[go: up one dir, main page]

JP6156023B2 - ハイブリッド車両のクラッチ推定温度演算装置 - Google Patents

ハイブリッド車両のクラッチ推定温度演算装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6156023B2
JP6156023B2 JP2013203364A JP2013203364A JP6156023B2 JP 6156023 B2 JP6156023 B2 JP 6156023B2 JP 2013203364 A JP2013203364 A JP 2013203364A JP 2013203364 A JP2013203364 A JP 2013203364A JP 6156023 B2 JP6156023 B2 JP 6156023B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
clutch
temperature
estimated
engine
mode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2013203364A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015067116A (ja
Inventor
和久 堀部
和久 堀部
大 藤崎
大 藤崎
鈴木 良英
良英 鈴木
浩美 加藤
浩美 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
Aisin Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aisin Seiki Co Ltd, Aisin Corp filed Critical Aisin Seiki Co Ltd
Priority to JP2013203364A priority Critical patent/JP6156023B2/ja
Publication of JP2015067116A publication Critical patent/JP2015067116A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6156023B2 publication Critical patent/JP6156023B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/62Hybrid vehicles

Landscapes

  • Hybrid Electric Vehicles (AREA)
  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)
  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)

Description

本発明は、エンジンおよびモータを駆動源に備えたハイブリッド車両で、クラッチの推定温度を演算する装置に関する。
エンジンおよびモータを駆動源に備えたハイブリッド車両で、各種方式の駆動装置が提案されている。ハイブリッド車両においても、エンジン車両に類似して、エンジンの出力側にクラッチおよび歯車変速機を備えて複数の変速比を切り替え、出力回転数および出力トルクを調整することが一般的になっている。クラッチは、エンジンと歯車変速機との間を継断可能に回転連結するものであり、摩擦式クラッチが多用されている。
この種の摩擦式クラッチの温度を推定する一技術例が特許文献1に開示されている。特許文献1のクラッチ温度推定装置は、クラッチの入出力軸間の相対回転速度差を検出する手段と、伝達される駆動トルクを推定する手段と、相対回転速度差および駆動トルクから入力エネルギを算出する手段と、入力エネルギの大小に応じてクラッチ温度の昇降を推定する手段とを備えている。これにより、温度センサを用いることなく低コストでありながら、実クラッチ温度に近いクラッチ温度情報を得ることができる、とされている。
特開2002−168270号公報
ところで、特許文献1の技術は、駆動源としてエンジンのみを備えたエンジン車両を対象としており、ハイブリッド車両には適用できない。詳述すると、エンジン車両では、通常エンジンがトルクを発生している状態で走行するので、クラッチでは伝達トルクから演算される入力エネルギを用いてクラッチ温度を推定できる。これに対して、ハイブリッド車両では、エンジンを停止状態またはアイドル回転状態としてモータトルクのみで走行し、クラッチで伝達トルクが発生しない場合がある。このようなモータ走行モードにおいて、特許文献1の技術ではクラッチ温度の推移を正しく推定できなくなる。このため、モータ走行モードからエンジン走行モードに移行する場合にクラッチ温度を把握できず、クラッチ制御に悪影響が生じるおそれがある。
本発明は、上記背景技術の問題点に鑑みてなされたものであり、ハイブリッド車両でエンジンを停止状態またはアイドル回転状態としてモータトルクのみで走行している場合であっても、クラッチ温度センサを用いることなくクラッチ推定温度を精度よく演算して、クラッチを適正に継合制御できるようにしたハイブリッド車両のクラッチ推定温度演算装置を提供することを解決すべき課題とする。
上記課題を解決する請求項1に係るハイブリッド車両のクラッチ推定温度演算装置の発明は、車両に搭載されてエンジントルクを出力するエンジンと、前記エンジンに回転連結された入力側部材と変速機を介して駆動輪に回転連結された出力側部材との間を継断可能に回転連結するクラッチと、前記クラッチを介さずに前記駆動輪にモータトルクを出力するモータと、前記エンジンを冷却する冷却液の温度を冷却液温度として計測する冷却液温度センサと、前記エンジンおよび前記クラッチおよび前記モータを制御する制御部とを備えたハイブリッド車両のクラッチ推定温度演算装置であって、微小時間が経過するごとに、前回以前のクラッチ推定温度に基づいて今回のクラッチ推定温度を順次演算するクラッチ推定温度演算部と、前記車両の走行開始時の初回のクラッチ推定温度を前記クラッチの雰囲気温度から推定して記憶するクラッチ推定温度初期値記憶部と、前記車両が前記エンジントルクで走行するエンジン走行モードか、前記車両が前記モータトルクのみで走行するモータ走行モードかを判定するモード判定部と、前記エンジン走行モードから前記モータ走行モードに移行した直後の前記クラッチ推定温度および前記冷却液温度を移行直後クラッチ推定温度および移行直後冷却液温度として記憶するモータ走行移行直後状態記憶部と、を備え、前記クラッチ推定温度演算部は、前記モータ走行モードにおいて、前記移行直後クラッチ推定温度および前記移行直後冷却液温度および今回計測された今回冷却液温度に基づいて、今回のクラッチ推定温度を演算するモータ走行モードクラッチ推定温度演算部を有する。
