JP6170632B2 - ビニルアルコール系共重合体及びそれを含有する組成物並びに乳化重合用分散安定剤 - Google Patents
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Description
本発明の樹脂組成物は、前記一般式(I)又は(II)で表される構成単位を含有するビニルアルコール系共重合体(A)と、アルカリ金属化合物(B)とを含み、前記アルカリ金属化合物(B)の含有量(アルカリ金属換算)が、樹脂組成物(固形換算)の全質量に対して0.01〜0.55質量%であることを特徴とする。なお、この明細書において、(メタ)アクリルとは、アクリルとメタクリルの総称であり、これと類似の表現についても同様である。
本発明に用いるビニルアルコール系共重合体(A)は、下記一般式(I)又は(II)で表される構造単位を有する。
(メタ)アクロレインジメチルアセタール、(メタ)アクロレインジエチルアセタール、2−ビニル−1,3−ジオキソラン、2−イソプロペニル−1,3−ジオキソラン等の(メタ)アクロレインのアセタール化物、3−メチル−3−ブテナールジメチルアセタール、3−メチル−3−ブテナールジエチルアセタール、2−(2−メチル−2−プロペニル)−1,3−ジオキソラン等の3−メチル−3−ブテナールのアセタール化物、3−ブテナールジメチルアセタール、3−ブテナールジエチルアセタール、2−(2−プロペニル)−1,3−ジオキソラン等の3−ブテナールのアセタール化物、4−ペンテナールジメチルアセタール、4−ペンテナールジエチルアセタール、2−(3−ブテニル)−1,3−ジオキソラン等の4−ペンテナールのアセタール化物、5−ヘキセナールジメチルアセタール、5−ヘキセナールジエチルアセタール、2−(5−ペンテニル)−1,3−ジオキソラン等の5−ヘキセナールのアセタール化物、6−ヘプテナールジメチルアセタール、6−ヘプテナールジエチルアセタール、2−(6−ヘキセニル)−1,3−ジオキソラン等の6−ヘプテナールのアセタール化物、7−オクテナールジメチルアセタール、7−オクテナールジエチルアセタール、2−(1−ヘプテニル)−1,3−ジオキソラン、2−(6−ヘプテニル)−1,3−ジオキソラン等の7−オクテナールのアセタール化物等のエチレン性不飽和二重結合を有する脂肪族アルデヒドのアセタール化物;
N−(2,2−ジメトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(2,2−ジエトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(2,2−ジイソプロポキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(2,2−ジブトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(2,2−ジ−t−ブトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(3,3−ジメトキシプロピル)(メタ)アクリルアミド、N−(3,3−ジエトキシプロピル)(メタ)アクリルアミド、N−(3,3−ジイソプロポキシプロピル)(メタ)アクリルアミド、N−(3,3−ジブトキシプロピル)(メタ)アクリルアミド、N−(3,3−ジ−t−ブトキシプロピル)(メタ)アクリルアミド、N−(4,4−ジメトキシブチル)(メタ)アクリルアミド、N−(4,4−ジエトキシブチル)(メタ)アクリルアミド、N−(4,4−ジイソプロポキシブチル)(メタ)アクリルアミド、N−(4,4−ジブトキシブチル)(メタ)アクリルアミド、N−(4,4−ジ−t−ブトキシブチル)(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−(2,2−ジメトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−(2,2−ジエトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−(2,2−ジイソプロポキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−(2,2−ジブトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−(2,2−ジ−t−ブトキシエチル)(メタ)アクリルアミド等の1分子中に2個のアルコキシ基を有するアルキル(メタ)アクリルアミド系化合物;4−{(2,2−ジメトキシエチル)アミノ}−4−オキソ−2−ブテン酸、4−{(2,2−ジエトキシエチル)アミノ}−4−オキソ−2−ブテン酸、4−{(2,2−ジイソプロポキシエチル)アミノ}−4−オキソ−2−ブテン酸、4−{(2,2−ジブトキシエチル)アミノ}−4−オキソ−2−ブテン酸等の1分子中に2個のアルコキシ基を有するブテン酸類;5,