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JP6098111B2 - 駆動力伝達装置 - Google Patents

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JP6098111B2
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Description

本発明は、例えば自動車における入力軸からの駆動力を出力軸に伝達する駆動力伝達装置に関する。
従来の駆動力伝達装置として、例えば四輪駆動車に搭載され、一対の回転部材をクラッチによってトルク伝達可能に連結するようにしたものがある(例えば特許文献1参照)。
この駆動力伝達装置は、入力軸と共に回転する第1の回転部材と、第1の回転部材の軸線上で回転可能な第2の回転部材と、第2の回転部材と第1の回転部材とをトルク伝達可能に連結する摩擦式の第1のクラッチと、第1のクラッチに第1の回転部材及び第2の回転部材の軸線に沿って並列する電磁クラッチと、電磁クラッチの電磁力を受けて動作する摩擦式の第2のクラッチと、第2のクラッチのクラッチ動作によって第1の回転部材からの回転力を第1のクラッチ側への押付力に変換するカム機構とから構成されている。
第1の回転部材は、一方に開口する有底円筒状のフロントハウジング、及びこのハウジングの開口部に装着された円環状のリヤハウジングからなり、入力軸に連結されている。そして、第1の回転部材は、車両用のエンジンなど駆動源の駆動力を入力軸から受けて回転する。
第2の回転部材は、第1の回転部材にその軸線上で相対回転可能に配置され、かつ出力軸に連結されている。
第1のクラッチは、インナクラッチプレート及びアウタクラッチプレートを有し、第1の回転部材と第2の回転部材との間に配置されている。そして、第1のクラッチは、メインクラッチとして機能し、インナクラッチプレートとアウタクラッチプレートとが摩擦係合して第1の回転部材と第2の回転部材とをトルク伝達可能に連結する。
電磁クラッチは、第1の回転部材及び第2の回転部材の軸線上に配置されている。そして、電磁クラッチは、電磁力を発生させて第2のクラッチを動作させる。
第2のクラッチは、インナクラッチプレート及びアウタクラッチプレートを有し、メインクラッチの電磁クラッチ側に配置されている。そして、第2のクラッチは、電磁クラッチの電磁力を受けて動作するコントロールクラッチとして機能し、第1の回転部材の回転力をカム機構に付与する。
カム機構は、第1の回転部材からの回転力を第2のクラッチの径方向内側で受ける回転力受部、及び回転力受部の回転力によるカム作用によって発生するカム推力を押付力として第1のクラッチに付与する押付部を有し、第1の回転部材と第2の回転部材との間に配置されている。カム機構(回転力受部)の背面側(第1のクラッチ側とは反対側)には、カム推力の発生によってリヤハウジング側(押付部側とは反対側)に作用する反力を受けるスラスト軸受が配置されている。
以上の構成により、エンジン側からの駆動力が入力軸を介して第1の回転部材に入力されると、第1の回転部材がその軸線回りに回転する。ここで、電磁クラッチに通電すると、電磁クラッチの電磁力によって第2のクラッチが動作する。
次に、第2のクラッチの動作時に第1の回転部材からの回転力をカム機構が受けると、この回転力がカム機構によって押付力に変換され、この押付力が第1のクラッチに付与される。
そして、第1のクラッチのインナクラッチプレートとアウタクラッチプレートとが互いに接触して摩擦係合し、この摩擦係合によって第1の回転部材と第2の回転部材とがトルク伝達可能に連結される。これにより、エンジン側の駆動力が入力軸から駆動力伝達装置を介して出力軸に伝達される。
特開2008−261434号公報
ところで、上記した駆動力伝達装置においては、例えば装置取付構造の変更によって装置径方向寸法が制約を受け、第1の回転部材の外径と第2の回転部材の内径との寸法差を小さくする場合がある。
このように、特許文献1に示す駆動力伝達装置において装置径方向寸法が制約を受ける場合には、例えば第2のクラッチの径方向寸法を縮小して装置全体における径方向の小型化を図ることが考えられる。
しかし、上記した構造では、第2のクラッチの径方向寸法が縮小されているため、第2のクラッチによる磁路断面積が十分に確保されず、所望の駆動力伝達性能を得ることができない。
このため、従来の駆動力伝達装置においては、第2のクラッチの径方向寸法を縮小して装置全体における径方向の小型化を図ることが行われず、第2のクラッチの径方向寸法を縮小することなく、装置全体における径方向の小型化を図ることができる装置の出現が要望されていた。
従って、本発明の目的は、第2のクラッチの径方向寸法を縮小することなく、装置全体における径方向の小型化を図ることができる駆動力伝達装置を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために、(1)〜()の駆動力伝達装置を提供する。
(1)駆動源によって回転する第1の回転部材と、前記第1の回転部材にその回転軸線上で相対回転可能に配置された第2の回転部材と、前記第2の回転部材と前記第1の回転部材との間に介在して配置され、前記第1の回転部材と前記第2の回転部材とを断続可能に連結する第1のクラッチと、前記第1のクラッチに前記回転軸線上で並列して配置された第2のクラッチと、前記第2のクラッチのクラッチ動作による作動によって前記第1の回転部材からの回転力をカム推力に変換し、前記第1の回転部材の回転力を前記第2のクラッチから受けて回転するパイロットカム、及び前記第1のクラッチに前記カム推力を押付力として付与するメインカムを有するカム機構と、前記カム機構の前記パイロットカム側から前記第2のクラッチ側に前記カム推力の発生によって作用する反力を受け、前記第1のクラッチと前記第2のクラッチとの間に介在して配置された反力受部材とを備え、前記反力受部材は、前記第2のクラッチを構成するインナクラッチプレート及びアウタクラッチプレートのうちアウタクラッチプレートを連結するスプライン嵌合部の端面によって前記第2のクラッチ側に対する軸線方向の移動が、また前記スプライン嵌合部にピン取付部材を介して軸線回りに取り付けられた複数のピンによって軸線回りの回転がそれぞれ規制されている駆動力伝達装置。
