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JP6091124B2 - 画像撮像装置 - Google Patents

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JP6091124B2 JP2012208263A JP2012208263A JP6091124B2 JP 6091124 B2 JP6091124 B2 JP 6091124B2 JP 2012208263 A JP2012208263 A JP 2012208263A JP 2012208263 A JP2012208263 A JP 2012208263A JP 6091124 B2 JP6091124 B2 JP 6091124B2
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Description

本発明は、画像撮像装置に関する。特にX線を用いた医療用画像診断装置に関する。
X線を用いた医療用画像診断装置は、広く医療現場で用いられている。従来のX線を用いた医療用画像診断装置を用いた診断では、患者の特定部位(骨、肺など)にX線源からX線を照射し、当該特定部位を透過したX線を写真フィルムなどに投影する。投影後、当該写真フィルムを現像することで、当該特定部位の内部の様子を可視化することができる。
上記写真フィルムを用いた方法では、写真フィルムの保管、すなわち、撮像後のデータ保管が煩雑なため、撮像データを電子化する方法が普及し始めている。撮像データを電子化する方法として、輝尽性蛍光体を用いる方法、所謂輝尽法がある。輝尽法では、X線を照射すると光を発する特性(輝尽性)を有する材料でプレートを形成し、患者の特定部位を透過したX線を当該プレートに投影する。X線投影後にスキャナで当該プレートから発せられる光を検出することで撮像データを構成し、電子化する方法(イメージングプレート法)である。
上記イメージングプレート法は、撮像データを電子化することは可能であるが、電子化の処理が煩雑となる欠点がある。そこで、近年はフラットパネル検出器(FPD:Flat Panel Detectorの略。)を用いた方法が注目を集めている。フラットパネル検出器は、X線を照射することで電荷もしくは光を生成するシンチレータと、当該電荷もしくは光を検出するセンサを有する素子基板と、から構成される。センサの出力から撮像データを構成することで、撮像データの電子化が可能である。X線を照射することで生成した電荷を直接センサで検出して出力する構成を直接方式という。また、X線を照射することで生成した光を光センサで検出して出力する構成を間接変換方式という。
この間接変換方式の画像撮像装置の一例であるX線診断装置には、光電変換素子を有するセンサーパネルとシンチレータ層との間にシンチレータ下地層を配置し、センサーパネルとシンチレータ層とを貼り合わせたものがある。シンチレータ下地層は光電変換素子の剛性を保護する機能を有し、シンチレータ下地層を形成する材料としては、例えば、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる(特許文献1参照)。
特開2011−191290号公報
より詳細な画像を取得するために、光を検出するセンサの分解能が高いことが要求される。
本発明の一態様は、分解能の高い画像撮像装置を提供することを目的の一つとする。
上記の課題に鑑み、開示する本発明の一態様は、X線を光に変換するシンチレータとフォトセンサとを有する画像撮像装置(例えばフラットパネル検出器)において、当該フォトセンサと当該シンチレータとの間隔を緻密に一様とすることで、シンチレータで変換された光がフォトセンサに均一に入射することを可能とした分解能の高い画像撮像装置である。
また、本発明の一態様は、シンチレータとフォトセンサとを有する画像撮像装置において、当該フォトセンサと当該シンチレータとの間にスペーサを設け、微小な間隔を均一に有する構成とした分解能の高い画像撮像装置である。
本発明の一態様は、X線を光に変換するシンチレータと、前記シンチレータで変換された光が入射されるフォトセンサと、前記シンチレータと前記フォトセンサとの間に配置されたスペーサと、を具備することを特徴とする画像撮像装置である。
また、上記の本発明の一態様において、前記フォトセンサは複数の画素を有し、前記複数の画素それぞれは、フォトダイオード、第1のトランジスタ、第2のトランジスタ及び第3のトランジスタを有するとよい。
また、上記の本発明の一態様において、前記第1のトランジスタのソース電極またはドレイン電極の一方は、前記フォトダイオードの一方の電極に電気的に接続され、前記第1のトランジスタは、酸化物半導体膜をチャネル形成領域に用いた薄膜トランジスタで形成されるとよい。
また、上記の本発明の一態様において、前記第1のトランジスタのソース電極またはドレイン電極の他方は、前記第2のトランジスタのゲート電極に電気的に接続され、前記第2のトランジスタは、酸化物半導体膜をチャネル形成領域に用いた薄膜トランジスタで形成されるとよい。
また、上記の本発明の一態様において、前記第2のトランジスタのソース電極またはドレイン電極の一方は、前記第3のトランジスタのソース電極またはドレイン電極の一方に電気的に接続され、前記第3のトランジスタは、酸化物半導体膜をチャネル形成領域に用いた薄膜トランジスタで形成されるとよい。
また、上記の本発明の一態様において、前記フォトダイオード、前記第1のトランジスタ、前記第2のトランジスタ、前記第3のトランジスタ及び前記スペーサは基板上に形成されているとよい。
また、上記の本発明の一態様において、前記スペーサは、1つまたは2つの前記画素につき1つ配置されているとよい。
また、上記の本発明の一態様において、前記複数の画素は画素領域に形成されており、前記スペーサは、前記画素領域内及び前記画素領域外の少なくとも一方に形成されているとよい。
また、上記の本発明の一態様において、前記スペーサは、前記フォトダイオードそれぞれを、完全にまたは部分的に囲むように形成されているとよい。
また、上記の本発明の一態様において、前記酸化物半導体膜は、インジウム、亜鉛、ガリウム、及びスズから選ばれた一種以上の元素の酸化物を含む膜であるとよい。
また、上記の本発明の一態様において、前記酸化物半導体膜は、結晶部を含み、前記結晶部は、c軸が前記酸化物半導体膜の被形成面の法線ベクトルに平行な方向に揃うとよい。
また、上記の本発明の一態様において、前記シンチレータと前記フォトセンサとの間隔は、0.1μm以上10μm以下であるとよい。
本発明の一態様を適用することで、分解能の高い画像撮像装置を提供することができる。
(A),(B)は本発明の一態様に係る画像撮像装置によって被検査物のX線画像を撮像する様子を示す図、(C)は(A),(B)に示す画像撮像装置を説明する概念図。 (A)は本発明の一態様に係る画像撮像装置1200を示す平面図、(B)は画像撮像装置1220を示す平面図、(C)は画像撮像装置1240を示す平面図。 (A)は図2(A)に示す画素領域1203における1画素の回路構成の一例を示す図、(B)は(A)に示す回路のレイアウトの一例を示す図。 図2(A)に示す画像撮像装置におけるフォトセンサの読み出し動作を説明するためのタイミングチャート。 図2(A)のX1−X2及び図3(B)のY1−Y2を示す断面図。 (A)はスペーサを1画素につき一つ配置した例を示す平面図、(B)はスペーサを2画素につき一つ配置した例を示す平面図。 (A),(B)それぞれは図2(A)に示す画像撮像装置におけるスペーサの配置の一例を示す平面図。 (A)は本発明の一態様に係る画像撮像装置1300を示す平面図、(B)は(A)の左上の部分を拡大した平面図。 図8(A)に示すZ1−Z2及び図3(B)に示すY1−Y2を示す断面図。 (A),(B)それぞれはスペーサを隔壁として用いた一例を示す平面図。 スペーサを隔壁として用いた一例を示す平面図。
以下では、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨およびその範囲から逸脱することなくその形態および詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
