JP6095881B2 - 甘味増強に関する方法 - Google Patents
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Description
本発明は、新規な甘味受容体タンパク質に基づいたアッセイによる、ヒトの味覚応答を調節可能な剤(特に甘味増強剤)の同定、前記甘味受容体タンパク質を形成する核酸構築物を含む異種発現系、およびスクリーニングにおける甘味受容体タンパク質の利用に関する。甘味増強剤は一部の食物をより口当たりのよいものとし、または経口薬剤および栄養補助食品に対する患者コンプライアンスを増大させる。かかる甘味増強剤には、ヒトにおける味覚応答を誘発する甘味料を含む。
その最初の側面において、本発明は、剤が、甘味閾値よりも上の濃度の、知られたまたは事前に決定された甘味物質と、甘味閾値の近傍または僅かに下の濃度で混合された場合に、前記剤と前記知られたまたは事前に決定された甘味物質との混合物の甘味を、前記甘味物質のみまたは前記剤のみ含有する混合物の甘味と比較して相加的よりも増強する剤であって、前記剤が、前記剤の存在下での味覚受容体の活性アッセイによって生成されるシグナルと前記剤の非存在下での味覚受容体の活性アッセイによって生成されるシグナルとを比較して同定可能であり、前記味覚受容体の活性アッセイが、味覚受容体のビーナスフライトラップドメインに結合する剤を除外しながら、味覚受容体の膜貫通ドメインに結合する剤を同定することを含む、前記剤を含む。
a)自身のビーナスフライトラップドメインを欠損したT1R2および/または自身のビーナスフライトラップドメインを欠損したT1R3、
b)T1R2−TMD、CSR:T1R、T1R3−TMD、T1R2−TMDおよびT1R3−TMDの両方、CSR:T1R2、CSR:T1R3、CSR:T1R2およびT1R3−TMDの両方、T1R2−TMDおよびCSR:T1R3の両方、
c)クラスCのGタンパク質共役受容体由来のビーナスフライトラップドメインおよびビーナスフライトラップドメイン欠損T1R2を含むキメラタンパク質および/またはクラスCのGタンパク質共役受容体由来のビーナスフライトラップドメインおよびビーナスフライトラップドメイン欠損T1R3を含むキメラタンパク質、
d)a)〜c)に列挙された任意のタンパク質とアミノ酸レベルで少なくとも95%同一である任意のタンパク質、
e)a)〜c)に列挙された任意のタンパク質の実質的に相同である任意のタンパク質、
f)配列番号1、13、15、および27によってコードされる任意のタンパク質、
g)ストリンジェントな条件で配列番号1、13、15および27とハイブリダイズする核酸によってコードされる任意のタンパク質、
からなる群から選択されたポリペプチドを含み、改変された味覚受容体が任意にシグナル配列および抗体エピトープから選択される1または2以上の配列タグをさらに含み、ただし、改変された受容体の少なくとも1つのサブユニットがT1R2またはT1R3ビーナスフライトラップドメインを含まない、前記方法を含む。
a)改変された味覚受容体と化合物または化合物群とを接触させること、および、化合物または化合物群が改変された受容体に結合および/またはそれを活性化するかどうかを決定することを含む、化合物または化合物群が味覚受容体にそのビーナスフライトラップドメインの外部で結合し、かつ/またはそれを活性化するかどうかの決定、ならびに
b)改変された受容体に結合するおよび/またはそれを活性化する化合物または化合物群が甘味を増強するかどうかの、
i)化合物または化合物群が、その受容体に対するリガンドによるキメラ受容体との結合および/またはその活性化を増強するかどうかを決定すること、または
ii)化合物または化合物群が甘味料の甘味を増強するかどうかを、甘味料が濃度2%またはそれ以上のスクロース溶液と等甘味度の濃度で存在し、化合物が濃度2%以下のスクロース溶液と等甘味度の濃度で存在する状態で決定すること
による決定
を含み、
キメラ受容体が、1)クラスCのGタンパク質共役受容体由来のビーナスフライトラップドメイン、および2)自身のビーナスフライトラップドメインを欠損したT1R2を含むサブユニット、および任意に、1)クラスCのGタンパク質共役受容体由来のビーナスフライトラップドメイン、および2)自身のビーナスフライトラップドメインを欠損したT1R3を含むサブユニットを含み、少なくとも1つのサブユニットがT1R2またはT1R3ビーナスフライトラップドメインを含有せず、および
a)自身のビーナスフライトラップドメインを欠損したT1R2および/または自身のビーナスフライトラップドメインを欠損したT1R3、
b)T1R2−TMD、CSR:T1R、T1R3−TMD、T1R2−TMDおよびT1R3−TMDの両方、CSR:T1R2、CSR:T1R3、CSR:T1R2およびT1R3−TMDの両方、T1R2−TMDおよびCSR:T1R3の両方、
c)クラスCのGタンパク質共役受容体由来のビーナスフライトラップドメインおよび自身のビーナスフライトラップドメインを欠損したT1R2を含むキメラタンパク質、および/またはクラスCのGタンパク質共役受容体由来のビーナスフライトラップドメインおよび自身のビーナスフライトラップドメインを欠損したT1R3を含むキメラタンパク質、
d)a)〜c)に列挙された任意のタンパク質とアミノ酸レベルで少なくとも95%同一である任意のタンパク質、
e)配列番号1、13、15および27によってコードされる任意のタンパク質、
f)ストリンジェントな条件で配列番号1、13、15および27とハイブリダイズする核酸によってコードされる任意のタンパク質、
からなる群から選択されるポリペプチドを含み、
前記方法を含む。
ある例示的な態様において、上記に定義された方法は、T1R2および/またはT1R3の膜貫通ドメインを含むタンパク質をコードする1または2以上の核酸を、一過性にまたは安定的にトランスフェクトした細胞を利用する。
上記に定義された方法の他の態様において、Gタンパク質は、Gαq−ガストデューシンに基づくキメラGタンパク質である。
上記に定義された方法のまたさらなる態様において、少なくとも1つの剤が細胞における味覚受容体の機能活性に作用するかどうかの、細胞における少なくとも1つの機能的応答による決定は、細胞内メッセンジャーの変化または細胞内メッセンジャーに起因する変化の計測によって行われる。
上記に定義された方法のさらなる態様において、機能的応答は、IP3およびカルシウム2+から選択される細胞内メッセンジャーの変化を計測することで決定される。
上記に定義された方法のある態様において、細胞は哺乳類細胞である。
上記に定義された方法のさらなる態様において、細胞は、CHO、COS、HeLaおよびHEK−293細胞からなる群より選択される哺乳類細胞である。
上記に定義された方法のまたさらなる態様において、i)は甘味料の存在下でT1R2甘味受容体を試験剤に接触させることをさらに含む。
試験剤をT1R2−TMDの調節物質として同定するために組み合わせて利用される、
(i)T1R2−TMD甘味受容体、または実質的に類似するそのホモログを発現するが、T1R3受容体は発現しない組換え細胞、および
(ii)T1R2−TMD甘味受容体のアゴニスト
を含む。
(i)固体支持体上で組換え細胞を成長させること、
(ii)定義されたプレートまたはウェルの培養培地へ、アゴニストの存在下、適切な濃度で試験剤を添加すること、および
(iii)試験剤の存在下および非存在下での応答を比較することにより、細胞の機能的応答の変化を決定し、その結果、試験剤がT1R2甘味受容体またはその実質的に類似するホモログの調節物質であることが同定されることを含む。
(i)リガンドのT1R2−TMDへの結合に応答して変化するパラメータを計測すること、
(ii)任意にリガンドの存在下で、試験剤に応答したパラメータの、ネガティブコントロールと比較した変化を決定し、それにより調節物質またはリガンドを同定すること
を含む。
上記に定義された方法のある態様において、リガンドは、ペリラルチン、p−エトキシベンズアルデヒド、シンナモニトリル、ステビオシド、ルブソシド、レバウディオシドAおよびネオヘスペリジンジヒドロカルコンからなる群から選択される。
本発明の態様は上述の方法を包含するが、ただし、本発明は、全長野生型T1R2および全長野生型T1R3タンパク質の両方を採用する方法を包含しない。
