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JP6213347B2 - 繊維強化プラスチック成形体用シート - Google Patents

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JP6213347B2 JP2014072309A JP2014072309A JP6213347B2 JP 6213347 B2 JP6213347 B2 JP 6213347B2 JP 2014072309 A JP2014072309 A JP 2014072309A JP 2014072309 A JP2014072309 A JP 2014072309A JP 6213347 B2 JP6213347 B2 JP 6213347B2
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Description

本発明は、繊維強化プラスチック成形体用シートに関する。具体的には、本発明は、繊維径が5〜25μmの第一の繊維と、繊維径が80〜400μmの第二の繊維とからなる繊維強化プラスチック成形体用シートに関する。
炭素繊維やガラス繊維等の強化繊維を含む不織布を加熱加圧処理し、成形した繊維強化プラスチック成形体は、既にスポーツ、レジャー用品、航空機用材料など様々な分野で用いられている。これらの繊維強化プラスチック成形体においてマトリックスとなる樹脂には、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、又はフェノール樹脂などの熱硬化性樹脂が用いられることが多い。しかし、熱硬化性樹脂を用いた場合、熱硬化性樹脂と強化繊維を混合したプレス成形加工前の不織布は冷蔵保管しなければならず、長期保管ができないという難点がある。
このため、近年は、熱可塑性樹脂をマトリックス樹脂として用い、強化繊維を含有した繊維強化不織布の開発が進められている。このような熱可塑性樹脂をマトリックス樹脂として用いた繊維強化不織布は、保存管理が容易であり、長期保管ができるという利点を有する。また、熱可塑性樹脂を含む不織布は、熱硬化性樹脂を含む不織布と比較して成形加工が容易であり、加熱加圧処理を行うことにより成形加工品を成形することができるという利点を有している。
従来、熱可塑性樹脂は、耐薬品性・強度等、熱硬化性樹脂よりも劣るものが主流であった。しかし、近年は、耐熱性、耐薬品性などに優れた熱可塑性樹脂が盛んに開発されるようになり、これまで熱可塑性樹脂について常識とされてきた上記のような欠点が目覚ましく改善されてきている。このような熱可塑性樹脂は、いわゆる「エンプラ(エンジニアリングプラスチック)」と呼ばれる樹脂であり、ポリカーボネート(PC)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド(PEI)等が挙げられる(例えば、非特許文献1)。
強化繊維には、炭素繊維やガラス繊維、アラミド繊維等が用いられている。このような強化繊維は繊維強化プラスチック成形体の強度を高める働きをする。また、近年、繊維強化プラスチック成形体は、航空機、車両などに使用されており、更に強い強度が求められているため、繊維強化プラスチック成形体は、強度や難燃性の高い熱可塑性樹脂が使用される事が好ましい。
特許文献1から特許文献3には、不織布の製造方法が記載されているが、この不織布に使用する繊維の繊維径は大きいものでも50μm程度の比較的繊維径の小さいものを使用している。しかし、熱可塑性樹脂は、その樹脂の性質や、難燃剤などの添加物を添加した後の性質によっては、溶融粘度が高くなり、繊維径の小さい繊維を作るのが難しくなる。
不織布を製造する際に、使用する繊維の繊維径が大きくなると不織布の密度が低くなり、繊維と繊維の交点が少なくなる。繊維と繊維の交点が少なくなると、繊維の交点間に働く水の表面張力が不十分になり、製造中、ウエットシートがオープンドローの部分で断紙したり、ワイヤーからフェルトへの移行部分でワイヤーやフェルトへの繊維付着が多くなり歩留が低下したり、場合によっては層間剥離が発生して製造不能になる等の不具合が発生し、生産効率が悪くなるという問題があった。
特開平2005−307364号公報 特開平2007−330911号公報 特開平2011−106043号公報
「平成19年度 熱可塑性樹脂複合材料の機械工業分野への適用に関する調査報告書」、財団法人 次世代金属・複合材料研究開発協会、社団法人 日本機械工業連合会、平成20年3月発行
そこで本発明者らは、このような従来技術の問題を解決するために、強度及び生産性の高い繊維強化プラスチック成形体用シートを提供することを目的として検討を進めた。
上記の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、本発明者らは、強化繊維と、熱可塑性樹脂繊維を含むマトリックス樹脂繊維とを含む繊維強化プラスチック成形体用シートであって、第一の繊維の繊維径は、5〜25μmであり、第二の繊維の繊維径は、80〜400μmとすることにより、強度及び生産性の高い繊維強化プラスチック成形体用シートを得ることができることを見出した。
具体的に、本発明は、以下の構成を有する。
[1]強化繊維と、熱可塑性樹脂繊維を含むマトリックス樹脂繊維とを含む繊維強化プラスチック成形体用シートであって、第一の繊維の繊維径は、5〜25μmであり、第二の繊維の繊維径は、80〜400μmであることを特徴とする繊維強化プラスチック成形体用シート。
[2]前記繊維強化プラスチック成形体用シートの全質量に対して、前記第一の繊維の割合が30質量%以上含まれることを特徴とする[1]に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
[3]前記第一の繊維の繊維径は、5〜16μmであることを特徴とする[1]又は[2]に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
