JP6221598B2 - 希土類磁石用合金リボンの製造方法 - Google Patents
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Description
式(A):H=Q/u/{dn+C1(Vn−Vmin)dn 1.5/(μu/ρ)0.5}
ただし、Qは前記合金溶湯の体積流量であり、Q=πdn 2Vn/4、
Vnは前記合金溶湯の流速であり、Vn=cv(2ΔP/ρ+2gh)0.5、
Vminは前記冷却ロール表面での前記合金溶湯の広がりがない場合の最小流速であり、Vmin={4σ(1/dn+1/lnr)/ρ}0.5、
ρは前記合金溶湯の密度、σは前記合金溶湯の表面張力、μは前記合金溶湯の粘度、gは重力加速度、cvは実験によって求められる速度係数、C1は実験によって求められる定数である。
境界I:それ以上に差圧ΔPを上げると、前記冷却ロール上での前記合金溶湯の跳ねが発生する差圧ΔPを式(A)に代入して得られる曲線。
境界II:それ以下に差圧ΔPを下げると、前記冷却ロール上での前記合金溶湯の濡れ不良が発生する差圧ΔPを式(A)に代入して得られる曲線。
境界III:それ以下にロール周速uを下げると前記合金溶湯の前記冷却ロール上での焼き付きが発生する境界II上の点aおよび境界I上の点bを結んで得られる直線。
境界IV:それ以上にロール周速uを上げると前記冷却ロール上での前記合金溶湯の濡れ不良が発生する境界II上の点cおよび境界I上の点dを結んで得られる直線。
本製造方法においては、急冷凝固を用いて希土類磁石用合金のリボン(薄帯)を形成する。つまり、溶解室において、所定の合金組成を有する合金溶湯を調整し、ノズルを介して合金溶湯を溶解室から冷却室に噴出する。冷却室には、銅等よりなる冷却ロールが回転しており、この冷却ロールの表面に噴出された合金溶湯を衝突させて急冷し、凝固させる。冷却ロールによって合金溶湯の熱が奪われるとともに、冷却ロールの回転によって合金溶湯が引き延ばされ、リボン状に成形されて射出される。
回転する冷却ロールに合金溶湯が衝突した際の状態を図1に模式的に示す。溶湯が冷却ロール表面に衝突すると、パドル(冷却ロール表面と溶湯の濡れによって形成される湯たまり)が形成される。そして、冷却ロールの回転によって溶湯が引き延ばされながら熱を奪われ、速度境界層を境として、幅W、厚さHのリボン状に凝固する。この際、リボン内の結晶粒が微細化される。つまり、リボンの形状を安定化させ、組織を安定化させるためには、パドルを安定化することが重要であり、そのためには、高速回転する冷却ロールと溶湯の間の濡れを制御することが必要である。この濡れを通してリボンの厚さに影響を与えるパラメータを以下に挙げる。
(装置側のパラメータ)
・ノズル孔径 dn
・差圧 ΔP(急冷室と溶解室の間の圧力差(溶解室圧力−急冷室圧力))
・冷却ロールのロール周速 u
・ギャップ長 lnr(ノズルの先端と冷却ロール表面の間の距離)
・溶湯ヘッド圧力 PH(およびノズル内における合金溶湯の湯面の高さ h)
(合金溶湯側のパラメータ)
・密度 ρ
・表面張力 σ
・粘度 μ
また、最小流速Vminは、(2)式より、
なお、湯面高さhと溶湯ヘッド圧力PHの間には、式(7)の関係がある。
ここで、Fe−30.1Nd−0.05Pr−3.82Co−0.87B−0.45Ga(mass%)なる組成を有する合金溶湯を例に、具体的なリボン厚さの見積もりを行う。まず、上記組成をもとに、密度ρ、表面張力σ、粘度μの実測または見積もりを行う。なお、FeとNd、B以外の微量成分は、これらのパラメータにほとんど影響を与えず、含まれていなくても、また同程度の量の他の微量成分が含まれていても、下記の見積もりにはほとんど影響を与えない。また、Ndの濃度が26〜36mass%の範囲であれば、これらのパラメータがあまり変化せず、下記の見積もりの結果を適用することができる。
・境界II:あるロール周速uにおいて、それ以下に差圧ΔPを下げれば出湯流速不足による濡れ不良が発生する臨界の差圧ΔPを見つけたうえで、そのΔPを式(A)に代入することで得ることができる。
・境界III:境界II上の点aと境界I上の点bを結んだ直線として得られる。点bと点aは、その差圧ΔPにおいて、それ以下にロール周速を下げると接触角の低下による合金溶湯の焼き付きが起こる点として見出せばよい。
・境界IV:境界II上の点cと境界I上の点dを結んだ直線として得られる。点cと点dは、その差圧ΔPにおいて、それ以上にロール周速を上げるとロール周速過大による濡れ不良が発生する点として見出せばよい。
境界I:ΔP=1500Torr(200kPa)
境界II:ΔP=100Torr(13kPa)
境界III:点a(ΔP=100Torr,u=20m/s)−点b(ΔP=1500Torr,u=25m/s)
境界IV:点c(ΔP=100Torr,u=65m/s)―点d(ΔP=1500Torr,u=75m/s)
Fe−30.1Nd−0.05Pr−3.82Co−0.87B−0.45Ga(mass%)の組成を有するNd−Fe−B合金溶湯を、カルシア坩堝を用いて作製し、アルミナ製タンディッシュと窒化ホウ素製ノズルを介して、表面をハードクロムメッキした純銅よりなる冷却ロールの表面に噴出し、急冷凝固させた。この際、以下の製造パラメータを、記載した範囲で変化させて、複数の条件で合金リボンを作製した。
・差圧ΔP:100〜1500Torr(13〜200kPa)
・ロール周速u:20〜75m/s
