JP6152902B2 - 電気光学装置、および電子機器 - Google Patents
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Description
このような電気光学装置は、表示サイズの小型化や表示の高精細化が要求されることが多い。表示サイズの小型化と表示の高精細化とを両立するためには、画素回路を微細化する必要があるので、電気光学装置を例えばシリコン集積回路に設ける技術も提案されている(例えば特許文献1参照)。
一方、データ信号を出力する回路は、データ線を短時間で充電するために、その駆動能力が高められている。このように高い駆動能力を有する回路において、非常に細かい精度でデータ信号を出力させることは困難である。
また、画素回路を微細化したとき、製造時に発生する誤差に起因した輝度ムラが生じ、表示品質が低下することもあった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、その目的の一つは、細かい精度のデータ信号を必要としない一方で、輝度ムラの発生を抑止しつつ、発光素子に電流を精度良く供給することが可能な電気光学装置および電子機器を提供することにある。
ところで、書込トランジスターがオンすると、駆動トランジスターのゲートと、データ線、第1保持容量、および、第2保持容量とは、電気的に接続される。従って、例えば、データ線を介して、第1保持容量および第2保持容量に電荷を供給することにより書込トランジスターのゲートの電位を決定する場合、駆動トランジスターのゲートの電位は、第1保持容量の大きさおよび当該容量に蓄積された電荷と、第2保持容量の大きさおよび当該容量に蓄積された電荷とによって決定される。より具体的には、データ線を介して供給される電荷は、第1保持容量および第2保持容量に分配されるが、第2保持容量は第1保持容量に比べて十分に大きな容量を有するため、駆動トランジスターのゲートの電圧は、実質的には、第2保持容量に蓄積された電荷と第2保持容量の容量とによって決定されることになる。
上述のとおり、複数のデータ線の各々に対応して設けられる複数の第2保持容量の各々が有する容量のばらつきは小さいため、駆動トランジスターのゲートの電圧の列毎のばらつきも小さく抑えることが可能となる。従って、本実施形態にかかる電気光学装置は、表示ムラの発生を抑制し、高品位の表示が可能となる。
これにより、データ信号を細かい精度で刻まなくても、電流を発光素子に対して精度良く供給することができる。
また、上述のとおり複数のデータ線に対応して設けられた複数の第2保持容量の各々が有する容量のばらつきは小さいため、データ信号の電位変動に対するデータ線の電位変動の圧縮率のばらつきも小さく抑えることが可能となり、輝度ムラの発生を防止した高品位の表示が可能となる。
この発明によれば、発光素子に寄生する容量の保持電圧の影響を抑えることができる。
この発明によれば、駆動トランジスターのゲートの電位を、駆動トランジスターの閾値電圧に対応した電位とすることができ、駆動トランジスター毎の閾値電圧のばらつきを補償することが可能となる。
この構成において、前記互いに隣り合う前記データ線および前記電位線のうち、前記データ線は、前記互いに隣り合う2つの画素回路のうち一方と電気的に接続し、前記電位線は、前記互いに隣り合う2つの画素回路のうち他方と電気的に接続する態様としても良い。
また、この構成において、前記互いに隣り合う前記データ線および前記電位線の各々は、前記互いに隣り合う2つの画素回路のうち一方と電気的に接続する態様としても良い。
いずれの構成によっても、互いに隣り合うデータ線と電位線とで第2保持容量が形成されるため、新たなスペースを必要とすること無く、大きな容量を形成することが可能となる。
図1は、本発明の実施形態に係る電気光学装置10の構成を示す斜視図である。
電気光学装置10は、例えばヘッドマウント・ディスプレイにおいて画像を表示するマイクロ・ディスプレイである。電気光学装置10の詳細については後述するが、複数の画素回路や当該画素回路を駆動する駆動回路などが例えばシリコン基板に形成された有機EL装置であり、画素回路には、発光素子の一例であるOLEDが用いられている。
電気光学装置10は、表示部で開口または透過する枠状のケース72に収納されるとともに、FPC(Flexible Printed Circuits)基板74の一端が接続されている。FPC基板74には、半導体チップの制御回路5が、COF(Chip On Film)技術によって実装されるとともに、複数の端子76が設けられて、図示省略された上位回路に接続される。
当該上位回路から複数の端子76を介して画像データが同期信号に同期して供給される。
同期信号には、垂直同期信号や、水平同期信号、ドットクロック信号が含まれる。また、画像データは、表示すべき画像の画素の階調レベルを例えば8ビットで規定する。
制御回路5は、電気光学装置10の電源回路とデータ信号出力回路との機能を兼用するものである。すなわち、制御回路5は、同期信号にしたがって生成した各種の制御信号や各種電位を電気光学装置10に供給するほか、デジタルの画像データをアナログのデータ信号に変換して、電気光学装置10に供給する。
このうち、表示部100には、表示すべき画像の画素に対応した画素回路110がマトリクス状に配列されている。詳細には、図2に示すように、表示部100において、m行の走査線12がX方向(第1の方向)に延在して設けられ、また、3列毎にグループ化された(3n)列のデータ線14がY方向(第2の方向)に延在し、かつ、各走査線12と互いに電気的な絶縁を保って設けられている。そして、m行の走査線12と(3n)列のデータ線14との交差部に対応して画素回路110が設けられている。このため、本実施形態において画素回路110は、縦m行×横(3n)列でマトリクス状に配列されている。
なお、同一行の走査線12と同一グループに属する3列のデータ線14との交差に対応した3つの画素回路110は、それぞれR(赤)、G(緑)、B(青)の画素に対応して、これらの3画素が表示すべきカラー画像の1ドットを表現する。すなわち、本実施形態では、RGBに対応したOLEDの発光によって1ドットのカラーを加法混色で表現する構成となっている。
また、詳細は後述するが、互いに隣り合う電位線16およびデータ線14は、絶縁体(誘電体)を挟持する。従って、互いに隣り合う電位線16およびデータ線14は容量的に結合し、両者間には保持容量50が形成される。この保持容量50は、データ線14の電位を保持する第2保持容量として機能する。なお、互いに隣り合う電位線16とデータ線14との間の距離は、必要とされる大きさの容量が得られるように定められる。以下では、保持容量50の容量をCdtと表記する。
