JP6124282B2 - 吸収性物品及びフィット用伸縮部の形成方法 - Google Patents
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<請求項1記載の発明>
装着者の肌に接触する面を有する第1シート基材と、この第1シート基材における装着者の肌に接触する面と反対側の面に貼り合わされた第2シート基材と、これらシート基材間に設けられた細長状弾性伸縮部材とを有するフィット用伸縮部を備えた、吸収性物品において、
前記第1シート基材には、少なくとも前記フィット用伸縮部を展開した状態で、多数の凹凸を有する形状に形成され、
前記第2シート基材には、少なくとも前記フィット用伸縮部を展開した状態で平坦となるように構成され、
前記第1シート基材における凹凸のうち前記第2シート基材側に膨出する方が、前記第2シート基材における対向部位に接合され、且つこの接合部以外は第1シート基材が第2シート基材に接合されずに第2シート基材から離間して膨出可能な非接合部とされており、
前記細長状弾性伸縮部材は、前記第1シート基材の非接合部を通るように配されるとともに、長手方向に伸長された状態で前記第2シート基材に固定され、かつ前記第1シート基材に固定されていない、
ことを特徴とする吸収性物品。
このような構造のフィット用伸縮部においては、装着者の肌に接触する面を構成する第1シート基材の凹凸部分が第2シート基材に対して余剰となった張り合わせ状態を基本として、第2シート基材のみが細長状弾性伸縮部材の収縮力を直に受けて収縮し、第1シート基材は第2シート基材の収縮に伴って収縮する。その結果、第1シート基材及び第2シート基材ともに皺が寄るが、第2シート基材の皺が細長状弾性伸縮部材による収縮皺のみとなるのに対して、第1シート基材の皺は余剰分だけ大きく膨らみ出る。つまり、フィット用伸縮部は、細長状弾性伸縮部材に対して装着者の肌側には細長状弾性伸縮部材による収縮皺よりも大きな膨出部が形成され、その反対側には細長状弾性伸縮部材による収縮皺のみが入る表裏非対象構造となる。しかも、それだけではなく、細長状弾性伸縮部材が第2シート基材と第1シート基材との非接合部を通るため、肌側から見ると細長状弾性伸縮部材は第1シート基材の大きな皺の膨らみの中に隠れるようになる。
前記第1シート基材には、少なくとも前記フィット用伸縮部を展開した状態で、前記細長状弾性伸縮部材と平行な方向に延在する頂部及び底部が前記細長状弾性伸縮部材と直交する方向に間隔を空けて交互に位置する波状に形成され、
前記第1シート基材における頂部及び底部のうち前記第2シート基材側に膨出する方が、前記第2シート基材における対向部位に接合され、且つこの接合部の間は第1シート基材が第2シート基材に接合されずに第2シート基材から離間して膨出可能な非接合部とされており、
前記細長状弾性伸縮部材は、前記第1シート基材及び前記第2シート基材の非接合部により形成される筒状部内に配置されている、
請求項1記載の吸収性物品。
この形態では、第1シート基材及び第2シート基材の非接合部により形成される筒状部のうち、第1シート基材の非接合部が筒状部の長手方向にジグザグ状に収縮して肌側面に大きく膨らみ出る皺を形成するとともに、その筒状部内の第2シート基材側(肌から遠い側)に細長状弾性伸縮部材が隠れるようになる。よって、肌側面の皺が規則的に形成されるとともに、その形状が維持され易い。また、肌に対する接触面は筒状部の長手方向には連続的となるが、筒状部間には溝が形成されて不連続となるため、肌に対する接触面積は低下し、通気性も良好となる。
前記第1シート基材には、少なくとも前記フィット用伸縮部を展開した状態で、前記第2シート基材側と反対側に傘状に膨出する膨出部が前記細長状弾性伸縮部材と平行な方向に沿って並ぶ膨出部列が、前記細長状弾性伸縮部材と直交する方向に間隔を空けて複数形成され、
前記第1シート基材における膨出部列の間の部分が前記第2シート基材における対向部位に接合され、且つ前記第1シート基材における膨出部列の部分は第2シート基材と接合されずに第2シート基材から離間して膨出可能な非接合部とされており、
前記細長状弾性伸縮部材は、前記非接合部における前記第1シート基材及び前記第2シート基材間に配置されている、
請求項1記載の吸収性物品。
この形態では、第1シート基材の膨出部列が列の方向に収縮して膨出部が肌側面に大きく膨らみ出る皺を形成するとともに、その膨出部内の第2シート基材側(肌から遠い側)に細長状弾性伸縮部材が隠れるようになる。よって、肌側面の皺が規則的に形成される。また、肌に対する接触面における各膨出部の周囲には溝が形成されるため、肌に対する接触面積は低下し、通気性も良好となる。
