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JP6183319B2 - 熱伝導性シリコーン組成物及び熱伝導性シート - Google Patents

熱伝導性シリコーン組成物及び熱伝導性シート Download PDF

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JP6183319B2 JP2014168319A JP2014168319A JP6183319B2 JP 6183319 B2 JP6183319 B2 JP 6183319B2 JP 2014168319 A JP2014168319 A JP 2014168319A JP 2014168319 A JP2014168319 A JP 2014168319A JP 6183319 B2 JP6183319 B2 JP 6183319B2
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Description

本発明は、熱伝導性シリコーン組成物及び熱伝導性シートに関する。
電子部品の多くは使用中に熱が発生するので、その電子部品を適切に機能させるためには、その電子部品から熱を取り除くことが必要である。特にパーソナルコンピューターに使用されているCPU等の集積回路素子は、動作周波数の高速化により発熱量が増大しており、熱対策が重要な問題となっている。
この熱を除去する手段として多くの方法が提案されている。特に発熱量の多い電子部品では、電子部品とヒートシンク等の部材の間に熱伝導性グリースや熱伝導性シートの熱伝導性材料を介在させて熱を逃がす方法が提案されている(特開昭56−28264号公報:特許文献1、特開昭61−157587号公報:特許文献2参照)。
また、この熱伝導性材料としては、シリコーンオイルをベースとし、酸化亜鉛やアルミナ粉末を配合した放熱グリースが知られている(特公昭52−33272号公報:特許文献3、特公昭59−52195号公報:特許文献4参照)。
更に、熱伝導性を向上させるため、窒化アルミニウム粉末を用いたものとして、上記特開昭56−28264号公報(特許文献1)には、液状オルガノシリコーンキャリアとシリカファイバー、及びデンドライト状酸化亜鉛、薄片状窒化アルミニウム、薄片状窒化ホウ素から選択される少なくとも1種からなる揺変性熱伝導材料が開示されている。また、特開平2−153995号公報(特許文献5)には、特定のオルガノポリシロキサンに一定粒子径範囲の球状六方晶系窒化アルミニウム粉末を配合したシリコーングリース組成物が、特開平3−14873号公報(特許文献6)には、粒子径の細かい窒化アルミニウム粉末と粒子径の粗い窒化アルミニウム粉末を組み合わせた熱伝導性シリコーングリースが、特開平10−110179号公報(特許文献7)には、窒化アルミニウム粉末と酸化亜鉛粉末を組み合わせた熱伝導性シリコーングリースが、特開2000−63872号公報(特許文献8)には、オルガノシランで表面処理した窒化アルミニウム粉末を用いた熱伝導性グリース組成物が開示されている。
窒化アルミニウムの熱伝導率は70〜270W/mKであり、これより熱伝導性の高い材料として熱伝導率900〜2,000W/mKのダイヤモンドがある。特開2002−30217号公報(特許文献9)には、シリコーン樹脂に、ダイヤモンド、酸化亜鉛、分散剤を用いた熱伝導性シリコーン組成物が開示されている。
また、特開2000−63873号公報(特許文献10)や特開2008−222776号公報(特許文献11)には、シリコーンオイル等の基油に金属アルミニウム粉末を混合した熱伝導性グリース組成物が開示されている。
しかし、いずれの熱伝導性材料や熱伝導性グリースも、最近のCPU等の集積回路素子の発熱量には不十分なものとなってきている。
特開昭56−28264号公報 特開昭61−157587号公報 特公昭52−33272号公報 特公昭59−52195号公報 特開平2−153995号公報 特開平3−14873号公報 特開平10−110179号公報 特開2000−63872号公報 特開2002−30217号公報 特開2000−63873号公報 特開2008−222776号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、良好な放熱効果を発揮する熱伝導性シリコーン組成物及び熱伝導性シートを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、特定の疎水性シリカ微粒子を熱伝導性シリコーン組成物中に特定量含有させることにより、組成物の粘度が飛躍的に下がることを見出した。そのため、熱伝導性充填剤の充填率を上げることができることから、結果として熱伝導率が向上することを見出し、本発明をなすに至ったものである。
従って、本発明は、(A)液状シリコーン、(B)熱伝導性充填剤、(C)疎水性球状シリカ微粒子を含む熱伝導性シリコーン組成物であって、
上記成分(A)の液状シリコーンが、下記平均組成式(V)
5 a SiO (4-a)/2 (V)
(式中、R 5 は互いに独立に、炭素原子数1〜18の、飽和又は不飽和の、非置換又は置換の一価炭化水素基であり、1.8≦a≦2.2である。)
で表され、分子鎖末端が水酸基又はアルコキシ基で封鎖されたものである、25℃における動粘度が10〜500,000mm 2 /sのオルガノポリシロキサンを含むものであり、
上記成分(C)の疎水性球状シリカ微粒子が、4官能性シラン化合物、その部分加水分解縮合生成物又はこれらの混合物を加水分解及び縮合することによって得られた実質的にSiO2単位からなる親水性球状シリカ微粒子の表面にR1SiO3/2単位(R1は置換又は非置換の炭素原子数1〜20の一価炭化水素基である)が導入され、更にR2 3SiO1/2単位(各R2は同一又は異なり、置換又は非置換の炭素原子数1〜6の一価炭化水素基である)が導入されたものであり、粒子径が0.005〜1μmの範囲で、粒度分布D90/D10の値が3以下であり、かつ平均円形度が0.8〜1である疎水性球状シリカ粒子であることを特徴とする熱伝導性シリコーン組成物(但し、白金及び白金化合物からなる群より選択される触媒を含む加熱硬化型のものを除く。)を提供する。
この場合、成分(C)の前記疎水性球状シリカ微粒子が、
(C1)一般式(I):
Si(OR34 (I)
(式中、各R3は同一又は異種の炭素原子数1〜6の一価炭化水素基である。)
で示される4官能性シラン化合物、その部分加水分解生成物又はこれらの混合物を、塩基性物質の存在下、親水性有機溶媒と水の混合液中で加水分解及び縮合することによって実質的にSiO2単位からなる親水性球状シリカ微粒子の混合溶媒分散液を得、
(C2)得られた該親水性球状シリカ微粒子の混合溶媒分散液に、一般式(II):
1Si(OR43 (II)
(式中、R1は置換又は非置換の炭素原子数1〜20の一価炭化水素基、各R4は同一又は異種の炭素原子数1〜6の一価炭化水素基である。)
で示される3官能性シラン化合物、その部分加水分解生成物、又はこれらの混合物を添加して前記親水性球状シリカ微粒子の表面を処理することにより、該親水性球状シリカ微粒子の表面にR1SiO3/2単位(R1は前記の通りである)を導入して第一の疎水性球状シリカ微粒子の混合溶媒分散液を得、
(C3)得られた該第一の疎水性球状シリカ微粒子の混合溶媒分散液に、一般式(III):
2 3SiNHSiR2 3 (III)
(式中、各R2は同一又は異種の置換又は非置換の炭素原子数1〜6の一価炭化水素基である。)
で示されるシラザン化合物、一般式(IV):
2 3SiX (IV)
(式中、R2は一般式(III)で定義した通りであり、XはOH基又は加水分解性基である。)
で示される1官能性シラン化合物、又はこれらの混合物を添加して、前記第一の疎水性球状シリカ微粒子の表面をこれにより処理して、該第一の疎水性球状シリカ微粒子の表面にR2 3SiO1/2単位(R2は一般式(III)で定義した通りである)を導入することにより第二の疎水性シリカ微粒子として得られるものであることが好ましい。
また、上記成分(A)の液状シリコーンが、下記平均組成式(V)
5 aSiO(4-a)/2 (V)
(式中、R5は互いに独立に、炭素原子数1〜18の、飽和又は不飽和の、非置換又は置換の一価炭化水素基であり、1.8≦a≦2.2である。)
で表される、25℃における動粘度が10〜500,000mm2/sのオルガノポリシロキサンを含むものであることが好ましく、特には前記平均組成式(V)で表されるオルガノポリシロキサンが、下記式(i)及び/又は下記式(ii)で表される直鎖状オルガノポリシロキサンであることが好ましい。
Figure 0006183319