このように、電位線16とデータ線14とが絶縁体を挟持することによって形成される保持容量50は、平面視した場合(つまり、表示部100に垂直な方向から見た場合)、表示部100の内側から外側にわたって、または、表示部100の内側に設けられることになる。但し、図2においては、記載の便宜上、保持容量50が表示部100の外側に設けられるように描かれている。
なお、1列目〜(3n)列目の画素回路110には、それぞれ、2列目〜(3n+1)列目の電位線16を介して、電位Vorstが供給される。
詳細には、電気光学装置10には、走査線駆動回路20を制御するための制御信号Ctrと、デマルチプレクサ30での選択を制御するための制御信号Sel(1)、Sel(2)、Sel(3)と、これらの信号に対して論理反転の関係にある制御信号/Sel(1)、/Sel(2)、/Sel(3)と、レベルシフト回路40を制御するための負論理の制御信号/Giniと、正論理の制御信号Grefとが供給される。なお、制御信号Ctrには、実際にはパルス信号や、クロック信号、イネーブル信号など、複数の信号が含まれる。
また、電気光学装置10には、デマルチプレクサ30での選択タイミングに合わせてデータ信号Vd(1)、Vd(2)、…、Vd(n)が、1、2、…、n番目のグループに対応して制御回路5によって供給される。なお、データ信号Vd(1)〜Vd(n)が取り得る電位の最高値をVmaxとし、最低値をVminとする。
なお、走査線駆動回路20は、走査信号Gwr(1)〜Gwr(m)のほかにも、当該走査信号に同期した各種の制御信号を行毎に生成して表示部100に供給するが、図2においては図示を省略している。また、フレームの期間とは、電気光学装置10が1カット(コマ)分の画像を表示するのに要する期間をいい、例えば同期信号に含まれる垂直同期信号の周波数が120Hzであれば、その1周期分の8.3ミリ秒の期間である。
ここで、j番目のグループに属する(3j−2)、(3j−1)、(3j)列に対応したトランスミッションゲート34の入力端は互いに共通接続されて、その共通端子にそれぞれデータ信号Vd(j)が供給される。
j番目のグループにおいて左端列である(3j−2)列に設けられたトランスミッションゲート34は、制御信号Sel(1)がHレベルであるとき(制御信号/Sel(1)がLレベルであるとき)にオン(導通)する。同様に、j番目のグループにおいて中央列である(3j−1)列に設けられたトランスミッションゲート34は、制御信号Sel(2)がHレベルであるとき(制御信号/Sel(2)がLレベルであるとき)にオンし、j番目のグループにおいて右端列である(3j)列に設けられたトランスミッションゲート34は、制御信号Sel(3)がHレベルであるとき(制御信号/Sel(3)がLレベルであるとき)にオンする。
なお、保持容量44は、表示部100の外側(つまり、額縁エリア)に配置され、表示部100に垂直な方向から見て互いに重なり合う2つの電極から形成される。これにより、大きな容量Crf1を比較的狭い領域に形成することが可能となり、電気光学装置10の狭額縁化が可能となる。
また、各列のトランジスター43のソースノードは、所定電位として電位Vrefを給電する給電線62に各列にわたって共通に接続され、ゲートノードには、制御信号Grefが各列にわたって共通に供給される。このため、トランジスター43は、保持容量44の他端であるノードhと給電線62とを、制御信号GrefがHレベルのときに電気的に接続し、制御信号GrefがLレベルのときに電気的に非接続とする構成となっている。
トランジスター121は、ソースノードが給電線116に接続され、ドレインノードがトランジスター123のソースまたはドレインノードの他方と、トランジスター124のソースノードとにそれぞれ接続されている。ここで、給電線116には、画素回路110において電源の高位側となる電位Velが給電される。このトランジスター121は、トランジスター121のゲートノードおよびソースノード間の電圧に応じた電流を流す駆動トランジスターとして機能する。
トランジスター123のゲートノードには制御信号Gcmp(i)が供給される。トランジスター123は、トランジスター121のソースノードおよびゲートノードg間の電気的な接続を制御する、閾値補償トランジスターとして機能する。
トランジスター124のゲートノードには制御信号Gel(i)が供給され、ドレインノードがトランジスター125のソースノードとOLED130のアノード130aとにそれぞれ接続されている。すなわち、トランジスター124は、トランジスター121のドレインノードと、アノード130aとの間の電気的な接続を制御する、発光制御トランジスターとして機能する。
トランジスター125のゲートノードにはi行目に対応した制御信号Gorst(i)が供給され、ドレインノードは(3j−1)列目の電位線16に接続されて電位Vorstに保たれている。このトランジスター125は、電位線16と、アノード130aとの間の電気的な接続を制御する初期化トランジスターとして機能する。
なお、保持容量50の容量Cdtと、保持容量44の容量Crf1と、保持容量132の容量Cpixとは、
Cdt>Crf1>>Cpix
となるように設定される。すなわち、CdtはCrf1よりも大きく、CpixはCdtおよびCrf1よりも十分に小さくなるように設定される。
OLED130は、上記シリコン基板において、アノードと光透過性を有するカソードとで白色有機EL層を挟持した素子である。そして、OLED130の出射側(カソード側)にはRGBのいずれかに対応したカラーフィルターが重ねられる。
このようなOLED130において、アノードからカソードに電流が流れると、アノードから注入された正孔とカソードから注入された電子とが有機EL層で再結合して励起子が生成され、白色光が発生する。このときに発生した白色光は、シリコン基板(アノード)とは反対側のカソードを透過し、カラーフィルターによる着色を経て、観察者側に視認される構成となっている。
図4は、縦および横方向で互いに隣り合う4つの画素回路110の構成を示す平面図である。また、図5は、図4におけるE−e線で破断した部分断面図である。