これによれば、モータ走行モードおよびエンジン走行モードの両方において、微小時間が経過するごとに今回のクラッチ推定温度を演算する。かつ、エンジン走行モードからモータ走行モードに移行した直後の移行直後クラッチ推定温度および移行直後冷却液温度を記憶しておき、モータ走行モードにおいて今回冷却液温度を計測することで、伝達トルクが発生していないクラッチの温度変化を正しく推定する。したがって、エンジンを停止状態またはアイドル回転状態としてモータトルクのみで走行している場合であっても、クラッチ温度センサを用いることなくクラッチ推定温度を精度よく演算できる。これにより、クラッチを適正に継合制御できる。例えば、モータ走行モードからエンジン走行モードに移行するときに、クラッチの実温度が過昇しない範囲内でクラッチを迅速に継合制御できる。
また、エンジンの冷却液温度センサはハイブリッド車両に標準装備されたものを利用でき、加えて、クラッチ推定温度演算部を始めとする演算部、記憶部、およびモード判定部は制御部のソフトウェアで実現できるので、演算装置のコストは低廉である。
請求項2に係る発明は、前記エンジンの動作状態に応じて、前記クラッチ推定温度の前回から今回までの下降分を演算するクラッチ推定温度下降分演算部と、前記モータ走行モードにおいては前記モータ走行モードクラッチ推定温度演算部が演算した今回のクラッチ推定温度から前記下降分を減算して今回のクラッチ推定温度とするクラッチ推定温度補正部と、を備える。
これによれば、エンジンの動作状態に応じて変化するクラッチ推定温度の下降分を演算し、モータ走行モードにおいてはこの下降分でクラッチ推定温度を補正するので、演算精度が高くなる。
請求項3に係る発明は、前記エンジン走行モードにおいて、前記入力側部材と前記出力側部材との回転速度差および前記クラッチの伝達トルクに基づいて、前記クラッチ推定温度の前回から今回までの上昇分を演算するエンジン走行モードクラッチ推定温度上昇分演算部をさらに備え、前記クラッチ推定温度補正部は、前記エンジン走行モードにおいては前回のクラッチ推定温度に前記上昇分を加算し、前記クラッチ推定温度下降分演算部が演算した前記下降分を減算して今回のクラッチ推定温度とする。
これによれば、エンジン走行モードにおいて、回転速度差および伝達トルクに基づいてクラッチ推定温度の前回から今回までの上昇分を演算するので、伝達トルクが発生しているクラッチの温度変化を正しく推定できる。したがって、モータ走行モードおよびエンジン走行モードの両方において、クラッチ推定温度を精度よく演算できる。
請求項4に係る発明では、前記モータ走行モードクラッチ推定温度演算部は、前記移行直後クラッチ推定温度から前記今回冷却液温度を減算した全変化分を演算し、前記移行直後冷却液温度から前記今回冷却液温度を減算した冷却液温度変化量、および前記移行直後冷却液温度の少なくとも一方に依存して変化する残存比率を前記全変化分に乗算して残存変化分を演算し、前記今回冷却液温度に前記残存変化分を加算して前記今回のクラッチ推定温度とする。
これによれば、モータ走行モードにおいて、クラッチの温度変化に極めて相関性の高いエンジンの冷却液温度の変化に基づいてクラッチ推定温度を演算するので、演算精度が極めて高くなる。
請求項5に係る発明では、前記クラッチ推定温度下降分演算部は、前記エンジンが回転しているか停止しているかを判定する回転判定部を有し、前記エンジンが回転している場合は、前記車両の走行速度に基づいて前記下降分を演算し、前記エンジンが停止している場合は、前記下降分をゼロとする。
これによれば、エンジンが回転しているか停止しているか、および車両の走行速度に応じて変化するクラッチの熱放散係数を考慮して下降分を演算し、この下降分でクラッチ推定温度を補正するので、演算精度が極めて高くなる。
請求項6に係る発明では、前記クラッチは前記エンジンの近傍に配設されており、前記クラッチの前記雰囲気温度として前記冷却液温度を代用する。
これによれば、初回のクラッチ推定温度として、走行開始直後の温度上昇が発生する以前の冷却液温度を代用するので、クラッチ推定温度の初期値の精度が高い。また、雰囲気温度を計測する専用の温度センサは不要であり、演算装置のコストは低廉となる。
実施形態のクラッチ推定温度演算装置を適用するハイブリッド車両用駆動装置の全体構成を模式的に示した図である。 制御部の加速要求の判定条件を例示説明する図である。 実施形態のクラッチ推定温度演算装置を適用するハイブリッド車両のハイブリッド走行制御モードのモード遷移図である。 実施形態のハイブリッド車両のクラッチ推定温度演算装置の演算処理フロー図である。 実施形態のクラッチ推定温度演算装置が今回の補正前クラッチ推定温度を演算する方法を図式的に説明する図である。
本発明の実施形態のハイブリッド車両のクラッチ推定温度演算装置について、図1〜図5を参考にして説明する。図1は、実施形態のクラッチ推定温度演算装置を適用するハイブリッド車両用駆動装置1の全体構成を模式的に示した図である。図1において、太線は各装置間の機械的な接続(トルク伝達経路)を示し、破線の矢印は制御信号および計測信号の流れを示し、一点鎖線の矢印は電力の流れを示している。
図1に示されるように、ハイブリッド車両用駆動装置1は、エンジン2、クラッチ3、自動変速機4、モータ5、およびデファレンシャル装置7が、この順番に直列に配設されて構成されている。デファレンシャル装置7の出力側は、分岐して左右の駆動輪8L、8Rに回転連結されている。また、エンジン2からモータ5までを制御する制御部6が設けられている。ハイブリッド車両用駆動装置1は、エンジン2およびモータ5を駆動源として、駆動輪8L、8Rに駆動力を付与するものである。エンジン2、モータ5、および駆動輪8L、8Rの配置に制約はなく、FF車、FR車、RR車のいずれであってもよい。また、モータ5の出力側以降を変形した4輪駆動タイプのハイブリッド車両であってもよい。