(2)上記(1)に記載の駆動力伝達装置において、前記カム機構は、前記反力受部材に軸受を介して対向する円環状の基部、及び前記反力受部材を挿通する円筒状の回転力受部を前記パイロットカムに有し、前記第2のクラッチを構成するインナクラッチプレート及びアウタクラッチプレートのうちインナクラッチプレートを相対回転不能に連結するスプライン嵌合部が前記回転力受部に設けられている。
本発明によると、第2のクラッチの径方向寸法を縮小することなく、装置全体における径方向の小型化を図ることができる。
本発明の第1の実施の形態に係る駆動力伝達装置が搭載された車両の概略を説明するために示す平面図。 本発明の第1の実施の形態に係る駆動力伝達装置の全体を説明するために示す断面図。 本発明の第1の実施の形態に係る駆動力伝達装置の要部を説明するために示す断面図。 (a)及び(b)は、本発明の第1の実施の形態に係る駆動力伝達装置における反力受部材を説明するために示す側面図とA−A断面図。(a)は側面図を、また(b)はA−A断面図をそれぞれ示す。 (a)及び(b)は、本発明の第1の実施の形態に係る駆動力伝達装置におけるピン取付部材を説明するために示す側面図とB−B断面図。(a)は側面図を、また(b)はB−B断面図をそれぞれ示す。 (a)及び(b)は、本発明の第1の実施の形態に係る駆動力伝達装置における反力受部材の取付方法を説明するために示す断面図。(a)は反力受部材の回転操作前を、また(b)は反力受部材の回転操作後をそれぞれ示す。 本発明の第2の実施の形態に係る駆動力伝達装置の要部を説明するために示す断面図。
[第1の実施の形態]
図1は四輪駆動車の概略を示す。図1に示すように、四輪駆動車200は、駆動力伝達系201,エンジン202,トランスミッション203,主駆動輪としての前輪204L,204R及び補助駆動輪としての後輪205L,205Rを備えている。
駆動力伝達系201は、四輪駆動車200におけるトランスミッション203側から後輪205L,205R側に至る駆動力伝達経路にフロントディファレンシャル206及びリヤディファレンシャル207と共に配置され、かつ四輪駆動車200の車体(図示せず)に搭載されている。
そして、駆動力伝達系201は、駆動力伝達装置1,プロペラシャフト2及び駆動力断続装置3を有し、四輪駆動車200の四輪駆動状態を二輪駆動状態に、また二輪駆動状態を四輪駆動状態にそれぞれ切り替え可能に構成されている。駆動力伝達装置1の詳細については後述する。
フロントディファレンシャル206は、前輪側のアクスルシャフト208L,208Rに連結されたサイドギヤ209L,209R、サイドギヤ209L,209Rにギヤ軸を直交させて噛合する一対のピニオンギヤ210、一対のピニオンギヤ210を支持するギヤ支持部材211、及びギヤ支持部材211,一対のピニオンギヤ210,サイドギヤ209L・209Rを収容するフロントデフケース212を有し、トランスミッション203と駆動力断続装置3との間に配置されている。
リヤディファレンシャル207は、後輪側のアクスルシャフト213L,213Rに連結されたサイドギヤ214L,214R、サイドギヤ214L,214Rにギヤ軸を直交させて噛合する一対のピニオンギヤ215、一対のピニオンギヤ215を支持するギヤ支持部材216、及びギヤ支持部材216,一対のピニオンギヤ215,サイドギヤ214L・214Rを収容するリヤデフケース217を有し、プロペラシャフト2と駆動力伝達装置1との間に配置されている。
エンジン202は、トランスミッション203及びフロントディファレンシャル206を介して前輪側のアクスルシャフト208L,208Rに駆動力を出力することにより前輪204L,204Rを駆動する。
また、エンジン202は、トランスミッション203,駆動力断続装置3,プロペラシャフト2及びリヤディファレンシャル207を介して一方の後輪側のアクスルシャフト213Lに駆動力を出力することにより一方の後輪205Lを、トランスミッション203,駆動力断続装置3,プロペラシャフト2,リヤディファレンシャル207及び駆動力伝達装置1を介して他方の後輪側のアクスルシャフト213Rに駆動力を出力することにより他方の後輪205Rをそれぞれ駆動する。
プロペラシャフト2は、リヤディファレンシャル207と駆動力断続装置3との間に配置されている。そして、プロペラシャフト2は、エンジン202の駆動力をフロントデフケース212から受けて前輪204L,204R側から後輪205L,205R側に伝達する。
プロペラシャフト2の前輪側端部には、互いに噛合するドライブピニオン60及びリングギヤ61からなる前輪側の歯車機構6が配置されている。プロペラシャフト2の後輪側端部には、互いに噛合するドライブピニオン70及びリングギヤ71からなる後輪側の歯車機構7が配置されている。
駆動力断続装置3は、フロントデフケース212に対して回転不能な第1のスプライン歯部3a、リングギヤ61に対して回転不能な第2のスプライン歯部3b、及び第1のスプライン歯部3a,第2のスプライン歯部3bにスプライン嵌合可能なスリーブ3cを有する例えばドグクラッチからなり、四輪駆動車200の前輪204L,204R側に配置され、かつアクチュエータ(図示せず)を介して車両用のECU(Electronic Control Unit:図示せず)に接続されている。そして、駆動力断続装置3は、プロペラシャフト2とフロントデフケース212とを断続可能に連結する。