なお、図4は、トップエミッション構造の画素回路110を観察側から平面視した場合の配線構造を示しているが、簡略化のために、後述する第2配線層以降に形成される構造体を省略している。また、図5は、簡略化のために、OLED130におけるアノード130a以降に形成される構造体を省略している。
なお、以上の各図については、各層、各部材、各領域などを認識可能な大きさとするために、縮尺を異ならせている場合がある。
シリコン基板150上には、ほぼ全面にわたってNウェル160が形成されている。なお、図4においては、平面視したときに、トランジスター121〜125の設けられる領域を容易に把握できるように、Nウェル160のうち、トランジスター121〜125の設けられる領域およびその近傍のみを、ハッチングを付して示している。
Nウェル160には、N型拡散層(図示せず)を介して電位Velが給電される。このため、トランジスター121〜125の基板電位は電位Velとなっている。
これら、P型拡散層P1〜P8は、トランジスター121〜125のソースまたはドレインとして機能する。
これら、ゲート電極G1〜G5は、それぞれトランジスター121〜125のゲートとして機能する。
また、トランジスター122は、ゲート電極G2、P型拡散層P1、およびP型拡散層P2を有する構成である。このうち、P型拡散層P1は、トランジスター122のソースまたはドレインのうち一方として機能し、P型拡散層P2は、トランジスター122のソースまたはドレインのうち他方として機能する。
トランジスター123は、ゲート電極G3、P型拡散層P2、およびP型拡散層P3を有する構成である。このうち、P型拡散層P3は、トランジスター123のソースまたはドレインのうち他方として機能し、P型拡散層P2は、トランジスター123のソースまたはドレインのうち一方として機能する。
トランジスター124は、ゲート電極G4、P型拡散層P3、およびP型拡散層P4を有する構成である。このうち、P型拡散層P3は、トランジスター124のソースとして機能し、P型拡散層P4は、トランジスター124のドレインとして機能する。
トランジスター125は、ゲート電極G5、P型拡散層P5、およびP型拡散層P6を有する構成である。このうち、P型拡散層P5は、トランジスター125のソースとして機能し、P型拡散層P6は、トランジスター125のドレインとして機能する。
第1層間絶縁層L1の表面には、アルミニウム等の導電性の配線層をパターニングすることにより、走査線12、給電線116、および、信号線141〜143が、それぞれ形成されるとともに、画素回路110毎に中継ノードN1〜N6がそれぞれ形成される。なお、これら第1層間絶縁層L1の表面に形成される配線層を、第1配線層と総称する場合がある。
中継ノードN2は、コンタクトホールHa2を介して、P型拡散層P2に接続されるとともに、コンタクトホールHa11を介して、ゲート電極G1に接続される。すなわち、中継ノードN2は、トランジスター121のゲートノードgに相当するともに、トランジスター122のソースノードまたはドレインノードの他方、および、トランジスター123のソースまたはドレインノードの一方に相当する。
中継ノードN3は、コンタクトホールHa3を介して、P型拡散層P3に接続されるとともに、コンタクトホールHa7を介して、P型拡散層P7に接続される。すなわち、中継ノードN3は、トランジスター121のドレインノードに相当するともに、トランジスター123のソースまたはドレインノードの他方、および、トランジスター124のソースノードに相当する。
中継ノードN4は、コンタクトホールHa4を介して、P型拡散層P4に接続されるとともに、コンタクトホールHa5を介して、P型拡散層P5に接続される。すなわち、中継ノードN4は、トランジスター124のドレインノードに相当するともに、トランジスター125のソースノードに相当する。
中継ノードN5は、コンタクトホールHa6を介して、P型拡散層P6に接続される。すなわち、中継ノードN5は、トランジスター125のドレインノードに相当する。
中継ノードN6は、コンタクトホールHa8を介して、P型拡散層P8に接続される。すなわち、中継ノードN6は、トランジスター121のソースノードに相当する。
信号線141は、コンタクトホールHa14を介して、ゲート電極G4に接続される。なお、信号線141には、画素回路110に対応した制御信号Gel(i)が供給される。
信号線142は、コンタクトホールHa15を介して、ゲート電極G5に接続される。なお、信号線142には、画素回路110に対応した制御信号Gorst(i)が供給される。
信号線143は、コンタクトホールHa13を介して、ゲート電極G3に接続される。なお、信号線143には、画素回路110に対応した制御信号Gcmp(i)が供給される。
走査線12は、コンタクトホールHa12を介して、ゲート電極G2に接続される。給電線116は、コンタクトホールHa9を介して、P型拡散層P8に接続される。
ここで、コンタクトホールHa2〜Ha9およびコンタクトホールHa11〜Ha15は、第1層間絶縁層L1を貫通するコンタクトホールである。
第2層間絶縁層L2の表面には、アルミニウム等の導電性の配線層をパターニングすることにより、データ線14、および、電位線16がそれぞれ形成されるとともに、画素回路110毎に、中継ノードN11、および、中継ノードN12がそれぞれ形成される。なお、これら第2層間絶縁層L2の表面に形成される配線層を、第2配線層と総称する場合がある。
中継ノードN12は、コンタクトホールHb4を介して、中継ノードN6に接続されるとともに、コンタクトホールHb5を介して、給電線116に接続される。このため、給電線116は、中継ノードN12、中継ノードN6を介して、P型拡散層P8(すなわち、トランジスター121のソース)に接続される。
データ線14は、コンタクトホールHb1を介して、中継ノードN1に接続される。このため、データ線14は、中継ノードN1を介してP型拡散層P1(すなわち、トランジスター122のソースまたはドレインのうち一方)に接続される。
電位線16は、コンタクトホールHb3を介して、中継ノードN5に接続される。このため、電位線16は、中継ノードN5を介してP型拡散層P6(すなわち、トランジスター125のドレイン)に接続される。
なお、コンタクトホールHb1〜Hb5は、第2層間絶縁層L2を貫通するコンタクトホールである。