(式中、R8は互いに独立に、炭素原子数1〜18の、飽和又は不飽和の、非置換又は置換の一価炭化水素基であり、mは該オルガノポリシロキサンの25℃での動粘度を10〜500,000mm2/sとする数である。)
Figure 0006183319

(式中、R9は炭素原子数8〜18の置換又は非置換のアルキル基であり、R10は互いに独立に、炭素原子数1〜18の、飽和又は不飽和の、非置換又は置換の一価炭化水素基である。m1は1〜200、m2は1〜100の整数である。)
更に、前記平均組成式(V)で表されるオルガノポリシロキサンとして、一分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンを含有するものを用いることができ、この場合、熱伝導性シリコーン組成物は、更に一分子中に平均2個以上のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと白金系触媒を含有する付加反応硬化型の組成物とすることができ、また前記平均組成式(V)で表されるオルガノポリシロキサンとして、分子鎖末端が水酸基又はアルコキシ基で封鎖されたものを用いることができ、この場合、熱伝導性シリコーン組成物は、一分子中に少なくとも3個のケイ素原子結合加水分解性基を有するシランもしくはシロキサンを含有する縮合反応硬化型の組成物とすることができる。
また、上記成分(A)が、下記一般式(VI)
Figure 0006183319
(式中、R6は炭素原子数1〜6のアルキル基であり、R7は互いに独立に、炭素原子数1〜18の、飽和又は不飽和の、非置換又は置換の一価炭化水素基であり、bは5〜120の整数である。)
で表される加水分解性基含有オルガノポリシロキサンを、成分(A)の合計質量に対して10〜90質量%の量で更に含むことが好ましい。
なお、成分(B)の配合量が成分(A)100質量部に対して500〜3,000質量部であり、成分(C)の配合量が成分(B)に対して0.01〜10質量%であることが好ましい。
本発明は、更に、上記熱伝導性シリコーン組成物を成型してなる熱伝導性シートを提供する。
本発明の熱伝導性シリコーン組成物は、良好な放熱効果を発揮する。
本発明の熱伝導性シリコーン組成物は、
(A)液状シリコーン、
(B)熱伝導性充填剤、
(C)疎水性球状シリカ微粒子
を含有する。以下、これらの成分について詳述する。
成分(A)
成分(A)の液状シリコーンは、25℃での動粘度10〜500,000mm2/s、好ましくは30〜10,000mm2/sを有するオルガノポリシロキサンである。オルガノポリシロキサンの動粘度が上記下限値より低いとグリースにした時にオイルブリードが出やすくなる。また、上記上限値より大きいと、シリコーン組成物の伸展性が乏しくなるおそれがある。なお、本発明において、オルガノポリシロキサンの動粘度はオストワルド粘度計で測定した25℃の値である。
本発明においてオルガノポリシロキサンは上記動粘度を有するものであればよく、従来公知のオルガノポリシロキサンを使用することができる。オルガノポリシロキサンの分子構造は特に限定されず、直鎖状、分岐鎖状、環状等のいずれであってもよい。特には、主鎖がジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖された直鎖状構造を有するのがよい。該オルガノポリシロキサンは、1種単独でも、2種以上の組合せであってもよい。
該オルガノポリシロキサンは、下記平均組成式(V)で表すことができる。
5 aSiO(4-a)/2 (V)
上記式(V)において、R5は、互いに独立に、炭素原子数1〜18、好ましくは1〜14の、飽和又は不飽和の、非置換又は置換の一価炭化水素基である。該一価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、及びオクタデシル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ビニル基、及びアリル基等のアルケニル基、フェニル基、及びトリル基等のアリール基、2−フェニルエチル基、及び2−メチル−2−フェニルエチル基等のアラルキル基、又は、これらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子、シアノ基等で置換したもの、例えば、3,3,3−トリフロロプロピル基、2−(パーフロロブチル)エチル基、2−(パーフロロオクチル)エチル基、p−クロロフェニル基等が挙げられる。
上記式(V)において、aは1.8〜2.2の範囲、特には1.9〜2.1の範囲にある数である。aが上記範囲内にあることにより、得られるシリコーン組成物はグリースとして要求される良好な粘度を有することができる。
上記平均組成式(V)で表されるオルガノポリシロキサンとしては、下記式(i)で表される直鎖状オルガノポリシロキサンが好ましい。
Figure 0006183319

上記式において、R8は、互いに独立に、炭素原子数1〜18、好ましくは1〜14の、飽和又は不飽和の、非置換又は置換の一価炭化水素基である。該一価炭化水素基としては、上述した基が挙げられる。中でも、両末端のR8は全てメチル基であることが好ましい。mは該オルガノポリシロキサンの25℃での動粘度が10〜500,000mm2/s、好ましくは30〜10,000mm2/s、更に好ましくは100〜8,000mm2/sとなる数である。また、好ましくは、主鎖のケイ素原子に結合しているR8のうち少なくとも1つは、炭素原子数8〜18、好ましくは炭素原子数10〜14のアルキル基であるのがよい。該アルキル基は分岐を有していてもよい。
特に好ましくは、下記式(ii)で示される直鎖状オルガノポリシロキサンである。
Figure 0006183319

上記式(ii)において、R9は炭素原子数8〜18、好ましくは炭素原子数10〜14の、置換又は非置換のアルキル基である。該アルキル基は分岐を有していてもよい。R10は炭素原子数1〜18の、飽和又は不飽和の、非置換又は置換の一価炭化水素基であり、好ましくは炭素原子数1〜7の置換又は非置換のアルキル基又は上述した一価炭化水素基のうちアルキル基以外のものである。特に好ましくは、R10はメチル基である。m1は1〜200、好ましくは5〜100、更に好ましくは5〜50の整数であり、m2は1〜100、好ましくは5〜50の整数である。
また、成分(A)は、上記平均組成式(V)で示されるオルガノポリシロキサンと併せて、下記一般式(VI)で表される、加水分解性基を有するオルガノポリシロキサンを含有してもよい。成分(A)中の加水分解性オルガノポリシロキサン(VI)の含有量は、成分(A)の合計質量に対して10〜90質量%の量が好ましく、より好ましくは20〜80質量%の量、更に好ましくは30〜70質量%の量である。
Figure 0006183319

(式(VI)中、R6は炭素原子数1〜6のアルキル基であり、R7は、互いに独立に、炭素原子数1〜18の、飽和又は不飽和の、非置換又は置換の一価炭化水素基であり、bは5〜120の整数である。)
上記式(VI)で示されるオルガノポリシロキサンは、シリコーン組成物中に粉末[成分(C)]を高充填することを補助する。更に、シリコーン組成物が該オルガノポリシロキサンを含有することにより、粉末の表面が該オルガノポリシロキサンで覆われ、粉末同士の凝集が起こりにくくなる。該効果は高温下でも持続するため、シリコーン組成物の耐熱性が向上する。また、該オルガノポリシロキサンによって粉末の表面を疎水化処理することもできる。
上記式(VI)中、R6は、炭素原子数1〜6のアルキル基である。例えばメチル基、エチル基、プロピル基などの炭素原子数1〜6のアルキル基等が挙げられるが、特にメチル基、エチル基が好ましい。R7は、互いに独立に、炭素原子数1〜18、好ましくは炭素原子数1〜10の、飽和又は不飽和の、非置換又は置換の一価炭化水素基である。該一価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、及びオクタデシル基等のアルキル基、シクロペンチル基、及びシクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ビニル基、及びアリル基等のアルケニル基、フェニル基、及びトリル基等のアリール基、2−フェニルエチル基、及び2−メチル−2−フェニルエチル基等のアラルキル基、又は、これらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子、シアノ基等で置換したもの、例えば、3,3,3−トリフロロプロピル基、2−(パーフロロブチル)エチル基、2−(パーフロロオクチル)エチル基、p−クロロフェニル基等が挙げられる。特にメチル基が好ましい。上記式(VI)中、bは5〜120の整数であり、好ましくは10〜90の整数である。
