JP6170985B2 - 無機偏光板及びその製造方法 - Google Patents
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Description
また、特許文献2には、アルミニウムを塩素プラズマにより除去すると記述されているが、通常そのようにエッチングした場合には、アルミニウムパターンの側壁に塩化物が付着する。市販のウエットエッチング液(例えば、東京応化工業のSST−A2)により塩化物の除去が可能であるが、アルミニウム塩化物に反応するこのような薬液は、アルミニウムにもエッチング速度は遅いながらも反応はするので、述べられているような方法で所望のパターン形状を実現することは難しい。
さらに、特許文献2には、別な方法として、パターン化されたフォトレジスト上に斜め成膜によりアルミニウムを堆積し、フォトレジストを除去する方法が記述されている(段落[0045]、[0047])。しかし、このような方法では、基板とアルミニウムとの密着性を得るために、ある程度基板面にもアルミニウムを堆積する必要があるものと考えられる。しかし、これは堆積したアルミニウム膜の形状が段落[0015]に記述されている適当な形状である扁長の楕円体を含む扁長の球体とは異なることを意味する。また、段落[0047]には、表面に垂直な異方性エッチングにより過沈積分を除去すると記述されている。偏光板として機能させるには、アルミニウムの形状異方性は極めて重要である。従って、レジスト部と基板面とに堆積するアルミニウムの量をエッチングにより所望の形状が得られるように調整する必要があると考えられるが、段落[0047]に記述されているような0.05μmというサブミクロン以下のサイズでこれらを制御することは非常に困難と考えられ、生産性の高い製作方法として適しているか疑問である。また、偏光板の特性として透過軸方向については高い透過率が求められるが、通常、基板にガラスを用いた場合、ガラス界面から数%の反射は避けられず、高い透過率を得ることは難しい。
<1> 使用帯域の光に対して透明な基板と、複数の線状金属層と、複数の線状誘電体層と、光吸収作用を有する複数の線状光吸収層とをこの順で有し、
前記複数の線状金属層が、前記光の波長より短い間隔で前記基板上に離間して配列され、
前記複数の線状誘電体層における各々の線状誘電体層が、前記複数の線状金属層の各々の線状金属層上に配され、
前記複数の線状光吸収層における各々の線状光吸収層が、前記複数の線状誘電体層の前記各々の線状誘電体層上に配され、
前記線状金属層は、空洞部を有することを特徴とする無機偏光板である。
<2> 前記線状金属層における粒子の平均粒子径が、60nm以上である前記<1>に記載の無機偏光板である。
<3> 前記線状金属層の平均厚みが、20nm〜400nmである前記<1>から<2>のいずれかに記載の無機偏光板である。
<4> 前記線状金属層の材質が、アルミニウム、及びアルミニウム合金のいずれかである前記<1>から<3>のいずれかに記載の無機偏光板である。
<5> 前記線状誘電体層の材質が、SiO2である前記<1>から<4>のいずれかに記載の無機偏光板である。
<6> 前記線状光吸収層の材質が、Si、及びシリサイドのいずれかである前記<1>から<5>のいずれかに記載の無機偏光板である。
<7> 前記シリサイドが、Feを10atm%以下で含有するシリサイドである前記<6>に記載の無機偏光板である。
<8> 前記シリサイドが、Taを40atm%以下で含有するシリサイドである前記<6>に記載の無機偏光板である。
<9> 前記基板の材質が、ガラス、水晶、及びサファイアのいずれかである前記<1>から<8>のいずれかに記載の無機偏光板である。
<10> 前記基板と前記線状金属層との界面に、前記基板より低い屈折率を有する透明膜が少なくとも一層積層されている前記<1>から<9>のいずれかに記載の無機偏光板である。
<11> 前記<1>から<10>のいずれかに記載の無機偏光板の製造方法であって、
基板上に形成された金属層を、Cl2を含有するエッチングガスを用いてエッチングする金属層エッチング工程を含むことを特徴とする無機偏光板の製造方法である。
<12> 前記エッチングガスが、N2及びBCl3を含有する前記<11>に記載の無機偏光板の製造方法である。
本発明の無機偏光板は、基板と、複数の線状金属層と、複数の線状誘電体層と、複数の線状光吸収層とをこの順で少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の部材を有する。
前記無機偏光板は、いわゆるワイヤーグリッド偏光板である。