・ノズル孔径:φ0.5〜1.25mm
表1に、採用したパラメータの組を示す。なお、溶湯ヘッド圧力PHは、29Torr(3.9kPa)とし、溶解室圧力は、この急冷室圧力に所定の差圧ΔPを加えた値とした。また、ギャップ長lnrは6.0mmとした。
得られた各合金リボンについて、走査電子顕微鏡(SEM)で観察することによって、その厚さを見積もった。
試料No1〜8の各合金リボンについて、破面の組織の状態をSEMを用いて観察した。
試料No1〜8の各合金リボンについて、試料振動型磁力計(VSM)を用い、磁化曲線を測定した。
(合金リボン製造の可否)
試料No1〜14の全てにおいて、合金リボンを得ることができた。上記のように、式(A)に基づいて、境界I〜IVに囲まれた領域を合金リボン形成が可能な領域であるとみなした場合には、試料No7の場合等、この領域から製造条件が外れる試料もあるが、それらも含めて合金リボン形成が行われたということは、少なくとも上記合金リボン形成が可能な領域に製造パラメータが存在すれば、確実に合金リボンを得ることができることを示している。
図4に、得られた合金リボンの厚さの実測値(obs.)と、式(A)から見積もられる予測値(cal.)とを合わせて示す。実測値としては、図4(a)に、差圧ΔPを固定して合金リボンを形成した場合を示し、図4(b)にノズル孔径dnを固定して合金リボンを形成した場合を示している。予測値の計算に当たって使用した具体的なパラメータは既に上記しているとおりであり、列挙すると、cv=0.63、C1=0.07、h=5.2mm、lnr=6.0mm、ρ=7584kg/m3、μ=0.002Pa・s、σ=1.85N/mである。
図5に、得られた合金リボンの破面のSEM像を示す。像中で粒状に観察される組織が、結晶に対応する。各像を比較すると、ノズル孔径dnが小さくなるほど、またロール周速uが上昇するほど、観察される結晶が微細化していることが分かる。この傾向を図4のリボンの厚さと対応させると、リボンの厚さが小さいほど、結晶組織が微細化していることが分かる。このことは、ロール周速uを大きくし、ノズル孔径dnを小さくするほど、合金溶湯が冷却ロール表面で濡れ広がりやすいため、金溶湯の冷却が急速に進み、得られる結晶組織が微細化するとともに、合金リボンのマクロな厚さHも小さくなると解釈される。
Claims (4)
- 溶解室で形成されたNd−Fe−B系合金よりなる合金溶湯をノズルから急冷室に噴出し、回転している冷却ロールの表面に衝突させて急冷凝固させて希土類磁石用合金リボンを得るに際し、ノズル孔径dn、前記急冷室と前記溶解室の圧力の差として規定される差圧ΔP、前記冷却ロールのロール周速u、および前記ノズルの先端と前記冷却ロールの間のギャップ長lnr、前記ノズル内での前記合金溶湯の湯面の高さhを規定するのに、
ノズル孔径dn、ギャップ長lnr、および前記湯面の高さhを一定値とし、前記合金リボンの厚さHを縦軸、ロール周速uを横軸として、下記の式(A)に基づいて見積もられる前記リボンの厚さHをプロットした点が、下記の境界I〜IVに囲まれる領域の内部に存在することを特徴とする希土類磁石用合金リボンの製造方法。
式(A):H=Q/u/{dn+C1(Vn−Vmin)dn 1.5/(μu/ρ)0.5}
ただし、Qは前記合金溶湯の体積流量であり、Q=πdn 2Vn/4、
Vnは前記合金溶湯の流速であり、Vn=cv(2ΔP/ρ+2gh)0.5、
Vminは前記冷却ロール表面での前記合金溶湯の広がりがない場合の最小流速であり、Vmin={4σ(1/dn+1/lnr)/ρ}0.5、
ρは前記合金溶湯の密度、σは前記合金溶湯の表面張力、μは前記合金溶湯の粘度、gは重力加速度、cvは実験によって求められる速度係数、C1は実験によって求められる定数である。
境界I:それ以上に差圧ΔPを上げると、前記冷却ロール上での前記合金溶湯の跳ねが発生する差圧ΔPを式(A)に代入して得られる曲線。
境界II:それ以下に差圧ΔPを下げると、前記冷却ロール上での前記合金溶湯の濡れ不良が発生する差圧ΔPを式(A)に代入して得られる曲線。
境界III:それ以下にロール周速uを下げると前記合金溶湯の前記冷却ロール上での焼き付きが発生する境界II上の点aおよび境界I上の点bを結んで得られる直線。
境界IV:それ以上にロール周速uを上げると前記冷却ロール上での前記合金溶湯の濡れ不良が発生する境界II上の点cおよび境界I上の点dを結んで得られる直線。 - 式(A)に従って所望の合金リボンの厚さHが得られるように、ノズル孔径dn、差圧ΔP、ロール周速u、ギャップ長lnr、および湯面の高さhの組を選択することを特徴とする請求項1に記載の希土類磁石用合金リボンの製造方法。
- ノズル孔径dn=1.0mm、湯面の高さh=5.2mmである場合に、境界Iを与える差圧ΔPが200kPa、境界IIを与える差圧ΔPが13kPa、点aにおけるロール周速uが20m/s、点bにおけるロール周速uが25m/s、点cにおけるロール周速uが65m/s、点dにおけるロール周速uが75m/sであることを特徴とする請求項1または2に記載の希土類磁石用合金リボンの製造方法。
- 式(A)によって得られる合金リボンの厚さHが25μm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の希土類磁石用合金リボンの製造方法。
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