エンジン2は、出力軸21からエンジントルクを出力する。エンジン2は、ガソリンや軽油などの炭化水素系液体燃料を使用するガソリンエンジンやディーゼルエンジン、あるいは、天然ガスやプロパンガスなどの炭化水素系気体燃料を使用するガスエンジンなどである。また、エンジン2は、冷却液としての冷却水を循環する水冷方式のエンジンである。エンジン2は、出力軸21の他に、スロットルバルブ22、燃料噴射装置23、回転速度センサ24、および冷却液温度センサ25などを有する。
スロットルバルブ22は、空気および燃料の取り込み量を調整する。燃料噴射装置23は、空気と燃料の混ざった混合気をエンジン2の内部の燃焼室に噴射する。スロットルバルブ22および燃料噴射装置23は、制御部6により制御される。回転速度センサ24は、出力軸21の近傍に設けられており、出力軸21の回転速度Neを計測し、その計測信号を制御部6に出力する。冷却液温度センサ25は、冷却水の温度を冷却液温度TWとして計測し、その計測信号を制御部6に出力する。
クラッチ3は、入力側部材31と出力側部材32との間を継断可能に回転連結する。入力側部材31は、エンジン2の出力軸21に回転連結されている。出力側部材32は、自動変速機4の入力軸41に回転連結されている。クラッチ3として、湿式や乾式の摩擦式クラッチを例示でき、これらに限定されない。クラッチ3は、入力側部材31および出力側部材32の少なくとも一方を駆動して、クラッチストローク量を可変に調整するアクチュエータ33を有している。アクチュエータ33には、例えば、制御部6から制御されるモータや油圧操作機構を用いる。クラッチ3は、さらに、クラッチストローク量を計測し、その計測信号を制御部6に出力するストロークセンサ34を有している。アクチュエータ33が動作していない常時に、入力側部材31と出力側部材32とは完全継合する。つまり、クラッチ3はノーマルクローズクラッチである。
自動変速機4は、入力軸41と出力軸42との間で複数の変速比を切り替える。自動変速機4として、2軸平行型自動変速機を例示でき、これに限定されない。自動変速機4は、制御部6に制御されて変速比を切り替えるシフトセレクトアクチュエータ43を有している。自動変速機4は、さらに、入力軸41の近傍に回転速度センサ44を有している。回転速度センサ44は、入力軸41の回転速度Niを計測し、その検出信号を制御部6に出力する。
モータ5は、クラッチ3を介さずに駆動輪8L、8Rにモータトルクを出力する。モータ5として、電気入力によりトルクを出力する駆動モードおよびトルク入力により発電する発電モードの切替えが可能な三相同期機を例示でき、これに限定されない。モータ5は、主軸51、ならびに図略のロータおよびステータからなる。主軸51は、自動変速機4の出力軸42に回転連結されるとともに、デファレンシャル装置7の入力軸71にも回転連結されている。主軸51の周りには、永久磁石を有するロータが一体的に設けられている。一方、ケーシング側には、ステータコイルを有するステータが固設されている。
さらに、モータ5には、インバータ52およびバッテリ53が付設されている。インバータ52は、バッテリ53から供給された直流電力を交流電力に変換してステータコイルに供給する。これにより、モータ5は、主軸51からモータトルクを出力する。また、制動時には、主軸51にトルクが入力されて、モータ5は回生発電を行う。インバータ52は、回生発電によりステータコイルから出力される交流電力を直流電力に変換して、バッテリ53に供給する。これにより、バッテリ53が充電される。上述したインバータ52の双方向の電力変換機能は、制御部6から制御される。インバータ52が機能していないとき、主軸51は、単なる伝達軸として作用し、自動変速機4からデファレンシャル装置7にトルクを伝達する。
制御部6は、ハイブリッド車両用駆動装置1を制御する。制御部6には、CPUを有してソフトウェアで動作するECU(電子制御装置)を用いることができる。制御部6は、左右の車輪速センサ61L、61Rから左右の車輪速NL、NRの計測信号を取得する。なお、車輪速センサ61L、61Rは、駆動輪8L、8Rの近傍にそれぞれ配設されている。これにより、制御部6は、車両の走行速度Vを演算できる。また、制御部6は、アクセルペダル62のアクセル開度Acの計測信号をアクセルセンサ63から取得する。これにより、制御部6は、アクセル開度Acに見合う大きさの要求駆動力Fを演算できる。
制御部6は、走行速度Vおよび要求駆動力Fの大きさに基づいて、加速の必要性、エンジン2の始動の必要性、およびクラッチ3の継合の必要性を判定する。制御部6は、上記した3項目の必要性の判定結果として、加速要求、エンジン始動要求、およびクラッチ継合要求の3つの内部信号を用いる。
図2は、制御部6の加速要求の判定条件を例示説明する図である。図2で、横軸は走行速度V、縦軸は要求駆動力Fである。制御部6は、車両の現時点の走行速度Vと要求駆動力Fによって図3上にプロットされる動作点が判定線Ljの外側に位置すると、加速要求有りと判定する。また、制御部6は、動作点が判定線Ljの内側に位置すると、加速要求無しと判定する。詳述すると、制御部6は、走行速度Vが所定速度V1を超過しているときに加速要求有りと判定し、走行速度Vがちょうど所定速度V1のときには要求駆動力Fが所定駆動力F1以上であれば加速要求有りと判定する。さらに、制御部6は、走行速度Vが所定速度V1よりも小さくなるにつれて大きな要求駆動力Fで加速要求有りと判定し、走行速度Vがゼロのときに要求駆動力Fが所定駆動力F2以上(ただしF2>F1)であれば加速要求有りと判定する。
当然ながらアクセルペダル62が強く踏み込まれて要求駆動力Fが増加すると、加速要求が発生する。また、走行速度Vが所定速度V1を超過しているときには、アクセルペダル62の操作とは無関係に加速要求が発生する。一方、走行速度Vが減少したり、アクセルペダル62が戻されたりして、動作点が判定線Ljの外側から内側に移動すると、加速要求が無くなる。
制御部6は、エンジン始動要求およびクラッチ継合要求についても、出力可能なモータトルクを考慮しつつ、加速要求に類似した判定を行う。図を用いた説明は省略するが、制御部6は、要求駆動力Fが増加してエンジントルクの必要性が予想されるときにエンジン始動要求有りと判定する。さらに、制御部6は、要求駆動力Fがさらに増加してエンジントルクが必要になったときにクラッチ継合要求有りと判定する。
