッジ27の下面から露出するようにインクを噴射する記録ヘッド28が支持されている。記録ヘッド28は、支持台26と対向している。そして、記録ヘッド28は、キャリッジ27が左右方向に移動しながら支持台26上を後側から前側に向かって搬送される用紙Pに対して複数のノズル(図示略)からインクを噴射することで、用紙Pの印刷を行う。
また、筐体25内における支持台26の下側には、筐体25の前面中央下部に開口部30が設けられる。開口部30は、複数の用紙Pが積層状態で収容可能な記録媒体保持ユニットとしての用紙カセット29が、筐体25に対して着脱自在に装着される挿入口である。用紙カセット29内の用紙Pは、紙送り機構(図示略)により、一枚ずつ反転されながら支持台26上へ後側から給送される。
そして、支持台26上で印刷された用紙Pは、開口部30における用紙カセット29よりも上側の領域によって構成される排紙口31から順次排紙される。なお、用紙カセット29の上側には、排紙口31から順次排紙される用紙Pを順次支持する排紙トレイ32が前後方向において伸縮自在に設けられている。
図3及び図4に示すように、筐体25内における左端部には、前側が開口した矩形箱状をなすホルダーケース34と、ホルダーケース34内の底壁(後壁)に設けられた左右方向に並ぶ複数(本実施形態では4つ)の中空のインク供給針35とを備えている。
各インク供給針35は、前後方向に延びるとともに、ホルダーケース34の側壁を貫通している。各インク供給針35の後端部には可撓性のインク供給チューブ36の一端側が接続され、インク供給チューブ36の他端側は記録ヘッド28に接続されている。本実施形態の印刷部12では、これら4つのインク供給針35には、左側から右側に向かって順に、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ブラックインクがそれぞれ供給される構成になっている。
そして、インクの色を基準とした場合において、ホルダーケース34における左側から右側に向かう各インク供給針35の並び順は、容器本体20内における後側から前側へ向かう各インク収容体17の並び順と同じになっている。さらに、各インク収容体17と各インク供給針35とは、供給される各色のインクが対応するように、インク供給装置15の一部を構成する流路部材の一例としての可撓性の接続チューブ37によって接続されている。
インク収容体17の上部には、弁体部(図示略)が設けられており、キャップ87を押し下げる方向に回転させることによって弁体部が動作し、インク収容体17の内部と接続チューブ37とが連通状態となる。
したがって、インク供給装置15の各インク収容体17から各接続チューブ37を介して各インク供給針35に供給された各インクは、各インク供給チューブ36を介して記録ヘッド28へと供給される。
次にケース18の構成について詳述する。
図2及び図3に示すように、ケース18の蓋体21は、容器本体20側に開口部40を有した前後方向に長く且つ容器本体20よりも浅い有蓋矩形箱状をなしている。蓋体21は、図5のヒンジ部41を介して容器本体20の後面における上端部に連結されている。したがって、蓋体21は、開閉動作される場合、ヒンジ部41を支点として回動する。すなわち、蓋体21は、容器本体20の前側から開かれ、容器本体20の前側で閉じられる。なお、蓋体21は、容器本体20の開口部19を閉塞した状態では開口部40が開口部19に合わせられる。
図3及び図5に示すように、有底矩形箱状の容器本体20は、印刷部12と対向する壁となる右側壁45と、右側壁45と対向する左側壁46と、右側壁45及び左側壁46と直交する後側壁47及び前側壁48と、右側壁45、左側壁46、後側壁47及び前側壁48と直交する底壁49とを備えている。
そして、底壁49と対向する側に開口部19が設けられている。すなわち、開口部19は、底壁49と対向し重力方向において底壁49よりも上方に形成されている。そして、本実施形態では、右側壁45、左側壁46、後側壁47及び前側壁48は、それぞれ第1側壁、第2側壁、第3側壁及び第4側壁を構成している。また、容器本体20における右側壁45と左側壁46との間の距離は、インク収容体17の上端側(一端側)の幅よりも短くなっている。