これにより、同層(第2配線層)に形成され互いに隣り合うデータ線14および電位線16は、第3層間絶縁層L3を挟持することになる。その結果、互いに隣り合うデータ線14および電位線16は容量的に結合し、両者間には保持容量50が形成される。表示部100の上部から下部にかけてY方向に延在するデータ線14および電位線16は、図2に示すとおり、表示部100の1辺に相当する長さを有する。従って、保持容量50の容量Cdtを大きな値とすることが可能となる。また、保持容量50は、互いに隣り合うデータ線14および電位線16を利用して形成されるものであるため、新たなスペースを必要とすることなく、大きな容量Cdtを設けることができる。
中継ノードN21は、第3層間絶縁層L3を貫通するコンタクトホールHc1を介して、中継ノードN11に接続される。
また、図示は省略するが、給電層116aは、給電線116と電気的に接続される。
第4層間絶縁層L4の表面には、アルミニウムやITO(Indium Tin Oxide)などの導電性を有する配線層をパターニングすることによって、OLED130のアノード130aが形成される。このアノード130aは、画素回路110毎に個別の画素電極であり、第4層間絶縁層L4を貫通するコンタクトホールHd1を介して中継ノードN21に接続される。すなわち、アノード130aは、中継ノードN21、中継ノードN11、および、中継ノードN4を介して、P型拡散層P4(つまり、トランジスター124のドレイン)およびP型拡散層P5(つまり、トランジスター125のソース)に接続される。
すなわち、OLED130は、互いに対向するアノード130aと共通電極118とで発光層を挟持し、アノード130aから共通電極118に向かって流れる電流に応じた輝度にて発光する。OLED130が発する光のうち、シリコン基板150とは反対方向(すなわち、図5において上方向)に向かう光が、観察者に映像として視認される(トップエミッション構造)。
このほかにも、発光層を大気から遮断するための封止材などが設けられるが、説明は省略する。
また、本実施形態では、保持容量132を、ゲート電極G1とP型拡散層P8とでゲート絶縁層L0を挟持することにより構成しているが、互いに異なる配線層で絶縁層を挟持することによって形成しても良い。例えば、第1配線層と第2配線層とで第2層間絶縁層L2を挟持することにより保持容量132を形成しても良い。
図6を参照して電気光学装置10の動作について説明する。図6は、電気光学装置10における各部の動作を説明するためのタイミングチャートである。
この図に示されるように、走査信号Gwr(1)〜Gwr(m)が順次Lレベルに切り替えられて、1フレームの期間において1〜m行目の走査線12が1水平走査期間(H)毎に順番に走査される。
1水平走査期間(H)での動作は、各行の画素回路110にわたって共通である。そこで以下については、i行目が水平走査される走査期間において、特にi行(3j−2)列の画素回路110について着目して動作を説明する。
なお、図6において、i行目に対し1行前の(i−1)行目に対応する走査信号Gwr(i-1)、制御信号Gel(i-1)、Gcmp(i-1)、Gorst(i-1)の各々については、i行目に対応する走査信号Gwr(i)、制御信号Gel(i)、Gcmp(i)、Gorst(i)よりも、それぞれ時間的に1水平走査期間(H)だけ時間的に先行した波形となる。
説明の便宜上、初期化期間の前提となる発光期間から説明する。図6に示されるように、i行目の発光期間では、走査信号Gwr(i)がHレベルであり、制御信号Gel(i)はLレベルである。また、論理信号である制御信号Gel(i)、Gcmp(i)、Gorst(i)のうち、制御信号Gel(i)がLレベルであり、制御信号Gcmp(i)、Gorst(i)がHレベルである。
このため、図7に示されるようにi行(3j−2)列の画素回路110においては、トランジスター124がオンする一方、トランジスター122、123、125がオフする。したがって、トランジスター121は、ゲート・ソース間の電圧Vgsに応じた電流IdsをOLED130に供給する。後述するように、本実施形態において発光期間での電圧Vgsは、トランジスター121の閾値電圧から、データ信号の電位に応じてレベルシフトした値である。このため、OLED130には、階調レベルに応じた電流がトランジスター121の閾値電圧を補償した状態で供給されることになる。
また、図7においては、動作説明で重要となる経路を太線で示している(以下の図8〜図10、図15〜図18においても同様である)。
次にi行目の走査期間に至ると、まず、第1期間として(b)の初期化期間が開始する。初期化期間では、発光期間と比較して、制御信号Gel(i)がHレベルに、制御信号Gorst(i)がLレベルに、それぞれ変化する。
このため、図8に示されるように、i行(3j−2)列の画素回路110においてはトランジスター124がオフし、トランジスター125がオンする。これによってOLED130に供給される電流の経路が遮断されるとともに、OLED130のアノードが電位Vorstにリセットされる。
OLED130は、上述したようにアノードとカソードとで有機EL層を挟持した構成であるので、アノード・カソードの間には、図において破線で示されるように容量Coledが並列に寄生する。発光期間においてOLED130に電流が流れていたときに、当該OLED130のアノード・カソード間の両端電圧が当該容量Coledによって保持されるが、この保持電圧は、トランジスター125のオンによってリセットされる。このため、本実施形態では、後の発光期間においてOLED130に再び電流が流れるときに、当該容量Coledで保持されている電圧の影響を受けにくくなる。
なお、本実施形態において、電位Vorstについては、当該電位Vorstと共通電極118の電位Vctとの差がOLED130の発光閾値電圧を下回るように設定される。このため、初期化期間(次に説明する補償期間および書込期間)において、OLED130はオフ(非発光)状態である。
また、本実施形態において電位Vrefについては、データ信号Vd(1)〜Vd(n)が取り得る電位に対して、後の書込期間においてノードhの電位が上昇変化するような値に、例えば最低値Vminよりも低くなるように設定される。
i行目の走査期間では、次に第2期間として(c)の補償期間となる。補償期間では初期化期間と比較して、走査信号Gwr(i)および制御信号Gcmp(i)がLレベルとなる。一方、補償期間では、制御信号GrefがHレベルに維持された状態で制御信号/GiniがHレベルになる。