更に、本発明の組成物を硬化して用いる場合には、成分(A)として硬化性オルガノポリシロキサンを用いることができる。例えば、組成物付加反応硬化型とする場合は、成分(A)として、一分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンを用いることができる。該オルガノポリシロキサンとしては、前記平均組成式(V)において、一分子中に少なくとも2個のアルケニル基であるようにR5を選択した直鎖状のオルガノポリシロキサン、特に上記式(i)において、R8の少なくとも2個、とりわけ両末端のR8のうちそれぞれ少なくとも1個がアルケニル基であるものが用いられる。
また、組成物を縮合反応硬化型とする場合は、前記平均組成式(V)において、分子鎖末端が水酸基又はアルコキシ基である直鎖状のオルガノポリシロキサンを用いることができる。
成分(B)
成分(B)である熱伝導性充填剤は、熱伝導率が10W/mK以上であることが好ましい。熱伝導率が10W/mK未満であると、熱伝導性シリコーン組成物の熱伝導率そのものが小さくなるおそれがある。熱伝導率の上限は、熱伝導性充填剤に用いる材料によっても変化するが、特に上限はない。熱伝導性充填剤としては、例えばアルミニウム粉末、銅粉末、銀粉末、ニッケル粉末、金粉末、アルミナ粉末、酸化亜鉛粉末、酸化マグネシウム粉末、窒化アルミニウム粉末、窒化ホウ素粉末、窒化珪素粉末、ダイヤモンド粉末、カーボン粉末などの粉末や粒状物が挙げられ、これらを1種或いは2種以上混ぜ合わせてもよい。
熱伝導性充填剤として粉末や粒状物を用いる場合に、その形状は不定形でも球形でも如何なる形状でも構わないが、平均粒子径0.1〜100μmのものを用いるのがよく、好ましくは、0.5〜50μmであり、更に好ましくは0.5〜30μmである。平均粒子径が0.1μm未満であると、組成物がグリース状にならず伸展性に乏しくなり、100μmを超えると組成物の均一性が乏しくなる。なお、この場合の平均粒子径は後述する方法による測定値である。
上記熱伝導性充填剤の配合量は、成分(A)のオルガノポリシロキサン100質量部に対して、500〜3,000質量部が好ましい。配合量が500質量部未満であると、必要な熱伝導率が得られず、3,000質量部を超えると、組成物がグリース状にならず伸展性が乏しくなる。好ましくは800〜2,500質量部が好ましい。
成分(C)
本発明で使用される成分(C)である疎水性球状シリカ微粒子は、4官能性シラン化合物、その部分加水分解縮合生成物又はこれらの混合物を加水分解及び縮合することによって得られた実質的にSiO2単位からなる親水性球状シリカ微粒子の表面にR1SiO3/2単位(R1は置換又は非置換の炭素原子数1〜20の一価炭化水素基である)が導入され、更にR2 3SiO1/2単位(各R2は同一又は異なり、置換又は非置換の炭素原子数1〜6の一価炭化水素基である)が導入されたものであり、粒子径が0.005〜1μmの範囲で、粒度分布D90/D10の値が3以下であり、かつ平均円形度が0.8〜1である疎水性球状シリカ粒子である。
上記疎水性球状シリカ微粒子は粒子径が0.005〜1μmであり、好ましくは0.01〜0.3μm、特に好ましくは0.03〜0.25μmである。この粒子径が0.005μmよりも小さいと、凝集が激しくなり、また1μmよりも大きいと、グリース組成物の低粘度化効果が乏しくなるため、好ましくない。
上記疎水性球状シリカ微粒子の粒度分布の指標であるD90/D10の値は、3以下である。ここで、D10及びD90はそれぞれ、粒子径の分布を測定することによって得られる値である。粉体の粒子径の分布を測定した場合に、小さい側から累積10%となる粒子径をD10、小さい側から累積90%となる粒子径をD90という。このD90/D10が3以下であることから、本発明における疎水性球状シリカ微粒子の粒度分布はシャープであることを特徴とする。このように粒度分布がシャープな粒子であると、グリース組成物の低粘度化に効果がある点で好ましい。上記D90/D10は、2.9以下であることがより好ましい。
なお、本発明において、微粒子の粒度分布は、動的光散乱法/レーザードップラー法ナノトラック粒度分布測定装置(日機装株式会社製、商品名:UPA−EX150)により測定し、その体積基準メジアン径を粒子径とした。なお、メジアン径とは粒度分布を累積分布として表した時の累積50%に相当する粒子径である。
また、上記疎水性球状シリカ微粒子の平均円形度は0.8〜1が好ましい。ここで「球状」とは、真球だけでなく、若干歪んだ球も含む。このような「球状」の形状とは、粒子を二次元に投影した時の円形度で評価し、円形度が0.8〜1の範囲にあるものをいう。ここで円形度とは、(粒子面積と等しい円の周囲長)/(粒子周囲長)である。また、平均円形度は、シリカ微粒子10個の円形度を測定したものの平均値である。この円形度は電子顕微鏡等で得られる粒子像を画像解析することにより測定することができる。
上記において、親水性球状シリカ微粒子が「実質的にSiO2単位からなる」とは、該微粒子は基本的にはSiO2単位から構成されているが該単位のみから構成されている訳ではなく、少なくとも表面に通常知られているようにシラノール基を多数個有することを意味する。また、場合によっては、原料である4官能性シラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合生成物に由来する加水分解性基(ヒドロカルビルオキシ基)が一部シラノール基に転化されずに若干量そのまま微粒子表面や内部に残存していてもよいことを意味する。
以上のように、本発明においては、テトラアルコキシシランの加水分解によって得られる小粒径ゾルゲル法シリカをシリカ原体(疎水化処理前のシリカ)として、これに特定の表面処理を行なうことにより、粉体として得たときに疎水化処理後の粒子径がシリカ原体の一次粒子径を維持しており、これらの凝集を防げる。
小粒径のシリカ原体として、アルコキシ基の炭素原子数が小さいテトラアルコキシシランを用いること、溶媒として炭素原子数の小さいアルコールを用いること、加水分解温度を高めること、テトラアルコキシシランの加水分解時の濃度を低くすること、加水分解触媒の濃度を低くすることなど、反応条件を変更することにより、任意の粒子径のシリカ原体を得ることができる。
この小粒径のシリカ原体に、前述の通り、そして更に詳しく以下に述べるように、特定の表面処理を行なうことにより、所望の疎水性シリカ微粒子が得られる。
次に、上記疎水性球状シリカ微粒子の製造方法の一つについて、以下に詳細に説明する。
<成分(C)の疎水性球状シリカ微粒子の製造方法>
本発明の疎水性球状シリカ微粒子は、
工程(C1):親水性球状シリカ微粒子の合成工程、
工程(C2):3官能性シラン化合物による表面処理工程、
工程(C3):1官能性シラン化合物による表面処理工程
によって得られる。以下、各工程を順次説明する。
・工程(C1):親水性球状シリカ微粒子の合成工程
一般式(I):
Si(OR34 (I)
(式中、各R3は同一又は異種の炭素原子数1〜6の一価炭化水素基である。)
で示される4官能性シラン化合物、その部分加水分解生成物、又はこれらの混合物を、塩基性物質を含む親水性有機溶媒と水の混合液中で加水分解及び縮合することによって、親水性球状シリカ微粒子の混合溶媒分散液を得られる。
上記一般式(I)中、R3は、炭素原子数1〜6の一価炭化水素基であるが、好ましくは炭素原子数1〜4、特に好ましくは1〜2の一価炭化水素基である。R3で表される一価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基のようなアルキル基;フェニル基のようなアリール基が挙げられ、好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基、特に好ましくはメチル基又はエチル基が挙げられる。
上記一般式(I)で示される4官能性シラン化合物としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等のテトラアルコキシシラン;及びテトラフェノキシシランが挙げられ、好ましくは、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン及びテトラブトキシシラン、特に好ましくは、テトラメトキシシラン及びテトラエトキシシランが挙げられる。また、一般式(I)で示される4官能性シラン化合物の部分加水分解縮合生成物としては、例えば、メチルシリケート、エチルシリケート等のアルキルシリケートが挙げられる。