制御部6は、要求駆動力Fを実現するために、図3に示されるハイブリッド走行制御モード(以降ではHV制御モードと略記)のモード遷移を制御する。図3は、実施形態のクラッチ推定温度演算装置を適用するハイブリッド車両のHV制御モードのモード遷移図である。図中に付された矢印はHV制御モードの遷移を表し、矢印に付された吹き出しテロップは遷移条件を表している。HV制御モードは、エンジン2およびクラッチ3の状態の組み合わせを示すものである。制御部6は、前述した3つの内部信号に加えてエンジン2の動作状態およびクラッチ3の継断状態を参照し、エンジン2およびクラッチ3を制御することでモード遷移を制御する。図示されるように、HV制御モードは、3つの基本モードおよび6つの移行中モードに分かれる。
基本モードには、Eモード、Sモード、およびPモードがある。Eモードは、Electric−Run−Mode(電気走行モード)を略した名称である。Eモードでは、エンジン2を停止し、クラッチ3を切断して、モータトルクのみで走行する。Sモードは、Sprit−Run−Mode(切断走行モード)を略した名称である。Sモードでは、エンジン2を回転させ、クラッチ3を切断して、モータトルクのみで走行する。Pモードは、Parallel−Run−Mode(並列走行モード)を略した名称である。Pモードでは、エンジン2を回転させ、クラッチ3を継合し、エンジントルクおよびモータトルクを併用して走行する。なお、エンジントルクのみで走行している場合も、制御部6内ではPモードとして扱う。
移行中モードは、3つの基本モードの相互間を移行するときのモードである。移行中モードには、ESモード、EPモード、SPモード、PSモード、PEモード、およびSEモードがある。ESモードは、Eモードでエンジン始動要求が発生したときに遷移するモードであり、エンジン2を始動させる間継続する。ESモードで、エンジン始動要求が継続しつつエンジン2が回転中になるとSモードに遷移する。ESモードの途中でエンジン始動要求が無くなると、エンジン2の始動制御を中止してSEモードに遷移する。
EPモードは、Eモードでエンジン始動要求および加速要求の両方が発生したときに遷移するモードであり、エンジン2を始動させてクラッチ3を継合させる間継続する。EPモードで、クラッチ継合要求が発生してクラッチ3が継合すると、Pモードに遷移する。SPモードは、Sモードでクラッチ継合要求が発生したときに遷移するモードであり、クラッチ3を継合させる間継続する。SPモードで、クラッチ継合要求が継続しつつクラッチ3が継合するとPモードに遷移する。SPモードの途中でクラッチ継合要求が無くなると、クラッチ3の継合制御を中止してPSモードに遷移する。
PSモードは、PモードおよびSPモードでクラッチ継合要求が無くなったときに遷移するモードであり、クラッチ3を切断させる間継続する。PSモードで、クラッチ継合要求が無いままでクラッチ3が切断されるとSモードに遷移する。PSモードの途中でクラッチ継合要求が発生すると、クラッチ3の切断制御を中止してSPモードに遷移する。PEモードは、Pモードでクラッチ継合要求が無くなりかつエンジン2が燃料供給停止状態であるときに遷移するモードであり、クラッチ3を切断させてエンジン2を停止させる間継続する。PEモードで、エンジン始動要求が無いままでエンジン2が停止中になるとEモードに遷移する。
SEモードは、SモードおよびSEモードでエンジン始動要求が無くなったときに遷移するモードであり、エンジン2を停止させる間継続する。SEモードで、エンジン始動要求が無いままでエンジン2が停止中になるとEモードに遷移する。SEモードの途中でエンジン始動要求が発生すると、エンジン2の停止制御を中止してESモードに遷移する。
上記したうちのEモード、Sモード、ESモード、およびSEモードは、車両がモータトルクのみで走行する本発明のモータ走行モードに相当する。また、Pモードは、車両がエンジントルクで走行する本発明のエンジン走行モードに相当する。さらに、EPモード、SPモード、PSモード、およびPEモードは、クラッチ3に伝達トルクが発生しているか否かによってモータ走行モードおよびエンジン走行モードに時間的に分割される。
次に、実施形態のハイブリッド車両のクラッチ推定温度演算装置について説明する。実施形態のクラッチ推定温度演算装置は、主に制御部6のソフトウェアの演算処理機能によって実現されている。図4は、実施形態のハイブリッド車両のクラッチ推定温度演算装置(以降では演算装置と略記)の演算処理フロー図である。演算装置は、本発明の微小時間に相当する演算サイクルタイムごとに、図4の演算処理フローをステップS1から繰り返して行う。
図4のステップS1で、演算装置は走行モードを判別する。このとき、制御装置6が起動した直後の初回の制御サイクルでは、無条件で初回モードと判別してステップS2に進む。ステップS2で演算装置は、初回のクラッチ推定温度TC0をクラッチ3の雰囲気温度から推定して記憶する。ここで、クラッチ3はエンジン2の近傍に配設されているので、クラッチ3の雰囲気温度として冷却液温度TW0を代用することができる。さらに、前回の走行から比較的長時間が経過しているとき、エンジン2もその冷却液もクラッチ3も概ね等しい常温となっている。したがって、演算装置は、初回のクラッチ推定温度TC0が冷却液温度TW0に等しいとする。これに限定されず、車両に装備されている他の温度センサの計測温度、例えば車室温度やエンジン室温度を適宜初回のクラッチ推定温度TC0に代用してもよい。また、前回の走行からあまり長時間が経過していないとき、演算装置は、雰囲気温度を補正して初回のクラッチ推定温度TC0とすることができる。初回モードでは、ステップS2を行うことで制御サイクルが終了する。
ステップS1でエンジン走行モードと判別したとき、ステップS3に進む。ステップS3で演算装置は、クラッチ3の入力側部材31と出力側部材32との回転速度差ΔNおよびクラッチ3の伝達トルクTQに基づいて、クラッチ推定温度の前回から今回までの上昇分ΔTupを演算する。ここで、入力側部材31の回転速度はエンジン2の回転速度センサ24によって計測された回転速度Neに一致し、出力側部材32の回転速度は自動変速機4の回転速度センサ44によって計測された回転速度Niに一致している。したがって、演算装置は、回転速度Neから回転速度Niを減算した差の絶対値を回転速度差ΔNとする。
また、伝達トルクTQは、エンジン2から出力されるエンジントルクに概ね等しくなる。したがって、演算装置は、エンジン2のスロットルバルブ22の開度や燃料噴射装置23の混合気の噴射量などから伝達トルクTQを推定できる。さらに、演算装置は、回転速度差ΔNおよび伝達トルクTQに基づいてクラッチ3で発生する熱エネルギを推定でき、熱エネルギをクラッチ3の熱容量で除算すれば上昇分ΔTupを演算できる。上昇分ΔTupの演算は、特許文献1などの公知技術を応用できるので、詳細な説明は省略する。
