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JP6108584B1 - 力覚センサ - Google Patents

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Abstract

本発明の力覚センサは、XY平面上に配置された支持体と、支持体に対向して配置され、検出対象となる力の作用により弾性変形を生じる変形部を有する変形体と、支持体上に配置された固定電極と、固定電極に対向するように変形体の変形部に設けられ、固定電極との間で容量素子を構成する変位電極と、容量素子の静電容量値の変動量に基づいて作用した力を示す電気信号を出力する検出回路と、を備えている。容量素子は、第1容量素子と第2容量素子とを有し、検出回路は、第1容量素子の静電容量値に相当する第1電気信号、第2容量素子の静電容量値に相当する第2電気信号、及び、第1容量素子の静電容量値と第2容量素子の静電容量値との和に相当する合算電気信号、に基づいて、当該力覚センサが正常に機能しているか否かを判定する。

Description

本発明は、力覚センサに関し、特に、所定の軸方向に作用した力及び所定の回転軸まわりに作用したトルクを電気信号として出力する機能をもったセンサに関する。
所定の軸方向に作用した力及び所定の回転軸まわりに作用したトルクを電気信号として出力する機能をもった力覚センサは、例えば特許文献1に記載されており、産業用ロボットの力制御に広く利用されている。近年では、生活支援ロボットへも採用されており、高い安全性が求められている。しかしながら、例えば、現状の静電容量タイプの力覚センサにおいては、機構部、静電容量の検出部(力の検出部)、マイコンを含む電子回路を備えているが、結露、衝撃、過負荷、あるいは当該静電容量を提供する一対の平行平板間に異物が混入することによって、故障してしまう可能性がある。
力覚センサが故障しているか否かを判断する簡便な方法としては、例えば引用文献1に記載されている力覚センサを複数(例えば3つ)並列に並べ、各力覚センサの出力信号の差を評価すればよい。この方法では、3つの出力信号を2つずつ比較し、各2つの力覚センサの出力信号の差が所定の範囲内に存在していれば当該力覚センサは正常に機能していると判断され、一方で当該差が所定の範囲内に存在していなければ、当該力覚センサは正常に機能していない(故障している)と判断される。
特開2004−354049号公報
しかしながら、複数の力覚センサを用いて当該力覚センサが正常に機能しているか否かを判断する方法を採用した場合、力覚センサの個数に応じてコストが増大してしまう。更に、力覚センサを設置するために必要なスペースも増大してしまい、問題である。
本発明は、以上のような問題に鑑みて創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、コスト及び設置スペースを最小化しつつ、故障の判定(正常に機能しているか否かの判定)が可能な力覚センサを提供することである。
本発明の力覚センサは、XYZ三次元座標系におけるZ軸方向の力を検出するものであって、
XY平面上に配置された支持体と、
前記支持体に対向して配置され、検出対象となる力の作用により弾性変形を生じる変形部を有する変形体と、
前記支持体上に配置された固定電極と、
前記固定電極に対向するように前記変形体の前記変形部に設けられ、前記固定電極との間で容量素子を構成する変位電極と、
前記容量素子の静電容量値の変動量に基づいて、前記変形体及び前記支持体の一方に負荷がかかった状態において他方に作用した力を示す電気信号を出力する検出回路と、を備え、
前記容量素子は、Z軸方向から見て当該Z軸を含む領域に配置された第1容量素子と、第2容量素子と、を有し、
前記検出回路は、前記第1容量素子の静電容量値に相当する第1電気信号、前記第2容量素子の静電容量値に相当する第2電気信号、及び、前記第1容量素子の静電容量値と前記第2容量素子の静電容量値との和に相当する合算電気信号、を作用した力を示す電気信号として出力し、
前記第1電気信号または前記第2電気信号と前記合算電気信号とに基づいて、当該力覚センサが正常に機能しているか否かを判定する。
本発明によれば、第1電気信号または第2電気信号と合算電気信号とに基づいて計測される力を互いに比較することができるため、力覚センサが正常に機能しているか否かを当該力覚センサ自身で判断することができる。このため、複数の力覚センサを使用することなく、すなわちコスト及び設置スペースを最小化しつつ、故障の判定(正常に機能しているか否かの判定)が可能な力覚センサを提供することができる。
好ましくは、前記第2容量素子は、前記第1容量素子を取り囲むように配置されている。特には、前記第1容量素子は、Z軸方向から見て円盤状の形状を有し、前記第2容量素子は、Z軸方向から見て円環状の形状を有している。
この場合、各容量素子が対称的な形状を有しているため、各容量素子の静電容量値の変動に基づいて検出対象の力を計測するための処理が容易である。
各容量素子を構成する変位電極及び固定電極には種々の態様が考えられる。一例として、前記変位電極は、第1変位電極と第2変位電極とを有し、
前記固定電極は、前記第1変位電極に対向して配置された第1固定電極と、前記第2変位電極に対向して配置された第2固定電極と、を有し、
前記第1容量素子は、前記第1変位電極と前記第1固定電極とによって構成され、
前記第2容量素子は、前記第2変位電極と前記第2固定電極とによって構成される。
この場合、Z軸方向の力が作用した結果、前記固定電極に対する前記変位電極の相対位置が変化した場合にも、前記第1及び第2容量素子を構成する各一対の電極の実効対向面積が変化しないように、前記第1固定電極及び前記第1変位電極のうちの一方の面積を他方の面積よりも大きく設定し、前記第2固定電極及び前記第2変位電極のうちの一方の面積を他方の面積よりも大きく設定することが好ましい。
以上の力覚センサにおいて、前記第1及び第2固定電極が共通の電極で構成されているか、または、前記第1及び第2変位電極が共通の電極で構成されていても良い。
好ましくは、前記第1容量素子は、Z軸方向から見て円盤状の形状を有し、
前記第2容量素子は、Z軸方向から見て前記第1容量素子を取り囲む円環状の形状を有している。
この場合、各容量素子が対称的な形状を有しているため、各容量素子の静電容量値の変動に基づいて検出対象の力を計測するための処理が容易である。
また、作用したZ軸方向の力は、前記合算電気信号に基づいて計測されることが好ましい。合算電気信号は、第1及び第2電気信号と比較して、力の計測に用いられる静電容量値(電極面積)が大きいため、静電容量値の変化も大きく、S/Nの点からも有利である。
好ましくは、前記検出回路は、「前記合算電気信号に基づいて計測された力と前記第1電気信号に基づいて計測された力との差、及び、前記合算電気信号に基づいて計測された力と前記第2電気信号に基づいて計測された力との差、の少なくとも一方」が所定の範囲内にあるか否かを判定することにより、当該力覚センサが正常に機能しているか否かを判定する。
より好ましくは、 前記検出回路は、前記第1電気信号と前記第2電気信号との双方を、作用した力を示す電気信号として出力し、「前記合算電気信号に基づいて計測された力と前記第1電気信号に基づいて計測された力との差、及び、前記合算電気信号に基づいて計測された力と前記第2電気信号に基づいて計測された力との差、の少なくとも一方」、並びに、「前記第1電気信号に基づいて計測された力と前記第2電気信号に基づいて計測された力との差」、が所定の範囲内にあるか否かを判定することにより、当該力覚センサが正常に機能しているか否かを判定する。
これらの場合、力覚センサが正常に機能しているか否かを確実に判定することができる。
あるいは、本発明の力覚センサは、XYZ三次元座標系におけるZ軸方向及びX軸方向の力を検出するものであって、
XY平面上に配置された支持体と、
前記支持体に対向して配置され、検出対象となる力の作用により弾性変形を生じる変形部を有する変形体と、
前記支持体上に配置された固定電極と、
前記固定電極に対向するように前記変形体の前記変形部に設けられ、前記固定電極との間で容量素子を構成する変位電極と、
前記容量素子の静電容量値の変動量に基づいて、前記変形体及び前記支持体の一方に負荷がかかった状態において他方に作用した力を示す電気信号を出力する検出回路と、を備え、
前記容量素子は、Z軸方向から見て、Y軸を挟んで配置されたX軸負側の第1容量素子及びX軸正側の第2容量素子と、当該第1容量素子の近傍に配置された第3容量素子及び当該第2容量素子の近傍に配置された第4容量素子と、を有し、
前記検出回路は、「前記第1及び第3容量素子の各静電容量値の和と、前記第2及び第4容量素子の各静電容量値の和と、の差」に相当する第1電気信号、並びに、「前記第1容量素子の静電容量値と前記第2容量素子の静電容量値との差」に相当する第2電気信号、及び、「前記第3容量素子の静電容量値と前記第4容量素子の静電容量値との差」に相当する第3電気信号、の少なくとも一方、を作用したX軸方向の力を示す電気信号として出力し、
前記第1電気信号と前記第2電気信号または前記第3電気信号とに基づいて、当該力覚センサが正常に機能しているか否かを判定する。
本発明によれば、第1電気信号と第2電気信号または第3電気信号とに基づいて計測される力を互いに比較することができるため、力覚センサが正常に機能しているか否かを当該力覚センサ自身で判断することができる。このため、複数の力覚センサを使用することなく、すなわちコスト及び設置スペースを最小化しつつ、故障の判定(正常に機能しているか否かの判定)が可能な力覚センサを提供することができる。
好ましくは、前記検出回路は、「前記第1電気信号に基づいて計測された力と前記第2電気信号に基づいて計測された力との差、及び、前記第1電気信号に基づいて計測された力と前記第3電気信号に基づいて計測された力との差、のうち少なくとも一方」が所定の範囲内にあるか否かを判定することにより、当該力覚センサが正常に機能しているか否かを判定する。
より好ましくは、前記検出回路は、前記第2電気信号と前記第3電気信号との双方を、作用した力を示す電気信号として出力し、「前記第1電気信号に基づいて計測された力と前記第2電気信号に基づいて計測された力との差、及び、前記第1電気信号に基づいて計測された力と前記第3電気信号に基づいて計測された力との差、のうち少なくとも一方」、並びに、「前記第2電気信号に基づいて計測された力と前記第3電気信号に基づいて計測された力との差」、が所定の範囲内にあるか否かを判定することにより、当該力覚センサが正常に機能しているか否かを判定する。
これらの場合、力覚センサが正常に機能しているか否かを確実に判定することができる。
また、作用したX軸方向の力は、前記第1電気信号に基づいて計測されることが好ましい。第1電気信号は、第2及び第3電気信号と比較して、力の計測に用いられる静電容量値(電極面積)が大きいため、静電容量値の変化も大きく、S/Nの点からも有利である。
あるいは、本発明による力覚センサは、XYZ三次元座標系におけるZ軸方向及びX軸方向の力を検出するものであって、
XY平面上に配置された支持体と、
前記支持体に対向して配置され、検出対象となる力の作用により弾性変形を生じる変形部を有する変形体と、
前記支持体上に配置された固定電極と、
前記固定電極に対向するように前記変形体の前記変形部に設けられ、前記固定電極との間で容量素子を構成する変位電極と、
前記容量素子の静電容量値の変動量に基づいて、前記変形体及び前記支持体の一方に負荷がかかった状態において他方に作用した力を示す電気信号を出力する検出回路と、を備え、
前記容量素子は、Z軸方向から見て、Y軸を挟んで配置されたX軸負側の第1容量素子及びX軸正側の第2容量素子と、当該第1容量素子の近傍に配置された第3容量素子及び当該第2容量素子の近傍に配置された第4容量素子と、を有し、
前記検出回路は、「前記第1及び第2容量素子の各静電容量値の和」に相当する第1電気信号、及び、「前記第3及び第4容量素子の各静電容量値の和」に相当する第2電気信号」、のうち少なくとも一方、並びに、「前記第1〜第4容量素子の各静電容量値の和」に相当する合算電気信号、を作用したZ軸方向の力を示す電気信号として出力し、
前記第1電気信号または前記第2電気信号と前記合算電気信号とに基づいて、当該力覚センサが正常に機能しているか否かを判定する。
本発明によれば、第1電気信号または第2電気信号と合算電気信号とに基づいて計測される力を互いに比較することができるため、力覚センサが正常に機能しているか否かを当該力覚センサ自身で判断することができる。このため、複数の力覚センサを使用することなく、すなわちコスト及び設置スペースを最小化しつつ、故障の判定(正常に機能しているか否かの判定)が可能な力覚センサを提供することができる。
好ましくは、前記検出回路は、「前記合算電気信号に基づいて計測された力と前記第1電気信号に基づいて計測された力との差、及び、前記合算電気信号に基づいて計測された力と前記第2電気信号に基づいて計測された力との差、のうち少なくとも一方」が所定の範囲内にあるか否かを判定することにより、当該力覚センサが正常に機能しているか否かを判定する。
より好ましくは、前記検出回路は、前記第1電気信号と前記第2電気信号との双方を、作用した力を示す電気信号として出力し、「前記合算電気信号に基づいて計測された力と前記第1電気信号に基づいて計測された力との差、及び、前記合算電気信号に基づいて計測された力と前記第2電気信号に基づいて計測された力との差、のうち少なくとも一方」、並びに、「前記第1電気信号に基づいて計測された力と前記第2電気信号に基づいて計測された力との差」、が所定の範囲内にあるか否かを判定することにより、当該力覚センサが正常に機能しているか否かを判定する。
これらの場合、力覚センサが正常に機能しているか否かを確実に判定することができる。
また、作用したZ軸方向の力は、前記合算電気信号に基づいて計測されることが好ましい。合算電気信号は、第1及び第2電気信号と比較して、力の計測に用いられる静電容量値(電極面積)が大きいため、静電容量値の変化も大きく、S/Nの点からも有利である。
好ましくは、前記第3容量素子は、前記第1容量素子のX軸負側に配置され、
前記第4容量素子は、前記第2容量素子のX軸正側に配置される。
この場合、第1〜第4容量素子が対称的に配置されるため、各容量素子の静電容量値の変動に基づいて検出対象の力を計測するための処理が容易である。
各容量素子を構成する変位電極及び固定電極には種々の態様が考えられる。一例として、前記変位電極は、Z軸方向から見て、Y軸を挟んで配置されたX軸負側の第1変位電極及びX軸正側の第2変位電極と、当該第1変位電極のX軸負側に配置された第3変位電極及び当該第2変位電極のX軸正側に配置された第4変位電極と、を有し、
前記固定電極は、前記第1変位電極に対向して配置された第1固定電極と、前記第2変位電極に対向して配置された第2固定電極と、前記第3変位電極に対向して配置された第3固定電極と、前記第4変位電極に対向して配置された第4固定電極と、を有し、
前記第1容量素子は、前記第1変位電極と前記第1固定電極とによって構成され、
前記第2容量素子は、前記第2変位電極と前記第2固定電極とによって構成され、
前記第3容量素子は、前記第3変位電極と前記第3固定電極とによって構成され、
前記第4容量素子は、前記第4変位電極と前記第4固定電極とによって構成されている。
この場合、例えば、前記第1固定電極及び前記第1変位電極は、Z軸方向から見て、Y軸と平行に延在する弦を直径とし当該弦のX軸負側に弧が形成された半円状の電極であり、
前記第2固定電極及び前記第2変位電極は、Z軸方向から見て、Y軸と平行に延在する弦を直径とし当該弦のX軸正側に弧が形成された半円状の電極であり、
前記第3固定電極及び前記第3変位電極は、Z軸方向から見て、前記第1固定電極及び前記第1変位電極の前記弧をそれぞれ取り囲む半円環状の電極であり、
前記第4固定電極及び前記第4変位電極は、Z軸方向から見て、前記第2固定電極及び前記第2変位電極の前記弧をそれぞれ取り囲む半円環状の電極である。
この場合、各容量素子が対称的な形状を有するため、各容量素子の静電容量値の変動に基づいて検出対象の力を計測するための処理が容易である。