容器本体20は、底壁49を形成する有底矩形箱状の底壁形成部材50と、側壁の右側半分を形成するとともに略U字状に湾曲した板状の右側壁形成部材51と、側壁の左側半分を形成するとともに略U字状に湾曲した板状の左側壁形成部材52と、開口部19の周縁部を構成する下側が開口した中空で矩形枠状をなす縁部材53とを備えている。
そして、容器本体20は、分割部材の一例としての右側壁形成部材51と、分割部材の一例としての左側壁形成部材52とを組み合わせることによって構成される。すなわち、容器本体20の側壁は、左右に分割された2つの分割部材である右側壁形成部材51及び左側壁形成部材52を組み合わせることによって構成される。
左側壁形成部材52の上下方向の幅は、右側壁形成部材51の上下方向の幅よりも若干広くなっている。したがって、縁部材53の下端部及び底壁形成部材50の上端部における左側壁形成部材52と右側壁形成部材51との接触部分と対応する位置には、それぞれ段差54が形成される。
また、左側壁形成部材52は、透明な合成樹脂材料によって構成されている。したがって、容器本体20の内部に収容された各インク収容体17は、容器本体20の外部から左側壁形成部材52を通して視認可能になっている。
図3及び図5に示すように、縁部材53の右内側面には、内側(左側)に突出する右突出部55がインク収容体17の数に応じて形成されている。なお、本実施形態では、インクが4色であり、一番後側に配置されるインク収容体17には、右突出部55が不要となるため、右突出部55が3つ形成されることになる。各右突出部55は、前後方向において等間隔となるように配置されている。各右突出部55は、後述する各舌片部70〜72(図6参照)の形状と合わせ、下側が開口した略有蓋三角箱状をなしている。この場合、各右突出部55は、上側から見て略三角形状をなしており、突出した三角形の2つの辺は前側のものよりも後側のものの方が短くなっている。
縁部材53の上面における各右突出部55の前側で重なる位置と右後のコーナー部とには、インク収容体17を後述する支持部材92(図11参照)において支持する支持部の一例としての右凹部56がそれぞれ形成されている。これら4つの右凹部56は、前後方向において等間隔に配置され、支持部材92の一部の形状に合わせた形状をなしている。各右凹部56の底面における中央部には、切欠凹部56aが形成されている。
また、各右突出部55における後側の面と縁部材53の右内側面における右前のコーナー部近傍には、下端から上方に向かって延びる挿通部の一例としての切り欠き部57が形成されている。これら4つの切り欠き部57には、各インク収容体17側の接続チューブ37がそれぞれ挿通可能とされている。なお、各切り欠き部57は、前後方向において等間隔に配置されている。
縁部材53の左内側面には、内側(右側)に突出する左突出部58がインク収容体17の数に応じて形成されている。なお、本実施形態では、インクが4色であり、一番前側に配置されるインク収容体17には、左突出部58が不要となるため、左突出部58が3つ形成されることになる。各左突出部58は、前後方向において各右突出部55よりも少し前側にずれた位置に配置されている。各左突出部58は、前後方向において等間隔となるように配置されている。各左突出部58は、下側が開口した略有蓋三角箱状をなしている。この場合、各左突出部58は、上側から見て略三角形状をなしており、突出した三角形の2つの辺は前側のものよりも後側のものの方が長くなっている。
縁部材53の上面における各左突出部58の後側で重なる位置と左前のコーナー部とには、インク収容体17を後述する支持部材92(図11参照)において支持する支持部の一例としての左凹部59がそれぞれ形成されている。これら4つの左凹部59は、前後方向において等間隔に配置され、支持部材92の一部の形状に合わせた形状をなしている。各左凹部59の底面における中央部には、切欠凹部59aが形成されている。そして、各左凹部59は、左右方向に対して90度未満の角度(本実施形態では30度)で交差する方向において各右凹部56と対向している。
図6及び図7に示すように、右側壁形成部材51の内側面の上端部における前寄りの位置には、各接続チューブ37を挿入可能な挿入部の一例としての容器側挿通孔61が形成されている。右側壁形成部材51は、筐体25の左側壁25aに容器本体20の内側から複数(本実施形態では6本)のねじ62によって取り付けられている。