前記親水性有機溶媒としては、一般式(I)で示される4官能性シラン化合物と、この部分加水分解縮合生成物と、水とを溶解するものであれば特に制限されず、例えば、アルコール類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、酢酸セロソルブ等のセロソルブ類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類等が挙げられ、好ましくは、アルコール類、セロソルブ類であり、特に好ましくはアルコール類が挙げられる。該アルコール類としては、下記一般式(VII):
11OH (VII)
(式中、R11は炭素原子数1〜6の一価炭化水素基である。)
で示されるアルコールが挙げられる。
上記一般式(VII)中、R11は、好ましくは炭素原子数1〜4、特に好ましくは1〜2の一価炭化水素基である。R11で表される一価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等のアルキル基、好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基及びイソプロピル基、より好ましくはメチル基及びエチル基が挙げられる。一般式(VII)で示されるアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等が挙げられ、好ましくはメタノール、エタノールが挙げられる。アルコールの炭素原子数が増えると、生成する球状シリカ微粒子の粒子径が大きくなる。従って、目的とする小粒径のシリカ微粒子を得るためには、メタノールが好ましい。
また、上記塩基性物質としてはアンモニア、ジメチルアミン、ジエチルアミン等、好ましくは、アンモニア、ジエチルアミン、特に好ましくはアンモニアが挙げられる。これらの塩基性物質は、所要量を水に溶解した後、得られた水溶液(塩基性)を前記親水性有機溶媒と混合すればよい。
該塩基性物質の使用量は、一般式(I)で示される4官能性シラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合生成物のヒドロカルビルオキシ基の合計1モルに対して0.01〜2モルであることが好ましく、0.02〜0.5モルであることがより好ましく、0.04〜0.12モルであることが特に好ましい。このとき、塩基性物質の量が少ないほど所望の小粒径シリカ微粒子となる。
上記加水分解及び縮合で使用される水の量は、一般式(I)で示される4官能性シラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合生成物のヒドロカルビルオキシ基の合計1モルに対して0.5〜5モルであることが好ましく、0.6〜2モルであることがより好ましく、0.7〜1モルであることが特に好ましい。水に対する上記親水性有機溶媒の比率(親水性有機溶媒:水)は、質量比で0.5〜10であることが好ましく、3〜9であることがより好ましく、5〜8であることが特に好ましい。親水性有機溶媒の量が多いほど所望の小粒径のシリカ微粒子が得られる。
一般式(I)で示される4官能性シラン化合物等の加水分解及び縮合は、周知の方法、即ち、塩基性物質を含む親水性有機溶媒と水との混合物中に、一般式(I)で示される4官能性シラン化合物等を添加することにより行われる。
この工程(C1)で得られる親水性球状シリカ微粒子の混合溶媒分散液中のシリカ微粒子の濃度は一般に、3〜15質量%であり、好ましくは5〜10質量%である。
・工程(C2):3官能性シラン化合物による表面処理工程
工程(C1)において得られた親水性球状シリカ微粒子の混合溶媒分散液に、一般式(II):
1Si(OR43 (II)
(式中、R1は置換又は非置換の炭素原子数1〜20の一価炭化水素基、各R4は同一又は異種の炭素原子数1〜6の一価炭化水素基である。)
で示される3官能性シラン化合物、その部分加水分解生成物、又はこれらの混合物を添加して、該親水性球状シリカ微粒子の表面をこれにより処理することにより、前記親水性球状シリカ微粒子の表面にR1SiO3/2単位(R1は前記の通りである)を導入して、第一の疎水性球状シリカ微粒子の混合溶媒分散液を得る。
本工程(C2)は、次の工程である濃縮工程においてシリカ微粒子の凝集を抑制するために不可欠である。凝集を抑制できないと、得られるシリカ系粉体の個々の粒子は一次粒子径を維持できないため、流動性付与能が悪くなる。
上記一般式(II)中、R1は、好ましくは炭素原子数1〜3、特に好ましくは1〜2の一価炭化水素基である。R1で表される一価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ヘキシル基等のアルキル基、好ましくは、メチル基、エチル基、n−プロピル基又はイソプロピル基、特に好ましくは、メチル基又はエチル基が挙げられる。また、これらの一価炭化水素基の水素原子の一部又は全部が、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、好ましくはフッ素原子で置換されていてもよい。
上記一般式(II)中、R4は、好ましくは炭素原子数1〜3、特に好ましくは1〜2の一価炭化水素基である。R4で表される一価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、好ましくは、メチル基、エチル基又はプロピル基、特に好ましくは、メチル基又はエチル基が挙げられる。
一般式(II)で示される3官能性シラン化合物としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン等の非置換若しくはハロゲン置換のトリアルコキシシラン等、好ましくは、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン及びエチルトリエトキシシラン、より好ましくは、メチルトリメトキシシラン及びメチルトリエトキシシラン、又は、これらの部分加水分解縮合生成物が挙げられる。
一般式(II)で示される3官能性シラン化合物の添加量は、使用された親水性球状シリカ微粒子のSi原子1モル当り0.001〜1モル、好ましくは0.01〜0.1モル、特に好ましくは0.01〜0.05モルである。添加量が0.001モルより少ないと、得られる疎水性球状シリカ微粒子の分散性が悪くなるため、窒化ホウ素への流動性化付与効果が現れず、1モルより多いとシリカ微粒子の凝集が生じるおそれがある。
この工程(C2)で得られる第一の疎水性球状シリカ微粒子の混合溶媒分散液中の該シリカ微粒子の濃度は通常3質量%以上15質量%未満、好ましくは5〜10質量%である。かかる濃度が低すぎると生産性が低下してしまうという不都合があり、高すぎるとシリカ微粒子の凝集が生じてしまうという不都合がある。
・濃縮工程
このようにして得られた第一の疎水性球状シリカ微粒子の混合溶媒分散液から前記親水性有機溶媒と水の一部を除去し、濃縮することにより、第一の疎水性球状シリカ微粒子の混合溶媒濃縮分散液を得る。この際、疎水性有機溶媒をあらかじめ(濃縮工程前)、或いは濃縮工程中に加えてもよい。この際、使用する疎水性溶媒としては、炭化水素系又はケトン系溶媒が好ましい。具体的には該溶媒として、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられ、メチルイソブチルケトンが好ましい。前記親水性有機溶媒と水の一部を除去する方法としては、例えば留去、減圧留去などが挙げられる。得られる濃縮分散液はシリカ微粒子濃度が15〜40質量%であることが好ましく、20〜35質量%であることがより好ましく、25〜30質量%であることが特に好ましい。15質量%より少ないと後工程の表面処理が円滑に進まないことがあり、40質量%より大きいとシリカ微粒子の凝集が生じてしまうことがある。
濃縮工程は、次の工程(C3)において表面処理剤として使用される一般式(III)で表されるシラザン化合物及び一般式(IV)で表される1官能性シラン化合物がアルコールや水と反応して表面処理が不十分となり、その後に乾燥を行った時に凝集を生じ、得られるシリカ粉体は一次粒子径を維持できず、流動性付与能が悪くなる、といった不具合を抑制するという意義もある。
・工程(C3):1官能性シラン化合物による表面処理工程
工程(C2)で得られた第一の疎水性球状シリカ微粒子の混合溶媒分散液又は前記濃縮分散液に、一般式(III):
2 3SiNHSiR2 3 (III)
(式中、各R2は同一又は異種の置換又は非置換の炭素原子数1〜6の一価炭化水素基である。)
で示されるシラザン化合物、又は一般式(IV):
2 3SiX (IV)
(式中、R2は一般式(III)で定義した通りであり、XはOH基又は加水分解性基である。)