ステップS1でモータ走行モードと判別したとき、ステップS4に進んで、モード移行直後か否か判定する。エンジン走行モードからモータ走行モードに移行した直後の場合に限り、ステップS5に進む、ステップS5で演算装置は、前回の制御サイクルのクラッチ推定温度TCおよび冷却液温度TWを移行直後クラッチ推定温度TC1および移行直後冷却液温度TW1として記憶する。ステップ5の後、およびステップS4でモード移行直後でない場合は、ステップS6に合流する。
ステップS6で演算装置は、移行直後クラッチ推定温度TC1および移行直後冷却液温度TW1および今回計測された今回冷却液温度TW2に基づいて、今回のクラッチ推定温度(補正前)TX2を演算する。図5は、実施形態のクラッチ推定温度演算装置が今回のクラッチ推定温度(補正前)TX2を演算する方法を図式的に説明する図である。図5の横軸は時間tを示し、時刻t1でエンジン走行モードからモータ走行モードに移行しており、時刻t2が今回の制御サイクルである。また、図5の縦軸は温度Tを示し、破線のグラフは演算されたクラッチ推定温度TCの推移を示し、実線のグラフは計測された冷却液温度TWの推移を示している。
図5の時刻t1におけるクラッチ推定温度TCが移行直後クラッチ推定温度TC1であり、時刻t1における冷却液温度TWが移行直後冷却液温度TW1である。また、時刻t2におけるクラッチ推定温度TCが今回のクラッチ推定温度(補正前)TX2であり、時刻t2における冷却液温度TWが今回冷却液温度TW2である。時刻t1以降のモータ走行モードで、エンジン2は停止状態またはアイドル回転状態となるので、エンジン走行モードと比較して熱エネルギの発生量は著しく減少する。これにより、冷却液温度TWは雰囲気温度Tambに向かって徐々に低下する。また、モータ走行モードで、クラッチ3は切断状態とされるので、熱エネルギの発生量は減少する。これにより、クラッチ推定温度TCも雰囲気温度Tambに向かって徐々に低下する。
ここで、冷却液温度TWの低下傾向とクラッチの実温度の低下傾向との間には極めて高い相関性があるので、冷却液温度TWの変化に基づいて今回のクラッチ推定温度(補正前)TX2を演算できる。具体的に、演算装置は、まず、移行直後クラッチ推定温度TC1から今回冷却液温度TW2を減算した全変化分ΔTtotを演算する。演算装置は、次に、残存比率αを全変化分ΔTtotに乗算して残存変化分ΔTremを演算する。演算装置は、最後に、今回冷却液温度TW2に残存変化分ΔTremを加算して今回のクラッチ推定温度(補正前)TX2とする。
残存比率αは、一般的には時刻t1以降の時間経過に伴って減少するが、その減少傾向は一様ではない。本実施形態で、残存比率αは、移行直後冷却液温度TW1から今回冷却液温度TW2を減算した冷却液温度変化量ΔTW、および移行直後冷却液温度TW1に依存して変化するものとしている。そして、演算装置は、冷却液温度変化量ΔTWおよび移行直後冷却液温度TW1をパラメータとする残存比率マップの形態で残存比率αを保持する。この残存比率マップは、実験やシミュレーションなどにより予め求めておくことができる。
図4のステップS3で上昇分ΔTupを演算した後、およびステップS6で今回のクラッチ推定温度(補正前)TX2を演算した後は、ステップS7に合流する。ステップS7で演算装置は、エンジン2が回転しているか停止しているかを判定する。エンジン2が回転している場合はステップS8に進み、演算装置は、車両の走行速度Vに基づいてクラッチ推定温度の下降分ΔTdwnを演算する。エンジン2が停止している場合は、ステップS9に進み、演算装置は、下降分ΔTdwnをゼロとする。
下降分ΔTdwnは、エンジン2が回転している場合に冷却用の外気が取り込まれ、風冷による熱放散係数によってクラッチ3の実温度が下降する作用を考慮した補正量である。演算装置は、走行速度Vをパラメータとするマップの形態で下降分ΔTdwnを保持でき、あるいは、所定の演算式を用いて下降分ΔTdwnを演算してもよい。定性的には、車両速度Vが大きいほど外気の取り込み量が増加し、熱放散係数が良好となるので、下降分ΔTdwnは大きくなる。また、エンジン2が停止している場合は外気が取り込まれず、風冷による熱放散係数は期待できないので、演算装置は下降分ΔTdwnをゼロとする。
ステップS8の後およびステップS9の後は、ステップS10に合流する。ステップS10で演算装置は、走行モードごとに異なる演算式を用いて今回のクラッチ推定温度TC2を演算する。すなわち、モータ走行モードにおいては、クラッチ推定温度(補正前)TX2から下降分Δdwnを減算して今回のクラッチ推定温度TC2を演算する。また、エンジン走行モードにおいては、前回の制御サイクルのクラッチ推定温度TCに上昇分Δupを加算し下降分Δdwnを減算して今回のクラッチ推定温度TC2を演算する。
以上で、クラッチ推定温度演算の演算サイクルが1サイクル終了する。演算装置は、演算サイクルタイムが経過するごとに演算処理フローを繰り返して行うだけでなく、冷却液温度TWや車両速度Vなどの計測信号も逐次更新取得する。なお、モータ走行モードにおいて、図4のステップS7〜ステップS10を省略し、ステップS6で演算したクラッチ推定温度(補正前)TX2をそのまま今回のクラッチ推定温度TC2としてもよい。
図4の演算処理フロー図のステップS1は、本発明のモード判定部に相当する。以下同様に、ステップS2は、クラッチ推定温度初期値記憶部に相当する。ステップS3は、エンジン走行モードクラッチ推定温度上昇分演算部に相当する。ステップS5は、モータ走行移行直後状態記憶部に相当する。ステップS6は、モータ走行モードクラッチ推定温度演算部に相当する。ステップS7は回転判定部に相当し、ステップS7〜ステップS9は、クラッチ推定温度下降分演算部に相当する。ステップS10は、クラッチ推定温度補正部に相当する。