[4]前記第二の繊維の繊維径は、100〜300μmであることを特徴とする[1]〜[3]のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
[5]前記第一の繊維は強化繊維であって、前記第二の繊維は熱可塑性樹脂繊維を含むマトリックス樹脂繊維であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれか一項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
[6]難燃剤が更に含まれていることを特徴とする[1]〜[5]のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
[7]前記難燃剤が、前記熱可塑性樹脂繊維に含まれていることを特徴とする[1]〜[6]のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
[8]前記熱可塑性樹脂繊維は、ポリエーテルイミド繊維、ポリカーボネート繊維、ポリアミド繊維から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする[1]〜[7]のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
[9]バインダー成分を更に含み、前記繊維強化プラスチック成形体用シートの全質量に対して0.1〜10質量%含まれていることを特徴とする[1]〜[8]のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
[10]前記強化繊維のうち大半の強化繊維は、前記繊維強化プラスチック成形体用シート表面とほぼ平行である繊維強化プラスチック成形体を形成し得ることを特徴とする[1]〜[9]のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
[11]前記強化繊維の全本数のうち80%以上が、前記強化繊維プラスチック成形体用シートの表面となす角度が±20°以内となるように存在していることを特徴とする[1]〜[10]のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
[12][1]〜[11]のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シートを、前記熱可塑性樹脂繊維のガラス転移温度以上の温度で加熱加圧成形することにより形成されることを特徴とする繊維強化プラスチック成形体。
[13][1]〜[11]のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シートを、150〜600℃の温度で加熱加圧成形することにより形成されていることを特徴とする繊維強化プラスチック成形体。
[14]強化繊維と、熱可塑性樹脂繊維とを含むマトリックス樹脂繊維を混合し、湿式不織布法又は乾式不織布法によって繊維強化プラスチック成形体用シートを製造する工程を含み、第一の繊維の繊維径は、5〜25μmであり、第二の繊維の繊維径は、80〜400μmであることを特徴とする繊維強化プラスチック成形体用シートの製造方法。
本発明によれば、強化繊維と、熱可塑性樹脂繊維を含むマトリックス樹脂繊維とを含む繊維強化プラスチック成形体用シートであって、第一の繊維の繊維径は、5〜25μmであり、第二の繊維の繊維径は、80〜400μmであることを特徴とする。これより、強度及び生産性の高い繊維強化プラスチック成形体用シートを提供することができる。
図1は、本発明の繊維強化プラスチック成形体用シート中の強化繊維の配向の様子を示すイメージ図である。 図2は、本発明の繊維強化プラスチック成形体用シート中の強化繊維の配向状態を示す写真である。 図3は、X線CT装置/解析ソフトにより得た画像から確認される本発明の繊維強化プラスチック成形体用シート中の強化繊維の配向の様子を示すイメージ図である。
以下において、本発明について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、代表的な実施形態や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は「〜」前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
(繊維強化プラスチック成形体用シート)
本発明の一実施形態での繊維強化プラスチック成形体用シートにおいては、強化繊維と、熱可塑性樹脂繊維を含むマトリックス樹脂繊維とを含む繊維強化プラスチック成形体用シートであって、第一の繊維の繊維径は、5〜25μmであり、第二の繊維の繊維径は、80〜400μmであることを特徴とする。
これによると、繊維強化プラスチック成形体用シートに、繊維径の異なる2種類の繊維を用いるので、繊維径の大きいもののみからなる繊維強化プラスチック成形体用シートに比べ、繊維同士の交点が増える。繊維同士の交点が増えると、これらの交点間に十分な水の表面張力が働くため、繊維強化プラスチック成形体用シートの強度が高まり、抄紙機による湿式抄紙適性が向上し、生産性が向上する。
また、繊維径の小さいもののみからなる繊維強化プラスチック成形体用シートに比べ、繊維径の異なる2種類の繊維を用いるので、例えば湿式不織布法で繊維強化プラスチック成形体用シートを成形する場合にシートの密度が低くなり、脱水時の濾水性がよくなり、生産性が向上する。
これより、強度及び生産性の高い繊維強化プラスチック成形体用シートを得ることができる。
なお、本発明の一実施形態での繊維強化プラスチック成形体用シートにおいては、繊維強化プラスチック成形体用シートの全質量に対して、第一の繊維の割合が30質量%以上含まれることを特徴とする。また、本実施形態では、第一の繊維の割合が70質量%を超えた場合、強化繊維の間にマトリックス樹脂が溶け込まず、繊維強化プラスチック成形体の強度が弱くなることがある。