候補甘味増強剤
化合物または化合物群は、推定される増強剤および甘味料を含有する混合物が、推定される増強剤単独の甘味(混合物中と同濃度において)と甘味料単独の甘味(混合物中と同濃度において)との総和よりも甘かった場合、甘味増強剤である。本発明者らは、限定することなく、TAS1Rの膜貫通ドメインに結合する後述の化合物を候補甘味増強剤として同定した:ペリラルチン、p−エトキシベンズアルデヒド、シンナモニトリル、ナリンジンジヒドロカルコン、サイクラミン酸塩、ステビオシド、ルブソシド、レバウディオシドA、モグロシドV、およびネオヘスペリジンジヒドロカルコン。ペリラルチン、p−エトキシベンズアルデヒド、シンナモニトリル、ステビオシド、ルブソシド、レバウディオシドAおよびネオヘスペリジンジヒドロカルコンの化学構造は、http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/で見出すことができる。ナリンジンジヒドロカルコンの化学構造は、http://www.chemblink.com/products/18916-17-1.htmで見出すことができる。サイクラミン酸塩の化学構造は、http://chemicalland21.com/lifescience/foco/SODIUM%20CYCLAMATE.htmで見出すことができる。モグロシドVの化学構造は、http://en.wikipedia.org/wiki/Image:LuHanGuo-Mogroside5.jpgで見出すことができる。候補甘味増強剤は、精製または単離形態あるいは甘味増強活性物質を含有する植物抽出物の形態で利用することができる。
甘味料は味の甘味を増大する化合物である。甘味料は、限定されずに、糖類のスクロース、フルクトース、グルコース、ブドウ糖果糖液糖(フルクトースおよびグルコースを含有する)、タガトース、ガラクトース、リボース、キシロース、アラビノースおよびラムノース、糖アルコールのエリスリトール、キシリトール、マンニトール、ソルビトールおよびイノシトール、および人工甘味料のAceK、アスパルテーム、ネオテーム、スクラロースおよびサッカリン、ならびにこれら甘味料の組合わせを含む。
本発明者らによって、甘味増強剤およびその複合物の甘味検出閾値が決定された。甘味検出閾値とは、ヒトが甘味と甘味なしの区別を検出するために必要な最小の濃度である。甘味検出閾値は異なる個体で多少違っている。例えばある個体はスクロースの甘味を、0.4%という非常に低い濃度で検出でき、他の個体は少なくとも0.7%またはそれ以上が必要である。全ての例は、少なくとも0.5%またはそれ以下のスクロースを検出可能な甘味感受性のパネリストで行った。平均的な消費者によって検出可能な濃度はしたがってそれより高いだろう。
甘味増強剤は単一の甘味増強成分として、例えば0.0001%から15%(重量/重量)またはそれ以上の少なくとも1種の甘味料を含有する配合物において、下記に示される濃度で利用可能である。甘味料の有用な濃度は、少なくとも2%、例えば2%から15%、または5%から12%などのスクロース溶液と等甘味度をそれ自体で提供する濃度である。例えば、スクロース、フルクトース、グルコース、ブドウ糖果糖液糖(HFCS)またはエリスリトールの有用な濃度は約5%から約12%であろう。
キメラ味覚受容体または切断して細胞外ドメインを取り除いた味覚受容体のいずれかが、候補甘味増強剤を同定するためのアッセイに利用される。
T1R2ホモマー結合アッセイは、US20050032158に記載されている。結合アッセイは、機能的受容体活性化ではなく結合のみを示し、エンドポイントに基づくものであり、反応速度測定を含むより迅速な機能アッセイと比較すると時間がかかる。US20050032158はさらに、知られた機能的受容体T1R1/T1R3およびT1R2/T1R3に適した、T1Rsの細胞ベースのアッセイを含む、機能アッセイについても記載している。
本発明者らは、T1R2/T1R3ヘテロダイマー受容体複合体のT1R2サブユニットの大きく切断された配列に相当する、「T1R2−TMD」と呼ぶ新規な受容体タンパク質が、驚くべきことに、甘味リガンドと結合し、Gタンパク質を活性化できる機能的甘味受容体を形成することを見出した。
キメラタンパク質は、2または3以上の異なるタンパク質由来のアミノ酸配列を含む。キメラタンパク質は、求める特性を組み合わせるか、または不要なものを排除することができる場合がある。以下で用いる、CSR:T1Rという用語は、キメラCSR:T1R2ホモマー、CSR:T1R3ホモマー、CSR:T1R2とCSR:T1R3または野生型T1R3とのヘテロダイマー複合体(CSR:T1R2/CSR:T1R3またはCSR:T1R2/T1R3)、またはCSR:T1R3とCSR:T1R2または野生型T1R2とのヘテロダイマー複合体(CSR:T1R2/CSR:T1R3またはT1R2/CSR:T1R3)のことを指す。
切断味覚受容体にとって、本発明によるスクリーニングまたはアッセイに有用な細胞は、T1R3を含まない細胞である。トランスフェクトされたまたは内在性のT1R3は、T1R2−TMDのアゴニスト応答または他の増強剤による前記応答の変化を決定する方法を否定的に妨害し得る。T1R3の非存在は、T1R2−TMD活性化の決定にヌルバックグラウンド(null background)を提供し、観察されるシグナルは直接T1R2−TMD活性の結果とすることができる。このことは、T1R2−TMDを特異的に調節する剤の同定を可能にし、T1R3が甘味およびうま味ヘテロダイマー両方の一部であるため、うま味物質をも含み得るT1R3を活性化する剤を排除できる。
トランスフェクトされたまたは内在性のT1R3およびT1R2は、CSR:T1R2および/またはCSR:T1R3それぞれのアゴニスト応答または他の増強剤による前記応答の変化を決定する方法を否定的に妨害し得る。T1R3およびT1R2の非存在は、CSR:T1R2および/またはCSR:T1R3活性化の決定にヌルバックグラウンドを提供し、観察されるシグナルを直接CSR:T1R2および/またはCSR:T1R3活性の結果とすることができる。このことは、CSR:T1R2および/またはCSR:T1R3を特異的に調節する剤の同定を可能にし、T1R3について言えば、T1R3は甘味およびうま味ヘテロダイマー両方の一部となるため、うま味物質をまた含み得る野生型T1R2およびT1R3を活性化する剤を排除できる。
かかる細胞中でT1R2−TMDまたはCSR:T1Rならびに/あるいはGタンパク質を発現するベクター構築物は、例えばポリメラーゼ連鎖反応(「PCR」)を利用する知られた技術あるいは方法によって産生することができる。配列の確認後、cDNA断片は、例えばpcDNA3.1哺乳類細胞用哺乳類発現ベクターなど、適切なベクター内へサブクローニングされてよく、正しい遺伝子の発現を可能にするために対応する宿主細胞に一過性にトランスフェクトされてよい。
求めるタンパク質(例えばGタンパク質およびCSR:T1RまたはT1R2−TMDのいずれか)をコードするcDNAを発現するために、転写を導く強力なプロモーター、転写/翻訳ターミネーターおよび翻訳開始のためのリボソーム結合領域を含む、適切なcDNAが入った発現ベクターを典型的にサブクローニングする。例えばE.coli、Bacillus sp.、およびSalmonellaなど、適切な細菌プロモーターは当業者によく知られており、かかる発現系のためのキットが商業的に入手可能である。同様に、哺乳類細胞、酵母、および昆虫細胞のための真核細胞発現系も商業的に入手可能である。真核細胞発現ベクターは、例えばアデノウィルスベクター、アデノ随伴ベクター、またはレトロウィルスベクターなどであってよい。
T1R2−TMDまたはCSR:T1Rは、例えばCMV早期プロモーターなどの強力な構成的プロモーターの制御下に置くことにより過剰発現されることができる。代替的に、保存されているGPCRアミノ酸またはアミノ酸ドメインのある変異を導入し、利用するGPCRを構成的に活性化させることが可能である。