この場合、図7及び図8に示すように、右側壁形成部材51は、左側壁25a及び左側壁25aの内側に前後方向に間隔を置いて配置された2つの矩形状の板金部材63と一緒に6本のねじ62によって共締めすることで、筐体25の左側壁25aに取り付けられている。
図9に示すように、筐体25の左側壁25aにおける容器側挿通孔61と対応する位置には、各接続チューブ37が挿通される筐体側挿通孔64が形成されている。そして、図4及び図6に示すように、下流端側が各インク供給針35に接続された各接続チューブ37は筐体側挿通孔64及び容器側挿通孔61に挿通され、当該各接続チューブ37の上流端側は容器本体20内に配置される。
インク供給装置15が取り付けられた状態では、筐体側挿通孔64は、露出しないので、プリンター11の美観が低下することを抑制できる。
図10に示すように、右側壁形成部材51の内側面における容器側挿通孔61の下側から前側にかけての位置には、容器側挿通孔61に挿通された各接続チューブ37のうちのブラックインクに対応する1つを支持するL字板状の第1チューブ支持部65が容器側挿通孔61と隣接するように設けられている。また、右側壁形成部材51の内側面の上端部における容器側挿通孔61の後側には、互いに前後方向に平行に延びる4つの板状のリブが上下方向に等間隔となるように左へ向かって水平に突設されている。
これら4つのリブは、それらの前端が互いに揃っており、下から上に向かって順に、第1リブ66、第2リブ67、第3リブ68、第4リブ69とされている。前後方向において第1リブ66の長さは第2リブ67の長さよりも短く、前後方向において第2リブ67の長さは第3リブ68の長さよりも短くなっている。また、前後方向において第3リブ68の長さと第4リブ69の長さとは同じになっている。
第1リブ66、第2リブ67、及び第3リブ68の後端には、これらのリブ66〜68よりも内側(左方)に向かって大きく水平に突出する板状の支え部の一例としての第1舌片部70、第2舌片部71、及び第3舌片部72がそれぞれ一体に設けられている。第1〜第3舌片部70〜72は、各接続チューブ37における各インク収容体17側の端部を支えることで各接続チューブ37が垂れ下がることを抑制する。各舌片部70〜72は、前後方向において互いに等間隔となるように配置され、後方に向かうほど左右方向の幅が広くなっている。この場合、各舌片部70〜72は、縁部材53の各右突出部55(図5参照)と対応するように配置されている。なお、各舌片部70〜72は、上述した各右突出部55によってカバーされる。
右側壁形成部材51の内側面の上端部の前後方向における第1舌片部70と容器側挿通孔61との間には、上下方向において第1〜第4リブ66〜69を挟むように補足部の一例としての一対の貫通孔77が形成されている。右側壁形成部材51の内側面の上端部の前後方向における第1舌片部70と第2舌片部71との間には、上下方向において第2〜第4リブ67〜69を挟むように一対の貫通孔77が形成されている。
右側壁形成部材51の内側面の上端部の前後方向における第2舌片部71と第3舌片部72との間には、上下方向において第3リブ68及び第4リブ69を挟むように一対の貫通孔77が形成されている。各対の貫通孔77にワイヤー78を通して環状にして当該ワイヤー78の端部同士を連結することで、それぞれ接続チューブ37が確実に保持される。
次に、インク収容体の構成について詳述する。図11(a)に示すように、各インク収容体17は、インクを収容する液体収容部の一例としてのインク袋90を備えている。インク袋90における上端側(一端側)には、容器本体20(図5参照)に支持される液体収容体支持部を構成する支持部材(ハンガー部材)92が取着されている。すなわち、インク袋90は、支持部材92と係合している。
インク袋90は、2つの矩形状の可撓性フィルム90aの周縁に筒状のインク導出部(図示略)を挟んだ状態でこれら2つの可撓性フィルム90aの周縁同士を溶着することによって形成される。すなわち、インク袋90は、対向する2つの可撓性の壁となる可撓性フィルム90aによって構成される袋体であり、内部に収容したインクの消費により対向する2つの可撓性フィルム90aが相互に近づくように形成されている。なお、本実施形態では、インク袋90を構成する2つの可撓性フィルム90aによって可撓性部が構成されている。