図1(A),(B)は、本発明の一態様に係る画像撮像装置100によって被検査物107のX線画像を撮像する様子を示す図であり、図1(C)は、図1(A),(B)に示す画像撮像装置100の構成についての概念図である。
図1(C)に示すように、画像撮像装置100は、フォトセンサ101、シンチレータ102を有し、X線源103から発せられたX線104が、画像撮像装置100に入射するようになっている。X線104がシンチレータ102に入射すると、光105を発する。光105は、フォトセンサ101に入射する。フォトセンサ101は、行列方向にマトリクス状に配置された複数の画素を有する構成が有効である。
図1(A),(B)に示すように、患者など被検査物107が画像撮像装置100とX線源103との間に配置され、X線源103から発せられたX線104が、被検査物107を通って画像撮像装置100のシンチレータ102に入射され、そのシンチレータ102から発した光105がフォトセンサ101で受光され、X線画像が撮像される。
画像撮像装置100の解像度を向上するには、フォトセンサ101とシンチレータ102との間隔を極力近付ける必要がある。なぜならば、シンチレータ102でX線104から変換された光105は拡散して迷光となり、当該光105をフォトセンサ101の所望の画素以外の画素で検出する恐れがあり、その結果、画像撮像装置100の解像度が低下することになるからである。また、画像撮像装置100の解像度を向上するには、フォトセンサ101とシンチレータ102との間隔を一様にする必要がある。なぜならば、フォトセンサ101とシンチレータ102との間隔が長い領域があると、当該領域の画素で検出する光は他の領域より弱い光となり、その結果、画像撮像装置100の解像度が低下することになるからである。
そこで、図1(C)に示す画像撮像装置100では、フォトセンサ101とシンチレータ102との間に、柱状のスペーサ106を設けている。つまり、図1(C)では、フォトリソグラフィ法を利用して選択的に形成された柱状のスペーサ106を用いてフォトセンサ101とシンチレータ102との間隔を制御している例を示す。なお、フォトセンサ101とシンチレータ102との間隔は、画素ピッチ(隣り合う画素の中心点どうしを結ぶ距離)よりも小さければよく、例えば、0.1μm以上10μm以下であるとよい。また、図1(C)におけるスペーサ106の位置は一例であり、スペーサの位置、個数、及び密度などは、実施者が任意に決定することができる。
また、柱状のスペーサ106に代えて、球状のスペーサ(ビーズスペーサともいう)を分散させることで、フォトセンサ101とシンチレータ102との間隔を制御することもできる。このように、フォトセンサ101とシンチレータ102との間にスペーサを形成することで、フォトセンサ101とシンチレータ102との間隔を微小且つ均一に形成することができる。このような構成とすることで、シンチレータでX線から変換された光がフォトセンサに均一に入射することを可能とする。したがって、面内ばらつきが少なく、分解能の高い画像撮像装置を提供することができる。
図2(A)は、本発明の一態様に係る画像撮像装置1200を示す平面図である。画像撮像装置1200は基板1201を有し、その基板1201上には複数の画素を含む画素領域1203を構成するフォトセンサが形成されている。フォトセンサ上にはスペーサ(図示せず)を介してシンチレータ1202が形成されており、このスペーサによってフォトセンサとシンチレータ1202との間隔を狭くて均一なものにすることができる。
基板1201上にはフォトセンサを駆動させる駆動IC1205が複数配置されている。各々の駆動IC1205は、TCP(テープキャリアパッケージ)1204によってフレキシブル基板に搭載され、基板1201の四辺に外付けされ、且つ画素領域1203の周囲を囲むように配置されている。
図2(B)は、本発明の一態様に係る画像撮像装置1220を示す平面図である。画像撮像装置1220は基板1221を有し、その基板1221上には複数の画素を含む画素領域1223を構成するフォトセンサが形成されている。フォトセンサ上にはスペーサ(図示せず)を介してシンチレータ1222が形成されており、このスペーサによってフォトセンサとシンチレータ1222との間隔を狭くて均一なものにすることができる。
基板1221上にはフォトセンサを駆動させる駆動IC1225がCOG(チップオングラス)方式により貼り付けられており、これらの駆動IC1225は画素領域1223の周囲を囲むように配置されている。また、基板1221の四辺には、各々の駆動IC1225に対応するFPC(フレキシブルプリント基板)1224が外付けされている。
図2(C)は、本発明の一態様に係る画像撮像装置1240を示す平面図である。画像撮像装置1240は基板1241を有し、その基板1241上には複数の画素を含む画素領域1243を構成するフォトセンサ及びゲートドライバ1247a,1247bが形成されている。フォトセンサ及びゲートドライバ1247a,1247bの上にはスペーサ(図示せず)を介してシンチレータ1242が形成されており、このスペーサによってフォトセンサとシンチレータ1242との間隔を狭くて均一なものにすることができる。
基板1241上の二辺にはフォトセンサを駆動させる駆動IC1245が複数配置されている。各々の駆動IC1245は、TCP(テープキャリアパッケージ)1246によってフレキシブル基板に搭載され、基板1241の二辺に外付けされている。画素領域1243の周囲は、TCP1246及びゲートドライバ1247a,1247bによって囲まれている。ゲートドライバ1247a,1247bはパネルに内蔵されている。また、基板1221の二辺には、ゲートドライバ1247a,1247bに対応するFPC1244が外付けされている。
図3(A)は、図2(A)に示す画素領域1203における1画素の回路構成の一例を示す図である。画素領域1203には図3(A)に示す回路が行例のマトリクス状に配置されている。
図3(A)に示すように、1画素は1個のフォトダイオード201及び3個のトランジスタ202,203,204を有する。フォトダイオード201の一方の電極は配線206と電気的に接続され、フォトダイオード201の他方の電極はトランジスタ202のソース電極またはドレイン電極の一方と電気的に接続されている。トランジスタ202のゲートは配線207と電気的に接続されている。トランジスタ202のソース電極またはドレイン電極の他方は配線205と電気的に接続され、配線205はトランジスタ203のゲートと電気的に接続されている。トランジスタ203のソース電極またはドレイン電極の一方は配線209と電気的に接続され、トランジスタ203のソース電極またはドレイン電極の他方はトランジスタ204のソース電極またはドレイン電極の一方と電気的に接続されている。トランジスタ204のゲートは配線208と電気的に接続され、トランジスタ204のソース電極またはドレイン電極の他方は配線210と電気的に接続されている。
なお、図3(A)では、フォトダイオード201の陽極が配線206と電気的に接続され、フォトダイオード201の陰極がトランジスタ202のソース電極またはドレイン電極の一方と電気的に接続されている構成を示したが、これに限定されない。フォトダイオード201の陰極が配線206と電気的に接続され、フォトダイオード201の陽極がトランジスタ202のソース電極またはドレイン電極の一方と電気的に接続されていてもよい。
フォトダイオード201は、光が照射されると電流が発生する光電変換素子である。したがって、シンチレータから発せられた光を検出することで、当該フォトダイオード201には、光電流が流れる。
次に、図3(A)の回路の具体的レイアウトを説明する。図3(B)は、図3(A)に示す回路のレイアウトの一例を示す図である。
図3(B)に示すように、1画素200において、その一方側には光検出領域211を備えたフォトダイオード201が形成されており、その他方側にはトランジスタ202〜204を備えた回路領域が形成されており、光検出領域211と重ならない領域にはスペーサ219が形成されている。なお、ここでは、光検出領域211と回路領域を分けて配置しているが、回路領域上に光検出領域211を積層して配置することも可能である。