この場合、X軸方向及び/またはZ軸方向の力が作用した結果、前記固定電極に対する前記変位電極の相対位置が変化した場合にも、前記第1〜第4容量素子を構成する各一対の電極の実効対向面積が変化しないように、前記第1固定電極及び前記第1変位電極のうちの一方の面積を他方の面積よりも大きく設定し、前記第2固定電極及び前記第2変位電極のうちの一方の面積を他方の面積よりも大きく設定し、前記第3固定電極及び前記第3変位電極のうちの一方の面積を他方の面積よりも大きく設定し、前記第4固定電極及び前記第4変位電極のうちの一方の面積を他方の面積よりも大きく設定することが好ましい。
以上の力覚センサにおいて、前記第1〜第4固定電極のうち少なくとも2つが共通の電極で構成されているか、または、前記第1〜第4変位電極のうち少なくとも2つが共通の電極で構成されていても良い。
あるいは、本発明による力覚センサは、XYZ三次元座標系における各軸方向の力及び各軸まわりのモーメントを検出する力覚センサであって、
XY平面上に配置された支持体と、
前記支持体に対向して配置され、検出対象となる力ないしモーメントの作用により弾性変形を生じる4つの第1変形部を有する第1変形体と、
前記第1変形体の各変形部に対応して前記支持体上に配置された固定電極と、
前記固定電極に対向するように前記第1変形体の前記4つの第1変形部にそれぞれ設けられ、固定電極との間で4組の容量素子を構成する変位電極と、
前記第1変形体に関して前記支持体とは反対側で当該第1変形体と対向し、前記4つの第1変形部に対向するように配置された4つの第2変形部を有する第2変形体と、
各第1変形部と当該第1変形部に対応する前記第2変形部とを連結する連結部材と、
前記4組の容量素子の各静電容量値の変動量に基づいて、前記第2変形体及び前記支持体の一方に負荷がかかった状態において他方に作用した力ないしモーメントを示す電気信号を出力する検出回路と、を備え、
前記4組の容量素子のうち第1組の容量素子は、Z軸方向から見て、Y軸正側にY軸を挟んで配置されたX軸負側の第1容量素子及びX軸正側の第2容量素子と、前記第1容量素子の近傍に配置された第3容量素子及び前記第2容量素子の近傍に配置された第4容量素子と、を有し、
前記4組の容量素子のうち第2組の容量素子は、Z軸方向から見て、X軸正側にX軸を挟んで配置されたY軸正側の第5容量素子及びY軸負側の第6容量素子と、前記第5容量素子の近傍に配置された第7容量素子及び前記第6容量素子の近傍に配置された第8容量素子と、を有し、
前記4組の容量素子のうち第3組の容量素子は、Z軸方向から見て、Y軸負側にY軸を挟んで配置されたX軸正側の第9容量素子及びX軸負側の第10容量素子と、前記第9容量素子の近傍に配置された第11容量素子及び前記第10容量素子の近傍に配置された第12容量素子と、を有し、
前記4組の容量素子のうち第4組の容量素子は、Z軸方向から見て、X軸負側にX軸を挟んで配置されたY軸負側の第13容量素子及びY軸正側の第14容量素子と、前記第13容量素子の近傍に配置された第15容量素子及び前記第14容量素子の近傍に配置された第16容量素子と、を有し、
前記検出回路は、「前記第1〜第16容量素子の各静電容量値の変動量に基づいて検出される各軸方向の力及び各軸まわりのモーメント」と、「前記第1、第2、第5、第6、第9、第10、第13及び第14容量素子の各静電容量値の変動量に基づいて検出される各軸方向の力及び各軸まわりのモーメント」及び「前記第3、第4、第7、第8、第11、第12、第15及び第16容量素子の各静電容量値の変動量に基づいて検出される各軸方向の力及び各軸まわりのモーメント」のうち少なくとも一方と、に基づいて、当該力覚センサが正常に機能しているか否かを判定する。
本発明によれば、全ての容量素子を用いて計測された力及びモーメントと、一部の容量素子を用いて計測された力及びモーメントと、を互いに比較することができるため、力覚センサが正常に機能しているか否かを当該力覚センサ自身で判断することができる。このため、複数の力覚センサを使用することなく、すなわちコスト及び設置スペースを最小化しつつ、故障の判定(正常に機能しているか否かの判定)が可能な力覚センサを提供することができる。
好ましくは、前記第3容量素子は、前記第1容量素子のX軸負側に配置されており、
前記第4容量素子は、前記第2容量素子のX軸正側に配置されており、
前記第7容量素子は、前記第5容量素子のY軸正側に配置されており、
前記第8容量素子は、前記第6容量素子のY軸負側に配置されており、
前記第11容量素子は、前記第9容量素子のX軸正側に配置されており、
前記第12容量素子は、前記第10容量素子のX軸負側に配置されており、
前記第15容量素子は、前記第13容量素子のY軸負側に配置されており、
前記第16容量素子は、前記第14容量素子のY軸正側に配置されている
この場合、第1〜第16容量素子が対称的に配置されるため、各容量素子の静電容量値の変動に基づいて検出対象の力を計測するための処理が容易である。
各容量素子を構成する変位電極及び固定電極には種々の態様が考えられる。一例として、前記変位電極は、Z軸方向から見て原点まわりに90°毎に配置された4組の変位電極を有しており、
前記4組の変位電極のうち第1組の変位電極は、Y軸正側にY軸を挟んで配置されたX軸負側の第1変位電極及びX軸正側の第2変位電極と、前記第1変位電極の近傍に配置された第3変位電極及び前記第2変位電極の近傍に配置された第4変位電極と、を有し、
前記4組の変位電極のうち第2組の変位電極は、X軸正側にX軸を挟んで配置されたY軸正側の第5変位電極及びY軸負側の第6変位電極と、前記第5変位電極の近傍に配置された第7変位電極及び前記第6変位電極の近傍に配置された第8変位電極と、を有し、
前記4組の変位電極のうち第3組の変位電極は、Y軸負側にY軸を挟んで配置されたX軸正側の第9変位電極及びX軸負側の第10変位電極と、前記第9変位電極の近傍に配置された第11変位電極及び前記第10変位電極の近傍に配置された第12変位電極と、を有し、
前記4組の変位電極のうち第4組の変位電極は、X軸負側にX軸を挟んで配置されたY軸負側の第13変位電極及びY軸正側の第14変位電極と、前記第13容量素子の近傍に配置された第15変位電極及び前記第14変位電極の近傍に配置された第16変位電極と、を有し、
前記固定電極は、前記第1変位電極に対向して配置された第1固定電極と、前記第2変位電極に対向して配置された第2固定電極と、前記第3変位電極に対向して配置された第3固定電極と、前記第4変位電極に対向して配置された第4固定電極と、前記第5変位電極に対向して配置された第5固定電極と、前記第6変位電極に対向して配置された第6固定電極と、前記第7変位電極に対向して配置された第7固定電極と、前記第8変位電極に対向して配置された第8固定電極と、前記第9変位電極に対向して配置された第9固定電極と、前記第10変位電極に対向して配置された第10固定電極と、前記第11変位電極に対向して配置された第11固定電極と、前記第12変位電極に対向して配置された第12固定電極と、前記第13変位電極に対向して配置された第13固定電極と、前記第14変位電極に対向して配置された第14固定電極と、前記第15変位電極に対向して配置された第15固定電極と、前記第16変位電極に対向して配置された第16固定電極と、を有し、
前記第1容量素子は、前記第1変位電極と前記第1固定電極とによって構成され、
前記第2容量素子は、前記第2変位電極と前記第2固定電極とによって構成され、
前記第3容量素子は、前記第3変位電極と前記第3固定電極とによって構成され、
前記第4容量素子は、前記第4変位電極と前記第4固定電極とによって構成され、
前記第5容量素子は、前記第5変位電極と前記第5固定電極とによって構成され、
前記第6容量素子は、前記第6変位電極と前記第6固定電極とによって構成され、
前記第7容量素子は、前記第7変位電極と前記第7固定電極とによって構成され、
前記第8容量素子は、前記第8変位電極と前記第8固定電極とによって構成され、
前記第9容量素子は、前記第1変位電極と前記第1固定電極とによって構成され、
前記第10容量素子は、前記第10変位電極と前記第10固定電極とによって構成され、
前記第11容量素子は、前記第11変位電極と前記第11固定電極とによって構成され、
前記第12容量素子は、前記第12変位電極と前記第12固定電極とによって構成され、
前記第13容量素子は、前記第13変位電極と前記第13固定電極とによって構成され、
前記第14容量素子は、前記第14変位電極と前記第14固定電極とによって構成され、
前記第15容量素子は、前記第15変位電極と前記第15固定電極とによって構成され、
前記第16容量素子は、前記第16変位電極と前記第16固定電極とによって構成されている。
この場合、例えば、前記第1固定電極及び前記第1変位電極は、Z軸方向から見て、Y軸と平行に延在する弦を直径とし当該弦のX軸負側に弧が形成された半円状の電極であり、
前記第2固定電極及び前記第2変位電極は、Z軸方向から見て、Y軸にと平行に延在する弦を直径とし当該弦のX軸正側に弧が形成された半円状の電極であり、
前記第3固定電極及び前記第3変位電極は、Z軸方向から見て、前記第1固定電極及び前記第1変位電極の前記弧をそれぞれ取り囲む半円環状の電極であり、
前記第4固定電極及び前記第4変位電極は、Z軸方向から見て、前記第2固定電極及び前記第2変位電極の前記弧をそれぞれ取り囲む半円環状の電極であり、
前記第5固定電極及び前記第5変位電極は、Z軸方向から見て、X軸と平行に延在する弦を直径とし当該弦のY軸正側に弧が形成された半円状の電極であり、
前記第6固定電極及び前記第6変位電極は、Z軸方向から見て、X軸と平行に延在する弦を直径とし当該弦のY軸負側に弧が形成された半円状の電極であり、
前記第7固定電極及び前記第7変位電極は、Z軸方向から見て、前記第5固定電極及び前記第5変位電極の前記弧をそれぞれ取り囲む半円環状の電極であり、
前記第8固定電極及び前記第8変位電極は、Z軸方向から見て、前記第6固定電極及び前記第6変位電極の前記弧をそれぞれ取り囲む半円環状の電極であり、
前記第9固定電極及び前記第9変位電極は、Z軸方向から見て、Y軸と平行に延在する弦を直径とし当該弦のX軸正側に弧が形成された半円状の電極であり、
前記第10固定電極及び前記第10変位電極は、Z軸方向から見て、Y軸と平行に延在する弦を直径とし当該弦のX軸負側に弧が形成された半円状の電極であり、
前記第11固定電極及び前記第11変位電極は、Z軸方向から見て、前記第9固定電極及び前記第9変位電極の前記弧をそれぞれ取り囲む半円環状の電極であり、
前記第12固定電極及び前記第12変位電極は、Z軸方向から見て、前記第10固定電極及び前記第10変位電極の前記弧をそれぞれ取り囲む半円環状の電極であり、
前記第13固定電極及び前記第13変位電極は、Z軸方向から見て、X軸と平行に延在する弦を直径とし当該弦のY軸負側に弧が形成された半円状の電極であり、
前記第14固定電極及び前記第14変位電極は、Z軸方向から見て、X軸と平行に延在する弦を直径とし当該弦のY軸正側に弧が形成された半円状の電極であり、
前記第15固定電極及び前記第15変位電極は、Z軸方向から見て、前記第13固定電極及び前記第13変位電極の前記弧をそれぞれ取り囲む半円環状の電極であり、
前記第16固定電極及び前記第16変位電極は、Z軸方向から見て、前記第14固定電極及び前記第14変位電極の前記弧をそれぞれ取り囲む半円環状の電極である。
この場合、各組の4つの容量素子が対称的に配置されるため、各容量素子の静電容量値の変動に基づいて検出対象の力を計測するための処理が容易である。
また、XYZ三次元座標系における各軸方向の力及び各軸まわりのモーメントが作用した結果、前記固定電極に対する前記変位電極の相対位置が変化した場合にも、前記第1〜第16容量素子を構成する各一対の電極の実効対向面積が変化しないように、前記第1固定電極及び前記第1変位電極のうちの一方の面積を他方の面積よりも大きく設定し、前記第2固定電極及び前記第2変位電極のうちの一方の面積を他方の面積よりも大きく設定し、前記第3固定電極及び前記第3変位電極のうちの一方の面積を他方の面積よりも大きく設定し、前記第4固定電極及び前記第4変位電極のうちの一方の面積を他方の面積よりも大きく設定し、前記第5固定電極及び前記第5変位電極のうちの一方の面積を他方の面積よりも大きく設定し、前記第6固定電極及び前記第6変位電極のうちの一方の面積を他方の面積よりも大きく設定し、前記第7固定電極及び前記第7変位電極のうちの一方の面積を他方の面積よりも大きく設定し、前記第8固定電極及び前記第8変位電極のうちの一方の面積を他方の面積よりも大きく設定し、前記第9固定電極及び前記第9変位電極のうちの一方の面積を他方の面積よりも大きく設定し、前記第10固定電極及び前記第10変位電極のうちの一方の面積を他方の面積よりも大きく設定し、前記第11固定電極及び前記第11変位電極のうちの一方の面積を他方の面積よりも大きく設定し、前記第12固定電極及び前記第12変位電極のうちの一方の面積を他方の面積よりも大きく設定し、前記第13固定電極及び前記第13変位電極のうちの一方の面積を他方の面積よりも大きく設定し、前記第14固定電極及び前記第14変位電極のうちの一方の面積を他方の面積よりも大きく設定し、前記第15固定電極及び前記第15変位電極のうちの一方の面積を他方の面積よりも大きく設定し、前記第16固定電極及び前記第16変位電極のうちの一方の面積を他方の面積よりも大きく設定することが好ましい。
以上のような力覚センサにおいて、前記第1〜第16固定電極のうち少なくとも2つが共通の電極で構成されているか、または、前記第1〜第16変位電極のうち少なくとも2つが共通の電極で構成されていても良い。
また、前記4組の容量素子は、Z軸方向から見て、原点から等距離に配置されていることが好ましい。この場合、各組の容量素子が対称的に配置されることになるため、各容量素子の静電容量値の変動に基づいて検出対象の力を計測するための処理が一層容易である。
本発明の一実施の形態による1軸の力覚センサを示す概略断面図である。 図1の力覚センサの変位電極を示す概略平面図である。 図1の力覚センサに用いられる検出回路の一例を示す回路図である。 図3の検出回路に設けられているスイッチのON/OFFの接続状態を示す図表である。 本発明の第2の実施の形態による2軸の力覚センサを示す概略断面図である。 図5の力覚センサの変位電極を示す概略平面図である。 X軸方向の力Fxによって図5の力覚センサのダイアフラムに変形が生じている状態を示す概略断面図である。 図5の力覚センサに用いられる検出回路の一例を示す回路図である。 図8の検出回路に設けられているスイッチのON/OFFの接続状態を示す図表である。 本発明の第3の実施の形態による6軸の力覚センサを示す概略断面図である。 図10のA−A線断面図である。 図10のB−B線断面図である。 X軸方向の力を作用させたときの図10の力覚センサの状態を示す概略断面図である。 Z軸方向の力を作用させたときの図10の力覚センサの状態を示す概略断面図である。 Y軸まわりのモーメントを作用させたときの図10の力覚センサの状態を示す概略断面図である。 図10の力覚センサにX、Y、Zの各軸方向の力及び各軸まわりのモーメントが作用した場合に容量素子に生じる静電容量値の変化を一覧で示した図表である。 図10の力覚センサに用いられる検出回路の一例を示す回路図である。 図17の検出回路に設けられているスイッチのON/OFFの接続状態を示す図表である。 図10の力覚センサに用いられる検出回路の他の例を示す回路図である。 図19の検出回路に設けられているスイッチのON/OFFの接続状態を示す図表である。 容量素子にPWM回路を設けた回路図である。 図21のPWM回路の各構成部において出力される信号の波形を示す概略図である。 本発明の力覚センサに採用され得るPWM回路の一例を示す回路図である。 図23のPWM回路の各構成部において出力される信号の波形を示す概略図である。
<<< §1. 1軸の力覚センサの実施例 >>>
添付の図面を参照して、本発明の第1の実施の形態による力覚センサについて説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態による1軸の力覚センサを示す概略断面図であり、図2は、図1の力覚センサの変位電極を示す概略平面図である。
図1に示すように、本実施の形態による力覚センサは、XYZ三次元座標系におけるZ軸方向(図1における上下方向)の力を検出する力覚センサである。本実施の形態の力覚センサは、XY平面上に配置された平板状の支持体300と、前記支持体300に対向して配置され、検出対象となる力Fzの作用により弾性変形を生じる変形部としてのダイアフラム150dを有する変形体100と、支持体300の上面に上部基板11を介して配置された固定電極E20と、固定電極E20に対向するように下部基板12を介してダイアフラム150dに設けられ、固定電極E20との間で容量素子Cを構成する変位電極E30と、を備えている。ここでは、説明の便宜上、支持体300の上面はXY平面に一致して配置されているものとする。
本実施の形態では、図1に示すように、変形体100の上面(図1における上方の面)に、検出対象となる力Fzを受ける受力体160が設けられており、当該受力体160を介して力Fzがダイアフラム150dに伝達されるようになっている。また、変形体100の周縁部には、下方に向かって延出した接続部151が形成されており、当該接続部151の下端が支持体300の上面に接続されている。すなわち、変形体100は、支持体300によって支持されており、受力体160に検出対象となる力Fzが作用すると、ダイアフラム150dが支持体300に対して弾性変形するようになっている。本実施の形態の支持体300及び変形体100は、上方(Z軸正方向)から見て共にZ軸上に中心を有する円形の外形を有している。更に、受力体160は、変形体100よりも小径であり、支持体300及び変形体100と同心の円盤形状を有している。図1に示すように、力Fzは、Z軸と平行に受力体160の上面に作用するようになっている。
受力体160に対して何ら力が作用していない状態では、受力体160は支持体300に対して定位置をとるが、受力体160に何らかの力が作用すると、弾性(可撓性)をもったダイアフラム150dが弾性変形を生じ、受力体160と支持体300との相対位置に変化が生じることになる。もちろん、受力体160に作用する力がなくなると、受力体160はもとどおりの定位置に戻る。
次に、図2を参照して、変位電極E30について説明する。本実施の形態の変位電極E30は、Z軸上に中心を有する円盤状の第1変位電極E31と、当該第1変位電極E31の外周を取り囲む、Z軸上に中心を有する円環状の第2変位電極E32とを有している。また、本実施の形態の固定電極E20は、Z軸上に中心を有する第1固定電極E21と、当該第1固定電極E21の外周を取り囲む、Z軸上に中心を有する円環状の第2固定電極E22とを有している。そして、第1変位電極E31と第1固定電極E21とは互いに対向して配置され、第1容量素子C1を構成しており、第2変位電極E32と第2固定電極E22とは互いに対向して配置され、第2容量素子C2を構成している。本実施の形態では、第1変位電極E31と第1固定電極E21とは同一の形状を有しており、第2変位電極E32と第2固定電極E22とは同一の形状を有している。もちろん、他の実施の形態においては、変位電極E30を第1変位電極と当該第1変位電極を取り囲む第2変位電極とから構成し、固定電極E20を共通電極として構成しても良く、あるいは、固定電極E20を第1固定電極と当該第1固定電極を取り囲む第2固定電極とから構成し、変位電極E30を共通電極として構成しても良い。
あるいは、図示されていないが、Z軸方向の力が作用した結果、固定電極に対する変位電極の相対位置が変化した場合にも、容量素子を構成する一対の電極の実効対向面積が変化しないように、固定電極および変位電極のうちの一方の面積を他方の面積よりも大きく設定することも考えられる。これは、具体的には、面積が小さい方の電極(例えば変位電極)の輪郭を、面積が大きい方の電極(例えば固定電極)の表面に投影して正射影投影像を形成した場合、面積が小さい方の電極の投影像が、面積が大きい方の電極の表面内に完全に含まれるような状態である。この状態が維持されれば、両電極によって構成される容量素子の実効面積は、小さい方の電極の面積に等しくなり、常に一定になる。すなわち、力の検出精度を向上させることができる。
以上のような力覚センサの受力体160に下向きの力Fzが作用すると、ダイアフラム150dは下方に湾曲する。これに伴って、第1変位電極E31及び第2変位電極E32が下方に変位する。このことにより、第1及び第2変位電極E31、E32と第1及び第2固定電極E21、E22との離間距離が減少して第1及び第2容量素子C1、C2の静電容量値がそれぞれ増大する。これらの静電容量値の変動量に基づき、第1及び第2容量素子C1、C2の静電容量値の和として、受力体160に作用したZ軸方向の力Fzを検出することができる。
すなわち、第1容量素子C1と第2容量素子C2とを並列に接続した場合、受力体160に加えられているZ軸方向の力Fzは、下式に基づいて計測され得る。なお、下式において、C1及びC2は、第1及び第2容量素子C1、C2の静電容量値をそれぞれ示している。また、力と静電容量値とが「=」で結ばれているが、これらは互いに異なる物理量であるため、実際には所定の変換がなされた上で力Fzが計測される。また、Fz1とは、下式の右辺に基づいて計測される力Fzを意味しており、後述される他の式に基づいて計測される力Fzと区別するための記号である。
[式1]
Fz1=C1+C2
受力体160に加えられたZ軸方向の力Fzは、第1容量素子C1のみに基づいて計測することも、第2容量素子C2のみに基づいて計測することも、可能である。すなわち、力Fは、以下のFz2、Fz3によっても計測することができる。
[式2]
Fz2=C1
Fz3=C2
本発明においては、力覚センサが正常に機能しているか否かを判定するに当たって、前記Fz1〜Fz3が利用される。具体的には、第1容量素子C1と第2容量素子C2とを切り離し、前述のFz2及びFz3の式に基づいて力Fzが計測される。そして、Fz1とFz2またはFz3との差が所定の範囲内にあるか否かと、Fz2とFz3との差が所定の範囲内にあるか否かと、を評価する。そして、すべての差が所定の範囲内にある場合には、力覚センサが正常に機能していると判定する。一方、いずれかの差が所定の範囲外にある場合には、当該力覚センサが正常に機能していない(故障している)と判定する。
なお、変位電極の構造上、Fz2とFz3とは完全には一致しない。これは、受力体160が、ダイアフラム150dのZ軸(力Fzの作用軸線)を含む領域上、すなわち第1変位電極E31に対応する領域上に設けられているため、例えば受力体160に下向きの力Fzが作用した際に、第1変位電極E31の下方への変位の方が第2変位電極E32の下方への変位よりも大きいことに起因している。このため、第1容量素子C1の静電容量値の変動量の方が第2容量素子C2の静電容量値の変動量よりも大きい。このことは、受力体160に上向きの力Fzが作用した場合においても同じである。本実施の形態の力覚センサにおいては、各容量素子における静電容量値の変動量の差異を考慮して前述の所定の範囲を設定することにより、力覚センサが正常に機能しているか否かが適正に判定され得る。
また、例えば第1及び第2容量素子C1、C2の静電容量値が、受力体160に力Fzが作用していない初期状態においていずれも等しい場合には、前述の[式1]及び[式2]の右辺から明らかなように、Fz2及びFz3はFz1の略半分の値となる。このため、Fz1とFz2、または、Fz1とFz3を比較する際には、例えばFz2ないしFz3を2倍して、当該比較が適正に実行されるための処理がなされる。もちろん、この処理は、第1及び第2容量素子C1、C2の各静電容量値に応じて適切になされるべきものである。
なお、受力体160に作用している力は、Fz2またはFz3によって計測することも可能であるが、Fz1によって計測される方が高精度である。これは、力の計測に用いられる静電容量値(電極面積)がFz2及びFz3の場合よりも大きいため、静電容量値の変化も大きく、S/Nの点からも有利であるからである。
以上の判定方法を、本実施の形態の力覚センサに設けられている実際の検出回路に基づいて説明する。
図3は、図1の力覚センサの受力体160に加えられたZ軸方向の力Fzを検出するための検出回路の一例を示す回路図であり、図4は、図3の検出回路に設けられているスイッチのON/OFFの接続状態を示す図表である。
図3に示すように、第1容量素子C1は、スイッチSW1を介して第1C/V変換器40aに選択的に接続可能となっており、第2容量素子C2は、スイッチSW2を介して第2C/V変換器40bに選択的に接続可能となっている。また、第1容量素子C1と第2容量素子C2とは、スイッチSW3を介して選択的に接続可能となっている。C/V変換器40a、40bは、それぞれ容量素子C1,C2の静電容量値を電圧値V1,V2に変換する回路であり、変換後の電圧値V1,V2は、各容量素子C1、C2の静電容量値に対応した値になる。これら電圧値V1,V2は、第1及び第2信号処理部43a、43bによってそれぞれ信号処理されて前述のFz1〜Fz3として出力端子T1、T2から出力される。更に、第1及び第2信号処理部43a、43bからの各出力信号は、当該各出力信号を比較するための比較部44に接続され、この比較部44の出力信号に基づいて、力覚センサが正常に機能しているか否かが判定されるようになっている。
受力体160に加えられたZ軸方向の力Fzを検出するには、各スイッチSW1〜SW3の接続状態を図4のタイミング1の列に記載されているように制御すればよい。すなわち、スイッチSW1及びSW3をONにし(接続し)、スイッチSW2をOFFにする(切断する)。これにより、第1及び第2C/V変換器40a、40bの出力V1、V2は、下式で表される。
[式3]
V1=C1+C2
V2=0
以上から、V1は「Fz1」に対応する([数1]参照)ため、図4のタイミング1の接続状態によって、力Fzを計測することができる。
次に、力覚センサが正常に機能しているか否かを判定するには、各スイッチSW1〜SW3の接続状態を図4のタイミング2の列に記載されているように制御すればよい。すなわち、スイッチSW1及びSW2をONにし(接続し)、スイッチSW3をOFFにする(切断する)。これにより、第1及び第2C/V変換器40a、40bの出力V1、V2は、下式で表される。
[式4]
V1=C1
V2=C2
以上から、V1は「Fz2」に対応し、V2は「Fz3」に対応する([数2]参照)ため、図4のタイミング2の接続状態にてFz2とFz3とを計測することができる。
そして、図3の比較部44が、(a)「Fz1−Fz2」が所定の範囲内にあるか否か、及び、(b)「Fz2−Fz3」が所定の範囲内にあるか否か、を評価する。これら(a)及び(b)の条件の少なくとも一方を満たしていない場合には、力覚センサは正常に機能していない(故障している)と判定される。この場合、図3の出力端子Sから、故障と判定されたことを示す故障診断信号が発信される。
スイッチSW1〜SW3のタイミング1とタイミング2との切替は、マイコンで行えばよい。タイミング1とタイミング2との接続状態は、例えば同じ時間ずつ交互に切り換えても良いし、タイミング1の接続状態とタイミング2の接続状態とを例えば10:1あるいは100:1の時間比で切り替えて、力Fzの計測時間(タイミング1)を長くして、故障診断(タイミング2)の時間を相対的に短縮させても良い。なお、受力体160に作用した力Fzは、Fz1〜Fz3のいずれによっても計測可能であるが、電極面積が大きい方が力の検出感度が高く、静止ノイズにも優れるため、Fz1によって計測することが好ましい。
また、図3の比較部44は、(c)「Fz1−Fz3」が所定の範囲内にあるか否か、及び、(b)「Fz2−Fz3」が所定の範囲内にあるか否か、を評価して、これら(c)及び(b)の条件の少なくとも一方を満たしていない場合に力覚センサが正常に機能していない(故障している)と判定しても良いし、(a)「Fz1−Fz2」が所定の範囲内にあるか否か、及び、(c)「Fz1−Fz3」が所定の範囲内にあるか否か、を評価して、これら(a)及び(c)の条件の少なくとも一方が当該所定の範囲内に無い場合には、力覚センサが正常に機能していない(故障している)と判定しても良い。
以上のような本実施の形態の力覚センサによれば、C1+C2に対応する電気信号、C1に対応する電気信号及びC2に対応する電気信号の各々に基づいて計測される力Fz1〜Fz3を互いに比較することにより、力覚センサが正常に機能しているか否かを当該力覚センサ自身で判断することができる。このため、複数の力覚センサを使用することなく、すなわちコスト及び設置スペースを最小化しつつ、故障の判定(正常に機能しているか否かの判定)が可能な力覚センサを提供することができる。
具体的には、検出回路が「C1+C2に対応する電気信号に基づいて計測された力Fz1とC1に対応する電気信号に基づいて計測された力Fz2との差」、並びに、「C1に対応する電気信号に基づいて計測された力Fz2とC2に対応する電気信号に基づいて計測された力Fz3との差」、が所定の範囲内にあるか否かを判定することにより、力覚センサが正常に機能しているか否かを判定する。このことにより、力覚センサが正常に機能しているか否かを確実に判定することができる。
また、本実施の形態では、第1容量素子C1がZ軸方向から見て円盤状の形状を有し、第2容量素子C2がZ軸方向から見て第1容量素子C1を取り囲む円環状の形状を有している。このため、各容量素子C1、C2が対称的な形状となっていることにより、各容量素子C1、C2の静電容量値の変動に基づいて検出対象の力Fzを計測するための処理が容易である。
<<< §2. 2軸の力覚センサの実施例 >>>
次に、以上の故障判定の原理を2軸の力覚センサに応用した例について説明する。
ここで説明する2軸の力覚センサは、受力体160に作用したZ軸方向の力FzとX軸方向の力Fxとの2つの力を検出することが可能な力覚センサである。図5は、本発明の第2の実施の形態による2軸の力覚センサを示す概略断面図であり、図6は、図5の力覚センサの変位電極を示す概略平面図である。
図5及び図6に示すように、本実施の形態の力覚センサは、XYZ三次元座標系におけるZ軸方向(図1における上下方向)及びX軸方向(図1における左右方向)の力を検出する力覚センサである。この力覚センサは、第1の実施の形態による1軸の力覚センサと略同様の構造を有している。すなわち、XY平面上に配置された平板状の支持体300と、前記支持体300の上面に対向して配置され、検出対象となる力Fz及び力Fxの作用により弾性変形を生じる変形部としてのダイアフラム150dを有する変形体100と、支持体300の上面に上部基板11を介して配置された固定電極E20と、固定電極E20に対向するように下部基板12を介してダイアフラム150dに設けられ、固定電極E20との間で容量素子Cを構成する変位電極E30と、を備えている。
本実施の形態においても、図5に示すように、変形体100の上面(図5における上方の面)に、検出対象となる力Fz及び力Fxを受ける受力体160が設けられており、当該受力体160を介して力Fz、Fxがダイアフラム150dに伝達されるようになっている。また、変形体100の周縁部には、下方に向かって延出した接続部151が形成されており、当該接続部151の下端が支持体300の上面に接続されている。すなわち、変形体100は、支持体300によって支持されており、受力体160に検出対象となる力Fz、Fxが作用すると、ダイアフラム150dが支持体300に対して弾性変形するようになっている。本実施の形態の支持体300及び変形体100は、上方(Z軸正方向)から見て、共にZ軸上に中心を有する円形の外形を有している。更に、受力体160は、変形体100よりも小径であり、支持体300及び変形体100と同心の円盤形状を有している。力Fzは、Z軸と平行に受力体160の上面に作用するようになっている。また、力Fxは、受力体160の側面に作用するようになっている。
本実施の形態の力覚センサは、容量素子の構造において第1の実施の形態の力覚センサと異なっている。すなわち、本実施の形態の容量素子は、Z軸方向から見て、Y軸を挟んで配置されたX軸負側の第1容量素子C11及びX軸正側の第2容量素子C12と、当該第1容量素子C11のX軸負側に配置された第3容量素子C21及び当該第2容量素子C12のX軸正側に配置された第4容量素子C22と、を有している。
具体的には、図6に示すように、変位電極は、Z軸方向から見て、Y軸を挟んで配置されたX軸負側の第1変位電極E31及びX軸正側の第2変位電極E32と、当該第1変位電極E31のX軸負側に配置された第3変位電極E33及び当該第2変位電極E32のX軸正側に配置された第4変位電極E34と、を有している。更に、固定電極は、第1変位電極E31に対向して配置された第1固定電極E21と、第2変位電極E32に対向して配置された第2固定電極E22と、第3変位電極E33に対向して配置された第3固定電極E23と、第4変位電極E34に対向して配置された第4固定電極E24と、を有している。
第1容量素子C11は、第1変位電極E31と第1固定電極E21とによって構成され、第2容量素子C12は、第2変位電極E32と第2固定電極E22とによって構成され、第3容量素子C21は、第3変位電極E33と第3固定電極E23とによって構成され、第4容量素子C22は、第4変位電極E34と第4固定電極E24とによって構成されている。本実施の形態では、第1変位電極E31と第1固定電極E21とは同一の形状を有しており、第2変位電極E32と第2固定電極E22とは同一の形状を有しており、第3変位電極E33と第3固定電極E23とは同一の形状を有しており、第4変位電極E34と第4固定電極E24とは同一の形状を有している。
もちろん、他の実施の形態においては、第1〜第4変位電極の少なくとも2つ、例えば全て、を共通電極として構成し、変位電極を取り囲む第2変位電極とから構成し、固定電極E20を共通電極として構成しても良く、あるいは、固定電極E20を第1固定電極と当該第1固定電極を取り囲む第2固定電極とから構成し、変位電極E30を共通電極として構成しても良い。
あるいは、図示されていないが、X軸方向及びZ軸方向の力が作用した結果、固定電極に対する変位電極の相対位置が変化した場合にも、容量素子を構成する一対の電極の実効対向面積が変化しないように、固定電極および変位電極のうちの一方の面積を他方の面積よりも大きく設定することも考えられる。これは、前述したように、面積が小さい方の電極(例えば変位電極)の輪郭を、面積が大きい方の電極(例えば固定電極)の表面に投影して正射影投影像を形成した場合、面積が小さい方の電極の投影像が、面積が大きい方の電極の表面内に完全に含まれるような状態である。この状態が維持されれば、両電極によって構成される容量素子の実効面積は、小さい方の電極の面積に等しくなり、常に一定になる。すなわち、力の検出精度を向上させることができる。
更に、Z軸方向から見た各電極の構造について詳述すると、第1固定電極E31及び第1変位電極E21は、Y軸と平行に延在する弦を直径とし当該弦のX軸負側に弧が形成された半円状の電極であり、第2固定電極E32及び第2変位電極E22は、Y軸と平行に延在する弦を直径とし当該弦のX軸正側に弧が形成された半円状の電極であり、第3固定電極E33及び第3変位電極E23は、第1固定電極E31及び第1変位電極E21の前記弧をそれぞれ取り囲む半円環状の電極であり、第4固定電極E34及び第4変位電極E24は、第2固定電極E32及び第2変位電極E22の前記弧をそれぞれ取り囲む半円環状の電極である。結局、本実施の形態の電極E20、E30は、第1の実施の形態の力覚センサにおける電極をY軸を切断線としてそれぞれ二等分した形状となっている。
以上のような力覚センサの受力体160にX軸方向の力Fxが作用すると、ダイアフラム150dは、弾性変形を生じる。図7は、X軸方向の力Fxによって図5の力覚センサのダイアフラム150dに変形が生じている状態を示す概略断面図である。図7において、力Fxは、図の左側から右側に向かって受力体160に作用している。この時、ダイアフラム150dには、図示するような変形が生じる。この変形により、受力体160にFxが作用していない初期状態と比較して、X軸負側に位置する第1変位電極E31及び第3変位電極E33が上方に変位し、その一方で第2変位電極E32及び第4変位電極E34が下方に変位する。このような各変位電極E31〜E34の変位により、第1容量素子C11及び第3容量素子C21の各静電容量値は減少し、その一方で第2容量素子C12及び第4容量素子C22の各静電容量値は増大する。このような各容量素子C11〜C22の各静電容量値の変動量に基づき、「第1容量素子C11の静電容量値と第3容量素子C21の静電容量値との和と、第2容量素子C12の静電容量値と第4容量素子C22の静電容量値との和と、の差」として、受力体160に作用したX軸方向の力Fxを検出することができる。
すなわち、第1容量素子C11と第3容量素子C21とを並列に接続し、第2容量素子C12と第4容量素子C22とを並列に接続した場合、受力体160に加えられているX軸方向の力Fxは、下式に基づいて計測され得る。なお、下式において、C11〜C22は、第1〜第4容量素子C11〜C22の静電容量値をそれぞれ示している。また、力と静電容量値とが「=」で結ばれているが、これらは互いに異なる物理量であるため、実際には所定の変換がなされた上で力Fxが計測される。また、Fx1とは、下式の右辺に基づいて計測される力Fzを意味しており、後述される他の式に基づいて計測される力Fzと区別するための記号である。
[式4]
Fx1=(C12+C22)−(C11+C21)
受力体160に加えられたX軸方向の力Fxは、第1容量素子C11及び第2容量素子C12のみに基づいて計測することも、第3容量素子C21及び第4容量素子C22のみに基づいて計測することも、可能である。すなわち、力Fは、以下のFx2、Fx3によっても計測することができる。
[式5]
Fx2=C12−C11
Fx3=C22−C21
力Fxが図の左向きに受力体160に作用すると、各容量素子C11〜C22の静電容量値の変動は逆になる。具体的には、X軸負側に位置する第1変位電極E31及び第3変位電極E33が下方に変位し、その一方で第2変位電極E32及び第4変位電極E34が上方に変位する。従って、この場合、第1容量素子C11及び第3容量素子C21の各静電容量値は増大し、その一方で第2容量素子C12及び第4容量素子C22の各静電容量値は減少する。したがって、Fx1〜Fx3の右辺の符号を評価することによって、力Fxの向きを検出することができる。
また、力覚センサの受力体160にZ軸方向の力Fzとして下向きの力Fzが加えられると、ダイアフラム150dは下方に湾曲する。これに伴って、第1〜第4変位電極E31〜E34が下方に変位する。このことにより、第1及〜第4変位電極E31〜E34と第1〜第4固定電極E21〜E24との離間距離が減少して第1〜第4容量素子C11〜C22の静電容量値がそれぞれ増大する。これらの静電容量値の変動量に基づき、第1〜第4容量素子C11〜C22の静電容量値の和として、受力体160に作用したZ軸方向の力Fzを検出することができる。このような力Fzの検出原理は、第1の実施の形態による1軸の力覚センサの場合と実質的に同じである。
すなわち、第1〜第4容量素子C11〜C22を互いに並列に接続した場合、受力体160に加えられているZ軸方向の力Fzは、下式のFz1によって計測され得る。また、第1容量素子C11及び第2容量素子C12のみに基づいて、下式のFz2によって計測することも、第3容量素子C21及び第4容量素子C22のみに基づいて、下式のFz3によって計測することも、可能である。
[式6]
Fz1=C11+C12+C21+C22
Fz2=C11+C12
Fz3=C21+C22
本実施の形態の力覚センサが正常に機能しているか否かを判定するに当たっては、Fx1〜Fx3を利用することも、Fz1〜Fz3を利用することも可能である。ここでは、Fx1〜Fx3を利用する場合について説明する。この場合、まず、第1容量素子C11と第2容量素子C12とが切り離され、前述のFz2及びFz3の式に基づいて力Fxがそれぞれ計測される。そして、Fx1とFx2との差が所定の範囲内にあるか否かと、Fx2とFx3との差が所定の範囲内にあるか否かと、が評価される。そして、すべての差が所定の範囲内にある場合には、力覚センサが正常に機能していると判定され、少なくとも1つの差が所定の範囲外にある場合には、当該力覚センサが正常に機能していない(故障している)と判定される。
もちろん、Fx1とFx2との差が所定の範囲内にあるか否かと、Fx2とFx3との差が所定の範囲内にあるか否かと、を評価する代わりに、Fx1とFx3との差が所定の範囲内にあるか否かと、Fx2とFx3との差が所定の範囲内にあるか否かと、を評価しても良い。
なお、変位電極の構造上、Fx2とFx3とは完全には一致しない。これは、図7から理解されるように、例えば受力体160に左向きの力Fxが作用した際に、第1変位電極E31の上方への変位の方が第3変位電極E33の上方への変位よりも大きくいこと、及び、第2変位電極E32の下方への変位の方が第4変位電極E34の下方への変位よりも大きいこと、に起因している。このため、第1容量素子C11及び第2容量素子C12の静電容量値の変動量の方が第3容量素子C21及び第4容量素子C22の静電容量値の変動量よりも大きい。このことは、受力体160に左向きの力Fzが作用した場合においても同じである。本実施の形態の力覚センサにおいては、各容量素子における静電容量値の変動量の差異を考慮して前述の所定の範囲を設定することにより、力覚センサが正常に機能しているか否かが適正に判定されるようになっている。
また、例えば第1〜第4容量素子C11〜C22の静電容量値が、受力体160に力Fx及びFzが作用していない初期状態においていずれも等しい場合には、前述の[式4]〜[式6]の右辺から明らかなように、Fx2及びFx3はFx1の略半分の値となり、Fz2及びFz3はFz1の略半分の値となる。このため、Fx1とFx2、または、Fx1とFx3を比較する際には、例えばFx2ないしFx3を2倍して、当該比較が適正に実行されるための処理がなされる。このことは、Fz1〜Fz3についても同様である。もちろん、この処理は、第1〜第4容量素子C11〜C22の各静電容量値に応じて適切になされるべきものである。
なお、受力体160に作用している力は、Fx2またはFx3、あるいは、Fz2またはFz3によって計測することも可能であるが、Fx1及びFz1によって計測される方がより高精度である。これは、力の計測に用いられる静電容量値(電極面積)がFx2、Fx3、Fz2及びFz3の場合よりも大きいため、静電容量値の変化も大きく、S/Nの点からも有利であるからである。
以上の判定方法を、本実施の形態の力覚センサに設けられている実際の検出回路に基づいて説明する。
図8は、本実施の形態の力覚センサに採用され得る検出回路の一例を示す回路図であり、図9は、図8の検出回路に設けられているスイッチSW1〜SW8のON/OFFの接続状態を示す図表が示されている。
図8の検出回路によって受力体160に加えられた力Fx及びFzを検出するには、各スイッチSW1〜SW8の接続状態を図9のタイミング1の列に記載されているように制御すればよい。すなわち、スイッチSW1〜SW4をONにし(接続し)、残りのスイッチSW5〜SW8をOFFにする(切断する)。これにより、第1〜第4C/V変換器及びA/D変換器45a〜45dを介して、第1マイコン47a及び第2マイコン47bに「C12+C22」に対応する出力信号と「C11+C21」に対応する出力信号とが、提供される。第1及び第2マイコン47a、47bは、各出力信号に基づいてFx1及びFz1、すなわち「(C12+C22)−(C11+C21)」及び「(C12+C22)+(C11+C21)」を演算し、力Fx及びFzを計測する。計測結果は、出力端子T1、T1’から出力される。
次に、力覚センサが正常に機能しているか否かを判定するには、各スイッチSW1〜SW8の接続状態を図7のタイミング2の列に記載されているように制御すればよい。すなわち、スイッチSW1〜SW4をOFFにし(切断し)、残りのスイッチSW5〜SW8をONにする(接続する)。これにより、第1マイコン47a及び第2マイコン47bに対して「C11」、「C12」、「C21」及び「C22」に対応する出力信号がそれぞれ提供される。第1及び第2マイコン47a、47bは、各出力信号に基づいてFx2及びFx3、すなわち「C12−C11」及び「C22−C21」を演算して力Fxを計測する。計測結果は、出力端子T2、T2’、T3、T3’から出力される。
そして、第1及び第2マイコン47a、47bは、例えば(a)「Fx1−Fx2」が所定の範囲内にあるか否か、及び、(b)「Fx2−Fx3」が所定の範囲内にあるか否か、を評価する。これら(a)及び(b)の条件の少なくとも一方を満たしていない場合には、力覚センサが正常に機能していない(故障している)と判定される。この場合、図8の出力端子S、S’から、故障と判定されたことを示す故障診断信号が出力される。
図8に示す検出回路においては、2つのマイコン47a、47bが使用されているが、これは、一方のマイコンが故障しても他方のマイコンから、受力体160に作用する力と、故障診断信号とを出力できるようにするためである。また、本センサのユーザーは、第1マイコン47aから出力されるFx1〜Fx3及び故障診断信号と、第2マイコン47bから出力されるFx1〜Fx3及び故障診断信号と、の両者を比較することができるため、検出回路によって出力された信号の信頼性を確認することができる。
故障の判定に当たって、マイコン47a、47bは、(c)「Fx1−Fx3」が所定の範囲内にあるか否か、及び、(b)「Fx2−Fx3」が所定の範囲内にあるか否か、を評価して、これら(c)及び(b)の条件の少なくとも一方を満たしていない場合に力覚センサが正常に機能していない(故障している)と判定しても良いし、(a)「Fx1−Fx2」が所定の範囲内にあるか否か、及び、(c)「Fx1−Fx3」が所定の範囲内にあるか否か、を評価し、これら(a)及び(c)の条件の少なくとも一方が当該所定の範囲内に無い場合に力覚センサが正常に機能していない(故障している)と判定しても良い。
これまで説明したように、Fx1〜Fx3に基づいて力覚センサの故障診断を行う場合には、Fz2及びFz3を更に計測して故障診断を行う必要は無い。もちろん、Fx1〜Fx3に基づく故障診断に代えて、Fz1〜Fz3に基づく故障診断を行うことも可能である。この場合には、図9のタイミング2に示す接続状態において、2つのマイコン47a、47bによりFz2(=C11+C12)及びFz3(=C21+C22)を計測すればよい。そして、例えば(a’)「Fz1−Fz2」が所定の範囲内にあるか否か、及び、(b’)「Fz2−Fz3」が所定の範囲内にあるか否か、を評価し、これら(a’)及び(b’)の条件の少なくとも一方を満たしていない場合には、力覚センサが正常に機能していない(故障している)と判定すればよい。
もちろん、Fx1〜Fx3による故障判定の場合と同様に、マイコン47a、47bは、(c’)「Fz1−Fz3」が所定の範囲内にあるか否か、及び、(b’)「Fz2−Fz3」が所定の範囲内にあるか否か、を評価して、これら(c’)及び(b’)の条件の少なくとも一方を満たしていない場合に力覚センサが正常に機能していない(故障している)と判定しても良いし、(a’)「Fz1−Fz2」が所定の範囲内にあるか否か、及び、(c’)「Fz1−Fz3」が所定の範囲内にあるか否か、を評価し、これら(a’)及び(c’)の条件の少なくとも一方が当該所定の範囲内に無い場合に力覚センサが正常に機能していない(故障している)と判定しても良い。
以上のような本実施の形態の力覚センサによれば、例えば「(C12+C22)−(C11+C21)」に対応する電気信号、「C12−C11」に対応する電気信号、及び、「C22−C21」に対応する電気信号、の各々に基づいて計測される力Fx1〜Fx3を互いに比較することにより、力覚センサが正常に機能しているか否かを当該力覚センサ自身で判断することができる。このため、複数の力覚センサを使用することなく、すなわちコスト及び設置スペースを最小化しつつ、故障の判定(正常に機能しているか否かの判定)が可能な力覚センサを提供することができる。
具体的には、検出回路が例えばFz1とFz2との差、及び、Fz2とFz3との差、が所定の範囲内にあるか否かを判定することにより、力覚センサが正常に機能しているか否かを判定する。このことにより、力覚センサが正常に機能しているか否かを確実に判定することができる。
また、本実施の形態では、各容量素子C11〜C22がY軸に関して対称的に配置されているため、当該各容量素子C11〜C22の静電容量値の変動に基づく検出対象の力Fx及びFzを計測するための処理が容易である。
<<< §3. 6軸の力覚センサの実施例 >>>
次に、§1で説明した故障判定の原理を6軸の力覚センサに応用した例について説明する。
ここで説明する6軸の力覚センサは、X、Y、Zの各軸方向の力Fx、Fy、FzとX、Y、Zの各軸まわりのモーメントMx、My、Mzとの6つの力を検出することが可能な力覚センサである。
ここで、「力」という用語は、特定の座標軸方向の力を意味する場合と、モーメント成分を含めた集合的な力を意味する場合とを、適宜使い分けることにする。たとえば、力Fx,Fy,Fzと言った場合は、モーメントではない各座標軸方向の力成分を意味しているが、6つの力Fx,Fy,Fz,Mx,My,Mzと言った場合は、各座標軸方向の力成分と各座標軸まわりのモーメント成分とを含む集合的な力を意味することになる。
図10は、本発明の第3の実施の形態による6軸の力覚センサを示す概略断面図であり、図11は、図10のA−A線断面図であり、図12は、図10のB−B線断面図である。
図10乃至図12に示すように、本実施の形態の力覚センサは、XY平面上に配置された支持体300と、支持体300に対向して配置され、検出対象となる力ないしモーメントの作用により弾性変形を生じる4つの第1変形部111〜114を有する第1変形体100と、第1変形体100の各変形部111〜114に対応して支持体300上に配置された固定電極と、固定電極に対向するように第1変形体100の4つの第1変形部111〜114にそれぞれ設けられ、固定電極との間で4組の容量素子を構成する変位電極と、第1変形体100の上方に対向して配置された第2変形体200と、を備えている。本実施の形態の第2変形体200は、4つの第1変形部111〜114に対向するように配置された4つの第2変形部211〜214を有している。更に、本実施の形態の力覚センサには、第1変形部111〜114と各第1変形部111〜114に対応する第2変形部211〜214とを連結する4つの連結部材401〜404が設けられている。なお、図10では、煩雑さを避けるため、第1変形部111、113、第2変形部211,213及び連結部材401、403の図示は省略されている。
第1変形体100は、例えば金属で構成された円盤状の板材に、4つの肉厚が薄い弾性(可撓性)を有する領域を当該円盤の中心から等距離に90°毎に形成されて構成され得る。この弾性を有する4つの領域が、第1変形部111〜114として機能することになる。また、本実施の形態の第2変形体200は、例えば金属で構成され第1変形体100と同じ直径を有する円盤状の板材に、4つの肉厚が薄い弾性を有する領域を当該円盤の中心から等距離に90°毎に形成されて構成され得る。この弾性を有する4つの領域が、第2変形部211〜214として機能することになる。
本実施の形態の支持体300は、第1変形体100及び第2変形体200と同じ直径の円盤形状を有しており、図10に示すように、第1変形部111〜114を除く領域の下面において、第1変形体100を支持している。各第1変形部111〜114、各第2変形部211〜214は、Z軸方向から見て、正のX軸上、正のY軸上、負のX軸上及び負のY軸上に、各1つずつ、原点Oから等距離で配置されている(図11参照)。本実施の形態では、各第1変形部111〜114、各第2変形部211〜214は、いずれも、Z軸方向から見て、同じ直径を有する円形のダイアフラムとして構成されている。
各第1変形部111〜114の上面(図10の上方の面)には、当該各第1変形部111〜114の円形の中心位置からZ軸方向に沿って上方に延び出た第1連結部121〜124が設けられている。更に、各第2変形部211〜214の下面(図10の下方の面)には、当該各第2変形部211〜214の円形の中心位置からZ軸方向に沿って下方に延び出た第2連結部221〜224が設けられている。そして、第1連結部121〜124とその各々に対応する第2連結部221〜224とがボルトなどの適切な接続手段によって強固に接続されることによって、Z軸方向に延在する4つの連結部材401〜404が構成されている。
このような構成により、第2変形体200に対して何ら力が作用していない状態では、第2変形体200は支持体300に対して定位置をとるが、第2変形体200に何らかの力が作用すると、弾性(可撓性)をもった4つの第1変形部111〜114が弾性変形を生じ、第2変形体200と支持体300との相対位置に変化が生じることになる。もちろん、第2変形体200に作用する力がなくなると、当該第2変形体200はもとどおりの定位置に戻る。
図10に示すように、4組の容量素子は、4つの第1変形部111〜114の下面に配置された変位電極と、この変位電極に対向するように配置された固定電極とによって構成されている。まず、4組の容量素子のうち、第1組の容量素子について説明する。第1組の容量素子は、Z軸方向から見て、Y軸正側の第1変形部111に対応した領域に設けられており、4つの容量素子から構成されている。
これら4つの容量素子C11〜C14を構成する電極として、Y軸正側の第1変形部111の下面に、Y軸を挟んで配置されたX軸負側の第1変位電極E301及びX軸正側の第2変位電極E302と、第1変位電極E301のX軸負側に配置された第3変位電極E303及び第2変位電極E302のX軸正側に配置された第4変位電極E304と、が設けられている。更に、支持体300上に、第1変位電極E301に対向して配置された第1固定電極E201と、第2変位電極E302に対向して配置された第2固定電極E202と、第3変位電極E303に対向して配置された第3固定電極E203と、第4変位電極E304に対向して配置された第4固定電極E204と、が設けられている。
本実施の形態では、Z軸方向から見て、第1固定電極E201及び第1変位電極E301は、Y軸と平行に延在する弦を直径とし当該弦のX軸負側に弧が形成された半円状の電極であり、第2固定電極E202及び第2変位電極E302は、Y軸と平行に延在する弦を直径とし当該弦のX軸正側に弧が形成された半円状の電極であり、第3固定電極E203及び第3変位電極E303は、第1固定電極E201及び第1変位電極E301の前記弧をそれぞれ取り囲む半円環状の電極であり、第4固定電極E204及び第4変位電極E304は、第2固定電極E202及び第2変位電極E302の前記弧をそれぞれ取り囲む半円環状の電極である。なお、図10及び図13乃至図15において、各電極を支持している基板は図示されていない。
このような電極の配置によって、第1容量素子C11が第1変位電極E301と第1固定電極E201とによって構成され、第2容量素子C12が第2変位電極E302と第2固定電極E202とによって構成され、第3容量素子C13が第3変位電極E303と第3固定電極E203とによって構成され、第4容量素子C14が第4変位電極E304と第4固定電極E204とによって構成されている。
本実施の形態の力覚センサには、このほかに第2組〜第4組の3組の容量素子が設けられている。第2組の容量素子も4つの容量素子(第5〜第8容量素子C21〜C24)から構成されている。この第2組の容量素子は、前述の第1組の容量素子、すなわち第1〜第4容量素子C11〜C14を原点を中心として時計回りに90°回転させた構造となっている。すなわち、第5容量素子C21は、第1容量素子C11を原点を中心として時計回りに90°回転させた位置に配置されており、第6容量素子C22は、第2容量素子C12を原点を中心として時計回りに90°回転させた位置に配置されており、第7容量素子C23は、第3容量素子C13を原点を中心として時計回りに90°回転させた位置に配置されており、第8容量素子C24は、第4容量素子C14を原点を中心として時計回りに90°回転させた位置に配置されている。もちろん、第5〜第8容量素子C21〜C24を構成する第5〜第8固定電極E205〜E208及び第5〜第8変位電極E305〜E308についても同様であり、第1〜第4固定電極E201〜E204及び第1〜第4変位電極E301〜E304を原点を中心として90°時計回りに回転させた位置に配置されている。
同様に、第3組の容量素子も4つの容量素子(第9〜第12容量素子C31〜C34)から構成されており、前述の第5〜第8容量素子C21〜C24を原点を中心として90°時計回りに回転させた位置に配置されている。また、第4組の容量素子も4つの容量素子(第13〜第16容量素子C41〜C44)から構成されており、前述の第9〜第12容量素子C31〜C34を、原点を中心として90°時計回りに回転させた位置に配置されている。
結局、第1及び第3容量素子C11、C13と、第2及び第4容量素子C12、C14とは、正のY軸を対称軸として軸対称に配置されて全体として略円形の第1組の容量素子を構成しており、第5及び第7容量素子C21、C23と、第6及び第8容量素子C22、C24とは、正のX軸を対称軸として軸対称に配置されて全体として略円形の第2組の容量素子を構成しており、第9及び第11容量素子C31、C33と、第10及び第12容量素子C32、C34とは、負のY軸を対称軸として軸対称に配置されて全体として略円形の第3組の容量素子を構成しており、第13及び第15容量素子C41、C43と、第14及び第16容量素子C42、C44とは、負のX軸を対称軸として軸対称に配置されて全体として略円形の第4組の容量素子を構成している。更に、第1組〜第4組の容量素子は、原点Oから等距離に、且つ、対応する第1変形部111〜114と同心に配置されている。
前述したように、第1変形体100の第1変形部111〜114は、各1つの連結部材401〜404を介して第2変形体200の第2変形部211〜214に連結されている(図10及び図11参照)。このため、第2変形体200に力が作用すると、第2変形体200及び連結部材401〜404を介して第1変形体100の第1変形部111〜114に力が伝わり、当該力の大きさ及び方向に応じて、当該第1変形部111〜114が変形する。この変形に伴って、第1変形部111〜114上に配置された第1〜第16変位電極E301〜E316がZ軸方向に変位する。すなわち、支持体300上に配置された第1〜第16固定電極E201〜E216に対する第1〜第16変位電極E301〜E316の相対位置(離間距離)がそれぞれ変化する。このことは、各容量素子C11〜C44の静電容量値のそれぞれに変動を生じさせるため、これらの変動量を検出することによって、第2変形体200に作用した力の向き及び大きさを計測することができる。
次に、X、Y、Z軸の各軸方向の力Fx、Fy、Fz、及び、各軸まわりのモーメントMx、My、Mzを計測する原理を説明する。以下の説明においては、支持体300が固定された状態で、第2変形体200に力ないしモーメントが作用するものとする。
図13は、第2変形体200にX軸方向の力Fxを作用させたときの図10の力覚センサの状態を示す概略断面図である。図13では、力Fxが右向きに作用した場合を例示している。この場合、第1変形体の第1変形部111〜114及び第2変形体の第2変形部211〜214は、図示されているように変形する。すなわち、第1変形部111〜114の各々において、X軸正側の半円領域が下方に変形し、X軸負側の半円領域が上方に変形する。従って、第1組及び第3組の容量素子においてX軸負側に配置されている第1、第3、第10及び第12容量素子C11、C13、C32、C34の静電容量値が減少し、その一方、第1組及び第3組の容量素子においてX軸正側に配置されている第2、第4、第9及び第11容量素子C12、C14、C31、C33の静電容量値が増大する。これに対し、残りの第5〜第8及び第13〜第16容量素子C21〜C24、C41〜C44については、変位電極と固定電極との間の離間距離が小さくなる領域と大きくなる領域とが存在し、静電容量値の変化が打ち消されるため、静電容量値は実質的に変化しない。
もちろん、第2変形体200に左向きのX軸方向の力が作用した場合には、第1組及び第3組の容量素子において上述した静電容量値の変動とは逆の変動が生じる。すなわち、第1組及び第3組の容量素子においてX軸負側に配置されている第1、第3、第10及び第12容量素子C11、C13、C32、C34の静電容量値が増大し、その一方、第1組及び第3組の容量素子においてX軸正側に配置されている第2、第4、第9及び第11容量素子C12、C14、C31、C33の静電容量値が減少する。残りの第5〜第8及び第13〜第16容量素子C21〜C24、C41〜C44については、前述した場合と同様に、静電容量値は実質的に変化しない。
第2変形体200にY軸方向の力Fyを作用させた場合については、第2変形体200にX軸方向の力Fxを作用させた状態を90°ずらして考えれば良いため、ここでは省略する。
次に、第2変形体200にZ軸方向の力Fz作用した場合について検討する。図14は、第2変形体200にZ軸方向の力Fzを作用させたときの図10の力覚センサの状態を示す概略断面図である。図14では、力Fzが下向きに作用した場合を例示している。この場合、第1変形体の第1変形部111〜114及び第2変形体の第2変形部211〜214は、図示されているように変形する。すなわち、第1変形部111〜114の各々が下方に変形する。従って、第1〜第16容量素子C11〜C44は、いずれも変位電極と固定電極との間の離間距離が小さくなるため、静電容量値が増大する。
他方、第2変形体200にZ軸方向の力が上向きに作用すると、前述した場合とは逆に、第1変形部111〜114は、それぞれ上方に変形する。従って、第1〜第16容量素子C11〜C44は、いずれも変位電極と固定電極との間の離間距離が大きくなるため、静電容量値が減少する。
次に、第2変形体200にY軸まわりのモーメントMyが作用した場合について検討する。図15は、第2変形体200にY軸まわりのモーメントMyが作用したときの図10の力覚センサの状態を示す概略断面図である。図15では、モーメントMyが時計回りに作用した場合を例示している。この場合、第1変形体の第1変形部111〜114及び第2変形体の第2変形部211〜214は、図示されているように変形する。すなわち、X軸正側の第1変形部112は下方に変形し、X軸負側の第1変形部114は上方に変形する。一方、図示されていないが、Y軸正側及びY軸負側の第1変形部111、113は、X軸正側の半円領域が下方に向かって変形し、X軸負側の半円領域が上方に向かって変形する。
従って、X軸正側の第1変形部112に対応する第5〜第8容量素子C21〜C24の静電容量値が増大し、X軸負側の第1変形部114に対応する第13〜第16容量素子C41〜C44の静電容量値が減少する。一方、Y軸正側及びY軸負側の第1変形部111、113に対応する第1〜第4容量素子C11〜C14及び第9〜第12容量素子C31〜C34の静電容量値は、第2変形体200にX軸方向の力Fxが作用した場合(図13参照)において説明したように、実質的に変化しない。
他方、第2変形体200にY軸まわりに反時計回りのモーメントが作用すると、前述した場合とは逆に、X軸正側の第1変形部112に対応する第5〜第8容量素子C21〜C24の静電容量値が減少し、X軸負側の第1変形部114に対応する第13〜第16容量素子C41〜C44の静電容量値が増大する。この場合も、Y軸正側及びY軸負側の第1変形部111、113に対応する第1〜第4容量素子C11〜C14及び第9〜第12容量素子C31〜C34の静電容量値は、実質的に変化しない。
第2変形体200にX軸まわりのモーメントMxが作用した場合については、第2変形体200にY軸まわりのモーメントMyが作用した状態を90°ずらして考えれば良いため、ここでは省略する。
また、第2変形体200にZ軸まわりのモーメントMzが作用した場合には、図示されていないが、連結部材401〜404はいずれもZ軸を中心とする円周に沿って同じ回転方向に傾倒するように変位する。従って、例えば第2変形体200に正側のZ軸から見て当該Z軸まわりに時計回りのモーメントMzが作用すると、Y軸正側の第1変形部111においては、X軸正側の半円領域が下方に向かって変形し、X軸負側の半円領域が上方に向かって変形する。X軸正側の第1変形部112においては、Y軸負側の半円領域が下方に向かって変形し、Y軸正側の半円領域が上方に向かって変形する。Y軸負側の第1変形部113においては、X軸負側の半円領域が下方に向かって変形し、X軸正側の半円領域が上方に向かって変形する。X軸負側の第1変形部114においては、Y軸正側の半円領域が下方に向かって変形し、Y軸負側の半円領域が上方に向かって変形する。
従って、Y軸正側の第1変形部111に対応する第1組の容量素子においては、第1及び第3容量素子C11、C13の静電容量値が減少し、第2及び第4容量素子C12、C22の静電容量値が増大する。同様に、X軸正側の第2変形部112に対応する第2組の容量素子においては、第5及び第7容量素子C21、C23の静電容量値が減少し、第6及び第8容量素子C22、C24の静電容量値が増大する。Y軸負側の第1変形部113に対応する第3組の容量素子においては、第9及び第11容量素子C31、C33の静電容量値が減少し、第10及び第12容量素子C32、C34の静電容量値が増大する。X軸負側の第1変形部114に第4組の容量素子においては、第13及び第15容量素子C41、C43の静電容量値が減少し、第14及び第16容量素子C42、C44の静電容量値が増大する。
一方、第2変形体200に作用するZ軸まわりのモーメントが、上述した方向とは反対方向に作用すると、各第1変形部111〜114には逆の変形が生じ、この結果、第1〜第16容量素子C11〜C44に生じる静電容量値の変化も逆になる。