このため、図9に示されるように、レベルシフト回路40においては、トランジスター43がオンした状態でトランジスター45がオフすることによって、ノードhが電位Vrefに固定される。一方、i行(3j−2)列の画素回路110ではトランジスター122がオンすることによって、ゲートノードgがデータ線14に電気的に接続されるので、補償期間の開始当初においてゲートノードgは電位Viniとなる。
ただし、上記経路に流れる電流は、ゲートノードgが電位(Vel−|Vth|)に近づくにつれて流れにくくなるので、補償期間の終了に至るまでに、データ線14およびゲートノードgは電位(Vel−|Vth|)で飽和する。したがって、保持容量132は、補償期間の終了に至るまでにトランジスター121の閾値電圧|Vth|を保持することになる。
初期化期間の後、第3期間として(d)の書込期間に至る。書込期間では、制御信号Gcmp(i)がHレベルになるので、トランジスター121のダイオード接続が解除される一方、制御信号GrefがLレベルになるので、トランジスター43がオフになる。このため、(3j−2)列目のデータ線14からi行(3j−2)列の画素回路110におけるゲートノードgに至るまでの経路はフローティング状態になるものの、当該経路における電位は、保持容量50、132によって(Vel−|Vth|)に維持される。
一方、ゲートノードgは、保持容量44の一端にデータ線14を介して接続されているので、補償期間における電位(Vel−|Vth|)から、ノードhの電位変化分ΔVに容量比k1を乗じた値だけ、上昇方向にシフトした値(Vel−|Vth|+k1・ΔV)となる。このとき、トランジスター121の電圧Vgsは、閾値電圧|Vth|からゲートノードgの電位上昇したシフト分だけ減じた値(|Vth|−k1・ΔV)となる。
なお、容量比k1は、Crf1/(Cdt+Crf1)である。厳密にいえば、保持容量132の容量Cpixも考慮しなければならないが、容量Cpixは、容量Crf1、Cdtに比較して十分に小さくなるように設定しているので、無視している。
このとき、ゲートノードgの電位範囲ΔVgateは、データ信号の電位範囲ΔVdata(=Vmax−Vmin)に容量比k1を乗じた値に圧縮される。例えば、Crf1:Cdt=1:9となるように保持容量44、50の容量を設定したとき、ゲートノードgの電位範囲ΔVgateをデータ信号の電位範囲ΔVdataの1/10に圧縮することができる。
また、ゲートノードgの電位範囲ΔVgateを、データ信号の電位範囲ΔVdataに対してどの方向にどれだけシフトさせるかについては、電位Vp(=Vel−|Vth|)、Vrefで定めることができる。これは、データ信号の電位範囲ΔVdataが、電位Vrefを基準にして容量比k1で圧縮されるとともに、その圧縮範囲が電位Vpを基準にシフトされたものが、ゲートノードgの電位範囲ΔVgateとなるためである。
やがて走査信号Gwr(i)がHレベルになり、トランジスター122がオフする。これによって書込期間が終了して、ゲートノードgの電位は、シフトされた値に確定する。
i行目の書込期間の終了した後、1水平走査期間の間をおいて発光期間に至る。この発光期間では、上述したように制御信号Gel(i)がLレベルになるので、i行(3j−2)列の画素回路110においては、トランジスター124がオンする。ゲート・ソース間の電圧Vgsは、(|Vth|−k1・ΔV)であるから、OLED130には、先の図7に示したように、階調レベルに応じた電流がトランジスター121の閾値電圧を補償した状態で供給されることになる。
このような動作は、i行目の走査期間において、(3j−2)列目の画素回路110以外のi行目の他の画素回路110においても時間的に並列して実行される。さらに、このようなi行目の動作は、実際には、1フレームの期間において1、2、3、…、(m−1)、m行目の順番で実行されるとともに、フレーム毎に繰り返される。
保持容量50は、表示部100の1辺に相当する長さを有するデータ線14および電位線16で第3層間絶縁層L3を挟持することにより形成されるため、保持容量50の容量Cdtを大きな値とすることができる。この容量Cdtは、画素回路110内に形成される保持容量132の容量Cpixに比べて十分に大きく、また、表示部100の外側の限られた領域に形成される保持容量44の容量Crf1に比べても大きい。従って、容量Cdtおよび容量Crf1の容量比k1を小さな値に設定することが可能となる。
すなわち、本実施形態によれば、容量比k1を小さな値に設定することで、ゲートノードgにおける電位範囲ΔVgateを、データ信号の電位範囲ΔVdataに対して、十分に小さな値に圧縮することが可能となる。これにより、データ信号を細かい精度で刻まなくても、階調レベルを反映した電圧を、トランジスター121のゲート・ソース間に印加することができる。そして、微細な画素回路110においてトランジスター121のゲート・ソース間の電圧Vgsの変化に対しOLED130に流れる微小電流が相対的に大きく変化する場合であっても、OLED130に供給する電流を精度良く制御することが可能になる。
より具体的には、書込期間において保持容量44の一端から供給される電荷は、保持容量50と保持容量132との容量比に応じて、保持容量50と保持容量132とに分配される。そして、書込期間おけるゲートノードgの電位変化量は、保持容量50の容量Cdtおよび保持容量50に分配された電荷と、保持容量132の容量Cpixおよび保持容量132に分配された電荷とに基づいて決定される。保持容量50の容量Cdtは、保持容量132の容量Cpixに比べて十分に大きいため、書込期間おけるゲートノードgの電位変化量は、実質的には、保持容量50の容量Cdtと保持容量50に分配された電荷とによって決定されることになる。上述のとおり、列毎の容量Cdtのばらつきは小さい。従って、本実施形態によれば、書込期間おけるゲートノードgの電位変化量の列毎のばらつきを、小さく抑えることができる。
これに対して、仮に、電気光学装置10が保持容量50を備えない場合、書込期間において保持容量44の一端から供給される電荷は、保持容量132により保持される。つまり、電気光学装置10が保持容量50を備えない場合、書込期間おけるゲートノードgの電位変化量は、書込期間において保持容量44の一端から供給される電荷と、保持容量132の容量Cpixとにより決定される。保持容量132は、微細な画素回路110内に形成されるため、容量Cpixの相対的なばらつきは、容量Cdtの相対的なばらつきに比べて大きい。従って、この場合、書込期間おけるゲートノードgの電位変化量の列毎のばらつきも大きくなる。