T1R2−TMDまたはCSR:T1Rなどの対象となるタンパク質を大量に発現する細菌、哺乳類、酵母または昆虫の細胞系を作出するために、標準的なトランスフェクション法が利用可能である。核酸配列を宿主細胞に導入するために知られたいかなる方法も利用してよい。用いる特定の遺伝子操作手順は、対象となるタンパク質を発現できる宿主細胞中に関係する遺伝子を首尾良く導入できさえすればそれでよい。これらの方法は、クローニングされたゲノムDNA、cDNA、合成DNAまたは他の外来性の遺伝物質を宿主細胞中に導入することを伴ってもよく、リン酸カルシウムトランスフェクション、ポリブレン、プロトプラスト融合、エレクトロポレーション、リポソーム、マイクロインジェクション、プラズマベクター、ウィルスベクターなどを含む。
トランスフェクト後、トランスフェクトされた細胞は、当業者によく知られた標準的な培養条件で培養することができる。異なる細胞は、適切な温度および細胞培養培地を含む、異なる培養状態を要求することは、当業者に明らかである。
必要に応じて、タンパク質を標準的な技術を利用して細胞培養から回収することができる。例えば、沈殿およびクロマトグラフィ工程に供する前に細胞を機械的にまたは浸透圧ショックによって破裂させてよく、その性質と順序は回収される特定の組換え物質次第である。あるいは、組換えタンパク質を、組換え細胞が培養された培養培地から回収することもできる。
T1R受容体活性の調節物質(リガンド、アゴニスト、部分的アゴニスト、アンタゴニスト、逆アゴニスト、阻害剤、増強剤を含む様々なタイプ)は、本明細書に記載されたアッセイによって同定可能である。調節物質のタイプは同時に1以上のタイプを含んでもよく、濃度に依存し得る。例えば、剤がある濃度範囲においてアゴニストとして作用するが、別の濃度範囲においては他のアゴニスト(例えば甘味料または糖)の増強剤として作用することもある。したがって、剤はその調節活性の決定のために異なる濃度で試験されるべきである。これから本明細書に記載された方法において同定可能な剤の定義について述べる。
増強剤は、機能的効果/パラメータを決定および比較するための、多種多様なインビトロおよびインビボアッセイを利用して、または代替的に結合アッセイによって、同定可能である。受容体の機能上の試験剤の効果は適切な機能的パラメータを分析することで計測可能である。受容体活性に影響するあらゆる生理学的変化は、増強剤の同定のために利用可能である。
VFTドメインに結合しないアゴニストまたは部分的アゴニストを同定するために、試験剤を有するサンプルを、アゴニスト(例えば塩化カルシウム(受容体がCSR:T1Rの場合)、ペリラルチン、サイクラミン酸塩、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン(NDHC)、シンナモニトリル、または他の同定されたリガンド/アゴニスト)を有するポジティブコントロールと比較する。代替的に/付加的に、試験剤を有するおよび有さないサンプルが、そのT1R2−TMDまたはCSR:T1Rキメラタンパク質との活性について比較される。例えば、アゴニストまたは部分的アゴニストは、アゴニストまたは部分的アゴニストが100mMまたはそれ以下で存在していた場合、ポジティブコントロール甘味アゴニストの最大生物学的活性の少なくとも10%に相当する生物学的活性を有しており、例えばアゴニストの最大生物学的活性に匹敵するまたはそれ以上の最大生物学的活性を有し得る。
GPCRの活性化によって誘導される細胞内カルシウム放出は、カルシウムに結合する細胞持続性(cell-permanent)色素を利用して決定される。カルシウム結合性色素は、細胞内のカルシウム上昇に比例する蛍光シグナルを発生する。この方法は、受容体活性の迅速かつ定量的な計測を可能にする。
1日目:1ウェルあたり150ngのGPCR DNAおよび0.3μlのリポフェクタミン2000(Invitrogen)を利用して、細胞をトランスフェクトする。トランスフェクトされた細胞は栄養成長培地中、一晩37℃で維持する。
アデニル酸シクラーゼ活性のためのアッセイは、例えばKenimer & Nirenberg, 1981, Mol. Pharmacol. 20: 585〜591に詳述されているように行われる。反応混合物は通常37℃で10分以下インキュベートされる。インキュベーション後、反応混合物は0.9mlの冷6%トリクロロ酢酸を添加して除タンパクする。チューブを遠心し、それぞれの上清をDowex AG50w−X4カラムに加える。カラムからのcAMP画分を、アゴニストによる受容体活性化を受けて発生したcAMPレベルを計測するために、4mlの0.1mMイミダゾール−HCl(pH7.5)で計数バイアル中に溶出する。コントロール反応もまた、T1R2−TMDまたはCSR:T1Rポリペプチドを発現しない細胞のタンパク質ホモジネートを利用して行うべきである。
Gタンパク質を発現している細胞中で、イノシトール三リン酸(IP3)/Ca2+およびその結果としての受容体活性に相当するシグナルを、蛍光を利用して決定可能である。GPCRを発現している細胞は、細胞内貯蔵およびイオンチャネルの活性化経由の寄与の結果、細胞質カルシウムレベルの増大を見せ得、必須ではないが、カルシウムフリー緩衝液中でかかるアッセイを実施し、内在ストアからのカルシウム放出(G-protein coupled receptors, Signal Transduction Series, Tatsuya Haga and Gabriel Berstein編, 第1版, CRC Press - Boca Raton FL; September 1999参照)の結果による蛍光応答と区別するために、随意にEDTAなどのキレート剤を補完することが望ましいだろう。
T1R2−TMDまたはCSR:T1Rは、受容体とホスホリパーゼCシグナル伝達経路を連結するGタンパク質を有する細胞で発現される。細胞内Ca2+濃度の変化は、例えば蛍光Ca2+指示色素および/または蛍光イメージングなどを利用して、計測する。(G-protein coupled receptors, Signal Transduction Series, Tatsuya Haga and Gabriel Berstein編, 第1版, CRC Press - Boca Raton FL; September 1999参照)
T1R2−TMDまたはCSR:T1Rを含むGPCRにとって、受容体活性の指標はT1R2−TMDまたはCSR:T1Rを含む細胞膜によるGTPの結合である。本方法は、標識GTPの結合を決定することで膜と連結するGタンパク質を計測する。受容体を発現する細胞から単離された膜は、35S−GTPγSおよび未標識GDPを含有する緩衝液中でインキュベートされる。活性を有するGTPaseは無機リン酸塩として標識を放出し、これは20mMのH3PO4中の活性炭5%懸濁液中で遊離無機リン酸塩を分離した後にシンチレーションカウンティングによって決定される。混合物をインキュベートし、未結合標識GTPをGF/Bフィルターでろ過して取り除く。結合した標識GTPを液体シンチレーションカウンティングで計測する。コントロールは、試験剤の非特異的効果の可能性を排除するために、T1R2−TMDまたはCSR:T1Rを発現しない細胞(モックトランスフェクションしたもの)から単離した膜を利用するアッセイを含む。方法はTraynor and Nahorski, 1995, Mol. Pharmacol., 47: 848〜854に詳述されている。
かかるアッセイはHafner, 2000, Biosens. Bioelectron. 15: 149〜158に詳述されているように行うことができる。
アラキドン酸
アラキドン酸の細胞内レベルは受容体活性の指標として採用される。かかる方法はGijon et al., 2000, J. Biol. Chem., 275:20146〜20156に詳述されている。
細胞内または細胞外cAMPは、cAMPラジオイムノアッセイ(RIA)または、例えばHorton & Baxendale, 1995, Methods Mol. Biol. 41: 91〜105に記載されているような、cAMP結合タンパク質を利用して計測可能である。例えばLJL BiosystemsおよびNEN Life Science Productsの高効率蛍光偏光ベースホモジニアスアッセイなど、複数のcAMP計測のためのキットもまた商業的に入手可能である。代替的に、cGMPの細胞内または細胞外レベルもまた、例えばイムノアッセイを利用して計測可能である。例えば、Felly-Bosco et al., Am. J. Resp. Cell and Mol. Biol., 11:159〜164(1994)に記載の方法などが、cGMPレベルを決定するのに利用され得る。代替的に、米国特許4,115,538に記載されているcAMPおよび/またはcGMPを計測するアッセイキットもまた利用可能である。試験剤の非特異的効果の可能性を排除するためのモックトランスフェクションされた細胞またはその抽出物を有するネガティブコントロールが利用され得る。