第一の繊維の割合が30質量%より少ないと、繊維強化プラスチック成形体用シートの繊維の交点間に働く水の表面張力が不十分になり、抄紙時にワイヤーからフェルトに移行する際、層間剥離が発生してしまう場合がある。本発明の一実施形態によると、強度及び生産性の高い繊維強化プラスチック成形体用シートを得ることができる。
繊維強化プラスチック成形体用シートの第一の繊維の繊維径は、5〜25μmであり、より好ましくは、5〜16μmである。第一の繊維の繊維径が5μm以下であると繊維が再凝集し分散性が悪くなる。また、第一の繊維の繊維径を5〜16μmとすると繊維間の交点の数が多くなり、繊維強化プラスチック成形体用シートから強化繊維が脱落することを抑制することができ、かつ、強度に優れた繊維強化プラスチック成形体を形成することができる。
繊維強化プラスチック成形体用シートの第二の繊維の繊維径は、80〜400μmであり、より好ましくは、100〜300μmである。第二の繊維の繊維径が80μm以下であると繊維強化プラスチック成形体用シートの密度が高くなり濾水性が悪くなる。また、第二の繊維の繊維径が400μm以上であると、繊維強化プラスチック成形体用シート中の繊維の交点間に働く水の表面張力が不十分になり、抄紙時にワイヤーからフェルトに移行する際、層間剥離が発生してしまう場合がある。第二の繊維の繊維径を100〜300μmとすると、繊維間の表面張力と濾水性が良好な繊維強化プラスチック成形体用シートを得ることができる。
更に、本発明の一実施形態の繊維強化プラスチック成形体用シートは、第一の繊維は強化繊維であって、第二の繊維は熱可塑性樹脂繊維を含むマトリックス樹脂繊維であることが好ましい。本実施形態では、第一の繊維の繊維径が25μm以上であると、繊維強化プラスチック成形体用シートにおける強化繊維の量が少なくなり、繊維強化プラスチック成形体の強度が下がってしまう可能性がある。
本実施形態では、強度及び生産性の高い繊維強化プラスチック成形体用シートを得ることができる。
更に、本発明の一実施形態の繊維強化プラスチック成形体用シートは、難燃剤が更に含まれている。より好ましくは、難燃剤が熱可塑性樹脂繊維に含まれる。これにより、繊維強化プラスチック成形体用シートから難燃剤が脱落することを防ぐことができ、より高い難燃性を有する繊維強化プラスチック成形体を得ることができる。
更に、本発明の一実施形態での繊維強化プラスチック成形体用シートの強化繊維のうち大半の強化繊維は、繊維強化プラスチック成形体用シート表面とほぼ平行である。
なお、「大半の強化繊維」とは、強化繊維の全本数のうち80%以上の強化繊維のことを意味する。また、「シート表面とほぼ平行」とは、繊維強化プラスチック成形体用シートの表面と強化繊維がなす角が±20°以内に配向することを意味する。すなわち、本発明の繊維強化プラスチック成形体用シートにおいては、強化繊維の全本数のうち80%以上が、繊維強化プラスチック成形体用シートの表面となす角度が±20°以内となるように配向していることを特徴とする。
本発明の一実施形態では、繊維強化プラスチック成形体用シートにおいて、80%以上の強化繊維をシート表面と平行となるように配向させることにより、繊維強化プラスチック成形体の強度をより高めることができる。
(強化繊維)
強化繊維は、ガラス繊維、炭素繊維及びアラミド繊維から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。これらの強化繊維は、1種のみを使用してもよく、複数種を併用してもよい。また、PBO(ポリパラフェニレンベンズオキサゾール)繊維等の耐熱性に優れた有機繊維を含有していてもよい。
強化繊維の繊維長は、6〜50mmであることが好ましく、8〜30mmであることがより好ましく、10〜20mmであることが更に好ましい。強化繊維の繊維長を上記範囲内とすることにより、繊維強化プラスチック成形体用シートから強化繊維が脱落することを抑制することができ、かつ、強度に優れた繊維強化プラスチック成形体を形成することが可能となる。また、強化繊維の繊維長を上記範囲内とすることにより、強化繊維の分散性を良好にすることができる。これにより、加熱加圧成形後の繊維強化プラスチック成形体は良好な強度と外観を有する。
(マトリックス樹脂)
マトリックス樹脂は、熱可塑性樹脂を含み、熱可塑性樹脂は、繊維、粉末、ペレット、フレーク状のものを、単独で又は組み合わせて用いることができる。
熱可塑性樹脂としては、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド(ナイロン)、ABS樹脂等が挙げられるがこれに限定されるものではなく、必要とされる強度物性等により適宜選定することができる。一般に、ポリカーボネートは曲げ強度・弾性率・耐衝撃強度等に優れ、軽量であっても強度の高い繊維強化プラスチック成形体を得られるため好ましい。ポリアミド(ナイロン6)は、曲げ強度に優れた繊維強化プラスチック成形体を得られるため好ましい。
また、特殊な分子構造を採用することで難燃剤を添加する以外の方法で難燃化した繊維や、いわゆるスーパーエンプラ繊維と呼ばれるポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)等のスーパーエンプラ繊維はその樹脂単体で難燃剤を付与せずともある一定の難燃性が得られるが、これらにおいても本発明を適用することにより、より優れた難燃性を有する繊維強化プラスチック成形体を得ることができる。
本明細書中の「熱可塑性樹脂繊維」とは、熱可塑性樹脂のうち繊維状のものを言う。本発明の一実施形態では、繊維強化プラスチック成形体用シートの熱可塑性樹脂繊維に難燃剤が含まれている。難燃剤を含む熱可塑性樹脂繊維は、熱可塑性樹脂に難燃剤を添加し、この混合物を溶融紡糸することによって得られる。
熱可塑性樹脂繊維の繊維長は、2〜50mmであることが好ましく、5〜40mmであることがより好ましく、10〜25mmであることが更に好ましい。熱可塑性樹脂繊維の繊維長を上記範囲内とすることにより、繊維強化プラスチック成形体用シートから熱可塑性樹脂繊維が脱落することを抑制することができ、ハンドリング性に優れた繊維強化プラスチック成形体用シートを得ることができる。また、熱可塑性樹脂繊維の繊維長を上記範囲内とすることにより、熱可塑性樹脂繊維の分散性を良好にすることができるため、強度に優れた繊維強化プラスチック成形体を形成することが可能となる。これにより、加熱加圧成形後の繊維強化プラスチック成形体は良好な強度と外観を有する。