このように、本実施形態によれば、保持容量50を備えることにより、書込期間おけるゲートノードgの電位変化量の相対的なばらつきを低減することができるため、輝度のムラの発生を抑制し、表示品質を向上させることが可能となる。
これに対して、本実施形態においては、データ線14の電位変化範囲についても、データ信号の電位範囲ΔVdataに対し狭められるので、容量Cprsを介した影響を抑えることができる。
図において、Aは閾値電圧|Vth|が大きいトランジスターを、Bは閾値電圧|Vth|が小さいトランジスターを、それぞれ示している。なお、図12において、ゲート・ソース間の電圧Vgsは、実線で示される特性と電位Velとの差である。また、図12において、縦スケールの電流は、ソースからドレインに向かう方向を正(上)とした対数で示されている。
補償期間においてゲートノードgは、電位Viniから電位(Vel−|Vth|)となる。
このため、閾値電圧|Vth|が大きいトランジスターAは、動作点がSからAaに移動する一方、閾値電圧|Vth|が小さいトランジスターBは、動作点がSからBaに移動する。
次に、2つのトランジスターが属する画素回路110へのデータ信号の電位が同じ場合、つまり同じ階調レベルが指定された場合に、書込期間においては、動作点Aa、Baからの電位シフト量は、ともに同じk1・ΔVである。このため、トランジスターAについては動作点がAaからAbに移動し、トランジスターBについては動作点がBaからBbに移動するが、電位シフト後の動作点における電流は、トランジスターA、Bともに、ほぼ同じIdsで揃うことになる。
第1実施形態においては、各列の保持容量44の他端、すなわちノードhに、デマルチプレクサ30によってデータ信号を直接供給する構成とした。このため、各行の走査期間においては、制御回路5からデータ信号が供給される期間イコール書込期間となるので、時間的な制約が大きい。
そこで次に、このような時間的な制約を緩和することができる第2実施形態について説明する。なお、以下においては説明の重複を避けるために、第1実施形態との相違する部分を中心に説明することにする。
この図に示した第2実施形態が図2に示した第1実施形態と相違する点は、主としてレベルシフト回路40の各列において保持容量41およびトランスミッションゲート42が設けられている点にある。
なお、各列のトランスミッションゲート42は、制御回路5から供給される制御信号GcplがHレベルであるとき(制御信号/GcplがLレベルであるとき)に一斉にオンする。
一方、デマルチプレクサ30におけるトランスミッションゲート34が第2スイッチとして機能する。
図14を参照して第2実施形態に係る電気光学装置10の動作について説明する。図14は、第2実施形態における動作を説明するためのタイミングチャートである。
この図に示されるように、走査信号Gwr(1)〜Gwr(m)が順次Lレベルに切り替えられて、1フレームの期間において1〜m行目の走査線12が1水平走査期間(H)毎に順番に走査される点については、第1実施形態と同様である。また、第2実施形態ではi行目の走査期間が、(b)で示される初期化期間と(c)で示される補償期間と(d)で示される書込期間との順となっている点についても、第1実施形態と同様である。なお、第2実施形態において(d)の書込期間は、制御信号GcplがLからHレベルになるとき(制御信号/GcplがLレベルになったとき)から走査信号がLからHレベルになるときまでの期間である。
第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、時間の順でいえば(発光期間)→初期化期間→補償期間→書込期間→(発光期間)というサイクルの繰り返しとなる。ただし、第2実施形態では、第1実施形態と比較して、データ信号の供給期間イコール書込期間ではなく、データ信号の供給が書込期間よりも先行している点において相違している。詳細には、第2実施形態では、(a)の初期化期間と(b)の補償期間とにわたって、データ信号が供給され得る点において第1実施形態と相違している。
第2実施形態では、図14に示されるように、i行目の発光期間では走査信号Gwr(i)がHレベルであり、また、制御信号Gel(i)がLレベルであり、制御信号Gcmp(i)、Gorst(i)がHレベルである。
このため、図15に示されるようにi行(3j−2)列の画素回路110においては、トランジスター124がオンする一方、トランジスター122、123、125がオフするので、当該画素回路110における動作は基本的に第1実施形態と同様となる。すなわち、トランジスター121は、ゲート・ソース間の電圧Vgsに応じた電流IdsをOLED130に供給することになる。
i行目の走査期間に至って、まず(b)の初期化期間が開始する。
第2実施形態において初期化期間では、発光期間と比較して、制御信号Gel(i)がHレベルに、制御信号Gorst(i)がLレベルに、それぞれ変化する。
このため、図16に示されるように、i行(3j−2)列の画素回路110においてはトランジスター124がオフし、トランジスター125がオンする。これによってOLED130に供給される電流の経路が遮断されるとともに、トランジスター124のオンによってOLED130のアノードが電位Vorstにリセットされるので、当該画素回路110における動作は基本的に第1実施形態と同様となる。
第2実施形態では電位Vrefについては、データ信号Vd(1)〜Vd(n)が取り得る電位に対して、第1実施形態と同様に、後の書込期間においてノードhの電位が上昇変化するような値に設定される。
ここで、初期化期間において、j番目のグループに属する左端列のトランスミッションゲート34が制御信号Sel(1)によってオンする場合、図16に示されるように、データ信号Vd(j)が保持容量41の一端に供給されるので、当該データ信号は、保持容量41によって保持される。
i行目の走査期間においては、次に(c)の補償期間となる。第2実施形態において補償期間では、初期化期間と比較して、走査信号Gwr(i)がLレベルに、制御信号Gcmp(i)がLレベルに、それぞれ変化する。
このため、図17に示されるように、i行(3j−2)列の画素回路110ではトランジスター122がオンして、ゲートノードgがデータ線14に電気的に接続される一方、トランジスター123のオンによって、トランジスター121がダイオード接続となる。