実施形態のハイブリッド車両のクラッチ推定温度演算装置は、車両に搭載されてエンジントルクを出力するエンジン2と、エンジン2に回転連結された入力側部材31と自動変速機4を介して駆動輪8L、8Rに回転連結された出力側部材32との間を継断可能に回転連結するクラッチ3と、クラッチ3を介さずに駆動輪8L、8Rにモータトルクを出力するモータ5と、エンジン2を冷却する冷却液の温度を冷却液温度として計測する冷却液温度センサ25と、エンジン2およびクラッチ3およびモータ5を制御する制御部6とを備えたハイブリッド車両のクラッチ推定温度演算装置であって、演算サイクルタイム(微小時間)演算サイクルが経過するごとに、前回以前のクラッチ推定温度TCに基づいて今回のクラッチ推定温度TC2を順次演算するクラッチ推定温度演算部と、車両の走行開始時の初回のクラッチ推定温度TC0をクラッチ3の雰囲気温度から推定して記憶するクラッチ推定温度初期値記憶部と、車両がエンジントルクで走行するエンジン走行モードか、車両がモータトルクのみで走行するモータ走行モードかを判定するモード判定部と、エンジン走行モードからモータ走行モードに移行した直後のクラッチ推定温度TCおよび冷却液温度TWを移行直後クラッチ推定温度TC1および移行直後冷却液温度TW1として記憶するモータ走行移行直後状態記憶部と、を備え、クラッチ推定温度演算部は、モータ走行モードにおいて、移行直後クラッチ推定温度TC1および移行直後冷却液温度TW1および今回計測された今回冷却液温度TW2に基づいて、今回のクラッチ推定温度TC2(あるいはTX2)を演算するモータ走行モードクラッチ推定温度演算部を有する。
これによれば、モータ走行モードおよびエンジン走行モードの両方において、演算サイクルタイム(微小時間)が経過するごとに今回のクラッチ推定温度TC2(あるいはTX2)を演算する。かつ、エンジン走行モードからモータ走行モードに移行した直後の移行直後クラッチ推定温度TC1および移行直後冷却液温度TW1を記憶しておき、モータ走行モードにおいて今回冷却液温度TW2を計測することで、伝達トルクが発生していないクラッチ3の温度変化を正しく推定する。したがって、エンジン2を停止状態またはアイドル回転状態としてモータトルクのみで走行している場合であっても、クラッチ温度センサを用いることなくクラッチ推定温度TC2(あるいはTX2)を精度よく演算できる。これにより、クラッチ3を適正に継合制御できる。例えば、モータ走行モードからエンジン走行モードに移行するときに、クラッチ3の実温度が過昇しない範囲内でクラッチを迅速に継合制御できる。
また、エンジンの冷却液温度センサ25はハイブリッド車両に標準装備されたものを利用でき、加えて、クラッチ推定温度演算部を始めとする演算部、記憶部、およびモード判定部は制御部6のソフトウェアで実現できるので、演算装置のコストは低廉である。
さらに、実施形態のクラッチ推定温度演算装置は、エンジン2の動作状態に応じて、クラッチ推定温度TCの前回から今回までの下降分Δdwnを演算するクラッチ推定温度下降分演算部と、モータ走行モードにおいてはモータ走行モードクラッチ推定温度演算部が演算した今回のクラッチ推定温度TX2から下降分Δdwnを減算して今回のクラッチ推定温度TC2とするクラッチ推定温度補正部と、を備える。
これによれば、エンジン2の動作状態に応じて変化するクラッチ推定温度の下降分Δdwnを演算し、モータ走行モードにおいてはこの下降分Δdwnでクラッチ推定温度TX2を補正するので、演算精度が高くなる。
さらに、実施形態のクラッチ推定温度演算装置は、エンジン走行モードにおいて、入力側部材31と出力側部材32との回転速度差ΔNおよびクラッチ3の伝達トルクTQに基づいて、クラッチ推定温度TCの前回から今回までの上昇分Δupを演算するエンジン走行モードクラッチ推定温度上昇分演算部をさらに備え、クラッチ推定温度補正部は、エンジン走行モードにおいては前回のクラッチ推定温度に上昇分Δupを加算し、クラッチ推定温度下降分演算部が演算した下降分Δdwnを減算して今回のクラッチ推定温度TC2とする。
これによれば、エンジン走行モードにおいて、回転速度差ΔNおよび伝達トルクTQに基づいてクラッチ推定温度の前回から今回までの上昇分Δupを演算するので、伝達トルクTQが発生しているクラッチの温度変化を正しく推定できる。したがって、モータ走行モードおよびエンジン走行モードの両方において、クラッチ推定温度TCを精度よく演算できる。
さらに、実施形態のクラッチ推定温度演算装置では、モータ走行モードクラッチ推定温度演算部は、移行直後クラッチ推定温度TC1から今回冷却液温度TW2を減算した全変化分ΔTtotを演算し、移行直後冷却液温度TW1から今回冷却液温度TW2を減算した冷却液温度変化量ΔTW、および移行直後冷却液温度TW1の少なくとも一方に依存して変化する残存比率αを全変化分ΔTtotに乗算して残存変化分ΔTremを演算し、今回冷却液温度TW2に残存変化分ΔTremを加算して今回の補正前クラッチ推定温度TX2とする。
これによれば、モータ走行モードにおいて、クラッチ3の温度変化に極めて相関性の高いエンジンの冷却液温度TWの変化に基づいてクラッチ推定温度を演算するので、演算精度が極めて高くなる。
さらに、実施形態のクラッチ推定温度演算装置では、クラッチ推定温度下降分演算部は、エンジン2が回転しているか停止しているかを判定する回転判定部を有し、エンジン2が回転している場合は、車両の走行速度Vに基づいて下降分Δdwnを演算し、エンジン2が停止している場合は、下降分Δdwnをゼロとする。
これによれば、エンジン2が回転しているか停止しているか、および車両の走行速度Vに応じて変化するクラッチ3の熱放散係数を考慮して下降分Δdwnを演算し、この下降分Δdwnでクラッチ推定温度を補正するので、演算精度が極めて高くなる。
さらに、実施形態のクラッチ推定温度演算装置では、クラッチ3はエンジン2の近傍に配設されており、クラッチ3の雰囲気温度として冷却液温度TWを代用する。
これによれば、初回のクラッチ推定温度TC0として、走行開始直後の温度が上昇する以前の冷却液温度を代用するので、クラッチ推定温度の初期値の精度が高い。また、雰囲気温度Tambを計測する専用の温度センサは不要であり、演算装置のコストは低廉となる。
なお、図1に示された駆動装置1の全体構成や図3に示されたHV制御モードが異なっていても、本発明のクラッチ推定温度演算装置を適用することができる。また、本発明は、摩擦式以外のクラッチへの応用もできる。本発明は、その他様々な変形や応用が可能である。
1:ハイブリッド車両用駆動装置
2:エンジン 25:冷却液温度センサ
3:クラッチ 31:入力側部材 32:出力側部材
33:アクチュエータ 34:ストロークセンサ
4:自動変速機 5:モータ 6:制御部
7:デファレンシャル装置 8L、8R:駆動輪
TC:クラッチ推定温度 TC1:移行直後クラッチ推定温度
TX2:今回の補正前クラッチ推定温度 TC2:今回のクラッチ推定温度
TW:冷却液温度 TW1:移行直後冷却液温度 TW2:今回冷却液温度
Tamb:雰囲気温度
ΔTup:上昇分 ΔTdwn:下降分
ΔTtot:全変化分 ΔTrem:残存変化分