これにより、インク袋90は、インクの消費に伴って収縮する。そのため、インクの消費に伴ってインク袋90内が負圧になってしまい、記録ヘッド28側へのインクの供給が不可となることを防止できる。
各インク収容体17の支持部材92は、インク袋90の上端部に対して当該上端部を互いに挟むように取り付けられる第1支持部材105及び第2支持部材106を備えている。また、第2支持部材106における両端部には、インク袋90に形成されたインク袋貫通孔(図示略)に挿通される円柱状の凸部123がそれぞれ突設されている。また、第2支持部材106には、インク袋貫通孔に挿通された凸部123と係合する係合切欠凹部130が形成されている。
次に、内部にインクが充填された各インク収容体17をケース18にセットする際の作用について説明する。図3及び図12に示すように、各インク収容体17をケース18にセットする場合には、まず、蓋体21を開けてからインク収容体17を容器本体20の開口部19を介して容器本体20内に収容する。このとき、各インク収容体17の第1支持部材105の両端部に設けられた突片部122を、左右方向に対して30度の角度で斜めに交差する方向において対向する右凹部56及び左凹部59に支持させる。
すると、第1支持部材105の両端部は、切欠凹部56a(図5参照)及び切欠凹部59a(図5参照)にそれぞれ挿入される。これにより、各インク収容体17は、容器本体20に左右方向に対して30度の角度で斜めに交差するように着脱可能に支持された状態で互いに前後方向に並んで収容される。この場合、各インク収容体17は、上端側(一端側)に位置する支持部材92において容器本体20の右凹部56及び左凹部59に吊り下げられた状態になっている。このため、各インク収容体17は、容器本体20の内底面から浮いた状態になっている。
また、各インク収容体17は、インク袋90内のインクの消費に伴ってその厚さが小さくなった分だけインク袋90の下端が下がる(図12の2点鎖線で示す)が、インク袋90内のインクが空になった場合でも容器本体20の内底面から浮いた状態は維持される。
そして、図2に示すように、蓋体21を閉じることで、各インク収容体17のケース18へのセット作業が完了する。ケース18に各インク収容体17がセットされると、各インク収容体17のインクは、各接続チューブ37を介して記録ヘッド28へと供給される。記録ヘッド28へ供給された各インクは、記録ヘッド28の各ノズル(図示略)から用紙Pに噴射されて印刷が行われる。
そして、用紙Pの印刷により各インク収容体17のインクが消費されると、このインクの消費に伴って各インク収容体17のインク袋90が徐々に萎んでいく。このとき、ケース18の容器本体20を構成する左側壁形成部材52は透明であるため、蓋体21を開けなくても左側壁形成部材52を通してケース18外からケース18内の各インク収容体17のインク袋90の萎み具合(変位状態)が視認できる。
この場合、特に、左側壁形成部材52は、容器本体20の左側面の大部分だけでなく、容器本体20の前側面及び後側面における左側半分の大部分を占めている。加えて、各インク収容体17は、ケース18内において左側の方が右側よりも前側に位置するように斜めにした状態で互いに平行となるように前後方向に並んで配置されている。
したがって、ケース18外からケース18内の全てのインク収容体17のインク袋90の萎み具合をケース18の前側から視認することができる。このため、各インク収容体17のインク袋90の萎み具合から各インク収容体の交換時期を認識できる。
以上、説明したプリンター11は、インクを用紙Pに噴射可能な記録ヘッド28と、用紙Pを記録ヘッド28に搬送する搬送ユニットと、記録ヘッド28と搬送ユニットとを収容する筐体25と、底壁形成部材50が筐体25の底面よりも高い位置になるよう筐体25の外側面に配置され、インクを収容するインク収容体17を保持する保持体としてのケース18と、インク収容体17から記録ヘッド28にインクを供給する供給ユニットと、を備える。