更に、熱可塑性樹脂繊維は、加熱加圧処理時にマトリックス、あるいは、繊維成分の交点に結着点を形成する。このようなマトリックス樹脂繊維を用いた不織布状の繊維強化プラスチック成形体用シートは、熱硬化性樹脂を使用したシートに比べて、オートクレーブ処理が不要で、加工する際の加熱加圧成形時間が短時間ですみ、生産性を高めることができる。
本発明で用いられる繊維強化プラスチック成形体用シートでは、熱可塑性樹脂繊維が繊維形態をしていることによりシート中に空隙が存在している。
本発明では、熱可塑性樹脂繊維が加熱加圧成形前には、繊維形態を維持しているため、繊維強化プラスチック成形体を形成する前は、シート自体がしなやかでドレープ性がある。このため、繊維強化プラスチック成形体用シートを巻き取りの形態で保管・輸送することが可能であり、ハンドリング性に優れるという特徴を有する。
(難燃剤)
難燃剤としては、例えば、ハロゲン系難燃剤、リン系難燃剤、シリコーン系難燃剤を配合することができる。
ハロゲン系難燃剤の好ましい具体例としては、臭素化ポリカーボネート、臭素化エポキシ樹脂、臭素化フェノキシ樹脂、臭素化ポリフェニレンエーテル樹脂、臭素化ポリスチレン樹脂、臭素化ビスフェノールA、グリシジル臭素化ビスフェノールA、ペンタブロモベンジルポリアクリレート、ブロム化イミド等が挙げられ、中でも、臭素化ポリカーボネート、臭素化ポリスチレン樹脂、グリシジル臭素化ビスフェノールA、ペンタブロモベンジルポリアクリレートが、耐衝撃性の低下を抑制しやすい傾向にあり、より好ましい。
リン系難燃剤としては、例えば、エチルホスフィン酸金属塩、ジエチルホスフィン酸金属塩、ポリリン酸メラミン、リン酸エステル、ホスファゼン等が挙げられ、中でも、ジエチルホスフィン酸金属塩、ポリリン酸メラミン、ホスファゼンが熱安定性に優れる点から好ましい。また、成形時のガスやモールドデポジットの発生、難燃剤のブリードアウトを抑制するために、リン系難燃剤と相溶性に優れる熱可塑性樹脂を配合してもよい。このような熱可塑性樹脂としては、好ましくは、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂である。
更に本発明では、難燃剤と共に、難燃助剤を併用することが好ましい。難燃助剤としては、例えば、酸化銅、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化モリブデン、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化鉄、酸化チタン、酸化アルミニウム、アンチモン化合物、硼酸亜鉛等が挙げられ、2種以上併用してもよい。これらの中でも、難燃性がより優れる点からアンチモン化合物、硼酸亜鉛が好ましい。
アンチモン化合物としては、三酸化アンチモン(Sb)、五酸化アンチモン(Sb)、アンチモン酸ナトリウム等が挙げられる。特に、ハロゲン系難燃剤を用いる場合、該難燃剤との相乗効果から、三酸化アンチモンを併用することが好ましい。
(バインダー成分)
本発明の一実施形態では、バインダー成分は、繊維強化プラスチック層の全質量に対して0.1〜10質量%となるように含有されることが好ましく、0.3〜10質量%であることがより好ましく、0.4〜9質量%であることが更に好ましく、0.5〜8質量%であることが特に好ましい。バインダー成分の含有率を上記範囲内とすることにより、製造工程中の強度を高めることができ、ハンドリング性を向上させることができる。なお、バインダー成分の量は多くなると表面強度・層間強度共に強くなるが、逆に加熱成形時の臭気の問題が発生しやすくなる。しかし、上記の範囲においては臭気の問題はほとんど発生せず、また繰り返しの断裁工程を経ても層間剥離などを発生しない繊維強化プラスチック成形体用シートを得ることができる。
なお、本実施形態では、第二の繊維の繊維径が80μm以下であると繊維強化プラスチック成形体用シートの密度が高くなり濾水性が悪くなる。濾水性が悪くなると、抄紙時のドライヤー工程で十分に乾燥できず、バインダー成分が固まらず十分な強度が得られず断紙することがある。
バインダー成分としては、一般的に不織布製造に使用される、ポリエチレンテレフタレート、変性ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、アクリル樹脂、スチレン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体樹脂、ウレタン樹脂、PVA樹脂、各種澱粉、セルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド−アクリル酸アルキルエステル−メタクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリ酢酸ビニル樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体等が使用できる。
(繊維形状)
本発明では、熱可塑性樹脂繊維と強化繊維は、一定の長さにカットされたチョップドストランドであることが好ましい。また、バインダー繊維もチョップドストランドであることが好ましい。このような形態とすることにより、繊維強化プラスチック成形体用シート中で、各種繊維を均一に混合することができる。
(繊維強化プラスチック成形体)
本発明の繊維強化プラスチック成形体用シートは、目的とする成形品の形状や成形法に合わせて任意の形状に加工することができる。繊維強化プラスチック成形体用シートは、1枚単独、或いは所望の厚さとなるように積層して熱プレスで加熱加圧成形したり、あらかじめ赤外線ヒーター等で予熱し、金型によって加熱加圧成形することができる。このように、一般的な繊維強化プラスチック成形体用シートの加熱加圧成形方法を用いて加工することにより、強度に優れた繊維強化プラスチック成形体とすることができる。