前記第1シート基材と前記第2シート基材との接合部が、前記細長状弾性伸縮部材の長手方向に間欠的に形成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸収性物品。
このような間欠接合を採用することにより、フィット用伸縮部がより柔軟で、より通気性に優れるようになる。
前身頃及び後身頃を構成する外装シートと、この外装シートの内面に固定された、吸収体を含む内装体とを備え、前身頃における外装シートの両側部と後身頃における外装シートの両側部とがそれぞれ接合されることにより、胴回り部が環状に形成されるとともに、ウエスト開口部及び左右一対の脚開口部が形成された、パンツタイプ使い捨ておむつであって、
前記外装シートにおける少なくとも内装体の幅方向両側を含む領域に、前記細長状弾性伸縮部材が幅方向となるように前記フィット用伸縮部が設けられている、
請求項1〜4のいずれか1項に記載の吸収性物品。
本発明のフィット用伸縮部は、このようにパンツタイプ使い捨ておむつの外装シートにおける少なくとも内装体の幅方向両側に位置する領域に好適なものである。
装着者の肌に接触する面を有する第1シート基材と、この第1シート基材における装着者の肌に接触する面と反対側の面に貼り合わされた第2シート基材と、これらシート基材間に設けられた細長状弾性伸縮部材とを有するフィット用伸縮部の形成方法であって、
前記第1シート基材に、エンボス加工により多数の凹凸を形成するエンボス工程と、
前記第2シート基材に、細長状弾性伸縮部材を長手方向に伸長した状態で固定する弾性部材固定工程と、
前記凹凸が残る展開状態の前記第1シート基材及び展開状態の前記第2シート基材を貼り合わせて、前記第1シート基材における凹凸のうち前記第2シート基材側に膨出する方を、前記第2シート基材における前記細長状弾性伸縮部材が配置されていない対向部位に接合し、且つこの接合部以外は第1シート基材が第2シート基材に接合されずに第2シート基材から離間して膨出可能な非接合部とする、貼り合わせ工程と、
を含むことを特徴とするフィット用伸縮部の形成方法。
このような製法により、前述した数々の利点を有するフィット用伸縮部を連続的に形成することができる。
第1ロールと、この第1ロールと組み合わされた、外周面に凹凸模様を有する第2ロールと、この第2ロールと組み合わされた第3ロールとを用い、
前記第1シート基材を、前記第1ロール及び第2ロール間に通して、前記第2ロールの外周面の凹凸模様に押し当てることにより前記多数の凹凸を形成した後、
前記第2ロール外周面の凹凸模様への押し当て状態を維持したまま、前記第2ロール及び第3ロール間に導くとともに、前記細長状弾性部材を固定した第2シート基材を前記第2ロール及び第3ロール間に導き、
これら第1シート基材及び第2シート基材を、前記第2ロールの外周面の凸模様と前記第3ロールの外周面との間に挟まれる部位で接合することにより、前記接合部及び非接合部を形成する、
請求項6記載のフィット用伸縮部の形成方法。
このような3つのロールの組み合わせにより、第1シート基材の凹凸の位置に対して第1シート基材及び第2シート基材の接合部の位置が原理的にズレなくなり、凹凸が接合部によって潰れる、凹凸寸法が小さく若しくは大きくなる、或いはこれらにより皺が不規則になる等の不良が発生しない。よって、高速で高品質なフィット用伸縮部を連続形成することができる。
前記第1シート基材は不織布であり、
前記第1ロール及び第2ロール間での前記第1シート基材のエンボス加工が、エンボスの凹凸形状を維持するための繊維溶着が無く、かつ凹凸形成に伴い剛軟度が低下する柔軟化エンボス加工であり、
前記第2ロール及び第3ロール間での接合部の形成が、第1シート基材及び第2シート基材の溶着、又はホットメルト接着剤による接着によりなされている、請求項7記載のフィット用伸縮部の形成方法。
不織布に柔軟化エンボス加工を施すと、繊維溶着無しに凹凸が形成されるとともに、おそらく凹凸形成に伴う繊維の折れや、不織布自体の延伸及び収縮による繊維構造の変化が原因で、剛軟度が低下するとともに、凹凸形成による肌接触面積の減少及び圧縮復元性向上により、肌触りの柔軟性が著しく向上する。よって、第1シート基材にこのような素材・加工を採用することにより、フィット用伸縮部の肌側面において大きく膨らみ出る第1シート基材の皺が柔軟になり、その結果として肌触りが向上するだけでなく、第1シート基材の皺が適度に潰れ、厚みの過度な増加を避けることができる。
ここに、用語「柔軟化エンボス加工」とは、エンボスの凹凸形状を維持するための繊維溶着が無く、かつ凹凸形成に伴い剛軟度(JIS L 1913:2010の「41.5°カンチレバー法」によるものを意味する)が低下するエンボス加工を意味する。よって、柔軟化エンボス加工は、エンボス加工時に加熱をすることを排除しないが、加熱をするとしても繊維の融点未満であることが必要であり、ヒートエンボスのように繊維の溶着により凹凸形状を維持する(硬質化エンボス)ものは含まない。また、用語「エンボス加工」には穴あけ加工は含まれない。
図1〜図8は、パンツタイプ使い捨ておむつの一例100を示している。このパンツタイプ使い捨ておむつ100は、製品外面(裏面)をなす外装シート12と、外装シート12の内面に貼り付けられた内装体200とから構成されているものである。符号Yはおむつの全長を示しており、符号Xはおむつの全幅を示している。
内装体200は任意の形状を採ることができるが、図示の形態では長方形である。内装体200は、図3〜図5に示されるように、身体側となる表面シート30と、不透液性バックシート11と、これらの間に介在された吸収要素50とを備えているものであり、吸収機能を担う本体部である。符号40は、表面シート30を透過した液を速やかに吸収要素50へ移行させるために、表面シート30と吸収要素50との間に設けられた中間シート(セカンドシート)を示しており、符号60は、内装体200の両脇に排泄物が漏れるのを防止するために、内装体200の両側に設けられた、身体側に起立するバリヤーカフス60を示している。
表面シート30は、液を透過する性質を有するものであり、例えば、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシートなどを例示することができる。また、このうち不織布は、その原料繊維が何であるかは、特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。例えば、柔軟性、ドレープ性を求めるのであれば、スパンボンド法、スパンレース法が、嵩高性、ソフト性を求めるのであれば、エアスルー法、ポイントボンド法、サーマルボンド法が、好ましい加工方法となる。
表面シート30を透過した液を速やかに吸収体へ移行させるために、表面シート30より液の透過速度が速い、中間シート(「セカンドシート」とも呼ばれている)40を設けることができる。この中間シート40は、液を速やかに吸収体へ移行させて吸収体による吸収性能を高めるばかりでなく、吸収した液の吸収体からの「逆戻り」現象を防止し、表面シート30上を常に乾燥した状態とすることができる。中間シート40は省略することもできる。
不透液性バックシート11の素材は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂等からなるプラスチックフィルムや、不織布の表面にプラスチックフィルムを設けたラミネート不織布、プラスチックフィルムに不織布等を重ねて接合した積層シートなどを例示することができる。不透液性バックシート11には、近年、ムレ防止の観点から好まれて使用されている不透液性かつ透湿性を有する素材を用いることが好ましい。透湿性を有するプラスチックフィルムとしては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性プラスチックフィルムが広く用いられている。このほかにも、マイクロデニール繊維を用いた不織布、熱や圧力をかけることで繊維の空隙を小さくすることによる防漏性強化、高吸水性樹脂または疎水性樹脂や撥水剤の塗工といった方法により、プラスチックフィルムを用いずに液不透過性としたシートも、不透液性バックシート11として用いることができる。
バリヤーカフス60は、内装体200の両側部に沿って前後方向全体にわたり延在する帯状部材であり、表面シート30上を伝わって横方向に移動する尿や軟便を遮断し、横漏れを防止するために設けられているものである。本実施の形態のバリヤーカフス60は、内装体200の側部から起立するように設けられ、付け根側の部分は幅方向中央側に向かって斜めに起立し、中間部より先端側の部分は幅方向外側に向かって斜めに起立するものである。
吸収要素50は、吸収体56と、この吸収体56の全体を包む包装シート58とを有する。包装シート58は省略することもできる。
吸収体56は、繊維の集合体により形成することができる。この繊維集合体としては、綿状パルプや合成繊維等の短繊維を積繊したものの他、セルロースアセテート等の合成繊維のトウ(繊維束)を必要に応じて開繊して得られるフィラメント集合体も使用できる。繊維目付けとしては、綿状パルプや短繊維を積繊する場合は、例えば100〜300g/m2程度とすることができ、フィラメント集合体の場合は、例えば30〜120g/m2程度とすることができる。合成繊維の場合の繊度は、例えば、1〜16dtex、好ましくは1〜10dtex、さらに好ましくは1〜5dtexである。フィラメント集合体の場合、フィラメントは、非捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維であるのが好ましい。捲縮繊維の捲縮度は、例えば、1インチ当たり5〜75個、好ましくは10〜50個、さらに好ましくは15〜50個程度とすることができる。また、均一に捲縮した捲縮繊維を用いる場合が多い。吸収体56中には高吸収性ポリマー粒子を分散保持させるのが好ましい。
吸収体56には、その一部又は全部に高吸収性ポリマー粒子を含有させることができる。高吸収性ポリマー粒子とは、「粒子」以外に「粉体」も含む。高吸収性ポリマー粒子の粒径は、この種の吸収性物品に使用されるものをそのまま使用でき、1000μm以下、特に150〜400μmのものが望ましい。高吸収性ポリマー粒子の材料としては、特に限定無く用いることができるが、吸水量が40g/g以上のものが好適である。高吸収性ポリマー粒子としては、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体などのものを用いることができる。高吸収性ポリマー粒子の形状としては、通常用いられる粉粒体状のものが好適であるが、他の形状のものも用いることができる。
包装シート58を用いる場合、その素材としては、ティッシュペーパ、特にクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等を用いることができる。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないシートであるのが望ましい。クレープ紙に換えて不織布を使用する場合、親水性のSMS不織布(SMS、SSMMS等)が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレン複合材などを使用できる。目付けは、5〜40g/m2、特に10〜30g/m2のものが望ましい。
外装シート12は、股間部から腹側に延在する前身頃Fを構成する部分と、股間部から背側に延在する後身頃Bを構成する部分とを有し、これら前身頃Fの両側部と後身頃Bの両側部とが接合されて、図8に示すように、装着者の胴を通すためのウエスト開口部WO及び脚を通すための左右一対の脚開口部LOが形成されているものである。符号12Aは接合部分を示している(以下、この部分をサイドシール部ともいう)。なお、股間部とは、展開状態における前身頃Fのウエスト端縁から後身頃Bのウエスト端縁までの前後方向中央を意味し、それよりも前側の部分及び後側の部分が前身頃F及び後身頃Bをそれぞれ意味する。
外装シート12の後身頃Bの外面における幅方向中央部には、後処理テープ70(固定手段)が設けることができる。後処理テープ70は、おむつ100を表面シート30が内側に且つ前身頃Fが内側となるように丸め若しくは折り畳んだ状態で固定するためのものである。一般的な後処理テープ70は、図5に示すように、基端部71が外装シート12の外面に接着剤等により固定されるとともに、この基端部71よりも先端側の部分は三つ折り(断面Z字状)や二つ折りで折り畳まれて、折り重なり部分間が仮止め接着剤72により剥離可能に固定(仮固定)されている。また、先端部に白色等の不透明色に着色された摘み部73を有するとともに、この摘み部73を除く部分が透明または半透明であり、この後処理テープ70における透明または半透明の部分を通して、後処理テープ70の外面側から後述するデザインが視認可能になっている。具体的な構造は適宜構成することができるが、図示形態では、全体を透明又は半透明の複数の基材を長手方向に連結して形成するとともに、摘み部73に着色テープ74を張り合わせた構造を採用している。
不透液性バックシート11と外装シート12との間(外装シート12の層間を含む)には、印刷によりデザインの施された印刷シート25が設けられている。外装シート12を省略し、印刷シート25が外面に露出する形態とすることもできる。また、図示例の印刷シート25は、それが配置される身頃よりも小さい面積を有しており、前身頃F及び後身頃Bに個別に設けられているが、前身頃Fから股間部を通り後身頃Bまで一体的に連続するように設けることもできる。