5−ジメトキシ−3−オキソ−1−ペンテン、5,5−ジエトキシ−3−オキソ−1−ペンテン、5,5−ジイソプロポキシ−3−オキソ−1−ペンテン、5,5−ジブトキシ−3−オキソ−1−ペンテン等の1分子中に2個のアルコキシ基を有するペンテン類;3−[N−(2,2−ジメトキシエチル)カルバモイル]プロペン酸、3−[N−(2,2−ジエトキシエチル)カルバモイル]プロペン酸、3−[N−(2,2−ジイソプロポキシエチル)カルバモイル]プロペン酸、3−[N−(2,2−ジブトキシエチル)カルバモイル]プロペン酸、3−[N−(2,2−ジ−t−ブトキシエチル)カルバモイル]プロペン酸等の1分子中に2個のアルコキシ基を有するプロペン酸系化合物;3−[N−(2,2−ジメトキシエチル)カルバモイル]プロペン酸メチル、3−[N−(2,2−ジエトキシエチル)カルバモイル]プロペン酸メチル、3−[N−(2,2−ジイソプロポキシエチル)カルバモイル]プロペン酸メチル、3−[N−(2,2−ジブトキシエチル)カルバモイル]プロペン酸メチル、3−[N−(2,2−ジ−t−ブトキシエチル)カルバモイル]プロペン酸メチル等の1分子中に2個のアルコキシ基を有するプロペン酸エステル系化合物;2,2−ジメトキシエチル(メタ)アクリレート、2,2−ジエトキシエチル(メタ)アクリレート、2,2−ジイソプロポキシエチル(メタ)アクリレート、2,2−ジブトキシエチル(メタ)アクリレート等の1分子中に2個のアルコキシ基を有するアルキル(メタ)アクリレートのアセタール化物等;又はアルキル(メタ)アクリルアミド系化合物、ブテン酸類のアセタール化物、マレイン酸類のアセタール化物、イタコン酸類のアセタール化物、ペンテン類のアセタール化物等の不飽和二重結合を有する脂肪族アルデヒドのアセタール化物。前記アルコキシ基の炭素数としては、1〜6が好ましく、1〜4がより好ましい。前記アルキル(メタ)アクリルアミド系化合物又は1分子中に2個のアルコキシ基を有するアルキル(メタ)アクリレートのアルキル基の炭素数としては、1〜6が好ましく、1〜4がより好ましい。
本発明の樹脂組成物が含有するアルカリ金属化合物(B)は、アルカリ金属(ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム)を含む限り特に限定されず、アルカリ金属イオンそのものであってもよく、アルカリ金属を含む化合物であってもよい。
弱塩基性アルカリ金属塩としては、例えば、アルカリ金属炭酸塩(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ルビジウム、炭酸セシウム)、アルカリ金属重炭酸塩(例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等)、アルカリ金属リン酸塩(リン酸ナトリウム、リン酸カリウム等)、アルカリ金属カルボン酸塩(酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸セシウム等)、アルカリ金属硫酸塩(硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸セシウム等)、アルカリ金属ハロゲン化物塩(塩化セシウム、ヨウ化セシウム、塩化カリウム、塩化ナトリウム等)、アルカリ金属硝酸塩(硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸セシウム等)が挙げられる。これらのうち、樹脂組成物内が塩基性を帯びる観点から、解離時に弱酸強塩基の塩として振舞えるアルカリ金属カルボン酸塩、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属重炭酸塩が好ましく用いられ、アルカリ金属のカルボン酸塩がより好ましい。
本発明のビニルアルコール系共重合体(A)は、エチレン性不飽和単量体から選ばれる少なくとも1種の単量体の(共)重合を行う際の乳化重合用安定剤として好適に用いられる。また、前記樹脂組成物を乳化重合用安定剤として使用してもよい。これにより、重合安定性、粘度安定性、耐水性にも優れる水性エマルジョンを得ることができる。上記水性エマルジョンは、当該乳化重合用安定剤を分散剤として、上記エチレン性不飽和単量体の重合体を分散質として含有する。また、本発明のビニルアルコール系共重合体(A)は、既知のポリビニルアルコールを用いて作製された水性エマルジョンに後添加することによっても、耐水性に優れる水性エマルジョンを提供することができる。
エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン系単量体;
塩化ビニル、フッ化ビニル、ビニリデンクロリド、ビニリデンフルオリド等のハロゲン化オレフィン系単量体;
ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等のビニルエステル系単量体;
アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル等のアクリル酸エステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル等のメタクリル酸エステル系単量体;
アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル及びこれらの四級化物、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及びそのナトリウム塩等のアクリルアミド系単量体;
エチレン性不飽和二重結合を有する脂肪族アルデヒドのアセタール化物;
スチレン、α−メチルスチレン、p−スチレンスルホン酸及びこれらのナトリウム塩、カリウム塩等のスチレン系単量体;
ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等のジエン系単量体;
その他、N−ビニルピロリドン等。
上記水性エマルジョンは、当該乳化重合用分散安定剤を用いて、水溶液中で重合開始剤の存在下、上記エチレン性不飽和単量体を一時又は連続的に添加して、このエチレン性不飽和単量体を乳化重合することにより調製される。また、エチレン性不飽和単量体を、あらかじめ変性PVA水溶液を用いて乳化したものを、連続的に重合反応系に添加する乳化重合法も採用できる。変性PVA系重合体の使用量は特に限定されないが、分散質である重合体100質量部に対して1〜30質量部が好ましく、2〜20質量部がより好ましい。
本発明の耐水性組成物は、ビニルアルコール系共重合体(A)を含有し、前記ビニルアルコール系共重合体(A)は、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が2.1〜3.5のビニルアルコール系共重合体(A−1)である。また、当該耐水性組成物は、本発明の趣旨を損なわない限り、任意成分を含有していてもよい。
GPCカラム:東ソー社の「GMHHR(S)」2本
移動相:ヘキサフルオロイソプロパノール
流速:0.2mL/分
試料濃度:0.100wt/vol%
試料注入量:10μL
検出器:示差屈折率検出器
標準物質:ポリメタクリル酸(例えば、Agilent Technologies社の「EasiVial PMMA 4mL tri−pack」)
本発明の耐水性組成物は、耐水性改善成分として、さらに酸触媒(C)を含むものが好ましい。酸触媒の存在によりビニルアルコール系共重合体に生成するアルデヒドとビニルアルコール系共重合体の水酸基との反応により架橋が進行し当該耐水性組成物から形成された皮膜等の耐水性をさらに向上させることができる。その結果、当該耐水性組成物は、耐水性が要求されるより多くの用途への幅広い適用が期待できるようになる。
当該耐水性組成物は、本発明の趣旨を損なわない範囲で、当該耐水性組成物が含有する上述の変性PVA以外の公知の各種PVA、澱粉、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の他の水溶性高分子を含有していてもよく、実質的に含有していなくてもよい。本明細書において、ある成分を「実質的に含まない」とは、当該対象の成分を完全に含まないこと又は本発明の効果を妨げる範囲では含まないことを意味する。例えば、ある成分を極微量含んでいても本発明の効果を妨げない限り、実質的に含まないものに含まれる。これらの他の水溶性高分子を配合する場合、その配合量は、当該耐水性組成物が含有する上記変性PVA(A−1)100質量部に対して、50質量部以下であることが好ましい。
ビニルアルコール系共重合体(A)の前記一般式(I)又は(II)の変性量については、1H−NMR(270MHz)により定量した。1H−NMR測定時のビニルアルコール系共重合体の溶媒は重水素化DMSOを用いた。
ビニルアルコール系共重合体(A)の主鎖中の前記一般式(I)又は(II)で表される構造単位の配列状態については、13C−NMRにより評価した。13C−NMR測定時のビニルアルコール系共重合体の溶媒は重水素化DMSOを用いた。
未反応単量体はクロマトグラフィー(島津製作所GC−14B)、ヘッドスペースサンプラー(島津製作所HSS−2B)を用いて定量した。密閉したバイアル管にビニルアルコール系共重合体500mgを秤量した。蒸留水10mlを加え、バイアル管を90℃に加熱しビニルアルコール系共重合体を完溶させた。バイアル管をオートサンプラーにセットし、バイアル温度80℃、カラム初期温度40℃、昇温速度20℃/分、最終温度250℃、気化室温度150℃、検出器温度250℃にて測定した。ガスクロマトグラフィーチャートの所定のリテンションタイムの式(III)又は(IV)で表される不飽和単量体に由来するピーク面積を求めた。検量線を用い、ビニルアルコール系共重合体に含まれる未反応単量体量を求めた。