繊維強化プラスチック成形体用シートから繊維強化プラスチック成形体を成形する際には、繊維強化プラスチック成形体用シートを、熱可塑性樹脂繊維を含むマトリックス樹脂のガラス転移温度以上の温度で加熱加圧成形することが好ましい。具体的には、繊維強化プラスチック成形体用シートを150〜600℃の温度で加熱加圧成形することが好ましい。なお、加熱温度は、熱可塑性樹脂が流動する温度であって強化繊維は溶融しない温度帯であることが好ましい。
繊維強化プラスチック成形体を成形する際の圧力としては、5〜20MPaが好ましい。また、所望の保持温度に到達するまでの昇温速度は3〜20℃/分が好ましく、所望の熱プレス温度での保持時間としては1〜30分、その後、成形体を取り出す温度(200℃以下)までは圧力を維持しながら、3〜20℃/分の冷却速度とするのが好ましい。更に、生産効率はやや落ちるものの、熱プレスの保持温度からマトリックス樹脂のガラス転移温度までは空冷でゆっくりと0.1〜3℃/分で冷却することも、強度向上の観点からは好ましい。また、急速加熱、急速冷却(ヒートアンドクール)成形を用いて熱プレス成形することも可能であり、その場合の昇温、冷却速度はそれぞれ30〜500℃/分である。更に、赤外線ヒーターによる場合は、温度として150〜600℃、好ましくは200〜500℃で1〜30分間加熱し、その後30〜150MPaの圧力で成形することができる。
本発明で得られる繊維強化プラスチック成形体は、力学的強度と難燃性に優れ、かつ工業的に有用な生産性を兼ね備えているため、種々の用途に展開することができる。
繊維強化プラスチック成形体の厚みは、特に限定されないが、0.1〜50mm程度である。本発明の繊維強化プラスチック成形体は、上記のような構成により、所望の強度と難燃性を得る。
(繊維強化プラスチック成形体用シートの製造方法)
本発明の繊維強化プラスチック成形体用シートの製造工程は、強化繊維と、熱可塑性樹脂繊維を含むマトリックス樹脂とを混合し、溶媒中に分散させ、その後溶媒を除去してウエブを形成する方法(湿式不織布法)又は乾式不織布法によって繊維強化プラスチック成形体用シートを形成する工程を含む。
更に、繊維強化プラスチック成形体用シートを製造する工程は、円網抄紙機を用いて抄紙する工程を含む。なお、繊維強化プラスチック成形体用シートを形成する工程では、強化繊維と、熱可塑性樹脂繊維を含むマトリックス樹脂に加えてバインダー成分を添加することとしてもよい。
円網抄紙機を用いて抄紙を行う場合、円網抄紙機の円網の直径は50cm以上であることが好ましい。円網抄紙機の円網の直径を上記範囲とすることにより、80%以上の強化繊維をシート表面と平行となるように配向させることが可能となり、繊維強化プラスチック成形体において強度をより高めることができる。
円網抄紙機を用いて抄紙を行う場合の抄造速度は、抄速は3m/min以上であることが好ましく、5m/min以上であることがより好ましく、10m/min以上であることが更に好ましい。抄造速度を上記範囲とすることにより、80%以上の強化繊維をシート表面と平行となるように配向させることが可能となり、繊維強化プラスチック成形体において強度をより高めることができる。
また、繊維強化プラスチック成形体用シートを製造する工程では、円網抄紙機の他に、長網抄紙機又は傾斜型抄紙機を用いてもよい。すなわち、本発明の繊維強化プラスチック成形体用シートの製造工程において、繊維強化プラスチック成形体用シートを製造する工程は、長網抄紙機又は傾斜型抄紙機を用いて抄紙する工程を含むものであってもよい。ここで、長網抄紙機又は傾斜型抄紙機を用いて抄紙する工程では、長網抄紙機又は傾斜型抄紙機のワイヤーは、ジェットワイヤー比が0.99以下となるように走行することを特徴とする。
なお、繊維強化プラスチック成形体用シートを製造する工程は、長網抄紙機又は傾斜型抄紙機を用いて抄紙する工程を含むものであることが好ましく、傾斜型抄紙機を用いて抄紙する工程を含むものであることがより好ましい。
ここで、ジェットワイヤー比とは、繊維のスラリー液のインレット内における流速とワイヤー走行速度の比であり、繊維のスラリー液のインレット内の流速/ワイヤー走行速度で表される。ジェットワイヤー比は、ワイヤー走行速度と、インレット内の流速を制御する白水循環量を適宜調整することで所望の値を得ることができる。ジェットワイヤー比が1よりも大きい場合は、繊維のスラリー液の供給速度がワイヤーの走行速度よりも速く、この場合を「押し地合」という。また、ジェットワイヤー比が1よりも小さい場合は、繊維のスラリー液の供給速度はワイヤーの走行速度よりも遅く、この場合を「引き地合」という。なお、このジェットワイヤー比が1より小さい状況を作るには、白水循環量を繊維分散性が許容する範囲内で少なくし、ワイヤー走行速度を速めればよい。
本発明の製造方法において、長網抄紙機又は傾斜型抄紙機を用いる場合、ジェットワイヤー比は0.99以下であればよく、0.9以下であることが好ましい。このように、本発明の製造方法では、ジェットワイヤー比を上記範囲とすることにより、シート表面となす角度が±20°以内である繊維の占める割合を80%以上とすることができる。
なお、バインダー成分を含む溶液又はバインダー成分を含むエマルジョンを繊維強化プラスチック成形体用シートに内添、塗布又は含浸させた後は、その繊維強化プラスチック成形体用シートを急速に加熱することが好ましい。このような加熱工程を設けることにより、バインダー成分を含む溶液又はバインダー成分を含むエマルジョンを繊維強化プラスチック成形体用シートの表層領域に移行させることができる。更に、バインダー成分を水掻き膜状に局在させることができる。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴を更に具体的に説明する。以下の実施例に
示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜
変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解
釈されるべきものではない。なお、実施例2は参考実施例である。