(駆動力伝達装置1の全体構成)
図2は駆動力伝達装置の全体を示す。図3は駆動力伝達装置の要部を示す。図2及び図3に示すように、駆動力伝達装置1は、第1のクラッチとしてのメインクラッチ8,電磁クラッチ9,第2のクラッチとしてのパイロットクラッチ10,ハウジング12,インナシャフト13,カム機構15及び反力受部材16を有し、四輪駆動車200(図1に示す)の後輪205R(図1に示す)側に配置されている。
また、駆動力伝達装置1は、プロペラシャフト2と後輪側のアクスルシャフト213L(図1に示す)とを連結する位置に配置されている。そして、駆動力伝達装置1は、プロペラシャフト2(図1に示す)と後輪側のアクスルシャフト213R(図1に示す)とを断続可能に連結する。
これにより、駆動力伝達装置1による連結時には、一方の後輪側のアクスルシャフト213Lとプロペラシャフト2とが歯車機構7及びリヤディファレンシャル207(共に図1に示す)を介して、また他方の後輪側のアクスルシャフト213Rとプロペラシャフト2とが歯車機構7,リヤディファレンシャル207及び駆動力伝達装置1を介してそれぞれトルク伝達可能に連結される。一方、駆動力伝達装置1による連結の解除時には、一方の後輪側のアクスルシャフト213Lとプロペラシャフト2とが歯車機構7及びリヤディファレンシャル207を介して連結されたままであるが、他方の後輪側のアクスルシャフト213Rとプロペラシャフト2との連結が遮断される。
(メインクラッチ8の構成)
メインクラッチ8は、複数のインナクラッチプレート80及び複数のアウタクラッチプレート81を有する摩擦式の多板クラッチからなり、第1の回転部材としてのハウジング12と第2の回転部材としてのインナシャフト13との間に介在して配置されている。そして、メインクラッチ8は、インナクラッチプレート80及びアウタクラッチプレート81のうち互いに隣り合う内外のクラッチプレート同士を摩擦係合させ、またその摩擦係合を解除してハウジング12とインナシャフト13とを断続可能に連結する。
インナクラッチプレート80及びアウタクラッチプレート81は、回転軸線Oに沿って交互に配置され、全体が環状の摩擦板によって形成されている。インナクラッチプレート80及びアウタクラッチプレート81のうち互いに隣り合う2つのクラッチプレート間のクリアランスは、四輪駆動車200(図1に示す)の二輪駆動時に潤滑油の粘性に基づく引き摺りトルクによってクラッチプレート同士が摩擦係合しない寸法に設定されている。
インナクラッチプレート80は、その内周部にストレートスプライン嵌合部80aを有し、ストレートスプライン嵌合部80aをインナシャフト13のストレートスプライン嵌合部13dに嵌合させてインナシャフト13に相対回転不能かつ相対移動可能に連結されている。
インナクラッチプレート80には、その円周方向に沿って並列し、かつ回転軸線O方向に開口する複数の油孔(図示せず)が設けられている。複数のインナクラッチプレート80のうち電磁クラッチ側最端部のインナクラッチプレートは、メインクラッチ8の入力部として機能し、カム機構15のメインカム151(後述)からアウタクラッチプレート81側にカム推力Pを押付力として受けると、この押付方向への移動によって互いに隣り合うインナクラッチプレート80とアウタクラッチプレート81とを摩擦係合させる。
アウタクラッチプレート81は、その外周部にストレートスプライン嵌合部81aを有し、ストレートスプライン嵌合部81aをフロントハウジング18(第1のフロントハウジングエレメント20)のストレートスプライン嵌合部20a(後述)に嵌合させてハウジング12に相対回転不能かつ相対移動可能に連結されている。
(電磁クラッチ9の構成)
電磁クラッチ9は、電磁コイル90及びアーマチャ91を有し、メインクラッチ8にハウジング12の回転軸線O上で並列して配置されている。そして、電磁クラッチ9は、ハウジング12の回転時に電磁力Fの発生によるアーマチャ91の電磁コイル90側への移動によってパイロットクラッチ10を作動させ、パイロットクラッチ10のインナクラッチプレート100とアウタクラッチプレート101とを互いに摩擦係合させる。
電磁コイル90は、車両用のECUに接続され、かつコイルホルダ27内に合成樹脂製のボビン(図示せず)を介して保持されている。そして、電磁コイル90は、通電によってコイルホルダ27,リヤハウジング19,パイロットクラッチ10及びアーマチャ91等に跨って磁気回路Mを形成し、アーマチャ91にリヤハウジング19側への移動力を付与するための電磁力Fを発生させる。
アーマチャ91は、ピン取付部材31(後述)とパイロットクラッチ10との間に介在して配置され、かつハウジング12の収容空間12aに収容され、全体が鉄等の磁性材料からなる環状板によって形成されている。そして、アーマチャ91は、電磁コイル90の電磁力Fを受け、リヤハウジング19側に回転軸線Oに沿って移動する。アーマチャ91の外周面には、ハウジング12(フロントハウジング18)における第2のフロントハウジングエレメント21のストレートスプライン嵌合部21a(後述)に嵌合するストレートスプライン嵌合部91aが設けられている。
(パイロットクラッチ10の構成)
パイロットクラッチ10は、インナクラッチプレート100及びアウタクラッチプレート101を有し、アーマチャ91とリヤハウジング19との間における回転軸線O上でメインクラッチ8に並列して配置され、かつハウジング12の収容空間12aに収容されている。そして、パイロットクラッチ10は、インナクラッチプレート100及びアウタクラッチプレート101のうち互いに隣り合う内外のクラッチプレート同士を摩擦係合させ、またその摩擦係合を解除してフロントハウジング18とカム機構15(パイロットカム150)とを断続可能に連結する。