導電層214は、トランジスタ202のソース電極またはドレイン電極の一方として機能する。導電層205aは、トランジスタ202のソース電極またはドレイン電極の他方として機能する。透明導電膜212は、フォトダイオード201の一方の電極と、導電層214とに電気的に接続されている。フォトダイオード201の他方の電極は導電層206bに電気的に接続されており、導電層206bは導電層206aに電気的に接続されている。導電層213は、トランジスタ202のゲート電極として機能しており、さらに配線207に電気的に接続されている。配線207は、配線217に電気的に接続されている。
導電層205bは、トランジスタ203のゲート電極として機能しており、さらに、導電層205aに電気的に接続されている。導電層216は、トランジスタ203のソース電極またはドレイン電極の一方として機能する。導電層215は、トランジスタ203のソース電極またはドレイン電極の他方、及びトランジスタ204のソース電極またはドレイン電極の一方として機能する。また、配線(導電層)210は、トランジスタ204のソース電極またはドレイン電極の他方としても機能する。配線(導電層)208は、トランジスタ204のゲート電極としても機能する。配線(導電層)218は、導電層216及び配線209に電気的に接続されている。
配線208、導電層213、導電層205b、配線218、導電層206b、配線217は、絶縁表面上に形成された一の導電膜を所望の形状に加工することで形成することができる。配線208、導電層213、導電層205b、配線218、導電層206b、配線217の上にはゲート絶縁膜(図5の絶縁膜306,307に相当)が形成されている。さらに、導電層206b、配線207、配線209、配線210、導電層214、導電層205a、導電層216、導電層215は、前記ゲート絶縁膜上に形成された一の導電膜を所望の形状に加工することで形成することができる。
また、導電層206b、配線207、配線209、配線210、導電層214、導電層205a、導電層216、導電層215の上には、絶縁膜(図示せず)が形成されている。この絶縁膜上には透明導電膜212が形成されている。
トランジスタ202は、アモルファスシリコンや微結晶シリコン、多結晶シリコン、単結晶シリコンなどの半導体層をチャネル形成領域に用いた薄膜トランジスタで形成することが可能である。なお、トランジスタ202は、フォトダイオード201が光を検出した際に生成する電荷を配線205に電位として蓄積し、また、当該電位を保持する機能を有するため、移動度が高く、また、オフ電流が極めて低い薄膜トランジスタで構成することが好ましい。そのため、トランジスタ202は、酸化物半導体膜をチャネル形成領域に用いた薄膜トランジスタで形成することが望ましい。
トランジスタ203は、アモルファスシリコンや微結晶シリコン、多結晶シリコン、単結晶シリコンなどの半導体層を用いた薄膜トランジスタで形成することが可能である。なお、トランジスタ203は、フォトダイオード201が生成する電気信号を増幅する機能を有するため、移動度が高いことが好ましい。一方で、配線209に不必要な電位を出力することを防ぐため、オフ電流が低いことが好ましい。そのため、トランジスタ203は、高移動度と低オフ電流を両立できる酸化物半導体膜をチャネル形成領域に用いた薄膜トランジスタで形成する構成も有効である。
トランジスタ204は、アモルファスシリコンや微結晶シリコン、多結晶シリコン、単結晶シリコンなどの半導体層を用いた薄膜トランジスタで形成することが可能である。なお、トランジスタ204は、画素の出力を制御する機能を有するため、移動度が高いことが好ましい。一方で、配線210に不必要な電位を出力することを防ぐため、オフ電流が低いことが好ましい。そのため、トランジスタ204は、高移動度と低オフ電流を両立できる酸化物半導体膜をチャネル形成領域に用いた薄膜トランジスタで形成する構成も有効である。
次に、図2(A)に示す画像撮像装置におけるフォトセンサの読み出し動作について、図4のタイミングチャートを用いて説明する。
図4において、信号3001〜信号3005それぞれは、図3(A)における配線206、配線207、配線208、配線205、配線210の電位に相当する。なお、配線209の電位を"L"(低)で一定とする。
時刻Aにおいて、配線206の電位(信号3001)を"H"(高)、配線207の電位(信号3002)を"H"とする(リセット動作開始)と、フォトダイオード201に順方向バイアスが印加され、配線205の電位(信号3004)が"H"となる。なお、配線210の電位(信号3005)は"H"にプリチャージしておく。
時刻Bにおいて、配線206の電位(信号3001)を"L"、配線207の電位(信号3002)を"H"とする(リセット動作終了、累積動作開始)と、フォトダイオード201のオフ電流により、配線205の電位(信号3004)が低下し始める。フォトダイオード201は、光が照射されるとオフ電流が増大するので、照射される光の量に応じて配線205の電位(信号3004)の低下速度は変化する。すなわち、フォトダイオード201に照射する光の量に応じて、トランジスタ203のソースとドレイン間のチャネル抵抗が変化する。
時刻Cにおいて、配線207の電位(信号3002)を"L"とする(累積動作終了)と、配線205の電位(信号3004)は一定となる。ここで、当該電位は、累積動作中にフォトダイオードが生成した電荷量により決まる。すなわち、フォトダイオードに照射されていた光の量に応じて変化する。また、トランジスタ202は、酸化膜半導体層でチャネル形成領域を形成したオフ電流が極めて低い薄膜トランジスタで構成しているため、後の選択動作を行うまで、上記電荷量を一定に保つことが可能である。
なお、配線207の電位(信号3002)を"L"とする際に、配線207と配線205との間における寄生容量により、配線205の電位変化が生じる。電位変化の変化量が大きい場合、累積動作中にフォトダイオードが生成した電荷量を精密に取得できないことになる。電位変化の変化量を低減するには、トランジスタ202のゲート−ソース(もしくはゲート−ドレイン)間容量を低減する、トランジスタ203のゲート容量を増大する、配線205に保持容量を設ける、などの対策が有効である。なお、図4では、これらの対策を施し、上記電位変化を無視できるとしている。
時刻Dに、配線208の電位(信号3003)を"H"にする(選択動作開始)と、トランジスタ204が導通し、配線209と配線210とが、トランジスタ203とトランジスタ204とを介して導通する。すると、配線210の電位(信号3005)は、低下していく。なお、時刻D以前に、配線210のプリチャージを終了しておく。ここで、配線210の電位(信号3005)が低下する速さは、トランジスタ203のソースとドレイン間の電流に依存する。すなわち、累積動作中にフォトダイオード201に照射されている光の量に応じて変化する。
時刻Eにおいて、配線208の電位(信号3003)を"L"にする(選択動作終了)と、トランジスタ204が遮断され、配線210の電位(信号3005)は、一定値となる。ここで、一定値となる値は、フォトダイオード201に照射されていた光の量に応じて変化する。したがって、配線210の電位を取得することで、累積動作中にフォトダイオード201に照射されていた光の量を知ることができる。
より具体的には、フォトダイオード201に照射されている光が強(弱)いと、配線205の電位は低(高)くなり、トランジスタ203のゲート電圧は低(高)くなるので、配線210の電位(信号3005)が低下する早さは遅(早)くなる。したがって、配線210の電位は高(低)くなる。
以上のような形態とすることで、分解能の高い画像撮像装置を提供することができる。つまり、フォトセンサの分解能を高くすることで、より詳細な患部画像を取得することができる。したがって、より正確な診断が可能となる。
図5は、図2(A)に示すX1−X2、及び図3(B)に示すY1−Y2を示す断面図である。