実施例及び比較例で用いたPVAのけん化度が99.5モル%未満の場合には、けん化度99.5モル%以上になるまでけん化したビニルアルコール系(共)重合体について、水中、30℃で測定した極限粘度[η](リットル/g)を用いて次式により粘度平均重合度(P)を求めた。
P=([η]×104/8.29)(1/0.62)
各PVAのけん化度は、JIS K 6726(1994年)に記載の方法により求めた。
ヘキサフルオロイソプロパノールを移動相に用い、示差屈折率検出器を用いて、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定により、ポリメタクリル酸メチル換算値として求めた。
GPCカラム:東ソー社の「GMHHR(S)」2本
移動相:ヘキサフルオロイソプロパノール
流速:0.2mL/分
試料濃度:0.100wt/vol%
試料注入量:10μL
検出器:示差屈折率検出器(東ソー社製)
標準物質:Agilent Technologies社の「EasiVial PMMA 4mL tri−pack」)
なお、移動相として使用されるヘキサフルオロイソプロパノールには、GPCカラム充填剤への試料の吸着を抑制するために、トリフルオロ酢酸ナトリウム(20mmol/L)を添加した。
実施例及び比較例で得られたPVA樹脂組成物について、濃度0.3%水溶液を調製して、該水溶液を20℃で60分間静置した後、協和CBVP式表面張力計A3型(協和界面科学株式会社製)を用いてウィルヘルミー法(プレート法)により、該水溶液の表面張力(mN/m)を測定した。
実施例及び比較例で得られたPVA樹脂組成物について、濃度10%水溶液を調製した後、該水溶液を5℃にて静置し、静置から1時間後及び12時間後の該水溶液の粘度をB型回転粘度計(BLII型:東京計器社製)を用いて測定した。静置から1時間後の水溶液の粘度から12時間後の水溶液の粘度までの増粘倍率を求め、以下の通り評価した。
○:増粘倍率が6倍未満である。
×:増粘倍率が6倍以上である。
実施例及び比較例で得られたPVA樹脂組成物を2質量%水溶液となるように95℃で1時間加熱溶解し、室温まで冷却した後、PETフィルム上(20cm×20cm)にその水溶液を流延し、20℃65%RHの条件下で1週間乾燥させて前記PETフィルムから剥離し、厚さ50μmのPVAフィルムを得た。得られたフィルムをステンレス製の金属型枠(20cm×20cmで幅1cmの金属枠)にクリップで固定し、ギアオーブンにて120℃で3時間加熱処理した。スガ試験機製SMカラーコンピュータSM−T−Hを用いて得られた熱処理フィルムの黄色度(YI)を評価した。
還流冷却器、原料供給ライン、温度計、窒素導入口、攪拌翼を備えた、槽内容量10リットルのガラス製重合容器(第1連続重合装置)と、還流冷却器、原料供給ライン、反応液取出ライン、温度計、窒素導入口、攪拌翼を備えた装置を用いた。連続重合槽には酢酸ビニル(543g/h)、メタノール(45g/h)、20%アクロレインジメチルアセタール含有メタノール溶液(36g/h)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(AMV)の1%メタノール溶液(0.5g/h)を定量ポンプを用いて連続的に供給した。重合槽内の液面が一定になるように重合槽から重合液を連続的に取り出した。重合槽出口の重合率が40.0%になるよう調整した。重合槽の滞留時間は4時間であった。攪拌翼周速は2.0m/sであった。重合槽出口の温度は63℃であった。重合槽より重合液を回収し、回収した液にメタノール蒸気を導入することで未反応の酢酸ビニルモノマーの除去を行い、酢酸ビニル系重合体のメタノール溶液(濃度33.5%)を得た。次に、このメタノール溶液149gにメタノール95.8gを加え、さらに、水酸化ナトリウムをメタノールに溶解させた水酸化ナトリウム溶液(濃度13.3%)を4.72g添加して、40℃でけん化を行った(けん化溶液の変性ポリ酢酸ビニル(PVAc)濃度20%、変性PVAc中の酢酸ビニル単位に対する水酸化ナトリウムのモル比0.03)。
酢酸ビニル及びメタノールの仕込み量、重合時に使用するコモノマーの種類や添加量等の重合条件、けん化条件(酢酸ビニル単位に対する水酸化ナトリウムのモル比)、及び酢酸ナトリウムの含有量(ナトリウム換算)を表1に示すように変更したこと以外は、実施例1−1と同様の方法により樹脂組成物を製造した。変性ビニルアルコール系共重合体(PVA−2〜PVA−6)及び樹脂組成物の物性を表1に示す。
攪拌機、還流冷却管、窒素導入管、開始剤の添加口を備えた反応器に、酢酸ビニル2110g、メタノール288g、コモノマーとしてアクロレインジメチルアセタールを28g仕込み、窒素バブリングをしながら30分間系内を窒素置換した。反応器の昇温を開始し、内温が60℃となったところで、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.15gを添加し重合を開始した。60℃で4時間重合した後、冷却して重合を停止した。攪拌翼周速は1.8m/sであった。重合停止時の重合率は30.0%であった。続いて、30℃、減圧下でメタノールを時々添加しながら未反応のモノマーの除去を行い、変性PVAcのメタノール溶液(濃度33.5%)を得た。次に、このメタノール溶液149gにメタノール95.8gを加え、さらに、水酸化ナトリウムをメタノールに溶解させた水酸化ナトリウム溶液(濃度13.3%)を4.72g添加して、40℃でけん化を行った(けん化溶液の変性PVAc濃度20%、変性PVAc中の酢酸ビニル単位に対する水酸化ナトリウムのモル比0.03)。