前記基板としては、使用帯域の光に対して透明であれば、その材質、形状、大きさ、構造は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
また、前記基板の材質としては、屈折率が、1.1〜2.2の材料が好ましい。
前記複数の線状金属層は、前記無機偏光板において、前記光の波長より短い間隔で前記基板上に離間して配列されている。また、前記線状金属層は、空洞部を有する。
前記線状金属層としては、Al及びAlSi合金のいずれかを含有することが、偏光特性及びプロセスの容易性の点で好ましい。
ここで、本明細書において、平均厚みとは、前記線状金属層の長手方向に直交する断面における略長方形又は台形の金属層の高さの算術平均値であり、例えば、走査型電子顕微鏡観察、透過型電子顕微鏡観察により求めることができる。例えば、任意の10箇所の前記高さを測定して、その算術平均値から、平均厚みを求める。
前記線状金属層の平均幅は、例えば、走査型電子顕微鏡観察、透過型電子顕微鏡観察により求めることができる。例えば、4本の線状金属層について、任意の箇所の幅を測定して、その算術平均値から、平均幅を求める。なお、前記幅は、前記線状金属層の頂部において測定する。
前記平均間隔は、例えば、走査型電子顕微鏡観察、透過型電子顕微鏡観察により求めることができる。例えば、任意の4箇所の線状金属層の間隔(ピッチ)について測定して、その算術平均値から、平均間隔を求める。なお、前記間隔(ピッチ)は、隣接する2つの線状金属層における、一方の線状金属層の頂部における他方の線状金属層側の端部と、他方の線状金属層の頂部における一方の線状金属層側と反対側の端部との距離である。
前記線状金属層は、空洞部を有する。
この空洞部は、例えば、下記製造方法により金属層をエッチングして前記線状金属層を形成させる際、前記線状金属層中に形成させることができる。空洞部を形成させる製造方法についての詳しい説明は後述する。
本発明者は、透過率が高く屈折率が低い材料である、例えば、空気からなる層を無機偏光板の構成に取り入れることで、光学的に構造が最適化され、透過率が高く反射率が低い無機偏光板が得られることを見出した。さらに、本発明者は、その空気層として線状金属層中に形成した空洞部が有効に機能すること、及び、その空洞部を線状金属層中に形成するのに、金属層における粒子の平均粒子径を考慮する等、使用する材料や、あるいはエッチング条件等の製造条件を適宜選択することで、金属層をエッチングする際、線状金属層中に空洞部を形成させることができることを見出した。
前記線状金属層中に空洞部が形成された本発明の無機偏光板は、高い透過率と低い反射率を示す。
平均粒子径が60nm以上であれば、金属層をエッチングする際、容易に空洞部を形成することができる。
前記平均粒子径は、粒子が、球状で正方状に並んでいると仮定し(図5A参照)、下記測定方法によって得られた測定エリア面積と粒子数から、下記式(1)に従って求める。つまり、図5Bで示す粒子1個分の粒子径(PS)に相当する値である。
平均粒子径=√(測定エリア面積/粒子数) 式(1)
金属層を、AFM(原子間力顕微鏡)を用いて観察する。所望の測定エリア(例えば、図6Aでは、測定エリアの面積は、0.5μm×0.5μmである)に存在する粒子数をカウントする。
図6Aでは、粒子数は、44個である。そこで、上記式(1)に代入すると、平均粒子径75.4nmの値が求められる。
この空洞部11は、前記線状金属層2中に点在しており、空洞部が形成されているか否かは、例えば、走査電子顕微鏡(SEM)による断面形状の画像により確認することができる。図9では、高さa、幅bの前記線状金属層2が、奥行きc方向に複数形成されている。図9では、空洞部11が、線状金属層1本中、奥行き635nmの間に2箇所から5箇所形成されている。そこで、本発明では、線状金属層の高さと奥行きの面積に対する空洞部の面積の割合を計算した時、線状金属層2中に占める空洞部11の割合が、0.1%から15%、より好ましくは0.3%から14%、さらに好ましくは0.3%から3.5%であるとよい。
また、前記空洞部は、前記線状金属層2中において、前記誘導体層3との界面付近に形成されていることが好ましい。ここで、界面付近に形成されているとは、前記線状金属層2の奥行きc方向の面内において、前記誘導体層3から、100nm以内の線状金属層2中の領域に空洞部が0.1%以上、形成されている状態であることが望ましい。
本発明でいう空洞部が形成されているとは、1nm程度より大きい空洞が、図9に示すように、縦550nm×横1100nmのSEM画像の領域内に1個以上存在する状態をいう。