で示される1官能性シラン化合物又はこれらの混合物を添加し、これにより前記第一の疎水性球状シリカ微粒子の表面を処理し、該微粒子の表面にR2 3SiO1/2単位(但し、R2は一般式(III)で定義の通り)を導入することにより、第二の疎水性球状シリカ微粒子を得る。この工程の処理により、第一の疎水性球状シリカ微粒子の表面に残存するシラノール基をトリオルガノシリル化する形でR2 3SiO1/2単位が該表面に導入される。
上記一般式(III)及び(IV)中、R2は、好ましくは炭素原子数1〜4、特に好ましくは1〜2の一価炭化水素基である。R2で表される一価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等のアルキル基、好ましくは、メチル基、エチル基又はプロピル基、特に好ましくは、メチル基又はエチル基が挙げられる。また、これらの一価炭化水素基の水素原子の一部又は全部が、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、好ましくは、フッ素原子で置換されていてもよい。
Xで表される加水分解性基としては、例えば、塩素原子、アルコキシ基、アミノ基、アシルオキシ基が挙げられ、好ましくはアルコキシ基又はアミノ基、特に好ましくはアルコキシ基が挙げられる。
一般式(III)で示されるシラザン化合物としては、例えば、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサエチルジシラザン等、好ましくはヘキサメチルジシラザンが挙げられる。一般式(IV)で示される1官能性シラン化合物としては、例えば、トリメチルシラノール、トリエチルシラノール等のモノシラノール化合物;トリメチルクロロシラン、トリエチルクロロシラン等のモノクロロシラン;トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン等のモノアルコキシシラン;トリメチルシリルジメチルアミン、トリメチルシリルジエチルアミン等のモノアミノシラン;トリメチルアセトキシシラン等のモノアシルオキシシランが挙げられ、好ましくは、トリメチルシラノール、トリメチルメトキシシラン又はトリメチルシリルジエチルアミン、特に好ましくは、トリメチルシラノール又はトリメチルメトキシシランが挙げられる。
前記シラザン化合物及び/又は1官能性シラン化合物の使用量は、使用した親水性球状シリカ微粒子のSi原子1モルに対して0.1〜0.5モル、好ましくは0.2〜0.4モル、特に好ましくは0.25〜0.35モルである。使用量が0.1モルより少ないと、得られる疎水性シリカ微粒子の分散性が悪くなるし、使用量が0.5モルより多いと、経済的に不利である。
上記疎水性球状シリカ微粒子は、常圧乾燥、減圧乾燥等の常法によって粉体として得られる。
成分(C)の、成分(B)に対する配合量は、0.01〜10質量%であることがよく、好ましくは0.05〜5質量%であり、より好ましくは0.1〜3質量%である。0.01質量%より少ないとグリース組成物の低粘度化効果がなくなるし、10質量%を超えるとグリース組成物の粘度がかえって上がるし、また熱伝導率が悪くなるおそれがあり、更に不経済でもある。
他の成分
また、本発明のシリコーン組成物は、必要に応じて、従来公知の酸化防止剤、染料、顔料、難燃剤、沈降防止剤、又はチクソ性向上剤等を、本発明の目的を損なわない範囲で配合することができる。
更に、本組成物は、硬化剤を配合することにより、硬化性の組成物とすることができる。
この場合、成分(A)としてアルケニル基含有オルガノポリシロキサンを用い、組成物を付加反応(ヒドロシリル化反応)により硬化する場合には、この硬化剤は、一分子中に平均2個以上のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと白金系触媒からなるものが配合される。このオルガノハイドロジェンポリシロキサン中のケイ素原子結合に結合している基としては、前記式(V)と同様の直鎖状アルキル基、分岐鎖状アルキル基、環状アルキル基、アリール基、アラルキル基、ハロゲン化アルキル基が例示され、好ましくはアルキル基、アリール基であり、特に好ましくはメチル基、フェニル基である。また、このオルガノハイドロジェンポリシロキサンの25℃における粘度は限定されないが、好ましくは1〜100,000mm2/sの範囲内であり、特に好ましくは1〜5,000mm2/sの範囲内である。このオルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子構造は限定されず、例えば、直鎖状、分岐鎖状、一部分岐を有する直鎖状、環状、樹枝状(デンドリマー状)が挙げられる。このオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、例えば、これらの分子構造を有する単一重合体、これらの分子構造からなる共重合体、又はこれらの混合物であってもよい。
このようなオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、例えば、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサンコポリマー、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサンコポリマー、式:(CH33SiO1/2で表されるシロキサン単位と式:(CH32HSiO1/2で表されるシロキサン単位と式:SiO4/2で表されるシロキサン単位からなるオルガノシロキサンコポリマー、及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
本組成物において、このオルガノハイドロジェンポリシロキサンの含有量は、本組成物の硬化に必要な量であり、具体的には、成分(A)中のケイ素原子結合アルケニル基1モルに対して、本成分中のケイ素原子結合水素原子が0.1〜10モルの範囲内となる量であることが好ましく、更に、0.1〜5モルの範囲内となる量であることが好ましく、特に、0.1〜3.0モルの範囲内となる量であることが好ましい。これは、本成分の含有量が上記範囲の下限未満となる量であると、得られるシリコーン組成物が十分に硬化しなくなる傾向があり、一方、上記範囲の上限を超えると、得られるシリコーン硬化物が非常に硬質となり、表面に多数のクラックを生じたりする傾向があるからである。
また、白金系触媒は本組成物の硬化を促進するための触媒であり、例えば、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール溶液、白金のオレフィン錯体、白金のアルケニルシロキサン錯体、白金のカルボニル錯体が挙げられる。
本組成物において、白金系触媒の含有量は、本組成物の硬化に必要な量であり、具体的には、成分(A)のアルケニル基含有オルガノポリシロキサンに対して本成分中の白金金属が質量単位で0.01〜1,000ppmの範囲内となる量であることが好ましく、特に、0.1〜500ppmの範囲内となる量であることが好ましい。これは、本成分の含有量が上記範囲の下限未満であると、得られるシリコーン組成物が十分に硬化しなくなる傾向があり、一方、上記範囲の上限を超える量を配合しても得られるシリコーン組成物の硬化速度は顕著に向上しなくなる傾向があるからである。
また、本組成物の硬化速度を調節し、取扱作業性を向上させるため、2−メチル−3−ブチン−2−オール、2−フェニル−3−ブチン−2−オール、1−エチニル−1−シクロヘキサノール等のアセチレン系化合物;3−メチル−3−ペンテン−1−イン、3,5−ジメチル−3−ヘキセン−1−イン等のエン−イン化合物;その他、ヒドラジン系化合物、フォスフィン系化合物、メルカプタン系化合物等の硬化反応抑制剤を含有することが好ましい。この硬化反応抑制剤の含有量は限定されないが、成分(A)100質量部に対して0.0001〜1.0質量部の範囲内であることが好ましい。
また、成分(A)として分子鎖末端がヒドロキシル基又はアルコキシ基で封鎖されたオルガノポリシロキサンを用い、組成物を縮合反応により硬化する場合には、硬化剤は、一分子中に少なくとも3個のケイ素原子結合加水分解性基を有するシランもしくはシロキサンオリゴマー、及び必要に応じて縮合反応用触媒からなることを特徴とする。このシラン中のケイ素原子結合加水分解性基としては、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アシロキシ基、ケトオキシム基、アルケノキシ基、アミノ基、アミノキシ基、アミド基が例示される。また、このシランのケイ素原子には上記の加水分解性基以外に、例えば、直鎖状アルキル基、分岐鎖状アルキル基、環状アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、ハロゲン化アルキル基を結合していてもよい。このようなシランもしくはシロキサンオリゴマーとしては、例えば、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、メチルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン、ビニルトリアセトキシシラン、エチルオルソシリケートが挙げられる。