酢酸ビニル及びメタノールの仕込み量、重合時に使用するコモノマーの種類や添加量等の重合条件、及び酢酸ナトリウムの含有量(ナトリウム換算)を表1に示すように変更したこと以外は、実施例1−7と同様の方法により樹脂組成物を作製した。変性ビニルアルコール系共重合体(PVA−8)及び樹脂組成物の物性を表1に示す。
酢酸ビニル及びメタノールの仕込み量、重合時に使用するコモノマーの種類や添加量、攪拌翼の周速等の重合条件、及び酢酸ナトリウムの含有量(ナトリウム換算)を表1に示すように変更し、未反応単量体量が表1記載の量になるように重合時の反応温度、時間等の重合条件を変更したこと以外は、実施例1−1と同様の方法により樹脂組成物を作製した。変性ビニルアルコール系共重合体(PVA−9〜PVA−12、PVA−15)及び樹脂組成物の物性を表1に示す。
還流冷却器、原料供給ライン、温度計、窒素導入口、攪拌翼を備えた、槽内容量10リットルのガラス製重合容器(第1連続重合装置)と、還流冷却器、原料供給ライン、反応液取出ライン、温度計、窒素導入口、攪拌翼を備えた装置を用いた。連続重合槽には酢酸ビニル(407g/h)、メタノール(71g/h)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(AMV)の1%メタノール溶液(0.5g/h)を定量ポンプを用いて連続的に供給した。重合槽内の液面が一定になるように重合槽から重合液を連続的に取り出した。重合槽出口の重合率が40.0%になるよう調整した。重合槽の滞留時間は2時間であった。攪拌翼周速は1.2m/sであった。重合槽出口の温度は63℃であった。重合槽より重合液を回収し、回収した液にメタノール蒸気を導入することで未反応の酢酸ビニルモノマーの除去を行い、ポリ酢酸ビニル(PVAc)のメタノール溶液(濃度30%)を得た。次に、これにメタノールを加えて調製したPVAcのメタノール溶液497gに、水酸化ナトリウムをメタノールに溶解させた水酸化ナトリウム溶液(濃度10.0%)を14.0g添加して、40℃でけん化を行った(けん化溶液のPVAc濃度20%、PVAc中の酢酸ビニル単位に対する水酸化ナトリウムのモル比0.03)。
けん化時における変性PVAcの濃度、酢酸ビニル単位に対する水酸化ナトリウムのモル比等のけん化条件、及び酢酸ナトリウムの含有量(ナトリウム換算)を表1に示すように変更したこと以外は、比較例1−5と同様の方法により樹脂組成物を作製した。無変性のPVA(PVA−14)及び樹脂組成物の物性を表1に示す。
(水性エマルジョン:Em−1の作製)
還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素吹込口を備えた1リットルガラス製重合容器に、イオン交換水300g、PVA−1を19.5g仕込み95℃で2時間攪拌し、完全に溶解した。次に、このPVA水溶液を冷却、窒素置換後、200rpmで撹拌しながら、60℃に昇温した後、酒石酸の10%水溶液4.4g及び5%過酸化水素水3g(初期仕込みの全単量体に対し、モル比で0.015)をショット添加後、酢酸ビニル26gを仕込み重合を開始した。重合開始30分後に初期重合終了(酢酸ビニルの残存量が1%未満)を確認した。酒石酸の10%水溶液0.9g及び5%過酸化水素水3gをショット添加後、酢酸ビニル234gを2時間にわたって連続的に添加し、重合温度を80℃に維持して重合を完結させ、固形分濃度47.2%のポリ酢酸ビニル系エマルジョン(Em−1)が得られた。得られた水性エマルジョンの重合安定性及び粘度安定性を下記の要領で評価した。結果を表2に示す。
(1)乳化重合安定性
得られたエマルジョン500gを60メッシュの金網にてろ過し、ろ過残分を秤量することで、評価した。
得られたエマルジョンを5℃及び50℃に静置した場合の30日後の粘度変化を、B型回転粘度計(BLII型:東京計器社製)を用いて測定し、静置直後から30日後までの増粘倍率を求め、以下の通り評価した。
○:増粘倍率が1.5倍未満である。
×:増粘倍率が1.5倍以上である。
(1)皮膜の耐水性
得られた水性エマルジョン組成物を20℃、65%RHの条件下でPETフィルム上に流延した。その後、7日間放置することで乾燥させた後、PETフィルムから剥離し、500μmの乾燥皮膜を得た。この皮膜を直径2.5cmの円形に打ち抜き、それを試料として煮沸水に4時間浸漬した後の、皮膜の溶出率(%)及び吸水率(%)を求めた。
溶出率(%):{1−(浸漬後の皮膜絶乾質量/浸漬前の皮膜絶乾質量)}×100
吸水率(%):{(浸漬後の皮膜吸水質量/浸漬前の皮膜絶乾質量)−1}×100
*浸漬前の皮膜絶乾質量:浸漬前の皮膜質量(含水)−(浸漬前の皮膜質量(含水)×皮膜含水率(%)/100)
*皮膜含水率:皮膜(20℃水に浸漬するサンプルとは別のサンプル)を、105℃、4時間で絶乾し、皮膜の含水率をあらかじめ求める。
*浸漬後の皮膜絶乾質量:浸漬後の皮膜を105℃、4時間で絶乾した後の皮膜の質量
*浸漬後の皮膜吸水質量:浸漬後の皮膜を水から引き上げた後、皮膜に付着している水をガーゼで拭き取った後の皮膜の質量
ブナ材を用いた試験
得られた水性エマルジョン組成物をヨーロッパ産ブナ材(柾目)に150g/m2塗布し、はりあわせて7kg/m2の荷重で16時間圧締した。その後、解圧し、20℃、65%RHの条件下で7日間養生した後、British Standard BS EN204のD3規格(Serial number of conditioning sequenceの1、2、3)及びD4規格(Serial number of conditioning sequenceの4、5)により引張りせん断接着強度(N/mm2)を測定した。Serial number of conditioning sequenceの各試験条件を示す。
1:20℃、65%RHの条件下で7日間放置後、そのまま測定した。
2:20℃の水中に4日間浸漬し、濡れたまま測定した。
3:20℃の水中に4日間浸漬後、20℃、65%RHの条件下で7日間風乾し、測定した。
4:煮沸水中に6時間浸漬、20℃の水中に2時間浸漬し、濡れたまま測定した。
5:煮沸水中に6時間浸漬、20℃の水中に2時間浸漬後、20℃、65%RHの条件下で7日間風乾し、測定した。
製造実施例2〜11として、水性エマルジョン重合時に分散安定剤として用いるPVAの種類を表2に示すように変更したこと以外は、製造実施例1と同様の方法により水性エマルジョン(Em−2〜Em−11)を得た。得られた水性エマルジョンの重合安定性及び粘度安定性を製造実施例1と同様に評価した。結果を表2に示す。さらに、前記水性エマルジョン(Em−2〜Em−11)を用いた以外は、製造実施例1と同様の方法により水性エマルジョン組成物を調製した。得られた水性エマルジョン組成物の皮膜耐水性及び接着力(耐水接着力及び耐煮沸水接着力)を製造実施例1と同様に評価した。結果を表2に示す。
製造実施例12〜16として、水性エマルジョンに添加する触媒の種類を表2に示すように変更したこと以外は、製造実施例1と同様の方法により水性エマルジョン組成物を得た。得られた水性エマルジョン組成物の皮膜耐水性及び接着力(耐水接着力及び耐煮沸水接着力)を製造実施例1と同様に評価した。結果を表2に示す。
いかり型攪拌機を備えた内容量1.5リットルのステンレス型オートクレーブに、蒸留水、酢酸ビニル36質量部、PVA−2を3.0質量部、アスコルビン酸0.2質量部を仕込んだ。続いてオートクレーブ内の空気をエチレンで充分に置換した。攪拌下、重合温度を60℃に、エチレン圧を5.0MPaに昇圧した。続いて、過酸化水素0.1質量部を8時間かけて均一に添加すると共に、酢酸ビニル12質量部を6時間かけて均一に添加した。エチレン圧は酢酸ビニル添加終了まで5.0MPaを保った。触媒添加終了後に冷却して、消泡剤及びpH調整剤を添加し、水性エマルジョンを得た(Em−12)。得られた水性エマルジョンの重合安定性及び粘度安定性を製造実施例1と同様に評価した。結果を表2に示す。さらに、前記水性エマルジョン(Em−12)を用いた以外は、製造実施例1と同様の方法により水性エマルジョン組成物を調製した。得られた水性エマルジョン組成物の皮膜耐水性及び接着力(耐水接着力及び耐煮沸水接着力)を製造実施例1と同様に評価した。結果を表2に示す。
水性エマルジョン重合時に分散安定剤に用いるPVAの種類を表2に示すように変更したこと以外は、製造実施例1と同様の方法により水性エマルジョン(Em−13〜Em−16、Em−19)を得た。得られた水性エマルジョンの重合安定性及び粘度安定性を製造実施例1と同様に評価した。結果を表2に示す。さらに、前記水性エマルジョン(Em−13〜Em−16、Em−19)を用いた以外は、製造実施例1と同様の方法により水性エマルジョン組成物を調製した。得られた水性エマルジョン組成物の皮膜耐水性及び接着力(耐水接着力及び耐煮沸水接着力)を製造実施例1と同様に評価した。結果を表2に示す。ただし、比較例7については、粗大粒子となり、重合安定性が得られなかったため、水性エマルジョン組成物を調製しなかった。
水性エマルジョン重合時に分散安定剤に用いるPVAの種類を表2に示すように変更したこと以外は、製造実施例1と同様の方法により水性エマルジョン(Em−17)を得た。得られた水性エマルジョンの重合安定性及び粘度安定性を製造実施例1と同様に評価した。結果を表2に示す。前記水性エマルジョン(Em−17)には触媒を添加せず、前記水性エマルジョン(Em−17)からなる水性エマルジョン組成物について、皮膜耐水性及び接着力(耐水接着力及び耐煮沸水接着力)を製造実施例1と同様に評価した。結果を表2に示す。