前記空洞部には、ガス、例えば、空気やエッチングガスなどが存在しており、中でも空気が存在していることが好ましい。
前記複数の線状誘電体層において、各々の線状誘電体層は、前記複数の線状金属層の各々の線状金属層上に配されている。
前記平均厚みは、前記線状金属層の平均厚みと同様にして求めることができる。
前記複数の線状光吸収層において、各々の線状光吸収層は、前記複数の線状誘電体層の前記各々の線状誘電体層上に配されている。
ここで、光吸収作用とは、前記無機偏光板内に形成される格子(グリッド)に平行な電界成分を持つ偏光波(TE波(S波))を減衰させる作用を意味する。なお、前記線状光吸収層は、前記格子に垂直な電界成分を持つ偏光波(TM波(P波))を透過する。
TE波は、前記線状吸収層の光吸収作用によって減衰される。格子状の前記線状金属層はワイヤグリッドとして機能し、前記線状吸収層及び前記誘電体層を通過したTE波を反射する。前記誘電体層の厚さ、屈折率を適宜調整することによって、前記線状金属層で反射したTE波は、前記線状吸収層を通過し透過する際に一部は吸収され、一部は反射し、前記線状金属層に戻る。また、前記線状吸収層を通過した光は、干渉して減衰する。このようにしてTE波の選択的減衰を行うことにより、所望の偏光特性を得ることができる。
これらの中でも、Si、シリサイドが、可視領域に対して高いコントラスト(消光比:透過軸透過率/吸収軸透過率)を備えた無機偏光板が得られる点で好ましい。前記シリサイドとしては、例えば、Feを含有するシリサイド、Taを含有するシリサイドが好ましい。
前記線状光吸収層が、金属又は半導体と、金属含有半導体とから形成される2層構造であることにより、反射を抑制し、透過率を向上させることができ、コントラストを増大させることができる。
前記平均厚みは、前記線状金属層の平均厚みと同様にして求めることができる。
前記その他の部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下地層、保護層などが挙げられる。
前記下地層は、例えば、前記基板と、前記複数の線状金属層との間に配される。前記下地層は、透過率の向上を目的として、前記基板より低い屈折率を有する透明膜であることが好ましい。
さらにまた、前記下地層を形成する材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、SiO2やAl2O3などの誘電材料が挙げられる。中でも、下地層が、SiO2層であると、屈折率がガラスに近いこと及びエッチング性がよいことから、透過率を高めやすい点でより好ましい。
前記保護層は、例えば、前記線状光吸収層を覆うように配される。光学特性の変化が応用上影響を与えない範囲で、前記無機偏光板の最上部に耐湿性等の信頼性改善などの目的として配されるとよい。
前記保護層の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、SiO2などが挙げられる。
前記無機偏光板は、前記保護層を有することにより、信頼性を向上させることができる。
図1に示すPが、2つの線状金属層2間の間隔(ピッチ)に該当し、Wが、線状金属層2の幅に該当する。
本発明の無機偏光板においては、線状光吸収層4側から光が入射される。
また、図3に本発明の無機偏光板の積層状態の他の一例を説明するための概略断面図を示す。本発明の無機偏光板は、基板1と線状金属層2との間に、誘電体層からなる下地層5を有しているのが好ましい。
本発明の無機偏光板の製造方法は、金属層エッチング工程を少なくとも含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
前記金属層エッチング工程は、基板上に形成された金属層を、Cl2を含有するエッチングガスを用いてエッチングする工程である。
前記エッチングにより、前記基板上に、光の波長より短い間隔で離間して配列され複数の線状金属層が形成される。そして、その際に、線状金属層2中に、線状誘電体層3との界面付近に空洞部11が形成される。
尚、前記エッチングガスがN2を含有することにより、前記線状金属層の側面の粗さを低減することができ、その結果、偏光特性をより向上させることができる。
まず、基板1上に、線状金属層の前駆体である金属層2’と、線状誘電体層の前駆体である誘電体層3’と、線状光吸収層の前駆体である光吸収層4’と、第1のマスク層6と、第2のマスク層7と、反射防止層8と、パターン化されたレジスト膜9とがこの順で積層された積層体を用意する(図2A)。
パターン化されたレジスト膜の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ナノインプリント、フォトリソグラフィーなどが挙げられる。