例えばPhospholipid Signaling Protocols, Ian M. Bird, Totowa, N.J.編, Humana Press, 1998に記載のように、受容体活性に起因するリン脂質分解によって放出される、二次メッセンジャーのジアシルグリセロール(DAG)および/またはイノシトール三リン酸(IP3)を検出し、GPCR(T1R2−TMDまたはCSR:T1R)活性の指標として利用することが可能である。例えばPerkin Elmer and CisBio Internationalから商業的に入手可能な、イノシトール三リン酸の計測のためのキットもまた利用可能である。試験剤の非特異的効果の可能性を排除するためのモックトランスフェクションされた細胞またはその抽出物を有するネガティブコントロールが利用され得る。
成長因子受容体チロシンキナーゼは、リン脂質およびカルシウム活性化タンパク質キナーゼファミリーの、タンパク質キナーゼC(PKC)の活性化を伴う経路を通してシグナリング可能である。PKCに誘導される遺伝子産物の増大は、PKCの活性化およびその結果としての受容体の活性化を示す。これらの遺伝子産物は、例えばガン原遺伝子転写因子コード遺伝子(c−fos、c−mycおよびc−junを含む)、プロテアーゼ、プロテアーゼ阻害剤(コラーゲナーゼタイプIおよびプラズミノーゲン活性化因子阻害剤を含む)、および接着分子(細胞内接着因子I(ICAM I)を含む)などを含む。PKC活性はKikkawa et al., 1982, J. Biol. Chem., 257: 13341に記載されているように、その後ホスホセルロースペーパーに結合することによって分離されるPKC基質ペプチドのリン酸化を計測することで、直接計測し得る。これは精製キナーゼまたは粗細胞抽出物中の活性の計測に利用可能である。タンパク質キナーゼCサンプルは20mM HEPES/2mM DTTでアッセイ直前に希釈可能である。代替的なアッセイは、PanVeraから商業的に入手可能なタンパク質キナーゼCアッセイキットを利用して行うことも可能である。
MAPキナーゼ活性は、例えばNew England Biolabsのp38MAPキナーゼアッセイキット、またはPerkin-Elmer Life ScienceのFlashPlateTM MAPキナーゼアッセイなど、商業的に入手可能なキットを利用して計測可能である。p42/44MAPキナーゼまたはERK1/2は、GqおよびGi結合GPCRを発現する細胞を利用している場合、GPCR(CSR:T1R)活性を示すために計測可能であり、GPCR活性化に続く内在性ERK1/2キナーゼのリン酸化を計測するERK1/2アッセイキットはTGR Biosciencesから商業的に入手可能である。知られた合成または天然チロシンキナーゼ基質および標識リン酸塩を通したチロシンキナーゼ活性の直接計測はよく知られており、また利用可能であり、他のタイプのキナーゼ(例えばセリン/スレオニンキナーゼ)の活性も同様に計測可能である。
レポーター遺伝子アッセイで増強剤を同定するためには、レポーター遺伝子発現における、例えば100%の増大が有意である。アゴニストは、試験剤の存在下において試験剤の非存在下よりも例えば100、500、または1000%高いレポーター遺伝子発現を刺激する。T1R2−TMDまたはCSR:T1Rへのアゴニストの結合によって開始される細胞内シグナルは、細胞内事象のカスケードを作動させ、最終結果として1または2以上の遺伝子の転写または翻訳における迅速かつ検出可能な変化をもたらす。受容体の活性はしたがって、T1R2−TMDまたはCSR:T1R活性化に応答するプロモーターによって駆動されるレポーター遺伝子の発現の計測によって決定される。
ホスファチジルイノシトール(PI)加水分解は、少なくとも48時間またはそれ以上の3H−ミオイノシトールによる細胞標識を伴う、米国特許5,436,128に記載されているように決定されてよい。標識細胞は試験剤に1時間接触させ、次いでそれらの細胞を溶解し、クロロホルム−メタノール−水に抽出する。その後、イノシトールリン酸をイオン交換クロマトグラフィで分離し、シンチレーションカウンティングで定量する。アゴニストに関して、刺激比(fold stimulation)は、試験剤の存在下における計数毎分(cpm)の、緩衝液コントロールの存在下でのcpmに対する比を計算して決定される。同じように、阻害剤、アンタゴニストおよび逆アゴニストに関して、阻害比は、試験剤の存在下における計数毎分(cpm)の、緩衝液コントロール(アゴニストを含有してもしなくてもよい)の存在下でのcpmに対する比を計算して決定される。
リガンド結合に対する機能的応答に起因するパラメータ変化を計測する上述の機能的アッセイに加えて、リガンド結合を、T1R2−TMDまたはCSR:T1R受容体へのリガンドの結合を計測する結合アッセイで決定してもよい。結合アッセイは当該技術分野でよく知られており、溶液中、任意に固相に付着した二重膜中、脂質単層中、または小胞中で試験可能である。T1R2−TMDまたはCSR:T1Rポリペプチドへの増強剤の結合は、例えば分光特性(例えば蛍光、吸収、または屈折率)の変化の計測、水力学的手法(例えば外見の採用)、およびT1R2−TMDまたはCSR:T1Rペプチドの可溶特性を計測するクロマトグラフィ等によって決定可能である。1つの態様において、結合アッセイは生物化学的であり、組換えT1R2−TMDまたはCSR:T1Rポリペプチドを発現する細胞/組織からの膜抽出物を利用する。結合アッセイは、例えば、T1RについてAdler et al.によってUS20050032158の段落[0169]から[0198]に記載されているように実施することができる。
本明細書に記載されている方法に有用なCSR:T1Rキメラタンパク質は、配列番号14、配列番号16、配列番号14および配列番号16のキメラヘテロダイマー、配列番号14と野生型T1R3のヘテロダイマー、および配列番号16と野生型T1R2のヘテロダイマーから選択されるポリペプチドからなる群から選択されてよい。あるいは、CSR:T1Rキメラタンパク質(またはCSR:T1Rをコードする核酸配列)は、上記ポリペプチドと実質的に相同(少なくとも90%、例えば少なくとも95%または少なくとも98%などの%配列同一性)であって、依然として機能的である(すなわちリガンドと結合するおよび/またはリガンドによって活性化される、またはかかる受容体をコードしている)タンパク質(またはかかるCSR:T1R受容体をコードする核酸配列)であってよい。
核酸配列について、保存的に改変された変異体は、同一のまたは本質的に同一のアミノ酸配列(保存的に置換されたアミノ酸、すなわちアルギニンに差し替えられたリシンおよび下記に説明されているさらなる例など)をコードする核酸を意味する。
CSR:T1Rについて、実質的に相同なヌクレオチド配列は、例えば少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%のパーセント配列同一性を有する。さらに、CSR:T1Rについて、実質的に相同なポリペプチド配列は、例えば少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%の%配列同一性を有する。
ヌクレオチド配列はまた、本明細書で提示するヌクレオチド配列、またはその相補体と、以下に詳述するストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で選択的にハイブリダイズできた場合、実質的に相同であると考えられる。
ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、50%のホルムアミド、5×SSC、および1%のSDSからなる溶液中の42℃の温度、および0.2×SSCおよび0.1%のSDS(1×SSC=0.15MのNaCl、0.015Mのクエン酸ナトリウム、pH7.0)からなる溶液中での65℃での洗浄である。バックグラウンドハイブリダイゼーションは、他のヌクレオチド配列が、例えばスクリーニングされるcDNAまたはゲノムDNA中に存在するために起こり得る。バックグラウンドの少なくとも2倍、任意にバックグラウンドハイブリダイゼーションの10倍の陽性シグナルが、標的DNAとの特異的相互作用であるとみなされる。相互作用の強度は、例えば、プローブを、例えば32Pによって放射性標識して計測することができる。
本発明は1つの態様において、キット、例えば、T1R2−TMDまたはCSR:T1R、もしくはそれと実質的に相同な配列を発現する組換え細胞を含み、かつ、T1R2−TMDまたはCSR:T1Rのアゴニスト、例えば、限定することなく、塩化カルシウム、ペリラルチン、p−エトキシベンズアルデヒド、NDHC、サイクラミン酸塩、およびシンナモニトリルなどを含む、スクリーニングキットまたはハイスループットスクリーニングキットを含む。カルシウムを含むキットの利用は、野生型受容体またはキメラタンパク質のT1R2およびT1R3部分ではなく、キメラタンパク質のみに結合し、それを活性化するという利点を有する。
キットは以下のように利用されてよい:
(i)CSR:T1Rキメラタンパク質を発現する組換え細胞を固体支持体上で成長させる。
(ii)約1nMまたはそれ以下から100mMまたはそれ以上までの濃度の試験剤を、所定のプレートまたはウェルの培養培地に好適な濃度のアゴニストの存在下で加える。
(iii)細胞の機能的応答の変化が、試験剤の存在下および非存在下での応答を比較することで決定され、その結果試験剤が増強剤であり得るかどうかが決定される。
(i)CSR:T1Rキメラタンパク質を発現する組換え細胞を固体支持体上で成長させる。
(ii)約1nM〜100mMまたはそれ以上の濃度の試験剤を、所定のプレートまたはウェルの培養培地に好適な濃度のカルシウムアゴニスト(例えば、限定することなく、塩化カルシウムの形態のもの)の存在下で加える。好適な塩化カルシウムの濃度は、例えば、約0.2〜20mM、または0.5〜10mM、または約1mMである。
(iii)カルシウムに対する細胞の機能的応答の変化が、試験剤の存在下および非存在下での応答を比較することで決定され、その結果試験剤が増強剤であり得るかどうかが決定される。
上述の転写レポーターアッセイおよびほとんどの細胞ベースのアッセイは、ライブラリーをCSR:T1RまたはT1R−TMD活性を調節する剤についてスクリーニングするのに適している。アッセイは、アッセイ工程の自動化および、典型的には平行して実行される(例えばロボットアッセイにおけるマイクロタイタープレート上のマイクロタイター形式など)、任意の好都合な給源からの化合物のアッセイへの供給によって、巨大な化学的ライブラリをスクリーニングするように設計され得る。
コンビナトリアルケミカルライブラリは、試薬などの多くの化学的「ビルディングブロック」の組合せることにより、化学合成または生物学的合成のいずれかによって生成された様々な化学化合物のコレクションである。例えば、ポリペプチドライブラリなどのリニアコンビナトリアルケミカルライブラリは、所定の化合物長(すなわち、ポリペプチド化合物中のアミノ酸の数)について、化学的ビルディングブロック(アミノ酸)のセットをあらゆる可能な方法で組合せることによって形成される。何百万もの化学的化合物が、かかる化学的ビルディングブロックの組合せ混合を通して合成可能である。レアケミカルライブラリはAldrich(Milwaukee, Wis.)から入手可能である。
試験剤は、小化学化合物、化学ポリマー、生物ポリマー、ペプチド、タンパク質、糖、炭水化物、核酸および脂質を含む任意の剤であってもよい。剤は、合成化合物、化合物の混合物、天然産物または天然サンプル、例えば植物抽出物、培養上清、または組織サンプルなどであり得る。甘味を改変し得る化合物の例として、メチルカビコール、テアサポニンE1、アセスルファムK、アリテーム、アスパルテーム、CH401、ズルチン、ネオテーム、サイクラミン酸ナトリウム、スクラロース、スーパーアスパルテーム、シナリン、グリシフィリン、レバウジオシドC、アブルソシドA(Abrusoside A)、
本明細書に記載の構築物および方法に用いた配列は、後述の配列表に見出すことができる。
T1R2−TMD配列
配列は後述の配列表に示されている。配列番号1はT1R2−TMD受容体をコードするヌクレオチド/核酸配列に対応し、配列番号2はT1R2−TMD受容体タンパク質のポリペプチド/アミノ酸配列に対応する。
トランスフェクトされた構築物において、新規T1R2−TMDタンパク質をコードする核酸(配列番号1)がSSTタグ(配列番号3)に後続し、その後にHSVタグ核酸(配列番号5)が続いている。
したがって、得られるタンパク質は、以下のアミノ酸を指示された順序で含む:配列番号4、配列番号2および配列番号6のアミノ酸。
配列番号3+4:SSTタグ核酸およびタンパク質
配列番号5+6:HSVタグ核酸およびタンパク質
配列番号7+8:T1R2−TMDベクター構築物のフォワードおよびリバースプライマー
配列番号9+10:T1R2全長(核酸およびタンパク質)
配列番号11+12:T1R3全長(核酸およびタンパク質)
配列番号13はCSR:T1R2キメラタンパク質をコードするヌクレオチド/核酸配列に対応し、配列番号14はCSR:T1R2キメラタンパク質のポリペプチド/アミノ酸配列に対応している。
配列番号15はCSR:T1R3キメラタンパク質をコードするヌクレオチド/核酸配列に対応し、配列番号16はCSR:T1R3キメラタンパク質のポリペプチド/アミノ酸配列に対応している。
二つのサブユニットを含む複合体として一緒になって、CSR:T1R2キメラタンパク質およびCSR:T1R3キメラタンパク質は機能的キメラ甘味受容体を形成する。
得られるタンパク質はしたがって次のアミノ酸を含有する:配列番号18が後続する配列番号14、または配列番号18が後続する配列番号16のアミノ酸。
既知の全長hCaSR受容体核酸およびタンパク質配列は配列番号19+20に与えられている。
配列番号15+16:CSR:T1R3核酸+タンパク質
配列番号17+18:C末端のHSVタグ核酸+タンパク質
配列番号19+20:hCaSR核酸+タンパク質
配列番号21〜24:プライマー配列、例3および例5を参照
配列番号25〜26:プライマー配列
配列番号27〜28:T1R3TMD核酸+タンパク質
例の概要を以下に与える。
例1は、味覚受容体活性を計測する一般的な方法を記載する。
例2〜5は、種々のT1Rベクター構築物の調製を記載する。
例6〜8は、構築物の細胞へのトランスフェクションを記載する。
例9〜12は、限定のない、様々な甘味増強剤の同定について記載する。
例13は、甘味を計測する一般的な方法を記載する。
例14〜20は、他の甘味物質の非存在下における増強剤の甘味を計測するコントロール実験を記載する。
例21〜29は、甘味増強剤と甘味物質との混合物に関する。
例30〜33は、他の甘味物質の非存在下における増強剤の甘味を計測するコントロール実験を記載する。
例34〜36は、2または3以上の甘味増強剤と甘味物質との混合物を示す。
Fluo−4は、細胞内カルシウムの蛍光指示薬であり、カルシウム濃度の変化、特にリガンド添加後に起こる受容体活性化に応答した増加の決定を可能にする。
Gα16−ガストデューシン44(Gα16gust44)を安定発現するHEK293細胞を宿主細胞として利用し、例2〜5に記載のとおりに様々な構築物でトランスフェクトした。
蛍光は、リガンド添加前15秒間およびリガンド添加後105秒間で継続的に監視した(45〜105秒で十分であろう)。
受容体活性化は相対蛍光単位(RFU)で与えられ、次の等式で定義される:
蛍光増加=最大蛍光−基準蛍光
式中、基準蛍光はリガンド添加前の最初の10〜15秒について計算した平均蛍光を表す。
式中Fはピーク蛍光シグナル、F0は基準蛍光シグナルであり、基準蛍光はリガンド添加前の最初の10〜15秒について計算した平均蛍光を表す。
ネガティブコントロールとして、モックトランスフェクションした細胞を同濃度のリガンドに曝露し、シグナルに対応しない微量のカルシウム濃度を決定した。活性化された受容体を有する細胞は、ネガティブコントロールを有意に上回るシグナル(RFUまたはΔF/F)によって同定した。