<実施例1〜3>
<ポリカーボネート樹脂繊維の製造>
ポリカーボネート樹脂(A成分)(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、商品名:ユーピロンS−3000(粘度平均分子量:21,000))と、アクリロニトリル・スチレン系共重合体(B成分)(テクノポリマー(株)製、商品名:290FF(220°C、49N荷重におけるメルトフローレート(MFR):50g/10分))と、ポリカーボネートオリゴマー(C成分)(三菱ガス化学(株)製、商品名:AL071(平均重合度:7))をブレンダーで30mmφの2軸押し出し機にて溶融混合し、ペレット化した樹脂組成物を得た。尚、A成分/B成分/C成分の質量比率は100/5.5/12となるようにブレンダーに投入した。
得られたペレットを紡糸温度300℃にて、紡糸ノズルを用いて溶融押出し、紡糸ノズル付近の温度を250℃に冷却し、表1に示した繊維径の紡糸フィラメントを得た。得られたフィラメントを、ギロチンカッターで表1に示す繊維長に切断し、ポリカーボネート繊維を得た。
<炭素繊維スラリーの製造>
表1に示した繊維径及び繊維長のPAN系炭素繊維を、スラリー濃度0.5%となるように水中に投入し、分散剤として商品名「エマノーン3199」(花王社製)を炭素繊維100質量部に対し1質量部となるよう添加した。これを、攪拌し、パルパーにて30秒間攪拌して初期分散を行った後、この炭素繊維スラリーをスラリー濃度0.15%となるように希釈した。
別容器にて粉末のアニオン性高分子ポリアクリルアミド系増粘剤である「スミフロック(MTアクアポリマー株式会社製)の0.1%濃度水溶液を作成した。この増粘剤水溶液を、上記の0.15%に希釈した炭素繊維スラリーに、液全体に対して増粘剤の固形分添加量が60ppmとなるように添加し、攪拌し、ほぼ完全に炭素繊維がモノフィラメント化するまで分散させた。
<繊維強化プラスチック成形体用シートのスラリー製造>
上記のポリカーボネート繊維と、バインダー繊維としてPVA繊維(クラレ製 VPB−105―2)を、表1に示した配合比となるように計量し、希釈水を投入して10%濃度スラリーとした。次に、このスラリーに、表1に示した配合比となるように、上記の炭素繊維スラリーに投入した。そして、炭素繊維、ポリカーボネート繊維及びPVA繊維の合計のスラリー濃度が0.25%となるように希釈水を投入して攪拌・混合し、原料スラリーを得た。
なお、一般に炭素繊維のような強化繊維は、ポリカーボネート繊維のような熱可塑性樹脂繊維に比べ分散性が劣るため、上記の通りパルパー等で短時間強攪拌してから低濃度に希釈し、粘剤を添加して攪拌することにより均一に分散させる。一方、熱可塑性樹脂繊維は一般に分散性に優れるため、高濃度のスラリーのまま攪拌しても均一に分散させることができる。そのため、強化繊維スラリーは低濃度で分散させ、熱可塑性樹脂繊維は高濃度で分散させて、両者を混合することで、分散性を維持しつつ所望の濃度のスラリーを得ることができる。
<繊維強化プラスチック成形体用シートの製造>
上記で得られた繊維強化プラスチック成形体用シートの繊維スラリーは、傾斜ワイヤーを備えた抄紙機に連続的に流送され、ワイヤー上にウエットウエブが形成される。次に、ウエットウエブは、ワイヤーからサクションを備えたピックアップロールのフェルトに移行され、ヤンキードライヤーにて乾燥される。こうして、湿式抄紙法により、目付けが200g/mの繊維強化プラスチック成形体用シートを得た。なお、ジェットワイヤー比は、表1に示した通りとした。
<繊維強化プラスチック成形体の製造>
実施例1〜3で得られた繊維強化プラスチック成形体用シートを適宜積層し、260℃に予熱したホットプレスに挿入してプレス圧10MPaにて360秒加熱加圧した後、70℃に冷却して繊維強化プラスチック成形体を得た。
<実施例4、5>
表1に示した通り、炭素繊維を所定の繊維径及び繊維長のガラス繊維(Eガラス繊維、オーウェンスコーニング社製)とし、ジェットワイヤー比を変更した以外は、実施例3と同様にして繊維強化プラスチック成形体を得た。
<実施例6>
表1に示した通り、ポリカーボネート繊維を所定の繊維径及び繊維長のポリエーテルイミド繊維とし、ジェットワイヤー比を変更した以外は、実施例3と同様にして繊維強化プラスチック成形体用シートを得た。ポリエーテルイミド繊維は、既知の溶融紡糸法にて得られる。この繊維強化プラスチック成形体用シートを、プレスの予熱温度を300℃に変更した以外は実施例3と同様にして繊維強化プラスチック成形体を得た。
<実施例7>
表1に示した通り、ポリカーボネート繊維を所定の繊維径及び繊維長のポリアミド繊維(ナイロン6繊維)とし、ジェットワイヤー比を変更した以外は、実施例3と同様にして繊維強化プラスチック成形体を得た。ポリアミド繊維は、既知の溶融紡糸法にて得られる。
<実施例8>
表1に示した通り、ポリカーボネート繊維を所定の繊維径及び繊維長のポリプロピレン繊維とし、ジェットワイヤー比を変更した以外は、実施例3と同様にして繊維強化プラスチック成形体用シートを得た。ポリプロピレン繊維は、既知の溶融紡糸法にて得られる。この繊維強化プラスチック成形体用シートを、プレスの予熱温度を200℃に変更した以外は実施例3と同様にして繊維強化プラスチック成形体を得た。
<実施例9>
表1に示した通り、ポリカーボネート繊維の配合量を36%とし、所定の繊維径、繊維長及び配合比のポリエーテルイミド繊維を追加し、ジェットワイヤー比を変更した以外は、実施例3と同様にして繊維強化プラスチック成形体用シートを得た。この繊維強化プラスチック成形体用シートを、プレスの予熱温度を300℃に変更した以外は実施例3と同様にして繊維強化プラスチック成形体を得た。
<実施例10>
表2に示したジェットワイヤー比に変更した以外は、実施例3と同様にして繊維強化プラスチック成形体を得た。
<実施例11>
表2に示す通り、炭素繊維及びポリカーボネートの配合比を変更し、ジェットワイヤー比を変更した以外は、実施例3と同様にして抄紙した。
<実施例12>
表2に示したジェットワイヤー比に変更した以外は、実施例3と同様にして繊維強化プラスチック成形体を得た。