前記第1のマスク層の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、SiO2などが挙げられる。
前記第2のマスク層の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルミニウムなどが挙げられる。
前記反射防止層の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
反射防止層8のエッチングは、例えば、O2を用いたドライエッチング(より具体的には、Ar/O2を用いたドライエッチング)で行う。第2のマスク層7のエッチングは、例えば、Cl2を用いたドライエッチング(より具体的には、Cl2/BCl3を用いたドライエッチング)で行う。残ったパターン化されたレジスト膜9及び反射防止層8の除去方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
この際のエッチングは、例えば、CF4を用いたドライエッチング(より具体的には、CF4/Arを用いたドライエッチング)で行う。
この際のエッチングは、Cl2を用いたドライエッチング(より具体的には、Cl2/BCl3/N2を用いたドライエッチング)で行う。尚、エッチングガスにN2が含有されていることで、線状金属層の側面の粗さを低減させることができ、より優れた偏光特性を有する無機偏光板を得ることができる。
尚、パターン化された第1のマスク層6’(SiO2マスク層)は、完全に除去せず、保護層として機能させるため、少し残す態様としてもよい。
図2Cから図2Dへ移行する製造工程において、金属層2’をエッチングし線状金属層2を形成するが、その際、Cl2を含有するエッチングガスを用いることにより、線状金属層2と線状誘電体層3との界面にCl2ガスが侵入し、その侵入したCl2ガスにより、線状金属層の界面付近に空洞部が形成される。
前記金属層を構成する材料組成、及び製膜条件の最適化により、膜中の粒子密度を粗く調整することで、線状金属層2と線状誘電体層3との界面にCl2ガスが侵入しやすくなり空洞部が形成される。
金属層2’のエッチング後に、線状金属層2と線状誘電体層3との界面に空洞部が形成された様子を走査型電子顕微鏡(SEM)による断面形状の画像で示す(図4)。
空洞部を形成するには、金属層における粒子の平均粒子径を考慮することが好ましい。例えば、金属層としてAl又はAl合金を用いる場合、AlにSiを添加する量を変えることで、金属層におけるAlを含む粒子の粒子密度を調整することができる。Al又はAl合金を用いた試験例で確認したところ、空洞部を形成するには、該粒子の粒子密度を粗く(平均粒子径>60nm)することが有効であることがわかった(下記試験例2参照)。
本発明では、金属層における粒子の平均粒子径は、60nm以上であることが好ましい。
また、空洞部を形成するには、ガス流量、ガス圧、パワー、基板の冷却温度などのエッチング条件を考慮することが望ましい。
Grating Solver Development社のグレーティングシミュレータGsolverを用いたRigorous Coupled Wave Analysis(RCWA)による電磁界シミュレーションを行った。
図1Aの無機偏光板においては、基板1(ガラス)上に、下地層5(SiO2:35nm)、線状金属層2(Al:180nm)、線状誘電体層3(SiO2:12.5nm)、及び線状光吸収層4(FeSi(Fe5atm%):20nm)がこの順で形成されている。また、格子間の間隔(P:ピッチ)は、150nmとし、幅(W)は、45nmとした。
線状光吸収層4側から光を入射させた際の400nm〜700nmにおける偏光特性を評価した。
条件1として、空気層が形成されていないこの無機偏光板に対する評価結果を表1−1、及び表1−2に示した。
これら条件3から条件8で示す、各無機偏光板に対する評価結果を、表1−2に示した。
Tp:透過軸透過率
CR:コントラスト(透過軸透過率/吸収軸透過率)
Rp:透過軸反射率
Rs:吸収軸反射率
金属層の材料として、AlにSiを添加する量を変えることで、金属層におけるAlを含む粒子の粒子密度(粒子の平均粒径)を調整する実験を行った。
作製した金属層を、AFM(原子間力顕微鏡)を用いて観察したところ、図6Aから図6Cに示す結果が得られた。
図6Aは、材料としてAlを用いた。図6Aでは、測定エリア面積0.5μm×0.5μmに対し、粒子数は44個であり、平均粒子径は75.4nmであった。