Pfuポリメラーゼ(Invitrogen)を利用したPCRを、下記に列挙した特定のプライマーを利用して、T1R2−TMD構築物を生成するのに用いた。
T1R2−TMDフォワードプライマー(配列番号7)
5’−TAT AGA ATT CGC ACC CAC CAT CGC TGT GGC C − 3’
T1R2−TMDリバースプライマー(配列番号8)
5’−ATA TGC GGC CGC AGT CCC TCC TCA TGG T − 3’
CSR:T1R2キメラcDNAベクター構築物は、hCaSRの細胞外アミノ末端ドメイン(ATD)(1〜Phe539)をコードする断片およびシステインリッチドメイン(CRD)、膜貫通ドメイン(TMD)およびSer493から始まるT1R2のC末端を含むものをコードする断片である、PCRによって生成された2つのDNA断片を、両方のPCR産物にある共通の制限酵素部位を介して連結することによって作出した。
CSR:T1R2キメラDNAの調製を容易にするために、SacII部位を、上述の2つの断片を形成するために利用したプライマーに導入した。これらの導入部位および適した制限酵素を当該技術分野でよく知られたバッファー条件下で利用し、断片を酵素ライゲーションによって連結した。
下線文字は、後続するPCR産物のサブクローニングのための、プライマー内に存在する制限部位を示す。
CACCAAGCTTATGGCATTTTATAGCTGC
hCaSR−ATDプライマーR(配列番号22)
ATATCCGCGGCACCTCCCTGGAGAACCC
T1R2−断片プライマーF(配列番号23)
ATATCCGCGGTCCATGTGTTCCAAGAGG
T1R2−断片プライマーR(配列番号24)
ATATGCGGCCGCAGTCCCTCCTCATGGT
CSR:T1R3キメラcDNAベクター構築物は、PCRによって作出した2つのDNA断片を、両方のPCR産物にある共通の制限酵素部位を介して連結すること、すなわちhCaSRの細胞外アミノ末端ドメイン(ATD)(1〜Phe539)をコードする断片の、システインリッチドメイン(CRD)、膜貫通ドメイン(TMD)およびSer493から始まるC末端をコードするT1R3の断片への連結によって作出した。
CSR:T1R3キメラDNAの調製を容易にするために、SacII部位を、上述の2つの断片を形成するために利用したプライマーに導入した。
上記例3に示した配列番号21および配列番号22。
T1R3−断片プライマーF(配列番号25)
ATATCCGCGGTCCCGGTGCTCGCGGCAG
T1R3−断片プライマーF(配列番号26)
ATATGCGGCCGCACTCATGTTTCCCCTGATT
T1R2およびT1R3ベクター構築物の形成のため、ヒトT1R2およびT1R3の全タンパク質コード配列を含むcDNA断片をヒト茸状乳頭cDNAライブラリから単離し、完全にシークエンスし、そしてpCDNA3.1(Invitrogen)に標準的な方法でサブクローニングした。
ヒトT1R2−TMDを安定的に発現するヒト細胞系を、ヒトT1R2−TMD(例2で記載したように形成)を含む線状化pcDNA4/TOベクター(Invitrogen)をGα16gust44発現細胞系(WO2004/055048に記載されているように形成)へトランスフェクトすることで作出した。この細胞系は味覚受容体への増強された結合を示し、テトラサイクリンによって誘導され、非特異的Gタンパク質Gα16gust44を安定的に発現し、HEK−293−T−Rex細胞系(Invitrogen, USAから商業的に入手可能)に基づいている。
0日目に、HEK293T/Gα16gust44細胞を6ウェルの黒い、透明底のプレートに、ウェルあたり900,000個の密度で播種し、選択的成長培地で一晩成長させた。1日目に、培地を抗生物質不含かつ血清不含の成長培地に変更し、細胞を4μgの線状化T1R2 TMDベクター構築物DNAおよび0.3μlのリポフェクタミン2000(Invitrogen)を利用してトランスフェクトした。リポフェクタミン/DNA混合物を細胞上で3〜4時間インキュベートし、その後抗生物質不含の血清含有成長培地に交換した。24時間後、細胞を10%FBS、0.005mg/mlのブラストシジン、0.36mg/mlのG418、および0.1mg/mlのゼオシン(Invitrogen)を添加したDMEMを含有する選択培地に37℃で再播種した。2〜4週間後ゼオシン耐性コロニーを選択し、拡大し、50μMのペリラルチンへの応答について例1に記載したようにカルシウムイメージングで試験した。
T1R3は、テトラサイクリン調節T1R2の存在下において、両タンパク質の構成的過剰発現の細胞毒性効果の可能性を回避するために構成的に過剰発現させた。ヘテロダイマーの1つのサブユニットをテトラサイクリン調節ベクター内に置くことにより、その発現レベルを調節し、その結果、安定クローン株の生存率および機能性を最適化することが可能となる。
トランスフェクトされたベクター構築物は、上記のとおりに形成した例3、4および5に記載されているものを利用した。hCaSRについては、全長cDNAに基づく、商業的に入手可能なpCMVベースのベクター構築物を利用した(TRUECLONE collection, Origene Inc., USA)
0日目に、HEK293T/Gα16gust44細胞を96ウェルの黒い、透明底のプレートに、ウェルあたり8500個の密度で播種し、選択的成長培地で一晩成長させた。1日目に、培地を抗生物質不含かつ血清不含の成長培地に変更し、細胞をそれぞれ75ngのCSR:T1R2およびCSR:T1R3(合計150ng)、T1R2およびT1R3(合計150ng)、または75ngのhCaSRベクター構築物DNAおよび0.3μlのリポフェクタミン2000(Invitrogen)を利用してトランスフェクトした。
CSR:T1R2/CSR:T1R3またはT1R2/T1R3ヘテロダイマーのトランスフェクションのため、それぞれ75ngのベクター構築物を、ペア毎に合計150ngになるように組み合わせ、0.3μlのリポフェクタミン2000と一緒に利用した。75ngのhCaSRベクターDNAは、このカルシウム感知モノマーGPCRに利用した。
上記ベクター構築物の内の1つを一過性にトランスフェクトした細胞を、例1に記載したように蛍光イメージングプレートリーダー(FLIPR-Tetra, Molecular Devices)を利用して同定した。
用いた細胞は、例6に記載されているように形成した、Gα16gust44を安定的に発現し、T1R2−TMDを安定的にトランスフェクトされたHEK293T細胞であった。
100μMのp−エトキシベンズアルデヒドに対する細胞内カルシウム応答が決定された。
選択した特定のクローンは、リガンド刺激に続く細胞内カルシウムの強い増大を生成するのに十分なレベルのT1R2−TMDを既に基底的に発現しているため、細胞をテトラサイクリンで誘導しなかった。
p−エトキシベンズアルデヒド刺激によって、カルシウムシグナリングにおける顕著な増大が、ヒトT1R2−TMDを発現する細胞内で観察されたが、ネガティブコントロール(Gα16gust44キメラGタンパク質を発現するがT1R2−TMDは発現しない宿主細胞)では観察されなかった。
本方法は、T1R2−TMD活性を定量し、例えば、甘味物質を含む同定された候補増強剤の有効性の予測を可能にする。
Gα16gust44およびT1R2−TMD(例6で記載されているように形成した)を安定的に発現するHEK293T細胞にカルシウム色素Fluo−4を負荷し、そのp−エトキシベンズアルデヒドに対する応答を、例1に記載されているように蛍光カルシウムシグナルを利用して計測する。データは例1に記載されているように計算した(0.1〜200μMの範囲に及ぶ、p−エトキシベンズアルデヒドの増大する用量による細胞刺激に続く基準値を超える蛍光の正味の増大量)。データは平均値±3回の反復実験の標準偏差を含んでいる。
Y=基底値+(最高値−基底値)/(1+10^((LogEC50−X)×傾斜)
式中、Xはp−エトキシベンズアルデヒド濃度の対数であり、Yは応答であり、EC50は最大応答の50%を誘発するアゴニスト濃度を表す。