図16は、上述した力Fx、Fy、Fz、Mx、My、Mzが作用した場合に各容量素子C11〜C44に生じる静電容量値の変化を一覧で示した図表である。表中の「+」は、静電容量値の増大を示し、「−」は、静電容量値の減少を示している。「0」は、静電容量値が実質的に変化しないことを示している。また、上述したように、各力Fx、Fy、Fz、Mx、My、Mzが逆向きになった場合には、表中の符号が逆になる。
以上の各容量素子C11〜C44の静電容量値の変化から、力の6つの成分Fx、Fy、Fz、Mx、My、Mzが下式で表される。
[式7]
Fx=(C12+C14+C31+C33)−(C11+C13+C32+C34)
Fy=(C21+C23+C42+C44)−(C22+C24+C41+C43)
Fz=−(C11+C12+C13+C14+C21+C22+C23+C24+C31+C32+C33+C34+C41+C42+C43+C44)
Mx=(C31+C32+C33+C34)−(C11+C12+C13+C14)
My=(C21+C22+C23+C24)−(C41+C42+C43+C44)
Mz=(C11+C13)−(C12+C14)+(C21+C23)−(C22+C24)+(C31+C33)−(C32+C34)+(C41+C43)−(C42+C44)
この[式7]では、容量素子C11〜C14の全てを用いて力の6つの成分Fx、Fy、Fz、Mx、My、Mzを表しているが、4組の容量素子それぞれの外側に配置されている容量素子のみを用いて、すなわち第3、第4、第7、第8、第11、第12、第15及び第16容量素子C13、C14、C23、C24、C33、C34、C43、C44のみを用いて、6つの成分Fx、Fy、Fz、Mx、My、Mzを次の[式8]のように表すこともできる。なお、[式8]に基づいて算出した成分を[式7]に基づいて算出した成分から区別するために、「’」を付してある。
[式8]
Fx’=(C14+C33)−(C13+C34)
Fy’=(C23+C44)−(C24+C43)
Fz’=−(C13+C14+C23+C24+C33+C34+C43+C44)
Mx’=(C33+C34)−(C13+C14)
My’=(C23+C24)−(C43+C44)
Mz’=C13−C14+C23−C24+C33−C34+C43−C44
本実施の形態の力覚センサが正常に機能しているか否かを判定するに当たっては、例えば、[式7]に基づいて算出された成分Fx、Fy、Fz、Mx、My、Mzと、[式8]に基づいて算出された成分Fx’、Fy’、Fz’、Mx’、My’、Mz’と、を比較することが有効である。すなわち、(a)FxとFx’との差、(b)FyとFy’との差、(c)FzとFz’との差、(d)MxとMx’との差、(e)MyとMy’との差、及び、(f)MzとMz’との差、のそれぞれが所定の範囲内にあるか否かを評価すればよい。(a)〜(f)のすべての差が所定の範囲内にある場合には、力覚センサが正常に機能していると判定し、(a)〜(f)のうち少なくとも1つの差が所定の範囲外にある場合には、当該力覚センサが正常に機能していない(故障している)と判定すればよい。
以上の判定方法を、本実施の形態の力覚センサに設けられている実際の検出回路に基づいて説明する。
図17は、図10の力覚センサに用いられる検出回路の一例を示す回路図であり、図18は、図17の検出回路に設けられているスイッチのON/OFFの接続状態を示す図表である。
図17の検出回路によって第2変形体200に作用している力を検出するには、各スイッチSW11〜SW44及びSW101〜SW116の接続状態を図18のタイミング1の列に記載されているように制御すればよい。すなわち、スイッチSW11〜SW44をONにし(接続し)、残りのスイッチSW101〜SW116をOFFにする(切断する)。これにより、第1〜第16C/V変換器及びA/D変換器45a〜45pを介して、第1マイコン47a及び第2マイコン47bに、「C11+C13」に対応する出力信号V1と、「C12+C14」に対応する出力信号V3と、「C21+C23」に対応する出力信号V5と、「C22+C24」に対応する出力信号V7と、「C31+C33」に対応する出力信号V9と、「C32+C34」に対応する出力信号V11と、「C41+C43」に対応する出力信号V13と、「C42+C44」に対応する出力信号V15と、が提供される。第1及び第2マイコン47a、47bは、各出力信号に基づいて[式7]に記載されている力の6つの成分Fx、Fy、Fz、Mx、My、Mzを演算する。第1及び第2マイコン47a、47bには6つの出力端子T1〜T6、T1’〜T6’が設けられており、出力端子T1、T1’から成分Fxが、出力端子T2、T2’から成分Fyが、出力端子T3、T3’から成分Fzが、出力端子T4、T4’から成分Mxが、出力端子T5、T5’から成分Myが、及び、出力端子T6、T6’から成分Mzが、それぞれ出力される。なお、スイッチSW101〜SW116がOFFになっていることから、図17のV2、V4、V6、V8、V10、V12、V14及びV16は0である。
次に、力覚センサが正常に機能しているか否かを判定するには、各スイッチSW11〜SW44及びSW101〜SW116の接続状態を図18のタイミング2の列に記載されているように制御すればよい。すなわち、スイッチSW11〜SW44をOFFにし(切断し)、残りのスイッチSW101〜SW116をONにする(接続する)。これにより、第1マイコン47a及び第2マイコン47bに対して、「C11」に対応する出力信号V1と、「C13」に対応する出力信号V2と、「C12」に対応する出力信号V3と、「C14」に対応する出力信号V4と、「C21」に対応する出力信号V5と、「C23」に対応する出力信号V6と、「C22」に対応する出力信号V7と、「C24」に対応する出力信号V8と、「C31」に対応する出力信号V9と、「C33」に対応する出力信号V10と、「C32」に対応する出力信号V11と、「C34」に対応する出力信号V12と、「C41」に対応する出力信号V13と、「C43」に対応する出力信号V14と、「C42」に対応する出力信号V15と、「C44」に対応する出力信号V16と、がそれぞれ提供される。第1及び第2マイコン47a、47bは、各出力信号に基づいて、[式8]に記載されている力の6つの成分Fx’、Fy’、Fz’、Mx’、My’、Mz’を演算する。そして、出力端子T1、T1’から成分Fx’が、出力端子T2、T2’から成分Fy’が、出力端子T3、T3’から成分Fz’が、出力端子T4、T4’から成分Mx’が、出力端子T5、T5’から成分My’が、及び、出力端子T6、T6’から成分Mz’が、それぞれ出力される。
第1及び第2マイコン47a、47bは、更に、(a)「Fx−Fx’」が所定の範囲内にあるか否か、(b)「Fy−Fy’」が所定の範囲内にあるか否か、(c)「Fz−Fz’」が所定の範囲内にあるか否か、(d)「Mx−Mx’」が所定の範囲内にあるか否か、(e)「My−My’」が所定の範囲内にあるか否か、及び、(f)「Mz−Mz’」が所定の範囲内にあるか否か、を評価する。これら(a)〜(f)の条件のうち少なくとも1つを満たしていない場合には、力覚センサが正常に機能していない(故障している)と判定する。この場合、図17の出力端子S、S’から、故障と判定されたことを示す故障診断信号が出力される。
図17に示す検出回路においては、2つのマイコン47a、47bが使用されているが、これは、一方のマイコンが故障しても他方のマイコンから、第2変形体200に作用する力の6つの成分Fx、Fy、Fz、Mx、My、Mzと故障診断信号とを出力できるようにするためである。また、本センサのユーザーは、第1マイコン47aから出力されるFx〜Mz、Fx’〜Mz’及び故障診断信号と、第2マイコン47bから出力されるFx〜Mz、Fx’〜Mz’及び故障診断信号と、の両者を比較することができるため、検出回路によって出力された信号の信頼性を確認することができる。
以上の故障判定方法においては、4組の容量素子それぞれの外側に配置されている容量素子のみを用いて、力覚センサの故障判定が行われたが、4組の容量素子それぞれの内側に配置されている容量素子のみを用いて、力覚センサの故障判定を行うことも可能である。この場合には、上述の[式8]に代えて次の[式9]が使用される。
[式9]
Fx’’=(C12+C31)−(C11+C32)
Fy’’=(C21+C42)−(C22+C41)
Fz’’=−(C11+C12+C21+C22+C31+C32+C41+C42)
Mx’’=(C31+C32)−(C11+C12)
My’’=(C21+C22)−(C41+C42)
Mz’’=C11−C12+C21−C22+C31−C32+C41−C42
この場合、第1及び第2マイコン47a、47bは、(a’)「Fx−Fx’ ’」が所定の範囲内にあるか否か、(b’)「Fy−Fy’’」が所定の範囲内にあるか否か、(c’)「Fz−Fz’ ’」が所定の範囲内にあるか否か、(d’)「Mx−Mx’’」が所定の範囲内にあるか否か、(e’)「My−My’ ’」が所定の範囲内にあるか否か、及び、(f’)「Mz−Mz’’」が所定の範囲内にあるか否か、を評価する。これら(a’)〜(f’)の条件の少なくとも1つを満たしていない場合には、力覚センサが正常に機能していない(故障している)と判定され、図17の出力端子S、S’から、故障と判定されたことを示す故障診断信号が出力される。
なお、第2変形体200に作用している力の6つの成分は、Fx’〜Mz’またはFx’’〜Mz’’によって計測することも可能であるが、Fx〜Mzによって計測される方がより高精度である。これは、力の計測に用いられる静電容量値(電極面積)がFx’〜Mz’及びFx’’〜Mz’’の場合よりも大きいため、静電容量値の変化も大きく、S/Nの点からも有利であるからである。
また、§2において説明した第2の実施の形態のように容量素子毎にC/V変換器及び信号処理部を設ける構成も考えられるが、本実施の形態の力覚センサには16個もの容量素子が設けられているため、演算が複雑になり現実的ではない。このため、上述したように、マイコンを用いて演算処理するような回路構成を採用することが望ましい。
図17に示す検出回路は、[式8]に示すFx’、Fy’、Fz’、Mx’、My’、Mz’を演算することも、[式9]に示すFx’’、Fy’ ’、Fz’’、Mx’ ’、My’’、Mz’ ’を演算することも、共に可能であるが、いずれか一方の演算のみであれば検出回路をよりシンプルに構成することが可能である。このような検出回路の一例が図19に示されている。図19は、図10の力覚センサに用いられる検出回路の他の例を示す回路図であり、図20は、図19の検出回路に設けられているスイッチのON/OFFの接続状態を示す図表である。
図19の検出回路は、図17の検出回路から第2、第4、第6、第8、第10、第12、第14及び第16C/V変換器及びA/D変換器45b、45d、45f、45h、45j、45l、45n、45pを取り除いたものである。この検出回路は、各スイッチSW11〜SW44を図20のタイミング1の列に記載されているように全てONにすれば、図17の各スイッチSW11〜SW44、SW101〜SW116を図18のタイミング1の列に記載された接続状態とした当該図17の検出回路と等価となる。すなわち、第1及び第2マイコン47a、47bは、[式7]に記載されている力の6つの成分Fx、Fy、Fz、Mx、My、Mzを演算することができる。一方、各スイッチSW11〜SW44を図20のタイミング2の列に記載されているように全てOFFにすれば、第1マイコン47a及び第2マイコン47bに対して、「C11」に対応する出力信号V1と、「C12」に対応する出力信号V2と、「C21」に対応する出力信号V3と、「C22」に対応する出力信号V4と、「C31」に対応する出力信号V5と、「C32」に対応する出力信号V6と、「C41」に対応する出力信号V7と、「C44」に対応する出力信号V8と、がそれぞれ提供される。これにより、第1及び第2マイコン47a、47bは、各出力信号V1〜V8に基づいて、[式9]に記載されている力の6つの成分Fx’ ’、Fy’ ’、Fz’ ’、Mx’’、My’’、Mz’’を演算し得る。
もちろん、図17の検出回路において、スイッチの接続状態を図18のタイミング2に固定すれば、第1〜第16C/V変換器及びA/D変換器45a〜45pによって、対応する容量素子C11〜C44の静電容量値がそれぞれ検出される。これらの容量素子の各静電容量値を第1及び第2マイコン47a、47bに対して入力し、当該第1及び第2マイコン47a、47bによって[式7]〜[式9]に基づいて成分Fx〜Mz、Fx’〜Mz’及びFx’ ’〜Mz’ ’を演算することも可能である。
以上のような本実施の形態の力覚センサによれば、全ての容量素子C11〜C44を用いて計測された力の成分Fx〜Mzと、一部の容量素子を用いて計測された力の成分Fx’〜Mz’またはFx’ ’〜Mz’ ’と、を互いに比較することができるため、力覚センサが正常に機能しているか否かを当該力覚センサ自身で判断することができる。このため、複数の力覚センサを使用することなく、すなわちコスト及び設置スペースを最小化しつつ、故障の判定(正常に機能しているか否かの判定)が可能な力覚センサを提供することができる。
また、4つの第1変形部111〜114に対応する4組の容量素子の各々が、原点から等距離に、且つ、X軸またはY軸に関して軸対称に配置されているため、各容量素子の静電容量値の変動に基づいて検出対象の力を計測するための処理が容易である。
なお、変位電極が4つの第1変形部111〜114に各4つずつ設けられている例を説明したが、このような例には限定されない。例えば、変位電極が4つの第1変形部111〜114に各1つずつ共通電極として設けられていても良い。この場合、例えば第1変形部111に、上述したようなY軸に関して対称的に配置された4つの固定電極E201〜E204が設けられ、これらの固定電極E201〜E204と共通電極とによって4つの容量素子C11〜C14が構成され得る。このことは、残り3つの第1変形部112〜114に対応する容量素子C21〜C44についても同様である。もちろん、4つの第1変形部111〜114を導電性材料(たとえば、ステンレス、アルミニウム、チタンなどの金属材料)から構成し、当該4つの第1変形部111〜114を共通電極として機能させても良い。
あるいは、固定電極を共通電極として構成し、上述のように変位電極を4つの第1変形部111〜114にX軸ないしY軸に関して対称に各4つ設けることによって、容量素子C11〜C44を構成しても良い。
更には、図示されていないが、各軸方向の力ないし各軸まわりのモーメントが作用した結果、固定電極に対する変位電極の相対位置が変化した場合にも、容量素子を構成する一対の電極の実効対向面積が変化しないように、各容量素子を構成する固定電極および変位電極のうちの一方の面積を他方の面積よりも大きく設定することも考えられる。これは、前述したように、面積が小さい方の電極(例えば変位電極)の輪郭を、面積が大きい方の電極(例えば固定電極)の表面に投影して正射影投影像を形成した場合、面積が小さい方の電極の投影像が、面積が大きい方の電極の表面内に完全に含まれるような状態である。この状態が維持されれば、両電極によって構成される容量素子の実効面積は、小さい方の電極の面積に等しくなり、常に一定になる。すなわち、力の検出精度を向上させることができる。
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これまで説明した力覚センサは、スイッチのON/OFFを所定のタイミングで切り換えることによって所定の容量素子を選択的に並列接続し、静電容量値の加算演算を行っていた。スイッチとしては、機械的な接点を有するスイッチを採用可能であるが、検出回路の回路基板を小型化するという観点からは、アナログスイッチを採用することが好ましい。
しかしながら、アナログスイッチは、入出力用の端子に寄生容量が存在し、この寄生容量が各容量素子の静電容量値よりも大きくなる恐れがある。この場合、静電容量値を正確に評価することができず、力覚センサによって検出される力ないしモーメントの精度が低下してしまう。従って、アナログスイッチではなく、電子回路を用いて所定の容量素子の静電容量値の加算演算を行うことが望ましい。各容量素子の静電容量値を電気信号に変換するためには、静電容量値の大きさを、電圧に変換する回路(C/V変換器)、周波数に変換する回路(C/f変換器)、パルス幅に変換する回路(PWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)回路)等が考えられる。ここでは、一例として、PWM回路を用い、静電容量値をパルス波に変換し、当該パルス波の幅をマイコンのカウンタで計測する方法について、図21乃至図24に基づいて説明する。