図6Bは、材料としてAlSi(Si0.5atm%)を用いた。図6Bでは、測定エリア面積0.5μm×0.5μmに対し、粒子数は83個であり、平均粒子径は54.9nmであった。
図6Cは、材料としてAlSi(Si1.0atm%)を用いた。図6Cでは、測定エリア面積0.5μm×0.5μmに対し、粒子数は145個であり、平均粒子径は41.5nmであった。
図7Aから図7Cは、無機偏光板の走査型電子顕微鏡(SEM)による断面形状の画像である。図6Aの金属層を用いた無機偏光板のSEM画像を図7Aに、図6Bの金属層を用いた無機偏光板のSEM画像を図7Bに、図6Cの金属層を用いた無機偏光板のSEM画像を図7Cに示した。
図7Aには空洞部が形成されているが、図7B及び図7Cには、空洞部は形成されなかった。
従って、金属層に空洞部を形成するのに、金属層における粒子の膜密度を粗くすることが有効であること、及び粒子の平均粒子径が60nm以上であると有効であることが確認できた。
線状金属層中に空洞部を形成させたサンプルを作製し、偏光特性を評価した。
具体的には、図8A〜図8Bに示す断面形状(SEM画像)を有する無機偏光板を作製し、偏光特性を評価した。
上記試験例2の結果から、金属層の材料は、Alと、AlSi(Si0.5atm%)の2種類を用いて実験した。
金属層の材料にAlを用いた図8Aには空洞部が形成されたが、金属層の材料にAlSi(Si0.5atm%)を用いた図8Bには空洞部は形成されなかった。
図8Aの無機偏光板における線状金属層に占める空気層の割合を求めたところ3.0%であった。図9で示すように線状金属層6本内に存在する空洞部は、17箇所である。線状金属層6本について、高さ220nm、奥行き635nmの面積に対する空洞部17箇所の面積の総計は、下記表2で示すように25741nm2と求められた。従って、図9における線状金属層の占める空気層の割合は、3.0%となった。
尚、表2に記載の空洞部の面積は、線状金属層の高さと奥行きとの面内における空洞部の高さや幅から近似する略半円形に置き換え、該略半円形の面積を概算することにより求めた。
2 線状金属層
2’ 金属層
3 線状誘電体層
3’ 誘電体層
4 線状光吸収層
4’ 光吸収層
5 下地層
6 第1のマスク層
6’ パターン化された第1のマスク層
7 第2のマスク層
7’ パターン化された第2のマスク層
8 反射防止層
9 パターン化されたレジスト膜
11 空洞部
Claims (10)
- 使用帯域の光に対して透明な基板と、複数の線状金属層と、複数の線状誘電体層と、光吸収作用を有する複数の線状光吸収層とをこの順で有し、
前記複数の線状金属層が、前記光の波長より短い間隔で前記基板上に離間して配列され、
前記複数の線状誘電体層における各々の線状誘電体層が、前記複数の線状金属層の各々の線状金属層上に配され、
前記複数の線状光吸収層における各々の線状光吸収層が、前記複数の線状誘電体層の前記各々の線状誘電体層上に配され、
前記複数の線状光吸収層の材質が、Feを10atm%以下で含有するシリサイド、及びTaを40atm%以下で含有するシリサイドのいずれかであり、
前記線状金属層は、空洞部を有し、
前記線状金属層の高さと奥行きの面積に対する前記空洞部の面積の割合が、0.1%から15%であることを特徴とする無機偏光板。 - 前記線状金属層における粒子の平均粒子径が、60nm以上である請求項1に記載の無機偏光板。
- 前記線状金属層の平均厚みが、20nm〜400nmである請求項1から2のいずれかに記載の無機偏光板。
- 前記線状金属層の材質が、アルミニウム、及びアルミニウム合金のいずれかである請求項1から3のいずれかに記載の無機偏光板。
- 前記線状誘電体層の材質が、SiO2である請求項1から4のいずれかに記載の無機偏光板。
- 前記線状金属層の高さと奥行きの面積に対する空洞部の面積の割合が、0.3%から14%である請求項1から5のいずれかに記載の無機偏光板。
- 前記基板の材質が、ガラス、水晶、及びサファイアのいずれかである請求項1から6のいずれかに記載の無機偏光板。
- 前記基板と前記線状金属層との界面に、前記基板より低い屈折率を有する透明膜が少なくとも一層積層されている請求項1から7のいずれかに記載の無機偏光板。
- 請求項1から8のいずれかに記載の無機偏光板の製造方法であって、
基板上に形成された金属層を、Cl2を含有するエッチングガスを用いてエッチングする金属層エッチング工程を含むことを特徴とする無機偏光板の製造方法。 - 前記エッチングガスが、N2及びBCl3を含有する請求項9に記載の無機偏光板の製造方法。
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