このシランもしくはシロキサンオリゴマーの含有量は、本組成物の硬化に必要な量であり、具体的には、成分(A)のヒドロキシ基又はアルコキシ基末端封鎖オルガノポリシロキサン100質量部に対して0.01〜20質量部の範囲内であることが好ましく、特には、0.1〜10質量部の範囲内であることが好ましい。これは、このシランもしくはシロキサンオリゴマーの含有量が上記範囲の下限未満の量であると、得られる組成物の貯蔵安定性が低下したり、また、接着性が低下する傾向があり、一方、上記範囲の上限を超える量であると、得られる組成物の硬化が著しく遅くなったりする傾向があるからである。
また、縮合反応用触媒は任意の成分であり、例えば、アミノキシ基、アミノ基、ケトオキシム基等の加水分解性基を有するシランを硬化剤として用いる場合には必須ではない。このような縮合反応用触媒としては、例えば、テトラブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート等の有機チタン酸エステル;ジイソプロポキシビス(アセチルアセテート)チタン、ジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)チタン等の有機チタンキレート化合物;アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)等の有機アルミニウム化合物;ジルコニウムテトラ(アセチルアセトネート)、ジルコニウムテトラブチレート等の有機ジルコニウム化合物;ジブチルスズジオクトエート、ジブチルスズジラウレート、ブチルスズ−2−エチルヘキソエート等の有機スズ化合物;ナフテン酸スズ、オレイン酸スズ、ブチル酸スズ、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸亜鉛等の有機カルボン酸の金属塩;ヘキシルアミン、燐酸ドデシルアミン等のアミン化合物、及びその塩;ベンジルトリエチルアンモニウムアセテート等の4級アンモニウム塩;酢酸カリウム等のアルカリ金属の低級脂肪酸塩;ジメチルヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン等のジアルキルヒドロキシルアミン;グアニジル基含有有機ケイ素化合物が挙げられる。
本組成物において、この縮合反応用触媒の含有量は任意量であり、本組成物の硬化に必要な量であればよく、具体的には、成分(A)のヒドロキシ基又はアルコキシ基末端封鎖オルガノポリシロキサン100質量部に対して0.01〜20質量部の範囲内であることが好ましく、特に、0.1〜10質量部の範囲内であることが好ましい。これは、この触媒が必須である場合、この触媒の含有量が上記範囲の下限未満の量であると、得られる組成物が十分に硬化しなくなる傾向があり、一方、上記範囲の上限をこえると、得られる組成物の貯蔵安定性が低下する傾向があるからである。
また、本組成物が有機過酸化物によるフリーラジカル反応により硬化する場合には、硬化剤は有機過酸化物である。この場合、成分(A)としては、付加反応硬化型組成物に用いる場合と同様のアルケニル基含有オルガノポリシロキサンを用いることが好ましい。この有機過酸化物としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ジ(p−メチルベンゾイル)パーオキサイド、ジ(o−メチルベンゾイル)パーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエートが挙げられる。この有機過酸化物の含有量は、本組成物の硬化に必要な量であり、具体的には、成分(A)のアルケニル基含有オルガノポリシロキサン100質量部に対して0.1〜5質量部の範囲内となる量であることが好ましい。
また、本組成物が硬化性の組成物である場合、それを硬化させる方法は限定されず、例えば、本組成物を成形後、室温で放置する方法、本組成物を成形後、50〜200℃に加熱する方法が挙げられる。また、このようにして得られるシリコーン硬化物の性状は限定されないが、例えば、ゲル状、低硬度のゴム状、或いは高硬度のゴム状が挙げられ、得られるシリコーン硬化物を放熱材料として部材に十分に密着させることができる。
本発明のシリコーン組成物の製造方法は、従来公知のシリコーングリース組成物の製造方法に従えばよく、特に制限されるものでない。例えば、上記成分(A)〜(C)、及び必要に応じてその他の成分を、トリミックス、ツウィンミックス、プラネタリミキサー(いずれも井上製作所(株)製混合機、登録商標)、ウルトラミキサー(みずほ工業(株)製混合機、登録商標)、ハイビスディスパーミックス(特殊機化工業(株)製混合機、登録商標)等の混合機にて30分〜4時間混合することにより製造することができる。また、必要に応じて、50〜150℃の範囲の温度で加熱しながら混合してもよい。
本発明のシリコーン組成物は、25℃にて測定される絶対粘度10〜600Pa・s、好ましくは50〜500Pa・s、更には50〜400Pa・s、特には50〜350Pa・sを有するのがよい。絶対粘度が上記範囲内であることにより良好なグリースを提供でき、また作業性にも優れる。絶対粘度が上記上限値より高いと作業性が悪くなるおそれがある。絶対粘度が上記下限値より小さいと、各種基材上に塗布した後、組成物が流れ出してしまい耐ズレ性の効果が発揮できないおそれがある。該絶対粘度は、各成分を上述した配合量で調整することにより得ることができる。上記絶対粘度は、株式会社マルコム製の型番PC−1TL(10rpm)を用いて測定される。
本発明のシリコーン組成物は、25℃にて1.0W/mK以上、好ましくは2.0W/mK以上、更に好ましくは3.0W/mK以上の高い熱伝導率を有することができる。熱伝導率の上限は特に制限されないが、通常10W/mK未満、特には8W/mK未満である。該熱伝導率は、京都電子工業株式会社製のTPA−501を用いて測定できる。
本発明のシリコーン組成物はグリースとして使用することができる。本発明のシリコーン組成物をグリースとして使用する態様は特に制限されるものでなく、従来の放熱用(熱伝導性)シリコーングリースと同様の方法で使用すればよい。例えば、LSI等の電気・電子部品やその他の発熱部材と、冷却部材又は放熱部材との間に該グリースを挟み、発熱部材からの熱を冷却部材や放熱部材に伝熱して放熱する態様にて好適に用いることができる。本発明のシリコーン組成物は、低粘度であり、熱伝導率が高く、かつ耐ズレ性が極めて優れているため、高品位機種の半導体装置等に対する放熱用(熱伝導性)グリースとして好適に使用することができる。
また、本発明のシリコーン組成物を成型して熱伝導性シートとして用いることができる。本発明のシリコーン組成物を熱伝導性シートとして使用する態様は特に制限されるものでなく、従来の熱伝導性シートと同様の方法で用いればよい。また使用部位としては、前述の放熱用グリースと基本的に同じ用途にて使用することができる。また予め、プレス等で硬化させてシート状にしてから使用してもよいし、発熱部位と放熱部位の間に挟みこんでから硬化させてもよい。
以下、実施例、参考例及び比較例を示し、本発明をより詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。実施例、参考例及び比較例で使用した各成分を以下に記載する。
成分(A)液状シリコーン
(A−1)
Figure 0006183319
(動粘度5,000mm2/s)
(A−2)
Figure 0006183319
(動粘度390mm2/s)
(A−3)
Figure 0006183319
(動粘度35mm2/s)
成分(B)熱伝導性充填剤
下記において、成分(B)の熱伝導性充填剤の平均粒子径は、日機装株式会社製の粒度分析計であるマイクロトラックMT3300EXを用いて測定した体積基準の累積平均径である。
(B−1) アルミニウム粉末:平均粒子径20μm
(B−2) 酸化亜鉛粉末:平均粒子径1.0μm
(B−3) アルミナ粉末:平均粒子径8.9μm
成分(C)疎水性球状シリカ微粒子
成分(C)は以下のようにして疎水化微粒子(1)〜(6)を用意した(表1に記載)。尚、そのうち(5)及び(6)は比較例用である。
[疎水性球状シリカ微粒子の合成]
[合成例1]
・工程(C1):親水性球状シリカ微粒子の合成工程