<比較例1、2>
表2に示す通り、ガラス繊維を所定の繊維径に変更し、ジェットワイヤー比を変更した以外は、実施例4と同様にして繊維強化プラスチック成形体を得た。
(評価)
<強化繊維と、繊維強化プラスチック成形体用シートとの角度の測定>
強化繊維と繊維強化プラスチック成形体用シートの表面となす角度は、以下の通り測定した。まず、加熱加圧成形後の繊維強化プラスチックについて、MD方向の断面(図1(a)のB−B’線)を切り出した。MD方向の断面のイメージ図は図1(b)に示した。この断面の強化繊維を、三次元計測X線CT装置(ヤマト科学製:商品名「TDM1000−IS/SP」)で撮影し、三次元ボリュームレンダリングソフト(NVS製:「VG−Studio MAX」)にて断面の画像を得た。そして、得られた断面画像について、Z軸方向に任意に10本の10μmのライン∨を引き、そのラインに接して見える繊維全てについて、図2の白線で示したとおり、強化繊維と強化繊維プラスチック成形体用シート表面とのなす角度を測定した。具体的には、強化繊維プラスチック成形体用シート表面と平行な線はラインH(点線)で表しており、このラインHと強化繊維がなる角度を測定した。測定した繊維の本数は100〜130本程度とした。そして、測定した強化繊維の全本数に対する、強化繊維プラスチック成形体用シートの表面となす角度が±20°以内である繊維の占める繊維本数の割合を表1及び2に示した。
なお、図1(b)において、θは、強化繊維と強化繊維プラスチック成形体用シートの表面となす角度が±20°以内であり、θは、強化繊維と強化繊維プラスチック成形体用シートの表面となす角度が±20°の範囲を超えている。
<曲げ強度の測定>
得られたプラスチック成形体を、JIS K 7074炭素繊維強化プラスチックの曲げ試験方法に従って、繊維の配向方向(マシンディレクション、以下MDとする)及び繊維の配向と直角方向(クロスディレクション、以下CDとする)について測定し、強度及びMD方向とCD方向の相乗平均値を表1及び2に示した。
<ワイヤーからフェルトへの移行状況>
抄紙機のワイヤー上のウエットウエブが、ピックアップロールのフェルトへ移行する様子を観察し、以下の通り評価した。ワイヤーからフェルトへの移行状況を表1及び2に示した。
A:ワイヤー上の繊維残が目視では観察されず、移行は良好である。
B:ワイヤー上の繊維残が目視で観察されるが、通常のワイヤー洗浄で容易に洗浄
可能であり、操業上の問題はない。
C:通常のワイヤー洗浄では、ワイヤー上の繊維残が除去できず、経時で蓄積するため
安定操業できない。
Figure 0006213347
Figure 0006213347
表1及び表2からわかるように、実施例1〜11では、強化繊維と繊維強化プラスチック成形体用シートの表面となす角度が±20°以内のものが80%を超えて、繊維強化プラスチック成形体の強度が高められていることがわかる。一方、表2からわかるように、実施例12では、強化繊維と繊維強化プラスチック成形体用シートの表面となす角度が±20°以内のものが77%と低く、実施例10のものに比べやや繊維強化プラスチック成形体の強度が低下する傾向にある。
また、実施例1〜12では、ワイヤーからフェルトへの移行状況は良く、操業上の問題はないことがわかる。ただし、実施例11についてはウエットウエブの繊維の交点間の表面張力がやや弱く、他の実施例のものと比較し、抄紙機のワイヤー上に若干繊維が残るが工業的生産に支障のないレベルである。
更に、比較例1では、繊維強化プラスチック成形体の強度が不十分であった。これは、再凝集によるガラス繊維の撚れが発生するためである。また、比較例2では、繊維強化プラスチック成形体の強度が不十分であった。これは、繊維強化プラスチック成形体用シートに含まれるガラス繊維の量が不十分であるためである。
<実施例13〜16>
<難燃ポリカーボネート樹脂繊維の製造>
ポリカーボネート樹脂(A成分)(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、商品名:ユーピロンS−3000(粘度平均分子量:21,000))と、アクリロニトリル・スチレン系共重合体(B成分)(テクノポリマー(株)製、商品名:290FF(220°C、49N荷重におけるメルトフローレート(MFR):50g/10分))と、ポリカーボネートオリゴマー(C成分)(三菱ガス化学(株)製、商品名:AL071(平均重合度:7))と、燐系難燃剤(D成分)燐酸エステル、大八化学(株)製、商品名:PX−200化学式:[OC(CHP(O)OCOP(O)[OC(CHをブレンダーで30mmφの2軸押し出し機にて溶融混合し、ペレット化した樹脂組成物を得た。尚、A成分/B成分/C成分の質量比率は100/5.5/12となるようにし、D成分のポリカーボネート樹脂に対する配合比は表3に示す通りとなるようにブレンダーに投入した。
得られたペレットを紡糸温度300℃にて、紡糸ノズルを用いて溶融押出し、紡糸ノズル付近の温度を250℃に冷却し、表3に示した繊維径の紡糸フィラメントを得た。得られたフィラメントを、ギロチンカッターで表3に示す繊維長に切断し、難燃ポリカーボネート繊維を得た。
表3に示す通り、ポリカーボネート繊維を所定の繊維径の難燃ポリカーボネート繊維に変更し、ジェットワイヤー比を変更した以外は、実施例3と同様にして繊維強化プラスチック成形体を得た。
<比較例3>
表3に示す通り、難燃ポリカーボネート繊維の繊維径を変更した以外は、実施例13と同様にして繊維強化プラスチック成形体を得た。
<比較例4>
表3に示す通り、難燃ポリカーボネート繊維の繊維径を変更した以外は、実施例13と同様にして抄紙した。
<比較例5>
表3に示した繊維径のポリカーボネート繊維にし、ジェットワイヤー比を変更した以外は、実施例3と同様にして繊維強化プラスチック成形体用シートを得た。
(評価)
<強化繊維と、繊維強化プラスチック成形体用シートとの角度の測定>
上記の通り測定し、測定した強化繊維の全本数に対する、強化繊維プラスチック成形体用シートの表面となす角度が±20°以内である繊維の占める繊維本数の割合を表3に示した。