インナクラッチプレート100及びアウタクラッチプレート101は、回転軸線Oに沿って交互に配置され、全体が環状の摩擦板によって形成されている。
インナクラッチプレート100は、その内周部にストレートスプライン嵌合部100aを有し、ストレートスプライン嵌合部100aをカム機構15におけるパイロットカム150のストレートスプライン嵌合部1500b(後述)に嵌合させてパイロットカム150に相対回転不能かつ相対移動可能に連結されている。
アウタクラッチプレート101は、その外周部にストレートスプライン嵌合部101aを有し、ストレートスプライン嵌合部101aをストレートスプライン嵌合部21a(後述)に嵌合させてフロントハウジング18(第2のフロントハウジングエレメント21)に相対回転不能かつ相対移動可能に連結されている。
(ハウジング12の構成)
ハウジング12は、フロントハウジング18及びリヤハウジング19からなり、他方の後輪側のアクスルシャフト213L(図1に示す)の軸線(回転軸線O)上に配置され、かつサイドギヤ214R(図1に示す)に連結されている。ハウジング12には、その内周面とインナシャフト13の外周面との間に介在する収容空間12aが設けられている。
フロントハウジング18は、第1のフロントハウジングエレメント20及び第2のフロントハウジング21からなり、リヤハウジング19の開口内周面に取り付けられ、かつインナシャフト13の外周面に玉軸受25を介して回転可能に支持されている。そして、フロントハウジング18は、エンジン202(図1に示す)からの回転駆動力を受けてリヤハウジング19と共に回転軸線Oの回りに回転する。
第1のフロントハウジングエレメント20は、フロントハウジング18のリヤディファレンシャル207(図1に示す)側に配置され、全体が第2のフロントハウジングエレメント21側に開口する有底円筒部材によって形成されている。第1のフロントハウジングエレメント20には、ハウジング12の収容空間12aに露出するストレートスプライン嵌合部20aが設けられている。また、第1のフロントハウジングエレメント20には、リヤディファレンシャル207のサイドギヤ214Rにスプライン嵌合する軸部20bが設けられている。
第2のフロントハウジングエレメント21は、フロントハウジング18のアクスルシャフト213R側に配置され、かつ第1のフロントハウジングエレメント20に例えば溶接によって取り付けられ、全体が軸線両方向に開口する例えばステンレス鋼等の非磁性材料からなる無底円筒部材によって形成されている。第2のフロントハウジングエレメント21の材料としては、ステンレス鋼に代えてアルミニウムを用いてもよい。第2のフロントハウジングエレメント21の内周面には、リヤハウジング19側でハウジング12の収容空間12aに露出するストレートスプライン嵌合部21aがパイロットクラッチ10に対するクラッチプレート用の連結部として設けられている。ストレートスプライン嵌合部21aは、第1のフロントハウジングエレメント21のストレートスプライン嵌合部20aに軸線方向に所定の間隔をもって配置されている。第2のフロントハウジングエレメント21の外周面には、リヤハウジング19の内周面との間に介在するシール部材26が取り付けられている。
リヤハウジング19は、第1〜第3のリヤハウジングエレメント22〜24からなり、フロントハウジング18(第2のフロントハウジングエレメント21)の開口外周面に取り付けられ、かつコイルホルダ27に玉軸受28を介して回転可能に支持されている。
第1のリヤハウジングエレメント22は、リヤハウジング19の内周側に配置され、かつインナシャフト13の外周面に玉軸受29を介して回転可能に支持され、全体が軟鉄等の磁性材料からなる無底円筒部材によって形成されている。第1のリヤハウジングエレメント22の内周面には、インナシャフト13の外周面との間に介在するシール部材30が取り付けられている。
第2のリヤハウジングエレメント23は、リヤハウジング19の外周側に配置され、全体が第1のリヤハウジングエレメント22と同様に軟鉄等の磁性材料からなる円筒部材によって形成されている。
第3のリヤハウジングエレメント24は、第1のリヤハウジングエレメント22と第2のリヤハウジングエレメント23との間に介在して配置され、全体がステンレス鋼等の非磁性材料からなるハウジングエレメント連結用の円環部材によって形成されている。
(インナシャフト13の構成)
インナシャフト13は、ハウジング12に回転軸線Oに沿って相対回転可能に配置され、かつ一部がハウジング12の収容空間12aに収容され、全体が軸線両方向に開口する円筒部材によって形成されている。インナシャフト13には、軸線方向に互いに並列する2室13a,13bに内部空間を仕切る仕切部13cが設けられている。一方の室13aはインナシャフト13の軸線方向一方側(第1のフロントハウジングエレメント20側)に、また他方の室13bはインナシャフト13の軸線方向他方側(リヤアクスルシャフト213R側)にそれぞれ開口されている。他方の室13bの内周面には、リヤアクスルシャフト213Rをスプライン嵌合させるストレートスプライン嵌合部130bが設けられている。インナシャフト13の外周面には、ハウジング12の収容空間12aに露出するストレートスプライン嵌合部13dが設けられている。
(カム機構15の構成)
カム機構15は、パイロットカム150,メインカム151及びカムフォロア152を有し、メインクラッチ8と反力受部材16との間に介在して配置され、かつハウジング12の収容空間12aに収容されている。そして、カム機構15は、パイロットクラッチ10のクラッチ動作による作動によってハウジング12からの回転力をメインクラッチ8のクラッチ動作力(摩擦係合力)となる押付力(カム推力)Pに変換する。