Claims (6)

  1. 車両に搭載されてエンジントルクを出力するエンジンと、前記エンジンに回転連結された入力側部材と変速機を介して駆動輪に回転連結された出力側部材との間を継断可能に回転連結するクラッチと、前記クラッチを介さずに前記駆動輪にモータトルクを出力するモータと、前記エンジンを冷却する冷却液の温度を冷却液温度として計測する冷却液温度センサと、前記エンジンおよび前記クラッチおよび前記モータを制御する制御部とを備えたハイブリッド車両のクラッチ推定温度演算装置であって、
    微小時間が経過するごとに、前回以前のクラッチ推定温度に基づいて今回のクラッチ推定温度を順次演算するクラッチ推定温度演算部と、
    前記車両の走行開始時の初回のクラッチ推定温度を前記クラッチの雰囲気温度から推定して記憶するクラッチ推定温度初期値記憶部と、
    前記車両が前記エンジントルクで走行するエンジン走行モードか、前記車両が前記モータトルクのみで走行するモータ走行モードかを判定するモード判定部と、
    前記エンジン走行モードから前記モータ走行モードに移行した直後の前記クラッチ推定温度および前記冷却液温度を移行直後クラッチ推定温度および移行直後冷却液温度として記憶するモータ走行移行直後状態記憶部と、を備え、
    前記クラッチ推定温度演算部は、前記モータ走行モードにおいて、前記移行直後クラッチ推定温度および前記移行直後冷却液温度および今回計測された今回冷却液温度に基づいて、今回のクラッチ推定温度を演算するモータ走行モードクラッチ推定温度演算部を有するハイブリッド車両のクラッチ推定温度演算装置。
  2. 前記エンジンの動作状態に応じて、前記クラッチ推定温度の前回から今回までの下降分を演算するクラッチ推定温度下降分演算部と、
    前記モータ走行モードにおいては前記モータ走行モードクラッチ推定温度演算部が演算した今回のクラッチ推定温度から前記下降分を減算して今回のクラッチ推定温度とするクラッチ推定温度補正部と、
    を備える請求項1に記載のハイブリッド車両のクラッチ推定温度演算装置。
  3. 前記エンジン走行モードにおいて、前記入力側部材と前記出力側部材との回転速度差および前記クラッチの伝達トルクに基づいて、前記クラッチ推定温度の前回から今回までの上昇分を演算するエンジン走行モードクラッチ推定温度上昇分演算部をさらに備え、
    前記クラッチ推定温度補正部は、前記エンジン走行モードにおいては前回のクラッチ推定温度に前記上昇分を加算し、前記クラッチ推定温度下降分演算部が演算した前記下降分を減算して今回のクラッチ推定温度とする請求項2に記載のハイブリッド車両のクラッチ推定温度演算装置。
  4. 前記モータ走行モードクラッチ推定温度演算部は、
    前記移行直後クラッチ推定温度から前記今回冷却液温度を減算した全変化分を演算し、
    前記移行直後冷却液温度から前記今回冷却液温度を減算した冷却液温度変化量、および前記移行直後冷却液温度の少なくとも一方に依存して変化する残存比率を前記全変化分に乗算して残存変化分を演算し、
    前記今回冷却液温度に前記残存変化分を加算して前記今回のクラッチ推定温度とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のハイブリッド車両用クラッチ温度推定装置。
  5. 前記クラッチ推定温度下降分演算部は、
    前記エンジンが回転しているか停止しているかを判定する回転判定部を有し、
    前記エンジンが回転している場合は、前記車両の走行速度に基づいて前記下降分を演算し、前記エンジンが停止している場合は、前記下降分をゼロとする請求項2〜4のいずれか一項に記載のハイブリッド車両のクラッチ推定温度演算装置。
  6. 前記クラッチは前記エンジンの近傍に配設されており、前記クラッチの前記雰囲気温度として前記冷却液温度を代用する請求項1〜5のいずれか一項に記載のハイブリッド車両のクラッチ推定温度演算装置。
JP2013203364A 2013-09-30 2013-09-30 ハイブリッド車両のクラッチ推定温度演算装置 Expired - Fee Related JP6156023B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013203364A JP6156023B2 (ja) 2013-09-30 2013-09-30 ハイブリッド車両のクラッチ推定温度演算装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013203364A JP6156023B2 (ja) 2013-09-30 2013-09-30 ハイブリッド車両のクラッチ推定温度演算装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015067116A JP2015067116A (ja) 2015-04-13
JP6156023B2 true JP6156023B2 (ja) 2017-07-05