したがって、電流が、給電線116→トランジスター121→トランジスター123→トランジスター122→(3j−2)列目のデータ線14という経路で流れるので、ゲートノードgは、電位Viniから上昇し、やがて(Vel−|Vth|)に飽和する。したがって、第2実施形態においても、保持容量132は、補償期間の終了に至るまでにトランジスター121の閾値電圧|Vth|を保持することになる。
また、補償期間において、j番目のグループに属する左端列のトランスミッションゲート34が制御信号Sel(1)によってオンする場合、図17に示されるように、データ信号Vd(j)が保持容量41によって保持される。
また、補償期間が終了すると、制御信号Gcmp(i)がHレベルになるので、トランジスター121のダイオード接続が解除される。
第2実施形態において書込期間では、制御信号GcplがHレベルとなる(制御信号/GcplがLレベルとなる)。このため、図18に示されるように、レベルシフト回路40においてトランスミッションゲート42がオンするので、保持容量41に保持されたデータ信号が保持容量44の他端であるノードhに供給される。このため、ノードhは、補償期間における電位Vrefからシフトする。すなわち、ノードhは電位(Vref+ΔV)に変化する。
なお、第2実施形態において、容量比k2は、Cdt、Crf1、Crf2の容量比である。上述したように、保持容量132の容量Cpixについては無視している。
また、このとき、トランジスター121の電圧Vgsは、閾値電圧|Vth|からゲートノードgの電位上昇したシフト分だけ減じた値(|Vth|−k2・ΔV)となる。
第2実施形態では、i行目の書込期間の終了した後、1水平走査期間の間をおいて発光期間に至る。この発光期間では、上述したように制御信号Gel(i)がLレベルになるので、i行(3j−2)列の画素回路110においては、トランジスター124がオンする。
ゲート・ソース間の電圧Vgsは(|Vth|−k2・ΔV)であり、トランジスター121の閾値電圧からデータ信号の電位によってレベルシフトした値である。このため、OLED130には、先の図15に示したように、階調レベルに応じた電流がトランジスター121の閾値電圧を補償した状態で供給されることになる。
このような動作は、i行目の走査期間において、(3j−2)列目の画素回路110以外のi行目の他の画素回路110においても時間的に並列して実行される。さらに、このようなi行目の動作は、実際には、1フレームの期間において1、2、3、…、(m−1)、m行目の順番で実行されるとともに、フレーム毎に繰り返される。
第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に、微細な画素回路110においてトランジスター121のゲート・ソース間の電圧Vgsの変化に対しOLED130に流れる微小電流が相対的に大きく変化する場合であっても、OLED130に供給する電流を精度良く制御することが可能になる。
第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に、発光期間においてOLED130の寄生容量に保持された電圧を十分に初期化することができるほか、トランジスター121の閾値電圧が画素回路110毎にばらついても、表示画面の一様性を損なうような表示ムラの発生を抑えられる結果、高品位の表示が可能になる。
例えば、補償期間においてゲート・ソース間電圧Vgsが閾値電圧に近づくにつれ、トランジスター121に流れる電流が低下するので、ゲートノードgを電位(Vel−|Vth|)に収束するまで時間を要するが、第2実施形態では、第1実施形態と比較して図14に示されるように補償期間を長く確保することができる。このため、第2実施形態によれば、第1実施形態と比較して、トランジスター121の閾値電圧のばらつきを、精度良く補償することができる。
また、データ信号の供給動作についても低速化することができる。
本発明は、上述した実施形態や応用例などの実施形態等に限定されるものではなく、例えば次に述べるような各種の変形が可能である。また、次に述べる変形の態様は、任意に選択された一または複数を適宜に組み合わせることもできる。
上述した実施形態において、データ信号を供給する制御回路5については電気光学装置10とは別体としたが、制御回路5についても、走査線駆動回路20やデマルチプレクサ30、レベルシフト回路40とともに、シリコン基板に集積化しても良い。
上述した実施形態および変形例においては、電気光学装置10をシリコン基板に集積した構成としたが、他の半導体基板に集積した構成しても良い。また、ポリシリコンプロセスを適用してガラス基板等に形成しても良い。いずれにしても、画素回路110が微細化されて、トランジスター121において、ゲート電圧Vgsの変化に対しドレイン電流が指数関数的に大きく変化する構成に有効である。
上述した実施形態および変形例では、データ線14を3列毎にグループ化するとともに、各グループにおいてデータ線14を順番に選択して、データ信号を供給する構成としたが、グループを構成するデータ線数については「2」であっても良いし、「4」以上であっても良い。
また、グループ化せずに、すなわちデマルチプレクサ30を用いないで各列のデータ線14にデータ信号を一斉に線順次で供給する構成でも良い。
上述した実施形態および変形例では、画素回路110におけるトランジスター121〜125をPチャネル型で統一したが、Nチャネル型で統一しても良い。また、Pチャネル型およびNチャネル型を適宜組み合わせても良い。
上述した実施形態および変形例は、保持容量44の他端にデータ信号Vd(j)を供給することで、保持容量44を介して、データ線14およびゲートノードgの電位を設定したが、本発明はこのような形態に限定されるものではなく、データ線14の端部に直接データ信号Vd(j)を供給することで、ゲートノードgの電位を設定しても良い。この場合、電気光学装置10は、保持容量44(および保持容量41)を備えないものであっても良い。
上述した実施形態及び変形例は、データ信号Vd(j)として、画素の階調レベルに応じた電位を供給するものであったが、本発明はこのような形態に限定されるものではない。
例えば、データ信号として、画素の階調レベルに応じた大きさの電流を供給するものであっても良い。また、データ信号として、画素の階調レベルに応じた長さの期間だけ定電流を供給するものであっても良い。これらの場合、データ信号としての電流を、保持容量44を介さずに、データ線14に直接供給するものであっても良い。