基板301上には端子電極302、導電層213,206a及び配線217が形成されており、端子電極302、導電層213,206a及び配線217の上には絶縁膜306が形成されている。絶縁膜306上には絶縁膜307が形成されており、絶縁膜307上には導電層213上に位置する酸化物半導体膜311が形成されている。絶縁膜306,307には配線217上に位置する接続孔が形成されており、この接続孔内及び絶縁膜307上には配線207が形成されている。また、絶縁膜307上には配線210が形成されている。また、酸化物半導体膜311の一方上には導電層312aが形成されており、酸化物半導体膜311の他方上には導電層312bが形成されている。
配線207,210、導電層312a,312b、酸化物半導体膜311及び絶縁膜307の上には絶縁膜313が形成されており、絶縁膜313上には絶縁膜314が形成されている。絶縁膜313,314には配線上に位置する接続孔が形成されている。この接続孔内及び絶縁膜314上には、p型の半導体膜308、i型の半導体膜309、n型の半導体膜310が順に積層されている。これらの半導体膜308〜310によってフォトダイオード201が構成されている。
フォトダイオード201及び絶縁膜314の上には平坦化膜315が形成されている。平坦化膜315及び絶縁膜306の上には絶縁膜316が形成されている。平坦化膜315及び絶縁膜316には半導体膜310上に位置する接続孔が形成されている。また、平坦化膜315及び絶縁膜313,314,316には導電層312a上に位置する接続孔が形成されている。これらの接続孔内及び絶縁膜316上には透明導電膜317(図3に示す透明導電膜212に相当)が形成されており、透明導電膜317によって導電層312a(図3に示す導電層214に相当)と半導体膜310とが電気的に接続されている。
絶縁膜316上には柱状のスペーサ219が形成されている。スペーサ219の周囲、透明導電膜317上及び絶縁膜316上には接着層318が配置されており、接着層318及びスペーサ219の上にはシンチレータ319が形成されている。シンチレータ319上にはシンチレータ保護層320が形成されている。スペーサ219によってシンチレータ319とフォトダイオード201との間隔を狭くて一定で且つ均一なものにすることができる。
基板301の外周に位置する絶縁膜306,316には開口部が形成されており、この開口部によって端子電極302が露出している。端子電極302上には透明導電膜303が形成されており、透明導電膜303上には異方性導電膜304が形成されている。異方性導電膜304上にはTCP305が取り付けられている。
次に、スペーサ219の配置について図6及び図7を参照しつつ説明する。
図6(A)は、本発明の一態様に係る画像撮像装置におけるスペーサ219の配置の一例を示す平面図である。この画像撮像装置は、光検出領域250と、その光検出領域250の隣に形成された回路領域251を含む1画素200が行列方向にマトリクス状に配置されたものである。スペーサ219は1画素200につき1つ配置されている。また、スペーサ219は光検出領域250と重ならない位置に配置されている。
図6(B)は、本発明の一態様に係る画像撮像装置におけるスペーサ219の配置の一例を示す平面図であり、図6(A)と同一部分には同一符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
スペーサ219は2つの画素200につき1つ配置されている。このように、スペーサの配置は一画素につき1つでなくてもよく、複数のスペーサを任意の間隔(密度)で配置することができる。
図7(A)は、図2(A)に示す画像撮像装置におけるスペーサ1254の配置の一例を示す平面図である。
スペーサ1254は、画素領域1203内にのみ配置され、画素領域1203外に配置されていない。
図7(B)は、図2(A)に示す画像撮像装置におけるスペーサ1254,1255a,1255bの配置の一例を示す平面図である。
スペーサ1254は画素領域1203内に配置されており、スペーサ1255a,1255bは画素領域1203外に配置されている。
図8(A)は、本発明の一態様に係る画像撮像装置1300を示す平面図であり、図8(B)は、図8(A)の左上の部分を拡大した平面図である。
画像撮像装置1300は基板1301を有し、その基板1301上には複数の画素を含む画素領域1303を構成するフォトセンサが形成されている。フォトセンサ上にはスペーサ1307を介してシンチレータ1302が形成されており、このスペーサ1307によってフォトセンサとシンチレータ1302との間隔を狭くて均一なものにすることができる。
基板1301とシンチレータ1302との間には、画素領域1303の外側に位置するシール材1306が配置されている。基板1301の4辺には駆動IC1305を有するTCP1304が設けられている。ここでは、接着剤を注入する注入口を設けていない。そのため、シール材1306を描画後、接着材をシール材1306で囲まれた領域に適量を滴下し、基板1301にシンチレータ1302を貼り合わせることで、画像撮像装置1300を作製する。
なお、図8(A),(B)では、接着剤を注入する注入口を設けていないが、シール材1306に注入口を設け、真空注入法で接着剤を注入した後、封止材(図示せず)で注入口を封止する方法を採用してもよい。
図9は、図8(A)に示すZ1−Z2、及び図3(B)に示すY1−Y2を示す断面図であり、図5と異なる部分についてのみ説明する。
シンチレータ319(図8の1302に相当)と基板301(図8の1301に相当)との間はシール材321(図8の1306に相当)によって封止されている。図5では絶縁膜316上に柱状のスペーサ219を形成しているが、図9では絶縁膜316上に球状のスペーサ322を形成している。
次に、本発明の一態様に係る画像撮像装置においてスペーサを隔壁として用いた例について図10及び図11を参照しつつ説明する。
図10(A)は、スペーサを隔壁として用いた一例を示す平面図であり、図6(A)と同一部分には同一符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
1画素200の周囲は隔壁500によって囲まれており、この隔壁500はスペーサとしても機能する。つまり、隔壁500は画素単位で区分けしている。
図10(A)に示すように、隣り合う画素200の光検出領域250の相互間を隔壁500によって区分けすることにより、隣り合う画素間で迷光を遮断できる。そのため、本来、光を検出すべき光検出領域250の隣の光検出領域に迷光が進入し、その進入した迷光を隣の光検出領域で検出してしまうことを抑制できる。したがって、画像撮像装置においてセンサの分解能を高めることに寄与する。
図10(B)は、スペーサを隔壁として用いた一例を示す平面図であり、図10(A)と同一部分には同一符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
1画素200の光検出領域250の周囲は隔壁501によって囲まれており、この隔壁501はスペーサとしても機能する。
図10(B)に示す画像撮像装置においても図10(A)に示す画像撮像装置と同様の効果を得ることができる。
図11は、スペーサを隔壁として用いた一例を示す平面図であり、図10(A)と同一部分には同一符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
1画素200の周囲は隔壁502によって完全に囲まれていない。別言すれば、隔壁502と隔壁502との間に隙間を設けている。この隔壁502はスペーサとしても機能する。
図11に示す画像撮像装置においても図10(A)に示す画像撮像装置と同様の効果を得ることができる。
また、図11に示す画像撮像装置では、隔壁502と隔壁502との間に隙間を設けているため、その隙間によって画素200内への接着剤の注入をスムーズに行うことができる。したがって、基板にシンチレータを貼り合わせる工程を実施しやすくすることができる。
[画像撮像装置の各構成要素の説明]
<基板>
基板の材料としては、ガラス、プラスチック等から適宜選択して用いることができる。
<スペーサ>