Family

ID=52834272

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013203364A Expired - Fee Related JP6156023B2 (ja) 2013-09-30 2013-09-30 ハイブリッド車両のクラッチ推定温度演算装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6156023B2 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004036822A (ja) * 2002-07-05 2004-02-05 Toyota Motor Corp 自動クラッチシステムの制御装置
JP4178865B2 (ja) * 2002-07-29 2008-11-12 アイシン精機株式会社 クラッチ制御装置
JP2013001262A (ja) * 2011-06-17 2013-01-07 Toyota Motor Corp 動力伝達制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015067116A (ja) 2015-04-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9446761B2 (en) Control device
JP5967110B2 (ja) ハイブリッド車両の制御装置
US9061681B2 (en) Control device
JP5223603B2 (ja) ハイブリッド車両の制御装置
JP4296964B2 (ja) 車両駆動制御装置
JP2010105648A (ja) ハイブリッド車両のクラッチ伝達トルク制御方法
JP2012116457A (ja) ハイブリッド車両の加速トルク制御方法及び装置
CN103963776A (zh) 用于车辆的控制装置和控制方法
JP2011063089A (ja) ハイブリッド電気自動車の制御装置
US20170087994A1 (en) Control device of electric vehicle
JP2010188807A (ja) 電動車両の制御装置
CN111791687A (zh) 混合动力车辆
JP2009143263A (ja) 車両用駆動制御装置
WO2014102600A1 (en) Hybrid vehicle, warm-up control device for hybrid vehicle, and warm-up control method for hybrid vehicle
JP6353557B2 (ja) 車両の制御装置
JP5212001B2 (ja) ハイブリッド車両の制御装置及び制御方法
JP2013023155A (ja) ハイブリッド車両の制御装置
JP2012086710A (ja) ハイブリッド車両のアイドル制御装置
JP5336998B2 (ja) 動力出力装置
KR100916459B1 (ko) 하이브리드 차량의 클러치 특성 보정 방법
JP6156023B2 (ja) ハイブリッド車両のクラッチ推定温度演算装置
JP7013715B2 (ja) ハイブリッド車両の駆動トルク制御装置および駆動トルク制御方法
JP7498432B2 (ja) トランスアクスルの油温推定装置
JP2013052791A (ja) ハイブリッド車両の制御装置
JP2008024178A (ja) ハイブリッド車両の駆動力制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160831

TRDD Decision of grant or rejection written
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170420

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170509

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170522

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6156023

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees