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JP6109521B2 - 発光装置、車両用前照灯、照明装置及びプロジェクタ - Google Patents

発光装置、車両用前照灯、照明装置及びプロジェクタ Download PDF

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JP6109521B2 JP2012228158A JP2012228158A JP6109521B2 JP 6109521 B2 JP6109521 B2 JP 6109521B2 JP 2012228158 A JP2012228158 A JP 2012228158A JP 2012228158 A JP2012228158 A JP 2012228158A JP 6109521 B2 JP6109521 B2 JP 6109521B2
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Description

本発明は、所望の投光パターンで照明光を照射する発光装置、車両用前照灯、照明装置及びプロジェクタに関するものである。
近年、励起光源として発光ダイオード(LED;Light Emitting Diode)や半導体レーザ(LD;Laser Diode)等の半導体発光素子を用い、これらの励起光源から生じた励起光を、蛍光体を含む発光部に照射することによって発生する蛍光を照明光として用いる発光装置の研究が盛んになってきている。このような技術は、車両用前照灯等の照明装置にも適用されている。
例えば、特許文献1に開示された車両前照灯100は、図24に示すように、金属板111と、金属板111の表面に配置され、青色レーザ光により励起されて発光する蛍光体112と、蛍光体112に入射する青色レーザ光を放射する図示しないレーザ光源と、蛍光体112の周囲の金属板111の表面を覆うように配置され、レーザ光源から入射する青色レーザ光の反射を抑制する反射抑制部材113とを備えている。これにより、レーザ光源から放射された青色レーザ光が蛍光体112周囲の金属板111の表面で反射されることに起因する発光色の色ムラや輝度ムラを防止(又は低減)するようになっている。
さらに、例えば特許文献2に開示された車両前照灯200では、図25に示すように、光を発生する半導体発光素子201と、半導体発光素子201から離間して設けられた蛍光体202と、半導体発光素子201が発生する光を、蛍光体202に集光するレンズ210と、蛍光体202が設けられている位置に光学的中心を有し、レンズ210により集光された光に応じて蛍光体202が発生する光を、車両前照灯200の外部に照射する反射鏡220とを備えている。上記反射鏡220は、図26(a)に示すように、斜め反射面221及び水平反射面222を有している。これにより、図26(b)に示すように、車両前照灯200の前方25mの位置に配置された仮想鉛直スクリーン上に形成されるロービーム配光パターンとして、略水平方向の明暗境界を定める水平カットライン231、及び水平方向に対して15°程度の角度をなす所定の斜め方向の明暗境界を定める斜めカットライン232を有する配光パターン230を形成するようになっている。この反射鏡220は、マルチファセットミラーと通称されているものである。
また、例えば特許文献3に開示された光ファイバ照明装置300は、図27(a)(b)に示すように、励起光301を射出する半導体レーザ310と、半導体レーザ310から射出された励起光301を導波する単ファイバ320と、単ファイバ320から射出された励起光301を受光して励起光301とは異なる波長の蛍光を発する蛍光体ユニット330と、蛍光体ユニット330から発せられた蛍光の一部を少なくとも導波するファイバ束340とを有している。光ファイバ照明装置300はさらに、蛍光体ユニット330で発生した反射散乱光及び蛍光体ユニット330から発せられた蛍光のうち、ファイバ束340の入射領域に直接的に入射しなかった光の少なくとも一部をファイバ束340の入射領域に向けて反射させる反射体350を有している。
特開2011−181381号公報(2011年9月15日公開) 特開2005−150041号公報(2005年6月9日公開) 特開2009−043668号公報(2009年2月26日公開)
しかしながら、上記従来の発光装置、車両用前照灯及び照明装置では、照明光のロスが生じ、投光効率が低下するという問題点を有している。
具体的には、特許文献1に開示された車両前照灯100では、明瞭なエッジを有する照明パターンを得るために、反射抑制部材113にて蛍光体112の周囲における金属板111の表面を覆っている。この結果、レーザ光源から入射する青色レーザ光の一部を遮蔽していることになる。したがって、照明光のロスが生じ、投光効率が低下している。また、金属板111の表面での散乱を起因とする迷光により、エッジでのコントラストが悪くなる。さらには、金属板111での光吸収により、金属板の温度が上がり、蛍光体112の特性に色度変化及び強度変化等の影響を与えるといった問題があった。
また、特許文献2に開示された車両前照灯200では、反射鏡220にマルチファセットミラーを使用している。この結果、マルチファセットミラーでは明瞭なエッジを有する照明パターンを得ることは困難であり、さらに大きな反射鏡220が必要となる。さらに、空等の不要な領域への迷光が発生するつまり効率も低下するといった問題もあった。
一方、特許文献3に開示された光ファイバ照明装置300では、照明光のロスが生じるのを防止するために、蛍光体ユニット330で発生した反射散乱光及び蛍光体ユニット330から発せられた蛍光のうち、ファイバ束340の入射領域に直接的に入射しなかった光の少なくとも一部をファイバ束340の入射領域に入射させるために、反射体350を有している。しかし、特許文献3に開示された光ファイバ照明装置300は、内視鏡への適用について開示しているので、照射パターンに関する記載がない。したがって、車両用前照灯への適用には不十分である。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、発光部に明瞭なエッジを効率よく形成し、延いては投光面における投光パターンの明瞭なエッジを効率よく形成し得る発光装置、車両用前照灯、照明装置及びプロジェクタを提供することにある。
本発明の発光装置は、上記課題を解決するために、励起光を出射する発光素子と、蛍光体を分散させた透明分散層を有する発光部とを備えた発光装置において、上記発光素子から発光された励起光を上記発光部の第1の端面から入射させ、上記発光部の第1の端面から入射された上記励起光を上記発光部の透明分散層にて導光させることにより上記発光部における上記第1の端面とは非平行の第2の端面での輝度分布を形成すると共に、上記発光部における上記蛍光体の濃度制御により第2の端面における輝度分布のエッジが形成され、上記第2の端面から出射される蛍光を照明光として利用していることを特徴としている。
本発明の発光装置は、上記記載の発光装置において、前記第1の端面と第2の端面とが直交することを特徴としている。
本発明の発光装置は、上記記載の発光装置において、前記発光部は、前記蛍光体を分散させた透明分散層と、上記蛍光体を分散させていない透明非分散層との2層積層構造となっていると共に、上記透明分散層は、前記第1の端面から該第1の端面に対向する第3の端面に向かうに伴って厚さが次第に増加するように形成されており、かつ上記透明非分散層は、上記第1の端面から上記第3の端面に向かうに伴って厚さが次第に減少するように形成されており、上記発光素子から発光された励起光を上記発光部の上記第1の端面から入射させて上記発光部の透明非分散層及び透明分散層にて導光させることにより、上記発光部においてエッジが形成された輝度分布を形成することを特徴としている。
本発明の発光装置は、上記記載の発光装置において、前記発光素子と前記発光部との間には、該発光素子からの入射光を導光して該発光部に出射する導光部材が設けられていることを特徴としている。
本発明の発光装置は、上記記載の発光装置において、前記発光素子と前記発光部との間には、該発光素子からの入射光を導光して該発光部に出射する導光部材が設けられていることを特徴としている。
本発明の発光装置は、上記記載の発光装置において、前記発光素子と前記発光部との光路間には、凸レンズが設けられていることを特徴としている。
本発明の発光装置は、上記記載の発光装置において、前記発光素子と前記発光部との光路間には、集光ミラーが設けられていることを特徴としている。
本発明の発光装置は、上記記載の発光装置において、前記透明分散層は、前記発光部の一部の端部に向けて厚さが次第に変化するように形成されていることを特徴としている。
本発明の車両用前照灯は、上記記載の発光装置を備えていることを特徴としている。
本発明の照明装置は、上記記載の発光装置を備えていることを特徴としている。
本発明のプロジェクタは、上記記載の発光装置を備えていることを特徴としている。
本発明の発光装置は、以上のように、上記発光素子から発光された励起光を上記発光部の透明分散層にて導光させることにより上記発光部での輝度分布を形成すると共に、上記発光部の形態により輝度分布のエッジが形成されているものである。
本発明の車両用前照灯は、以上のように、前記記載の発光装置を備えているものである。
本発明の照明装置は、以上のように、前記記載の発光装置を備えているものである。
本発明のプロジェクタは、以上のように、前記記載の発光装置を備えているものである。
それゆえ、発光部に明瞭なエッジを効率よく形成し、延いては投光面における投光パターンの明瞭なエッジを効率よく形成し得る発光装置、車両用前照灯、照明装置及びプロジェクタを提供するという効果を奏する。
(a)は、本発明における発光装置を備えた車両用前照灯としてのヘッドランプにおける実施の一形態を示すものであって、レーザ出射端部の光強度分布を示す正面図であり、(b)は発光部における照射パターンの光強度分布を示す正面図であり、(c)は発光部における発光パターンの光強度分布を示す正面図であり、(d)は投光面における投光パターンの光強度分布を示す正面図である。 光源部と発光部との間に導光部材を備えていない上記ヘッドランプの全体を示す概略構成図である。 光源部と発光部との間に導光部材を備えていない上記ヘッドランプの変形例を示すものであって、ヘッドランプの全体を示す概略構成図である。 上記光源部と発光部との間に導光部材を備えていない上記ヘッドランプの他の変形例を示すものであって、ヘッドランプの全体を示す概略構成図である。 光源部と発光部との間に導光部材を備えていない上記ヘッドランプのさらに他の変形例を示すものであって、ヘッドランプの全体を示す概略構成図である。 2組の光源部を備え、かつ光源部と発光部との間に導光部材を備えた上記ヘッドランプの全体を示す概略構成図である。 光源部と発光部との間に導光部材を備えていない上記ヘッドランプの全体を示す概略構成図である。 光源部と発光部との間に導光部材を備えた上記ヘッドランプにおける光源部の構成を示す断面図である。 上記ヘッドランプにおける発光部のレーザ光照射面におけるレーザ光スポットの形状の一例を示す正面図である。 光源部と発光部との間に導光部材を備えた上記ヘッドランプにおける光源部の変形例の構成を示す断面図である。 光源部と発光部との間に導光部材を備えた上記ヘッドランプにおける光源部の他の変形例の構成を示す断面図である。 光源部と発光部との間に導光部材を備えた上記ヘッドランプにおける光源部のさらに他の変形例の構成を示す断面図である。 光源部と発光部との間に導光部材を備えていない上記ヘッドランプにおける変形例の構成を示す断面図である。 光源部と発光部との間に導光部材を備えていない上記ヘッドランプにおける光源部の変形例の構成を示す断面図である。 光源部と発光部との間に導光部材を備えていない上記ヘッドランプにおける光源部の他の変形例の構成を示す断面図である。 上記ヘッドランプの発光部におけるレーザ光スポットを示す正面図である。 上記ヘッドランプの発光部における発光パターンを示す正面図である。 (a)は理想的なガウシアン分布からなる光強度分布を示す分布図であり、(b)は光強度分布のトップ幅が大きい光強度分布を示す分布図である。 (a)は光強度分布におけるエッジの定義を示す分布図であり、(b)は定義によりエッジを構成する場合及び定義によりエッジを構成しない場合の一例を示す分布図である。 上記ヘッドランプの発光部における内部構成を示す断面図である。 上記ヘッドランプの発光部における他の内部構成を示す断面図である。 上記ヘッドランプの発光部における蛍光体の濃度を変更することにより発光部からの発光パターンの光強度分布を変更するときの構成を示す断面図である。 上記ヘッドランプの発光部における蛍光体の濃度を変更することにより発光部からの発光パターンの光強度分布を変更するときの他の構成を示す断面図である。 従来の車両前照灯の構成を示す斜視図である。 従来の他の車両前照灯の構成を示す断面図である。 (a)は上記従来の車両前照灯に設けられたマルチファセットミラーの構成を示す正面図であり、(b)は上記車両前照灯の照射面の配光パターンに示す斜視図である。 (a)は従来のさらに他の車両前照灯の構成を示す断面図であり、(b)は上記車両前照灯の発光部の構成を示す断面図である。
本発明の一実施形態について図1〜図23に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
本実施の形態では、本発明の発光装置を備えた自動車用のすれ違い用前照灯(ロービーム)の配光特性基準を満たす車両用前照灯としてのヘッドランプを例に挙げて説明する。ただし、必ずしもこれに限らず、本発明の発光装置は、例えば、走行用前照灯(ハイビーム)であってもよく、又は自動車以外の車両若しくは移動物体(例えば、人間・船舶・航空機・潜水艇・ロケット等)のヘッドランプとして実現されてもよいし、その他の照明装置として実現されてもよい。その他の照明装置としては、例えば、サーチライト、プロジェクタ、家庭用照明器具、商業用照明装置、屋外照明装置を挙げることができる。
ここで、本明細書において、投光パターンとは、投光面における光強度分布のことであり、発光部が発する光強度分布をいう。また、投光面とは、投光パターンを見るための仮想面のことである。
<ヘッドランプの構成>
本実施の形態の車両用前照灯としてのヘッドランプの構成について、図2〜図7に基づいて説明する。図2〜図7は各種のヘッドランプの全体を示す概略構成図である。尚、図7は、図17のA−A’線断面図でもある。
本実施の形態のヘッドランプ1は、図2に示すように、光源部10、レンズ3、発光部4、リフレクタ5、金属ベース7及びフィン8を備えている。
ヘッドランプ1は、光源部10からの励起光を発光部4に照射することによって発光部4にて蛍光を発生させ、その蛍光を照明光として利用するものである。
ここで、ヘッドランプ1の構成は、必ずしもこれに限らず、例えば、図3に示すように、光学部品であるレンズ3と光源部10のキャップ15とが一体になっている構造とすることが可能である。レンズ3と光源部10のキャップ15とが別体となっている構成の場合、キャップ15とレンズ3との間にスペースが必要となる、そのため、大きな光学部品してのレンズ3が必要なる、また、部品点数も多くなるので、コストが増大する。さらに、光軸合わせが煩雑となる。しかし、レンズ3と光源部10のキャップ15とが一体となった構成の場合には、レンズ3を、レーザチップを含む光源部10と一体化することにより省スペース化が図れる。また、レーザチップとレンズ3の光軸調整(アライメント)も容易となり、よりカップリング効率を上げることが可能となる。
しかしながら、図3に示す構成では、発光部4とのアライメントがされていない。実際には、発光部4及び光源部10のいずれについても放熱させる必要がある。このような構成の場合、図示しない放熱グリス又は放熱シートを介して、各パーツを放熱部材に設置させるが、光学的アライメントと放熱性とを両立させることは難しい。そのため、半田等を用いて、アライメント後にダイボンドすることが望ましい。また、発光部4へ照射される励起光の密度が高いため、励起光である紫外光の集塵効果により、発光部4が汚れ、徐々に発光効率が悪くなるという問題もある。さらに、本実施の形態で用いているレーザ光は高出力であるため、人間の目に入らないように、カットする必要がある。そして、なるべく小スペース化することが要求される。
そこで、図4に示すように、レンズ3の代わりに集光ミラー18を使用し、キャップ15の内部にレーザチップ11を有する光源部10、発光部4及び集光ミラー18一体化し、さらに、発光部4をドライエアにて機密封止したパッケージ内収納型とすることが可能である。この場合、キャップ15の窓部には、レーザ光をカットし、かつ発光部4からの光のみを取り出すハイパスフィルタを用いる。尚、ハイパスフィルタとしては、フィルタの劣化を防止する観点からすると反射型が望ましい。ただし、これに限らず、吸収型とすることも可能である。
尚、図4に示すヘッドランプ1では、リフレクタ5を使用していたが、図5に示すように、このリフレクタ5に代えてプロジェクションレンズを用いることも可能である。
また、図6に示すように、光源部10とレンズ3との間に導光部材13を設けたヘッドランプ1とすることも可能である。
(光源部)
上記光源部10は、励起光を出射する発光素子を有しており、本実施の形態では例えば半導体レーザが使用される。尚、必ずしもこれに限らず、LEDを用いることも可能である。ただし、半導体レーザの方がLEDよりも導光部材13に対するカップリング効率が良いため、半導体レーザを励起光源として用いる方が好ましい。
上記光源部10は、図6に示すように、複数設けられていてもよい。この場合、複数の光源部10のそれぞれから励起光としてのレーザ光が放射される。光源部10を1つのみ用いてもよいが、高出力のレーザ光を得るためには、複数の光源部10を用いることが好ましい。尚、図6では、光源部10、レンズ3のそれぞれのセットは発光部4の別の箇所を照射しているが、同一箇所を照射するように設定してもよい。
さらに、光源部10は、1チップに1つの発光点を有するものであってもよく、1チップに複数の発光点を有するものであってもよい。光源部10のレーザ光の波長は、例えば395nm(青紫色)又は450nm(青色)であるが、これらに限定されず、405nm等、発光部4に含める蛍光体の種類に応じて適宜選択されればよい。尚、光源部10の詳細については後述する。
(レンズ)
上記レンズ3は、光源部10の光学ロッド13Aから出射されたレーザ光を発光部4に対して照射するものであり、レーザ光のスポットの大きさを制御して発光部4に照射する。
レンズ3を設けることにより、図6に示すように、導光部材出射端面としての出射端面13bと発光部4に照射される励起光の照射領域としてのレーザ光スポット4bとを光学的共役関係にすることができ、発光部4に照射される励起光のレーザ光スポット4bの大きさを制御することが容易になる。
レンズ3の曲面の設計を変更するか、又はレンズ3と発光部4との間の距離を変更することにより、発光部4のレーザ光照射面4aにおけるレーザ光スポットの大きさを変更することができる。
レンズ3は、例えば凸レンズからなっている。レンズ3は、光源部10のそれぞれに対して配設されて出射端面13bと発光部4に照射される励起光のレーザ光スポット4bとが略光学的共役関係となるように、出射端面13b、レンズ3及び発光部4の位置関係が規定されている。
尚、レンズ3は、例えば凹面鏡等に変更することが可能である。また、複数のレンズを用いたマルチエレメントレンズでもよいし、光路を制御するためにプリズム、ミラー又はキューブ等が入っていてもよい。すなわち、レンズ3は、レーザ光のスポットの大きさを制御できるものであれば、特に限定されない。
(発光部)
上記発光部4は、本実施の形態では、大まかなサイズは、発光面の面積が横幅2000μm×縦幅500μmであり、厚さが100μmとなっている。
上記発光部4は、光源部10から出射されたレーザ光を受けて蛍光を発するものであり、レーザ光を受けて発光する蛍光体つまり蛍光物質を含んでいる。具体的には、発光部4は、蛍光体含有ガラス層等の透明分散層の内部に蛍光体が分散されているものである。発光部4は、レーザ光を蛍光に変換するため、波長変換素子であると言える。
この発光部4は、金属ベース7の上かつリフレクタ5における略焦点位置に配置されている。そのため、発光部4から出射した蛍光は、リフレクタ5の反射曲面に反射することによりその光路が制御される。発光部4のレーザ光照射面4aにレーザ光の反射を防止する反射防止構造が形成されていてもよい。
本実施の形態では、発光素子としてのレーザチップ11によって発振された波長395nmのレーザ光を受けて、白色の自然放出光(蛍光)を発するように、発光部4の蛍光体として、BAM(BaMgAl1017:Eu)、BSON(BaSi12:Eu)、Eu−α(Ca−α−SiAlON:Eu)等、複数種類の蛍光体を混合して用いている。しかし、上記蛍光体は、これらに限定されるものではなく、例えば、自動車用にヘッドランプ1が使用される場合、ヘッドランプ1の照明光が、法律により規定されている所定の範囲の色度を有する白色となるように適宜選択されればよい。また、照明等の用途であれば、適宜必要な色度が出るように、蛍光体を単独で用いてもよいし、又は複数種類の蛍光体を適宜混合して用いてもよい。
例えば、他の酸窒化物蛍光体(例えば、JEM(LaAl(SiAl)O:Ce)、β-SiAlON等のサイアロン蛍光体)、窒化物蛍光体(例えば、CASN(CaAlSiN:Eu)蛍光体、SCASN((Sr,Ca)AlSiN:Eu)蛍光体)、Apataite((Ca,Sr)(POCl:Eu)系、Silicate((Ba,Sr,Mg)SiO:Eu,Mn)系蛍光体、又はIII−V族化合物半導体ナノ粒子蛍光体(例えば、インジュウムリン:InP)を用いることができる。
例えば、青色、緑色及び赤色の蛍光体を発光部4に含め、405nmのレーザ光を照射すると白色光が発生する。或いは、黄色の蛍光体(又は緑色及び赤色の蛍光体)を発光部4に含め、450nm(青色)のレーザ光(又は440nm以上490nm以下の波長範囲にピーク波長を有する、いわゆる青色近傍のレーザ光)を照射することでも白色光が得られる。
発光部4の透明分散層は、例えば、無機ガラス、有機無機ハイブリッドガラス等のガラス材である。ガラス材として低融点ガラスを用いてもよい。透明分散層は、透明性の高いものが好ましく、レーザ光が高出力の場合には、耐熱性の高いものが好ましい。
また、透明分散剤であるガラスの主成分として、蛍光体と略同じ屈折率である例えばZrO2を用いることにより、全反射臨界角を小さくしている。これによって、励起光は、発光部4内に閉じ込め易くなり、蛍光体からの発光が発光部4から出易くなる。したがって、蛍光体濃度の分布をつけることにより、蛍光濃度分布に応じて、発光体における輝度分布を形成することが可能となる。尚、屈折率が重要であり、ZrO以外のガラスでもよいが、ZrOはゾルゲル法によりガラス形成が可能であるため、低温でガラス形成が可能である。尚、本効果が小さくなるが、ZrOの代わりにTiO、AlOx,SiOx等を用いてもよいが、屈折率が蛍光体よりも高い物質を用いると、光取出し効率が悪くなる。
そこで、例えば、図7に示すように、蛍光体により散乱される励起光のロスを抑え、発光部4内で励起光の吸収効率を上げるために、励起光進行方向に蛍光体濃度を上げることが好ましい。尚、入射側の蛍光体が濃い場合、所望の輝度分布となるよう蛍光体濃度を制御することが難しく、量産に向かないからである。
本実施の形態においては、励起光を発光部4にカップリングさせ、発光部4の形状及び蛍光体濃度によりエッジを形成している。
しかし、側面からの漏れ光が発生してしまうため、特にエッジを形成したい部分においては、HR(High Reflection)コート(誘電体多層膜やAl等の高反射金属膜)を施すことにより、漏れ光を抑制することができ、コントラストの高いエッジを形成可能となる。
さらに、効率向上という観点では、発光部4の励起光入射端面にはAR(Anti Reflection)コート(λ/4膜)を施し、それ以外の側面にはHRコートを施すことが望ましい。
また、発光部4の底面側には、発光部4からの放熱を目的とする金属ベース7が存在しているが、金属ベース7での不要吸収を減らす目的で、底面側にもHRコートをしてもよい。この場合、励起光の導波におけるミラーロスを防止するため、誘電体多層膜構造であることが望ましい。
尚、蛍光が発光部4の内部で平面方向に導波することにより、投影されたエッジのコントラストが下がってしまうことを防止するために、発光部4は薄いことが望ましい。具体的には、発光部4のレーザ光照射面4aに形成する照射パターン(光強度分布)の半値幅の1/2以下の厚さであることが望ましい。
(放熱部)
上記金属ベース7は、発光部4を支持する板状の支持部材であり、例えばアルミニウム又は銅等の金属からなっている。それゆえ、金属ベース7は熱伝導性が高く、発光部4の発熱を効率的に放熱することができる。
尚、発光部4を支持する部材は、金属からなるものに限定されず、例えば炭化珪素又は窒化アルミニウム等の金属以外の熱伝導性が高い物質を含む部材でもよい。発光部4と当接する金属ベース7の表面は反射面としてもよい。上記表面が反射面であることにより、発光部4のレーザ光照射面4aから入射したレーザ光が蛍光に変換された後に、発生した蛍光を当該反射面で反射させてリフレクタ5へ向かわせることができる。尚、反射面は、エッジを損ねないように適切に設計される必要がある。
上記フィン8は、金属ベース7を冷却する冷却部つまり放熱機構として機能する。このフィン8は、複数の放熱板を有するものであり、大気との接触面積を増加させることにより放熱効率を高めている。金属ベース7を冷却する冷却部は、放熱により冷却する機能を有するものであればよく、ヒートパイプ、水冷方式又は空冷方式のものであってもよい。
(リフレクタ)
上記パリフレクタ5は、発光部4が発生させた蛍光を反射し、所定の立体角内を進む光線束(照明光)を形成する投光部材の一例である。このリフレクタ5は、例えば、金属薄膜がその表面に形成された部材であってもよいし、金属製の部材であってもよい。
また、リフレクタ5は、放物線の対称軸を回転軸として当該放物線を回転させることによって形成される放物曲面を、上記回転軸を含む平面で切断することによって得られる部分曲面の少なくとも一部をその反射面に含んでいる。
さらに、リフレクタ5には窓部6が形成されている。この理由は、光源部10がリフレクタ5の外部に配置されているので、光源部10からのレーザ光をリフレクタ5の窓部6を通して透過又は通過させるためである。この窓部6は、開口部であってもよいし、レーザ光を透過可能な透明部材を含むものであってもよい。例えば、レーザ光を透過し、発光部4の蛍光である白色光を反射するフィルタを設けた透明板を窓部6として設けてもよい。この構成では、発光部4の蛍光が窓部6から漏れることを防止できる。
窓部6は、複数の光源部10に共通のものが1つ設けられていてもよいし、各光源部10に対応した複数の窓部6が設けられていてもよい。
尚、リフレクタ5は、この他、閉じた円形の開口部を有するパラボラミラー等のプロジェクションミラーであってもよく、軸外しパラボラミラー等のパラボラ形状を含むものでもよい。また、リフレクタとして楕円ミラーとプロジェクションレンズとを組み合わせたプロジェクション光学系等の投光光学系を利用することも可能である。
尚、発光部4における照射パターンを上述したような単純な形状の投光光学系を用い、投光ロスなくエッジ形状を投光できることに特徴があるが、マルチファセットミラー等の投光光学系の使用を排除するものではない。
リフレクタ5は、発光部4における投光パターンを投光投影する光学系であればよく、楕円形状、自由曲面形状、又はマルチファセット化されたマルチリフレクタ等も適切に設計すれば用いることができる。尚、その場合、照射パターンと投光パターンとの関係は必ずしも単純な形状変形とはならない場合がある。しかし、投光パターンに投光効率よくエッジを形成するという意味合いで、照射パターンにエッジを形成することは有効である。
(光源部詳細)
次に、光源部10の詳細について、図8〜図15に基づいて説明する。図8は、光源部と発光部との間に導光部材を備えたヘッドランプにおける光源部の構成を示す断面図である。図9は、ヘッドランプにおける発光部のレーザ光照射面におけるレーザ光スポットの形状の一例を示す正面図である。図10は光源部と発光部との間に導光部材を備えたヘッドランプにおける光源部の変形例の構成を示す断面図であり、図11は、ヘッドランプにおける光源部の他の変形例の構成を示す断面図であり、図12は、光源部と発光部との間に導光部材を備えたヘッドランプにおける光源部のさらに他の変形例の構成を示す断面図である。図13は光源部と発光部との間に導光部材を備えていない上記ヘッドランプにおける変形例の構成を示す断面図であり、図14は光源部と発光部との間に導光部材を備えていない上記ヘッドランプにおける光源部の変形例の構成を示す断面図であり、図15は光源部と発光部との間に導光部材を備えていない上記ヘッドランプにおける光源部の他の変形例の構成を示す断面図である。尚、図8、図10〜図12については、導光部材を備えているものについて説明すると共に、図13〜図15については、導光部材を備えていないものについて説明する。
光源部10は、図8に示すように、発光素子としてのレーザチップ11、サブマウント12、導光部材としての光学ロッド13A、AR(Anti Reflection)コート膜14、キャップ15、ステム16及びリード端子17を備えている。
(レーザチップ)
上記レーザチップ11は、励起光としてのレーザ光を出射するチップ形状の半導体レーザ素子である。本実施の形態のレーザチップ11は、窒化物系の半導体レーザであり、その発振波長は、395nmである。ただし、レーザチップ11は、窒化物系の半導体レーザに限定されず、また、その発振波長も395nmに限定されるものではなく、所望の色度を得るために後述する発光装置1の発光部4を構成する蛍光材料との関係で適宜選択すればよい。
また、レーザチップ11の構成、例えば半導体層の材質は、特に限定されない。
さらに、レーザチップ11は、1チップに1つの発光点を有するものであってもよく、1チップに複数の発光点を有するものであってもよい。レーザチップ11のレーザ光の発振波長は、365nm〜470nmの波長範囲内にあることが好ましく、本実施の形態の発振波長395nmの他、例えば、405nm(青紫色)又は450nm(青色)等、発光部4に含める蛍光体の種類に応じて適宜選択すればよい。尚、レーザチップ11のレーザ光の発振波長は、より好ましくは、350nm〜415nm(紫外光領域)の波長範囲内にあることが好ましい。
(サブマウント)
レーザチップ11は、レーザチップと金属からなるステム16との間での熱膨張係数差が大きいため、応力による特性劣化や剥がれを考慮して、サブマウントではサブマウント12と呼ばれる放熱部材に半田で固定し、さらに、そのサブマウントをステムに固定する。サブマウントの素材は、熱膨張係数がレーザチップに近く熱伝導率が高い素材が選択される。
本実施の形態のサブマウント12の構成材料は、AlNであるが、これに限定されない。例えば、窒化アルミニウム、SiC、CuW、Cu、ダイヤモンド、又はSi等を用いることができる。
尚、ステム16をレーザチップと熱膨張係数が近く、かつ熱伝導率の高いAlN等のセラミックとした場合、サブマウントはなくてもよい。
(ステム)
ステム16は、鉄及び銅を含む心材を金でコーティングしたものからなっている。ステム16の心材は、銅又は鉄のみでもよいし、コーティングは、Ag、Pt、PtRd等でもよく、耐候性が問題にならない使用条件であれば、コーティングがされていなくてもよい。
部材コスト及び部材の加工性、レーザチップ11において生じる熱を排熱する観点からは、ステム16は熱伝導率の高い金属で構成されていることが好ましい。しかし、金属に限ったのもではなく、AlN、SiC等のセラミックとしてもよい。
リード端子17は、外部の電源から電力を供給するための端子である。
レーザチップ11には、図示しない金細線を介してリード端子17が接続されており、これらの配線を介して外部の電源から電力が供給される。
(光学ロッド)
上記光学ロッド13Aは、例えばガラス、アクリル又はポリカーボネート等の透明材料からなっており、レーザチップ11から出射されたレーザ光の略ガウシアン分布からなる光強度分布を所定の分布に変換する導光部材からなる光学部材である。この光学ロッド13Aは、レーザ光を受光する入射端面13a及びレーザ光を出射する出射端面13bを備えている。入射端面13aは、光学ロッド13Aの一方の端部に形成されており、出射端面13bは、光学ロッド13Aの他方の端部に形成されている。
入射端面13aは、レーザチップ11の発光点の近傍に配置され、発光点から出射されたレーザ光が入射端面13aから光学ロッド13Aの内部へ入射する。この場合、例えば、光学ロッド13Aの出射端面13bにおける光強度分布として、エッジを形成するために、トップハット形状の分布にすることが考えられる。尚、光学ロッド13Aに入射する光は、1つのレーザチップからの光に限ったものではなく、複数のレーザチップからの光でもよい。また、光学ロッド13Aとレーザチップとの間にレンズ又はミラー等の光学部材が入っていてもよい。
しかしながら、本実施の形態のヘッドランプ1のように、すれ違い用前照灯(ロービーム)に適用する場合には、投光面における投光パターンの上側において明瞭なコントラストを形成する必要がある。その他にも、対向車にグレア感を与えないように障害物等の危険因子を照らす照明、又はスポットライトに代表される舞台照明等、明暗のコントラストをつける必要がある照明は多い。したがって、光学ロッド13Aの出射端面13bにおける光強度分布として、必ずしもトップハット形状の分布を有する必要はなく、少なくとも一部に、エッジを有していればよい。
次に、図8に示すように、光学ロッド13Aにおける出射端面13bが形成された出射端部は、キャップ15を貫通して光源部10の外部に延出しており、出射端面13bと発光部4に照射される励起光のレーザ光スポット4bとが略光学的共役関係となるように、出射端面13b、レンズ3及び発光部4の位置関係が規定されている。レンズの開口率NAが、光学ロッド13Aの開口率NAよりも大きく設定されているため、効率良く発光部4においてレーザ光照射面4aに照射される。
また、入射端面13aには、反射防止膜であるARコート膜14が配されている。そのため、入射端面13aにおいてレーザ光が反射することを防止でき、レーザ光が光学ロッド13Aの内部へ入射するときの損失を低減できる。ARコート膜14を出射端面13bに設けてもよい。また、ARコート膜14は、反射防止構造の一例であり、モスアイ構造等を含む他の反射防止構造を入射端面13aに設けてもよい。
尚、光学ロッド13Aにおける出射端面13bが形成された出射端部を光源部10におけるキャップ15の外部に延出させる必要は必ずしもなく、出射端面13bをキャップ15の内部に収納し、出射端面13bから出射するレーザ光を透過する窓部としてキャップガラスをキャップ15に設けてもよい。出射端面13bが形成された出射端部を光源部10におけるキャップ15の外部に延出させるかどうかは、レーザ光を所定形状の光強度分布の光に変換するために必要となる光学ロッド13Aの長さに依存する。
図8に示す例では、光学ロッド13Aの長さは例えば20mmであり、ロッド径は0.4mmである。ただし、光学ロッド13Aの大きさはこれに限定されない。
ここで、本実施の形態の光学ロッド13Aにおける出射端面13bの形状を、例えば多角形に形成することが可能である。ただし、必ずしもこれに限らず、一般的な円形又は楕円形でもよい。これにより、例えば、出射端面13bの形状を例えば長方形又は正方形等の四角形とした場合、つまり、光学ロッド13Aの立体形状を四角柱とした場合、発光部4のレーザ光照射面4aにおける照射領域としてのレーザ光スポット4bの形状は、図9に示すように、出射端面13bの長方形又は正方形等の四角形を反映したものとなる。この結果、出射端面13bの形状を変更することにより、レーザ光スポット4bの形状を所望の形状にすることができる。
ところで、上記の図8では、光学ロッド13Aの入射端面13aの形状は、出射端面13bの形状と同一形状となっている。しかし、必ずしもこれに限らず、例えば、図10に示すように、入射端面13a側の形状を出射端面13b側と異なる形状にしてもよい。例えば、入射端面13a側の形状を複合放物面集光器(Compound Parabolic Concentrator
:CPC)形状(入射端面がレーザ素子の発光面積よりも大きく、その後、導波方向に略放物線形状で拡大していく形状)とすることが可能である。これにより、レーザチップ11からのレーザ光を効率よくカップリングすることが可能である。
また、上記の図8及び図10では、光学ロッド13Aとレーザチップ11とは突き合せて接続されている。これにより、レーザチップ11と光学ロッド13Aとは、直接的に接続されるので、例えば、レーザチップ11と光学ロッド13Aとの間に両者を光学的に接続させるレンズ等を設ける必要がなく、構造が簡単である。
しかしながら、必ずしもこれに限らず、図11に示すように、レーザチップ11と光学ロッド13Bとは、互いに離間して設けることも可能である。尚、この場合には、レーザチップ11からの出射光を光学ロッド13Bに結合させるために、光源部10にカップリングレンズ18が必要となる。これにより、レーザチップ11を有する光源部10を光学ロッド13Bと別体の設けることが可能となる。この結果、光源部10の取り付け位置の自由度を向上させることができる。
また、本実施の形態では、光学ロッド13A・13Bは、例えばアクリル又はガラス等の透明材料からなっているが、必ずしもこれに限らず、図12に示すように、マルチモードファイバからなる光学ロッド13Cとすることも可能である。
すなわち、光ファイバはコア(core)と呼ばれる芯とその外側のクラッド(clad)と呼ばれる部分、そしてそれらを覆う被覆の3重構造になっており、クラッドよりもコアの屈折率を高くすることによって、全反射や屈折によりできるだけ光を中心部のコアにだけ伝搬させる構造となっている。光ファイバは、光ファイバの中を伝播する光の経路によってモードが分かれる。つまり、光の経路が一つ(=群速度が一つ、モードが一つ)となるファイバがシングルモードファイバであり、それ以外がマルチモードファイバである。マルチモードファイバは、シングルモードファイバに比べて、コア径が太く曲げに強い、光ファイバ同士の接続や光ファイバと機器との接続が比較的容易であり、伝送損失等が大きく長距離伝送に向かないが安価であるという特徴を有している。
この結果、マルチモードファイバを用いた光学ロッド13Cとすることにより、例えば、光ファイバでないものを利用するよりも安価であり、また、導光距離を長くすることができる。このため、光源部10から発光部4までの距離が長くかつ直線では結べない場合等においてメリットがある。
したがって、発光装置をヘッドランプ1に利用する場合に、車両のボンネットの内部において空いているスペースに光源部10を配置することができるので、設計の自由度が広がる。また、マルチモードファイバには、ファイバ出力端における光分布設計の自由度が高いというメリットもある。
尚、マルチモードファイバを用いた光学ロッド13Cを用いる場合、コアの直径は例えば0.4mmとすることができる。
(キャップ)
上記キャップ15は、図8に示すように、レーザチップ11等の部材を封入又は封止するための部材である。特に、キャップ15によって、レーザチップ11と光学ロッド13Aとの相対位置が固定される。キャップ15の内側は空洞になっていてもよく、樹脂又は低融点ガラス等の物質によって充填されていてもよい。また、キャップ15の全体を低融点ガラスで形成してもよい。
<投光パターンの明瞭なエッジを形成するための構成>
本実施の形態の形態のヘッドランプ1において、光源部10と発光部4との間に導光部材が存在しない場合には、図13に示すように、発光素子としてのレーザチップ11にて出射された励起光は、レンズ3により発光部4の端面に集光される。尚、この場合、図14に示すように、レンズ3の代わりに集光ミラー18を用いて、光源部10、集光ミラー18及び発光部4が一体となったモジュール構成としてもよい。
また、図15に示すように、励起光を集光せず、発光部4とレーザチップ11とを直接的に突き合せ接続してもよい。
尚、レンズ3や集光ミラー18を用いる場合は、レーザチップ11及び発光部4のそれぞれの表面に対する法線ベクトルが同一平面内となるようにレーザチップ11と発光部4とを配置する方が、カップリング効率がよい。ただし、図15に示すように、突き合せ接続する場合は、レーザチップ11と発光部4とのそれぞれの表面に対する法線ベクトルが直交するように配置した方がカップリング効率がよい。
一方、本実施の形態の形態のヘッドランプ1において、光源部10と発光部4との間に導光部材が存在する場合には、図8に示すように、発光素子としてのレーザチップ11にて出射された励起光は導光部材としての光学ロッド13Aに入射され、この励起光は光学ロッド13Aにて導光され、さらに、光学ロッド13Aからの出射光は発光部4に入射される。そして、発光部4では蛍光体により蛍光が発せられ、図1(c)(d)に示すように、該蛍光は投光面に投光パターンP3として投光される。
ここで、投光面における投光パターンP3の明瞭なエッジを形成するために、従来では、所望の照射パターンを得るべく、導光部材の出射光における発光部での照射領域を該発光部よりも大きくした後、発光部を所望の照射パターンの相似形に遮蔽したり、マルチファセットミラーを介して照射面に照射させたりしていた。この結果、照明光のロスが発生するという問題を有していた。
そこで、この問題を解決するために、本実施の形態の発光装置及びヘッドランプ1では、以下の構成を有している。これらの構成について、図1(a)(b)(c)(d)、及び、図16〜図23に基づいて説明する。図1(a)はレーザ出射端部の光強度分布を示す正面図であり、図1(b)は発光部における照射パターンP1の光強度分布を示す正面図であり、図1(c)は発光部における発光パターンP2の光強度分布を示す正面図であり、図1(d)は投光面における投光パターンP3の光強度分布を示す正面図である。図16は、ヘッドランプ1の発光部4におけるレーザ光スポット4bの構成を示す正面図である。図17は、上記ヘッドランプの発光部における発光パターンを示す正面図である。図18(a)は理想的なガウシアン分布からなる光強度分布を示す分布図であり、図18(b)は光強度分布のトップ幅が大きい光強度分布を示す分布図である。図19(a)は光強度分布におけるエッジの定義を示す分布図であり、図19(b)は定義によりエッジを構成する場合及び定義によりエッジを構成しない場合の一例を示す分布図である。図20は、発光装置を備えた車両用前照灯としてのヘッドランプ1における発光部4の内部構成を示す断面図である。図21は、上記ヘッドランプの発光部における他の内部構成を示す断面図である。図22は、上記ヘッドランプの発光部における蛍光体の濃度を変更することにより発光部からの発光パターンの光強度分布を変更するときの構成を示す断面図である。図23は、上記ヘッドランプの発光部における蛍光体の濃度を変更することにより発光部からの発光パターンの光強度分布を変更するときの他の構成を示す断面図である。
尚、図20〜図23は、図17のA−A’線断面図でもある。また、以下の説明では、導光部材としての光学ロッド13Aについて説明する。ただし、導光部材としての光学ロッド13B・13Cについても同様に適用することが可能であり、導光部材を備えていないヘッドランプ1にも適用することができる。
本実施の形態の発光装置では、図1(a)(b)(c)(d)及び図16に示すように、光学ロッド13Aの出射光における発光部4での照射領域であるレーザ光スポット4bは、発光部4のレーザ光照射面4aよりも小さい。このため、光学ロッド13Aからの出射光における全光量がその形状にて発光部の一部の領域に入射されるので、発光部4では光学ロッド13Aの出射光における全光量を利用することができ、効率がよい。
ところで、発光部4は蛍光体を分散させた透明分散層を有してなっているので、透明分散層は導光作用を有している。このため、光学ロッド13Aから発光部4の照射領域に入射した光を、導光作用によって該発光部4の端部4cに導光して該端部4cから出射させることが可能である。
ここで、本実施の形態では、図16に示すように、発光部4の一部の端部4cにおける形状は、投光パターンの一部の端部における形状に形成されている。この結果、図1(b)に示すように、光学ロッド13Aから発光部4の照射領域に照射パターンP1として入射された光は、発光部4での導光作用により、投光パターンP3の一部の端部における形状と同一に形成されている発光部4の一部の端部4cにおいて、図1(c)及び図17に示すように、光強度が高くなった状態で発光パターンP2として出射される。したがって、発光部4の該端部4cのエッジ形状が、投光面の投光パターンP3のエッジ形状に反映される。これにより、投光面における投光パターンP3の端部に明瞭なエッジを形成することができる。
それゆえ、投光面における投光パターンの明瞭なエッジを効率よく形成し得る発光装置を提供することができる。
ここで、投光面における投光パターンの明瞭なエッジとは、理想的には、不連続な光強度分布のことをいう。したがって、投光面における投光パターンの明瞭なエッジが無いとは、図18(a)に示すように、光強度分布が連続的に変化することをいう。このように、理想的なガウシアン分布では、エッジは形成されない。しかし、図18(a)に示す光強度分布と同じ光強度勾配を有していても、図18(b)に示すように、光強度分布のトップ幅が大きい場合には、図18(b)に示す光強度勾配はエッジに該当する。
このように、エッジとは、ガウシアン分布における光強度減衰プロファイルよりもきつい光強度減衰プロファイルである光強度分布のことをいうが、このエッジは、光強度分布の幅に影響される。そこで、本実施の形態では、エッジとは、詳細には、図19(a)に示すように、ピーク光強度の80%の位置とピーク光強度の1/(e)となる位置との間隔が半値幅の1/2以下の間隔となっている場合をいう。すなわち、エッジは、光強度分布の幅を考慮すべく半値幅と関連して定義するのが正しい。この半値幅を考慮した場合、例えば、図19(b)に示す光強度分布において、左側の光強度勾配はエッジであるが、右側の光強度勾配はエッジではない。尚、このエッジは、必ずしも裾部分の光強度が0になっていなくてもよい。
本実施の形態の発光装置では、図20に示すように、前記光学ロッド13Aの出射光は、発光部4の表面内において、発光部4の一部の端部4cに向けて斜めに照射される。尚、発光部4の表面には、反射防止膜4dが設けられている。
これにより、発光部4の蛍光体含有ガラス層FGは透明部材にてなっているので、この透明部材自体が導光部材として機能する。このため、光学ロッド13Aの出射光を、発光部4の表面内において、該発光部4の一部の端部4cに向けて斜めに照射することにより、該光学ロッド13Aの出射光は発光部4の蛍光体含有ガラス層FGに入射され、発光部4の一部の端部4cに向けて導光される。
この結果、発光部4における一部の端部4cから投光面に投光される投光パターンP3の光強度を高めることができ、投光面における投光パターンP3のより明瞭なエッジを形成することができる。
また、本実施の形態の発光装置では、図21に示すように、蛍光体含有ガラス層FGの下に、蛍光体含有ガラス層FGよりも屈折率の高い発光部導光部材としてのガラス導光部LGが形成された構造となっている。端部4e側は、蛍光体含有ガラス層FGの厚さが薄く、輝度を高くしたい側の端部4cは、蛍光体含有ガラス層FGの厚さが厚い。また、この構成においては、発光部4の一部の端部4cに向けて、発光部4の一部の端部4cとは反対側の端部4eにおける側面に照射する。尚、端部4eにはARコート膜4fが設けられており、端部4cにはARコート膜4gが設けられている。
これにより、ガラス導光部LGに入った励起光は、当初全反射するが、徐々に全反射条件が破れ、蛍光体含有ガラス層FGに漏れ出していく。
この結果、発光部4における一部の端部4cから投光面に投光される前記投光パターンP3の光強度を高めることができ、投光面における投光パターンP3のより明瞭なエッジを形成することができる。
さらに、本実施の形態の発光装置では、図22に示すように、発光部4の蛍光体含有ガラス層FGは、発光部4の一部の端部4cに向けて蛍光体Lの濃度が次第に高くなっているとすることができる。
すなわち、発光部4の蛍光体含有ガラス層FGは透明部材にてなっているので、この透明部材自体が導光部材として機能する。この結果、発光部4の蛍光体含有ガラス層FGにおいて、発光部4の一部の端部4cに向けて蛍光体Lの濃度を次第に高くすることにより、発光部4における一部の端部4cから投光面に投光される投光パターンP3の光強度を高めることができる。
したがって、投光面における投光パターンP3のより明瞭なエッジを形成することができる。
尚、図22においては、発光部4の表面に励起光を照射しているが、必ずしもこれに限らず、例えば、図23に示すように、発光部4の側面から励起光を照射しても同様の効果が得られる。
このように、本実施の形態の発光装置は、励起光を出射するレーザチップ11と、蛍光体Lを分散させた蛍光体含有ガラス層FGを有する発光部4とを備え、レーザチップ11から発光された励起光を発光部4の蛍光体含有ガラス層FGにて導光させることにより発光部4での輝度分布を形成すると共に、発光部4における端部形状・厚さ・蛍光体の濃度等の形態により輝度分布のエッジが形成されている。
したがって、投光面における投光パターンP3の明瞭なエッジを効率よく形成し得る発光装置を提供することができる。
また、本実施の形態の発光装置では、発光部4の蛍光体含有ガラス層FGは、該発光部4の一部の端部4cに向けて厚さが薄く形成されている。したがって、投光面における投光パターンP3のより明瞭なエッジを形成することができる。
また、本実施の形態の発光装置では、発光部4の蛍光体含有ガラス層FGは、該発光部4の一部の端部4cに向けて蛍光体の濃度が高くなっているとすることができる。したがって、投光面における投光パターンP3のより明瞭なエッジを形成することができる。
また、本実施の形態の発光装置では、レーザチップ11からの光は、発光部4の表面内において、該発光部4の一部の端部4cに向けて斜めに照射されるとすることができる。この結果、発光部4における一部の端部4cから投光面に投光される投光パターンP3の光強度を高めることができ、投光面における投光パターンP3のより明瞭なエッジを形成することができる。
また、本実施の形態の発光装置では、レーザチップ11からの光は、発光部4の一部の端部4cに向けて、該発光部4の一部の端部4cとは反対側の端部における側面へ斜めに照射されるとすることができる。この結果、発光部4における一部の端部4cから投光面に投光される投光パターンP3の光強度を高めることができ、投光面における投光パターンP3のより明瞭なエッジを形成することができる。
また、本実施の形態の発光装置では、レーザチップ11と互いに離間して設けられた光学ロッド13Bを用いることができる。これにより、レーザチップ11を収納した光源部10を光学ロッド13Bと別体の設けることが可能となるので、レーザチップ11を収納した光源部10の取り付け位置の自由度を向上させることができる。
また、本実施の形態の発光装置では、レーザチップ11と発光部4との間には、レーザチップ11からの入射光を導光して発光部4に出射する導光部材としての光学ロッド13A・13B・13Cが設けられているとすることができる。
また、本実施の形態の発光装置では、マルチモードファイバからなる光学ロッド13Cを用いることができる。これにより、光ファイバでない特注品を利用するよりも安価であり、また、導光距離を長くすることができる。このため、レーザチップ11から発光部4までの距離が長くかつ直線では結べない場合等においてメリットがある。また、マルチモードファイバには、ファイバ出力端における光分布設計の自由度が高いというメリットもある。
したがって、発光装置をヘッドランプ1に利用する場合に、車両のボンネットの内部において空いているスペースに光源部10を配置することができるので、設計の自由度が広がる。
また、本実施の形態のヘッドランプ1は、本実施の形態の発光装置を備えている。この結果、ヘッドランプ1の投光パターンP3の光分布形状を、法的に定められたすれ違い灯等の車両用前照灯の光分布形状に適合させることができる。
したがって、投光面における投光パターンP3の明瞭なエッジを効率よく形成し得る発光装置を備えたヘッドランプ1を提供することができる。
さらに、本実施の形態の照明装置は、本実施の形態の発光装置を備えている。それゆえ、投光面における投光パターンP3の明瞭なエッジを効率よく形成し得る発光装置を備えた照明装置を提供することができる。
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、本実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
以上のように、本発明の発光装置は、上記課題を解決するために、励起光を出射する発光素子と、蛍光体を分散させた透明分散層を有する発光部とを備えた発光装置において、上記発光素子から発光された励起光を上記発光部の透明分散層にて導光させることにより上記発光部での輝度分布を形成すると共に、上記発光部の形態により輝度分布のエッジが形成されていることを特徴としている。
上記の発明によれば、発光素子にて出射された励起光は、発光部に入射される。そして、発光部では、透明分散層にて導光されることにより、蛍光体により蛍光が発せられ、輝度分布が形成されて、投光面に投光パターンとして投光される。
ここで、投光面における投光パターンの明瞭なエッジを形成するために、従来では、所望の投光パターンを得るべく、導光部材の出射光における発光部での照射領域を該発光部よりも大きくした後、該発光部を所望の投光パターンの相似形に遮蔽したり、マルチファセットミラーを介して投光面に投光させたりしていた。この結果、照明光のロスが発生するという問題を有していた。
本発明では、発光部は蛍光体を分散させた透明分散層を有してなっているので、透明分散層は導光作用を有している。このため、発光素子から発光部に入射した光を、導光作用によって該発光部の端部に導光して該端部から出射させることが可能である。
ここで、本発明では、発光部の形態により輝度分布のエッジが形成されている。この結果、発光部に入射された光は、発光部の形態により輝度分布のエッジが形成されて、光強度が高くなった状態で出射される。したがって、発光部における輝度分布のエッジが投光パターンのエッジに反映される。これにより、投光面における投光パターンの端部に明瞭なエッジを形成することができる。
それゆえ、発光部に明瞭なエッジを効率よく形成し、延いては投光面における投光パターンの明瞭なエッジを効率よく形成し得る発光装置を提供することができる。
本発明の発光装置では、前記発光部の透明分散層の下に、該発光部の一部の端部に向けて厚さが次第に薄く形成された導光部材を有しているとすることができる。
すなわち、発光部の透明分散層の下に、該発光部の一部の端部に向けて厚さが次第に薄く形成された導光部材を有することにより、発光部における一部の端部から投光面に投光される投光パターンの光強度を高めることができる。
したがって、発光部に明瞭なエッジを効率よく形成し、延いては投光面における投光パターンのより明瞭なエッジを形成することができる。
本発明の発光装置では、前記発光部の透明分散層は、該発光部の一部の端部に向けて蛍光体の濃度が次第に高くなっているとすることができる。
すなわち、発光部の透明分散層において、該発光部の一部の端部に向けて蛍光体の濃度を次第に高くすることにより、発光部における一部の端部から投光面に投光される投光パターンの光強度を高めることができる。
したがって、発光部に明瞭なエッジを効率よく形成し、延いては投光面における投光パターンのより明瞭なエッジを形成することができる。
本発明の発光装置では、前記発光素子からの光は、前記発光部の表面内において、該発光部の一部の端部に向けて斜めに照射されるとすることができる。
これにより、該発光素子からの光は、発光部の透明分散層に入射され、発光部の一部の端部に向けて導光される。
この結果、発光部における一部の端部から投光面に投光される投光パターンの光強度を高めることができ、発光部に明瞭なエッジを効率よく形成し、延いては投光面における投光パターンのより明瞭なエッジを形成することができる。
本発明の発光装置では、前記発光素子からの光は、前記発光部の一部の端部に向けて、該発光部の一部の端部とは反対側の端部における側面へ照射されるとすることができる。
これにより、発光素子からの光は、発光部の一部の端部とは反対側の端部における側面から、該発光部の透明分散層に入射され、発光部の一部の端部に向けて導光される。
この結果、発光部における一部の端部から投光面に投光される投光パターンの光強度を高めることができ、発光部に明瞭なエッジを効率よく形成し、延いては投光面における投光パターンのより明瞭なエッジを形成することができる。
本発明の発光装置では、前記発光素子と発光部との間には、該発光素子からの入射光を導光して該発光部に出射する導光部材が設けられているとすることができる。
これにより、導光距離を長くすることができるので、発光素子から発光部までの距離が長くかつ直線では結べない場合等においてメリットがある。
したがって、発光装置を車両用前照灯に利用する場合に、車両のボンネットの内部において空いているスペースに発光素子を配置することができるので、設計の自由度が広がる。
本発明の車両用前照灯は、上記課題を解決するために、前記記載の発光装置を備えていることを特徴としている。
上記の発明によれば、車両用前照灯の照明光の光分布形状を、法的に定められたすれ違い灯等の車両用前照灯の光分布形状に適合させることができる。
したがって、発光部に明瞭なエッジを効率よく形成し、延いては投光面における投光パターンの明瞭なエッジを効率よく形成し得る発光装置を備えた車両用前照灯を提供することができる。
本発明の照明装置は、上記課題を解決するために、前記記載の発光装置を備えていることを特徴としている。
上記の発明によれば、発光部に明瞭なエッジを効率よく形成し、延いては投光面における投光パターンの明瞭なエッジを効率よく形成し得る発光装置を備えた照明装置を提供することができる。
本発明の発光装置は、励起光を出射する発光素子と、蛍光体を分散させた透明分散層を有する発光部とを備えた発光装置において、
上記発光素子から発光された励起光を上記発光部の透明分散層にて導光させることにより上記発光部での輝度分布を形成すると共に、上記発光部の形態により輝度分布のエッジが形成されていることを特徴としている。
本発明の発光装置は、上記記載の発光装置において、前記発光部の端面から前記励起光を入射させることを特徴としている。
本発明の発光装置は、上記記載の発光装置において、前記透明分散層の端面から前記励起光を入射させることを特徴としている。
本発明の発光装置は、上記記載の発光装置において、前記発光素子と前記発光部との間には、該発光素子からの入射光を導光して該発光部に出射する導光部材が設けられていることを特徴としている。
本発明の発光装置は、上記記載の発光装置において、前記発光素子と前記発光部との光路間には、凸レンズが設けられていることを特徴としている。
本発明の発光装置は、上記記載の発光装置において、前記発光素子と前記発光部との光路間には、集光ミラーが設けられていることを特徴としている。
本発明の発光装置は、上記記載の発光装置において、前記透明分散層は、前記発光部の一部の端部に向けて厚さが次第に変化するように形成されていることを特徴としている。
本発明の車両用前照灯は、上記記載の発光装置を備えていることを特徴としている。
本発明の照明装置は、上記記載の発光装置を備えていることを特徴としている。
本発明のプロジェクタは、上記記載の発光装置を備えていることを特徴としている。
本発明は、励起光を出射する発光素子と、蛍光体を分散させた透明分散層を有する発光部とを備え、発光素子から発光された励起光を発光部に入射し、発光部から蛍光を投光面に投光パターンP3として投光させる発光装置、車両用前照灯及び照明装置に関するものであり、ヘッドランプ等の車両用前照灯に適用することができる。また、照明装置は、すれ違い用前照灯(ロービーム)であってもよく、又は自動車以外の車両若しくは移動物体(例えば、人間・船舶・航空機・潜水艇・ロケット等)のヘッドランプとして適用することが可能である。さらに、例えば、サーチライト、プロジェクタ、家庭用照明器具、商業用照明装置、屋外照明装置等の照明装置に適用することも可能である。
1 ヘッドランプ(照明装置、車両用前照灯)
3 レンズ
4 発光部
4a レーザ光照射面
4b レーザ光スポット(照射領域)
4c 端部(一部の端部)
4d 反射防止膜
4e 端部(一部の端部とは反対側の端部)
4f ARコート膜
5 リフレクタ
10 光源部
11 レーザチップ(発光素子)
13A 光学ロッド(導光部材)
13B 光学ロッド(導光部材)
13C 光学ロッド(導光部材)
13a 入射端面
13b 出射端面
14 ARコート膜
15 キャップ
16 ステム
17 リード端子
18 カップリングレンズ
FG 蛍光体含有ガラス層(透明分散層)
L 蛍光体
LG ガラス導光部(発光部導光部材)
P1 照射パターン
P2 発光パターン
P3 投光パターン

Claims (10)

  1. 励起光を出射する発光素子と、蛍光体を分散させた透明分散層を有する発光部とを備えた発光装置において、
    上記発光素子から発光された励起光を上記発光部の第1の端面から入射させ、
    上記発光部の第1の端面から入射された上記励起光を上記発光部の透明分散層にて導光させることにより上記発光部における上記第1の端面とは非平行の第2の端面での輝度分布を形成すると共に、上記発光部における上記蛍光体の濃度制御により第2の端面における輝度分布のエッジが形成され
    上記第2の端面から出射される蛍光を照明光として利用していることを特徴とする発光装置。
  2. 前記第1の端面と第2の端面とが直交することを特徴とする請求項1記載の発光装置。
  3. 前記発光部は、前記蛍光体を分散させた透明分散層と、上記蛍光体を分散させていない透明非分散層との2層積層構造となっていると共に、
    上記透明分散層は、前記第1の端面から該第1の端面に対向する第3の端面に向かうに伴って厚さが次第に増加するように形成されており、
    かつ上記透明非分散層は、上記第1の端面から上記第3の端面に向かうに伴って厚さが次第に減少するように形成されており、
    上記発光素子から発光された励起光を上記発光部の上記第1の端面から入射させて上記発光部の透明非分散層及び透明分散層にて導光させることにより、上記発光部においてエッジが形成された輝度分布を形成することを特徴とする請求項1又は2記載の発光装置。
  4. 前記発光素子と前記発光部との間には、該発光素子からの入射光を導光して該発光部に出射する導光部材が設けられていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の発光装置。
  5. 前記発光素子と前記発光部との光路間には、凸レンズが設けられていることを特徴とする請求項1記載の発光装置。
  6. 前記発光素子と前記発光部との光路間には、集光ミラーが設けられていることを特徴とする請求項1記載の発光装置。
  7. 前記透明分散層は、前記発光部の一部の端部に向けて厚さが次第に変化するように形成されていることを特徴とする請求項1、2、5〜6のいずれか1項に記載の発光装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の発光装置を備えていることを特徴とする車両用前照灯。
  9. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の発光装置を備えていることを特徴とする照明装置。
  10. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の発光装置を備えていることを特徴とするプロジェクタ。
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