応答対log濃度のプロットにおいて、Yの値は濃度の増大に伴ってS字形状に上昇するように見える。
例1に記載のカルシウムフラックスアッセイを利用して、88個の試験剤のパネルがT1R2−TMD受容体依存性応答について評価された。試験剤は最終濃度100μMでデュプリケートで試験した。Gα16gust44を安定的に発現する細胞およびT1R2−TMD含有細胞(例6に記載されているように形成した)内で試験剤によって誘発されたシグナルは、Gα16gust44およびT1R2/T1R3ヘテロダイマーを安定的に発現する細胞(例7に記載されているように形成した)内で得られたシグナルと比較し、そしてネガティブコントロールとしてGα16gust44を安定的に発現する細胞を利用した。
結果は、T1R2−TMDがT1R2/T1R3ヘテロダイマーを活性化しない化合物によって活性化されることを示している。したがって、T1R2−TMDホモマーに基づくアッセイは、T1R3の存在下で行われるT1R2/T1R3ヘテロダイマーに基づくアッセイを利用しては同定できない増強剤を同定できる。
下記の受容体、核酸、ポリペプチド、方法およびキットは、本発明で実施されるインビトロアッセイの例示的な態様であるが(例12Aおよび12B)、同様の機能を実施するために、他の同様の態様が利用されてよく、または記載された態様に改変および付加がなされてもよい。さらに、全ての開示された態様は必ずしも互いの排他的ではなく、様々な態様を所望の特性を提供するために組み合わせてもよい。本開示の精神と範囲から離れることなく、当業者によって変更がなされてもよい。したがって、本受容体、核酸、ポリペプチド、方法およびキットはいかなる単一の態様に限定されるべきではなく、むしろ請求項の記載に従った幅および範囲で解釈されるべきである。
様々なリガンドによる刺激後の細胞内カルシウム応答は、Gα16gust44を安定して発現し、かつCSR:T1R2/CSR:T1R3キメラヘテロダイマーをトランスフェクトされたHEK293T細胞において決定した。結果は、(T1R2/T1R3甘味ヘテロダイマーを形成するために)例5に記載のT1R2ベクター構築物およびT1R3ベクター構築物の両方、または(モノマーhCaSRを形成するために)例4に記載のhCaSRベクター構築物をトランスフェクトした細胞から得られた結果と比較した。
ポジティブコントロール(カルシウム)が示すように、カルシウム感知ドメインを有する全てのトランスフェクト細胞はカルシウムに反応した(CSR:T1R2/CSR:T1R3ヘテロダイマーおよびhCaSR)。キメラヘテロダイマーのカルシウムに対する応答は、甘味ヘテロダイマーから得られたそれと比較できない。カルシウムはT1R2/T1R3甘味ヘテロダイマーのアゴニストではないので、Gα16gust44Gタンパク質のみを発現するモックトランスフェクションした細胞よりも大きなシグナルを与えない。
hCaSRは塩化カルシウムのみに応答し、試験したどの甘味物質によっても活性化される得なかった。塩化カルシウム、ペリラルチン、シンナモニトリル、サイクラミン酸塩およびNDHCについては、シグナルの顕著な増大が、CSR:T1R2/CSR:T1R3キメラヘテロダイマーを発現する細胞で観察された。ペリラルチン、シンナモニトリル、サイクラミン酸塩およびNDHCについて、これらのシグナルはT1R2/T1R3ヘテロダイマーで検出されたシグナルの強度に匹敵するものであった。
結果は、CSR:T1R2/CSR:T1R3が、カルシウム、ペリラルチン、サイクラミン酸塩、シンナモニトリル、ナリンジンジヒドロカルコン(NarDHC)およびネオヘスペリジンジヒドロカルコン(NDHC)によって活性化されるが、スクラロースまたはアスパルテームでは活性化されないことを明示している。サイクラミン酸塩はキメラダイマーを活性化するがT1R2−TMDは活性化せず、これは活性化にT1R3膜貫通ドメインが必要であることを示す。このことは、サイクラミン酸塩がT1R3膜貫通ドメインに結合することを示す文献中の知見と矛盾しない。ジヒドロカルコンは、細胞系からのデータに基づけば、両方の膜貫通ドメインに結合部位を有しているとみられる。
安定細胞系は、両タンパク質の構成的過剰発現による細胞毒性効果の可能性を回避するため、テトラサイクリン調節CSR:T1R2の存在下でCSR:T1R3が構成的に過剰発現するように作出した。ヘテロダイマー(CSR:T1R2)の1つのサブユニットをコードするDNAをテトラサイクリン調節ベクター中に配置して、発現レベルを調節し、安定クローン系の生存率および機能性を最適化できるようにした。
比較ランキングのために、0.5%、1%、1.5%、7%、8%、9%、10%および11%スクロース溶液を調製した。
a)スクロース溶液中の甘味増強剤の甘味等強度
官能評価はランキング法を利用して実施した。常温のサンプルが無作為に15mlの盲検化されたアリコート(パネリストによって特定できない)で提供された。パネルは10名の甘味感受性対象によって構成され、サンプルは1セッションにつき3反復で提供された。それぞれのサンプルを味わった後、次のサンプルを味わう前に、口内を常温の水で完全に洗浄した。パネリストは7%、8%、9%、10%、11%スクロースサンプルおよび6番目のサンプルとして7%スクロースに、その甘味検出閾値に近い濃度の甘味増強剤を加えたものを提供された。彼らに、サンプルを、感じた甘味に関して低い方から高い方へランク付けすることを求めた。7%スクロースと甘味増強剤対7%、8%、9%、10%または11%スクロースについてR指数(下記参照)を計算した。
官能評価はランキング法を利用して行った。常温のサンプルが無作為に15mlの盲検化されたアリコート(パネリストによって特定できない)で提供された。パネルは10名の甘味感受性対象によって構成され、サンプルは1セッションにつき3反復で提供された。それぞれのサンプルを味わった後、次のサンプルを味わう前に、口内を常温の水で完全に洗浄した。パネリストは0.5%および1%スクロース、または1%および1.5%スクロース、および3番目のサンプルとして水に、その甘味検出閾値に近い濃度の甘味増強剤を加えたものを提供された。彼らに、サンプルを、感じた甘味に関して低い方から高い方へランク付けすることを求めた。水と甘味増強剤対0.5%および1%スクロースまたは1%および1.5%スクロースについてR指数(下記参照)を計算した。R指数は、シグナル検出に基づく分析的手順によって得られる統計量であり、1つのサンプルを他のサンプル以上に選択した対象の比率を決定するための簡略法である。(O'Mahony, 1992, J. Sens. Stud., 7:1〜47参照)。ランキング型の官能試験から、応答のマトリクス(下記表X参照)を、各セルが、与えられたサンプルが特定の場所にランクされた回数を含むように構築した。
150ppm、200ppm、または250ppmの水中サイクラミン酸塩を含有する水性混合物を、0.5%スクロース溶液に対する等甘味度について、例13に記載されているランキング法の変法(サイクラミン酸塩濃度を変化させ、他の手順は同様にした)を利用して評価した。結果を下表に表す。
250ppmの水中サイクラミン酸塩を、0.5〜1%の濃度のスクロース溶液に対する等甘味度について、例13に記載されているランキング法を利用して評価した。結果を下表に表す。
1700ppm、1900ppm、2100ppm、2300ppmおよび2500ppmの水中サイクラミン酸塩の溶液を、例13の方法の変法(サイクラミン酸塩を閾値上甘味料として利用した)を利用して、甘味について順位付けをした。対象は、1700〜2500ppmのサイクラミン酸塩を含有する5つのサンプルを与えられ、最も甘くないものから最も甘いものまで順位付けるように依頼された。結果を下表に表す。
75ppmの水中p−エトキシベンズアルデヒドサンプルを、濃度0.5〜1%のスクロース溶液に対する等甘味度について、例13に記載されているランキング法を利用して評価した。対象は、甘味における香気の効果を取り除くために鼻クリップを着ける必要があった。結果を下表に表す。
0.5%の水中スクロース溶液を、100ppmおよび150ppmの濃度のp−エトキシベンズアルデヒド溶液に対する等甘味度について、例13に記載されているランキング法の変法(例14のように改変したが、p−エトキシベンズアルデヒド濃度を変えた)を利用して評価した。対象は、甘味における香気の効果を取り除くために鼻クリップを着ける必要があった。結果を下表に表す。