すなわち、上述した実施形態および変形例が、保持容量44の他端をデータ信号Vd(j)の電位に設定することで、保持容量44の一端から保持容量50および保持容量132に対して電荷を移動させて、ゲートノードgの電位を決定するものであったのに対し、本変形例は、データ線14の端部に接続された電流源から、保持容量50および保持容量132に対して、画素の階調レベルに応じた量の電荷を供給することで、ゲートノードgの電位を決定する。
前述のとおり、電流源から供給される電荷は、保持容量50の容量Cdtと保持容量132の容量Cpixとによって分配される。保持容量50の容量Cdtは、保持容量132の容量Cpixに比べて十分に大きいため、ゲートノードgの電位変化量は、実質的には、電流源から供給される電荷と、保持容量50の容量Cdtとに基づいて決定される。そして、保持容量50の容量Cdtは相対的なばらつきが小さいため、書込期間おけるゲートノードgの電位変化量の相対的なばらつきを、小さく抑えることができる。これにより、輝度ムラの発生を抑制し、表示品質を向上させることが可能となる。
上述した実施形態および変形例では、保持容量50を形成する電位線16およびデータ線14(すなわち、互いに隣り合う電位線16およびデータ線14)のうち、データ線14は、X方向(第1の方向)おいて互いに隣り合う2つの画素回路110のうち一方の画素回路110が備えるトランジスター125と電気的に接続し、且つ、電位線16は、当該2つの画素回路110のうち他方の画素回路110が備えるトランジスター122と電気的に接続するものであったが、本発明はこのような形態に限定されるものではない。
例えば、図19に示すように、保持容量50を形成する電位線16およびデータ線14は、同一の画素回路110に備えられるトランジスター121および125にそれぞれ電気的に接続するものであっても良い。この場合、表示部100には、(3n)本の電位線16と、(3n)本のデータ線14とが、1対1に対応するように設けられてもよい。
実施形態等では、電気光学素子として発光素子であるOLEDを例示したが、例えば無機発光ダイオードやLED(Light Emitting Diode)など、電流に応じた輝度で発光するものであれば良い。
次に、実施形態等や応用例に係る電気光学装置10を適用した電子機器について説明する。電気光学装置10は、画素が小サイズで高精細な表示な用途に向いている。そこで、電子機器として、ヘッドマウント・ディスプレイを例に挙げて説明する。
まず、図20に示されるように、ヘッドマウント・ディスプレイ300は、外観的には、一般的な眼鏡と同様にテンプル310や、ブリッジ320、レンズ301L、301Rを有する。また、ヘッドマウント・ディスプレイ300は、図21に示されるように、ブリッジ320近傍であってレンズ301L、301Rの奥側(図において下側)には、左眼用の電気光学装置10Lと右眼用の電気光学装置10Rとが設けられる。
電気光学装置10Lの画像表示面は、図21において左側となるように配置している。
これによって電気光学装置10Lによる表示画像は、光学レンズ302Lを介して図において9時の方向に出射する。ハーフミラー303Lは、電気光学装置10Lによる表示画像を6時の方向に反射させる一方で、12時の方向から入射した光を透過させる。
電気光学装置10Rの画像表示面は、電気光学装置10Lとは反対の右側となるように配置している。これによって電気光学装置10Rによる表示画像は、光学レンズ302Rを介して図において3時の方向に出射する。ハーフミラー303Rは、電気光学装置10Rによる表示画像を6時方向に反射させる一方で、12時の方向から入射した光を透過させる。
また、このヘッドマウント・ディスプレイ300において、視差を伴う両眼画像のうち、左眼用画像を電気光学装置10Lに表示させ、右眼用画像を電気光学装置10Rに表示させると、装着者に対し、表示された画像があたかも奥行きや立体感を持つかのように知覚させることができる(3D表示)。
Claims (7)
- 第1の方向に延在する走査線と、
第2の方向に延在するデータ線と、
前記第2の方向に延在する電位線と、
前記走査線と前記データ線との交差に対応して設けられた画素回路と、
前記データ線にデータ信号を供給するデータ信号供給回路と、
を備え、
前記画素回路は、
供給される電流の大きさに応じた輝度で発光する発光素子と、
前記発光素子に電気的に接続され、前記発光素子に電流を供給する駆動トランジスターと、
前記発光素子に前記発光素子の発光閾値電圧を下回る電位を印加する初期化トランジスターと、を備え、
前記電位線には、所定電位が供給され、
前記データ線は、前記データ線の電位を保持する第1の保持容量が形成されるように、前記電位線と隣り合って配置され、
第2の保持容量の一端が前記第1の保持容量に接続され、他端が前記データ信号供給回路に接続され、
前記駆動トランジスターは、前記第1の保持容量と前記第2の保持容量によって、前記データ信号の電位変化よりも小さい電位変化の信号が供給されることにより動作する
ことを特徴とする電気光学装置。 - 前記画素回路は、
前記駆動トランジスターと前記発光素子との間に電気的に接続された発光制御トランジスターと、
前記駆動トランジスターのゲートとドレインとの間に電気的に接続された閾値補償トランジスターと、を更に備える
ことを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。 - 前記データ線および前記電位線は、
前記第1の方向において互いに隣り合う2つの前記画素回路の間に設けられる
ことを特徴とする請求項1または2に記載の電気光学装置。 - 前記データ線は、前記互いに隣り合う2つの前記画素回路のうち一方と電気的に接続し、
前記電位線は、前記互いに隣り合う2つの前記画素回路のうち他方と電気的に接続する
ことを特徴とする請求項3に記載の電気光学装置。 - 前記データ線及び前記電位線は、前記互いに隣り合う2つの前記画素回路のうち一方と電気的に接続する
ことを特徴とする請求項3に記載の電気光学装置。 - 前記データ線と前記データ信号供給回路との間にレベルシフトに用いる回路を備える
ことを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の電気光学装置。 - 請求項1乃至6のいずれかに記載の電気光学装置を備える
ことを特徴とする電子機器。
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