この構成によれば、底壁形成部材50が筐体25の底面よりも高い位置になるよう筐体25の外側面に配置され、インクを収容するインク収容体17を保持するケース18を備える。これにより、大容量のインク収容体17を用いたプリンター11であっても、プリンター11の設置スペースを拡大することなく設置することが可能である。
本実施例では、ケース18を有するインク供給装置15は、本体装置14の左側面(筐体25の挿入口である開口部30が形成された外側面に隣接する一方の外側)に備えたが、本体装置14の右側面(開口部30が形成された外側面に隣接する他方の外側)にインク収容体17を保持したケースを有するインク供給装置を備えてもよい。
複数のインク収容体17のうち少なくとも1つのインク収容体17の容量が他のインク収容体17とは異なっていてもよい。これによれば、液体の種別に応じて、記録ヘッドに供給可能な液体の容量を変えることができる。
例えば、複数のインク収容体17は少なくとも黒色のインクを収容するインク収容体17を含み、黒色のインクを収容するインク収容体17は、他のインク収容体17よりも容量が多い。これによれば、使用量が多い黒色のインクを多く記録ヘッド28に供給することができる。
ケース18の底壁形成部材50は筐体25の底面よりも50mm高い位置に配置するようにしてもよい。これにより、用紙などの記録媒体を50mm未満に重ねた状態で、一部がケース18の下部に重なった状態で置くことができる。従って、本体装置14の左側に置かれた記録媒体を含めたプリンター11の設置面積が小さくなる。
インク収容体17は、必ずしも支持部材92の両端部がケース18の右凹部56及び左凹部59に支持されて吊り下げられる必要はない。すなわち、インク収容体17は、ケース18の内底面上に置いた状態で収容するようにしてもよい。この場合、ケース18の内底面(底壁49)がインク収容体17を支持する支持部として機能する。
インク収容体17のインク袋90の上端部(キャップ87側となる一端側)に、ケース18の右凹部56及び左凹部59によって支持可能な形状の硬質の支持部を、液体収容体支持部として支持部材92の代わりに設けるようにしてもよい。このようにすれば、インク収容体17は、支持部を把持して取り扱うことができる。このため、インク収容体17のケース18の右凹部56及び左凹部59に対する着脱作業を容易に行うことができる。
インク収容体17は、必ずしも支持部材92を介してケース18の右凹部56及び左凹部59によって支持される必要はない。ケース18における右側壁45と左側壁46との間の距離は、必ずしもインク収容体17の幅よりも短くする必要はない。
ケース18は、複数のインク収容体17が筐体25の高さ方向において重ならないように保持する。これにより、インク収容体17が互いに影響を受けることが無く最後までインクを使い切ることができる。
ケース18は、必ずしもインク収容体17内のインクの消費に伴うインク袋90の萎み具合を視認可能な透明な左側壁形成部材52を有している必要はない。ケース18の開口部19は、必ずしも容器本体20の上端に設ける必要はなく、容器本体20の側面に設けるようにしてもよい。
ケース18の蓋体21は、省略してもよい。インク袋90は、必ずしも全てを可撓性フィルム90aによって構成する必要はない。すなわち、インク袋90は、一部を可撓性材料からなる可撓性部によって構成するようにしてもよい。また、インク袋90の可撓性部を構成する材料は、透明であってもよいし不透明であってもよい。
ケース18の容器本体20の側壁は、必ずしも左右に分割された右側壁形成部材51及び左側壁形成部材52を組み合わせることによって構成する必要はない。すなわち、容器本体20の側壁は、分割された3つ以上の部材を組み合わせることによって構成してもよいし、分割されない1つの部材によって構成するようにしてもよい。
ケース18の容器本体20に形成された貫通孔77は、省略してもよい。ケース18の縁部材53に設けられた切り欠き部57は省略してもよい。ケース18の縁部材53には、切り欠き部57の代わりに、接続チューブ37を挿通可能な孔を挿通部として設けるようにしてもよい。容器本体20を構成する右側壁形成部材51及び左側壁形成部材52は、L字状に屈曲した板状にしてもよい。
各キャップ87の色と、各キャップ87と対応する各インク収容体17に収容されるインクの色とを合わせるようにしてもよい。このようにすれば、キャップ87が誤ったインク収容体17に接続されることを抑制することができる。
プリンター11において、ケース18は、必ずしも本体装置14の印刷部12に対して着脱自在に取り付けられている必要はない。すなわち、ケース18は、本体装置14の印刷部12に固着されていてもよい。
プリンター11において、ケース18の高さは、必ずしも読み取り面13aの高さよりも低くする必要はない。すなわち、ケース18の高さは、読み取り面13aの高さと同じか、読み取り面13aの高さよりも高くするようにしてもよい。
次に、プリンター11の読取部13によって読み取り面13aよりも大きい原稿Gを読み取る場合の作用について説明する。
図2に示すように、読取部13によって読み取り面13aよりも大きい原稿Gを読み取る場合には、まず、オートドキュメントフィーダー16を開いて読み取り面13aを露出させる。続いて、読み取り面13a上に原稿Gにおける読み取りたい領域が収まるように且つ当該原稿Gにおける読み取り面13a上からはみ出した部分の一部がケース18上(蓋体21上)に位置するように、原稿Gを載置する。
このとき、ケース18の高さは、読み取り面13aの高さと揃っている。すなわち、ケース18の高さは、読み取り面13aの高さよりも5ミリメートルだけ低くなっている。
このため、原稿Gの一部がケース18の側面に引っ掛かることなくケース18上で支持される。そして、オートドキュメントフィーダー16を閉じた状態で、読取部13を作動させると、原稿Gにおける読み取り面13a上の領域が読み取られる。
このように、読み取り面13a上からはみ出した原稿Gの一部がケース18によって支持されるため、原稿Gの位置が安定し、読取部13によって原稿Gを精度よく読み取ることができる。
(変更例)
なお、上記実施形態は以下のような別の実施形態に変更してもよい。
図13は、本体装置14の下部に増設カセットユニット141を装着したプリンター11の斜視図である。図13に示すように、プリンター11において、本体装置14の下部に増設用の用紙カセット140を有する増設カセットユニット141を装着するようにしてもよい。
図14は、読取部13に蓋部材146を備えたプリンター11の斜視図である。図14に示すように、プリンター11において、オートドキュメントフィーダー16を、読み取り面13aを開閉可能な蓋部材146に変更するようにしてもよい。また、読取部13を省略して印刷部12の上面を開放する蓋部材146に変更しても良い。
図15は、1つのインク収容体17を収容するインク供給装置15aを備えたプリンター11の斜視図である。図11(b)は、図3のインク収容体17、インク収容体17よりサイズが大きいインク収容体17aを示す。インク収容体17aの構成は、サイズが異なるがインク収容体17の構成と同じである。
図15に示すように、プリンター11において、印刷部12がブラックインクのみを使用する単色のプリンターである場合には、ブラックインクを収容した1つのインク収容体17aを配置するインク供給装置15aを備えてもよい。この場合、インク収容体17aは、その幅方向が前後方向となるように収容される。なお、図15では開口部19を開閉自在に覆う蓋体21は省略している。
図16は、本体装置14の左右方向における両側の外側面にインク供給装置15a,15bをそれぞれ備えたプリンター11の斜視図である。図16に示すように、本体装置14の左側面、右側面に、インク供給装置15a,15bをそれぞれ配置する構成としても良い。この場合、例えば、本体装置14の左側面に配置されたインク供給装置15aには、ブラックインクが収容されたインク収容体17aを配置し、本体装置14の右側面に配置されたインク供給装置15bには、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクのそれぞれが収容されたインク収容体17を配置する。インク供給装置15aと同様に、インク供給装置15bから記録ヘッド28にインクが供給される接続チューブ37が配置される。
このような構成にすることにより、右側のインク供給装置15bに収容されるシアンインク、マゼンタインク、イエローインクを収容するインク収容体17の容量をそれぞれ多くすることが可能となる。また、左側のインク供給装置15aにはブラックインクのみを収容するインク収容体17aを配置するので、使用頻度の高いブラックインクを収容するインク収容体17aの容量を増大させることが可能となる。
反対に、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクのそれぞれを収容するインク収容体17を収容したインク供給装置を左側に配置し、ブラックインクを収容するインク収容体17aを収容したインク供給装置を右側に配置するようにしてもよい。尚、インク供給装置15a、インク供給装置15bにおける外径寸法は、略同じでもよいし、異なってもよい。
インク供給装置15a,15bは、底壁形成部材50が印刷部12よりも高い位置なるように印刷部12の左側壁、右側壁にそれぞれ取り付けられている。このことにより、インク供給装置15a,15bは、図1の底壁形成部材50と同様に底壁形成部材が設置面から離間した状態に配置されるため、インク供給装置15a,15bを印刷部12の両側に配置する構成であっても、プリンター11の設置面積(接地面積)は増大することはない。
図17は、印刷部12のカバー33に切り欠き部330が設けられたプリンター11の斜視図である。図17に示すように、カバー33の左側端部に切り欠き部330が設けられる。カバー33は、排紙トレイ32の上方に回動可能に備えられる。
切り欠き部330によって形成された隙間を通る接続チューブ37を介して、インク供給装置15から印刷部12の筐体内部に収容された記録ヘッド28にインクが供給するようにしてもよい。図18は、印刷部12のカバー33に貫通孔331が設けられたプリンター11の斜視図である。
図18に示すように、カバー33の左側端部に貫通孔331が設けられる。カバー33は、接続チューブ37が貫通孔331を通る状態で回動可能に備えられる。貫通孔331によって形成された隙間を通る接続チューブ37を介して、インク供給装置15から印刷部12の筐体内部に収容された記録ヘッド28にインクが供給するようにしてもよい。
図19は、印刷部12のカバー33と筐体との間を接続チューブ37が通るプリンター11の斜視図である。図19に示すように、開閉部材であるカバー33は、少し開いた状態で、接続チューブ37を印刷部12の筐体との間に挟んで、固定部材として、粘着性を有するテープ状部材332によって固定される。カバー33と印刷部12の筐体との隙間を通る接続チューブ37を介して、インク収容体17から筐体25内部に収容された記録ヘッド28にインクが供給するようにしてもよい。
これによれば、筐体25やカバー33を加工することなく、筐体25の外側に配置されたインク収容体17から筐体25の内側に収容された記録ヘッド28にインクが供給される。
図20は、読取部13と印刷部12との間に設けられた切り欠き部38を通る接続チューブ37の部分を示す斜視図である。読取部13は、印刷部12に対して回動可能に備えられ、印刷部12の蓋部としても機能する。本実施例では、読取部13が印刷部12の蓋部を兼ねているが、蓋部が読取部としての機能を有さない単なる蓋であってもよい。
図20に示すように、印刷部12の筐体25の左側上端部には、切り欠き部38が設けられる。読取部13が印刷部12に対して閉じた状態において、切り欠き部38によって隙間が形成される。接続チューブ37は切り欠き部38を通り、接続チューブ37を介してインク供給装置15からインクが記録ヘッド28に供給される。
図21は、読取部13と印刷部12との間に設けられた隙間形成部材39を通る接続チューブ37の部分を示す斜視図である。読取部13は、印刷部12に対して回動可能に備えられる。
図21に示すように、印刷部12の筐体25の左側上端部には、隙間形成部材39が設けられる。読取部13が印刷部12に対して閉じた状態において、隙間形成部材39によって隙間が形成される。接続チューブ37は隙間形成部材39の貫通孔39aを通り、接続チューブ37を介してインク供給装置15からインクが記録ヘッド28に供給される。
これにより、読取部13と筐体25に挟まれ、接続チューブ37が押圧されて変形することがないので、接続チューブ37内のインクの流れが抑制されることがない。