パイロットカム150は、基部150a及び回転力受部150bからなり、インナシャフト13の外周囲に回転可能に配置され、かつ反力受部材16にスラスト軸受としての針状ころ軸受32及び間隔調整用のシム33を介して回転可能に支持されている。そして、パイロットカム150は、カム機構15の作動時にメインカム151との間にカム推力Pを発生させてメインクラッチ8に出力する。
基部150aは、メインカム151にカムフォロア152を介して対向し、パイロットカム150のメインクラッチ8側に配置され、全体がインナシャフト13を挿通させる円環部材によって形成されている。基部150aには、円周方向に等間隔をもって並列し、かつカムフォロア152側に開口する複数(実施の形態では例えば6個)のカム溝1500aが設けられている。複数のカム溝1500aは、その中立位置からパイロットカム150の円周方向に沿って軸線方向の深さが漸次浅くなる凹溝によって形成されている。
回転力受部150bは、パイロットカム150のパイロットクラッチ10側に配置され、全体がインナシャフト13を挿通させる円筒部材によって形成されている。回転力受部150bの外周面には、パイロットカム10のインナクラッチプレート100を相対回転不能に連結するストレートスプライン嵌合部1500bが設けられている。
メインカム151は、クラッチプレート押付部151aをメインクラッチ8側に有し、インナシャフト13に相対移動可能に回転軸線Oに沿って配置され、全体がインナシャフト13を挿通させる円環部材によって形成されている。そして、メインカム151は、電磁コイル90の通電状態においてカム機構15の作動によるカム作用によって、すなわちパイロットカム150の回転によって発生するカム推力Pをカムフォロア152から受けてメインクラッチ8側(互いに隣り合うインナクラッチプレート80及びアウタクラッチプレート81を嵌合させる方向)に移動し、メインクラッチ8の入力側のインナクラッチプレート80にクラッチプレート押付部151aを押し付ける。
メインカム151には、円周方向に等間隔をもって並列し、かつカムフォロア152側に開口する複数(実施の形態では例えば6個)のカム溝151bが設けられている。複数のカム溝151bは、その中立位置からメインカム151の円周方向に沿って軸線方向の深さが漸次浅くなる凹溝によって形成されている。メインカム151の内周面には、インナシャフト13のストレートスプライン嵌合部13dに相対回転不能かつ相対移動可能にスプライン嵌合する151cが設けられている。
カムフォロア152は、パイロットカム150のカム溝1500aとメインカム151のカム溝151bとの間に介在して配置され、かつリテーナ(図示せず)によって転動可能に保持されている。
(反力受部材16の構成)
図4(a)及び(b)は反力受部材を示す。図3及び図4(a),(b)に示すように、反力受部材16は、パイロットカム150の基部150aの背面側(パイロットクラッチ10側)でメインクラッチ8とパイロットクラッチ10との間に、すなわち針状ころ軸受32とフロントハウジング18(第2のフロントハウジングエレメント21)のストレートスプライン嵌合部21a(スプライン歯210a:図6に示す)のメインクラッチ側端面2100aとの間に介在して配置され、全体がパイロットカム150の回転力受部150bを挿通させる円環部材によって形成されている。また、反力受部材16は、第2のフロントハウジングエレメント21にピン取付部材31及び複数の連結ピン34を介して相対回転不能に連結されている。これにより、反力受部材16の軸線回りの回転が規制される。そして、反力受部材16は、カム機構15の作動によるカム推力Pの発生によってパイロットカム150からパイロットクラッチ10側に作用する反力を受ける。
反力受部材16の外周面には、フロントハウジング18における第2のフロントハウジングエレメント21のストレートスプライン嵌合部21aにスプライン嵌合可能なストレートスプライン部16aが設けられている。ストレートスプライン部16aには、ストレートスプライン嵌合部21aを構成する複数のスプライン歯210aに対向する複数のスプライン歯160aが設けられている。これにより、反力受部材16は、スプライン歯160aのパイロットクラッチ側端面1600aがスプライン歯210aのメインクラッチ側端面2100aに当接してパイロットクラッチ10側への軸線方向の移動が規制される。また、反力受部材16は、そのメインクラッチ側端面が針状ころ軸受32に当接してメインクラッチ8側への軸線方向の移動が規制される。
反力受部材16の幅方向略中央部には、例えばその中心Oとスプライン歯160aにおける歯先の幅方向中央部位Wとを結ぶ線分L上でパイロットクラッチ10側に開口し、かつ円周方向に等間隔をもって並列する複数(実施の形態では例えば3個)の凹孔16bが設けられている。複数の凹孔16bは、複数の連結ピン34の外径dよりも僅かに大きい内径D(D>d)をもつ丸孔によって形成されている。
図5(a)及び(b)はピン取付部材を示す。図3及び図5(a),(b)に示すように、ピン取付部材31は、カム機構15(パイロットカム150)における回転力受部150bの外周囲で反力受部材16とアーマチャ91との間に介在して配置され、全体がパイロットカム150の回転力受部150bを挿通させる円環部材によって形成されている。
ピン取付部材31の外周面には、フロントハウジング18における第2のフロントハウジングエレメント21のストレートスプライン嵌合部21aにスプライン嵌合するストレートスプライン嵌合部31aが設けられている。ストレートスプライン嵌合部31aには、第2のフロントハウジングエレメント21に対する反力受部材16の取付状態において複数のスプライン歯160aに対向する複数のスプライン歯310aが設けられている。