水性エマルジョン重合時に分散安定剤に用いるPVAの種類を表2に示すように変更したこと以外は、製造実施例17と同様の方法により水性エマルジョン(Em−18)を得た。得られた水性エマルジョンの重合安定性及び粘度安定性を製造実施例17と同様に評価した。結果を表2に示す。前記水性エマルジョン(Em−18)には触媒を添加せず、前記水性エマルジョン(Em−18)からなる水性エマルジョン組成物について、皮膜耐水性及び接着力(耐水接着力及び耐煮沸水接着力)を製造実施例1と同様に評価した。結果を表2に示す。
実施例1−1で製造したPVA−1の10%水溶液を調製した。次いで、PVA−1の100質量部(乾燥質量基準)に対して、酸触媒(C)として硫酸を1質量部添加・混合し、耐水性組成物を得た。
この耐水性組成物の水溶液の40℃における粘度をB型回転粘度計(BLII型:東京計器社製)を用いて測定し、水溶液の調整直後から1週間後までの増粘倍率を求め、以下の通り評価した。
○:増粘倍率が2倍未満である。
×:増粘倍率が2倍以上である。
実施例1−1で製造したPVA−1の4%水溶液を調製した。次いで、PVA−1の100質量部(乾燥質量基準)に対して、酸触媒(C)として硫酸を5質量部添加・混合し、耐水性組成物を得た。
A:2.0倍未満
B:2.0倍以上5.0倍未満
C:5.0倍以上
D:浸漬した試験片の回収作業ができなかった
実施例1−2〜1−6と同様の方法によりPVA−2〜PVA−6を作製した。変性ビニルアルコール系共重合体の物性を表3に示す。さらに、PVAの種類と酸触媒(C)の種類を表3に示すように変更したこと以外は、実施例2−1と同様に製造した耐水性組成物の物性(粘度安定性及び皮膜の耐水性)を評価した。結果を表3に示す。
攪拌機、還流冷却管、窒素導入管、開始剤の添加口を備えた反応器に、酢酸ビニル2110g、メタノール288g、コモノマーとしてアクロレインジメチルアセタールを57g仕込み、窒素バブリングをしながら30分間系内を窒素置換した。反応器の昇温を開始し、内温が60℃となったところで、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.15gを添加し重合を開始した。60℃で4時間重合した後、冷却して重合を停止した。攪拌翼周速は1.8m/sであった。重合停止時の重合率は30.0%であった。続いて、30℃、減圧下でメタノールを時々添加しながら未反応のモノマーの除去を行い、変性PVAcのメタノール溶液(濃度33.5%)を得た。次に、このメタノール溶液149gにメタノール95.8gを加え、さらに、水酸化ナトリウムをメタノールに溶解させた水酸化ナトリウム溶液(濃度13.3%)を4.72g添加して、40℃でけん化を行った(けん化溶液の変性PVAc濃度20%、変性PVAc中の酢酸ビニル単位に対する水酸化ナトリウムのモル比0.03)。
実施例1−8と同様の方法によりPVA−8を作製した。PVA−8の物性を表3に示す。さらに、PVA−1をPVA−8に変更し、実施例2−1と同様に製造した耐水性組成物の物性を評価した。結果を表3に示す。
耐水性組成物に添加する酸触媒の種類を表3に示すように変更したこと以外は、実施例2−1と同様の方法により耐水性組成物を得た。得られた耐水性組成物の物性を実施例2−1と同様の方法で評価した。結果を表3に示す。
実施例2−2のPVA−2に酸触媒を添加しない以外は、実施例2−2と同様の方法により耐水性組成物を得た。得られた耐水性組成物の物性を実施例2−1と同様の方法で評価した。結果を表3に示す。
比較例1−1〜1−5と同様の方法によりPVA−9〜PVA−12を作製した。変性ビニルアルコール系共重合体の物性を表3に示す。さらに、PVA−1をPVA−9〜PVA−12に変更し、実施例2−1と同様に製造した耐水性組成物の物性を評価した。結果を表3に示す。
還流冷却器、原料供給ライン、温度計、窒素導入口、攪拌翼を備えた、槽内容量10リットルのガラス製重合容器(第1連続重合装置)と、還流冷却器、原料供給ライン、反応液取出ライン、温度計、窒素導入口、攪拌翼を備えた装置を用いた。連続重合槽には酢酸ビニル(407g/h)、メタノール(71g/h)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(AMV)の1%メタノール溶液(0.5g/h)を定量ポンプを用いて連続的に供給した。重合槽内の液面が一定になるように重合槽から重合液を連続的に取り出した。重合槽出口の重合率が40.0%になるよう調整した。重合槽の滞留時間は2時間であった。攪拌翼周速は1.2m/sであった。重合槽出口の温度は63℃であった。重合槽より重合液を回収し、回収した液にメタノール蒸気を導入することで未反応の酢酸ビニルモノマーの除去を行い、ポリ酢酸ビニル(PVAc)のメタノール溶液(濃度30%)を得た。次に、これにメタノールを加えて調製したPVAcのメタノール溶液497gに、水酸化ナトリウムをメタノールに溶解させた水酸化ナトリウム溶液(濃度10.0%)を14.0g添加して、40℃でけん化を行った(けん化溶液のPVAc濃度20%、PVAc中の酢酸ビニル単位に対する水酸化ナトリウムのモル比0.03)。