柱状のスペーサはシンチレータと基板とのギャップまたはシンチレータとフォトダイオードとのギャップを保持するためのものである。このスペーサはフォトリソスペーサ、ポストスペーサ、カラムスペーサとも呼ばれている。柱状のスペーサの作製方法としては、感光性アクリルなどの有機絶縁材料を基板の全面にスピンコート法により塗布し、これを一連のフォトリソグラフィの工程を行うことにより、基板上に残った感光性アクリルがスペーサとしての役割を果たす。この方法では、露光時のマスクパターン次第でスペーサの配置したい場所に露光できるため、フォトダイオードに重ならない部分にこの柱状のスペーサを配置することにより、シンチレータと基板とのギャップを維持するだけでなく、シンチレータで変換された光が入射されるべきフォトダイオード以外のフォトダイオードに入射されるのを抑制することができる。
柱状のスペーサは、アクリル、ポリイミド、ポリイミドアミド、エポキシの少なくとも1つを主成分とする有機樹脂材料、もしくは酸化珪素、窒化珪素、酸化窒化珪素のいずれか一種の材料、或いはこれらの積層膜からなる無機材料であるとよい。また、柱状のスペーサに代えて球状のスペーサを用いる場合には、球状のスペーサの材料としてガラス、シリカ、金属酸化物(アルミナなど)等の無機化合物材料や、ポリアクリル、ナイロン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ナイロンなどのプラスチック材料等を用いるとよい。
<シール材>
シール材は、絶縁性のエポキシ系の樹脂材料などを用いてもよいし、アクリル系光硬化樹脂やアクリル系熱硬化樹脂を用いてもよい。また、シール材としては例えば直径6μm〜24μmのフィラーを含み、且つ、粘度40〜400Pa・sのものを用いるとよい。
<シンチレータ>
シンチレータは、シンチレータ層であってもよい。シンチレータは、放射線を光電変換素子(フォトダイオード)が感知可能な光に変換するものであり、柱状結晶を複数有する構造である。柱状結晶を有するシンチレータは、シンチレータで発生した光が柱状結晶内を伝搬するので光散乱が少なく、解像度を向上させることができる。柱状結晶を形成するシンチレータの材料としては、ハロゲン化アルカリを主成分とする材料が好適に用いられる。例えば、CsI:Tl、CsI:Na、CsBr:Tl、NaI:Tl、LiI:Eu、KI:Tl等が用いられる。その作製方法は、例えばCsI:Tlでは、CsIとTlを同時に蒸着することで形成できる。
シンチレータは、材料として、一般的にヨウ化セシウム(CsI):ナトリウム(Na)、ヨウ化セシウム(CsI):タリウム(Tl)、ヨウ化ナトリウム(NaI)、あるいは酸硫化ガドリニウム(Gd22S)などが用いられ、ダイシングなどにより溝を形成したり、柱状構造が形成されるように蒸着法で堆積したりすることで、解像度特性を向上させることができる。その他のシンチレータの材料には、a−Se、Si、CdTe、CdZnTe、HgI、PbI等が挙げられる。
<接着層>
接着層(接着剤)は、紫外線硬化型樹脂、熱硬化型樹脂等の接着剤、粘着剤、ホットメルト等からなるとよく、紫外線硬化型樹脂を用いることが好ましい。いずれも、充填可能な低粘度のものがよい。
<酸化物半導体膜の詳細な説明>
酸化物半導体膜は、非晶質構造、または多結晶構造であってもよい。また、酸化物半導体膜は、CAAC−OS(C Axis Aligned Crystalline Oxide Semiconductor)膜であってもよい。
CAAC−OS膜は、完全な単結晶ではなく、完全な非晶質でもない。CAAC−OS膜は、非晶質相に結晶部を有する結晶−非晶質混相構造の酸化物半導体膜である。なお、当該結晶部は、一辺が100nm未満の立方体内に収まる大きさであることが多い。また、透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)による観察像では、CAAC−OS膜に含まれる非晶質部と結晶部との境界は明確ではない。また、TEMによってCAAC−OS膜には粒界(グレインバウンダリーともいう)は確認できない。そのため、CAAC−OS膜は、粒界に起因する電子移動の低下が抑制される。
CAAC−OS膜に含まれる結晶部は、c軸がCAAC−OS膜の被形成面の法線ベクトルまたは表面の法線ベクトルに平行な方向に揃い、かつab面に垂直な方向から見て三角形状または六角形状の原子配列を有し、c軸に垂直な方向から見て金属原子が層状または金属原子と酸素原子とが層状に配列している。なお、異なる結晶部間で、それぞれa軸およびb軸の向きが異なっていてもよい。本明細書等において、単に垂直と記載する場合、85°以上95°以下の範囲も含まれることとする。また、単に平行と記載する場合、−5°以上5°以下の範囲も含まれることとする。
なお、CAAC−OS膜において、結晶部の分布が一様でなくてもよい。例えば、CAAC−OS膜の形成過程において、酸化物半導体膜の表面側から結晶成長させる場合、表面の近傍では結晶部の占める割合が高くなることがある。また、CAAC−OS膜へ不純物を添加することにより、当該不純物添加領域において結晶部が非晶質化することもある。
CAAC−OS膜に含まれる結晶部のc軸は、CAAC−OS膜の被形成面の法線ベクトルまたは表面の法線ベクトルに平行な方向に揃うため、CAAC−OS膜の形状(被形成面の断面形状または表面の断面形状)によっては互いに異なる方向を向くことがある。
なお、結晶部のc軸の方向は、CAAC−OS膜が形成されたときの被形成面の法線ベクトルまたは表面の法線ベクトルに平行な方向となる。結晶部は、成膜することにより、または成膜後に加熱処理などの結晶化処理を行うことにより形成される。
CAAC−OS膜を用いたトランジスタは、可視光や紫外光の照射によるトランジスタの電気特性の変動を低減することが可能である。また、しきい値の変動、及びバラツキを抑制できる。よって、当該トランジスタは信頼性が高い。
また、結晶部または結晶性を有する酸化物半導体膜では、よりバルク内欠陥を低減することができる。さらに、結晶部または結晶性を有する酸化物半導体膜表面の平坦性を高めることによって、該酸化物半導体膜を用いたトランジスタは、アモルファス状態の酸化物半導体膜を用いたトランジスタ以上の電界効果移動度を得ることができる。酸化物半導体膜表面の平坦性を高めるためには、平坦な表面上に酸化物半導体膜を形成することが好ましく、具体的には、平坦面粗さ(Ra)が0.15nm以下、好ましくは0.1nm以下の表面上に形成するとよい。
なお、Raは、日本工業規格JIS B0601で定義されている中心線平均粗さを面に対して適用できるよう三次元に拡張したものであり、「基準面から指定面までの偏差の絶対値を平均した値」と表現でき、以下の式にて定義される。
Figure 0006091124
なお、上記において、Sは、測定面(座標(x,y)(x,y)(x,y)(x,y)で表される4点によって囲まれる長方形の領域)の面積を指し、Zは測定面の平均高さを指す。Raは原子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscope)にて評価可能である。
また、酸化物半導体膜は、シリコンの1.1eVよりも大きい禁制帯幅を持つ酸化物半導体を適用することが好ましく、例えば、禁制帯幅が約3.15eVであるIn−Ga−Zn系金属酸化物、禁制帯幅が約3.0eVである酸化インジウム、禁制帯幅が約3.0eVであるインジウム錫酸化物、禁制帯幅が約3.3eVであるインジウムガリウム酸化物、禁制帯幅が約2.7eVであるインジウム亜鉛酸化物、禁制帯幅が約3.3eVである酸化錫、禁制帯幅が約3.37eVである酸化亜鉛などを好ましく用いることができる。このような材料を用いることにより、トランジスタのオフ電流を極めて低く保つことが可能である。
また、酸化物半導体膜に用いる酸化物半導体としては、インジウム(In)、亜鉛(Zn)、及びガリウム(Ga)の群から選ばれた少なくとも一つを含むことが好ましい。特にInとZnを含むことが好ましい。また、該酸化物半導体を用いたトランジスタの電気特性のばらつきを減らすためのスタビライザーとしてスズ(Sn)を有することが好ましい。
例えば、酸化物半導体として、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛、二元系金属酸化物であるIn−Zn系金属酸化物、Sn−Zn系金属酸化物、In−Ga系金属酸化物、三元系金属酸化物であるIn−Ga−Zn系金属酸化物(IGZOとも表記する)、In−Sn−Zn系金属酸化物、Sn−Ga−Zn系金属酸化物、四元系金属酸化物であるIn−Sn−Ga−Zn系金属酸化物を用いることができる。