図22は、本体装置14の左右両側に、インク供給装置15,15cを備えたプリンター11の斜視図である。図22に示すように、本体装置14の左側にインク供給装置15を備えるとともに、本体装置14の右側にインク供給装置15cを備えてもよい。インク供給装置15cのケース18a内には、インク供給装置15と同様に、複数のインク収容体17が収容される。
ケース18aを構成する蓋体21a、容器本体20aは、ケース18を構成する蓋体21、容器本体20と左右対称の構成である。すなわち、容器本体20aを構成する左側壁形成部材51a、右側壁形成部材52a、底壁形成部材50aは、容器本体20を構成する右側壁形成部材51、左側壁形成部材52、底壁形成部材50と左右対称に構成される。
また、左側壁形成部材52と同様に、右側壁形成部材52aは、透明な合成樹脂材料によって構成されている。したがって、容器本体20aの内部に収容された各インク収容体17は、容器本体20aの外部から右側壁形成部材52aを通して視認可能になっている。
また、インク供給装置15と同様に、インク供給装置15cは、底壁形成部材50aが本体装置14の底面よりも高い位置になるように本体装置14の右側壁に取り付けられている。
本体装置14の両側に容器本体20,20aを配置した構成により、インク収容体17の個数を増加できるので、インクの容量を増加することができる。また、さらにライトシアン、ライトマゼンタなどのインク色のインクを収容するインク収容体17を配置できるので、インク色の色数を増加することができる。
また、本体装置14の両側に配置された容器本体20,20aには、それぞれ等しい数のインク収容体17が保持されるようにしてもよい。これによれば、プリンター11の左右の重量バランスが向上する。
また、一つの容器本体20(20a)には、インク収容体17は複数保持され、複数のインク収容体17のうち少なくとも1つのインク収容体17の容量が他のインク収容体17とは異なっているようにしてもよい。これによれば、インクの色別(液体の種別)に応じて、記録ヘッド28に供給可能なインクの容量を変えることができる。
図23は、フレーム160に収容されたインク収容体17を示す斜視図である。インク収容体17の上部に設けられた第1支持部材105の両端部は、フレーム160の上端面161によって支持される。フレーム160は、本体装置14の側面に取り付けられる。このように、インク収容体17を保持する保持体を、フレーム160によって構成してもよい。
図24(a)、(b)は、上部と側面部とが一体となったカバー152を備えたインク供給装置150の斜視図である。図24(a)のインク供給装置150は、収容箱154に対して支点153を回動支点として矢印方向に回動可能に備えられる。図24(a)は、カバー152が閉じた状態であり、図24(b)は、カバー152が開いた状態である。尚、図24(b)は、インク収容体17を図示していない。
図24(b)のカバー152は、上部152c、側面部152b、正面部分152a、背面部分152dが一体化している。すなわち、上部152cは側面部152bと接続される。側面部152bは、前面部における中央から左側に形成された前面部分152aと接続される。また、側面部152bは、背面部における中央から左側に形成された背面部分152dと接続される。上部152c、側面部152b、正面部分152a、背面部分152dは、分離された部材を接続した構成でもよい。
カバー151の前面部分151aは、収容箱154の前面右側半分を覆い、カバー151の背面部分151bは、収容箱154の背面右側半分を覆う。カバー151,152の内側には、インク収容体17を収容する矩形箱状の収容箱154が設けられる。収容箱154は、インク収容体17を保持する保持体として機能する。
カバー152は、閉じた状態における収容箱154の上部152cと上部152cから下方に接続される側面部152b、前面部分152a、背面部分152dを有し、収容箱154に対して回動可能に備えられる。
これによれば、カバー152を開けた状態のときに、収容箱154が露出する範囲が大きくなる。これにより、インク収容体17を収容箱154に収容するときや、収容箱154から取り出したりするときの作業が容易となる。