ピン取付部材31の幅方向略中央部には、例えばその中心Oと複数のスプライン歯310aにおける歯底の周方向略中央部位Wとを結ぶ線分L上で貫通し、かつ円周方向に等間隔をもって並列する複数(実施の形態では例えば3個)のピン挿通孔31bが設けられている。複数のピン挿通孔31bは、ピン取付部材31に対する反力受部材16の連結状態においてそれぞれが凹孔16bに連結ピン34を介して合致し、かつ連結ピン34の外径dよりも僅かに小さい内径D(D<d<D)をもつ丸孔によって形成されている。複数のピン挿通孔31bは、第2のフロントハウジングエレメント21のストレートスプライン嵌合部21aに対するピン取付部材31のストレートスプライン嵌合部31a及び反力受部材16のストレートスプライン部16aの嵌合状態において複数の凹孔16bのうち最も近接する凹孔から所定の周方向寸法t(例えばスプライン歯310aにおける円周ピッチの半分の寸法)だけ離間する部位に配置されている。
複数の連結ピン34は、それぞれがピン挿通孔31bを圧入によって挿通した状態でピン取付部材31に取り付けられている。そして、複数の連結ピン34は、全体が略均一な外径をもつ丸形ピンによって形成され、ピン取付部材31に反力受部材16を連結する。
次に、ハウジングに対する反力受部材の取付方法につき、図3及び図6(a),(b)を用いて説明する。図6(a)及び(b)は反力受部材の回転操作前後を示す。
本実施の形態に示す反力受部材の取付方法は、「反力受部材の軸線方向の位置決め」及び「反力受部材の軸線回りの位置決め」の各工程が順次実施されるため、これら各工程を順次説明する。なお、図3に示すカム機構15及び針状ころ軸受32等は、ハウジング12の収容空間12aにおける所定の位置に予め収容されているものとする。
「反力受部材の軸線方向の位置決め」
先ず、フロントハウジング18(第2のフロントハウジングエレメント21)のストレートスプライン嵌合部21aに反力受部材16のストレートスプライン部16aを嵌合させる。
次いで、針状ころ軸受32に当接するまでカム機構15側(針状ころ軸受32側)に反力受部材16を移動させてストレートスプライン部16aとストレートスプライン嵌合部21aとの嵌合状態を解除する。ストレートスプライン部16aとストレートスプライン嵌合部21aとの嵌合状態が解除されると、反力受部材16がストレートスプライン嵌合部21aのカム機構15側に配置される。
しかる後、図6(a)に示す位置から図6(b)に示す位置(凹孔16bの軸線がピン挿通孔31bの軸線に合致する位置)まで反力受部材16を軸線回りに周方向寸法tだけ回転させることにより、ストレートスプライン嵌合部16aのスプライン歯160aがストレートスプライン嵌合部21aのスプライン歯210aに対向する位置(図6(b)に示す位置)に反力受部材16を配置する。この場合、反力受部材16が図6(b)に示す位置に配置されると、反力受部材16の軸線方向の位置決めが行われる。
「反力受部材の軸線回りの位置決め」
先ず、複数の連結ピン34が取り付けられたピン取付部材31のストレートスプライン嵌合部31aをフロントハウジング18(第2のフロントハウジングエレメント21)のストレートスプライン嵌合部21aに嵌合させる。この場合、ストレートスプライン嵌合部31aがストレートスプライン嵌合部21aに嵌合すると、反力受部材16の凹孔16bに連結ピン34を合致させる位置にピン取付部材31が配置される。
次に、複数の連結ピン34が各凹孔16bに嵌合する位置までピン取付部材31をカム機構15側に移動させる。この場合、ピン取付部材31が連結ピン34と凹孔16bとの嵌合位置に移動すると、反力受部材16の軸線回りの位置決めが行われる。
〔駆動力伝達装置1の動作〕
次に、本実施の形態に示す駆動力伝達装置の動作につき、図1及び図2を用いて説明する。
図1において、四輪駆動車200の二輪駆動時には、エンジン202の回転駆動力がトランスミッション203を介してフロントディファレンシャル206に伝達される。そして、フロントディファレンシャル206から前輪側のアクスルシャフト208L,208Rを介して前輪204L,204Rにエンジン202の回転駆動力が伝達され、前輪204L,204Rが回転駆動される。この場合、プロペラシャフト2と後輪側のアクスルシャフト213Lとは、リヤディファレンシャル207等を介してトルク伝達可能に常時連結されている。
ここで、ECUの制御に基づく電磁クラッチ9の駆動制御によって電磁コイル90に供給される電力量を漸次増加させ、カム機構15のメインカム151をメインクラッチ8側(インナクラッチプレート80とアウタクラッチプレート81とが互いに摩擦係合する方向)に移動させると、メインクラッチ8のインナクラッチプレート80とアウタクラッチプレート81とが摩擦係合され、駆動力伝達装置1によるプロペラシャフト2と後輪側のアクスルシャフト213Rとの連結が実行される。
この後、駆動力断続装置3によってフロントデフケース212とプロペラシャフト2とをトルク伝達可能に連結する。
これにより、四輪駆動車200の走行中において二輪駆動状態から四輪駆動状態への切り替えが行われる。
本実施の形態においては、カム機構15の作動時にカム推力Pの発生によってパイロットカム150からパイロットクラッチ10側に作用する反力を受ける反力受部材16がパイロットカム150の基部150aとの間に針状ころ軸受32を介在させてハウジング12の収容空間12aに収容されているため、駆動力伝達装置1の径方向寸法を縮小することができる。
一方、四輪駆動車200の走行中における四輪駆動状態から二輪駆動状態への切替時には、駆動力断続装置3によるフロントディファレンシャル206とプロペラシャフト2との連結が行われているため、プロペラシャフト2が回転状態である。