ここで、In−Ga−Zn系金属酸化物とは、InとGaとZnを主成分として有する金属酸化物という意味であり、InとGaとZnの比率は問わない。また、InとGaとZn以外の金属元素が入っていてもよい。
また、酸化物半導体として、InMO(ZnO)(m>0、且つ、mは整数でない)で表記される材料を用いてもよい。なお、Mは、Ga、Fe、Mn及びCoから選ばれた一の金属元素もしくは複数の金属元素、または上記のスタビライザーとしての元素を示す。また、酸化物半導体として、InSnO(ZnO)(n>0、且つ、nは整数)で表記される材料を用いてもよい。
例えば、In:Ga:Zn=1:1:1、In:Ga:Zn=3:1:2、あるいはIn:Ga:Zn=2:1:3の原子数比のIn−Ga−Zn系金属酸化物やその組成の近傍の酸化物を用いるとよい。
また、酸化物半導体膜の成膜工程において、酸化物半導体膜に水素、水などの不純物がなるべく含まれないことが好ましい。例えば、酸化物半導体膜の成膜工程の前処理として、スパッタリング装置の予備加熱室で基板を予備加熱し、基板に吸着した水素、水などの不純物を脱離し排気することが好ましい。また、酸化物半導体膜の成膜時、残留する水が排気された成膜室(成膜チャンバーともいう)で行うことが好ましい。
なお、予備加熱室、及び成膜室の水を除去するためには、吸着型の真空ポンプ、例えば、クライオポンプ、イオンポンプ、チタンサブリメーションポンプを用いることが好ましい。また、排気手段は、ターボポンプにコールドトラップを加えたものであってもよい。クライオポンプを用いて排気した、予備加熱室、及び成膜室は、例えば、水素原子、水(HO)など水素原子を含む化合物(より好ましくは炭素原子を含む化合物も)等が排気されるため、酸化物半導体膜に含まれる水素、水などの不純物の濃度を低減できる。
なお、酸化物半導体膜としてIn−Ga−Zn系金属酸化物をスパッタリング法により成膜する。また、酸化物半導体膜は、希ガス(代表的にはアルゴン)雰囲気下、酸素雰囲気下、または希ガスと酸素の混合雰囲気下においてスパッタリング法により形成することができる。
酸化物半導体膜として、In−Ga−Zn系金属酸化物をスパッタリング法で作製するためのターゲットとしては、例えば、原子数比がIn:Ga:Zn=1:1:1の金属酸化物ターゲットや、原子数比がIn:Ga:Zn=3:1:2の金属酸化物ターゲットや、原子数比がIn:Ga:Zn=2:1:3の金属酸化物ターゲットを用いることができる。ただし、酸化物半導体膜に用いることのできるターゲットは、これらのターゲットの材料、及び組成に限定されるものではない。
また、酸化物半導体膜を上述した金属酸化物ターゲットを用いて形成した場合、ターゲットの組成と、基板上に形成される薄膜の組成とが異なる場合がある。例えば、In:Ga:ZnO=1:1:1[mol比]の金属酸化物ターゲットを用いた場合、成膜条件にも依存するが、薄膜である酸化物半導体膜の組成比は、In:Ga:ZnO=1:1:0.6〜0.8[mol比]となる場合がある。これは、酸化物半導体膜の成膜中において、ZnOが昇華する、またはIn、Ga、ZnOの各成分のスパッタリングレートが異なるためであると考えられる。
したがって、所望の組成比の薄膜を形成したい場合においては、予め金属酸化物ターゲットの組成比を調整する必要がある。例えば、薄膜である酸化物半導体膜の組成比を、In:Ga:ZnO=1:1:1[mol比]とする場合においては、金属酸化物ターゲットの組成比を、In:Ga:ZnO=1:1:1.5[mol比]とすればよい。すなわち、金属酸化物ターゲットのZnOの含有量を予め多くすればよい。ただし、ターゲットの組成比は、上記数値に限定されず、成膜条件や、形成される薄膜の組成により適宜調整することができる。また、金属酸化物ターゲットのZnOの含有量を多くすることにより、得られる薄膜の結晶性が向上するため好ましい。
また、金属酸化物ターゲットの相対密度は90%以上100%以下、好ましくは95%以上99.9%以下である。相対密度の高い金属酸化物ターゲットを用いることにより、成膜した酸化物半導体膜は緻密な膜とすることができる。
また、酸化物半導体膜を成膜する際に用いるスパッタリングガスとしては、水素、水などの不純物が除去された高純度ガスを用いることが好ましい。
酸化物半導体膜として、CAAC−OS膜を適用する場合、該CAAC−OS膜を形成する方法としては、例えば三つ挙げられる。一つめは、成膜温度を200℃以上450℃以下として酸化物半導体膜の成膜を行うことで、酸化物半導体膜に含まれる結晶部のc軸が、被形成面の法線ベクトルまたは表面の法線ベクトルに平行な方向に揃った結晶部を形成する方法である。二つめは、酸化物半導体膜を薄い膜厚で成膜した後、200℃以上700℃以下の熱処理を行うことで、酸化物半導体膜に含まれる結晶部のc軸が、被形成面の法線ベクトルまたは表面の法線ベクトルに平行な方向に揃った結晶部を形成する方法である。三つめは、一層目の酸化物半導体膜を薄く成膜した後、200℃以上700℃以下の熱処理を行い、さらに二層目の酸化物半導体膜の成膜を行うことで、酸化物半導体膜に含まれる結晶部のc軸が、被形成面の法線ベクトルまたは表面の法線ベクトルに平行な方向に揃った結晶部を形成する方法である。
また、基板を加熱しながら成膜することにより、成膜した酸化物半導体膜に含まれる水素、水などの不純物の濃度を低減することができる。また、スパッタリングによる損傷が軽減されるため好ましい。また、酸化物半導体膜を、ALD(Atomic Layer Deposition)法、蒸着法、塗布法などで成膜してもよい。
なお、酸化物半導体膜として、CAAC−OS膜以外の結晶性を有する酸化物半導体膜(単結晶または微結晶)を成膜する場合には、成膜温度は特に限定されない。
また、酸化物半導体膜の加工方法としては、ウエットエッチング法、またはドライエッチング法により酸化物半導体膜のエッチングを行うことができる。ドライエッチング法のエッチングガスには、BCl、Cl、O等を用いることができる。エッチング速度の向上にはECR(Electron Cycrotron Resonance)やICP(Inductive Coupled Plasma)などの高密度プラズマ源を用いたドライエッチング装置を用いることができる。
また、酸化物半導体膜の形成後、酸化物半導体膜に対して、熱処理を行ってもよい。当該熱処理の温度は、300℃以上700℃以下、または基板の歪み点未満とする。当該熱処理を行うことで、酸化物半導体膜に含まれる過剰な水素、水などを除去することが可能である。なお、当該熱処理は、本明細書等において、脱水化処理(脱水素化処理)と記す場合がある。
当該熱処理は、例えば、抵抗発熱体などを用いた電気炉に被処理物を導入し、窒素雰囲気下、450℃、1時間の条件で行うことができる。この間、酸化物半導体膜は大気に触れさせず、水素、水などの混入が生じないようにする。
熱処理装置は、電気炉に限られず、加熱されたガスなどの媒体からの熱伝導、または熱輻射によって、被処理物を加熱する装置を用いてもよい。例えば、GRTA(Gas Rapid Thermal Annealing)装置、LRTA(Lamp Rapid Thermal Annealing)装置等のRTA(Rapid Thermal Annealing)装置を用いることができる。LRTA装置は、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、キセノンアークランプ、カーボンアークランプ、高圧ナトリウムランプ、高圧水銀ランプなどのランプから発する光(電磁波)の輻射により、被処理物を加熱する装置である。GRTA装置は、高温のガスを用いて熱処理を行う装置である。ガスとしては、アルゴンなどの希ガス、または窒素のような、熱処理によって被処理物と反応しない不活性気体が用いられる。
例えば、当該熱処理として、熱せられた不活性ガス雰囲気中に被処理物を投入し、数分間熱した後、当該不活性ガス雰囲気から被処理物を取り出すGRTA処理を行ってもよい。GRTA処理を用いると短時間での高温熱処理が可能となる。また、被処理物の耐熱温度を超える温度条件であっても適用が可能となる。なお、処理中に、不活性ガスを、酸素を含むガスに切り替えても良い。