図21は、容量素子にPWM回路を設けた回路図であり、図22は、図21のPWM回路の各構成部において出力される信号の波形を示す概略図である。
図21及び図22に示すように、本回路図におけるPWM回路は、容量素子Cに対して矩形の駆動パルス波W1を提供する駆動部51と、容量素子Cに並列に接続されたローパスフィルタ52と、ローパスフィルタ52を通過した波W2の波形を矩形波W3に変換するコンパレータ53と、駆動部51によって提供された駆動パルス波W1とコンパレータ53によって変換された矩形波W3との排他的論理和の論理演算を行う演算部54と、演算部54による演算後のパルス波W4のパルス幅を計測するカウンタ55と、を備えている。
このPWM回路においては、図22に示すように、ローパスフィルタ52を通過した駆動パルス波W1は、容量素子Cによる当該駆動パルス波W1の伝達遅れのため、波形に鈍りが生じる。この鈍りの程度は、容量素子Cの静電容量値が大きいほど、大きくなるという特性がある。このため、ローパスフィルタ52を通過した後の波W2をコンパレータ53で矩形波W3に変換すると、当該矩形波W3は、駆動部51によって提供された駆動パルス波W1に対して、容量素子Cの静電容量値に応じた分だけ遅延した波となる。従って、駆動パルス波W1と矩形波W3との排他的論理和によって得られるパルス波W4のパルス幅を計測することにより、容量素子Cの静電容量値を評価することができる。
以上のようなPWM回路を本発明による力覚センサに採用するには、例えば、図23に示す回路図を構成すればよい。図23は、本発明の力覚センサに採用され得るPWM回路の一例を示す回路図であり、図24は、図23のPWM回路の各構成部において出力される信号の波形を示す概略図である。
図23に示すPWM回路は、図21に示すPMW回路を並列に2つ配置した構成となっているため、共通する構成部分には図21と同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する。一方、図23に示すPWM回路においては、図21に示すPWM回路とは異なり、ローパスフィルタ52a、52bを通過したそれぞれの波W2a、W2bは、コンパレータ53a、53bに加え、差分演算器56にも入力される。そして、差分演算器56から出力された波W5がコンパレータ53cで矩形波W6に整形され、この矩形波W6が、駆動部51aによって提供された駆動パルス波W1aと共に、排他的論理和を演算する演算部54cに入力される。そして、演算部54cによって演算された波W7は、カウンタ55cに入力され、当該波W7のパルス幅が計測される。
なお、図示されている回路図においては、2つの駆動パルス波W1a、W1bは互いに逆位相となっている。このため、差分演算器56によって「W2a−W2b」という演算が行われるのであるが、実際には「W2a+W2b」という加算演算が行われることになる。すなわち、例えば2つの容量素子C1、C2に対して本PWM回路を適用した場合には、容量素子C1に基づく信号がカウンタ55aから出力され、容量素子C2に基づく信号がカウンタ55bから出力される。更に、2つの容量素子C1、C2の静電容量の和(C1+C2)の信号がカウンタ55cから出力される。
以上のPWM回路を、例えば§3で説明した6軸の力覚センサに採用するには、16個の容量素子C11〜C44を各2つの容量素子C12、C14と、容量素子C11、C13と、容量素子C22、C24と、容量素子C21、C23と、容量素子C32、C34と、容量素子C31、C33と、容量素子C42、C44と、容量素子C41、C43と、の8組に分け、各組毎に当該PWM回路を適用すればよい。このような回路構成によれば、容量素子C12、C14を含む回路から、各容量素子C12、C14の静電容量値「C12」、「C14」、及び、静電容量値の和「C12+C14」を計測することができる。同様に、容量素子C11、C13を含む回路から、各容量素子C11、C13の静電容量値「C11」、「C13」、及び、静電容量値の和「C11+C13」を計測することができ、容量素子C22、C24を含む回路から、各容量素子C22、C24の静電容量値「C22」、「C24」、及び、静電容量値の和「C22+C24」を計測することができ、容量素子C21、C23を含む回路から、各容量素子C21、C23の静電容量値「C21」、「C23」、及び、静電容量値の和「C21+C23」を計測することができ、容量素子C32、C34を含む回路から、各容量素子C32、C34の静電容量値「C32」、「C34」、及び、静電容量値の和「C32+C34」を計測することができ、容量素子C31、C33を含む回路から、各容量素子C31、C33の静電容量値「C31」、「C33」、及び、静電容量値の和「C31+C33」を計測することができ、容量素子C42、C44を含む回路から、各容量素子C42、C44の静電容量値「C42」、「C44」、及び、静電容量値の和「C42+C44」を計測することができ、容量素子C41、C43を含む回路から、各容量素子C41、C43の静電容量値「C41」、「C43」、及び、静電容量値の和「C41+C43」を計測することができる。これらの計測結果を用いて、前述の[式7]に対応する演算を行うことにより、力覚センサに作用している力の6つの成分Fx、Fy、Fz、Mx、My、Mzを演算することができる。更に、前述の[式8]に対応する演算を行うことにより、力の6つの成分Fx’、Fy’、Fz’、Mx’、My’、Mz’を演算することができる。あるいは、前述の[式9]に対応する演算を行うことにより、力の6つの成分Fx’’、Fy’’、Fz’’、Mx’’、My’’、Mz’’を演算することもできる。これらの演算結果に基づいて、§3で詳細に説明した通り、力覚センサが正常に機能しているか否かを評価することができる。もちろん、同様にして、このPWM回路を§1で説明した1軸の力覚センサ及び§2で説明した2軸の力覚センサに適用することも可能である。
ここで説明したPWM回路によれば、ローパスフィルタ52a、52bを通過した後の波W2a、W2bに同相ノイズ(図24の波W2a、W2bにおいて破線で示されている)が混入しても、波W5の波形に示されるように、差分演算器56で当該ノイズをキャンセルすることができ、静電容量値を高精度に計測することができる。なお、図23においては、3つのカウンタ55a、55b、55cを設けて、「C1」、「C2」及び「C1+C1」を独立に同時に計測しているが、これらのカウンタ55a、55b、55cに代えて、1つのマイコンを採用することも可能である。この場合、「C1」、「C2」及び「C1+C1」を同時に計測することはできないが、回路構成を単純化することができる。

Claims (29)

  1. XYZ三次元座標系におけるZ軸方向の力を検出する力覚センサであって、
    XY平面上に配置された支持体と、
    前記支持体に対向して配置され、検出対象となる力の作用により弾性変形を生じる変形部を有する変形体と、
    前記支持体上に配置された固定電極と、
    前記固定電極に対向するように前記変形体の前記変形部に設けられ、前記固定電極との間で容量素子を構成する変位電極と、
    前記容量素子の静電容量値の変動量に基づいて、前記変形体及び前記支持体の一方に負荷がかかった状態において他方に作用した力を示す電気信号を出力する検出回路と、
    を備え、
    前記容量素子は、Z軸方向から見て当該Z軸を含む領域に配置された第1容量素子と、第2容量素子と、を有し、
    前記検出回路は、前記第1容量素子の静電容量値に相当する第1電気信号、前記第2容量素子の静電容量値に相当する第2電気信号、及び、前記第1容量素子の静電容量値と前記第2容量素子の静電容量値との和に相当する合算電気信号、を作用した力を示す電気信号として出力し、
    前記第1電気信号と前記第2電気信号とに基づいて、または、前記第1電気信号または前記第2電気信号と前記合算電気信号とに基づいて、当該力覚センサが正常に機能しているか否かを判定する
    ことを特徴とする力覚センサ。
  2. 前記変位電極は、第1変位電極と第2変位電極とを有し、
    前記固定電極は、前記第1変位電極に対向して配置された第1固定電極と、前記第2変位電極に対向して配置された第2固定電極と、を有し、
    前記第1容量素子は、前記第1変位電極と前記第1固定電極とによって構成され、
    前記第2容量素子は、前記第2変位電極と前記第2固定電極とによって構成される
    ことを特徴とする請求項に記載の力覚センサ。
  3. Z軸方向の力が作用した結果、前記固定電極に対する前記変位電極の相対位置が変化した場合にも、前記第1及び第2容量素子を構成する各一対の電極の実効対向面積が変化しないように、前記第1固定電極及び前記第1変位電極のうちの一方の面積を他方の面積よりも大きく設定し、前記第2固定電極及び前記第2変位電極のうちの一方の面積を他方の面積よりも大きく設定した
    ことを特徴とする請求項に記載の力覚センサ。
  4. 前記第1及び第2固定電極が共通の電極で構成されているか、または、前記第1及び第2変位電極が共通の電極で構成されている
    ことを特徴とする請求項2または3に記載の力覚センサ。
  5. 前記第2容量素子は、前記第1容量素子を取り囲むように配置されている
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の力覚センサ。
  6. 前記第1容量素子は、Z軸方向から見て円盤状の形状を有し、
    前記第2容量素子は、Z軸方向から見て円環状の形状を有する
    ことを特徴とする請求項に記載の力覚センサ。
  7. 作用したZ軸方向の力が前記合算電気信号に基づいて計測される
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の力覚センサ。
  8. 前記検出回路は、「前記合算電気信号に基づいて計測された力と前記第1電気信号に基づいて計測された力との差、及び、前記合算電気信号に基づいて計測された力と前記第2電気信号に基づいて計測された力との差、の少なくとも一方」が所定の範囲内にあるか否かを判定することにより、当該力覚センサが正常に機能しているか否かを判定する
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の力覚センサ。
  9. 前記検出回路は、
    前記第1電気信号と前記第2電気信号との双方を、作用した力を示す電気信号として出力し、
    「前記合算電気信号に基づいて計測された力と前記第1電気信号に基づいて計測された力との差、及び、前記合算電気信号に基づいて計測された力と前記第2電気信号に基づいて計測された力との差、の少なくとも一方」、並びに、「前記第1電気信号に基づいて計測された力と前記第2電気信号に基づいて計測された力との差」、が所定の範囲内にあるか否かを判定することにより、当該力覚センサが正常に機能しているか否かを判定する
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の力覚センサ。
  10. XYZ三次元座標系におけるZ軸方向及びX軸方向の力を検出する力覚センサであって、
    XY平面上に配置された支持体と、
    前記支持体に対向して配置され、検出対象となる力の作用により弾性変形を生じる変形部を有する変形体と、
    前記支持体上に配置された固定電極と、
    前記固定電極に対向するように前記変形体の前記変形部に設けられ、前記固定電極との間で容量素子を構成する変位電極と、
    前記容量素子の静電容量値の変動量に基づいて、前記変形体及び前記支持体の一方に負荷がかかった状態において他方に作用した力を示す電気信号を出力する検出回路と、
    を備え、
    前記容量素子は、Z軸方向から見て、Y軸を挟んで配置されたX軸負側の第1容量素子及びX軸正側の第2容量素子と、当該第1容量素子の近傍に配置された第3容量素子及び当該第2容量素子の近傍に配置された第4容量素子と、を有し、
    前記検出回路は、「前記第1及び第3容量素子の各静電容量値の和と、前記第2及び第4容量素子の各静電容量値の和と、の差」に相当する第1電気信号、並びに、「前記第1容量素子の静電容量値と前記第2容量素子の静電容量値との差」に相当する第2電気信号、及び、「前記第3容量素子の静電容量値と前記第4容量素子の静電容量値との差」に相当する第3電気信号、の少なくとも一方、を作用したX軸方向の力を示す電気信号として出力し、
    前記第1電気信号と前記第2電気信号または前記第3電気信号とに基づいて、当該力覚センサが正常に機能しているか否かを判定する
    ことを特徴とする力覚センサ。
  11. 前記検出回路は、「前記第1電気信号に基づいて計測された力と前記第2電気信号に基づいて計測された力との差、及び、前記第1電気信号に基づいて計測された力と前記第3電気信号に基づいて計測された力との差、のうち少なくとも一方」が所定の範囲内にあるか否かを判定することにより、当該力覚センサが正常に機能しているか否かを判定する
    ことを特徴とする請求項10に記載の力覚センサ。
  12. 前記検出回路は、
    前記第2電気信号と前記第3電気信号との双方を、作用した力を示す電気信号として出力し、
    「前記第1電気信号に基づいて計測された力と前記第2電気信号に基づいて計測された力との差、及び、前記第1電気信号に基づいて計測された力と前記第3電気信号に基づいて計測された力との差、のうち少なくとも一方」、並びに、「前記第2電気信号に基づいて計測された力と前記第3電気信号に基づいて計測された力との差」、が所定の範囲内にあるか否かを判定することにより、当該力覚センサが正常に機能しているか否かを判定する
    ことを特徴とする請求項10に記載の力覚センサ。
  13. 作用したX軸方向の力が前記第1電気信号に基づいて計測される
    ことを特徴とする請求項10乃至12のいずれかに記載の力覚センサ。
  14. XYZ三次元座標系におけるZ軸方向及びX軸方向の力を検出する力覚センサであって、
    XY平面上に配置された支持体と、
    前記支持体に対向して配置され、検出対象となる力の作用により弾性変形を生じる変形部を有する変形体と、
    前記支持体上に配置された固定電極と、
    前記固定電極に対向するように前記変形体の前記変形部に設けられ、前記固定電極との間で容量素子を構成する変位電極と、
    前記容量素子の静電容量値の変動量に基づいて、前記変形体及び前記支持体の一方に負荷がかかった状態において他方に作用した力を示す電気信号を出力する検出回路と、
    を備え、
    前記容量素子は、Z軸方向から見て、Y軸を挟んで配置されたX軸負側の第1容量素子及びX軸正側の第2容量素子と、当該第1容量素子の近傍に配置された第3容量素子及び当該第2容量素子の近傍に配置された第4容量素子と、を有し、
    前記検出回路は、「前記第1及び第2容量素子の各静電容量値の和」に相当する第1電気信号、及び、「前記第3及び第4容量素子の各静電容量値の和」に相当する第2電気信号、のうち少なくとも一方、並びに、「前記第1〜第4容量素子の各静電容量値の和」に相当する合算電気信号、を作用したZ軸方向の力を示す電気信号として出力し、
    前記第1電気信号または前記第2電気信号と前記合算電気信号とに基づいて、当該力覚センサが正常に機能しているか否かを判定する
    ことを特徴とする力覚センサ。
  15. 前記検出回路は、「前記合算電気信号に基づいて計測された力と前記第1電気信号に基づいて計測された力との差、及び、前記合算電気信号に基づいて計測された力と前記第2電気信号に基づいて計測された力との差、のうち少なくとも一方」が所定の範囲内にあるか否かを判定することにより、当該力覚センサが正常に機能しているか否かを判定する
    ことを特徴とする請求項14に記載の力覚センサ。
  16. 前記検出回路は、
    前記第1電気信号と前記第2電気信号との双方を、作用した力を示す電気信号として出力し、