ここで、ECU5の制御に基づく電磁クラッチ9の駆動制御によって電磁コイル90に供給される電力量を漸次減少させ、カム機構15のメインカム151をメインクラッチ8側と反対側(インナクラッチプレート80とアウタクラッチプレート81との摩擦係合が解除される方向)に移動させると、メインクラッチ8のインナクラッチプレート80とアウタクラッチプレート81との摩擦係合が解除される。
これに伴い、駆動力伝達装置1によるプロペラシャフト2と後輪側のアクスルシャフト213Rとの連結の解除が実行され、プロペラシャフト2から後輪側アクスルシャフト213Rへのトルク伝達が遮断される。
この後、駆動力断続装置3によるフロントディファレンシャル206とプロペラシャフト2との連結の解除が実行され、プロペラシャフト2側から後輪側のアクスルシャフト213Lへのトルク伝達が遮断される。
これにより、四輪駆動車200の走行中における四輪駆動状態から二輪駆動状態への切り替えが行われる。
[第1の実施の形態の効果]
以上説明した第1の実施の形態によれば、次に示す効果が得られる。
反力受部材16がパイロットカム150の基部150aとの間に針状ころ軸受32を介在させてハウジング12の収容空間12aに収容されているため、パイロットクラッチ10の径方向寸法を縮小することなく、駆動力伝達装置1の径方向寸法を縮小することができ、駆動力伝達装置1における径方向の小型化を図ることができる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2実施の形態に係る駆動力伝達装置につき、図7を用いて説明する。図7は駆動力伝達装置の要部を示す。図7において、図2と同一又は同等の機能をもつ部材については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図7に示すように、本発明の第2の実施の形態に係る駆動力伝達装置300おいて、反力受部材301は、止め輪302によってパイロットクラッチ10側に対する軸線方向の移動が、またストレートスプライン嵌合部21Aへのスプライン嵌合によって軸線回りの回転がそれぞれ規制されている点に特徴がある。
このため、反力受部材301は、ストレートスプライン嵌合部301aを有し、針状ころ軸受32と止め輪302との間に介在して配置され、全体がカム機構15における回転力受部150bを挿通させる円環部材によって形成されている。ストレートスプライン嵌合部301aは、第2のフロントハウジングエレメント21におけるスプライン嵌合部21Aにスプライン嵌合し、反力受部材301の外周面に設けられている。これにより、反力受部材301の軸線回りの回転が規制される。
ストレートスプライン嵌合部21Aは、第1のフロントハウジングエレメント20のストレートスプライン嵌合部20a側に延在(延伸)させることにより、軸線方向寸法が第1の実施の形態に示すストレートスプライン嵌合部21aの軸線方向寸法よりも大きい寸法に設定されている。
ストレートスプライン嵌合部21Aには、各スプライン歯210Aの一部を切り欠くことにより複数の凹溝211Aが設けられている。複数の凹溝211Aは、ストレートスプライン嵌合部21Aの内周面における同一の円周上に配置されている。
止め輪302は、例えばスナップリングからなり、一部を複数の凹溝211Aに嵌合させてストレートスプライン嵌合部21Aに取り付けられている。これにより、反力受部材301は、パイロットクラッチ10に対する軸線方向の移動が止め輪302で規制される。また、反力受部材301は、メインクラッチ8に対する軸線方向の移動が針状ころ軸受32で規制される。
このように構成された駆動力伝達装置300において、ハウジング12に対する反力受部材301の取り付けは、次に示すようにして行われる。
先ず、反力受部材301のストレートスプライン嵌合部301aを第2のフロントハウジングエレメント21におけるストレートスプライン嵌合部21Aに嵌合させる。次いで、反力受部材301を針状ころ軸受32に当接するまでカム機構15側(針状ころ軸受32側)に移動させ、この当接位置に反力受部材301を配置する。しかる後、ストレートスプライン嵌合部21Aに止め輪302を取り付ける。
このようにして、反力受部材301を軸線方向及び軸線回りに位置決めして第2のフロントハウジングエレメント21(ハウジング12)に取り付けることができる。
本実施の形態においては、ハウジング12に対する反力受部材301の取り付けが止め輪302を用いて行うことができるため、従来必要としたピン取付部材31及び連結ピン34が不要になり、部品点数を削減することができる。
また、本実施の形態においては、ハウジング12に対して反力受部材301を取り付けるにあたり、反力受部材301の回転動作や連結ピン34による嵌合動作が不要になるため、部材取付時の動作数(工程数)を削減することができる。
[第2の実施の形態の効果]
以上説明した第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態に示す効果と同様の効果が得られる。すなわち、反力受部材301がパイロットカム150の基部150aとの間に針状ころ軸受32を介在させてハウジング12の収容空間12aに収容されているため、パイロットクラッチ10の径方向寸法を縮小することなく、駆動力伝達装置300の径方向寸法を縮小することができ、駆動力伝達装置300における径方向の小型化を図ることができる。
また、第2の実施の形態においては、上記した効果に加え、次に示す効果が得られる。すなわち、反力受部材301の取付時に従来必要としたピン取付部材31及び連結ピン34が不要になるとともに、反力受部材301の回転動作や連結ピン34による嵌合動作が不要になるため、部品点数及び工程数を削減することができ、コストの低廉化を図ることができる。