撹拌機と、滴下ロートと、温度計とを備えた3リットルのガラス製反応器にメタノール989.5gと、水135.5gと、28質量%アンモニア水66.5gとを入れて混合した。この溶液を35℃となるように調整し、撹拌しながらテトラメトキシシラン436.5g(2.87モル)を6時間かけて滴下した。この滴下が終了した後も、更に0.5時間撹拌を継続して加水分解を行うことにより、親水性球状シリカ微粒子の懸濁液を得た。
・工程(C2):3官能性シラン化合物による表面処理工程
上で得られた懸濁液に室温でメチルトリメトキシシラン4.4g(0.03モル)を0.5時間かけて滴下し、滴下後も12時間撹拌を継続し、シリカ微粒子表面を疎水化処理することにより、疎水性球状シリカ微粒子の分散液を得た。
次いで、ガラス製反応器にエステルアダプターと冷却管とを取り付け、前工程で得られた分散液を60〜70℃に加熱してメタノールと水の混合物1,021gを留去し、疎水性球状シリカ微粒子の混合溶媒濃縮分散液を得た。このとき、濃縮分散液中の疎水性球状シリカ微粒子の含有量は28質量%であった。
・工程(C3):1官能性シラン化合物による表面処理工程
前工程で得られた濃縮分散液に、室温において、ヘキサメチルジシラザン138.4g(0.86モル)を添加した後、この分散液を50〜60℃に加熱し、9時間反応させることにより、該分散液中のシリカ微粒子をトリメチルシリル化した。次いで、この分散液中の溶媒を130℃、減圧下(6,650Pa)で留去することにより、疎水性球状シリカ微粒子(1)186gを得た。
工程(C1)で得られた親水性球状シリカ微粒子について、下記の測定方法1に従って測定を行った。また、上記の工程(C1)〜(C3)の各段階を経て得られた疎水性球状シリカ微粒子について、下記の測定方法2〜3に従って測定を行った。得られた結果を表1に示す。
[測定方法1〜3]
1.工程(C1)で得られた親水性球状シリカ微粒子の粒子径測定
メタノールにシリカ微粒子懸濁液を、シリカ微粒子が0.5質量%となるように添加し、10分間超音波にかけることにより、該微粒子を分散させた。このように処理した微粒子の粒度分布を、動的光散乱法/レーザードップラー法ナノトラック粒度分布測定装置(日機装株式会社製、商品名:UPA−EX150)により測定し、その体積基準メジアン径を粒子径とした。なお、メジアン径とは粒度分布を累積分布として表した時の累積50%に相当する粒子径である。
2.工程(C3)において得られた疎水性球状シリカ微粒子の粒子径測定及び粒度分布D90/D10の測定
メタノールにシリカ微粒子を、0.5質量%となるように添加し、10分間超音波にかけることにより、該微粒子を分散させた。このように処理した微粒子の粒度分布を、動的光散乱法/レーザードップラー法ナノトラック粒度分布測定装置(日機装株式会社製、商品名:UPA−EX150)により測定し、その体積基準メジアン径を粒子径とした。粒度分布D90/D10の測定は、上記粒子径測定した際の分布において小さい側から累積が10%となる粒子径をD10、小さい側から累積が90%となる粒子径をD90とし、測定された値からD90/D10を計算した。
3.疎水性球状シリカ微粒子の形状測定
電子顕微鏡(日立製作所製、商品名:S−4700型、倍率:10万倍)によって観察を行い、形状を確認した。「球状」とは、真球だけでなく、若干歪んだ球も含む。なおこのような粒子の形状は、粒子を二次元に投影した時の円形度で評価し、円形度が0.8〜1の範囲にあるものとする。ここで円形度とは、(粒子面積と等しい円の周囲長)/(粒子周囲長)である。なお、円形度は、粒子10個を測定した結果の平均値である。
[合成例2]
合成例1において、工程(C1)でメタノール、水、及び28質量%アンモニア水の量を、メタノール1,045.7g、水112.6g、28質量%アンモニア水33.2gに変えたこと以外は同様にして、疎水性球状シリカ微粒子(2)188gを得た。この疎水性球状シリカ微粒子を用いて合成例1における測定と同様に測定した。この結果を表1に示す。
[合成例3]
・工程(C1):
撹拌機、滴下ロート及び温度計を備えた3リットルのガラス製反応器に、メタノール623.7g、水41.4g、28質量%アンモニア水49.8gを添加して混合した。この溶液を35℃に調整し、撹拌しながら該溶液にテトラメトキシシラン1,163.7g及び5.4質量%アンモニア水418.1gを同時に添加開始し、前者は6時間、そして後者は4時間かけて滴下した。テトラメトキシシラン滴下後も0.5時間撹拌を続けて加水分解を行い、シリカ微粒子の懸濁液を得た。
・工程(C2):
こうして得られた懸濁液に室温でメチルトリメトキシシラン11.6g(テトラメトキシシランに対してモル比で0.01相当量)を0.5時間かけて滴下し、滴下後も12時間撹拌して、シリカ微粒子表面の処理を行った。
該ガラス製反応器にエステルアダプターと冷却管を取り付け、上記の表面処理を施したシリカ微粒子を含む分散液にメチルイソブチルケトン1,440gを添加した後、80〜110℃に加熱して、メタノール水を7時間かけて留去した。
・工程(C3):
こうして得られた分散液に、室温でヘキサメチルジシラザン357.6gを添加し、120℃に加熱し、3時間反応させて、シリカ微粒子をトリメチルシリル化した。その後溶媒を減圧下で留去して球状疎水性シリカ微粒子(3)472gを得た。
こうして得られたシリカ微粒子(3)について、合成例1と同様の測定を行った。結果を表1に示す。
[合成例4]
シリカ微粒子の合成の際に、テトラメトキシシランの加水分解温度を35℃の代りに20℃とした以外は、合成例3と同様にして各工程を行ったところ、疎水性球状シリカ微粒子(4)469gを得た。この疎水性球状シリカ微粒子(4)を用いて合成例1と同様の測定を行った。この結果を表1に示す。
[比較合成例1]
撹拌機と温度計とを備えた0.3リットルのガラス製反応器に爆燃法シリカ(商品名:SOC1、アドマテクス社製)100gを仕込み、純水1gを撹拌下で添加し、密閉後、更に60℃で10時間撹拌した。次いで、室温まで冷却した後、ヘキサメチルジシラザン2gを撹拌下で添加し、密閉後、更に24時間撹拌した。120℃に昇温し、窒素ガスを通気しながら残存原料及び生成したアンモニアを除去し、疎水性球状シリカ微粒子(5)100gを得た。
得られたシリカ微粒子(5)について、合成例1と同様の測定を行った。結果を表1に示す。
[比較合成例2]
撹拌機と温度計とを備えた0.3リットルのガラス製反応器に爆燃法シリカ(商品名:SOC1、アドマテクス社製)100gを仕込み、純水1gを撹拌下で添加し、密閉後、更に60℃で10時間撹拌した。次いで、室温まで冷却した後、メチルトリメトキシシラン1gを撹拌下で添加し、密閉後、更に24時間撹拌した。次にヘキサメチルジシラザン2gを撹拌下で添加し、密閉後、更に24時間撹拌した。120℃に昇温し、窒素ガスを通気しながら残存原料及び生成したアンモニアを除去し、疎水性球状シリカ微粒子(6)101gを得た。得られたシリカ微粒子(6)について、合成例1と同様の測定を行った。結果を表1に示す。
Figure 0006183319
<注>
1)工程(C1)で得られた分散液の親水性球状シリカ微粒子の粒子径
2)最終的に得られた疎水性シリカ微粒子の粒子径
[実施例1〜4、参考例1及び比較例1〜3]
シリコーン組成物の調製
上記成分(A)〜(C)を、表2、3に示す組成及び配合量に従い、容量5リットルのプラネタリーミキサー(井上製作所(株)製、登録商標)に投入し、150℃にて1時間撹拌してシリコーン組成物を製造した。
上記方法で得られた各シリコーン組成物について、下記の方法に従い、粘度、熱伝導率を測定した。結果を表2及び表3に示す。
[粘度/作業性の判定]
各組成物の絶対粘度を、株式会社マルコム製の型番PC−1TL(10rpm)を用いて25℃にて測定した。
粘度が600Pa・sを超えると、ディスペンス塗布などの作業性が極端に悪くなるため、600Pa・s未満の場合を「○」、600Pa・sを超えると「×」と判定した。
[熱伝導率]
各組成物の熱伝導率を、京都電子工業株式会社製のTPA−501を用いて25℃にて測定した。
Figure 0006183319
Figure 0006183319
参考例2
<熱伝導性シートの作
下記記載の成分(A−4)を60質量部及び成分(A−3)を30質量部と、成分(B−1)、(B−2)をそれぞれ1,000質量部、250質量部、更に、疎水性シリカ微粒子(1)を0.5質量部を、容量5リットルのプラネタリーミキサー(井上製作所(株)製、登録商標)に投入し、150℃にて1時間撹拌して混合物を得た。その混合物の冷却後、1−エチニル−1−シクロヘキサノールの50質量%トルエン溶液0.45質量部、白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体を下記成分(A−4)と同じジメチルポリシロキサンに溶解した溶液(白金原子含有量:1質量%)0.15質量部を順次添加し、各15分間撹拌した。更に、成分(A−5)を10質量部添加し、シリコーン組成物を得た。このシリコーン組成物を金型を用いて、プレス成型(150℃/60分間)によりシート化して、熱伝導性シート(厚み2.0mm)を作成した。