    「前記合算電気信号に基づいて計測された力と前記第1電気信号に基づいて計測された力との差、及び、前記合算電気信号に基づいて計測された力と前記第2電気信号に基づいて計測された力との差、のうち少なくとも一方」、並びに、「前記第1電気信号に基づいて計測された力と前記第2電気信号に基づいて計測された力との差」、が所定の範囲内にあるか否かを判定することにより、当該力覚センサが正常に機能しているか否かを判定する
    ことを特徴とする請求項14に記載の力覚センサ。
  17. 作用したZ軸方向の力が前記合算電気信号に基づいて計測される
    ことを特徴とする請求項14乃至16のいずれかに記載の力覚センサ。
  18. 前記第3容量素子は、前記第1容量素子のX軸負側に配置され、
    前記第4容量素子は、前記第2容量素子のX軸正側に配置される
    ことを特徴とする請求項14乃至17のいずれかに記載の力覚センサ。
  19. 前記変位電極は、Z軸方向から見て、Y軸を挟んで配置されたX軸負側の第1変位電極及びX軸正側の第2変位電極と、当該第1変位電極のX軸負側に配置された第3変位電極及び当該第2変位電極のX軸正側に配置された第4変位電極と、を有し、
    前記固定電極は、前記第1変位電極に対向して配置された第1固定電極と、前記第2変位電極に対向して配置された第2固定電極と、前記第3変位電極に対向して配置された第3固定電極と、前記第4変位電極に対向して配置された第4固定電極と、を有し、
    前記第1容量素子は、前記第1変位電極と前記第1固定電極とによって構成され、
    前記第2容量素子は、前記第2変位電極と前記第2固定電極とによって構成され、
    前記第3容量素子は、前記第3変位電極と前記第3固定電極とによって構成され、
    前記第4容量素子は、前記第4変位電極と前記第4固定電極とによって構成される
    ことを特徴とする請求項10乃至18のいずれかに記載の力覚センサ。
  20. 前記第1固定電極及び前記第1変位電極は、Z軸方向から見て、Y軸と平行に延在する弦を直径とし当該弦のX軸負側に弧が形成された半円状の電極であり、
    前記第2固定電極及び前記第2変位電極は、Z軸方向から見て、Y軸と平行に延在する弦を直径とし当該弦のX軸正側に弧が形成された半円状の電極であり、
    前記第3固定電極及び前記第3変位電極は、Z軸方向から見て、前記第1固定電極及び前記第1変位電極の前記弧をそれぞれ取り囲む半円環状の電極であり、
    前記第4固定電極及び前記第4変位電極は、Z軸方向から見て、前記第2固定電極及び前記第2変位電極の前記弧をそれぞれ取り囲む半円環状の電極である
    ことを特徴とする請求項19に記載の力覚センサ。
  21. X軸方向及び/またはZ軸方向の力が作用した結果、前記固定電極に対する前記変位電極の相対位置が変化した場合にも、前記第1〜第4容量素子を構成する各一対の電極の実効対向面積が変化しないように、前記第1固定電極及び前記第1変位電極のうちの一方の面積を他方の面積よりも大きく設定し、前記第2固定電極及び前記第2変位電極のうちの一方の面積を他方の面積よりも大きく設定し、前記第3固定電極及び前記第3変位電極のうちの一方の面積を他方の面積よりも大きく設定し、前記第4固定電極及び前記第4変位電極のうちの一方の面積を他方の面積よりも大きく設定した
    ことを特徴とする請求項19または20に記載の力覚センサ。
  22. 前記第1〜第4固定電極のうち少なくとも2つが共通の電極で構成されているか、または、前記第1〜第4変位電極のうち少なくとも2つが共通の電極で構成されている
    ことを特徴とする請求項19乃至21のいずれかに記載の力覚センサ。
  23. XYZ三次元座標系における各軸方向の力及び各軸まわりのモーメントを検出する力覚センサであって、
    XY平面上に配置された支持体と、
    前記支持体に対向して配置され、検出対象となる力ないしモーメントの作用により弾性変形を生じる4つの第1変形部を有する第1変形体と、
    前記第1変形体の各変形部に対応して前記支持体上に配置された固定電極と、
    前記固定電極に対向するように前記第1変形体の前記4つの第1変形部にそれぞれ設けられ、固定電極との間で4組の容量素子を構成する変位電極と、
    前記第1変形体に関して前記支持体とは反対側で当該第1変形体と対向し、前記4つの第1変形部に対向するように配置された4つの第2変形部を有する第2変形体と、
    各第1変形部と当該第1変形部に対応する前記第2変形部とを連結する連結部材と、
    前記4組の容量素子の各静電容量値の変動量に基づいて、前記第2変形体及び前記支持体の一方に負荷がかかった状態において他方に作用した力ないしモーメントを示す電気信号を出力する検出回路と
    を備え、
    前記4組の容量素子のうち第1組の容量素子は、Z軸方向から見て、Y軸正側にY軸を挟んで配置されたX軸負側の第1容量素子及びX軸正側の第2容量素子と、前記第1容量素子の近傍に配置された第3容量素子及び前記第2容量素子の近傍に配置された第4容量素子と、を有し、
    前記4組の容量素子のうち第2組の容量素子は、Z軸方向から見て、X軸正側にX軸を挟んで配置されたY軸正側の第5容量素子及びY軸負側の第6容量素子と、前記第5容量素子の近傍に配置された第7容量素子及び前記第6容量素子の近傍に配置された第8容量素子と、を有し、
    前記4組の容量素子のうち第3組の容量素子は、Z軸方向から見て、Y軸負側にY軸を挟んで配置されたX軸正側の第9容量素子及びX軸負側の第10容量素子と、前記第9容量素子の近傍に配置された第11容量素子及び前記第10容量素子の近傍に配置された第12容量素子と、を有し、
    前記4組の容量素子のうち第4組の容量素子は、Z軸方向から見て、X軸負側にX軸を挟んで配置されたY軸負側の第13容量素子及びY軸正側の第14容量素子と、前記第13容量素子の近傍に配置された第15容量素子及び前記第14容量素子の近傍に配置された第16容量素子と、を有し、
    前記検出回路は、「前記第1〜第16容量素子の各静電容量値の変動量に基づいて検出される各軸方向の力及び各軸まわりのモーメント」と、「前記第1、第2、第5、第6、第9、第10、第13及び第14容量素子の各静電容量値の変動量に基づいて検出される各軸方向の力及び各軸まわりのモーメント」及び「前記第3、第4、第7、第8、第11、第12、第15及び第16容量素子の各静電容量値の変動量に基づいて検出される各軸方向の力及び各軸まわりのモーメント」のうち少なくとも一方と、に基づいて、当該力覚センサが正常に機能しているか否かを判定する
    ことを特徴とする力覚センサ。
  24. 前記第3容量素子は、前記第1容量素子のX軸負側に配置されており、
    前記第4容量素子は、前記第2容量素子のX軸正側に配置されており、
    前記第7容量素子は、前記第5容量素子のY軸正側に配置されており、
    前記第8容量素子は、前記第6容量素子のY軸負側に配置されており、
    前記第11容量素子は、前記第9容量素子のX軸正側に配置されており、
    前記第12容量素子は、前記第10容量素子のX軸負側に配置されており、
    前記第15容量素子は、前記第13容量素子のY軸負側に配置されており、
    前記第16容量素子は、前記第14容量素子のY軸正側に配置されている
    ことを特徴とする請求項23に記載の力覚センサ。
  25. 前記変位電極は、Z軸方向から見て、原点まわりに90°毎に配置された4組の変位電極を有しており、
    前記4組の変位電極のうち第1組の変位電極は、Y軸正側にY軸を挟んで配置されたX軸負側の第1変位電極及びX軸正側の第2変位電極と、前記第1変位電極の近傍に配置された第3変位電極及び前記第2変位電極の近傍に配置された第4変位電極と、を有し、
    前記4組の変位電極のうち第2組の変位電極は、X軸正側にX軸を挟んで配置されたY軸正側の第5変位電極及びY軸負側の第6変位電極と、前記第5変位電極の近傍に配置された第7変位電極及び前記第6変位電極の近傍に配置された第8変位電極と、を有し、
    前記4組の変位電極のうち第3組の変位電極は、Y軸負側にY軸を挟んで配置されたX軸正側の第9変位電極及びX軸負側の第10変位電極と、前記第9変位電極の近傍に配置された第11変位電極及び前記第10変位電極の近傍に配置された第12変位電極と、を有し、
    前記4組の変位電極のうち第4組の変位電極は、X軸負側にX軸を挟んで配置されたY軸負側の第13変位電極及びY軸正側の第14変位電極と、前記第13容量素子の近傍に配置された第15変位電極及び前記第14変位電極の近傍に配置された第16変位電極と、を有し、
    前記固定電極は、前記第1変位電極に対向して配置された第1固定電極と、前記第2変位電極に対向して配置された第2固定電極と、前記第3変位電極に対向して配置された第3固定電極と、前記第4変位電極に対向して配置された第4固定電極と、前記第5変位電極に対向して配置された第5固定電極と、前記第6変位電極に対向して配置された第6固定電極と、前記第7変位電極に対向して配置された第7固定電極と、前記第8変位電極に対向して配置された第8固定電極と、前記第9変位電極に対向して配置された第9固定電極と、前記第10変位電極に対向して配置された第10固定電極と、前記第11変位電極に対向して配置された第11固定電極と、前記第12変位電極に対向して配置された第12固定電極と、前記第13変位電極に対向して配置された第13固定電極と、前記第14変位電極に対向して配置された第14固定電極と、前記第15変位電極に対向して配置された第15固定電極と、前記第16変位電極に対向して配置された第16固定電極と、を有し、
    前記第1容量素子は、前記第1変位電極と前記第1固定電極とによって構成され、
    前記第2容量素子は、前記第2変位電極と前記第2固定電極とによって構成され、
    前記第3容量素子は、前記第3変位電極と前記第3固定電極とによって構成され、
    前記第4容量素子は、前記第4変位電極と前記第4固定電極とによって構成され、
    前記第5容量素子は、前記第5変位電極と前記第5固定電極とによって構成され、
    前記第6容量素子は、前記第6変位電極と前記第6固定電極とによって構成され、
    前記第7容量素子は、前記第7変位電極と前記第7固定電極とによって構成され、
    前記第8容量素子は、前記第8変位電極と前記第8固定電極とによって構成され、
    前記第9容量素子は、前記第9変位電極と前記第9固定電極とによって構成され、
    前記第10容量素子は、前記第10変位電極と前記第10固定電極とによって構成され、
    前記第11容量素子は、前記第11変位電極と前記第11固定電極とによって構成され、
    前記第12容量素子は、前記第12変位電極と前記第12固定電極とによって構成され、
    前記第13容量素子は、前記第13変位電極と前記第13固定電極とによって構成され、
    前記第14容量素子は、前記第14変位電極と前記第14固定電極とによって構成され、
    前記第15容量素子は、前記第15変位電極と前記第15固定電極とによって構成され、
    前記第16容量素子は、前記第16変位電極と前記第16固定電極とによって構成される
    ことを特徴とする請求項23または24に記載の力覚センサ。
  26. 前記第1固定電極及び前記第1変位電極は、Z軸方向から見て、Y軸と平行に延在する弦を直径とし当該弦のX軸負側に弧が形成された半円状の電極であり、
    前記第2固定電極及び前記第2変位電極は、Z軸方向から見て、Y軸と平行に延在する弦を直径とし当該弦のX軸正側に弧が形成された半円状の電極であり、
    前記第3固定電極及び前記第3変位電極は、Z軸方向から見て、前記第1固定電極及び前記第1変位電極の前記弧をそれぞれ取り囲む半円環状の電極であり、
    前記第4固定電極及び前記第4変位電極は、Z軸方向から見て、前記第2固定電極及び前記第2変位電極の前記弧をそれぞれ取り囲む半円環状の電極であり、
    前記第5固定電極及び前記第5変位電極は、Z軸方向から見て、X軸と平行に延在する弦を直径とし当該弦のY軸正側に弧が形成された半円状の電極であり、
    前記第6固定電極及び前記第6変位電極は、Z軸方向から見て、X軸と平行に延在する弦を直径とし当該弦のY軸負側に弧が形成された半円状の電極であり、
    前記第7固定電極及び前記第7変位電極は、Z軸方向から見て、前記第5固定電極及び前記第5変位電極の前記弧をそれぞれ取り囲む半円環状の電極であり、
    前記第8固定電極及び前記第8変位電極は、Z軸方向から見て、前記第6固定電極及び前記第6変位電極の前記弧をそれぞれ取り囲む半円環状の電極であり、
    前記第9固定電極及び前記第9変位電極は、Z軸方向から見て、Y軸と平行に延在する弦を直径とし当該弦のX軸正側に弧が形成された半円状の電極であり、
    前記第10固定電極及び前記第10変位電極は、Z軸方向から見て、Y軸と平行に延在する弦を直径とし当該弦のX軸負側に弧が形成された半円状の電極であり、
    前記第11固定電極及び前記第11変位電極は、Z軸方向から見て、前記第9固定電極及び前記第9変位電極の前記弧をそれぞれ取り囲む半円環状の電極であり、
    前記第12固定電極及び前記第12変位電極は、Z軸方向から見て、前記第10固定電極及び前記第10変位電極の前記弧をそれぞれ取り囲む半円環状の電極であり、
    前記第13固定電極及び前記第13変位電極は、Z軸方向から見て、X軸と平行に延在する弦を直径とし当該弦のY軸負側に弧が形成された半円状の電極であり、
    前記第14固定電極及び前記第14変位電極は、Z軸方向から見て、X軸と平行に延在する弦を直径とし当該弦のY軸正側に弧が形成された半円状の電極であり、
    前記第15固定電極及び前記第15変位電極は、Z軸方向から見て、前記第13固定電極及び前記第13変位電極の前記弧をそれぞれ取り囲む半円環状の電極であり、
    前記第16固定電極及び前記第16変位電極は、Z軸方向から見て、前記第14固定電極及び前記第14変位電極の前記弧をそれぞれ取り囲む半円環状の電極である
    ことを特徴とする請求項25に記載の力覚センサ。
  27. XYZ三次元座標系における各軸方向の力及び各軸まわりのモーメントが作用した結果、前記固定電極に対する前記変位電極の相対位置が変化した場合にも、前記第1〜第16容量素子を構成する各一対の電極の実効対向面積が変化しないように、前記第1固定電極及び前記第1変位電極のうちの一方の面積を他方の面積よりも大きく設定し、前記第2固定電極及び前記第2変位電極のうちの一方の面積を他方の面積よりも大きく設定し、前記第3固定電極及び前記第3変位電極のうちの一方の面積を他方の面積よりも大きく設定し、前記第4固定電極及び前記第4変位電極のうちの一方の面積を他方の面積よりも大きく設定し、前記第5固定電極及び前記第5変位電極のうちの一方の面積を他方の面積よりも大きく設定し、前記第6固定電極及び前記第6変位電極のうちの一方の面積を他方の面積よりも大きく設定し、前記第7固定電極及び前記第7変位電極のうちの一方の面積を他方の面積よりも大きく設定し、前記第8固定電極及び前記第8変位電極のうちの一方の面積を他方の面積よりも大きく設定し、前記第9固定電極及び前記第9変位電極のうちの一方の面積を他方の面積よりも大きく設定し、前記第10固定電極及び前記第10変位電極のうちの一方の面積を他方の面積よりも大きく設定し、前記第11固定電極及び前記第11変位電極のうちの一方の面積を他方の面積よりも大きく設定し、前記第12固定電極及び前記第12変位電極のうちの一方の面積を他方の面積よりも大きく設定し、前記第13固定電極及び前記第13変位電極のうちの一方の面積を他方の面積よりも大きく設定し、前記第14固定電極及び前記第14変位電極のうちの一方の面積を他方の面積よりも大きく設定し、前記第15固定電極及び前記第15変位電極のうちの一方の面積を他方の面積よりも大きく設定し、前記第16固定電極及び前記第16変位電極のうちの一方の面積を他方の面積よりも大きく設定した
    ことを特徴とする請求項25または26に記載の力覚センサ。
  28. 前記第1〜第16固定電極のうち少なくとも2つが共通の電極で構成されているか、または、前記第1〜第16変位電極のうち少なくとも2つが共通の電極で構成されている
    ことを特徴とする請求項25乃至27のいずれかに記載の力覚センサ。
  29. 前記4組の容量素子は、Z軸方向から見て、原点から等距離に配置されている
    ことを特徴とする請求項23乃至28のいずれかに記載の力覚センサ。
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