けん化時における酢酸ビニル単位に対する水酸化ナトリウムのモル比等のけん化条件を表3に示すように変更したこと以外は、比較例2−5と同様の方法によりPVA−14を製造した。PVA−14の物性を表3に示す。さらに、PVA−1をPVA−14に変更し、実施例2−1と同様に製造した耐水性組成物の物性を評価した。結果を表3に示す。
Claims (12)
- 下記一般式(I)又は(II)で表される構成単位を含有するビニルアルコール系共重合体(A)と、アルカリ金属化合物(B)とを含み、前記アルカリ金属化合物(B)の含有量(アルカリ金属換算)が、樹脂組成物(固形換算)の全質量に対して0.01〜0.55質量%であり、前記アルカリ金属化合物(B)が、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属酢酸塩、アルカリ金属重炭酸塩、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属硫酸塩、アルカリ金属ハロゲン化物塩、およびアルカリ金属硝酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の弱塩基性アルカリ金属塩であることを特徴とする樹脂組成物。
- 前記式(I)又は(II)で表される構成単位が、(メタ)アクロレインのアセタール化物、3−メチル−3−ブテナールのアセタール化物、3−ブテナールのアセタール化物、4−ペンテナールのアセタール化物、5−ヘキセナールのアセタール化物、6−ヘプテナールのアセタール化物、7−オクテナールのアセタール化物、1分子中に少なくとも2個のアルコキシ基を有するアルキル(メタ)アクリルアミド系化合物、1分子中に2個のアルコキシ基を有するブテン酸類のアセタール化物、1分子中に2個のアルコキシ基を有するペンテン類のアセタール化物、1分子中に2個のアルコキシ基を有するアルキル(メタ)アクリレートのアセタール化物からなる群から選ばれる1種以上の化合物からなる単位であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
- 前記ビニルアルコール系共重合体(A)が、前記式(I)又は(II)で表される構造単位を0.1〜10モル%含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
- 前記ビニルアルコール系共重合体(A)のけん化度が、70〜99.9モル%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 前記ビニルアルコール系共重合体(A)の粘度平均重合度が、100〜5000であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 前記アルカリ金属化合物(B)の含有量(アルカリ金属換算)が、樹脂組成物(固形換算)の全質量に対して0.11〜0.55質量%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 下記一般式(I)又は(II)で表される構成単位を含有するビニルアルコール系共重合体(A)と酸触媒(C)を含み、前記ビニルアルコール系共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が2.1〜3.5であり、前記ビニルアルコール系共重合体(A)が、前記式(I)又は(II)で表される構成単位を主鎖にランダムに含有することを特徴とする耐水性組成物。
- 前記ビニルアルコール系共重合体(A)が、前記式(I)又は(II)で表される構造単位を0.1〜10モル%含有することを特徴とする請求項7に記載の耐水性組成物。
- 前記ビニルアルコール系共重合体(A)のけん化度が、70〜99.9モル%であることを特徴とする請求項7又は8に記載の耐水性組成物。
- 前記ビニルアルコール系共重合体(A)の粘度平均重合度が、100〜5000であることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の耐水性組成物。
- 一般式(I)又は(II)で表される構成単位の製造に用いられる不飽和単量体の未反応の単量体量が、ビニルアルコール系共重合体(A)に対して、0.1質量%以下であることを特徴とする請求項7〜10のいずれか1項に記載の耐水性組成物。
- 請求項7〜11のいずれか1項に記載の耐水性組成物を製膜してなることを特徴とする皮膜。
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