<曲げ強度の測定>
上記の通り測定し、強度及びMD方向とCD方向の相乗平均値を表3に示した。
<難燃性>
<燃焼試験の評価方法>
得られた繊維強化プラスチック成形体を、UV94試験(20mm 垂直燃焼試験 (IEC60695−11−10 B法、ASTM D3801))に準拠して、V−0、V−1、V−2、NOT(V不適合)の判定を行う。燃焼試験の評価を表3に示した。
<ワイヤーからフェルトへの移行状況>
上記の通り評価し、ワイヤーからフェルトへの移行状況を表3に示した。
<巻き取り状況>
ウエットウエブのヤンキードライヤー乾燥後の巻き取り状況を観察し、以下の通り評価した。ウエットウエブの濾水性が悪いと、ドライヤー工程で十分に乾燥することができず、バインダー繊維が固まらず十分な強度が得られなくなり、巻き取り中に繊維強化プラスチック成形体用シートが断紙することがある。巻き取り状況を表3に示した。
A:繊維強化プラスチック成形体用シートがリールの巻き取りに耐えうる強度を有
している。
B:繊維強化プラスチック成形体用シートがAに比べて強度が弱いため、ヤンキードライヤーからリールまでのテンションコントロールがAより困難であるが、
リールにて繊維強化プラスチック成形体用シートを巻き取ることは可能である。
C:ヤンキードライヤーからリールまでの間で繊維強化プラスチック成形体用シー
トの断紙が頻発する。
Figure 0006213347
また、実施例13〜16では、ワイヤーからフェルトへの移行状況は良く、操業上の問題はないことがわかる。一方、比較例4では、安定操業できなかった。これは、ウエットウエブの繊維の交点間に十分な表面張力が働かず、層間剥離が発生し、抄紙機のワイヤー上に繊維が残ってしまうためである。
更に、実施例13〜16では、巻き取り状況は良く、操業上の問題はないことがわかる。一方、比較例3及び5では、断紙が発生することがわかる。比較例3及び5では、ウエットウエブの濾水性が悪く、ドライヤー工程で十分に乾燥できなかったため、バインダー繊維であるPVA繊維が固まらず十分な強度が得られないためである。
実施例13〜16では難燃性は高いが、比較例5ではUV94試験の基準を満足しなかった。
本発明によれば、強度及び生産性の高い繊維強化プラスチック成形体用シートを得ることができる。本発明の繊維強化プラスチック成形体用シートから成形される繊維強化プラスチック成形体は、強度と難燃性が要求される構造部品等に好ましく用いられ、産業上の利用可能性が高い。
10 繊維強化プラスチック成形体用シート
20 強化繊維

Claims (13)

  1. 強化繊維と、熱可塑性樹脂繊維を含むマトリックス樹脂繊維とを含む繊維強化プラスチック成形体用シートであって、
    繊維径が5〜25μmである第一の繊維と、
    繊維径が100〜300μmである第二の繊維を含み、
    前記第一の繊維は強化繊維であって、前記第二の繊維は熱可塑性樹脂繊維を含むマトリックス樹脂繊維であることを特徴とする繊維強化プラスチック成形体用シート。
  2. 前記繊維強化プラスチック成形体用シートの全質量に対して、前記第一の繊維が30質量%以上含まれることを特徴とする請求項1に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
  3. 前記第一の繊維の繊維径は、5〜16μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
  4. 難燃剤が更に含まれていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
  5. 前記難燃剤が、前記熱可塑性樹脂繊維に含まれていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
  6. 前記熱可塑性樹脂繊維は、ポリエーテルイミド繊維、ポリカーボネート繊維、ポリアミド繊維から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
  7. バインダー成分を更に含み、前記バインダー成分は、前記繊維強化プラスチック成形体用シートの全質量に対して0.1〜10質量%含まれていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
  8. 前記強化繊維の全本数のうち80%以上が、前記強化繊維プラスチック成形体用シートの表面となす角度が±20°以内となるように存在していることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
  9. 前記強化繊維の繊維長が6〜50mmである請求項1〜のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
  10. 前記熱可塑性樹脂繊維の繊維長が2〜50mmである請求項1〜のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シートを、前記熱可塑性樹脂繊維のガラス転移温度以上の温度で加熱加圧成形することにより形成されていることを特徴とする繊維強化プラスチック成形体。
  12. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シートを、150〜600℃の温度で加熱加圧成形することを特徴とする繊維強化プラスチック成形体の製造方法。
  13. 強化繊維と、熱可塑性樹脂繊維とを含むマトリックス樹脂繊維を混合し、湿式不織布法又は乾式不織布法によって繊維強化プラスチック成形体用シートを製造する方法であって、
    前記繊維強化プラスチック成形体用シートは、繊維径が5〜25μmである第一の繊維と、繊維径が100〜300μmである第二の繊維を含み、
    前記第一の繊維は強化繊維であって、前記第二の繊維は熱可塑性樹脂繊維を含むマトリックス樹脂繊維であることを特徴とする繊維強化プラスチック成形体用シートの製造方法。
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