(評価)
上記熱伝導性シートについて熱伝導率、並びに、熱伝導性シートの取り扱い性について指触にて判定した。取り扱いが問題ないものを「○」、シートが脆く取り扱いが困難なものを「×」とした。なお、熱伝導率は、2mmシートを5枚重ねて、同様に京都電子工業株式会社製のTPA−501を用いて25℃にて測定した。
[比較例4]
疎水性シリカ微粒子(1)を入れない以外は全て参考例2と同じにして熱伝導性シートを作し、同様に評価した。その結果を表4に示す。
Figure 0006183319
成分(A)
(A−3)
Figure 0006183319
(動粘度35mm2/s)
(A−4):両末端がジメチルビニルシリル基で封鎖され、25℃における動粘度が600mm2/sのジメチルポリシロキサン
(A−5):下記式に示される、25℃における動粘度が、27mm2/sのハイドロジェンポリシロキサン
Figure 0006183319

成分(B)
(B−1) アルミニウム粉末:平均粒子径20μm
(B−2) 酸化亜鉛粉末:平均粒子径1.0μm
成分(C)
表1の疎水性シリカ微粒子(1)

Claims (8)

  1. (A)液状シリコーン、(B)熱伝導性充填剤、(C)疎水性球状シリカ微粒子を含む熱伝導性シリコーン組成物であって、
    上記成分(A)が、
    下記平均組成式(V)
    5 a SiO (4-a)/2 (V)
    (式中、R 5 は互いに独立に、炭素原子数1〜18の、飽和又は不飽和の、非置換又は置換の一価炭化水素基であり、1.8≦a≦2.2である。)
    で表される、25℃における動粘度が10〜500,000mm 2 /sのオルガノポリシロキサンと、
    下記一般式(VI)
    Figure 0006183319

    (式中、R 6 は炭素原子数1〜6のアルキル基であり、R 7 は互いに独立に、炭素原子数1〜18の、飽和又は不飽和の、非置換又は置換の一価炭化水素基であり、bは5〜120の整数である。)
    で表される加水分解性基含有オルガノポリシロキサンとを含み、
    上記成分(C)の疎水性球状シリカ微粒子が、4官能性シラン化合物、その部分加水分解縮合生成物又はこれらの混合物を加水分解及び縮合することによって得られた実質的にSiO2単位からなる親水性球状シリカ微粒子の表面にR1SiO3/2単位(R1は置換又は非置換の炭素原子数1〜20の一価炭化水素基である)が導入され、更にR2 3SiO1/2単位(各R2は同一又は異なり、置換又は非置換の炭素原子数1〜6の一価炭化水素基である)が導入されたものであり、粒子径が0.005〜1μmの範囲で、粒度分布D90/D10の値が3以下であり、かつ平均円形度が0.8〜1である疎水性球状シリカ粒子であることを特徴とする熱伝導性シリコーン組成物(但し、白金及び白金化合物からなる群より選択される触媒を含む加熱硬化型のものを除く。)。
  2. 前記平均組成式(V)で表されるオルガノポリシロキサンが、分子鎖末端が水酸基又はアルコキシ基で封鎖されたものであり、縮合反応硬化型である請求項記載の熱伝導性シリコーン組成物。
  3. 更に、一分子中に少なくとも3個のケイ素原子結合加水分解性基を有するシランもしくはシロキサンオリゴマーを含有する請求項記載の熱伝導性シリコーン組成物。
  4. (A)液状シリコーン、(B)熱伝導性充填剤、(C)疎水性球状シリカ微粒子を含む熱伝導性シリコーン組成物であって、
    上記成分(A)が、
    下記平均組成式(V)
    5 a SiO (4-a)/2 (V)
    (式中、R 5 は互いに独立に、炭素原子数1〜18の、飽和又は不飽和の、非置換又は置換の一価炭化水素基であり、1.8≦a≦2.2である。)
    で表される、25℃における動粘度が10〜500,000mm 2 /sのオルガノポリシロキサンと、
    下記一般式(VI)
    Figure 0006183319

    (式中、R 6 は炭素原子数1〜6のアルキル基であり、R 7 は互いに独立に、炭素原子数1〜18の、飽和又は不飽和の、非置換又は置換の一価炭化水素基であり、bは5〜120の整数である。)
    で表される加水分解性基含有オルガノポリシロキサンとを含み、
    上記成分(C)の疎水性球状シリカ微粒子が、4官能性シラン化合物、その部分加水分解縮合生成物又はこれらの混合物を加水分解及び縮合することによって得られた実質的にSiO 2 単位からなる親水性球状シリカ微粒子の表面にR 1 SiO 3/2 単位(R 1 は置換又は非置換の炭素原子数1〜20の一価炭化水素基である)が導入され、更にR 2 3 SiO 1/2 単位(各R 2 は同一又は異なり、置換又は非置換の炭素原子数1〜6の一価炭化水素基である)が導入されたものであり、粒子径が0.005〜1μmの範囲で、粒度分布D 90 /D 10 の値が3以下であり、かつ平均円形度が0.8〜1である疎水性球状シリカ粒子であることを特徴とする熱伝導性シリコーン組成物(但し、硬化剤を含む硬化性の組成物を除く)。
  5. 成分(C)の疎水性球状シリカ微粒子が、
    (C1)一般式(I):
    Si(OR34 (I)
    (式中、各R3は同一又は異種の炭素原子数1〜6の一価炭化水素基である。)
    で示される4官能性シラン化合物、その部分加水分解生成物又はこれらの混合物を、塩基性物質の存在下、親水性有機溶媒と水の混合液中で加水分解及び縮合することによって実質的にSiO2単位からなる親水性球状シリカ微粒子の混合溶媒分散液を得、
    (C2)得られた該親水性球状シリカ微粒子の混合溶媒分散液に、一般式(II):
    1Si(OR43 (II)
    (式中、R1は置換又は非置換の炭素原子数1〜20の一価炭化水素基、各R4は同一又は異種の炭素原子数1〜6の一価炭化水素基である。)
    で示される3官能性シラン化合物、その部分加水分解生成物、又はこれらの混合物を添加して前記親水性球状シリカ微粒子の表面を処理することにより、該親水性球状シリカ微粒子の表面にR1SiO3/2単位(R1は前記の通りである)を導入して第一の疎水性球状シリカ微粒子の混合溶媒分散液を得、
    (C3)得られた該第一の疎水性球状シリカ微粒子の混合溶媒分散液に、一般式(III):
    2 3SiNHSiR2 3 (III)
    (式中、各R2は同一又は異種の置換又は非置換の炭素原子数1〜6の一価炭化水素基である。)
    で示されるシラザン化合物、一般式(IV):
    2 3SiX (IV)
    (式中、R2は一般式(III)で定義した通りであり、XはOH基又は加水分解性基である。)
    で示される1官能性シラン化合物、又はこれらの混合物を添加して、前記第一の疎水性球状シリカ微粒子の表面をこれにより処理して、該第一の疎水性球状シリカ微粒子の表面にR2 3SiO1/2単位(R2は一般式(III)で定義した通りである)を導入することにより第二の疎水性シリカ微粒子として得られるものである、請求項1〜4のいずれか1項記載の熱伝導性シリコーン組成物。
  6. 前記平均組成式(V)で表されるオルガノポリシロキサンが、下記式(i)及び/又は下記式(ii)で表される直鎖状オルガノポリシロキサンである請求項1〜5のいずれか1項記載の熱伝導性シリコーン組成物。
    Figure 0006183319
    (式中、R8は互いに独立に、炭素原子数1〜18の、飽和又は不飽和の、非置換又は置換の一価炭化水素基であり、mは該オルガノポリシロキサンの25℃での動粘度を10〜500,000mm2/sとする数である。)
    Figure 0006183319
    (式中、R9は炭素原子数8〜18の置換又は非置換のアルキル基であり、R10は互いに独立に、炭素原子数1〜18の、飽和又は不飽和の、非置換又は置換の一価炭化水素基である。m1は1〜200、m2は1〜100の整数である。)
  7. 成分(B)の配合量が成分(A)100質量部に対して500〜3,000質量部であり、成分(C)の配合量が成分(B)に対して0.01〜10質量%である請求項1〜のいずれか1項記載の熱伝導性シリコーン組成物。
  8. 請求項1〜のいずれか1項記載の熱伝導性シリコーン組成物を成型してなる熱伝導性シート。
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