上述の例では、前身頃Fから後身頃Bまでを一体的な外装シート12により連続的に覆っているが、外装シートが、装着者の胴回りのうち腹側を覆う腹側外装シートと背側を覆う背側外装シートとに分割されており、腹側外装シートの幅方向中央部内面に内装体の前端部がホットメルト接着剤等により連結されるとともに、背側外装シートの幅方向中央部内面に内装体の後端部がホットメルト接着剤等により連結されており、腹側外装シートと背側外装シートとが股間側で連続しておらず、離間されている形態も採用することができる。この離間距離は150〜250mm程度とすることができる。この場合、内装体における不透液性バックシートの裏面には、内装体の裏面全体を覆うように、あるいは腹側外装シートと背側外装シートとの間に露出する部分全体を覆うように、股間部外装シートを固定することもできる。股間部外装シートとしては、前述した外装シートに用いられるものと同様の資材を用いることができる。股間部外装シートも本発明の外装シートに相当する。
上述のようなパンツタイプ使い捨ておむつにおいては、ウエスト下部U及び中間部Lに本発明のフィット用伸縮部の構造が適用可能である。すなわち、当該部分は、装着者の肌に接触する面を有する内側シート基材12Hと、この内側シート基材12Hにおける装着者の肌に接触する面と反対側の面に貼り合わされた外側シート基材12S(第2シート基材)と、これらシート基材間に設けられたウエスト下部弾性伸縮部材15,19及び中間部弾性伸縮部材16,18を有しており、内側シート基材12Hは本発明の第1シート基材に相当し、外側シート基材は本発明の第2シート基材に相当し、ウエスト下部弾性伸縮部材15,19及び中間部弾性伸縮部材16,18は本発明における第1シート基材及び第2シート基材間に挟持される細長状弾性伸縮部材に相当する。第1シート基材及び第2シート基材はそれぞれ一枚の基材から構成される他、いずれか一方又は両方は複数枚の不織布等の基材が張り合わされて形成された積層体であっても良い。
上述のフィット用伸縮部を形成する手法としては、
(a)内側シート基材12Hに、エンボス加工により多数の凹凸を形成するエンボス工程と、
(b)外側シート基材12Sに、細長状弾性伸縮部材15,16,18,19を長手方向に伸長した状態で固定する弾性部材固定工程と、
(c)内側シート基材12H及び外側シート基材12Sをそれぞれ展開状態で貼り合わせて、内側シート基材12Hにおける凹凸のうち外側シート基材12S側に膨出する方を、外側シート基材12Sにおける細長状弾性伸縮部材15,16,18,19が配置されていない対向部位に接合し、且つこの接合部以外は内側シート基材12Hが外側シート基材12Sに接合されずに外側シート基材12Sから離間して膨出可能な非接合部とする、貼り合わせ工程と、
を含む手法を提案する。このような製法により、前述した数々の利点を有するフィット用伸縮部を連続的に形成することができる。
上記例は、パンツタイプ使い捨ておむつのウエスト下部Uから中間部Lまでの部分への適用例であるが、ウエスト縁部Wまでを含めて適用しても良く、また中間部Lの弾性伸縮部材16,18を省略しても良い。また、上述のフィット用伸縮部の構造は、従来の技術の項で述べたテープタイプ使い捨ておむつの背側部分の胴回り部や、立体ギャザー等、他の伸縮部にも適用することができる。
図13及び図14は第1の形態の伸縮部のサンプルを示している。図13は肌接触面、図14はその反対面であり、各図の(a)が完全伸長状態(図6の状態と同じ状態)、各図の(c)が自然長状態、各図の(b)が自然長状態と完全伸長状態との間の中間伸長状態である。
Claims (8)
- 装着者の肌に接触する面を有する第1シート基材と、この第1シート基材における装着者の肌に接触する面と反対側の面に貼り合わされた第2シート基材と、これらシート基材間に設けられた細長状弾性伸縮部材とを有するフィット用伸縮部を備えた、吸収性物品において、
前記第1シート基材には、少なくとも前記フィット用伸縮部を展開した状態で、多数の凹凸を有する形状に形成され、
前記第2シート基材には、少なくとも前記フィット用伸縮部を展開した状態で平坦となるように構成され、
前記第1シート基材における凹凸のうち前記第2シート基材側に膨出する方が、前記第2シート基材における対向部位に接合され、且つこの接合部以外は第1シート基材が第2シート基材に接合されずに第2シート基材から離間して膨出可能な非接合部とされており、
前記細長状弾性伸縮部材は、前記第1シート基材の非接合部を通るように配されるとともに、長手方向に伸長された状態で前記第2シート基材に固定され、かつ前記第1シート基材に固定されていない、