なお、不活性ガス雰囲気としては、窒素、または希ガス(ヘリウム、ネオン、アルゴン等)を主成分とする雰囲気であって、水素、水などが含まれない雰囲気を適用するのが望ましい。例えば、熱処理装置に導入する窒素や、ヘリウム、ネオン、アルゴン等の希ガスの純度を、6N(99.9999%)以上、好ましくは7N(99.99999%)以上(すなわち、不純物の濃度が1ppm以下、好ましくは0.1ppm以下)とする。
また、上述の脱水化処理(脱水素化処理)を行うと、酸化物半導体膜を構成する主成分材料である酸素が同時に脱離して減少してしまうおそれがある。酸化物半導体膜において、酸素が脱離した箇所では酸素欠損が存在し、該酸素欠損に起因してトランジスタの電気的特性変動を招くドナー準位が生じてしまう。よって、脱水化処理(脱水素化処理)を行った場合、酸化物半導体膜中に、酸素を供給することが好ましい。酸化物半導体膜中に酸素を供給することにより、膜中の酸素欠損を補填することができる。
酸化物半導体膜中の酸素欠損を補填する方法の一例としては、酸化物半導体膜に対して脱水化処理(脱水素化処理)を行った後、同じ炉に高純度の酸素ガス、二窒化酸素ガス、又は超乾燥エア(CRDS(キャビティリングダウンレーザー分光法)方式の露点計を用いて測定した場合の水分量が20ppm(露点換算で−55℃)以下、好ましくは1ppm以下、より好ましくは10ppm以下の空気)を導入すればよい。酸素ガス、または二窒化酸素ガスに、水素、水などが含まれないことが好ましい。または、熱処理装置に導入する酸素ガス、または二窒化酸素ガスの純度を、6N(99.9999%)以上、好ましくは7N(99.99999%)以上(即ち、酸素ガスまたは二窒化酸素ガス中の不純物の濃度を1ppm以下、好ましくは0.1ppm以下)とすることが好ましい。
また、酸化物半導体膜中に酸素を供給する方法の一例としては、酸化物半導体膜に酸素(少なくとも、酸素ラジカル、酸素原子、酸素イオンのいずれかを含む)を添加することで、酸化物半導体膜中に酸素を供給してもよい。酸素の添加方法としては、イオン注入法、イオンドーピング法、プラズマ処理などを用いることができる。
また、酸化物半導体膜中に酸素を供給する方法の一例としては、下地絶縁膜、またはゲート絶縁膜等を加熱することにより、酸素の一部を脱離させ、酸化物半導体膜に酸素を供給してもよい。
上述のように、酸化物半導体膜の形成後において、脱水化処理(脱水素化処理)を行い酸化物半導体膜から、水素、水などを除去して不純物が極力含まれないように高純度化すると共に、脱水化処理(脱水素化処理)によって減少してしまった酸素を酸化物半導体に加える、または過剰な酸素を供給し酸化物半導体膜の酸素欠損を補填することが好ましい。また、酸化物半導体膜に酸素を供給する場合を、加酸素化処理、または過酸素化処理と記す場合がある。
このように、酸化物半導体膜は、脱水化処理(脱水素化処理)により、水素、水などが除去され、加酸素化処理により酸素欠損を補填することによって、電気的にi型(真性)化または実質的にi型化された酸化物半導体膜とすることができる。具体的には、酸化物半導体膜中の水素濃度は、5×1019atoms/cm以下、好ましくは5×1018atoms/cm以下、さらに好ましくは5×1017atoms/cm以下とする。なお、上述の酸化物半導体膜中の水素濃度は、二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectroscopy)で測定されるものである。
このように、水素濃度が十分に低減されて高純度化され、十分な酸素の供給により酸素欠乏に起因する禁制帯幅中の欠陥準位が低減された酸化物半導体膜では、ドナーに由来するキャリアが極めて少なく(ゼロに近い)、キャリア濃度が1×1012/cm未満、好ましくは1×1011/cm未満、さらに好ましくは、1.45×1010/cm未満となる。このような酸化物半導体膜を用いたトランジスタにおいて、例えば、室温(25℃)でのオフ電流(ここでは、単位チャネル幅(1μm)あたりの値)は、100zA(1zA(ゼプトアンペア)は1×10−21A)以下、好ましくは10zA以下、さらに好ましくは100yA(1yA(ヨクトアンペア)は1×10−24A)以下となる。このように、i型化または実質的にi型化された酸化物半導体を用いることで、極めて優れたオフ電流特性のトランジスタとすることができる。
<トランジスタの作製方法>
図3(B)に示すトランジスタ202の作製方法について図5を参照しつつ説明する。
まず、基板301上に下地絶縁膜(図示せず)を形成する。次に、下地絶縁膜上に、導電膜を形成した後、フォトリソグラフィ工程、及びエッチング工程によりゲート電極213を形成する。
基板301としては、アルミノシリケートガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラスなどのガラス材料を用いるとよい。
下地絶縁膜としては、例えば、酸化シリコン、酸化ガリウム、酸化アルミニウム、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化窒化アルミニウム、または窒化酸化シリコン等を用いることができる。上記下地絶縁膜は、CVD法またはスパッタリング法等により形成することができる。下地絶縁膜として、上述した窒化シリコン膜や酸化アルミニウム膜を用いることで、基板301からトランジスタ202中に拡散する不純物を防止することができる。なお、下地絶縁膜は必要に応じて設ければよい。
ゲート電極213としては、スパッタリング法等により、モリブデン、チタン、タンタル、タングステン、アルミニウム、銅、ネオジム、及びスカンジウム等の金属材料、または、これらの少なくとも一つを含む合金材料を用いて、単層、または積層して形成することができる。
その後、下地絶縁膜及びゲート電極213上にゲート絶縁膜306,307を形成する。
ゲート絶縁膜としては、例えば、酸化シリコン、酸化ガリウム、酸化アルミニウム、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化窒化アルミニウム、または窒化酸化シリコン等を用いることができる。また、ゲート絶縁膜108の膜厚としては、例えば、10nm以上500nm以下、好ましくは50nm以上300nm以下とすることができる。
また、ゲート絶縁膜は、のちに形成される酸化物半導体膜311と接する部分において酸素を含むことが好ましい。特に、ゲート絶縁膜は、膜中に少なくとも化学量論的組成比を超える量の酸素が存在することが好ましく、例えば、ゲート絶縁膜として、酸化シリコンを用いる場合には、SiO2+α(ただし、α>0)とすることが好ましい。本実施の形態では、ゲート絶縁膜として、SiO2+α(ただし、α>0)である酸化シリコンを用いる。この酸化シリコンをゲート絶縁膜として用いることで、のちに形成される酸化物半導体膜311に酸素を供給することができ、酸化物半導体膜311の電気特性を良好にすることができる。
また、ゲート絶縁膜のその他の材料としては、酸化ハフニウム、酸化イットリウム、ハフニウムシリケート(HfSi(x>0、y>0))、窒素が添加されたハフニウムシリケート(HfSiO(x>0、y>0))、ハフニウムアルミネート(HfAl(x>0、y>0))、酸化ランタンなどのhigh−k材料を用いることができる。このような材料を用いることでゲートリーク電流を低減できる。さらに、ゲート絶縁膜は、単層構造としても良いし、積層構造としても良い。
次に、ゲート絶縁膜306,307が形成された基板301に対して、加熱処理を行っても良い。
例えば、加熱処理としては、電気炉、もしくは抵抗発熱体などの発熱体からの熱伝導または熱輻射によって、被処理物を加熱する装置を用いることができ、<酸化物半導体膜の詳細な説明>の欄に記載した加熱処理装置を適宜用いることができる。なお、GRTA装置などに用いる高温のガスには、アルゴンなどの希ガス、または窒素のような、加熱処理によって被処理物と反応しない不活性気体が用いられる。また、高温のガスのその他の一例としては、酸素を用いてもよい。酸素を用いることにより、ゲート絶縁膜からの酸素の脱離を抑制、またはゲート絶縁膜へ酸素の供給を行うことができる。