600ppm、700ppm、800ppm、900ppmおよび1000ppmの水中p−エトキシベンズアルデヒドを、例13の方法の変法(スクロースではなくp−エトキシベンズアルデヒドを閾値上甘味料として利用した)を利用して、甘味について順位付けした。対象は、600〜1000ppmのp−エトキシベンズアルデヒドを含有する5つのサンプルを与えられ、最も甘くないものから最も甘いものまで順位付けるように依頼された。対象は、甘味における香気の効果を取り除くために鼻クリップを着ける必要があった。結果を下表に表す。
100ppmの水中p−エトキシベンズアルデヒドサンプルを、150〜250ppmの濃度のサイクラミン酸塩溶液に対する等甘味度について、例13に記載されているランキング法の変法(p−エトキシベンズアルデヒドに対する等甘味度を計算するために、サイクラミン酸塩濃度を変えた)を利用して評価した。対象は、甘味における香気の効果を取り除くために鼻クリップを着ける必要があった。結果を下表に表す。
7%スクロース中の250ppmのサイクラミン酸塩サンプルを、7〜11%の濃度のスクロース溶液に対するその等甘味度について、例13に記載されているランキング法を利用して評価した。結果を下表に表す。
1700ppmのサイクラミン酸塩中の0.5%スクロースサンプルを、1700〜2500ppmの濃度のサイクラミン酸塩溶液に対するその等甘味度について、例13に記載されているランキング法の変法(サイクラミン酸塩を閾値上甘味料として利用した)を利用して評価した。結果を下表に表す。
1700ppmのサイクラミン酸塩中の100ppmのp−エトシキベンズアルデヒドサンプルを、1700〜2500ppmの濃度のサイクラミン酸塩溶液に対するその等甘味度について、例13に記載されているランキング法の変法を利用して評価した。対象は、甘味における香気の効果を取り除くために鼻クリップを着ける必要があった。結果を下表に表す。
7%スクロース中の75ppmのp−エトシキベンズアルデヒドサンプルを、7〜11%の濃度のスクロース溶液に対するその等甘味度について、例13に記載されているランキング法を利用して評価した。対象は、甘味における香気の効果を取り除くために鼻クリップを着ける必要があった。結果を下表に表す。
7%スクロース中の250ppmのサイクラミン酸塩および75ppmのp−エトシキベンズアルデヒドの混合物サンプルを、7〜11%の濃度のスクロース溶液に対するその等甘味度について、例13に記載されているランキング法を利用して評価した。対象は、甘味における香気の効果を取り除くために鼻クリップを着ける必要があった。結果を下表に表す。
1700ppmのサイクラミン酸塩中の100ppmのp−エトシキベンズアルデヒドおよび0.5%スクロースの混合物サンプルを、1700〜2500ppmの濃度のサイクラミン酸塩溶液に対するその等甘味度について、例13に記載されているランキング法の変法を利用して評価した。対象は、甘味における香気の効果を取り除くために鼻クリップを着ける必要があった。結果を下表に表す。
600ppmのp−エトシキベンズアルデヒド水溶液サンプル中の150ppmのサイクラミン酸塩の混合物を、600ppmおよび700ppmの濃度のp−エトキシベンズアルデヒド溶液に対するその等甘味度について、例13に記載されているランキング法の変法を利用して評価した。対象は、甘味における香気の効果を取り除くために鼻クリップを着ける必要があった。結果を下表に表す。
比較すると、水中の150ppmのサイクラミン酸塩は水中の100ppmのp−エトキシベンズアルデヒドと等甘味度である(例20参照)。600ppmのp−エトキシベンズアルデヒド水溶液への150ppmのサイクラミン酸塩の添加は、効果が単に相加的であるならば、700ppmのp−エトキシベンズアルデヒド水溶液と等甘味度であるはずである。しかしながら、600ppmのp−エトシキベンズアルデヒド水溶液サンプル中の150ppmのサイクラミン酸塩は、700ppmのp−ヒドロキシベンズアルデヒドよりも甘いことが見出され、これは期待された効果を明らかに上回る。
600ppmのp−エトシキベンズアルデヒド水溶液サンプル中の0.5%スクロースの混合物を、600ppmおよび700ppmの濃度のp−エトキシベンズアルデヒド溶液に対するその等甘味度について、例13に記載されているランキング法の変法を利用して評価した。対象は、甘味における香気の効果を取り除くために鼻クリップを着ける必要があった。結果を下表に表す。
600ppmのp−エトシキベンズアルデヒド水溶液中の150ppmのサイクラミン酸塩および0.5%スクロースのサンプル混合物を、600ppmおよび700ppmの濃度のp−エトキシベンズアルデヒド溶液に対するその等甘味度について、例13に記載されているランキング法の変法を利用して評価した。対象は、甘味における香気の効果を取り除くために鼻クリップを着ける必要があった。結果を下表に表す。
水中の60ppmのNarDHCサンプルを、0.5〜1%の濃度のスクロース溶液に対するその等甘味度について、例13に記載されているランキング法を利用して評価した。結果を下表に表す。
補間により、60ppmのNarDHCの甘味度は約1.25%スクロースと等価であった。
水中の2ppmのNDHCサンプルを、0.5〜1%の濃度のスクロース溶液に対するその等甘味度について、例13に記載されているランキング法を利用して評価した。結果を下表に表す。
水中のNarDHC(45ppm、50ppm、55ppm、60ppm)サンプルを、0〜1.5%の濃度のスクロース溶液に対するその等甘味度について、例13に記載されている一対比較法の変法を利用して評価した。NarDHCサンプルは0%、0.5%、1%または1.5%スクロースそれぞれと比較した。結果を下表に表す。
甘味料としての羅漢果抽出物の強制選択官能評価を、例13に記載されているようにだが、次のように改変して行った(強制選択法については、O'Mahony, 1992, J.Sens. Stud., 7:1-47もまた参照):羅漢果抽出物は水中で60ppmの濃度を有し、0%スクロース/水、0.5%スクロース/水または1%スクロース/水とそれぞれ比較した。結果を下表に表す。
羅漢果抽出物、NarDHC、およびNDHCの混合物の強制選択試験を、例13に記載されているようにだが、次のように改変して行った:水中の60ppmの羅漢果抽出物+60ppmのNarDHC+2ppmのNDHCサンプルを2.25%スクロースと比較した。2.25%スクロース濃度は、補間された各甘味増強剤のスクロースに対する等甘味度の相加的な個別の効果よりもわずかに小さいものとして選択した:2ppmのNDHCについては0.5%(例31)+60ppmの羅漢果抽出物については0.75%(例33)+60ppmのNarDHCについては1.25%(例30および32)。
7%スクロースサンプル中の60ppmの羅漢果抽出物+2ppmのNDHCを、7〜11%の濃度のスクロース溶液に対するその等甘味度について、例13に記載されているランキング法を利用して評価した。結果を下表に表す。
7%スクロース中の60ppmの羅漢果抽出物+60ppmのNarDHC+2ppmのNDHCサンプルを、7〜11%の濃度のスクロース溶液に対するその等甘味度について、例13に記載されているランキング法を利用して評価した。結果を下表に表す。
Claims (2)
- 甘味閾値の近傍または僅かに下の濃度の、レバウジオシドA、モグロシドV、ステビオシド、ルブソシド、ペリラルチン、p−エトキシベンズアルデヒド、シンナモニトリル、およびサイクラミン酸塩からなる群から選択される化合物の、甘味閾値よりも上の濃度の甘味物質との使用であって、
該甘味物質が、スクロースであり、
前記化合物と前記甘味物質との混合物の甘味を、前記甘味物質のみまたは前記化合物のみ含有する混合物の甘味と比較して相加的よりも増強するための使用。 - 甘味物質が少なくとも2%のスクロース溶液と等甘味度となる濃度で存在し、
選択される化合物が少なくとも1ppbから100,000ppmの濃度で存在し、その甘味検出閾値に近い濃度で、2%(w/w)スクロース未満のスクロースと等甘味度で存在する、請求項1に記載の使用。
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