ことを特徴とする吸収性物品。 - 前記第1シート基材には、少なくとも前記フィット用伸縮部を展開した状態で、前記細長状弾性伸縮部材と平行な方向に延在する頂部及び底部が前記細長状弾性伸縮部材と直交する方向に間隔を空けて交互に位置する波状に形成され、
前記第1シート基材における頂部及び底部のうち前記第2シート基材側に膨出する方が、前記第2シート基材における対向部位に接合され、且つこの接合部の間は第1シート基材が第2シート基材に接合されずに第2シート基材から離間して膨出可能な非接合部とされており、
前記細長状弾性伸縮部材は、前記第1シート基材及び前記第2シート基材の非接合部により形成される筒状部内に配置されている、
請求項1記載の吸収性物品。 - 前記第1シート基材には、少なくとも前記フィット用伸縮部を展開した状態で、前記第2シート基材側と反対側に傘状に膨出する膨出部が前記細長状弾性伸縮部材と平行な方向に沿って並ぶ膨出部列が、前記細長状弾性伸縮部材と直交する方向に間隔を空けて複数形成され、
前記第1シート基材における膨出部列の間の部分が前記第2シート基材における対向部位に接合され、且つ前記第1シート基材における膨出部列の部分は第2シート基材と接合されずに第2シート基材から離間して膨出可能な非接合部とされており、
前記細長状弾性伸縮部材は、前記非接合部における前記第1シート基材及び前記第2シート基材間に配置されている、
請求項1記載の吸収性物品。 - 前記第1シート基材と前記第2シート基材との接合部が、前記細長状弾性伸縮部材の長手方向に間欠的に形成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸収性物品。
- 前身頃及び後身頃を構成する外装シートと、この外装シートの内面に固定された、吸収体を含む内装体とを備え、前身頃における外装シートの両側部と後身頃における外装シートの両側部とがそれぞれ接合されることにより、胴回り部が環状に形成されるとともに、ウエスト開口部及び左右一対の脚開口部が形成された、パンツタイプ使い捨ておむつであって、
前記外装シートにおける少なくとも内装体の幅方向両側を含む領域に、前記細長状弾性伸縮部材が幅方向となるように前記フィット用伸縮部が設けられている、
請求項1〜4のいずれか1項に記載の吸収性物品。 - 装着者の肌に接触する面を有する第1シート基材と、この第1シート基材における装着者の肌に接触する面と反対側の面に貼り合わされた第2シート基材と、これらシート基材間に設けられた細長状弾性伸縮部材とを有するフィット用伸縮部の形成方法であって、
前記第1シート基材に、エンボス加工により多数の凹凸を形成するエンボス工程と、
前記第2シート基材に、細長状弾性伸縮部材を長手方向に伸長した状態で固定する弾性部材固定工程と、
前記凹凸が残る展開状態の前記第1シート基材及び展開状態の前記第2シート基材を貼り合わせて、前記第1シート基材における凹凸のうち前記第2シート基材側に膨出する方を、前記第2シート基材における前記細長状弾性伸縮部材が配置されていない対向部位に接合し、且つこの接合部以外は第1シート基材が第2シート基材に接合されずに第2シート基材から離間して膨出可能な非接合部とする、貼り合わせ工程と、
を含むことを特徴とするフィット用伸縮部の形成方法。 - 第1ロールと、この第1ロールと組み合わされた、外周面に凹凸模様を有する第2ロールと、この第2ロールと組み合わされた第3ロールとを用い、
前記第1シート基材を、前記第1ロール及び第2ロール間に通して、前記第2ロールの外周面の凹凸模様に押し当てることにより前記多数の凹凸を形成した後、
前記第2ロール外周面の凹凸模様への押し当て状態を維持したまま、前記第2ロール及び第3ロール間に導くとともに、前記細長状弾性部材を固定した第2シート基材を前記第2ロール及び第3ロール間に導き、
これら第1シート基材及び第2シート基材を、前記第2ロールの外周面の凸模様と前記第3ロールの外周面との間に挟まれる部位で接合することにより、前記接合部及び非接合部を形成する、
請求項6記載のフィット用伸縮部の形成方法。 - 前記第1シート基材は不織布であり、
前記第1ロール及び第2ロール間での前記第1シート基材のエンボス加工が、エンボスの凹凸形状を維持するための繊維溶着が無く、かつ凹凸形成に伴い剛軟度が低下する柔軟化エンボス加工であり、
前記第2ロール及び第3ロール間での接合部の形成が、第1シート基材及び第2シート基材の溶着、又はホットメルト接着剤による接着によりなされている、請求項7記載のフィット用伸縮部の形成方法。
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