加熱処理の処理温度としては、基板301として、マザーガラスを用いた場合、処理温度が高く、処理時間が長いと大幅に収縮するため、好ましくは、200℃以上450℃以下、さらに好ましくは、250℃以上350℃以下である。
なお、上記加熱処理を行うことで、ゲート絶縁膜306,307の膜中に含まれる水、水素などの不純物を除去することができる。また、当該加熱処理により、ゲート絶縁膜の膜中の欠陥密度を低減することができる。ゲート絶縁膜の膜中に含まれる水素、水などの不純物、または膜中の欠陥密度が低減することにより、トランジスタの信頼性が向上する。例えば、トランジスタの信頼性試験の一つである光負バイアスストレス試験におけるトランジスタの劣化を抑制させることができる。
また、上記加熱処理は、のちに形成される酸化物半導体膜311の成膜前処理として、行ってもよい。例えば、ゲート絶縁膜を形成した後、スパッタリング装置の予備加熱室にて、真空中で加熱処理を行った後、酸化物半導体膜311を形成してもよい。
また、上記加熱処理は、複数回行ってもよい。例えば、ゲート絶縁膜の形成後、電気炉等により窒素雰囲気中で加熱処理を行い、その後、スパッタリング装置の予備加熱室にて、真空中で加熱処理を行った後、酸化物半導体膜311を形成してもよい。
次に、ゲート絶縁膜306,307上に、酸化物半導体膜を成膜し、フォトリソグラフィ工程、及びエッチング工程を行い、素子分離された酸化物半導体膜311を形成する。
酸化物半導体膜311の詳細な内容及び作製方法等については、<酸化物半導体膜の詳細な説明>の欄に記載してあるため省略する。
次に、ゲート絶縁膜306,307及び酸化物半導体膜311の上に導電膜を形成し、当該導電膜にフォトリソグラフィ工程、及びエッチング工程を行い、酸化物半導体膜311に電気的に接続されたソース電極及びドレイン電極312a,312bを形成する。なお、この段階でトランジスタ202が形成される。
ソース電極及びドレイン電極312a,312bに用いる導電膜としては、例えば、Al、Cr、Cu、Ta、Ti、Mo、Wから選ばれた元素を含む金属膜、または上述した元素を成分とする金属窒化物膜(窒化チタン膜、窒化モリブデン膜、窒化タングステン膜)等を用いて、単層、または積層させて形成することができる。また、Al、Cuなどの金属膜の下側又は上側の一方または双方にTi、Mo、Wなどの高融点金属膜、またはそれらの金属窒化物膜(窒化チタン膜、窒化モリブデン膜、窒化タングステン膜)を積層させた構成としても良い。
次に、トランジスタ202上に、絶縁膜313,314及び平坦化膜315を形成する。
絶縁膜313,314としては、ゲート絶縁膜に用いた材料及び方法と、同様な材料及び方法により形成することができる。
平坦化膜315としては、例えば、ポリイミド、アクリル、ベンゾシクロブテン等の有機樹脂材料を用いることができる。平坦化膜により、トランジスタ202の凹凸を低減させることができる。
100 画像撮像装置
101 フォトセンサ
102 シンチレータ
103 X線源
104 X線
105 光
106 スペーサ
107 被検査物(被験者)
200 1画素
201 フォトダイオード
202,203,204 トランジスタ
205,206,207,208,209,210 配線
205a,205b,206a,206b 導電層
211 光検出領域
212 透明導電膜
213,214,215,216 導電層
217,218 配線
219 スペーサ
250 光検出領域
251 回路領域
301 基板
302 端子電極
303 透明導電膜
304 異方性導電膜
305 TCP
306,307 絶縁膜
308,309,310 半導体膜
311 酸化物半導体膜
312a,312b 導電層
313,314 絶縁膜
315 平坦化膜
316 絶縁膜
317 透明導電膜
318 接着層
319 シンチレータ
320 シンチレータ保護層
321 シール材
322 球状スペーサ
500,501,502 隔壁
1200 画像撮像装置
1201 基板
1202 シンチレータ
1203 画素領域
1204 TCP
1205 駆動IC
1220 画像撮像装置
1221 基板
1222 シンチレータ
1223 画素領域
1224 FPC
1225 駆動IC
1240 画像撮像装置
1241 基板
1242 シンチレータ
1243 画素領域
1244 FPC
1245 駆動IC
1246 TCP
1247a,1247b 走査駆動回路
1254,1255a,1255b スペーサ
1300 画像撮像装置
1301 基板
1302 シンチレータ
1303 画素領域
1304 TCP
1305 駆動IC
1306 シール材
1307 スペーサ
3001,3002,3003,3004,3005 信号

Claims (10)

  1. X線を光に変換するシンチレータと、
    前記シンチレータで変換された光が入射されるフォトセンサと、
    前記シンチレータと前記フォトセンサとの間に配置されたスペーサと、
    を具備し、
    前記フォトセンサは、基板上に形成された複数の画素を有し、
    前記複数の画素それぞれは、平坦化膜、フォトダイオード、第1のトランジスタ、第2のトランジスタ及び第3のトランジスタを有し、
    前記基板上には前記フォトダイオード、前記第1のトランジスタ、前記第2のトランジスタ及び前記第3のトランジスタが形成されており、
    前記第1のトランジスタ、前記第2のトランジスタ及び前記第3のトランジスタの上には前記平坦化膜が形成されており、
    前記平坦化膜上には前記スペーサが形成されており、
    前記スペーサ上には前記シンチレータが形成されていることを特徴とする画像撮像装置。
  2. 請求項において、
    前記第1のトランジスタのソース電極またはドレイン電極の一方は、前記フォトダイオードの一方の電極に電気的に接続され、
    前記第1のトランジスタは、酸化物半導体膜をチャネル形成領域に用いた薄膜トランジスタで形成されることを特徴とする画像撮像装置。
  3. 請求項において、
    前記第1のトランジスタのソース電極またはドレイン電極の他方は、前記第2のトランジスタのゲート電極に電気的に接続され、
    前記第2のトランジスタは、酸化物半導体膜をチャネル形成領域に用いた薄膜トランジスタで形成されることを特徴とする画像撮像装置。
  4. 請求項において、
    前記第2のトランジスタのソース電極またはドレイン電極の一方は、前記第3のトランジスタのソース電極またはドレイン電極の一方に電気的に接続され、
    前記第3のトランジスタは、酸化物半導体膜をチャネル形成領域に用いた薄膜トランジスタで形成されることを特徴とする画像撮像装置。
  5. 請求項乃至のいずれか一項において、
    前記スペーサは、1つまたは2つの前記画素につき1つ配置されていることを特徴とする画像撮像装置。
  6. 請求項乃至のいずれか一項において、
    前記複数の画素は画素領域に形成されており、
    前記スペーサは、前記画素領域内及び前記画素領域外の少なくとも一方に形成されていることを特徴とする画像撮像装置。
  7. 請求項乃至のいずれか一項において、
    前記スペーサは、前記フォトダイオードそれぞれを、完全にまたは部分的に囲むように形成されていることを特徴とする画像撮像装置。
  8. 請求項乃至のいずれか一項において、
    前記酸化物半導体膜は、インジウム、亜鉛、ガリウム、及びスズから選ばれた一種以上の元素の酸化物を含む膜であることを特徴とする画像撮像装置。
  9. 請求項乃至及び請求項のいずれか一項において、
    前記酸化物半導体膜は、結晶部を含み、
    前記結晶部は、c軸が前記酸化物半導体膜の被形成面の法線ベクトルに平行な方向に揃うことを特徴とする画像撮像装置。
  10. 請求項1乃至のいずれか一項において、
    前記シンチレータと前記フォトセンサとの間隔は、0.1μm以上10μm以下であることを特徴とする画像撮像装置。
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