以上、本発明の駆動力伝達装置を上記実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能であり、例えば次に示すような変形も可能である。
上記実施の形態では、ハウジング12がプロペラシャフト2側(入力軸側)に、またインナシャフト13がリヤアクスルシャフト213R側(出力軸側)にそれぞれ連結されている場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、ハウジングを出力軸側に、またインナシャフトを入力軸側にそれぞれ連結しても本実施の形態と同様の効果を奏する。
1…駆動力伝達装置、2…プロペラシャフト、3…駆動力断続装置、3a…第1のスプライン歯部、3b…第2のスプライン歯部、3c…スリーブ、8…メインクラッチ、80…インナクラッチプレート、80a…ストレートスプライン嵌合部、81…アウタクラッチプレート、81a…ストレートスプライン嵌合部、9…電磁クラッチ、90…電磁コイル、91…アーマチャ、91a…ストレートスプライン嵌合部、10…パイロットクラッチ、100…インナクラッチプレート、100a…ストレートスプライン嵌合部、101…アウタクラッチプレート、101a…ストレートスプライン嵌合部、12…ハウジング、12a…収容空間、18…フロントハウジング、19…リヤハウジング、20…第1のフロントハウジングエレメント、20a…ストレートスプライン嵌合部、20b…軸部、21…第2のフロントハウジングエレメント、21a,21A…ストレートスプライン嵌合部、210a,210A…スプライン歯、2100a…メインクラッチ側端面、211A…凹溝、22…第1のリヤハウジングエレメント、23…第2のリヤハウジングエレメント、24…第3のリヤハウジングエレメント、13…インナシャフト、13a,13b…室、130b…ストレートスプライン嵌合部、13c…仕切部、13d…ストレートスプライン嵌合部、15…カム機構、150…パイロットカム、150a…基部、1500a…カム溝、150b…回転力受部、1500b…ストレートスプライン嵌合部、151…メインカム、151a…クラッチプレート押付部、151b…カム溝、151c…ストレートスプライン嵌合部、152…カムフォロア、16…反力受部材、16a…ストレートスプライン部、160a…スプライン歯、1600a…パイロットクラッチ側端面、16b…凹孔、25…玉軸受、26…シール部材、27…コイルホルダ、28,29…玉軸受、30…シール部材、31…ピン取付部材、31a…ストレートスプライン嵌合部、310a…スプライン歯、31b…ピン挿通孔、32…針状ころ軸受、33…シム、34…連結ピン、6…歯車機構、60…ドライブピニオン、61…リングギヤ、7…歯車機構、70…ドライブピニオン、71…リングギヤ、300…駆動力伝達装置、301…反力受部材、301a…ストレートスプライン嵌合部、302…止め輪、200…四輪駆動車、201…駆動力伝達系、202…エンジン、203…トランスミッション、204L,204R…前輪、205L,205R…後輪、206…フロントディファレンシャル、207…リヤディファレンシャル、208L,208R…前輪側のアクスルシャフト、209L,209R…サイドギヤ、210…ピニオンギヤ、211…ギヤ支持部材、212…フロントデフケース、213L,213R…後輪側のアクスルシャフト、214L,214R…サイドギヤ、215…ピニオンギヤ、216…ギヤ支持部材、217…リヤデフケース、O…回転軸線、F…電磁力、P…カム推力、M…磁気回路、O…中心、W…中央部位、L…線分、O…中心、W…周方向略中央部位、L…線分、d…外径、D…内径、D…内径、t…周方向寸法

Claims (2)

  1. 駆動源によって回転する第1の回転部材と、
    前記第1の回転部材にその回転軸線上で相対回転可能に配置された第2の回転部材と、
    前記第2の回転部材と前記第1の回転部材との間に介在して配置され、前記第1の回転部材と前記第2の回転部材とを断続可能に連結する第1のクラッチと、
    前記第1のクラッチに前記回転軸線上で並列して配置された第2のクラッチと、
    前記第2のクラッチのクラッチ動作による作動によって前記第1の回転部材からの回転力をカム推力に変換し、前記第1の回転部材の回転力を前記第2のクラッチから受けて回転するパイロットカム、及び前記第1のクラッチに前記カム推力を押付力として付与するメインカムを有するカム機構と、
    前記カム機構の前記パイロットカム側から前記第2のクラッチ側に前記カム推力の発生によって作用する反力を受け、前記第1のクラッチと前記第2のクラッチとの間に介在して配置された反力受部材と
    を備え
    前記反力受部材は、前記第2のクラッチを構成するインナクラッチプレート及びアウタクラッチプレートのうちアウタクラッチプレートを連結するスプライン嵌合部の端面によって前記第2のクラッチ側に対する軸線方向の移動が、また前記スプライン嵌合部にピン取付部材を介して軸線回りに取り付けられた複数のピンによって軸線回りの回転がそれぞれ規制されている
    駆動力伝達装置。
  2. 前記カム機構は、前記反力受部材に軸受を介して対向する円環状の基部、及び前記反力受部材を挿通する円筒状の回転力受部を前記パイロットカムに有し、前記第2のクラッチを構成するインナクラッチプレート及びアウタクラッチプレートのうちインナクラッチプレートを相対回転不能に連結するスプライン嵌合部が前記回転力受部に設けられている請求項1に記載の駆動力伝達装置。
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